JP2006205353A - 微小電気機械デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】デバイス全体の小型化が可能で且つ製造時に微小電気機械の構成要素が損傷しにくい微小電気機械デバイスを提供する。
【解決手段】支持基板2と、微小電気機械たるジャイロセンサ1の複数の構成要素(4つの固定子20、2つの接地片、1つの電極片、駆動質量体11と2つの駆動ばねと検出質量体12と2つの検出ばねと連結片16と固定片17とが一体に形成された1つの構造体)と、当該複数の構成要素が内側に配置される矩形枠状のフレーム10と、フレーム10を挟んで支持基板2に対向配置されフレーム10に接合された封止基板3とを備える。封止基板3には、ジャイロセンサ1の構成要素に電気的に接続される複数の配線が形成されている。配線は、コンタクト用電極38と金属配線39との組み合わせ、あるいはコンタクト電極38と貫通配線37と外部接続用電極36との組み合わせにより構成される。
【選択図】図1
【解決手段】支持基板2と、微小電気機械たるジャイロセンサ1の複数の構成要素(4つの固定子20、2つの接地片、1つの電極片、駆動質量体11と2つの駆動ばねと検出質量体12と2つの検出ばねと連結片16と固定片17とが一体に形成された1つの構造体)と、当該複数の構成要素が内側に配置される矩形枠状のフレーム10と、フレーム10を挟んで支持基板2に対向配置されフレーム10に接合された封止基板3とを備える。封止基板3には、ジャイロセンサ1の構成要素に電気的に接続される複数の配線が形成されている。配線は、コンタクト用電極38と金属配線39との組み合わせ、あるいはコンタクト電極38と貫通配線37と外部接続用電極36との組み合わせにより構成される。
【選択図】図1
Description
本発明は、微小電気機械デバイスに関するものである。
従来から、マイクロマシンニング技術を利用して形成された微小電気機械デバイスの一例として、ジャイロセンサが知られている(例えば、特許文献1参照)。なお、この種の微小電気機械デバイスとしては、ジャイロセンサに限らず、加速度センサ、圧力センサ、マイクロアクチュエータ、マイクロバルブ、マイクロリレーなどの種々のデバイスが知られている。
上記特許文献1に開示されているジャイロセンサ(ジャイロスコープ)は、例えば、図7に示すように、支持基板55の一表面側において支持基板55からZ方向に離間して配置される矩形枠状の外側フレーム(第1質量体)54と、外側フレーム54の内側に配置される内側フレーム(第2質量体)52とを備え、外側フレーム54が支持基板55に固定された4つの支持部(アンカー)53それぞれにX方向に延長された撓み部56を介して連結され、内側フレーム52がY方向に延長された4本の撓み部62を介して外側フレーム54に連結されている。ここにおいて、内側フレーム52のうちY方向に沿った両辺部の互いの対向面には、Y方向に列設された複数本の感知用可動電極片67およびY方向に列設された多数本の駆動用可動電極片66が連続一体に形成されており、内側フレーム52の開口窓64内には、支持基板55に固定された支持部(アンカー)65に連続一体に形成されて感知用可動電極片67にそれぞれ対向する複数本の感知用固定電極片69がY方向に列設されるとともに、支持基板55に固定された支持部(アンカー)63に連続一体に形成されて駆動用可動電極片66にそれぞれ対向する多数本の駆動用固定電極片68がY方向に列設されている。したがって、図7に示した構成のジャイロセンサでは、内側フレーム52をX方向に振動させている状態において感知用可動電極片67と感知用固定電極片69との対向面積の変化に伴う静電容量の変化を検出して、内側フレーム52のX方向の振動をフィードバック制御することができるようになっている。
また、外側フレーム54の外周面には、Y方向に列設された複数本の検知用可動電極片70が連続一体に形成されており、外側フレーム54の外側には、支持基板55に固定された支持部(アンカー)73,75に連続一体に形成されて検知用可動電極片70にそれぞれ対向する多数本の検知用固定電極片72,74がY方向に列設されている。なお、使用時には、検知用固定電極片72と検知用固定電極片74とに互いに異なる直流電圧源を接続する。
上述の図7に示した構成のジャイロセンサでは、駆動用固定電極片68に駆動電圧を印加して内側フレーム52をX方向に振動させている状態においてY方向の軸周りの角速度が作用すると外側フレーム54にはコリオリ力が生じるから外側フレーム54および内側フレーム52がY方向に変位する。外側フレーム54のY方向の変位量は外側フレーム54の出力(検知用可動電極片70の出力)により計測できるから、内側フレーム52に与えたX方向の振動と外側フレーム54の出力とを用いてコリオリ力を算出することができ、コリオリ力が算出されると角速度に相当する値を求めることができる。上述のジャイロセンサと協働する集積回路のチップはジャイロセンサとは別のパッケージに実装される。
なお、上述のジャイロセンサは、支持基板55上に大部分が犠牲層となる酸化膜を成膜した後で酸化膜上に多結晶シリコン層を成膜し、当該多結晶シリコン層を表面マイクロマシンニング技術により加工することにより、各構成要素が形成されている。
特表2001−515201号公報(段落〔0015〕〜〔0022〕,〔0043〕〜〔0045〕、および図2,図8)
上記特許文献1に開示された微小電気機械デバイスでは、支持基板55の一表面側においてジャイロセンサの複数の構成要素が分離独立して形成されて互いに電気的に絶縁されているので、製造時の組立工程において、各構成要素それぞれを他の構成要素や外部電極と電気的に接続するためにボンディングワイヤの一端部を例えば超音波熱圧着方式や超音波方式により各構成要素それぞれのパッド(図示せず)と接合するワイヤボンディング工程を行う必要があり、支持基板55から離間した構成要素にボンディングワイヤの一端を接続する際に当該構成要素が損傷しやすかった。また、上記特許文献1に開示された微小電気機械デバイスは、パッケージなどに実装した後で更に封止する必要があり、小型化が難しかった。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、デバイス全体の小型化が可能で且つ製造時に微小電気機械の構成要素が損傷しにくい微小電気機械デバイスを提供することにある。
請求項1の発明は、支持基板と、微小電気機械の複数の構成要素であって支持基板の一表面側においてそれぞれ分離独立して配置された複数の構成要素と、当該複数の構成要素が内側に配置され且つ支持基板の前記一表面に連結された枠状のフレームと、フレームを挟んで支持基板に対向配置されフレームの全周にわたってフレームに接合された封止基板とを備え、封止基板は、少なくとも、微小電気機械の構成要素に電気的に接続される複数の配線が形成されてなることを特徴とする。ここにおける微小電気機械は、集積回路の集積化されていない狭義のMEMS(Micro Electro Mechanical System)、NEMS(Nano Electro Mechanical System)を意味している。
この発明によれば、封止基板をフレームに接合することにより微小電気機械の構成要素が封止基板に形成されている配線と電気的に接続されるので、微小電気機械の構成要素にボンディングワイヤを接合する必要がなく、しかも、支持基板とフレームと封止基板とで囲まれる密閉空間内に微小電気機械の構成要素が収納されるので、別途のパッケージが不要となるから、デバイス全体の小型化が可能になるとともに、製造時に微小電気機械の構成要素が損傷しにくくなる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、封止基板と支持基板とフレームとで囲まれた空間が真空に保たれてなることを特徴とする。
この発明によれば、封止基板と支持基板とフレームとで囲まれた空間が空気雰囲気である場合に比べて、微小電気機械の複数の構成要素のうち可動部となる構成要素が動きやすくなる。したがって、微小電気機械がジャイロセンサや加速度センサなどのセンサであれば、センサの感度を高めることができる。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、封止基板は、半導体基板からなり、微小電気機械と協働する集積回路が支持基板と対向する表面側に形成され、複数の配線のうちの一部が集積回路と電気的に接続されてなることを特徴とする。
この発明によれば、微小電気機械と協働する集積回路を含めた微小電気機械デバイス全体の小型化を図ることができとともに、微小電気機械と集積回路との間の配線長を短くすることができる。
請求項1の発明では、デバイス全体の小型化が可能になるとともに、製造時に微小電気機械の構成要素が損傷しにくくなるという効果がある。
本実施形態の微小電気機械デバイスについて図1〜図6を参照しながら説明する。
本実施形態では、図1〜図3に示すように、微小電気機械であるジャイロセンサ1と、ジャイロセンサ1と協働する集積回路4とが集積化された微小電気機械デバイスを例示する。ここにおいて、集積回路4には、ジャイロセンサ1の動作を制御する制御回路、ジャイロセンサ1の出力信号に適宜の信号処理を行う信号処理回路などが形成されている。
本実施形態の微小電気機械デバイスは、ガラス基板からなる支持基板2の一表面側に、シリコン基板からなる半導体基板(以下、第1の半導体基板と称す)をバルクマイクロマシンニング加工することにより形成されたジャイロセンサ1の大部分の構成要素が配置されている。
ジャイロセンサ1は、矩形板状の支持基板2の一表面側に、平面視において外周形状が矩形状である駆動質量体11および検出質量体12が支持基板2の一表面に沿って並設されるとともに、駆動質量体11および検出質量体12の周囲を囲む枠状(本実施形態では、矩形枠状)のフレーム10が形成されている。なお、図1、図4の各図中に示した直交座標系のように、駆動質量体11と検出質量体12とが並ぶ方向をY方向、支持基板2の一表面(図1における上面)に沿う面内でY方向に直交する方向をX方向、X方向とY方向とに直交する方向(つまり、支持基板2のの厚み方向)をZ方向として説明する。図2、図3、図5、図6の各図中にも同様の直交座標系を図示してある。
駆動質量体11と検出質量体12とは、X方向に延長された一対の駆動ばね13を介して連続一体に連結されている。すなわち、X方向において検出質量体12の全長よりもやや短いスリット溝14aと、駆動質量体11におけるX方向の各側縁にそれぞれ一端が開放されX方向の一直線上に並ぶ2本のスリット溝14bとが形成され、スリット溝14aと各スリット溝14bとの間にそれぞれ駆動ばね13が形成されている。各駆動ばね13の一端部はスリット溝14aの各一端と検出質量体12の側縁との間に連続し、各駆動ばね13の他端部は2本のスリット溝14bの間の部位において駆動質量体11にそれぞれ連続している。駆動ばね13はねじれ変形が可能なトーションばねであって、駆動質量体11は検出質量体12に対して駆動ばね13の回りで変位可能になっている。つまり、駆動質量体11は検出質量体12に対してZ方向の並進とX方向の軸回りの回転とが可能であると言える。また、駆動ばね13にトーションばねを用いているから、上記第1の半導体基板の厚み方向(支持基板2の厚み方向)における駆動ばね13の寸法を小さくする必要がなく、駆動ばね13を形成する際の加工が容易である。
検出質量体12におけるX方向の各側縁にはY方向に延長された検出ばね15の一端部がそれぞれ連続し、両検出ばね15の他端部同士はX方向に延長された連結片16を介して連続一体に連結されている。すなわち、一対の検出ばね15と連結片16とにより平面視コ字状の部材が形成される。ただし、連結片16は駆動ばね13および検出ばね15に比較して十分に剛性が高くなるように設計されている。連結片16の長手方向の中間部には固定片17が突設され、固定片17は支持基板2に接合され定位置に固定されている。駆動質量体11および検出質量体12と検出ばね15および連結片16との間はコ字状のスリット溝14cにより分離されており、スリット溝14bの一端はスリット溝14cに連続している。検出ばね15はX方向に曲げ変形が可能であって駆動質量体11および検出質量体12は固定片17に対してX方向に変位可能になっている。
ところで、検出質量体12は厚み方向に貫通する4個の切抜孔18を有し、各切抜孔18の内側にはそれぞれ固定子20が配置されている。固定子20は、検出質量体12のX方向の両端付近に配置される電極片21を有し、電極片21からは櫛骨片22がX方向に延長され、電極片21と櫛骨片22とでL字状の形状をなしている。電極片21と櫛骨片22とは支持基板2に接合され、固定子20は定位置に固定されている。切抜孔18の内周面は固定子20の外周面の形状に沿った形状であって、固定子20との間には間隙が形成されている。検出質量体12のX方向の両端部には2個ずつの電極片21が配置されている。図5に示すように、櫛骨片22の幅方向の両端面にはそれぞれ多数本の固定櫛歯片23がX方向に列設されている。一方、切抜孔18の内側面であって櫛骨片22との対向面には、図5に示すように、固定櫛歯片23にそれぞれ対向する多数本の可動櫛歯片24がX方向に列設されている。各固定櫛歯片23と各可動櫛歯片24とは互いに離間しており、検出質量体12がX方向に変位する際の固定櫛歯片23と可動櫛歯片24との距離変化に伴う静電容量の変化を検出できるようにしてある。すなわち、固定櫛歯片23と可動櫛歯片24とにより検出質量体12の変位を検出する検出手段が構成されている。
ジャイロセンサ1は、フレーム10、固定片17および固定子20が支持基板2に接合されることで支持基板2に連結されている。これらに対し、駆動質量体11および検出質量体12は、支持基板2との間に形成される間隙においてZ方向に変位可能でなければならないから、図1に示すように、支持基板2における駆動質量体11との対向面に凹所29を形成することによって駆動質量体11と支持基板2との間隙を確保するとともに、検出質量体12における支持基板2との対向面を支持基板2から後退させる(実際には、ジャイロセンサ1の基礎となる第1の半導体基板において支持基板2との対向面となる表面にバルクマイクロマシンニング加工によって凹部30を形成する)ことにより検出質量体12と支持基板2との間隙を確保している。言い換えれば、ジャイロセンサ1の基礎となる上記第1の半導体基板における支持基板2との対向面にバルクマイクロマシンニング加工により凹部30を形成することにより検出質量体12と支持基板2との間隙を確保しており、このような凹部30を設けることにより、固定櫛歯片23と可動櫛歯片24とのギャップを短くした場合にバルクマイクロマシンニング加工による固定櫛歯片23と可動櫛歯片24とを分離する分離工程が容易となる。このようなバルクマイクロマシンニング加工では、例えば、垂直深掘が可能な誘導結合プラズマ型のドライエッチング装置による異方性ドライエッチング技術を利用すればよい。
支持基板2において駆動質量体11との対向面にはアルミニウム薄膜のような導電性の金属薄膜からなる固定駆動電極25(図1参照)が形成されている。また、ジャイロセンサ1は、固定駆動電極25において支持基板2の凹所29の周部まで延長された部分を介して支持基板2に接合された電極片26を備えており、固定片17、各電極片21,26それぞれの表面に例えばAl−Si膜からなるパッド28が形成されている。さらに、図示例ではフレーム10において固定片17の近傍部位に、固定片17を挟む形で一対の接地片19が形成されており、一方の接地片19上にもパッド28が形成されている。このように、ジャイロセンサ1の各パッド28は、支持基板2に接合された1つの固定片17、4つの電極片21、1つの電極片26、1つの接地片19それぞれの上に形成されている。ここにおいて、1つの固定片17、4つの電極片21、1つの電極片26、1つの接地片19は支持基板2の上記一表面側において分離独立して配置されており、後述の封止基板3をフレーム10に接合していない状態では、それぞれ電気的に絶縁されている。
ここで、上述のジャイロセンサ1の動作について説明する。
ジャイロセンサ1は駆動質量体11に規定の振動を与えておき、外力による角速度が作用したときの検出質量体12の変位を検出するものである。ここにおいて、駆動質量体11を振動させるには固定駆動電極25と駆動質量体11との間に正弦波形ないし矩形波形の振動電圧を印加すればよい。振動電圧は、交流電圧が望ましいが、極性を反転させることは必須ではない。駆動質量体11は駆動ばね13と検出質量体12と検出ばね15と連結片16とを介して固定片17に電気的に接続され、固定片17の表面にはパッド28が形成されており、また、固定駆動電極25は電極片26に電気的に接続され、電極片26の表面にもパッド28が形成されているから、固定片17上のパッド28と電極片26上のパッド28との間に振動電圧を印加すれば、駆動質量体11と固定駆動電極25との間に静電力を作用させて駆動質量体11を支持基板2に対してZ方向に振動させることができる。振動電圧の周波数は、駆動質量体11および検出質量体12の質量や駆動ばね13および検出ばね15のばね定数などにより決まる共振周波数に一致させれば、比較的小さい駆動力で大きな振幅を得ることができる。
駆動質量体11を振動させている状態において、ジャイロセンサ1にY方向の軸回りの角速度が作用したときに、X方向にコリオリ力が発生し、検出質量体12(および駆動質量体11)は固定子20に対してX方向に変位する。可動櫛歯片24が固定櫛歯片23に対して変位すれば、可動櫛歯片24と固定櫛歯片23との距離が変化し、結果的に可動櫛歯片24と固定櫛歯片23との間の静電容量が変化する。この静電容量の変化は、4個の固定子20に接続されたパッド28から取り出すことができるから、上述のジャイロセンサ1では、4個の可変縁容量コンデンサが形成されているとみなすことができ、各可変容量コンデンサの静電容量をそれぞれ検出したり、可変容量コンデンサを並列に接続した合成容量を検出したりすることにより、検出質量体12の変位を検出することができる。駆動質量体11の振動は既知であるから、検出質量体12の変位を検出することにより、コリオリ力を求めることができる。
ここに、可動櫛歯片24の変位は、(駆動質量体11の質量)/(駆動質量体11の質量+検出質量体12の質量)に比例するから、駆動質量体11の質量が検出質量体12の質量に比較して大きいほど可動櫛歯片24の変位が大きくなり、結果的に感度が向上することになる。そこで、本実施形態では駆動質量体11の厚み寸法を検出質量体12の厚み寸法よりも大きくしてある。
上述のジャイロセンサ1の製造にあたっては、ジャイロセンサ1の基礎となる第1の半導体基板の裏面側に上述の凹部30を形成した後で、当該半導体基板の裏面と、上述の凹所29および固定駆動電極25を形成した支持基板2とを陽極接合によって接合し、その後、各パッド28を形成してから、フレーム10を分離する溝、スリット溝14a〜14c、固定子20を分離する溝を上記半導体基板における支持基板2とは反対側の主表面側から形成して各部位(各構成要素)に分離するバルクマイクロマシンニング加工を行う。この段階において、固定片17は支持基板2に接合されているから、固定片17に連続する駆動質量体11および検出質量体12は支持基板2に保持されており、また、固定子20も支持基板2に接合されている。要するに、この段階において、微小電気機械であるジャイロセンサ1の3次元構造体が完成する。
ところで、本実施形態の微小電気機械デバイスは、フレーム10を挟んで支持基板2に対向配置されフレーム10の全周にわたってフレーム10に接合されたシリコン基板のような半導体基板(以下、第2の半導体基板と称す)からなる封止基板3を備えている。なお、ジャイロセンサ1の基礎となる上記第1の半導体基板としては抵抗率が比較的小さなシリコン基板を用い、封止基板3となる上記第2の半導体基板としては、抵抗率が比較的大きなシリコン基板を用いている。ここに、上記第1の半導体基板の抵抗率を0.2Ωcm、上記第2の半導体基板の抵抗率を20Ωcmに設定してあるが、これらの数値は特に限定するものではない。
矩形板状の封止基板3における支持基板2との対向面側には、1つの集積回路4および10個のコンタクト用電極38が形成されるとともにコンタクト用電極38あるいは集積回路4のパッド48に電気的に接続された金属配線39が形成され、支持基板2との対向面とは反対側の面には3つの外部接続用電極36が形成されている。ここで、各コンタクト用電極38および各金属配線39および各パッド48はAl−Si膜により形成されている。また、封止基板3には、外部接続用電極36と当該外部接続用電極36に対向するコンタクト用電極38との間に介在し両者を電気的に接続する金属材料からなる3つの貫通配線37が形成されている。しかして、ジャイロセンサ1のフレーム10に封止基板3を接合することにより、ジャイロセンサ1の所定のパッド28と集積回路4の所定のパッド48とが電気的に接続され図1〜図3に示した構造の微小電気機械デバイスが得られる。
以下、本実施形態の微小電気機械デバイスにおける電気的な接続関係を説明するにあたって、説明の便宜上、10個のコンタクト用電極38を区別するために図6中に示したように各コンタクト用電極38それぞれの符号を38A,38B,38C,38D,38CC,38F,38E,38AA,38BB,38Gとし、3個の外部接続用電極36を区別するために図2中に示したように各外部接続用電極36の符号を36AA,36BB,36CCとし、上述の6個のパッド28を区別するために図4に示したように各パッド28それぞれの符号を28A,28B,28C,28D,28E,28F,28Gとして説明する。
本実施形態では、封止基板3を支持基板2上のフレーム10に接合することにより、ジャイロセンサ1のパッド28A,28Bがそれぞれコンタクト用電極38A,38Bと電気的に接続される。ここに、コンタクト用電極38Aとコンタクト用電極38Bとは両者の間に介在する金属配線39により電気的に接続されており、コンタクト用電極38Bは金属配線39を介して集積回路4のパッド48(図6における左下のパッド48)と電気的に接続されている。また、ジャイロセンサ1のパッド28C,28Dはそれぞれコンタクト用電極38C,38Dと電気的に接続される。ここに、コンタクト用電極38Cとコンタクト用電極38Dとは両者の間に介在する金属配線39により電気的に接続されており、コンタクト用電極38Dは金属配線39を介して集積回路4のパッド48(図6における左上のパッド48)と電気的に接続されている。また、ジャイロセンサ1の他のパッド28E,28F,28Gはそれぞれコンタクト用電極38E,38F,38Gと電気的に接続される。ここに、コンタクト用電極38E,38F,38Gはそれぞれ金属配線39を介して集積回路4のパッド48と電気的に接続されている。また、残りのコンタクト用電極38AA,38BB,38CCは、それぞれ金属配線39を介して集積回路4のパッド48と電気的に接続され、且つ、それぞれ貫通配線37を介して外部接続用電極36AA,36BB,36CCと電気的に接続されている。なお、コンタクト用電極38A〜38Gの厚み寸法は、封止基板3をフレーム10に接合する際に対応するパッド28A〜28Gに接触して電気的接続が確実になされるように設定すればよい。なお、本実施形態では、コンタクト用電極38と金属配線39との組み合わせ、あるいはコンタクト電極38と貫通配線37と外部接続用電極36との組み合わせが、微小電気機械の構成要素に電気的に接続される配線を構成している。
以上説明した本実施形態の微小電気機械デバイスでは、支持基板2と、ジャイロセンサ1の複数の構成要素であって支持基板2の上記一表面側においてそれぞれ分離独立して配置された複数の構成要素(4つの固定子20、2つの接地片19、1つの電極片26、駆動質量体11と2つの駆動ばね13と検出質量体12と2つの検出ばね15と連結片16と固定片17とが一体に形成された1つの構造体)と、当該複数の構成要素が内側に配置され且つ支持基板2の上記一表面に連結された矩形枠状のフレーム10と、フレーム10を挟んで支持基板2に対向配置されフレーム10の全周にわたってフレーム10に接合された封止基板3とを備え、封止基板3には、ジャイロセンサ1の構成要素に電気的に接続される複数の上記配線が形成されているので、封止基板3をフレーム10に接合することによりジャイロセンサ1の構成要素が封止基板3に形成されている配線と電気的に接続されるから、ジャイロセンサ1の構成要素のパッド28にボンディングワイヤを接合する必要がない。しかも、支持基板2とフレーム10と封止基板3とで囲まれる密閉空間内にジャイロセンサ1の構成要素が収納されるので、別途のパッケージが不要となるから、デバイス全体の小型化が可能になるとともに、製造時にジャイロセンサ1の構成要素が損傷しにくくなる。また、本実施形態では、封止基板3をフレーム10に接合する際に、封止基板3と支持基板2とフレーム10とで囲まれた空間が真空に保たれるように真空封止を行っているので、封止基板3と支持基板2とフレーム10とで囲まれた空間が空気雰囲気である場合に比べて、ジャイロセンサ1の複数の構成要素のうち可動部(駆動質量体11、検出質量体12など)となる構成要素が動きやすくなり、感度を高めることができる。
また、本実施形態では、封止基板3において支持基板2と対向する表面側にジャイロセンサ1と協働する集積回路4が形成され、複数の配線のうちの一部が集積回路4と電気的に接続されているので、ジャイロセンサ1と協働する集積回路4を含めた微小電気機械デバイス全体の小型化を図ることができとともに、ジャイロセンサ1と集積回路4との間の配線長を短くすることができるという利点がある。
また、本実施形態の微小電気機械デバイスは、バルクマイクロマシンニング加工によりジャイロセンサ1を形成しているので、上記特許文献1に記載のジャイロセンサのように表面マイクロマシンニング加工により形成されるジャイロセンサに比べて高性能のジャイロセンサ1を形成することが可能である。
なお、上述の実施形態では、微小電気機械を狭義のMEMSにより構成してあるが、微小電気機械を狭義のNEMSにより構成してもよい。また、微小電気機械は、ジャイロセンサに限らず、例えば、固定電極と可動電極とが分離独立して形成される静電容量型の加速度センサなどの他のセンサでもよい。また、上述の実施形態では、支持基板2としてガラス基板を用い、微小電気機械であるジャイロセンサ1の基礎となる上記第1の半導体基板としてシリコン基板を用いているが、微小電気機械の構造によっては、シリコン基板同士をシリコン酸化膜からなる絶縁膜を介して張り合わせたSOI基板の一方のシリコン基板を支持基板2として用い、他方のシリコン基板を微小電気機械の基礎となる半導体基板として用いることも可能である。
1 ジャイロセンサ
2 支持基板
3 封止基板
4 集積回路
10 フレーム
11 駆動質量体
12 検出質量体
17 固定片
19 接地片
20 固定子
23 固定櫛歯片
24 可動櫛歯片
25 固定駆動電極
28 パッド
29 凹所
30 凹部
36 外部接続用電極
37 貫通配線
38 コンタクト用電極
39 金属配線
48 パッド
2 支持基板
3 封止基板
4 集積回路
10 フレーム
11 駆動質量体
12 検出質量体
17 固定片
19 接地片
20 固定子
23 固定櫛歯片
24 可動櫛歯片
25 固定駆動電極
28 パッド
29 凹所
30 凹部
36 外部接続用電極
37 貫通配線
38 コンタクト用電極
39 金属配線
48 パッド
Claims (3)
- 支持基板と、微小電気機械の複数の構成要素であって支持基板の一表面側においてそれぞれ分離独立して配置された複数の構成要素と、当該複数の構成要素が内側に配置され且つ支持基板の前記一表面に連結された枠状のフレームと、フレームを挟んで支持基板に対向配置されフレームの全周にわたってフレームに接合された封止基板とを備え、封止基板は、少なくとも、微小電気機械の構成要素に電気的に接続される複数の配線が形成されてなることを特徴とする微小電気機械デバイス。
- 封止基板と支持基板とフレームとで囲まれた空間が真空に保たれてなることを特徴とする請求項1記載の微小電気機械デバイス。
- 封止基板は、半導体基板からなり、微小電気機械と協働する集積回路が支持基板と対向する表面側に形成され、複数の配線のうちの一部が集積回路と電気的に接続されてなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の微小電気機械デバイス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006018227A JP2006205353A (ja) | 2006-01-26 | 2006-01-26 | 微小電気機械デバイス |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2006018227A JP2006205353A (ja) | 2006-01-26 | 2006-01-26 | 微小電気機械デバイス |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008128879A (ja) * | 2006-11-22 | 2008-06-05 | Seiko Instruments Inc | 角速度センサ |
JP2008241477A (ja) * | 2007-03-27 | 2008-10-09 | Matsushita Electric Works Ltd | センサ装置 |
-
2006
- 2006-01-26 JP JP2006018227A patent/JP2006205353A/ja not_active Withdrawn
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