(実施形態1)
以下、本実施形態のセンサ装置について図1〜図6を参照しながら説明する。
本実施形態のセンサ装置は、ジャイロセンサであり、第1の半導体基板を用いて形成されたセンサ基板1と、第2の半導体基板を用いて形成されセンサ基板1の一表面側(図1の上面側)に封着された封止基板2と、第3の半導体基板を用いて形成されセンサ基板1の他表面側(図1の下面側)に封着された支持基板3と、を備えている。ここで、センサ基板1、封止基板2および支持基板3の外周形状は、矩形状であり、封止基板2および支持基板3は、センサ基板1と同じ外形寸法に形成されている。本実施形態では、第1の半導体基板として抵抗率が0.2Ωcmのシリコン基板を用い、第2の半導体基板および第3の半導体基板として抵抗率が20Ωcmのシリコン基板を用いているが、各シリコン基板の抵抗率の値は、一例であって、特に限定するものではない。なお、封止基板2または支持基板3は、ガラスにより形成することもできる。また、本実施形態では、センサ基板1がジャイロセンサを構成している。
センサ基板1においては、平面視で外周形状が矩形状である駆動質量体11および検出質量体12が当該センサ基板1の上記一表面に沿って並設されるとともに、駆動質量体11および検出質量体12の周囲を囲む枠状(本実施形態では、矩形枠状)のフレーム部10が形成されている。なお、本実施形態では、図1〜図6の各図の右下に示した直交座標系のように、駆動質量体11と検出質量体12とが並ぶ方向をy軸方向、センサ基板1の上記一表面に沿う面内でy軸方向に直交する方向をx軸方向、x軸方向とy軸方向とに直交する方向(つまり、センサ基板1の厚み方向)をz軸方向として説明する。
上述のセンサ基板1においては、駆動質量体11と検出質量体12とが、x軸方向に延長された一対の駆動ばね13を介して連続一体に連結されている。すなわち、センサ基板1においては、x軸方向において検出質量体12の全長よりもやや短いスリット溝14aと、駆動質量体11におけるx軸方向の各側縁にそれぞれ一端が開放されx軸方向の一直線上に並ぶ2本のスリット溝14bとが形成され、スリット溝14aと各スリット溝14bとの間にそれぞれ駆動ばね13が形成されている。ここで、各駆動ばね13の一端部は、スリット溝14aの各一端と検出質量体12の側縁との間に連続し、各駆動ばね13の他端部は、2本のスリット溝14bの間の部位において駆動質量体11にそれぞれ連続している。駆動ばね13は、ねじれ変形が可能なトーションばねであって、駆動質量体11は、検出質量体12に対して駆動ばね13の回りで変位可能になっている。つまり、駆動質量体11は、検出質量体12に対してz軸方向の並進とx軸方向の軸回りの回転とが可能となっている。また、センサ基板1においては、駆動ばね13にトーションばねを用いているから、当該センサ基板1の厚み方向における駆動ばね13の寸法を小さくする必要がなく、駆動ばね13を形成する際の加工が容易である。
センサ基板1の検出質量体12におけるx軸方向の各側縁にはy軸方向に延長された検出ばね15の一端部がそれぞれ連続し、両検出ばね15の他端部同士は、x軸方向に延長された連結片16を介して、連続一体に連結されている。すなわち、一対の検出ばね15と連結片16とにより平面視コ字状の部材が形成されている。ただし、連結片16は、駆動ばね13および検出ばね15に比較して十分に剛性が高くなるように設計されている。連結片16の長手方向の中間部には、固定片17が突設され、固定片17は、支持基板3に接合され、定位置に固定されている。駆動質量体11および検出質量体12と検出ばね15および連結片16との間は、コ字状のスリット溝14cにより分離されており、スリット溝14bの一端は、スリット溝14cに連続している。検出ばね15は、x軸方向に曲げ変形が可能であって、駆動質量体11および検出質量体12は、固定片17に対して、x軸方向に変位可能になっている。
ところで、センサ基板1においては、検出質量体12に、厚み方向に貫通する4個の切抜孔18が形成されており、各切抜孔18それぞれの内側に固定子20が配置されている。固定子20は、検出質量体12のx軸方向の両端付近に配置される電極片21と、電極片21からx軸方向に延長された櫛骨片22とを有し、電極片21と櫛骨片22とでL字状の形状をなしている。電極片21と櫛骨片22とは、支持基板3に接合され、固定子20は、定位置に固定されている。切抜孔18の内側面は、固定子20の外周面の形状に沿った形状であって、固定子20との間には、間隙が形成されている。検出質量体12のx軸方向の両端部には、2個ずつの電極片21が配置されている。図4に示すように、櫛骨片22の幅方向の両端面には、それぞれ多数本の固定櫛歯片23がx軸方向に列設されている。一方、切抜孔18の内側面であって、櫛骨片22との対向面には、図4に示すように、固定櫛歯片23にそれぞれ対向する多数本の可動櫛歯片24がx軸方向に列設されている。各固定櫛歯片23と各可動櫛歯片24とは、互いに離間しており、検出質量体12がx軸方向に変位する際の固定櫛歯片23と可動櫛歯片24との距離変化に伴う静電容量の変化を検出できるようにしてある。すなわち、固定櫛歯片23と可動櫛歯片24とにより検出質量体12の変位を検出する検出手段が構成されている。本実施形態では、駆動質量体11と駆動ばね13と検出質量体12と検出ばね15と連結片16とでフレーム部10の内側に配置される可動部を構成しており、固定櫛歯片23と検出質量体12に設けられた可動櫛歯片24とでセンサ部を構成している。要するに、フレーム部10の内側に配置される可動部にセンサ部の一部が設けられている。
センサ基板1は、フレーム部10、固定片17および固定子20が支持基板3に接合されることで支持基板3に連結されている。これらに対し、駆動質量体11および検出質量体12は、z軸方向に変位可能でなければならないから、図1に示すように、駆動質量体11および検出質量体12それぞれにおける支持基板3との対向面を支持基板3から後退させる(センサ基板1の厚み方向における駆動質量体11および検出質量体12それぞれの厚さをフレーム部10に比べて薄くする)ことにより、駆動質量体11および検出質量体12と支持基板3との間に間隙を確保している。なお、本実施形態では、駆動質量体11と支持基板3との間のギャップ長を10μmに設定してあるが、この数値は、一例であって、特に限定するものではない。
また、センサ基板1においては、フレーム部10において固定片17の近傍部位に、固定片17を挟む形で一対の接地片19が形成されるとともに、一方の接地片19の近傍に後述の固定駆動電極25が電気的に接続される電極片27が形成されており(なお、各接地片19および電極片27は、支持基板3に接合されることで、支持基板3に連結されている)、上記一表面側において、固定片17および各電極片21および他方の接地片19および電極片27それぞれの表面に第1の接続用接合金属層28が形成されている。ここにおいて、1つの固定片17、4つの電極片21、1つの接地片19、1つの電極片27は、支持基板3の一表面側において、分離独立して配置されており、封止基板2をフレーム部10に接合していない状態では、それぞれ電気的に絶縁されている。また、センサ基板1の上記一表面側において、フレーム部10上には第1の封止用接合金属層26が全周に亘って形成されている。ここで、第1の接続用接合金属層28および第1の封止用接合金属層26は、Ti膜とAu膜との積層膜により構成されている。要するに、第1の封止用接合金属層26と第1の接続用接合金属層28とは同一の金属材料により形成されているので、第1の封止用接合金属層26と第1の接続用接合金属層28とを同時に形成することができるとともに、第1の封止用接合金属層26と第1の接続用接合金属層28とを同じ厚さに形成することができる。なお、第1の封止用接合金属層26および第1の接続用接合金属層28は、Ti膜の膜厚を15〜50nm、Au膜の膜厚を500nmに設定してあるが、これらの数値は、一例であって、特に限定するものではない。ここにおいて、各Au膜の材料は、純金に限らず不純物を添加したものでもよい。
封止基板2においては、センサ基板1側(図1における下面側)に、駆動質量体11および検出質量体12の変位空間を確保する変位空間形成用凹部29が形成されるとともに、厚み方向に貫通する複数の貫通孔32が形成されており、厚み方向の両面および貫通孔32の内面とに跨って熱絶縁膜(シリコン酸化膜)からなる絶縁膜33が形成され、貫通孔配線34と貫通孔32の内面との間に絶縁膜33の一部が介在している。ここにおいて、貫通孔配線34の材料としては、Cuを採用しているが、Cuに限らず、例えば、Niなどを採用してもよい。
また、封止基板2においては、変位空間形成用凹部29の内底面において、駆動質量体11との対向面には、上記絶縁膜33の一部を介して、Ti膜とAu膜との積層膜からなる上述の固定駆動電極25(図1および図6参照)が形成されている。なお、本実施形態では、駆動質量体11と固定駆動電極25との間のギャップ長を10μmに設定してあるが、この数値は、一例であって、特に限定するものではない。
また、封止基板2においては、センサ基板1側の表面に、各貫通孔配線34それぞれと電気的に接続された複数の第2の接続用接合金属層38が形成されている。また、封止基板2においては、センサ基板1側の表面の周部の全周に亘って枠状(矩形枠状)の第2の封止用接合金属層36が形成されている。ここにおいて、第2の接続用接合金属層38は、センサ基板1の第1の接続用接合金属層28と接合されて電気的に接続されるように配置してあり、第2の封止用接合金属層36は、センサ基板1の第1の封止用接合金属層26と接合されるように配置してある。また、第2の封止用接合金属層36および第2の接続用接合金属層38は、絶縁膜33上に形成されたTi膜と当該Ti膜上に形成されたAu膜との積層膜により構成されている。要するに、第2の封止用接合金属層36と第2の接続用接合金属層38とは同一の金属材料により形成されているので、第2の封止用接合金属層36と第2の接続用接合金属層38とを同時に形成することができるとともに、第2の封止用接合金属層36と第2の接続用接合金属層38とを同じ厚さに形成することができる。なお、第2の封止用接合金属層36および第2の接続用接合金属層38は、Ti膜の膜厚を15〜50nm、Au膜の膜厚を500nmに設定してあるが、これらの数値は、一例であって、特に限定するものではない。ここで、各Au膜の材料は、純金に限らず、不純物を添加したものでもよい。また、本実施形態では、各Au膜と絶縁膜33との間に、密着性改善用の密着層として、Ti膜を介在させてあるが、密着層の材料は、Tiに限らず、例えば、Cr、Nb、Zr、TiN、TaNなどでもよい。
また、封止基板2におけるセンサ基板1側とは反対側の表面には、各貫通孔配線34それぞれと電気的に接続された複数の外部接続用電極35が形成されている。なお、各外部接続用電極35の外周形状は、矩形状となっている。また、各外部接続用電極35は、Ti膜とAu膜との積層膜により構成されている。
ところで、センサ装置は、センサ特性を向上させるために、その内部(密封空間S)が真空であることが好ましく、真空雰囲気内で封止される。センサ装置内部の圧力は、1Pa以下であることが好ましく、センサの仕様により適宜選択される。そこで、封止基板2のセンサ基板1側に、センサ装置内部の真空度を測定する真空計30が設けられている。本実施形態では、真空計30として、ピラニゲージを採用したが、これに限定はされず、センサ装置の構造やセンサ装置内部の真空度に応じて、適宜選択される。真空計30の測定結果は、センサと同様に貫通孔配線34に接続された外部接続用電極35より電流値または電圧値として検出される。ここで、真空計30がセンサ装置内部の真空度を測定し、一定時間経過後に再び測定したときに、真空度が大きく低下していれば、そのセンサ装置は信頼性が低いと判断できる。なお、本実施形態では、真空計30は、封止基板2に設けられているが、センサ基板1または支持基板3のセンサ基板1側に設けられてもよく、真空計30の設置基板は、センサ基板1の構造、封止基板2の構造、支持基板3の構造やそれらの製造工程に応じて、適宜選択される。
一方、支持基板3は、厚み方向の両面に熱絶縁膜(シリコン酸化膜)からなる絶縁膜41,42が形成されている。
また、センサ装置の外部には、センサの駆動を行う電気回路、信号処理回路および真空計30の測定結果に基づいたセンサ装置内部の真空度に応じて、センサ部の検出値の補正を行う電気回路などが設けられている。
ところで、本実施形態のジャイロセンサにおけるセンサ基板1と封止基板2とにおいては、第1の封止用接合金属層26と第2の封止用接合金属層36とが接合される(封止基板2は、センサ基板1のフレーム部10の全周に亘って、周部が封着される)とともに、第1の接続用接合金属層28と第2の接続用接合金属層38とが接合されて電気的に接続され、センサ基板1と支持基板3とにおいては、互いの対向面の周部同士が接合されている(支持基板3は、センサ基板1のフレーム部10の全周に亘って、周部が封着されている)。したがって、センサ基板1の複数の第1の接続用接合金属層28は、それぞれ、第2の接続用接合金属層38および貫通孔配線34を介して外部接続用電極35と電気的に接続されている。ここで、封止基板2においては、固定駆動電極25から変位空間形成用凹部29の周部まで延長された配線部25a(図6参照)が、センサ基板1の電極片27上の第1の接続用接合金属層28に接合される第2の接続用接合金属層38と連続一体となっている。
また、本実施形態のジャイロセンサにおいて、センサ基板1と封止基板2および支持基板3との接合方法として、センサ基板1の残留応力を少なくするために、より低温での直接接合が可能な常温接合法を採用している。常温接合法では、接合前に、互いの接合表面へアルゴンのプラズマ若しくはイオンビーム若しくは原子ビームを真空中で照射して各接合表面の清浄化・活性化を行ってから、真空中で接合表面同士を接触させ、常温下で直接接合する。本実施形態では、上述の常温接合法により、真空中において常温下で適宜の荷重を印加して、第1の封止用接合金属層26と第2の封止用接合金属層36とを直接接合するのと同時に、第1の接続用接合金属層28と第2の接続用接合金属層38とを直接接合しており、また、上述の常温接合法により、真空中において常温下でセンサ基板1のフレーム部10と支持基板3の周部とを直接接合している。要するに、本実施形態のジャイロセンサでは、センサ基板1と封止基板2とがAu−Auの組み合わせの常温接合により接合され、センサ基板1と支持基板3とがSi−SiO2の組み合わせの常温接合により接合されている。なお、上記接合には、接合する基板間に金属を介在させる共晶接合法を用いることもできる。共晶接合法を用いれば、接合表面の粗さを介在物である金属で吸収することができるため、接合部の形状に関する制限が少なくなる。また、支持基板3にガラスを用いた場合には、陽極接合法を用いることにより、ガラスからなる支持基板3とシリコンからなるセンサ基板1とを接合してもよい。
なお、本実施形態におけるセンサ装置では、センサ基板1と封止基板2と支持基板3とを積層しているが、例えば、支持基板3にジャイロセンサの構成要素を載置し、封止基板2を、凹所が形成され、当該凹所内にジャイロセンサの構成要素を収納する封止基板とし、封止基板2を当該ジャイロセンサの構成要素が気密封止されるように支持基板3に接合してセンサ装置を製造することもできる。支持基板3にジャイロセンサの構成要素を収納する凹所が形成されてもよい。また、センサ基板1を、一表面にジャイロセンサの構成要素およびフレーム部10が設けられたセンサ基板とし、封止基板2で当該ジャイロセンサの構成要素を気密封止してもよい。この場合、センサ基板1と封止基板2とで密封空間Sが形成される。
次に、本実施形態のジャイロセンサの動作について説明する。
本実施形態のジャイロセンサは、駆動質量体11に規定の振動を与えておき、外力による角速度が作用したときの検出質量体12の変位を検出するものである。ここにおいて、駆動質量体11を振動させるには、固定駆動電極25と駆動質量体11との間に正弦波形ないし矩形波形の振動電圧を印加すればよい。振動電圧は、交流電圧が望ましいが、極性を反転させることは必須ではない。駆動質量体11は、駆動ばね13と検出質量体12と検出ばね15と連結片16とを介して、固定片17に電気的に接続され、固定片17の表面には、第1の接続用接合金属層28が形成されており、また、固定駆動電極25は、電極片27上の第1の接続用接合金属層28に電気的に接続されているから、固定片17上の第1の接続用接合金属層28と電極片27上の第1の接続用接合金属層28との間に振動電圧を印加すれば、駆動質量体11と固定駆動電極25との間に静電力を作用させて駆動質量体11をz軸方向に振動させることができる。振動電圧の周波数は、駆動質量体11および検出質量体12の質量や駆動ばね13および検出ばね15のばね定数などにより決まる共振周波数に一致させれば、比較的小さい駆動力で大きな振幅を得ることができる。
駆動質量体11を振動させている状態において、ジャイロセンサにy軸方向の軸回りの角速度が作用したときに、x軸方向にコリオリ力が発生し、検出質量体12(および駆動質量体11)は、固定子20に対して、x軸方向に変位する。可動櫛歯片24が固定櫛歯片23に対して変位すれば、可動櫛歯片24と固定櫛歯片23との距離が変化し、結果的に、可動櫛歯片24と固定櫛歯片23との間の静電容量が変化する。この静電容量の変化は、4個の固定子20に接続された第1の接続用接合金属層28から取り出すことができるから、上述のジャイロセンサでは、4個の可変容量コンデンサが形成されているとみなすことができ、各可変容量コンデンサの静電容量をそれぞれ検出したり、可変容量コンデンサを並列に接続した合成容量を検出したりすることにより、検出質量体12の変位を検出することができる。駆動質量体11の振動は、既知であるから、検出質量体12の変位を検出することにより、コリオリ力を求めることができる。
ここに、可動櫛歯片24の変位は、(駆動質量体11の質量)/(駆動質量体11の質量+検出質量体12の質量)に比例するから、駆動質量体11の質量が検出質量体12の質量に比較して大きいほど可動櫛歯片24の変位が大きくなり、結果的に感度が向上することになる。そこで、本実施形態では、駆動質量体11の厚み寸法を検出質量体12の厚み寸法よりも大きくしてある。
また、あらかじめ実験的に、センサ特性を真空度ごとに求め、真空度ごとに、センサ特性を補正する機能を信号処理回路に設けておけば、真空計30の測定結果を、信号処理回路にフィードバックし、信号処理により、センサ部の検出値の補正を行うことができる。
したがって、センサ装置内部に真空計30が設けられており、真空計30がセンサ装置内部の真空度を測定し、一定時間経過後に再び測定したときに、真空度が大きく低下していれば、そのセンサ装置は信頼性が低いと判断することができるので、そのセンサ装置を除外することができる。
さらに、真空計30の測定結果に基づいたセンサ装置内部の真空度に応じて、センサ部の検出値の補正を行うことができるので、信頼性の高いセンサ装置とすることができる。
そして、センサ基板1が第1の半導体基板を用いて形成され、封止基板2が第2の半導体基板を用いて形成されるとともに、支持基板3が第3の半導体基板を用いて形成されているので、センサ基板1と封止基板2および支持基板3との線膨張率差に起因した熱応力の影響を低減できて、センサ特性の温度依存性を小さくすることができ、しかも、センサ基板1と支持基板3とが支持基板3におけるセンサ基板1との対向面に形成された絶縁膜41を介して接合されているので、耐電気ノイズ性の低下を抑制できる。また、上記各半導体基板がシリコン基板であり、絶縁膜41がシリコン酸化膜なので、センサ基板1と封止基板2および支持基板3とを常温接合により接合することができ、センサ特性の温度依存性をより小さくすることができる。
なお、本実施形態のジャイロセンサでは、支持基板3におけるセンサ基板1との対向面に形成された絶縁膜41を介して、支持基板3とセンサ基板1とを接合しているが、センサ基板1と支持基板3とを、互いの対向面の少なくとも一方に形成された絶縁膜を介して、接合すればよい。また、上述のジャイロセンサでは、製造にあたって、ウェハレベルパッケージ技術を利用することで低コスト化および小型化を図れるが、多数のセンサ基板1それぞれの形成予定領域ごとにセンサ基板1の構成要素の一部を形成したセンサウェハと第2の支持基板3を多数形成したパッケージウェハとを接合した後に、センサ基板1における可動部を他の部位から分離するエッチングなどの工程を行ってから、封止基板2を多数形成したパッケージウェハを接合すればよい。
(実施形態2)
以下、本実施形態のセンサ装置について図7および図8を参照しながら説明する。
本実施形態のセンサ装置であるジャイロセンサの基本構成は、実施形態1と略同じであり、センサ基板1の基礎となる第1の半導体基板として、シリコン基板1a上に当該シリコン基板1aよりも高抵抗率の単結晶のシリコン層1bをエピタキシャル成長させた所謂エピ基板を用いており、センサ基板1において、CMOSを用いた集積回路(CMOS IC)であってセンサ部と協働する集積回路40が形成されている点などが実施形態1と相違する。本実施形態では、シリコン基板1aの抵抗率を0.2Ωcm、シリコン層1bの抵抗率を20Ωcmに設定してあるが、これらの数値は、一例であって、特に限定するものではない。本実施形態では、集積回路40は、センサ基板1に形成されているが、封止基板2や支持基板3に形成されてもよく、集積回路40の形成基板は、センサ基板1の構造や集積回路40の形成工程に応じて、適宜選択される。また、集積回路40は、センサの駆動を行う電気回路、センサ部の出力信号に対して増幅、オフセット調整、温度補償などの信号処理を行って出力する信号処理回路、信号処理回路において用いるデータを格納したEEPROMや、真空計30の測定結果に基づいたセンサ装置内部(密封空間S)の真空度に応じてセンサ部の検出値の補正を行う電気回路などが集積化されている。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態でのセンサ基板1においては、駆動質量体11と検出質量体12との並設方向に沿った方向の外形寸法が実施形態1でのセンサ基板1の駆動質量体11と検出質量体12との並設方向に沿った方向の外形寸法よりも長く設定してあって、駆動質量体11、検出質量体12などが形成されたセンサ領域部E1と、集積回路40が形成されたIC領域部E2とが当該センサ基板1の上記一表面に沿って並設されており、フレーム部10が、センサ領域部E1とIC領域部E2とを囲むように形成されている。なお、見方を変えれば、本実施形態では、実施形態1におけるセンサ基板1のフレーム部10の一部の幅寸法を大きくしてあり、フレーム部10に集積回路40を形成してある。
ところで、センサ基板1には、上述の集積回路40がシリコン層1bの表面側に形成されており、IC領域部E2では、多層配線技術を利用してセンサ基板1における当該IC領域部E2の占有面積の縮小化を図っている。このため、センサ基板1のIC領域部E2では、シリコン層1b上の絶縁膜45の表面側に、層間絶縁膜やパッシベーション膜などからなる多層構造部41が形成され、上記パッシベーション膜の適宜部位を除去することにより、複数のパッド42を露出させてあり、各パッド42が金属材料(例えば、Auなど)からなる引き出し配線43を介して、シリコン層1b上の絶縁膜45上に形成された第3の接続用接合金属層44と電気的に接続されている。ここで、第3の接続用接合金属層44は、封止基板2の第2の接続用接合金属層38と接合されて電気的に接続されている。また、封止基板2には、第2の接続用接合金属層38とセンサ領域部E1に形成されている第1の接続用接合金属層28とを電気的に接続するための金属配線層(図示せず)が形成されており、金属配線層と第1の接続用接合金属層28とが接合されて電気的に接続されている。また、上述の第1の封止用接合金属層26は、絶縁膜45上に形成されている。なお、ジャイロセンサの高感度化の観点からは、上述のシリコン層1bのうちセンサ領域部E1に対応する部位の抵抗率がシリコン基板1aの抵抗率と略同じになるように不純物をドーピングすることが望ましい。
また、本実施形態では、実施形態1と同様に、第2の半導体基板を用いて形成された封止基板2および第3の半導体基板を用いて形成された支持基板3がセンサ基板1と同じ外形寸法に形成されており、封止基板2においては、実施形態1にて説明した変位空間形成用凹部29の開口面の投影領域内にセンサ領域部E1およびIC領域部E2が収まるように変位空間形成用凹部29の開口面積を実施形態1における変位空間形成用凹部29の開口面積に比べて大きくしてあり、IC領域部E2の多層構造部41が変位空間形成用凹部29内に配置されるようになっている。
以上説明した本実施形態のジャイロセンサでは、実施形態1と同様に、センサ基板1が第1の半導体基板を用いて形成され、封止基板2が第2の半導体基板を用いて形成されるとともに、支持基板3が第3の半導体基板を用いて形成されているので、センサ基板1と封止基板2および支持基板3との線膨張率差に起因した熱応力の影響を低減できて、センサ特性の温度依存性を小さくすることができ、しかも、センサ基板1と支持基板3とが支持基板3におけるセンサ基板1との対向面に形成された絶縁膜41を介して接合されているので、耐電気ノイズ性の低下を抑制できる。
また、本実施形態のジャイロセンサでは、実施形態1のジャイロセンサと、実施形態1のジャイロセンサのセンサ部と協働する集積回路を形成したICチップとを1つのパッケージに収納したセンサモジュールに比べて小型化および低コスト化を図れ、また、センサ部と集積回路との間の配線長を短くすることができ、センサ特性の向上を図ることができる。
(実施形態3)
以下、本実施形態のセンサ装置について図9〜図10を参照しながら説明する。
本実施形態のセンサ装置は、赤外線センサであり、センサ基板101と、センサ基板101の一表面側(図9の上面側)に形成された温度検知部102と、センサ基板101の上記一表面側に封着された封止基板103と、センサ装置内部の真空度を測定する真空計30と、を備え、センサ基板101と封止基板103とで密封空間Sが形成されている。ここで、センサ基板101および封止基板103の外周形状は、矩形状であり、封止基板103は、センサ基板101と同じ外形寸法に形成されている。
センサ基板101は、シリコン基板上に絶縁体層を積層し、半導体技術を使用することにより形成される。これにより、センサ基板101は、凹部が形成されたシリコン基板と、当該凹部内底面から離間して配置される断熱部104およびシリコン基板の周部上に形成された絶縁体105を含む絶縁体層と、を有する。このようにして、センサ基板101には、フレーム部106が形成される。また、断熱部104は、温度検知部102とセンサ基板101とを熱絶縁する。
ここで、絶縁体層は、多孔質材料により形成することができる。ここで、多孔質材料として、多孔質の酸化シリコンの一種であるポーラスシリカを採用しているが、多孔質の酸化シリコン系有機ポリマーの一種であるメチル含有ポリシロキサン、多孔質の酸化シリコン系無機ポリマーの一種であるSi−H含有ポリシロキサン、シリカエアロゲルなどを採用してもよく、多孔質材料として、多孔質の酸化シリコン、多孔質の酸化シリコン系有機ポリマー、多孔質の酸化シリコン系無機ポリマーの群から選択される材料を採用すれば、断熱部104において、非多孔質の酸化シリコンを採用する場合に比べて断熱性を向上できる。
ここにおいて、本実施形態における断熱部104は、多孔度が60%のポーラスシリカ膜(多孔質シリコン酸化膜)により構成してあるが、多孔度が小さ過ぎると十分な断熱効果が得られず多孔度が大き過ぎると機械的強度が弱くなって構造形成が困難となるので、ポーラスシリカ膜の多孔度は例えば40%〜80%程度の範囲内で適宜設定することが望ましい。
なお、シリコン基板の凹部内底面上には、温度検知部102および断熱部104を透過した赤外線を温度検知部102側へ反射する赤外線反射部107が設けられていてもよい。ここで、本実施形態の赤外線センサは、検出対象の赤外線として人体から放射される8μm〜13μmの波長帯の赤外線を想定しており、赤外線反射部107の材料としては、Al−Siを採用することができる。
ところで、センサ基板101の上記一表面側において、フレーム部106上には、温度検知部102と電気的に接続される第1の接続用接合金属層108が形成されている。また、フレーム部106上には、第1の接続用接合金属層108の外側に、第1の封止用接合金属層109が全周に亘って形成されている。ここで、第1の接続用接合金属層108および第1の封止用接合金属層109は、Ti膜とAu膜との積層膜により構成されている。要するに、第1の封止用接合金属層109と第1の接続用接合金属層108とは同一の金属材料により形成されているので、第1の封止用接合金属層109と第1の接続用接合金属層108とを同時に形成することができるとともに、第1の封止用接合金属層109と第1の接続用接合金属層108とを同じ厚さに形成することができる。なお、第1の封止用接合金属層109および第1の接続用接合金属層108は、Ti膜の膜厚を15〜50nm、Au膜の膜厚を500nmに設定してあるが、これらの数値は、一例であって、特に限定するものではない。ここにおいて、各Au膜の材料は、純金に限らず不純物を添加したものでもよい。
温度検知部102は、赤外線を吸収するとともに該吸収による温度変化を検知する。温度検知部102は、温度に応じて電気抵抗値が変化するセンシングエレメントであるサーミスタからなり、抵抗体で構成されている。なお、本実施形態では、抵抗体の材料としてアモルファスシリコンを採用しているが、抵抗体の材料はアモルファスシリコンに限らず、例えば、酸化バナジウムなどを採用してもよい。また、温度検知部102は、温度に応じて電気抵抗値が変化するセンシングエレメントに限らず、温度に応じて誘電率が変化するセンシングエレメント、サーモパイル型のセンシングエレメント、焦電型のセンシングエレメントなどを採用してもよく、いずれのセンシングエレメントを採用した場合でも、材料を適宜選択することで一般的な薄膜形成技術を利用して形成することができる。ここで、温度に応じて誘電率の変化するセンシングエレメントの材料としては、例えば、PZT、BSTなどを採用すればよい。ところで、温度検知部102は、断熱部104上においては、S字状の平面形状に形成され、S字の各端部と第1の接続用接合金属層108,108との間においては、L字状の平面形状に形成されており、センサ基板101の厚み方向に沿った中心軸に対して回転対称性を有するように配置されている。
封止基板103は、シリコン基板を用いて形成されており、センサ基板101側の表面(図2の下面)に凹部が形成されている。ここで、封止基板103の材料としては、赤外線の透過率の高い材料が望ましく、Siを採用しているが、Siに限らず、例えば、Ge,InP,ZnSe,ZnS,Al2O3,CdSeなどを採用してもよい。また、封止基板103には、厚み方向に貫通する複数の貫通孔110が形成されており、厚み方向の両面および貫通孔110の内面に跨って熱絶縁膜(シリコン酸化膜)からなる絶縁膜111が形成され、貫通孔配線112と貫通孔110の内面との間に絶縁膜111の一部が介在している。ここにおいて、貫通孔配線112の材料としては、Cuを採用しているが、Cuに限らず、例えば、Niなどを採用してもよい。
また、封止基板103においては、センサ基板101側の表面に、各貫通孔配線112それぞれと電気的に接続された複数の第2の接続用接合金属層113が形成されている。また、封止基板103においては、第2の接続用接合金属層113の外側に、センサ基板101側の表面の周部の全周に亘って枠状(矩形枠状)の第2の封止用接合金属層114が形成されている。ここにおいて、第2の接続用接合金属層113は、センサ基板101の第1の接続用接合金属層108と接合されて電気的に接続されるように配置してあり、第2の封止用接合金属層114は、センサ基板101の第1の封止用接合金属層109と接合されるように配置してある。また、第2の封止用接合金属層114および第2の接続用接合金属層113は、絶縁膜111上に形成されたTi膜と当該Ti膜上に形成されたAu膜との積層膜により構成されている。要するに、第2の封止用接合金属層114と第2の接続用接合金属層113とは同一の金属材料により形成されているので、第2の封止用接合金属層114と第2の接続用接合金属層113とを同時に形成することができるとともに、第2の封止用接合金属層114と第2の接続用接合金属層113とを同じ厚さに形成することができる。なお、第2の封止用接合金属層114および第2の接続用接合金属層113は、Ti膜の膜厚を15〜50nm、Au膜の膜厚を500nmに設定してあるが、これらの数値は、一例であって、特に限定するものではない。ここで、各Au膜の材料は、純金に限らず、不純物を添加したものでもよい。また、本実施形態では、各Au膜と絶縁膜111との間に、密着性改善用の密着層として、Ti膜を介在させてあるが、密着層の材料は、Tiに限らず、例えば、Cr、Nb、Zr、TiN、TaNなどでもよい。
また、封止基板103におけるセンサ基板101側とは反対側の表面には、各貫通孔配線112それぞれと電気的に接続された複数の外部接続用電極115が形成されている。なお、各外部接続用電極115の外周形状は、矩形状となっている。また、各外部接続用電極115は、Ti膜とAu膜との積層膜により構成されている。
以上の構成を採用することにより、温度検知部102の出力は、貫通孔配線112を介して、各外部接続用電極115から取り出すことができる。
本実施形態では、温度検知部102と断熱部104とでセンサ部を構成している。
ところで、センサ装置は、センサ特性を向上させるために、その内部(密封空間S)が真空であることが好ましく、真空雰囲気内で封止される。センサ装置内部の圧力は、1Pa以下であることが好ましく、センサの仕様により適宜選択される。そこで、センサ基板101の上記一表面側に、センサ装置内部の真空度を測定する真空計30が設けられている。本実施形態では、真空計30として、ピラニゲージを採用したが、これに限定はされず、センサ装置の構造やセンサ装置内部の真空度に応じて、適宜選択される。真空計30の測定結果は、センサと同様に、貫通孔配線112に接続された外部接続用電極115より電流値または電圧値として検出される。ここで、真空計30がセンサ装置内部の真空度を測定し、一定時間経過後に再び測定したときに、真空度が大きく低下していれば、そのセンサ装置は信頼性が低いと判断できる。なお、本実施形態では、真空計30は、センサ基板101に設けられているが、封止基板103のセンサ基板101側に設けられてもよく、真空計30の設置基板は、センサ基板101の構造、封止基板103の構造やそれらの製造工程に応じて、適宜選択される。
また、センサ装置の外部には、センサの駆動を行う電気回路、信号処理回路および真空計30の測定結果に基づいたセンサ装置内部の真空度に応じて、センサ部の検出値の補正を行う電気回路などが設けられている。具体的には、あらかじめ実験的に、センサ特性を真空度ごとに求め、真空度ごとに、センサ特性を補正する機能を信号処理回路に設けておけば、真空計30の測定結果を、信号処理回路にフィードバックし、信号処理により、センサ部の検出値の補正を行うことができる。
上述したように、本実施形態の赤外線センサは、センサ基板101と封止基板103とで密封空間Sが形成されている。すなわち、密封空間Sには、温度検知部102、断熱部104、赤外線反射部107、真空計30が気密に収納されている。
ところで、本実施形態の赤外線センサにおけるセンサ基板101と封止基板103とにおいては、第1の封止用接合金属層109と第2の封止用接合金属層114とが接合される(封止基板103は、センサ基板101のフレーム部106全周に亘って、周部が封着される)とともに、第1の接続用接合金属層108と第2の接続用接合金属層113とが接合されて電気的に接続される。したがって、センサ基板101の複数の第1の接続用接合金属層108は、それぞれ、第2の接続用接合金属層113および貫通孔配線112を介して外部接続用電極115と電気的に接続されている。ここで、センサ基板101上においては、温度検知部102が第1の接続用接合金属層108に電気的に接続されている。
ところで、本実施形態では、センサ基板101と封止基板103との接合方法として、センサ基板101の残留応力を少なくするために、より低温での直接接合が可能な常温接合法を採用している。常温接合法では、接合前に、互いの接合表面へアルゴンのプラズマ若しくはイオンビーム若しくは原子ビームを真空中で照射して各接合表面の清浄化・活性化を行ってから、真空中で接合表面同士を接触させ、常温下で直接接合する。本実施形態では、上述の常温接合法により、真空中において常温下で適宜の荷重を印加して、第1の封止用接合金属層109と第2の封止用接合金属層114とを直接接合するのと同時に、第1の接続用接合金属層108と第2の接続用接合金属層113とを直接接合している。要するに、本実施形態のジャイロセンサでは、センサ基板101と封止基板103とがAu−Auの組み合わせの常温接合により接合されている。
なお、本実施形態におけるセンサ装置では、センサ基板101と封止基板103とを積層しているが、例えば、支持基板を用い、当該支持基板にセンサ部を載置して、封止基板103を、凹所が形成され、当該凹所内にセンサ部を収納する封止基板とし、封止基板103を当該センサ部が気密封止されるように支持基板3に接合してセンサ装置を製造することもできる。支持基板にセンサ部を収納する凹所が形成されてもよい。また、センサ基板101を、シリコン基板が枠状であるセンサ基板とした場合には、支持基板を用い、当該支持基板とセンサ基板101と封止基板103とでセンサ部を気密封止してもよい。この場合、支持基板とセンサ基板101と封止基板103とで密封空間Sが形成される。
ここにおいて、センサ基板101と封止基板103とは、センサ基板101を複数形成したウェハと封止基板103を複数形成したウェハとをウェハレベルで接合してから、個々の赤外線センサに分割して製造することができる。
したがって、センサ装置内部に真空計30が設けられており、真空計30がセンサ装置内部の真空度を測定し、一定時間経過後に再び測定したときに、真空度が大きく低下していれば、そのセンサ装置は信頼性が低いと判断することができるので、そのセンサ装置を除外することができる。
さらに、真空計30の測定結果に基づいたセンサ装置内部の真空度に応じて、センサ部の検出値の補正を行うことができるので、信頼性の高いセンサ装置とすることができる。
また、本実施形態における赤外線センサにおいては、センサ部と協働する集積回路(図示せず)が設けられていてもよい。その構成については、実施形態2と同様である。
なお、上述の各実施形態では、センサ装置として、ジャイロセンサ、赤外線センサを例示したが、本発明の技術思想は、ジャイロセンサに限らず、例えば、容量形の加速度センサやピエゾ抵抗形の加速度センサなど内部を真空にする他のセンサ装置にも適用でき、ピエゾ抵抗形の加速度センサでは、フレーム部の内側に配置される重り部およびフレーム部と重り部とを連結する薄肉の撓み部で可動部を構成し、撓み部に形成されたピエゾ抵抗がセンサ部を構成することなる。