JP2003094653A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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JP2003094653A
JP2003094653A JP2001290467A JP2001290467A JP2003094653A JP 2003094653 A JP2003094653 A JP 2003094653A JP 2001290467 A JP2001290467 A JP 2001290467A JP 2001290467 A JP2001290467 A JP 2001290467A JP 2003094653 A JP2003094653 A JP 2003094653A
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Japan
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ink
liquid chamber
pressurized liquid
piezoelectric element
vibrating
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JP2001290467A
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Koji Noma
弘二 野間
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電素子駆動方式のインクジェットプリンタ
において、振動板の電食などなによる腐食を防止する。 【解決手段】 振動板4に設けた突起部9を圧電素子1
の共通電極13に接触させることにより、振動板4を共
通電極と同電位にする。共通電極を接地するか、あるい
はインクに対し負電位にすることにより、振動板4の腐
食を起こりにくくすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録を必要とする
時にのみインク滴を吐出し、記録紙面に付着させるオン
デマンド式インクジェットヘッドに係り、特に、インク
滴を吐出させるための駆動手段として圧電素子を用いる
インクジェットヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタは、記録時の発
生音が極めて小さいこと、高速印字が可能なこと、イン
クの自由度が高く安価な普通紙を使用可能であることな
ど多くの利点を有する。現在、記録の必要な時にのみイ
ンク滴を吐出するインクオンデマンド方式のインクジェ
ットプリンタが、記録に不要なインク液滴の回収を必要
としないため主流となっている。
【0003】このようなインクジェットプリンタに用い
られるインクジェットヘッドとしては、圧電素子により
振動板を振動させてインクを吐出させるもの(特公平2
−51734)、インクを加熱して気泡を発生させ、そ
の圧力でインクを吐出させるもの(特公昭61−599
11)、静電気力を利用して振動板を振動させてインク
を吐出させるもの(特開平5−50601)がある。圧
電素子又は静電気力を駆動に用いるインクジェットヘッ
ドでは、インク吐出用ノズルに対応した加圧液の壁の一
部を構成する振動板の厚さを数μm程度にする必要があ
るため、振動板のピンホール、腐食などによる破壊が問
題であった。その解決策の一つとして、製造過程で用い
るエッチング停止層(フォトレジスト)を保護膜として
利用し、インクとの接触による振動板の腐食を防止する
方法がある(特開2000−117981)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開2
000−117981の方法は、使用する保護膜に感光
性かつ耐インク性に優れた材料を用いる必要があり、コ
スト的に大量生産に向かないという問題がある。
【0005】よって、本発明の目的は、コスト的に大量
生産に向いた構造で、振動板の電食などによる腐食を効
果的に防止し長期信頼性の優れたインクジェットヘッド
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
複数のノズルの各々に連通する加圧液室の壁の一部を構
成する振動板を圧電素子により振動させることによって
前記加圧液室内のインクを前記ノズルより吐出させるイ
ンクジェットヘッドにおいて、前記圧電素子の共通電極
と接触して前記振動板と前記圧電素子を同電位にするた
めの突起部を前記振動板に設けることを特徴とする。
【0007】請求項2記載の発明は、複数のノズルの各
々に連通する加圧液室の壁の一部を構成する振動板を圧
電素子により振動させることによって前記加圧液室内の
インクを前記ノズルより吐出させるインクジェットヘッ
ドにおいて、前記振動板の両面を絶縁物質膜で被覆する
ことにより、前記振動板を浮遊電位にすることを特徴と
する。
【0008】請求項3記載の発明は、複数のノズルの各
々に連通する加圧液室の壁の一部を構成する振動板を圧
電素子により振動させることによって前記加圧液室内の
インクを前記ノズルより吐出させるインクジェットヘッ
ドにおいて、前記振動板の前記加圧液室の壁を構成する
側の面を絶縁物質膜で被覆するとともに、前記振動板の
反対側の面と接合される前記圧電素子及び他の部材とを
絶縁性接着剤を用いて接合することにより、前記振動板
を浮遊電位にすることを特徴とする。
【0009】請求項4記載の発明は、複数のノズルの各
々に連通する加圧液室の壁の一部を構成する振動板を圧
電素子により振動させることによって前記加圧液室内の
インクを前記ノズルより吐出させるインクジェットヘッ
ドにおいて、前記振動板の前記加圧液室の壁を構成する
側の面を絶縁物質膜で被覆し、前記振動板の反対側の面
と前記圧電素子とを絶縁性接着剤を用いて接合し、該反
対側の面と接合される他の部材を絶縁材料で形成するこ
とにより、前記振動板を浮遊電位にすることを特徴とす
る。
【0010】請求項5記載の発明は、複数のノズルの各
々に連通する加圧液室の壁の一部を構成する振動板を圧
電素子により振動させることによって前記加圧液室内の
インクを前記ノズルより吐出させるインクジェットヘッ
ドにおいて、前記加圧液室にインクを供給するためのイ
ンク流路が形成されたフレームと前記振動板とを導電性
接着剤を用いて接着することを特徴とする。
【0011】請求項6記載の発明は、複数のノズルの各
々に連通する加圧液室の壁の一部を構成する振動板を圧
電素子により振動させることによって前記加圧液室内の
インクを前記ノズルより吐出させるインクジェットヘッ
ドにおいて、当該インクジェットヘッドのインク液吐出
側の面の周辺部分を導電性材料からなるヘッドカバーで
覆い、このヘッドカバーと前記振動板とを導電性接着剤
を用いて接合することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。まず、図1及び図2を参照
して、本発明に係るインクジェットヘッドの基本構造の
例を説明する。図1及び図2はインクジェットヘッドの
断面構造を説明するためのものであり、図1はインク滴
吐出用のノズルの配列方向(チャンネル方向)と直交す
る面で切断した概略断面図、図2はチャネル方向と平行
な面で切断した概略部分断面図である。
【0013】ここに示すインクジェットヘッドは、ノズ
ル板2、流路板3、振動板4、基板7に接合された圧電
素子1を重ねて接合した積層構造をしており、圧電素子
1により振動板4を振動させることによって、ノズル板
2に設けたノズル11よりインク滴を、基板7の面に対
して垂直な方向へ吐出させるサイドシュータータイプの
ものである。
【0014】ノズル板2には多数のノズル11が、図1
において紙面と垂直な方向に2列に配列して設けられて
いる。これらの各ノズル11に対応し、かつ、対応ノズ
ル11に連通した加圧液室10がノズル板2、流路板3
及び振動板4によって形成される。これら加圧液室10
は、流路板3及び振動板4の間に形成される流路を通じ
て、基板7を包囲する形状のフレーム5に設けられた共
通のインク流路8に連通しており、このインク流路8を
通じてインクを供給される。圧電素子1の変位により振
動板4を振動させ、ノズル11に連通した加圧液室10
の容積を変化させることにより、ノズル11よりインク
滴を吐出させることができる。
【0015】圧電素子1は、一般に、積層型圧電素子素
材をダイシングソー、ワイヤーソーなどで基板7の表面
又はその近傍まで溝を切り込み、図1に見られるよう
に、積層型圧電素子素材をチャネル方向の溝によってノ
ズル列に対応した部分に分割し、また、図2に見られる
ように、チャネル方向と直交する溝によって、駆動部1
bと支持部1aとに分割される。駆動部1bと支持部1
aは交互に並ぶ。圧電素子1の駆動部1bは、振動板4
の加圧液室10に対応した部分に接し加圧液室10の容
積変化に寄与する部分である。圧電素子1の支持部1a
は加圧液室10に対応しない振動板4の部分に接し、振
動板4を支持する役割をする。
【0016】圧電素子1の各駆動部1bの内部電極(図
1において水平な線で示されている)は1つ置きに端面
電極12と接続され、他の内部電極は端面電極13と接
続される。外側の端面電極12は個々の駆動部1bごと
に独立した個別電極として利用されるが、内側の端面電
極13は例えば導電性接着剤などで基板7の表面に設け
られた共通の電極パターン(不図示)と電気的に接続さ
れ全駆動部1bの共通電極として利用される(端面電極
12を個別電極と呼び、端面電極13を共通電極と呼
ぶ)。6は個別電極12をヘッド駆動ICなどと接続す
るためのFPCケーブルである。なお、個別電極12を
導電性接着剤などで基板7の表面に設けた電極パターン
(不図示)と接続し、この電極パターンにFPCケーブ
ル6を接続する構成もとり得る。
【0017】振動板4は、例えばシリコン、樹脂、ニッ
ケル等の金属の単層薄板、あるいはこれらの積層薄板か
らなる。流路板3は、例えばシリコン、ガラス、プラス
チック、ステンレス等の金属、または、樹脂等の単層薄
板、あるいはこれらの積層薄板からなる。ノズル板2
は、例えばシリコン、プラスチック、ニッケル等の金
属、又は樹脂等の単層薄板、あるいはこれらの積層薄板
からなる。フレーム5は樹脂、金属等からなる。
【0018】このインクジェットヘッドの一般的な組立
手順によれば、振動板4と流路板3を接着接合し、次に
流路板3にノズル板2を接着接合し、これらの組立体を
圧電素子1と接着接合し、次にFPCケーブル6を個別
電極12と接合し、最後にフレーム5を接合することに
よりヘッドを完成する。なお、図示しないが、一般に、
上に述べたインクジェットヘッドはヘッドホルダと呼ば
れる支持部材に取り付けられる。このヘッドホルダに
は、駆動用ICなどが実装された印刷配線基板などが収
容されている。また、インク流路8へは、ヘッドホルダ
に設けられたインク供給孔を経由してインクカートリッ
ジよりインクが供給されるのが一般的である。
【0019】以下、本発明の実施例について説明する
が、上に述べたサイドシュータータイプのヘッドのほか
に、基板7の端部側に設けたノズルからインク滴を吐出
させるエッジシュータータイプのヘッドに対しても本発
明を適用し得ることは、以下の説明から明らかであろ
う。また、本発明は、静電力を駆動に利用するインクジ
ェットヘッドにも応用可能である。
【0020】《実施例1》本発明の実施例1によれば、
前述のような基本構成のインクジェットヘッドにおい
て、図1に示すように、振動板4を共通電極13と電気
的に接続し、両部分を同電位にするための突起部9が振
動板4に設けられる。この突起部9は、例えば、その少
なくとも先端部分が共通電極13の隙間に入り込んで共
通電極13と接触するような、チャネル方向に長い板状
形状とされる。
【0021】本実施例のインクジェットヘッドは、例え
ば共通電極13を接地することにより振動板4を接地電
位とし、インクと振動板4間に電位差を生じさせないよ
うして電食等による振動板4の腐食を防止することがで
きる。また、共通電極13をインクに対し負電位とする
ことにより、振動板4もインクに対し負電位とし、振動
板4の表面にインク中の物質を析出させて振動板4の腐
食を防止することができる。かくして、本実施例によれ
ば、インクジェットヘッドの長期信頼性を向上させるこ
とができる。
【0022】《実施例2》本発明の実施例2によれば、
前述のような基本構成のインクジェットヘッドにおい
て、図示しないが、振動板4の表裏面が絶縁性物質の膜
で被覆される。振動板4は、圧電素子1、流路板3、フ
レーム5、インクとは絶縁性物質膜によって電気的に絶
縁され、浮遊電位となる。仮に、ヘッドを長期間使用
し、インクにより、それが接触する振動板表面側の絶縁
性物質膜が剥離しても、インクと振動板4との間に電流
は流れないため、振動板4の電食などによる腐食を防止
し、インクジェットヘッドの長期信頼性を向上させるこ
とができる。
【0023】《実施例3》本発明の実施例3によれば、
前述のような基本構成のインクジェットヘッドにおい
て、図示しないが、振動板4の表面(インク又は流路板
3と接触する側の面)が絶縁性物質の膜で被覆され、か
つ、振動板4の裏面は絶縁性接着剤を用いて圧電素子1
及びフレーム5と接着接合される。振動板4は、流路板
3、インクとは絶縁性物質膜によって絶縁され、圧電素
子1及びフレーム5とは絶縁性接着剤の層により絶縁さ
れるため、浮遊電位となる。仮に、ヘッドを長期間使用
し、インクにより、それが接触する振動板表面側の絶縁
性物質膜が剥離しても、インクと振動板4との間に電流
は流れないため、振動板4の電食などによる腐食を防止
しインクジェットヘッドの長期信頼性を向上させること
ができる。
【0024】《実施例4》本発明の実施例4によれば、
前述のような基本構成のインクジェットヘッドにおい
て、図示しないが、振動板4の表面(インク又は流路板
3と接触する側の面)が絶縁性物質の膜で被覆され、か
つ、振動板4の裏面と接合されるフレーム5は絶縁性材
料で形成される。また、振動板4の裏面と圧電素子1は
絶縁性接着剤により接着接合される。振動板4は、流路
板3、インクとは絶縁物質膜によって絶縁され、圧電素
子1とは絶縁性接着剤の層により絶縁され、フレーム5
は絶縁性材料からなるため、浮遊電位となる。仮に、ヘ
ッドを長期間使用し、インクにより、それが接触する振
動板表面側の絶縁物質膜が剥離しても、インクと振動板
4との間に電流は流れないため、振動板4の電食などに
よる腐食を防止し、インクジェットヘッドの長期信頼性
を向上させることができる。
【0025】《実施例5》本発明の実施例5によれば、
前述のような基本構成のインクジェットヘッドにおい
て、図示しないが、振動板4の裏面とフレーム5とが導
電性接着剤を用いて接着接合される。このような構成で
あるため、フレーム5を接地することにより、振動板4
は接地電位となりインクとの間に電位差が生じることが
ないため、振動板4の電食などによる腐食を防止し、イ
ンクジェットヘッドの長期信頼性を向上させることがで
きる。
【0026】《実施例6》本発明の実施例5によれば、
前述のような基本構成のインクジェットヘッドにおい
て、図3に示すように、ヘッド前面の周辺部分が金属な
どの導電性材料からなるヘッドカバー20で覆われ、こ
のヘットカバー20と振動板4は導電性接着剤21によ
って接合される。このような構成であるため、ヘッドカ
バー20を接地することにより、振動板4は接地電位と
なりインクとの間に電位差が生じることがないため、振
動板4の電食などによる腐食を防止し、インクジェット
ヘッドの長期信頼性を向上させることができる。
【0027】以上に説明した本発明によるインクジェッ
トヘッドを用いるインクジェットプリンタの一例を、図
4及び図5により説明する。図4はインクジェットプリ
ンタの概略斜視図であり、図5は同装置の内部構成を説
明するための概略断面図である。
【0028】このインクジェットプリンタは、装置本体
301の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ、そ
れに搭載したインクジェットヘッド、このインクジェッ
トヘッドにインクを供給するインクカートリッジ等で構
成される印字機構部302等を収納し、装置本体301
の下部には前方側から多数枚の用紙303を積載可能な
給紙カセット(或いは給紙トレイ)304を抜き差し自
在に装着することができ、また、用紙303を手差しで
給紙するための手差しトレイ305を開倒することがで
き、給紙カセット304或いは手差しトレイ305から
給送される用紙303を取り込み、印字機構部302に
よって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排
紙トレイ306に排紙する。
【0029】印字機構部302は、図示しない左右の側
板に横架したガイド部材である主ガイドロッド311と
従ガイドロッド312とでキャリッジ313を主走査方
向(図19で紙面垂直方向)に摺動自在に保持し、この
キャリッジ313にはイエロー(Y)、シアン(C)、
マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐
出するための本発明によるインクジェットヘッド314
を、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。ま
たキャリッジ313にはインクジェットヘッド314に
各色のインクを供給するための各インクカートリッジ3
15を交換可能に装着している。
【0030】インクカートリッジ315は上方に大気と
連通する大気口、下方にはインクジェットヘッド314
へインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填さ
れた多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力によりイ
ンクジェットヘッド314へ供給されるインクをわずか
な負圧に維持している。
【0031】ここで、キャリッジ313は後方側(用紙
搬送方向下流側)を主ガイドロッド311に摺動自在に
嵌装し、前方側(用紙搬送方向下流側)を従ガイドロッ
ド312に摺動自在に載置している。そして、このキャ
リッジ313を主走査方向に移動走査するため、主走査
モータ317で回転駆動される駆動プーリ318と従動
プーリ319との間にタイミングベルト320を張装
し、このタイミングベルト320をキャリッジ313に
固定しており、主走査モーター317の正逆回転により
キャリッジ313が往復駆動される。
【0032】一方、給紙カセット304にセットした用
紙303をインクジェットヘッド314の下方側に搬送
するために、給紙カセット304から用紙303を分離
給送する給紙ローラ321及びフリクションパッド32
2と、用紙303を案内するガイド部材323と、給紙
された用紙303を反転させて搬送する搬送ローラ32
4と、この搬送ローラ324の周面に押し付けられる搬
送コロ325及び搬送ローラ324からの用紙303の
送り出し角度を規定する先端コロ326とを設けてい
る。搬送ローラ324は副走査モータ327によってギ
ヤ列を介して回転駆動される。
【0033】そして、キャリッジ313の主走査方向の
移動範囲に対応して搬送ローラ324から送り出された
用紙303をインクジェットヘッド314の下方側で案
内する用紙ガイド部材である印写受け部材329を設け
ている。この印写受け部材329の用紙搬送方向下流側
には、用紙303を排紙方向へ送り出すために回転駆動
される搬送コロ331、拍車332を設け、さらに用紙
303を排紙トレイ306に送り出す排紙ローラ333
及び拍車334と、排紙経路を形成するガイド部材33
5,336とを配設している。
【0034】記録時には、キャリッジ313を移動させ
ながら画像信号に応じてインクジェットヘッド314を
駆動することにより、停止している用紙303にインク
を吐出して1行分を記録し、用紙303を所定量搬送後
次の行の記録を行う。記録終了信号または、用紙303
の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、
記録動作を終了させ用紙303を排紙する。
【0035】また、キャリッジ313の移動方向右端側
の記録領域を外れた位置には、インクジェットヘッド3
14の吐出不良を回復するための回復装置337を配置
している。回復装置はキャップ手段と吸引手段とクリー
ニング手段を有している。キャリッジ313は、印字待
機中には回復装置337側に移動させられてキャッピン
グ手段でインクジェットヘッド314のインク吐出口部
分をキャッピングされ、吐出口部分を湿潤状態に保つこ
とによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、
記録途中などに記録と関係しないインクを吐出すること
により、全てのノズルのインク粘度を一定にし、安定し
た吐出性能を維持する。
【0036】吐出不良が発生した場合等には、キャッピ
ング手段でインクジェットヘッド314の吐出口部分を
密封し、チューブを通して吸引手段でノズルからインク
とともに気泡等を吸い出し、吐出口部分に付着したイン
クやゴミ等はクリーニング手段により除去され吐出不良
が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に
設置された廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク
溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
【0037】このインクジェットプリンタは、前述のよ
うに振動板の電食などによる腐食が防止され長期使用信
頼性が向上したインクジェットヘッド314を用いてい
るため、その交換をすることなく長期間にわたって安定
な記録動作が可能である。
【0038】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、(1)
請求項1記載のインクジェットヘッドは、インクと振動
板のを同電位にし、あるいは、インクに対し振動板を負
電位にして振動板表面にインク内の物質を析出させるこ
とにより、電食等による振動板の腐食を防止し長期信頼
性を向上させることができる。(2)請求項2乃至4記
載のインクジェットヘッドは、長期の使用でインクによ
り絶縁性物質膜が剥がれてもインクと振動板の間に電流
が流れないため、電食等による振動板の腐食を防止し長
期信頼性を向上させることができる。(3)請求項5又
は6記載のインクジェットヘッドは、フレーム又はヘッ
ドカバーを通じて振動板を接地することによりインクと
振動板の間に電位差を生じさせないようにして、電食等
による振動板の腐食を防止し長期信頼性を向上させるこ
とができる。(4)請求項1乃至6記載のインクジェッ
トヘッドは、コスト的に量産に向かない要素を含まず量
産が容易である、等々の効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェットヘッドの基本的構
造及び実施例1の特徴を説明するための、チャンネル方
向と直交する方向の概略断面図である。
【図2】本発明に係るインクジェットヘッドの基本的構
造を説明するための、チャンネル方向の概略部分断面図
である。
【図3】実施例6の特徴を説明するための、チャンネル
方向と直交する方向の概略断面図である。
【図4】本発明のインクジェットヘッドが用いられたイ
ンクジェットプリンタの一例説明するための概略斜視図
である。
【図5】図4に示したインクジェットプリンタの内部構
成を説明するための概略側断面図である。
【符号の説明】
1 圧電素子 1a 支持部 1b 駆動部 2 ノズル板 3 流路板 4 振動板 5 フレーム 7 基板 8 インク流路 9 突起部 10 加圧液室 11 ノズル 12 個別電極 13 共通電極 20 ヘッドカバー 21 導電性接着剤

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のノズルの各々に連通する加圧液室
    の壁の一部を構成する振動板を圧電素子により振動させ
    ることによって前記加圧液室内のインクを前記ノズルよ
    り吐出させるインクジェットヘッドにおいて、前記圧電
    素子の共通電極と接触して前記振動板と前記圧電素子を
    同電位にするための突起部を前記振動板に設けたことを
    特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 複数のノズルの各々に連通する加圧液室
    の壁の一部を構成する振動板を圧電素子により振動させ
    ることによって前記加圧液室内のインクを前記ノズルよ
    り吐出させるインクジェットヘッドにおいて、前記振動
    板の両面を絶縁物質膜で被覆することにより、前記振動
    板を浮遊電位にしたことを特徴とするインクジェットヘ
    ッド。
  3. 【請求項3】 複数のノズルの各々に連通する加圧液室
    の壁の一部を構成する振動板を圧電素子により振動させ
    ることによって前記加圧液室内のインクを前記ノズルよ
    り吐出させるインクジェットヘッドにおいて、前記振動
    板の前記加圧液室の壁を構成する側の面を絶縁物質膜で
    被覆するとともに、前記振動板の反対側の面と接合され
    る前記圧電素子及び他の部材とを絶縁性接着剤を用いて
    接合することにより、前記振動板を浮遊電位にしたこと
    を特徴とするインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 複数のノズルの各々に連通する加圧液室
    の壁の一部を構成する振動板を圧電素子により振動させ
    ることによって前記加圧液室内のインクを前記ノズルよ
    り吐出させるインクジェットヘッドにおいて、前記振動
    板の前記加圧液室の壁を構成する側の面を絶縁物質膜で
    被覆し、前記振動板の反対側の面と前記圧電素子とを絶
    縁性接着剤を用いて接合し、該反対側の面と接合される
    他の部材を絶縁材料で形成することにより、前記振動板
    を浮遊電位にしたことを特徴とするインクジェットヘッ
    ド。
  5. 【請求項5】 複数のノズルの各々に連通する加圧液室
    の壁の一部を構成する振動板を圧電素子により振動させ
    ることによって前記加圧液室内のインクを前記ノズルよ
    り吐出させるインクジェットヘッドにおいて、前記加圧
    液室にインクを供給するためのインク流路が形成された
    フレームと前記振動板とを導電性接着剤を用いて接着し
    たことを特徴とするインクジェットヘッド。
  6. 【請求項6】 複数のノズルの各々に連通する加圧液室
    の壁の一部を構成する振動板を圧電素子により振動させ
    ることによって前記加圧液室内のインクを前記ノズルよ
    り吐出させるインクジェットヘッドにおいて、当該イン
    クジェットヘッドのインク液吐出側の面の周辺部分を導
    電性材料からなるヘッドカバーで覆い、このヘッドカバ
    ーと前記振動板とを導電性接着剤を用いて接合したこと
    を特徴とするインクジェットヘッド。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2007144911A (ja) * 2005-11-30 2007-06-14 Kyocera Corp 圧電アクチュエータおよびその検査方法、並びに液体吐出装置
JP2008155620A (ja) * 2006-12-01 2008-07-10 Ricoh Co Ltd 圧電アクチュエータ、液体吐出ヘッド、液体吐出装置、画像形成装置
US7578581B2 (en) 2004-12-14 2009-08-25 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Ink jet printer
JP2016196192A (ja) * 2016-07-13 2016-11-24 株式会社東芝 インクジェットヘッド

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