JP4009832B2 - ボロメータ型赤外線固体撮像素子 - Google Patents

ボロメータ型赤外線固体撮像素子 Download PDF

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    • G01J5/20Radiation pyrometry, e.g. infrared or optical thermometry using electric radiation detectors using resistors, thermistors or semiconductors sensitive to radiation, e.g. photoconductive devices

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱分離構造を有する熱型赤外線固体撮像素子に関し、特に、ボロメータ型赤外線固体撮像素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のボロメータ型赤外線固体撮像素子では、半導体基板から梁によって浮かせて支持されたダイアフラムから成る複数の赤外線検出素子において、ダイアフラムがボロメータ薄膜を絶縁保護膜で単純にサンドイッチした構造を採っていた。あるいは、絶縁保護膜のさらに光入射側に赤外線吸収膜を具備するものであった。そして、赤外線画像を得るために、赤外線検出素子が半導体基板上に二次元に配置され、半導体基板に赤外線検出素子と対応する読出回路が形成されていた。
【0003】
このようなボロメータ型赤外線固体撮像素子で高精細な画像を得るためには、半導体基板上の赤外線検出素子の数を増やす必要があるが、赤外線検出素子の寸法を変更することなく単純に数を増やしたのでは、赤外線固体撮像素子の大型化を招く。そのため、高精細化を達成するためには赤外線検出素子寸法の縮小が要求される。
【0004】
赤外線検出素子寸法縮小のためには、ボロメータ薄膜の寸法縮小が必要となる。ボロメータ薄膜として一般的によく用いられるのは酸化バナジウム薄膜であるが、和田らは、酸化バナジウム薄膜をボロメータ薄膜として用い、ボロメータ薄膜寸法とそこで発生するノイズとの関係を調査した結果、ボロメータ薄膜の体積の減少に伴って、ボロメータ薄膜で発生するノイズが増加することを報告している(SPIE Vol. 3379, p. 90, 1998参照)。ノイズ成分のほとんどは1/fノイズが占め、1/fノイズがフリーキャリア総数の平方根に反比例する(和田ら報告の式)ことから上記ノイズ特性が現れる。すなわち、高精細化のために赤外線検出素子寸法を縮小すると、ボロメータで発生するノイズが増加するという問題があった。
【0005】
この問題を解決するため、秦と中木(特開2000-346704号公報)は、ノイズの増加を伴うことなく微細化することができるボロメータ型赤外線検出素子を提案している。図4を用いて秦と中木の従来例を説明する。
【0006】
図4は、赤外線固体撮像素子を構成する単位画素を成すボロメータ型赤外線検出素子の断面構造図である。このボロメータ型赤外線検出素子は、半導体基板10上にアレイ形状を成すように複数形成される。該赤外線検出素子は、多層構造のボロメータ部13を備えていることを特徴としている。ボロメータ部13は、第1のボロメータ膜13aと第2のボロメータ膜13bとを絶縁性の接合膜14を介して積層したものであり、ボロメータ膜はいずれも酸化バナジウムから成る。
【0007】
ボロメータ部13は、支持膜11上に形成された第1の電極12aと第2の電極12bとを跨ぐように配置されている。また、ボロメータ部13は支持脚18で支えられ、半導体基板10から熱的に分離されている。第1のボロメータ膜13aと第2のボロメータ膜13bとの間に介在する接合膜14には、2つのスルーホール15が設けられている。2つのスルーホール15は、それぞれ電極12a、12bの直上部に位置し、いずれのスルーホール15にも酸化バナジウムが充填されている。第1のボロメータ膜13aと第2のボロメータ膜13bとは、スルーホール15に充填された酸化バナジウムを介して電気的に接続され、第1のボロメータ膜13aの下面は、第1の電極12a及び第2の電極12bのいずれにも接続されているので、第1のボロメータ膜13aと第2のボロメータ膜13bとは、第1の電極12aと第2の電極12bとの間で並列に接続されている。あるいは、第1のボロメータ膜13aと第2のボロメータ膜13bとが直列に接続される場合もある。このような積層構造にすることにより、ボロメータ膜の平面的寸法はそのままに体積を増加させることができ、ノイズを低減することができる。
【0008】
ボロメータ膜の平面的寸法をそのままで体積を増加する方法としては、ボロメータ膜の膜厚を単純に増やすことも考えられるが、そのような体積増加方法ではノイズを低減することができないことを秦と中木(特開2000-346704号公報)は検証している。これは膜厚が厚くなってくると、有効に利用できないフリーキャリアが増えてきて、体積増加に見合っただけの有効なフリーキャリア総数の増加が得られないためと解釈される。そこで、上記公報では薄いボロメータ膜13a、13bを絶縁性の接合膜14を介して積層する構造を採ることによって、体積増加に見合った有効なフリーキャリア総数の増加が得られるようにしたと云える。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
一般に酸化バナジウム等の金属酸化物のボロメータ膜は、抵抗温度係数やシート抵抗等を最適化するため還元雰囲気などで熱処理される。前述の従来例(特開2000-346704号公報)では、ボロメータ膜が積層構造になっているため、上層のボロメータ膜を熱処理するとき、下層のボロメータ膜に影響を与え、特性が変化し、最適な状況からずれてしまうという問題がある。また、この変化量が画素間で揃う確率は極めて低いので、画素間の特性バラツキが増加するという問題にもなる。
【0010】
さらに、前述の従来例では、上層のボロメータ膜と下層のボロメータ膜との電気的接続は、ボロメータ膜同士のコンタクトによっている点にも次のような問題がある。すなわち、ボロメータ膜としては高い抵抗温度係数を有することが望ましいが、材料が同じ場合、抵抗温度係数と比抵抗との間に比例関係があるため、抵抗温度係数の観点からはできるだけ高い比抵抗にすることが望ましいが、比抵抗が高くなるほど接合部のオーミック特性を得難くなる。特に、酸化バナジウム等の金属酸化物は、高比抵抗では半導体的性質がより強まってくるのでなおさら難しくなる。従って、従来例では高い抵抗温度係数と良好な電気的特性を両立させることができないという問題もある。
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、低ノイズでありながらボロメータ膜に最適な特性を持たせ、画素間の特性バラツキを小さくすることができるボロメータ型赤外線固体撮像素子を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のボロメータ型赤外線固体撮像素子は、基板上に、基板から梁によって浮かせて支持されたダイアフラムから成る複数の赤外線検出素子を有し、前記ダイアフラムは、ボロメータ薄膜と、その両端に配置した電極と、前記ボロメータ薄膜と前記電極とを取り囲む上層保護膜及び下層保護膜とから成り、前記梁は、配線材料と、該配線材料を取り囲む絶縁保護膜とから成るボロメータ型赤外線固体撮像素子において、前記ダイアフラムを構成する前記下層保護膜に前記ボロメータ薄膜の電流方向に略直交する方向の幅よりも繰り返しの間隔が狭い複数の凸部又は凹部を備え、前記凸部又は前記凹部の側壁を含む前記下層保護膜上に前記ボロメータ薄膜が形成されているものである。
【0013】
本発明においては、前記複数の凸部又は凹部の各々が、前記ボロメータ薄膜中の電流方向と交差する方向に延在して形成されている構成、又は、前記ボロメータ薄膜中の電流方向に対して略平行に延在して形成されている構成、又は、前記複数の凸部又は凹部が、前記下層保護膜上に点在して形成されている構成、あるいはこれらを組み合わせた構成とすることができる。
【0015】
このように、本発明のボロメータ型赤外線固体撮像素子では、ボロメータ薄膜が、複数の凸形状部、あるいはそれらの間が部分的に繋がって一体となった凸形状部を有する下層保護膜上に形成されるため、凸形状部の側壁に生成された分の体積増加が得られる。ボロメータ薄膜両端の電極間の領域に、複数の凸形状部が単純なストライプ状に、一定のライン・アンド・スペースで入るだけ密に設けられるならば、この体積増加は凸形状部の周期に対する高さの割合で決まる。高さの割合を高めれば高めるほど増すものであるが、例えばそれが[高さ1:周期2]であれば体積増加はほぼ2倍、[高さ1:周期1]であれば体積増加はほぼ3倍となる。このようなボロメータ薄膜の体積増加により、低ノイズ化を達成することができる。
【0016】
また、本発明では、ボロメータ薄膜は単層でできているため、抵抗温度係数やシート抵抗等を制御するための熱処理は、それ自体のための工程のみで済む。従って、この熱処理で抵抗温度係数やシート抵抗等を最適化することができるため、複数回の熱処理により最適な状況からずれて画素間の特性バラツキが増加するという問題が解決される。また、ボロメータ薄膜同士のコンタクトも存在しないため、オーミック特性を考慮してボロメータ薄膜を低比抵抗にする必要が無い。これにより、抵抗温度係数を高くし、なおかつ、良好な電気的特性の維持を可能とすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に係るボロメータ型赤外線固体撮像素子の好ましい実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0018】
[実施形態1]
まず、本発明の第1の実施形態に係るボロメータ型赤外線固体撮像素子について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るボロメータ型赤外線固体撮像素子の単位画素の模式的断面構造図であり、図2は、単位画素の受光部となるダイヤフラムの平面図である。本発明のボロメータ型赤外線固体撮像素子は、この単位画素がアレイ状に複数形成されて構成される。
【0019】
具体的には、図1に示すように、読出回路が造り込まれたシリコン等から成る半導体基板7の一画素に対応する領域上に、受光部となるダイヤフラムが2本の梁部6で半導体基板7との間に断熱のための空隙を取って自立している。このようなダイヤフラム構造は、犠牲層を用いる通常のマイクロマシン製造技術で形成することができる。このダイヤフラムは、ボロメータ薄膜1を下層保護膜4と上層保護膜5とで挟んだ構造をしており、ボロメータ薄膜1と読出回路とは梁部6内に造り込んだ配線3及び読出回路接続部8で電気的に接続されている。
【0020】
例えば、ボロメータ薄膜1は膜厚が50〜200nm程度の酸化バナジウム(V2O3、VOXなど)や酸化チタン(TiOX)などから成る。下層保護膜4と上層保護膜5とはどちらも膜厚100〜500nm程度のSi酸化膜(SiO, SiO2)、Si窒化膜(SiN、Si3N4)、あるいはSi酸化窒化膜(SiON)などから成る。配線3は膜厚が50〜200nm程度のアルミ(Al)、銅(Cu)、金(Au)、チタン(Ti)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)あるいはチタン・アルミ・バナジウム(TiAlV)などから成る。
【0021】
なお、梁部6と、ダイヤフラムを構成する下層保護膜4及び上層保護膜5とは、一繋がりのように描いてあるが、別工程で形成した膜を繋げて構成することも可能である。
【0022】
このように、本実施形態のボロメータ型赤外線固体撮像素子では、ボロメータ薄膜1が単層であり、電気的接続部も配線3とのオーミック接触部のみであるため、容易に再現性良く高信頼のコンタクト特性を得ることができる。
【0023】
本実施形態では、下層保護膜4上に、ボロメータ薄膜1の電流方向と交差する方向にストライプ状に走る複数の凸形状部2が設けられており、その上にボロメータ薄膜1が形成されている。この凸形状部2もSi酸化膜(SiO、SiO2)、Si窒化膜(SiN、Si3N4)あるいはSi酸化窒化膜(SiON)などから成るが、下層保護膜4上でのパターニングを容易にするため、下層保護膜4とは異なる材質にし、エッチング工程における選択比を稼ぐことが望ましい。その上に設けられたボロメータ薄膜1は、電流方向の実効的長さが凸形状部2の側壁領域分だけ長くなり、同時に同領域分の体積が増加する。増加量は凸形状部2の周期と高さの絶対的値よりもその割合に強く依存し、例えば、それが[高さ1:周期2]であれば体積増加はほぼ2倍、[高さ1:周期1]であれば体積増加はほぼ3倍となる。
【0024】
この実施形態は、ボロメータ薄膜材料の比抵抗が比較的低めの場合に特に効果的である。すなわち、ボロメータ薄膜1の幅は同一で実効的長さを長くすることになるので、ボロメータ薄膜1の電気抵抗が高まる。そして、電気抵抗を高めることによって、自己発熱により制限されるバイアス電圧を上げることができ、それに伴って信号出力利得が増し、感度を稼ぐことができるからである。体積増加によるノイズ低減に加えて信号出力も増えるので、よりS/N比を改善することができる。例えば、実効的長さを2倍にして電気抵抗が2倍になれば、バイアス電圧を√2倍にすることができる。感度はバイアス電圧に比例するので信号出力も√2倍となる。ノイズレベルは体積増加分2倍に対して1/√2倍となるので、S/N比は2倍の改善となる。
【0025】
[実施形態2]
次に、本発明の第2の実施形態に係るボロメータ型赤外線固体撮像素子について、図3を参照して説明する。図3は、本発明の第2の実施形態に係るボロメータ型赤外線固体撮像素子の単位画素の受光部となるダイヤフラムの平面図である。
【0026】
前記した第1の実施形態では、ボロメータ薄膜1の電流方向と交差する方向にストライプ状の凸形状部2を設けたが、本実施形態では、下層保護膜4上に、ボロメータ薄膜1の電流方向と同方向にストライプ状に走る複数の凸形状部2を設け、その上にボロメータ薄膜1を形成することを特徴としている。材質の選定や寸法条件等については前述の実施形態と同様である。
【0027】
このような構造でも、前記した第1の実施形態と同様に、ボロメータ薄膜の体積増加によってノイズを低減することができ、また、ボロメータ薄膜を単層で構成することによりコンタクト抵抗のバラツキを抑制することができる。なお、この実施形態は、ボロメータ薄膜の体積増加と共に電気抵抗が減少するので、ボロメータ薄膜材料の比抵抗が高い場合に適している。
【0028】
以上、凸形状部2の形成方向が、ボロメータ薄膜1中の電流方向と交差する方向の場合と、ボロメータ薄膜1中の電流方向と同方向の場合の実施形態について述べたが、本発明のボロメータ型赤外線固体撮像素子はこれらに限らず、より複雑な形状の凸形状部2を有するものでも適用可能である。例えば、電流方向と交差するものと電流方向と同方向のものとを組み合わせた凸形状部や、さらにそれを任意の角度、例えば、45°回転させた凸形状部を有するものも同様の効果が得られる。これらは、ボロメータ薄膜1の体積が増加しても電気抵抗が不変となるので、ボロメータ薄膜抵抗が現状維持で良い場合に採用すれば良い。
【0029】
図2及び図3における凸形状部2の部分に逆に溝が形成された構造でも、溝の底を基準に採れば、その周囲が今度は凸形状部となるので、本発明に包含されるものである。また、電流方向と交差するものと電流方向と同方向のものとを組み合わせた溝を形成した場合も、基準を変えれば島状の凸形状部が溝の合間に存在することになるので、同様である。凸と凹とは対を為した相対的な関係にあるものなので、どちらかを形成すれば自ずと相手方も形成することになるのである。
【0030】
また、図1では、凸形状部2を断面が矩形形状となる構造を示しているが、本発明は上記実施形態に限定されず、ボロメータ薄膜1の平面サイズを増加させることなく体積を増加させることができる構造であればよく、例えば、凸形状部2を山型(又は凹形状部をV字型、U字型等)としてもよい。断面をどのような形状とするかは、凸形状部2やボロメータ薄膜1の製造容易性等を勘案して適宜設定することができる。
【0031】
また、シリコン等から成る半導体基板7に読出回路が造り込まれた構成のボロメータ型赤外線固体撮像素子に適用した場合について述べてきたが、読出回路を持たないものや半導体基板ではないフレキシブルな基板上に形成されたボロメータ型赤外線固体撮像素子も実在しており、それらに関しても本発明を適用すれば上述と同様の効果を発揮し得るものである。
【0032】
【実施例】
上記した本発明の実施の形態の効果を確認するために、画素数320×240で画素ピッチ37μmのボロメータ型赤外線固体撮像素子を製作した。Si基板内に造り込まれた読出し回路IC上に、2本の梁部6で支持された受光部となるダイヤフラムをアレイ状に形成している。ダイヤフラムを構成する下層保護膜4と上層保護膜5とは共に膜厚300nmのSi窒化膜で形成した。また、凸形状部2は、膜厚500nmのSi酸化膜を、ライン0.4μm,ギャップ0.6μmでボロメータ薄膜1中の電流方向と交差する方向にストライプ状にパターニングして形成した。これにより、画素内に凸形状部を30本設けることができた。ボロメータ薄膜1としては、膜厚100nmの酸化バナジウムを用いた。これでほぼ[高さ1:周期2]の条件が得られている。また、配線3には赤外線で生じた熱をできるだけ逃がさないようにするため、熱伝導率の低い膜厚100nmのチタン・アルミ・バナジウム(TiAlV)を採用した。
【0033】
一方、凸形状部を持たないことを除けば、後は全く同型のボロメータ型赤外線固体撮像素子(従来型)も同時に製作し、これと比較することで本発明の効果を検証した。
【0034】
本発明のボロメータ型赤外線固体撮像素子は酸化バナジウム薄膜抵抗が従来型のものの約2倍になっているため、適正なバイアス電圧として従来型の約1.4倍を加えて、S/N比の評価を行なった。その結果、S/N比は従来型のおよそ2倍に改善できていることが確認された。
【0035】
また、両者の面内均一性を比較したところ、酸化バナジウム薄膜に加わるプロセス(熱履歴等)やコンタクト部構成に全く違いが無いため、有意差は全く認められず、良好な画像であった。すなわち、良好な電気的特性の維持が達成できていることが立証された。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のボロメータ型赤外線固体撮像素子によれば、ボロメータ薄膜が、複数の凸形状部、あるいはそれらの間が部分的に繋がって一体となった凸形状部を有する下層保護膜上に形成されるので、凸形状部の側壁に生成された分の体積増加が得られ、低ノイズ化を達成することができる。
【0037】
さらに、本発明のボロメータ型赤外線固体撮像素子は、ボロメータ薄膜が単層でできており、コンタクト部構成も再現性良く高信頼のものにできるので、特性バラツキが増えること無く、面内均一性の高い良好な電気的特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るボロメータ型赤外線固体撮像素子の単位画素の模式的断面構造図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るボロメータ型赤外線固体撮像素子の単位画素の受光部となるダイヤフラムの平面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るボロメータ型赤外線固体撮像素子の単位画素の受光部となるダイヤフラムの平面図である。
【図4】従来(特開2000-346704号公報)のボロメータ型赤外線検出素子の断面構造図である。
【符号の説明】
1 ボロメータ薄膜
2 凸形状部
3 配線
4 下層保護膜
5 上層保護膜
6 梁部
7 半導体基板
8 読出回路接続部
9 コンタクト
10 半導体基板
11 支持膜
12a、12b 電極
13 ボロメータ部
13a 第1のボロメータ膜
13b 第2のボロメータ膜
14 接合膜
15 スルーホール
16 絶縁膜
17 赤外線吸収膜
18 支持脚
19 配線層

Claims (5)

  1. 基板上に、基板から梁によって浮かせて支持されたダイアフラムから成る複数の赤外線検出素子を有し、前記ダイアフラムは、ボロメータ薄膜と、その両端に配置した電極と、前記ボロメータ薄膜と前記電極とを取り囲む上層保護膜及び下層保護膜とから成り、前記梁は、配線材料と、該配線材料を取り囲む絶縁保護膜とから成るボロメータ型赤外線固体撮像素子において、
    前記ダイアフラムを構成する前記下層保護膜に前記ボロメータ薄膜の電流方向に略直交する方向の幅よりも繰り返しの間隔が狭い複数の凸部又は凹部を備え、前記凸部又は前記凹部の側壁を含む前記下層保護膜上に前記ボロメータ薄膜が形成されていることを特徴とするボロメータ型赤外線固体撮像素子。
  2. 前記複数の凸部又は凹部の各々が、前記ボロメータ薄膜中の電流方向と交差する方向に延在して形成されていることを特徴とする請求項1記載のボロメータ型赤外線固体撮像素子。
  3. 前記複数の凸部又は凹部の各々が、前記ボロメータ薄膜中の電流方向に対して略平行に延在して形成されていることを特徴とする請求項1記載のボロメータ型赤外線固体撮像素子。
  4. 前記複数の凸部又は凹部が、前記下層保護膜上に点在して形成されていることを特徴とする請求項1記載のボロメータ型赤外線固体撮像素子。
  5. 前記凸部又は凹部を2以上組み合わせて構成されることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一に記載のボロメータ型赤外線固体撮像素子。
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