JP2007051915A - 赤外線センサ - Google Patents

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Hiroshi Yamanaka
山中  浩
Tsutomu Ichihara
勉 櫟原
Yoshifumi Watabe
祥文 渡部
Koji Tsuji
幸司 辻
Masao Kirihara
昌男 桐原
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Abstract

【課題】製造が容易で機械的強度の向上、高感度化および応答速度の高速化を図れる赤外線センサを提供する。
【解決手段】シリコン基板からなる矩形板状のベース基板1と、ベース基板1の一表面側に形成されて赤外線を吸収するとともに該吸収による温度変化を検知する温度検知部3と、温度検知部3に積層され赤外線を吸収する赤外線吸収層6と、ベース基板1の上記一表面側でベース基板1と温度検知部3との間に介在して温度検知部3からベース基板1への熱伝導を阻止する断熱部2と、ベース基板1の上記一表面側で温度検知部3に金属配線4a,4cを介して電気的に接続された一対のパッド5a,5cとを備えている。断熱部2は、多孔質材料により形成されている。ここで、断熱部2は、ベース基板1の一部を陽極酸化処理により多孔質化することで形成された多孔質シリコン層により構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、赤外線センサに関するものである。
従来から、熱型の赤外線センサとして、ベース基板の一表面側において複数の支持梁部を介して支持された載置ベース部上に温度検知部が設けられた赤外線センサが提案されている(例えば、特許文献1参照)。なお、上記特許文献1に開示された赤外線センサでは、赤外線を吸収する赤外線吸収層が温度検知部に積層されている。
特開平11−273907号公報
ところで、上記特許文献1に開示された赤外線センサでは、赤外線吸収による温度検知部の温度変化を大きくすることで高感度化を図るために、ベース基板の一表面側において複数の支持梁部を介して支持された載置ベース部上に温度検知部を設けた構造となっているので、支持梁部が破損しやすく、製造プロセスも複雑になるという不具合があった。
また、上記特許文献1に開示された赤外線センサでは、高感度化のために温度検知部のサイズを変更することなしに支持梁部の全長を長くするように設計すると、センサ全体のサイズが大きくなってしまうとともに、支持梁部の熱容量が大きくなって応答速度が低下してしまう。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、製造が容易で機械的強度の向上、高感度化および応答速度の高速化を図れる赤外線センサを提供することにある。
請求項1の発明は、ベース基板と、ベース基板の一表面側に形成されて赤外線を吸収するとともに該吸収による温度変化を検知する温度検知部と、ベース基板の前記一表面側でベース基板と温度検知部との間に介在して温度検知部からベース基板への熱伝導を阻止する断熱部とを備え、断熱部が多孔質材料により形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、ベース基板と温度検知部との間に介在して温度検知部からベース基板への熱伝導を阻止する断熱部を備え、当該断熱部が多孔質材料により形成されているので、断熱部の熱コンダクタンスを小さくできて高感度化を図れ、且つ、断熱部の熱容量を小さくできて応答速度の高速化を図れ、しかも、従来のような支持梁部を形成する必要がなく製造が容易になるとともに機械的強度を高めることが可能となる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記温度検知部は、温度に応じて電気抵抗値が変化するセンシングエレメント、温度に応じて誘電率が変化するセンシングエレメント、サーモパイル型のセンシングエレメント、焦電型のセンシングエレメントの群から選択される1つのセンシングエレメントからなることを特徴とする。
この発明によれば、前記温度検知部を薄膜形成技術により形成することができる。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記ベース基板がシリコン基板からなるとともに、前記多孔質材料が多孔質シリコンであり、前記断熱部は、前記ベース基板の一部を陽極酸化処理することにより形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、陽極酸化処理の条件を変えることで前記断熱部の多孔度を容易に調整することができる。また、前記ベース基板の前記一表面上にシリコン層を成膜してから当該シリコン層を陽極酸化処理することにより前記断熱部を形成する場合に比べて、製造プロセスの簡略化を図れる。
請求項4の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記多孔質材料は、多孔質の酸化シリコン、多孔質の酸化シリコン系有機ポリマー、多孔質の酸化シリコン系無機ポリマーの群から選択される材料であることを特徴とする。
この発明によれば、請求項3の発明に比べて、前記多孔質材料の熱伝導率が小さくなるので、より一層の高感度化を図れる。また、前記断熱部の形成にあたっては、ゾルゲル溶液を前記ベース基板の前記一表面側に回転塗布してから、乾燥させるプロセスを採用することができ、前記断熱部を容易に形成することができる。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4の発明において、前記温度検知部に積層され赤外線を吸収する赤外線吸収層を備えることを特徴とする。
この発明によれば、より一層の高感度化を図れる。
請求項1の発明は、製造が容易で機械的強度の向上、高感度化および応答速度の高速化を図れるという効果がある。
(実施形態1)
以下、本実施形態の赤外線センサについて図1を参照しながら説明する。
本実施形態の赤外線センサは、単結晶のp形のシリコン基板からなる矩形板状のベース基板1と、ベース基板1の一表面(図1(b)における上面)側に形成されて赤外線を吸収するとともに該吸収による温度変化を検知する温度検知部3と、温度検知部3に積層され赤外線を吸収する赤外線吸収層6と、ベース基板1の上記一表面側でベース基板1と温度検知部3との間に介在して温度検知部3からベース基板1への熱伝導を阻止する断熱部2と、ベース基板1の上記一表面側で温度検知部3に金属配線4a,4cを介して電気的に接続された一対のパッド5a,5cとを備えており、一対のパッド5a,5cを通して温度検知部3の出力を外部へ取り出すようになっている。なお、ベース基板1としては抵抗率が大きなシリコン基板を用いている。断熱部2の平面形状はベース基板1の平面形状よりも小さな矩形状となっており、上述の各パッド5a,5cは断熱部2に重ならない部位に配置されている。また、後述のように本実施形態ではベース基板1としてシリコン基板を用いており、金属配線4a,4cのうち断熱部2に重ならない部位とベース基板1との間には図示しない絶縁膜(シリコン酸化膜)が介在している。また、温度検知部3の平面形状は断熱部2の平面形状よりも小さな矩形状となっている。
ここにおいて、本実施形態の赤外線センサは、検出対象の赤外線として人体から放射される8μm〜13μmの波長帯の赤外線を想定しており、赤外線吸収層6の材料としてSiONを採用しているが、赤外線吸収層6の材料はSiONに限らず、例えばSi、SiO、金黒などを採用してもよい。
温度検知部3は、温度に応じて電気抵抗値が変化するセンシングエレメントであるサーミスタからなり、断熱部2上に形成されたクロム膜からなる下部電極3aと、下部電極3a上に形成されたアモルファスシリコン膜からなる抵抗体層3bと、抵抗体層3b上に形成されたクロム膜からなる上部電極3cとで構成されている。なお、本実施形態では、抵抗体層3bの材料としてアモルファスシリコンを採用しているが、抵抗体層3bの材料はアモルファスシリコンに限らず、例えば、酸化バナジウムなどを採用してもよい。
ここで、温度検知部3は、下部電極3aおよび上部電極3cそれぞれが上述の金属配線4a,4cを介してパッド5a,5cと電気的に接続されている。各金属配線4a,4cは、温度検知部3から温度検知部3の外周縁に沿って延長した形状であって、2つの金属配線4a,4cで温度検知部3の略全周を囲むような形状に形成されている。具体的には、各金属配線4a,4cの平面形状は、温度検知部3の外周縁の隣り合う2辺に沿ったL字状に形成されており、各金属配線4a,4cの両端部のうち温度検知部3側の端部(温度検知部3に連結された側の端部)は、温度検知部3の矩形状の外周縁において対角位置にある2つの角部それぞれに連結されている。なお、金属配線4aの材料としては、下部電極3aと同じクロムを採用し、パッド5aの材料としては、アルミニウム、金などを採用している。また、金属配線4cの材料としては、上部電極3cと同じクロムを採用し、パッド5cの材料としては、アルミニウム、金などを採用している。また、金属配線4a,4cは、当該金属配線4a,4cを通した熱伝達をほとんど無視できるように幅寸法を設定してある。
温度検知部3は、温度に応じて電気抵抗値が変化するセンシングエレメントに限らず、温度に応じて誘電率が変化するセンシングエレメント、サーモパイル型のセンシングエレメント、焦電型のセンシングエレメントなどを採用してもよく、いずれのセンシングエレメントを採用した場合でも、材料を適宜選択することで一般的な薄膜形成技術を利用して形成することができる。なお、温度に応じて誘電率の変化するセンシングエレメントの材料としては、例えば、PZT、BSTなどを採用すればよい。
ところで、本実施形態では、上述の断熱部2が多孔質材料である多孔質シリコンにより形成されている。具体的には、本実施形態では、上述のようにベース基板1としてp形のシリコン基板を用いており、断熱部2を多孔度(多孔率)が略70%の多孔質シリコン層により構成している。したがって、ベース基板1として用いるシリコン基板の一部を、例えば55wt%のフッ化水素水溶液とエタノールとを略1:1で混合した電解液中で陽極酸化処理することにより断熱部2となる多孔質シリコン層を形成することができる。ここに、陽極酸化処理の条件(例えば、電流密度、通電時間など)を適宜設定することにより、断熱部2となる多孔質シリコン層の多孔度や厚みそれぞれを所望の値とすることができる。多孔質シリコン層は、多孔度が高くなるにつれて熱伝導率および熱容量が小さくなる。なお、本実施形態の赤外線センサでは、断熱部2の厚さを10μmとしてあるが、この数値は特に限定するものではない。
ここにおいて、本実施形態における断熱部2は、多孔度が略70%の多孔質シリコン層により構成してあるが、多孔度が小さ過ぎると十分な断熱効果が得られず多孔度が大き過ぎると機械的強度が弱くなって構造形成が困難となるので、多孔質シリコン層の多孔度は例えば40%〜80%程度の範囲内で適宜設定すればよい。
ここで、断熱部2の熱コンダクタンスGは、断熱部2の材料の熱伝導率をα〔W/(m・K)〕、断熱部2の厚さをL〔μm〕、断熱部2の断面積をSとすれば、G=α×(S/L)で求められるが、仮に、断熱部2の材料がSiOの場合には、α=1.4〔W/(m・K)〕、L=10〔μm〕、S=2500〔μm〕とすれば、熱コンダクタンスGは、
G=α×(S/L)=35×10−5〔W/K〕となる。
これに対して、本実施形態のように、断熱部2を多孔度が略70%の多孔質シリコン層により構成している場合には、α=0.1〔W/(m・K)〕、L=10〔μm〕、S=2500〔μm〕とすれば、熱コンダクタンスGは、
G=α×(S/L)=2.5×10−5〔W/K〕
となり、断熱部2がSiO膜により構成される比較例の熱コンダクタンスGの10分の1よりも小さな値となるから、断熱部2を通した熱伝達をより抑制することができ、高感度化を図れる。
また、断熱部2の熱容量Cは、断熱部2の体積比熱をcv、断熱部2の面積をA〔μm〕、断熱部2の厚さをd〔μm〕とすれば、C=cv×A×dで求められるが、仮に、断熱部2の材料がSiOの場合には、cv=1.8×10〔J/(m・K)〕、A=2500〔μm〕、d=10〔μm〕とすれば、熱容量Cは、
C=cv×A×d=45×10−9〔J/K〕となる。
これに対して、本実施形態のように、断熱部2を多孔度が略70%の多孔質シリコン層により構成している場合には、cv=0.5×10〔J/(m・K)〕、A=2500〔μm〕、d=10〔μm〕とすれば、熱容量Cは、
C=cv×A×d=12.5×10−9〔J/K〕
となり、断熱部2がSiO膜により構成される比較例の熱容量Cの3分の1よりも小さな値となるから、時定数が小さくなって応答速度の高速化を図れる。
以下、本実施形態の赤外線センサの製造方法について図2を参照しながら説明する。なお、図2では、図1(b)と同様に、図1(a)のA−A’断面に対応する部位の断面を示してある。
まず、p形の単結晶のシリコン基板からなるベース基板(後述のダイシングを行うまではウェハ)1の上記一表面側に上記絶縁膜(図示せず)を陽極酸化処理時のマスクとして形成してから、ベース基板1の他表面(図1(b)における下面)側に陽極酸化処理時に用いる通電用電極(図示せず)を形成した後、ベース基板1の上記一表面側における断熱部2の形成予定部位を陽極酸化処理にて多孔質化することで多孔質シリコン層からなる断熱部2を形成する陽極酸化処理工程を行うことによって、図2(a)に示す構造を得る。ここにおいて、陽極酸化処理工程では、電解液として55wt%のフッ化水素水溶液とエタノールとを1:1で混合した混合液を用い、ベース基板1を主構成とする被処理物を処理槽に入れられた電解液に浸漬し、通電用電極を陽極、ベース基板1の上記一表面側に対向配置された白金電極を陰極として、電源から陽極と陰極との間に所定の電流密度(例えば、20mA/cm)の電流を所定時間(例えば、8分)だけ流す陽極酸化処理を行うことによりベース基板1の上記一表面側に所定厚さ(例えば、10μm)の多孔質シリコン層からなる断熱部2を形成している。なお、陽極酸化処理の条件は特に限定するものではなく、電流密度は例えば1〜500mA/cm程度の範囲内で適宜設定すればよいし、上記所定時間も断熱部2の上記所定厚さに応じて適宜設定すればよい。
その後、ベース基板1の上記一表面側の全面に下部電極3aおよび金属配線4aの基礎となるクロム膜をスパッタ法などにより成膜した後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して当該クロム膜をパターニングすることでそれぞれ当該クロム膜の一部からなる下部電極3aおよび金属配線4aを同時に形成することによって、図2(b)に示す構造を得る。
次に、ベース基板1の上記一表面側の全面に抵抗体層3bの基礎となるアモルファスシリコン層をCVD法などにより成膜してから、当該アモルファスシリコン層をパターニングすることで当該アモルファスシリコン層の一部からなる抵抗体層3bを形成することによって、図2(c)に示す構造を得る。
その後、ベース基板1の上記一表面側の全面に上部電極3cおよび金属配線4cの基礎となるクロム膜をスパッタ法などにより成膜した後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して当該クロム膜をパターニングすることでそれぞれ当該クロム膜の一部からなる上部電極3cおよび金属配線4cを同時に形成することによって、図2(d)に示す構造を得る。
その後、ベースの上記一表面側の全面に各パッド5a,5cの基礎となるアルミニウム膜をスパッタ法などにより成膜した後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して当該アルミニウム膜をパターニングすることでそれぞれ当該アルミニウム膜の一部からなるパッド5a,5cを形成することによって、図2(e)に示す構造を得る。
更にその後、ベース基板1の上記一表面側の全面に赤外線吸収層6の基礎となるSiON膜をCVD法などにより成膜してから、当該SiON膜をパターニングすることで当該SiON膜の一部からなる赤外線吸収層6を形成することによって、図2(f)に示す構造を得る。その後、ダイシングを行うことで個々の赤外線センサに分割すればよい。
以上説明した本実施形態の赤外線センサでは、ベース基板1と温度検知部3との間に介在して温度検知部3からベース基板1への熱伝導を阻止する断熱部2を備え、当該断熱部2が多孔質材料により形成されているので、断熱部2の熱コンダクタンスを小さくできて高感度化を図れ、且つ、断熱部2の熱容量を小さくできて応答速度の高速化を図れ、しかも、従来のような支持梁部を形成する必要がなく製造が容易になるとともに機械的強度を高めることが可能となる。また、本実施形態の赤外線センサでは、温度検知部3に赤外線吸収層6が積層されているので、より一層の高感度化を図れる。
ところで、上記実施形態では、ベース基板1として単結晶のp形のシリコン基板を採用しているが、ベース基板1は単結晶のp形のシリコン基板に限らず、多結晶あるいはアモルファスのp形のシリコン基板でもよいし、また、p形に限らず、n形あるいはノンドープであってもよく、ベース基板1の種類に応じて陽極酸化処理の条件を適宜変更すればよい。また、上記実施形態では、ベース基板1の材料としてSiを採用しているが、ベース基板1の材料はSiに限らず、例えば、Ge,SiC,GaP,GaAs,InPなどの陽極酸化処理による多孔質化が可能な他の半導体材料でもよい。したがって、断熱部2を構成する多孔質層も多孔質シリコン層に限らず、例えば、多結晶シリコンを陽極酸化処理することにより形成した多孔質多結晶シリコン層や、シリコン以外の半導体材料からなる多孔質半導体層でもよい。
(実施形態2)
ところで、実施形態1では、ベース基板1の一部を陽極酸化処理することにより断熱部2を形成していたが、本実施形態の赤外線センサでは、図3に示すように、ベース基板1の一表面(図3(b)における上面)上に断熱部2を形成している点などが相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態の赤外線センサでは、ベース基板1上に断熱部2が形成され、断熱部2上に温度検知部3および各金属配線4a,4cが形成され、各金属配線4a,4cそれぞれの一部の上にパッド5a,5cが形成されている。
ところで、本実施形態の赤外線センサでは、断熱部2の多孔質材料として、多孔質の酸化シリコンの一種であるポーラスシリカを採用しているが、多孔質の酸化シリコン系有機ポリマーの一種であるメチル含有ポリシロキサン、多孔質の酸化シリコン系無機ポリマーの一種であるSi−H含有ポリシロキサン、シリカエアロゲルなどを採用してもよい。
ここにおいて、本実施形態における断熱部2は、多孔度が60%のポーラスシリカ膜により構成してあるが、多孔度が小さ過ぎると十分な断熱効果が得られず多孔度が大き過ぎると機械的強度が弱くなって構造形成が困難となるので、ポーラスシリカ膜の多孔度は例えば40%〜80%程度の範囲内で適宜設定すればよい。
ここで、断熱部2の熱コンダクタンスGは、仮に、断熱部2の材料がSiOの場合には、α=1.4〔W/(m・K)〕、L=10〔μm〕、S=2500〔μm〕とすれば、
G=α×(S/L)=35×10−5〔W/K〕となる。
これに対して、本実施形態のように、断熱部2を多孔度が60%のポーラスシリカ膜により構成している場合には、α=0.01〔W/(m・K)〕、L=10〔μm〕、S=2500〔μm〕とすれば、熱コンダクタンスGは、
G=α×(S/L)=0.25×10−5〔W/K〕
となり、断熱部2がSiO膜により構成される比較例に比べて100分の1よりも小さな値となるから、断熱部2を通した熱伝達をより抑制することができ、高感度化を図れる。
また、断熱部2の熱容量Cは、仮に、断熱部2の材料がSiOの場合には、cv=1.8×10〔J/(m・K)〕、A=2500〔μm〕、t=2〔μm〕とすれば、
C=cv×A×d≒90.4×10−10〔J/K〕となる。
これに対して、本実施形態のように、断熱部2を多孔度が60%のポーラスシリカ膜により構成している場合には、cv=0.7×10〔J/(m・K)〕、A=2500〔μm〕、d=2〔μm〕とすれば、熱容量Cは、
C=cv×A×d=35.2×10−10〔J/K〕
となり、熱容量Cを断熱部2がSiO膜により構成される比較例に比べて半分よりも小さな値となるから、時定数が小さくなって応答速度の高速化を図れる。
ところで、本実施形態の赤外線センサの製造方法は実施形態1にて説明した製造方法と略同じであって、断熱部2の形成方法が相違する。すなわち、本実施形態における断熱部2の形成にあたっては、上記多孔質材料がポーラスシリカの場合には、ゾルゲル溶液をベース基板1の上記一表面上に回転塗布してから、熱処理で乾燥させるプロセスを採用することで容易に形成することができ、上記多孔質材料がシリカエアロゲルの場合には、ゾルゲル溶液をベース基板1の上記一表面上に回転塗布してから、超臨界乾燥処理で乾燥させるプロセスを採用することで容易に形成することができる。
以上説明した本実施形態の赤外線センサでは、実施形態1の赤外線センサと同様に、断熱部2の熱コンダクタンスを小さくできて高感度化を図れ、且つ、断熱部2の熱容量を小さくできて応答速度の高速化を図れ、しかも、従来のような支持梁部を形成する必要がなく製造が容易になるとともに機械的強度を高めることが可能となる。
なお、上記各実施形態にて説明した赤外線センサは、赤外線吸収層6と温度検知部3とを備えたセンサ部を1つだけ設けた赤外線検出素子であるが、赤外線吸収層6と温度検知部3とを備えたセンサ部を2次元アレイ状(マトリクス状)に配列し各センサ部が画素を構成するようにした赤外線画像センサでもよい。また、上記各実施形態では、赤外線吸収層6を温度検知部3に積層してあるが、赤外線吸収層6は必ずしも設ける必要はない。
実施形態1を示し、(a)は概略斜視図、(b)は(a)のA−A’概略断面図である。 同上の製造方法を説明するための主要工程断面図である。 実施形態2を示し、(a)は概略斜視図、(b)は(a)のA−A’概略断面図である。
符号の説明
1 ベース基板
2 断熱部
3 温度検知部
3a 下部電極
3b 抵抗体層
3c 上部電極
4a,4c 金属配線
5a,5c パッド
6 赤外線吸収層

Claims (5)

  1. ベース基板と、ベース基板の一表面側に形成されて赤外線を吸収するとともに該吸収による温度変化を検知する温度検知部と、ベース基板の前記一表面側でベース基板と温度検知部との間に介在して温度検知部からベース基板への熱伝導を阻止する断熱部とを備え、断熱部が多孔質材料により形成されてなることを特徴とする赤外線センサ。
  2. 前記温度検知部は、温度に応じて電気抵抗値が変化するセンシングエレメント、温度に応じて誘電率が変化するセンシングエレメント、サーモパイル型のセンシングエレメント、焦電型のセンシングエレメントの群から選択される1つのセンシングエレメントからなることを特徴とする請求項1記載の赤外線センサ。
  3. 前記ベース基板がシリコン基板からなるとともに、前記多孔質材料が多孔質シリコンであり、前記断熱部は、前記ベース基板の一部を陽極酸化処理することにより形成されてなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の赤外線センサ。
  4. 前記多孔質材料は、多孔質の酸化シリコン、多孔質の酸化シリコン系有機ポリマー、多孔質の酸化シリコン系無機ポリマーの群から選択される材料であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の赤外線センサ。
  5. 前記温度検知部に積層され赤外線を吸収する赤外線吸収層を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の赤外線センサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009210289A (ja) * 2008-02-29 2009-09-17 Panasonic Electric Works Co Ltd 赤外線検出システム
KR101244459B1 (ko) * 2011-04-04 2013-03-18 한국과학기술원 적외선 흡수체 및 이를 이용한 적외선 검출기
WO2022176949A1 (ja) * 2021-02-19 2022-08-25 国立大学法人横浜国立大学 赤外線検出器および赤外線検出器を備えたガスセンサ

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