JP2005014345A - 液滴吐出ヘッド及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ノズルカバー4は弾性変形が可能で、フレーム部材3に装着した状態で開口部41の周囲の四辺が弾性変形によりノズル板13表面に押しつけられ、ワイパーブレード51の進行方向に対向する角部45、46がフィレット処理を施し、基材41Aにメッキ膜41Bを成膜して構成することで強度を向上する。
【選択図】 図2
Description
【産業上の利用分野】
本発明は液滴吐出ヘッド及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開2002−067345号公報
【特許文献2】特開2000−190513号公報
【特許文献3】特開2001−105574号公報
【特許文献4】特開平11−268286号公報
【特許文献5】特開平9−300633号公報
【0003】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ等の画像形成装置として用いるインクジェット記録装置においては、液滴吐出ヘッドとしてのインクジェットヘッドを用いて画像を記録形成するが、このときノズルから吐出したインク滴を構成する一部のインクが、ノズル板の表面に残留して、他のノズル列のインクと混色を起こしたり、インク滴の飛翔方向を変化させて画像品質を低下させる。
【0004】
そのため、ヘッドのノズル板に残留するインクを払拭するため、記録範囲(画像形成領域)から外れた位置に、ノズル面に対して昇降可能な清掃部材であるワイパーブレードが配置され、必要時にワイパーブレードを上昇させてノズル板に当接させ、この状態でヘッドを往復移動させることによって、ワイパーブレードによりノズル板表面に残留しているインクを拭き取り印字品質を回復する動作を行うようにしている。
【0005】
このように、ワイパーブレードによるヘッドの機械的な払拭を行うと、ノズル板とノズルが連通する流路を形成するための流路板との剥離が生じるおそれがあることから、
【特許文献1】ないし
【特許文献5】に開示されているように、この剥離等を防ぐために、ノズル板の表面周縁部を覆うカバー部品(ノズルカバー)を備えるのが一般的であり、ノズルカバーの製造方法は板金による曲げ若しくは絞り加工で行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
現状のノズルカバーが有している課題としては、次のようなものがある。すなわち、(A)用紙送りの際にノズルカバーとノズル板の隙間に用紙が挟み込みまれて、送紙不良を発生させることがある。(B)ワイパーブレードに短期間で変摩耗が発生する。(C)ノズルカバー面をワイパーブレードで払拭した後インクが残ってしまい、噴射異常の原因になっている。(D)ノズルカバー部品は機能上薄い板金材料で製作されるため強度が非常に弱く、取り扱い過程で変形させてしまい、使用不可になってしまうことがある。
【0007】
先ず、課題(A)について図8及び図9を参照して説明する。このヘッドは、液滴を吐出するノズル501を形成したノズル板502と、ノズル501が連通する流路を内部に形成した流路板503と、流路の壁面を形成する振動板504とを積層接合して流路ユニットを構成し、振動板504の外面側にベース506に接合した圧力発生手段である積層型圧電素子505を接合し、また流路ユニット全体は振動板504の周縁部をフレーム部材507に接合することでフレーム部材507に保持している。
【0008】
そして、ノズル板502の表面側からノズルカバー511をフレーム部材507の外周面に装着している。このノズルカバー511はノズル板502の表面周縁部を覆い、ノズル501を開放する開口511を形成した前面部512と、この前面部512の各辺部から立ち下がったストレート形状の側面部514とを形成したものである。
【0009】
このようなヘッドにおいては、ノズルカバー511の側面部514がストレート形状になっているので、フレーム部材507の外周面に装着したときに、図8のa部でノズル板502表面とノズルカバー511の前面部513との間に隙間を生じ易く、この隙間に用紙が挟み込まれて送紙不良が発生しやすい。そのため、
【特許文献1】に開示されているように接着剤等で接合することが行われているが、接着剤のはみ出しという新たな課題が生じる。
【0010】
次に、課題(B)について図10を参照して説明する。同図に示すように、ワイパーブレード521をヘッドに対して矢示方向に相対的に移動させてノズル面502aをワイピングするとき、ノズルカバー511の外周角部bと内周角部cにワイパーブレード521を擦り付ける状態になる。このとき、ノズルカバー511の外周角部bと内周角部cはエッジ形状であるため、ワイパーブレード521の耐久性が著しく低下したり、ゴミの発生原因にもなる。
【0011】
次に、課題(C)について図11を参照して説明する。ヘッドを上述したワイパーブレード521によってワイピングしたとき、ワイピング直後のノズル面502a及びノズルカバー521の表面の状態を観察すると、図11に示すように、ノズル面502aはNi、PTFE共析メッキなどにより撥水処理が施されているため、インクは完全に払拭されているが、ノズルカバー511の表面はインクが膜状に起こり、時間が経つにつれインク溜まり531になってしまい、このインク溜まり531がノズル501近傍に流れて、印写異常を発生させる。
【0012】
次に、課題(D)について図12を参照して説明する。ノズル板502の表面502a面と用紙541とのギャップdは、通常1mm以下とするが、構成上、ノズル板502と用紙501との間に介在するノズルカバー511の厚さ(板厚)は出来るだけ薄いほうが有利である。これは、紙送りの際、紙先端がノズル面502aに接触もしくは近傍を通った場合、ノズル面502aに構成されているノズルカバー511の段差に引っ掛かる恐れがあるためである。
【0013】
そこで、ノズルカバー511の厚さ(板厚)を薄くする方向、例えば0.1mm以下にすることが好ましいが、板金による曲げ若しくは絞り加工に対する強度的な問題があり、部品取り扱いが非常に困難になる。
【0014】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、送紙不良を低減すること、清掃部材の損傷を低減すること、ノズルカバーの強度、取り扱い性を向上することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、ノズルカバーは弾性変形が可能で、フレーム部材に装着した状態で開口部の周囲の四辺が弾性変形によりノズル板表面に押しつけられている構成とした。ここで、ノズルカバーはバネ材料で形成されていることが好ましい。
【0016】
本発明に係る液滴吐出ヘッドは、ノズルカバーはノズル面の残留液体を払拭する清掃部材の相対的な進行方向に対向する開口部の角部がフィレット処理されている構成とした。ここで、ノズルカバーはノズル面の残留液体を払拭する清掃部材の相対的な進行方向に対向する外周部の角部がフィレット処理されていることが好ましい。
【0017】
本発明に係る液滴吐出ヘッドは、ノズルカバーは硬質金属材料にメッキ膜を成膜して形成されている構成とした。ここで、ノズルカバーは硬質金属材料の板厚が0.1mm以下であることが好ましい。
【0018】
これらの液滴吐出ヘッドにおいては、ノズルカバーの開口部側表面には撥水処理が施されていることが好ましい。
【0019】
本発明に係る画像形成装置は、液滴を吐出して画像を形成するための本発明に係る液滴吐出ヘッドを備えている構成とした。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。本発明の液滴吐出ヘッドの第1実施形態に係るインクジェットヘッドについて図1及び図2を参照して説明する。なお、図1は同ヘッドの分解斜視説明図、図2は同ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図である。
【0021】
このインクジェットヘッドは、流路ユニット1とアクチュエータユニット2とを接合し、流路ユニット1をフレーム部材3上に固定するとともに、フレーム部材3内部にアクチュエータユニット2を収納し、更に流路ユニット1を覆うノズルカバー4を装着したものである。
【0022】
流路ユニット1は、流路板11と、この流路板11の下面に接合した振動板12と、流路板11の上面に接合したノズル板13とを接合して積層し、これらによってインク滴を吐出するノズル15が連通する流路であるノズル連通路15a及び液室16、液室16にインクを供給するための共通液室18に連通するインク供給口19などを形成している。
【0023】
アクチュエータユニット2は、流路ユニット1の振動板12を変形させて液室16内のインクを加圧するための圧力発生手段(アクチュエータ手段)である電気機械変換素子としての2列の積層型圧電素子21と、この圧電素子21を接合固定する基板22とを備えている。なお、圧電素子21の間には支柱部23を設けている。この支柱部23は圧電素子部材を分割加工することで圧電素子21と同時に形成した部分であるが、駆動電圧を印加しないので単なる支柱となる。
【0024】
また、このアクチュエータユニット2では、圧電素子21に図示しない駆動回路(駆動IC)に接続するためのFPCなどの電装基板24を接続して、ユニットを構成している。電装基板24もユニット構成部材とすることで、取り扱いが容易になる。
【0025】
フレーム部材3には、アクチュエータユニット2を収納する貫通部31及び共通液室18となる凹部、この共通液室18に外部からインクを供給するためのインク供給穴32を形成している。このフレーム部材3は、例えばエポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂或いはポリフェニレンサルファイトで射出成形により形成している。
【0026】
そして、これらの流路ユニット1とアクチュエータユニット2とを接着剤で接合し、更にアクチュエータユニット2をフレーム部材3に接着剤で接合して流路ユニット1とアクチュエータユニット2を一体的に固定している。
【0027】
そして、これにノズルカバー4を取付けることで、ノズル板15の周縁部(ヘッド外周部)を被覆して、ノズル板13表面に付着するインクが内部に侵入しないようにしている。
【0028】
ここで、流路板11は、例えば結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板を水酸化カリウム水溶液(KOH)などのアルカリ性エッチング液を用いて異方性エッチングすることで、ノズル連通路15a、加圧液室16となる凹部や穴部を形成したものであるが、単結晶シリコン基板に限られるものではなく、その他のステンレス基板や感光性樹脂などを用いることもできる。
【0029】
振動板12は、ニッケルの金属プレートから形成したもので、例えばエレクトロフォーミング法(電鋳法)で作製しているが、この他、金属板や金属と樹脂板との接合部材などを用いることもできる。この振動板12に圧電素子21及び支柱部23を接着剤接合し、更にフレーム部材3を接着剤接合している。
【0030】
ノズル板13は各液室16に対応して直径10〜30μmのノズル15を形成し、流路板1に接着剤接合している。このノズル板13としては、ステンレス、ニッケルなどの金属、金属とポリイミド樹脂フィルムなどの樹脂との組み合せ、、シリコン、及びそれらの組み合わせからなるものを用いることができる。また、ノズル面(吐出方向の表面:吐出面)には、インクとの撥水性を確保するため、メッキ被膜、あるいは撥水剤コーティングなどの周知の方法で撥水膜を形成している。
【0031】
圧電素子21は、圧電材料と内部電極とを交互に積層した積層型圧電素子(ここではPZT)である。この実施形態では、圧電素子21の圧電方向としてd33方向の変位を用いて液室16内インクを加圧する構成としているが、圧電素子21の圧電方向としてd31方向の変位を用いて加圧液室16内インクを加圧する構成とすることもできる。また、1つの基板22に1列の圧電素子21が設けられる構造とすることもできる。
【0032】
このように構成したインクジェットヘッドにおいては、圧電素子21に対して選択的に20〜50Vの駆動パルス電圧を印加することによって、パルス電圧が印加された圧電素子21が積層方向に伸長して振動板12をノズル15方向に変形させ、液室16の容積/体積変化によって加圧液室16内のインクが加圧され、ノズル15からインク滴が吐出(噴射)される。
【0033】
そして、インク滴の吐出に伴って加圧液室16内の液圧力が低下し、このときのインク流れの慣性によって加圧液室16内には若干の負圧が発生する。この状態の下において、圧電素子21への電圧の印加をオフ状態にすることによって、振動板12が元の位置に戻って加圧液室16が元の形状になるため、さらに負圧が発生する。このとき、共通液室18から加圧液室16内にインクが充填される。そこで、ノズル5のインクメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次のインク滴吐出のために圧電素子21にパルス電圧を印加しインク滴を吐出させる。
【0034】
なお、このヘッドの駆動方法については上記の例(押し打ち)に限るものではなく、駆動波形の与えた方によって引き打ちや引き−押し打ちを行うこともできる。
【0035】
そこで、このインクジェットヘッドにおけるノズルカバー4の詳細について図3をも参照して説明する。なお、同図はノズルカバー4及びその組み付け後の状態を説明する断面説明図である。
【0036】
このノズルカバー4は、ノズル板13の表面周縁部を覆い、ノズル15を開放する開口41を形成した前面部42と、この前面部42の各辺部から立ち下がった側面部43とを有し、側面部43の先端部(装着方向先端部)には断面形状で広がり開いた拡開部44を形成している。
【0037】
そして、このノズルカバー4は、図3(a)に示すように、装着前の状態で側面部43全体を前面部42となす角度が鋭角になるように角度を付けて形成している。これにより、同図(b)に示すように、ノズルカバー4をフレーム部材3の外面に嵌め込んだとき、ノズルカバー4の側面部43が外側に(矢示方向に)変形され、これにより前面部42にノズル面13aに押し付ける方向(矢示方向)の力が作用するので、ノズルカバー4の前面部42がノズル面13aに弾性変形により常時押しつけられる状態となる。
【0038】
このようにして、ノズルカバー4の前面部42がノズル面13aに押しつけられた状態をメカ的に固定することにより、ノズルカバー4の前面部42はノズル面13aに隙間無く安定して組みつけられる。この場合、押しつけ力をメカ設計上、定量化したい場合はノズルカバー4をバネ材料で形成することが効果的である。
【0039】
このように、ノズルカバー4は弾性変形が可能で、フレーム部材3に装着した状態で開口部の周囲の四辺(ここでは前面部42の内周四辺)が弾性変形によりノズル板13表面に押しつけられているので、ノズルカバー4とノズル板13との隙間がなくなり、用紙送りの際に、ノズルカバー4とノズル板13との間に用紙が挟み込まれて送紙不良が発生することが防止される。
【0040】
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドの第2実施形態について図4を参照して説明する。なお、同図は同実施形態に係るヘッドの断面説明図である。
このヘッドでは、ワイパーブレード51の相対的な進行方向(白抜き矢印方向)に対向するノズルカバー4の開口部41の角部45にフィレット処理(面取り処理)を施すとともに、外周部の角部46にもフィレット処理を施している。
【0041】
このように、ヘッドのノズル表面13aに残留するインクを払拭する清掃部材であるワイパーブレード51の進行方向に対して、ワイパーブレード51に直接干渉するノズルカバー4の角部45、46にフィレット(面取り)処理を行うことで、ワイピングによるワイパーブレード51の耐久性が格段に向上する。
【0042】
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドの第3実施形態について図5を参照して説明する。なお、同図は同実施形態に係るヘッドの断面説明図である。
このヘッドでは、ノズルカバー41は硬質金属材料、例えばSUSからなる基材41Aの表面(裏面を含めてもよい)にNi、PTFE共析メッキ膜41Bを成膜したものであり、基材41Aの板厚は0.1mm以下としている。
【0043】
このように、硬質金属材料からなる基材の表面にメッキ膜を形成してノズルカバーを形成することにより、基材の板厚を0.1mm以下にしても強度(剛性)が格段に向上して、取り扱いが容易になり、しかも、板厚を0.1mm以下にすることで用紙のヘッドへの干渉不良(引っ掛かり)を防ぐことができる。
【0044】
また、ノズルカバー4の少なくとも前面部42の表面にNi、PTFE共析メッキを施すことによって、ノズルカバー4の撥水性(撥インク性)が高まり、ワイピング処理後のインクの残留が低減し、ワイピング処理品質が格段に向上する。
【0045】
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドを搭載した画像形成装置であるインクジェット記録装置の一例について図6及び図7を参照して説明する。なお、図6は同記録装置の斜視説明図、図7は同記録装置の機構部の側面説明図である。
【0046】
このインクジェット記録装置は、記録装置本体111の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ、キャリッジに搭載した本発明に係るインクジェットヘッドからなる記録ヘッド、記録ヘッドへインクを供給するインクカートリッジ等で構成される印字機構部112等を収納し、装置本体111の下方部には前方側から多数枚の用紙113を積載可能な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい。)114を抜き差し自在に装着することができ、また、用紙113を手差しで給紙するための手差しトレイ115を開倒することができ、給紙カセット114或いは手差しトレイ115から給送される用紙113を取り込み、印字機構部112によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ116に排紙する。
【0047】
印字機構部112は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド121と従ガイドロッド122とでキャリッジ123を主走査方向に摺動自在に保持し、このキャリッジ123にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する本発明に係る液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドからなるヘッド124を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。また、キャリッジ123にはヘッド124に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ125を交換可能に装着している。
【0048】
インクカートリッジ125は上方に大気と連通する大気口、下方にはインクジェットヘッドへインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力によりインクジェットヘッドへ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。
【0049】
また、記録ヘッドとしてここでは各色のヘッド124を用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個のヘッドでもよい。
【0050】
ここで、キャリッジ123は後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド121に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド122に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ123を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ127で回転駆動される駆動プーリ128と従動プーリ129との間にタイミングベルト130を張装し、このタイミングベルト130をキャリッジ123に固定しており、主走査モーター127の正逆回転によりキャリッジ123が往復駆動される。
【0051】
一方、給紙カセット114にセットした用紙113をヘッド124の下方側に搬送するために、給紙カセット114から用紙113を分離給装する給紙ローラ131及びフリクションパッド132と、用紙113を案内するガイド部材133と、給紙された用紙113を反転させて搬送する搬送ローラ134と、この搬送ローラ134の周面に押し付けられる搬送コロ135及び搬送ローラ134からの用紙113の送り出し角度を規定する先端コロ136とを設けている。搬送ローラ134は副走査モータ137によってギヤ列を介して回転駆動される。
【0052】
そして、キャリッジ123の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ134から送り出された用紙113を記録ヘッド124の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材139を設けている。この印写受け部材139の用紙搬送方向下流側には、用紙113を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ141、拍車142を設け、さらに用紙113を排紙トレイ116に送り出す排紙ローラ143及び拍車144と、排紙経路を形成するガイド部材145,146とを配設している。
【0053】
記録時には、キャリッジ123を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド124を駆動することにより、停止している用紙113にインクを吐出して1行分を記録し、用紙113を所定量搬送後次の行の記録を行う。記録終了信号または、用紙113の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙113を排紙する。
【0054】
また、キャリッジ123の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、ヘッド124の吐出不良を回復するための回復装置147を配置している。回復装置147はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。キャリッジ123は印字待機中にはこの回復装置147側に移動されてキャッピング手段でヘッド124をキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
【0055】
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段でヘッド124の吐出口(ノズル)を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段(前述したワイパーブレード51)により除去され吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
【0056】
このように、このインクジェット記録装置においては本発明に係る液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドを搭載しているので、高い信頼性が得られる。
【0057】
なお、上記実施形態においては、本発明に係る液滴吐出ヘッドをインクジェットヘッドに適用したが、インク以外の液体の滴、例えば、パターニング用の液体レジストを吐出する液滴吐出ヘッド、遺伝子分析試料を吐出する液滴吐出ヘッドなどにも適用することできる。また、上記実施形態では、振動板を有する電気機械変換素子を駆動手段に用いたヘッドで説明したが、その他の静電型ヘッド、サーマル型ヘッド(ただし、振動板はない。)にも適用することができる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る液滴吐出ヘッドによれば、ノズルカバーは弾性変形が可能で、フレーム部材に装着した状態で開口部の周囲の四辺が弾性変形によりノズル板表面に押しつけられている構成としたので、送紙不良を防止することができる。
【0059】
本発明に係る液滴吐出ヘッドによれば、ノズルカバーはノズル面の残留液体を払拭する清掃部材の相対的な進行方向に対向する開口部の角部がフィレット処理されている構成としたので、清掃部材の耐久性が向上する。
【0060】
本発明に係る液滴吐出ヘッドによれば、ノズルカバーは硬質金属材料にメッキ膜を成膜して形成されている構成としたので、強度が向上でき、カバー板厚を薄くすることができて、用紙の送り不良を防止できる。
【0061】
本発明に係る画像形成装置によれば、液滴を吐出する本発明に係る液滴吐出ヘッドを備えたので、低コストで高い信頼性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液滴吐出ヘッドの第1実施形態に係るインクジェットヘッドの分解斜視説明図
【図2】同ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図
【図3】同ヘッドのノズルカバーの組み付け前の状態及び組み付け後の状態の説明に供する断面説明図
【図4】本発明の液滴吐出ヘッドの第2実施形態に係るインクジェットヘッドの断面説明図
【図5】本発明の液滴吐出ヘッドの第3実施形態に係るインクジェットヘッドの断面説明図
【図6】本発明に係る液滴吐出ヘッドを搭載した画像形成装置の一例を示す斜視説明図
【図7】同画像形成装置の機構部の側面説明図
【図8】従来のノズルカバーの問題の説明に供するヘッドの斜視説明図
【図9】同ヘッドの断面説明図
【図10】従来のノズルカバーの他の問題の説明に供するヘッドの断面説明図
【図11】従来のノズルカバーの更に他の問題の説明に供するヘッドの斜視説明図
【図12】従来のノズルカバーの更にまた他の問題の説明に供するヘッドの断面説明図
【符号の説明】
1…流路ユニット、2…アクチュエータユニット、3…フレーム部材、4…ノズルカバー、11…流路板、12…振動板、13…ノズル板、13a…ノズル面、15…ノズル、16…液室、124…記録ヘッド。
Claims (8)
- 液滴を吐出するノズルを形成したノズル板の前面周縁部を覆い、前記ノズルを開放する開口部を形成したノズルカバーをフレーム部材に装着した液滴吐出ヘッドにおいて、前記ノズルカバーは弾性変形が可能で、前記フレーム部材に装着した状態で前記開口部の周囲の四辺が弾性変形により前記ノズル板表面に押しつけられていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- 請求項1に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記ノズルカバーはバネ材料で形成されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- 液滴を吐出するノズルを形成したノズル板の前面周縁部を覆い、前記ノズルを開放する開口部を形成したノズルカバーをフレーム部材に装着した液滴吐出ヘッドにおいて、前記ノズルカバーは前記ノズル面の残留液体を払拭する清掃部材の相対的な進行方向に対向する開口部の角部がフィレット処理されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- 請求項3に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記ノズルカバーは前記ノズル面の残留液体を払拭する清掃部材の相対的な進行方向に対向する外周部の角部がフィレット処理されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- 液滴を吐出するノズルを形成したノズル板の前面周縁部を覆い、前記ノズルを開放する開口部を形成したノズルカバーをフレーム部材に装着した液滴吐出ヘッドにおいて、前記ノズルカバーは硬質金属材料にメッキ膜を成膜して形成されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- 請求項6に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記ノズルカバーは硬質金属材料の板厚が0.1mm以下であることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- 請求項1ないし6のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記ノズルカバーの開口部側表面には撥水処理が施されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- 液滴を吐出して画像を形成する画像形成装置において、請求項1ないし7のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドを備えていることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
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2003
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