JP4168682B2 - 電歪アクチュエータ - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動源としての圧電素子を振動板表面に形成してなる電歪アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
圧電素子は、電気エネルギーの供給によって変形するものであり、例えば、液体噴射ヘッド、マイクロポンプ、発音体(スピーカ等)用の駆動素子として広く用いられている。ここで、液体噴射ヘッドは、圧力室内の液体に圧力変動を生じさせることでノズル開口から液滴を吐出させるものであり、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレーの製造に用いられる液晶噴射ヘッド、カラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド等がある。また、マイクロポンプは、極く微量の液体を扱うことができる超小型のポンプであり、例えば、極く少量の薬液を送出する際に用いられる。
【0003】
このような液体噴射ヘッドやマイクロポンプに用いられる重要な部品の一つに、振動板の表面に圧電素子を設けた電歪アクチュエータがある。この電歪アクチュエータは圧力室となる空部を有する圧力室形成基板に取り付けられ、圧力室の一部を振動板で区画する。そして、液滴を吐出したり、液体を送出したりする際には、圧電素子に駆動パルスを供給してこの圧電素子及び振動板(即ち、圧力室の変形部分)を変形させ、圧力室の容積を変化させる。
【0004】
これらの液体噴射ヘッドやマイクロポンプにおいては、圧電素子の高周波駆動に対する強い要請がある。これは、液滴の高周波吐出を実現したり、送液能力を高めたりするためである。そして、圧電素子の高周波駆動を実現するためには、上記変形部分のコンプライアンスを従来よりも小さくし、且つ、圧電素子の変形量を従来よりも大きくする必要がある。これは、変形部分のコンプライアンスを小さくすると応答性が向上するため、従来よりも高い周波数での駆動が可能となること、及び、圧電素子の変形量を大きくすると圧力室の容積変化量が大きくなるため、吐出される液滴の量や送出される液体の量を増やすことができることによる。
【0005】
そして、変形部分のコンプライアンスと圧電素子の変形量の相反する特性を充足するものとして、多層構造の圧電素子が提案されている。例えば、特開平2−289352号公報には、圧電体層を上層圧電体と下層圧電体の2層構造とし、上層圧電体と下層圧電体の境界に駆動電極(個別電極)を形成すると共に、上層圧電体の外表面と下層圧電体の外表面とにそれぞれ共通電極を形成した構造の圧電素子が開示されている。同様に、特開平10−34924号公報にも多層構造の圧電素子が開示されている。
【0006】
上記多層構造の圧電素子では、上層圧電体と下層圧電体の境界に駆動電極が設けられているので、各層の圧電体には、駆動電極から各共通電極までの間隔(即ち、各層圧電体の厚さ)と、駆動電極と各共通電極の電位差とによって定まる強さの電場が付与される。このため、共通電極と駆動電極とで単層の圧電体を挟んだ単層構造の圧電素子と比べた場合、圧電素子全体の厚さを多少厚くして変形部分のコンプライアンスを小さくしても、従来と同じ駆動電圧で大きく変形させることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記多層構造の圧電素子を単に用いただけでは、近年の高い要請に応え得る程度の特性は得られなかった。このため、実際の製品としては、単層の圧電体を共通電極と駆動電極とで挟んだ単層構造の圧電素子を用いることを余儀なくされている。これには種々の原因が考えられるが、圧電素子の変形を振動板に十分に伝達できていなかったことや、電極同士の短絡が生じ易いなど信頼性が十分でなかったことも要因と考えられる。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、多層構造の圧電素子を用いた構成において、振動板の変形効率を向上させることにある。また、製造時の不良を防止して歩留まりを高めることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載のものは、駆動源としての圧電素子を振動板の表面に形成してなり、圧力室形成基板に取り付けられることで圧力室の一部を区画する電歪アクチュエータにおいて、
前記圧電素子は、電場に応じて変形する圧電体層と該圧電体層に付与される電場を発生する電極層とを備え、
前記圧電体層を、互いに積層された上層圧電体と下層圧電体とから構成すると共に、前記電極層を、互いに導通された共通上電極及び共通下電極と、駆動信号の供給源に導通される駆動電極とから構成し、
下層圧電体と上層圧電体との間に駆動電極を形成すると共に、下層圧電体と振動板との間に共通下電極を、駆動電極とは反対側の上層圧電体の表面に共通上電極をそれぞれ形成し、
前記共通上電極の層厚は、共通下電極及び駆動電極の層厚よりも薄く、尚且つ、前記共通上電極の短辺方向の長さは、共通下電極及び駆動電極の短辺方向の長さよりも長いことを特徴とする電歪アクチュエータである。
ここで、「上、下」とあるのは、振動板を基準とした位置関係を示している。即ち、振動板から近い側を「下」とし、振動板から遠い側を「上」として示している。
【0010】
請求項2に記載のものは、駆動源としての圧電素子を振動板の表面に形成してなる電歪アクチュエータにおいて、
前記圧電素子は、電場に応じて変形する圧電体層と該圧電体層に付与される電場を発生する電極層とを備え、
前記圧電体層を、互いに積層された上層圧電体と下層圧電体とから構成すると共に、前記電極層を、互いに導通された共通上電極及び共通下電極と、駆動信号の供給源に導通される駆動電極とから構成し、
下層圧電体と上層圧電体との間に駆動電極を形成すると共に、下層圧電体と振動板との間に共通下電極を、駆動電極とは反対側の上層圧電体の表面に共通上電極をそれぞれ形成し、
前記共通上電極の電極材料は、共通下電極及び駆動電極の電極材料よりも柔らかく、尚且つ、前記共通上電極の短辺方向の長さは、共通下電極及び駆動電極の短辺方向の長さよりも長いことを特徴とする電歪アクチュエータである。
【0011】
請求項3に記載のものは、請求項1に記載の電歪アクチュエータであって、
前記共通上電極の導電率は、共通下電極及び駆動電極の導電率よりも高いことを特徴とする電歪アクチュエータである。
【0012】
請求項4に記載のものは、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電歪アクチュエータであって、
前記共通上電極は金で作成され、共通下電極及び駆動電極は白金で作成されていることを特徴とする電歪アクチュエータである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ここでは、プリンタやプロッタ等の画像記録装置に搭載される記録ヘッド(液体噴射ヘッドの一種)を例に挙げて説明する。この記録ヘッドは、例えば、図5に示すように、複数個のヘッド本体1…を備え、これらのヘッド本体1…を取付ベース61に取り付けて構成されている。
【0014】
まず、ヘッド本体1の基本構造について説明する。図1に示すように、このヘッド本体1は、流路ユニット2とアクチュエータユニット3とから概略構成されている。
【0015】
流路ユニット2は、インク供給口(オリフィス)4及びノズル連通口5の一部となる通孔を開設した供給口形成基板6と、共通インク室7となる通孔及びノズル連通口5の一部となる通孔を開設したインク室形成基板8と、ノズル開口9…を副走査方向(記録ヘッドの移動される主走査方向とは直交する方向)に沿って開設したノズルプレート10から構成されている。これらの供給口形成基板6、インク室形成基板8、及び、ノズルプレート10は、例えば、ステンレス製の板材をプレス加工することで作製されている。
そして、流路ユニット2は、インク室形成基板8の一方の表面(図中下側)にノズルプレート10を、他方の表面(同上側)に供給口形成基板6をそれぞれ配置し、これらの供給口形成基板6、インク室形成基板8、及び、ノズルプレート10を接合することで作製される。例えば、シート状の接着剤によって各部材6,8,10を接着することで作製される。
【0016】
上記のノズル開口9は、図2に示すように、所定ピッチで複数個列状に開設される。そして、列設された複数のノズル開口9…によってノズル列11が構成される。例えば、92個のノズル開口9…で1つのノズル列11が構成され、このノズル列11が横並びに2列形成される。
【0017】
アクチュエータユニット3は、ヘッドチップとも呼ばれる部材である。このアクチュエータユニット3は、圧力室12となる通孔を開設した圧力室形成基板13と、圧力室12の一部を区画する振動板14と、供給側連通口15となる通孔及びノズル連通口5の一部となる通孔を開設した蓋部材16と、圧電素子17とによって構成される。これら各部材13,14,16の板厚に関し、圧力室形成基板13、及び、蓋部材16は、好ましくは50μm以上、より好ましくは100μm以上である。また、振動板14は、好ましくは50μm以下、より好ましくは3〜12μm程度である。
【0018】
なお、このアクチュエータ3において、振動板14と圧電素子17とが本発明の電歪アクチュエータを構成する。また、振動板14は、圧電素子17が設けられる支持部材の一種である。
【0019】
このアクチュエータユニット3は、圧力室形成基板13の一方の表面に蓋部材16を、他方の表面に振動板14をそれぞれ配置して各部材を接合し、その後振動板14の表面に圧電素子17を形成することで作製される。これらの中で、圧力室形成基板13、振動板14、及び、蓋部材16は、アルミナや酸化ジルコニウム等のセラミックスで作製されており、焼成によって互いに接合される。
【0020】
これらの圧力室形成基板13、振動板14、蓋部材16の接合は、例えば次の手順で行われる。まず、セラミックス原料、バインダー及び液媒等によってセラミックスのスラリーを調整する。次に、ドクターブレード装置やリバースロールコーター装置等の一般的な装置を用いて、スラリーをグリーンシート(未焼成のシート材)に成形する。その後、このグリーンシートに対して切削や打ち抜き等の加工を施して必要な通孔等を形成し、圧力室形成基板13、振動板14、及び、蓋部材16の各シート状前駆体を形成する。そして、各シート状前駆体を積層及び焼成することにより、各シート状前駆体を一体化して1枚のシート状部材を得る。この場合、各シート状前駆体は一体焼成されるので、特別な接着処理が不要である。また、各シート状前駆体の接合面において高いシール性を得ることもできる。
【0021】
また、1枚のシート状部材には、複数ユニット分の圧力室12…やノズル連通口5…等が形成されている。換言すれば、1枚のシート状部材から複数のアクチュエータユニット(ヘッドチップ)3…を作製する。例えば、1つのアクチュエータユニット3となるチップ領域を1枚のシート状部材内にマトリクス状に複数設定し、圧電素子17等の必要な部材を各チップ領域毎に形成する。そして、必要な部材が形成されたシート状部材(セラミックスシート)をチップ領域毎に切断することで、複数のアクチュエータユニット3…を得る。
【0022】
上記の圧力室12は、ノズル列11とは直交する方向に細長い空部であり、ノズル開口9に対応する複数形成されている。即ち、図2に示すように、ノズル列方向に列設されている。そして、各圧力室12…の一端は、ノズル連通口5を通じて対応するノズル開口9に連通する。また、ノズル連通口5とは反対側の圧力室12の他端は、供給側連通口15及びインク供給口4を通じて共通インク室7に連通している。さらに、この圧力室12の一部は、振動板14によって区画されている。
【0023】
上記の圧電素子17は、所謂撓み振動モードの圧電素子であり、圧力室12とは反対側の振動板表面に圧力室12毎に形成されている。この圧電素子17は、その幅が圧力室12の幅と略等しく、長さは圧力室12の長さよりも多少長い。そして、圧力室12の長手方向を覆うように形成されている。さらに、この圧電素子17は、図3に示すように、圧電体層31と共通電極32と駆動電極33等によって構成される多層構造であり、駆動電極33と共通電極32とによって圧電体層31を挟んでいる。なお、この圧電素子17の詳細な構造については後述する。
【0024】
上記の駆動電極33には駆動信号の供給源(図示せず)が導通、即ち、電気的に接続されている。また、共通電極32は例えば接地電位に調整される。そして、駆動電極33に駆動信号が供給されると、駆動電極33と共通電極32との間には電位差に応じた強さの電場が発生される。この電場は圧電体層31に付与されるので、圧電体層31は付与された電場の強さに応じて変形する。即ち、駆動電極33の電位を高くする程、圧電体層31は電場と直交する方向に収縮し、圧力室12の容積を少なくするように振動板14を変形させる。一方、駆動電極33の電位を低くする程、圧電体層31は電界と直交する方向に伸長し、圧力室12の容積を増やすように振動板14を変形させる。
【0025】
そして、このアクチュエータユニット3と上記の流路ユニット2とは、互いに接合される。例えば、供給口形成基板6と蓋部材16との間にシート状接着剤を介在させ、この状態でアクチュエータユニット3を流路ユニット2側に加圧することで接着される。
【0026】
このように構成されたヘッド本体1には、共通インク室7からインク供給口4、供給側連通口15、圧力室12、及び、ノズル連通口5を通じてノズル開口9に至る一連のインク流路がノズル開口9毎に形成されている。使用時においてこのインク流路内はインクで満たされている。そして、圧電素子17を変形させることで対応する圧力室12が収縮或いは膨張し、圧力室12内のインクに圧力変動が生じる。このインク圧力を制御することで、ノズル開口9からインク滴を吐出させることができる。例えば、定常容積の圧力室12を一旦膨張させた後に急激に収縮させると、圧力室12の膨張に伴ってインクが充填され、その後の急激な収縮によって圧力室12内のインクが加圧されてインク滴が吐出される。
【0027】
ここで、高速記録のためには、より多くのインク滴を短時間で吐出させる必要がある。この要求に応えるためには、圧力室12を区画している部分の振動板14及び圧電素子17(即ち、圧力室12における変形部分)のコンプライアンスと、圧電素子17の変形量とを考慮する必要がある。これは、上記変形部分のコンプライアンスが大きくなる程、変形に対する応答性が悪くなり、高い周波数での駆動が困難になるからである。また、この変形部分は、そのコンプライアンスが小さくなる程に変形し難くなるので、コンプライアンスが小さくなる程、圧力室12の収縮量が少なくなって1滴のインク量が減ってしまうからである。
【0028】
このような観点から、既に実用化されている撓み振動モードの圧電素子を用いた記録ヘッドでは、圧電素子は単層の圧電体を共通電極と駆動電極とで挟んだ単層構造のものが用いられており、最大応答周波数は25kHz程度、最大インク滴量は13pL(ピコリットル)程度であった。
【0029】
そして、本実施形態では、多層構造の圧電素子17を用いて振動板14のコンプライアンスを小さくし、さらに、この圧電素子17の構造を改良することにより、必要量のインク滴を従来よりも効率よく吐出できるようにした。以下、この点について説明する。
【0030】
まず、圧電素子17の構造について詳細に説明する。図3に示すように、圧電体層31は、互いに積層された上層圧電体(外側圧電体)34及び下層圧電体(内側圧電体)35から構成される。また、共通電極32は、共通上電極(共通外電極)36及び共通下電極(共通内電極)37から構成される。そして、この共通電極32と駆動電極(個別電極)33とが電極層を構成する。
【0031】
なお、ここでいう「上(外)」或いは「下(内)」とは、振動板14を基準とした位置関係を示している。換言すれば、圧電素子17における振動板14との接合面(圧電素子17の変形を出力するための作用面とも表現できる。)を基準とした位置関係を示している。そして、「上(外)」とあるのは振動板14から遠い側を示し、「下(内)」とあるのは振動板14に近い側を示している。
【0032】
上記の駆動電極33は、上層圧電体34と下層圧電体35の境界に形成され、共通下電極37は下層圧電体35と振動板14との間に形成される。また、共通上電極36は駆動電極33(下層圧電体35)とは反対側の上層圧電体34の表面に形成される。即ち、この圧電素子17は、振動板側から、共通下電極37、下層圧電体35、駆動電極33、上層圧電体34、共通上電極36の順で積層された多層構造である。そして、圧電体層31の厚さは上層圧電体34と下層圧電体35の2層を合計して約17μmであり、共通電極32を含めた圧電素子17の全体の厚さは約20μmである。
なお、従来の単層構造の圧電素子17にあっては、素子全体の厚さが約15μmである。従って、圧電素子17の厚さが増したことから、その分だけ変形部分のコンプライアンスが小さくなっている。
【0033】
上記の共通上電極36と共通下電極37は、駆動信号に拘わらず一定の電位に調整される。本実施形態において、これらの共通上電極36と共通下電極37は互いに導通され、接地電位に調整される。駆動電極33は、上記したように駆動信号の供給源に導通されているので、供給された駆動信号に応じて電位を変化させる。そして、駆動信号の供給によって、駆動電極33と共通上電極36との間、及び、駆動電極33と共通下電極37との間には、それぞれ向きが反対の電場が生じ、上層圧電体34や下層圧電体35に作用する。
【0034】
そして、これらの各電極33,36,37を構成する材料としては、例えば、金属単体、合金、電気絶縁性セラミックスと金属との混合物等の各種導体が選択されるが、焼成温度において変質等の不具合が生じないことが要求される。本実施形態では、共通上電極36に金を用い、共通下電極37及び駆動電極33に白金を用いている。
【0035】
上記の上層圧電体34と下層圧電体35は共に、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)を主成分とする圧電材料によって作製されている。そして、上層圧電体34と下層圧電体35とは分極方向が反対である。このため、駆動信号印加時の伸縮方向が上層圧電体34と下層圧電体35とで揃い、支障なく変形することができる。即ち、上層圧電体34及び下層圧電体35は、駆動電極33の電位を高くする程に圧力室12の容積を少なくするように振動板14を変形させ、駆動電極33の電位を低くする程に圧力室12の容積を増やすように振動板14を変形させる。
【0036】
そして、この多層構造の圧電素子17を効率よく変形させるべく、本実施形態では、電極層について改良を施し、圧電素子17や振動板14を効率よく変形できるようにしている。以下、電極層の構造について詳細に説明する。
【0037】
まず、共通下電極37に関し、本実施形態では、共通下電極37の幅we3を圧力室12における幅方向の内寸法wcよりも小さく設定している。具体的は、共通下電極37の幅we3を圧力室12の内寸法wcの80%程度に設定している。ここで、圧力室12の内寸法wcは、その圧力室12を区画する一対の圧力室隔壁38,38間の距離である。
【0038】
そして、共通下電極37の幅方向中心と圧力室12の幅方向(内寸法)中心とをあわせることにより、言い換えれば、共通下電極37を平面方向から見て圧力室12の幅内(即ち、図4中に点線の寸法補助線で示される圧力室幅範囲wc´内)に配置することにより、圧力室隔壁38と共通下電極37との間には振動板14のみからなる弾性領域Vc,Vcが形成される。即ち、振動板14の圧力室幅両側縁部が弾性領域Vc,Vcとして機能する。
【0039】
この弾性領域Vcを設けることで圧電素子17の変形を効率よく圧力室12の容積変化に変えることができる。即ち、この弾性領域Vcは振動板14のみで構成されているので、他の部分(共通下電極37が形成された部分)よりも容易に変形する。このため、圧電素子17が変形すると弾性領域Vcが他の部分に比して容易に変形し、圧電素子17の変形を圧力室12の容積変化に効率よく変えることができる。
【0040】
なお、本実施形態では、共通下電極37の幅we3を圧力室12の内寸法wcの80%としているが、この数値に限定されるものではない。少なくとも共通下電極37の幅方向の縁が圧力室隔壁38よりも内側(その圧力室幅内)に位置していれば弾性領域Vcが形成されるため、圧電素子17の変形を圧力室12の容積変化に効率よく変えることができる。しかし、共通下電極37の幅we3を狭くし過ぎてしまうと、共通下電極37が途中で断線してしまったり、下層圧電体35のオーバーハング部分が振動板14に直接接触してしまう等の不具合が生じ得る。この点を考慮すると、共通下電極37の幅we3は、圧力室12の内寸法wcよりも狭く内寸法wcの60%以上の範囲に設定することが好ましく、内寸法wcの90%以下70%以上の範囲に設定することがより好ましい。
【0041】
次に、駆動電極33について説明する。この駆動電極33の幅we2は、共通上電極36との関係では、共通上電極36の幅we1よりも狭いことが好ましい。また、共通下電極37との関係でも、共通下電極37の幅we3よりも狭いことが好ましい。即ち、駆動電極33の幅we2は、各電極層33,36,37の中で最も狭い幅に形成されることが好ましい。言い換えれば、両共通電極36,37の幅we1,we3は、駆動電極33の幅we2よりも広いことが好ましい。これは、次の2つの理由による。
【0042】
第1の理由は、圧力室12の容積変化をより大きくするためである。即ち、圧力室12の容積を効率よく変化させるには、圧電素子17の変形を効率よく振動板14へ出力する(即ち、振動板14に伝達する)必要がある。このため、振動板14における幅方向中心部(即ち、圧力室幅範囲wc´の中間部分)を両側縁部よりも大きく撓ませることが好ましい。言い換えれば、幅方向中心部の変形量を両側縁部の変形量よりも大きくすることが好ましい。従って、上層圧電体34及び下層圧電体35に関し、幅方向中心部に付与される電場の強さを両側縁部よりも強くした方が良いといえる。
【0043】
そして、本実施形態のように、駆動電極33の幅we2を共通上電極36の幅we1よりも狭く設定すると、図4中に拡大して示すように、上層圧電体34に関し、側縁部S1における駆動電極33と共通上電極36の距離r1を、幅方向中心部(幅方向での電極同士の重畳領域S2)での駆動電極33と共通上電極36の距離r2よりも長くできる。これにより、上層圧電体34に付与される電場に関し、幅方向中心部(重畳領域S2)の電場を側縁部S1の電場よりも強くすることができる。その結果、幅方向中心部S2を両側縁部S1,S1よりも大きく変形させることができ、圧電素子17の変形を圧力室12の容積変化に効率よく変えることができる。
【0044】
第2の理由は、自然放電の防止である。即ち、上記したように、駆動電極33から共通上電極36或いは共通下電極37までの間隔は、数ミクロン〜十数ミクロン程度と極く狭い。そして、各層圧電体34,35を駆動するためには、30V程度の電圧を印加する必要がある。このため、駆動電極33の幅方向両端部を各層圧電体34,35から露出させてしまうと、製造時における短絡の要因となり得る。また、高温多湿の環境下では空中放電が生じる虞があり、動作異常の原因となり得る。
【0045】
そして、本実施形態のように、駆動電極33の幅we2を各電極の幅we1,we3よりも狭く設定すると、上層圧電体34を駆動電極33の全幅を越えて設けることができ、上層圧電体34によって駆動電極33を覆うことができる。このように構成すると、駆動電極33は、各層圧電体34,35内に埋設された状態、詳しくは、共通上電極34との重畳領域において埋設された状態になるので、製造時において、駆動電極33が他の電極36,37に直接接触して短絡してしまう不具合を防止することができ、歩留まりの向上も図れる。また、駆動電極33と他の電極36,37との間の空中放電も防止でき、誤動作を防止することができる。
【0046】
次に、共通上電極36について説明する。この共通上電極36の幅we1は、上記したように駆動電極33の幅we2よりも広く設定されるが、その幅方向の寸法精度は比較的低く設定される。これは、共通上電極36と共通下電極37とが同電位であること、及び、共通上電極36との重畳領域にて駆動電極33が圧電体層31内に埋設されていることによる。即ち、共通上電極36と共通下電極37とが同電位であるため、万一、共通上電極36の幅が広くなりすぎて共通下電極37に接触してしまっても、これらの電極36,37の間では短絡等の不具合は生じないし、上記したように駆動電極33が圧電体層31内に埋設されているので、駆動電極33との間でも短絡は生じ難い。
【0047】
そして、共通上電極36の寸法精度を低く設定できることから、製造効率を高めることもできる。即ち、共通上電極36となるペースト状の電極材料を上層圧電体34の表面に塗布するにあたり、マスクパターンの位置合わせ精度を多少低く設定できる。また、マスクパターンの寸法精度も比較的ラフに設定できる。その結果、共通上電極36を高い寸法精度で作製する場合に比べて、その作業効率を格段に向上させることができる。
【0048】
また、この共通上電極36は、他の電極(駆動電極33,共通下電極37)よりも薄く、柔軟性が高く、且つ、導電性が良い電極材料を用いている。これは、この共通上電極36が他の電極よりも大きく変形することに起因する。即ち、この共通上電極36は、上層圧電体34の表面に形成されているので、他の電極よりも大きく変形する。このため、共通上電極36については、他の電極よりも柔らかい材料を用い、且つ、層厚を薄くすることで、変形の繰り返しによる破損を防止している。さらに、層厚を薄くしても電気抵抗が過度に高くならないように、導電性が良い電極材料を用いている。
【0049】
具体的に説明すると、電極材料に関しては、上記したように、共通上電極36を金で作製し、駆動電極33及び共通下電極37を白金で作製している。そして、電極の厚さに関し、共通下電極37及び駆動電極33は2〜3μmであるのに対し、共通上電極36(te1)はその1/10程度(例えば、0.3μm)にする。この構成により、共通上電極36を圧電素子17に追従させて変形させることができ、圧電素子17の変形量が損なわれてしまう不具合を防止できる。また、圧電素子17の変形が繰り返し行われても断線等の故障が生じ難い。さらに、共通上電極36を通じて電流を効率よく流すことができる。
【0050】
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
【0051】
まず、共通上電極36と共通下電極37の電極幅we1,we3に関し、上記実施形態では、両電極36,37における電極幅we1,we3の何れも圧力室12の幅wcよりも狭く、且つ、両電極36,37が圧力室12の圧力室幅範囲wc´内に形成されたものを例示したが、本発明は、この構成に限定されるものではない。即ち、共通上電極36と共通下電極37の一方の電極について、その電極幅を圧力室12の幅wcよりも狭く構成し、且つ、当該電極を圧力室幅範囲wc´内に形成することにより、特有の作用効果を奏する。
【0052】
例えば、共通下電極37の電極幅we3を圧力室12の幅wcよりも狭くし、且つ、この共通下電極37を圧力室幅範囲wc´内に形成した場合には、上記した様に、振動板14に弾性領域Vcが形成されるので、振動板14を効率よく変形させることができる。
【0053】
一方、共通上電極36の電極幅we1を圧力室12の幅wcよりも狭くし、且つ、この共通上電極36を圧力室幅範囲wc´内に形成した場合には、振動板14から遠い側の上層圧電体34に関し、幅方向中央部分が大きく撓む一方で、幅方向両側縁の撓み量は当該中央部分よりも少なくなる。このため、振動板14について、圧力室12の幅方向中央に対向する部分を、圧力室隔壁38,38に近い側縁部よりも大きく撓ませることができる。また、この上層圧電体34は振動板14から遠い側に位置するので、その変形量を増幅して振動板14に作用させることができる。これにより、圧電素子17の変形を振動板14に効率よく出力でき、即ち、効率よく伝達でき、振動板14の変形効率を向上させることができる。その結果、インク滴の吐出を効率よく行わせることができる。
【0054】
なお、この場合において、共通下電極37を圧力室12の圧力室幅範囲wc´を越えて、つまり、圧力室隔壁38,38を越えて形成する構成も考えられる。この場合、振動板14と共通下電極37の両方を撓ませることになる。従って、振動板14を効率よく変形させるためには、共通下電極37を可及的に薄く構成し、且つ、柔らかい導電性材料によって構成することが求められる。この観点からすれば、共通下電極37として金を使用することが好ましい。
【0055】
また、以上は、液体噴射ヘッドの一種である記録ヘッドを例に挙げて説明したが、本発明は、液晶噴射ヘッドや色材噴射ヘッド等といった他の液体噴射ヘッド用のアクチュエータユニット3(電歪アクチュエータ)にも適用できる。さらに、マイクロポンプ用の電歪アクチュエータにも適用できる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば以下の効果を奏する。
即ち、共通上電極の層厚を、共通下電極及び駆動電極の層厚よりも薄くした場合、また、共通上電極の電極材料を、共通下電極及び駆動電極の電極材料よりも柔らかくした場合には、共通下電極及び駆動電極よりも大きく変形する共通上電極を圧電素子に追従させて変形させることができ、圧電素子の変形量が損なわれてしまう不具合を防止できる。また、圧電素子の変形が繰り返し行われても断線等の故障が生じ難い。さらに、共通上電極を通じて電流を効率よく流すことができる。
【0057】
また、共通上電極の導電率を、共通下電極及び駆動電極の導電率よりも高くした場合には、共通上電極の層厚を薄くしても電気抵抗が過度に高くならないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヘッド本体の基本構造を説明する断面図である。
【図2】ヘッド本体をノズルプレート側から見た図である。
【図3】アクチュエータユニットの構造を説明する図であり、圧力室長手方向で切断した断面図である。
【図4】アクチュエータユニットの構造を説明する図であり、圧力室幅方向で切断した断面図である。
【図5】複数のヘッド本体を備えた記録ヘッドを説明する図である。
【符号の説明】
1 ヘッド本体
2 流路ユニット
3 アクチュエータユニット
4 インク供給口
5 ノズル連通口
6 供給口形成基板
7 共通インク室
8 インク室形成基板
9 ノズル開口
10 ノズルプレート
11 ノズル列
12 圧力室
13 圧力室形成基板
14 振動板
15 供給側連通口
16 蓋部材
17 圧電素子
31 圧電体層
32 共通電極
33 駆動電極
34 上層圧電体
35 下層圧電体
36 共通上電極
37 共通下電極
38 圧力室隔壁
61 取付ベース

Claims (4)

  1. 駆動源としての圧電素子を振動板の表面に形成してなり、圧力室形成基板に取り付けられることで圧力室の一部を区画する電歪アクチュエータにおいて、
    前記圧電素子は、電場に応じて変形する圧電体層と該圧電体層に付与される電場を発生する電極層とを備え、
    前記圧電体層を、互いに積層された上層圧電体と下層圧電体とから構成すると共に、前記電極層を、互いに導通された共通上電極及び共通下電極と、駆動信号の供給源に導通される駆動電極とから構成し、
    下層圧電体と上層圧電体との間に駆動電極を形成すると共に、下層圧電体と振動板との間に共通下電極を、駆動電極とは反対側の上層圧電体の表面に共通上電極をそれぞれ形成し、
    前記共通上電極の層厚は、共通下電極及び駆動電極の層厚よりも薄く、尚且つ、前記共通上電極の短辺方向の長さは、共通下電極及び駆動電極の短辺方向の長さよりも長いことを特徴とする電歪アクチュエータ。
  2. 駆動源としての圧電素子を振動板の表面に形成してなる電歪アクチュエータにおいて、
    前記圧電素子は、電場に応じて変形する圧電体層と該圧電体層に付与される電場を発生する電極層とを備え、
    前記圧電体層を、互いに積層された上層圧電体と下層圧電体とから構成すると共に、前記電極層を、互いに導通された共通上電極及び共通下電極と、駆動信号の供給源に導通される駆動電極とから構成し、
    下層圧電体と上層圧電体との間に駆動電極を形成すると共に、下層圧電体と振動板との間に共通下電極を、駆動電極とは反対側の上層圧電体の表面に共通上電極をそれぞれ形成し、
    前記共通上電極の電極材料は、共通下電極及び駆動電極の電極材料よりも柔らかく、尚且つ、前記共通上電極の短辺方向の長さは、共通下電極及び駆動電極の短辺方向の長さよりも長いことを特徴とする電歪アクチュエータ。
  3. 請求項1に記載の電歪アクチュエータであって、
    前記共通上電極の導電率は、共通下電極及び駆動電極の導電率よりも高いことを特徴とする電歪アクチュエータ。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電歪アクチュエータであって、
    前記共通上電極は金で作成され、共通下電極及び駆動電極は白金で作成されていることを特徴とする電歪アクチュエータ。
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