JP2013152114A - 熱型電磁波検出素子チップおよび熱型電磁波検出器並びに電子機器 - Google Patents

熱型電磁波検出素子チップおよび熱型電磁波検出器並びに電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】製造工程の煩雑化を回避することができる熱型電磁波検出素子チップおよび熱型電磁波検出器は提供される。
【解決手段】光吸収材膜35は貫通空間27に接してメンブレンを構成する。メンブレンは単独で熱型光検出素子18に対して光吸収膜として機能する。貫通空間27内でメンブレンの表面に改めて光吸収材が積層される必要はない。メンブレンで光は熱エネルギーに変換され、得られた熱エネルギーは直接に熱型光検出素子18に伝達されることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、熱型電磁波検出素子チップ、および、それを利用した熱型電磁波検出器、並びに、その熱型電磁波検出器を利用した電子機器等に関する。
熱型電磁波検出器を利用した光センサーは一般に知られる。例えば特許文献1に記載されるように、センサー基板には貫通孔が形成される。センサー基板の表面には貫通孔内の空間に接しつつ絶縁薄膜が形成される。絶縁薄膜の表面には熱型電磁波検出素子すなわち熱電対が形成される。
特開2006−47085号公報 米国特許第5566046号明細書
特許文献1に記載の熱型電磁波検出素子では貫通孔内でメンブレンの表面に光吸収膜が積層形成される。光は、貫通孔を通過して光吸収膜に吸収される。光吸収膜で光は熱エネルギーに変換される。熱エネルギーはメンブレンを通過して熱電対に伝達される。熱電対は熱エネルギーから電気を生成する。光吸収膜が省略されると、十分な量の熱エネルギーは熱電対まで伝わらない。その一方で、光吸収膜は貫通孔内でメンブレンの表面に形成されることから、製造工程は著しく煩雑化する。
本発明の少なくとも1つの態様によれば、製造工程の煩雑化を回避することができる熱型光検出素子チップおよび熱型光検出器は提供されることができる。
(1)本発明の一態様は、第1面から前記第1面の裏側の第2面に貫通する貫通空間を有する基体と、裏面で前記貫通空間に接触しつつ前記基体の前記第1面に広がる電磁波吸収材膜と、前記貫通空間に対応して前記電磁波吸収材膜の表面に配置される熱型電磁波検出素子と、前記熱型電磁波検出素子の輪郭よりも外側で前記電磁波吸収材膜の表面に配置されて、前記熱型電磁波検出素子に電気的に接続される導電性の接続端子とを備える熱型電磁波検出素子チップに関する。
電磁波は、貫通空間を通過して電磁波吸収材膜の裏面から電磁波吸収材膜に吸収されることができる。電磁波の熱エネルギーは所定の熱時定数で熱型電磁波検出素子に伝達される。こうして熱型電磁波検出素子チップは、基体の第1面で他の基板に向き合わせられつつ当該他の基板に連結されることができる。連結にあたって接続端子は押し付け力の支持を受け持つことができる。その結果、熱型電磁波検出素子と他の基板との間で直接接触は回避されることができる。熱型電磁波検出素子に押し付け力は作用しないことから、熱型電磁波検出素子の剛性は弱められることができる。熱型電磁波検出素子は剛性の制約を受けずに構成されることができる。熱型電磁波検出素子には様々な構造が提案されることができる。
しかも、電磁波吸収材膜は貫通空間に接してメンブレンを構成する。メンブレンは単独で熱型電磁波検出素子に対して電磁波吸収膜として機能する。貫通空間内でメンブレンの表面に改めて電磁波吸収材が積層される必要はない。メンブレンで電磁波は熱エネルギーに変換され、得られた熱エネルギーは直接に熱型電磁波検出素子に伝達されることができる。加えて、製造工程は簡素化される。
(2)熱型電磁波検出素子チップでは、前記熱型電磁波検出素子は前記貫通空間の前記第1面の開口の輪郭よりも内側に配置されることができる。熱型電磁波検出素子はメンブレン上に配置される。メンブレンの熱エネルギーは確実に熱型電磁波検出素子に伝達される。貫通空間の開口の輪郭よりも外側ではメンブレンは直接に基体に接触することから、メンブレンの熱エネルギーは基体に拡散していく。したがって、熱型電磁波検出素子が貫通空間の開口の輪郭よりも外側にはみ出すと、熱型電磁波検出素子はメンブレンから十分に熱エネルギーを受け取ることができない。
(3)前記電磁波吸収材膜は均一な膜厚を有することができる。こうして電磁波吸収材膜の膜厚が均一であれば、膜厚が不均一な場合に比べて、熱容量や熱伝導は比較的に簡単に特定されることができる。したがって、熱時定数の算出は簡素化されることができる。その結果、熱型電磁波検出素子チップの設計の負担は軽減されることができる。
(4)前記電磁波吸収材膜は異種材の積層膜で構成されることができる。電磁波の吸収率は電磁波の波長に応じて相違する。素材ごとに、高い吸収率の波長は相違する。異種材の積層膜で電磁波吸収材膜が形成されると、素材ごとに特定の波長で高い吸収率が達成されるだけでなく、積層に基づく相乗効果で広い範囲の波長で吸収率が高められることができる。その結果、広い範囲の波長で電磁波は熱エネルギーに変換されることができる。電磁波に対して熱型電磁波検出素子の感度は高められることができる。
(5)前記積層膜は、酸化シリコン層および窒化シリコン層を有することができる。こうして酸化シリコン層と窒化シリコン層とが重ね合わせられると、酸化シリコン膜または窒化シリコン膜が単独で用いられる場合に比べて、広い範囲の波長で電磁波は熱エネルギーに変換されることができる。しかも、窒化シリコン層の働きで積層膜の膜剛性は高められることができる。
(6)熱型電磁波検出素子チップは熱型電磁波検出器に組み込まれて利用されることができる。熱型電磁波検出器は、前記接続端子として第1接続パッドを有する熱型電磁波検出素子チップと、前記基体の前記第1面に向き合わせられる表面を有し、集積回路を含み、前記集積回路に接続される導電性の第2接続パッドを前記表面に配置する集積回路基板と、前記第1接続パッドおよび前記第2接続パッドを相互に接合し、前記集積回路基板に前記熱型電磁波検出素子チップを結合する導電材の接合体とを備えることができる。
(7)熱型電磁波検出器では、前記電磁波吸収材膜のうち前記貫通空間に接する部分の膜厚は他の部分の膜厚よりも薄くてもよい。こうして貫通空間に接する部分で電磁波吸収膜の熱時定数は小さくなる。したがって、熱型電磁波検出素子の応答性は向上する。
(8)熱型電磁波検出器は電子機器に組み込まれて利用されることができる。電子機器は、熱型電磁波検出器と、前記熱型電磁波検出器の出力を処理する処理回路とを有することができる。
(9)本発明の他の態様は、第1面から前記第1面の裏側の第2面に貫通する貫通空間を有する基体と、裏面で前記貫通空間に接触しつつ前記基体の前記第1面に広がる電磁波吸収材膜と、前記貫通空間に対応して前記電磁波吸収材膜の表面に配置される熱型電磁波検出素子と、前記熱型電磁波検出素子の輪郭よりも外側で前記電磁波吸収材膜の表面に配置されて、前記熱型電磁波検出素子に電気的に接続される導電性の接続端子と、前記接続端子に接続されて、前記熱型電磁波検出素子の出力を処理する処理回路とを備える電子機器に関する。
(10)本発明のさらに他の態様は、テラヘルツ帯の電磁波を放射する電磁波源と、第1面から前記第1面の裏側の第2面に貫通する貫通空間を有する基体と、裏面で前記貫通空間に接触しつつ前記基体の前記第1面に広がる電磁波吸収材膜と、前記貫通空間に対応して前記電磁波吸収材膜の表面に配置され、テラヘルツ帯の電磁波を電気に変換する熱型電磁波検出素子と、前記熱型電磁波検出素子の輪郭よりも外側で前記電磁波吸収材膜の表面に配置されて、前記熱型電磁波検出素子に電気的に接続される導電性の接続端子と、前記接続端子に接続されて、前記熱型電磁波検出素子の出力を処理する処理回路とを備えるテラヘルツカメラに関する。こうしたテラヘルツカメラでは、熱型電磁波検出素子の高密度化に応じて画像の高精細化は実現されることができる。
本発明の一実施形態に係る熱型電磁波検出器の一具体例すなわち光検出器パッケージを概略的に示す断面図である。 センサー基板の拡大部分平面図である。 図2の3−3線に沿った垂直断面図である。 センサー基板の拡大部分平面図である。 酸化シリコンおよび窒化シリコンに関し光の波長と吸収率との関係を示すグラフである。 第1ウエハー基板の側面図である。 裏返された第1ウエハー基板の側面図である。 第2ウエハー基板に接合されるセンサー基板を概念的に示す側面図である。 他の実施形態に係るセンサー基板の拡大部分平面図である。 光検出器パッケージを利用した電子機器の一具体例に係るテラヘルツカメラの外観を概略的に示す斜視図である。 テラヘルツカメラの構成を概略的に示すブロック図である。 光検出器パッケージを利用した電子機器の一具体例に係る赤外線カメラの構成を概略的に示すブロック図である。 光検出器パッケージを利用した電子機器の一具体例に係るFA(ファクトリーオートメーション)機器の構成を概略的に示すブロック図である。 光検出器パッケージを利用した電子機器の一具体例に係る人感センサーが組み込まれた電気機器(家電機器)の構成を概略的に示すブロック図である。 光検出器パッケージを利用した電子機器の一具体例に係る運転支援装置が組み込まれた車両の構成を概略的に示す車両の外観図である。 運転支援装置の構成を概略的に示すブロック図である。 光検出器パッケージを利用した電子機器の一具体例に係るゲーム機の外観を概略的に示す斜視図である。 光検出器パッケージを利用した電子機器の一具体例に係るゲーム機コントローラーの構成を概略的に示すブロック図である。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
(1)光検出器パッケージの全体構成
図1は本発明の一実施形態に係る熱型電磁波検出器の一具体例すなわち光検出器パッケージ11を概略的に示す。光検出器パッケージ11は箱形の筐体12を備える。筐体12は、筐体本体13と、筐体本体13の開口13aを閉鎖するカバー14とを有する。筐体本体13およびカバー14は密閉された内部空間を区画する。筐体本体13は例えば絶縁性のセラミックから形成されることができる。カバー14は特定の波長の電磁波に対して透過性を有する材料から形成されることができる。ここでは、カバーは例えばシリコンから形成される。カバー14は例えば赤外線に対して透過性を有することができる。内部空間では真空状態が確立されることができる。
筐体12には集積回路(IC)基板15およびセンサー基板(熱型電磁波検出素子チップ)16が収容される。IC基板15は集積回路を含む。集積回路は読み出し回路を構成する。IC基板15の裏面は筐体12の内部空間で筐体本体13の底板に固定される。IC基板15は例えば接着剤で底板に接着されればよい。IC基板15はICチップを構成する。センサー基板16はセンサーチップを構成する。
センサー基板16はIC基板15の表面に受け止められる。センサー基板16の表面はIC基板15の表面に向き合わせられる。すなわち、センサー基板16は裏返される。センサー基板16の表面はIC基板15の表面に接合される。接合にあたってセンサー基板16とIC基板15との間には導電材の接合体17が挟まれる。接合体17はIC基板15内の読み出し回路に電気的にセンサー基板16を接続する。ここでは、接合体17はバンプで構成される。バンプには例えば金バンプが用いられることができる。金バンプは金属接合やはんだ材でIC基板15に接合されることができる。その他、金バンプに代えてはんだバンプが用いられてもよい。センサー基板16の表面には1以上の熱型電磁波検出素子すなわち熱型光検出素子18が形成される。
筐体12の外面には外部端子21が設置される。外部端子21は筐体本体12の底板の外面に配置される。外部端子21は導電材から形成される。その一方で、筐体12の内面には中継パッド22が設置される。中継パッド22は筐体12の内部空間で筐体本体13の底板上に配置される。中継パッド22は導電材から形成される。中継パッド22および外部端子21は中継導体23で相互に接続される。中継導体23は筐体本体13の底板を貫通する。中継導体23は導電材から形成される。
中継パッド22は例えばワイヤ配線24でIC基板15に電気的に接続される。ワイヤ配線24は中継パッド22に読み出し回路を接続する。こうして読み出し回路および外部端子21の間で信号経路が形成される。こうした光検出器パッケージ11はソケット(図示されず)にはめ込まれて使用されることができる。外部端子21はソケットの接続端子に接続される。ソケットは必要に応じて大型のプリント配線基板に実装されることができる。
図2はセンサー基板16の拡大部分平面図を示す。センサー基板16は基板本体26を備える。基板本体26の表面には複数行複数列の熱型光検出素子18が配置される。すなわち、熱型光検出素子18のマトリクスが形成される。個々の熱型光検出素子18は焦電型光検出素子で例えられる。
基板本体26の表面には熱型光検出素子18の輪郭よりも外側で第1接続端子(接続端子および第1接続パッド)28および第2接続端子29が配置される。第1接続端子28は個々の熱型光検出素子18ごとに割り当てられる。第1接続端子28はパッド形に形成される。第1接続端子28は例えば銅といった導電材から形成されることができる。
個々の第1接続端子28は個別に対応の熱型光検出素子18に電気的に接続される。接続にあたって個々の熱型光検出素子18から個別に第1配線31が引き出される。第1配線31は導電材から形成される。第1配線31は1本の直線状のパターン配線から構成されることができる。第1配線31は熱型光検出素子18の表面および基板本体26の表面を這って延びる。個々の第1配線31は先端で対応の第1接続端子28に個別に接続される。
第2接続端子29はマトリクス内で1行の熱型光検出素子18に共通に1個だけ割り当てられる。第2接続端子29はパッド形に形成される。第2接続端子29は例えば銅といった導電材から形成されることができる。第2接続端子29には対応の熱型光検出素子18群が共通に接続される。接続にあたって個々の熱型光検出素子18から第2配線32が引き出される。第2配線32は導電材から形成される。第2配線32は熱型光検出素子18の輪郭の外側で直角に屈曲するクランク状のパターン配線から構成されることができる。第2配線32は熱型光検出素子18の表面および基板本体26の表面を這って延びる。
1行の熱型光検出素子18群ごとに第2配線32は1本の共通配線33に接続される。共通配線33は導電材から形成される。共通配線33は、基板本体26の表面を這って延びるパターン配線で構成されることができる。個々の共通配線33の先端は対応の第2接続端子29に個別に接続される。
図3に示されるように、基板本体26は基体34と光吸収材膜(電磁波吸収材膜)35とを備える。基体34には貫通空間27が形成される。貫通空間27は基体34の裏面(第1面)から裏面の裏側の表面(第2面)に貫通する。光吸収材膜35は基体34の表面に一面に広がる。光吸収材膜35は裏面で貫通空間27に接触する。ここでは、光吸収材膜35は基板本体26の表面全体にべた膜として形成される。光吸収材膜35は、基体34の表面に区画される貫通空間27の開口を塞ぐ。光吸収材膜35は、少なくとも貫通空間27に接触する領域で均一な膜厚を有することができる。しかも、光吸収材膜35のうち貫通空間27に接する部分は他の部分の膜厚よりも薄い膜厚を有することができる。貫通空間27は、基体34の表面から裏面に向かって徐々に水平断面を拡大させる形状に区画されることができる。ここで、貫通空間27の水平断面は基体34の表面に平行に規定される。貫通空間27は、光吸収材膜35に必要な光が到達する立体形状に形作られればよい。
光吸収材膜35は、所望の電磁波(例えば赤外線)を吸収する材料から形成される。材料には例えば絶縁体が用いられる。電磁波の吸収に応じて電磁波のエネルギーは熱エネルギーに変換される。ここでは、光吸収材膜35は異種材の積層膜で構成される。積層膜は三層構造を有することができる。三層構造は、基板本体26の表面に積層される第1酸化シリコン(SiO)層36と、第1酸化シリコン層36の表面に積層される窒化シリコン(Si)層37と、窒化シリコン層37の表面に積層される第2酸化シリコン(SiO)層38とを有する。
熱型光検出素子18は焦電キャパシター41を備える。焦電キャパシター41は焦電体42を備える。焦電体42は焦電効果を発揮する誘電体から形成される。誘電体には例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)が用いられることができる。焦電体42は温度変化に応じて電気分極量の変化を生み出す。ここでは、焦電体42は薄膜に形成される。
焦電キャパシター41は下部電極43および上部電極44を備える。焦電体42は下部電極43および上部電極44に挟み込まれる。下部電極43は光吸収材膜35の表面に形成される。下部電極43は例えば光吸収材膜35の表面から順番にイリジウム(Ir)、イリジウム酸化物(IrOx)および白金(Pt)の三層構造を有することができる。上部電極44は焦電体42の表面に形成される。上部電極44は焦電体42から順番に白金(Pt)、イリジウム酸化物(IrOx)およびイリジウム(Ir)の三層構造を有することができる。焦電体42の焦電効果に応じて上部電極44および下部電極43の間に電圧の変化が生じる。熱型光検出素子18は貫通空間27の開口内で光吸収材膜35に支持される。
焦電キャパシター41は絶縁膜45で覆われる。絶縁膜45には例えば酸化シリコンが用いられることができる。絶縁膜45の表面に第1配線31は形成される。第1配線31は上部電極44に接続される。この接続にあたって絶縁膜45にはコンタクトホール46が形成される。同様に、絶縁膜45の表面に第2配線32は形成される。第2配線32は下部電極43に接続される。この接続にあたって絶縁膜45にはコンタクトホール47が形成される。
IC基板15は基体51と絶縁層の積層体52とで形成される。基体51は例えば所定の剛性を有する。基体51には例えばシリコン基板が用いられることができる。絶縁層の積層体52は基体51の表面に積層される。絶縁層は絶縁性材料の薄膜で構成されることができる。絶縁性材料には例えば酸化シリコンが用いられることができる。
基体51上には読み出し回路が構築される。読み出し回路の構築にあたって基体51の表面から基体51の内部に例えば不純物質が拡散する。こうした不純物質の拡散や酸化膜、電極、その他の形成に応じて基体51の表面には回路構成要素53が確立されることができる。こうした回路構成要素53には例えばMOSFET(酸化金属半導体電界効果トランジスター)が例示されることができる。
積層体52の表面には接合体17ごとに端子パッド54が形成される。端子パッド54は導電材料から形成される。ここでは、導電材料には例えば銅といった金属材料が用いられることができる。個々の接合体17は個別に対応の端子パッド54に接続される。積層体52の内部にはパターン配線55およびビア56が形成される。パターン配線55およびビア56は導電材料から形成される。パターン配線55およびビア56は回路構成要素53に端子パッド54を連結する。こうして回路構成要素53と端子パッド54との間に信号経路が確立される。
積層体52の表面にはさらに中継パッド57が形成される。中継パッド57は導電材料から形成される。ここでは、導電材料には例えば銅といった金属材料が用いられることができる。中継パッド57はパターン配線55やビア56を通じて読み出し回路に接続される。中継パッド57にはワイヤ配線24が結合される。
貫通空間27に接触する領域で、光吸収材膜35の膜厚は、貫通空間27を通過して光吸収材膜35に到達する光の熱エネルギーを所定の熱時定数で熱型光検出素子18に伝達する大きさに設定される。光吸収材膜35で光は熱エネルギーに変換され、得られた熱エネルギーは直接に熱型光検出素子18に伝達されることができる。
図4に示されるように、熱型光検出素子18は、基体34の表面で開口する貫通空間27の当該開口の輪郭27aよりも内側に配置される。第1接続端子28および第2接続端子29は、貫通空間27の開口の輪郭27aよりも外側に配置される。望ましくは、第1接続端子28および第2接続端子29は、基体34の裏面で開口する貫通空間27の当該開口の輪郭が基体34の表面に投影される際に輪郭の投影像よりも外側に配置される。ここで、投影像の形成にあたって、開口の輪郭は基体34の表面に直交する垂直方向に投影されればよい。
なお、センサー基板16では光吸収材膜35内に配線が形成されることができる。こうした配線は導電体で形成されることができる。配線は、基体34の表面や第1酸化シリコン層36の表面、窒化シリコン層37の表面を這って延びるパターン配線で構成されることができる。このとき、第1酸化シリコン層36、窒化シリコン層37および第2酸化シリコン層38は層間絶縁膜として機能することができる。相違する層のパターン配線同士は例えば第1酸化シリコン層36や窒化シリコン層37、第2酸化シリコン層38を貫通する導電材製のビアで相互に接続されることができる。
(2)光検出器パッケージの動作
次に光検出器パッケージ11の動作を簡単に説明する。光検出器パッケージ11に電磁波が届くと、特定の波長の光(例えば赤外線)はカバー14を通過する。光は貫通空間27を通過して光吸収材膜35に到達する。光は光吸収材膜35に吸収され光吸収材膜35で熱が発生する。光の熱エネルギーは所定の熱時定数で熱型光検出素子18に伝達される。焦電体42は金属製の下部電極43に直接に接触し、下部電極43は光吸収材膜35に直接に接触することから、光吸収材膜35の熱エネルギーは時間遅れなく焦電体42に伝達されることができる。熱エネルギーに応じて焦電体42の温度は変化する。温度の変化に応じて電気分極量の変化が生み出される。ソースフォロワー回路による検出をする場合、個々の熱型光検出素子18から第1接続端子28および第2接続端子29を通じて個別に焦電流が流れ電圧に変換され、FETゲートに電圧変化が伝達される。電気分極量の変化に応じて電圧は変化する。その結果、個々の熱型光検出素子18ごとに温度情報が得られることができる。
光吸収材膜35は貫通空間27に接してメンブレンを構成する。メンブレンは単独で熱型光検出素子18に対して光吸収膜として機能する。貫通空間27内でメンブレンの表面に改めて光吸収材が積層される必要はない。メンブレンで光は熱エネルギーに変換され、得られた熱エネルギーは直接に熱型光検出素子18に伝達されることができる。
熱型光検出素子18は、基体34の表面で開口する貫通空間27の当該開口の輪郭27aよりも内側に配置される。すなわち、熱型光検出素子18はメンブレン上に配置される。メンブレンの熱エネルギーは確実に熱型光検出素子18に伝達される。貫通空間27の開口の輪郭27aよりも外側ではメンブレンは直接に基体34に接触することから、メンブレンの熱エネルギーは基体34に拡散していく。したがって、熱型光検出素子18が貫通空間27の開口の輪郭27aよりも外側にはみ出すと、熱型光検出素子18はメンブレンから十分に熱エネルギーを受け取ることができない。
加えて、光検出器パッケージ11では光吸収材膜35は均一な膜厚を有することができる。こうして光吸収材膜35の膜厚が均一であれば、膜厚が不均一な場合に比べて、熱容量や熱伝導は比較的に簡単に特定されることができる。したがって、熱時定数の算出は簡素化されることができる。その結果、光検出器パッケージ11の設計の負担は軽減されることができる。
さらに、光の吸収率は光の波長に応じて相違する。素材ごとに、高い吸収率の波長は相違する。異種材の積層膜で光吸収材膜35が形成されると、素材ごとに特定の波長で高い吸収率が達成されるだけでなく、積層に基づく相乗効果で広い範囲の波長で吸収率が高められることができる。その結果、広い範囲の波長で光は熱エネルギーに変換されることができる。光に対して熱型光検出素子18の感度は高められることができる。例えば図5に示されるように、酸化シリコンは波長λ=9.0〜9.5μmおよび12.0〜13.0μmあたりで吸収率のピークを示す。窒化シリコンは波長λ=11.0μmあたりで吸収率のピークを示す。酸化シリコン層および窒化シリコン層の積層体では波長9.0μm以上で高い吸収率が確立されることができる。酸化シリコン膜または窒化シリコン膜が単独で用いられる場合に比べて、光吸収材膜35では広い範囲の波長で光は熱エネルギーに変換されることができる。しかも、窒化シリコン層37の働きで光吸収材膜35の膜剛性は高められることができる。
さらにまた、光吸収材膜35のうち貫通空間27に接する部分が他の部分の膜厚よりも薄い膜厚に設定されれば、貫通空間27に接する部分で光吸収膜35の熱時定数は縮小されることができる。したがって、光検出器パッケージ11の応答性は向上する。
(3)光検出器パッケージの製造方法
次に光検出器パッケージ11の製造方法を簡単に説明する。まず、図6に示されるように、第1ウエハー基板61が用意される。第1ウエハー基板61は円盤形の基体62と絶縁膜63とで構成される。基体62には例えばシリコンウエハーが用いられることができる。絶縁膜63は基体62の表面に一面に積層される。絶縁膜63は異種材の積層膜で構成される。積層膜は三層構造を有する。三層構造は、基体62の表面に積層される第1酸化シリコン(SiO)層64と、第1酸化シリコン層64の表面に積層される窒化シリコン(Si)層65と、窒化シリコン層65の表面に積層される第2酸化シリコン(SiO)層66とを有する。ここでは、第1酸化シリコン層64の膜厚は例えば1000nm程度に設定され、窒化シリコン層65の膜厚は例えば300nm程度に設定され、第2酸化シリコン層66の膜厚は例えば600nm程度に設定されることができる。絶縁膜62の表面には熱型光検出素子18、第1接続端子28、第2接続端子29、第1配線31、第2配線32および共通配線33が形成される。形成にあたって真空蒸着やスパッタリング法、めっき法、その他の成膜方法が適宜に利用されることができる。
その後、図7に示されるように、第1ウエハー基板61の裏側から基体62に貫通空間27が形成される。形成にあたって例えばウェットエッチング法やドライエッチング法が用いられることができる。貫通空間27は基体62を貫通する。絶縁膜63は維持される。絶縁膜63はメンブレンとして機能する。ただし、貫通空間27の形成にあたって絶縁膜63の第1酸化シリコン層64は部分的に取り除かれてもよい。この時点で第1ウエハー基板61から個々のセンサー基板16すなわちセンサーチップは切り出されることができる。
その後、図8に示されるように、第2ウエハー基板67が用意される。第2ウエハー基板67には特定の領域ごとに読み出し回路(集積回路)が形成される。第2ウエハー基板67にセンサー基板16は接合される。接合にあたってセンサー基板16は第2ウエハー基板67の表面に基体34の表面を向き合わせる。センサー基板16の表面に配置される接合体17でセンサー基板16は読み出し回路に電気的に接続される。ここでは、接合にあたってセンサー基板16は第2ウエハー基板67に押し付けられる。第1接続端子28および第2接続端子29は接合体17から押し付け力の反力を受ける。こうしてセンサー基板16の表面では第1接続端子28および第2接続端子29は押し付け力の支持を受け持つことができる。熱型光検出素子18と第2ウエハー基板67との間で直接接触は回避されることができる。熱型光検出素子18は構造上の制約を受けずに構成されることができる。熱型光検出素子18には様々な構造が提案されることができる。なお、貫通空間27の形成は第2ウエハー基板67とセンサー基板16との接合後に実施されてもよい。
その後、第2ウエハー基板67から個々のIC基板15は切り出されることができる。IC基板15およびIC基板15に接合されたセンサー基板16は筐体12内に封止される。こうして光検出器パッケージ11は製造される。
(4)他の実施形態
図9に示されるように、メンブレン71は支持アーム72で基体34に連結されてもよい。こうしたメンブレン71の形成にあたって貫通空間27の開口の輪郭27aに沿って複数本のスリット73が形成される。スリット73は開口の輪郭27aの内側で輪郭27aに沿って延びる。スリット73同士の間に支持アーム72は区画される。こうしてメンブレン71は貫通空間27上に支持アーム72で支持されることができる。メンブレン71と基体34との間で光吸収材膜35の熱エネルギーの経路は支持アーム72に限定されることができる。熱エネルギーの流通は支持アーム72で制限される。加えて、メンブレン71および支持アーム72はべた膜の光吸収材膜35から一体的に形成されることから、メンブレン71および支持アーム72は高い強度で基体34に連結されることができる。
(5)テラヘルツカメラ
図10は光検出器パッケージ11を利用した電子機器の一具体例に係るテラヘルツカメラ101の構成を概略的に示す。テラヘルツカメラ101は筐体102を備える。筐体102の正面にはスリット103が形成されレンズ104が装着される。スリット103からテラヘルツ帯の電磁波が対象物に向かって照射される。こうした電磁波にはテラヘルツ波といった電波および赤外線といった光が含まれる。ここでは、テラヘルツ帯には100GHz〜30THzの周波数帯が含まれることができる。レンズ104には対象物から反射してくるテラヘルツ帯の電磁波が取り込まれる。
テラヘルツカメラ101の構成をさらに詳しく説明すると、図11に示されるように、テラヘルツカメラ101は照射源(電磁波源)105を備える。照射源105には駆動回路106が接続される。駆動回路106は照射源105に所望の駆動信号を供給する。照射源105は駆動信号の受領に応じてテラヘルツ帯の電磁波を放射する。照射源105には例えばレーザー光源が用いられることができる。
レンズ104は光学系107を構成する。光学系107はレンズ104のほかに光学部品を備えてもよい。レンズ104の光軸108上に光検出器パッケージ11が配置される。センサー基板13の表面は例えば光軸108に直交する。光学系107は熱型光検出素子18のマトリクス上に像を結像する。光検出器パッケージ11にはアナログデジタル変換回路109が接続される。アナログデジタル変換回路109には光検出器パッケージ11から熱型光検出素子18の出力が順番に時系列で供給される。アナログデジタル変換回路109は出力のアナログ信号をデジタル信号に変換する。
アナログデジタル変換回路109には演算処理回路(処理回路)111が接続される。演算処理回路111にはアナログデジタル変換回路109からデジタルの画像データが供給される。演算処理回路111は画像データを処理し表示画面の画素ごとに画素データを生成する。演算処理回路111には描画処理回路112が接続される。描画処理回路112は画素データに基づき描画データを生成する。描画処理回路112には表示装置113が接続される。表示装置113には例えば液晶ディスプレイといったフラットパネルディスプレイが用いられることができる。表示装置113は描画データに基づき画面上に画像を表示する。描画データは記憶装置114に格納されることができる。紙やプラスチック、繊維その他の物体に対する透過性、および、物質固有の吸収スペクトルに基づきテラヘルツカメラ101は検査装置として利用されることができる。
その他、テラヘルツカメラ101は物質の定性分析や定量分析に利用されることができる。こうした利用にあたって例えばレンズ104の光軸108上には特定周波数のフィルターが配置されることができる。フィルターは特定波長以外の電磁波を遮断する。したがって、特定波長の電磁波のみが光検出器パッケージ11に到達することができる。これによって特定の物質の有無や量は検出されることができる。
(6)赤外線カメラ
図12は光検出器パッケージ11を利用した電子機器の一具体例に係る赤外線カメラ121の構成を概略的に示す。赤外線カメラ121は光学系122を備える。光学系122の光軸123上に光検出器パッケージ11は配置される。センサー基板16の裏面は例えば光軸123に直交する。光学系122は熱型光検出素子18のマトリクス上に像を結像する。光検出器パッケージ11にはアナログデジタル変換回路124が接続される。アナログデジタル変換回路124には光検出器パッケージ11から熱型光検出素子18の出力が順番に時系列で供給される。アナログデジタル変換回路124は出力のアナログ信号をデジタル信号に変換する。
アナログデジタル変換回路124には演算処理回路(処理回路)125が接続される。演算処理回路125にはアナログデジタル変換回路124からデジタルの画像データが供給される。演算処理回路125は画像データを処理し表示画面の画素ごとに画素データを生成する。演算処理回路125には描画処理回路126が接続される。描画処理回路126は画素データに基づき描画データを生成する。描画処理回路126には表示装置127が接続される。表示装置127には例えば液晶ディスプレイといったフラットパネルディスプレイが用いられることができる。表示装置127は描画データに基づき画面上に画像を表示する。描画データは記憶装置128に格納されることができる。
赤外線カメラ121はサーモグラフィとして利用されることができる。この場合には赤外線カメラ121は表示装置127の画面に熱分布画像を映し出すことができる。熱分布画像の生成にあたって演算処理回路125では温度帯域ごとに画素の色が設定される。サーモグラフィは人体の温度分布の測定や体温そのものの測定に用いられることができる。その他、サーモグラフィはFA(ファクトリーオートメーション)機器に組み込まれて熱漏れや異常な温度変化の検出に用いられることができる。例えば図13に示されるように、FA機器(電子機器)131はFA機能ユニット132を備える。FA機能ユニット132は特定の機能の実現にあたって動作する。FA機能ユニット132には制御回路(処理回路)133が接続される。制御回路133は加熱や加圧、機械的処理、化学的処理、その他のFA機能ユニット132の動作を制御する。制御回路133には赤外線カメラ121、表示装置134およびスピーカー135などが接続される。赤外線カメラ121は撮像範囲内でFA機能ユニット132を撮像する。制御回路133は、撮像範囲内で異常な高温や温度変化を検出すると、FA機能ユニット132に向けて動作停止信号を出力したり、表示装置134やスピーカー135に向けて警告信号を出力したりすることができる。異常な高温や温度変化の検出にあたって制御回路133は例えばメモリ(図示されず)内に基準温度分布データを保持する。基準温度分布データは平常時の撮像範囲内の温度分布を特定する。制御回路133は基準温度分布データの熱分布にリアルタイムの熱分布画像を照らし合わせることができる。その他、サーモグラフィは物体と周囲との温度差に基づき物体の検出に用いられることができる。
赤外線カメラ121はナイトビジョンすなわち暗視カメラとして利用されることができる。この場合には赤外線カメラ121は表示装置127に例えば暗闇での画像を映し出すことができる。暗視カメラは、例えばセキュリティ機器の一具体例としての監視カメラや、人感センサー、運転支援装置その他に利用されることができる。人感センサーは、エスカレーターや照明器具、空気調和機、テレビといった電気機器(家電機器)のオンオフ制御、その他の制御に用いられることができる。例えば図14に示されるように、電気機器136は機能ユニット137を備える。機能ユニット137は特定の機能の実現にあたって機械的動作や電気的動作を実施する。機能ユニット137には人感センサー138が接続される。人感センサー138は赤外線カメラ121を備える。赤外線カメラ121は監視範囲内で撮像を実施する。赤外線カメラ121には判定回路139が接続される。判定回路139は熱分布画像に基づき人の存在または不存在を判定する。判定にあたって判定回路139は画像内で特定温度域(例えば体温の温度域の塊)の動きを検出する。判定回路139は人の存在または不存在を特定する判定信号を機能ユニット137に供給する。機能ユニット137は判定信号の受領に応じてオンオフ制御されることができる。例えば図15に示されるように、運転支援装置(電子機器)141は赤外線カメラ121およびヘッドアップディスプレイ142を備える。赤外線カメラ121は例えば車両143のフロントノーズ144に取り付けられる。赤外線カメラ121は、車両143から前方に広がる撮像範囲を撮像する位置に配置される。ヘッドアップディスプレイ142は例えばフロントウインドウ145の運転席側に配置される。ヘッドアップディスプレイ142には赤外線カメラ121の画像が映し出されることができる。ヘッドアップディスプレイ142の画面では例えば撮像範囲で捕捉される歩行者の像は強調されることができる。図16に示されるように、赤外線カメラ121およびヘッドアップディスプレイ142には処理回路146が接続される。処理回路146には車速センサー147、ヨーレートセンサー148およびブレーキセンサー149が接続される。車速センサー147は車両143の走行速度を検出する。ヨーレートセンサー148は車両143のヨーレートを検出する。ブレーキセンサー149はブレーキペダルの操作の有無を検出する。処理回路146は車両143の走行状態に応じて特定の歩行者を選別する。処理回路146は車両143の走行速度、ヨーレートおよびブレーキの踏み具合に応じて車両143の走行状態を特定する。処理回路146はスピーカー151から例えば音声に基づき運転者の注意を促してもよい。
(7)ゲーム機コントローラー
図17は光検出器パッケージ11を利用した電子機器の一具体例に係るゲーム機152の構成を概略的に示す。ゲーム機152はゲーム機本体153、表示装置154およびコントローラー(電子機器)155を備える。表示装置154は例えば有線でゲーム機本体153に接続される。ゲーム機本体153の動作は表示装置154の画面に映し出される。プレーヤーGはコントローラー155を用いてゲーム機本体153の動作を操作することができる。こうした操作の実現にあたってコントローラー155には例えば1対のLEDモジュール156から赤外線が照射される。LEDモジュール156は例えば表示装置154の画面の周囲でベゼルに取り付けられることができる。
図18に示されるように、コントローラー155には光検出器パッケージ11が組み込まれる。光検出器パッケージ11には赤外線フィルター157および光学系(例えばレンズ)158が組み合わせられてもよい。光検出器パッケージ11はLEDモジュール156から放射される赤外線を受光することができる。光検出器パッケージ11には画像処理回路159が接続される。画像処理回路159は予め決められた画面内でLEDモジュール156の赤外線スポットを画像化する。画像処理回路159には演算処理回路161が接続される。演算処理回路161は赤外線スポット情報を生成する。この赤外線スポット情報では、予め決められた画面内で赤外線スポットの位置および大きさが特定される。赤外線スポットの位置はLEDモジュール156の位置に対応する。赤外線スポットの大きさはLEDモジュール156との距離に対応する。演算処理回路161には無線モジュール162が接続される。赤外線スポット情報は無線モジュール162からゲーム機本体153に送り込まれる。ここでは、演算処理回路161に操作スイッチ163や加速度センサー164が接続される。操作スイッチ163の操作信号や加速度センサー164の加速度情報は無線モジュール162からゲーム機本体153に供給される。ゲーム機本体153は無線モジュール165で操作信号や赤外線スポット情報、加速度情報を受信する。ゲーム機本体153内のプロセッサー166は、操作信号に基づき操作スイッチ163の動作を特定し、赤外線スポット情報および加速度情報に基づきコントローラー155の動きを特定する。こうして操作スイッチ163の動作やコントローラー155の動きに応じてゲーム機本体153は制御されることができる。LEDモジュール156はプロセッサー166に接続されることができる。プロセッサー166はLEDモジュールの動作を制御することができる。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれる。例えば、明細書または図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語とともに記載された用語は、明細書または図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えられることができる。また、光検出器パッケージ11や熱型光検出素子18、テラヘルツカメラ101、赤外線カメラ121、FA機器131、電気機器、家電機器、人感センサー138、ゲーム機152、ゲーム機コントローラー155等の構成および動作も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形が可能である。
11 熱型電磁波検出器(光検出器パッケージ)、15 集積回路(IC)基板、16 熱型電磁波検出素子チップ(センサー基板)、17 接合体、18 熱型電磁波検出素子(熱型光検出素子)、27 貫通空間、27a 輪郭、28 接続端子および第1接続パッド(第1接続端子)、34 基体、35 電磁波吸収材膜(光吸収材膜)、36 酸化シリコン層(第1酸化シリコン層)、37 窒化シリコン層、38 酸化シリコン層(第2酸化シリコン層)、54 第2接続パッド(端子パッド)、101 電子機器(テラヘルツカメラ)、111 処理回路(演算処理回路)、121 電子機器(赤外線カメラ)、125 処理回路(演算処理回路)、131 電子機器(ファクトリーオートメーション機器)、133 処理回路(制御回路)、136 電子機器(電気機器および家電機器)、139 処理回路(判定回路)、141 電子機器(運転支援装置)、146 処理回路、152 電子機器(ゲーム機)、155 電子機器(ゲーム機コントローラー)、161 処理回路(演算処理回路)。

Claims (10)

  1. 第1面から前記第1面の裏側の第2面に貫通する貫通空間を有する基体と、
    裏面で前記貫通空間に接触しつつ前記基体の前記第1面に広がる電磁波吸収材膜と、
    前記貫通空間に対応して前記電磁波吸収材膜の表面に配置される熱型電磁波検出素子と、
    前記熱型電磁波検出素子の輪郭よりも外側で前記電磁波吸収材膜の表面に配置されて、前記熱型電磁波検出素子に電気的に接続される導電性の接続端子と
    を備えることを特徴とする熱型電磁波検出素子チップ。
  2. 請求項1に記載の熱型電磁波検出素子チップにおいて、前記熱型電磁波検出素子は前記貫通空間の前記第1面の開口の輪郭よりも内側に配置されることを特徴とする熱型電磁波検出素子チップ。
  3. 請求項1または2に記載の熱型電磁波検出素子チップにおいて、前記電磁波吸収材膜は均一な膜厚を有することを特徴とする熱型電磁波検出素子チップ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱型電磁波検出素子チップにおいて、前記電磁波吸収材膜は異種材の積層膜で構成されることを特徴とする熱型電磁波検出素子チップ。
  5. 請求項4に記載の熱型電磁波検出素子チップにおいて、前記積層膜は、酸化シリコン層および窒化シリコン層を有することを特徴とする熱型電磁波検出素子チップ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱型電磁波検出素子チップであって、前記接続端子として第1接続パッドを有する熱型電磁波検出素子チップと、
    前記基体の前記第1面に向き合わせられる表面を有し、集積回路を含み、前記集積回路に接続される導電性の第2接続パッドを前記表面に配置する集積回路基板と、
    前記第1接続パッドおよび前記第2接続パッドを相互に接合し、前記集積回路基板に前記熱型電磁波検出素子チップを結合する導電材の接合体と
    を備えることを特徴とする熱型電磁波検出器。
  7. 請求項6に記載の熱型電磁波検出器において、前記電磁波吸収材膜のうち前記貫通空間に接する部分の膜厚は他の部分の膜厚よりも薄いことを特徴とする熱型電磁波検出器。
  8. 請求項6または7に記載の熱型電磁波検出器と、前記熱型電磁波検出器の出力を処理する処理回路とを有することを特徴とする電子機器。
  9. 第1面から前記第1面の裏側の第2面に貫通する貫通空間を有する基体と、
    裏面で前記貫通空間に接触しつつ前記基体の前記第1面に広がる電磁波吸収材膜と、
    前記貫通空間に対応して前記電磁波吸収材膜の表面に配置される熱型電磁波検出素子と、
    前記熱型電磁波検出素子の輪郭よりも外側で前記電磁波吸収材膜の表面に配置されて、前記熱型電磁波検出素子に電気的に接続される導電性の接続端子と、
    前記接続端子に接続されて、前記熱型電磁波検出素子の出力を処理する処理回路と
    を備えることを特徴とする電子機器。
  10. テラヘルツ帯の電磁波を放射する電磁波源と、
    第1面から前記第1面の裏側の第2面に貫通する貫通空間を有する基体と、
    裏面で前記貫通空間に接触しつつ前記基体の前記第1面に広がる電磁波吸収材膜と、
    前記貫通空間に対応して前記電磁波吸収材膜の表面に配置され、テラヘルツ帯の電磁波を電気に変換する熱型電磁波検出素子と、
    前記熱型電磁波検出素子の輪郭よりも外側で前記電磁波吸収材膜の表面に配置されて、前記熱型電磁波検出素子に電気的に接続される導電性の接続端子と、
    前記接続端子に接続されて、前記熱型電磁波検出素子の出力を処理する処理回路と
    を備えることを特徴とするテラヘルツカメラ。
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