JPWO2008053794A1 - 静電動作装置 - Google Patents

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Abstract

エレクトレット膜からの電荷の流出を抑制することが可能な静電動作装置が得られる。可動電極(22)を含む可動電極部(20)と、可動電極部(20)と所定の距離を隔てて対向するように設けられ、電荷を蓄積することが可能なエレクトレット膜(12)と、エレクトレット膜(12)の上面の所定領域上に形成された導電体層(13)とを含む固定電極部(10)とを備え、エレクトレット膜(12)の導電体層(13)が形成される領域の表面は、凸状に形成されている。

Description

本発明は、静電動作装置に関し、特に、エレクトレット膜を備えた静電動作装置に関する。
従来、エレクトレット膜を備えた静電誘導型発電装置および静電アクチュエータが、それぞれ、特開2006−180450号公報および特開平4−112683号公報に開示されている。
この特開2006−180450号公報に開示された静電誘導型発電装置は、互いに所定の距離を隔てて対向するように設けられた2つの基板から構成されている。一方の基板の他方の基板に対向する表面には、複数の細片状の電極が形成されている。また、他方の基板の一方の基板に対向する表面には、複数の細片状の導電体層が形成されるとともに、この導電体層の表面上には、電荷保持材料であるエレクトレット膜が形成されている。この静電誘導型発電装置では、2つの基板のうち少なくとも1つの基板が慣性力を受けて振動することを繰り返すことによって、エレクトレット膜に蓄積された電荷により、エレクトレット膜に対向する電極に誘導される電荷が変化し、その変化分が電流として出力される。
また、特開平4−112683号公報に開示された静電アクチュエータは、複数の電極を含む固定子と、テフロン(登録商標)からなる基板を含む振動子とから構成されている。このテフロン(登録商標)からなる基板の所定の領域は、コロナ放電により、部分的にエレクトレット化されている。具体的には、テフロン(登録商標)からなる基板のエレクトレット化された1つの領域は、細片状の形状を有しており、複数のエレクトレット化された細片状の領域が一定の間隔を隔てて基板上に形成されている。固定子に含まれる複数の電極と、テフロン(登録商標)からなる基板のエレクトレット化された複数の領域とは、対向するように配置されており、この複数の電極の電圧をそれぞれ変化(正電圧、0および負電圧)させることにより、テフロン(登録商標)からなる基板を含む振動子を、対向する固定子に対して水平な方向に移動させる。
しかしながら、特開2006−180450号公報に開示された静電誘導型発電装置では、電荷保持材料であるエレクトレット膜は、細片状に形成されており、細片状に形成されたエレクトレット膜の端部から電荷が流出するという問題点がある。このため、エレクトレット膜に蓄積される電荷量が減少するので、静電誘導型発電装置の発電量が減少する。
また、特開平4−112683号公報に開示された静電アクチュエータでは、テフロン(登録商標)からなる基板のエレクトレット化された複数の領域から、電荷が、エレクトレット化されていない領域に流出するという問題点がある。このため、エレクトレット化された領域の電位と、エレクトレット化されなかった領域の電位との差が減少するので、振動子の移動する動作と止まる動作との切り替えが緩慢になる。また、この特開平4−112683号公報に開示された部分的にエレクトレット化されたテフロン(登録商標)からなる基板を、特開2006−180450号公報に開示された静電誘導型発電装置の他方の基板として用いることが考えられる。しかし、この場合には、エレクトレット化された領域の電位と、エレクトレット化されなかった領域の電位との差が減少することにより、テフロン(登録商標)からなる基板に対向する電極に誘導される電荷の変化量が小さくなるので、静電誘導型発電装置の発電量が減少する。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、エレクトレット膜からの電荷の流出を抑制することが可能な静電動作装置を提供することである。
この発明の第1の局面による静電動作装置は、第1電極を含む第1電極部と、第1電極部と所定の距離を隔てて対向するように設けられ、電荷を蓄積することが可能なエレクトレット膜と、エレクトレット膜の上面の所定領域上に形成された第1導電体層とを含む第2電極部とを備え、エレクトレット膜の第1導電体層が形成される領域の表面は、凸状に形成されている。
この第1の局面による静電動作装置では、上記のように、電荷を蓄積することが可能なエレクトレット膜の上面の所定領域上に第1導電体層を形成することにより、たとえば第1導電体層を接地する場合または所定の電圧をかける場合には、第1導電体層は、エレクトレット膜に蓄積された電荷による電界を遮蔽する働きがあるので、第2電極部の第1電極部に対向する表面において、第1導電体層が形成される領域の電界は小さく、エレクトレット膜が露出している領域の電界は大きくなる。静電動作装置として静電誘導型発電装置を用いる場合には、第1電極部および第2電極部のうち少なくとも1つが慣性力を受けて振動することを繰り返すことによって、第2電極部の表面上に電界が大きい領域と電界が小さい領域とがあるので、エレクトレット膜に対向する第1電極に誘導される電荷の量が変化する。これにより、第1電極に誘導される電荷の変化分を電流として出力することができる。また、静電動作装置として静電アクチュエータを用いる場合には、第1電極部に信号(電圧)を与えることにより、第1電極部と第2電極部に含まれるエレクトレット膜との間に働くクーロン力により、第2電極部を動かすことができる。
このように、エレクトレット膜を、たとえば櫛歯状に加工(パターニング)することなしに、第2電極部の表面上に、電界が大きい領域と電界が小さい領域とを作ることができるので、エレクトレット膜を加工する場合に比べてエレクトレット膜の端部から電荷が流出するのを減少させることができる。その結果、静電動作装置として静電誘導型発電装置を用いる場合には、発電量の減少を抑制することができる。
また、静電動作装置として静電アクチュエータを用いる場合には、エレクトレット膜を加工する場合に比べて第1電極部に印加する電圧を小さくすることができるので、静電アクチュエータの消費電力を小さくすることができる。また、エレクトレット膜の表面上に電荷が全体的に分布していると、局所的にエレクトレット化された膜のように、電荷がエレクトレット化された領域からエレクトレット化されていない領域に流出することは起こらない。これにより、エレクトレット化された領域の電位と、エレクトレット化されなかった領域の電位との差が減少することは起きない。これにより、静電動作装置として静電誘導型発電装置を用いる場合には、エレクトレット膜に対向する第1電極に誘導される電荷の変化量が小さくなるのを抑制することができるので、発電量の減少を抑制することができる。また、静電動作装置として静電アクチュエータを用いる場合には、局所的にエレクトレット化された膜を用いる場合に比べて、第1電極部に印加する電圧を小さくすることができるので、静電アクチュエータの消費電力を小さくすることができる。
また、局所的にエレクトレット化された膜において、エレクトレット化されていない領域の表面上に、第1導電体層を配置することにより、電荷がエレクトレット化された領域からエレクトレット化されていない領域に移動しても、エレクトレット化されていない領域の表面上に配置された第1導電体層がエレクトレット化されていない領域に流出した電荷による電界を遮ることができるので、エレクトレット化された領域と、エレクトレット化されなかった領域との境界における電界の変化が緩やかになるのを抑制することができる。
また、エレクトレット膜の第1導電体層が形成される領域の表面を、凸状に形成することによって、電荷が蓄積されるエレクトレット膜の表面の凹状の部分と第1導電体層とがエレクトレット膜の凸状の部分によって分離されるので、エレクトレット膜から第1導電体層に電荷が流出するのをより抑制することができる。これにより、静電動作装置として静電誘導型発電装置を用いる場合には、発電量の減少をより抑制することができる。また、静電動作装置として静電アクチュエータを用いる場合には、静電アクチュエータの消費電力をより小さくすることができる。
上記第1の局面による静電動作装置おいて、好ましくは、第1導電体層とエレクトレット膜の表面の凸状の部分とは、平面的に見て同一の形状に形成されている。このように構成すれば、容易に、第1導電体層とエレクトレット膜の表面の凸状の部分とを同時に加工することができる。
上記第1の局面による静電動作装置おいて、好ましくは、エレクトレット膜の第1電極に対向する表面上に形成され、エレクトレット膜の表面上から電荷が流出するのを抑制する第1絶縁膜をさらに備える。このように構成すれば、第1導電体層が形成されていないエレクトレット膜の表面から電荷が流出するのを抑制することができるので、静電動作装置として静電誘導型発電装置を用いる場合には、発電量の減少をより有効に抑制することができる。また、静電動作装置として静電アクチュエータを用いる場合には、静電アクチュエータの消費電力をより小さくすることができる。
この場合、第1絶縁膜は、エレクトレット膜の凸状の部分の側面にも形成されている。このように構成すれば、第1絶縁膜を、エレクトレット膜の凸状の部分の側面に形成しない場合に比べて、エレクトレット膜から電荷が流出するのをより抑制することができる。
上記第1の局面による静電動作装置おいて、好ましくは、第1電極は、第1の間隔を隔てて複数設けられた第1電極部分を含み、第1導電体層の幅は、隣接する第1電極部分間の第1の間隔よりも大きい。このように構成すれば、エレクトレット膜上に形成される第1導電体層が隣接する第1電極間に入り込むのが抑制されるので、第1電極とエレクトレット膜とが張り付くことを抑制することができる。これにより、第1電極がエレクトレット膜に接触することに起因して、第1電極に誘導された電荷が減少するのを抑制することができる。また、上記の構成により、第1電極とエレクトレット膜とが接触することに起因して、エレクトレット膜が破壊されるのを抑制することができる。
上記第1の局面による静電動作装置おいて、好ましくは、第1電極部は、第1電極が表面に形成される第1基板をさらに含み、エレクトレット膜の凹状の部分の表面から第1導電体層の第1電極側の表面までの高さは、第1基板上に形成される第1電極の厚みよりも大きい。このように構成すれば、エレクトレット膜の凸状の部分および第1導電体層がスペーサとして機能するので、第1電極とエレクトレット膜とが張り付くことを抑制することができる。これにより、第1電極がエレクトレット膜に接触することに起因して、第1電極に誘導された電荷が減少するのを抑制することができる。また、上記の構成により、第1電極とエレクトレット膜とが接触することに起因して、エレクトレット膜が破壊されるのを抑制することができる。
上記第1の局面による静電動作装置おいて、好ましくは、第1電極部は、第1電極が表面に形成される第1基板をさらに含み、エレクトレット膜上に形成される第1導電体層の厚みは、第1基板上に形成される第1電極の厚みよりも大きい。このように構成すれば、エレクトレット膜の凹状の部分の表面から第1導電体層の第1電極側の表面までの高さが第1基板上に形成される第1電極の厚みよりも大きい場合と異なり、第1電極とエレクトレット膜とが張り付くことをより抑制することができる。
上記第1の局面による静電動作装置おいて、好ましくは、第1電極部は、第1電極が表面に形成される第1基板をさらに含み、第1基板と、第1電極との間には、第2絶縁膜が形成されている。このように構成すれば、第1電極と第1基板とが分離されるので、第1基板を導電体によって形成することができる。
この場合、第2絶縁膜は、第1基板の表面を覆うように形成してもよい。
上記第1基板と第1電極との間に第2絶縁膜が形成される静電動作装置において、第2絶縁膜は、平面的に見て、第1電極と同じ形状を有するように形成してもよい。
上記第1の局面による静電動作装置おいて、好ましくは、第1導電体層は、接地されている。このように構成すれば、第1導電体層の電位が固定されるので、エレクトレット膜の表面上の電界の強弱を安定させることができる。
上記第1の局面による静電動作装置おいて、好ましくは、第1導電体層は、所定の電圧が印加されている。このように構成すれば、第1導電体層の電位をエレクトレット膜の表面電位とは正負が反対の電圧を印加にすることにより、容易に、エレクトレット膜の表面上の電界の強弱を大きくすることができる。
上記第1の局面による静電動作装置おいて、好ましくは、エレクトレット膜の表面の凸状の部分と、第1導電体層との間には、第3絶縁膜が形成されている。このように構成すれば、第3絶縁膜により、エレクトレット膜と第1導電体層とが分離されるので、エレクトレット膜から第1導電体層に電荷が流出するのをより抑制することができる。
上記第1の局面による静電動作装置おいて、好ましくは、第2電極部は、エレクトレット膜が表面に形成される導電性の第2基板を含む。このように構成すれば、第1電極と第2基板とを接続することにより、容易に、第1電極と第2基板との間で静電誘導を引き起こすことができる。
この場合、好ましくは、第1電極と第2基板とは、ブリッジ整流回路を介して接続されている。このように構成すれば、容易に、第1電極に蓄積される電荷の変化量をブリッジ整流回路によって電流として取り出すことができる。
上記第1の局面による静電動作装置おいて、好ましくは、エレクトレット膜は、第1エレクトレット膜と、第1エレクトレット膜の表面上に形成される第2エレクトレット膜とを含むように構成されている。このように構成すれば、たとえば、電荷を蓄積する部分を第1エレクトレット膜とし、第1エレクトレット膜を熱酸化により形成することにより、容易に、電荷を蓄積するのに適したエレクトレット膜を形成することができる。また、第2エレクトレット膜をプラズマCVDにより形成することにより、エレクトレット膜の形成速度を速くすることができる。これらにより、電荷を蓄積するのに適するとともに、形成速度が速いエレクトレット膜を構成することができる。
上記第1の局面による静電動作装置おいて、好ましくは、第2電極部は、エレクトレット膜が表面に形成される絶縁性の第3基板と、第3基板とエレクトレット膜との間に形成される第2導電体層とを含む。このように構成すれば、第1電極と第2導電体層とを接続することにより、容易に、第1電極と第2導電体層との間で静電誘導を引き起こすことができる。
この場合、第2導電体層は、第3基板の表面を覆うように形成してもよい。
上記第2電極部が第3基板と第2導電体層とを含む静電動作装置において、第2導電体層は、平面的に見て、第1導電体層と同じ形状を有するように形成してもよい。
上記第2電極部が第3基板と第2導電体層とを含む静電動作装置において、好ましくは、第1電極と第2導電体層とは、ブリッジ整流回路を介して接続されている。このように構成すれば、容易に、第1電極に蓄積される電荷の変化量をブリッジ整流回路によって電流として取り出すことができる。
この発明の第2の局面による静電誘導型発電装置は、第1電極を含む第1電極部と、第1電極部と所定の距離を隔てて対向するように設けられ、電荷を蓄積することが可能なエレクトレット膜と、エレクトレット膜の上面の所定領域上に形成された第1導電体層とを含む第2電極部とを備える。
この第2の局面による静電動作装置では、上記のように、エレクトレット膜の上面の所定領域上に第1導電体層を形成することにより、エレクトレット膜に蓄積された電荷による電界が第1導電体層によって遮蔽されるので、エレクトレット膜の表面上の電界の強さに強弱をつけることができる。これにより、エレクトレット膜を、たとえば櫛歯状や短冊状に加工した場合と異なり、エレクトレット膜の断面が大きくならないので、エレクトレット膜から電荷が流出するのを抑制することができる。
本発明の第1実施形態による静電誘導型発電装置の断面図である。 図1の100−100線に沿った断面図である。 図1の200−200線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態および比較例1による静電誘導型発電装置の固定電極部の表面の電位を模式的に表す図である。 本発明の第1実施形態による静電誘導型発電装置の発電動作を説明するための断面図である。 本発明の第2実施形態による静電誘導型発電装置の断面図である。 本発明の第3実施形態による静電誘導型発電装置の断面図である。 本発明の第4実施形態による静電誘導型発電装置の断面図である。 本発明の第5実施形態による静電誘導型発電装置の断面図である。 図9の300−300線に沿った断面図である。 本発明の第6実施形態による静電誘導型発電装置の断面図である。 シリコン基板上に形成された櫛歯状のエレクトレット膜の表面の電位を測定するために行った実験のサンプルの断面図である。 エレクトレット膜上に櫛歯状の導電体層を形成した場合のエレクトレット膜の表面の電位を測定するために行った実験のサンプルの断面図である。 櫛歯状の導電体層の櫛歯の幅と、エレクトレット膜の表面の凸状の部分の厚みと、エレクトレット膜の表面電位との関係を示す図である。 エレクトレット膜の表面電位の経時変化を示す図である。 エレクトレット膜の表面電位の経時変化を示す図である。 エレクトレット膜の表面に凸部を設けない場合のエレクトレット膜の表面の電位の変化を測定する実験のサンプルの断面図である。 エレクトレット膜の表面に凸部を設けた場合のエレクトレット膜の表面の電位の変化を測定する実験のサンプルの断面図である。 エレクトレット膜の表面に凸部を設けた場合のエレクトレット膜の表面の電位の変化を測定する実験のサンプルの断面図である。 本発明の第1実施形態〜第6実施形態の変形例による静電誘導型発電装置の固定電極部の断面図である。 本発明の第1実施形態〜第6実施形態の変形例による静電誘導型発電装置の可動電極部の断面図である。 本発明の第1実施形態〜第6実施形態の変形例による静電誘導型発電装置の可動電極部の断面図である。 本発明の第1実施形態〜第6実施形態の変形例による静電誘導型発電装置の可動電極部の断面図である。 本発明の第1実施形態〜第6実施形態の変形例による静電誘導型発電装置の固定電極部の断面図である。 本発明の第1実施形態〜第6実施形態の変形例による静電誘導型発電装置の固定電極部の断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図4を参照して、第1実施形態による静電誘導型発電装置1の構造について説明する。なお、本実施形態では、静電動作装置の一例である静電誘導型発電装置1に本発明を適用した場合について説明する。
この第1実施形態による静電誘導型発電装置1は、図1に示すように、固定電極部10と可動電極部20とが対向するように配置されている。なお、固定電極部10および可動電極部20は、それぞれ、本発明の「第2電極部」および「第1電極部」の一例である。また、静電誘導型発電装置1は、発電された電力を整流するためのブリッジ整流回路2と、直流電流の電圧を変えるためのDC−DCコンバータ3とを備えている。また、DC−DCコンバータ3には、静電誘導型発電装置1によって発電された電力により駆動される負荷4が接続されている。また、DC−DCコンバータ3と負荷4とは、それぞれ、接地されている。
ここで、第1実施形態では、図1に示すように、約50nm〜約1000nmの厚みを有するAlからなる固定基板11の表面上に、約0.1μm〜約100μmの厚みを有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に代表されるフッ素系樹脂やシリコン酸化膜からなるエレクトレット膜12が形成されている。なお、固定基板11は、本発明の「第2基板」の一例である。また、エレクトレット膜12の上面上には、約50nm〜約1000nmの厚みを有する導電体層13が形成されている。なお、導電体層13は、本発明の「第1導電体層」の一例である。ここで、第1実施形態では、エレクトレット膜12の導電体層13が形成される領域の表面は、凸状に形成されている。また、第1実施形態では、導電体層13は、接地されている。また、導電体層13は、図2に示すように、櫛歯状に形成されており、櫛歯の歯の部分の幅W1と、歯と歯との間の間隔W2とは、それぞれ、約1mmである。ここで、第1実施形態では、エレクトレット膜12の表面の凸状の部分と、導電体層13とは、平面的に見て同一の櫛歯状に形成されている。なお、エレクトレット膜12の表面の凸状の部分(凸部121)と導電体層13とは、エレクトレット膜12の表面の凹状の部分(凹部122)と導電体層13とを分離することができるように、平面的に見て実質的に同一の形状であればよい。たとえば、エレクトレット膜12の凸部121と導電体層13とが、導電体層13の上面から基板11に向かってテーパ状に広がるように形成される場合のように、凸部121と導電体層13とを平面的に見た場合に、凸部121の方が大きく形成されていてもよい。なお、エレクトレット膜12の表面の凸状の部分(凸部121)と導電体層13とを、短冊状に形成してもよい。なお、エレクトレット膜12の表面の凹部122は、コロナ放電により全面に負電荷が注入されることによって電荷が全体的に分布されて約−20V〜約−2000Vの電位に調整されている。
また、図1に示すように、約300μm〜約1000μmの厚みを有する絶縁性のガラスからなる可動基板21の下面上には、約50nm〜約1000nmの厚みを有するAlからなる可動電極22が形成されている。なお、可動基板21は、本発明の「第1基板」の一例である。なお、可動電極22は、図3に示すように、櫛歯状に形成されており、櫛歯の歯の部分の幅W3と、歯と歯との間の間隔W4とは、それぞれ、約1mmである。この可動電極22は、本発明の「第1電極」の一例であり、可動電極22の櫛歯の歯の部分は、本発明の「第1電極部分」の一例である。ここで、第1実施形態では、固定基板11と、可動電極22とは、ブリッジ整流回路2を介して接続されている。
また、図1に示すように、導電体層13と、可動電極22とは、静電誘導型発電装置1に振動が加わらない状態において、互いに対向しないように配置されている。
また、図4に示す実線aは、第1実施形態において、固定電極部10を可動電極22側から見たときの固定電極部10の表面の電位を表しており、横軸は、固定電極部10の表面の領域(エレクトレット膜12が露出している領域および導電体層13が形成されている領域)を表し、縦軸は、それぞれの領域の表面の電位を表している。
図4に示すように、固定電極部10の表面は、エレクトレット膜12が露出している領域と、導電体層13が形成されている領域とが交互に存在しており、エレクトレット膜12が露出している領域と、導電体層13が形成されている領域とでは、エレクトレット膜12が露出している領域の方が表面の電位が高くなっている。また、図4の実線aに示す第1実施形態では、エレクトレット膜12が露出している領域と、導電体層13が形成されている領域との境界の電位の変化が急峻である。また、図4に示される点線bは、第1実施形態の導電体層13を用いる代わりに、比較例1として、エレクトレット膜12の導電体層13に対応する領域をエレクトレット化しないように形成することにより、局所的にのみエレクトレット化された膜を作成して表面の電位を測定した場合を模式的に示している。この比較例1による局所的にエレクトレット化された膜では、エレクトレット化された領域に蓄積された電荷が、エレクトレット化されていない非エレクトレット領域に流出することにより、図4に示すように、エレクトレット化された領域と、非エレクトレット領域との境界の電位の変化が実線aで示す第1実施形態の電位の変化に比べて緩やかになる。
次に、図1および図5を用いて、本発明の第1実施形態による静電誘導型発電装置1の発電動作について説明する。
図1に示すように、静電誘導型発電装置1に振動が加わらない状態では、エレクトレット膜12の表面と可動電極22とが所定の間隔を隔てて対向するように配置されている。ここで、エレクトレット膜12の表面は、負の電位(約−20V〜約−2000V)に調整されているので、可動電極22は、静電誘導によって正電荷が誘導される。
次に、図5に示すように、静電誘導型発電装置1に水平方向(X方向)の振動が加わり、可動電極22がX方向に移動することにより、可動電極22は、導電体層13と対向する位置に移動する。これにより、可動電極22に対向する電位が、エレクトレット膜12の電位(約−20V〜約−2000V)から導電体層13の電位(接地)に変化するので、可動電極22に静電誘導によって誘導される電荷の量が変化する。この電荷の変化分が電流となり、ブリッジ整流回路2およびDC−DCコンバータ3を介して負荷4に出力される。振動により、可動電極部20が、図1に示す状態と、図5に示す状態と、図示しない可動電極部20がX方向と逆方向に移動した状態とを繰り返すことにより、発電が継続して行われる。
第1実施形態では、上記のように、電荷を蓄積することが可能なエレクトレット膜12の表面上に櫛歯状の導電体層13を形成することにより、エレクトレット膜12の表面上に形成された導電体層13は、エレクトレット膜12に蓄積された電荷による電界を遮る働きがあるので、固定電極部10の可動電極部20に対向する表面において、導電体層13が形成される領域の電界は小さく、エレクトレット膜12が露出している領域の電界は大きくなる。このように、エレクトレット膜12を、たとえば櫛歯状に加工することなしに、固定電極部10の表面上に、電界が大きい領域と電界が小さい領域とを作ることができるので、エレクトレット膜12を加工(パターニング)する場合に比べてエレクトレット膜12の端部から電荷が流出するのを減少させることができる。その結果、発電量の減少を抑制することができる。なお、エレクトレット膜12を加工することにより蓄積される電荷が減少する点は後述する本願発明者による実験により確認済みである。
また、第1実施形態では、エレクトレット膜12の表面上に電荷が全体的に分布していると、局所的にエレクトレット化された膜のように、電荷がエレクトレット化された領域からエレクトレット化されていない領域に流出することにより、エレクトレット化された領域の電位と、エレクトレット化されなかった領域の電位との差が減少することは起きない。これにより、エレクトレット膜12に対向する可動電極22に誘導される電荷の変化量が小さくなるのを抑制することができるので、発電量の減少を抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、エレクトレット膜12の導電体層13が形成される表面の領域を凸状に形成することによって、電荷が蓄積されるエレクトレット膜12の表面の凹部122と導電体層13とが分離されるので、エレクトレット膜12に蓄積される電荷が導電体層13に流出するのを抑制することができる。これにより、発電量の減少をより抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、エレクトレット膜12の凸状の部分(凸部121)と導電体層13とを、平面的に見て同一の形状に形成することによって、容易に、凸部121と導電体層13とを同時に加工することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、導電体層13を、接地することによって、導電体層13の電位が固定されるので、エレクトレット膜12の表面上の電界の強弱を安定させることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、固定基板11が導電性であることによって、可動電極22と固定基板11とを接続することにより、容易に、可動電極22と固定基板11との間で静電誘導を引き起こすことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、可動電極22と固定基板11とを、ブリッジ整流回路2を介して接続することによって、容易に、可動電極22に蓄積される電荷の変化量をブリッジ整流回路2によって電流として取り出すことができる。
(第2実施形態)
図6を参照して、この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、導電体層13を接地する代わりに、導電体層13が所定の正電位に調整されている静電誘導型発電装置1aについて説明する。
この第2実施形態による静電誘導型発電装置1aでは、図6に示すように、固定電極部10aにおいて、導電体層13は、約1V〜約10Vの電圧14を印加することにより、エレクトレット膜12の電位(約−20V〜約−2000V)と逆の符号の電位(約1V〜約10V)になるように調整されている。なお、固定電極部10aは、本発明の「第2電極部」の一例である。この第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、上記のように、導電体層13が、エレクトレット膜12の電位と逆の符号の電位に調整されることによって、導電体層13が接地される場合に比べて、エレクトレット膜12の表面の電位(約−20V〜約−2000V)と導電体層13との電位差が大きくなるので、可動電極22に静電誘導により誘導される電荷の変化量は、導電体層13が接地される場合に比べて大きくなる。これにより、発電量を大きくすることができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
図7を参照して、この第3実施形態では、上記第1実施形態と異なり、導電体層13aの幅W5を、可動電極22間の間隔W6よりも大きくした、静電誘導型発電装置1bについて説明する。
すなわち、この第3実施形態による静電誘導型発電装置1bでは、図7に示すように、固定電極部10bにおいて、導電体層13aの櫛歯状の歯の部分の幅W5(約1.1mm)は、櫛歯状の可動電極22の歯と歯との間の間隔W6(約0.9mm)よりも大きくなるように形成されている。なお、固定電極部10bは、本発明の「第2電極部」の一例である。また、導電体層13aは、本発明の「第1導電体層」の一例である。
この第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第3実施形態では、上記のように、導電体層13aの櫛歯状の歯の部分の幅W5を、櫛歯状の可動電極22の歯と歯との間の間隔W6よりも大きくなるように形成することによって、エレクトレット膜12a上に形成される導電体層13aが隣接する可動電極22間に入り込むのが抑制されるので、可動電極22とエレクトレット膜12aとが張り付くことを抑制することができる。これにより、可動電極22がエレクトレット膜12aに接触することに起因して、可動電極22に誘導された電荷が減少するのを抑制することができる。また、上記の構成により、可動電極22とエレクトレット膜12aとが接触することに起因して、エレクトレット膜12aが破壊されるのを抑制することができる。
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第4実施形態)
図8を参照して、この第4実施形態では、上記第1実施形態と異なり、エレクトレット膜12の凹状の部分から導電体層13bの可動電極22側の表面までの厚みt1を、可動電極22の厚みt2よりも大きくした、静電誘導型発電装置1cについて説明する。
すなわち、この第4実施形態による静電誘導型発電装置1cでは、図8に示すように、固定電極部10cにおいて、エレクトレット膜12上に形成されるエレクトレット膜12の凹状の部分から導電体層13bの可動電極22側の表面までの厚みt1が、可動基板21の下面上に形成される可動電極22の厚みt2よりも大きくなるように形成されている。なお、固定電極部10cは、本発明の「第2電極部」の一例である。また、導電体層13bの厚みを、可動基板21の下面上に形成される可動電極22の厚みt2よりも大きくなるように形成してもよい。この第4実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第4実施形態では、上記のように、エレクトレット膜12の凹状の部分から導電体層13bの可動電極22側の表面までの厚みt1を、可動基板21の下面上に形成される可動電極22の厚みt2よりも大きくなるように形成することによって、エレクトレット膜12の凸状の部分および導電体層13bがスペーサとして機能するので、可動電極22とエレクトレット膜12とが張り付くことを抑制することができる。これにより、可動電極22がエレクトレット膜12に接触することに起因して、可動電極22に誘導された電荷が減少するのを抑制することができる。また、上記の構成により、可動電極22とエレクトレット膜12とが接触することに起因して、エレクトレット膜12が破壊されるのを抑制することができる。また、導電体層13bの厚みを、可動基板21の下面上に形成される可動電極22の厚みt2よりも大きくなるように形成することによって、可動電極22とエレクトレット膜12とが張り付くことをより抑制することができる。
なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第5実施形態)
図9および図10を参照して、この第5実施形態では、上記第1実施形態と異なり、可動基板21の下面上に2つの櫛歯状の可動電極22aおよび22bが形成された、静電誘導型発電装置1dについて説明する。
この第5実施形態による静電誘導型発電装置1dでは、図10に示すように、可動電極部20aにおいて、可動基板21の下面上には、櫛歯状の可動電極22aと可動電極22bとが、互い対向するとともに、互いの歯と歯を交互に組み合わさるように配置されている。なお、可動電極部20aは、本発明の「第1電極部」の一例である。また、可動電極22aおよび22bは、本発明の「第1電極」の一例である。また、可動電極22aと可動電極22bとは、約30μmの間隔を隔てて配置されている。また、図9に示すように、可動電極22aおよび可動電極22bは、それぞれ、別個のブリッジ整流回路2aおよびブリッジ整流回路2bに接続されている。また、ブリッジ整流回路2aおよびブリッジ整流回路2bは、それぞれ、別個のDC−DCコンバータ3aおよびDC−DCコンバータ3bに接続されている。また、DC−DCコンバータ3aおよびDC−DCコンバータ3bは、静電誘導型発電装置1dによって発電された電力により駆動される共通の負荷4に接続されている。この第5実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第5実施形態では、上記のように、可動基板21の下面上に櫛歯状の可動電極22aおよび可動電極22bの2つの電極を形成することにより、エレクトレット膜12に対向した可動電極22aは、エレクトレット膜12に蓄積された電荷による静電誘導により電荷が誘導されるとともに、導電体層13に対向した可動電極22bは、エレクトレット膜12に対向したときに誘導された電荷と導電体層13に対向したときに誘導された電荷との電荷の変化分を電流として出力させることができるので、1回の振動で、静電誘導による電荷の誘導と、電流の出力とを同時に行うことができる。その結果、可動基板21上に1つの可動電極22を形成する上記第1実施形態の場合に比べて、発電量をより増加させることができる。また、櫛歯状の可動電極22aと可動電極22bとの歯と歯の間の間隔W7より、櫛歯状の導電体層13の歯の部分の幅W1の方を大きく形成することにより、エレクトレット膜12上に形成される導電体層13が隣接する可動電極22aと可動電極22bとの間に入り込むのが抑制されるので、可動電極22aおよび可動電極22bと、エレクトレット膜12とが張り付くことを抑制することができる。これにより、可動電極22aおよび可動電極22bがエレクトレット膜12に接触することに起因して、可動電極22aおよび可動電極22bに誘導された電荷が減少するのを抑制することができる。また、上記の構成により、可動電極22aおよび可動電極22bと、エレクトレット膜12とが接触することに起因して、エレクトレット膜12が破壊されるのを抑制することができる。
なお、第5実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第6実施形態)
図11は、本発明の第6実施形態による静電誘導型発電装置の固定電極部の断面図である。図11を参照して、この第6実施形態では、上記第1実施形態と異なり、SiOからなる膜を積層することによりエレクトレット膜が形成される、静電誘導型発電装置の固定電極部30について説明する。
この第6実施形態による静電誘導型発電装置の固定電極部30では、図11に示すように、熱酸化により形成されたSiOからなるエレクトレット膜31の表面上に、凸部32aを有するSiOからなるエレクトレット膜32がプラズマCVDにより形成されている。なお、固定電極部30は、本発明の「第2電極部」の一例である。また、エレクトレット膜31およびエレクトレット膜32は、それぞれ、本発明の「第1エレクトレット膜」および「第2エレクトレット膜」の一例である。また、エレクトレット膜32(凸部32a)の表面上に導電体層33が形成されている。なお、導電体層33は、本発明の「第1導電体層」の一例である。ここで、第6実施形態では、エレクトレット膜32の表面上の導電体層33が形成されない表面上、導電体層33の側面上および導電体層33の上面上に約10nm〜約1000nmの厚みを有するMSQ(メチルシルセスキオキサン)膜からなる電荷流出抑制膜34が形成されている。なお、電荷流出抑制膜34は、本発明の「第1絶縁膜」の一例である。また、エレクトレット膜32の凸部32aは、導電体層33をエッチングで形成するときに、エレクトレット膜32の表面を凹凸状にエッチングすることにより形成される。なお、凸部32aは、約1nm〜約5000nmの厚みt3を有する。また、凸部32aは、エレクトレット膜31および32と導電体層33との間を絶縁する絶縁膜としての機能を有する。
第6実施形態では、上記のように、熱酸化により形成されるエレクトレット膜31と、プラズマCVDにより形成されるエレクトレット膜32とを積層することにより、熱酸化により形成されたSiOからなるエレクトレット膜31が、プラズマCVDにより形成されたSiOからなるエレクトレット膜32よりも、エレクトレット膜としての品質が良い特徴を生かすことができるとともに、絶縁部(凸部32a)をプラズマCVDにより形成することにより、成膜を早く行うことができる。
また、第6実施形態では、上記のように、エレクトレット膜32の可動電極22に対向する表面上と凸部32aの側面上とに電荷流出抑制膜34を形成することによって、容易に、エレクトレット膜32の表面から電荷が流出するのを抑制することができる。
(実験1)
次に、図12〜図16を参照して、エレクトレット膜の表面上に導電体層を形成した場合と、エレクトレット膜を櫛歯状に加工した場合とにおけるエレクトレット膜の表面の電位を比較するために行った実験1について説明する。この実験1では、図12に示すように、シリコン基板41上に、1μmの厚みを有するシリコン酸化膜からなるエレクトレット膜42を形成し、櫛歯状に加工した後、10000Vのコロナ放電をエレクトレット膜42に対して行ったサンプル(比較例2)を用意した。また、図13に示すように、シリコン基板51上に、1μmの厚みを有するエレクトレット膜52を形成し、10000Vのコロナ放電をエレクトレット膜52に行った後、0.3μmの厚みを有する導電体層53を櫛歯状に形成した第1実施形態に対応するサンプルを用意した。なお、導電体層53は、平面的に見て櫛歯状に形成されており、導電体層53が形成される領域のエレクトレット膜52の表面は凸状(凸部521)に形成されている。また、エレクトレット膜52と導電体層53の表面上とには、MSQからなる電荷流出抑制膜54が形成されている。また、凸部521の厚みt4が、0μm(凸部なし)および1.4μmの2種類のサンプルを用意した。この実験では、櫛歯状のエレクトレット膜42および櫛歯状の導電体層53の歯の部分の幅W8を変化させたときの、エレクトレット膜42およびエレクトレット膜52の表面の電位を測定した。なお、図13に示す第1実施形態に対応するサンプルでは、導電体層53を一度接地した後に、エレクトレット膜52の表面の電位を測定した。
図14には、図12および図13に示すサンプルのエレクトレット膜42およびエレクトレット膜52の表面の電位を測定した結果が示されている。縦軸は、エレクトレット膜42およびエレクトレット膜52の表面の電位の絶対値を表している。また、横軸は、櫛歯状のエレクトレット膜42および櫛歯状の導電体層53の歯の部分の幅(電極幅)W8を表している。図14に示すように、導電体層53の電極幅W8が0.1mmの場合と、1mmの場合とでは、いずれのサンプルでも、電極幅W8が1mmの場合の方が表面電位が高くなることが判明した。また、エレクトレット膜42が櫛歯状にパターニングされている比較例2の表面電位は、エレクトレット膜52がパターニングされていない図13に示すサンプルよりも、表面電位が小さいことが判明した。これは、櫛歯状に加工したエレクトレット膜42では、エレクトレット膜42の端面の面積が、エレクトレット膜52の端面の面積に比べて大きいので、この端面から電荷が流出したために表面の電位が小さくなったためであると考えられる。これにより、エレクトレット膜をパターニングした場合では、パターニングしない場合に比べて、表面電位が小さくなることが確認された。
また、図13に示す、エレクトレット膜52の凸部521の厚みt4が、0μm(凸部なし)および1.4μmの場合では、表面電位は、いずれの電極幅においても、0μm(凸部なし)の場合の方が高くなることが判明した。これは、コロナ放電によってエレクトレット膜52に電荷を注入する際に、凸部を設けない形状の方が効率よく注入されたため、表面電位が高くなったと考えられる。しかし、後述するように、コロナ放電から所定の時間が経過すると、凸部を設ける場合の方が表面電位が高くなることが確認された。
また、図15は、図13に示すサンプルの表面電位の経時変化が示されている。縦軸は、エレクトレット膜52の表面の電位の絶対値を表している。また、横軸は、時間(日)を表している。図15に示すように、凸部521の厚みt4が、0μm(凸部なし)および1.4μmのいずれの場合においても、時間の経過とともに、表面電位は小さくなっていることが判明した。凸部521の厚みt4が0μm(凸部なし)の場合、表面電位は、1日目〜2日目は、大きく減少するが、2日目以降はなだらかに減少している。また、凸部521の厚みt4が1.4μmの場合、表面電位は、なだらかに減少している。また、1日目ででは、凸部521の厚みt4が1.4μmの場合の表面電位よりも、0μm(凸部なし)の場合の表面電位のほうが高くなった。一方、2日目以降では、凸部521の厚みt4が1.4μmの場合の表面電位の方が高くなることが判明した。これにより、コロナ放電から2日目以降では、エレクトレット膜52の凸部521により、エレクトレット膜52の表面から導電体層53へ電荷が流出するのを抑制することが確認された。
また、図16は、図13に示すサンプルの表面電位の経時変化が示されている。縦軸は、エレクトレット膜52に電荷が注入されたときの電荷量を1とした場合の、エレクトレット膜52の表面電位の変化を表している。また、横軸は、時間(日)を表している。図16に示すように、凸部521の厚みt4が0μm(凸部なし)の表面電位の変化は、厚みt4が1.4μmの場合に比べて、変化量が小さいことが判明した。これにより、凸部521を設ける方が、エレクトレット膜52からの電荷の流出を抑制できることが確認された。
(実験2)
次に、図17〜図19を参照して、導電体層62とエレクトレット膜61bおよび61cとの間に、凸部611bおよび611cが設けられる場合と設けられない場合とのエレクトレット膜61a〜61cの表面の電位を比較するために行った実験2について説明する。この実験2では、3つのサンプルを準備した。サンプル1は、図17に示すように、エレクトレット膜61aの表面上に導電体層62を形成し、エレクトレット膜61aの表面上の導電体層62が形成されない表面上、導電体層62の側面上および導電体層62の上面上に電荷流出抑制膜63を形成した。また、サンプル2は、図18に示すように、エレクトレット膜61bの表面上に導電体層62を形成するとともに、導電体層62をエッチングで形成するときに、エレクトレット膜61bの表面の一部もエッチングすることにより、エレクトレット膜61bの表面の凸部611bが形成されている。なお、凸部611bは、1μmの厚みt5を有するとともに絶縁部としての機能を有する。また、エレクトレット膜61bの表面上の導電体層62が形成されない表面上、導電体層62の側面上および導電体層62の上面上に電荷流出抑制膜63を形成した。また、サンプル3は、図19に示すように、サンプル2の1μmの厚みt5を有する凸部611bを、2μmの厚みt6を有する凸部611cとしたものである。
サンプル1〜サンプル3に10000Vのコロナ放電を行うことにより、エレクトレット膜61a〜61cをエレクトレット化する。その後、導電体層62を接地する。導電体層62の接地の前後でのエレクトレット膜61a〜61cの表面電位の比較を、以下の表1に示す。
Figure 2008053794
上記表1には、導電体層62を接地する前と後とでのエレクトレット膜61a〜61cの表面電位の変化率を百分率(接地後の表面電位/接地前の表面電位×100)で表している。表1に示すように、サンプル1では、接地前後の変化率は約61.1%となっており、エレクトレット膜61aの表面電位は、導電体層62の接地の前後で約40%減少していることが確認された。また、サンプル2では、接地前後の変化率は約94.1%となっており、エレクトレット膜61bの表面電位は、導電体層62の接地の前後で約6%減少していることが確認された。また、サンプル3では、接地前後の変化率は約99.3%となっており、エレクトレット膜61cの表面電位は、導電体層62の接地の前後で約0.7%減少していることが確認された。これらの結果、導電体層62とエレクトレット膜61bおよび61cとの間に、凸部611bおよび611cが設けられた場合、エレクトレット膜61bおよび61cの表面電位が、導電体層62の接地の後で小さくなるのが抑制されることが確認された。また、凸部の厚みが大きいほど、表面電位が小さくなるのを抑制する効果が大きいことが確認された。また、導電体層62を接地して発電装置の電極として利用した場合、導電体層62の凸部の厚みが大きいほど、エレクトレット膜の表面電位の低下量が小さくなるので、エレクトレット膜の表面電位を長期間一定に保つことが可能となる。これにより、発電装置の寿命を長くすることが可能になる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1実施形態では、エレクトレット膜12の凸部121の上面に導電体層13を形成する例を示したが、本発明はこれに限らず、図20に示す変形例のように、エレクトレット膜12の凸部121と導電体層13との間に絶縁膜15を形成してもよい。なお、絶縁膜15は、本発明の「第3絶縁膜」の一例である。これにより、可動電極22と対向することによって、可動電極22に静電誘導を引き起こす電荷が蓄積されるエレクトレット膜12の凹部122と、導電体層13とがエレクトレット膜12の凸部121および絶縁膜15により分離されるので、エレクトレット膜12の凹部122から、導電体層13に電荷が流出するのをより抑制することができる。
また、上記第1実施形態〜第6実施形態では、可動基板21の下面上に可動電極22が形成されている例を示したが、本発明はこれに限らず、図21に示す変形例のように、可動基板21aの下面に可動電極22cを埋め込むように形成してもよい。なお、可動電極21aおよび可動電極22cは、それぞれ、本発明の「第1基板」および「第1電極」の一例である。これにより、エレクトレット膜12上に形成される導電体層13が隣接する可動電極22c間に入り込むのが抑制されるので、可動電極22cとエレクトレット膜12とが張り付くことを抑制することができる。その結果、可動電極22cがエレクトレット膜12に接触することに起因して、可動電極22cに誘導された電荷が減少するのを抑制することができる。また、上記の構成により、可動電極22cとエレクトレット膜12とが接触することに起因して、エレクトレット膜12が破壊されるのを抑制することができる。
また、上記第1実施形態〜第6実施形態では、可動基板21の下面上に可動電極22が形成されている例を示したが、本発明はこれに限らず、図22に示す変形例のように、可動基板21の下面上に絶縁膜23を設け、この絶縁膜23の下面上に可動電極22を形成してもよい。なお、絶縁膜23は、本発明の「第2絶縁膜」の一例である。これにより、可動電極22と可動基板21とが導通しないので、可動基板21としてシリコンや金属板などからなる導電性基板を用いることができる。
また、上記第1実施形態〜第6実施形態では、可動基板21の下面上に可動電極22が形成されている例を示したが、本発明はこれに限らず、図23に示す変形例のように、可動基板21と可動電極22との間に絶縁膜23aを設けてもよい。なお、絶縁膜23aは、本発明の「第2絶縁膜」の一例である。これにより、可動基板21と可動電極22とが導通しないので、可動基板21にシリコンや金属板を用いることができる。
また、上記第1実施形態〜第6実施形態では、固定電極部10は、固定基板11、エレクトレット膜12および導電体層13を含むように構成される例を示したが、本発明はこれに限らず、図24に示す変形例のように、ガラスなどからなる固定基板70の表面上に導電体層16を形成した後、導電体層16の表面上にエレクトレット膜12を形成し、エレクトレット膜12の表面上に導電体層13を形成してもよい。なお、固定基板70は、本発明の「第3基板」の一例である。また、導電体層16は、本発明の「第2導電体層」の一例である。また、導電体層16は、図1に示すブリッジ整流回路2を介して、可動電極22に接続されている。これにより、導電体層16と可動電極22との間で、静電誘導を引き起こすことができる。
また、図24に示した上記第1実施形態〜第6実施形態の変形例では、導電体層16は、ガラスなどからなる固定基板70の表面上の全体に形成される例を示したが、本発明はこれに限らず、図25に示す変形例のように、断面的に見て、エレクトレット膜12bの凹部に対向する、ガラスなどからなる固定基板70の表面上に導電体層16aを形成した後、エレクトレット膜12bを固定基板70および導電体層16aの表面に形成してもよい。なお、導電体層16aは、本発明の「第2導電体層」の一例である。
また、上記第1実施形態〜第6実施形態では、Alからなる固定基板11、導電体層13および可動電極22を用いる例を示したが、本発明はこれに限らず、シリコン、ドープされたシリコン、SiCおよび金属からなる固定基板11、導電体層13および可動電極22を用いてもよい。なお、金属としては、Ti、Cu、NiおよびWなどを用いることが可能である。
また、上記第1実施形態〜第6実施形態では、ガラスからなる可動基板21を用いる例を示したが、本発明はこれに限らず、シリコン、石英、プラスチック、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に代表されるフッ素系樹脂、金属板およびSiCからなる可動基板21を用いてもよい。ただし、可動基板21としてシリコンおよび金属板を用いる場合は、図22および図23に示すように、可動基板21と可動電極22との間に絶縁膜23または絶縁膜23aを設ける必要がある。
また、図24および図25に示す変形例では、ガラスからなる固定基板70を用いる例を示したが、本発明はこれに限らず、シリコン、石英、プラスチック、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に代表されるフッ素系樹脂および金属板からなる固定基板70を用いてもよい。
また、上記第1実施形態〜第6実施形態では、可動電極部20を振動させることにより発電を行う例を示したが、本発明はこれに限らず、可動電極部20は振動させずに固定電極部10を振動させることにより発電を行ってもよいし、可動電極部20および固定電極部10の両方を振動させることにより発電を行ってもよい。
また、上記第3実施形態では、導電体層13aの櫛歯状の歯の部分の幅W5は、櫛歯状の可動電極22の歯と歯との間の間隔W6よりも大きくなるように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、櫛歯状の可動電極22の歯の部分の幅が、櫛歯状の導電体層13aの歯と歯との間の幅よりも大きくなるように構成してもよい。
また、上記第1実施形態〜第6実施形態では、可動電極22に静電誘導によって誘導される電荷の変化分が電流となり、ブリッジ整流回路2およびDC−DCコンバータ3を介して負荷4に出力される例を示したが、本発明はこれに限らず、電流を、ブリッジ整流回路2を介して負荷4に出力させてもよいし、電流を、DC−DCコンバータ3を介して負荷4に出力させてもよい。
また、上記第1実施形態〜第6実施形態では、導電体層14が接地もしくは所定の電圧が印加されている例を示したが、本発明はこれに限らず、導電体層14を接地も電圧の印加もしないフローティングの状態にしてもよい。
また、上記第1実施形態〜第6実施形態では、櫛歯状の導電体層13および13aと、櫛歯状の可動電極22、22aおよび22bとを用いる例を示したが、本発明はこれに限らず、可動電極が振動することにより、可動電極の表面に誘導される電荷の量に差が生じる形状であればよい。
また、上記第1実施形態〜第6実施形態では、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に代表されるフッ素系樹脂やシリコン酸化膜からなるエレクトレット膜12、12aおよび12bを用いる例を示したが、本発明はこれに限らず、エレクトレットとして機能する材料であればよい。
また、上記第1実施形態〜第6実施形態では静電動作装置の一例である静電誘導型発電装置に本発明を適用した場合について示したが、本発明はこれに限らず、静電アクチュエータなどの静電誘導型発電装置以外の静電動作装置に適用してもよい。

Claims (21)

  1. 第1電極(22、22a、22b、22c)を含む第1電極部(20、20a)と、
    前記第1電極部と所定の距離を隔てて対向するように設けられ、電荷を蓄積することが可能なエレクトレット膜(12、12a、12b)と、前記エレクトレット膜の上面の所定領域上に形成された第1導電体層(13、13a、13b、33)とを含む第2電極部(10、10a、10b、10c、30)とを備え、
    前記エレクトレット膜の前記第1導電体層が形成される領域の表面は、凸状に形成されている、静電動作装置。
  2. 前記第1導電体層と前記エレクトレット膜の表面の凸状の部分とは、平面的に見て実質的に同一の形状に形成されている、請求項1に記載の静電動作装置。
  3. 少なくとも前記エレクトレット膜の前記第1電極に対向する表面上に形成され、前記エレクトレット膜の表面上から電荷が流出するのを抑制する第1絶縁膜(34)をさらに備える、請求項1に記載の静電動作装置。
  4. 前記第1絶縁膜は、前記エレクトレット膜の凸状の部分の側面にも形成されている、請求項3に記載の静電動作装置。
  5. 前記第1電極は、第1の間隔を隔てて複数設けられた第1電極部分を含み、前記第1導電体層の幅は、隣接する前記第1電極部分間の前記第1の間隔よりも大きい、請求項1に記載の静電動作装置。
  6. 前記第1電極部は、前記第1電極が表面に形成される第1基板(21、21a)をさらに含み、
    前記エレクトレット膜の凹状の部分の表面から前記第1導電体層の前記第1電極側の表面までの高さは、前記第1基板上に形成される前記第1電極の厚みよりも大きい、請求項1に記載の静電動作装置。
  7. 前記第1電極部は、前記第1電極が表面に形成される第1基板をさらに含み、
    前記エレクトレット膜上に形成される前記第1導電体層の厚みは、前記第1基板上に形成される前記第1電極の厚みよりも大きい、請求項1に記載の静電動作装置。
  8. 前記第1電極部は、前記第1電極が表面に形成される第1基板をさらに含み、
    前記第1基板と、前記第1電極との間には、第2絶縁膜(23、23a)が形成されている、請求項1に記載の静電動作装置。
  9. 前記第2絶縁膜は、前記第1基板の表面を覆うように形成されている、請求項8に記載の静電動作装置。
  10. 前記第2絶縁膜は、平面的に見て、前記第1電極と同じ形状を有する、請求項8に記載の静電動作装置。
  11. 前記第1導電体層は、接地されている、請求項1に記載の静電動作装置。
  12. 前記第1導電体層は、所定の電圧が印加されている、請求項1に記載の静電動作装置。
  13. 前記エレクトレット膜の表面の凸状の部分と、前記第1導電体層との間には、第3絶縁膜(15)が形成されている、請求項1に記載の静電動作装置。
  14. 前記第2電極部は、前記エレクトレット膜が表面に形成される導電性の第2基板(11)を含む、請求項1に記載の静電動作装置。
  15. 前記第1電極と前記第2基板とは、ブリッジ整流回路(2、2a、2b)を介して接続されている、請求項14に記載の静電動作装置。
  16. 前記エレクトレット膜は、第1エレクトレット膜(31)と、前記第1エレクトレット膜の表面上に形成される第2エレクトレット膜(32)とを含むように構成されている、請求項1に記載の静電動作装置。
  17. 前記第2電極部は、前記エレクトレット膜が表面に形成される絶縁性の第3基板(70)と、
    前記第3基板と前記エレクトレット膜との間に形成される第2導電体層(16、16a)とを含む、請求項1に記載の静電動作装置。
  18. 前記第2導電体層は、前記第3基板の表面を覆うように形成されている、請求項17に記載の静電動作装置。
  19. 前記第2導電体層は、平面的に見て、前記第1導電体層と同じ形状を有する、請求項17に記載の静電動作装置。
  20. 前記第1電極と前記第2導電体層とは、ブリッジ整流回路を介して接続されている、請求項17に記載の静電動作装置。
  21. 第1電極を含む第1電極部と、
    前記第1電極部と所定の距離を隔てて対向するように設けられ、電荷を蓄積することが可能なエレクトレット膜と、前記エレクトレット膜の上面の所定領域上に形成された第1導電体層とを含む第2電極部とを備える、静電誘導型発電装置。
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