JP2002124708A - 薄膜形成方法、高誘電体容量形成方法、誘電ボロメータおよび赤外線検出素子 - Google Patents

薄膜形成方法、高誘電体容量形成方法、誘電ボロメータおよび赤外線検出素子

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JP2002124708A
JP2002124708A JP2001180022A JP2001180022A JP2002124708A JP 2002124708 A JP2002124708 A JP 2002124708A JP 2001180022 A JP2001180022 A JP 2001180022A JP 2001180022 A JP2001180022 A JP 2001180022A JP 2002124708 A JP2002124708 A JP 2002124708A
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film
high dielectric
thin film
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JP2001180022A
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English (en)
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Kazuhiko Hashimoto
和彦 橋本
Tomonori Mukougawa
友徳 向川
Minoru Noda
実 野田
Masanori Okuyama
雅則 奥山
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Hochiki Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Hochiki Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検知感度の高い赤外線検出素子に適した高誘
電体薄膜を形成可能な薄膜形成方法を提供する。 【解決手段】 有機高分子化合物と強誘電体薄膜の材料
となる無機化合物とを有機高分子化合物に対する溶媒を
用いて混合した溶液をフィルタ102でフィルタリング
し、溶液溜り104に原料溶液として蓄積する。N2
スによる圧力で、ノズル110から原料溶液を基板20
0表面にスピン塗布する。その後、基板200を酸化性
ガス雰囲気中で熱処理することで、基板上の無機化合物
を加熱し反応させて、基板上に所望の組成を有する高誘
電体膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、強誘電体薄膜材
料などの薄膜を基板上に堆積するための薄膜形成方法お
よび赤外線検出素子に関する。
【0002】
【従来の技術】[赤外線検出素子の背景技術]室温の物
体や人体からは、波長10μm付近の赤外線(熱線)が
輻射されており、これを計測することにより、それらの
存在や温度の情報が非接触で得られ、自動扉、侵入警戒
器、電子レンジの調理モニタ、科学計測等のさまざまな
応用がなされている。
【0003】こういった計測において、一番のキーデバ
イスは赤外センサであり、量子型赤外センサと熱型赤外
センサの2種類に大きく分けられる。量子型赤外センサ
は、感度が大きく検知能力に優れているが、冷却が必要
なため装置が大型になるといった点で実用性に問題があ
るが、熱型赤外センサは、感度が量子型赤外センサより
は少し劣るものの室温動作が可能であるというメリット
があり、実用性に富んでいる。
【0004】このため、熱型赤外センサとして、焦電効
果を用いるもの、抵抗ボロメータ、誘電ボロメータ、サ
ーモパイル、ゴーレイセル等、数多くのものが提案され
ている。たとえば、焦電効果を用いた赤外線イメージセ
ンサが、Proc.8thIEEE Int.Sym
p.Appl.Ferroelectronics(1
992)pp.1−10(「PYROELECTRIC
IMAGING」Bemard M.Kulwicki
et.al.)に開示されている。
【0005】とくに、電界を印加して誘電率の温度変化
を検知する誘電ボロメータは、他のセンサより感度が高
く、チョッパが必要ない等の優れた特徴を有しており実
用的見地から期待されている。
【0006】さらに、より高度な赤外線センシングとし
て、物体や風景の温度分布を非接触で得られる赤外線イ
メージセンサ(サーモグラフィー)への応用が期待され
る。赤外イメージングのためには、焦電セラミックとシ
リコンFET(電界効果型トランジスタ)とのアレイを
バンプで結合したり、薄膜微小抵抗ボロメータをマイク
ロブリッジ構造上に形成し、シリコンFETアレイと結
合した室温動作赤外線撮像素子が試作されている。
【0007】これらの素子においてはさらに、感度や画
素数の増加による高分解能化等の高機能化が期待されて
いる。しかし、従来の焦電型赤外センサや抵抗ボロメー
タ型赤外センサの検出では感度が限られており、あるい
は、画素数も十分とはいえない。
【0008】図31は、このような従来のシリコンFE
Tアレイと結合した赤外線検出素子の画素セル20の断
面構造を示す図である。
【0009】図31を参照して、画素セル20は、Si
基板300上に堆積されたシリコン酸化膜304と、シ
リコン酸化膜304の開口部に形成されたMOSトラン
ジスタTr1と、MOSトランジスタTr1に隣接して
形成され、下部電極308(Pt/Ti積層膜)、強誘
電体膜310(BST膜)および上部電極312(Al
膜)とからなる赤外線検出容量CFと、Si基板300
の裏面側から赤外線検出容量CFの直下部分の所定深さ
まで開口する溝部330とを含む。
【0010】MOSトランジスタTr1は、シリコン酸
化膜304の開口部のSi基板主表面に形成され、基板
の導伝型とは逆極性の不純物領域であるソース/ドレイ
ン領域320および324と、ソース/ドレイン領域3
20および324に挟まれるSi基板主表面に形成され
たチャネル層322と、チャネル層直上のSi基板主表
面に堆積されたゲート酸化膜302およびゲート酸化膜
302上に形成されたポリシリコンゲート電極314と
を含む。
【0011】下部電極308は、シリコン酸化膜304
の上部に堆積され層間絶縁膜となるシリコン窒化膜30
6上に堆積される。下部電極308は、ソース/ドレイ
ン領域320とコンタクトしている。
【0012】ゲート電極314上には、下部電極308
と同一の配線層により形成された引出し配線316が設
けられ、下部電極308と同一の配線層により形成され
た引出し配線318とソース/ドレイン領域324とが
コンタクトしている。溝部330を設けるのは、画素セ
ル20が熱型赤外センサであって、その温度上昇が出力
信号強度に直接影響することから、熱伝導の大きいSi
基板300への熱のロスをできるだけ減少させるためで
ある。
【0013】したがって、溝部330とシリコン酸化膜
304との間に残されるSi基板厚は、プロセス上、可
能な限り薄くすることが望ましい。一方、画素セル20
間で、この残存Si基板厚がばらつくのは、好ましくな
い。このために、Si基板の表面側には、溝部330を
裏面側からエッチングする際のエッチングストッパ層が
形成される。たとえば、基板表面側からホウ素(B)等
のイオン(たとえば、濃度3×1016cm-3以上)を注
入しておくことで、Siのエッチングレートが減少する
ことを利用する。
【0014】また、溝部330が形成される赤外線検出
容量部CFの直下の材質は低熱伝導率であることが必要
である。したがって、ホウ素イオンを注入したシリコン
基板よりも低熱伝導率のシリコン酸化膜やシリコン窒化
膜などを用いることがより望ましい。
【0015】次に、図31に示した画素セル20の製造
方法を、その第1〜第12工程のフローを断面図に従っ
て説明する。
【0016】図32〜図43は、上記第1〜第12工程
をそれぞれ示す断面図である。図32を参照して、第1
工程においては、Si基板300をRCA洗浄の後、そ
の表面に熱酸化によりシリコン酸化膜304を形成す
る。
【0017】この熱酸化の条件としては、例えば、10
00℃、酸素流量 5(l/min)の条件下で5分間
の酸化の後、さらに、1000℃、酸素流量 5(l/
min)、水素流量 4.5(l/min)の条件下で
180分の酸化を行なう。このような条件での熱酸化に
より、たとえば、〜650nmの酸化膜が形成される。
【0018】また、基板裏面にアラインメントマーク3
01をドライエッチング等の異方性エッチングにより形
成する。
【0019】図33を参照して、第2工程ではシリコン
酸化膜304の所定領域303をエッチングにより開口
する。後に説明するようにこの領域303にMOSトラ
ンジスタTR1が形成される。
【0020】図34を参照して、レジストパターン30
5をマスクとしてMOSトランジスタTR1のチャネル
部322へ、その導伝型に対応したイオン種のイオン注
入を行った後、活性化のためのアニールを行う。
【0021】図35を参照して、Si基板に対して熱酸
化により、ゲート酸化膜302を堆積した後、CVD
(Chemical Vaper Deposition )法等によりゲート電極
となるポリシリコン307を堆積する。
【0022】図36を参照して、RIE(Reactive Ion
Eyching)等の異方性エッチングによりポリシリコン3
07をパターニングして、エッチングすることによりゲ
ート電極314が形成される。
【0023】図37を参照して、ゲートパターンをマス
クとして開口部303上およびシリコン酸化膜304上
に堆積しているゲート酸化膜302をエッチング除去し
た後、ゲート電極314およびシリコン酸化膜304を
マスクとしてソース/ドレイン領域320および324
の不純物拡散を行う。
【0024】図38を参照して、CVD法等によりシリ
コン窒化膜306を堆積する。このようなシリコン窒化
膜306の形成条件としては、780℃、SiCl22
0.015(l/min)、NH3 0.060(l
/min)、26.7Pa、60minの条件を用いる
と、たとえば、約300nmのシリコン窒化膜が堆積さ
れる。
【0025】図39を参照して、ウエハ裏面にレジスト
でパターニングをし、シリコン窒化膜およびシリコン酸
化膜をエッチング除去する。その後、基板裏面側からT
MAH22%のエッチャントで、100℃、180mi
nという条件で異方性ウエットエッチングによりSi基
板300の赤外線検出容量CF直下に溝部330を形成
する。この溝部の開口寸法は、たとえば、数十μm×数
十μmの大きさである。また、エッチングされる深さ
は、約250μmである。
【0026】また、赤外線検出容量CFの直下のSi基
板厚は、たとえば、0〜50μmの範囲であり、上述の
とおり、機械的強度の許す限り薄ければ薄いほどよい。
【0027】つまり、好ましくは、赤外線検出容量CF
の直下にはSi基板が存在しなくなるまでエッチング除
去することが望ましい。
【0028】図40を参照して、MOSトランジスタT
R1のソース/ドレイン領域320および324ならび
にゲート電極314上に開口するコンタクトホール(接
続孔)をRIE等により形成する。
【0029】図41を参照して、レジストによるパター
ニングを行ない、スパッタリング法ないし真空蒸着法に
よる成膜の後、アセトンおよび超音波洗浄によるリフト
オフ法等により下部電極308ならびに引出し配線31
6および318となるPt/Ti積層膜を形成する。r
fスパッタによる成膜の場合、Tiの成膜時は、Ar
0.00532(l/min)、0.6Pa、RFパワ
ー500Wの条件で3min間成膜し、Ptの成膜時
は、Ar 0.00532(l/min)、0.6P
a、RFパワー200Wの条件で8min間成膜を行な
う。この条件では、Ti膜厚は、60nmであり、Pt
膜厚は、160nmである。
【0030】続いて、図42を参照して、レーザーアブ
レーション法等により強誘電体膜310のBST膜等を
堆積する。レーザーアブレーションにより強誘電体膜を
堆積することで、低基板温度での成膜が可能であり、F
ETアレイが形成されている基板へのダメージを低く押
さえることができる。
【0031】図43を参照して、上部電極となるAl膜
312をスパッタリング法あるいは真空蒸着法等により
所定パターンに形成する。
【0032】以上の工程により、図31に示したような
断面構造を有する画素セル20が形成される。
【0033】図31に示したような画素セル20は、電
界誘起焦電効果による誘電ボロメータであって、誘電率
の温度変化を利用することにより、赤外線センサとして
動作する。
【0034】以上、説明したとおり、赤外線検出容量C
F直下のSi基板基板厚は、望ましくは、0μmとする
ことが望ましい。
【0035】このためには、例えば、図43までの工程
終了後、ウエハ裏面からシリコン窒化膜およびシリコン
酸化膜をマスクとして、Si基板をドライエッチングす
る。SF6ガス0.0075(l/min)、13.3
Pa、RFパワー50Wの条件で約30minエッチン
グすればよい。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】[赤外線検出素子用の
強誘電体材料の背景技術]上記赤外線イメージセンサ等
に用いられる赤外検出素子を高性能化するためには、こ
の赤外線検出素子を構成する材料の検知感度が大きいこ
とが必要である。言い換えると、焦電効果を用いた焦電
(PE:pyroelectric)ボロメータを赤外線センサとす
る場合、室温付近でその焦電係数が大きなことが必要で
あり、上記のような誘電ボロメータ(DB:Dielectric
Bolometer)では室温付近での誘電率の温度変化が大き
いことが必要である。
【0037】このような赤外線検出素子用の重要な材料
群に、(Ba0.75Sr0.25)TiO 3(以下、BSTと
も略称する)や、正方晶系タングステンブロンズ構造を
有する強誘電SBN(strontium barium niobate, Sr
1-xBaxNb2O6 、ただし、0.25≦x≦0.7
5)結晶(以下、SBNとも略称する)がある。
【0038】上述したとおり、強誘電体材料は、図30
に示すような分極および誘電率の双方の温度依存性を、
熱型赤外線センサに使用することができる。前者の効果
は、従来の焦電(PE)ボロメータに関し、後者は、誘
電ボロメータ(DB)に関する。
【0039】ここで、高感度な特性を得るには、材料の
相転移温度(Tc)を測定温度範囲近くにし、誘電率の
温度変化率を大きくしなければならない。
【0040】レーザアブレーション方法によって、BS
TやSBNの薄膜を、ターゲットに等しい化学量論で容
易に成長することが可能であることが、すでに報告され
ている。
【0041】ところで、上記赤外線センサをアレイ状に
配列し、高密度に集積化することで赤外線イメージセン
サとすることを考えると、誘電体セラミックとシリコン
FET(電界効果型トランジスタ)等のスイッチング素
子とのアレイを同一の半導体基板上に形成することが必
要となる。このことは、スイッチング素子等の形成プロ
セスと赤外線検出素子形成プロセスとの整合性、たとえ
ば、半導体基板上に形成された金属電極上へ誘電体セラ
ミックをその特性を劣化させることなく低温で形成する
ことが必要となることを意味する。
【0042】しかしながら、従来用いられていたレーザ
アブレーション法では、堆積温度の低下という点で十分
でないだけでなく、強誘電体薄膜の堆積速度が小さいと
いう問題点があった。
【0043】また、赤外線検出容量部CFの直下の溝部
330の形成プロセスにおいて、赤外線検出容量部CF
の直下の材質がシリコン酸化膜もしくはシリコン窒化膜
を含む構造である場合、シリコン酸化膜およびシリコン
窒化膜の内部応力が原因となり、赤外線検出容量部CF
が反ってしまったり、亀裂が入るなどの問題があった。
【0044】さらに、内部応力を低くしたシリコン酸化
膜、シリコン窒化膜を用いる方法もあるが、標準プロセ
スから条件を変更させて成膜しなければならず、プロセ
スの複雑化を招いていた。
【0045】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたものであって、その目的は、赤外線2次
元イメージセンサ等において、半導体基板上に形成され
るトランジスタ等のデバイスの形成プロセスに整合性の
良い高誘電体薄膜の製造方法を提供することである。
【0046】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の薄膜形成
方法は、有機高分子化合物と、強誘電体薄膜の材料とな
る無機化合物とを有機高分子化合物に対する溶媒を用い
て混合した原料溶液を生成する工程と、原料溶液を基板
表面に塗布する工程と、基板を酸化性ガス雰囲気中で熱
処理することで、基板上の無機化合物を加熱し反応させ
て、基板上に所望の組成を有する高誘電体膜を形成する
工程とを備える。
【0047】請求項2記載の高誘電体容量形成方法は、
有機高分子化合物と、強誘電体薄膜の材料となる無機化
合物とを有機高分子化合物に対する溶媒を用いて混合し
た原料溶液を生成する工程と、基板表面に下部電極を形
成する工程と、原料溶液を基板表面に塗布する工程と、
基板を酸化性ガス雰囲気中で熱処理することで、基板上
の無機化合物を加熱し反応させて、基板上に所望の組成
を有する高誘電体膜を形成する工程と、下部電極上の高
誘電体膜の上部に、上部電極を形成する工程と、上部電
極をマスクとして、高誘電体薄膜をエッチングする工程
とを備える。
【0048】請求項3記載の高誘電体容量形成方法は、
有機高分子化合物と、強誘電体薄膜の材料となる無機化
合物とを有機高分子化合物に対する溶媒を用いて混合し
た原料溶液を生成する工程と、基板表面に下部電極を形
成する工程と、原料溶液を基板表面に塗布する工程と、
基板を酸化性ガス雰囲気中で熱処理することで、基板上
の無機化合物を加熱し反応させて、基板上に所望の組成
を有する高誘電体膜を形成する工程と、下部電極上の高
誘電体膜の上部にマスクを形成し、高誘電体薄膜をエッ
チングする工程と、マスクを除去する工程と、下部電極
上の高誘電体膜の上部に、上部電極を形成する工程とを
備える。
【0049】請求項4記載の薄膜形成方法は、請求項1
記載の薄膜形成方法において、原料溶液を基板表面に塗
布する工程は、基板の中央部に原料溶液を滴下する工程
と、基板を回転させて原料溶液の分布を基板表面におい
て均一化する工程とを含む。
【0050】請求項5記載の高誘電体容量形成方法は、
請求項2または3記載の高誘電体容量形成方法におい
て、原料溶液を基板表面に塗布する工程は、基板の中央
部に原料溶液を滴下する工程と、基板を回転させて原料
溶液の分布を基板表面において均一化する工程とを含
む。
【0051】請求項6記載の薄膜形成方法は、請求項1
記載の薄膜形成方法において、原料溶液を基板表面に塗
布する工程は、基板の表面に原料溶液を噴霧して塗布す
る工程を含む。
【0052】請求項7記載の高誘電体容量形成方法は、
請求項2または3記載の高誘電体容量形成方法におい
て、原料溶液を基板表面に塗布する工程は、基板の中央
部に原料溶液を噴霧して塗布する工程を含む。
【0053】請求項8記載の誘電ボロメータは、複数の
高誘電体容量を備え、各高誘電体容量は、有機高分子化
合物と、強誘電体薄膜の材料となる無機化合物とを有機
高分子化合物に対する溶媒を用いて混合した原料溶液を
生成する工程と、基板表面に下部電極を形成する工程
と、原料溶液を基板表面に塗布する工程と、基板を酸化
性ガス雰囲気中で熱処理することで、基板上の無機化合
物を加熱し反応させて、基板上に所望の組成を有する高
誘電体膜を形成する工程と、下部電極上の高誘電体膜の
上部に、上部電極を形成する工程と、上部電極をマスク
として、高誘電体薄膜をエッチングする工程とにより形
成される。
【0054】請求項9記載の誘電ボロメータは、複数の
高誘電体容量を備え、各高誘電体容量は、有機高分子化
合物と、強誘電体薄膜の材料となる無機化合物とを有機
高分子化合物に対する溶媒を用いて混合した原料溶液を
生成する工程と、基板表面に下部電極を形成する工程
と、原料溶液を基板表面に塗布する工程と、基板を酸化
性ガス雰囲気中で熱処理することで、基板上の無機化合
物を加熱し反応させて、基板上に所望の組成を有する高
誘電体膜を形成する工程と、下部電極上の高誘電体膜の
上部にマスクを形成し、高誘電体薄膜をエッチングする
工程と、マスクを除去する工程と、下部電極上の高誘電
体膜の上部に、上部電極を形成する工程とにより形成さ
れる。
【0055】請求項10記載の赤外線検出素子は、基板
と、基板の主表面上に形成される第1の電極と、第1の
電極上に形成され、温度変化によって電気的物性値が変
化する薄膜と、薄膜上に形成される第2の電極と、基板
の主表面側に第1の電極に近接して設けられ、赤外線吸
収により温度が上昇する赤外線吸収部とを備え、赤外線
吸収部は、引っ張り応力と圧縮応力とがバランスする厚
さをそれぞれ有する複数の絶縁性薄膜の積層膜を含む。
【0056】請求項11記載の赤外線検出素子は、請求
項10記載の赤外線検出素子の構成に加えて、積層膜
は、基板の主表面上に堆積されるシリコン窒化膜と、シ
リコン窒素膜上に堆積される第1のシリコン酸化膜とを
含む。
【0057】請求項12記載の赤外線検出素子は、請求
項11載の赤外線検出素子の構成に加えて、シリコン窒
化膜は、CVD法により堆積され、厚さが150nm以
上300nm以下であり、第1のシリコン酸化膜は、C
VD法により堆積され、厚さが400nm以上800n
m以下である。
【0058】請求項13記載の赤外線検出素子は、請求
項11載の赤外線検出素子の構成に加えて、基板は、シ
リコン基板であり、基板は、第1の電極の直下に、基板
の裏面側から形成された溝部を有し、基板の主表面上に
シリコン窒素膜が形成されるのに先立って、基板上に形
成される第2のシリコン酸化膜をさらに備える。
【0059】請求項14記載の赤外線検出素子は、請求
項13記載の赤外線検出素子の構成に加えて、溝部は、
第2のシリコン酸化膜に対してシリコン基板を選択的に
除去可能なエッチャントによりエッチング形成される。
【0060】
【発明の実施の形態】[実施の形態1] [薄膜形成装置の構成]図1は、本発明の実施の形態1
の薄膜形成装置1000の構成を説明するためのブロッ
ク図である。
【0061】図1を参照して、薄膜形成装置1000
は、有機高分子化合物、たとえば、レジストと、強誘電
体薄膜の材料となる無機化合物、たとえば、BST
((Ba0. 75Sr0.25)TiO3)とをレジストの溶媒
を用いて混合した溶液を受けてフィルタリングするため
のフィルター102と、フィルター102から供給され
る原料溶液を蓄え、外部から供給される不活性なガス、
たとえばN2ガスの圧力によりこの原料溶液を配管10
6に送り出すための溶液溜り104と、配管106から
の原料溶液を所定量だけ噴出するためのノズル110
と、薄膜が形成される基板200を吸着保持し、ノズル
から噴出して滴下する原料溶液をこの基板200中央付
近に受けるためのテーブル120とを備える。テーブル
120は、基板200上への原料溶液の滴下後に、回転
して、滴下された原料溶液を基板200の表面上に均一
に分布させる。これにより、原料溶液が基板200の表
面に均一に塗布される。
【0062】ここで、無機化合物は粉末状になっている
ものとする。また、上記レジストとしては、特に限定さ
れないが、たとえば、PMMA(ポリメチルメタアクリ
レート)などを用いることが可能である。
【0063】以上のようにして、原料溶液が表面に均一
に塗布された基板200は、所定の温度(例えば、14
0℃)でプリベークされる。これにより、有機溶媒が基
板200から蒸発し、さらに、酸化性ガス雰囲気中で熱
処理されることで、基板200上に残された無機化合物
が加熱されて、基板200上には所望の組成を有する無
機膜、すなわち高誘電体膜が形成される。
【0064】ここで、酸化性ガスとしては、O2,O3
2O,NO2などのガスを用いることが可能である。ま
た、酸化性ガス雰囲気中での熱処理中は、この酸化性ガ
スを例えば、基板200が格納されるチャンバーに10
〜100sccmのガス流量で供給する。このときの基
板温度は、特に限定されないが、例えば、500℃であ
るものとする。
【0065】基板200には、強誘電体膜を用いたキャ
パシタを形成するために、下地電極として、Pt/Ti
/SiO2が形成されているものとする。
【0066】すなわち、本発明の実施の形態1の薄膜形
成方法をまとめると以下のようになる。
【0067】まず、有機高分子化合物と、強誘電体薄膜
の材料となる無機化合物とを有機高分子化合物に対する
溶媒を用いて混合した溶液を生成する。
【0068】つづいて、この混合溶液をフィルタリング
し、原料溶液を作製する。さらに、この原料溶液を基板
200の表面に均一に塗布する。
【0069】原料溶液が表面に均一に塗布された基板2
00を、所定の条件(例えば、140℃で30分)でプ
リベークする。これにより、有機溶媒が基板200から
蒸発する。
【0070】つづけて、基板200を酸化性ガス雰囲気
中で熱処理することで、有機化合物は酸化除去され、基
板200上に残された無機化合物が加熱されて反応し
て、基板200上に所望の組成を有する無機膜、すなわ
ち高誘電体膜が形成される。 [BST膜の配向性評価]図2は、上述したように作製
された、BST膜のXRD(X−ray Diffra
ction)プロファイルを示す。
【0071】ここで、図2からわかるように、上述のよ
うに作製された薄膜は強い配向性を有する。図2中で
は、プリベーク条件を85℃、30分としたときの曲線
(CB)と、140℃、30分としたときの曲線(C
A)を対比して示す。
【0072】プリベーク温度を85℃から140℃に上
昇させることで、生成された膜の配向性が向上すること
がわかる。 [薄膜の電気的特性]以下では、このようにして堆積さ
れた薄膜の電気的特性について説明する。基板として
は、熱酸化されたSi(100)ウェハを使用し、電気
的測定を行なうために、Pt(300nm)/Ti(1
50nm)の二層金属膜を、室温でのRFマグネトロン
スパッタリングしたものを用いている。電気的特性の測
定のためにPt/BST/Ptキャパシタ構成を得るた
めに、所定の直径を有する点状のPt電極を、金属マス
クを通じて薄膜の上部表面上にRFマグネトロンスパッ
タリングで形成する。
【0073】図3は、Pt/BST/Pt/Tiキャパ
シタ構造としたBST膜の誘電率(εr )の温度依存性
を示す。
【0074】誘電ボロメータのためのBST材料に関し
て、容量に対する温度の応答を調べるために、温度上昇
に伴う容量の測定を広範囲で行なった。容量は、振幅1
Vの1kHzの正弦波を使用して検出している。また、
容量測定パターンの面積Aは1.98×10-3cm2
ある。また、容量測定パターンにおいて、厚さdは、1
50μmである。εr−T曲線は、20℃から40℃の
温度範囲で、急峻な部分を有する。上記成膜条件で形成
したBST膜については、25℃の室温あたりに誘電率
の温度変化率にピークがある。このεrの顕著な温度変
化率TCD(=Δεr /ΔT)は、−2.5%・K-1で
ある。
【0075】以上のようにして、高誘電体薄膜を基板上
に形成することとすれば、基板全面にわたって一括して
高誘電体膜を形成することが可能で、その堆積速度を速
くすることが可能である。また、基板温度も500℃と
いう比較的低温で高誘電体膜を堆積することができるの
で、高誘電体膜の下地に金属パターン、たとえば、上述
したPt/Ti電極が存在する場合でも、良好な膜質の
高誘電体膜を形成することが可能である。
【0076】[実施の形態2]実施の形態2では、実施
の形態1での高誘電体膜の形成方法を用いて、赤外線イ
メージセンサを作成する場合に、赤外線検出容量CFを
作成するフローを説明する。
【0077】図4〜図11は、そのような赤外線検出容
量CFを作成するフローを断面図で示す工程図である。
【0078】まず、図4を参照して、第1工程において
は、Si基板400をRCA洗浄の後、その表面側に
は、熱酸化により、例えば、厚さ150nmのシリコン
酸化膜402を形成し、裏面側には、例えば、厚さ80
0nmのシリコン酸化膜404を形成する。
【0079】また、特に図示しないが、基板裏面にアラ
インメントマークがドライエッチング等の異方性エッチ
ングにより形成されているものとする。
【0080】図5を参照して、第2工程では、特に限定
されないが、基板400の表面側および裏面側にCVD
法等により厚さ250nmのシリコン窒化膜406を堆
積する。続いて、図6を参照して、第3工程では、基板
400の表面側に、特に限定されないが、CVD法等に
より厚さ600nmのシリコン酸化膜408を堆積す
る。
【0081】このようなシリコンシリコン酸化膜の形成
条件としては、370℃、SiH40.015(l/m
in)、O2 0.045(l/min)、圧力26.
7Pa、時間60minの条件を用いると、たとえば、
約600nmのシリコン酸化膜が堆積される。
【0082】図7を参照して、第4工程では、ウエハ裏
面にレジストでパターニングをし、シリコン窒化膜およ
びシリコン酸化膜をエッチング除去する。その後、基板
裏面側からTMAH22%のエッチャントで、100
℃、180minという条件で異方性ウエットエッチン
グによりSi基板400の赤外線検出容量CF直下に溝
部430を形成する。また、エッチングされる深さは、
ここでは、基板400の表面側に堆積されたシリコン酸
化膜402までであり、約300μmである。すなわ
ち、特に限定はされないが、図7においては赤外線検出
容量CFの直下にはSi基板が存在しなくなるまでエッ
チング除去している。なお、従来の赤外線検出容量CF
の形成方法と同様に、エッチングストッパー層でエッチ
ングを停止させた上で、RIEにより赤外線検出容量C
Fの直下のSi基板をエッチング除去することとしても
よい。
【0083】図8を参照して、第5工程では、レジスト
によるパターニングを行ない、スパッタリング法ないし
真空蒸着法による成膜の後、アセトンおよび超音波洗浄
によるリフトオフ法等により下部電極410となるPt
/Ti積層膜を形成する。ここでも、成膜はrfスパッ
タによるものとし、たとえば、Ti膜厚は、60nmで
あり、Pt膜厚は、160nmである。
【0084】続いて、図9を参照して、第6工程では、
原料溶液を基板上に塗布するという実施の形態1で説明
した薄膜形成法により強誘電体膜412のBST膜を堆
積する。実施の形態1の薄膜形成法により強誘電体膜を
堆積することで、高い堆積速度で、かつ低基板温度での
成膜が可能であり、FETアレイが形成されている基板
へのダメージを低く押さえることができる。
【0085】図10を参照して、第7工程では、上部電
極となるAl膜414をスパッタリング法あるいは真空
蒸着法等により所定パターンに形成する。
【0086】さらに、図11を参照して、第8工程で
は、このAl膜414をマスクとして、酸により高誘電
体膜412をエッチングする。
【0087】ここで、エッチングのための酸としては、
高誘電体膜412を制御可能なエッチング速度でエッチ
ングできるように濃度を設定された塩酸(HCl)や硫
酸(H2SO4)などを用いることが可能である。
【0088】このように赤外線検出容量CFパターン部
分の高誘電体膜412をエッチング除去することで、容
易に、高速にダメージフリーで強誘電体膜のパターンを
形成できる、という効果が奏される。
【0089】ただし、上部電極材料としては、上記Al
に限定されることなく、酸に対するエッチング耐性等も
考慮して他の金属材料を用いてもよい。
【0090】以上の工程により、画素セルについての赤
外線検出容量CFが形成される。このようにして形成し
た画素セルは、電界誘起焦電効果による誘電ボロメータ
であって、誘電率の温度変化を利用することにより、赤
外線センサとして動作する。
【0091】[実施の形態2の変形例1]実施の形態2
では、上部電極414を形成後に、この上部電極414
をマスクとして、酸により高誘電体膜412をエッチン
グ除去するプロセスとした。
【0092】しかしながら、赤外線検出容量CFを作成
するフローとしては、他のプロセスフローを用いること
も可能である。
【0093】図12〜図15は、そのような赤外線検出
容量CFを作成するための実施の形態2の変形例1のフ
ローを断面図で示す工程図である。
【0094】まず、図12を参照して、図8に示した実
施の形態2の第5工程までと同様のフローにしたがっ
て、下部電極410となるPt/Ti積層膜を形成す
る。
【0095】続いて、図13を参照して、第6工程で
も、原料溶液を基板上に塗布するという実施の形態1で
説明した薄膜形成法により強誘電体膜412のBST膜
を堆積する。
【0096】図14を参照して、第7´工程として、レ
ジストパターン440をマスクとして、酸によるエッチ
ングにより高誘電体膜412をエッチングする。その
後、レジストマスクをアッシング等により除去する。
【0097】図15を参照して、第8´工程では、上部
電極となるAl膜414をスパッタリング法あるいは真
空蒸着法等により所定パターンに形成する。以上の工程
によっても、画素セルについての赤外線検出容量CFが
形成される。
【0098】また、レジストパターンをマスクとして強
誘電体膜をエッチングすることによって、画素領域のみ
に強誘電体膜を形成することができる。
【0099】[実施の形態2の変形例2]実施の形態2
の変形例2では、実施の形態2赤外線検出容量CFを作
成するフローのさらに他の変形例を説明する。
【0100】図16〜図23および図28は、そのよう
な赤外線検出容量CFを作成するフローを断面図で示す
工程図である。また、図24〜図27は、堆積される薄
膜の応力および応力の緩和を説明するための概念図であ
る。
【0101】まず、第1工程においては、実施の形態2
と同様にして、Si基板400をRCA洗浄の後、その
表面側には、熱酸化により、例えば、厚さ150nmの
シリコン酸化膜402を形成し、裏面側には、例えば、
厚さ800nmのシリコン酸化膜404を形成しておく
ものとする。
【0102】また、特に図示しないが、基板裏面にアラ
インメントマークがドライエッチング等の異方性エッチ
ングにより形成されているものとする。
【0103】次に、図16を参照して、第2工程では、
特に限定されないが、基板400の表面側および裏面側
にCVD法等により厚さ250nmのシリコン窒化膜4
06を堆積する。続いて、図17を参照して、第3工程
では、基板400の表面側に、特に限定されないが、C
VD法等により厚さ600nmのシリコン酸化膜408
を堆積する。ここまでは、実施の形態2のフローと同様
である。
【0104】続いて、図18を参照して、第4工程で
は、レジストによるパターニングを行ない、スパッタリ
ング法ないし真空蒸着法による成膜の後、アセトンおよ
び超音波洗浄によるリフトオフ法等により下部電極41
0となるPt/Ti積層膜を形成する。ここでも、成膜
はrfスパッタによるものとし、たとえば、Ti膜厚
は、60nmであり、Pt膜厚は、160nmである。
【0105】続いて、図19を参照して、第5工程で
は、原料溶液を基板上に塗布するという実施の形態1で
説明した薄膜形成法により高誘電体膜412のBST膜
を堆積する。実施の形態1の薄膜形成法により高誘電体
膜を堆積することで、高い堆積速度で、かつ低基板温度
での成膜が可能であり、FETアレイが形成されている
基板へのダメージを低く押さえることができる。
【0106】図20を参照して、第6工程では、上部電
極となるAl膜414をスパッタリング法あるいは真空
蒸着法等により所定パターンに形成する。
【0107】さらに、図21を参照して、第7工程で
は、このAl膜414をマスクとして、酸により高誘電
体膜412をエッチングする。
【0108】ここで、エッチングのための酸としては、
高誘電体膜412を制御可能なエッチング速度でエッチ
ングできるように濃度を設定された塩酸(HCl)や硫
酸(H2SO4)などを用いることが可能である。
【0109】このように赤外線検出容量CFパターン部
分の高誘電体膜412をエッチング除去することで、容
易に、高速にダメージフリーで強誘電体膜のパターンを
形成できる、という効果が奏される。
【0110】ただし、上部電極材料としては、上記Al
に限定されることなく、酸に対するエッチング耐性等も
考慮して他の金属材料を用いてもよい。
【0111】図22を参照して、第8工程としては、S
i基板400に形成された赤外線検出容量の上に、異方
性エッチング液に対して耐性の高い薄膜、たとえば、特
に限定されないが、たとえば、シリコン酸化膜のコーテ
ィング膜409を形成する。
【0112】図23を参照して、第9工程では、ウエハ
裏面にレジストでパターニングをし、シリコン窒化膜お
よびシリコン酸化膜をエッチング除去する。その後、基
板裏面側からTMAH22%のエッチャントで、100
℃、180minという条件で異方性ウエットエッチン
グによりSi基板400の赤外線検出容量CF直下に溝
部430を形成する。エッチングは、ここでは、基板4
00の表面側に堆積されたシリコン酸化膜402に到達
した時点で、シリコン酸化膜がエッチングストップ層と
して機能するため、例えば、基板圧が300μmであれ
ば、溝部の深さは300μmで停止させられる。
【0113】なお、第4工程の下部電極の形成以前に、
Si基板400のエッチングを行なって、あらかじめ約
250μmの溝部を形成しておき、その後、下部電極の
形成、誘電体薄膜の形成、上部電極、コーティング膜の
形成を行なった後に、第9工程のエッチングで、残る5
0μmのSi基板を除去しても良い。この場合、プロセ
スの工程数は増加するが、誘電体膜をエッチング液から
保護するという観点からは、誘電体膜堆積後におけるS
i基板エッチングの時間は短いほうが良い。
【0114】なお、赤外線検出容量部CFに残された、
シリコン窒化膜406、シリコン酸化膜408は、CV
D法等により500℃〜800℃の高温度堆積されるた
め、冷却した際にSi基板400との熱膨張差によっ
て、それぞれ引っ張り応力、圧縮応力を持ち合わせてい
る。CVD法などにより、500℃〜800℃の高温度
堆積されるため、冷却した際にSi基板400との熱膨
張差によって、それぞれ引っ張り応力、圧縮応力の内部
応力を持ち合わせている。
【0115】内部応力は、Si基板を用いて、Si基板
500の片側に被測定膜510を堆積し、Si基板50
0の湾曲度合い(曲率半径)とSiの弾性率、および堆
積された被測定薄膜510の膜厚から算出される。
【0116】たとえば、図24に示すように、被測定薄
膜510が堆積された基板面を内側としてSi基板50
0が湾曲する場合には、Si基板500をのばす方向に
力が働いていることから、被測定薄膜は引っ張り応力を
有している。また、図25に示すように、被測定薄膜5
10が堆積された基板面を外側としてSi基板500が
湾曲する場合には、Si基板500を縮ませる方向に力
が働いていることから、被測定薄膜510は圧縮応力を
有している。被測定薄膜の内部応力が大きくなるに従っ
て、Si基板の湾曲度合いが大きくなる。
【0117】膜応力の具体的な値としては、たとえば、
780℃、SiCl22 0.015(l/min)、
NH3 0.060(l/min)、圧力26.7Pa
の条件で、厚さ250nmのシリコン窒化膜を、厚さ3
00μmのSi(110)基板の片面に堆積させると、
Si(110)基板は、シリコン窒化膜が形成された面
を内側にして曲率半径が約13.8mとなるように湾曲
する。
【0118】さらに、370℃、SiH4 0.015
(l/min)、O2 0.045(l/min)、圧
力26.7Paの条件で、厚さ600nmのシリコン酸
化膜を、厚さ200μmのSi(110)基板の片面に
堆積させると、Si(110)基板は、シリコン酸化膜
が形成された面を外側にして曲率半径が約10.8mと
なるように湾曲する。
【0119】再び図23を参照して、溝部形成後に、内
部応力のバランスが確保されていない場合、赤外線検出
容量部CFに、亀裂あるいは反りが発生する。しかし、
上部電極414、高誘電体膜412、下部電極410か
らなる3層は、その合成した内部応力が引っ張り応力を
有しているから、引っ張り応力を有するシリコン窒化膜
406の厚さを150nm以上300nm以下の範囲
内、望ましくは、上述のとおり250nmとし、圧縮応
力を有するシリコン酸化膜408の厚さを400nm以
上800nm以下の範囲内、望ましくは、上述のとおり
600nmとすれば、結果として圧縮応力持つシリコン
酸化膜408の上下から引っ張り応力を持つ膜で挟み込
む形となり、溝部形成後も赤外線検出容量部に亀裂や反
りのない構造が作製できる。
【0120】また、下部電極410下に積層されている
シリコン酸化膜402、シリコン窒化膜406およびシ
リコン酸化膜408の絶縁膜の積層構造は、赤外線を吸
収して温度上昇する性質があるので、赤外線により赤外
線検出容量部CFの温度上昇をもたらす。さらに、この
温度変化は、強誘電体膜412の誘電率変化をもたらす
ことになる。
【0121】また、強誘電体薄膜を用いた素子でなくと
も、たとえば、抵抗体を用いた抵抗ボロメータや、熱電
対列を用いたサーモパイルなどのように、電気的物性値
が温度に応じて変化する感温材料を用いた赤外線検出素
子に対しても、同様の赤外線吸収効果は得られる。
【0122】上記では、誘電体および金属電極薄膜を用
いた積層構造についてプロセス工程を記載したが、誘電
体以外の感温材料を用いた場合にも、その感温材料と電
極薄膜の積層膜502の合成内部応力を調べるだけで、
容易に赤外線検出部を作製できる。
【0123】たとえば、図26に示すように、感温材料
および電極薄膜からなる積層膜502の合成応力が圧縮
応力を示している場合、引っ張り応力を有するシリコン
窒化膜503の厚さを150nm以上300nm以下の
範囲内、望ましくは250nmとし、感温材料および電
極薄膜からなる積層膜502の合成内部応力と同等の圧
縮応力を有するシリコン酸化膜504を400nm以上
800nm以下の範囲内で調整し、シリコン窒化膜50
3を感温材料および電極薄膜からなる積層膜502とシ
リコン酸化膜504とにより上下から挟み込む構造とす
ればよい。すなわち、引っ張り応力を持つシリコン窒化
膜503を、圧縮応力を有する膜で上下から挟み込むこ
とによって、赤外線検出容量部CFは、薄膜形成後も反
りおよび亀裂なく作製できる。
【0124】また、図27に示すように、感温材料およ
び電極薄膜からなる積層膜502の合成応力が引っ張り
応力を示している場合、圧縮応力を有するシリコン酸化
膜505の厚さを400nm以上800nm以下の範囲
内、望ましくは600nmとし、感温材料および電極薄
膜からなる積層膜502の合成内部応力と同等の引っ張
り応力を有するシリコン窒化膜506を150nm以上
300nm以下の範囲内で調整し、シリコン酸化膜50
5を感温材料および電極薄膜からなる積層膜502とシ
リコン窒化膜506とにより上下から挟み込む構造とす
ればよい。すなわち、圧縮応力を持つシリコン酸化膜5
05を、引っ張り応力を有する膜で上下から挟み込むこ
とによって、赤外線検出容量部CFは、薄膜形成後も反
りおよび亀裂なく作製できる。
【0125】つまり、厚さ150nm以上300nm以
下の引っ張り応力を持つシリコン窒化膜と、厚さ400
nm以上800nm以下の圧縮応力を持つシリコン窒化
膜を積層させた構造は、溝部を形成した際に、赤外線検
出容量部CFに亀裂および反りの発生がなく、誘電ボロ
メータに限定されず熱型赤外線検出素子の受光部構造に
適用できるものである。
【0126】なお、最後に、図28を参照して、第10
工程として、基板表面側に形成した、例えば、シリコン
酸化膜などのコーティング膜409をドライエッチング
等によりエッチング除去することができる。ただし、コ
ーティング膜が、シリコン酸化膜や有機高分子膜などで
あって、赤外線を吸収する特性がある材料で構成されて
いる場合には、このパッシベーション膜をエッチング除
去せず、赤外線吸収膜として機能させてもよい。
【0127】なお、以上の赤外線検出容量CFの作成プ
ロセスを第1工程から記載したが、信号処理集積回路等
を赤外線検出容量CFが形成されるSi基板上に同時に
形成する場合は、この信号処理集積回路を形成する段階
で、CVDプロセスによりシリコン窒化膜やシリコン酸
化膜が成膜されるときは、それを利用して積層構造を形
成してもよい。
【0128】[実施の形態3]実施の形態1では、有機
高分子化合物と強誘電体薄膜の材料となる無機化合物と
を溶媒を用いて混合した溶液をスピンコートすることに
より、高誘電体薄膜を形成するプロセスについて説明し
た。
【0129】実施の形態3では、有機高分子化合物と強
誘電体薄膜の材料となる無機化合物とを溶媒を用いて混
合した溶液を基板上に噴霧することにより高誘電体薄膜
を形成する。
【0130】図29は、本発明の実施の形態3の薄膜形
成装置2000の構成を説明するためのブロック図であ
る。
【0131】図29を参照して、薄膜形成装置2000
は、有機構高分子化合物、たとえば、OFPR(登録商
標)等のレジストと強誘電体薄膜の材料となる無機化合
物、たとえば、BST((Ba0.75Sr0.25)Ti
3)とを溶媒を用いて混合した溶液をフィルタリング
した後の溶液を入れるための噴霧容器230と、噴霧容
器230内の溶液を、撹拌子250を外部から磁力で回
転させることにより撹拌するための撹拌器240と、た
とえば、所定圧力の窒素ガスを受けて基板200に対し
て溶液を噴霧するための噴霧ノズル220と、薄膜が形
成される基板200を吸着保持し、ノズルから噴霧され
る原料溶液をこの基板200表面上に受けるためのテー
ブル120と、このテーブル120を加熱するためのヒ
ータ122とを備える。テーブル120は、回転するこ
とで、噴霧された原料溶液を基板200の表面上に均一
に分布させる構成としてもよい。
【0132】ここでも、無機化合物は粉末状になってい
るものとする。以上のようにして、原料溶液が表面に均
一に塗布された基板200は、ヒータ122により所定
の温度(例えば、85℃)でベークされる。さらに、た
とえば、150℃で30分間ハードベークされる。これ
により、有機溶媒が基板200から蒸発し、さらに、酸
化性ガス雰囲気中で熱処理されることで、基板200上
に残された無機化合物が加熱されて、基板200上には
所望の組成を有する無機膜、すなわち高誘電体膜が形成
される。
【0133】ここでも、酸化性ガスとしては、O2
3,N2O,NO2などのガスを用いることが可能であ
る。また、酸化性ガス雰囲気中での熱処理中は、この酸
化性ガスを例えば、基板200が格納されるチャンバー
に10〜100sccmのガス流量で供給する。このと
きの基板温度は、特に限定されないが、例えば、500
℃であるものとする。
【0134】基板200には、強誘電体膜を用いたキャ
パシタを形成するために、下地電極として、Pt/Ti
/SiO2が形成されているものとする。
【0135】すなわち、本発明の実施の形態3の薄膜形
成方法をまとめると以下のようになる。
【0136】まず、有機高分子化合物と、強誘電体薄膜
の材料となる無機化合物とを有機高分子化合物に対する
溶媒を用いて混合した溶液を生成する。
【0137】つづいて、この混合溶液をフィルタリング
し、原料溶液を作製する。さらに、この原料溶液を基板
200の表面に均一に噴霧して塗布する。
【0138】原料溶液が表面に均一に塗布された基板2
00を、所定の条件でベークする。これにより、有機溶
媒が基板200から蒸発する。
【0139】つづけて、基板200を酸化性ガス雰囲気
中で熱処理することで、有機化合物は酸化除去され、基
板200上に残された無機化合物が加熱されて反応し
て、基板200上に所望の組成を有する無機膜、すなわ
ち高誘電体膜が形成される。
【0140】なお、実施の形態3で説明した薄膜形成方
法を、実施の形態2および実施の形態2の変形例で説明
した赤外線検出容量CFを作成する工程に、実施の形態
1の薄膜形成方法の代わりに用いることも可能である。
【0141】以上説明してきたような本発明にかかる薄
膜形成装置で形成した強誘電体薄膜を用いた赤外線検出
素子により、室温動作可能で小型の赤外線イメージセン
サが実現されることで、簡便な構成でサーモグラフィー
を得ることができる。
【0142】これは、病気の早期発見、機器の故障診
断、ガス漏れ検知などの屋内での応用にとどまらず、都
市や自然環境監視、火災監視、自動車用暗視野下での運
転補助、構造物の非破壊診断、侵入警戒、資源探査、気
象観測等の屋外での応用を含めて幅広く適用することが
可能である。
【0143】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
ている。
【0144】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明にかかる薄
膜形成方法により作成された強誘電体薄膜により、室温
で高感度かつ簡易な構成の赤外線検出素子を実現するこ
とができる。また、この赤外線検出素子を2次元に配列
した2次元センサアレイにより、高感度かつ高密度画素
の室温動作赤外線2次元イメージセンサを実現すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の薄膜形成装置100
0の構成を説明するためのブロック図である。
【図2】 BST膜のXRDプロファイルを示す図であ
る。
【図3】 キャパシタ構造としたBST膜の誘電率の温
度依存性を示す図である。
【図4】 赤外線検出容量CFを作成するフローを断面
図で示す第1の工程図である。
【図5】 赤外線検出容量CFを作成するフローを断面
図で示す第2の工程図である。
【図6】 赤外線検出容量CFを作成するフローを断面
図で示す第3の工程図である。
【図7】 赤外線検出容量CFを作成するフローを断面
図で示す第4の工程図である。
【図8】 赤外線検出容量CFを作成するフローを断面
図で示す第5の工程図である。
【図9】 赤外線検出容量CFを作成するフローを断面
図で示す第6の工程図である。
【図10】 赤外線検出容量CFを作成するフローを断
面図で示す第7の工程図である。
【図11】 赤外線検出容量CFを作成するフローを断
面図で示す第8の工程図である。
【図12】 赤外線検出容量CFを作成するための実施
の形態2の変形例1のフローを断面図で示す第1の工程
図である。
【図13】 赤外線検出容量CFを作成するための実施
の形態2の変形例1のフローを断面図で示す第2の工程
図である。
【図14】 赤外線検出容量CFを作成するための実施
の形態2の変形例1のフローを断面図で示す第3の工程
図である。
【図15】 赤外線検出容量CFを作成するための実施
の形態2の変形例1のフローを断面図で示す第4の工程
図である。
【図16】 赤外線検出容量CFを作成するための実施
の形態2の変形例2のフローのうち第2の工程を示す断
面図である。
【図17】 赤外線検出容量CFを作成するための実施
の形態2の変形例2のフローのうち第3の工程を示す断
面図である。
【図18】 赤外線検出容量CFを作成するための実施
の形態2の変形例2のフローのうち第4の工程を示す断
面図である。
【図19】 赤外線検出容量CFを作成するための実施
の形態2の変形例2のフローのうち第5の工程を示す断
面図である。
【図20】 赤外線検出容量CFを作成するための実施
の形態2の変形例2のフローのうち第6の工程を示す断
面図である。
【図21】 赤外線検出容量CFを作成するための実施
の形態2の変形例2のフローのうち第7の工程を示す断
面図である。
【図22】 赤外線検出容量CFを作成するための実施
の形態2の変形例2のフローのうち第8の工程を示す断
面図である。
【図23】 赤外線検出容量CFを作成するための実施
の形態2の変形例2のフローのうち第9の工程を示す断
面図である。
【図24】 堆積される薄膜の応力および応力の緩和を
説明するための第1の概念図である。
【図25】 堆積される薄膜の応力および応力の緩和を
説明するための第2の概念図である。
【図26】 堆積される薄膜の応力および応力の緩和を
説明するための第3の概念図である。
【図27】 堆積される薄膜の応力および応力の緩和を
説明するための第4の概念図である。
【図28】 赤外線検出容量CFを作成するための実施
の形態2の変形例2のフローのうち第10の工程を示す
断面図である。
【図29】 本発明の実施の形態3の薄膜形成装置20
00の構成を説明するためのブロック図である。
【図30】 強誘電体材料の分極および誘電率の双方の
温度依存性を示す図である。
【図31】 従来のシリコンFETアレイと結合した赤
外線検出素子の画素セル20の断面構造を示す図であ
る。
【図32】 従来の画素セル20の製造フロー中の第1
工程を示す断面図である。
【図33】 従来の画素セル20の製造フロー中の第2
工程を示す断面図である。
【図34】 従来の画素セル20の製造フロー中の第3
工程を示す断面図である。
【図35】 従来の画素セル20の製造フロー中の第4
工程を示す断面図である。
【図36】 従来の画素セル20の製造フロー中の第5
工程を示す断面図である。
【図37】 従来の画素セル20の製造フロー中の第6
工程を示す断面図である。
【図38】 従来の画素セル20の製造フロー中の第7
工程を示す断面図である。
【図39】 従来の画素セル20の製造フロー中の第8
工程を示す断面図である。
【図40】 従来の画素セル20の製造フロー中の第9
工程を示す断面図である。
【図41】 従来の画素セル20の製造フロー中の第1
0工程を示す断面図である。
【図42】 従来の画素セル20の製造フロー中の第1
1工程を示す断面図である。
【図43】 従来の画素セル20の製造フロー中の第1
2工程を示す断面図である。
【符号の説明】
102 フィルタ、104 溶液溜り、106 配管、
110 ノズル、120 テーブル、200 基板、3
00 シリコン基板、302 ゲート酸化膜、304 シ
リコン酸化膜、305 MgO膜、306 シリコン窒
化膜、308下部電極、310 強誘電体薄膜、312
上部電極、314 ゲート電極、316,318 引出し
配線、330 溝部、400 基板、402,404
熱酸化膜、406 シリコン窒化膜、408 シリコン
酸化膜、410 下部電極、412 高誘電体薄膜、4
14 上部電極、430 溝部、1000,2000薄
膜形成装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01J 5/02 G01J 5/02 P 5/48 5/48 F H01L 21/316 H01L 21/316 G (72)発明者 橋本 和彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 向川 友徳 東京都品川区上大崎2−10−43 ホーチキ 株式会社内 (72)発明者 野田 実 大阪府吹田市山田西1−30 B−404 (72)発明者 奥山 雅則 大阪府豊中市上野坂1−16−13 Fターム(参考) 2G065 AA11 AB02 BA13 BA14 BA34 BE08 CA13 DA10 DA18 DA20 2G066 AC07 AC13 AC14 BA04 BA55 BB09 CA02 CA04 CA20 5F058 BA04 BA11 BA20 BC03 BD02 BD04 BD10 BF02 BF46 BF62 BG01

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機高分子化合物と、強誘電体薄膜の材
    料となる無機化合物とを有機高分子化合物に対する溶媒
    を用いて混合した原料溶液を生成する工程と、 前記原料溶液を基板表面に塗布する工程と、 前記基板を酸化性ガス雰囲気中で熱処理することで、基
    板上の無機化合物を加熱し反応させて、前記基板上に所
    望の組成を有する高誘電体膜を形成する工程とを備え
    る、薄膜形成方法。
  2. 【請求項2】 有機高分子化合物と、強誘電体薄膜の材
    料となる無機化合物とを有機高分子化合物に対する溶媒
    を用いて混合した原料溶液を生成する工程と、 基板表面に下部電極を形成する工程と、 前記原料溶液を前記基板表面に塗布する工程と、 前記基板を酸化性ガス雰囲気中で熱処理することで、基
    板上の無機化合物を加熱し反応させて、前記基板上に所
    望の組成を有する高誘電体膜を形成する工程と、 前記下部電極上の前記高誘電体膜の上部に、上部電極を
    形成する工程と、 前記上部電極をマスクとして、前記高誘電体薄膜をエッ
    チングする工程とを備える、高誘電体容量形成方法。
  3. 【請求項3】 有機高分子化合物と、強誘電体薄膜の材
    料となる無機化合物とを有機高分子化合物に対する溶媒
    を用いて混合した原料溶液を生成する工程と、 基板表面に下部電極を形成する工程と、 前記原料溶液を前記基板表面に塗布する工程と、 前記基板を酸化性ガス雰囲気中で熱処理することで、基
    板上の無機化合物を加熱し反応させて、前記基板上に所
    望の組成を有する高誘電体膜を形成する工程と、 前記下部電極上の前記高誘電体膜の上部にマスクを形成
    し、前記高誘電体薄膜をエッチングする工程と、 前記マスクを除去する工程と、 前記下部電極上の前記高誘電体膜の上部に、上部電極を
    形成する工程とを備える、高誘電体容量形成方法。
  4. 【請求項4】 前記原料溶液を基板表面に塗布する工程
    は、 前記基板の中央部に前記原料溶液を滴下する工程と、 前記基板を回転させて前記原料溶液の分布を前記基板表
    面において均一化する工程とを含む、請求項1記載の薄
    膜形成方法。
  5. 【請求項5】 前記原料溶液を基板表面に塗布する工程
    は、 前記基板の中央部に前記原料溶液を滴下する工程と、 前記基板を回転させて前記原料溶液の分布を前記基板表
    面において均一化する工程とを含む、請求項2または3
    記載の高誘電体容量形成方法。
  6. 【請求項6】 前記原料溶液を基板表面に塗布する工程
    は、 前記基板の表面に前記原料溶液を噴霧して塗布する工程
    を含む、請求項1記載の薄膜形成方法。
  7. 【請求項7】 前記原料溶液を基板表面に塗布する工程
    は、 前記基板の中央部に前記原料溶液を噴霧して塗布する工
    程を含む、請求項2または3記載の高誘電体容量形成方
    法。
  8. 【請求項8】 誘電ボロメータであって、 複数の高誘電体容量を備え、 各前記高誘電体容量は、 有機高分子化合物と、強誘電体薄膜の材料となる無機化
    合物とを有機高分子化合物に対する溶媒を用いて混合し
    た原料溶液を生成する工程と、 基板表面に下部電極を形成する工程と、 前記原料溶液を前記基板表面に塗布する工程と、 前記基板を酸化性ガス雰囲気中で熱処理することで、基
    板上の無機化合物を加熱し反応させて、前記基板上に所
    望の組成を有する高誘電体膜を形成する工程と、 前記下部電極上の前記高誘電体膜の上部に、上部電極を
    形成する工程と、 前記上部電極をマスクとして、前記高誘電体薄膜をエッ
    チングする工程とにより形成される、誘電ボロメータ。
  9. 【請求項9】 誘電ボロメータであって、 複数の高誘電体容量を備え、 各前記高誘電体容量は、有機高分子化合物と、強誘電体
    薄膜の材料となる無機化合物とを有機高分子化合物に対
    する溶媒を用いて混合した原料溶液を生成する工程と、 基板表面に下部電極を形成する工程と、 前記原料溶液を前記基板表面に塗布する工程と、 前記基板を酸化性ガス雰囲気中で熱処理することで、基
    板上の無機化合物を加熱し反応させて、前記基板上に所
    望の組成を有する高誘電体膜を形成する工程と、 前記下部電極上の前記高誘電体膜の上部にマスクを形成
    し、前記高誘電体薄膜をエッチングする工程と、 前記マスクを除去する工程と、 前記下部電極上の前記高誘電体膜の上部に、上部電極を
    形成する工程とにより形成される、誘電ボロメータ。
  10. 【請求項10】 基板と、 前記基板の主表面上に形成される第1の電極と、 前記第1の電極上に形成され、温度変化によって電気的
    物性値が変化する薄膜と、 前記薄膜上に形成される第2の電極と、 前記基板の主表面側に前記第1の電極に近接して設けら
    れ、赤外線吸収により温度が上昇する赤外線吸収部とを
    備え、 前記赤外線吸収部は、 引っ張り応力と圧縮応力とがバランスする厚さをそれぞ
    れ有する複数の絶縁性薄膜の積層膜を含む、赤外線検出
    素子。
  11. 【請求項11】 前記積層膜は、 前記基板の主表面上に堆積されるシリコン窒化膜と、 前記シリコン窒素膜上に堆積される第1のシリコン酸化
    膜とを含む、請求項10記載の赤外線検出素子。
  12. 【請求項12】 前記シリコン窒化膜は、CVD法によ
    り堆積され、厚さが150nm以上300nm以下であ
    り、 前記第1のシリコン酸化膜は、CVD法により堆積さ
    れ、厚さが400nm以上800nm以下である、請求
    項11記載の赤外線検出素子。
  13. 【請求項13】 前記基板は、シリコン基板であり、 前記基板は、前記第1の電極の直下に、前記基板の裏面
    側から形成された溝部を有し、 前記基板の主表面上に前記シリコン窒素膜が形成される
    のに先立って、前記基板上に形成される第2のシリコン
    酸化膜をさらに備える、請求項11記載の赤外線検出素
    子。
  14. 【請求項14】 前記溝部は、前記第2のシリコン酸化
    膜に対して前記シリコン基板を選択的に除去可能なエッ
    チャントによりエッチング形成される、請求項13記載
    の赤外線検出素子。
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