本発明が解決しようとする課題は、コストダウンを図ることが可能な電子部品試験装置、電子部品試験システム、及び、電子部品の試験方法を提供することである。
本発明によれば、被試験電子部品の入出力端子をテストヘッドのコンタクト部のコンタクトピンに電気的に接触させて、前記被試験電子部品の試験を行うために用いられる電子部品試験装置であって、前記被試験電子部品のテストを行う直前に、トレイから試験用保持具に前記被試験電子部品を移載する第1の移載手段を備えており、前記試験用保持具に前記被試験電子部品を保持した状態で、記被試験電子部品を前記コンタクト部に押し付ける電子部品試験装置が提供される(請求項1参照)。
本発明では、被試験電子部品のテストを行う直前に、トレイから試験用保持具に被試験電子部品を積み替え、この試験用保持具に被試験電子部品を保持した状態で、被試験電子部品のテストを実行する。このため、試験専用の試験用保持具を循環させる必要がなくなり、試験用保持具の枚数が大幅に減少するので、電子部品試験装置のコストダウンを図ることができる。
上記発明においては特に限定されないが、前記第1の移載手段は、前記被試験電子部品の配列を維持した状態で、前記被試験電子部品を前記トレイから前記試験用保持具に移し替えることが好ましい(請求項2参照)。
また、本発明によれば、被試験電子部品の入出力端子をテストヘッドのコンタクト部のコンタクトピンに電気的に接触させて、前記被試験電子部品の試験を行うために用いられる電子部品試験装置であって、前記被試験電子部品のテストを行う前に、前記被試験電子部品の配列を維持した状態で、前記被試験電子部品をトレイから試験用保持具に移し替える第1の移載手段を備えた電子部品試験装置が提供される(請求項3参照)。
本発明では、被試験電子部品の配列を維持した状態で、被試験電子部品をトレイから試験用保持具に移し替えるので、ピッチ変換作業を削減することができ、電子部品試験装置のコストダウンを図ることができる。
上記発明においては特に限定されないが、試験前の前記被試験電子部品を収容している前記トレイを、前記第1の移載手段に搬送する第1の搬送手段をさらに備えていることが好ましい(請求項4参照)。
上記発明においては特に限定されないが、前記第1の移載手段は、前記トレイに搭載されている全ての前記被試験電子部品を、前記試験用保持具に実質的に同時に移載することが好ましい(請求項5参照)。
上記発明においては特に限定されないが、前記第1の移載手段は、前記テストヘッドに対向した位置、又は、前記テストヘッドの近傍に設けられていることが好ましい(請求項6参照)。
上記発明においては特に限定されないが、前記第1の反転手段は、前記被試験電子部品のテストを実施するステージ、又は、前記被試験電子部品のテストを実施するステージの直前のステージに設けられていることが好ましい(請求項7参照)。
上記発明においては特に限定されないが、前記第1の移載手段は、前記トレイに前記試験用保持具を重ねて合わせて反転させる第1の反転手段を含んでいることが好ましい(請求項8参照)。
トレイに試験用保持具を重ね合わせて反転させることで、トレイに収容されていた全ての被試験電子部品を試験用保持具に一度に移載することができるので、移載時間の大幅な短縮を図ることができ、電子部品試験装置のスループットを向上させることができる。また、トレイから試験用保持具に被試験電子部品を移載するピックアンドプレース装置が不要となるので、電子部品試験装置のコストダウンを図ることができる。
上記発明においては特に限定されないが、前記被試験電子部品のテストを終了した直後に、前記試験用保持具から前記トレイに前記被試験電子部品を移載する第2の移載手段と、試験済みの前記被試験電子部品を収容した前記トレイを、前記第2の移載手段から搬送する第2の搬送手段と、をさらに備えていることが好ましい(請求項9参照)。
本発明では、被試験電子部品のテストが終了した直後に、試験用保持具からトレイに被試験電子部品を積み替える。このため、試験専用の試験用保持具を循環させる必要がなくなり、試験用保持具の枚数が大幅に減少するので、電子部品試験装置のコストダウンを図ることができる。
上記発明においては特に限定されないが、前記第2の移載手段は、前記被試験電子部品の配列を維持した状態で、前記被試験電子部品を前記試験用保持具から前記トレイに移し替えることが好ましい(請求項10参照)。
本発明によれば、被試験電子部品の入出力端子をテストヘッドのコンタクト部のコンタクトピンに電気的に接触させて、前記被試験電子部品の試験を行うために用いられる電子部品試験装置であって、前記被試験電子部品のテストが終了した後に、前記被試験電子部品の配列を維持した状態で、前記被試験電子部品を試験用保持具からトレイに移し替える第2の移載手段を備えた電子部品試験装置が提供される(請求項11参照)。
本発明では、被試験電子部品の配列を維持した状態で、被試験電子部品を試験用保持具からトレイに移し替えるので、ピッチ変換作業を削減することができ、電子部品試験装置のコストダウンを図ることができる。
上記発明においては特に限定されないが、前記第2の移載手段は、前記試験用保持具に搭載されている全ての前記被試験電子部品を、前記トレイに実質的に同時に移載することが好ましい(請求項12参照)。
上記発明においては特に限定されないが、前記第2の移載手段は、前記テストヘッドに対向した位置、又は、前記テストヘッドの近傍に設けられていることが好ましい(請求項13参照)。
上記発明においては特に限定されないが、前記第2の移載手段は、前記被試験電子部品のテストを実施するステージ、又は、前記被試験電子部品のテストを実施するステージの直後のステージに設けられていることが好ましい(請求項14参照)。
上記発明においては特に限定されないが、前記第2の移載手段は、前記試験用保持具に前記トレイを重ね合わせて反転させる反転手段を含んでいることが好ましい(請求項15参照)。
試験用保持具にトレイを重ね合わせて反転させることで、試験用保持具に収容されていた全ての被試験電子部品をトレイに一度に移載することができるので、移載時間の大幅な短縮を図ることができ、電子部品試験装置のスループットを向上させることができる。また、試験用保持具からトレイに被試験電子部品を移載するピックアンドプレース装置が不要となるので、電子部品試験装置のコストダウンを図ることができる。
上記発明においては特に限定されないが、前記トレイは、前記被試験電子部品を収容することが可能な複数の収容部を有し、前記試験用保持具は、前記被試験電子部品を保持することが可能な複数の保持部を有しており、前記試験用保持具において、前記複数の保持部は、前記トレイの前記複数の収容部の少なくとも一部の配列に対応するように配置されていることが好ましい(請求項16参照)。
試験用保持具の保持部の配列を、トレイの収容部の少なくとも一部の配列に対応させることで、トレイと試験用保持具との間で被試験電子部品を移載する際に被試験電子部品間のピッチ変換が不要となる。
上記発明においては特に限定されないが、前記保持部は、前記被試験電子部品を収容する凹部を有することが好ましい(請求項17参照)。
上記発明においては特に限定されないが、前記保持部は、前記被試験電子部品を吸着保持する吸着手段を有していることが好ましい(請求項18参照)。また、前記吸着手段は、前記被試験電子部品より大きな平面に開口していることが好ましい。
試験用保持具の保持部が有する吸着手段が、被試験電子部品より大きな平面に開口していることにより、被試験電子部品の形状に依存せずに、一つの試験用保持具で多様な品種の被試験電子部品を保持することが可能となる。
上記発明においては特に限定されないが、前記試験用保持具に保持されている前記被試験電子部品を整列する整列手段を備えていることが好ましい(請求項19参照)。
試験用保持具とは別に、被試験電子部品の品種に応じた整列手段を複数揃えることで、被試験電子部品の品種切換に容易に対応することができる。
上記発明においては特に限定されないが、前記整列手段は、プレート部材を前記試験用保持具に載置して、前記プレート部材に形成された位置決め用の開口内に前記被試験電子部品を位置させる載置手段と、前記被試験電子部品を前記開口内において所定方向に偏らせる偏向手段と、を有することが好ましい(請求項20参照)。
被試験電子部品をプレート部材の開口内において片寄せすることで、被試験電子部品を精度良く整列することができる。
上記発明においては特に限定されないが、前記偏向手段は、前記プレート部材が載置された前記試験用保持具を所定方向に傾ける傾倒手段を含んでいることが好ましい(請求項21参照)。
被試験電子部品をプレート部材の開口内において片寄せする際に試験用保持具を傾けることで、偏向手段を、被試験電子部品の自重を利用した単純な構造とすることができる。
上記発明においては特に限定されないが、前記トレイは、試験前の前記被試験電子部品を収容した状態で前記電子部品試験装置に投入され、又は、試験済みの前記被試験電子部品を収容した状態で前記電子部品試験装置から搬出されるカスタマトレイであることが好ましい(請求項22参照)。
上記発明においては特に限定されないが、前記トレイは、前記被試験電子部品を収容する複数の収容部を有し、1又は2以上の前記トレイが有する前記収容部の合計数は、前記テストヘッド上の前記コンタクト部の合計数に一致し、又は、前記テストヘッド上の前記コンタクト部の合計数の整数倍となっていることが好ましい(請求項23参照)。
これにより、電子部品試験装置において同時に測定可能な電子部品の数(以下単に、同時測定数と称する。)と同一の数の被試験電子部品を同時にテストすることができるので、電子部品試験装置の試験効率を向上させることができる。
上記発明においては特に限定されないが、1又は2以上の前記トレイに収容されている前記被試験電子部品の合計数を、前記テストヘッド上の前記コンタクト部の合計数に一致させ、又は、前記テストヘッド上の前記コンタクト部の合計数の整数倍となるように調整する調整手段をさらに備えていることが好ましい(請求項24参照)。
これにより、同時測定数と同一の数の被試験電子部品を同時にテストすることができるので、電子部品試験装置の試験効率を向上させることができる。
上記発明においては特に限定されないが、前記被試験電子部品の試験が終了した後に、一部の前記被試験電子部品を前記トレイに残しつつ、前記トレイから他のトレイに前記被試験電子部品を移し替える第3の移載手段をさらに備えていることが好ましい(請求項25参照)。
本発明によれば、被試験電子部品の入出力端子をテストヘッドのコンタクト部のコンタクトピンに電気的に接触させて、前記被試験電子部品の試験を行うために用いられる電子部品試験装置であって、前記被試験電子部品の試験が終了した後に、一部の前記被試験電子部品をトレイに残しつつ、前記トレイから他のトレイに前記被試験電子部品を移し替える第3の移載手段を備えた電子部品試験装置が提供される(請求項26参照)。
本発明では、一部の被試験電子部品をトレイに残しつつ、被試験電子部品を当該トレイから他のトレイに移し替えることで、被試験電子部品を分類することができるので、分類作業の効率化を図ることができる。
上記発明においては特に限定されないが、前記第3の移載手段は、前記被試験電子部品を収容している1又は複数の前記トレイの中で、前記被試験電子部品を並び替えることが好ましい。
上記発明においては特に限定されないが、前記第3の移載手段は、前記トレイに同一の試験結果の被試験電子部品を集めるように、前記被試験電子部品を積み替えることが好ましい(請求項27参照)。
上記発明においては特に限定されないが、前記トレイは、試験前の前記被試験電子部品を収容した状態で前記電子部品試験装置に投入され、又は、試験済みの前記被試験電子部品を収容した状態で前記電子部品試験装置から搬出されるカスタマトレイであることが好ましい(請求項28参照)。
本発明によれば、上記の電子部品試験装置と、前記電子部品試験装置で試験が完了した前記被試験電子部品を、試験結果に応じて分類する分類装置と、を備えた電子部品試験システムが提供される(請求項29参照)。
本発明では、被試験電子部品のテストを行う直前に、トレイから試験用保持具に被試験電子部品を積み替え、この試験用保持具に被試験電子部品を保持した状態で、被試験電子部品のテストを実行する。このため、試験専用の試験用保持具を循環させる必要がなくなり、試験用保持具の枚数が大幅に減少するので、電子部品試験装置のコストダウンを図ることができる。
また、本発明では、電子部品試験装置とは異なる専用の分類装置を備えているので、その分類装置の台数を増減させることで分類工程の負荷を調整することができる。
本発明によれば、上記の電子部品試験装置と、前記電子部品試験装置に前記トレイを投入する前に、1又は2以上の前記トレイに収容されている前記被試験電子部品の合計数を、前記テストヘッド上の前記コンタクト部の合計数に一致させ、又は、前記テストヘッド上の前記コンタクト部の合計数の整数倍となるように調整する調整装置と、を備えた電子部品試験システムが提供される(請求項30参照)。
本発明では、被試験電子部品のテストを行う直前に、トレイから試験用保持具に被試験電子部品を積み替え、この試験用保持具に被試験電子部品を保持した状態で、被試験電子部品のテストを実行する。このため、試験専用の試験用保持具を循環させる必要がなくなり、試験用保持具の枚数が大幅に減少するので、電子部品試験装置のコストダウンを図ることができる。
また、本発明では、電子部品試験装置とは異なる専用の調整装置を備えているので、その調整装置の台数を増減させることで調整工程の負荷を調整することができる。
上記発明においては特に限定されないが、前記電子部品試験装置で試験が完了した前記被試験電子部品を、試験結果に応じて分類する分類装置をさらに備えていることが好ましい(請求項31参照)。
本発明では、電子部品試験装置とは異なる専用の分類装置を備えているので、その分類装置の台数を増減させることで分類工程の負荷を調整することができる。
本発明によれば、上記の電子部品試験装置と、前記被試験電子部品の試験が終了した後に、一部の前記被試験電子部品を前記トレイに残しつつ、前記トレイから他のトレイに前記被試験電子部品を移し替える移載専用装置と、を備えた電子部品試験システムが提供される(請求項32参照)。
上記発明においては特に限定されないが、前記移載専用装置は、前記被試験電子部品を収容している1又は複数の前記トレイの中で、前記被試験電子部品を並び替えることが好ましい。
本発明によれば、被試験電子部品の入出力端子をテストヘッドのコンタクト部のコンタクトピンに電気的に接触させて、前記被試験電子部品の試験を行う電子部品の試験方法であって、前記被試験電子部品のテストを行う直前に、第1の移載手段によりトレイから試験用保持具に前記被試験電子部品を移載する第1の移載ステップと、前記試験用保持具に前記被試験電子部品を保持した状態で、前記被試験電子部品のテストを行う試験ステップと、を備えている電子部品の試験方法が提供される(請求項33参照)。
本発明では、被試験電子部品のテストを行う直前に、トレイから試験用保持具に被試験電子部品を積み替え、この試験用保持具に被試験電子部品を保持した状態で、被試験電子部品のテストを実行する。このため、試験専用の試験用保持具を循環させる必要がなくなり、試験用保持具の枚数が大幅に減少するので、電子部品試験装置のコストダウンを図ることができる。
上記発明においては特に限定されないが、前記第1の移載ステップにおいて、前記被試験電子部品の配列を維持した状態で、前記被試験電子部品を前記トレイから前記試験用保持具に移し替えることが好ましい(請求項34参照)。
本発明によれば、被試験電子部品の入出力端子をテストヘッドのコンタクト部のコンタクトピンに電気的に接触させて、前記被試験電子部品の試験を行う電子部品の試験方法であって、前記被試験電子部品の配列を維持した状態で、第1の移載手段により、前記被試験電子部品をトレイから試験用保持具に移し替える第1の移載ステップと、前記試験用保持具に前記被試験電子部品を保持した状態で、前記被試験電子部品のテストを行う試験ステップと、を備えている電子部品の試験方法が提供される(請求項35参照)。
本発明では、被試験電子部品の配列を維持した状態で、被試験電子部品を試験用保持具からトレイに移し替えるので、ピッチ変換作業を削減することができ、電子部品試験装置のコストダウンを図ることができる。
上記発明においては特に限定されないが、試験前の前記被試験電子部品を収容している前記トレイを、前記第1の移載手段に搬送する第1の搬送ステップをさらに備えていることが好ましい(請求項36参照)。
上記発明においては特に限定されないが、前記第1の移載ステップにおいて、前記トレイに搭載されている全ての前記被試験電子部品を、前記試験用保持具に実質的に同時に移載することが好ましい(請求項37参照)。
上記発明においては特に限定されないが、前記第1の移載ステップにおいて、前記トレイに前記試験用保持具を重ね合わせて反転させることが好ましい(請求項38参照)。
トレイに試験用保持具を重ね合わせて反転させることで、トレイに収容されていた全ての被試験電子部品を試験用保持具に一度に移載することができるので、移載時間の大幅な短縮を図ることができ、電子部品試験装置のスループットを向上させることができる。また、トレイから試験用保持具に被試験電子部品を移載するピックアンドプレース装置が不要となるので、電子部品試験装置のコストダウンを図ることができる。
上記発明においては特に限定されないが、前記第1の移載ステップにおいて、前記テストヘッドに対向した位置、又は、前記テストヘッドの近傍で、前記トレイに前記試験用保持具を重ね合わせて反転させることが好ましい(請求項39参照)。
上記発明においては特に限定されないが、前記第1の移載ステップにおいて、前記テストを実施するステージ、又は、前記テストを実施するステージの直前のステージで、前記トレイに前記試験用保持具を重ね合わせて反転させることが好ましい(請求項40参照)。
上記発明においては特に限定されないが、前記被試験電子部品のテストを終了した直後に、第2の移載手段により、前記試験用保持具から前記トレイに前記被試験電子部品を移載する第2の移載ステップと、試験済みの前記被試験電子部品を収容した前記トレイを、前記第2の移載手段から搬送する第2の搬送ステップと、をさらに備えていることが好ましい(請求項41参照)。
本発明では、被試験電子部品のテストが終了した直後に、試験用保持具からトレイに被試験電子部品を積み替える。このため、試験専用の試験用保持具を循環させる必要がなくなり、試験用保持具の枚数が大幅に減少するので、電子部品試験装置のコストダウンを図ることができる。
上記発明においては特に限定されないが、前記第2の移載ステップにおいて、前記被試験電子部品の配列を維持した状態で、前記試験用保持具から前記トレイに前記被試験電子部品を移し替えることが好ましい(請求項42参照)。
本発明によれば、被試験電子部品の入出力端子をテストヘッドのコンタクト部のコンタクトピンに電気的に接触させて、前記被試験電子部品の試験を行う電子部品の試験方法であって、試験用保持具に前記被試験電子部品を保持した状態で、前記被試験電子部品のテストを行う試験ステップと、前記被試験電子部品の配列を維持した状態で、第2の移載手段により前記被試験電子部品を前記試験用保持具からトレイに移し替える第2の移載ステップと、を備えている電子部品の試験方法が提供される(請求項43参照)。
本発明では、被試験電子部品の配列を維持した状態で、試験用保持具からトレイに被試験電子部品を移し替えるので、ピッチ変換作業を削減することができ、電子部品試験装置のコストダウンを図ることができる。
上記発明においては特に限定されないが、前記第2の移載ステップにおいて、前記試験用保持具に搭載されている全ての前記被試験電子部品を、前記トレイに実質的に同時に移載することが好ましい(請求項44参照)。
上記発明においては特に限定されないが、前記第2の移載ステップにおいて、前記試験用保持具に前記トレイを重ね合わせて反転させることが好ましい(請求項45参照)。
試験用保持具にトレイを重ね合わせて反転させることで、試験用保持具に収容されていた全ての被試験電子部品をトレイに一度に移載することができるので、移載時間の大幅な短縮を図ることができ、電子部品試験装置のスループットを向上させることができる。また、試験用保持具からトレイに被試験電子部品を移載するピックアンドプレース装置が不要となるので、電子部品試験装置のコストダウンを図ることができる。
上記発明においては特に限定されないが、前記第2の移載ステップにおいて、前記テストヘッドに対向した位置、又は、前記テストヘッドの近傍で、前記試験用保持具に前記トレイを重ね合わせて反転させることが好ましい(請求項46参照)。
上記発明においては特に限定されないが、前記第2の移載ステップにおいて、前記テストを実施するステージ、又は、前記テストを実施するステージの直後のステージで、前記試験用保持具に前記トレイを重ね合わせて反転させることが好ましい(請求項47参照)。
上記発明においては特に限定されないが、前記トレイは、前記被試験電子部品を収容することが可能な複数の収容部を有し、前記試験用保持具は、前記被試験電子部品を保持することが可能な複数の保持部を有しており、前記試験用保持具において、前記複数の保持部は、前記トレイの収容部の少なくとも一部の配列に対応するように配置されていることが好ましい(請求項48参照)。
試験用保持具の保持部の配列を、トレイの収容部の少なくとも一部の配列に対応させることで、トレイと試験用保持具との間で被試験電子部品を移載する際に被試験電子部品間のピッチ変換が不要となる。
上記発明においては特に限定されないが、前記試験用保持具に保持されている前記被試験電子部品を整列する整列ステップをさらに備えていることが好ましい(請求項49参照)。
上記発明においては特に限定されないが、前記整列ステップは、プレート部材を前記試験用保持具に載置して、前記プレート部材に形成された位置決め用の開口内に前記被試験電子部品を位置させる載置ステップと、前記被試験電子部品を前記開口内において所定方向に偏らせる偏向ステップと、を含んでいることが好ましい(請求項50参照)。
被試験電子部品をプレート部材の開口内において片寄せすることで、被試験電子部品を精度良く整列することができる。
上記発明においては特に限定されないが、前記偏向ステップにおいて、前記プレート部材が載置された前記試験用保持具を所定方向に傾けることが好ましい(請求項51参照)。
被試験電子部品をプレート部材の開口内において片寄せする際に試験用保持具を傾けることで、自重を利用して被試験電子部品を容易に片寄せすることができる。
上記発明においては特に限定されないが、前記被試験電子部品を試験結果に応じて分類する分類ステップをさらに備えており、前記分類ステップは、少なくとも前記第1の移載ステップ及び前記試験ステップを実行する電子部品試験装置とは異なる専用の分類装置により実行されることが好ましい(請求項52参照)。
一般的に、試験後の被試験電子部品の分類ステップはネック工程となりがちであるが、本発明では、電子部品試験装置とは異なる専用の分類装置により分類ステップを実行するので、その分類装置の台数を増減させることで分類ステップの負荷を調整することができる。
上記発明においては特に限定されないが、前記トレイは、試験前の前記被試験電子部品を収容した状態で前記電子部品試験装置に投入され、又は、試験済みの前記被試験電子部品を収容した状態で前記電子部品試験装置から搬出されるカスタマトレイであることが好ましい(請求項53参照)。
上記発明においては特に限定されないが、前記トレイは、前記被試験電子部品を収容する複数の収容部を有し、1又は2以上の前記トレイが有する前記収容部の合計数は、前記テストヘッド上の前記コンタクト部の合計数に一致し、又は、前記テストヘッド上の前記コンタクト部の合計数の整数倍となっていることが好ましい(請求項54参照)。
これにより、同時測定数と同一又は整数倍の数の被試験電子部品を同時にテストすることができるので、電子部品試験装置の試験効率を向上させることができる。
上記発明においては特に限定されないが、前記トレイに収容されている前記被試験電子部品の数を、前記テストヘッド上の前記コンタクト部の合計数に一致させ、又は、前記テストヘッド上の前記コンタクト部の合計数の整数倍となるように調整する調整ステップをさらに備えていることが好ましい(請求項55参照)。
これにより、同時測定数と同一の数の被試験電子部品を同時にテストすることができるので、電子部品試験装置の試験効率を向上させることができる。
上記発明においては特に限定されないが、前記調整ステップは、少なくとも前記第1の移載ステップ及び前記試験ステップを実行する電子部品試験装置とは異なる専用の調整装置により実行されることが好ましい(請求項56参照)。
電子部品試験装置とは異なる専用の調整装置により調整ステップを実行するので、その調整装置の台数を増減させることで調整ステップの負荷を調整することができる。
上記発明においては特に限定されないが、前記被試験電子部品の試験が終了した後に、一部の前記被試験電子部品を前記トレイに残しつつ、前記トレイから他のトレイに前記被試験電子部品を移し替える第3の移載ステップをさらに備えていることが好ましい(請求項57参照)。
本発明によれば、被試験電子部品の入出力端子をテストヘッドのコンタクト部のコンタクトピンに電気的に接触させて、前記被試験電子部品の試験を行う電子部品の試験方法であって、前記試験用保持具に前記被試験電子部品を保持した状態で、前記被試験電子部品のテストを行う試験ステップと、前記被試験電子部品の試験が終了した後に、一部の前記被試験電子部品を前記トレイに残しつつ、前記トレイから他のトレイに前記被試験電子部品を移し替える第3の移載ステップと、を備えている電子部品の試験方法が提供される(請求項58参照)。
本発明では、一部の被試験電子部品をトレイに残しつつ、被試験電子部品を当該トレイから他のトレイに移し替えることで、被試験電子部品を分類することができるので、分類作業の効率化を図ることができる。
上記発明においては特に限定されないが、前記第3の移載ステップにおいて、前記被試験電子部品を収容している1又は複数の前記トレイの中で、前記被試験電子部品を並び替えることが好ましい。
上記発明においては特に限定されないが、前記第3の移載ステップにおいて、前記トレイに同一の試験結果の被試験電子部品を集めるように、前記被試験電子部品を積み替えることが好ましい(請求項59参照)。
上記発明においては特に限定されないが、前記トレイは、試験前の前記被試験電子部品を収容した状態で前記電子部品試験装置に投入され、又は、試験済みの前記被試験電子部品を収容した状態で前記電子部品試験装置から搬出されるカスタマトレイであることが好ましい(請求項60参照)。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
図1は本発明の第1実施形態に係る電子部品試験装置の全体構成を示す概略斜視図、図2は図1に示す電子部品試験装置の平面図である。
本実施形態におけるハンドラ1は、ICデバイスに高温の熱ストレスを与えた状態で、テストヘッド4を介してテスタ(不図示)がICデバイスに試験信号を入出力することで、ICデバイスが適切に動作するか否かを試験(検査)するための装置である。この電子部品試験装置によるICデバイスのテストは、試験専用のコンタクトプレート6A(図5参照)に保持した状態で実行され、このコンタクトプレート6Aには試験の直前にカスタマトレイ5(図3参照)からICデバイスが移載される。
このため、本実施形態におけるハンドラ1は、図1及び図2に示すように、搬入部100、テスト部200及び搬出部300を備えている。
搬入部100には、未試験のICデバイスを収容している多数のカスタマトレイ5が積層された状態でハンドラ1にセットされ、その積層体からカスタマトレイ5を二枚ずつテスト部200に搬入する。
テスト部200は、図1及び図2に示すように、第1の反転ステージ201、テストステージ202及び第2の反転ステージ203を備えている。
第1の反転ステージ201では、搬入部100から搬入されたカスタマトレイ5の上にコンタクトプレート6Aを重ね合わせた状態で反転させて、カスタマトレイ5に収容されていた全てのICデバイスを、コンタクトプレート6Aに一度に移し替え、コンタクトプレート6Aの上からカスタマトレイ5を取り外した後に、テストステージ202に受け渡す。
テストステージ202では、コンタクトプレート6Aをテストヘッド4の下方に移動させて、コンタクトプレート6Aに保持した状態でICデバイスをソケット41に押し付けて、ICデバイスのテストを実行する。
試験が完了したら、第2の反転ステージ203において、コンタクトプレート6Aの上にカスタマトレイ5を被せて再度反転させて、コンタクトプレート6Aからカスタマトレイ5に試験済みのICデバイスを移し替え、カスタマトレイ5の上からコンタクトプレート6Aを取り外した後に、そのカスタマトレイ5を搬出部300に搬出する。
搬出部300では、試験済みのICデバイスを収容しているカスタマトレイ5を、既に搬出部300に搬出されているカスタマトレイ5から構成される積層体の上に積層する。こうした試験が完了したICデバイスを収容したカスタマトレイ5は、試験工程内の作業者やAGV等の自動搬送機により、ハンドラ1とは別の分類専用装置に搬送される。電子部品試験装置による試験結果は、各カスタマトレイ5自体に付与されているバーコード等のID情報(識別情報)と対応付けて、ハンドラ1からホストコンピュータを介して分類専用装置にデータとして転送される。そして、分類専用装置によって、ICデバイスが試験結果に応じたカテゴリに分類される。
次に、先ず本実施形態に係る電子部品試験装置に用いられるカスタマトレイ5及びコンタクトプレート6Aについて説明する。図3は本発明の第1実施形態におけるカスタマトレイを示す斜視図、図4は図3のIV-IV線に沿った断面図、図5は本発明の第1実施形態におけるコンタクトプレートを示す斜視図、図6は図5のVI-VI線に沿った断面図である。
本実施形態におけるカスタマトレイ5は、図3及び図4に示すように、例えば合成樹脂材料から構成される平板状のトレイ本体51の上面に、ICデバイスを収容するための凹状の収容部52が多数形成されて構成されており、本実施形態では、合計56個の収容部52がトレイ本体51上に7行8列に配列されている。また、トレイ本体51の側面には、図4に示すように、それぞれのカスタマトレイ5の識別情報としてバーコード53が付されている。
なお、カスタマトレイ5に収容可能なICデバイスの数は、本発明においては特に限定されないが、1又は2以上のカスタマトレイ5が有する収容部52の合計数が、テストヘッド4上のソケット41の合計数と一致し、若しくは、テストヘッド4上のソケット41の合計数の整数倍となっていることが好ましい。これにより、電子部品試験装置の同時測定数と同一の数のICデバイスを同時にテストすることができるので、電子部品試験装置の試験効率を向上させることができる。
本実施形態におけるコンタクトプレート6Aは、図5及び図6に示すように、例えばアルミニウムやステンレス等の金属材料や、アルミナ(Al2O3)等のセラミックス等から構成される平板状のプレート本体61の上面に、ICデバイスを保持するための凹部62が多数形成されて構成されている。また、特に図示しないが、プレート本体61の内部には、例えばヒータなどの熱源が埋設されており、コンタクトプレート6AにICデバイスを保持している間に、ICデバイスに熱ストレスを印加することが可能となっている。コンタクトプレート6Aを上記のような材料で構成することで、ICデバイスをテストヘッド4のソケット41に押し付ける際に必要な強度を確保することができると共に、ICデバイスに効率的に熱ストレスを印加することができる。なお、金属製のコンタクトプレート6AにESD(Electro-Static Discharge;静電気放電)対策としてスローリーク処理を行っても良い。また、ICデバイスに低温の熱ストレスを印加する場合には、コンタクトプレート6A内に流路を設けて、その流路内に冷却液を循環させても良い。冷却液としては、例えば、スリーエム社製フロリナート(Fluorinert:登録商標)FC−323等のフッ素系不活性液体を挙げることができる。
図6に示すように、各凹部62の両側には、プレート本体61を貫通しているガイド孔63が形成されている。ソケット41にICデバイスを押し付ける際に、ソケット41の周囲に設けられたガイドピン43がこのガイド孔63に挿入されることで、ICデバイスがソケット41に対して位置決めされるようになっている(図14C参照)。
また、同図に示すように、プレート本体61の外周部には、凹部62の開口方向に向かって突出している縁部64が全周に亘って設けられている。カスタマトレイ5とコンタクトプレート6Aとを重ね合わせる際に、この縁部64の内側にカスタマトレイ5が入り込むことで、収容部52が凹部62にそれぞれ対向するようになっている。
図5に示すように、このコンタクトプレート6Aでは、カスタマトレイ5に対応するように、合計56個の凹部62がプレート本体61に7行8列に配列されており、コンタクトプレート6Aにおける凹部62間のピッチは、カスタマトレイ5における収容部52間のピッチと実質的に同一となっている。コンタクトプレート6Aにおける凹部62の配列が、カスタマトレイ5における収容部52の配列に対応していることで、カスタマトレイ5とコンタクトプレート6Aとの間でICデバイスを移載する際に、ICデバイス間のピッチ変換が不要となる。
なお、プレート本体61に対して凹部62をフローティング状態として、コンタクト時のICデバイスの位置決め精度を向上させても良い。図7は本発明の第1実施形態における電子部品試験装置の他の例を示す断面図である。
本例では、図7に示すように、プレート本体61に取付孔61aを形成すると共に、プレート本体61とは別部材である保持部材65に複数の凹部62を形成し、取付孔61aに取付部材66を挿入することで各保持部材65をプレート本体61に取り付ける。なお、一つ当たりの保持部材65に形成される凹部62の数は特に限定されない。
この際、取付孔61aの小径部分61bは、取付部材66の円柱部分66aの直径よりも若干内径が大きくなっていると共に、取付孔61aの大径部分61cも、取付部材66の円錐部分66bよりも若干内径が大きくなっている。このため、プレート本体61に対して保持部材65が遊動可能となっている。
一方、取付部材66の円錐部分66bの直径は、取付孔61aの小径部分61bの内径よりも大きくなっている。そのため、反転装置210,260によりコンタクトプレート6Bが反転しても、保持部材65がプレート部材61から外れないようになっている。
次に本実施形態に係る電子部品試験装置の各部について詳述する。
[搬入部100]
図8は本発明の第1実施形態における電子部品試験装置の搬入装置を示す平面図である。
搬入部100は、図1及び図2に示すように、積層された状態でハンドラ1に供給されたカスタマトレイ5を、第1の搬送装置120に二枚ずつ搬入する搬入装置110と、カスタマトレイ5をテスト部200へ搬送する2組の第1の搬送装置120と、を備えている。
搬入装置110は、図8に示すように、ハンドラ1のメインフレーム上にY軸方向に沿って架設された2本のY軸方向レール111と、この一対のY軸方向レール111上をY軸方向に沿って往復移動可能な可動レール112と、可動レール112の下側に設けられ、特に図示しないアクチュエータにより上下動可能な2つの把持ヘッド113と、を備えている。それぞれの把持ヘッド113は、カスタマトレイ5を把持するための開閉式の把持爪114を下向きに有している。
この搬入装置110は、前工程からハンドラ1に供給されたカスタマトレイ5から構成される積層体の最上段に位置するカスタマトレイ5を、把持ヘッド113の把持爪114により把持し、アクチュエータ(不図示)により把持ヘッド113が上昇した後に、可動レール112がY軸方向レール111上を移動して、カスタマトレイ5を第1の搬送装置120に引き渡す。搬入装置110は、2つの把持ヘッド113を用いて、2枚のカスタマトレイ5を同時に第1の搬送装置120に引き渡すことが可能となっている。
それぞれの第1の搬送装置120は、図8に示すように、例えば、モータ(不図示)等により駆動可能な多数の回転ローラ121を実質的に平行に2列に並べて構成されており、Y軸方向に沿ってカスタマトレイ5を移動させることが可能となっている。この第1の搬送装置120は、搬入部100からテスト部200内まで設けられており、搬入装置110により搬入されたカスタマトレイ5を搬入部100からテスト部200に搬送することが可能となっている。
[テスト部200]
図9は本発明の第1実施形態における電子部品試験装置の着脱装置を示す側面図であり、図10A及び図10Bは本発明の第1実施形態における電子部品試験装置の第1の反転装置を示す図である。
テスト部200は、図1、図2及び図9に示すように、その上部にテストヘッド4が装着されており、開口を介してテストヘッド4の一部がテスト部200内に入り込んでおり、ソケット41がテスト部200の内部に位置している。また、このテスト部200には、図2に示すように、着脱装置210、4組の第1の反転装置220、2組の第2の搬送装置230、2組のベルト搬送装置240、押圧装置250、2組の第3の搬送装置260及び4組の第2の反転装置270が設けられている。そして、テスト部200の第1の反転ステージ201において、搬入部100から搬入されたカスタマトレイ5からコンタクトプレート6Aに試験前のICデバイスを移し替え、テストステージ202において、このコンタクトプレート6Aに保持した状態でICデバイスの試験を実行し、第2の反転ステージ203において、試験後にコンタクトプレート6Aからカスタマトレイ5にICデバイスを再び移し替える。
着脱装置210は、図2及び図9に示すように、ハンドラ1のメインフレーム上に架設された2本のX軸方向レール211と、この一対のX軸方向レール211上をX軸方向に沿って往復移動可能な2本の可動レール212と、それぞれの可動レール212の下側に設けられ、アクチュエータ(不図示)により上下動可能な2つの把持ヘッド213と、を備えており、各把持ヘッド213には、カスタマトレイ5を把持することが可能な開閉式の把持爪214を下向きに有している。この着脱装置210は、第1の反転装置220から第2の反転装置270に至るテスト部200内のほぼ全域を動作範囲としており、カスタマトレイ5又はコンタクトプレート6Aを同時に4枚把持して移動させることが可能となっている。
この着脱装置210は、先ず、第1の搬送装置120によりテスト部200内に搬送されたカスタマトレイ5の上にコンタクトプレート6Aを重ね合わせる。第1の反転装置220がカスタマトレイ5及びコンタクトプレート6Aを反転させた後に、コンタクトプレート6Aの上からカスタマトレイ5を取り外して、X軸方向に沿って移動して、第2の反転装置270の上方で待機する。ICデバイスの試験が完了したら、着脱装置210は、把持していたカスタマトレイ5をコンタクトプレート6Aの上に重ね合わせる。さらに、第2の反転装置260がコンタクトプレート6A及びカスタマトレイ5を反転させたら、カスタマトレイ5の上からコンタクトプレート6Aを取り外して、X軸方向に沿って移動して第1の反転装置220の上方に戻る。
各第1の反転装置220は、図10A及び図10Bに示すように、ハンドラ1上に設けられた一対の伸長部221と、駆動軸222aが相互に対向するように各伸長部221に設けられた一対の回転部222と、各回転部222の駆動軸222aの先端にそれぞれ設けられた一対のチャック223と、を備えている。
各伸長部221は、例えばエアシリンダを有しており、その駆動軸221aの先端に連結された回転部222を、Z軸方向に沿って移動させることが可能となっている。
各回転部222は、例えば回転モータ及びエアシリンダを有しており、その駆動軸222aの先端に連結されたチャック223を、Y軸を中心として回転させると共に、Y軸方向に沿って往復移動させることが可能となっている。これら回転部222の駆動軸222aは、その先端同士が対向するように配置されているため、各回転部222がそれぞれ伸長すると駆動軸222aの先端間の距離が狭まり、反対に各回転部222がそれぞれ短縮すると駆動軸222aの先端間の距離が広がるようになっている。
各回転部222の駆動軸222aの先端にはチャック223が設けられている。各チャック223は、空気圧等により開閉することで、重なり合っているカスタマトレイ5及びコンタクトプレート6Aを把持することが可能となっている。
この第1の反転装置220は、搬入装置110により搬入部100からテスト部200にカスタマトレイ5が搬入され、着脱装置210によりカスタマトレイ5の上にコンタクトプレート6Aが被せられたら、カスタマトレイ5及びコンタクトプレート6Aの両端を把持してこれらを実質的に180度回転させることで、カスタマトレイ5からコンタクトプレート6AにICデバイスを一度に移し替える。
なお、図10Bに示すように、第1の搬送装置120及び第2の搬送装置230の一部は、回転するカスタマトレイ5及びコンタクトプレート6Aとの干渉を避けるために、第1の反転装置220による反転の際に下降することが可能となっている。なお、図10A及び図10Bにおいて、図面を見易くするために第1の搬送装置120及び第2の搬送装置230を棒状に示しているが、実際には何れも回転ローラが連なって構成されている。
各第2の搬送装置230は、例えばモータ等の駆動源により駆動可能な多数の回転ローラ(不図示)を実質的に平行に並べて構成されており、第1の反転装置220により反転されたコンタクトプレート6AをX軸方向に沿って移動させることが可能となっている。因みに、第1の反転装置220により反転されたカスタマトレイ5は、着脱装置210によりコンタクトプレート6Aから取り外され、押圧装置250上を通過して第2の反転装置270の上方まで移動する。
この第2の搬送装置230は、第1の反転装置220によりカスタマトレイICデバイスが移し替えられたコンタクトプレート6Aを、テストヘッド4側に移動させてベルト搬送装置240に引き渡す。
ベルト搬送装置240は、コンタクトプレート6AをX軸方向に沿って移動させることが可能なベルトコンベアを有している。このベルトコンベアは、図2に示すように、コンタクトプレート6Aの両端を保持するように配置されており、ICデバイスのテストに際して、昇降動作する押圧装置250と干渉しないようになっている。
押圧装置250は、図9に示すように、Z軸方向に沿って駆動可能なアクチュエータ251と、ボールネジ機構(不図示)を介してアクチュエータ251に連結された駆動軸252と、駆動軸252の先端に連結された駆動プレート253と、を有している。この押圧装置250のアクチュエータ251が駆動して、駆動軸252がZ軸方向に沿って上昇すると、駆動プレート253がコンタクトプレート6Aを背面から押し上げて、コンタクトプレート6Aに保持されているICデバイスを、テストヘッド4のソケット41に押し付けるようになっている。押圧装置250によりICデバイスがソケット41に押し付けられて、ICデバイスの入出力端子HBがソケット41のコンタクトピン42にそれぞれ電気的に接触すると(図11C参照)、テストヘッド4を介してテスタ(不図示)によりICデバイスのテストが実行される。ICデバイスの試験結果は、例えば、カスタマトレイ5に付与されたバーコード等のID情報と対応付けた状態で、ハンドラ1からホストコンピュータ10を介して分類専用装置9Aにデータとして転送される。試験が完了したら、試験済みのICデバイスを保持したままの状態で、コンタクトプレート6Aがベルト搬送装置240により払い出される。
各第3の搬送装置260は、第2の搬送装置230と同様に、例えばモータ等の駆動源により駆動可能な多数の回転ローラ(不図示)を実質的に平行に並べて構成されており、ベルト搬送装置240によりテストヘッド4の下方から払い出されたコンタクトプレート6Aを第2の反転装置270まで移動させる。
各第2の反転装置270は、特に図示しないが、上述した第1の反転装置220と同様に、ハンドラ1上に設けられた一対の伸長部と、駆動軸が相互に対向するように各伸長部に設けられた一対の回転部と、各回転部の駆動軸の先端にそれぞれ設けられた一対のチャックと、を備えている。
コンタクトプレート6Aが第3の搬送装置260によりテストヘッド4の下方から払い出されると、着脱装置210によりコンタクトプレート6Aの上にカスタマトレイ5が被せられ、次いで、第2の反転装置270が、コンタクトプレート6A及びカスタマトレイ5の両端を把持してこれらを実質的に180度回転させることで、カスタマトレイ5からコンタクトプレート6AにICデバイスを一度に移し替える。因みに、着脱装置210は、コンタクトプレート6Aにカスタマトレイ5を被せて、コンタクトプレート6Aを受け取ったら、第1の反転装置220の上方に戻る。
[搬出部300]
搬出部300は、図1及び図2に示すように、カスタマトレイ5をテスト部200から搬出部300に搬送する2組の第4の搬送装置310と、ハンドラ1から搬出されるカスタマトレイ5から構成される積層体の上に二枚ずつ搬出する搬出装置320と、を備えている。
それぞれの第4の搬送装置310は、図2に示すように、搬入部100の第1の搬送装置120と同様の構成をしており、例えば、モータ等により駆動可能な多数の回転ローラ(不図示)を実質的に平行に2列に並べて構成されており、Y軸方向に沿ってカスタマトレイ5を移動させることが可能となっている。この第4の搬送装置310は、テスト部200から搬出部300まで設けられており、第2の反転装置270によりコンタクトプレート6Aから全てのICデバイスが移載されたカスタマトレイ5を搬出部300に移動させることが可能となっている。
搬出装置320は、図2に示すように、搬入部100の搬入装置110と同様に、Y軸方向レール321、可動レール322及び把持ヘッド323を備えており、第4の搬送装置310により搬出部300に運び出されたカスタマトレイ5を、ハンドラ1から後工程に搬出されるカスタマトレイから構成される積層体の最上段に移載することが可能となっている。
[分類専用装置9A]
図11は本発明の第1実施形態における電子部品試験システムを示すブロック図、図12は本発明の第1実施形態において、電子部品試験装置と分類専用装置との間のカスタマトレイの運搬に用いられるカセットを示す斜視図、図13Aは本発明の第1実施形態において用いられる分類専用装置を示す平面図、図13Bは本発明の第1実施形態において分類専用装置の代わりに用いられる移載専用装置を示す平面図である。
図11に示すように、電子部品試験装置による試験結果は、各カスタマトレイ自体に付与されているバーコード等のID情報と対応づけてハンドラ1からテスタ45を介してホストコンピュータ(上位管理手段)10に転送される。そして、ホストコンピュータ10は、ID情報が対応付けられた試験結果データを、ICデバイスの分類を行う分類専用装置9Aに転送する。
また、ハンドラ1から搬出されるカスタマトレイ5から構成される積層体は、図12に示すようなカセット7に収容されて、作業者或いはAGV等の自動搬送装置により分類専用装置9Aに運ばれる。
分類専用装置9Aは、図13Aに示すように、分類専用装置9Aの装置基台上にY軸方向に沿って架設されたY軸方向レール91と、このY軸方向レール91上をY軸方向に沿って往復移動可能な可動レール92と、この可動レール92上をX軸方向に沿って移動可能に支持された可動ヘッド93と、可動ヘッド93の下側に設けられ、特に図示しないアクチュエータにより上下動可能な8個の吸着ヘッド94と、を備えている。
この分類専用装置9Aは、カスタマトレイ5の側面に付されたバーコード53と、ホストコンピュータ10から転送された試験結果のデータとを照合することで、各ICデバイスの試験結果を認識する。そして、カセット7に収容されていたカスタマトレイ5上のICデバイスを、吸着ヘッド94が吸着保持して上昇し、可動ヘッド93が可動アーム92上を移動すると共に、可動レール92がY軸方向レール91上を移動して、試験結果に応じたカスタマトレイ5a〜5dにICデバイスを載置することで、分類専用装置9AはICデバイスを試験結果に応じて分類する。
一般的にICデバイスの分類工程はネック工程となりがちであるが、本実施形態では、電子部品試験装置とは独立した分類専用装置9AにてICデバイスの分類作業を行うので、分類専用装置9Aの台数を増減させることで分類工程の負荷を調整することができる。
なお、分類工程において、以上に説明した分類専用装置9Aに代えて、移載専用装置9Bを用いて、電子部品試験装置から送り出されたカスタマトレイ5内において、試験結果に応じてICデバイスを並び替えてもよい。
移載専用装置9Bは、図13Bに示すように、Y軸方向レール91、可動レール92、可動ヘッド93及び吸着ヘッド94を有する点で上述の分類専用装置9Aと同様である。しかしながら、移載専用装置9Bの装置基台上に、カセット7に収容されていた4枚のカスタマトレイ5e〜5hが配置され、新規なカスタマトレイが配置されていない点で、移載専用装置9Bは分類専用装置9Aと相違している。
例えば、4枚のカスタマトレイ5e〜5hを試験結果のカテゴリ1〜4にそれぞれ対応付けた場合に、カテゴリ1のICデバイスを第1のトレイ5eに集め、カテゴリ2のICデバイスを第2のトレイ5fに集め、カテゴリ3のICデバイスを5gに集め、カテゴリ4のICデバイスを第4のトレイ5hに集めるように、移載専用装置9Bが、4枚のカスタマトレイ5e〜5hに収容されているICデバイスを並び替える。これにより、カスタマトレオ5e〜5hにおいて、一部のICデバイスを動かさずに、試験結果に応じたICデバイスの分類を行うことができるので、分類時間の短縮化を図ることができる。
なお、移載専用装置9Bによる移載先を、試験済みのICデバイスを収容しているカスタマトレイ5e〜5hに限定せずに、当該移載先に新規なカスタマトレイを含めてもよい。例えば、発生頻度の低いカテゴリのICデバイスについては、移載専用装置9Bが4枚のカスタマトレイ5e〜5hから新規なカスタマトレイ(空のカスタマトレイ)に移し替えるようにしてもよい。また、複数のカスタマトレイ間における移し替えの後に、同一のカスタマトレイ内でICデバイスが詰めて配置されるように、移載専用装置9BがICデバイスの並び替えを行ってもよい。
なお、分類専用装置9Aや移載専用装置9Bの装置基台上に配置されるカスタマトレイの枚数は特に限定されず、例えば、カテゴリ数に応じて任意の枚数のカスタマトレイを配置することができる。また、発生頻度の低いカテゴリについては、複数のカテゴリを同一のカスタマトレイに対応付けてもよい。
本実施形態では、分類専用装置9Aや移載専用装置9Bを、電子部品試験装置とは独立した専用機として説明したが、電子部品試験装置が分類専用装置9Aや移載専用装置9Bの機能を備えてもよい。
以下に、作用について説明する。
図14A〜図14Dは本実施形態における電子部品試験装置の各工程におけるカスタマトレイ又はコンタクトプレートの状態を示す断面図である。
先ず、ハンドラ1の搬入部100に、試験前のICデバイスを収容した複数のカスタマトレイを積層して構成される積層体が搬入されると、当該積層体の最上段に位置するカスタマトレイ5を、搬入装置110が第1の搬送装置120上に移動させる。なお、カスタマトレイ5は、ICデバイスの入出力端子HBが下方を向いた状態で、ハンドラ1の搬入部100に搬入される。
第1の搬送装置120上にカスタマトレイ5が載置され、第1の搬送装置120によりカスタマトレイ5がテスト部200に搬送されたら、図14Aに示すように、着脱装置210がカスタマトレイ5の上にコンタクトプレート6Aを被せる。
次いで、第1の反転装置220が、相互に重なり合っているカスタマトレイ5及びコンタクトプレート6Aの両端を把持して、図14Bに示すように、カスタマトレイ5及びコンタクトプレート6Aを実質的に180度回転させる。この反転動作により、カスタマトレイ5に収容されていた全てのICデバイスが、コンタクトプレート6Aに一度に移載され、ICデバイスは、その入出力端子HBを上方に向いた姿勢でコンタクトプレート6Aの凹部62に保持される。
次いで、反転したコンタクトプレート6A及びカスタマトレイ5を、第1の反転装置220から第2の搬送装置230に引き渡し、コンタクトプレート6A上から着脱装置210がカスタマトレイ5を取り外すと共に、第2の搬送装置230がコンタクトプレート6Aをテストヘッド4側に移動させる。このカスタマトレイは、第2の搬送装置230からベルト搬送装置240に引き渡される。また、着脱装置210は、カスタマトレイ5を第2の反転装置260の上方まで移動させる。
ベルト搬送装置240がコンタクトプレート6Aをテストヘッド4の下方まで移動させて停止すると、押圧装置250のアクチュエータ251が駆動して、駆動軸252が上昇して、駆動プレート253がコンタクトプレート6Aをその裏面から押し上げる。この動作により、ICデバイスがテストヘッド4のソケット41に接近すると、図14Cに示すように、先ず、コンタクトプレート6Aにおいて凹部62の周囲に設けられているガイド孔63に、ソケット41の周囲に設けられたガイドピン43が挿入されて、ソケット41に対してICデバイスが位置決めされる。さらに、駆動プレート253が上昇すると、ICデバイスがソケット41に押し付けられて、ICデバイスの入出力端子HBがソケット41のコンタクトピン42に電気的に接触する。この状態で、テストヘッド4を介してテスタ(不図示)がICデバイスとの間で試験信号の授受を行うことで、ICデバイスのテストが実施される。
なお、図14Cには、1つのソケット41しか図示していないが、実際には、以下のいずれかの関係式を満たす数(N)のソケット41がテストヘッド4上に設けられており、複数のICデバイスのテストを同時に実行するようになっている。
但し、上記の関係式において、Lはカスタマトレイ5における収容部52の合計数であり、Nはテストヘッド4におけるソケット41の合計数であり、Aは自然数である。
また、テストヘッド4上の多数のソケット41は、カスタマトレイ5の収容部52間のピッチと同一のピッチ、又は、その整数倍のピッチで配置されている。なお、ソケット41が、カスタマトレイ5の収容部52間のピッチの整数倍で配置されている場合には、コンタクトプレート6Aの凹部62を1個又は複数個飛ばしてICデバイスのテストを行い、結果的にICデバイスのテストが複数回行われる。
ICデバイスのテストが完了すると、ベルト搬送装置240から第3の搬送装置260にコンタクトプレート6Aが引き渡され、図14Dに示すように、着脱装置210がコンタクトプレート6Aの上にカスタマトレイ5を被せる。
次いで、第2の反転装置270が、相互に重なり合っているカスタマトレイ5及びコンタクトプレート6Aを実質的に180度回転させる。この反転動作により、ICデバイスの相互の位置関係(配列)を維持した状態で、コンタクトプレート6Aに保持されていた全てのICデバイスが、カスタマトレイ5に一度に移載される。
次いで、反転したカスタマトレイ5及びコンタクトプレート6Aを、第2の反転装置260から第4の搬送装置310に引き渡し、着脱装置210がカスタマトレイ5の上からコンタクトプレート6Aを取り外すと共に、第4の搬送装置310がカスタマトレイ5をテスト部200から搬出部300に移動させる。なお、カスタマトレイ5から取り外されたコンタクトプレート6Aは、着脱装置210により第1の反転装置220の上方に戻される。
第4の搬送装置310により搬出部300に搬送されたカスタマトレイ5は、搬出装置320により、ハンドラ1から後工程に搬出されるカスタマトレイから構成される積層体の最上段に移載される。
それぞれの積層体は図12に示すカセット7に収容されて、作業者又はAGV等の自動搬送装置により分類専用装置9Aに運搬される。そして、分類専用装置9Aにおいて、それぞれの試験結果に応じたカスタマトレイに分類される。
以上のように、本実施形態では、ICデバイスのテストを行う直前に、カスタマトレイ5からコンタクトプレート6AにICデバイスを積み替え、このコンタクトプレート6AにICデバイスを保持した状態で、ICデバイスをテストヘッド4のソケット41に押し付ける。このため、試験専用のコンタクトプレート6Aをハンドラ内で循環させる必要がなくなり、コンタクトプレート6Aの枚数が大幅に減少するので、電子部品試験装置のコストダウンを図ることができる。
また、本実施形態では、テスト前後において、カスタマトレイ5とコンタクトプレート6Aとの間で、ICデバイス間のピッチを変更せずにICデバイスを移載することができるので、ICデバイスにピックアンドプレース装置を用いるような場合でもピッチ変換機構が不要となり、電子部品試験装置のコストダウンを図ることができる。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態では、コンタクトプレートの構造が第1実施形態と相違している。また、本実施形態では、第1実施形態と比較して、コンタクトプレート及びカスタマトレイを第1の反転装置により反転させる際に、コンタクトプレートとカスタマトレイとの間に位置決めプレートを介装する点が相違している。以下に、本発明の第2実施形態における電子部品試験装置について、第1実施形態と相違する点のみについて説明し、第1実施形態と同様の構成である部分については説明を省略する。
先ず、本実施形態で用いられるコンタクトプレート及び位置決めプレートについて説明する。図15は本発明の第2実施形態におけるコンタクトプレートを示す断面図、図16は本発明の第2実施形態における位置決めプレートを示す斜視図、図17は図16のXVII-XVII線に沿った断面図である。
本実施形態におけるコンタクトプレート6Bは、図15に示すように、例えばアルミニウムやステンレス等の金属材料や、アルミナ(Al2O3)等のセラミックス等から構成される平板状のプレート本体61の上面67に、多数の吸着ノズル68が開口して構成されている。各吸着ノズル68は、真空ポンプ69に連通しており、ICデバイスの入出力端子HBが導出していない背面でICデバイスを吸着保持することが可能となっている。
このように、本実施形態では、コンタクトプレート6Bが、ICデバイスにおいて入出力端子HBが導出していない背面を吸着保持すると共に、吸着ノズル68が開口している上面67が平滑な(凹凸のない)一つの平面から構成されているため、ICデバイスの形状に依存せずに、一つのコンタクトプレート6Bで多品種に対応することが可能となっている。
このコンタクトプレート6Bでは、カスタマトレイ5の収容部52に対応するように、合計で56個の吸着ノズル68がプレート本体61に7行8列に配列されている。コンタクトプレート6Bにおける吸着ノズル68の配列が、カスタマトレイ5における収容部52の配列に対応していることで、カスタマトレイ5とコンタクトプレート6Bとの間でICデバイスを移載する際に、ICデバイス間のピッチ変換が不要となる。
本実施形態における位置決めプレート8は、図16及び図17に示すように、例えば、アルミニウムやステンレス等の金属材料や、アルミナ(Al2O3)等のセラミックス等から構成される平板状のプレート本体81に多数の貫通孔82が形成されて構成されている。各貫通孔82は、ICデバイスのパッケージの外形よりも若干大きな矩形形状となっている。この位置決めプレート8では、カスタマトレイ5の収容部52に対応するように、合計で56個の貫通孔82がプレート本体81に7行8列に配列されている。
なお、ICデバイスの品種にそれぞれ応じた複数の位置決めプレート8を準備しても良く、これによりICデバイスの品種切換への対応が容易となる。また、例えば、室温試験用、高温試験用及び低温試験用の位置決めプレート8を、それぞれ熱膨張を考慮して準備しても良い。これにより、位置決めプレート8を交換することで一台のハンドラ1で複数種の試験に対応することが可能となる。
次に、位置決めプレート8をカスタマトレイ5とコンタクトプレート6Bとの間に挿入したり、カスタマトレイ5及びコンタクトプレート6Bをテストヘッド4側に移動させる際に位置決めプレート8を保持しておく保持装置280について説明する。図18及び19は本発明の第2実施形態における電子部品試験装置のプレート保持装置を示す側面図及び平面図である。
保持装置280は、図18及び図19に示すように、ハンドラ1上に設けられた例えばエアシリンダ等から構成されるアクチュエータ281と、アクチュエータ281によりZ軸方向に沿って移動可能な駆動軸282と、駆動軸282の先端部において、X軸方向に沿って進退可能に設けられた進退部材283と、を備えており、第1の反転装置220に把持された状態の位置決めプレート8の四隅近傍にそれぞれ配置されている。保持装置280により、位置決めプレート8を保持する場合には、位置決めプレート8の四隅に形成された保持用穴(不図示)に進退部材283を挿入した状態で、アクチュエータ281が駆動軸282を上昇させる。なお、保持装置280が位置決めプレート8を保持している状態で、カスタマトレイ5やコンタクトプレート6Bが移動する際に、カスタマトレイ5やコンタクトプレート6Bが駆動軸282と干渉するのを回避するために、図19に示すように進退部材283は鉤型となっている。
以下に、作用について説明する。
図20A〜図20Gは本実施形態における電子部品試験装置の各工程を示す図であり、図20A及び図20E〜図20Gはカスタマトレイ、位置決めプレート又はコンタクトプレートの状態を示す断面図、図20Bは第1の反転装置による傾け動作を示す正面図、図20C及び図20Dは位置決めプレート及びコンタクトプレートを示す斜視図である。
搬入装置110により第1の搬送装置120上にカスタマトレイ5が載置され、第1の搬送装置120によりカスタマトレイ5がテスト部200に搬送されたら、図20Aに示すように、保持装置280がカスタマトレイ5の上に位置決めプレート8を被せる。この際、保持装置280のアクチュエータ281が駆動軸282を下降させて、カスタマトレイ5の上に位置決めプレート8を重ね合わせた後に、位置決めプレート8の保持用穴から進退部材283が退避する。次いで、着脱装置210が、位置決めプレート8の上にコンタクトプレート6Bを被せる。
次いで、第1の反転装置220が、重なり合っているカスタマトレイ5、位置決めプレート8及びコンタクトプレート6Bの両端を把持して、カスタマトレイ5、位置決めプレート8及びコンタクトプレート6Bを実質的に180度回転させる。この反転動作により、ICデバイスの相互の位置関係(配列)を維持した状態で、カスタマトレイ5に収容されていた全てのICデバイスが、コンタクトプレート6Bに一度に移載される。
本実施形態では、この反転に次いで、図20Bに示すように、第1の反転装置220において、一方の伸長部221を短くすると共に、他方の伸長部221を伸ばして、カスタマトレイ5、位置決めプレート8及びコンタクトプレート6BをX軸方向を中心として傾ける。第1の反転装置220による反転動作と傾け動作により、図20C及び図20Dに示すように、位置決めプレート8の貫通穴82内において、ICデバイスが2つの内壁面82a,82bに自重により寄せられるので、複数のICデバイスが位置決めされる。
なお、本発明においては、ブラシで位置決めプレート8上をなでたり、位置決めプレート8に向かってエアを吹き付けることで、位置決めプレート8の貫通穴82内において、ICデバイスを2つの内壁面82a,82bに寄せても良い。
ICデバイスが位置決めプレート8の貫通穴82内において片寄せされたら、図20Eに示すように、真空ポンプ89を駆動させてコンタクトプレート6BがICデバイスを吸着保持し、次いで、反転したコンタクトプレート6B、位置決めプレート8及びカスタマトレイ5を第1の反転装置220から第2の搬送装置230に引き渡す。
次いで、着脱装置210が、位置決めプレート8の上からカスタマトレイ5を取り外して、当該カスタマトレイ5をテストヘッド4の下方を通過させて第2の反転装置270の上方に移動させる。次いで、保持装置280が、コンタクトプレート6Bの上から位置決めプレート8を取り外して保持する。この際、位置決めプレート8の四隅に形成された保持用穴(不図示)に進退部材283を挿入した状態でアクチュエータ281が駆動軸282を上昇させて、位置決めプレート8を保持する。
なお、本発明においては、コンタクトプレート6Bの上に位置決めプレート8を載せたまま、テストヘッド4の下方に搬送してICデバイスのテストを実施しても良く、この場合には保持装置280が不要となる。
カスタマトレイ5及び位置決めプレート8がコンタクトプレート6Bから取り外されたら、コンタクトプレート6Bは、第2の搬送装置230からベルト搬送雄地240に引き渡される。
ベルト搬送装置240がコンタクトプレート6Bをテストヘッド4の下方まで移動させて停止すると、押圧装置250のアクチュエータ251が駆動して、駆動プレート253がコンタクトプレート6Bを押し上げる。さらに、駆動プレート253が上昇すると、図20Fに示すように、コンタクトプレート6Bに保持されている状態でICデバイスがテストヘッド4のソケット41に押し付けられて、ICデバイスの入出力端子HBがソケット41のコンタクトピン42に電気的に接触する。この状態で、テストヘッド4を介してテスタ(不図示)がICデバイスとの間で試験信号の授受を行うことで、ICデバイスのテストが実施される。
ICデバイスのテストが完了すると、ベルト搬送装置240から第3の搬送装置260にコンタクトプレート6Bが引き渡され、図20Gに示すように、着脱装置210がコンタクトプレート6Bの上にカスタマトレイ5を被せる。
次いで、真空ポンプ69を停止させた後に、第2の反転装置270が、相互に重なり合っているカスタマトレイ5及びコンタクトプレート6Bを実質的に180度回転させる。この反転動作により、ICデバイス同士の位置関係(配列)を維持した状態で、コンタクトプレート6Bに保持されていた全てのICデバイスが、カスタマトレイ5に一度に移載される。
次いで、反転したカスタマトレイ5及びコンタクトプレート6Bを、第2の反転装置260から第4の搬送装置310に引き渡し、着脱装置210がカスタマトレイ5の上からコンタクトプレート6Bを取り外すと共に、第4の搬送装置310がカスタマトレイ5をテスト部200から搬出部300に移動させる。なお、カスタマトレイ5から取り外されたコンタクトプレート6Bは、着脱装置210により第1の搬送装置220の上方に移動し、その下方には保持装置280により保持されている位置決めプレート8が待機している。次のカスタマトレイ5がテスト部200に搬送されると、位置決めプレート8及びコンタクトプレート6Bはそのカスタマトレイ5の上に再び載置される。
第4の搬送装置310により搬出部300に搬送されたカスタマトレイ5は、搬出装置320により、ハンドラ1から後工程に搬出されるカスタマトレイから構成される積層体の最上段に移載される。それぞれの積層体は図12に示すカセット7に収容されて、作業者又はAGV等の自動搬送装置により分類専用装置9Aや移載専用装置9Bに運搬されて、分類専用装置9Aや移載専用装置9Bにより、それぞれの試験結果に応じたカスタマトレイに分類される。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態では、コンタクトプレートの構成が第1実施形態と相違している。また、本実施形態では、第1実施形態と比較して、テスト部にカスタマトレイを搬送する前に、カスタマトレイに収容されているICデバイスの数を調整する点が相違している。以下に、本発明の第3実施形態における電子部品試験装置について、第1実施形態と相違する点のみについて説明し、第1実施形態と同様の構成である部分については説明を省略する。
先ず、本実施形態で用いられるコンタクトプレートについて説明する。図21は本発明の第3実施形態におけるコンタクトプレートを示す斜視図である。
本実施形態におけるコンタクトプレート6Cは、図21に示すように、平板状のプレート本体61に多数の凹部62が多数形成されて構成されている点で、第1実施形態と同様である。しかしながら、カスタマトレイ5では56個の収容部52が7行8列に配列されているのに対し、コンタクトプレート6Cでは42個の凹部62が6行7列に配列されており、コンタクトプレート6Cにおける凹部62の数及び配列が、カスタマトレイ5における収容部52の数及び配列に部分的に一致していない。なお、コンタクトプレート6Cの42個の凹部62の配列は、カスタマトレイ5において7行8列のうちの6行7列の収容部52の配列に一致している。
本実施形態では、以下のいずれかの関係式を満たす数のソケット41がテストヘッド4上に設けられており、複数のICデバイスのテストを同時に実行するようになっている。本実施形態では、第1実施形態と異なり、テストヘッド4上のソケット41の合計数とカスタマトレイ5における収容部52の合計数とが一致していない。
但し、上記の関係式において、Mはコンタクトプレート6Cにおける凹部62の合計数であり、Nはテストヘッド4におけるソケット41の合計数であり、Bは自然数である。
また、テストヘッド4上の多数のソケット41は、コンタクトプレート6Cの凹部62間のピッチと同一のピッチ、又は、その整数倍のピッチで配置されている。なお、ソケット41が、コンタクトプレート6Cの凹部62間の整数倍で配置されている場合には、コンタクトプレート6Cの凹部62を1個又は複数個飛ばしてICデバイスのテストを行い、結果的にICデバイスのテストが複数回行われる。
次に、テスト部200にカスタマトレイ5を搬入する前に、カスタマトレイ5に収容されているICデバイスの数及び配列を、コンタクトプレート6Cの凹部62の数及び配列に一致させるために、カスタマトレイ5上のICデバイスの数を調整するデバイス移載装置130について説明する。図22は本発明の第3実施形態における電子部品試験装置のデバイス移載装置を示す平面図、図23は本発明の第3実施形態においてICデバイスの数が調整されたカスタマトレイを示す斜視図である。
本実施形態では、図22に示すように、搬入部100において、第1の搬送装置120の横に、全ての収容部52にICデバイスを一切収容していない空のカスタマトレイ5Eが積層してあり、搬入装置110は、2組の第1の搬送装置120に加えて、この空トレイ5Eの積層体も跨ぐように設けられている。また、本実施形態の搬入装置110の一方(図22において左側)の把持ヘッド113は、可動レール112上をX軸方向に沿って移動することが可能となっている。そのため、本実施形態の搬入装置110は、未試験のICデバイスを収容しているカスタマトレイ5から構成される積層体から第1の搬送装置120にカスタマトレイを移載することに加えて、空トレイ5Eの積層体からも第1の搬送装置120にカスタマトレイを移載することが可能となっている。
デバイス移載装置130は、搬入装置110のY軸方向レール111上をY軸方向に沿って往復移動可能な可動レール131と、可動レール131上をX軸方向に沿って移動可能な可動ヘッド132と、可動ヘッド132の下側に設けられ、特に図示しないアクチュエータにより上下動可能な8個の吸着ヘッド133と、を備えている。
このデバイス移載装置130は、搬入装置110により第1の搬送装置120上に移載されたカスタマトレイ5から、ICデバイスを吸着保持して空トレイ5Eに移動させることで、図23に示すように、カスタマトレイ5に収容されているICデバイスの数及び配列を、コンタクトプレート6Cが有する凹部62の数及び配列に一致させる。
デバイス移載装置130によりICデバイスが移載されたカスタマトレイ5Eは、収容しているICデバイスの数及び配列がコンタクトプレート6Cの凹部62の数及び配列に一致したら、搬入装置110により第1の搬送装置120に搬送されて、搬入部100からテスト部200に搬入される。
以上のように、カスタマトレイ5に収容されているICデバイスの数及び配列をテストヘッド4のソケット41の数及び配列に一致させることで、同時測定数と同一の数のICデバイスを同時にテストすることができるので、電子部品試験装置の試験効率を向上させることができる。
なお、図24に示すように、カスタマトレイに収容されているICデバイスの数を調整する装置を、ハンドラ1とは独立した調整専用装置11としても良い。図24は本発明の第4実施形態における電子部品試験システムを示すブロック図である。
調整専用装置11は、上述の、カスタマトレイ5から空のカスタマトレイ5Eに未試験のICデバイスを移載するデバイス移載装置130と、これら調整済みのカスタマトレイ5を搬送する搬入装置110と、を用いて構成することができる。また、調整専用装置11により調整された後のカスタマトレイ5におけるICデバイスの数や配列に関する情報は、個々のカスタマトレイ5にされたID情報に対応付けられた配列データとしてホストコンピュータ10に転送される。
このように、電子部品試験装置とは独立した調整専用装置11により、カスタマトレイ5上のICデバイスの数や配列を調整する作業を行うので、調整専用装置11の台数を増減させることで調整工程の負荷を調整することができる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、上述の実施形態では、テストステージ202の直前のステージ201でカスタマトレイ5及びコンタクトプレート6A〜6Cを反転させ、テストステージ202の直後のステージ203でコンタクトプレート6A〜6C及びカスタマトレイ5を再度反転させているが、本発明においては特にこれに限定されない。例えば、テストヘッド4の真下において、ICデバイスの試験前に、カスタマトレイ5及びコンタクトプレート6A〜6Cを反転させ、ICデバイスの試験が完了したら、コンタクトプレート6A〜6Cを再度反転させても良い。これにより、一つの反転装置により試験前後の反転を実施することができる。