JPH08264152A - イオンビーム電流の補正方法、イオン注入方法及び装置 - Google Patents

イオンビーム電流の補正方法、イオン注入方法及び装置

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JPH08264152A
JPH08264152A JP7068370A JP6837095A JPH08264152A JP H08264152 A JPH08264152 A JP H08264152A JP 7068370 A JP7068370 A JP 7068370A JP 6837095 A JP6837095 A JP 6837095A JP H08264152 A JPH08264152 A JP H08264152A
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JP
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ion beam
vacuum
ion
beam current
degree
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JP7068370A
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English (en)
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Masataka Kase
正隆 加勢
Tomohiro Kubo
智裕 久保
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 イオン注入装置に関し、注入量の誤差やウェ
ーハ面内分布の異常を抑えるイオンビームの補正方法、
イオン注入方法及び装置を提供する。 【構成】 イオン注入装置において、真空度によりイオ
ンビーム電流を補正するイオンビーム電流の補正方法で
あって、イオンビームの走行する経路上又はその近傍の
真空度に対し、経路上の場所に依存する真空度の真空成
分に係る補正係数と、経路上の場所に依存しない真空度
の真空成分に係る補正係数とを用いてイオンビーム電流
を補正する。イオンビーム電流の補正精度が向上し、注
入量の誤差やウェーハ面内分布の異常の発生を減少する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオン注入装置に係
り、特に、イオン注入量の精度やウェーハ面内均一性を
改善するイオンビーム電流の補正方法、イオン注入方法
及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高電流イオン注入装置は、ウェー
ハをディスクに搭載し、高速回転することで冷却などの
問題を解決してきた(例えば、布施、平尾編著、「ここ
まできたイオン注入技術 超LSIプロセスのリード
役」、工業調査会)。イオンは、通常数十eVから数M
eVものエネルギーで高真空中にてウェーハに照射され
る。このため、高真空はイオンビームを安定してウェー
ハに照射するために不可欠である。
【0003】イオンが照射されるターゲットによって
は、照射の際に多量の気体を発生する、例えばフォトレ
ジストのような物質が付着しており、真空容器内の真空
度を悪くする。また、近年ウェーハ上のデバイス帯電
(チャージアップ)防止対策として、プラズマフラッド
システム(以下、PFSと呼ぶ)が使用されている(例
えば、S.Kikuchi, et al., Proc. of ION IMPLANTATION
TECHNOLOGY - 92, 1993, p.641,edited by D.F.Donwey
et al., Elsevier Science Publishers B.V.、月刊Sem
iconductor World (1992.12) p.114)。PFSはウェー
ハの近傍で真空容器内にAr(アルゴン)等のガスを導
入するため、必然的に真空度は悪化する。
【0004】真空度が悪くなると、イオンビームが荷電
変換し、イオンビーム電流Jと注入原子フラックス量F
とが一致しない。イオンビーム電流Jと注入原子フラッ
クス量Fとが一致しないとき、所望の注入量が実際の注
入量とは異なるばかりでなく、注入中のイオンビーム電
流を測定しながらウェーハの連動機構を制御する機構の
場合、注入中の注入量補正機構によってウェーハ面内分
布異常を発生することになる。
【0005】この不具合を対策するために、イオンビー
ム電流を真空容器内の真空度の関数により補正演算する
ことで注入量測定の誤差を減少させる方法が幾つか提案
されている。特開昭58−87746号公報では、真の
イオンビーム電流をJ、イオンビーム電流計により測定
されたイオンビーム量をJm、真空計により測定された
真空度をP、補正係数をCとして、J=Jm/(1−C
P)とする補正方法が提案されている。
【0006】米国特許第625263号明細書には、1
×10-6から1×10-4Torrの圧力範囲では、中性
成分と単独イオン化成分の比はガス圧にほぼ比例するこ
とが示されている。特開昭60−93748号公報で
は、イオンビーム測定用のファラデーカップ近傍に残留
ガス分圧を測定する真空計、又は質量分析計器を設け、
真空度、残留ガス種、残留ガス分圧、イオンビーム走行
距離などの情報により注入量を補正する方法が提案され
ている。
【0007】特開昭61−271739号公報では、チ
ャンバ圧力を中間圧力以上に保持できるようにし、注入
量の精度向上を図っている。マッキャロン等は、イオン
ビーム電流計により測定されたイオンビーム量Jmの補
正式を、J=Jmexp(kP)とすることにより、よ
り精度のよい補正ができることを提案している(D.McCa
rron, et al., Nuclear Instruments and Methods, B74
(1993), p.238)。また、彼らは1価の正イオンが中性
化する問題の他に、1価イオンが電子をはぎ取られて2
価イオンになる現象の可能性を示唆している。
【0008】更に、スタックは、ビームラインとエンド
ステーションにある2つの真空計の値とその差により補
正する方法を提案している。この場合、イオンビーム電
流計により測定されたイオンビーム量Jmの補正式を、
J=Jmexp(k11+k22)とする。更に一般的
にはJm=f(P1,P2)で補正可能なことを示してい
る(A.Stack, Nuclear Instruments and Methods, B74
(1993), p.248)。
【0009】一般に、これら真空度によりイオンビーム
電流を補正する方法は、総称してプレッシャーコンペン
セーション法(以下PC法と呼ぶ)と呼ばれている。補
正係数であるCやkは、ウェーハに注入されたイオン量
をシート抵抗などから測定して求め(A.Stack, Nuclear
Instruments and Methods, B74 (1993), p.248)、又
は真空度を変化させながらイオンビーム電流を測定した
後に、適当な演算を用いて算出することができる。
【0010】ところで、高エネルギーイオン注入技術
は、ラッチアップ耐性等に優れたレトログレードウェル
を形成する等の目的で近年注目されている。一般に高エ
ネルギーイオン注入に用いる専用のイオン注入装置は高
価であるが、1MeV以下のエネルギー領域では、従来
の中電流イオン注入装置を用いた多価イオン注入により
注入することが可能である。このため、かかるエネルギ
ー領域では、中電流イオン注入装置を用いた多価イオン
注入を用いることが装置コストの削減に有効である。
【0011】しかし、多価イオンを用いるイオン注入で
は、多価イオンの一部がビームライン中の残留ガスと衝
突して価数を減らし、エネルギーの異なるイオンとして
注入される、いわゆるエネルギーコンタミネーション
(以下ECと呼ぶ)が問題となる。ECが発生すると、
被注入物に注入されたイオンの深さ分布に異常を発生さ
せるばかりでなく、ラスタスキャンなどにより静電的に
イオンビームを走査してウェーハ面内に均一にイオンビ
ームを照射するイオン注入装置では、イオンの価数の違
いによりイオンビームの偏光角が変化するため、注入量
の面内均一性を悪化させてしまう。このため、多価イオ
ン注入を実用化するためにはECによるドーズの面内分
布均一性の悪化をも防ぐ必要がある。
【0012】従来のイオン注入装置では、多価イオン注
入を行う場合、イオン注入前に多価イオンビーム電流
と、EC成分によるイオンビーム電流であるEC電流と
の比を予め測定しておき、その値が、注入量の面内均一
性が実用上問題にならない範囲内に納まっていれば注入
を開始し、そうでなければ注入を中止する機構を設けて
いた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】真空度の悪化によるイ
オンビームの荷電変換は、中性気体との衝突による。衝
突によるイオンビームの強さIが減少するとき、微小距
離dxだけイオンが進む間に起きる衝突の数は、 dI=−σIndx …(1) と表される(高柳著、「電子・原子・分子の衝突」、培
風館、1972)。ここで、σは有効衝突断面積[c
2]、nは標的となる中性気体の数密度[分子/c
3]である。nは、アボガドロ数(6.624×10
23/mol)と、完全気体の0℃、1atmにおける体
積2.24×10-2[m3/mol]により、真空度P
[Torr]に、次式のように変換できる。
【0014】n=3.536×1016×P 従って(1)式は、 dI=−3.536×1016×σIPdx …(2) と書き換えられる。従って、(2)式の微分方程式を解
くと、I=I0exp(−aPL)が得られる。なお、
Lはイオンビームの走行する距離であり、I0は衝突す
る前のイオンビーム電流である。即ち、−aL=kとす
ると、従来のPC法の基本式、 I=I0exp(−kP) …(3) が得られる。
【0015】特開昭58−87746号公報記載の方法
や、米国特許第625263号明細書記載の方法は、e
xp(kP)が1に十分近い場合に使用できる近似式で
ある。マッキャロンの方法は、(3)式そのものであ
る。スタックの方法は、(3)式のPを複数にしたもの
であり、それを単に一次式で組み合わせる形で組み入れ
た根拠は公にされていない。また、Jm=f(P1
2)という一般式では、実用上補正に使用することが
できない。
【0016】近年の半導体装置製造プロセスにおいて、
イオンビームがウェーハに照射されるとき、ウェーハに
は真空中で気体を発生する膜、例えばフォトレジストが
付着している場合が少なくない。発生した気体はウェー
ハの近傍の真空容器に搭載されている真空ポンプにより
廃棄される。従って、気体発生源であるウェーハから真
空ポンプ排気口までの経路に排気コンダクタンスがあ
る。イオン注入装置が動作する真空条件では、真空内の
気体の輸送現象は分子流として取り扱うことができ、そ
の時、円筒形真空容器の軸方向に輸送される気体の排気
コンダクタンスCは、 C=3.8×104×(T/M)1/23/l …(4) で表現される(上田著、「真空技術」、岩波、1955、又
は石川著、「イオン源工学」、アイオニクス、1986)。
ここで、Tは温度[K]、Mは気体の質量数、Dは直径
[m]、lは円筒の長さ[m]をそれぞれ表す。
【0017】排気コンダクタンスCと気体流量Q、両端
の真空度P1とP2との関係は、 Q=C(P1−P2) …(5) である。いま、微小な長さdxにおいて変化する真空度
dPを考えると、(4)式と(5)式はそれぞれ次の式
に書き換えられる。 C=b/dx、Q=CdP Cを消去すると、 dP/dx=const. …(6) が得られる。従って、(6)式の右辺は温度、気体の種
類、真空容器の形状のみに依存することが判る。
【0018】ここで、真空容器内の気体とイオンとの衝
突によるイオンビームの荷電変換について考えると、
(3)式は、(2)式の微分方程式を解くときに、真空
度Pが積分範囲、即ち、荷電変換が発生する経路におい
て一定であるという条件のもとで導出されている。従っ
て、従来のPC法では、イオンビームの荷電変換を正し
く表せない場合が発生する。特に、(6)式により圧力
勾配がある経路に沿ってビームが走行している場合、
(3)式では現実のものをうまく表現できない。
【0019】そのため、従来のPC法を用いた場合に
は、例えば、注入量に誤差が発生したり、ウェーハ面内
分布に異常が発生したりするため、このようなイオン注
入装置を使用する半導体装置の製造工程では、歩留りが
低下する虞があるといった問題があった。また、上記従
来のイオン注入装置を用いて多価イオン注入を行った場
合には、イオン注入中のEC量を測定できないため、イ
オン注入中にビームライン真空度が悪化してECが増加
した場合にも注入を中断することができないといった問
題があった。
【0020】また、これによりECによる注入量の面内
均一性が許容範囲を越えてしまうといった問題があっ
た。本発明の第1の目的は、真空度が悪化した場合、特
に圧力勾配がある経路に沿ってイオンビームが走行する
場合に、注入量の誤差やウェーハ面内分布の異常を抑え
るイオンビームの補正方法及びイオン注入方法を提供す
ることにある。
【0021】また、本発明の第2の目的は、イオン注入
中にEC電流が増加した場合にも、注入量の面内均一性
を許容範囲内に納めることができるイオン注入方法及び
装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的は、イオン注入
装置において、真空度によりイオンビーム電流を補正す
るイオンビーム電流の補正方法であって、イオンビーム
の走行する経路上又はその近傍の真空度に対し、前記経
路上の場所に依存する前記真空度の真空成分に係る補正
係数と、前記経路上の場所に依存しない前記真空度の真
空成分に係る補正係数とを用いて前記イオンビーム電流
を補正することを特徴とするイオンビーム電流の補正方
法によって達成される。
【0023】また、上記のイオンビーム電流の補正方法
において、補正前の前記イオンビーム電流をI0、補正
後の前記イオンビーム電流をI、前記真空度をP1、前
記経路上の場所に依存しない前記真空度の真空成分に係
る前記補正係数をk1、前記経路上の場所に依存する前
記真空度の真空成分に係る前記補正係数をk2としたと
きに、I=I0exp(k21 2+k11)に基づいて前
記イオンビーム電流を補正することが望ましい。
【0024】また、上記のイオンビーム電流の補正方法
において、補正前の前記イオンビーム電流をI0、補正
後の前記イオンビーム電流をI、前記真空度をP1、前
記経路上の場所に依存しない前記真空度の真空成分に係
る前記補正係数をk1、前記経路上の場所に依存する前
記真空度の真空成分に係る前記補正係数をk2としたと
きに、I=I0exp(k11 k2)に基づいて前記イオ
ンビーム電流を補正することが望ましい。
【0025】また、イオン注入装置において、真空度に
よりイオンビーム電流を補正するイオンビーム電流の補
正方法であって、補正前の前記イオンビーム電流を
0、補正後の前記イオンビーム電流をI、イオンビー
ムの走行する経路上又はその近傍の真空度をP1、前記
真空度の真空成分に係る補正係数をkとしたときに、I
=I0exp(kP1 2)に基づいて前記イオンビーム電
流を補正することを特徴とするイオンビーム電流の補正
方法によっても達成される。。
【0026】また、上記のイオンビーム電流の補正方法
において、前記イオンビームの走行する空間が分子流条
件を満たしているときに前記イオンビーム電流を補正す
ることが望ましい。また、イオン注入すべきターゲット
の表面を、イオンビームにより複数回走査することによ
り前記ターゲットにイオン注入するイオン注入方法にお
いて、最初の一回又は数回の走査において、イオンビー
ム電流の補正を行わずに前記イオンビームを照射し、前
記イオンビームの走行する経路上又はその近傍の真空度
と前記イオンビーム電流との関係を計測する第1のイオ
ン注入過程と、計測した前記真空度と前記イオンビーム
電流との関係から前記イオンビーム電流の補正係数を算
出し、前記補正係数により補正された前記イオンビーム
電流に基づいてイオンの注入量を制御する第2のイオン
注入過程とを有することを特徴とするイオン注入方法に
よっても達成される。
【0027】また、上記のイオン注入方法において、算
出した前記補正係数に基づいて、前記第1のイオン注入
過程において発生する注入量のずれを算出し、前記第2
のイオン注入過程では、前記ずれ量を補うようにしてイ
オンの注入量を設定することが望ましい。また、上記の
イオン注入方法において、前記第2のイオン注入過程に
おいて前記イオンビーム電流を補正する際に、上記のイ
オンビーム電流の補正方法を用いることが望ましい。
【0028】また、イオン注入すべきターゲットに入射
するイオンビームを静電的に走査することにより、前記
ターゲットの表面にイオンを照射するイオン注入方法に
おいて、前記イオンビームが走行する経路上又はその近
傍の真空度を測定することにより、前記経路上の残留ガ
スとの荷電変換により電荷が減少した前記イオンの量を
算出し、電荷が減少した前記イオンの量に基づいて、電
荷が減少した前記イオンが均一に前記ターゲット上に照
射するように、前記イオンビームの走査範囲を変更する
ことを特徴とするイオン注入方法によっても達成され
る。
【0029】また、上記のイオン注入方法において、前
記走査範囲を変更することによるイオンビーム電流の変
化を、注入時間を変化することにより補正することが望
ましい。また、上記のイオン注入方法において、電荷が
減少した前記イオンの量に基づいて、電荷が減少した前
記イオンが注入されるために生じる注入量の変化分を、
注入時間を変更することにより補正することが望まし
い。
【0030】また、上記のイオン注入方法において、前
記イオンビームの経路上又はその近傍の真空度を、異な
る2点以上で測定することが望ましい。また、上記のイ
オン注入方法において、2価以上の価数をもつ前記イオ
ンによりイオン注入を行うことが望ましい。また、イオ
ンビームが走行するビームラインと、前記ビームライン
に設けられ、前記イオンビームを走査するスキャナ部
と、前記ビームラインに設けられ、前記ビームラインの
真空度を測定する真空度計測器と、前記真空度計測器に
接続され、前記真空度計測器により測定した真空度から
前記ビームライン中の残留ガスとの荷電変換により電荷
が減少した前記イオンの量を算出する演算部と、前記演
算部に接続され、前記演算部により算出された電荷が減
少した前記イオンの量に応じて、前記スキャナ部を制御
する制御部とを有することを特徴とするイオン注入装置
によっても達成される。
【0031】また、上記のイオン注入装置において、前
記スキャナ部により走査された前記イオンビームを平行
化する平行化手段を更に有することが望ましい。
【0032】
【作用】本発明によれば、イオンビーム電流の補正式に
イオンビーム電流の補正式に、場所に依存しない真空成
分に依存する係数と、場所に依存する真空成分に依存す
る係数の2つの係数を用いたので、真空度が悪化した場
合、特に圧力勾配がある経路に沿ってイオンビームが走
行する場合に、注入量の誤差やウェーハ面内分布の異常
を抑えることができる。
【0033】また、補正前のイオンビーム電流をI0
補正後のイオンビーム電流をI、真空度をP1、経路上
の場所に依存しない真空度の真空成分に係る補正係数を
1、経路上の場所に依存する真空度の真空成分に係る
補正係数をk2としたときに、I=I0exp(k21 2
+k11)に基づいてイオンビーム電流を補正すれば、
精度良くイオンビーム電流を補正することができる。
【0034】また、補正前のイオンビーム電流をI0
補正後のイオンビーム電流をI、真空度をP1、経路上
の場所に依存しない真空度の真空成分に係る補正係数を
1、経路上の場所に依存する真空度の真空成分に係る
補正係数をk2としたときに、I=I0exp(k
11 k2)に基づいてイオンビーム電流を補正すれば、精
度良くイオンビーム電流を補正することができる。
【0035】また、補正前のイオンビーム電流をI0
補正後のイオンビーム電流をI、イオンビームの走行す
る経路上又はその近傍の真空度をP1、真空度の真空成
分に係る補正係数をkとしたときに、I=I0exp
(kP1 2)に基づいてイオンビーム電流を補正すれば、
精度良くイオンビーム電流を補正することができる。ま
た、上記のイオンビーム電流の補正方法は、イオンビー
ムの走行する空間が分子流条件を満たしているときに適
用することができる。
【0036】また、最初の一回又は数回の走査におい
て、イオンビーム電流の補正を行わずにイオンビームを
照射し、イオンビームの走行する経路上又はその近傍の
真空度とイオンビーム電流との関係を計測する第1のイ
オン注入過程と、計測した真空度とイオンビーム電流と
の関係からイオンビーム電流の補正係数を算出し、補正
係数により補正されたイオンビーム電流に基づいてイオ
ンの注入量を制御する第2のイオン注入過程とによりイ
オン注入を行うので、バッチ処理ごとに精度良くイオン
ビーム電流を補正することができる。
【0037】また、算出した補正係数に基づいて第1の
イオン注入過程において発生する注入量のずれを算出
し、第2のイオン注入過程では、ずれ量を補うようにし
てイオンの注入量を設定すれば、補正係数を算出する際
に生ずる注入量のずれを防止したうえで、バッチ処理ご
とに精度良くイオンビーム電流を補正することができ
る。
【0038】また、上記のイオン注入方法には、上述の
イオンビーム電流の補正方法を適用することができる。
また、イオンビームが走行する経路上又はその近傍の真
空度を測定することにより経路上の残留ガスとの荷電変
換により電荷が減少したイオンの量を算出し、電荷が減
少したイオンの量に基づいて、電荷が減少したイオンが
均一にターゲット上に照射するようにイオンビームの走
査範囲を変更するので、注入量の面内分布の均一性を許
容値内に収めることができ、多価イオン注入における注
入量の面内分布の精度向上を図ることができる。
【0039】また、イオンビームの走査範囲を変更する
ことによるイオンビーム電流の変化を注入時間を変化す
ることにより補正すれば、多価イオン注入における注入
量の面内分布の精度向上を図ることができる。また、電
荷が減少したイオンが注入されるために生じる注入量の
変化分を、電荷が減少したイオンの量に基づいて、注入
時間を変更することにより補正すれば、多価イオン注入
における注入量の面内分布の精度向上を図ることができ
る。
【0040】また、イオンビームの経路上又はその近傍
の真空度を、異なる2点以上で測定すれば、更に精度良
く面内分布を向上することができる。また、上記のイオ
ン注入方法は、2価以上の価数をもつイオンによりイオ
ン注入に適用することができる。また、イオンビームが
走行するビームラインと、ビームラインに設けられ、イ
オンビームを走査するスキャナ部と、ビームラインに設
けられ、ビームラインの真空度を測定する真空度計測器
と、真空度計測器に接続され、真空度計測器により測定
した真空度からビームライン中の残留ガスとの荷電変換
により電荷が減少したイオンの量を算出する演算部と、
演算部に接続され、演算部により算出された電荷が減少
したイオンの量に応じて、スキャナ部を制御する制御部
とを有するイオン注入装置を構成すれば、多価イオン注
入における注入量の面内分布の精度向上を図ることがで
きる。
【0041】また、上記のイオン注入装置の構成は、ス
キャナ部により走査されたイオンビームを平行化する平
行化手段を有するイオン注入装置にも適用することがで
きる。
【0042】
【実施例】本発明の第1の実施例によるイオンビームの
補正方法及びイオン注入方法を図1乃至図9を用いて説
明する。図1はイオン注入装置の構造を説明する図、図
2及び図6は中性化が生じたときの真空度とイオンビー
ム電流の関係をシミュレーションにより求めた結果を示
すグラフ、図3、図4、図7は(3)式のモデルにより
イオンビーム電流を補正した際の真空度とイオンビーム
電流の関係をシミュレーションにより求めた結果を示す
グラフ、図5、図8、図9は本実施例によるイオンビー
ムの補正方法によりイオンビーム電流を補正した際の真
空度とイオンビーム電流の関係をシミュレーションによ
り求めた結果を示すグラフである。
【0043】始めに、本実施例によるイオンビームの補
正方法の原理を説明する。衝突後のイオンビームの強さ
Iは(2)式で表されるが、気体発生源であるウェーハ
から真空ポンプ排気口までの経路の排気コンダクタンス
が十分に小さく、ビーム走行域内で圧力勾配が発生する
ときは真空度が場所に依存するため、(2)式は次のよ
うに書き直すことができる。
【0044】 dI=−3.536×1016×σIP(x)dx …(2′) また、(6)式より、式(2′)は、 dI=k′σIP(x)dP と書き直すことができる。ここで、k′は温度、気体の
種類、真空容器の形状にのみ依存する係数である。この
微分方程式を解くと I=I0exp(kP1 2) …(7) が導びかれる。ここで、P1はビーム走行経路上の真空
度である。
【0045】(7)式は、ビーム走行経路の真空が分子
流条件にある場合、即ちイオンビームが走行している領
域において圧力勾配が大きい場合に有効である。実質的
にはkの値は、従来の方法と同じように実際にウェーハ
に注入することで注入量ずれを調べたり、イオンビーム
電流を様々な真空度のもとで測定することで求めること
ができる。
【0046】次に、本実施例によるイオンビームの補正
方法を説明する。注入すべき材料をイオン化するイオン
ソース10には、種々のイオンを磁場によりその質量に
応じて分離する質量分析器12が接続されている。質量
分析器の他端には、ビームライン14を介して、イオン
を注入すべきウェーハ16が装填されているエンドステ
ーション18が接続されている。エンドステーション1
8には、ウェーハ16を保持するディスク20が設けら
れている。なお、装置は真空容器22により構成され、
クライオポンプ等の真空ポンプ24により内部が減圧さ
れている。(図1(a))。
【0047】イオンソース10により発生されたイオン
は質量分析器12に導入される。質量分析器12に導入
されたイオンは磁場によりクーロン力を受け、その質量
に応じて偏向される。例えば図1(a)では、注入すべ
きイオンがビームライン14に導入されるようにその磁
場を調整する。ビームライン14を通過したイオンはエ
ンドステーション18に入射する。このとき、エンドス
テーション18に入射されたイオンがウェーハ16に均
一に注入されるように、ディスク20は軸部26を中心
として高速回転すると同時にディスク径方向にディスク
20を機械的に走査する(図1(b))。なお、このよ
うにしてターゲットを構成することにより、高電流によ
るイオン注入においてもウェーハ温度の上昇を抑えるこ
とも可能となる。
【0048】図1に示すイオン注入装置において、入射
イオン電流I0を10[mA]とした場合の、真空度と
中性化が起きたイオンビーム電流との関係を(7)式の
モデルをもとにシミュレーションした結果を図2に示
す。図示するように、点線で示す真空度は時間の経過と
ともに振動するが、これはイオンビームがディスク20
に入射する位置によりウェーハ16からの脱ガス量が異
なるからである。即ち、イオンビームがウェーハ16の
中心付近に位置している場合には脱ガス量が多いために
真空度が悪化し、イオンビームがウェーハ16の周辺付
近に位置している場合には脱ガス量が少ないので真空度
が良くなるからである。
【0049】なお、イオンビームがウェーハ16の周辺
に位置する場合であっても、ディスク20の中心側であ
るか外側であるかによって脱ガス量が異なる。このた
め、真空度のグラフにおいて、イオンビームがディスク
20の外側に位置した際に最も真空度が低い谷となり、
イオンビームがディスク20の内側に位置した際には外
側に位置した場合より若干真空度の悪い谷となる。
【0050】また、イオンビーム電流は、真空度の関数
として(7)式に従って中性化することとし、図示する
ような変化が得られるように荷電変換パラメータを決定
した。図2に示す条件でイオンビーム電流の中性化が発
生した場合に、(3)式のモデルによりイオンビーム電
流値の補正を行った結果が図3及び図4である。図3は
平均イオンビーム電流が入射イオン電流値に一致するよ
うにkの値を決定した場合のグラフ、図4はイオンビー
ム電流と入射イオン電流の差の標準偏差を最小にするよ
うにkの値を決定した場合のグラフである。図中の曲線
は、点線が真空度、太い実線がイオンビーム電流Im
十字線が補正されたイオンビーム電流I、細い実線は補
正されたイオンビーム電流と入射電流との差である。
【0051】いずれの場合にも、イオンビーム電流Iを
0に一致することはできない。特に、平均イオン電流
の差と標準偏差値を、プロセス的な要求値、具体的には
例えば0.5%以下に抑えることは困難である。これに
対し、(7)式に示したイオンビームの補正方法を用い
た場合には、図5に示すように、補正されたイオンビー
ム電流Iは一定となり、イオンビーム電流値のずれ及び
標準偏差をゼロにすることができる。
【0052】しかしながら、一般に真空容器22には真
空漏れや複雑な形状の付属品が設けられているため、完
全な分子流条件で真空度を記述することができない場合
がある。従って、真空度を表すには次式を用いることが
望ましい。 P=aP(x)+(1−a)P0 …(8) ここで、P0は場所に依存しない真空成分を表し、aは
係数である。従って、(7)式は、次式 I=I0exp(k21 2+k11) …(7′) に書き換えることができる。また、実質的に(7′)式
は、次式 I=I0exp(k11 k2) …(7″) で表現することができる。ここで、P1はビーム走行経
路上の真空度である。
【0053】なお、(7′)式を(7″)式に書き換え
る際には数学的に変形する必要があるので、(7′)式
におけるk1、k2と、(7″)式におけるk1、k2とが
必ずしも一致するとは限らない。しかしながら、これら
係数は、一方(k1)が場所に依存しない真空成分に依
存し、他方(k2)が場所に依存する真空成分に依存す
る点において実質的に等価なものである。
【0054】このように、イオンビーム電流の補正式
は、場所に依存しない真空成分に依存する係数k1と、
場所に依存する真空成分に依存する係数k2の2つの係
数により表現することができる。図3は、図1に示すイ
オン注入装置において、入射イオン電流I0を10[m
A]とした場合の、真空度と中性化が起きたイオンビー
ム電流との関係を(8)式のモデルをもとにシミュレー
トした結果である。
【0055】図6に示す条件でイオンビーム電流の中性
化が発生した場合に、(3)式のモデルによりイオンビ
ーム電流値の補正を行った結果が7である。図7は平均
イオンビーム電流が入射イオン電流値に一致するように
kの値を決定した場合のグラフである。図中の曲線は、
点線が真空度、太い実線がイオンビーム電流Im、十字
線が補正されたイオンビーム電流I、細い実線は補正さ
れたイオンビーム電流と入射電流との差である。
【0056】図示するように、従来の補正方法によりイ
オンビーム電流を補正すると、補正後のイオンビーム電
流値は時間に対して大きく変動し、ウェーハ上の均一性
異常が生じることが判る。これに対し、(7′)式に示
したイオンビームの補正方法を用いた場合(図8)、
(7″)式に示したイオンビームの補正方法を用いた場
合(図9)には、補正されたイオンビーム電流Iはほぼ
一定となり、イオンビーム電流値のずれ及び標準偏差を
ほぼゼロにできることが判る。
【0057】このように、本実施例によれば、イオンビ
ーム電流の補正式にイオンビーム電流の補正式に、場所
に依存しない真空成分に依存する係数と、場所に依存す
る真空成分に依存する係数の2つの係数を用いたので、
真空度が悪化した場合、特に圧力勾配がある経路に沿っ
てイオンビームが走行する場合に、注入量の誤差やウェ
ーハ面内分布の異常を抑えることができる。
【0058】なお、係数k1及びk2の値は、従来の方法
と同様に、ウェーハに注入されたイオン量をシート抵抗
などから測定することにより、イオンビーム電流から測
定した注入量とのずれを調べたり、真空度を変化させな
がらイオンビーム電流を測定することにより算出するこ
とができる。また、イオンビーム電流の変化をバッチ処
理ごとに計測することでより精度の高い補正が可能とな
る。特に、真空ポンプ24にクライオポンプを使用した
場合、クライオポンプの排気能力はその蓄積気体量によ
り変化するため、排気コンダクタンスは注入バッチ量ご
とに異なる。
【0059】高電流型のイオン注入法では、イオンビー
ムを複数回走査することでウェーハ上全体にイオンが照
射される。最初の1回または数回の走査の間に、補正無
しでイオンビームを照射し、真空度とイオンビーム電流
の関係を取得しておき、その結果により補正係数を求
め、その後の注入は補正して注入を行えば、バッチ処理
ごとに精度良くイオン注入することが可能である。
【0060】また、その補正した結果を基にして、補正
条件を決定するための最初の照射で発生する注入量のず
れを算出したうえで、それを補う注入量を追加注入すれ
ば更に精度を向上することが可能である。また、真空成
分に複数のパラメータを考慮して(7′)式を、次式
【0061】
【数1】 のように記述し、より一般的にしても良い。但し、jを
より大きくすると精度は向上するが、求める係数ki
数がj個に増加するため、実際に補正係数が求められる
範囲内において使用することが望ましい。また、上述し
たスタックの提案した方法を一般化すると、次式
【0062】
【数2】 が容易に求められる。(9)式と同様に、jやmをより
大きくすると精度は向上するが、求めるkil、j×m個
だけ増加するため、この場合も実際に補正係数が求めら
れる範囲内において使用することが望ましい。次に、本
発明の第2の実施例によるイオン注入方法及び装置につ
いて図10乃至図13を用いて説明する。
【0063】図10は本実施例によるイオン注入装置の
構造を示す概略図、図11は本実施例によるイオン注入
方法における注入領域拡大の概念図、図12は本実施例
によるイオン注入方法を用いた効果をシミュレートした
結果を示すグラフ、図13は本実施例の変形例によるイ
オン注入装置の構造を示す図である。始めに、本実施例
によるイオン注入装置について、図10を用いて説明す
る。
【0064】注入すべき材料をイオン化するイオンソー
ス10には、種々のイオンを磁場によりその質量に応じ
て分離する質量分析器12が接続されている。質量分析
器の他端には、質量のほぼ等しいイオンのみをビームラ
イン14に導入する質量分析スリット28が設けられて
いる。ビームラインには、イオンビームを静電的に偏向
してターゲットに均一に照射するスキャナ部30が設け
られている。
【0065】本実施例によるイオン注入装置では、通常
のイオン注入装置における上記の構成の他に、ビームラ
イン14の各部の真空度を測定する真空度計測器32に
接続され、各部の真空度からECの量を推測する演算部
34と、演算部34に接続され、スキャン領域を変更す
るスキャン制御部36とが設けられている。次に、本実
施例によるイオン注入装置の動作を説明する。
【0066】イオンソース10により発生されたイオン
は質量分析器12に導入される。質量分析器12に導入
されたイオンは磁場によりクーロン力を受け、その質量
に応じて偏向される。偏向されたイオンは質量分析スリ
ット28に導入され、質量のほぼ等しいイオンのみが質
量分析スリット28を通過する。このようにして所望の
イオンのみを分離する。質量分析スリット28を通過し
たイオンは、スキャナ部30によりラスタスキャンさ
れ、所定のスキャン領域に均一に照射される。
【0067】一方、演算部34では、真空度計測器32
により測定された真空度からECの量を推測し、その量
が注入の均一性に影響するかを判断した上で、スキャン
領域を変更すべきかをスキャン制御部36に出力する。
スキャン制御部36では、演算部34の出力結果をもと
に、注入が均一になるようにスキャン領域を設定する。
【0068】次に、真空度からECの量を推測する方法
を説明する。ECの大部分は、イオンビームが残留ガス
と荷電変換することにより発生するので、例えば強度I
の2価のイオンビームが微小区間dxを通過する際に残
留ガスと荷電変換するECの強度dIは、1価のECに
ついては、 dI=−σIndx …(11) と表される。ここで、σは荷電変換断面積[cm2]、
nは単位体積中の残留ガスの分子数[/cm3]であ
る。nは、0℃、1Torrにおける1cm3中の分子
数(3.536×1016cm-3)を用いて次式のように
真空度P[Torr]に変換することができる。
【0069】 n=3.536×1016×P …(12) 従って(1)式は、 dI=−3.536×1016×σIPdx …(13) と書き換えられる。イオンビームが残留ガス以外のもの
と荷電変換する可能性もあるので、(13)式に真空度
に依存しない成分−bIdsを加えて微分方程式を解く
と、 I=I0exp(−aPL−bL) …(14) が得られる。なお、aは−3.536×1016×σを表
し、bは定数である。
【0070】従って、2価のイオンビームI0が長さL
[cm]のビームライン14を通過する際に発生するE
Cの強度は次式で表され、 I0−I0exp(−aPL−bL) …(15) ターゲット到達時点での2価イオンに対する1価イオン
のパーティクル数の比を(15)式より次のように定義
する。
【0071】 EC≡[I0−I0exp(−aPL−bL)] /I0exp(−aPL−bL) =exp(aPL+bL)−1 …(16) 一般的にビームライン14の真空度は場所によって異な
るので、真空度はビームライン14をコンダクタンスの
小さい地点を境としていくつかのブロックに分けて考
え、それぞれのブロックの真空度を測定して上記の式に
代入するのが望ましい。ビームライン14をスキャナ部
30の上流と下流とに分けて考え、スキャナ部30の上
流の真空度をP1、ビームライン長をL1、下流の真空度
をP2、ビームライン長をL2とすると、(16)式は EC≡exp[a(P11+P22)+b(L1+L2)]−1 …(17) と書き直すことができる。L1、L2、a、bが既知であ
れば、イオン注入中に上記の2ヶ所のビームライン真空
度を測定し、(17)式に代入することによりECを推
測することができる。
【0072】このECがある規定値、例えば3%を越え
るとスキャナ制御部30にスキャン領域を変えるように
演算部34が指令をする。スキャナ部24は指令を受け
ると、2価のイオンビーム及びECビームが被注入物全
面に注入されるようにスキャン領域を変える。例えば、
図11(a)に示すようにECのスキャン領域が2価イ
オンより狭いためにECがウェーハの一部にしか注入さ
れていない場合は、ECをターゲット全体に注入するよ
うにスキャン領域を拡大すればよい(図11(b))。
これにより、ECビームが被注入物の一部だけに注入さ
れるために発生する注入量の面内分布の均一性を改善す
ることができる。
【0073】次に、2価のPイオン(P++)注入を例に
とり、スキャン面積の拡大方法及び注入時間の補正方法
について説明する。電流値I0[A]のP++イオンを設
定注入量D0[atoms/cm2]注入するに必要な時
間T0[sec]は、一般式 I0×T0=q×S++×D0 …(18) より、 T0=(S++×D0)/(I0/q) …(19) と表される。ここで、S++はP++イオンの注入面積、q
はイオンの電荷量である。I0/qはイオンビーム電流
のパーティクル数換算値であり、注入時間は注入面積と
注入量との積をイオンビーム電流のパーティクル数換算
値で割ることにより求められる。
【0074】注入開始時には1価の燐イオン(P+)に
よるECは存在していなかったが、時刻T1以後にP+
発生した場合を想定する。そのまま注入を続けた場合、
時刻T1以後のP++の電流値をI++、P+の電流値を
+、P+の注入面積をS+とすると、時刻T1以後のP++
による注入量(D++)及びP+による注入量(D+)はそ
れぞれ次式のようになる。eは素電荷量である。
【0075】 D++=[(T0−T1)/S++]×(I++/2e) …(20) D+ =[(T0−T1)/S+]×(I+/e) …(21) 図12に示すように、P+はターゲットの一部にしか注
入されないので、P+が注入される領域とされない領域
で(21)式で示される量だけ注入量に差が生じる。そ
こで、P+がターゲット全面に入射されるように注入面
積をS+からS+ 1に拡大すると、P++の注入面積もS++
からS++ 1に拡大される。時刻T1までに注入された注入
量をD1とすると、残された注入量D0−D1を注入する
のに必要な時間T2は、式(8)より、 T2=(D0−D1)/[(I++/2e)×(1/S++ 1) +(I+/e)×(1/S+ 1)] …(22) と求められる。
【0076】また、イオン注入装置は、イオンビーム電
流の変動に対して、注入時間を補正し正確な注入量を保
てるよう、注入中のイオンビーム電流値を測定する機構
を備えている。測定したイオンビーム電流値をImとす
ると、 Im=I+++I+ であり、I++とI+のパーティクル数換算値の比EC
は、 EC≡(I+/e)/(I++/2e) と(7)式より推測できるので、I++とI+はそれぞれ
ECとImを用いて次のように書き表される。
【0077】 I++=Im/(1+EC/2)、 I+=(Im×EC/2)/(1+EC/2) …(23) (23)式を(22)式に代入すると、 T2=(D0−D1)/{[Im/2e×(1+EC/2)×S++ 1] +[(Im×EC/2)/e×(1+EC/2)×S+ 1]} …(24) となり、(24)式を用いて注入時間を調整することに
より、注入面積を拡大した影響及びECを含むイオンビ
ーム電流をパーティクル数換算したときの誤差を補正
し、適正な注入量を保つことが可能になる。
【0078】次に、上記の原理に基づき、本発明の効果
をシミュレートした結果を示す。イオンビーム電流が2
00[μA]のP++を用いて面積400[cm+2]の領
域に注入量1×1014[cm-2]を注入しようとした際
に、時刻T1において注入量5×1013[cm-2]を残
して3%のECが発生した場合を考える。時刻T1の前
後で、P+の注入面積を200cm2から400cm2
変化させ、P++の注入面積を400cm2から800c
2に変化させたとする。
【0079】時刻T1以後のイオンビーム電流値Imを1
97[μA]とすると、(24)式より、残された注入
時間は62.22[sec]となる。I++とI+はEC
の定義よりそれぞれ194.09[μA]、2.91
[μA]となり、(20)、(21)式に代入すると、
++、D+はそれぞれ、 D++=4.711×1013cm-2+ =0.283×1013cm-2 となる。
【0080】従って、図12に●のプロットで示すよう
に、D++及びD+は、ともにターゲット面内均一に注入
されるので、時刻T1からT2までの総注入量は4.99
4×1013cm-2となり、総量約1×1014cm-2の注
入を面内均一に行える。一方、本実施例を適用しない場
合は、残された注入時間は、次式 T2=[S++×(D0−D1)]/(Im/2e) より、32.49[sec]となる。従って、I++とI
+をそれぞれ194.09[μA]、2.91[μA]
とし、(20)、(21)式に代入すると、D++、D+
はそれぞれ、 D++=4.920×1013cm-2+ =0.295×1013cm-2 となる。
【0081】この場合、D+の注入面積は200cm2
減少しているので、ターゲットのエッジ部にはD+は注
入されないことになる。このため、ターゲットの中央付
近にはD+++D+の注入量で、ターゲットのエッジ付近
ではD++の注入量で注入されていることになる。従っ
て、図12に○のプロットで示すように、ターゲット中
央付近の総注入量は1.022×1014cm-2であるの
に対し、ターゲットのエッジ付近の総注入量は0.99
2×1014cm-2であり、面内均一性に乏しくなること
が判る。
【0082】このように、本実施例によれば、イオン注
入中に測定したビームライン真空度よりECの量を推測
することにより、イオン注入中のECの量の変化を検出
するので、そのECの量が規定値を越えたときはイオン
ビームのスキャン領域を変更することができる。これに
より、注入量の面内分布の均一性を許容値内に収めるこ
とができ、多価イオン注入における注入量の面内分布の
精度向上を図ることができる。
【0083】なお、上記実施例によるイオン注入装置
に、静電スキャンされたイオンビームを平行化する平行
化手段、例えば図13に示すようなアングルコレクター
38を設け、スキャナ部30によりスキャンしたイオン
ビームを平行化した場合にも上記の効果を得ることがで
きる。
【0084】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、イオンビ
ーム電流の補正式にイオンビーム電流の補正式に、場所
に依存しない真空成分に依存する係数と、場所に依存す
る真空成分に依存する係数の2つの係数を用いたので、
真空度が悪化した場合、特に圧力勾配がある経路に沿っ
てイオンビームが走行する場合に、注入量の誤差やウェ
ーハ面内分布の異常を抑えることができる。
【0085】また、補正前のイオンビーム電流をI0
補正後のイオンビーム電流をI、真空度をP1、経路上
の場所に依存しない真空度の真空成分に係る補正係数を
1、経路上の場所に依存する真空度の真空成分に係る
補正係数をk2としたときに、I=I0exp(k21 2
+k11)に基づいてイオンビーム電流を補正すれば、
精度良くイオンビーム電流を補正することができる。
【0086】また、補正前のイオンビーム電流をI0
補正後のイオンビーム電流をI、真空度をP1、経路上
の場所に依存しない真空度の真空成分に係る補正係数を
1、経路上の場所に依存する真空度の真空成分に係る
補正係数をk2としたときに、I=I0exp(k
11 k2)に基づいてイオンビーム電流を補正すれば、精
度良くイオンビーム電流を補正することができる。
【0087】また、補正前のイオンビーム電流をI0
補正後のイオンビーム電流をI、イオンビームの走行す
る経路上又はその近傍の真空度をP1、真空度の真空成
分に係る補正係数をkとしたときに、I=I0exp
(kP1 2)に基づいてイオンビーム電流を補正すれば、
精度良くイオンビーム電流を補正することができる。ま
た、上記のイオンビーム電流の補正方法は、イオンビー
ムの走行する空間が分子流条件を満たしているときに適
用することができる。
【0088】また、最初の一回又は数回の走査におい
て、イオンビーム電流の補正を行わずにイオンビームを
照射し、イオンビームの走行する経路上又はその近傍の
真空度とイオンビーム電流との関係を計測する第1のイ
オン注入過程と、計測した真空度とイオンビーム電流と
の関係からイオンビーム電流の補正係数を算出し、補正
係数により補正されたイオンビーム電流に基づいてイオ
ンの注入量を制御する第2のイオン注入過程とによりイ
オン注入を行うので、バッチ処理ごとに精度良くイオン
ビーム電流を補正することができる。
【0089】また、算出した補正係数に基づいて第1の
イオン注入過程において発生する注入量のずれを算出
し、第2のイオン注入過程では、ずれ量を補うようにし
てイオンの注入量を設定すれば、補正係数を算出する際
に生ずる注入量のずれを防止したうえで、バッチ処理ご
とに精度良くイオンビーム電流を補正することができ
る。
【0090】また、上記のイオン注入方法には、上述の
イオンビーム電流の補正方法を適用することができる。
また、イオンビームが走行する経路上又はその近傍の真
空度を測定することにより経路上の残留ガスとの荷電変
換により電荷が減少したイオンの量を算出し、電荷が減
少したイオンの量に基づいて、電荷が減少したイオンが
均一にターゲット上に照射するようにイオンビームの走
査範囲を変更するので、注入量の面内分布の均一性を許
容値内に収めることができ、多価イオン注入における注
入量の面内分布の精度向上を図ることができる。
【0091】また、イオンビームの走査範囲を変更する
ことによるイオンビーム電流の変化を注入時間を変化す
ることにより補正すれば、多価イオン注入における注入
量の面内分布の精度向上を図ることができる。また、電
荷が減少したイオンが注入されるために生じる注入量の
変化分を、電荷が減少したイオンの量に基づいて、注入
時間を変更することにより補正すれば、多価イオン注入
における注入量の面内分布の精度向上を図ることができ
る。
【0092】また、イオンビームの経路上又はその近傍
の真空度を、異なる2点以上で測定すれば、更に精度良
く面内分布を向上することができる。また、上記のイオ
ン注入方法は、2価以上の価数をもつイオンによりイオ
ン注入に適用することができる。また、イオンビームが
走行するビームラインと、ビームラインに設けられ、イ
オンビームを走査するスキャナ部と、ビームラインに設
けられ、ビームラインの真空度を測定する真空度計測器
と、真空度計測器に接続され、真空度計測器により測定
した真空度からビームライン中の残留ガスとの荷電変換
により電荷が減少したイオンの量を算出する演算部と、
演算部に接続され、演算部により算出された電荷が減少
したイオンの量に応じて、スキャナ部を制御する制御部
とを有するイオン注入装置を構成すれば、多価イオン注
入における注入量の面内分布の精度向上を図ることがで
きる。
【0093】また、上記のイオン注入装置の構成は、ス
キャナ部により走査されたイオンビームを平行化する平
行化手段を有するイオン注入装置にも適用することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】イオン注入装置の構造を説明する図である。
【図2】中性化が生じたときの真空度とイオンビーム電
流の関係をシミュレーションにより求めた結果を示すグ
ラフ(その1)である。
【図3】補正式I=I0exp(−kP)に基づくモデ
ルによりイオンビーム電流を補正した際の真空度とイオ
ンビーム電流の関係をシミュレーションにより求めた結
果を示すグラフ(その1)である。
【図4】補正式I=I0exp(−kP)に基づくモデ
ルによりイオンビーム電流を補正した際の真空度とイオ
ンビーム電流の関係をシミュレーションにより求めた結
果を示すグラフ(その2)である。
【図5】本発明の第1の実施例によるイオンビームの補
正方法によりイオンビーム電流を補正した際の真空度と
イオンビーム電流の関係をシミュレーションにより求め
た結果を示すグラフ(その1)である。
【図6】中性化が生じたときの真空度とイオンビーム電
流の関係をシミュレーションにより求めた結果を示すグ
ラフ(その2)である。
【図7】補正式I=I0exp(−kP)に基づくモデ
ルによりイオンビーム電流を補正した際の真空度とイオ
ンビーム電流の関係をシミュレーションにより求めた結
果を示すグラフ(その3)である。
【図8】本発明の第1の実施例によるイオンビームの補
正方法によりイオンビーム電流を補正した際の真空度と
イオンビーム電流の関係をシミュレーションにより求め
た結果を示すグラフ(その2)である。
【図9】本発明の第1の実施例によるイオンビームの補
正方法によりイオンビーム電流を補正した際の真空度と
イオンビーム電流の関係をシミュレーションにより求め
た結果を示すグラフ(その3)である。
【図10】本発明の第2の実施例によるイオン注入装置
の構造を示す概略図である。
【図11】本発明の第2の実施例によるイオン注入方法
において注入領域を拡大する際の概念図である。
【図12】本発明の第2の実施例によるイオン注入方法
を用いた効果のシミュレーション結果を示すグラフであ
る。
【図13】本発明の第2の実施例の変形例によるイオン
注入装置の構造を示す図である。
【符号の説明】
10…イオンソース 12…質量分析器 14…ビームライン 16…ウェーハ 18…エンドステーション 20…ディスク 22…真空容器 24…真空ポンプ 26…軸部 28…質量分析スリット 30…スキャナ部 32…真空度計測器 34…演算部 36…スキャン制御部 38…アングルコレクター

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン注入装置において、真空度により
    イオンビーム電流を補正するイオンビーム電流の補正方
    法であって、 イオンビームの走行する経路上又はその近傍の真空度に
    対し、前記経路上の場所に依存する前記真空度の真空成
    分に係る補正係数と、前記経路上の場所に依存しない前
    記真空度の真空成分に係る補正係数とを用いて前記イオ
    ンビーム電流を補正することを特徴とするイオンビーム
    電流の補正方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のイオンビーム電流の補正
    方法において、 補正前の前記イオンビーム電流をI0、補正後の前記イ
    オンビーム電流をI、前記真空度をP1、前記経路上の
    場所に依存しない前記真空度の真空成分に係る前記補正
    係数をk1、前記経路上の場所に依存する前記真空度の
    真空成分に係る前記補正係数をk2としたときに、 I=I0exp(k21 2+k11) に基づいて前記イオンビーム電流を補正することを特徴
    とするイオンビーム電流の補正方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のイオンビーム電流の補正
    方法において、 補正前の前記イオンビーム電流をI0、補正後の前記イ
    オンビーム電流をI、前記真空度をP1、前記経路上の
    場所に依存しない前記真空度の真空成分に係る前記補正
    係数をk1、前記経路上の場所に依存する前記真空度の
    真空成分に係る前記補正係数をk2としたときに、 I=I0exp(k11 k2) に基づいて前記イオンビーム電流を補正することを特徴
    とするイオンビーム電流の補正方法。
  4. 【請求項4】 イオン注入装置において、真空度により
    イオンビーム電流を補正するイオンビーム電流の補正方
    法であって、 補正前の前記イオンビーム電流をI0、補正後の前記イ
    オンビーム電流をI、イオンビームの走行する経路上又
    はその近傍の真空度をP1、前記真空度の真空成分に係
    る補正係数をkとしたときに、 I=I0exp(kP1 2) に基づいて前記イオンビーム電流を補正することを特徴
    とするイオンビーム電流の補正方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載のイオ
    ンビーム電流の補正方法において、 前記イオンビームの走行する空間が分子流条件を満たし
    ているときに前記イオンビーム電流を補正することを特
    徴とするイオンビーム電流の補正方法。
  6. 【請求項6】 イオン注入すべきターゲットの表面を、
    イオンビームにより複数回走査することにより前記ター
    ゲットにイオン注入するイオン注入方法において、 最初の一回又は数回の走査において、イオンビーム電流
    の補正を行わずに前記イオンビームを照射し、前記イオ
    ンビームの走行する経路上又はその近傍の真空度と前記
    イオンビーム電流との関係を計測する第1のイオン注入
    過程と、 計測した前記真空度と前記イオンビーム電流との関係か
    ら前記イオンビーム電流の補正係数を算出し、前記補正
    係数により補正された前記イオンビーム電流に基づいて
    イオンの注入量を制御する第2のイオン注入過程と を有することを特徴とするイオン注入方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のイオン注入方法におい
    て、 算出した前記補正係数に基づいて、前記第1のイオン注
    入過程において発生する注入量のずれを算出し、 前記第2のイオン注入過程では、前記ずれ量を補うよう
    にしてイオンの注入量を設定することを特徴とするイオ
    ン注入方法。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7記載のイオン注入方法に
    おいて、 前記第2のイオン注入過程において前記イオンビーム電
    流を補正する際に、請求項1乃至5のいずれかに記載の
    イオンビーム電流の補正方法を用いることを特徴とする
    イオン注入方法。
  9. 【請求項9】 イオン注入すべきターゲットに入射する
    イオンビームを静電的に走査することにより、前記ター
    ゲットの表面にイオンを照射するイオン注入方法におい
    て、 前記イオンビームが走行する経路上又はその近傍の真空
    度を測定することにより、前記経路上の残留ガスとの荷
    電変換により電荷が減少した前記イオンの量を算出し、 電荷が減少した前記イオンの量に基づいて、電荷が減少
    した前記イオンが均一に前記ターゲット上に照射するよ
    うに、前記イオンビームの走査範囲を変更することを特
    徴とするイオン注入方法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載のイオン注入方法におい
    て、 前記走査範囲を変更することによるイオンビーム電流の
    変化を、注入時間を変化することにより補正することを
    特徴とするイオン注入方法。
  11. 【請求項11】 請求項9記載のイオン注入方法におい
    て、 電荷が減少した前記イオンの量に基づいて、電荷が減少
    した前記イオンが注入されるために生じる注入量の変化
    分を、注入時間を変更することにより補正することを特
    徴とするイオン注入方法。
  12. 【請求項12】 請求項9乃至11のいずれかに記載の
    イオン注入方法において、 前記イオンビームが走行する経路上又はその近傍の真空
    度を、異なる2点以上で測定することを特徴とするイオ
    ン注入方法。
  13. 【請求項13】 請求項9乃至12のいずれかに記載の
    イオン注入方法において、 2価以上の価数をもつ前記イオンによりイオン注入を行
    うことを特徴とするイオン注入方法。
  14. 【請求項14】 イオンビームが走行するビームライン
    と、 前記ビームラインに設けられ、前記イオンビームを走査
    するスキャナ部と、 前記ビームラインに設けられ、前記ビームラインの真空
    度を測定する真空度計測器と、 前記真空度計測器に接続され、前記真空度計測器により
    測定した真空度から前記ビームライン中の残留ガスとの
    荷電変換により電荷が減少した前記イオンの量を算出す
    る演算部と、 前記演算部に接続され、前記演算部により算出された電
    荷が減少した前記イオンの量に応じて、前記スキャナ部
    を制御する制御部とを有することを特徴とするイオン注
    入装置。
  15. 【請求項15】 請求項14記載のイオン注入装置にお
    いて、 前記スキャナ部により走査された前記イオンビームを平
    行化する平行化手段を更に有することを特徴とするイオ
    ン注入装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004510296A (ja) * 2000-09-20 2004-04-02 アクセリス テクノロジーズ インコーポレーテッド イオン注入機における圧力補償ファクタを決定するための方法及びシステム
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KR20130041737A (ko) * 2011-10-17 2013-04-25 가부시키가이샤 에스이엔 이온주입장치 및 이온주입방법

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