JP3196823B2 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱を利用した半導
体装置の感度の改善に関し、特に熱型赤外線センサ、フ
ローセンサ、ガスセンサ、圧力センサ等の熱型マイクロ
センサの感度、歩留まりの改善に関するものである。
【0002】熱型マイクロセンサは、基板上に熱分離し
た構造体を形成し、その構造体の温度変化から各種物理
量を検出するものである。
【0003】
【従来の技術】従来のこの種の半導体装置としては、例
えば図6に熱型赤外線センサの一例を示すように、半導
体基板601の表面にセンサからの信号を読み出すため
の走査回路602を形成し、その上に熱的に分離した構
造体(ダイヤフラム)609を作り、このダイヤフラム
上に検出器(熱電変換素子)であるチタンボロメータ6
08を形成している。センサに入射した赤外線は、この
ダイヤフラム609に吸収され、ダイヤフラムの温度を
変化させる。この温度変化は、チタンボロメータ608
によって電気信号に変換され、走査回路602を通じて
センサ外部に読み出される。
【0004】この熱型赤外線センサの製造方法は、まず
半導体基板601の表面に通常のシリコンプロセスを用
いて走査回路602、ポリシリコンゲート603等を形
成する。この上に後にエッチングされて空洞となる犠牲
層ポリシリコン604を島状に形成し、その間をBPS
G等のシリコン酸化膜605で埋める。さらにその上に
走査回路のアルミ配線であるグラウンド配線606、信
号線607を形成する。犠牲層ポリシリコン604上に
は、ダイヤフラム609となるシリコン酸化膜を形成
し、その上にチタンボロメータ608、赤外線吸収層6
10を形成する。赤外線吸収層610としてこの例で
は、窒化チタンTiNを用いている。最後に犠牲層ポリ
シリコン604に通じる図6(b)スルーホール611
を形成して、その穴を通じて犠牲層ポリシリコン604
をエッチングによって取り除き、宙に浮いた熱分離構造
を作る。この熱分離構造は、図6(b)の様に長い足と
大きな受光面積を持っている(例えば特開平8−105
794参照)。
【0005】またUS PATENT 5286976
に示す例では、この様なボロメータ材料としてバナジウ
ム酸化物(V2O3,VOx)、チタン酸化物(TiO
x)を使う例を記載されている。
【0006】さらに特開平6−147993に示す例で
は、ボロメータ材料としてポリシリコンを用いている。
【0007】さらに特開平5−40064に示す例で
は、熱型赤外線センサの熱電変換素子としてショットキ
ー接合ダイオードの逆方向飽和電流の温度依存性を使う
例が示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】第1の問題点は、図6
の様な熱型赤外線センサはダイヤフラムの熱分離が不十
分であることである。これは熱型赤外線センサ以外の熱
型マイクロセンサにも言えることである。図6の熱型赤
外線センサでは、ダイヤフラムは細く長い足を持ってい
るが、この足の上に検出器からの信号を伝える配線を通
す必要がある。この配線は当然電気抵抗を小さくする必
要があることから、通常チタン等の金属を用いる。この
例では熱を電気信号に変換するボロメータもチタンであ
るが、他の例ではボロメータは酸化物半導体等を用い、
足部の配線は金属を用いているものもある。この様に足
部に金属配線を通すと、金属は一般に熱伝導率が高いた
め熱の逃げが大きくなる。
【0009】第2の問題点は、図6の熱型赤外線センサ
ではボロメータとしてチタンを用いているが、チタンの
抵抗温度係数(TCR)は薄膜で0.25%/K程度で
あり、大きな感度を得るのが難しいことである。他の熱
型赤外線センサの例ではボロメータとしてバナジウム酸
化物を用いているものもあるが、バナジウムは通常のシ
リコンプロセスでは使用できない元素であり、専用のプ
ロセスラインを作る必要があり実現が難しい。ボロメー
タとしてTiOxを用いる例もあるが、TiOxは一般
に比抵抗が高く、これに起因して1/fノイズが大きい
とい問題がある。
【0010】ボロメータとして、ポリシリコン、ショッ
トキーダイオードを使う例もあるが、同様に1/fノイ
ズが大きい問題がある。
【0011】また、一般に熱分離したダイヤフラムの熱
コンダクタンスを低下させようとすると、ダイヤフラム
を支える足部の断面積を小さくする必要があり、構造体
の強度が低下する。構造体の強度の低下は、プロセス変
動などによるダイヤフラムの下地への接触の危険性を高
め、歩留まりを低下させる。
【0012】本発明の目的は、熱を利用した半導体装
置、特に熱型マイクロセンサのS/N等の性能、および
歩留まりを改善することである。
【0013】熱型マイクロセンサは、一般に熱分離した
構造体上の温度変化を検知して各種物理量を検出するも
のであり、この温度変化の検知能力を上げることが感度
アップにつながる。また変換素子に電流を流す場合、変
換素子に存在する1/fノイズが問題となり、この1/
fノイズを下げることでS/Nを改善できる。
【0014】
【課題を解決するための手段】以下、上述の本発明の課
題を解決させるための具体的手段を揚げる。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】(1)半導体基板上に接触して支持され、
半導体基板との間に空間を有する構造体と、その構造体
上に温度変化を抵抗変化に変換する変換素子を持ち、こ
の変換素子として金属シリサイドを用いることを特徴と
する半導体装置。
【0021】(2)半導体基板上に接触して支持され、
半導体基板との間に空間を有する構造体と、その構造体
上に温度変化を電気信号に変換する変換素子を持ち、こ
の変換素子としてチタンシリサイドを用いることを特徴
とする半導体装置。
【0022】(3)半導体基板上に接触して支持され、
半導体基板との間に空間を有する構造体と、その構造体
上に温度変化を抵抗変化に変換する変換素子を持ち、こ
の変換素子としてTixOyに比抵抗を低下させる機能
を有する1種類以上の元素または化合物を添加した材料
を用いることを特徴とする半導体装置。
【0023】(4)(3)記載の半導体装置において、
添加元素または化合物としてBa、Srまたはこれらの
化合物を用いることを特徴とする半導体装置。
【0024】(5)半導体基板上に接触して支持され、
半導体基板との間に空間を有する構造体と、その構造体
上に温度変化を電気信号に変換する変換素子を持ち、こ
の変換素子としてCuxOyを用いることを特徴とする
半導体装置。
【0025】(6)半導体基板上に接触して支持され、
半導体基板との間に空間を有する構造体と、その構造体
上に温度変化を電気信号に変換する変換素子を持ち、こ
の変換素子としてCuxTiyOzを用いることを特徴
とする半導体装置。
【0026】(7)半導体基板上に接触して支持され、
半導体基板との間に空間を有する構造体と、その構造体
上に物理量を電気信号に変換する変換素子を持ち、この
変換素子と半導体基板を結ぶ配線材料の抵抗値と変換素
子の抵抗値を同じとすることを特徴とする半導体装置。
【0027】(8)半導体基板上に接触して支持され、
半導体基板との間に空間を有する構造体と、その構造体
上に第1の層と、この上に第1の層より圧縮応力の大き
い第2の層を持ち、この第1の層の膜厚が50〜500
オングストロームであり、第2の層から見た第1の層の
面積が、第2の層から見た薄膜構造体の面積の3/4以
下にすることを特徴とする半導体装置。
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【作用】ダイヤフラム上の変換素子と基板とを結ぶ配線
としてチタンシリサイドを用いることで、この部分の電
気抵抗を下げられ、熱の逃げを少なくすることができ、
S/Nを改善できる。
【0032】チタンシリサイドを、TiSixの組成に
対してxをほぼ2とすることで、この部分の電気抵抗を
さらに下げられる。ここでxは1.5〜2.5、好まし
くは1.8〜2.2、さらに好ましくは1.9〜2.1
である。
【0033】チタンシリサイドはC54の結晶構造にす
ることで、この部分の電気抵抗をさらに下げられる。
【0034】熱電変換素子としてTixOyに1種類以
上の元素または化合物を添加した材料、CuxOyに1
種類以上の元素または化合物を添加した材料またはCu
xTyOzを使うことで、大きな抵抗温度係数と小さな
1/fノイズを得ることができ、S/Nを改善できる。
【0035】熱分離した構造体と、その構造体上に物理
量を電気信号に変換する変換素子を持ち、その構造体と
半導体基板を結ぶ配線材料の抵抗値と変換素子の抵抗値
を同じとすることで、熱の逃げを防ぎながら配線材料で
の電圧降下を低減でき、S/Nを改善できる。
【0036】熱分離した構造体上に第1の層と、この上
に第1の層より圧縮応力の大きい第2の層を持つこと
で、構造体の下地への接触を防ぎ、歩留りを増大でき
る。
【0037】また、この第1の層の面積を熱分離した構
造体の面積の3/4以下にすることで、後に述べる残像
の問題を無くすことだでき、歩留りを増大できる。
【0038】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態について
図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明を熱型マ
イクロセンサに応用した例である。図1を参照すると、
本発明の最良の実施の形態は半導体基板101上に集積
回路102を持ち、その上に誘電体層103、105と
その上に空洞104を持っている。空洞の上には長い足
部107を持ったダイヤフラム108を持ち、ダイヤフ
ラム上には熱電変換素子110を持っている。足部10
7上には足部配線109を持っている。誘電体層105
の上には集積回路102の回路配線106を持ってい
る。熱電変換素子110と足部配線109との接続は、
コンタクト112を通じて行っている。
【0039】このデバイスはダイヤフラムの熱の逃げを
防ぐために、通常真空パッケージを用いてデバイスを真
空中で動作させる。ダイヤフラムの熱の授受は、この長
い足部107と放射を通じてのみで行われるため、熱の
逃げが非常に小さいいわゆる熱分離した構造体を実現す
ることができる。
【0040】この熱型マイクロセンサの製造方法を図2
のプロセスフローを併用して説明する。まず通常のシリ
コンICプロセスを用いてシリコン基板101上に集積
回路102を形成する(図2(a))。集積回路はCM
OS回路が小さい消費電力や、少ないプロセス工程数の
点で有利であるが、低ノイズや低抵抗動作が必要なとき
はBiCMOS(バイポーラ−CMOS)プロセス、又
はバイポーラプロセス(リニアICプロセス)を用いる
ことも可能である。
【0041】集積回路102の上には、誘電体層103
を形成する。誘電体層103として、シリコン酸化膜又
はシリコン窒化膜などが形成可能である。製造方法とし
て、CVD(気相成長)法やスパッタ法、蒸着法などの
PVD(物理的成長)法などの方法で形成できる。特に
CVD法によるBPSG(ボロンーリン−シリケートガ
ラス)は、その良好な段差被覆性の点で都合がよい。こ
の誘電体層103の膜厚としては、プロセスによっても
異なるが、LOCOSやゲートポリシリコン等の起伏を
平坦化できる膜厚であり、かつコンタクトホールの深さ
が深くなりすぎない厚さである必要がある。通常、CM
OS、BiCMOS、リニアICプロセス等では、50
00オングストローム程度の凹凸があり、これを平坦化
できる0.5μm程度以上の厚さが望ましい。また実際
にコンタクトエッチングの条件出しを行い、誘電体層1
03の厚さが1μm程度以下であれば、十分コンタクト
形成が可能であることがわかっている。この時のコンタ
クト寸法は1μm角程度である。以上の膜厚は一連のプ
ロセスを経た後の仕上がり膜厚である。
【0042】この誘電体層103として近年超LSIプ
ロセスで用いられているCMP(ケミカルーメカニカル
ーポリッシング)法を用いたシリカ等を用いることもで
きる。
【0043】この誘電体層103の上に後にエッチング
によって取り除いて空洞104となる犠牲層を形成す
る。この犠牲層としては、ヒドラジンやTMAHなどの
アルカリエッチングが可能なポリシリコン、又はふっ酸
エッチングが可能なシリコン酸化膜が形成できる(犠牲
層としてシリコン酸化膜を使用する場合は、誘電体層は
シリコン窒化膜を用いる必要がある)。
【0044】この犠牲層104を通常のホトリソグラフ
ィー技術とエッチング技術を用いて図2(b)の様に島
状にパターニングする。エッチングとしてプラズマエッ
チングが最適である。この島状に形成した犠牲層104
の間を埋めるように、誘電体層105をさらに形成する
(図2(c))。この誘電体層105は、誘電体層10
3と同じ材料で良い。
【0045】この犠牲層104と誘電体層105の厚さ
は、犠牲層104に対して誘電体層105の膜厚を同じ
にするか、やや大きくする。これは犠牲層104のかど
(図1、2のa部)をチタンシリサイドが横切るため、
この部分に段差を作らないようにして、断線を防ぐため
である。
【0046】この犠牲層104に対して誘電体層105
の膜厚を大きくする量は、プロセス(誘電体層105の
だれ性)にもよるが、通常のシリコンプロセスでは実験
的に仕上がり寸法で0〜1μm程度で良好な結果が得ら
れている。
【0047】犠牲層104の絶対的な厚さとしては、ダ
イヤフラム108(図1に記載)の反り量にもよるが、
ある程度反っても下地に接触しない1000オングスト
ローム程度から、通常のCVDプロセスで形成できる最
大膜厚である5μm程度以下で形成する。好ましい膜厚
としては、100μm角程度のダイヤフラムの反り量は
通常0.5μm以下なので、これだけ反っても接触しな
いように0.5μm以上程度が好ましい。
【0048】またコンタクト111は集積回路102と
コンタクトをとるため、犠牲層104が厚くなり誘電体
層105の厚さが増大すると、この場合もコンタクトホ
ールの深さが深くなってしまう。これを考慮して通常の
シリコンプロセスでは犠牲層104の厚さは、0.5か
ら1.5μm程度が好ましい。
【0049】この誘電体層105の上にダイヤフラム1
08又は足部107となる誘電体層をさらに形成する。
この材料としては誘電体層103、105と同じ材料が
使用できる。このダイヤフラム108、足部107の誘
電体層は、誘電体層105そのものであっても良いが、
次の理由により誘電体層105とは分けて形成した法が
好ましい。
【0050】前述したようにa部は足部配線109が横
切るため、この部分に段差が生じないようにする必要が
ある。a部の段差を無くすには、まず犠牲層104を島
状にパターニングした後、誘電体層105を全面に形成
する。しかる後に島状にある犠牲層104の隙間に誘電
体層105が残るように誘電体層105をパターニング
して、図1、2のb部に誘電体層105を残す。
【0051】前述したように誘電体層105は犠牲層1
04より約0から1μm程度厚い。これに対して900
℃60分程度の窒素雰囲気中のアニールをかけると、パ
ターニングした誘電体層105のかどはなめらかな曲率
となり、段差が無くなる。尚、図1b部の寸法は島状に
形成した犠牲層104の隙間に対して0から10μm程
度大きくすると、105として各種誘電体層を用いた実
験において良い結果が得られている。好ましくは誘電体
層105としてBPSGやPSG等を用いた場合で、図
1b部の寸法を犠牲層104の隙間より4〜6μm程度
大きくすると最良の結果が得られる。
【0052】このダイヤフラム108又は足部107と
なる誘電体層は、シリコン酸化膜だけ又はシリコン窒化
膜だけというように単層で形成することもできるが、図
3(a)のように引っ張り応力(縮む方向)の膜201
と圧縮応力(延びる方向)の膜202を順次形成するこ
とで、バイメタル効果でわずかに凸に反った宙に浮いた
構造を実現できる。これによりダイヤフラムが下地に接
触する危険性を大幅に減らすことができる。
【0053】引っ張り応力の膜201としてLPCVD
等で形成したシリコン窒化膜、圧縮応力の膜としてプラ
ズマCVDで形成したシリコン酸化膜などが最適であ
る。この時の引っ張り応力の膜201の厚さとしては、
50〜500オングストローム程度において良好な凸型
形状が得られている。より好ましくは、150〜300
オングストローム程度で過度な浮き上がりがない、適度
な凸型形状が得られる。この時の圧縮応力(延びる方
向)の膜202の厚さは、3000〜15000オング
ストローム程度が凸型形状を得る上でよいことが実験に
より確認されている。また引っ張り応力(縮む方向)の
膜201と、圧縮応力(延びる方向)の膜202は、相
対的に202の方に圧縮応力があれば、バイメタル効果
が発揮できる。
【0054】一方、引っ張り応力の膜201としてシリ
コン窒化膜を用いると、熱型赤外線イメージセンサの用
途において残像が生じるという問題がある。この原因は
定かではないが、シリコン窒化膜中に何らかの熱的トラ
ップが存在している可能性もある。残像が問題にならな
い用途では、図3(b)の様にダイヤフラムのほは全面
に引っ張り応力の膜201を形成しても良いが、残像が
問題になる用途では図3(c)、(d)の様にダイヤフ
ラムの一部に形成することで残像を無くすことができ
る。また引っ張り応力の膜201の応力が強すぎる場
合、この様にダイヤフラムの一部に形成することで、ダ
イヤフラムの反り量を面積で制御することもできる。
【0055】図3(c)は引っ張り応力の膜201を正
方形状に入れた揚合で、図3(d)は斜めに対角線状に
入れた場合であり、ダイヤフラムの寸法や形状により任
意に選択可能である。実験によれば引っ張り応力の膜2
01をダイヤフラムの面積の3/4以下にすることで、
残像現象を回避できる。
【0056】足部配線109、熱電変換素子110は、
図3(a)のようにシリコン窒化膜201とシリコン酸
化膜202の間に形成しても良いが、シリコン酸化膜2
02の形成を2回に分けて、シリコン酸化膜202の間
に形成しても良い。
【0057】回路配線106は、足部配線109の直前
に酸化膜等を介さずに形成することで、足部配線109
と回路配線106のコンタクトを省略できる。回路配線
106は、回路コンタクト111により集積回路102
とコンタクトをとる。回路配線106の材料としては、
通常の集積回路で用いるAl、AlSiまたはAlSi
Cu等が使用できる。
【0058】この例では熱電変換素子110はつづら状
に形成している。熱電変換素子としてボロメータを用
い、そのボロメータ材料の比抵抗が小さいとき、ボロメ
ータ抵抗を大きくできる効果がある。これは全体抵抗に
おけるボロメータ抵抗の割合をある程度大きくしない
と、後述するノイズの増大や信号の低下の問題が起きる
ためである。ボロメータ材料の比抵抗が10μΩcmか
ら1mΩCm程度のとき、ボロメータをつづら状にする
ことでボロメータ抵抗を1KΩから100KΩ程度にす
ることができるためである。この時のボロメータの幅は
1から10μm程度、厚さは100オングストロームか
ら1μm程度にする。ボロメータの幅はあまり小さいと
抵抗ばらつきの原因となり、あまり大きいとボロメータ
抵抗を高抵抗にできない。ボロメータの厚さは、あまり
厚くすると高抵抗にできず、余り薄くすると自然酸化膜
等による界面の影響が強くなってしまう。
【0059】足部配線109の幅も1から10μm程
度、厚さは100オングストロームから1μm程度にす
る。足部配線の幅もあまり小さいと抵抗ばらつきの原因
となり、またあまり大きいと足部の占める面積が大きく
なり、ダイヤフラム108の面積が小さくなってしま
う。
【0060】足部配線109の材料としては、足部での
電圧降下を抑えるために電気抵抗が低い必要があり、さ
らに熱の逃げを防いでセンサの感度を上げるために、熱
伝導率が低いことが必要である。チタン、又は金属シリ
サイドは、金属的な電気伝導を示して電気抵抗が低い上
に一般の金属よりも熱伝導率が低い特徴がある。特にチ
タンシリサイドは、チタンと同程度の熱伝導率約0.2
W/cm/Kであるが、比抵抗はチタンより1/4程度
低い約30μΩ・cmという値が実験において得られて
いる。チタンの比抵抗は約120μΩ・cmである。こ
れらの値は全て1000オングストローム程度の薄膜で
の実験値である。
【0061】本発明ではチタンシリサイドの他に、他の
金属シリサイドも使用でき、タングステンシリサイド、
コバルトシリサイド等は比抵抗が低い上に、一般のシリ
コンラインで使用できるため好ましい。
【0062】ダイヤフラムや足部の材料である誘電体
層、特にシリコン酸化膜の熱伝導率は十分低いため(約
0.01W/cm/K)、通常ダイヤフラムの熱伝導率
は足部配線の熱伝導率で決まる。
【0063】ちなみにAlやCu、Ptなどの一般の金
属の比抵抗は、チタンシリサイドと同程度かやや低い値
であるが、熱伝導率は約1〜5W/cm/Kであり、チ
タンやチタンシリサイドより5〜l0倍大きい。従って
チタンやチタンシリサイドを足部配線に用いることによ
って、一般の金属を用いる場合より熱の逃げを防ぐこと
ができ、感度を5〜10倍上げられる。特にチタンシリ
サイドは、チタンより1/4程度比抵抗が小さいため、
配線部分での電圧降下を抑えられ、熱電変換素子からの
信号電圧の減少を抑えられる。
【0064】ここで足部配線の抵抗と熱電変換素子の抵
抗の比率をボロメータ型赤外線センサを例にとって考え
てみる。ダイヤフラムの熱コンダクタンスは、通常足部
配線の熱伝導率が大きいため、足部配線の熱コンダクタ
ンスで決まることが多い。
【0065】この条件において、ダイヤフラムの熱コン
ダクタンスをGth、ボロメータ抵抗をRB、足部配線抵
抗をRL、印加電圧をVOとして、感度Resは式1(数
1)となる。
【0066】
【数1】
【0067】一方、ジョンソンノイズが支配的であると
き、ボルツ マン定数をk、温度をT、回路系の帯域を
△fとして、ノイズ電圧vnは式2(数2)となり、
【0068】
【数2】 従って式3(数3)のようにS/Nは
【0069】
【数3】 に比例する。
【0070】ダイヤフラムの熱コンダクタンスが足部配
線の熱コンダクタンスで決まるとき、GthとRLは反比
例する。これは、足部配線の材料が決まるとその 材料
の熱伝導率σth、電気電導率σel、足部の長さ1、足部
配線の断面積Aから、式4(数4)および式5(数5)
の関係が成り立つ。
【0071】
【数4】 Gth=σthA/l (4)
【0072】
【数5】 RL=l/σel/A (5) この関係 と式(3)から、式(6)の関係が成り立
つ。
【0073】
【数6】
【0074】式(6)はRB=RLのときに最大となるた
め、ダイヤフラムの熱コンダクタンスが足部配線の熱コ
ンダクタンスで決まるとき、ボロメータ抵抗と足部配線
抵抗ほぼ同じにすると良い。ここで足部配線抵抗とは、
図1のように2本の足がある場合、その合計の抵抗であ
ることは言うまでもない。
【0075】但しダイヤフラムの熱コンダクタンスが、
足部配線以外の熱コンダクタンス(例えば放射の熱コン
ダクタンスや誘電体層の熱コンダクタンス)で決まる場
合もあり、この場合はRLはRBにかかわらず小さい方が
よい。
【0076】又、ダイヤフラムの熱コンダクタンスが足
部配線の熱コンダクタンスで決まっても、熱時定数の関
係でダイヤフラムの熱コンダクタンスをあまり下げられ
ない場合、必ずしもRB=RLが最適でない。ダイヤフラ
ムの熱時定数τthは、ダイヤフラムの熱容量をCthとし
て、τth=th/Gthとなり、Gthが小さくなるとダイ
ヤフラムの熱的応答スピードが悪化する。RLはGth
反比例するため、RLをRBと同程度まで大きくできない
場合がある。
【0077】例えば20から100μm角程度のダイヤ
フラムを形成したとき、通常ダイヤフラムの熱コンダク
タンスGthは0.1から1μW/K程度、熱容量は1か
ら5nJ/Kとなり、熱時定数τthは1から50ms程
度になる。通常テレビジョンのフレーム周期は17から
33ms程度であるため、熱時定数τthがあまり大きい
と高速で動く被写体をとらえにくくなる(いわゆるMo
dulation Transfer Functio
nが悪化する)。
【0078】次に足部配線の形成方法であるが、足部配
線としてチタンを採用した揚合、チタンの形成方法とし
ては適常のスパッタリング法で行える他、蒸着法やCV
D法などによっても可能である。
【0079】足部配線としてチタンシリサイドを採用し
た場合、チタンシリサイドの形成方法としては、ポリシ
リコン又はアモルファスシリコンを形成した後チタンス
パッタを行い、アニール(シンタ)によってシリサイド
化する方法、チタンシリサイドターゲットを用いたスパ
ッタリング法などが行える。このうちアモルファスシリ
コン形成後にチタンをスパッタする方法は、比抵抗を非
常に小さくすることが可能であり最適である。アモルフ
ァスシリコンの成長方法はスパッタリング法の他に、約
500℃程度の低温でのLPCVDでも行える。チタン
スパッタ後のアニール(シンタ)方法としては、700
〜900℃程度で30秒程度ランプアニールする方法
が、低抵抗な結晶構造であるC54−TiSi2が形成
でき好ましい。
【0080】TiのシリサイドはTi5Si3、TiS
i、TiSi2等が存在するが、C54−TiSi2の比
抵抗が最も小さく好ましい。通常の製法では多結晶体と
なっているため、多結晶体の各グレインの構造がC54
−TiSi2になっていれば良い。仮にTi、Siのど
ちらかが過剰となり、未反応のままグレイン境界に残っ
ても、ある程度の範囲までは多結晶体としての全体の特
性を保持できる。この範囲はTiSixのxが1.5〜
2.5であり、好ましくは1.8〜2.2、さらに好ま
しくは1.9〜2.1である。
【0081】熱電変換素子110の材料としては、熱電
変換素子として熱電対型を採用した場合、P型、N型ポ
リシリコンなどが使用可能である。熱電変換素子として
焦電型を採用した場合は、Zr元素を添加したチタン酸
鉛系セラミック(PZT)や、La元素を添加したチタ
ン酸鉛系セラミック(PLT)等が使用可能である。熱
電変換素子としてボロメータ型を採用した場合は、T
i、Pt等各種金属や各種シリサイド、各種酸化物半導
体が使用可能であるが、以下のような尺度で材料選択す
る必要がある。 (イ)ボロメータは抵抗の温度変化を利用した素子であ
り、当然抵抗温度係数(TCR)が大きい必要がある。 (ロ)さらに抵抗値を検出する上で避けられないことで
あるが、ボロメータに電流を流す必要があり、電流に起
因するノイズである1/fノイズを小さくする必要があ
る。 (ハ)さらに素子の価格を低価格化する上で、シリコン
ラインで使える材料を使用することが好ましい。
【0082】TCRが大きい材料としては、バナジウム
オキサイドVxOy、チタンオキサイドTixOy等が
あるが、VxOyは(ロ)、(ハ)の点で、TixOy
は(ロ)の点で問題がある。ボロメータとしてチタンを
使用することは、(ロ)、(ハ)の点で好ましいが、T
CRが他のボロメータ材料に比ベて小さいため、感度は
ある程度限られる。但し足部配線109、熱電変換素子
110を同一のチタンで作ることはコンタクト110も
不要となり、大幅なコスト低減となることから用途によ
っては非常に有用である。同様の理由によりボロメータ
として金属シリサイド、特にチタンシリサイドを使用す
ることができる。
【0083】前述したようにTixOy(ここで、x、
yは0以上の任意の実数)は1/fノイズの点で問題が
あるが、このTixOy系の酸化物にある種の元素を添
加すると、比抵抗が低下することが実験により確認され
た。1/fノイズはキャリア密度に反比例するため、比
抵抗が小さいほど1/fノイズが小さいという現象があ
る。
【0084】例えば、勝藤、固体物理Vol.30,N
o.1,15−25(1995)に示されている例では
TixOyにLaを加えたLaTiO303において、比
抵抗ρ=1.9mオーム・cmの低い値示し、この時の
TCRは0.71%K-1である。
【0085】さらに、G.P.Kelkar,J.A
m.Ceram.Soc.76[7]1815−20
(1993)に示されている例ではTi4Cu20及びT
3Cu30において比抵抗ρ=5x10-4オーム・cm
と低い値が報告されている。また、Hase,J.Ma
ter,Ros7[6]1337−41(1994)に
示されている例では、YBa2Cu36を用いて比抵抗
ρ=4.6x10-3オーム・cm程度と低い値が報告さ
れている。
【0086】これらのようにTixOyやCuxOyに
比抵抗値を小さくするために種々の元素または化合物を
添加する方法が本発明で適用される。添加元素または化
合物として周期律表(化学便覧改基礎編訂2版:昭和5
0年発行)のIIA〜IVA族の元素及び遷移元素また
はこれらの化合物が好ましく使用され、例えばIn、S
n、Nb、Ba、Sr、Pb、Zr、Cu、Pt、C
o、Ru、Ta及びこれらの化合物等が例示できるが上
記目的が達成できる機能を有していれば特に限定されな
い。
【0087】Ba、Sr、Pb、Zrは近年FRAM
(強誘電体メモリ)等で使われている元素であり、C
u、Pt、Co、Ruは配線材料として使われている元
素であり、TaはDRAM用の高誘電体膜として使われ
ている元素であり、これらはシリコンラインで使用可能
である。これらの元素を添加して比抵抗が低下する理由
の詳細は不明であるが、TixOy系の酸化物は電子が
Ti元素に局在する傾向が大きく、自由に動ける電子が
少ない。前述の元素または化合物を添加することによっ
て、Ti近傍のバンド構造が変化してキャリア数が増大
し、比抵抗も低下すると考えられる。添加元素または化
合物として2種類以上の元素または化合物を添加するこ
とも可能である。
【0088】同様な酸化物半導体として銅酸化物Cux
Oyがある(ここで、x、yは0以上の任意の実数)。
CuxOyは成膜条件によっては高いTCRと使用可能
な比抵抗が得られるが、これも上記のような添加元素ま
たは化合物を加えることによって比抵抗をさらに低下さ
せて1/fノイズを小さくすることができる。添加元素
又は化合物としてBa、Sr、Pb、Zr、Ti、P
t、Co、Ru、Taおよびこれらの化合物などがシリ
コンラインで使える材料であり好ましい。この場合も添
加元素として2種類以上の元素または化合物を添加する
ことも可能である。またCuxTiyOz(ここでx、
y、zは0以上の任意の実数)も用いることができる。
【0089】上記の比抵抗を低下させる機能を有する元
素または化合物の使用量は、この成分が主成分にならな
い範囲、例えば半導体がTixOyやCuxOyの場合
比抵抗を低下させる機能を有する元素または化合物の原
子量またはモル数がTiまたはCu原子量を超えない範
囲で適宜目的に合わせて添加される。
【0090】最後に表面から104犠牲層に通じるよう
にスルーホール114をドライエッチ等によってあけ
て、しかる後にウェットエッチ等によって犠牲層をエッ
チングして空洞104を完成させる。
【0091】次にこの熱型マイクロセンサを熱型赤外線
イメージセンサとして使用する場合の動作について説明
する。イメージセンサとして使用する場合、複数の検出
器(画素)を2次元状に配列する。各検出器の下にはC
MOS等で構成されるスイッチを配置し、そのスイッチ
を切り換えることで各画素の検出器の信号を順次読み出
していく。従って各画素に電圧を印加して読み出す時間
t1は、全画素を読み出す時間(フレーム時間)を
0、画素数をNとして、t1=t0/Nとなる。例えば
0を33ms、画素数を128x128とすると、t1
は約2μsとなる。
【0092】各画素のボロメータに流す電流は、ボロメ
ータ材料のTCRや読み出し時間t 1によっても異なる
が、上記t1においてボロメータとしてチタンを用いた
場合、2から3mA程度となる。ボロメータの抵抗値の
選択は、これもボロメータ材料によって異なるが、チタ
ンボロメータの場合10KΩ程度以上に大きくすると、
ボロメータの両端電圧が20から30Vとなり、読み出
し回路の要求耐圧が大きくなるため10KΩ程度以下が
よい。
【0093】逆に1KΩ程度以下に小さくすると、ボロ
メータ抵抗以外の足部抵抗やスイッチ回路抵抗の割合が
大きくなり、信号電圧が低下したりノイズが増大する問
題がある。ノイズの増大とは、スイッチ回路の抵抗が相
対的に大きくなったとき、スイッチ回路の1/fノイズ
等が見えやすくなる現象である。
【0094】次にこの熱型マイクロセンサをフローセン
サ又は真空圧センサとして使用する場合の動作について
説明する。フローセンサ又は真空圧センサとして使用す
る場合、通常検出器は複数個並ベる必要はなく、単素子
で使用する。フローセンサにしても真空圧センサにして
も原理は同じである。熱電変換素子110に電流を流す
と、ジュール熱によって熱電変換素子は発熱し、ダイヤ
フラム108の温度を上昇させる。この温度上昇は、ダ
イヤフラム近傍の流体の速度又は真空度の関数となる。
温度上昇と流体の速度の関係を利用したものがフローセ
ンサ、温度上昇と真空度の関係を利用したものが真空圧
センサである。この温度上昇は熱電変換素子110によ
って電気信号に変換される。集積回路102は、熱電変
換素子110から得られた微弱な信号を増幅したり、信
号と流速(又は真空度)との関係の非線形を変換して正
しい出力値を出すのに用いる。
【0095】図4は本発明の第2の実施例の半導体装置
の斜視図である。第1の実施例の熱電変換素子は、つづ
ら状に形成しているのに対し、この実施例ではダイヤフ
ラム上にほぼ全面に形成している。これはボロメータ材
料の比抵抗が数mΩcm程度以上の時に、ボロメータ抵
抗RBが大きくなりすぎないようにする効果がある。ボ
ロメータ抵抗が大きくなると、ある電流を流したときの
ボロメータの両端電圧が高くなり、集積回路102の要
求耐圧が大きくなる問題がある。熱電変換素子401と
足部配線402のコンタクト403は、コンタクト部分
の1/fノイズが問題とならないようにダイヤフラムの
一辺の端から端まで広くとっている。
【0096】図5は本発明の第3の実施例の半導体装置
の斜視図である。第2の実施例と同様に、熱電変換素子
501をダイヤフラムのほほ全面に形成しているが、足
部配線502とのコンタクト503を熱電変換素子50
1のすみに小さくとっている。これはコンタクトの1/
fノイズがあまり問題とならない場合に、ダイヤフラム
上の凹凸を可能な限り減らして、ダイヤフラム表面での
入射赤外線の反射を減らして、赤外線吸収率を上げる効
果がある。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の半導体装
置は足部の配線材料としてチタンシリサイドを用いるこ
とによって、従来のチタンを用いた場合に対して、同じ
熱コンダクタンスを維持しながら、足部抵抗を下げるこ
とができる。これによって足部での電圧降下を抑えら
れ、信号を増大させることができる。あるいは同じ足部
抵抗を実現するときに、熱コンダクタンスを下げること
ができ、これによっても信号電圧を改善できる。
【0098】またTixOyにある種の元素を添加した
材料は、小さな比抵抗を実現することができ、1/fノ
イズを低下させることができる。TCRも大きいものが
得られる。添加元素としてBa、Sr、Cu及びその化
合物等を用いることで、シリコンラインで製造可能であ
る。またCuxOyやCuxOyにある種の元素を添加
した材料も小さな比抵抗が実現でき、1/fノイズを小
さくすることができる。TCRも大きい。添加元素とし
てBa、Sr、Ti及びその化合物等を用いることで、
シリコンラインで製造可能である。1/fノイズを小さ
くし、TCRを大きくすることで、S/Nを改善するこ
とができる。
【0099】また、熱分離した構造体上に引っ張り応力
をもつ第1の層と、この第1の層より引っ張り応力の小
さい第2の層を持つことで、構造体の下地への接触を防
ぎ、歩留まりを増大できる。
【0100】さらに、この第1の層の面積を熱分離した
構造体の面積の3/4以下にすることで、残像の問題を
無くすることができ、歩留まりを増大できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の一実施形態を示す斜視図
である。
【図2】本発明の半導体装置のプロセスフローである。
【図3】ダイヤフラムの浮きを示す断面図(a)と平面
図(b)〜(d)である。
【図4】本発明の半導体装置の第2の実施例を示す斜視
図である。
【図5】本発明の半導体装置の第3の実施例を示す斜視
図である。
【図6】従来の熱型赤外線イメージセンサの断面図
(a)と平面図(b)である。
【符号の説明】
101 半導体基板 102 集積回路 103 誘電体層 104 空洞 105 誘電体層 106 回路配線 107 足部 108 ダイヤフラム 109 足部配線 110 熱電変換素子 111 回路コンタクト 112 コンタクト 201 引っ張り応力の膜 202 圧縮応力の膜 401 熱電変換素子 402 足部配線 403 コンタクト 501 熱電変換素子 502 足部配線 503 コンタクト 601 半導体基板 602 走査回路 603 ポリシリコンゲート 604 犠牲層ポリシリコン 605 シリコン酸化膜 606 グラウンド配線 607 信号線 608 熱電変換素子(チタンボロメータ) 609 ダイヤフラム 610 赤外線吸収層 611 スルーホール
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−164605(JP,A) 特開 平6−147993(JP,A) 特開 平3−287023(JP,A) 特開 平6−21517(JP,A) 特開 平7−146187(JP,A) 特開 昭57−28223(JP,A) 特開 昭59−193324(JP,A) 特開 平7−225152(JP,A) 特開 平7−55557(JP,A) 国際公開96/24165(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 37/00 G01J 1/00 - 1/60 G01J 5/00 - 5/62

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に接触して支持され、半導
    体基板との間に空間を有する構造体と、その構造体上に
    温度変化を抵抗変化に変換する変換素子を持ち、この変
    換素子として金属シリサイドを用いることを特徴とする
    半導体装置。
  2. 【請求項2】 半導体基板上に接触して支持され、半導
    体基板との間に空間を有する構造体と、その構造体上に
    温度変化を電気信号に変換する変換素子を持ち、この変
    換素子としてチタンシリサイドを用いることを特徴とす
    る半導体装置。
  3. 【請求項3】 半導体基板上に接触して支持され、半導
    体基板との間に空間を有する構造体と、その構造体上に
    温度変化を抵抗変化に変換する変換素子を持ち、この変
    換素子としてTixOyに比抵抗を低下させる機能を有
    する1種類以上の元素または化合物を添加した材料を用
    いることを特徴とする半導体装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の半導体装置において、添
    加元素または化合物としてBa、Srまたはこれらの化
    合物を用いることを特徴とする半導体装置。
  5. 【請求項5】 半導体基板上に接触して支持され、半導
    体基板との間に空間を有する構造体と、その構造体上に
    温度変化を電気信号に変換する変換素子を持ち、この変
    換素子としてCuxOyを用いることを特徴とする半導
    体装置。
  6. 【請求項6】 半導体基板上に接触して支持され、半導
    体基板との間に空間を有する構造体と、その構造体上に
    温度変化を電気信号に変換する変換素子を持ち、この変
    換素子としてCuxTiyOzを用いることを特徴とす
    る半導体装置。
  7. 【請求項7】 半導体基板上に接触して支持され、半導
    体基板との間に空間を有する構造体と、その構造体上に
    物理量を電気信号に変換する変換素子を持ち、その変換
    素子と半導体基板を結ぶ配線材料の抵抗値と変換素子の
    抵抗値を同じとすることを特徴とする半導体装置。
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