JP3808092B2 - 電子デバイスおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、内部圧力を低いレベルに保持した空洞を備えた電子デバイスおよびその製造方法に関する。特に、赤外線センサなどの検知部が減圧された雰囲気内に密閉される電子デバイスにおいて、空洞内の雰囲気の圧力を測定し、必要に応じて圧力を更に低下させることが可能な電子デバイスおよびその製造方法に関する。
従来、赤外線センサなどの電子デバイスは、その検出感度を高めるために、少なくとも検知部が基板上に形成した空洞内に配置され、キャップ部によって真空雰囲気又は不活性ガス雰囲気中に密封されている。このような電子デバイスには、赤外線センサの他、圧力センサ、加速度センサ、流速センサ、真空トランジスタなどが含まれる。
これらのセンサのうち、赤外線センサは、ボロメータ型センサ、焦電型センサ、サーモパイル型センサまたは熱電対型センサなどの熱型センサと、PbS、InSb、HgCdTeなどを用いた量子型センサとに大別される。ボロメータ型センサの多くは、ポリシリコン、Ti、TiON、VOxなどの抵抗変化材料から形成した検出部を備えるが、PNダイオードなどの順方向電流の過渡特性を利用するものもある。サーモパイル型センサは、例えばPN接合部に生じるゼーペック効果を利用し、焦電型赤外線センサは、PZT、BST、ZnO、PbTiO3などの材料の焦電効果を利用する。また、量子型センサは、電子励起によって流れる電流を検出する。また、ゼーベック効果によって赤外線を検出するクロメル・アルメル熱電対(Chromel−Alumel Thermocouple)を有する赤外センサ等がある。
赤外線の検出感度および精度を高く維持するためには、赤外線検出部からの熱放散を小さくすることが好ましく、マイクロ真空パッケージなどによって密閉された真空雰囲気又は減圧された不活性ガス雰囲気中に検出部を封入すると、検出特性が向上することが知られている。
圧力センサや加速度センサの感度も、検出部の周りに存在する空気の粘性抵抗が低下すると向上するため、キャップ体などによって密閉された真空雰囲気又は減圧された不活性ガス雰囲気中に検出部を封入することが好ましい。また、キャップ体の内部を真空状態に封止した場合、電子デバイスの製造時または使用時にキャップ体内の真空度が保持できていることを確認できることが好ましい。
以下、図1Aから図1Fを参照しながら、従来の電子デバイスの製造方法を説明する。
まず、図1Aに示す工程で、赤外線センサなどの検出部102が形成されたシリコン基板101上を用意する。そして、例えばCVD法により、シリコン酸化膜103を基板上に堆積した後、検出部102およびその周辺部を覆うようにシリコン酸化膜103をパターニングする。このシリコン酸化膜103は、犠牲層として機能し、後の工程においてエッチングによって除去され、空洞部の形状を規定する。
図1Bに示す工程で、CVD法により、シリコン酸化膜103を覆うようにポリシリコン膜104を形成する。このポリシリコン膜104は、電子デバイスのキャップ部の側壁および天井壁となる。
図1Cに示す工程で、ポリシリコン膜104を貫通してシリコン酸化膜103に到達する多数のエッチング用ホール111を形成する。
図1Dに示す工程で、エッチング用ホール111からフッ酸を注入し、シリコン酸化膜103を溶解し、エッチング用ホール111を介して溶液を除去する。これにより、シリコン酸化膜103によって囲まれる空洞112が形成され、空洞112内でセンサの検出部102が露出された状態になる。
次に、図1Eに示す工程で、CVD法により、ポリシリコン膜104を覆うポリシリコン膜106を堆積する。このとき、エッチング用ホール111の内壁部分にもポリシリコン膜106が堆積されるので、エッチング用ホール111は塞がれる。CVD法の開始後、エッチング用ホールが完全に塞がれるまでの間に、空洞112の内壁にもポリシリコン膜106が堆積される。
上記のCVD工程は、通常、500mTorr(約67Pa)程度の圧力下でSiH4などの反応ガスを用いて行なわれる。したがって、空洞112は、その内部圧力がCVD工程時における圧力500mTorr(約67Pa)程度の状態で密閉される。また、このCVD工程では、空洞112の内部に未反応のSiH4や、反応によって生じるH2ガスが残留している。更に、空洞112の壁面上に堆積したポリシリコン膜106には、未反応のSiH4や反応によって生じるH2ガスが吸着している。
次に、図1Fに示す工程で、高真空下、500℃以上の高温で基板101の全体を加熱する。このとき、空洞112の内部のSiH4ガスがある程度分解し、H2ガスがポリシリコン膜104、106を通過して外部に放出される。このため、空洞112内の圧力は、CVD工程時における空洞112の内部圧力よりも少し低下し、空洞112の真空度が幾分向上する。
上記の製造方法は、例えば特許文献1に記載されている。
次に、真空パッケージ(キャップ体)の内部における真空度を向上させる従来技術および真空度(圧力)を測定する従来技術を説明する。
図39は、従来の真空パッケージを有する電子デバイスの断面構成を模式的に示している(特許文献2参照)。図39の電子デバイスは、シリコン基板391と、ハンダ399によってシリコン基板391上に固定された透過窓394とを備えている。透過窓394とシリコン基板391との間には、高さが1〜10mm程度の空隙393が設けられており、この空隙393に大きさが数mm程度のゲッタ395が配置されている。
透過窓394には貫通穴397が形成されており、ゲッタ395は貫通穴397を通して空隙393に配置されている。シリコン基板391を真空中に配置すると、貫通穴397を通して空隙393は排気され、減圧される。真空封止用ハンダ399を溶融することによって貫通穴397を封止し、空隙393を真空状態に保持する。その後、ゲッタ395を活性化すると、空隙393の圧力を更に低くし、高真空状態を得ることができる。
キャップ体内の真空度は、例えばピラニゲージを用いて測定することができる。ピラニゲージは、真空中に配置された抵抗体の電気抵抗値に基づいて真空度を求める装置である。気体の熱伝導率は気体の圧力つまり真空度に依存するため、加熱した抵抗体から気体への熱伝導率を求めれば、適切な校正をすることによって気体の真空度を決定することができる。
近年、電子デバイスの小型化が進み、上記の真空パッケージ(キャップ体)を超小型に形成する要望が強まっている。例えば、マトリクス状に配列された多数の赤外線検出部および可視光検出部を同一基板上に備えたイメージセンサが提案されている。このようなイメージセンサでは、例えば50μm×50μm程度の大きさを有する個々の赤外線検出部を100μm×100μm程度の大きさを有するマイクロ真空パッケージで封止される(特許文献3)。
また、真空中で高速スイッチ動作を行うFEA素子とトランジスタを同一基板上に混載した電子デバイスが、例えば、非特許文献1に記載されている。このような電子デバイスを小型化するためには、FEA素子部のみを極めた小さな真空パッケージで封止する構造の採用が好ましい。
次に、図40を参照しながら、赤外線センサを真空封止した電子デバイスのうち、真空漏れを検知できる従来例(特許文献4参照)を説明する。
図40に示される電子デバイスは、金属製支持部材410上に設けられた半導体基板411と、半導体基板411の表面に形成された赤外線センサ素子412とを備えており、赤外線センサ素子412を覆うキヤビテイ部413を有する支持部材419が半導体基板411に設けられている。支持部材419および半導体基板411はエポキシ樹脂500によって金属製支持部材410上に固定されている。
支持部材419には、赤外線入力部418および拡散抵抗417が形成されており、キャビティ413の真空度は、拡散抵抗417の変形により検出することができる。
キャビティ部413に真空漏れが生じ、内部圧力が変化したときには、その圧力変化により赤外線入力部418が歪み、その結果、拡散抵抗417の抵抗値が変化する。この抵抗変化に応じた電流値の変化を検出することにより、真空漏れを検知することができる。
上述した電子デバイスの製造方法によれば、図1Fに示す熱処理工程において空洞112内でSiH4ガスが分解し、H2ガスが空洞112の外部に放出される。このため、空洞内の真空度は、CVD工程時における圧力500mTorr(約67Pa)よりも幾分は高まるものの、センサの感度向上のためには、それ以上の真空度の向上が望ましい。しかし、空洞内部または壁面に残っているSiH4ガスやH2ガスを完全に放出することは難しい。このため、感度向上の効果が小さいという問題がある。
上記の製造方法では、検出部102と基板101との間には空洞を形成していないが、検出部102の上層および下層の各々に犠牲層を設けることにより、検出部102の上方だけではなく下方も空洞内の雰囲気ガスを接触する構造を作製することが可能である。
図2は、このような構造を有するボロメータ型赤外線センサの検出部付近を示す斜視図である。図2では、赤外線検出部として機能する「ボロメータ」と呼ばれる抵抗体151と、抵抗体151を支持する支持部材152とが基板101上に形成されている。抵抗体151は、例えばパターニングされたポリシリコン膜から形成され、支持部材152はポリシリコン膜、窒化膜、酸化膜などを積層して設けられることが多い。支持部材152は、上面に抵抗体151が形成されている支持本体部分から延びたアーム部分を有しており、このアーム部分を介して基板101に固定された状態にある。
図2では、空洞壁用部材は示されてないが、現実の赤外線センサでは、図1Fに示す空洞112と同様の空洞の内部に支持部材150が配置されている。
以下、エッチング用ホールをCVD法によって塞いだ場合に生じる問題を詳細に説明する。
図2に示していないが、空洞を囲むように存在するポリシリコン膜(図1Fの参照符号「104」、「106」で示す膜)を通過して赤外線が抵抗体151に入射すると、抵抗体151の温度が上昇するため、この温度上昇に伴って抵抗値が変化する。図2の構造を有する赤外線センサでは、この抵抗値の変化を測定することにより、抵抗体151に入射した赤外線の量を検出することができる。
赤外線センサの検出感度を向上させるためには、赤外線が抵抗体151に入射したときの抵抗体151の温度上昇を大きくする必要がある。このため、赤外線検出部として機能する抵抗体151とその外部との間をできるだけ断熱することが好ましい。
抵抗体151とその外部との間の熱伝導は、抵抗体151と基板101とを接続している支持部材152を介した熱伝導、および、抵抗体151の周囲の気体を介した熱伝導に分けられる。
支持部材152を介した熱伝導は、支持部材152の最も細い部分の断面積が小さく、かつ、基板101との距離が大きいほど小さい。例えば、MEMS(Micro−Electro−Mechanical Systems)の技術を用いれば、図2に示すように、支持部材152のうち基板101につながる部分(接続部)を断面積3μm2、長さ50μmのSi34の2本の柱によって構成することが可能である。この場合には、熱コンダクタンス(Thermal Conductance)は3×10-7(W/K)となる。
これに対して、抵抗体151の周囲の気体を介した熱コンダクタンスは、気体の圧力が小さいほど小さい。このことから、赤外線センサの感度を向上するためには検出部の周囲の気体圧力を小さくする必要がある。
特開平2000−124469号公報 特開平11−326037号公報 特開2003−17672号公報 特開平10−224297号公報 Silicon metal-oxide-semiconductor field effect transistor/field emission array fabricated using chemical mechanical polishing, C. Y. Hong and A. I. Akinwande, J. Vac. Sci. Technol. B, Vol.21, No.1, pp.500-505, Jan/Feb 2003 Academic Press社「Uncooled Infrared Imaging Arrays and Systems」115頁 Suga, K.Otsuka, 東京大学 Bumpless Interconnect for Next Generation System Packaging, IEEE/51st ECTC, Orland, 2001.6, pp.1003-1008
しかしながら、図1Aから図1Fを参照しながら説明した従来の製造方法では、図1Eに示す工程の後、残留ガスによって空洞112の内部の圧力は500mTorr(約67Pa)程度に保たれている。空洞112の形成後、真空高温処理を行なうことにより、内部の水素が外部に拡散するため、空洞112の内部圧力を幾分低下させることができるが、高温加熱によっても空洞112の外部に追い出すことができないSiH4ガスまたはH2ガスが残留する。
ボロメータ型などの赤外線イメージセンサでは、検出部を覆う空気の圧力と感度との間に図3のグラフに示す関係がある。このような関係は、例えば、非特許文献2に説明されている。
図3のグラフは、縦軸が感度を示し、横軸が検出部12の雰囲気圧力を示している。このグラフからわかるように、圧力が低いほど感度が高くなる。圧力が50mTorrの場合の感度は、圧力が500mTorrの場合の感度の感度に比べて約3倍になる。このため、空洞内部の圧力は50mTorr以下にすることが望ましい。
また、赤外線センサの検出部151の支持部材152は図2に示すような微細な構造をもつので、図1Fに示す工程で、あまりに高温の加熱を行なうと、支持部材152に熱応力が発生して支持部材152が破損するおそれがある。
さらに、660℃以上の高温加熱を行なった場合、センサの配線に用いられているAlが融解するという問題が生じるため、この温度以下で加熱する必要があるが、この温度においてはH2の外部への拡散速度が非常に小さいので、真空度向上のための加熱としての機能をそれほど期待することができない。
このように、CVDを用いてエッチング用ホールを塞ぐ従来の製造方法では、空洞112の真空度を更に向上させ、それによって検出感度を高めることが困難である。
この真空度を向上させるため、図39を参照しながら説明した方法を採用すると、微細な空洞内に図39に示すゲッタを歩留まりよく配置することは極めて困難である。従来のゲッタの代表的なものは、SAES Getters社(本社イタリア)が販売するSt171などである。このようなゲッタは、Zrを主成分とした粉末を焼結して形成したゲッタ材料をヒーター表面に付着することによって作成される。ヒーターは、通常、ワイヤー状の形状を有しており、ゲッタ全体の太さは1mmを超える。
また、前述の真空パッケージ(キャップ体)を1mm以下のサイズに小型化すると、各真空パッケージの内部に従来の方法でゲッタ剤を配置することが更に困難になる。例えば、個々の赤外線検出部を100μm×100μm程度の大きさを有するマイクロ真空パッケージで封止する場合、多数の真空パッケージの個々の内部にゲッタ剤を配置してゆくことは非常に難しく、手間もかかる。特に、特許文献3に記載されているゲッタによってキャップ体の内部を高真空にする従来技術では、上記のように数mm以上の大きさのゲッタをハンダなどによって固定する方法であり、このような工程は半導体シリコンプロセスで容易にできないためコスト高になり、超小型の真空パッケージに適用することはできない。
従来のピラニゲージなどによる真空度検出技術の多くは、大型装置の真空チャンバー内における真空度を計測することを目的として作製されたものであるため、小さなものでも検出素子の長さが0.2インチ程度もある。このため、従来のピラニゲージは、上述した超小型真空パッケージの内部圧力を測定することには適していない。
また、特許文献4に記載されている真空度判定手法は、小型の真空パッケージに適用することを目的としているものの、キャビティ部分413を構成する支持部419の赤外線入力部418の歪みを利用したものである。そのため、キャビティ部分413が真空か否かを検知したり、真空度の増減について検知することはできるが、真空度の絶対値を求めることはできない。
真空度の絶対値を求めるためには、一般的に、真空度と出力信号の関係をあらかじめ測定しておく方法が考えられる。すなわち、一旦、キャビティ部分413の真空度に対する赤外線入力部418の歪み量または拡散抵抗417の抵抗値を計測し、校正しておく必要がある。
上記の電子デバイスについて、このような方法を実施しようとすると、図40の電子デバイスのキャビティ部分413を真空装置に接続して真空排気できるように支持部材417に穴を開ける加工を施し、真空装置で真空度をモニタしながら拡散抵抗417の抵抗値を測定しなければならない。
しかし、このようにデバイスを加工して微小なキャビティを真空装置に接続することは、実現が非常に困難であり高額であるため現実的でない。
また、真空度と出力信号の関係をあらかじめ測定することを目的に、真空パッケージに小さな穴を開けた上で単にデバイス全体を真空装置内に入れて測定したとしても、パッケージ部の内部だけでなく外部も真空となるために、圧力差によるひずみが生じないため上記目的を達成できない。
一方、計算機シミュレーションによって真空度の絶対値に対する赤外線入力部418の歪み量を予測し、拡散抵抗417の抵抗値の変化量を概算することはできる。この場合、おおよその真空度を計算することはできても、真空度の絶対値を精度よく求めることはできない。また、真空度の変位を精度よく検知するには、赤外線入力部418をより薄くし、歪み量を大きくしなければならない、このためには、赤外線入力部418の強度を犠牲にすることになり、精度を上げることには限界がある。
更に、より高い真空度を実現するためには、高真空に耐えるように支持部材419や赤外線入力部418の強度を高める必要がある。しかしながら、強度を高めると、歪みが生じにくくなるため、歪みを利用する真空測定が困難になる。このため、上記の方法は、高真空には適応できない。
このように特許文献4に記載される従来技術によれば、空洞内の真空度について、その増減を検知することはできても、真空度の絶対値を計測することはできないという大きな問題がある。
本発明の目的は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、少なくとも一部が空洞内に保持される電子デバイスの空洞内の圧力を測定できる電子デバイスおよびその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、超小型真空パッケージ内の真空度を維持または向上することが容易な電子デバイスおよびその製造方法を提供することにある。
本発明の電子デバイスは、空洞壁部によって囲まれ減圧された空洞と、前記空洞内に配置され、周囲の物質を吸着する機能を有するゲッタリング薄膜と、少なくとも一部が前記空洞内に配置され、前記ゲッタリング薄膜を発熱によって活性化する機能を有する活性化部とを備えている。
好ましい実施形態において、前記活性化部は、電流によって熱を発生する熱発生部と、前記熱発生部に電流を供給する導電配線とを有し、前記熱発生部または前記導電配線に接触する部分は、融点が活性化温度よりも高い材料から形成されている。
好ましい実施形態において、前記活性化温度は300℃以上である。
好ましい実施形態において、前記ゲッタリング薄膜は、パターニングされた堆積物の膜である。
好ましい実施形態において、前記前記ゲッタリング薄膜の厚さは100μm以下である。
好ましい実施形態において、少なくとも一部が前記空洞内に配置された圧力測定素子とを更に備え、前記圧力測定素子は、発熱および/または吸熱を行なう機能と、前記空洞内の一部の温度を検出する機能とを有する薄膜パターンを有している。
好ましい実施形態において、前記薄膜パターンは、1mm×1mmの矩形領域内に収まる平面サイズを有している。
好ましい実施形態において、前記ゲッタリング薄膜は、1mm×1mmの矩形領域内に収まる平面サイズを有している。
好ましい実施形態において、前記空洞壁部と前記熱発生部との間の断熱特性を向上する機能を有する断熱部を有する。
好ましい実施形態において、前記熱発生部は、電気抵抗によるジュール熱によって発熱する。
好ましい実施形態において、前記熱発生部はペルチェ素子である。
好ましい実施形態において、前記電子デバイスは、前記基板上に形成された少なくとも1つの赤外線検出部および少なくとも1つの可視光検出部を有しており、前記空洞は、前記赤外線検出部の少なくとも一部を取り囲み、かつ、前記可視光検出部の一部を囲まない形状を有している。
好ましい実施形態において、前記基板上に形成された前記可視光線検出部の数は複数であり、前記基板上に配列されている。
好ましい実施形態において、前記基板上に形成された前記赤外線検出部および可視光線検出部の数は、それぞれ、複数であり、前記基板上に配列されている。
本発明による電子デバイスの製造方法は、薄膜堆積技術により、発熱または吸熱を行う機能を有する熱発生部および温度を検出する機能を有する温度検出部を含む薄膜パターンを基板に形成する工程と、前記基板の少なくとも一部と、前記熱発生部および前記温度検出部の少なくとも一部を覆う空洞壁部を形成する工程とを含む。
本発明による他の電子デバイスの製造方法は、前記基板の一部を覆う犠牲層を前記基板の選択された領域上に形成する工程と、薄膜堆積技術により、前記犠牲層の上部に発熱または吸熱を行う機能を有する熱発生部を形成する工程と、前記犠牲層の少なくとも一部を除去する工程と、薄膜堆積技術により、温度を検出する機能を有する温度検出部を形成する工程と、前記基板の少なくとも一部と、前記熱発生部と前記温度検出部の少なくとも一部を覆う形状の空洞壁部を形成する工程と、
を含む。
本発明による更に他の電子デバイスの製造方法は、電子デバイスを設けるための基板であり、犠牲層としての機能も合わせもつ基板の表面にエッチング耐性をもつエッチストップ層を形成する工程と、前記エッチストップ層に開口部を設ける工程と、前記エッチストップ層の上部に発熱または吸熱を行う機能を有する熱発生部を形成する工程と、前記開口部を介して前記基板の一部を除去する工程と、温度を検出する機能を有する温度検出部を形成する工程と、前記基板の少なくとも一部と、前記熱発生部と前記温度検出部の少なくとも一部を覆う形状の空洞壁部を形成する工程と、
を含む。
本発明による更に他の電子デバイスの製造方法は、電子デバイスを設けるための基板であり、その表面または内部にエッチング耐性をもつエッチストップ層を有する基板であり、犠牲層としての機能も合わせもつ基板を用意する工程と、前記エッチストップ層に開口部を設ける工程と、前記基板上に発熱または吸熱を行う機能を有する熱発生部を形成する工程と、前記開口部を介して前記基板の一部を除去する工程と、温度を検出する機能を有する温度検出部を形成する工程と、前記基板の少なくとも一部と、前記熱発生部と前記温度検出部の少なくとも一部を覆う形状の空洞壁部を形成する工程とを含む。
好ましい実施形態において、前記熱発生部と前記温度検出部の少なくとも一部を覆う第2の犠牲層を形成する工程と、前記犠牲層と前記第2の犠牲層を覆う空洞壁用膜を形成する工程と、前記空洞壁用膜の一部の領域に、前記犠牲層および前記第2の犠牲層の少なくとも一方の一部の表面が露出するように開口部を形成する工程と、前記開口部を介して前記犠牲層および前記第2の犠牲層の少なくとも一部を除去する工程と、薄膜堆積技術によってシール部材を形成し、前記シール部材で前記開口部を塞ぐ工程とを含む。
好ましい実施形態において、前記発熱部は、1mm以下の大きさを有している。
好ましい実施形態において、前記薄膜堆積技術による工程は、10Torr以下の圧力で行う。
本発明による更に他の電子デバイスの製造方法は、薄膜堆積技術により、発熱によって周囲の材料の活性化を行う機能を有する活性化部を形成する工程と、薄膜堆積技術により、周囲の物質を吸着する機能を有するゲッタリング薄膜を前記活性化部に接する位置に形成する工程と、前記基板の少なくとも一部と前記活性化部の少なくとも一部を覆う空間を有する空洞壁部を形成する工程とを含む。
本発明による更に他の電子デバイスの製造方法は、電子デバイスを設けるための基板の一部を覆う犠牲層を前記基板の選択された領域上に形成する工程と、前記犠牲層の上部に発熱によって周囲の材料の活性化を行う機能を有する活性化部を形成する工程と、周囲の物質を吸着する機能を有するゲッタリング材料を前記活性化部に接する位置に形成する工程と、前記犠牲層の少なくとも一部を除去する工程と、前記基板の少なくとも一部と前記活性化部の少なくとも一部を覆う空間を有する空洞壁部を形成する工程とを含む。
本発明による更に他の電子デバイスの製造方法は、電子デバイスを設けるための基板であり、犠牲層としての機能も合わせもつ基板の表面にエッチング耐性をもつエッチストップ層を形成する工程と、前記エッチストップ層に開口部を設ける工程と、前記エッチストップ層の上部に発熱によって周囲の材料の活性化を行う機能を有する活性化部を形成する工程と、周囲の物質を吸着する機能を有するゲッタリング材料を前記活性化部に接する位置に形成する工程と前記開口部を介して前記基板の一部を除去する工程と、前記基板の少なくとも一部と前記活性化部の少なくとも一部を覆う形状の空洞壁部を形成する工程とを含む。
本発明による更に他の電子デバイスの製造方法は、電子デバイスを設けるための基板であり、その表面または内部にエッチング耐性をもつエッチストップ層がもつ基板であり、犠牲層としての機能も合わせもつ基板を用意する工程と、前記エッチストップ層に開口部を設ける工程と、前記基板上に発熱によって周囲の材料の活性化を行う機能を有する活性化部を形成する工程と、前記開口部を介して前記基板の一部を除去する工程と、前記基板の少なくとも一部と前記活性化部の少なくとも一部を覆う形状の空洞壁部を形成する工程とを含む。
好ましい実施形態において、前記活性化部の少なくとも一部を覆う形状の第2の犠牲層を形成する工程と、前記犠牲層と前記第2の犠牲層を覆う形状の空洞壁用膜を形成する工程と、前記空洞壁用膜の一部の領域に、前記犠牲層と前記第2の犠牲層の少なくとも一方の一部の表面が露出するように開口部を形成する工程と、前記開口部を介して前記犠牲層と前記第2の犠牲層の少なくとも一部を除去する工程と、薄膜堆積技術によってシール部材を形成し、前記シール部材で前記開口部を塞ぐ工程とを含む。
好ましい実施形態において、前記活性化部は、1mm以下の大きさを有する。
好ましい実施形態において、前記薄膜堆積技術によるシール部材の形成は、10Torr以下の圧力で行う。
本発明によれば、小型真空パッケージなどの空洞内部に圧力測定素子やゲッタリング薄膜を配置するため、個々のマイクロ真空パッケージの内部における真空度を高い精度で計測することが可能となる。また、空洞の内部のゲッタリング薄膜を適宜活性化することにより、空洞内の真空度を高いレベルに維持することが低コストで可能になる。
(実施形態1)
以下、図面を参照しながら、本発明による第1の実施形態を説明する。
本実施形態の電子デバイスは、赤外線検出部および可視光検出部の両方が同一基板上に集積されたイメージセンサである。赤外線検出部および可視光検出部を備えたイメージセンサの構成例は、例えば特許文献3に開示されている。
半導体プロセスを用いて赤外線検出部および可視光検出部の両方を同一基板上に配列すれば、製造コストの低減と装置の小型化が可能になる。赤外線のイメージセンサと可視光のイメージセンサとを別々の基板上に作成した場合は、その後に光学アライメントを正確に行うことや、赤外線イメージと可視光イメージとの間のズレを補正することが必要であるが、両者を同一基板(1チップ)上に集積する本実施形態によれば、そのような問題を解決することができる。
本実施形態の電子デバイスは、図4(a)および(b)に示すように、シリコン基板160と、シリコン基板160上において行および列からなるマトリクス状(アレイ状)に配置された複数の赤外線検出部161および可視光検出部162と、読み出し回路部とを備えている。読み出し回路は、垂直走査レジスタ164および水平走査レジスタ165から構成されている。
シリコン基板160上に配列された複数の赤外線検出部161は、それぞれ、個別のマイクロ真空パッケージ部163で覆われている。
図4(a)および(b)は、各部の配置関係を模式的に示したものであり、現実の電子デバイスの構成の具体的な形状やスケールを正確には表現していない。実際の赤外線検出部161は、所定の感度を発揮するように可視光検出部162よりも大きく(例えば50μm程度のサイズに)設計されることが好ましい。赤外線検出部161のサイズが可視光検出部162のサイズよりも格段に大きくなる場合、赤外線検出部161および可視光検出部162の好ましい配置レイアウトは、図1に示すレイアウトに一致しない。
図5は、図4(a)および(b)に示される赤外線検出部161の代表例について、その構成を模式的に示す斜視図である。この赤外線検出部161は、赤外線吸収部166と、マイクロヒータ部167と、マイクロヒータ支持部168とを備えており、これらはマイクロ真空パッケージの空洞163’の内部に形成されている。
マイクロヒータ部167は、抵抗変化材料から形成された抵抗体であり、本実施形態では2つの機能を併せ持つ。第1の機能は、抵抗変化によつて温度を検出する機能であり、第2の機能は、ジュール熱によって発熱する機能である。後述するように、マイクロヒータ部167の温度検出機能によって赤外線の入射量を検出し、マイクロヒータ部167の発熱機能および温度検出機能の組み合わせによって空洞内の真空度(圧力)を検出することができる。
マイクロヒータ部167は、例えば、シリコンなどの半導体、TiO(チタニア)やVOX(酸化バナジウム)などの金属酸化物、または、Ti(チタン)やPT(白金)などの金属またはそれらの金属珪化物から形成され得る。これらの材料には、抵抗変化係数が大きい材料として知られており、優れた温度検出機能を発揮し得る。また、これらの材料にB、As、Sr、Cuなどの不純物を混入してもよい。例えばBをドープしたポリシリコンや、SrをドープしたTiOは、これらの不純物ドーピングレベルを調節することにより、電気抵抗値を適当な値に制御することが可能である。
好ましい実施形態におけるマイクロヒータ部167の平面サイズは、1mm×1mmの矩形領域内に収まる大きさである。マイクロヒータ部167の平面レイアウトの好ましい一例は、図6に示すように、50μm×50μmの矩形領域内に含まれる蛇行パターンを有している。これは、比較的狭い占有面積で相対的に長い抵抗体パターンを形成するためである。
本実施形態のマイクロヒータ部167は、図5に示すように、マイクロヒータ支持部168により、シリコン基板160(図4(a))の表面から離れた位置(たとえば1μmだけ高い位置)に保持されている。
マイクロヒータ部167の平面サイズを規定する矩形領域の一が1mmを超えて大きくなると、マイクロヒータ部167に生じる歪みも大きくなるため、マイクロヒータ部167と基板160との距離を更に大きくすることが必要になる。したがって、マイクロヒータ部167を大きく設計することは、電子デバイスの小型化に反することになるため、好ましくない。マイクロヒータ部167は1mm×1mmの矩形領域の収まる大きさに設計することが好ましい。このように小さなマイクロヒータ部167は、薄膜堆積技術によって上記機能を発揮しえる材料の薄膜を堆積した後、この薄膜をフォトリソグラフィおよびエッチング技術のよって所望の形状にパターニングすることによって得られる。薄膜の厚さは、例えば50nm〜1μmの範囲に設定される。
赤外線吸収部166は、赤外線を吸収し得る材料、例えばSiO2から形成される。このような材料から形成された赤外線検出部166は、赤外線の照射を受けると、赤外線を吸収して発熱する。その結果、赤外線吸収部166の温度は上昇し、それに伴ってマイクロヒータ部167の温度も上昇する。マイクロヒータ部167は、抵抗変化材料によって形成されているため、温度上昇に従って電気抵抗が変化する。この電気抵抗の変化を図4(a)および(b)に示す読み出し回路(垂直走査レジスタ164、水平走査レジスタ165)によって読み出し、検知することによって赤外線の照射量を知ることができる。
マイクロヒータ支持部168は、図5に示すように、長さに比べて断面積が相対的に小さい柱状にパターニングされた絶縁物によってマイクロヒータ部167を基板表面から離間している。マイクロヒータ支持部168の熱伝導性は低く、マイクロヒータ部167と基板160との間の熱コンダクタンスは小さい。これにより、赤外線入射時におけるマイクロヒータ部167の温度上昇を大きくすることができ、赤外線の検出感度が向上する。
マイクロヒータ支持部168と基板160との間の熱コンダクタンスは、マイクロヒータ支持部168の形状および材料が決まると、あらかじめ計算によって求めることが可能である。マイクロヒータ支持部168が、例えば図7に示すように、断面積3×3μm2、長さ約50μmの2本の柱によって支えられた一辺約50μmの正方形のプレート形状を有し、Si34から形成されている場合、熱コンダクタンスは3×10-7W/Kと計算される。図7に示すような小型のマイクロヒータ支持部は、MEMS(MicroElectroMechanical Systems)の技術を用いて製造できる。
図4(a)および(b)に示す可視光検出部162は、例えばフォトダイオードから構成され、可視光の入射量に応じて生じる電流または電圧を測定することによって可視光の入射量を検出することができる。本実施形態の可視光検出部162は、シリコン基板160の表面の選択された領域に不純物をドープすることによって好適に形成される。可視光検出部162は、読み出し回路をシリコン基板上に形成する工程、あるいは読み出し回路を形成する工程の前または後に行なう工程によって形成され得る。可視光検出部162は、ある好ましい実施形態では、赤外線検出部161の作製工程の前に形成される。
本実施形態では、半導体プロセスによって赤外線検出部161および可視光検出部162を同一シリコン基板上に形成するため、赤外線および可視光に対する1チップ化されたイメージセンサを低コストで提供することが可能である。
赤外線検出部161および可視光検出部162にそれぞれ入射した赤外線および可視光の強さは、各検出部で電気信号に変換され、読み出し回路(164、165)によって順次読み出される。赤外線検出部161および可視光検出部162は、同一基板上にマトリクス状に配列されているため、赤外線イメージおよび可視光イメージに対応した電気信号を得ることができる。マトリクス状に配列された光検出部による撮像方法は、例えば特開平11−326037号公報に詳しく開示されている。
本実施形態のマイクロ真空パッケージ部は個々の赤外線検出部161を覆い、その内部は減圧された状態(例えば50mTorr程度)に保たれている。赤外線検出部161の雰囲気ガスの圧力を低くすることにより、マイクロヒータ部167と基板160との間の熱コンダクタンス、およびマイクロヒータ部167と外部雰囲気との間の熱コンダクタンスを低減し、赤外線検出感度を向上することができる。
各真空パッケージは、種々の形態をとり得るが、例えば、図7に示すようマイクロヒータ支持部168を含みえる大きさの内部空間を有しており、内部空間の高さは、例えば3〜1000μm程度に設定され得る。
マイクロ真空パッケージ部は、特許文献2に開示されている方法で作製され得る。すなわち、あらかじめ用意したキャップ体と基板の両方の対向面に例えば金属からなる環状の接合面を形成した後、それらを高真空中で圧着して作製することが可能である。しかし、半導体プロセス(薄膜堆積、フォトリソグラフィ、およびエッチングなど)によって空洞を作製してもよい。そうすれば、製造コストをより低くし、かつ、装置の小型化が可能になる。
(真空度の検出方法)
次に、本実施形態におけるマイクロ真空パッケージの内部圧力(真空度)検出方法の一例を説明する。
本実施形態のマイクロヒータ部167は前述のように抵抗変化材料から形成されているので、マイクロヒータ部167の電気抵抗は、その温度に応じて変化する。このため、外部からマイクロヒータ部167に電流を流すことによってマイクロヒータ部167の電気抵抗を測定すれば、マイクロヒータ部167の温度を求めることができる。
一方、赤外線が照射されていない状態でマイクロヒータ部167の電気抵抗(所定温度での値)および電流を測定する。この電気抵抗および電流の測定値を用いると、ジュールの法則からマイクロヒータ部からの単位時間あたりの発熱量Qを計算できる。すなわち、マイクロヒータ部167の測定された電気抵抗をR(オーム)、マイクロヒータ部167を流れる電流をI(アンペア)とすると、下記の式から、Qを算出することができる。
Q=I2R(ワット)
このため、マイクロヒータ部167を流れる電流および電気抵抗を測定すれば、マイクロヒータ部167からの発熱量Qを知ることができる。ここで、マイクロヒータ部167に電流を流しているときのマイクロヒータ部167の温度をT、基板160の温度をT0、マイクロヒータ部167と外部との間の熱コンダクタンスをgとする。このとき、以下の関係式が成立する。
(T−T0)×g=Q
マイクロヒータ部167と外部との間の熱コンダクタンスをgは、以下に示すように、マイクロヒータ支持部168を通して流れる熱に関する熱コンダクタンスgSと、真空パッケージ内部の雰囲気ガスを通して流れる熱に関する熱コンダクタンスgAとの和である。
g=gS+gA
上記2つの式から、次の関係式が得られる。
(T−T0)×(gS+gA)=Q
この式を変形すると、下記の式が得られる。
A=Q/(T−T0)−gS
この式の右辺のパラメータのうち、Qはマイクロヒータ部167を流れる電流Iおよび電気抵抗の値から算出される。また、gSはあらかじめ測定された定数であり、基板温度T0は室温程度の定数として扱える。このため、温度Tを測定することにより、計算によってgAを求めることができる。
一方、雰囲気ガスを介した熱コンダクタンスgAと雰囲気ガスの圧力との関係はシミュレーションまたは実験によって求めることが可能である。このため、雰囲気ガスを介した熱コンダクタンスgAが求まれば、マイクロ真空パッケージの内部の力を知ることができる。
なお、雰囲気ガスを介した熱コンダクタンスgAと雰囲気ガスの圧力との関係を実験によって求めるには、例えば図8に示すようにマイクロ真空パッケージに小さな開口を設けた試験用デバイスを用意し、この試験用デバイスを真空チャンバー内に配置すればよい。マイクロ真空パッケージに設けた開口を介して、マイクロ真空パッケージの内外における圧力差がなくなる。このため、真空チャンバーの内部圧力を変化させつつ、上記の式からgAを求め、gAの圧力依存性を決定すればよい。
次に、図9Aから図9Dを参照しながら、本実施形態で好適に用いられるマイクロヒータ部167の具体的構成の一例を説明する。
図9Aは、矩形の空洞(マイクロ真空パッケージ)内に形成されたマイクロヒータ部167を示す斜視図である。図9Bは、XZ面に平行な面で切り取った断面図であり、図9CはYZ平面に平行な面で切り取った断面図である。図9Dは、XY平面に平行な面におけるレイアウトを示す図である。
図9Bから図9Dに示されるように、幅20μm程度、高さ3μm程度、長辺長さ100μm程度の直方体状の空洞内に形成されたブリッジ(マイクロヒータ部とマイクロヒータ支持部を兼ねる部材)を備えている。ブリッジの厚さは1μm程度、幅は8μm程度であり、空洞163’の略中央部を長辺方向に沿って伸びている(長さ:100μm程度)。
本実施形態におけるブリッジは不純物(ボロンなどのドーパント)がドープされたシリコンから形成されており、ブリッジの選択された領域(2本の平行な直線領域)には不純物が他の領域よりも高い濃度にドープされ、低抵抗化されている。線状に延びる低抵抗の高濃度不純物領域の一端は、一対のアルミニウムの電極パッドの一方と電気的に接続され、導体配線と同様の機能を発揮する。一対のアルミニウム電極パッド間に所定の電圧を与えると、ブリッジにおいて相対的に不純物濃度の低い部分をブリッジの短辺方向に沿って電流が流れる。
図10は、図9Aから図9Dに示すマイクロヒータ部における電気抵抗と真空度(圧力)との関係の一例を示すグラフである。このグラフからわかるように、圧力の増加に応じてマイクロヒータ部を流れる電流が減少している。このことは、圧力の増加に応じてマイクロヒータ部の温度上昇が少なくなり、その結果、マイクロヒータ部の電気抵抗の減少が少なくなることを意味している。
なお、図9Aから図9Dは、マイクロヒータ部167における抵抗体の長さおよび幅の一例を示しており、現実のマイクロヒータ部の構成は、この図に示すものに限定されない。
本実施形態のマイクロヒータ部167は、真空度の測定に用いられるだけてばなく、赤外線照射量の測定にも用いられる。このようにマイクロヒータ部で赤外線を検出する場合には、受光面積を大きくする目的でマイクロヒータ部につづら状のパターンを付与することが望ましい。
図10に示すような電流(電気抵抗)と真空度との関係を用いると、マイクロヒータ部の電流(電気抵抗)を測定することにより、マイクロ真空パッケージ内部(空洞内部)の真空度(圧力)をリアルタイムで求めることができる。
次に、図11から図23を参照しながら、マイクロヒータ部およびマイクロ真空パッケージの製造方法を説明する。図11から図23における(c)は、基板の主要部を示す平面図であり、(a)は、そのA−A’線断面図であり、(b)は、そのB−B’線断面図である。
まず、図11に示すように、シリコン基板160上に読み出し回路部(トランジスタなど)を形成する。読み出し回路部は、好ましくは、シリコン基板上に集積されたCMOS回路から構成され、公知の半導体集積回路製造技術によって作製される。このあと、図示していないが、可視光検出部をシリコン基板160上に形成する。
次に、図12に示すように、CVD法などの薄膜堆積技術により、シリコン基板160の上面全体を覆うようにシリコン酸化膜(厚さ:例えば100nm)170を堆積する。
この後、図13に示すように、赤外線検出部が形成される領域に厚さ1μm程度のポリシリコン層171を形成する。このポリシリコン層171は、例えばCVD法によってシリコン酸化膜170上にポリシリコン膜を堆積した後、フォトリソグラフィおよびエッチング技術により、このポリシりコン膜をパターニングして作製することができる。このポリシリコン層171は、最終的にはエッチングによって除去される「第1の犠牲層」として機能する。図13に示す例では、ポリシリコン層171は、矩形の平面形状を有しており、このポリシリコン層171の上方にマイクロヒータ部が形成されることになる。
次に、図14に示すように、ポリシリコン層171を覆うように第2のシリコン酸化膜172を堆積した後、第2のシリコン酸化膜172の上面を平坦化する。この平坦化は、ポリシリコン層(第1の犠牲層)171の上部に厚さ250nm程度のシリコン酸化膜171が残るように行う。ポリシリコン層(第1の犠牲層)171の上部に位置するシリコン酸化膜172は、ポリシリコン層(第1の犠牲層)をエッチングする工程でマイクロヒータ下部のエッチストップ層として機能する。
次に、図15に示すように、赤外線検出部の形成領域にB(ポロン)がドープされたポリシリコンからなるマイクロヒータ部173を形成する。このマイクロヒータ部173は、例えば第2のシリコン酸化膜172上に第2のポリシリコン膜を堆積し、この第2のポリシリコン膜にBイオンを注入した後、フォトリソグラフィおよびエッチング技術によって第2のポリシリコン膜をパターニングすることによって作製される。第2のポリシリコン膜の堆積とBイオンの注入を別々に行う代わりに、第2のポリシリコン膜の堆積中にポリシリコンの原料となるシランガスなどにドーパントガスを添加してもよい。また、第2のポリシリコン膜にドープする不純物はBに限定されない。
この後、第2のポリシリコン膜の選択された領域にBF2などのイオンを注入することによって、この注入領域のドーピングレベルを相対的に高め、電気抵抗率(比抵抗)を減少させる。こうして、図9Dなどに示すような抵抗体として機能する領域および配線部分として機能する領域をポリシリコン中に形成できる。
次に、図16に示すように、1μmを超える厚さを有する第3のシリコン酸化膜174を堆積した後、平坦化を行う。平坦化はマイクロヒータ部173の上に約1μm程度の第3のシリコン酸化膜174が残るように行う。この第3のシリコン酸化膜174は、上下配線の間に位置する層間絶縁膜としての機能、犠牲層エッチングの工程におけるマイクロヒータ上部のエッチストップ層としての機能、および、赤外線吸収部としての機能を有している。
次に、図17に示すように、マイクロヒータ部173と読み出し回路部とを電気的に接続するため、シリコン酸化膜にコンタクトホール175を形成した後、配線部176を形成する。コンタクトホール175は、フォトリソグラフィおよびエッチング技術によってシリコン酸化膜の所定部分を除去することによって形成される。配線部176は、アルミニウムなどの配線材料からなる膜を第3のシリコン酸化膜174上に堆積した後、フォトリソグラフィおよびエッチング技術によってパターニングして形成される。配線部176は、コンタクトホール175を介してマイクロヒータ部173と読み出し回路部とを接続するようにパターニングされる。
次に、図18に示すように、第3のシリコン酸化膜(マイクロヒータ上部のエッチストップ層)174、および第2のシリコン酸化膜(マイクロヒータ下部のエッチストップ層)172に開口(エッチング用ホール)177を形成して、ポリシリコン層(第1の犠牲層)171の一部を露出させる。この開口は、赤外線検出部と真空パッケージの側面との間を断熱するための空間として機能する。
次に、図19に示すように、所定の厚さの第4のシリコン酸化膜を堆積した後、その上に第2の犠牲層として機能するポリシリコン層(厚さ:約1μm)178を形成する。このポリシリコン層も、堆積したポリシリコン膜をフォトリソグラフィおよびエッチング技術によってパターニングすることで形成される。
次に、図20に示すように、第5のシリコン酸化膜179を堆積した後、平坦化を行う。この平坦化は、第2の犠牲層として機能するポリシリコン膜の上部に位置する第5のシリコン酸化膜179の厚さが約500nmになるように行う。この第5のシリコン酸化膜179は、最終的には真空パッケージの壁面として機能することになる。
次に、図21に示すように、第5のシリコン酸化膜179に直径が約0.3μmのエッチング用ホール180を形成する。この後、図22に示すように、エッチング用ホール180を介してXeF2ガスを導入することにより、犠牲層として機能するポリシリコン層をエッチングする。このエッチングにより、マイクロヒータ部を取り囲む領域に空洞163’が形成される。
次に、図23に示すように、第5のシリコン酸化膜上に厚さ2μm程度のシリコン膜181をスパッタ法によって堆積する。このシリコン膜181の堆積によってエッチング用ホール180を塞ぎ、空洞163’を封止する。この封止により、空洞163’の内部圧力は、スパッタ工程時の雰囲気ガス圧力(スパッタチャンバの内部圧力)に保持されることになる。次に、シリコン膜(スパッタ封止膜)181の一部を除去した後、不図示の電極パッド部を形成する。
上記一連の工程を行うことにより、小型真空パッケージの内部(減圧された空洞の内部)にマイクロヒータ部を配置することができる。参照した図面では、簡単化のために単一のマイクロメータしか記載していないが、好ましい実施形態では、上記のMEMS技術を用いることにより、多数のマイクロヒータ部を同一基板上に同時に形成する。個々のマイクロヒータ部は、パターニングされた薄膜から形成されているため、MEMS技術によって低コストで作製され得る。
本実施形態によれば、マイクロヒータ部173を用いて赤外線照射量を測定するだけではなく、空洞163’の内部圧力を検出することもできる。このため、製造工程の不良によって空洞163’の内部圧力に異常が発生した場合でも、製品の出荷前にその圧力異常を検知することができる。また、製造直後は空洞163’の内部圧力が適正なレベルにあった場合でも、使用時に経時的に圧力が増大することがありえるが、本実施形態によれば、随時または定期的に空洞163’の内部圧力を測定することができるため、圧力異常を検知することが可能になる。
本実施形態におけるマイクロヒータ部173の比抵抗は、1×10-1Ωcm以上1×105Ωcm以下の範囲に設計されることが好ましい。マイクロヒータ部173の比抵抗が、この範囲の上限値よりも大きい場合は、マイクロヒータ部173の電気抵抗は例えば100kΩ以上の非常に大きな値となるため、温度検出が困難になる。また、比抵抗が上記範囲の下限値より小さい場合は、マイクロヒータ部173に生じる抵抗変化率が1×10-3以下の非常に小さな値となるため、温度検出が困難になる。
比抵抗が5×102Ωcm以上5Ωcm以下の範囲にある材料の薄膜からマイクロヒータ部173を形成する場合は、その薄膜の厚さを500nm以下に設定し、かつ、マイクロヒータ部173における抵抗体部分の抵抗を100kΩ以下、抵抗変化率を0.01以上の値に設計することが好ましい。
なお、マイクロヒータ部173の下部に位置する第1の犠牲層をエッチングするとき、マイクロヒータ部173が上方向または下方向に反ることを防止する目的で、マイクロヒータ部173の上部および/または下部に、引っ張り応力の大きい材料からなる膜を配置することが好ましい。このように引っ張り応力の大きい材料からなる膜は、例えばSiNから形成することができる。
犠牲層をエッチングするとき、XeF2を用いる代わりに、SF6やCF4などのエッチングガスを用いても良いし、TMAHやヒドラジンなどの薬液を用いてもよい。また、エッチング用ホールを塞ぐために堆積する膜の材料は、シリコンに限定されず、他の材料(Alなどの金属)を用いても良い。このような膜の堆積は、スパッタ法に限定されず、真空蒸着などのPVD法を用いて行っても良い。PVD法によってエッチング用ホールを塞ぎ、空洞を封止する場合、空洞内の真空度を向上させるため、10Pa以下の圧力で成膜することが好ましい。特に、本実施形態のようにマイクロヒータ部173が赤外線検出部としても機能する場合には、赤外線の入射量を多くするために、空洞の天井として機能する部材(空洞用壁部)を赤外線の吸収が少ない材料から形成することが好ましい。例えば、表面を薄いシリコン酸化膜で覆ったシリコンから空洞用壁部を形成すると、赤外線吸収量が小さく、シリコン酸化膜がエッチストッパとして機能するので好適である。
(実施形態2)
以下、本発明による第2の実施形態を説明する。
図24は、マイクロ真空パッケージの内部(空洞163’の内部)にゲッタリング薄膜を設けた実施形態を示している。ゲッタリング薄膜は、マイクロヒータ部173の発熱によって活性化され、マイクロ真空パッケージの内部(空洞163’の内部)に存在するガスを吸着し、その圧力を低下させることができる。
本実施形態では、マイクロヒータ部173の下方でエッチストップ層として機能するシリコン酸化膜の下にゲッタリング薄膜185を設けている。このゲッタリング薄膜185の厚さは、例えば500nmに設定される。ゲッタリング薄膜185の働きによってマイクロ真空パッケージ内部の真空度を高く維持するには、ゲッタリング薄膜185の厚さを十分なレベルに設定する必要があり、その好ましい厚さは、マイクロ真空パッケージの内容積に依存する。
マイクロヒータ部173の電気抵抗は、例えば1MΩ以下で設定される。好ましい例では、10Vの電圧をマイクロヒータ部に印加したとき、10-4W以上の発熱が生じる。マイクロヒータ部173と外部との間の熱コンダクタンスを1×10-7W/Kに設定すると、マイクロヒータ部173の温度は1000K以上となり、ゲッタリング薄膜の活性化を十分に行うことができる。
ゲッタリング薄膜185の材料は、例えば、Zr、Ti、ZrとAlとの合金、またはV(バナジウム)などの非蒸発型ゲッタ材料から好適に選択される。ゲッタリング薄膜がマイクロ真空パッケージ内のガスを付着し、やがてゲッタリング作用が低下してきたときは、マイクロヒータ部173を加熱して、ゲッタリング薄膜185の再活性化が可能な温度(例えば900度)に上昇させればよい。このような加熱を行うことにより、表面に付着したガスの分子をゲッタリング薄膜185の内部に拡散させ、再び、ゲッタリング薄膜185の表面にゲッタ材料を露出させることができる(活性化)。
このようにしてゲッタリング薄膜185を活性化するためには、マイクロヒータ部173の温度を電子デバイスの動作時にくらべて格段に高いレベルに上昇させる必要がある。このような加熱が、同一基板160上に集積した電子回路に悪影響を与えないようにするためには、マイクロヒータ部173と基板160との間は断熱されていることが望ましい。本実施形態では、基板とマイクロヒータ部との間の熱コンダクタンスを10-7W/K程度の小さい値に設定しているため、電子回路への悪影響はほとんどない。この熱コンダクタンスの値が大きな場合、すなわち断熱が不十分な場合には、マイクロヒータ部173が形成される領域から離れた位置に電子回路を配置する必要が生じ、電子デバイスの小型化に支障をきたす可能性がある。
本実施形態の電子デバイスは、図11から図23を参照して説明した実施形態1における製造方法に対して、図25に示す工程を付加することによって製造される。すなわち、ポリシリコン層(第1の犠牲層)171を形成した後、図25に示すように、スパッタなどの薄膜堆積技術によってゲッタ材料からなる薄膜を堆積し、次に、この薄膜をフォトリソグラフィおよびエッチング技術により所望の形状にパターニングすることよってゲッタリング薄膜185がポリシリコン層171の上に形成される。
図25に示す工程は、図13の工程と図14の工程との間に行うことになる。この工程以降の工程は、図14から図23に示す工程と同様である。
本実施形態の電子デバイスによれば、ゲッタリング薄膜185がマイクロヒータ部173の下方に設けられているため、赤外線のマイクロヒータ部173への入射を妨げることがない。
以上、説明してきたように、本実施形態では、空洞163’内の真空度を検出するためにマイクロ真空パッケージの内部を加熱する熱発生部と、温度検出を行う温度検出部と、真空度を向上させるためにゲッタリング薄膜を加熱する活性化部とを、1つのマイクロヒータによって実現している。このため、製造コストを低減するともに、素子の集積度向上を達成することができる。
上記の熱発生部、温度検出部、および活性化部は、それぞれ、別々の要素から形成しても良い。特に、熱を吸収する素子を用いても圧力測定は可能であるので、熱発生部の代わりに、熱吸放出部を設けてもよい。熱吸放出部は、例えばペルチェ素子から形成され得る。ペルチェ素子の発熱または吸熱に伴って変化するマイクロ真空パッケージ内部の温度を検出することにより、熱コンダクタンスgAが求められ、このgAから真空度を求めることができる。
本実施形態では、熱吸放出部、温度検出部、および/または活性化部が、それぞれ、各真空パッケージ内にひとつずつ設けられているが、ひとつの真空パッケージ内に複数個ずつ設けられていてもよい。
空洞は、基板の内部に形成されてもよい。基板の一部をエッチングすることにより、空洞部を形成し、熱吸放出部、温度検出部、および/または活性化部と基板との間の断熱を行ってもよい。このよう構成は、例えば次のようにして作製され得る。すなわち、まず、基板の表面にエッチストップ層を形成した後、エッチストップ層にエッチホールを形成する。次に、このエッチホールを介して基板の一部をエッチングし、基板の内部に空洞を形成する。
基板としては、シリコン基板の代わりに、SOI基板を用いても良い。SOI基板を用いるとき、基板の内部に存在する酸化物層にエッチホールを形成した後、このエッチホールを介して酸化物層の下方に位置する基板の一部を除去して空洞を形成すればよい。
なお、空洞を形成する代わりに、ポーラスシリコンなどの多孔質材料を配置することによって断熱を行ってもよい。
熱吸放出部、温度検出部、および/または活性化部を基板の表面に形成することも可能である。この場合、上記のように基板上の電子回路に悪影響を与えないような温度範囲やレイアウトを採用する必要がある。熱吸放出部、温度検出部、および/または活性化部は、マイクロ真空パッケージの内側であれば、任意の面に形成してもよい。
熱吸放出部、温度検出部、および/または活性化部をシリコン以外の材料から形成してもよい。例えば、TiやPtなどの金属、TiOやVOxなどの金属酸化物、SiGeなどの半導体から形成することができる。半導体を用いる場合は、半導体内にPN接合を形成し、順方向の電流または電圧の変化に基づいて温度を検出することができる。
温度検出部による温度の検出は、抵抗変化に基づく方法以外に、焦電効果を利用する方法、温度変化に応じて生じる誘電率の変化を利用する方法(誘電ボロメータ)、熱電対もしく複数の熱電対を直列に接続したサーモパイルにおいて温接点と冷接点との間の温度差に応じて熱起電力が発生する現象(ゼーベック効果)を利用する方法などを用いて行っても良い。
上記の各実施形態では、マイクロヒータ部の定常状態での温度によって真空度を検出しているが、マイクロヒータ部の熱コンダクタンスが大きいため、定常状態に変化するために必要な時間が長くなりすぎる場合は、過渡状態での温度によって真空度を検出することも可能である。
以上説明してきたように、本実施形態によれば、薄膜堆積技術を用いてゲッタ材料からなる薄膜を堆積し、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて1mm×1mm以下の大きさの所望の形状にパターニングしている。このようにしてゲッタリング薄膜を形成すると、ゲッタ材料を超小型の真空パッケージ内部に配置することが可能である。また、複数のゲッタリング薄膜を同一基板上に同時に形成できるので生産性も高い。
また、本実施形態では、超小型の真空パッケージを基板上に配置し、その内部真空度の維持および向上が可能であるため、真空パッケージを有する電子デバイスを小型化することができる。
さらに本実施形態によれば、ゲッタリング薄膜と基板との間に断熱構造を設けているため、ゲッタリング薄膜と基板上の電子回路との間の距離が近い場合でも、ゲッタリング薄膜を活性化したときの熱が基板上の電子回路に悪影響を与えない。このことから、ゲッタリング薄膜と電子回路を接近して配置することができるので、真空パッケージと電子回路を有する電子デバイスを小型化することができる。
(実施形態3)
図26を参照しながら、本発明による第3の実施形態を説明する。図26は、本実施形態の電子デバイスにおける1つのマイクロ真空パッケージ部分の断面構成を示している。現実には、1つの基板上に多数の空洞が形成されているが、簡単のため、図面では代表的な1個の空洞のみが示されている。
図示されているマイクロ真空パッケージ部分は、シリコン基板160上に設けられた凹部を塞ぐキャップ部材20から構成されている。本実施形態におけるキャップ部20は、シリコン基板(厚さ:1〜1000μm)から構成されている。
なお、ゲッタリング薄膜185の厚さが100μmを超えて大きくなると、薄膜形成に必要な時間が例えば10時間を超えてしまうため、生産性が低下する。また、膜応力が大きくなり、膜のはがれが生じる可能性が増加する。ゲッタリング薄膜185の厚さを10μm以下に制限すると、その熱コンダクタンスを充分に小さくできるため、活性化温度に達しやすくなる利点がある。一方、ゲッタリング薄膜185の厚さが1nmを下まわると、必要なゲッタリング特性が充分に発揮されない。
以上のことから、ゲッタリング薄膜185の好ましい厚さの範囲は、1nm以上100μm以下であり、さらに好ましい範囲は、1nm以上10μm以下である。
図示されているマイクロ真空パッケージの空洞内部では、両端部を支持されたゲッタリング薄膜185が存在している。ゲッタリング薄膜185の表面は、図9Aから図9Cに示すマイクロヒータ部167と同様に、減圧された雰囲気に囲まれているため、ゲッタリング薄膜185は、シリコン基板160やキャップ部材20から実質的に断熱された状態にある。
ゲッタリング薄膜185の両端は、SiO2などの絶縁材料から形成された空洞壁部26に支持されており、空洞壁部26の内部にはゲッタリング薄膜185に電流を供給するための導電性配線22が設けられている。この導電性配線22は、他の回路と接続するための一対の電極部24と接触している。一対の電極部24に電位差が与えられると、空洞壁部26内の導電性配線22を通してゲッタリング薄膜185の内部を電流が流れることになる。この電流により、本実施形態ではゲッタリング薄膜185自体が発熱し、その温度が活性化温度以上に上昇する。
図26に示す例では、ゲッタリング薄膜185と導電性配線22とは、別々の部材から構成されているが、ゲッタリング薄膜185が導電性を有する場合は、パターニングされたゲッタリング薄膜185の一部が導電性配線22の全部または一部を構成していてもよい。
空洞部内には、ゲッタリング薄膜185以外に、例えば赤外線センサ素子などの機能素子が設けられる。
以下、図27Aから図27Dを参照しながら、本実施形態の電子デバイスを製造する方法の一例を説明する。
まず、公知のMEMS技術を用いて図27Aに示す構造物を作製する。具体的には、パターニングされたゲッタリング薄膜185の上下を犠牲層(不図示)で取り囲んだ構造を作製した後、犠牲層をエッチングによって除去することにより、図27Aの構造物を得ることができる。
SiO2から空洞壁部26を形成する場合、犠牲層は例えばポリシリコンから形成される。この場合、犠牲層のエッチングは、ポリシリコンを優先的にエッチングするエッチャントを用いて行なうことが好ましい。
次に、図27Bに示すように、ブレート状のキャップ部材20を空洞壁部26の上面に接合して空洞を封止する。このような封止のための接合工程は、減圧下で行なうことが好ましい。しかし、大気中でキャップ部材20を接合して封止を行なった後、後に説明するゲッタリング薄膜185の活性化を行なうことにより、空洞内の圧力を低下させても良い。
キャップ部材20と空洞壁部26との接合は、陽極接合や常温接合などの方法によって行なうことが好ましい。常温接合は、接合される部材の表面に対してアルゴンイオンなどのイオンを照射して表面の活性化を行なった後、活性化した表面を接触させることにより、行なわれる。常温接合は、例えば非特許文献3に開示されている。なお、接合は、半田やフリットガラスなどを介して行なっても良い。このような比較的低い温度で溶融する材料を用いて接合を行なう場合は、導電性配線が接合部を接したり、あるいは接合部の近傍に配置されないように設計することが好ましい。導電性配線は、電気抵抗が低い金属材料から形成されることが好ましく、電気抵抗の低い金属材料は一般に熱伝導率も高い。このため、ゲッタリング薄膜で生じた熱は、導電性配線を介して空洞壁部に流れやすい。本実施形態では、空洞壁部を耐熱性に優れた材料から形成しているため、ゲッタリング薄膜の活性化を行うために発生させた熱によって破損してしまい、かえって空洞部内の圧力が上昇してしまうような問題はない。
次に、図27Cに示すように、キャップ部材20のうち、電極部24の上に位置する部分を除去した後、図27Dに示すように、電極部24を露出させる。こうして、図26に示す構造を作製することができる。電極部24を露出させる目的は、他の配線(不図示)と接続するためである。
本実施形態では、MEMS技術を用いてシリコン基板160側に不図示の圧力測定素子を形成している。この圧力測定素子は、実施形態1について説明した構成を有しているため、ここでは説明を繰り返さない。
本実施形態によれば、ゲッタリング薄膜185および導電性配線22と接触する部分(本実施形態では空洞壁部26)が、例えばSiO2などのようにゲッタリング薄膜185の活性化温度よりも高い融点を有する材料から形成されている。このため、通電によってゲッタリング薄膜185の温度が活性化温度に達したときも、空洞壁部26は物理的化学的に安定である。
特許文献2に記載されているような従来の赤外線検出用真空パッケージでは、ゲッタリング部材に電流を供給する配線が真空封止用半田と接触している。この赤外線検出用真空パッケージは、各部のサイズが相対的に大きいため、ゲッタリング部材が発熱しても、熱が配線を伝わって真空封止用半田に達するまでに放熱が生じ、真空封止用半田の温度の上昇は極めて少ないと考えられる。
しかし、本実施形態のようにゲッタリング薄膜185のサイズが1mm×1mmを下回り、また、ゲッタリング薄膜185と空洞壁部26とが近接している場合は、ゲッタリング薄膜185の熱が空洞壁部26などの部材を高い温度に上昇させるおそれがある。このため、本実施形態では、ゲッタリング薄膜185または導電性配線22と接する部材を熱的に安定な材料(好ましくは高融点材料)から形成し、ゲッタリング薄膜を加熱して活性化するときに、空洞壁部が破損することを防止している。このため、本発明の好ましい実施形態によれば、従来技術と異なり、微小な真空パッケージ構造において、ゲッタリング薄膜を用いて真空度の向上または維持を実現することができる。
本実施形態では、1つのシリコン基板160上に例えば100〜10000個の空洞が形成され、典型的には各空洞部内にサイズが1mm×1mm以下の微細なゲッタリング薄膜185が配置される。
ゲッタリング薄膜185の活性化温度は、ゲッタリング薄膜185の材料に依存して異なる。ジルコニウム合金からゲッタリング薄膜185を形成する場合、活性化温度は300℃〜1000程度である。また、Zr単体またはTi単体からゲッタリング薄膜185を形成する場合、その活性化温度は600〜700℃程度である。
これらの活性化温度よりも高い融点を有する材料のうち、ゲッタリング薄膜185または導電性配線22に接触する部材の融点として好ましい値は、例えば1000℃以上である。Siの融点は、約1400℃であり、SiO2の融点は、1000℃以上であるため、これらの材料は、ゲッタリング薄膜185または導電性配線22に接触する部材に好適に用いられ得る。
なお、ゲッタリング薄膜185の「活性化」とは、ゲッタリング薄膜185を加熱して表面の不純物を内部に拡散し、新しい活性な表面を露出することを意味し、「活性化温度」とは、活性化が実用上有効に生じる温度である。
本実施形態の電子デバイスは、図26に示す構造を有するものに限定されず、たとえば、図28や図29に示す構造を有していてもよい。図28に示す電子デバイスでは、ゲッタリング薄膜185、導電性配線22、および電極部24をキャップ部材20に設けた後、このキャップ部材20をシリコン基板160に接合する。このように、キャップ部材20に活性化のための機構を形成するとともに、真空測定素子や赤外線センサを形成してもよい。
図29に示す電子デバイスでは、ゲッタリング薄膜185に電流を流す代わりに、活性化のための発熱を行なう発熱部28を別途用いてゲッタリング薄膜185の加熱・活性化を実行する構成を採用している。発熱部28としては、ペルチェ素子や、ジュール熱を発生する抵抗体を用いることができる。発熱部は、ゲッタリング薄膜から電気的に絶縁されていても良いし、電気的に接触していても良い。電気的に接触している場合、電流の一部がゲッタリング薄膜を流れるため、ゲッタリング薄膜でジュール熱が発生する。このため、発熱部で発生する熱に加えて、ゲッタリング薄膜で発生するジュール熱をもゲッタリング薄膜の活性化に有効に用いることができる。
図30に示す電子デバイスでは、キャップ部材20と空洞壁部26との接合が、封止用薄膜32によって行なわれている点に特徴がある。封止用薄膜32は、キャップ部材20と空洞壁部26とが接触している部分に選択的に成長させられる。このような選択的な成長を行なうには、例えば、封止用薄膜32の成長工程を行なう際に封止用薄膜32を局所的に堆積させるべき領域を加熱して昇温することが好ましい。図30の例では、封止用薄膜成長用発熱部34を接合部の近傍に配置している。この封止用薄膜成長用発熱部34は、図面に垂直な方向に延びる抵抗線であり、封止用薄膜32の成長工程時に電流を流すことにより、発熱させる。
上述した各種の接合方法のうち、半田やフリットガラスを用いない方法(例えば陽極接合や常温接合)は、高温でも安定であるため、本実施形態のようにマイクロ真空パッケージ内でゲッタリング薄膜を高温に加熱する場合に特に好ましい。
(実施形態4)
図31を参照しながら、本発明による第3の実施形態を説明する。本実施形態の電子デバイスは、赤外線エリアセンサを備えたカメラ(撮像装置)である。
図31に示すように、本実施形態のカメラは、被写体から発せられる赤外線を赤外線検出部に導入するための光学系210(図31には反射光学系を用いた例を示すが、屈折系でも良い)と、1つまたは複数の素子ごとに例えばキャップ体によって構成されるマイクロ真空パッケージ内に封入された複数の赤外線センサ素子220を有する基板230と、基板230のうち、赤外線センサ素子が形成されている面の裏面上に形成されたペルチェ素子250と、赤外線センサ素子の出力信号を処理するための信号処理回路60と、赤外線センサ素子をパルス駆動するための素子駆動回路270と、基板230の表面温度を検出し,ペルチェ素子250を駆動させることにより基板温度を制御する温度検出&ペルチェ素子駆動回路280と、温度測定時に光学系へ入射する赤外線を遮光するための検査用遮光板290とを供えている。
次に、図32を参照しながら、赤外線検出部の構成を説明する。
本実施形態では、図32に示すように、基板230上に配列された赤外線検出部の各々がキャップ体に封止されている。基板230上には、抵抗体(ボロメータ)201とスイッチングトランジスタ202とを有する多数のセルA1〜E5が行列状に配置されたセルアレイが設けられている。1つのセルの大きさは、例えば40μm〜50μm程度であるが、検知する赤外線のほぼ波長の2倍に当たる20μm以上であればよい。
図32には、赤外線検出部の出力信号を処理するための信号処理回路260、赤外線検出部をパルス駆動するための素子駆動回路270、および温度検出&ペルチェ素子駆動回路80も示されている。ペルチェ素子は、ショットキー接触部を通過するキャリアの移動に伴う熱の吸収作用を利用した素子である。温度測定時に、図31に示す検査用遮光板290によって光学系へ入射する赤外線が遮断される。
各セルのスイッチングトランジスタ202のゲート電極は、縦方向走査回路209(V−SCAN)から延びる選択線SEL−1〜SEL−5に接続されている。各セルの抵抗体201の一端は電源供給ライン205に接続され、スイッチングトランジスタ202のソースは、その一端から接地された基準抵抗Rを介して延びるデータライン204a〜204eに接続されている。また、データライン204a〜204eは、それぞれスイッチングトランジスタSWa〜SWeを経て出力アンプ206に接続されている。各スイッチングトランジスタSWa〜SWeのゲート電極には、横方向走査回路208(H−SCAN)から延びる信号線207a〜207eが接続されている。
図32には図示されていないが、基板の裏面には、温度検出&ペルチェ素子駆動回路80が接続されたペルチェ素子250が備えられており、これによって基板230の温度が制御される。
外部縦方向走査回路209(V−SCAN)および横方向走査回路208(H−SCAN)は、外部の素子駆動回路270に接続され、赤外線検出部を駆動する。赤外線検出部からの信号は、出力アンプ206を介して信号処理回路260に出力される。
赤外線検出部は、基板230の上に設けられたつづら折り状の抵抗体(ボロメータ)201と、抵抗体201への電流をオン・オフするためのスイッチングトランジスタ202と備えている。抵抗体201の材質は、Ti,TiO,ポリシリコンなどがあり、いずれを用いても構わない。スイッチングトランジスタ202は、ソース領域,ドレイン領域及びゲート電極を備えており、真空状態に封止された抵抗体201と外部の回路とを電気的に接続する。
(赤外線検出部のマイクロ真空パッケージ内の真空度)
各赤外線検出部が精度よく動作するためには、その赤外線検出部が封入されている空間の真空度が重要である。図33は、赤外線検出部の感度と雰囲気の真空度との関係を示したグラフ図である。
図33に示すように、真空度1.0×10-2Torr(1.3Pa)程度よりさらに減圧された真空度を有する雰囲気中の赤外線検出部の感度は、大気圧中の赤外線センサの感度と比較して10倍程度向上している。つまり、赤外線センサの形成される領域の雰囲気を10-2Torr(1.3Pa)程度より減圧する場合には、大気圧中において駆動する赤外線センサの感度よりも10倍高い感度を有する赤外線センサを実現できるのである。このことから、赤外線検出部を、真空度10-2Torr(1.3Pa)より高い真空度で封止して、封止後もこの真空度を維持することが可能な場合には、高感度なデバイスの実現が可能となる。
(真空度判定の方法)
抵抗体を発熱させることによって昇温させた後、所定の時間だけ放置すると、抵抗体の温度は再び低下し、もとの温度に近づいてゆく。この温度の変化を検知することにより、圧力を測定することができる。
図34は、抵抗体における熱の出入りを説明するための図面である。
マイクロヒータの発熱量をP0、抵抗体の熱容量をC、温度変化をΔT、マイクロヒータ支持部の熱コンダクタンスをG1、抵抗体の雰囲気ガスの熱コンダクタンスをG2、周波数をωとする。このとき、以下の関係式が成立する。
Cd(ΔT)/dt+(G1(ΔT)+G2(ΔT))=P0exp(jωt)
上記の式から温度変化ΔTを求めると、以下の式が得られる。
ΔT=P0exp(jωt)/((G1 +G2 )+jωC)
抵抗体を自己発熱させると、発生した熱量P0 に比例して赤外線検出部の温度Tは上昇する。この温度Tの上昇に伴って、抵抗体の電気抵抗Rが変化する。
図35は、抵抗体のを自己発熱させ、一定期間放置した後の抵抗体の温度変化を示している。Pro1〜3は、それぞれ、異なる真空度のマイクロパッケージ内に置かれた素子1〜3の温度プロファイルを示している。
定温期間(I)はマイクロヒータを加熱する前の期間であり、加熱期間(II)は抵抗体に電流を流し、加熱している期間である。この加熱期間(II)に抵抗体の温度Tは、例えば100〜01℃程度上昇する。加熱期間(II)の経過後、抵抗体に流す電流を停止すると、抵抗体の自己発熱が止まるため、抵抗体の温度が低下する。この温度低下の速度は、抵抗体の熱容量Cと、熱コンダクタンス(G1 +G2 )によって異なる。予め設定された所定の保温期間(III)の間に抵抗体の温度Tは、真空度に応じた温度に低下する。
図35の例では、保温期間(III)経過時における素子3の温度は、しきい値(設定温度)より高いが、他の素子1および2の温度は、しきい値よりも低い。保温期間開始時の温度と、保温期間経過時の温度との差異がΔTである。
上記の抵抗体の温度変化ΔTに基づいて、真空度を評価することができる。具体的には、各抵抗体におけるΔTを測定し、測定したΔTの中から最大値と最小値を除いた値の平均をとる。そして、その平均値をしきい値(設定温度)として用いるメディアンフィルター法により、真空度を判定することができる。この方法によると、経時的に多数の真空パッケージで真空度の低下が進行している電子デバイスにおいて、個々の真空パッケージ内の真空度の相対的な評価を適切に実行することが可能になる。この方法を採用する代わりに、問題となる真空度に対応する温度をしきい値(設定温度)として定めておいてもよい。
以下に、図32および図36を参照しながら、抵抗体の温度Tを測定する方法をより具体的に説明する。
図36は、本実施形態における抵抗体の温度測定のタイミングチャートである。図36において、横軸は時間を示し、縦軸は駆動電圧を示している。以下、簡単化のため、図32における赤外線検出部A1,B1,C1における抵抗体の温度を検出する場合を説明する。なお、水平期間とは、図36におけるHDのクロック間の期間であり、フレームとは、VDのクロック間の期間をいう。
本実施形態の電子デバイスにおいて、真空度の測定を行なうときは、赤外線検出部への赤外線の入射を遮断する。より好ましくは、図36に示す定温状態(I)の前に数フレームから数十フレームの間、ライン選択を行わない状態を維持し、各赤外線検出部A1,B1・・の温度を一定レベルに安定化する。
次に、定温期間(I)において、各赤外線検出部の温度を一定に保ちつつ、Vddに5Vの電圧を印加した状態で縦方向走査回路209(V−SCAN)を駆動する。SEL♯1,SEL♯2・・の順に電圧が印加され、SEL♯1に電圧が印加された時、各赤外線検出部A1,B1,C1・・の出力信号Sco(第1の信号出力)が順次読み出されていく。出力信号Scoの値を、横方向走査回路208(H−SCAN)によって選択された順に信号処理回路60内の前フレームメモリに書き込んでいく。
加熱期間(II)は、Vddに25Vの電圧を印加した状態で縦方向走査回路209(V−SCAN)を駆動する。このとき、Vddに印加する電圧の値は、定常状態(I)において印加した電圧の値よりも20V以上大きな値であることが好ましい。縦方向走査回路209(V−SCAN)を駆動すると、SEL♯1,SEL♯2・・の順に選択されて、SEL♯1 が選択された時には、各赤外線検出部A1,B1,C1・・に電圧が印加される。このとき、赤外線検出部A1,B1,C1・・の抵抗値はほぼ同じであることから、各赤外線検出部A1,B1,C1・・内の抵抗体は、自己発熱により、ほぼ同じ温度に達する。図36では、加熱期間は3水平期間を示しているが、さらに加熱を数十フレーム延長してもよい。
保温期間(III)は、Vddに再び5Vの電圧を印加した状態で、縦方向走査回路209(V−SCAN)を駆動する。SEL♯1,SEL♯2・・の順に電圧が印加され、SEL♯1が選択された時には、各赤外線検出部A1,B1,C1・・の出力信号Sreが順次読み出されていく。出力信号Sre(第2の信号出力)の値を、横方向走査回路208(H−SCAN)によって選択された順に読み出していく。信号処理回路60において、加熱期間後の出力信号Sreの値を、前フレームメモリに保存されている加熱期間前の出力信号Scoの値と比較することにより、各赤外線検出部の温度変化を検出することができる。
このように、抵抗体の加熱後、一定時間経過後の出力信号を読み出していくと、上述したように、真空度の劣化している赤外線検出部の温度は、真空度の高い赤外線検出部における温度よりも低くなる。このことから、加熱前後の温度変化値を測定することにより、各赤外線検出部を封止するキャップ体の真空度を評価することができる。
以下に、加熱前後の温度変化値と、実際に出力される電圧信号である出力信号との関係を、赤外線検出部A1を例にして述べる。
赤外線検出部A1の出力電圧V(A1)は、図32からわかるように、赤外線検出部A1の抵抗値R(A1)と、図32に示す基準抵抗Rの抵抗値R(ref) との分割抵抗値と、電源供給ライン205に印加される電圧Vddとの積である。このため、赤外線検出部A1の出力電圧V(A1)は、下式によって表される。
V(A1)={R(ref)/(R(A1)+R(ref))}・Vdd
一方、赤外線検出部A1の温度T(t)は、下式によって表される。
T(t)∝{R(A1)/(R(A1)+R(ref))}・Vdd ∝ Vdd−V(A1)
このとき、赤外線検出部A1において、定温期間(I)における温度T(t0)と、保温時間(III)における温度T(t1)との温度変化値ΔTは、下式で表される。
ΔT=T(t1)−T(t0)
出力電圧V(A1)が分かれば、抵抗値R(A1)、印加電圧Vddの値は既知なので、温度変化値ΔTは、赤外線検出部A1の出力電圧V(A1)に依存して一意的に決定される。
なお、ペルチェ素子の温度を、図32に示す温度検出&ペルチェ素子駆動回路280を用いて常温より低く(例えば10℃以下)設定すると、キャップ体であるキャップ体の管壁からボロメータへの放射熱が低減するので、ボロメータは冷却されることとなる。
また、図36において、加熱期間(II)では、ラインごとにそれぞれのスタートから読み出しまでのタイミングを合わせるために、SEL♯1,SEL♯2およびSEL♯3 ごとにスタートのタイミングをずらしているが、同時にスタートしてもよい。
図36に示す加熱期間(II)において、ボロメータを自己発熱させる方法として、ボロメータに電圧を印加したが、他の方法として、加熱期間(II)において、ボロメータに電圧を印加することなくペルチェ素子の温度のみを上昇させて基板を加熱し、基板あるいはキャップ体の管壁からの熱放射でボロメータの温度を上昇させて、その後の読み出し期間において、ペルチェ素子の温度をもとの状態(例えば10℃)に戻し、ラインごとに読み出しを行なう方法がある。この方法においては、ペルチェ素子による加熱の前後における、ボロメータの変化温度が大きいものほど真空度は悪く、検出温度差が小さなものほど真空度は良いと判断できる。
図36に示す加熱期間(II)において、ボロメータとペルチェ素子とを併用することにより加熱を行なってもよい。
(信号の処理方法)
次に、図36に示す測定方法によって得られる出力信号ScoおよびSreを、信号処理回路60において処理する方法について、図36を参照しながら述べる。図36は、真空度判定のための温度測定時において、赤外線検出部の出力信号を処理し、欠陥を補完する回路を示す図である。
図36に示すように、温度測定時においては、図36に示すような定温期間(I)における赤外線検出部から出力された出力信号Scoを、信号処理回路60のうちのADC66においてAD変換してデジタル信号Dcoとした後、前フレームメモリ64に記録しておく。
次に、加熱期間(II)を経て、一定期間放置された後に赤外線検出部20から出力された出力信号Sreも、信号処理回路60のうちのADC66においてAD変換してデジタル信号Dreとする。その後、出力信号差分検出部65aにおいて、前フレームメモリ64に記録されている加熱期間前のデジタル信号Dcoと、加熱後のデジタル信号Dreとの値の変化値を示す信号が生成される。
さらに、欠陥検出部65bにおいて、上述の変化値を示す出力信号を、図35に示すしきい値(設定温度)を元に設定されたしきい値(設定電圧値)と比較することにより、赤外線検出部の真空度を判定する。
上述のように真空度を判定された結果、真空度が劣化しているとされた赤外線検出部の位置は、欠陥位置メモリ63に記憶される。
(欠陥画素の補完方法)
次に、本実施形態の電子デバイスをカメラに使用する場合に、欠陥を有する赤外線検出部の補完を行なう方法について、図36を参照しながら説明する。
赤外線検出部を用いたカメラを実際に使用するときには、検査用遮光板を外した状態で、被写体から発せられる赤外線を赤外線検出部20に入射させて、赤外線検出部20の出力信号を映像化する。この工程を繰り返すと、各赤外線検出部20の封入されている領域では、真空度が徐々に劣化し、その劣化の進行度合いは、各赤外線検出部20を封入するキャップ体ごとに異なるようになる。そのため、赤外線検出部20のうちのいくつかでは、真空度の大きな劣化に起因して感度が低下しており、その赤外線検出部の位置は、上述の温度測定方法により知ることができる。
カメラが実際に使用されるとき、光学系10に入射した赤外線は、赤外線検出部内を経て、出力信号Sとなる。そして、出力信号Sは、信号処理回路60内の映像処理部61に入力され、ADC66によって8bit以上のデジタル信号に変換される。その後、デジタル信号は、マルチプレクサMux67によって3ライン以上のラインメモリLine Memory1〜3に入力されて、各ライン(図32におけるSEL♯1,SEL♯2・・)の画素に対応した信号として一次的に記憶される。そして、各ラインの画素の信号は補完処理68に入力され、欠陥位置メモリ63において記憶されている欠陥を有する画素の信号に、その欠陥画素の信号を囲む周辺の8画素の信号を利用して内挿補完処理を施す。具体的には、欠陥位置メモリ63からの情報により欠陥画素(図36に示すB2)であると判定された画素の信号を、その周辺画素(図36に示すA1、B1、C1、A2、C2、A3、B3、C3)である8画素の信号を加算して1/8倍した値の画素の信号に置き換えることで補完処理を行なう。補完処理を行った後のデータをデマルチプレクサDe♯ Mux69に入力して、読み出しに必要なラインを選択し、そのラインを出力信号として外部に出力する。
(マイクロ真空パッケージの配置)
以下に、本実施形態のマイクロ真空パッケージの配置について、図38を参照しながら説明する。図38は、図32に示すセルアレイにおけるマイクロ真空パッケージの配置を模式的に示す図である。
図38に示すように、本実施形態のセルアレイには、マイクロ真空パッケージAと、マイクロ真空パッケージBと、マイクロ真空パッケージCとが配置されている。マイクロ真空パッケージAは、赤外線を透過するSiからなり、マイクロ真空パッケージ内は、赤外線が遮光されることなく、減圧雰囲気になっている。マイクロ真空パッケージBは、その表面に赤外線を遮断するAlなどがスパッタ形成されており、マイクロ真空パッケージ内は、赤外線が遮光され、減圧雰囲気になっている。マイクロ真空パッケージCは、赤外線を透過するSiからなり、一部に開口部が形成されていることにより、マイクロ真空パッケージ内は、赤外線が遮光されることなく、大気圧雰囲気になっている。
以下に、それぞれのマイクロ真空パッケージと、そのマイクロ真空パッケージに封入されている赤外線検出部との機能について述べる。
マイクロ真空パッケージAにより封止されている赤外線検出部(以下では、赤外線検出部Aと記す。)は減圧雰囲気下にあり、赤外線が入射する状態にある。赤外線検出部Aは、被写体から発せられる赤外線を検知することにより、被写体からの赤外線強度に応じた出力信号を出力する。ここで、その出力信号には、赤外線が入射しない状況においても生じるオフセット値が含まれる。また、マイクロ真空パッケージA内の真空度は、封止時点では基準値以上に保たれているが、その後の経年やデバイスの使用に伴って徐々に悪化すると考えられる。
マイクロ真空パッケージBにより封止されている赤外線検出部(以下では、赤外線検出部Bと記す。)は、赤外線検出部Aと同程度の減圧雰囲気下にあり、赤外線が入射しない状態にある。これにより、実際にカメラを使用する際に赤外線検出部Bが形成されている領域では、赤外線が入射しない暗時の出力を得ることができ、この測定値を用いることにより、上述の赤外線センサAの出力信号におけるオフセット値を取り除くことができる。
マイクロ真空パッケージCにより封止されている赤外線検出部(以下では、赤外線検出部Cと記す。)は、大気圧下にある。これにより、真空度判定のための検査を行なう際には、真空度が最も劣化した場合である大気圧下にある赤外線検出部Cの温度を知ることができる。この赤外線検出部Cの温度と、赤外線検出部Aにおける温度の平均値とを比較することにより、セルアレイ全体として、どの程度劣化が進行しているかを判断することができる。
なお、本実施形態においては、マイクロ真空パッケージBとマイクロ真空パッケージCとが、セルアレイを構成する赤外線検出部のうち周囲部に位置する赤外線検出部の上に配置されているが、本発明においては、マイクロ真空パッケージBとマイクロ真空パッケージCとの配置は、これに限られるものではない。
具体的には、マイクロ真空パッケージCは、1ラインにつき1つ設けられておれば上述の効果を得ることができる。マイクロ真空パッケージBは、水平方向に510画素の信号を有するセルアレイにつき20〜30画素程度の割合で設けられていることが好ましい。
また、本発明のセルアレイにおいては、必ずしもマイクロ真空パッケージBとマイクロ真空パッケージCとが形成されている必要はなく、2種のうち一方が形成されていてもよいし、2種のうち両方が形成されていなくてもよい。
本実施形態では、赤外線検出部Cにマイクロ真空パッケージCを形成せず、検査時には、赤外線検出部Cを大気圧下に露出して、ボロメータの自己発熱と放熱の差分を計測することも可能である。なお、本実施形態において、赤外線検出部Cに開口部の入ったマイクロ真空パッケージCを形成したのは、検査時の熱対流などの条件を赤外線検出部A,Bの条件に近くして、より正確な測定を行うためである。
上述の温度変化値測定および真空度の判定は、製造時および出荷時に行われることもあり、出荷後にユーザーによって行われることもある。それらについて以下に述べる。
まず、製造時では、例えば1.3×10-3Paの真空度を有するマイクロ真空パッケージA〜Cを形成する。マイクロ真空パッケージの形成は、キャップ体の取り付けや、実施形態1で行なった工程(エッチング用ホールの形成→エッチングによる空洞の形成→エッチング用ホールをスパッタで塞ぐ工程)で行なえばよい。
マイクロ真空パッケージCにはスリット状の開口部が形成されているため、マイクロ真空パッケージC内は真空チャンバー内における既知の真空度に保たれている。そのため、この時点において温度変化値測定を行った場合には、マイクロ真空パッケージC内の赤外線検出部Cの温度変化値を、既知値かつ最良値の真空度に対応する温度変化値として目安にすることができる。この対応関係は、しきい値の設定時などに用いることができる。
次に、出荷時における真空度の判定として、製造時のキャップの接合不良などにより内部の真空度が劣化したマイクロ真空パッケージを検出するために行なうことができる。そして、デバイスの出荷後の真空度の判定は、時間の経過や、デバイスの使用に伴って内部の真空度が劣化したマイクロ真空パッケージを検出するために行なう。これらの真空度の判定において、上記の製造時における上記の対応関係を用いて算出したしきい値をあらかじめ定めておいてもよいし、真空度の判定を行なう時点において、マイクロ真空パッケージCの形成された赤外線検出部Cの温度変化値の測定結果の平均値を大気圧下における基準としてしきい値を設定してもよい。
本実施形態においては、1つのマイクロ真空パッケージの中に1つの赤外線検出部を配置しているが、複数の赤外線検出部を1つのマイクロ真空パッケージの中に形成してもよい。
また、本実施形態では、減圧雰囲気を必要とする素子としてボロメータを用いているが、ボロメータの他にPN接合ダイオードなどの熱電変換素子や,電子放出素子や、波長40〜50μmのテラ波を検出または放出する素子などを用いてもよい。また、本発明の電子デバイスは、カメラの他に各種赤外線センサや他の装置に適応することができる。
真空度の判定方法としては、加熱期間後に一定期間放置して温度を測定する方法について述べたが、本発明においては、加熱期間後に、一定温度に到達するまでの時間を測定して、その時間をしきい値(設定時間)と比較することにより真空度の判定を行なってもよい。
また、電流変化および温度変化を用いて真空度を検知する代わりに、前述の実施形態のように、定常状態で真空度を検知することもできる。
実施形態1および実施形態2では、同一の基板上に複数の赤外線検出部および可視光検出部が規則的に配列されているが、基板上の赤外線検出部の個数は1つでもよい。このような構成を有する電子デバイスは、例えば監視カメラとして好適に用いられる。監視カメラとして使用する、このような電子デバイスによれば、赤外線検出部によって人物の存在を検知したときに、可視光検出部による撮像を行い、それによって得られた映像を監視カメラの管理者が確認することが可能になる。
同一基板上に赤外線検出部および可視光検出部を備えた電子デバイスの例は、例えば特許文献3に開示されているが、本発明はこの文献に開示されている電子デバイスにも広く適用することが可能である。
次に、図41を参照しながら、本発明の実施形態にかかる電子デバイスにおいて、ゲッタリング薄膜を自動的に活性化させる構成を説明する。
図示されている装置は、空洞部内に圧力測定素子およびゲッタリング薄膜を備えた赤外線センサ300と、赤外線センサ330における個々の空洞部内で圧力を測定する圧力測定回路320と、圧力測定回路320の出力を受け取り、空洞部の何れかで圧力異常が発生したか否かを判断する制御部340と、赤外線センサ300のゲッタリング薄膜を活性化すめたの電流をゲッタリング薄膜に供給する電流調整回路360とを有している。
制御部340は、測定された圧力の値に基づいて、赤外線センサ300のゲッタリング薄膜を活性化するか否かを決定し、電流調節回路360を制御する。制御部340が、赤外線センサ300における或る空洞部の圧力が閾値を超えて上昇していることを検知した場合、電流調節回路360を制御して、全てのゲッタリング薄膜を活性化するように各ゲッタリング薄膜に電流を供給するようにしてもよい。あるいは、圧力が閾値を超えて上昇した特定の空洞部内に位置するゲッタリング薄膜のみを選択的に活性化するために、選択したゲッタリング薄膜にのみ活性化のための電流を供給するようにしてもよい。これらの動作は、制御部340のメモリ内に格納されるプログラムを調節することにより、任意に設定可能である。
図41に示す構成では、圧力測定回路320による圧力の測定結果に応じて、制御部340がゲッタリング薄膜の活性化を行なうが、このような圧力測定の動作を行なうことなく、定期的にゲッタリング薄膜を活性化してもよい。この場合、制御部340は、タイマーなどによる経時を行い、経過時間が所定値に達したとき、自動的に電流調節回路360を制御してゲッタリング薄膜を活性化する。
なお、圧力測定を行なうことなく、ゲッタリング薄膜を活性化する場合、所定の間隔で活性化を行なう代わりに、特定のイベント(電源オンや赤外線センサによるセンシング動作の開始指令)が発生するたびに、ゲッタリング薄膜の活性化を行なうように制御部340の動作プログラムを設定しても良い。
本発明によれば、小型真空パッケージなどの空洞内部に圧力測定素子やゲッタリング薄膜を配置するため、個々のマイクロ真空パッケージの内部における真空度を高い精度で計測することが可能となる。また、空洞の内部のゲッタリング薄膜を適宜活性化することにより、空洞内の真空度を高いレベルに維持することが低コストで可能になる。
従来の電子デバイスの製造方法を示す工程断面図である。 従来の電子デバイスの製造方法を示す工程断面図である。 従来の電子デバイスの製造方法を示す工程断面図である。 従来の電子デバイスの製造方法を示す工程断面図である。 従来の電子デバイスの製造方法を示す工程断面図である。 従来の電子デバイスの製造方法を示す工程断面図である。 ボロメータ型赤外センサの検出部付近の構造を示す斜視図である。 赤外線イメージセンサの検出部における雰囲気圧力と感度との関係を示す図である。 (a)は、本発明の第1の実施形態を示す斜視図であり、(b)は、その等価回路図である。 本発明の第1の実施形態における赤外線検出部の構成を模式的に示す斜視図である。 マイクロヒータ部167のレイアウトの一例を示す平面図である。 マイクロヒータ支持部168の構成例を示す斜視図である。 テスト用の赤外線検出部を示す斜視図である。 マイクロヒータ部の構成を示す斜視図である。 マイクロヒータ部の構成を示す断面図(ブリッジを横切る断面図)である。 マイクロヒータ部の構成を示す断面図(ブリッジが延びる方向に平行な断面図)である。 マイクロヒータ部の構成を示す平面図である。 マイクロヒータ部における電気抵抗と真空度(圧力)との関係の一例を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態における電子デバイスの製造工程を示す図であり、(a)はA−A’線断面図、(b)はB−B’線断面図、(c)は平面図である。 本発明の第1の実施形態における電子デバイスの製造工程を示す図であり、(a)はA−A’線断面図、(b)はB−B’線断面図、(c)は平面図である。 本発明の第1の実施形態における電子デバイスの製造工程を示す図であり、(a)はA−A’線断面図、(b)はB−B’線断面図、(c)は平面図である。 本発明の第1の実施形態における電子デバイスの製造工程を示す図であり、(a)はA−A’線断面図、(b)はB−B’線断面図、(c)は平面図である。 本発明の第1の実施形態における電子デバイスの製造工程を示す図であり、(a)はA−A’線断面図、(b)はB−B’線断面図、(c)は平面図である。 本発明の第1の実施形態における電子デバイスの製造工程を示す図であり、(a)はA−A’線断面図、(b)はB−B’線断面図、(c)は平面図である。 本発明の第1の実施形態における電子デバイスの製造工程を示す図であり、(a)はA−A’線断面図、(b)はB−B’線断面図、(c)は平面図である。 本発明の第1の実施形態における電子デバイスの製造工程を示す図であり、(a)はA−A’線断面図、(b)はB−B’線断面図、(c)は平面図である。 本発明の第1の実施形態における電子デバイスの製造工程を示す図であり、(a)はA−A’線断面図、(b)はB−B’線断面図、(c)は平面図である。 本発明の第1の実施形態における電子デバイスの製造工程を示す図であり、(a)はA−A’線断面図、(b)はB−B’線断面図、(c)は平面図である。 本発明の第1の実施形態における電子デバイスの製造工程を示す図であり、(a)はA−A’線断面図、(b)はB−B’線断面図、(c)は平面図である。 本発明の第1の実施形態における電子デバイスの製造工程を示す図であり、(a)はA−A’線断面図、(b)はB−B’線断面図、(c)は平面図である。 本発明の第1の実施形態における電子デバイスの製造工程を示す図であり、(a)はA−A’線断面図、(b)はB−B’線断面図、(c)は平面図である。 (a)および(b)は、本発明の第2の実施形態における電子デバイスを示す断面図である。 本発明の第2の実施形態における電子デバイスの製造工程を示す図であり、(a)はA−A’線断面図、(b)はB−B’線断面図、(c)は平面図である。 本発明の第3の実施形態を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態における電子デバイスの製造方法を示す工程断面図である。 本発明の第3の実施形態における電子デバイスの製造方法を示す工程断面図である。 本発明の第3の実施形態における電子デバイスの製造方法を示す工程断面図である。 本発明の第3の実施形態における電子デバイスの製造方法を示す工程断面図である。 本発明の第3の実施形態の他の例を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態の更に他の例を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態の更に他の例を示す断面図である。 本発明の第4の実施形態を示す図である。 本発明の第4の実施形態の等価回路図である。 赤外線検出部の感度と雰囲気の真空度との関係を示したグラフ図である。 抵抗体における熱の出入りを説明するための斜視図である。 抵抗体のを自己発熱させ、一定期間放置した後の抵抗体の温度変化を示すグラフである。Pro1〜3は、それぞれ、異なる真空度のマイクロパッケージ内に置かれた素子1〜3の温度プロファイルを示している。 実施形態における抵抗体の温度測定のタイミングチャートである。横軸は時間を示し、縦軸は駆動電圧を示している。 真空度判定のための温度測定時において、赤外線検出部の出力信号を処理し、欠陥を補完する回路を示す図である。 図32に示すセルアレイにおけるマイクロ真空パッケージの配置を模式的に示す図である。 従来の真空パッケージを有する電子デバイスの断面構成を模式的に記す図である。 従来の真空度測定機能を有する電子デバイスを示す断面図である。 本発明の実施形態にかかる電子デバイスにおいて、ゲッタリング薄膜を活性化させる回路の構成を模式的示すブロック図である。

Claims (15)

  1. 基板と、前記基板上に配列された複数の赤外線検出部とを備えた電子デバイスであって、
    前記複数の赤外線検出部の各々は、
    前記基板上に設けられ、減圧された空洞を形成する空洞壁部と、
    前記空洞内に配置され、周囲の物質を吸着する機能を有するゲッタリング薄膜と、
    少なくとも一部が前記空洞内に配置され、前記ゲッタリング薄膜を発熱によって活性化する機能および前記空洞内の温度を検出する機能を有する活性化部と、
    を有しており、
    前記温度検出結果により、各空洞内の真空度を検出し、前記真空度の検出結果に基づいて複数の空洞の一部または全部の空洞において選択的に前記ゲッタリング薄膜の活性化を行なう制御部を更に備えている電子デバイス。
  2. 前記ゲッタリング薄膜は前記活性化部の下方に配置されている請求項1に記載の電子デバイス。
  3. 前記活性化部は、電流によって熱を発生する熱発生部と、前記熱発生部に電流を供給する導電配線とを有し、
    前記熱発生部または前記導電配線に接触する部分は、融点が活性化温度よりも高い材料から形成されている、請求項1に記載の電子デバイス。
  4. 前記ゲッタリング薄膜は、パターニングされた堆積物の膜である、請求項1に記載の電子デバイス。
  5. 前記ゲッタリング薄膜の厚さは100μm以下である、請求項4に記載の電子デバイス。
  6. 前記活性化部は、発熱および/または吸熱を行い、そのときの温度を検出することによって前記空洞内の真空度を検出する、請求項1に記載の電子デバイス。
  7. 前記ゲッタリング薄膜は、1mm×1mmの矩形領域内に収まる平面サイズを有している、請求項5に記載の電子デバイス。
  8. 前記空洞壁部と前記熱発生部との間の断熱特性を向上する機能を有する断熱部を有する請求項1に記載の電子デバイス。
  9. 前記熱発生部は、電気抵抗によるジュール熱によって発熱する請求項3に記載の電子デバイス。
  10. 前記熱発生部はペルチェ素子である請求項3に記載の電子デバイス。
  11. 前記電子デバイスは、前記基板上に形成された少なくとも1つの赤外線検出部および少なくとも1つの可視光検出部を有しており、
    前記空洞は、前記赤外線検出部の少なくとも一部を取り囲み、かつ、前記可視光検出部の一部を囲まない形状を有している請求項1に記載の電子デバイス。
  12. 前記基板上に形成された前記赤外線検出部および可視光線検出部の数は、それぞれ、複数であり、前記基板上に配列されている請求項11に記載の電子デバイス。
  13. 前記活性化部は、抵抗変化材料からなる部分を有し、前記抵抗変化材料に電流を流したときの抵抗値によって前記空洞内の温度を検出する、請求項1に記載の電子デバイス。
  14. 前記活性化部は、熱電対または複数の熱電対が直列に接続されたサーモパイルからなる部分を有し、前記熱電対または前記サーモパイルの熱起電力によって前記空洞内の温度を検出する、請求項1に記載の電子デバイス。
  15. 前記活性化部は、前記空洞内の温度を検出することによって赤外線入射量を検出する、請求項1に記載の電子デバイス。
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