JP2004082650A - 液滴吐出ヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】断面形状が櫛歯状であるベース基板21の4個の櫛歯部21a上に、それぞれ断面形状が略L字型の積層型圧電素子22が接着剤接合され、ベース基板21の櫛歯部21aが貫通穴23aを形成したプリント基板23に挿入されて接着剤接合され、プリント基板23と圧電素子22とがFPC24を介して電気的に接続されている。
【選択図】 図1
Description
【産業上の利用分野】
本発明は液滴吐出ヘッド及びインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ等の画像記録装置(画像形成装置)として用いるインクジェット記録装置は、インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する液室(インク流路、吐出室、圧力室、加圧液室、流路等とも称される。)と、この液室内のインクを加圧するための駆動手段(圧力発生手段)とを備えた液滴吐出ヘッドとしてのインクジェットヘッドを搭載したものである。なお、液滴吐出ヘッドとしては例えば液体レジストを液滴として吐出する液滴吐出ヘッド、DNAの試料を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドなどもあるが、以下ではインクジェットヘッドを中心に説明する。
【0003】
インクジェットヘッドとしては、液室内のインクを加圧する圧力を発生するための圧力発生手段として圧電体、特に圧電層と内部電極を交互に積層した積層型圧電素子を用いて、積層型圧電素子のd33方向の変位で液室の壁面を形成する弾性変形可能な振動板を変形させ、液室内容積/圧力を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のものが知られている。
【0004】
このような積層型圧電素子を用いたインクジェットヘッドとしては、例えば特開平6−320726号公報に開示されているように、シリコン、セラミックス、ガラス、合成樹脂などの絶縁性基板、或いは金属板に合成樹脂層を形成した基板をベース板に用いて、このベース板上に、個別電極及び共通電極をパターニングし、スリット加工で分割した積層型の圧電素子と駆動ICとを配設したものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年において、インクジェット記録装置は、高画質、高速化が要求されており、高速化するための手段として、ヘッドの副走査方向のノズル数を増加させた長尺のヘッドを用いて、キャリッジの主走査方向1スキャンで副走査方向に広幅で印字することが行われる。このように、ヘッドの長さが長くなると、圧電素子の振動がベース基板を共振させ、噴射特性が著しく低下することになる。
【0006】
また、特に、圧電素子のd33方向の変位を利用して、圧電素子の両端面に設ける外部電極(端面電極)と駆動回路との電気的接続をとるヘッドにあっては、圧電素子とベース基板の接合面と圧電素子の外部電極とが直角方向であるために、電極取り出しが非常に難しくなるという課題があり、この課題は、特に、カラー記録を行うため、或いは、ノズル密度を高くするために複数列の圧電素子を配置するヘッドで顕著になる。
【0007】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、複数に配列された圧電素子からの電極取出しが容易であって噴射特性にも優れた液滴吐出ヘッド及びこの液滴吐出ヘッドを搭載することで高画質記録が可能なインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、断面形状が櫛歯状のベース基板上に断面形状が略L字型の圧電素子が接合され、ベース基板の櫛歯部が貫通穴を形成したプリント基板に挿入されて、プリント基板と圧電素子とが接続手段を介して電気的に接続されている構成としたものである。
【0009】
ここで、ベース基板は金属材料からなることが好ましい。また、圧電素子とベース基板、及び/又は、ベース基板とプリント基板との紫外線硬化型嫌気性接着剤で接合されていることが好ましい。さらに、ベース基板の櫛歯部に接合された複数の圧電素子は上面が同時に機械加工されたものであることが好ましい。また、ベース基板の櫛歯部に接合された複数の圧電素子は同時にスリット加工されたものであることが好ましい。
【0010】
また、プリント基板にはベース基板の櫛歯部間に形成される凹部側にドライバICが実装されていることが好ましく、この場合、ベース基板の櫛歯部間に形成される凹部の底面にはベース基板を貫通する貫通穴が開口していることが好ましい。
【0011】
本発明に係るインクジェット記録装置は、インク滴を吐出する本発明に係る液滴吐出ヘッドを備えたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。本発明の第1実施形態に係る液滴吐出ヘッドとしてのインクジェットヘッドについて図1及び図2を参照して説明する。なお、図1は同ヘッドの液室長手方向に沿う概略断面説明図、図2は同ヘッドの液室短手方向に沿う要部断面説明図である。
【0013】
このインクジェットヘッドは、流路ユニット1とアクチュエータユニット2とフレーム部材3とを接合し、例えばイエロー(Y)インクを吐出するヘッド部Hy、マゼンタ(M)インクを吐出するヘッド部Hm、シアン(C)インクを吐出するヘッド部Hc、ブラック(Bk)インクを吐出するヘッド部Hbを一体に備えたものである。
【0014】
流路ユニット1は、単結晶シリコン基板などで形成した流路基板(液室基板)11と、この流路基板11の下面に接合した振動板12と、流路基板11の上面に接合したノズル板13とを有し、これらによってインク滴を吐出するノズル15が連通する流路(インク液室)である加圧室16、加圧室16に流体抵抗部となるインク供給路17を介して左右からインクを供給する共通液室18を形成している。なお、各ヘッド部Hy、Hm、Hc、Hbの構成は同じであるので、特に区別して説明せず、また符号の付記も省略する。
【0015】
ここで、流路基板11は、結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板を水酸化カリウム水溶液(KOH)などのアルカリ性エッチング液を用いて異方性エッチングすることで、各加圧室16、インク供給路17、共通液室18となる貫通穴、凹部をそれぞれ形成している。
【0016】
振動板12は例えばニッケルの金属プレートから形成したものであるが、この他、樹脂部材或いは樹脂部材と金属部材の積層部材などで形成することができ、流路基板11に接着剤接合している。
【0017】
ノズル板13は各加圧液室16に対応して直径10〜30μmのノズル15を形成し、流路基板11に接着剤接合している。このノズル板13としては、ステンレス、ニッケルなどの金属、金属とポリイミド樹脂フィルムなどの樹脂との組み合せ、、シリコン、及びそれらの組み合わせからなるものを用いることができる。
【0018】
アクチュエータユニット2は、断面形状が櫛歯状であるベース基板21の4個の櫛歯部21a上に、それぞれ断面形状が略L字型の積層型圧電素子22が接着剤接合され、ベース基板21の櫛歯部21aが貫通穴23aを形成したプリント基板(PCB基板)23に挿入されて接着剤接合され、プリント基板23と圧電素子22とが接続手段であるFPC24を介して電気的に接続されている。
【0019】
ここで、ベース基板21には金属部材、例えばSUSを用いている。ベース基板21を金属部材で形成することによって、高剛性となり、圧電素子22の多チャンネル駆動時の共振を低減することができて、噴射特性が安定する。これに対して、ベース基板21としてセラミック基板などを用いることもできるが、多チャンネルを駆動したときに、振動がベース基板21に伝わり共振することがあるとともに、コストが高くなり、欠けなどによる撥塵を生じるおそれがある。また、ベース基板21の厚みは圧電素子22の長さ30mm程度に対して、5mm以上確保することが好ましい。
【0020】
圧電素子22は、図3に示すように、ベース基板21の4個の櫛歯部21a上に、それぞれ断面形状が略L字型の積層型圧電素子部材22Aを接着剤接合した状態で、ダイシング加工等のスライシング加工(スリット加工)により個々のチャンネルに分割して形成したものである。なお、チャンネルカットの方法としては、ダイシング加工またはワイヤーソー加工が一般的であるが、ダイヤモンドホイールを用いたダイシング加工の方が高密度の加工が可能となる
【0021】
このように、複数個(ここでは4個)の積層型圧電素子部材22Aを同時にチャンネルカットする(スリット加工を施す)ことにより、各列(各ヘッド部Hy、Hm、Hc、Hb間)の圧電素子22のチャンネル方向の位置決めが不要となる。一般的には、1ヘッドでY、M、C、Bkの4色のインクを吐出させる場合、圧電素子が4列必要となり、かつ、各色の圧電素子のチャンネル方向の位置決めをする必要があるが、これを簡単に行うことができる。
【0022】
また、圧電素子22は、図4にも示すように、圧電層25と内部電極26、27とを交互に積層し、一方の内部電極26は一端面に、他方の内部電極27は他端面に引き出して、それぞれ共通側外部電極(端面電極)28、個別側外部電極(端面電極)29に接続している。
【0023】
ここで、共通側外部電極(端面電極)28は底面側から個別側外部電極29側まで這い回して、図5に示すように、共通側外部電極28及び個別側外部電極29を圧電素子22の片側に延設して、それぞれをFPC24の共通電極ライン24a、個別電極ライン24bと接続するようにしている。
【0024】
このような電極構成にするには、例えば、スライシング加工前の圧電素子部材22Aとして、図6(a)に示すような形状の内部電極パターン26Aと、同図(b)に示すような形状の内部電極パターン27Aとを圧電層25Aを介してそれぞれ形成し、一端面側に内部電極パターン26Aに接続された共通側外部電極28Aを、他端面側に内部電極パターン26Aに接続された個別側外部電極29Aを形成する。それとともに、圧電素子部材22Aのチャンネル方向両端部では、図7に示すように共通側外部電極28Aを底面側から他端面を経て、個別側外部電極29Aと同じ平面へと這い回す。
【0025】
この状態で、圧電素子部材22Aに図4に示すスライシング最下点まで、つまり、個別側外部電極29Aがスライシング最下点より上になる位置までスライシング加工を施すことによって、図5に示すように、個別側外部電極29Aはスリット溝30によって個々の圧電素子22に対応する個別側外部電極29に分割され、共通側外部電極28Aはスリット溝30で分割されず、個々の圧電素子22に共通に接続された共通側外部電極28となる。
【0026】
また、圧電素子22の上面、すなわち振動板12との接合面には、圧電素子部材22Aの段階(スライシング加工前の段階)で同時に機械加工することにより、同一平面を形成している。機械加工の方法としては、ダイヤモンドホイールを用いた平面研削加工を用いることが好ましい。
【0027】
すなわち、流路ユニット1を圧電素子22と接着剤19(図1参照)により接着接合する場合、接着剤19がはみ出さないようにするためには、接着剤19の膜厚は極力薄い方が好ましく、接着剤の粘度によっても違いがあるが、1〜3μm程度の膜厚で塗布することが好ましい。そのため、複数の圧電素子22の上面(振動板接合面)の位置(高さ方向)も1μm程度の位置精度(平面度)が必要となる。そこで、ベース基板21に圧電素子部材22Aを接合して接合面に機械加工を施すことによって、各圧電素子22の高さを略同一にすることができて、接合品質が向上する。
【0028】
さらに、圧電素子22とベース基板21とを接合するための接着剤31(図1参照)としては、常温硬化型の接着剤が好ましい。圧電素子22とベース基板21の線膨張係数の違いにより、加熱硬化型接着剤を用いると内部応力が発生してしまい、圧電素子22の駆動や環境変動、高湿度により接合面の剥離が発生してしまうためである。
【0029】
ただし、常温硬化型の接着剤は、一般的には、硬化時間が長く、量産には不向きである。シアノアクリレート系の瞬間接着剤は、常温即硬化ではあるが、耐湿性に難がある。
【0030】
そこで、圧電素子22とベース基板21とを接合するための接着剤31としては、紫外線硬化型嫌気性接着剤を用いている。紫外線硬化型嫌気性接着剤は、常温硬化であるので、内部応力による接合面の剥離が防止でき、接合強度、耐湿性にも優れ、接合信頼性、接合品質が向上する。また、紫外線併用タイプであるため、はみ出し部分を紫外線により数秒で仮硬化できるため、タクトタイムの短縮が図れ、作業性を向上することができる。
【0031】
同様の理由から、ベース基板21とPCB基板23とを接合するための接着剤32としても紫外線硬化型嫌気性接着剤を用いている。
【0032】
このように構成したインクジェットヘッドでは、ベース基板21上に圧電素子22を接合した後、PCB基板23の貫通穴23a内にベース基板21の櫛歯部21aを挿入して接合することにより、圧電素子22の外部電極28、29とPCB基板23とが平行になるので、FPC24によって圧電素子22と駆動IC側との電気的接続を容易に行うことができる。
【0033】
次に、本発明の液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドの第2実施形態について図8を参照して説明する。
このヘッドでは、PCB基板23に、ベース基板21の櫛歯部23a間に形成される凹部42側に駆動IC(ドライバIC)41を実装している。これにより、ヘッドの面積が小さくなり、小型化を図れる。
【0034】
更に、ベース基板21には凹部42の底面に開口する貫通穴43を形成している。すなわち、ドライバICは多チャンネルを駆動することにより、100℃程度まで発熱する場合があるので、ドライバIC41付近の凹部42を貫通穴43を介して外部に連通させることで、放熱性が良好となり、ドライバIC41の発熱を低減することができる。また、ドライバICの近傍にインク流路を形成するような場合には、ドライバICの発熱によってインク温度の上昇が発生し、粘度変化による噴射特性の変化が生ずるが、これを防止することもできるようになる。
【0035】
次に、このようなインクジェットヘッドを塔載した本発明に係るインクジェット記録装置の一例について図9及び図10を参照して説明する。なお、図9は同記録装置の斜視説明図、図10は同記録装置の機構部の側面説明図である。
【0036】
このインクジェット記録装置は、記録装置本体111の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ、キャリッジに搭載した本発明に係るインクジェットヘッドからなる記録ヘッド、記録ヘッドへインクを供給するインクカートリッジ等で構成される印字機構部112等を収納し、装置本体111の下方部には前方側から多数枚の用紙113を積載可能な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい。)114を抜き差し自在に装着することができ、また、用紙113を手差しで給紙するための手差しトレイ115を開倒することができ、給紙カセット114或いは手差しトレイ115から給送される用紙113を取り込み、印字機構部112によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ116に排紙する。
【0037】
印字機構部112は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド121と従ガイドロッド122とでキャリッジ123を主走査方向(図10で紙面垂直方向)に摺動自在に保持し、このキャリッジ123にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する本発明に係る液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドからなるヘッド124を複数のインク吐出口(ノズル)を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
【0038】
また、キャリッジ123にはヘッド124に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ125を交換可能に装着している。インクカートリッジ125は上方に大気と連通する大気口、下方にはインクジェットヘッドへインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力によりインクジェットヘッドへ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。
【0039】
ここで、キャリッジ123は後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド121に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド122に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ123を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ127で回転駆動される駆動プーリ128と従動プーリ129との間にタイミングベルト130を張装し、このタイミングベルト130をキャリッジ123に固定しており、主走査モーター127の正逆回転によりキャリッジ123が往復駆動される。
【0040】
一方、給紙カセット114にセットした用紙113をヘッド124の下方側に搬送するために、給紙カセット114から用紙113を分離給装する給紙ローラ131及びフリクションパッド132と、用紙113を案内するガイド部材133と、給紙された用紙113を反転させて搬送する搬送ローラ134と、この搬送ローラ134の周面に押し付けられる搬送コロ135及び搬送ローラ134からの用紙113の送り出し角度を規定する先端コロ136とを設けている。搬送ローラ134は副走査モータ137によってギヤ列を介して回転駆動される。
【0041】
そして、キャリッジ123の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ134から送り出された用紙113を記録ヘッド124の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材139を設けている。この印写受け部材139の用紙搬送方向下流側には、用紙113を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ141、拍車142を設け、さらに用紙113を排紙トレイ116に送り出す排紙ローラ143及び拍車144と、排紙経路を形成するガイド部材145,146とを配設している。
【0042】
記録時には、キャリッジ123を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド124を駆動することにより、停止している用紙113にインクを吐出して1行分を記録し、用紙113を所定量搬送後次の行の記録を行う。記録終了信号または、用紙113の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙113を排紙する。
【0043】
また、キャリッジ123の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、ヘッド124の吐出不良を回復するための回復装置147を配置している。回復装置147はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。キャリッジ123は印字待機中にはこの回復装置147側に移動されてキャッピング手段でヘッド124をキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
【0044】
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段でヘッド124の吐出口(ノズル)を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
【0045】
このように、このインクジェット記録装置においては、本発明を実施したインクジェットヘッドを搭載しているので、高密度で高周波数駆動が可能になり、高速高画質記録を行うことができる。
【0046】
なお、上記実施形態においては、液滴吐出ヘッドとしてインクジェットヘッドに適用した例で説明したが、インクジェットヘッド以外の液滴吐出ヘッドとして、例えば、液体レジストを液滴として吐出する液滴吐出ヘッド、DNAの試料を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドなどの他の液滴吐出ヘッドにも適用できる。
【0047】
また、圧電型アクチュエータとして、インクジェットヘッドなどの液滴吐出ヘッドのアクチュエータ部(圧力発生手段)に用いた例で説明したが、マイクロポンプ、光学デバイス(光変調デバイス)以外にも、マイクロスイッチ(マイクロリレー)、マルチ光学レンズのアクチュエータ(光スイッチ)、マイクロ流量計、圧力センサなどにも適用することができる。
【0048】
さらに、上記実施形態においては、圧電素子が4列の場合について説明したが2列以上であればよく、例えばノズルを千鳥状に配置する場合にも適用することができる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る液滴吐出ヘッドによれば、断面形状が櫛歯状のベース基板上に断面形状が略L字型の圧電素子が接合され、ベース基板の櫛歯部が貫通穴を形成したプリント基板に挿入されて、プリント基板と圧電素子とが接続手段を介して電気的に接続されている構成としたので、複数配列の圧電素子の電極取り出しが容易で、噴射特性の低下も防止できるようになる。
【0050】
本発明に係るインクジェット記録装置によれば、インク滴を吐出する本発明に係る液滴吐出ヘッドを備えるので、高速で高画質記録を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る液滴吐出ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図
【図2】同ヘッドの液室短手方向に沿う断面説明図
【図3】圧電素子の製作工程の説明に供する斜視説明図
【図4】同ヘッドの圧電素子の電極構成の説明に供する断面説明図
【図5】同ヘッドの圧電素子とFPCとの接続の説明に供する平面説明図
【図6】同ヘッドの圧電素子の加工前の内部電極パターンを説明する平面説明図
【図7】同ヘッドの圧電素子の加工前の共通電極側外部電極の配設状態を説明する断面説明図
【図8】本発明の第2実施形態に係る液滴吐出ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図
【図9】本発明に係るインクジェット記録装置の一例を説明する斜視説明図
【図10】同記録装置の機構部の側面説明図
【符号の説明】
1…流路ユニット、2…アクチュエータユニット、11…流路基板、12…振動板、13…ノズル板、15…ノズル、16…加圧液室、17…流体抵抗部、18…共通液室、21…ベース基板、22…積層型圧電素子、23…PCB基板(プリント基板)、24…FPC(接続手段)。
Claims (8)
- 液滴を吐出するノズルが連通する加圧液室に対応する積層型の圧電素子をベース基板上に配置し、この圧電素子を駆動することで前記ノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッドにおいて、断面形状が櫛歯状のベース基板上に断面形状が略L字型の前記圧電素子が接合され、前記ベース基板の櫛歯部が貫通穴を形成したプリント基板に挿入されて、前記プリント基板と圧電素子とが接続手段を介して電気的に接続されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- 請求項1に記載のベース基板が金属材料からなることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- 請求項1又は2に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記圧電素子とベース基板、及び/又は、ベース基板とプリント基板との紫外線硬化型嫌気性接着剤で接合されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記ベース基板の櫛歯部に接合された複数の圧電素子は上面が同時に機械加工されたものであることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記ベース基板の櫛歯部に接合された複数の圧電素子は同時にスリット加工されたものであることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- 請求項1ないし5のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記プリント基板には前記ベース基板の櫛歯部間に形成される凹部側にドライバICが実装されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- 請求項6に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記ベース基板の櫛歯部間に形成される凹部の底面にはベース基板を貫通する貫通穴が開口していることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- インク滴を吐出するインクジェットヘッドを搭載するインクジェット記録装置において、前記インクジェットヘッドは前記請求項1ないし7のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドであることを特徴とするインクジェット記録装置。
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