JP3879685B2 - 圧電素子、圧電アクチュエータ、及び、液体噴射ヘッド - Google Patents

圧電素子、圧電アクチュエータ、及び、液体噴射ヘッド Download PDF

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    • B41J2/14233Structure of print heads with piezoelectric elements of film type, deformed by bending and disposed on a diaphragm

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動信号の供給によって変形する圧電素子、この圧電素子を駆動源として用いた圧電アクチュエータ、及び、液体噴射ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
圧電素子は、圧電効果を示す圧電材料である、BaTiO3、PbZrO3、PbTiO3などの金属酸化物の粉末を圧縮焼成した圧電セラミックス、または高分子化合物を利用した圧電性高分子膜などから成る電気エネルギーの供給によって変形するものであり、例えば、液体噴射ヘッド、マイクロポンプ、発音体(スピーカ等)用の駆動素子として広く用いられている。ここで、液体噴射ヘッドは、圧力室内の液体に圧力変動を生じさせることでノズル開口から液滴を吐出させるものであり、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレーの製造に用いられる液晶噴射ヘッド、カラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド等がある。また、マイクロポンプは、極く微量の液体を扱うことができる超小型のポンプであり、例えば、極く少量の薬液を送出する際に用いられる。
【0003】
このような液体噴射ヘッドやマイクロポンプに用いられる重要な部品の一つに、振動板の表面に圧電素子を設けた圧電アクチュエータがある。この圧電アクチュエータは圧力室となる空部を有する圧力室形成基板に取り付けられ、圧力室の一部を振動板で区画する。そして、液滴を吐出したり、液体を送出したりする際には、圧電素子に駆動パルスを供給してこの圧電素子及び振動板(即ち、圧力室の変形部分)を変形させ、圧力室の容積を変化させる。
【0004】
これらの液体噴射ヘッドやマイクロポンプにおいては、圧電素子の高周波駆動に対する強い要請がある。これは、液滴の高周波吐出を実現したり、送液能力を高めたりするためである。そして、圧電素子の高周波駆動を実現するためには、上記変形部分のコンプライアンスを従来よりも小さくし、且つ、圧電素子の変形量を従来よりも大きくする必要がある。これは、変形部分のコンプライアンスを小さくすると応答性が向上するため、従来よりも高い周波数での駆動が可能となること、及び、圧電素子の変形量を大きくすると圧力室の容積変化量が大きくなるため、吐出される液滴の量や送出される液体の量を増やすことができることによる。
【0005】
そして、変形部分のコンプライアンスと圧電素子の変形量の相反する特性を充足するものとして、多層構造の圧電素子が提案されている。例えば、圧電体層を上層圧電体と下層圧電体の2層構造とし、上層圧電体と下層圧電体の境界に駆動電極(個別電極)を形成すると共に、上層圧電体の外表面と下層圧電体の外表面とにそれぞれ共通電極を形成した構造の圧電素子が提案されている(例えば、特許文献1,2)。
【0006】
上記多層構造の圧電素子では、上層圧電体と下層圧電体の境界に駆動電極が設けられているので、各層の圧電体には、駆動電極から各共通電極までの間隔(即ち、各層圧電体の厚さ)と、駆動電極と各共通電極の電位差とによって定まる強さの電場が付与される。このため、共通電極と駆動電極とで単層の圧電体を挟んだ単層構造の圧電素子と比べた場合、圧電素子全体の厚さを多少厚くして変形部分のコンプライアンスを小さくしても、従来と同じ駆動電圧で大きく変形させることができる。
【0007】
【特許文献1】
特開平2−289352号公報(第6頁,第5図)
【特許文献2】
特開平10−34924号公報(第5頁,第9図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記多層構造の圧電素子を単に用いただけでは、近年の高い要請に応え得る程度の特性は得られなかった。このため、実際の製品としては、単層の圧電体を共通電極と駆動電極とで挟んだ単層構造の圧電素子を用いることを余儀なくされている。これには種々の要因が考えられるが、圧電素子の変形効率が十分でなかったことも一因と考えられる。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、多層構造の圧電素子における変形効率を向上させることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、電場に応じて変形する圧電体層と、該圧電体層に付与される電場を発生する電極層とを備え、
前記圧電体層を、互いに積層された上層圧電体と下層圧電体とから構成すると共に、前記電極層を、共通上電極及び共通下電極と、駆動信号の供給源に導通される駆動電極とから構成し、
下層圧電体と上層圧電体との間に駆動電極を形成すると共に、駆動電極とは反対側の下層圧電体の表面には共通下電極を、駆動電極とは反対側の上層圧電体の表面には共通上電極をそれぞれ形成した圧電素子に関し、
前記駆動電極と共通上電極との間に生じる電場を駆動電極と共通下電極との間に生じる電場よりも強くすることで、駆動信号の供給に伴う上層圧電体の変形度合いを、下層圧電体の変形度合いよりも大きくしたことを特徴とする。
この発明において、上層圧電体を下層圧電体よりも圧電定数が大きい圧電材料とする構成が好ましい。
【0011】
ここで、「上、下」とあるのは、圧電素子が設けられる振動板等の支持部材を基準とした位置関係を示している。換言すれば、支持部材に接合される作用面(変形により生じる力を出力する面)を基準とした位置関係を示している。即ち、支持部材から近い側を「下」とし、支持部材から遠い側を「上」として示している。
これらの発明によれば、駆動信号の供給に伴う上層圧電体の変形度合いを、下層圧電体の変形度合いよりも大きくしたので、圧電素子や振動板を効率よく変形させることができる。
【0012】
上記発明において、駆動電極と共通上電極との間に生じる電場を、駆動電極と共通下電極との間に生じる電場よりも強くするにあたっては、上層圧電体の厚さを下層圧電体の厚さの3/4以下にする構成が好ましい。また、バイアス電位供給部を通じて共通下電極に供給されるバイアス電位を、共通電位供給部を通じて共通上電極に供給される共通電位よりも高く設定する構成が好ましい。なお、これらの構成を組み合わせてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ここでは、プリンタやプロッタ等の画像記録装置に搭載される記録ヘッド(液体噴射ヘッドの一種)を例に挙げて説明する。この記録ヘッドは、例えば、図15に示すように、複数個のヘッド本体1を備え、これらのヘッド本体1を取付ベース61に取り付けて構成されている。
【0014】
まず、ヘッド本体1の基本構造について説明する。図1に示すように、このヘッド本体1は、流路ユニット2とアクチュエータユニット3とから概略構成されている。
【0015】
流路ユニット2は、インク供給口(オリフィス)4となる通孔及びノズル連通口5の一部となる通孔を開設した供給口形成基板6と、共通インク室7となる通孔及びノズル連通口5の一部となる通孔を開設したインク室形成基板8と、ノズル開口9を副走査方向(即ち、記録ヘッドの移動方向である主走査方向に直交する方向)に沿って開設したノズルプレート10から構成されている。これらの供給口形成基板6、インク室形成基板8、及び、ノズルプレート10は、例えば、ステンレス製の板材をプレス加工することで作製されている。
そして、流路ユニット2は、インク室形成基板8の一方の表面(図中下側)にノズルプレート10を、他方の表面(同上側)に供給口形成基板6をそれぞれ配置し、これらの供給口形成基板6、インク室形成基板8、及び、ノズルプレート10を接合することで作製される。例えば、シート状の接着剤によって各部材6,8,10を接着することで作製される。
【0016】
上記のノズル開口9は、図2に示すように、所定ピッチで複数個列状に開設される。そして、列設された複数のノズル開口9によってノズル列11が構成される。例えば、92個のノズル開口9で1つのノズル列11が構成される。そして、このノズル列11が横並びに2列形成される。
【0017】
アクチュエータユニット3は、ヘッドチップとも呼ばれる部材である。このアクチュエータユニット3は、圧力室12となる通孔を開設した圧力室形成基板13と、圧力室12の一部を区画する振動板14と、供給側連通口15となる通孔及びノズル連通口5の一部となる通孔を開設した蓋部材16と、圧電素子17とによって構成される。これら各部材13,14,16の板厚に関し、圧力室形成基板13、及び、蓋部材16は、好ましくは50μm以上、より好ましくは100μm以上である。また、振動板14は、好ましくは50μm以下、より好ましくは3〜12μm程度である。
【0018】
なお、このアクチュエータユニット3において、振動板14と圧電素子17が本発明の圧電アクチュエータを構成する。また、振動板14は、圧電素子17が設けられる支持部材の一種である。
【0019】
このアクチュエータユニット3は、圧力室形成基板13の一方の表面に蓋部材16を、他方の表面に振動板14をそれぞれ配置して各部材を接合し、その後、振動板14の表面に圧電素子17を形成することで作製される。これらの中で圧力室形成基板13、振動板14、及び、蓋部材16は、アルミナや酸化ジルコニウム等のセラミックスで作製されており、焼成によって接合される。
【0020】
これらの圧力室形成基板13,振動板14,蓋部材16の接合は、例えば次の手順で行われる。まず、セラミックス原料、バインダー及び液媒等によってセラミックスのスラリーを調整する。次に、ドクターブレード装置やリバースロールコーター装置等の一般的な装置を用いて、スラリーをグリーンシート(未焼成のシート材)に成形する。その後、このグリーンシートに対して切削や打ち抜き等の加工を施して必要な通孔等を形成し、圧力室形成基板13、振動板14、及び、蓋部材16の各シート状前駆体を形成する。そして、各シート状前駆体を積層及び焼成することにより、各シート状前駆体を一体化して1枚のシート状部材を得る。この場合、各シート状前駆体は一体焼成されるので、特別な接着処理が不要である。また、各シート状前駆体の接合面において高いシール性を得ることもできる。
【0021】
また、1枚のシート状部材には、複数ユニット分の圧力室12やノズル連通口5等が形成されている。換言すれば、1枚のシート状部材からから複数のアクチュエータユニット(ヘッドチップ)3が作製される。例えば、1つのアクチュエータユニット3となるチップ領域19(図13参照)を、1枚のシート状部材内にマトリクス状に複数設定し、圧電素子17等の必要な部材を各チップ領域19毎に形成する。そして、必要な部材が形成されたシート状部材(セラミックスシート18)をチップ領域19毎に切断することで、複数のアクチュエータユニット3を得る。なお、アクチュエータユニット3の製造方法については、後で説明する。
【0022】
上記の圧力室12は、ノズル列11とは直交する方向に細長い空部であり、ノズル開口9に対応する複数形成されている。即ち、図2に示すように、ノズル列方向に列設されている。そして、各圧力室12の一端は、ノズル連通口5を通じて対応するノズル開口9に連通する。また、ノズル連通口5とは反対側の圧力室12の他端は、供給側連通口15及びインク供給口4を通じて共通インク室7に連通している。さらに、この圧力室12の一部は、振動板14によって区画されている。
【0023】
上記の圧電素子17は、所謂撓み振動モードの圧電素子であり、圧力室12とは反対側の振動板表面に圧力室12毎に形成されている。この圧電素子17の幅は圧力室12の幅と略等しく、長さは圧力室12の長さよりも多少長い。即ち、圧電素子17は、圧力室12の長手方向を覆うように形成されている。この圧電素子17は、例えば、図3に示すように、圧電体層31と共通電極32と駆動電極33等によって構成される多層構造であり、駆動電極33と共通電極32とによって圧電体層31を挟んでいる。なお、この圧電素子17の詳細な構造については、後で説明する。
【0024】
上記の駆動電極33には駆動信号の供給源(図示せず)が導通、即ち、電気的に接続される。そして、共通電極32は一定電位(例えば接地電位)に調整される。駆動電極33に駆動信号が供給されると、駆動電極33と共通電極32との間には電位差に応じた強さの電場が発生される。この電場は圧電体層31に付与されるので、圧電体層31は付与された電場の強さに応じて変形する。即ち、駆動電極33の電位を高くする程、圧電体層31は電場と直交する方向に収縮し、圧力室12の容積を少なくするように振動板14を変形させる。一方、駆動電極33の電位を低くする程、圧電体層31は電界と直交する方向に伸長し、圧力室12の容積を増やすように振動板14を変形させる。
【0025】
そして、このアクチュエータユニット3と上記の流路ユニット2とは、互いに接合される。例えば、供給口形成基板6と蓋部材16との間にシート状接着剤を介在させ、この状態でアクチュエータユニット3を流路ユニット2側に加圧することで接着される。
【0026】
このように構成されたヘッド本体1には、共通インク室7からインク供給口4、供給側連通口15、圧力室12、及び、ノズル連通口5を通じてノズル開口9に至る一連のインク流路がノズル開口9毎に形成されている。使用時において、このインク流路内はインク(液体の一種)で満たされており、圧電素子17を変形させることで対応する圧力室12が収縮或いは膨張し、圧力室12内のインクに圧力変動が生じる。このインク圧力を制御することで、ノズル開口9からインク滴を吐出させることができる。例えば、定常容積の圧力室12を一旦膨張させた後に急激に収縮させると、圧力室12の膨張に伴ってインクが充填され、その後の急激な収縮によって圧力室12内のインクが加圧されてインク滴が吐出される。
【0027】
ここで、高速記録のためには、より多くのインク滴を短時間で吐出させる必要がある。この要求に応えるためには、圧力室12を区画している部分の振動板14及び圧電素子17(即ち、圧力室12における変形部分)のコンプライアンスと、圧電素子17の変形量とを考慮する必要がある。即ち、この変形部分のコンプライアンスが大きくなる程、変形に対する応答性が悪くなり、高い周波数での駆動が困難になるからである。また、変形部分のコンプライアンスが小さくなる程に変形し難くなり、圧力室12の収縮量が少なくなって1滴のインク量が減ってしまうからである。
【0028】
このような観点から、既に実用化されている撓み振動モードの圧電素子を用いた記録ヘッドでは、圧電素子は単層の圧電体を共通電極と駆動電極とで挟んだ単層構造のものが用いられており、最大応答周波数は25kHz程度、最大インク滴量は13pL(ピコリットル)程度であった。
【0029】
そして、本実施形態では、多層構造の圧電素子17を用いて振動板14のコンプライアンスを小さくし、さらに、この圧電素子17を改良することで、必要量のインク滴を従来よりも効率よく吐出可能にしている。以下、この点について説明する。
【0030】
まず、圧電素子17の構造について詳細に説明する。図3に示すように、圧電体層31は、互いに積層された上層圧電体(外側圧電体)34及び下層圧電体(内側圧電体)35から構成される。また、共通電極32は、共通上電極(共通外電極)36及び共通下電極(共通内電極)37から構成される。そして、この共通電極32と駆動電極(個別電極)33とが電極層を構成する。
【0031】
なお、ここでいう「上(外)」或いは「下(内)」とは、振動板14を基準とした位置関係を示している。換言すれば、圧電素子17における振動板14との接合面(圧電素子17の変形を出力するための作用面とも表現できる。)を基準とした位置関係を示している。そして、「上(外)」とあるのは振動板14から遠い側を示し、「下(内)」とあるのは振動板14に近い側を示している。
【0032】
上記の駆動電極33は、上層圧電体34と下層圧電体35の境界に形成され、共通下電極37は下層圧電体35と振動板14との間に形成される。また、共通上電極36は下層圧電体35とは反対側の上層圧電体34の表面に形成される。即ち、この圧電素子17は、振動板14側から、共通下電極37、下層圧電体35、駆動電極33、上層圧電体34、共通上電極36の順で積層された多層構造である。そして、圧電体層31の厚さは上層圧電体34と下層圧電体35の2層を合計して約17μmであり、共通電極32を含めた圧電素子17の全体の厚さは約20μmである。
なお、従来の単層構造の圧電素子17にあっては、素子全体の厚さが約15μmである。従って、圧電素子17の厚さが増したことから、その分だけ振動板14のコンプライアンスが小さくなっている。
【0033】
上記の共通上電極36と共通下電極37は、駆動信号に拘わらず一定の電位に調整され、上記したように共通電極として機能する。本実施形態において、これらの共通上電極36と共通下電極37は互いに導通され、接地電位に調整される。上記の駆動電極33は駆動信号の供給源に導通され、供給された駆動信号に応じて電位を変化させる。従って、駆動信号の供給によって、駆動電極33と共通上電極36との間、及び、駆動電極33と共通下電極37との間には、それぞれ向きが反対の電場が生じる。
【0034】
そして、これらの各電極33,36,37を構成する材料としては、例えば、金属単体、合金、電気絶縁性セラミックスと金属との混合物等の各種導体が選択されるが、焼成温度において変質等の不具合が生じないことが要求される。本実施形態では、共通上電極36に金を用い、共通下電極37及び駆動電極33に白金を用いている。
【0035】
上記の上層圧電体34と下層圧電体35は、例えばジルコン酸チタン酸鉛(PZT)を主成分とする圧電材料によって作製されている。そして、上層圧電体34と下層圧電体35とは分極方向が反対である。このため、駆動信号印加時の伸縮方向が上層圧電体34と下層圧電体35とで揃い、支障なく変形することができる。即ち、上層圧電体34及び下層圧電体35は、駆動電極33の電位を高くする程に圧力室12の容積を少なくするように振動板14を変形させ、駆動電極33の電位を低くする程に圧力室12の容積を増やすように振動板14を変形させる。
【0036】
そして、この多層構造の圧電素子17を効率よく変形させるべく、本実施形態では、駆動信号の供給に伴う上層圧電体34の変形度合いを、下層圧電体35の変形度合いよりも大きくしている。即ち、振動板14から遠い側に位置する上層圧電体34の変形度合いを、近い側に位置する下層圧電体35の変形度合いよりも高くしている。
【0037】
例えば、駆動電極33と共通上電極36との間に生じる電場を、駆動電極33と共通下電極37との間に生じる電場よりも強くすることにより、上層圧電体34の変形度合いを下層圧電体35の変形度合いよりも大きくすることができる。このため、上層圧電体34の厚さtp1と下層圧電体35の厚さtp2(図4参照)に関し、上層圧電体34の厚さtp1を下層圧電体35の厚さtp2の3/4以下に設定している。なお、全体の厚さ(tp1+tp2)については、上記したように17μmである。
【0038】
このように、上層圧電体34の厚さを下層圧電体35の厚さの3/4以下に設定すると、上層圧電体34と下層圧電体35の厚さの差に応じ、駆動電極33から共通下電極37までの間隔よりも駆動電極33から共通上電極36の間隔の方が狭くなる。従って、駆動電極33と共通上電極36との間で発生される電場が、駆動電極33と共通下電極37との間で発生される電場よりも強くなり、上層圧電体34の方が下層圧電体35よりも大きく撓む。
【0039】
そして、上層圧電体34の厚さを下層圧電体35の厚さの3/4以下にしたのは、圧電素子17の十分な変位量を確保するためである。ここで、図5は、各層圧電体34,35の厚さの比(tp1/tp2)を異ならせた場合における圧電素子17の変位量を示すグラフであり、駆動電圧を一定にした場合の実験結果を示す。この図5から判るように、厚さの比が3/4よりも大きいと変位量について顕著な差は見られないが、厚さの比を3/4以下に設定すると変位量を大きくできるという顕著な効果を奏する。
【0040】
また、上層圧電体34が下層圧電体35よりも相対的に大きく撓むと、上層圧電体34の方が振動板14から離隔しているため、その変形量が増幅されて振動板14に作用し、振動板14の変形量を大きくすることができる。例えば、上層圧電体34と下層圧電体35の積層高さ(要するに圧電素子17の高さ)、幅、及び長さが同じであって、上層圧電体34の方が下層圧電体35よりも厚い構造の圧電素子と比較すると、本実施形態の圧電素子17は、相対的に変形量が大きい上層圧電体34が振動板14から離れて位置しているのに対し、比較例の圧電素子では相対的に変形量が大きい下層圧電体35が振動板14の間近に位置する。そして、変形量が大きい圧電体層が振動板14から離れている方が振動板14を大きく変形できるので、本実施形態の圧電素子17の方がより振動板14を大きく変形させることができる。
なお、圧電素子17の高さ、幅、及び、長さが同じであることから、静電容量については、本実施形態の圧電素子17と比較例の圧電素子で同じである。
【0041】
そして、振動板14を大きく変形できることから、収縮時における圧力室12の容積をより小さくできる。従って、単に多層構造の圧電素子17を用いた場合よりも、圧力室12の膨張時と収縮時の容積差を広げることができ、インク滴の吐出量を増やすことができる。
【0042】
ところで、上記の実施形態は、上層圧電体34と下層圧電体35に同じ変形特性の圧電材料(ジルコン酸チタン酸鉛)を用い、各層圧電体層31(34,35)の厚さを変えることで、振動板14をより大きく変形させる構成としたが、本発明は、この構成に限定されるものではない。例えば、上層圧電体34を下層圧電体35よりも圧電定数が大きい圧電材料で構成してもよい。このように構成した場合、各層圧電体の厚さが同じ(つまり、付与される電場が同じ強さ)であっても、上層圧電体34の変形量を下層圧電体35の変形量よりも大きくすることができ、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0043】
例えば、圧電材料の一種であるチタン酸ジルコン酸鉛[Pb(Zr・Ti1−X)O]においては、ZrとTiの添加比率を変えることにより、圧電定数を変えることができる。一例を挙げると、ZrとTiを52:48の比率で添加した場合には、圧電定数(d31)は93.5×10-12となる。そして、ZrとTiを60:40の比率で添加した場合には、圧電定数は44.2×10-12となる。さらに、この圧電定数は、温度や湿度等の焼成環境の違いによっても変化する。
従って、所望の圧電定数に調整した2種類のチタン酸ジルコン酸鉛を、上層圧電体34と下層圧電体35とに用いることで、上層圧電体34の変形量を下層圧電体35の変形量よりも大きくすることができる。
【0044】
また、圧電定数は、圧電材料の種類によっても相違する。このため、各層圧電体34,35を異なる圧電材料で構成してもよい。上記のチタン酸ジルコン酸鉛以外の圧電材料としては、例えば、マグネシウムニオブ酸鉛、ニッケルニオブ酸鉛、マンガンニオブ酸鉛、アンチモンスズ酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、チタン酸鉛等があるが、これらの圧電材料の中から任意の2種類を選択し、選択した圧電材料によって各層圧電体34,35を作製してもよい。
【0045】
また、後述するように、この圧電素子17は、ペーストの塗布及び焼成を各層毎に繰り返し行うことで作製される。このため、上層圧電体34に関し、焼成後の残留応力が少ない程、電場に対する変形量を大きくすることができる。この観点から、上層圧電体34については、下層圧電体35よりも熱収縮率の小さい材料、即ち、焼成後における残留応力の小さい材料で作製することが好ましい。
【0046】
例えば、上記のチタン酸ジルコン酸鉛[Pb(Zr・Ti1−X)O]では、ZrとTiの添加比率を変えることで収縮率も変えることができる。一例を挙げると、ZrとTiを22:78の比率で添加したものと、40:60の比率で添加したものとでは、22:78の比率の方が収縮率が大きい。また、この収縮率は、焼成温度によっても相違する。従って、上記の添加比率と焼成温度とを調整し、所望の収縮率としたチタン酸ジルコン酸鉛を上層圧電体34に用いることで、その残留応力を制御することができる。
なお、この収縮率についても圧電材料毎に相違する。このため、所望の収縮率が得られる圧電材料を上層圧電体34と下層圧電体35とに用いることでも、同様の効果が得られる。
【0047】
また、上記の共通上電極36には、他の電極(駆動電極33,共通下電極37)よりも薄く、柔軟性が高い電極材料を用いている。これは、この共通上電極36が他の電極よりも大きく変形することに起因する。即ち、この共通上電極36は、上層圧電体34の表面に形成されているので、他の電極よりも大きく変形する。このため、共通上電極36については、他の電極よりも柔らかい材料を用い、及び/又は、層厚を薄くすることで、変形の繰り返しによる破損を防止できる。また、層厚を薄くしても電気抵抗が過度に高くならないように、導電性が良い電極材料を用いることが好ましい。
【0048】
具体的に説明すると、電極材料に関しては、上記したように、共通上電極36を金で作製し、駆動電極33及び共通下電極37を白金で作製している。そして、電極の厚さに関し、共通下電極37及び駆動電極33は2〜3μmであるのに対し、共通上電極36の厚さ(te1)はその1/10程度(例えば、0.3μm)にする。
この構成により、共通上電極36を圧電素子17に追従させて変形させることができ、圧電素子17の変形量が損なわれてしまう不具合を防止できる。また、圧電素子17の変形が繰り返し行われても断線等の故障が生じ難い。さらに、共通上電極36を通じて電流を効率よく流すことができる。
【0049】
そして、上記の駆動電極33は、図6に示すように、素子長手方向の一端で圧電素子17の外側に露出し、導通電極39を通じて供給端子40に導通されている。この供給端子40は、駆動信号を供給するための接点端子であり、駆動電極33毎に複数形成されている。各供給端子40には、フレキシブル・フラット・ケーブル(FFC)が備える駆動信号供給用の接点端子(図示せず)が導通される。従って、駆動信号は、供給端子40及び導通電極39を通じて、対応する駆動電極33に供給される。
なお、導通電極39は、圧電素子17の端面、振動板14の表面、及び、供給端子40が設けられる端子基板41の表面に一連に形成されている。そして、上記したように、共通下電極37も振動板14の表面に形成されているが、導通電極39と共通下電極37との間には電極が形成されない断線領域Xを設けてあるので、導通電極39と共通下電極37とは電気的に絶縁されている。
【0050】
ところで、上記したように、圧電素子17はノズル開口9毎に形成されるので、圧電素子17の数は1つのノズル列11に対して92個となる。そして、共通上電極36と共通下電極37は互いに導通されるが、両共通電極36,37を圧電素子17毎に導通させたのでは作業効率が悪く生産性の向上が図れない。その一方で、共通電極32(36,37)の形成時に両共通電極36,37を導通させてしまうと、その後の検査工程で圧電体層31の静電容量を圧電素子17毎(圧力室12毎)に測定する際に、素子全体でしか測定できず、問題箇所の特定が困難である。また、上層圧電体34と下層圧電体35の一方について分極が不十分であった場合、対応も困難である。
【0051】
このような事情に鑑み、本実施形態では、共通上電極36及び共通下電極37を、基電極と複数の枝電極とからなる櫛歯状電極によって構成し、圧電体層31の静電容量を測定した後に基電極同士を導通させる構成としている。以下、この共通電極32について説明する。
【0052】
図6から図8に示すように、共通上電極36は、ノズル列方向に細長い直線帯状の基電極(幹電極)42と、この基電極42の一側から圧電素子17(上層圧電体34)の表面を覆うように一連に形成された複数の枝電極43とから構成され、櫛歯状に形成される。
【0053】
上記の基電極42は、振動板14の表面に形成されており、その幅は全ての圧電素子17に対して同時に駆動信号が供給されても支障なく電流を流せるように、枝電極43の幅よりも十分に広く設定されている。そして、この基電極42の長手方向端部には、図8(a)に点線で示すように、導通領域42a(導通部の一種)を設けてある。この導通領域42aは、共通上電極36と共通下電極37とを導通させる際に用いられる(後述する)。また、各枝電極43は、圧電体層31の一端(基電極42に近い側の端部)の傾斜面を通って上層圧電体34の表面に形成される。
【0054】
各枝電極43の先端(基電極42とは反対側の端部)は、図6に示すように、上層圧電体34における他端の手前に位置している。これは、各枝電極43の端部と駆動電極33とを離隔して配置することにより、枝電極43と駆動電極33とが空中放電によって短絡してしまう不具合を防止するためである。
【0055】
また、共通下電極37は、その全体が振動板表面に形成され、図8(b)に示すように、ノズル列方向に細長い直線帯状の基電極(幹電極)44と、この基電極44の一側から各圧電素子17(下層圧電体35)毎に形成された複数の枝電極45と、基電極44の一端から枝電極45とは反対側に延設された導通帯部46(導通部の一種)とから構成され、櫛歯状に形成される。
【0056】
上記の基電極44は、全ての圧電素子17に対して同時に駆動信号が供給されても支障なく電流を流せるように、その幅が各枝電極45よりも十分に広く設定されている。そして、上記の枝電極45は、圧電体層31(下層圧電体35)と振動板14の間に位置し、その先端(基電極44とは反対側の端部)は、図6に示すように、共通上電極36と揃えられている。また、上記の導通帯部46は、この共通下電極37を共通上電極36に導通させる際に用いられる。即ち、この導通帯部46は、共通上電極36の導通領域42aに近接した位置に形成されており、図9(f)に示すように、導通領域42aと導通帯部46とを跨いだ状態で半田等の導通部材47が設けられる。従って、これらの両共通電極36,37を導通させるにあたっては、導通領域42aと導通帯部46の両方を跨がせて導通部材47を形成するだけで足り、作業の簡素化が図れ、且つ、自動化にも適する。
【0057】
次に、図9を参照して、共通上電極36及び共通下電極37の形成手順を説明する。なお、両共通電極36,37は、振動板14上に圧電素子17を形成する素子形成工程で形成されるため、この素子形成工程を説明する。
【0058】
素子形成工程では、まず、図9(a)に示すように、振動板14の表面に共通下電極37を形成する(第1工程)。本実施形態では、この共通下電極37の形成を印刷(厚膜印刷)によって行っている。従って、まず振動板14上の所定位置にマスクを載置し、白金ペーストをこのマスクを介して振動板14の表面に塗布する。白金ペーストを塗布したならば、この白金ペーストを焼成する。即ち、白金ペーストが塗布されたセラミックスシート18を焼成炉に入れて所定温度で所定時間に亘って焼成する。この焼成により、振動板14の表面には共通下電極37が形成される。
【0059】
共通下電極37を形成したならば、次に、図9(b)に示すように、下層圧電体35を形成する(第2工程)。即ち、振動板14上の所定位置にマスクを載置した後、圧電材料(例えば、ジルコン酸チタン酸鉛)のペーストを共通下電極37に重ねて塗布する。そして、塗布したペースト状の圧電材料を焼成する。その後は、図9(c)〜(e)に示すように、同様な手順で、駆動電極33、上層圧電体34、共通上電極36を順に形成する(第3工程〜第5工程)。即ち、第3工程では下層圧電体35に積層させて駆動電極33を形成し、第4工程では駆動電極33を覆うように下層圧電体35に積層させて上層圧電体34を形成し、第5工程では上層圧電体34の表面に共通上電極36を形成する。
【0060】
なお、この素子形成工程において、これらの各層、即ち、共通下電極37、下層圧電体35、駆動電極33、上層圧電体34、及び、共通上電極36は、図13に示す形成範囲R内に形成される。そして、この形成範囲Rは、チップ領域19(太線で示す矩形状領域)よりも内側に設定される。
【0061】
共通上電極36まで形成したならば、即ち、素子形成工程が終了したならば、切断工程に移行する。この切断工程では、各チップ領域19の縁を通る切断線Y(図13参照)に沿ってセラミックスシート18を切断し、アクチュエータユニット3を得る。この場合において、上記したように、各電極層33,36,37及び各層圧電体34,35や、導通電極39及び供給端子40が形成される形成領域Rは、チップ領域19よりも内側に設定されているため、切断刃に電極材料が付着せずに良好な切れ味を長期間に亘って維持できる。また、各アクチュエータユニット3を寸法精度良く切り出すこともできる。
【0062】
各アクチュエータユニット3に切断したならば検査工程に移行し、圧電素子17を構成する各層が正常に作製されたことを検査する。本実施形態では、圧電体層(アクト)の寸法(例えば、厚さや幅)に相関のある静電容量を、各層圧電体34,35毎に測定する。即ち、この検査工程では、まだ両共通電極36,37は導通されていないので、各層圧電体34,35毎に静電容量を測定することができる。
【0063】
そして、全ての圧電素子17に対する検査が終わったならば、測定した静電容量に基づいて、そのアクチュエータユニット3が、良品、或いは、不良品であるのかを判断する。さらに、良品と判断されたアクチュエータユニット3については、測定された静電容量に基づいて分類する。例えば、アクチュエータユニット3毎の平均静電容量に基づくランク分けを行ったり、静電容量のばらつき範囲に基づくランク分けを行う。
【0064】
アクチュエータユニット3を分類したならば、作製された圧電素子17を分極する分極工程を行う。この分極工程では、例えば図10に示すように、共通上電極36及び共通下電極37を共に接地し、駆動電極33を電源に接続することで行う。この場合、分極電圧は、使用予定の駆動電圧よりも十分に高い電圧で行われる。本実施形態では、駆動電圧が30V前後であるため、分極電圧は70V前後に設定される。そして、この分極電圧を所定時間に亘って印加したならば、分極工程を終了する。
【0065】
分極工程が終了したならば、導通工程に移行する。この導通工程では、図9(f)に示すように、分極処理後のアクチュエータユニット3に対して半田付け等の導通処理を行い、共通上電極36と共通下電極37とを導通させる。例えば、導通領域42aと導通帯部46とを跨いだ状態で半田やボンディングワイヤ等の導通部材47を設ける。
【0066】
この構成では、分極工程にて、駆動電極33を通じて分極電圧を印加することで分極処理を行っているので、上層圧電体34と下層圧電体35とを纏めて分極できる。このため、作業性が良い。また、共通上電極36と共通下電極37とが電極形成時においては電気的に絶縁された状態にあり、検査工程の終了後に導通されるので、検査工程にて1つの圧電素子17を上層圧電体側と下層圧電体側とに分けて検査できる。これにより、製造上の不具合を高い精度で発見できる。
【0067】
また、上記したように、各電極層33,36,37及び各層圧電体34,35の形成領域Rは、チップ領域19よりも内側に設定されているため、切断刃に電極材料が付着せずに良好な切れ味を長期間に亘って維持できる。また、各アクチュエータユニット3を寸法精度良く切り出すこともできる。
【0068】
なお、以上は、共通上電極36と共通下電極37の両方を櫛歯状電極によって構成した例を説明したが、少なくとも一方の共通電極36,37を圧電素子17毎に個別に形成し、フレキシブル・フラット・ケーブル等の配線部材によって共通上電極36と共通下電極37とを導通させてもよい。
【0069】
図11(a)〜(c)に示した例は、共通上電極36´を圧電素子17毎に個別に形成し、共通下電極37´を櫛歯状に形成したものである。そして、共通上電極36´と共通下電極37´とを導通するにあたり、配線部材51を用いている点に特徴がある。即ち、配線部材51の接続部には導電層52を面状に形成し、この導電層52を共通下電極37´(基電極)と各共通上電極36´との間に架け渡した状態で接合すればよい。
このように構成しても、検査工程にて1つの圧電素子17を上層圧電体34側と下層圧電体35側とに分けて検査できる。従って、製造上の不具合を高い精度で発見できる。
【0070】
ところで、上記実施形態では、共通上電極36と共通下電極37とが互いに導通し、接地電位に調整されている。そして、上層圧電体34に付与される電場と下層圧電体35に付与される電場の強さを、各圧電体層34,35の厚さで調整していた。即ち、上層圧電体34の厚さtp1を下層圧電体35の厚さtp2よりも薄くすることで、上層圧電体34に付与される電場を、下層圧電体35に付与される電場よりも強くしている。
【0071】
しかしながら、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば、共通上電極36と共通下電極37とを電気的に絶縁し、共通上電極36については共通電位(例えば接地電位)に調整する一方、共通下電極37についてはこの共通電位よりも所定電位高いバイアス電位に調整するようにしてもよい。この構成では、バイアス電位と共通電位の電位差の分だけ下層圧電体35に付与される電場が上層圧電体34に付与される電場よりも弱くなる。言い換えれば、この電位差によって、上層圧電体34に付与される電場が下層圧電体35に付与される電場よりも強くなる。以下、このように構成した他の実施形態について説明する。
【0072】
図12に示すように、本実施形態においては、上記実施形態における導通部材47(図9(f)参照)を設けず、共通上電極36と共通下電極37とを電気的に絶縁した状態にする。そして、共通上電極36には共通電位を供給するための共通電位供給部36aを設け、共通下電極37にはバイアス電位V′を供給するためのバイアス電位供給部37aを設ける。これらの共通電位供給部36a、及び、バイアス電位供給部37aは、共通上電極36及び共通下電極37の中であれば任意の場所に設けることが可能である。本実施形態では、図12(b)に示すように、上記実施形態における導通領域42aに相当する部分と、導通帯部46に相当する部分とに隣り合わせに設けている。
【0073】
これは、配線作業の容易化を図るためである。即ち、上記の共通電位やバイアス電位V′は、例えば、配線部材51(図11参照)を介して共通上電極36や共通下電極37に供給される。このため、配線部材51には、共通電位(例えば、GND)を供給するための配線と、バイアス電位V′を供給するための配線とを設けており、これらの配線の先端部分を露出させて半田を塗布している。
そして、この実施形態のように、共通電位供給部36a、及び、バイアス電位供給部37aを隣接させて設けると、配線部材51をヘッド本体1に半田付けする際に共通電位供給部36a及びバイアス電位供給部37aと配線部材51(配線)とを纏めて接続することができる。このため、作業が簡素化でき、作業性の向上が図れる。また、配線作業の自動化にも適する。
【0074】
このような構成の本実施形態では、記録ヘッドの使用時において、共通上電極36は共通電位に調整され、共通下電極37はバイアス電位V′に調整される。そして、バイアス電位V′は共通電位よりも高い電位に設定されているため、圧電素子17を駆動するための駆動信号が単一であっても、駆動電極33と共通上電極36の電位差は、駆動電極33と共通下電極37の電位差よりも大きくなる。その結果、共通上電極36の変形量は、共通下電極37の変形量よりも大きくなり、圧電素子17の変形効率を向上させることができる。また、各圧電体層34,35や各電極層36,37に無理な機械的ストレスを与え難くすることができ、耐久性を向上させることができる。
【0075】
この場合において、共通上電極36の変形量と共通下電極37の変形量のバランスは、バイアス電位V′の大きさによって規定される。本実施形態では、このバイアス電位を、駆動信号における駆動電圧(最大電位と最低電位の電位差)に基づいて定めている。例えば、バイアス電位V′をその5%〜20%程度の範囲で規定する。このように構成することで、インク滴の吐出動作に支障を来すことなく、上層圧電体34の変形量と下層圧電体35の変形量を好適なバランスにすることができる。
【0076】
なお、本実施形態における駆動電圧は、概ね30V前後であるので、バイアス電位V′は1.5V(5%)〜6V(20%)の範囲で規定される。ここで、バイアス電位V′に関し、上記範囲内の所定電圧(例えば5V)を定め、一律に印加してもよく、駆動電圧に係数を乗じて算出された電圧値としてもよい。
【0077】
ところで、上記のヘッド本体1は2列のノズル列11,11を有しており、各列毎に異なる種類のインクを吐出可能であるが、一般的に、インクジェット式記録ヘッドでは、4色〜7色からなる複数色のインクを吐出する。このため、図15に示すように、記録ヘッドは、複数個のヘッド本体1を備えている。そして、カラーバランスの良好な画像を記録するためには、各ヘッド本体1の吐出特性が揃っていることが好ましい。
【0078】
しかし、ヘッド本体1の主要部を構成するアクチュエータユニット3は、例えば、図13に示すように、1枚のセラミックスシート18から複数個作製される。即ち、マトリクス状に設定された複数のチップ領域19のそれぞれに対してアクチュエータユニット3の構成要素(圧力室12や圧電素子17等)を作製し、その後、セラミックスシート18をチップ領域19に沿って切断することでアクチュエータユニット3を得ている。このため、セラミックスシート18の位置に応じてアクチュエータユニット3の特性がばらつくことがある。これは、シート状前駆体を焼成する際において、セラミックスシート18の収縮度合いが一様でなく、その場所に応じて異なるからである。例えば、方形状のシートの場合、このシートの隅角部から焼成が始まり、その後、シート中心部分に向かって焼成が進行する傾向がある。
【0079】
このような事情に鑑み、本実施形態では、同じ記録ヘッドに取り付ける複数のヘッド本体1は、同じセラミックスシート18上にて収縮率が等しいチップ領域19のヘッドチップから作製されたものにする。
【0080】
例えば、図14に示すように、1枚のセラミックスシート18に、4行4列(合計16領域)のチップ領域19を設定した場合について説明する。
この例では、便宜上、行をA行からD行で、列を第1列から第4列でそれぞれ示す。このため、A行第1列はチップ領域A1といい、4行第4列はチップ領域D4という。
【0081】
このように、チップ領域19をマトリクス状に配置した場合、セラミックスシート18の収縮率は行方向或いは列方向に揃う傾向がある。このため、収縮率が行方向に揃ったセラミックスシート18では、同じ行、例えば、図中G1の枠で示すように、チップ領域A1〜A4のアクチュエータユニット(ヘッドチップ)3から作製された4つのヘッド本体1を同じ記録ヘッドに搭載する。即ち、組立工程にて、これらのヘッド本体1を取付ベース61に取り付ける。また、同様に、チップ領域B1〜B4、チップ領域C1〜C4、或いは、チップ領域D1〜D4のヘッド本体1から作製された4つのヘッド本体1を同じ記録ヘッドに搭載する。一方、収縮率が列方向に揃ったセラミックスシート18では、図中G2の枠で例示するように、同じ列(チップ領域A1〜D1,A2〜D2,A3〜D3,A4〜D4)のヘッド本体1から作製された4つのヘッド本体1を同じ記録ヘッドに搭載する。そして、同じセラミックスシート18上にて収縮率が等しいチップ領域19のヘッドチップから作製されたヘッド本体1を選択して記録ヘッドに搭載することで、各ヘッド本体1から吐出されるインク滴の吐出特性が揃い、高品質な画像を記録することができる。
【0082】
なお、この場合において、セラミックスシート18上におけるそのチップ領域19の位置を示す識別情報を設けることが好ましい。これは、その識別情報を確認することで、ヘッド本体1の組み合わせを容易に把握できるからである。そして、この識別情報としては、例えば、電極層を塗布する際に、その電極材料によって同時に印刷することが好ましい。即ち、電極層用のマスクに、識別情報用のパターンを形成し、電極層の塗布で識別情報も印刷する。
【0083】
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。以下、変形例について説明する。
【0084】
図16に示す第1の変形例は、圧電素子17に関し、上層圧電体34の幅wp1が下層圧電体35の幅wp2よりも狭い点に特徴がある。なお、他の構成は、上記実施形態(図4参照)と同様であるので、その説明は省略する。この第1の変形例では、上層圧電体34の幅wp1が下層圧電体35の幅wp2よりも狭いので、上層圧電体34は、幅方向中央部を積極的に変形させることになる。このため、振動板14においても、幅方向中央部が側縁部よりも大きく変形することになる。その結果、圧力室12を効率よく収縮させることができる。
【0085】
図17に示す第2の変形例は、上層圧電体34の幅wp1が下層圧電体35の幅wp2よりも広い点に特徴がある。なお、他の構成は、上記実施形態(図4参照)と同様であるので、説明は省略する。この第2の変形例では、上層圧電体34の幅wp1が下層圧電体35の幅wp2よりも広いので、駆動電極33を圧電体層31内に確実に埋設できる。従って、駆動電極33と共通上電極36との間の短絡を確実に防止することができる。
【0086】
なお、以上は、液体噴射ヘッドの一種である記録ヘッド、並びに、この記録ヘッドに用いられる圧電素子及び圧電アクチュエータに本発明を適用した例を説明したが、これに限定されるものではない。本発明は、例えば、液晶噴射ヘッドや色材噴射ヘッド等といった他の液体噴射ヘッド、及び、この液体噴射ヘッド用の圧電素子及び圧電アクチュエータにも適用できる。また、マイクロポンプ用の圧電素子及び圧電アクチュエータにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ヘッド本体の基本構造を説明する断面図である。
【図2】 ヘッド本体をノズルプレート側から見た図である。
【図3】 アクチュエータユニットの構造を説明する図であり、圧力室長手方向で切断した断面図である。
【図4】 アクチュエータユニットの構造を説明する図であり、圧力室幅方向で切断した断面図である。
【図5】 各層圧電体の厚さの比と変位量との相関関係を説明する図である。
【図6】 駆動電極の端部構造を説明する断面図である。
【図7】 共通電極の端部構造を説明する断面図である。
【図8】 共通電極の構造を説明する図であり、(a)は共通上電極の平面図、(b)は共通下電極の平面図である。
【図9】 (a)〜(f)は、圧電素子の作成過程を説明する模式図である。
【図10】 圧電素子に対する分極処理を説明する模式図である。
【図11】 (a)〜(c)は、共通上電極を圧電素子毎に形成し、配線部材によって共通上電極と共通下電極とを導通させた例を説明する図である。
【図12】 (a),(b)は、本発明の他の実施形態を説明する図である。
【図13】 セラミックスシートとチップ領域の位置関係を説明する模式図である。
【図14】 アクチュエータユニットの選択を説明する模式図である。
【図15】 複数のヘッド本体を備えた記録ヘッドを説明する図である。
【図16】 第1の変形例を説明する図である。
【図17】 第2の変形例を説明する図である。
【符号の説明】
1…ヘッド本体,2…流路ユニット,3…アクチュエータユニット,4…インク供給口,5…ノズル連通口,6…供給口形成基板,7…共通インク室,8…インク室形成基板,9…ノズル開口,10…ノズルプレート,11…ノズル列,12…圧力室,13…圧力室形成基板,14…振動板,15…供給側連通口,16…蓋部材,17…圧電素子,18…セラミックスシート,19…チップ領域,31…圧電体層,32…共通電極,33…駆動電極,34…上層圧電体,35…下層圧電体,36…共通上電極,37…共通下電極,38…圧力室隔壁,39…導通電極,40…供給端子,41…端子基板,42…共通上電極の基電極,43…共通上電極の枝電極,44…共通下電極の基電極,45…共通下電極の枝電極,46…共通下電極の導通帯部,47…導通部材,51…配線部材,52…導電層,61…取付ベース

Claims (15)

  1. 電場に応じて変形する圧電体層と、該圧電体層に付与される電場を発生する電極層とを備え、
    前記圧電体層を、互いに積層された上層圧電体と下層圧電体とから構成すると共に、前記電極層を、定電位に調整される共通上電極及び共通下電極と、駆動信号の供給源に導通される駆動電極とから構成し、
    下層圧電体と上層圧電体との間に駆動電極を形成すると共に、駆動電極とは反対側の下層圧電体の表面には共通下電極を、駆動電極とは反対側の上層圧電体の表面には共通上電極をそれぞれ形成した圧電素子であって、
    前記駆動電極と共通上電極との間に生じる電場を駆動電極と共通下電極との間に生じる電場よりも強くすることで、駆動信号の供給に伴う上層圧電体の変形度合いを、下層圧電体の変形度合いよりも大きくしたことを特徴とする圧電素子。
  2. 前記上層圧電体の厚さを下層圧電体の厚さの3/4以下としたことを特徴とする請求項1に記載の圧電素子。
  3. 前記上層圧電体を下層圧電体よりも圧電定数が大きい圧電材料で構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の圧電素子。
  4. 前記共通上電極と共通下電極とを導通させて同電位としたことを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の圧電素子。
  5. 前記共通上電極と共通下電極とを電気的に絶縁し、共通下電極にはバイアス電位を供給するためのバイアス電位供給部を設ける一方、共通上電極には共通電位を供給するための共通電位供給部を設け、
    前記バイアス電位を前記共通電位よりも高く設定したことを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の圧電素子。
  6. 駆動源としての圧電素子を振動板の表面に形成してなる圧電アクチュエータにおいて、
    前記圧電素子は、電場に応じて変形する圧電体層と該圧電体層に付与される電場を発生する電極層とを備え、
    前記圧電体層を、互いに積層された上層圧電体と下層圧電体とから構成すると共に、前記電極層を、定電位に調整される共通上電極及び共通下電極と、駆動信号の供給源に導通される駆動電極とから構成し、
    下層圧電体と上層圧電体との間に駆動電極を形成すると共に、下層圧電体と振動板との間に共通下電極を、駆動電極とは反対側の上層圧電体の表面に共通上電極をそれぞれ形成し、
    前記駆動電極と共通上電極との間に生じる電場を駆動電極と共通下電極との間に生じる電場よりも強くすることで、駆動信号の供給に伴う上層圧電体の変形度合いを、下層圧電体の変形度合いよりも大きくしたことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  7. 前記上層圧電体の厚さを下層圧電体の厚さの3/4以下としたことを特徴とする請求項6に記載の圧電アクチュエータ。
  8. 前記上層圧電体を下層圧電体よりも圧電定数が大きい圧電材料で構成したことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の圧電アクチュエータ。
  9. 前記共通上電極と共通下電極とを導通させて同電位としたことを特徴とする請求項6から請求項8の何れかに記載の圧電アクチュエータ。
  10. 前記共通上電極と共通下電極とを電気的に絶縁し、共通下電極にはバイアス電位を供給するためのバイアス電位供給部を設ける一方、共通上電極には共通電位を供給するための共通電位供給部を設け、
    前記バイアス電位を前記共通電位よりも高く設定したことを特徴とする請求項6から請求項8の何れかに記載の圧電アクチュエータ。
  11. ノズル開口に連通された圧力室と、該圧力室の一部を区画する振動板と、前記圧力室とは反対側の振動板表面に設けられた圧電素子とを備え、圧電素子の変形によって圧力室内の液体に圧力変動を生じさせることでノズル開口から液滴を吐出する液体噴射ヘッドにおいて、
    前記圧電素子は、電場に応じて変形する圧電体層と該圧電体層に付与される電場を発生する電極層とを備え、
    前記圧電体層を、互いに積層された上層圧電体と下層圧電体とから構成すると共に、前記電極層を、定電位に調整される共通上電極及び共通下電極と、駆動信号の供給源に導通される駆動電極とから構成し、
    下層圧電体と上層圧電体との間に駆動電極を形成すると共に、下層圧電体と振動板との間に共通下電極を、駆動電極とは反対側の上層圧電体の表面に共通上電極をそれぞれ形成し、
    前記駆動電極と共通上電極との間に生じる電場を駆動電極と共通下電極との間に生じる電場よりも強くすることで、駆動信号の供給に伴う上層圧電体の変形度合いを、下層圧電体の変形度合いよりも大きくしたことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  12. 前記上層圧電体の厚さを下層圧電体の厚さの3/4以下としたことを特徴とする請求項11に記載の液体噴射ヘッド。
  13. 前記上層圧電体を下層圧電体よりも圧電定数が大きい圧電材料で構成したことを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の液体噴射ヘッド。
  14. 前記共通上電極と共通下電極とを導通させて同電位としたことを特徴とする請求項11から請求項13の何れかに記載の液体噴射ヘッド。
  15. 前記共通上電極と共通下電極とを電気的に絶縁し、共通下電極にはバイアス電位を供給するためのバイアス電位供給部を設ける一方、共通上電極には共通電位を供給するための共通電位供給部を設け、
    前記バイアス電位を前記共通電位よりも高く設定したことを特徴とする請求項11から請求項13の何れかに記載の液体噴射ヘッド。
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