JP4654668B2 - ジャイロセンサおよびそれを用いたセンサ装置 - Google Patents
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Description
本実施形態は、図1および図2に示すように、シリコン基板からなる主基板1の一面にガラス基板からなる支持基板2が積層され、主基板1の他面にガラス基板からなるキャップ3が積層された3層構造であって、支持基板2およびキャップ3は主基板1に対して、たとえば陽極接合により接合される。なお、主基板1にはシリコン以外の半導体を用いることも可能である。
本実施形態のジャイロセンサAは、図9に示すように、実施形態1のジャイロセンサAにおける図3の下方の接地片19に代えて、フレーム10から切り離された接続片35が設けられた構成を採用している。接続片35における透孔26との対向面には接続パッド36が形成される。また、実施形態1の図面では省略していたが、接続パッド36は、固定片17と接地片19と電極片21とのそれぞれにも形成される。支持基板2において角接続パッド36に対応する部位にはそれぞれ透孔26が形成されている。
本実施形態のジャイロセンサAは、支持基板2において、図12(a)に示すように、X方向に長い帯状に開口する応力緩和溝38が検出質量体12との対向部位に形成されたものである。
本実施形態のジャイロセンサAは、図13に示すように、支持基板2上の固定駆動電極25がX方向に2等分されている。このジャイロセンサでは、各固定駆動電極25と駆動質量体11との間に、それぞれ図14(a)および図14(b)に示すように互いに逆位相となる交流電圧を振動電圧として印加することにより駆動質量体11を振動させる。ここにおいて、両固定駆動電極25に印加する振動電圧は、駆動質量体11を駆動している期間において常に互いに逆極性でかつ絶対値が等しい電圧であればよく、たとえば図14(c)および図14(d)に示すように互いに逆極性となる脈動電圧であってもよい。これにより、駆動質量体11においては振動している期間に常に互いに同数の異極性の電荷が生じるので、駆動質量体11自体の電位が一定に保たれる。結果的に、駆動質量体11の電位が変化することによる共振周波数の変化はほとんど生じず、検出精度の変化を低減することができる。図14においては、駆動質量体11と固定駆動電極25とが静電力によって互いに引き合う期間を図中Tで示している。
本実施形態のジャイロセンサAは、実施形態4のジャイロセンサAにおいて、振動電圧が印加されておらずかつ角速度および加速度が作用していない状態での、駆動質量体11と固定駆動電極25との間隔、および固定櫛歯片23と可動櫛歯片24との間の静電容量(以下では「検出容量」と呼ぶ)をそれぞれ調整できるようにしている。
本実施形態のジャイロセンサAは、実施形態5のジャイロセンサAにおいて、図22に示すように、駆動質量体11を厚み方向(Z方向)に貫通する貫通孔48が形成されている。図22(a)においては、開口面がそれぞれ円形状に形成された14個の貫通孔48が形成されており、貫通孔48はX方向に7個ずつY方向に2列になるように配列されている。貫通孔48を形成する方法としては、たとえば反応性イオンエッチングなどがある。この構成によれば、駆動質量体11がZ方向に振動する際の空気粘性によるダンピングが低減され、駆動質量体11のZ方向についての機械的Q値の向上につながる。その結果、駆動質量体11の振幅が大きくなることにより、X方向に発生するコリオリ力の大きさが大きくなるので、感度の向上が期待できる。
本実施形態では、図25に示すように、実施形態2のジャイロセンサAを2個備えたセンサ装置について説明する。両ジャイロセンサAは、互いにX方向とY方向とZ方向とがそれぞれ一致するように配置され、一方をZ方向の軸回りに180度回転させた形に位置決めされている。センサ装置は、両ジャイロセンサAの出力(固定櫛歯片23と可動櫛歯片24との間の静電容量の変化)の差を出力する差動インタフェース回路52(信号処理部)を備える。差動インタフェース回路52はたとえば演算増幅器を用いて構成される。各ジャイロセンサに印加される振動電圧は図26(a)および図26(b)にそれぞれ示すような互いに逆位相の脈動電圧であって、両ジャイロセンサの駆動質量体11をZ方向に交互に変位させている。図26においては、駆動質量体11と固定駆動電極25とが静電力によって互いに引き合う期間を図中Tで示している。
本実施形態のジャイロセンサAは、実施形態2のジャイロセンサAにおいて、図11(a)の要部Bを示す図27のように、支持基板2における固定駆動電極パッド37が形成された部位に応力緩和凹部53(支持基板側応力緩和凹部)が凹設されている点が実施形態2と相違する。ここで、応力緩和凹部53は固定駆動電極パッド37の厚み寸法と同じ深さに形成されており、固定駆動電極パッド37が応力緩和凹部53内に配置されることにより固定駆動電極パッド37と支持基板2における応力緩和凹部53の両側とが面一になる。
本実施形態のジャイロセンサAは、実施形態2のジャイロセンサAにおいて、図11(a)の要部Bを示す図29のように、固定駆動電極25において主基板1と支持基板2とが接合された状態で接続片35と支持基板2との間に挟まれる部位を他の部位よりも薄くする段差55が、固定駆動電極25に形成されている点が実施形態2と相違する。
本実施形態のジャイロセンサAは、実施形態2のジャイロセンサAにおいて、図11(a)の要部Bを示す図31のように、接続片35における固定駆動電極パッド37の当接部位の周囲に応力緩和ばね57が形成され、接続片35における固定駆動電極パッド37の当接部位が応力緩和ばね57を介して接続片37における他の部位に連結されている点が実施形態2と相違する。
本実施形態のジャイロセンサAは、実施形態2のジャイロセンサAにおいて、図11(a)の要部Bを示す図32のように、接続片35における固定駆動電極パッド37との対向面に、先端面が固定駆動電極パッド37に当接する当接突起59を突設したものである。接続片35における当接突起59の周囲は固定駆動電極パッド37との間に隙間を有しており、接続片35においては当接突起59のみが固定駆動電極パッド37に当接する。ここにおいて、当接突起59の先端面の面積が一定の大きさに設定されることにより、接続片35と固定駆動電極25との接触面積は一定の大きさに設定される。したがって、主基板1と支持基板2とが接合される際に両者の間に位置ずれが生じたとしても、接続片35と固定駆動電極25との接触面積が変わることはない。
本実施形態のジャイロセンサAは、実施形態2のジャイロセンサAにおいて、固定駆動電極パッド37における接続片35に当接する部位を規制することにより、接続片35と固定駆動電極25との接触面積を一定の大きさに設定したものである。
2 支持基板
10 フレーム
11 駆動質量体
12 検出質量体
13 駆動ばね
14 スリット溝
15 検出ばね
16 連結片
18 切抜孔
23 固定櫛歯片
24 可動櫛歯片
25 固定駆動電極
26 透孔
27 電極配線
38 応力緩和溝
39 グランド配線
41 間隔調整電極
42 容量調整電極
44 ストッパ(検出質量体保護突起)
45 ストッパ(駆動質量体保護突起)
48 貫通孔
49 加速度検出電極
53 (支持基板側)応力緩和凹部
54 (主基板側)応力緩和凹部
57 応力緩和ばね
Claims (27)
- 一端部が支持基板に対して位置固定された検出ばねを介して、支持基板に対して支持基板に沿った面内で一方向に変位可能に支持された検出質量体と、検出質量体とは駆動ばねを介して結合され支持基板に交差する方向に振動するように駆動される駆動質量体と、支持基板に沿った面内での検出質量体の変位量を検出する検出手段とを半導体基板からなる主基板に備え、駆動質量体と検出質量体とは駆動ばねを介して支持基板に沿った面内で検出質量体の変位方向と直交する方向に並設され、検出ばねは2本あって、それぞれ検出質量体から駆動質量体と検出質量体とが並ぶ一つの向きに延長されており、駆動質量体は両検出ばねの内側に配置され、検出質量体は検出ばねの他端部に連続することによって片持ちで支持されていることを特徴とするジャイロセンサ。
- 前記検出ばねは前記検出質量体の変位方向に可撓であって、両検出ばねの先端部間が検出質量体の変位方向に延長された剛性を有する連結片を介して連続一体に連結され、連結片の中間部が前記支持基板に固定されることを特徴とする請求項1記載のジャイロセンサ。
- 前記駆動ばねは前記駆動質量体と前記検出質量体との間に配置されねじれ変形が可能なトーションばねであることを特徴とする請求項1または請求項2記載のジャイロセンサ。
- 前記駆動質量体と前記支持基板との少なくとも一方は、前記駆動ばねから離れるほど互いの間隔を広くするように厚み寸法が変化していることを特徴とする請求項3記載のジャイロセンサ。
- 前記駆動質量体と前記支持基板との一方には、駆動質量体の最大振幅を規制する駆動質量体保護突起が突設されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のジャイロセンサ。
- 前記検出手段は、前記検出質量体に設けた切抜孔の内周面に突設した複数本の可動櫛歯片と、切抜孔の内側に配置され支持基板に固定された固定子の外周面に各可動櫛歯片とそれぞれ対向するように突設した複数本の固定櫛歯片とからなることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のジャイロセンサ。
- 前記検出手段は、前記可動櫛歯片と前記固定櫛歯片との間の静電容量の変化によって前記検出質量体の変位量を検出しており、検出質量体に対して検出質量体の変位方向に対向して配置され、検出質量体との間に電圧が印加されて静電力を作用させることにより、可動櫛歯片と固定櫛歯片との間の静電容量を調整する容量調整電極を備えることを特徴とする請求項6記載のジャイロセンサ。
- 前記検出質量体および前記駆動質量体と前記検出ばねとの間は、主基板を厚み方向に貫通するスリット溝によって分離されており、スリット溝は同じ幅寸法に設定されていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のジャイロセンサ。
- 前記支持基板において前記駆動質量体との対向面に固定駆動電極が配置され、前記検出ばねにおける支持基板への固定部と、固定駆動電極との間に振動電圧を印加することにより、駆動質量体と固定駆動電極との間に作用する静電力で駆動質量体を振動させることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のジャイロセンサ。
- 前記支持基板において前記駆動質量体との対向面に、前記検出質量体の変位方向の中間位置で2分割された一対の固定駆動電極が配置され、両固定駆動電極間に互いに逆極性でかつ絶対値が等しい振動電圧を印加することにより、駆動質量体と各固定駆動電極との間にそれぞれ作用する静電力で駆動質量体を振動させることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のジャイロセンサ。
- 前記支持基板において前記駆動質量体との対向面に、前記固定駆動電極に隣接して配置され、駆動質量体との間に電圧が印加されて静電力を作用させることにより、駆動質量体と固定駆動電極との間隔を調整する間隔調整電極を備えることを特徴とする請求項9または請求項10記載のジャイロセンサ。
- 前記支持基板における前記固定駆動電極の周囲に、接地電位に設定されたグランド配線が配置されていることを特徴とする請求項9ないし請求項11のいずれか1項に記載のジャイロセンサ。
- 前記固定駆動電極は、前記支持基板において、前記駆動質量体における振幅が最大となる部位に対向する領域を避けて形成されていることを特徴とする請求項9ないし請求項12のいずれか1項に記載のジャイロセンサ。
- 前記支持基板は厚み方向に貫通する複数個の透孔を有し、透孔の内周面には導電性の金属薄膜からなり主基板を外部回路に接続する電極配線が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載のジャイロセンサ。
- 前記支持基板は厚み方向に貫通する複数個の透孔を有し、透孔内には透孔を埋めるように充填された導電性材料からなり主基板を外部回路に接続する電極配線が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載のジャイロセンサ。
- 前記支持基板において前記駆動質量体との対向面に固定駆動電極が配置され、前記主基板と支持基板とが接合された状態で、固定駆動電極と前記電極配線とは、共に主基板に当接することにより主基板を介して電気的に接続されることを特徴とする請求項14または請求項15記載のジャイロセンサ。
- 前記支持基板は、前記主基板と接合された状態で主基板との間に前記固定駆動電極を挟む部位に、主基板との間隔を広げる支持基板側応力緩和凹部が凹設されていることを特徴とする請求項16記載のジャイロセンサ。
- 前記主基板は、前記支持基板と接合された状態で前記固定駆動電極に当接する部位に、支持基板との間隔を広げる主基板側応力緩和凹部が凹設されていることを特徴とする請求項16または請求項17記載のジャイロセンサ。
- 前記主基板において前記支持基板と接合された状態で前記固定駆動電極に当接する部位は、主基板における他の部位に対して応力緩和ばねを介して連結されていることを特徴とする請求項16ないし請求項18のいずれか1項に記載のジャイロセンサ。
- 前記駆動質量体の厚み寸法は前記検出質量体の厚み寸法よりも大きいことを特徴とする請求項1ないし請求項19のいずれか1項に記載のジャイロセンサ。
- 前記駆動質量体は、振動方向に貫通された貫通孔を有することを特徴とする請求項1ないし請求項20のいずれか1項に記載のジャイロセンサ。
- 前記貫通孔は、前記検出質量体の変位方向に長い帯状に開口していることを特徴とする請求項21記載のジャイロセンサ。
- 前記貫通孔は、前記支持基板から離れるほど前記主基板の板面に沿う断面を狭くするテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項21または請求項22記載のジャイロセンサ。
- 前記支持基板において前記検出質量体との対向面に、検出質量体の変位方向に長い帯状に開口した応力緩和溝が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項23のいずれか1項に記載のジャイロセンサ。
- 前記主基板は前記駆動質量体および前記検出質量体の周囲を囲む形で前記支持基板に固定されるフレームを備え、検出質量体とフレームとの一方には、検出質量体の最大変位量を規制する検出質量体保護突起が突設されていることを特徴とする請求項1ないし請求項24のいずれか1項に記載のジャイロセンサ。
- 前記主基板は、前記支持基板に沿った面内において前記検出質量体の変位方向に直交する方向に所定の間隔を有して前記駆動質量体に対向する加速度検出電極を有し、加速度検出電極は、駆動質量体とともに支持基板に沿った面内において検出質量体の変位方向に直交する方向の駆動質量体の変位量を検出する加速度検出手段を構成することを特徴とする請求項1ないし請求項25のいずれか1項に記載のジャイロセンサ。
- 請求項1ないし請求項26のいずれか1項に記載のジャイロセンサを2個備え、両ジャイロセンサの駆動質量体を互いに逆向きに振動させるように両ジャイロセンサを駆動するとともに、各ジャイロセンサのそれぞれの出力の差を出力する信号処理部を有することを特徴とするセンサ装置。
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