JP2004271386A - 熱型赤外線検出器及びその製造方法 - Google Patents

熱型赤外線検出器及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】抵抗温度係数を増加させ、赤外線検出感度を向上させることができるチタンボロメータ熱型赤外線検知器及びその製造方法の提供。
【解決手段】受光部7と、受光部を中空保持する支持脚8とからなるダイヤフラム9を有するチタンボロメータ熱型赤外線検出器において、受光部7のチタンボロメータ10を第1シリコン窒化膜105と第2シリコン窒化膜106とで狭み込んで保護するものであり、チタンボロメータ10の酸化が抑制され、抵抗温度係数の大きい、赤外線検出感度の高い熱型赤外線検出器を得ることができる。更に、シリコン窒化膜、特に上層側の第2シリコン窒化膜106の成膜温度を最適化することにより、抵抗温度係数を向上させることができ、シリコン窒化膜を薄く形成し、その上層及び下層(又は上層)にシリコン酸化膜を配設することにより熱伝導度の増加を最小限に抑えることができる。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱型赤外線検知器及びその製造方法に関し、特に、チタンボロメータ熱型赤外線検知器及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱型赤外線検知器は検出器の冷却を必要とせず常温で動作し低価格であるため、赤外線検出器の中でも特に注目されている。特に、金属チタンを熱電変換材料の一種であるボロメータ材料として使用したチタンボロメータ赤外線検知器は、通常のシリコンICラインにおいて製造可能であり、比較的温度分解能も高く、良品歩留まりも高いという利点があることから開発が進められている(例えば、特開平9−203659号公報等)。このチタンボロメータ熱型赤外線検知器について、図5及び図6を参照して説明する。図5は、熱型赤外線検知器の構造を示す斜視図であり、図6は、図5のチタンボロメータ10に沿ったコンタクト(A)11の近傍からコンタクト(C)12の近傍までの断面図である。
【0003】
図5及び図6に示すように、チタンボロメータ熱型赤外線検知器は、赤外線を吸収する受光部7とそれを支える支持脚8とからなるダイヤフラム9が、読み出し回路2を含むシリコン基板1の上に、島状の絶縁膜3、アルミ配線(A)4a、アルミ配線(B)4b、アルミ配線(C)4c等を介して形成され、空洞5の上に浮いた形(いわゆるマイクロブリッジ構造)で存在している。また、受光部7の表面には赤外線吸収層6が具備されており、入射する赤外線を吸収すると、基板側への熱の逃げ易さを表す熱伝導度に対応して受光部7の温度が上昇し、受光部7の領域内に具備された感熱材料の一つであるチタンボロメータ10の抵抗を変化させる。
【0004】
また、電気的には、チタンボロメータ10は上記支持脚8の中に内包された導電材料10a(図5ではチタンボロメータ10と一致する。)、アルミ配線(A)4a、アルミ配線(B)4b、アルミ配線(C)4c、及びアルミ配線と導電材料10aの電気的接触部であるコンタクト(A)11、コンタクト(C)12を介して下地の読み出し回路2と連結され、チタンボロメータ10で発生する信号を読み出し得る構造になっている。
【0005】
このような熱型赤外線検知器のチップは、上記受光部7の温度が上昇し易いように、実際には真空パッケージ中に収納された使用形態をとっている。従って、上記ダイヤフラム9は真空の空洞上に保持されており、受光部7の直下への基板側への熱の逃げが遮断され、受光部7の熱の逃散はすべて支持脚8を通って行われるため、熱伝導度(Gth)を極力小さくすることにより、基板側との熱分離状態の良い熱分離構造を形成することができる。また、熱型2次元赤外線検知器においては、この熱分離構造が読み出し走査回路を含む基板上に2次元アレイ状に配列されている。
【0006】
感熱材料の型としてはボロメータ型以外にも焦電型と熱電対型があるが、これら熱型赤外線検知器の赤外線受光感度は、ボロメータ型の場合はボロメータの抵抗温度係数、焦電型である場合は焦電係数、そして熱電対型ボロメータ型の場合はゼーベック係数というように熱電材料の熱電変換係数に比例する。また、この赤外線受光感度は受光量に比例し、支持脚の熱伝導度に反比例する。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−203659号公報(第4−9頁、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
熱型赤外線検知器においては、赤外線の吸収率を高めるために、受光部7の領域内において、ダイヤフラム9の下側(すなわち、シリコン基板1に近い側)に、金属であるチタンボロメータ10を赤外線に対するミラーとして図5に示すようなつづらパターン状に設け、ダイヤフラム9の上側に、図6に示すように膜厚約15nmという極薄の窒化チタンメタルからなる赤外線吸収層6を形成して対向させ、両者間で赤外線を吸収させるための共振キャビティ18(図6中の楕円印で示す部分)を形成している。上記共振キャビティ18の間隔は吸収する赤外線の波長によって定められるため1μm程度と広く、マイクロブリッジ構造の強度を保つためには必然的に受光部7のダイヤフラム9を厚膜化させる必要があり、それに伴って通常、上記支持脚8も厚膜化される。
【0009】
ここで、従来のチタンボロメータ熱型赤外線検知器では、製造工程中のダメージからチタンボロメータ10を保護するために絶縁保護膜によってチタンボロメータ10を被覆しているが、支持脚8からの熱流入を防止するために、絶縁保護膜として熱伝導率の低いシリコン酸化膜(第3シリコン酸化膜15、第4シリコン酸化膜16等)が用いられている。しかしながら、シリコン酸化膜による被覆では、特に上層の第4シリコン酸化膜16を成長する過程でチタンボロメータ10の酸化が進んでやや高抵抗化し、抵抗温度係数が低下するという欠点が存在し、高い赤外線検出感度を得るには不利となっていた。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、抵抗温度係数(TCR)を増加させ、赤外線検出感度を向上させることができる熱型赤外線検出器、特にチタンボロメータ熱型赤外線検知器及びその製造方法を提供することにある。
【0011】
【問題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の熱型赤外線検出器は、赤外線受光部と、該赤外線受光部を中空保持する支持脚とからなるダイヤフラム構造を有する熱型赤外線検出器において、前記ダイヤフラムを構成するボロメータ材料としてチタン薄膜を含み、前記チタン薄膜は、下層側に配設される第1のシリコン窒化膜と、上層側に配設される第2のシリコン窒化膜とにより挟まれて保護され、前記チタン薄膜の酸化が抑制されるものである。
【0012】
本発明においては、前記第2のシリコン窒化膜の上層に、更にシリコン酸化膜を備える構成とすることができ、また、前記第1のシリコン窒化膜の下層に、更にシリコン酸化膜を備える構成とすることもできる。
【0013】
また、本発明においては、前記第1のシリコン窒化膜及び前記第2のシリコン窒化膜は共にプラズマCVD法により形成された膜であり、前記第2のシリコン窒化膜は、成長温度が略350℃で成膜された膜であることが好ましい。
【0014】
また、本発明の製造方法は、赤外線受光部と、該赤外線受光部を中空保持する支持脚とからなるダイヤフラム構造を有する熱型赤外線検出器の製造方法であって、前記ダイヤフラムの形成に際し、少なくとも、プラズマCVD法を用いて第1のシリコン窒化膜を形成する工程と、前記第1のシリコン窒化膜上に、ボロメータ材料としてチタン薄膜を形成する工程と、前記チタン薄膜を覆うように、プラズマCVD法を用い、成長温度を略350℃に設定して第2のシリコン窒化膜を形成する工程と、を有するものである。
【0015】
このように、本発明は、チタンボロメータ熱型赤外線検知器の熱分離構造を構成するダイヤフラムにおいて、チタンボロメータの上下をプラズマCVD法で形成したシリコン窒化膜で挟み保護することにより、チタンボロメータの酸化を抑制し、これにより抵抗温度係数(TCR)を増加させ、赤外線検出感度を向上させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明に係る熱型赤外線検出器は、その好ましい一実施の形態において、赤外線受光部と、赤外線受光部を中空保持する支持脚とからなるダイヤフラム構造を有するチタンボロメータ熱型赤外線検出器において、赤外線受光部のチタン薄膜をシリコン窒化膜で狭み込んで保護するものであり、シリコン酸化膜を用いた従来構造のようにチタンボロメータが酸化することがなく、抵抗温度係数(TCR)の大きい、赤外線検出感度の高い熱型赤外線検出器を提供することができる。更に、シリコン窒化膜、特に上層側のシリコン窒化膜の成膜温度を最適化することにより、抵抗温度係数を更に向上させることができ、シリコン窒化膜を薄く形成し、その上層及び下層(又は上層)にシリコン酸化膜を配設することにより熱伝導度の増加を最小限に抑えることができる。
【0017】
【実施例】
上記した本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0018】
[実施例1]
まず、本発明の第1の実施例に係るチタンボロメータ熱型赤外線検出器及びその製造方法について、図1及び図4を参照して説明する。図1は、第1の実施例に係るチタンボロメータ熱型赤外線検出器の構造を示す断面図であり、チタンボロメータの長手方向に沿った断面を示している。また、図4は、本実施例の効果を説明するための図である。
【0019】
図1に示すように本実施例のチタンボロメータ熱型赤外線検出器は、図6に示す従来構造の熱型赤外線検出器におけるダイヤフラムの厚さ方向の層構造を変え、ダイヤフラムを構成するチタンボロメータ10を第1シリコン窒化膜105と第2シリコン窒化膜106とで挟み込んで形成していることを特徴とするものであり、それ以外の部分の構造に関しては従来例と同様である。
【0020】
その製造方法について概説すると、まず、シリコン基板1上に公知の回路形成技術を用いて読み出し回路2を形成し、次に、第1シリコン酸化膜13を形成した後、その上に犠牲層ポリシリコン(図示せず)と第2シリコン酸化膜14を形成する。ここまでの工程は従来技術と同様である。
【0021】
次に、プラズマCVD法等を用いて、厚さ約100nmの第1の絶縁保護膜、すなわち第1シリコン窒化膜105を形成し、その上にアルミ配線を形成した後(又は、アルミ配線を形成した後、第1シリコン窒化膜105を形成し、コンタクト部分の第1シリコン窒化膜105を除去した後)、スパッタ法等を用いて厚さ約100nm、幅約1μmのチタンメタルからなる導電材料10a(ここではチタンボロメータ10と同じ)を形成する。そして導電材料10aの細線上に、プラズマCVD法等を用いて、厚さ約1μmの第2の絶縁保護膜、すなわち第2シリコン窒化膜106を形成する。この第2シリコン窒化膜106の成膜に関して、成長温度が低いと成長速度が低下したり、膜質の再現性が得られず、一方、成長温度が高くなるとチタンメタルが絶縁保護膜成長中に酸化されて所望の抵抗温度係数が得られなくなることから、本実施例では、成長温度を略350℃に設定して成膜を行っている。
【0022】
この後、スパッタ法等によりTiNからなる赤外線吸収層6を設け、受光部7と支持脚8の周囲にスリット17を形成し、このスリット17を通してダイヤフラム9の下の犠牲層ポリシリコンを選択的エッチングにより除去して空洞5を形成する。以上により図1に示す構造のチタンボロメータ熱型赤外線検出器が製造される。
【0023】
上記方法で製造されたチタンボロメータ熱型赤外線検出器の性能を確認するために、チタンボロメータ10の下層にシリコン酸化膜を配設し、上層にのみシリコン窒化膜を配設した試料と、チタンボロメータ10の上層及び下層にシリコン窒化膜を形成し、下層のシリコン窒化膜(第1シリコン窒化膜105)を成長温度400℃で、上層のシリコン窒化膜(第2シリコン窒化膜106)を成長温度350℃で形成した試料と、同様にチタンボロメータ10の上層及び下層にシリコン窒化膜を形成し、上層及び下層のシリコン窒化膜を共に成長温度400℃で形成した試料を作成し、TMAH系の溶液を用いて犠牲層をエッチングする前後でのチタンボロメータ10の抵抗温度係数を測定した。その結果を図4に示す。
【0024】
実験の結果、図4に示すように、チタンボロメータ10の下層がシリコン酸化膜、上層が成長温度350℃で形成したシリコン窒化膜の試料(図4の一番上の試料)の抵抗温度係数は、犠牲層エッチング前は0.31%/Kであるが、犠牲層エッチング後は0.23%/Kに低下している。これに対して、チタンボロメータ10の下層が成長温度400℃で形成したシリコン窒化膜、上層が成長温度350℃で形成したシリコン窒化膜の試料(図4の2番目の試料)の抵抗温度係数は、0.34%/Kと高い値を示し、また、犠牲層エッチング前後で変化しなかった。また、チタンボロメータ10の上層及び下層共に成長温度400℃でシリコン窒化膜を形成した試料(図4の一番下の試料)の抵抗温度係数は犠牲層エッチング前後で変化はないものの、その値は0.27%/Kと低めの値であった。なお、図示しないが、上層及び下層共にシリコン酸化膜を形成した試料は犠牲層エッチング後の抵抗温度係数は約0.25%/Kであった。
【0025】
以上の結果から、チタンボロメータ10上層のシリコン酸化膜をシリコン窒化膜に変えるだけで抵抗温度係数の改善効果が認められるが、下層側にシリコン酸化膜を設ける構造では、チタンボロメータ10が犠牲層エッチング溶液にアタックされてしまうため、犠牲層エッチング前後で抵抗温度係数が変化し、十分な信頼性が得られない。これに対して、上層及び下層共にシリコン窒化膜に代えた場合には、犠牲層エッチングによる抵抗温度係数の変化が抑制され、信頼性が向上することが確認された。特に上層のシリコン窒化膜(第2シリコン窒化膜106)の成長温度を350℃程度と極力低くすることにより、抵抗温度係数の値を大きくすることができ、従来よりも感度の高いセンサを実現することができた。
【0026】
[実施例2]
次に、本発明の第2の実施例に係るチタンボロメータ熱型赤外線検出器及びその製造方法について、図2及び図3を参照して説明する。図2及び図3は、第2の実施例に係る熱型赤外線検出器の構造を示す断面図である。
【0027】
前記した第1の実施例では、チタンボロメータ10の上層及び下層に形成する絶縁保護膜をシリコン窒化膜のみで形成したが、従来技術で示したように、熱伝導の観点からは支持脚8を構成する材料としては極力熱伝導率の小さい材料を選択することが好ましい。そこで、本実施例では、チタンボロメータ10の上層及び下層に形成するシリコン窒化膜を薄く形成し、その上下に熱伝導率の小さいシリコン酸化膜を形成している。
【0028】
具体的には、図2に示すように、チタンボロメータ10の上層及び下層に各々50nm乃至100nm程度の薄い第1シリコン窒化膜105、第2シリコン窒化膜106を配設し、第1シリコン窒化膜105の下層に第3シリコン酸化膜15、第2シリコン窒化膜106の上層に第4シリコン酸化膜16を配設した構造となっており、それ以外は従来例と同じ構成で成っている。
【0029】
このようにシリコン窒化膜を薄く形成することによって熱伝導度の増加を最小限に抑えることができ、また、上側のシリコン窒化膜106の成長温度を350℃程度と低温にすることにより、チタンボロメータ10の抵抗温度係数を大きくすることができ、第1の実施例と同様に最大で0.34%/Kが得られた。これにより、従来よりも4〜5割増しの高感度の熱型センサを実現することができた。
【0030】
また、図2では、シリコン窒化膜の上層及び下層にシリコン酸化膜を設けたが、図3に示すように、共振キャビティ18により膜厚を大きくする必要がある上側のみシリコン酸化膜(第4シリコン酸化膜16)を配設する構造とすることもできる。このような構造でも、熱伝導度の増加を抑え、抵抗温度係数を増加させ、赤外線検出感度を向上させることができる。
【0031】
なお、第2の実施例では、シリコン窒化膜の上層及び下層(又は上層)にシリコン酸化膜を設ける構造について示したが、シリコン窒化膜の上層及び下層(又は上層)に設ける絶縁保護膜はシリコン酸化膜に限定されず、シリコン窒化膜よりも熱伝導率の小さい任意の材料を用いることができる。また、上記各実施例では、ボロメータ材料としてチタン薄膜を用いる場合について示したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、ボロメータ材料として酸化しやすい材料を用いる任意の熱型赤外線検出器に適用することができる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のチタンボロメータ熱型赤外線検出器及びその製造方法によれば、チタンボロメータの上層のみをシリコン窒化膜で保護するだけでなく、チタンボロメータの下層にもシリコン窒化膜を形成することにより、チタンボロメータの酸化による高抵抗化を抑制することができ、その結果、抵抗温度係数(TCR)を増加させ、赤外線検出感度を向上させることができる。
【0033】
また、チタンボロメータ上層のシリコン窒化膜の成長温度を略350℃に設定することにより、犠牲層エッチング前後におけるチタンボロメータの抵抗温度係数の変化を抑制し、かつ、その値を0.34%/Kと比較的高い値とすることができ、従来よりも4〜5割程度感度の高いセンサを実現することができる。
【0034】
また、シリコン窒化膜の膜厚を薄くし、シリコン窒化膜の上層及び下層(又は上層)に熱伝導率の小さいシリコン酸化膜を形成することによって、熱伝導度の増加を最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る熱型赤外線検出器の構造を示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施例に係る熱型赤外線検出器の構造を示す断面図である。
【図3】本発明の第2の実施例に係る熱型赤外線検出器の他の構造を示す断面図である。
【図4】本発明の効果を説明するための図である。
【図5】従来の熱型赤外線検出器の構造を示す斜視図である。
【図6】従来の熱型赤外線検出器の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板
2 読み出し回路
3 絶縁膜
4 アルミ配線
4a アルミ配線(A)
4b アルミ配線(B)
4c アルミ配線(C)
5 空洞
6 赤外線吸収層
7 受光部
8 支持脚
9 ダイヤフラム
10 チタンボロメータ
10a 導電材料
11 コンタクト(A)
12 コンタクト(C)
13 第1シリコン酸化膜
14 第2シリコン酸化膜
15 第3シリコン酸化膜
16 第4シリコン酸化膜
17 スリット
18 共振キャビティ
19 支持脚断面位置
20 導電材料幅
21 支持脚幅
105 第1シリコン窒化膜
106 第2シリコン窒化膜

Claims (5)

  1. 赤外線受光部と、該赤外線受光部を中空保持する支持脚とからなるダイヤフラム構造を有する熱型赤外線検出器において、
    前記ダイヤフラムを構成するボロメータ材料としてチタン薄膜を含み、
    前記チタン薄膜は、下層側に配設される第1のシリコン窒化膜と、上層側に配設される第2のシリコン窒化膜とにより挟まれて保護され、前記チタン薄膜の酸化が抑制されることを特徴とする熱型赤外線検知器。
  2. 前記第2のシリコン窒化膜の上層に、更にシリコン酸化膜を備えることを特徴とする請求項1記載の熱型赤外線検知器。
  3. 前記第1のシリコン窒化膜の下層に、更にシリコン酸化膜を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱型赤外線検知器。
  4. 前記第1のシリコン窒化膜及び前記第2のシリコン窒化膜は共にプラズマCVD法により形成された膜であり、前記第2のシリコン窒化膜は、成長温度が略350℃で成膜された膜であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の熱型赤外線検知器。
  5. 赤外線受光部と、該赤外線受光部を中空保持する支持脚とからなるダイヤフラム構造を有する熱型赤外線検出器の製造方法であって、
    前記ダイヤフラムの形成に際し、少なくとも、プラズマCVD法を用いて第1のシリコン窒化膜を形成する工程と、前記第1のシリコン窒化膜上に、ボロメータ材料としてチタン薄膜を形成する工程と、前記チタン薄膜を覆うように、プラズマCVD法を用い、成長温度を略350℃に設定して第2のシリコン窒化膜を形成する工程と、を有することを特徴とする熱型赤外線検知器の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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