JP4991145B2 - 圧電アクチュエータの検査方法 - Google Patents

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Description

本発明は、圧電アクチュエータおよびその検査方法、並びに液体吐出装置に関し、詳しくは、例えば燃料噴射用インジェクタ、インクジェットプリンタ等に適し、特に広がり振動、伸び振動、厚みたて振動を利用した印刷ヘッド等の液体吐出装置として好適に用いることができる圧電アクチュエータおよびその検査方法、並びに液体吐出装置に関する。
従来から、圧電セラミックスを利用した製品として、例えば圧電アクチュエータ、フィルタ、圧電共振子(発振子を含む)、超音波振動子、超音波モーター、圧電センサ等がある。これらの中で、圧電アクチュエータは、電気信号に対する応答速度が10-6秒台と非常に高速なので、半導体製造装置のXYステージの位置決め用や、インクジェットプリンタの印刷ヘッド(液体吐出装置)等に応用されている。特に、最近のカラープリンタの高速化、低価格化により、インクジェットプリンタ等のインク吐出用圧電アクチュエータへの使用要求が高まっている。
このような圧電アクチュエータとして、例えば特許文献1には、セラミック基板の表面に、圧電セラミック層(圧電体層)と該圧電体層を挟持する一対の電極とを具備する変位素子が複数設けられてなる圧電アクチュエータが記載されている。そして、前記セラミック基板として圧電体、すなわち圧電セラミックスからなる圧電振動板を用い、このアクチュエータを印刷ヘッド(液体吐出装置)に用いている。
図5は、特許文献1に記載されているような圧電アクチュエータを備えた、従来の液体吐出装置を示す概略断面図である。同図に示すように、この液体吐出装置70は、複数の液体流路53aが並設され、各液体流路53aを仕切る壁として隔壁53bを形成した流路部材53の上に、圧電アクチュエータ61が設けられた構造を有する。
圧電アクチュエータ61は、圧電振動板62の表面上に、圧電体層65と該圧電体層65を挟持する一対の電極(内部電極64,表面電極66)とを具備する変位素子67が複数設けられてなる。この圧電アクチュエータ61は、流路部材53上に、液体流路53aと表面電極66との位置を揃えて取り付けられている。
各液体流路53aには、流路部材53に備えられた共通の液体供給流路(図示せず)が接続されており、外部からの液体がこの液体供給流路から各液体流路53a内に供給され、充填されている。そして、液体が吐出されると、吐出した量の液体が前記供給流路を介して各流路53a内に流れ込むように構成されている。このため、各液体流路53aの上方に位置する圧電振動板62の裏面は、液体流路53aに流れる液体と接触した状態となる。
液体吐出装置70は、表面電極66と内部電極64との間に駆動電圧を印加して変位素子67を変位させることにより、液体流路53aの体積を変化させ、流路53a内の液体を加圧し、流路部材53の底面に開口させた液体吐出孔58より液体を吐出する。
しかしながら、圧電振動板62が液体と接した状態で長期にわたり所定の駆動電圧を繰返し印加すると、内部電極64と圧電振動板62とが剥離し、駆動耐久性が低下するという問題があった。この問題は、厚みが100μm以下の圧電アクチュエータにおいて、顕著に発生する。
特開2004−165650号公報
本発明の主たる課題は、駆動耐久性に優れた圧電アクチュエータを提供することである。
本発明の他の課題は、駆動耐久性に優れた圧電アクチュエータを選別できる検査方法を提供することである。
本発明のさらに他の課題は、駆動耐久性に優れた液体吐出装置を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、内部電極をグランド電極とし、圧電セラミックスからなる圧電振動板の裏面を液体と接触させ、該液体に所定の電圧を印加したとき、前記液体と前記グランド電極との間の絶縁抵抗値が特定の値以上であるとともに、前記液体と前記グランド電極との間に流れる電流値が特定の値以下である場合には、内部電極と圧電振動板との剥離を抑制でき、その結果、駆動耐久性に優れた圧電アクチュエータが得られるという新たな知見を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の圧電アクチュエータは、以下の構成からなる。
(1)圧電セラミックスからなる圧電振動板の表面上に内部電極および圧電体層がこの順に積層され、さらに前記圧電体層の表面に複数の表面電極を配列して表面電極ごとに変位素子を形成し、前記表面電極のそれぞれに独立して駆動電圧を印加することにより前記変位素子を変位させるようにした圧電アクチュエータであって、前記内部電極をグランド電極とし、前記圧電振動板の裏面を液体と接触させ、該液体に0.5〜60Vの電圧を印加したとき、前記液体と前記グランド電極との間の絶縁抵抗値が100MΩ以上であるとともに、前記液体と前記グランド電極との間に流れる電流値が0.01μA以下であることを特徴とする圧電アクチュエータ。
(2)厚さが100μm以下である前記(1)記載の圧電アクチュエータ。
(3)前記液体がインクである前記(1)または(2)記載の圧電アクチュエータ。
(4)前記圧電振動板の厚みが5〜50μmである前記(1)〜(3)のいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
本発明の圧電アクチュエータの検査方法は、圧電セラミックスからなる圧電振動板の表面上に内部電極および圧電体層がこの順に積層され、さらに前記圧電体層の表面に複数の表面電極を配列して表面電極ごとに変位素子を形成し、前記表面電極のそれぞれに独立して駆動電圧を印加することにより前記変位素子を変位させるようにした圧電アクチュエータの検査方法であって、前記内部電極をグランド電極とし、前記圧電振動板の裏面を液体と接触させ、該液体に電圧を印加したとき、前記液体とグランド電極との間に流れる電流値を測定することを特徴とする。
前記圧電アクチュエータの厚さが100μm以下であると、前記剥離の問題が顕著に発生するので、本発明の検査方法の有用性がより向上する。また、前記電圧が0.5〜60VのDC電圧であり、前記電流値が0.01μA以下である場合に良品と判定するのが好ましい。
本発明の液体吐出装置は、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の圧電アクチュエータを、液体吐出孔を有する複数の液体流路が配列された流路部材上に、前記圧電振動板の裏面が前記液体流路に流れる液体と接するように取り付けてなり、前記圧電アクチュエータの表面電極に駆動電圧を印加して変位素子を変位させることによって前記液体流路の体積を変化させ、前記液体流路に流れる液体を前記液体吐出孔から吐出させるようにしたことを特徴とする。
本発明の液体吐出装置を駆動耐久性に優れた印刷ヘッドとして適用する上で、前記液体がインクであり、該インクを前記液体吐出孔から吐出させ、該液体吐出孔に対向して配置された被表示部材の表面に文字または絵を表示させるのが好ましい。
本発明によれば、内部電極をグランド電極とし、圧電セラミックスからなる圧電振動板の裏面を液体と接触させ、該液体に所定の電圧を印加したとき、前記液体と前記グランド電極との間の絶縁抵抗値が特定の値以上であるとともに、前記液体と前記グランド電極との間に流れる電流値が特定の値以下であるので、圧電振動板が液体と接した状態で長期にわたり所定の駆動電圧を繰返し印加することによる内部電極と圧電振動板との剥離を抑制でき、その結果、駆動耐久性に優れた圧電アクチュエータが得られるという効果がある。また、駆動耐久性に優れた圧電アクチュエータを選別することができる。
<圧電アクチュエータ>
以下、本発明の圧電アクチュエータの一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態の圧電アクチュエータを示す概略断面図である。図2は、本実施形態にかかる液体とグランド電極との間に流れる電流値を説明するための概略説明図である。
図1に示すように、本実施形態の圧電アクチュエータ1は、圧電振動板2、内部電極3、圧電体層4および表面電極5で構成されており、圧電振動板2の表面上に、内部電極3、圧電体層4および表面電極5をこの順に積層したものである。また、圧電振動板2および圧電体層4は、シート状の部材で構成されており、平面視でほぼ同形状・同サイズに形成されている。
内部電極3および表面電極5は、圧電アクチュエータ1の電極を構成するものであり、表面電極5は、圧電体層4の表面に複数形成されている。これにより、内部電極3および表面電極5で圧電体層4を挟持して構成される変位素子6が、圧電振動板2の表面上に複数配列された構成となる。
圧電アクチュエータ1(変位素子6)の変位に必要な分極方法は、特に限定されるものではなく、要求される変位形態に対応した分極を施せばよいが、特に圧電アクチュエータ1を後述するユニモルフ型のアクチュエータとする上で、少なくとも内部電極3と表面電極5で挟持された圧電体層4の部分が積層方向に分極されているのが好ましい。
そして、表面電極5に外部配線基板が接続され、電極(表面電極5,共通電極3)間に電圧が印加されると、該電圧が印加された表面電極5と内部電極3に挟持された部位の圧電体層4が変位する。具体的には、表面電極5に駆動電極を印加すると、圧電振動板2により面方向(積層方向と直交する方向)の変位が抑制されるので、変位素子6は積層方向に屈曲する、すなわち圧電アクチュエータ1はユニモルフ型のアクチュエータとして動作する。
圧電アクチュエータ1の厚さは、特に限定されるものではないが、100μm以下、好ましくは80μm以下、より好ましくは65μm以下、さらに好ましくは50μm以下であるのがよい。これにより、大きな変位を得ることができるので、低電圧で高効率の駆動を実現できる。
上述の通り、圧電振動板が液体と接した状態で所定の駆動電圧を繰返し印加すると、内部電極と圧電振動板とが剥離し、駆動耐久性が低下するという問題があり、この問題は、厚みが100μm以下の圧電アクチュエータにおいて顕著であるが、本実施形態にかかる圧電アクチュエータ1は、下記で説明する通り、前記剥離の問題を抑制することができるので、圧電アクチュエータ1の厚さを100μm以下とし、大きな変位を得ることが可能となる。
圧電アクチュエータ1の厚さの下限値は、十分な機械的強度を有し、取扱いおよび作動中の破壊を防止する上で3μm、好ましくは5μm、より好ましくは10μm、さらに好ましくは20μmであるのがよい。
ここで、圧電アクチュエータ1は、図2に示すように、内部電極3をグランド電極とし、圧電振動板2の裏面を液体10と接触させ、該液体10に0.5〜60Vの電圧を印加したとき、液体10とグランド電極との間に流れる電流値が0.01μA以下である。これにより、圧電振動板2が液体と接した状態で所定の駆動電圧を繰返し印加することによる内部電極3と圧電振動板2との剥離を抑制することができる。
前記電圧は、変位素子6を変位させる駆動電圧に相当する電圧であり、繰返し印加する前記所定の駆動電圧とは0.5〜60Vの電圧を意味する。この範囲の電圧を表面電極5に印加すると、変位素子6が所定の変位量で変位することができる。これに対し、前記電圧が0.5Vより小さいと、変位が小さくなるおそれがあり、60Vを超えると、必要以上に電圧を印加することになり、その結果、前記電流値が0.01μAを超えるおそれがある。前記電流値が0.01μAを超えると、前記状態で所定の駆動電圧を繰返し印加した際には、内部電極3と圧電振動板2とが剥離する。前記電流値は、電流測定装置で測定して得られる値であり、該装置としては、例えば後述するAgilent Technology社製の「ハイレジスタンスメータ」等が挙げられる。
液体10とグランド電極との間の絶縁抵抗値は100MΩ以上、好ましくは1000MΩ以上、より好ましくは4000MΩ以上であるのがよい。これにより、液体10に前記電圧を印加したとき、前記電流値が所定の値以下となる。これに対し、前記絶縁抵抗値が100MΩより小さいと、前記電流値が所定の値を超えるおそれがあるので好ましくない。
前記絶縁抵抗値の限値としては50000MΩ以下、好ましくは40000MΩ以下であるのがよい。前記絶縁抵抗値が50000MΩを超えると、必要以上に絶縁性を高めることになるので好ましくない。前記絶縁抵抗値は、絶縁抵抗測定装置で測定して得られる値であり、該装置としては、例えば後述するAgilent Technology社製の「ハイレジスタンスメータ」等が挙げられる。
前記剥離を抑制することができる理由としては、下記のような理由が推察される。すなわち、圧電セラミックスからなる圧電振動板2が液体10と接した状態で所定の駆動電圧を繰返し印加すると、液体10がプラスに帯電する。これは、圧電セラミックスは絶縁性が低く、しかも、圧電振動板2として駆動させると、内部電極3と液体10との間で電位差が発生し、その結果、液体10がプラスに帯電するものと推察される。
液体10がプラスに帯電すると、圧電振動板2内を液体10から内部電極3に向かって電流が流れる(電流の流れる方向を矢印Aで示す)。そして、圧電振動板2と内部電極3との境界部において電気分解反応が発生し、その結果、内部電極3と圧電振動板2とが剥離するものと推察される。そこで、上記した通り、内部電極3をグランド電極とし、圧電振動板2の裏面を液体10と接触させ、該液体10に所定電圧を印加したとき、液体10とグランド電極との間に流れる電流値を特定の値以下とすることにより、前記剥離を抑制できることを見出した。
ここで、圧電振動板2の裏面と液体10との接触は、液体10とグランド電極との間に流れる電流値を測定できる面積で接触していればよく、前記面積の範囲内であれば、液体10とグランド電極10との接触は、前記裏面の一部分であってもよく、裏面全面であってもよい。また、液体10は、特に限定されるものではなく、例えば水、インク、液状樹脂等が挙げられるが、圧電アクチュエータ1を後述するインクジェット記録ヘッド等の液体吐出装置に適用する上で、インクであるのが好ましい。該インクとしては、例えば水性染料インク、水性顔料インク、紫外線硬化性のUVインク等が挙げられる。
(圧電体層)
圧電体層4としては、圧電性を示すセラミックス(圧電セラミックス)を用いることができ、具体的には、例えばBi層状化合物(層状ペロブスカイト型化合物)、タングステンブロンズ型化合物、Nb系ペロブスカイト型化合物[Nb酸ナトリウムなどのNb酸アルカリ化合物(NAC)、Nb酸バリウムなどのNb酸アルカリ土類化合物(NAEC)]、マグネシウムニオブ酸鉛(PMN系)、ニッケルニオブ酸鉛(PNN系)、Pbを含有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸鉛等のペロブスカイト型化合物を含有する物質等が例示できる。
上記のうち、少なくともPbを含むペロブスカイト型化合物であるのが好ましい。例えば、マグネシウムニオブ酸鉛(PMN系)、ニッケルニオブ酸鉛(PNN系)、Pbを含有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)やチタン酸鉛等を含有する物質が好ましい。特に、Aサイト構成元素としてPbを含有し、かつBサイト構成元素としてZrおよびTiを含有する結晶であるのがよい。このような組成にすることで、高い圧電定数を有する圧電体層が得られる。これら中でもチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)やチタン酸鉛が、大きな変位を付加する上で好適である。ペロブスカイト型結晶の一例として、PbZrTiO3を好適に使用できる。
また、圧電セラミックスには、他の酸化物を混合してもよく、さらに、特性に悪影響がない範囲であれば、副成分としてAサイトおよび/またはBサイトに他元素が置換していてもよい。例えば、副成分としてZn、Sb、NiおよびTeを添加したPb(Zn1/3Sb2/3)O3およびPb(Ni1/2Te1/2)O3の固溶体であってもよい。
圧電体層4の厚みは5〜50μm程度、好ましくは10〜30μm程度であるのがよい。これにより、変位素子6が高い変位を示すことができる。これに対し、前記厚みが5μmより薄いと、機械的強度が低下し、取扱いおよび作動中に破壊するおそれがあり、50μmより厚いと、変位が低下するおそれがあるので好ましくない。
(圧電振動板)
圧電振動板2は圧電セラミックスからなり、上記した圧電体層4と略同一の材料であるのがよい。これにより、圧電振動板2と圧電体層4とを同時焼成する際において、圧電アクチュエータ1内の焼成収縮を均等にすることができ、反り変形を抑制することができる。
また、圧電振動板2は、液体10とグランド電極との間に流れる電流値を所定の値以下とする上で絶縁性の高いものが好ましく、具体的には、絶縁体を含有するのが好ましい。該絶縁体としては、例えばZrO2、Al23、MgO、Mg2Al25、SiC、Si34等が挙げられる。
前記絶縁体の含有量としては、液体10に前記電圧を印加したとき、前記電流値が所定の値以下であり、前記絶縁抵抗値が所定の値以上となる割合で含有するのが好ましく、具体的には圧電振動板総重量に対して1質量%、好ましくは20質量%であるのがよい。さらに、圧電アクチュエータ1をインクジェット記録ヘッド等の液体吐出装置に適用する場合には、使用するインクに対する耐腐食性や耐水性等の耐インク性に優れた材料であるのがよい。
圧電振動板2の厚みは5〜50μm、好ましくは10〜30μm程度であるのがよい。これにより、圧電アクチュエータ1をユニモルフ型にすることができる。これに対し、前記厚みが5μmより薄いと、液体10に前記電圧を印加したとき、前記電流値が所定の値を超えるおそれがあり、50μmより厚いと、変位が低下するおそれがあるので好ましくない。
(内部電極)
内部電極3としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えばAu、Ag、Pd、Pt、Cu、Alやそれらの合金等を用いることができる。具体的には、例えばAg−Pd合金が例示できる。また、内部電極3の厚さは、導電性を有しかつ変位を妨げない程度である必要があり、通常0.5〜5μm程度、好ましくは1〜4μmであるのがよい。
(表面電極)
表面電極5としては、上記した内部電極3と同様に導電性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えばAu、Ag、Pd、Pt、Cu、Alやそれらの合金等を用いることができる。また、表面電極5の厚さは、導電性を有しかつ変位を妨げない程度である必要があり、例えば0.1〜2μm程度、好ましくは0.1〜0.5μm、より好ましくは0.1〜0.3μmであるのがよい。
<製造方法>
次に、上記で説明した圧電アクチュエータ1の製造方法について説明する。
(第1の工程)
まず、圧電体層4および圧電振動板2の原料となる圧電セラミックス原料粉末を準備する。この圧電セラミックス原料粉末の平均粒子径は1μm以下であることが望ましく、特に0.7μm以下、更には0.6μm以下であるのがよい。圧電セラミックス原料粉末の平均粒子径を1μm以下にすることにより、焼結時において、均一な焼成収縮が得られ、均質な圧電体層4および圧電振動板2を得ることができる。この圧電セラミックス原料粉末と有機バインダ成分を混合し、シート成形用のスラリーを調製する。ついで、この成形用スラリーを用いてロールコータ法、スリットコータ法、ドクターブレード法等の一般的なシート成形法によりセラミックグリーンシートを必要枚数作製する。
ここで、液体10に前記電圧を印加したとき、液体10とグランド電極との間に流れる電流値を所定の値以下とする上で、圧電振動板2の成形用スラリーには、絶縁体を含有させるのが好ましい。具体的には、前記で例示した絶縁体を圧電セラミックス原料粉末および有機バインダ成分と共に混合し、シート成形用のスラリーを調製すればよい。また、焼成により圧電振動板2となるセラミックグリーンシートの厚さを調整して、前記電流値を所定の値以下としてもよい。この場合には、圧電振動板2の厚みが前記で例示した5〜50μmとなる範囲内で、該セラミックグリーンシートの厚さを調整するのが好ましい。
ついで、上記で得られたセラミックグリーンシートを、必要に応じて加圧する。シート成形後にセラミックグリーンシートの加圧処理を行うことで、シートの密度を高め、高さばらつきや、密度ばらつきを低減することができる。加圧方法としては、公知の手法を採用することができるが、均一な高さにすることが容易である点で、ロール加圧法、平面加圧法、静水圧加圧法等を用いるのが好ましい。また、加圧する際の圧力は、材料組成、有機バインダ量、グリーンシート高さ等によって異なるが、通常10〜100MPa、好ましくは20〜50MPa、より好ましくは30〜40MPaの圧力で加圧するのがよい。また、加圧によって得られた各グリーンシートの高さばらつきは15%以下、特に10%以下にすると、焼成後に形成される圧電体層4および振動板2の高さばらつきが低減されると共に、反り変形を防止することができる。
(第2の工程)
次に、上記内部電極で例示した電極材料を含有する内部電極ペーストを作製する。この内部電極ペーストには、電極材料(Au、Agなど)の他、エチルセルロースなどの有機ビヒクルなどの成分が含まれる。そして、上記で作製したセラミックグリーンシートのうち、焼成により圧電振動板2となるグリーンシートの一方の表面に、内部電極3用の電極ペーストをスクリーン印刷等の方法で印刷する。この場合の厚さは1〜3μm、ばらつき(最大値と最小値との差)は0.5〜1μmになるように調整することが望ましい。また、必要に応じてグリーンシートの一部にビアホールを形成し、その内部にビア導体を挿入してもよい。
(第3の工程)
第1の工程および第2の工程で作製したセラミックグリーンシートを積層し、密着させて積層体を作製する。なお、密着を行う手法としては、接着成分の含まれた密着液を使用する方法、加熱によりグリーンシート中の有機バインダ成分に接着性を持たせて密着する方法、加圧のみで密着させる方法等が例示できる。
(第4の工程)
第3の工程で得られた積層体は、必要に応じて脱脂処理して積層体中の有機成分の除去を行った後、(高濃度)酸素雰囲気中において、900〜1200℃において焼成して積層焼結体を得る。なお、第4の工程(焼成工程)においては、第3の工程で得られた積層体をジルコニアもしくはマグネシアからなる試料台板を介して複数段積みにし、さらに、この段積みされた積層体上に重しを置いて焼成することが望ましい。このような方法を採用することにより、積層焼結体の反り変形が抑制され、厚さ100μm以下の薄層の焼結体からなる圧電アクチュエータを提供できる。
(第5の工程)
次に、上記表面電極で例示した電極材料を含有する表面電極ペーストを作製し、該ペーストを用いて、第4の工程で得られた積層焼結体の表面に表面電極パターンをスクリーン印刷等の方法で印刷する。そして、500〜800℃、好ましくは650〜800℃で焼き付け処理を行うことにより、表面電極5が形成される。そして、圧電体層4を分極して積層圧電体である圧電アクチュエータ1が得られる。
<検査方法>
次に、本発明にかかる圧電アクチュエータの検査方法の一実施形態について、上記で説明した圧電アクチュエータ1を用いて説明する。この検査方法は、図2に示すように、内部電極3をグランド電極とし、圧電振動板2の裏面を液体10と接触させ、該液体10に電圧を印加したとき、液体10とグランド電極との間に流れる電流値を測定する。これにより、駆動耐久性に優れた圧電アクチュエータ1を選別することができる。
具体的には、前記電圧が0.5〜60VのDC電圧であり、前記電流値が0.01μA以下であるのが好ましい。このような範囲の電圧を印加した際に、前記電流値が0.01μA以下である圧電アクチュエータは、圧電振動板が液体と接した状態で所定の駆動電圧を繰返し印加しても、内部電極と圧電振動板が剥離しにくい、すなわち駆動耐久性に優れた圧電アクチュエータ1である。これに対し、前記電圧を印加した際に、前記電流値が0.01μAを超える圧電アクチュエータは、駆動耐久性が低い。このようにして、駆動耐久性に優れた圧電アクチュエータ1を選別することが可能となる。
圧電アクチュエータの厚さは、前記剥離の問題が顕著に発生する100μm以下であるのが好ましい。
<液体吐出装置>
本発明の圧電アクチュエータは、上記で説明したように、一基板(圧電振動板)上に複数の変位素子を備えているので、インクジェット記録ヘッド等の液体吐出装置に好適に用いることができる。以下、本発明の圧電アクチュエータを備えた液体吐出装置の一実施形態について説明する。図3は、本実施形態の液体吐出装置を示す概略断面図である。なお、図3においては、前述した図1および図2の構成と同一または同等な部分には同一の符号を付して説明は省略する。
図3に示すように、この液体吐出装置20は、液体吐出孔18を有する複数の液体流路16aが並設され、各液体流路16aを仕切る壁として隔壁16bを形成した流路部材16上に上記で説明した圧電アクチュエータ1が接合されている。また、圧電振動板2が各液体流路16aの壁の一部を構成している。
上記のように構成された液体流路16aには、流路部材16に備えられた共通の液体供給流路(図示せず)が接続されており、外部からの液体がこの液体供給流路から各液体流路16a内に供給され、充填されている。そして、液体が吐出されると、吐出した量の液体が前記供給流路を介して各流路16a内に流れ込むように構成されている。したがって、圧電アクチュエータ1は流路部材16上に、各液体流路16aの上方に位置する圧電振動板2の裏面が液体流路16aに流れる液体と接するように取り付けられている。
流路部材16は圧延法等により得られ、液体吐出孔18および液体流路16aはエッチング等により所定の形状に加工されて設けられる。この流路部材16は、Fe―Cr系、Fe−Ni系、WC−TiC系の群から選ばれる少なくとも1種によって形成されていることが望ましく、特にインクに対する耐食性の優れた材質からなることが望ましく、Fe−Cr系がより好ましい。
流路部材16と圧電アクチュエータ1との接合は、圧電振動板2が液体流路16aの空間と当接するように、例えば接着層を介して積層接着するのが好ましく、具体的には、変位素子6の各表面電極5と、各液体流路16aとが対応するように接合される。
前記接着層としては、各種の公知のものが採用可能であるが、圧電アクチュエータ1や流路部材16への熱による影響を及ぼさない上で、熱硬化温度が100〜150℃のエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂の群から選ばれる少なくとも1種の熱硬化性樹脂系の接着剤を用いるのがよい。このような接着層を用いて熱硬化温度にまで加熱することによって、圧電アクチュエータ1と流路部材16とを加熱接合することができ、液体吐出装置20を得ることができる。
そして、圧電アクチュエータ1における複数の表面電極5のうち、所定の表面電極5に駆動電圧を印加し、所定の変位素子6を変位させることによって、液体流路16aの体積を変化させ、液体流路16aに流れる液体を液体吐出孔18から吐出させることができる。ここで、上述の通り、圧電アクチュエータ1は駆動耐久性に優れるので、該圧電アクチュエータ1を備えた液体吐出装置20も、駆動耐久性に優れたものとなる。
また、上記したような構成の液体吐出装置20は、高速で高精度な吐出が可能であり、インクジェット記録ヘッド(印刷ヘッド)として好適に適用することができる。すなわち、前記液体がインクであり、該インクを液体吐出孔18から吐出させ、該液体吐出孔18に対向して配置された被表示部材(図示せず)の表面に文字または絵を表示させるのが好ましい。
以上、本発明の一実施形態について示したが、本発明は上述した実施形態のみに限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更や改良したものにも適用できることは言うまでもない。例えば、上記の実施形態では、圧電振動板2および圧電体層4が、いずれも1層で構成されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、圧電振動板および/または圧電体層が複数層で構成されていてもよい。この場合には、圧電アクチュエータの厚みを簡単に調整することができる。
また、上記で説明した通り、圧電振動板2は圧電体層4と略同一の材料であるのが好ましいが、圧電振動板2および圧電体層4の組成は完全に一致している必要はなく、本発明の効果、すなわち駆動耐久性に優れた圧電アクチュエータとすることができる範囲内で、その組成が異なっていてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例]
<圧電アクチュエータの製造>
図1に示したような構成の圧電アクチュエータを製造した。具体的には、まず、圧電セラミックス粉末(PbZrTiO3系粉末、平均粒径0.5μm)に、有機バインダ成分および有機溶剤を加え、混合してシート成形用のスラリーを調製した。このスラリーを用いて、ロールコータ法にて圧電体層用グリーンシートを厚さ40μmで調製した。
ついで、絶縁体(ZrO2)を、表1〜表3に示す所定の印加電圧において、所定の電流値および絶縁抵抗値となる割合で前記圧電セラミック粉末に加えた以外は、上記圧電体層用グリーンシートと同様にしてスラリーを調製した。ついで、このスラリーを用いて、ロールコータ法にて、焼成後の厚みが表1〜表3に示す厚みとなる厚みで圧電振動板用グリーンシートを調製した。
さらに、Ag−Pd粉末を、混合比が質量比でAg:Pd=7:3となるように配合し、有機粘結剤と溶媒とを所定量混合して内部電極ペーストを調製した。この内部電極ペーストを圧電振動板用グリーンシートに塗布し、内部電極ペーストを塗布した面上に圧電体層用グリーンシートを積層し、熱圧着して積層体を形成した。この積層体を所定形状に切断し、酸素雰囲気中において、1000℃で2時間の焼成を行い、積層焼結体を調製した。
この積層焼結体の圧電体層側の表面に、Auを主成分とする表面電極ペーストをスクリーン印刷し、750℃で焼付けを行って表面電極を形成し、各圧電アクチュエータを調製した(表1〜表3中の試料No.1〜12)。
なお、各圧電アクチュエータの厚みは、100μm以下であった。
表1中の電流値および絶縁抵抗値は、以下の方法で測定した。その測定結果を、表1に併せて示す。
(電流値および絶縁抵抗値の測定方法)
各圧電アクチュエータを図2に示す状態にした。すなわち、液体としてインク(水性染料インク)を用い、内部電極をグランド電極とし、圧電振動板の裏面を液体(インク)と接触させた状態で、液体(インク)に表1〜表3に示す所定の印加電圧を印加した際に、液体(インク)とグランド電極との間に流れる電流値および絶縁抵抗値を測定した。
ここで、電流値および絶縁抵抗値の測定装置には、所定の電圧を印加でき、電流値を測定する機能と絶縁抵抗値を測定する機能を併せ持つ、Agilent Technology社製の「ハイレジスタンスメータ」を用いた。具体的には、まず、該測定装置が有する2つの端子のうち、一方の端子を液体(インク)に挿入し、他方の端子を圧電振動板の側面に当接させた状態で液体(インク)に所定の電圧を印加し、端子間の電位差から電流値および絶縁抵抗値を測定した。
<圧電アクチュエータの評価>
上記で得られた各圧電アクチュエータについて、内部電極と圧電振動板との剥離の発生の有無を評価した。評価方法を以下に示すと共に、その結果を表1〜表3に示す。
(評価方法)
各圧電アクチュエータを図2に示す状態にした。すなわち、液体としてインク(水性染料インク)を用い、内部電極をグランド電極とし、圧電振動板の裏面を液体(インク)と接触させ、該液体(インク)に表1〜表3に示す印加電圧を600秒印加し、内部電極と圧電振動板との剥離の発生の有無を目視観察により評価した(直流、連続10分通電試験)。なお、評価基準は以下のように設定した。
評価基準
○:剥離しない
×:剥離した
Figure 0004991145
Figure 0004991145
Figure 0004991145
電流値と印加電圧との関係を図4に示した。表1〜表3および図4から明らかなように、本発明の範囲内である試料No.1,7〜10は、圧電振動板が液体(インク)と接した状態で所定の駆動電圧を繰返し印加しても、内部電極と圧電振動板との剥離を抑制できているのがわかる。これに対し、本発明の範囲外である試料No.2〜6,11,12は、内部電極と圧電振動板との剥離が発生した。
本発明の一実施形態にかかる圧電アクチュエータを示す概略断面図である。 本発明の一実施形態にかかる液体とグランド電極との間に流れる電流値を説明するための概略説明図である。 本発明の一実施形態にかかる液体吐出装置を示す概略断面図である。 実施例における電流値と印加電圧との関係を示すグラフである。 従来の液体吐出装置を示す概略断面図である。
符号の説明
1 圧電アクチュエータ
2 圧電振動板
3 内部電極
4 圧電体層
5 表面電極
6 変位素子
16 流路部材
16a 液体流路
16b 隔壁
18 液体吐出孔
20 液体吐出装置

Claims (2)

  1. 圧電セラミックスからなる厚さ5〜50μmの圧電振動板の表面上に内部電極および圧電体層がこの順に積層され、さらに前記圧電体層の表面に複数の表面電極を配列して表面電極ごとに変位素子を形成し、前記表面電極のそれぞれに独立して駆動電圧を印加することにより前記変位素子を変位させるようにした圧電アクチュエータの検査方法であって、
    前記内部電極をグランド電極とし、前記圧電振動板の裏面を液体と接触させ、該液体に電圧を印加したとき、前記液体とグランド電極との間に流れる電流値を測定するとともに、
    前記電圧が、前記変位素子を変位させる前記駆動電圧に相当するものであり、かつ0.5〜60VのDC電圧であり、
    前記電流値が、0.01μA以下であるときに良品と判定することを特徴とする圧電アクチュエータの検査方法。
  2. 前記圧電アクチュエータの厚さが100μm以下である請求項記載の圧電アクチュエータの検査方法。
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