JPH11271142A - 強誘電体薄膜材料、その製造方法およびそれを用いた赤外線検出素子 - Google Patents

強誘電体薄膜材料、その製造方法およびそれを用いた赤外線検出素子

Info

Publication number
JPH11271142A
JPH11271142A JP10072586A JP7258698A JPH11271142A JP H11271142 A JPH11271142 A JP H11271142A JP 10072586 A JP10072586 A JP 10072586A JP 7258698 A JP7258698 A JP 7258698A JP H11271142 A JPH11271142 A JP H11271142A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
ferroelectric thin
infrared
target
excimer laser
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10072586A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3683095B2 (ja
Inventor
Masanori Okuyama
雅則 奥山
Minoru Noda
実 野田
Ryuichi Kubo
久保  竜一
Kazuhiko Hashimoto
和彦 橋本
Kahei Kyo
華平 許
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP07258698A priority Critical patent/JP3683095B2/ja
Publication of JPH11271142A publication Critical patent/JPH11271142A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3683095B2 publication Critical patent/JP3683095B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Radiation Pyrometers (AREA)
  • Solid State Image Pick-Up Elements (AREA)
  • Formation Of Insulating Films (AREA)
  • Inorganic Insulating Materials (AREA)
  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 室温で高感度かつ簡易な構成の赤外線検出素
子を実現することができる強誘電体薄膜およびその製造
方法を提供する。 【解決手段】 Laで置換されたSBN(Sr0.48Ba
0.51La0.01Nb2 6:SBLN)の配向性の高い薄
膜が、パルスレーザ堆積法によって、温度600℃およ
び圧力13Paの条件で、Pt/Ti/SiO2 /Si
(100)基板上に反復可能に作製された。この配向
は、堆積中に使用されるガス雰囲気によって、周囲N2
Oガスがc軸配向に有利であって、O2 ガスが(31
1)配向に有利であるように制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、Sr(1-X-Y)
X LaY Nb2 6 の組成を有する強誘電体薄膜材
料、その製造方法およびその強誘電体薄膜材料を用い
て、対象物体から放出される赤外線強度を検出する赤外
線検出素子に関する。
【0002】
【従来の技術】[赤外線検出素子の背景技術]室温の物
体や人体からは、波長10μm付近の赤外線(熱線)が
輻射されており、これを計測することにより、それらの
存在や温度の情報が非接触で得られ、自動扉、侵入警戒
器、電子レンジの調理モニタ、科学計測等のさまざまな
応用がなされている。
【0003】こういった計測において、一番のキーデバ
イスは赤外センサであり、量子型赤外センサと熱型赤外
センサの2種類に大きく分けられる。
【0004】量子型赤外センサは、感度が大きく検知能
力に優れているが、冷却が必要なため装置が大型になる
といった点で実用性に問題があるが、熱型赤外センサ
は、感度が量子型赤外センサよりは少し劣るものの室温
動作が可能であるというメリットがあり、実用性に富ん
でいる。
【0005】このため、熱型赤外センサとして、焦電効
果を用いるもの、抵抗ボロメータ、誘電ボロメータ、サ
ーモパイル、ゴーレイセル等、数多くのものが提案され
ている。たとえば、焦電効果を用いた赤外線イメージセ
ンサが、Proc.8thIEEE Int.Sym
p.Appl.Ferroelectronics(1
992)pp.1−10(「PYROELECTRIC
IMAGING」Bemard M.Kulwick
i et.al.)に開示されている。
【0006】とくに、電界を印加して誘電率の温度変化
を検知する誘電ボロメータは、他のセンサより感度が高
く、チョッパが必要ない等の優れた特徴を有しており実
用的見地から期待されている。
【0007】さらに、より高度な赤外線センシングとし
て、物体や風景の温度分布を非接触で得られる赤外線イ
メージセンサ(サーモグラフィー)への応用が期待され
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】[赤外線検出素子用の
強誘電体材料の背景技術]上記赤外線イメージセンサ等
に用いられる赤外検出素子を高性能化するためには、こ
の赤外線検出素子を構成する材料の検知感度が大きいこ
とが必要である。
【0009】言い換えると、焦電効果を用いた焦電(P
E:pyroelectric)ボロメータを赤外線センサとする場
合、室温付近でその焦電係数が大きなことが必要であ
り、上記のような誘電ボロメータ(DB:Dielectric B
olometer)では室温付近での誘電率の温度変化が大きい
ことが必要である。
【0010】このような赤外線検出素子用の重要な材料
群に、正方晶系タングステンブロンズ構造を有する強誘
電SBN(strontium barium niobate, Sr1-x Bax
Nb 2 6 、ただし、0.25≦x≦0.75)結晶が
ある。
【0011】これらは、強誘電体材料の中でも、非常に
優れた強誘電特性を示して最も高い焦電係数を有し、そ
のキュリー温度(Tc)は、Sr/Nb比を制御するこ
とによって、60℃から250℃まで連続的に変更する
ことが可能である。
【0012】さらに、SBNは、拡散相転移の特徴を示
す。すなわち、強誘電相転移が、Tcに近い比較的広い
温度範囲内で、非常に高くかつ鋭い誘電ピークを有して
発生する。
【0013】しかしながら、SBN材料内の分極したマ
ルチドメイン構造は、減極のメカニズムによって、分極
方向が逆にされる傾向があるために、その焦電特性を劣
化させる。
【0014】ところで、SBNにランタン(La)をド
ーパントすることは、この減極を防止し、シングルドメ
インのミクロ構造を安定化して無秩序化を防ぎ、それに
より、焦電性能を向上させることが、J.Appl.P
hys.40(12),pp.4699−4713(1
969)(「Electrical Properti
es of Sr1-x Bax Nb2 6 with s
pecial reference to pyroe
lectric detection」)に報告されて
いる。
【0015】上述したとおり、強誘電体材料は、図25
に示すような分極および誘電率の双方の温度依存性を、
熱型赤外線センサに使用することができる。前者の効果
は、従来の焦電(PE)ボロメータに関し、後者は、誘
電ボロメータ(DB)に関する。
【0016】ここで、高感度な特性を得るには、材料の
相転移温度(Tc)を測定温度範囲近くにし、誘電率の
温度変化率を大きくしなければならない。
【0017】実際に、Sr0.48Ba0.52Nb2 6 のT
c値は約125℃であって、これは、SBNを、0.5
%La2 3 で置換することによって、60℃にまで下
げることが可能である。
【0018】さらに、SBN材料は、Pb等の揮発性エ
レメントを含まないため、非常に安定である。レーザア
ブレーション方法によって、SBNの薄膜を、ターゲッ
トに完璧に等しい化学量論で容易に成長することが可能
であることが、Mat.Res.Soc.Symp.P
roc.Vol.243,pp.557−562(19
92)(「Strontium barium nio
bate thinfilms prepared b
y pulsed laser depositio
n」)に報告されている。
【0019】ところで、上記赤外線センサをアレイ状に
配列し、高密度に集積化することで赤外線イメージセン
サとすることを考えると、誘電体セラミックとシリコン
FET(電界効果型トランジスタ)等のスイッチング素
子とのアレイを同一の半導体基板上に形成することが必
要となる。このことは、スイッチング素子等の形成プロ
セスと赤外線検出素子形成プロセスとの整合性、たとえ
ば、半導体基板上に形成された金属電極上へ誘電体セラ
ミックをその特性を劣化させることなく低温で形成する
ことが必要となることを意味する。
【0020】また、たとえば、誘電ボロメータを赤外線
検出素子として用いる場合、強誘電体薄膜からなるキャ
パシタの疲労特性も問題となる。
【0021】Pb(Zr0.5 Ti0.5 )O3 (以下、P
ZTと呼ぶ)の薄膜材料では、このパルス電圧を印加す
るストレス試験では、その寿命が約106 サイクルであ
ることが、J.Appl.Phys.74(5),1
September 1993pp.3373−338
2(「Enhanced Electrical Pr
operties of ferroelectlic
Pb(Zr0.5 Ti 0.5 )O3 thin film
s with low−energy oxygen
ion assistance」)に開示されている。
【0022】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたものであって、その目的は、室温付近で
検知感度の高い赤外線検出素子に適した強誘電体薄膜お
よびその製造方法を提供することである。
【0023】この発明の他の目的は、赤外線2次元イメ
ージセンサの形成プロセスに整合性の良い強誘電体薄膜
の製造方法を提供することである。
【0024】この発明のさらに他の目的は、室温付近で
検知感度の高く、かつ、赤外線2次元イメージセンサへ
の集積化が容易な赤外線検出素子を提供することであ
る。
【0025】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の強誘電体
薄膜の製造方法は、Sr(1-X-Y) BaX LaY Nb2
6 の組成を有する強誘電体薄膜材料の製造方法であっ
て、Sr、Ba、Nb、Laを含むターゲットにエキシ
マレーザをパルス照射し、ターゲット表面でアブレーシ
ョンを起こし表面から離脱した原子、分子、イオン等
を、エキシマレーザ光により酸素ラジカルを生成する雰
囲気ガス中において、ターゲットに対向して配置された
基板上に強誘電体薄膜材料を堆積する。
【0026】請求項2記載の強誘電体薄膜の製造方法
は、請求項1記載の強誘電体薄膜の製造方法において、
雰囲気ガスはN2 Oガスである。
【0027】請求項3記載の強誘電体薄膜材料は、Sr
(1-X-Y) BaX LaY Nb2 6 の組成を有する強誘電
体薄膜材料であって、Sr、Ba、Nb、Laを含むタ
ーゲットにエキシマレーザをパルス照射し、エキシマレ
ーザ光により酸素ラジカルを生成する雰囲気ガス中にお
いて、ターゲットに対向して配置された基板上に堆積さ
れ、La組成が3%以下である。
【0028】請求項4記載の強誘電体薄膜材料は、請求
項3記載の強誘電体薄膜材料おいて、雰囲気ガスはN2
Oガスである、請求項3記載の強誘電体薄膜材料。
【0029】請求項5記載の赤外線検出素子は、基板上
に形成される赤外線検出素子であって、赤外線を吸収す
ることによる温度変化に応じて静電容量値が変化する赤
外線検出容量手段を備え、赤外線検出容量手段は、互い
に対向する上部電極および下部電極と、上部電極および
下部電極に挟まれる強誘電体薄膜とを含み、強誘電体薄
膜は、Sr(1-X-Y) BaX LaY Nb2 6 の組成を有
する強誘電体薄膜材料であって、Sr、Ba、Nb、L
aを含むターゲットにエキシマレーザをパルス照射し、
ターゲット表面でアブレーションを起こし表面から離脱
した原子、分子、イオン等が、エキシマレーザ光により
酸素ラジカルを生成する雰囲気ガス中において、ターゲ
ットに対向して配置された基板上に堆積され、赤外線検
出容量手段の静電容量値の変化を検出することにより赤
外線を検知する。
【0030】請求項6記載の赤外線検出素子は、基板上
に形成される赤外線検出素子であって、赤外線を吸収す
ることにより焦電電流を生成する赤外線検出手段を備
え、赤外線検出手段は、互いに対向する上部電極および
下部電極と、上部電極および下部電極に挟まれる強誘電
体薄膜とを含み、強誘電体薄膜は、Sr(1-X-Y) BaX
LaY Nb2 6 の組成を有する強誘電体薄膜材料であ
って、Sr、Ba、Nb、Laを含むターゲットにエキ
シマレーザをパルス照射し、エキシマレーザ光により酸
素ラジカルを生成する雰囲気ガス中において、ターゲッ
トに対向して配置された基板上に堆積され、赤外線検出
手段からの焦電電流を検出することにより赤外線を検知
する。
【0031】請求項7記載の赤外線検出素子は、請求項
5または6記載の赤外線検出素子の構成において、雰囲
気ガスはN2 Oガスである。
【0032】請求項8記載の赤外線検出素子は、請求項
7記載の赤外線検出素子の構成において、強誘電体薄膜
のLa組成が3%以下である。
【0033】
【発明の実施の形態】[実施の形態1] [Sr(1-X-Y) BaX LaY Nb2 6 強誘電体薄膜の
形成]以下では、Sr(1-X-Y) BaX LaY Nb2 6
強誘電体薄膜(以下、SBLN膜と呼ぶ)(特に、Sr
0.48Ba0.51La0.01Nb2 6 膜)の作製について説
明する。
【0034】すなわち、以下に説明するように、SBL
N粉末ターゲットを作製して、Pt/Ti/SiO2
Si(100)基板上に、パルスレーザアブレーション
堆積方法によって薄膜の成長を行う。
【0035】[薄膜成長の条件]まず、ターゲットは、
SrCO3 ,BaCO3 ,La2 3 およびNb2 5
粉末(純度99.5%以上)の細かく粉砕された混合物
をペレット形に加圧成形することによって作製する。
【0036】ここで、Sr、Ba、LaおよびNbの含
量は、0.48:0.51:0.01:2の割合となる
ように制御する。これは、(Sr0.48Ba0.51
0.01)Nb2 6 (SBLN)の名目上の組成に合わ
せたものである。
【0037】特に限定されないが、機械的強度を改善す
るために、ペレットは空気中で、800℃で2時間およ
び1150℃で2時間、連続して焼結する。
【0038】堆積のプロセスは、レーザーアブレーショ
ンにより以下の手順で行う。基板をまずプレチャンバ内
にセットし、その後、分子ポンプを使用して高いバック
グラウンド圧力(<2×10-8Torr)に予め排気さ
れた主チャンバ内に移動する。
【0039】エキシマレーザとしては、たとえば、19
3nmの波長(λ)を有し、10ショット/秒の反復速
度で動作するArFエキシマレーザを用いることが可能
である。ここで、エキシマレーザからのレーザ光を3つ
の鏡によって反射させて、入射角45°でターゲット表
面に焦点を定めて、ターゲット材料を蒸発させる。
【0040】レーザの照射条件としては、たとえば、レ
ーザフルーエンスを150mJにセットし、ターゲット
表面上のビームサイズを約0.2×5mm2 とする。こ
のような条件では、ビーム伝送中のエネルギ損失によっ
て、ターゲット表面上のエネルギ密度は約4J/cm2
となる。
【0041】好ましくは、堆積中、入射レーザの照射に
よる深いクレータの形成を回避するためにターゲットは
回転を与えられる。
【0042】ターゲットから蒸発したターゲット材料が
堆積する基板は、たとえば、ターゲットより3cmの距
離に置かれる。
【0043】基板は、抵抗加熱器で加熱される基板ホル
ダ上に装着され、基板温度(Ts)は、PID温度コン
トローラを用いて、600℃程度に保持される。
【0044】特に限定されないが、300sccmの分
子流速で、O2 またはN2 Oをチャンバ内に送り込む。
このとき、周囲圧力は、TMPのターボスピードを制御
することによって、0.1Torrに調整する。
【0045】この条件下では、たとえば、成長速度は約
800nm/hとなり、これは0.25A/パルスに対
応する。
【0046】堆積の直後、ポストアニールを元の場所で
行う。ポストアニールは、酸素の豊富な環境を確保する
ために、より濃厚なO2 雰囲気(1.0Torr)内で
基板ホルダ上で行なう。これにより、形成される膜内に
起こり得る酸素欠損を補償するものと考えられる。
【0047】[SBLN膜の配向性評価]図1は、基板
温度600℃で異なるアブレーション用ガス雰囲気内で
作製された、SBLN粉末ターゲットおよびSBLN膜
のXRD(X−ray Diffraction)プロ
ファイルを示す。
【0048】焼結されたばかりの粉末ターゲットは、後
続のレーザーアブレーションに耐えるのに十分なほど高
密度であって、正方晶系タングステンブロンズ相に結晶
化されている。識別されない回折ピークが他に何ら見出
されないことは、形成された相が純粋にそのタングステ
ンブロンズ構造であることを示している。
【0049】ここで、図1からわかるように、上述のよ
うに作製された薄膜は強い配向性を有する。
【0050】N2 Oガス雰囲気内でアブレーションによ
って形成された膜は(001)配向膜であって、O2
で形成された膜は(311)配向である。
【0051】このようにガス雰囲気によって結晶の配向
が制御容易なのは、エキシマレーザのUV照射の際に周
囲ガスの解離を通じて生成される酸素ラジカルの活性度
の違いによると考えられる。N2 Oから生成された酸素
ラジカルのエネルギは、純粋なO2 から生成されたもの
よりも高く、したがって、その(001)平面上でのS
BLN膜の成長に有利である。
【0052】このように強誘電体薄膜の配向性を制御で
きることは、配向性のある膜が誘電体応用に極めて望ま
しいことから、重要な意味を持つ。
【0053】図2は、SBLNターゲットおよびN2
とO2 の異なるガス雰囲気内で作製されたSBLN膜の
ラマンスペクトルを示す。
【0054】図2に示した2つのSBLN膜のラマンス
ペクトルも、散乱位置が極めて異なる。しかしながら、
それらのプロファイルは双方とも、正方晶系タングステ
ンブロンズ粉末ターゲットのそれに良く合致する。
【0055】[薄膜の電気的特性]以下では、堆積され
た薄膜の電気的特性について説明する。
【0056】基板としては、熱酸化されたSi(10
0)ウェハを使用し、電気的測定を行なうために、Pt
(300nm)/Ti(150nm)の二層金属膜を、
室温でのRFマグネトロンスパッタリングしたものを用
いている。
【0057】電気的特性の測定のためにPt/SBLN
/Ptキャパシタ構成を得るために、0.1、0.2、
および0.5mmの3つの直径を有する点状のPt電極
を、金属マスクを通じて薄膜の上部表面上にRFマグネ
トロンスパッタリングで形成する。
【0058】図3は、Pt/SBLN/Pt/Tiキャ
パシタ構造とした(001)配向および(310)配向
のSBLN膜の、電流密度Jの印加電圧V依存性を示
す。
【0059】正のバイアスを上部電極に印加して、漏れ
電流密度を室温で測定する。すべての膜は低いオーム伝
導(∂lnJ/∂lnV〜1)を示し、約2Vの遷移電
圧までの印加バイアスに対して、10-5A/cm2 より
低い電流密度を示している。
【0060】これは、1μm厚さのSBLN膜に対する
20kV/cmの印加電界に対応する。遷移電圧を超え
ると、電流密度は(∂lnJ/∂lnV)〜7ないし1
0の傾斜で急速に増加する。
【0061】しかしそれでも、1.5Vで約200nA
/cm2 の漏れ電流密度レベルは、センサ動作が十分可
能なレベルである。
【0062】図4は、2つの異なる配向を有する1μm
厚さのSBLN膜の、P−Vヒステリシス曲線を示す。
【0063】残留分極(Pr )は、(001)配向膜で
は2μC/cm2 であって、(311)配向膜では1μ
C/cm2 である。
【0064】抗電界(Ec )は25kV/cmである。
r の値が(311)配向の膜よりも(001)配向の
膜においての方が高いことは、XRD試験と非常によく
合致している。なぜなら、自発分極の配向が、SBLN
材料の(001)に沿っているからである。
【0065】双方の膜の抗電界Ec 値がほぼ同じである
ことがわかるが、これは、SBLN膜の分極を逆にする
のに必要とされる電界が、配向の違いにかかわらず同じ
であることを示唆している。しかしそれでも、これらP
r 値は、SBN単結晶のそれよりもはるかに小さい。
【0066】図5は、1μm厚さのPt/SBLN(3
11)/Ptキャパシタの分極スイッチング耐久特性を
示す。印加された双極性パルスストレスの振幅は18V
である。図5中の挿入図は、試験前および第1の疲労試
験の直後のP−Vヒステリシス曲線を示す。
【0067】熱型イメージセンサの場合、強誘電キャパ
シタ内の温度に伴う容量変化は、一連の電圧パルスを用
いて感知されることになる。
【0068】強誘電材料は通常、分極スイッチングサイ
クルを所定の回数繰返した後に疲労の問題に見まわれ、
他の電気的特性が劣化する。このため、疲労試験を(3
11)配向の膜に対して付加的に行なった。この疲労試
験では、キャパシタを疲労させるのに、振幅が18V
で、周波数がそれぞれ1kHzおよび1MHzの、スト
レスをかけられた2連の双極性方形パルスを連続的に使
用した。
【0069】図5において、2Pr が、スイッチングサ
イクルの回数の関数として作図されている。図5に示さ
れた結果により、累積で109 回のスイッチングサイク
ルまでストレスがかけられた後にも、SBLNに顕著な
疲労が見られないことがわかる。
【0070】実際、2Pr の値は、スイッチングサイク
ルの数が増加するに従って、低下するのではなく徐々に
増加する。
【0071】図6は、異なる配向を有する2つの膜に関
して、容量および誘電率(εr )の温度依存性を示す。
【0072】誘電ミクロボロメータのためのSBLN材
料に関して、容量に対する温度の応答を調べるために、
温度上昇に伴う容量の測定を広範囲で行なった。容量
は、振幅1Vの1kHzの正弦波を使用して検出してい
る。
【0073】25℃の室温において、(001)配向の
膜に関する誘電率および誘電損は500および0.01
3に等しく、これらは、(311)配向の膜に関する2
00および0.02の値よりも高い。誘電損が低いこと
は、漏れの影響が低いことを示す。εr の差は、膜内の
配向の違いによる。
【0074】εr −T曲線は、80℃から120℃の温
度範囲で広く、急峻な部分を有する。(001)配向の
膜については、120℃あたりに誘電ピークがある。
【0075】(311)配向の膜については、130℃
にまで温度が上昇しても誘電ピークは現われていない。
それでも、εr の顕著な温度変化率(Δεr /ΔT)が
観察される。
【0076】80℃から120℃の温度範囲における
(001)配向および(311)配向の双方の膜に関す
る(Δεr /ΔT)の平均値は約100K-1である。
【0077】バイアスレベルを、試験中の正弦波の振幅
に等しい1Vであると仮定すると、誘起される焦電係数
(P=ε0 ・E・Δεr /ΔT)は、88nC/cm2
Kに達する。この値は、LiTaO3 の単結晶の従来の
焦電係数の最高値にほぼ等しい。
【0078】[Laのドープ量の影響]図7は、Sr
0.5 Ba0.5 Nb2 6 (SBN)結晶について、La
2 3 ドーパント濃度のキュリー温度に対する効果を表
わす。挿入図は、1.0%La23 でドープされたS
BN結晶の、εr −T曲線上の誘電ピークを示す。
【0079】La2 3 のドーパント濃度の増加に伴
い、キューリー温度は単調に減少し、La2 3 濃度が
1.5%で室温にまで低下することがわかる。
【0080】つまり、言い換えると、SBLN材料中の
La濃度の増加に応じて、少なくともLa濃度3%まで
は、単調にキューリー温度の低下が起こることがわか
る。
【0081】以上、説明したとおり、タングステンブロ
ンズ構造を有する、Laで置換されたSBN(Sr0.48
Ba0.51La0.01Nb2 6 :SBLN)の配向性の高
い薄膜が、パルスレーザ堆積法によって、温度600℃
および圧力13Paの条件で、Pt/Ti/SiO2
Si(100)基板上に再現性良く作製される。
【0082】[実施の形態2] [赤外線検出素子の構成]図8は、本発明の実施の形態
2の赤外線2次元イメージセンサ1000の構成を示す
概略ブロック図である。
【0083】赤外線2次元イメージセンサ1000は、
外部からの制御信号(タイミング信号、アドレス信号等
を含む)を受ける制御信号入力端子2と、外部制御信号
に応じて赤外線2次元イメージセンサ1000の動作を
制御する信号を出力する制御回路10と、画素セル20
がマトリックス状に配列されたセンサアレイ16と、制
御回路10に制御されて、センサアレイ16中の行の選
択を行う行セレクタ12と、制御回路10により制御さ
れてセンサアレイ16中の列の選択を行う列セレクタ1
4と、センサアレイ16の列に対応して設けられ、選択
された画素セルからの信号を増幅するオペアンプ22
と、センサアレイの列に対応して設けられオペアンプ2
2からの信号の高周波ノイズの除去を行う帯域透過フィ
ルタ24と、制御回路10により制御されて、帯域透過
フィルタ24からの信号を選択的に出力端子4に与える
マルチプレクサ26とを含む。
【0084】制御回路10は、外部からの制御信号に応
じて、行セレクタ12の動作を制御する信号CLK1
と、列セレクタ14の動作を制御する信号CLK2と、
マルチプレクサ26の動作を制御する信号SCとを出力
する。
【0085】図9は、図8の画素セル20の構成を示す
回路図である。画素セル20は、第1の駆動信号SD1
が与えられるノード202と、第2の駆動信号SD2が
与えられるノード204と、ノード202と204との
間に直列に接続される抵抗体R1および参照容量CR
と、ノード202と204との間に直列に接続される抵
抗体R2および赤外線検出容量CFと、抵抗体R1と参
照容量CRとの接続ノードn1と画素セル20の第1の
出力ノードnt1との間に直列に接続されるトランジス
タTr1およびTr2と、抵抗体R2と赤外線検出容量
CFとの接続ノードn2と画素セル20の第2の出力ノ
ードnt2との間に直列に接続されるトランジスタTr
3およびTr4とを含む。
【0086】トランジスタTr1およびTr3は、行セ
レクタ12からの信号Sxに応じて導通または非導通状
態となり、トランジスタTr2およびTr4は、列セレ
クタ14からの信号Syに応じて導通または非導通状態
となる。
【0087】出力ノードnt1およnt2からは、それ
ぞれ互いに相補な信号OUTおよび/OUTが出力され
る。
【0088】また、抵抗体R1およびR2としては、特
に限定されないが、たとえば、注入抵抗やポリシリコン
薄膜を用いることが可能である。もちろん、他の金属材
料等の薄膜を抵抗体R1およびR1として用いることが
可能である。
【0089】また、参照容量としては、特に限定されな
いが、赤外線が入射しないように遮蔽した赤外線検出容
量と同様の強誘電体薄膜を用いたキャパシタとしたり、
シリコン酸化膜を金属電極で挟んだ構造を用いることが
可能である。
【0090】さらに、赤外線検出容量としては、実施の
形態1で説明したSBLN膜を用いることが可能であ
る。
【0091】なお、トランジスタTr1〜Tr4は、赤
外線2次元イメージセンサを構成するために設けられて
ものであって、単一の赤外線検出素子として用いる場合
は、これを省いた構成とすることができる。
【0092】図10は、図9に示した回路をシリコン
(Si)などの半導体基板上に集積回路として形成する
際の平面パターンを示す平面図であり、図11は、図1
0に示した平面図のP−P’断面を示す断面図である。
【0093】図10および図11を参照して、画素セル
20は、Si基板300上に堆積されたシリコン酸化膜
304と、シリコン酸化膜304の開口部に形成された
MOSトランジスタTr1と、MOSトランジスタTr
1に隣接して形成され、下部電極308(Pt/Ti積
層膜)、強誘電体膜310(BST膜)および上部電極
312(Al膜)とからなる赤外線検出容量CFと、S
i基板300の裏面側から赤外線検出容量CFの直下部
分の所定深さまで開口する溝部330とを含む。
【0094】MOSトランジスタTr1は、シリコン酸
化膜304の開口部のSi基板主表面に形成され、基板
の導伝型とは逆極性の不純物領域であるソース/ドレイ
ン領域320および324と、ソース/ドレイン領域3
20および324に挟まれるSi基板主表面に形成され
たチャネル層322と、チャネル層直上のSi基板主表
面に堆積されたゲート酸化膜302およびゲート酸化膜
302上に形成されたポリシリコンゲート電極314と
を含む。
【0095】下部電極308は、シリコン酸化膜304
の上部に堆積され層間絶縁膜となるシリコン酸化膜30
6上に堆積される。下部電極308は、ソース/ドレイ
ン領域320とコンタクトしている。
【0096】ゲート電極314上には、下部電極308
と同一の配線層により形成された引出し配線316が設
けられ、下部電極308と同一の配線層により形成され
た引出し配線318とソース/ドレイン領域324とが
コンタクトしている。
【0097】溝部330を設けるのは、画素セル20が
熱型赤外センサであって、その温度上昇が出力信号強度
に直接影響することから、熱伝導の大きいSi基板30
0への熱のロスをできるだけ減少させるためである。
【0098】なお、図10中で領域GVは、溝部330
をエッチング形成する際の平面パターンであり、領域G
Vを囲む領域GESは、溝部330を裏面側からエッチ
ングする際のエッチングストッパ層を形成する領域を意
味する。たとえば、基板表面側からホウ素(B)等のイ
オン(たとえば、濃度3×1016cm-3以上)を注入し
ておくことで、Siのエッチングレートが減少すること
を利用する。
【0099】次に、図11に示した画素セル20の製造
方法を、その第1〜第12工程のフローを断面図に従っ
て説明する。
【0100】図12〜図23は、上記第1〜第12工程
をそれぞれ示す断面図である。図12を参照して、第1
工程においては、Si基板300表面に熱酸化によりシ
リコン酸化膜304を形成する。また、基板裏面にアラ
インメントマーク301をドライエッチング等の異方性
エッチングにより形成する。
【0101】図13を参照して、第2工程ではシリコン
酸化膜304の所定領域303をエッチングにより開口
する。後に説明するようにこの領域303にMOSトラ
ンジスタTR1が形成される。
【0102】図14を参照して、レジストパターン30
5をマスクとしてMOSトランジスタTR1のチャネル
部322へ、その導伝型に対応したイオン種のイオン注
入を行った後、活性化のためのアニールを行う。
【0103】図15を参照して、Si基板に対して熱酸
化により、ゲート酸化膜302を堆積した後、CVD
(Chemical Vaper Deposition )法等によりゲート電極
となるポリシリコン307を堆積する。
【0104】図16を参照して、RIE(Reactive Ion
Eyching)等の異方性エッチングによりポリシリコン3
07をエッチングして、パターニングすることによりゲ
ート電極314が形成される。
【0105】図17を参照して、ゲートパターンをマス
クとして開口部303上およびシリコン酸化膜304上
に堆積しているゲート酸化膜302をエッチング除去し
た後、ゲート電極314およびシリコン酸化膜304を
マスクとしてソース/ドレイン領域320および324
の不純物拡散を行う。
【0106】図18を参照して、CVD法等によりシリ
コン酸化膜306を堆積する。図19を参照して、基板
裏面側からRIE等の異方性エッチングによりSi基板
300に溝部330を形成する。この溝部の開口寸法
は、たとえば、数十μm×数十μmの大きさである。
【0107】また、赤外線検出容量CFの直下のSi基
板厚は、たとえば、0〜50μmの範囲であり、機械的
強度の許す限り薄ければ薄いほどよい。
【0108】つまり、好ましくは、赤外線検出容量CF
の直下にはSi基板が存在しなくなるまでエッチング除
去することが望ましい。
【0109】図20を参照して、MOSトランジスタT
R1のソース/ドレイン領域320および324ならび
にゲート電極314上に開口するコンタクトホール(接
続孔)をRIE等により形成する。
【0110】図21を参照して、スパッタリング法ある
いは真空蒸着法およびリフトオフ法等により下部電極3
08ならびに引出し配線316および318となるPt
/Ti積層膜を形成する。
【0111】続いて、図22を参照して、レーザーアブ
レーション法等により強誘電率膜310のSBLN膜等
を堆積する。レーザーアブレーションにより強誘電体膜
を堆積することで、低基板温度での成膜が可能であり、
FETアレイが形成されている基板へのダメージを低く
押さえることができる。
【0112】図23を参照して、上部電極となるAl膜
312をスパッタリング法あるいは真空蒸着法等により
所定パターンに形成する。
【0113】以上の工程により、図11に示したような
断面構造を有する画素セル20が形成される。
【0114】図11に示したような画素セル20は、電
界誘起焦電効果による誘電ボロメータであって、誘電率
の温度変化を利用することにより、赤外線センサとして
動作する。
【0115】この赤外線センサは、誘電率を電界を加え
て測定するためチョッパが必要なくなる。
【0116】さらに、後に説明するように、参照容量と
の差動をとることにより格段に感度を向上させることが
可能な構成を比較的簡単な構造で実現できるため、二次
元アレイとした場合にも高解像度を実現しやすいとの特
徴を有する。
【0117】以上のように構成された画素セルにより、
室温で高感度かつ簡易な構成の赤外線検出回路を実現す
ることができ、それを2次元に配列した2次元センサア
レイにより、高感度かつ高密度画素の室温動作赤外線2
次元イメージセンサを実現することができる。
【0118】[実施の形態3]図24は、実施の形態1
で説明したSBLN膜を用いて、赤外線検出のための焦
電センサを作成した場合の測定系400の構成を示す、
概略ブロック図である。
【0119】測定系400は、SBLN膜を誘電体とす
るキャパシタ402と、キャパシタ402の上部電極か
ら順次直列に接続され、各々のゲート電位が選択信号S
xおよびSyにより制御されるMOSトランジスタTr
1およびTr2と、キャパシタ402の下部電極と+入
力ノードが接続し、トランジスタTr1およびTr2を
介してキャパシタ402の上部電極とー入力ノードが接
続するオペアンプ406と、オペアンプ406の出力ノ
ードとー入力ノードとの間に接続されるフィードバック
抵抗Rと、オペアンプ406の出力を受ける高域透過フ
ィルタ408と、高域透過フィルタ408からの出力を
受けるゲインアンプ410と、ゲインアンプ410の出
力を受ける低域透過フィルタ412と、低域透過フィル
タ412の出力を受けて出力電位Voutを出力するア
ンプ414とを含む。
【0120】キャパシタ402に入力する赤外線は、チ
ョッパー404により一定の時間間隔で遮断される。
【0121】なお、トランジスタTr1およびTr2
は、赤外線2次元イメージセンサを構成するために設け
られてものであって、単一の赤外線検出素子として用い
る場合は、これを省いた構成とすることができる。
【0122】このような構成で、入射する赤外線強度に
応じて流れるキャパシタ402からの焦電電流を検出・
増幅することで、赤外線センサを構成することが可能で
ある。
【0123】以上説明してきたような本発明にかかる赤
外線検出素子により、室温動作可能で小型の赤外線イメ
ージセンサが実現されることで、簡便な構成でサーモグ
ラフィーを得ることができる。これは、病気の早期発
見、機器の故障診断、ガス漏れ検知などの屋内での応用
にとどまらず、都市や自然環境監視、火災監視、自動車
用暗視野下での運転補助、構造物の非破壊診断、侵入警
戒、資源探査、気象観測等の屋外での応用を含めて幅広
く適用することが可能である。
【0124】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
ている。
【0125】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明にかかる強
誘電体薄膜およびその製造方法により、室温で高感度か
つ簡易な構成の赤外線検出素子を実現することができ
る。また、この赤外線検出素子を2次元に配列した2次
元センサアレイにより、高感度かつ高密度画素の室温動
作赤外線2次元イメージセンサを実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】異なるアブレーション用ガス雰囲気内で作製さ
れた、SBLN粉末ターゲットおよびSBLN膜のXR
Dプロファイルを示す図である。
【図2】異なるガス雰囲気内で作製されたSBLNター
ゲットおよびSBLN膜のラマンスペクトルを示す図で
ある。
【図3】SBLN膜を流れる電流密度Jの印加電圧V依
存性を示す図である。
【図4】2つの異なる配向を有するSBLN膜のP−V
ヒステリシス曲線を示す図である。
【図5】SBLN(311)膜の分極スイッチング耐久
特性を示す図である。
【図6】異なる配向を有する2つの膜の容量および誘電
率(εr )の温度依存性を示す図である。
【図7】SBN結晶に対するLa2 3 のドーパント濃
度のキュリー温度に対する効果を表わす図である。
【図8】本発明の実施の形態1の赤外線2次元イメージ
センサ1000の構成を示す概略ブロック図である。
【図9】図画素セル20の構成を示す回路図である。
【図10】図9に示した回路を半導体基板上に集積回路
として形成する際の平面パターンを示す平面図である。
【図11】図10に示した平面図のP−P’断面を示す
断面図である。
【図12】画素セル20の製造フロー中の第1工程を示
す断面図である。
【図13】画素セル20の製造フロー中の第2工程を示
す断面図である。
【図14】画素セル20の製造フロー中の第3工程を示
す断面図である。
【図15】画素セル20の製造フロー中の第4工程を示
す断面図である。
【図16】画素セル20の製造フロー中の第5工程を示
す断面図である。
【図17】画素セル20の製造フロー中の第6工程を示
す断面図である。
【図18】画素セル20の製造フロー中の第7工程を示
す断面図である。
【図19】画素セル20の製造フロー中の第8工程を示
す断面図である。
【図20】画素セル20の製造フロー中の第9工程を示
す断面図である。
【図21】画素セル20の製造フロー中の第10工程を
示す断面図である。
【図22】画素セル20の製造フロー中の第11工程を
示す断面図である。
【図23】画素セル20の製造フロー中の第12工程を
示す断面図である。
【図24】本発明の実施の形態3の焦電型赤外線検出素
子の測定系400の構成を示す図である。
【図25】強誘電体材料の分極および誘電率の双方の温
度依存性を示す概念図である。
【符号の説明】
2 制御信号入力端子 4 出力端子 10 制御回路 12 行セレクタ 14 列セレクタ 16 センサアレイ 20 画素セル 22 オペアンプ 24 帯域透過フィルタ 26 マルチプレクサ 120 画素セル 300 シリコン基板 302 ゲート酸化膜 304、306 シリコン酸化膜 308 下部電極 310 強誘電体薄膜 312 上部電極 314 ゲート電極 316、318 引出し配線 330 溝部 402 強誘電体キャパシタ 404 チョッパ 406 オペアンプ 1000 赤外線2次元イメージセンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 27/14 H01L 37/02 37/02 27/14 K (72)発明者 野田 実 大阪府吹田市山田西1−30 B−404 (72)発明者 久保 竜一 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 (72)発明者 橋本 和彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 許 華平 大阪府豊中市待兼山町1丁目1番 大阪大 学国際交流会館A221号

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Sr(1-X-Y) BaX LaY Nb2 6
    組成を有する強誘電体薄膜材料の製造方法であって、 Sr、Ba、Nb、Laを含むターゲットにエキシマレ
    ーザをパルス照射し、前記エキシマレーザ光により酸素
    ラジカルを生成する雰囲気ガス中において、前記ターゲ
    ットに対向して配置された基板上に前記強誘電体薄膜材
    料を堆積する、強誘電体薄膜材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記雰囲気ガスはN2 Oガスである、請
    求項1記載の強誘電体薄膜材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 Sr(1-X-Y) BaX LaY Nb2 6
    組成を有する強誘電体薄膜材料であって、 Sr、Ba、Nb、Laを含むターゲットにエキシマレ
    ーザをパルス照射し、前記エキシマレーザ光により酸素
    ラジカルを生成する雰囲気ガス中において、前記ターゲ
    ットに対向して配置された基板上に堆積され、前記La
    組成が3%以下である、強誘電体薄膜材料。
  4. 【請求項4】 前記雰囲気ガスはN2 Oガスである、請
    求項3記載の強誘電体薄膜材料。
  5. 【請求項5】 基板上に形成される赤外線検出素子であ
    って、 赤外線を吸収することによる温度変化に応じて静電容量
    値が変化する赤外線検出容量手段を備え、 前記赤外線検出容量手段は、 互いに対向する上部電極および下部電極と、 前記上部電極および下部電極に挟まれる強誘電体薄膜と
    を含み、 前記強誘電体薄膜は、 Sr(1-X-Y) BaX LaY Nb2 6 の組成を有する強
    誘電体薄膜材料であって、Sr、Ba、Nb、Laを含
    むターゲットにエキシマレーザをパルス照射し、前記エ
    キシマレーザ光により酸素ラジカルを生成する雰囲気ガ
    ス中において、前記ターゲットに対向して配置された前
    記基板上に堆積され、 前記赤外線検出容量手段の静電容量値の変化を検出する
    ことにより赤外線を検知する、赤外線検出素子。
  6. 【請求項6】 基板上に形成される赤外線検出素子であ
    って、 赤外線を吸収することにより焦電電流を生成する赤外線
    検出手段を備え、 前記赤外線検出手段は、 互いに対向する上部電極および下部電極と、 前記上部電極および下部電極に挟まれる強誘電体薄膜と
    を含み、 前記強誘電体薄膜は、 Sr(1-X-Y) BaX LaY Nb2 6 の組成を有する強
    誘電体薄膜材料であって、Sr、Ba、Nb、Laを含
    むターゲットにエキシマレーザをパルス照射し、前記エ
    キシマレーザ光により酸素ラジカルを生成する雰囲気ガ
    ス中において、前記ターゲットに対向して配置された前
    記基板上に堆積され、 前記赤外線検出手段からの焦電電流を検出することによ
    り赤外線を検知する、赤外線検出素子。
  7. 【請求項7】 前記雰囲気ガスはN2 Oガスである、請
    求項5または6記載の赤外線検出素子。
  8. 【請求項8】 前記強誘電体薄膜の前記La組成が3%
    以下である、請求項7記載の赤外線検出素子。
JP07258698A 1998-03-20 1998-03-20 強誘電体薄膜材料、強誘電体薄膜材料の製造方法、強誘電体薄膜材料を用いた誘電ボロメータの製造方法、誘電ボロメータおよびそれを用いた赤外線検出素子 Expired - Lifetime JP3683095B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07258698A JP3683095B2 (ja) 1998-03-20 1998-03-20 強誘電体薄膜材料、強誘電体薄膜材料の製造方法、強誘電体薄膜材料を用いた誘電ボロメータの製造方法、誘電ボロメータおよびそれを用いた赤外線検出素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07258698A JP3683095B2 (ja) 1998-03-20 1998-03-20 強誘電体薄膜材料、強誘電体薄膜材料の製造方法、強誘電体薄膜材料を用いた誘電ボロメータの製造方法、誘電ボロメータおよびそれを用いた赤外線検出素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11271142A true JPH11271142A (ja) 1999-10-05
JP3683095B2 JP3683095B2 (ja) 2005-08-17

Family

ID=13493647

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07258698A Expired - Lifetime JP3683095B2 (ja) 1998-03-20 1998-03-20 強誘電体薄膜材料、強誘電体薄膜材料の製造方法、強誘電体薄膜材料を用いた誘電ボロメータの製造方法、誘電ボロメータおよびそれを用いた赤外線検出素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3683095B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001343282A (ja) * 2000-06-01 2001-12-14 Matsushita Electric Ind Co Ltd 赤外線検出素子、赤外線2次元イメージセンサおよびその製造方法
JP2002124708A (ja) * 2000-08-09 2002-04-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd 薄膜形成方法、高誘電体容量形成方法、誘電ボロメータおよび赤外線検出素子
WO2002041365A3 (en) * 2000-11-16 2003-01-23 Motorola Inc Single crystalline oxide on a semiconductor substrate
WO2006043384A1 (ja) * 2004-10-18 2006-04-27 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 赤外線センサ及び赤外線センサアレイ
JP2021031346A (ja) * 2019-08-27 2021-03-01 Tdk株式会社 誘電体組成物および電子部品

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001343282A (ja) * 2000-06-01 2001-12-14 Matsushita Electric Ind Co Ltd 赤外線検出素子、赤外線2次元イメージセンサおよびその製造方法
JP2002124708A (ja) * 2000-08-09 2002-04-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd 薄膜形成方法、高誘電体容量形成方法、誘電ボロメータおよび赤外線検出素子
WO2002041365A3 (en) * 2000-11-16 2003-01-23 Motorola Inc Single crystalline oxide on a semiconductor substrate
WO2006043384A1 (ja) * 2004-10-18 2006-04-27 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 赤外線センサ及び赤外線センサアレイ
US7332717B2 (en) 2004-10-18 2008-02-19 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Infrared sensor and infrared sensor array
JP2021031346A (ja) * 2019-08-27 2021-03-01 Tdk株式会社 誘電体組成物および電子部品

Also Published As

Publication number Publication date
JP3683095B2 (ja) 2005-08-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5850098A (en) Uncooled amorphous YBaCuO thin film infrared detector
US6635495B2 (en) Infrared detecting element, infrared two-dimensional image sensor, and method of manufacturing the same
JP4621333B2 (ja) 薄膜形成方法
Muralt Micromachined infrared detectors based on pyroelectric thin films
US5572060A (en) Uncooled YBaCuO thin film infrared detector
Chang et al. An integrated pyroelectric infrared sensor with a PZT thin film
Okuyama et al. PbTiO3 ferroelectric thin film gate fet for infrared detection
WO1996024165A9 (en) UNCOOLED YBaCuO THIN FILM INFRARED DETECTOR
CN100456493C (zh) Mfs型场效应晶体管及其制造方法、强电介质存储器及半导体装置
Zhu et al. Preparation of BST ferroelectric thin film by metal organic decomposition for infrared sensor
EP1166343B1 (en) Improvements relating to annealing
US20050279939A1 (en) Infrared detection element, infrared detector, solid state imaging device, and method for fabricating infrared detector
JP2002124708A (ja) 薄膜形成方法、高誘電体容量形成方法、誘電ボロメータおよび赤外線検出素子
JP3683095B2 (ja) 強誘電体薄膜材料、強誘電体薄膜材料の製造方法、強誘電体薄膜材料を用いた誘電ボロメータの製造方法、誘電ボロメータおよびそれを用いた赤外線検出素子
JP3828443B2 (ja) 赤外線撮像装置及びその製造方法
JP3626007B2 (ja) 赤外線検出回路および赤外線2次元イメージセンサ
JP3442080B2 (ja) 非冷却YBaCuO薄膜赤外線検出器
Cole et al. High performance infrared detector arrays using thin film microstructures
Zhu et al. Application of ferroelectric BST thin film prepared by MOD for uncooled infrared sensor of dielectric bolometer mode
Okuyama et al. Integrated pyroelectric infrared sensor using PbTiO3 thin film
Todd et al. High-performance ferroelectric and magnetoresistive materials for next-generation thermal detector arrays
Chang et al. The characterization and fabrication of pyroelectric infrared sensor
Pardo et al. Pyroelectricity in polycrystalline ferroelectrics
Noda et al. New type of dielectric bolometer mode of detector pixel using ferroelectric thin film capacitors for an infrared image sensor
Zhu et al. Preparation of BST Ferroelectric Thin Film by Metal Organic Decomposition for Infrared Sensor

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040716

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040803

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041004

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050426

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050524

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090603

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090603

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100603

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110603

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110603

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120603

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130603

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term