JP6450060B2 - センサ素子、角速度センサおよび多軸角速度センサ - Google Patents

センサ素子、角速度センサおよび多軸角速度センサ Download PDF

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Description

本開示は、センサ素子、当該センサ素子を含む角速度センサ、および当該角速度センサを含む多軸角速度センサに関する。
角速度センサとして、いわゆる圧電振動式のものが知られている(例えば特許文献1)。このセンサにおいては、圧電体に交流電圧を印加して圧電体を励振する。この励振されている圧電体が回転されると、回転速度(角速度)に応じた大きさで、励振方向と直交する方向にコリオリの力が生じ、このコリオリの力によっても圧電体は振動する。そして、このコリオリの力に起因する圧電体の変形に応じて生じる電気信号を検出することにより、圧電体の角速度を検出することができる。
特開2005−037235号公報
本開示の一態様に係るセンサ素子は、圧電体と、複数の励振電極と、複数の検出電極とを有している。前記圧電体は、基部、ならびに前記基部から直交座標系xyzのxy平面に平行な所定平面内で延びている駆動腕および検出腕を有している。前記複数の励振電極は、前記駆動腕に位置している。前記複数の検出電極は、前記検出腕のz軸方向における曲げ変形により生じる信号を検出可能な配置で前記検出腕に位置している。前記検出腕は、第1腕と、第2腕とを有している。前記第1腕は、前記基部から前記所定平面内で延びている。前記第2腕は、前記第1腕の先端側部分に連結され、前記第1腕の先端側から前記基部側へ前記所定平面内で延びており、前記基部側の端部が自由端とされている。
本開示の一態様に係る角速度センサは、上記のセンサ素子と、前記複数の励振電極に電圧を印加する駆動回路と、前記複数の検出電極からの信号を検出する検出回路と、を有している。
本開示の一態様に係る多軸角速度センサは、直交座標系xyzのx軸回りの角速度を検出するx軸センサと、y軸回りの角速度を検出するy軸センサと、z軸回りの角速度を検出するz軸センサと、を有している。前記x軸センサは、上記の角速度センサである。前記駆動腕、前記第1腕および前記第2腕は、y軸方向に延びている。前記駆動回路は、前記駆動腕がx軸方向において振動するように前記複数の励振電極に電圧を印加する。前記y軸センサは、圧電体と、y軸駆動回路と、y軸検出回路とを有している。前記y軸センサの圧電体は、y軸方向に延びているy軸駆動腕およびy軸検出腕を有している。前記y軸駆動回路は、前記y軸駆動腕がx軸方向において振動するように前記y軸駆動腕に電圧を印加する。前記y軸検出回路は、前記y軸検出腕のz軸方向における曲げ変形により生じる信号を検出する。前記z軸センサは、圧電体と、z軸駆動回路と、z軸検出回路とを有している。前記z軸センサの圧電体は、y軸方向に延びているz軸駆動腕およびz軸検出腕を有している。前記z軸駆動回路は、前記z軸駆動腕がx軸方向において振動するように前記z軸駆動腕に電圧を印加する。前記z軸検出回路は、前記z軸検出腕のx軸方向における曲げ変形により生じる信号を検出する。
第1実施形態に係るセンサ素子の圧電体を示す斜視図である。 図1のセンサ素子の一部を拡大して示す斜視図である。 図2のIII−III線における断面図である。 図4(a)、図4(b)、図4(c)および図4(d)は図1のセンサ素子の作用を説明するための模式図である。 図5(a)および図5(b)は図1のセンサ素子の作用を説明するための模式図である。 第2実施形態に係るセンサ素子の圧電体を示す斜視図である。 図7(a)は第3実施形態に係るセンサ素子の構成を示す平面図であり、図7(b)は図7(a)のVIIb−VIIb線における断面図である。 図8(a)、図8(b)、図8(c)および図8(d)は図7(a)のセンサ素子の作用を説明するための模式図である。 第4実施形態に係るセンサ素子の圧電体を示す斜視図である。 図10(a)、図10(b)、図10(c)および図10(d)は図9のセンサ素子の作用を説明するための模式図である。 多軸角速度センサの構成を示す平面図である。 図12(a)、図12(b)、図12(c)および図12(d)は図11の多軸角速度センサに含まれるy軸センサの作用を説明するための模式図である。 図13(a)および図13(b)は図11の多軸角速度センサに含まれるz軸センサの作用を説明するための模式図である。
以下、図面を参照して本開示に係る実施形態を説明する。なお、以下の図面は、模式的なものである。従って、細部は省略されることがあり、また、寸法比率等は現実のものと必ずしも一致しない。また、複数の図面相互の寸法比率も必ずしも一致しない。
また、各図には、説明の便宜のために、直交座標系xyzを付している。なお、直交座標系xyzは、センサ素子(圧電体)の形状に基づいて定義されている。すなわち、x軸、y軸およびz軸は、結晶の電気軸、機械軸および光軸を示すとは限らない。センサ素子は、いずれの方向が上方または下方として使用されてもよいものであるが、以下では、便宜上、z軸方向の正側を上方として、上面または下面等の用語を用いることがある。また、単に平面視という場合、特に断りがない限り、z軸方向に見ることをいうものとする。
同一又は類似する構成については、「駆動腕7A」、「駆動腕7B」のように、互いに異なるアルファベットの付加符号を付すことがあり、また、この場合において、単に「駆動腕7」といい、これらを区別しないことがある。
第2実施形態以降において、既に説明された実施形態の構成と共通または類似する構成について、既に説明された実施形態の構成に付した符号を用い、また、図示や説明を省略することがある。なお、既に説明された実施形態の構成と対応(類似)する構成については、既に説明された実施形態の構成と異なる符号を付した場合においても、特に断りがない点は、既に説明された実施形態の構成と同様である。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係るセンサ素子1の構成を示す斜視図である。ただし、この図では、センサ素子1の表面に設けられる導電層の図示は基本的に省略されている。
センサ素子1は、例えば、x軸回りの角速度を検出する圧電振動式の角速度センサ51(符号は図3)を構成するものである。センサ素子1は、圧電体3を有している。圧電体3に電圧が印加されて圧電体3が振動している状態で、圧電体3が回転されると、コリオリの力による振動が圧電体3に生じる。このコリオリの力による振動によって生じる電圧を検出することによって角速度が検出される。具体的には、以下のとおりである。
(圧電体の形状)
圧電体3は、例えば、その全体が一体的に形成されている。圧電体3は、単結晶であってもよいし、多結晶であってもよい。また、圧電体3の材料は適宜に選択されてよく、例えば、水晶(SiO)、LiTaO、LiNbO、PZTまたはシリコンである。
圧電体3において、電気軸乃至は分極軸(以下、両者を代表して分極軸のみに言及することがある。)は、x軸に一致するように設定されている。なお、分極軸は、所定の範囲(例えば15°以内)でx軸に対して傾斜していてもよい。また、圧電体3が単結晶である場合において、機械軸および光軸は、適宜な方向とされてよいが、例えば、機械軸はy軸方向、光軸はz軸方向とされている。
圧電体3は、例えば、全体として厚さ(z軸方向)が一定にされている。また、圧電体3は、例えば、y軸に平行な不図示の対称軸に対して線対称の形状に形成されている。
圧電体3は、例えば、フレーム5と、フレーム5から延びている1対の駆動腕7Aおよび7Bならびに検出腕9と、フレーム5を支持している1対の実装部11とを有している。フレーム5、1対の駆動腕7、検出腕9および1対の実装部11は、例えば、xy平面に平行な同一平面内において延びている。
1対の駆動腕7は、電圧(電界)が印加されることによって励振される部分である。検出腕9は、コリオリの力によって振動し、角速度に応じた電気信号(例えば電圧)を生成する部分である。フレーム5は、駆動腕7および検出腕9の支持、および駆動腕7から検出腕9への振動の伝達に寄与する部分である。実装部11は、不図示の実装基体(例えばパッケージの一部または回路基板)へセンサ素子1を実装することに寄与する部分である。
フレーム5は、例えば、両端がx軸方向において互いに離れている長尺形状を有している。具体的には、例えば、フレーム5は、x軸方向に直線状に延びている。フレーム5の両端は、1対の実装部11によって支持される被支持部5aとなっている。従って、フレーム5は、両端が支持された梁のように撓み変形が可能となっている。
フレーム5の断面形状は、例えば、概ね矩形である。フレーム5の幅(y軸方向)および厚さ(z軸方向)は、いずれが他方よりも大きくてもよい。ただし、フレーム5は、後述するように、平面視において撓み変形することが予定されている。従って、フレーム5の幅は、比較的小さくされてよい。例えば、フレーム5の幅は、フレーム5の厚さの2倍以下、または1倍以下とされてよい。また、例えば、フレーム5の長さおよび幅は、撓み変形の固有振動数が、駆動腕7の、電圧印加によって励振される方向における固有振動数、および/または検出腕9の、コリオリの力によって振動する方向における固有振動数に近づくように調整されてよい。
駆動腕7は、フレーム5からy軸方向に延びており、その先端は自由端とされている。従って、駆動腕7は、片持ち梁のように撓み変形が可能となっている。1対の駆動腕7は、x軸方向に互いに離れた位置にて互いに並列(例えば平行)に延びている。1対の駆動腕7は、例えば、1対の被支持部5aの間の中央を通り、y軸に平行な不図示の対称軸に対して線対称に設けられている。
駆動腕7の具体的形状等は適宜に設定されてよい。例えば、駆動腕7は、長尺の直方体状とされている。すなわち、断面形状(xz平面)は矩形である。特に図示しないが、駆動腕7は、先端側部分において幅(x軸方向)が広くなるハンマ形状とされていてもよい。1対の駆動腕7は、例えば、概ね互いに線対称の形状および大きさとされている。従って、両者の振動特性は互いに同等である。
駆動腕7は、後述するように、x軸方向において励振される。従って、駆動腕7は、その幅(x軸方向)が大きくなると、励振方向(x軸方向)における固有振動数が高くなり、その長さ(別の観点では質量)が大きくなると、励振方向における固有振動数は低くなる。駆動腕7の各種の寸法は、例えば、駆動腕7の励振方向における固有振動数が励振させたい周波数に近くなるように設定される。
検出腕9は、フレーム5から延びている第1腕21と、第1腕21の先端側かつ側方からフレーム5側へ延びている第2腕23Aおよび23Bとを有している。第2腕23の先端は、フレーム5に連結されておらず、自由端となっている。従って、検出腕9において、第1腕21は、フレーム5を固定端側、先端側を自由端側として撓み変形可能であり、また、第2腕23は、第1腕21を基準として、第1腕21との連結される側を固定端側、フレーム5側を自由端側として撓み変形可能である。なお、第1腕21の先端側は、例えば、第1腕21の長さ方向の中央よりも先端側を指す。第1腕21および1対の第2腕23は、例えば、xy平面に平行な同一平面内において延びている。
第1腕21は、例えば、x軸方向において1対の駆動腕7の間となる位置においてフレーム5からy軸方向に延びている。また、第1腕21は、例えば、1対の駆動腕7が延びる側と同一側(y軸方向の正側)に延びている。別の観点では、第1腕21は、1対の駆動腕7と並列(例えば平行)に延びている。第1腕21は、例えば、1対の被支持部5aの間の中央に位置し、および/または1対の駆動腕7の間の中央に位置している。第1腕21の長さは、例えば、駆動腕7の長さと同程度である。
1対の第2腕23は、例えば、第1腕21に対して線対称の位置および形状とされている。第2腕23は、例えば、y軸方向に延びており、ひいては、第1腕21と並列(例えば平行)に延びている。第2腕23は、例えば、その端部が第1腕21の先端部と連結されている。具体的には、第1腕21および第2腕23の互いに対向する側面同士間にはこれらの腕と同一の厚さ(z軸方向)を有する連結部(符号省略)が介在している。第2腕23の長さは、例えば、駆動腕7および第1腕21の長さから、第2腕23とフレーム5との間の隙間を差し引いた長さである。前記の隙間は、例えば、比較的小さくされている。
第1腕21および第2腕23の具体的形状等は適宜に設定されてよい。例えば、第1腕21および第2腕23それぞれは、長尺の直方体状とされている。すなわち、断面形状(xz平面)は矩形である。特に図示しないが、第2腕23は、フレーム5側の端部において幅(x軸方向)が広くなるハンマ形状とされていてもよい。また、第2腕23は、第1腕21と連結される側の端部において、第1腕21とは反対側に広くなるハンマ形状とされていてもよい。
検出腕9(第1腕21および第2腕23)は、後述するように、本実施形態においては、コリオリの力によってz軸方向に振動する。従って、検出腕9は、その厚さ(z軸方向)が大きくなると、振動方向(z軸方向)における固有振動数が高くなり、その長さ(別の観点では質量)が大きくなると、励振方向における固有振動数は低くなる。検出腕9の各種の寸法は、例えば、検出腕9の振動方向における固有振動数が、駆動腕7の励振方向における固有振動数に近くなるように設定されてよい。
また、第1腕21と第2腕23との間隔、第2腕23とフレーム5との間隔、第1腕21と第2腕23との連結部分の寸法等も適宜に設定されてよい。例えば、上記の間隔は、部位間の当接が生じにくいように設定される。また、例えば、第1腕21と第2腕23との連結部分のyz断面の面積は、第1腕21または第2腕23のxz断面の面積よりも小さくてもよいし、同等でもよいし、大きくてもよい。なお、連結部分のyz断面の面積を大きくした場合においては、例えば、第2腕23から第1腕21へx軸回りのモーメントを伝えやすくなる。
1対の実装部11は、例えば、y軸方向を長手方向とする形状に形成されている。より具体的には、例えば、実装部11は、z軸方向を厚み方向とする、平面形状が矩形の板状である。実装部11の幅(x軸方向)は、例えば、フレーム5の幅(y軸方向)、駆動腕7の幅(x軸方向)、検出腕9(そのうちの第1腕21または第2腕23)の幅(x軸方向)よりも広い。従って、実装部11は、他の部位(5、7、21および23)に比較して平面視において撓み変形(振動)し難くなっている。ただし、実装部11は、一部または全部において、他の部位(5、7、21または23)に比較して幅が狭くされていてもよい。実装部11の長さは、適宜に設定されてよい。例えば、フレーム5から実装部11の一端までの長さは、駆動腕7または検出腕9の長さよりも短くてもよいし(図示の例)、同等であってもよいし、長くてもよい。
フレーム5は、既に述べたように、その両端(被支持部5a)が1対の実装部11に固定されている。被支持部5aの実装部11に対するy軸方向の位置は適宜な位置とされてよい。図示の例では、被支持部5aは、実装部11のy軸方向中央に位置している。
1対の実装部11の下面には、少なくとも4つのパッド13が設けられている。パッド13は、不図示の実装基体に設けられたパッドに対向し、その実装基体のパッドに対して半田乃至は導電性接着剤からなるバンプにより接着される。これにより、センサ素子1と実装基体との電気的な接続がなされ、また、フレーム5、駆動腕7および検出腕9は、実装基体から浮いた状態で支持され、振動可能となる。なお、フレーム5は、1対の駆動腕7よりもx軸方向の両側の部分(被支持部5a)において実装部11を介してパッド13に支持されることになる。4つのパッド13は、例えば、1対の実装部11の両端に設けられている。
(センサ素子の導体)
図2は、センサ素子1の一部を拡大して示す斜視図である。また、図3は、図2のIII−III線における断面図である。
センサ素子1は、圧電体3の表面等に設けられる導体として、上記のパッド13の他、駆動腕7に電圧を印加するための励振電極15Aおよび15Bと、検出腕9に生じた信号を取り出すための検出電極17Aおよび17Bと、これらの電極を接続する複数の配線19とを有している。これらの導体は、圧電体3の表面に形成された導体層によって構成されている。導体層の材料は、例えば、Cu,Al等の金属である。
なお、励振電極15および検出電極17の付加符号A、Bは、直交座標系xyzに基づいて付されている。従って、後述するように、一の駆動腕7の励振電極15Aと、他の駆動腕7の励振電極15Aとは同電位とは限らない。励振電極15B、検出電極17Aおよび17Bについても同様である。
(励振電極)
励振電極15Aは、各駆動腕7において、上面および下面(z軸方向の両側に面する1対の面)それぞれに設けられている。また、励振電極15Bは、各駆動腕7において、1対の側面(x軸方向の両側に面する1対の面)それぞれに設けられている。
なお、後述する実施形態においては、フレーム5からy軸方向の負側に延びる駆動腕7が設けられることがある。そのような駆動腕7においても、励振電極15の付加符号Aは、上面および下面に対応し、励振電極15の付加符号Bは、側面に対応するものとする。
各駆動腕7の上下左右の各面において、励振電極15は、例えば、各面の大部分を覆うように形成されている。ただし、励振電極15Aおよび15Bは、互いに短絡しないように、少なくとも一方(本実施形態では励振電極15A)が各面よりも幅方向において小さく形成されている。また、駆動腕7の根元側および先端側の一部も、励振電極15の非配置位置とされてよい。
各駆動腕7において、2つの励振電極15Aは、例えば互いに同電位とされる。例えば、2つの励振電極15Aは、配線19により互いに接続されている。また、各駆動腕7において、2つの励振電極15Bは、例えば互いに同電位とされる。例えば、2つの励振電極15Bは、配線19により互いに接続されている。
このような励振電極15の配置および接続関係において、励振電極15Aと励振電極15Bとの間に電圧を印加すると、例えば、駆動腕7においては、上面から1対の側面(x軸方向の両側)に向かう電界および下面から1対の側面に向かう電界が生じる。一方、分極軸は、x軸方向に一致している。従って、電界のx軸方向の成分に着目すると、駆動腕7のうちx軸方向の一方側部分においては電界の向きと分極軸の向きは一致し、他方側部分においては電界の向きと分極軸の向きは逆になる。
その結果、駆動腕7のうちx軸方向の一方側部分はy軸方向において収縮し、他方側部分はy軸方向において伸長する。そして、駆動腕7は、バイメタルのようにx軸方向の一方側へ湾曲する。励振電極15Aおよび15Bに印加される電圧が逆にされると、駆動腕7は逆方向に湾曲する。このような原理により、交流電圧が励振電極15Aおよび15Bに印加されると、駆動腕7はx軸方向において振動する。
なお、特に図示しないが、駆動腕7の上面および/または下面に、駆動腕7の長手方向に沿って延びる1以上の凹溝(当該凹溝は複数の凹部が駆動腕7の長手方向に配列されて構成されてもよい)が設けられ、励振電極15Aは、この凹溝内に亘って設けられてもよい。この場合、励振電極15Aと励振電極15Bとが凹溝の壁部を挟んでx軸方向において対向することになり、励振の効率が向上する。
1対の駆動腕7においては、駆動腕7Aの励振電極15Aと駆動腕7Bの励振電極15Bとが同電位とされ、駆動腕7Aの励振電極15Bと駆動腕7Bの励振電極15Aとが同電位とされる。同電位とされるべき励振電極15同士は、例えば、配線19によって接続されている。
従って、励振電極15Aと励振電極15Bとの間に交流電圧を印加すると、1対の駆動腕7は、互いに逆の位相の電圧が印加されることになり、x軸方向において互いに逆向きに撓み変形するように振動する。
(検出電極)
検出電極17Aは、第1腕21および第2腕23のそれぞれにおいて、x軸方向の負側に面する面のうちのz軸方向の正側(例えば当該面の中央よりも正側)の領域、およびx軸方向の正側に面する面のうちのz軸方向の負側(例えば当該面の中央よりも負側)の領域にそれぞれ設けられている。検出電極17Bは、検出腕9において、x軸方向の負側に面する面のうちのz軸方向の負側(例えば当該面の中央よりも負側)の領域、およびx軸方向の正側に面する面のうちのz軸方向の正側(例えば当該面の中央よりも正側)の領域にそれぞれ設けられている。
なお、後述する実施形態においては、フレーム5に対してy軸方向の負側に位置する検出腕9が設けられることがある。そのような検出腕9においても、検出電極17の付加符号Aは、−xの側面の+zの領域および+xの側面の−zの領域に対応し、検出電極17の付加符号Bは、−xの側面の−zの領域および+xの側面の+zの領域に対応するものとする。
第1腕21および第2腕23それぞれの各側面において、検出電極17Aおよび17Bは、互いに短絡しないように適宜な間隔を空けて、各腕に沿って延びている。2つの検出電極17A同士は、例えば、配線19により接続されている。また、2つの検出電極17B同士は、例えば、配線19により接続されている。
このような検出電極17の配置および接続関係において、第1腕21または第2腕23がz軸方向に撓み変形すると、例えば、z軸方向に平行な電界が生じる。すなわち、各腕の各側面においては、検出電極17Aと検出電極17Bとの間に電圧が生じる。電界の向きは、分極軸の向きと、湾曲の向き(z軸方向の正側又は負側)とで決定され、x軸方向の正側部分と負側部分とで互いに逆である。この電圧(電界)が検出電極17Aおよび検出電極17Bに出力される。各腕(21または23)がz軸方向に振動すると、電圧は交流電圧として検出される。なお、電界は、上記のようにz軸方向に平行な電界が支配的であってもよいし、x軸方向に平行で、z軸方向の正側部分と負側部分とで互いに逆向きな電界の割合が大きくてもよい。いずれにせよ、各腕(21または23)のz軸方向への撓み変形に応じた電圧が検出電極17Aと検出電極17Bとの間に生じる。
1対の第2腕23の間においては、検出電極17A同士が接続され、また、検出電極17B同士が続されている。このような接続関係においては、1対の第2腕23がz軸方向において互いに同一側に撓み変形すると、互いに接続されている検出電極17においては互いに同一の極性の電位が生じる。ひいては、1対の第2腕23において生じた信号が加算される。
また、第1腕21と第2腕23との間においては、検出電極17Aと検出電極17Bとが接続されている。このような接続関係においては、第1腕21と第2腕23とがz軸方向において互いに逆側に撓み変形すると、互いに接続されている検出電極17においては互いに同一の極性の電位が生じる。ひいては、第1腕21および第2腕23において生じた信号が加算される。
(配線)
配線19は、例えば、上述したように励振電極15同士の接続および検出電極17同士の接続を担っている。また、配線19は、電位の観点から2組に分けられた励振電極15と、電位の観点から2組に分けられた検出電極17との合計4組の電極と、4つのパッド13とを接続している。
複数の配線19は、圧電体3の種々の部分の上面、下面および/または側面において適宜に配されることによって、その全体が圧電体3の表面に設けられる態様で、互いに短絡することなく、上述した接続を実現可能である。ただし、圧電体3上に位置する配線19の上を絶縁層を介して他の配線19が交差する、立体配線部が形成されても構わない。
(駆動回路および検出回路)
図3に示すように、角速度センサ51は、励振電極15に電圧を印加する駆動回路103と、検出電極17からの電気信号を検出する検出回路105とを有している。
駆動回路103は、例えば、4つのパッド13のうち2つを介して励振電極15に接続されている。駆動回路103は、例えば、発振回路や増幅器を含んで構成されており、所定の周波数の交流電圧を励振電極15Aと励振電極15Bとの間に印加する。なお、周波数は、角速度センサ51内にて予め定められていてもよいし、外部の機器等から指定されてもよい。
検出回路105は、例えば、4つのパッド13のうち2つを介して検出電極17に接続されている。検出回路105は、例えば、増幅器や検波回路を含んで構成されており、検出電極17Aと検出電極17Bとの電位差を検出し、その検出結果に応じた電気信号を外部の機器等に出力する。より具体的には、例えば、上記の電位差は、交流電圧として検出され、検出回路105は、検出した交流電圧の振幅に応じた信号を出力する。この振幅に基づいて角速度が特定される。また、検出回路105は、駆動回路103の印加電圧と検出した電気信号との位相差に応じた信号を出力する。この位相差に基づいて回転の向き(正負)が特定される。
なお、駆動回路103および検出回路105は、全体として制御回路107を構成している。制御回路107は、例えば、チップ型のIC(Integrated Circuit)によって構成されており、センサ素子1が実装される、回路基板又は適宜な形状の実装基体に実装されている。
(角速度センサの動作)
図4(a)および図4(b)は、圧電体3の励振を説明するための模式的な平面図である。これらの図では、検出腕9は、第1腕21および第2腕23の区別なく、その全体が1本の腕として模式的に示されている。
図4(a)および図4(b)は、励振電極15に印加されている交流電圧の位相が互いに180°ずれている。上述のように、駆動腕7Aおよび7Bは、励振電極15に交流電圧が印加されることによってx軸方向において互いに逆向きに変形するように互いに逆の位相で励振される。
このとき、図4(a)に示すように、1対の駆動腕7が互いにx軸方向の外側に撓むと、その曲げモーメントがフレーム5に伝わり、フレーム5はy軸方向の正側へ撓む。その結果、検出腕9がy軸方向の正側へ変位する。
逆に、図4(b)に示すように、1対の駆動腕7が互いにx軸方向の内側に撓むと、その曲げモーメントがフレーム5に伝わり、フレーム5はy軸方向の負側へ変位する。その結果、検出腕9がy軸方向の負側へ変位する。
従って、1対の駆動腕7が励振されることによって、検出腕9がy軸方向において振動(変位)することになる。
図4(c)および図4(d)は、コリオリの力による検出腕9の振動を説明するための模式的な斜視図である。ただし、これらの図では、図4(a)および図4(b)と同様に、検出腕9は、第1腕21および第2腕23の区別なく、その全体が1本の腕として模式的に示されている。また、この図では、駆動腕7およびフレーム5の変形については図示が省略されている。当該省略については、検出腕の振動を説明するための他の模式図においても同様である。
図4(c)および図4(d)は、図4(a)および図4(b)の状態に対応している。図4(a)および図4(b)を参照して説明した振動が生じている状態で、センサ素子1がx軸回りに回転されると、検出腕9は、y軸方向に振動(変位)していることから、コリオリの力によって回転軸(x軸)と振動方向(y軸方向)とに直交する方向(z軸方向)において振動(変形)する。
図5(a)および図5(b)は、コリオリの力による検出腕9の振動を図4(c)および図4(d)よりも詳細に説明するための模式的な斜視図である。これらの図では、第1腕21および第2腕23も模式的に示されている。
図5(a)および図5(b)は、図4(c)および図4(d)に対応している。図4(c)および図4(d)を参照して説明したように、検出腕9は、z軸方向においてコリオリの力を受ける。
その結果、第2腕23は、矢印y1で示すコリオリの力の方向へ曲がるように撓み変形する。また、このような撓み変形を第2腕23に生じさせる曲げモーメントは、矢印y2で示すように第2腕23と第1腕21との連結部を介して第1腕21に伝わり、第1腕21をコリオリの力の方向とは反対側へ曲がる撓み変形を生じさせるように第2腕23に作用する。従って、第1腕21と第2腕23とはz軸方向において互いに逆側に撓み変形することになる。
第1腕21および第2腕23それぞれにおけるz軸方向における撓み変形によって生じる信号(電圧)は、検出電極17によって取り出される。そして、第1腕21および第2腕23において生じた信号は加算される。この信号は、コリオリの力(ひいては検出される信号の電圧)は、角速度が大きいほど大きくなる。これにより、角速度が検出される。
以上のとおり、本実施形態では、センサ素子1は、圧電体3と、複数の励振電極15と、複数の検出電極17とを有している。圧電体3は、フレーム5(基部)、ならびにフレーム5から直交座標系xyzのxy平面に平行な所定平面内で延びている駆動腕7および検出腕9を有している。複数の励振電極15は、駆動腕7に位置している。複数の検出電極17は、検出腕9のz軸方向における曲げ変形により生じる信号を検出可能な配置で検出腕9に位置している。検出腕9は、第1腕21および第2腕23を有している。第1腕21は、フレーム5から前記所定平面内で延びている。第2腕23は、第1腕21の先端側部分に連結され、第1腕21の先端側からフレーム5側へ前記所定平面内で延びており、フレーム5側の端部が自由端とされている。
従って、例えば、フレーム5に逃げる振動エネルギーを低減することができる。具体的には、以下のとおりである。
図4(c)および図4(d)においては、検出腕9を1本の腕のように模式的に示した。ここで、実際に検出腕9が1本の腕によって構成されていると仮定する。この場合、図4(c)および図4(d)において矢印y3で示すように、検出腕9が受けるコリオリの力は、フレーム5に変形(本実施形態では捩り変形)を生じさせるモーメントとして作用する。その結果、例えば、検出腕9を振動させるエネルギーがフレーム5に逃げることになり、検出感度が低下する。
一方、検出腕9が第1腕21および第2腕23を有する場合においては、図5(a)および図5(b)を参照して説明したように、矢印y1で示すコリオリの力の方向とは逆の方向へ第2腕23を撓ませようとするモーメントが生じる。従って、この第2腕23におけるモーメントによって、上記のフレーム5に変形を生じさせるモーメントが低減される。その結果、例えば、検出腕9からフレーム5への振動エネルギーの漏れが低減され、検出感度が向上する。
また、本実施形態では、複数の検出電極17の少なくとも一部は、第2腕23に位置している。
ここで、第1腕21および第2腕23を比較すると、コリオリの力の方向と撓みの方向とが一致する第2腕23において撓みが大きくなりやすい。従って、少なくとも第2腕23に検出電極17を設けることによって、検出感度を高くすることができる。
また、本実施形態では、複数の検出電極17は、第1腕21および第2腕23に位置している。配線19は、第1腕21および第2腕23がz軸方向において互いに逆側へ曲がるときに互いに同一の極性の電位が生じるもの同士が接続される接続関係で第1腕21の複数の検出電極17と第2腕23の複数の検出電極17とを接続している。
従って、例えば、第1腕21および第2腕23のそれぞれにおいて圧電体の変形に伴う信号を検出し、これを合算することができる。その結果、例えば、第1腕21および第2腕23の一方のみに検出電極17を設けた態様(当該態様も本開示に係る技術に含まれる)に比較して検出感度が向上する。
また、本実施形態では、検出腕9は、1本のみの第1腕21と、第1腕21の側方両側に位置する2本のみの第2腕23と、を有している。
従って、例えば、検出腕9の質量を大きくしつつ、検出腕9の均衡が取られ易い。その結果、例えば、ノイズの混入を低減できる。また、例えば、1本の第1腕21の先端に第2腕23の2本分の質量が連結されるから、第2腕23から第1腕21へ加えられるモーメントが大きくなりやすい。その結果、例えば、フレーム5へ逃げる振動エネルギーを低減させやすい。
また、本実施形態では、基部(フレーム5)は、両端がx軸方向において互いに離れている長尺形状を有している。圧電体3は、x軸方向において互いに離れた位置にてフレーム5からy軸方向に互いに並列に延びている1対の駆動腕7を有している。第1腕21は、x軸方向にて1対の駆動腕7の間となる位置においてフレーム5からy軸方向に延びている。複数の励振電極15は、1対の駆動腕7をx軸方向に励振する電圧を印加可能な配置で設けられている。複数のパッド13は、フレーム5のうち1対の駆動腕7よりもx軸方向の両側の部分(被支持部5a)を支持可能に圧電体3に位置している。複数の配線19は、1対の駆動腕7をx軸方向において互いに逆側へ振動させる互いに逆の位相の電圧が複数の励振電極15から1対の駆動腕7に印加され接続関係で、複数の励振電極15を接続している。
従って、1対の駆動腕7の励振によってフレーム5を湾曲(振動)させ、検出腕9を変位(振動)させ、この変位している検出腕9に作用するコリオリの力によって角速度を検出するという新たな振動態様による検出が可能になる。
このような振動態様とは異なる他の振動態様としては、例えば、励振されている駆動腕にコリオリの力を作用させて振動させ、このコリオリの力による振動を検出腕に伝達するものが挙げられる。本実施形態の新たな振動態様では、そのような他の振動態様とは異なり、検出腕に直接的にコリオリの力が作用する。その結果、例えば、検出感度が向上する。なお、上記の他の振動態様も本開示の技術(第1腕および第2腕を有する検出腕)に適用されてよい。
また、他の振動態様として、例えば、駆動腕の振動方向(x軸方向)と同一方向において検出腕を曲げ変形(振動)させておき、この振動している検出腕にコリオリの力を作用させる態様が挙げられる。本実施形態の新たな振動態様では、そのような他の態様とは検出腕の振動方向が異なり、当該他の振動態様では角速度を検出できなかった回転軸(x軸)について角速度を検出することが可能となる。なお、上記の他の振動態様も本開示の技術(第1腕および第2腕を有する検出腕)に適用されてよい。
本実施形態における新たな振動態様では、フレーム5は、y軸方向への撓み変形が生じるように比較的細くされる。従って、フレーム5においては、駆動腕7および検出腕9に作用するコリオリの力によって捩り変形が生じやすい。しかし、本実施形態では、検出腕9が第1腕21および第2腕23を有することによる上述した作用によって、この捩り変形を低減することができる。その結果、例えば、振動エネルギーが圧電体3の内部に閉じ込められやすくなり、検出感度を向上させることができる。
また、本実施形態では、検出腕9は、1対の駆動腕7の間の中央に位置している。
上記の新たな振動態様において、フレーム5の撓み変形は、1対の駆動腕7の間の中央において大きくなりやすい。そのような位置に検出腕9が位置していることによって、検出腕9の振幅を大きくして検出感度を大きくすることができる。なお、他の振動態様として言及した、駆動腕の振動方向において検出腕を曲げ変形(振動)させておき、その振動している検出腕にコリオリの力を作用させる技術では、その原理上、例えば、1対の駆動腕の間の中央に対して線対称に1対の検出腕が配置されたり、音叉のように1本の駆動腕と1本の検出腕とが配置されたりする。
また、本実施形態では、圧電体3は、フレーム5から延び、電圧が印加されて振動する腕として、1対の駆動腕7のみを有している(後述するように1対の駆動腕7と並列に延びる他の駆動腕7を設けることも可能である。)。すなわち、フレーム5から駆動腕7とは反対側(図示の例ではy軸方向の負側)に延びる他の駆動腕は設けられていない。
従って、例えば、1対の駆動腕7によってフレーム5に確実に撓み変形を生じさせることができる。なお、1対の駆動腕の中央に検出腕を位置させる比較例(特許文献1参照)においては、例えば、フレーム5に相当する部分において本実施形態のような湾曲が生じないように、1対の駆動腕とは反対側へ延びる他の1対の駆動腕が設けられ、1対の駆動腕と同一の位相で他の1対の駆動腕が励振されている。
<第2実施形態>
図6は、第2実施形態に係るセンサ素子201の構成を示す、図1と同様の図である。
センサ素子201(圧電体203)は、検出腕の構成が第1実施形態のセンサ素子1(圧電体3)と相違する。また、当該相違に伴って、配線19による検出電極17の接続関係も相違する。その他の構成は、第1実施形態と同様である。具体的には、以下のとおりである。
本実施形態の検出腕209は、第1実施形態の検出腕9と同様に、フレーム5から延びる第1腕21と、第1腕21の先端側部分に連結され、第1腕21の先端側からフレーム5に延びる第2腕23とを有している。ただし、第1実施形態においては、1本の第1腕21と、2本の第2腕23とが設けられていたのに対して、本実施形態では、2本の第1腕21(21Aおよび21B)と、1本の第2腕23とが設けられている。
1対の第1腕21は、例えば、1対の駆動腕7の中央を通るy軸に平行な不図示の対称軸に対して線対称の位置および形状で設けられている。第2腕23は、例えば、その1対の第1腕21の間に位置して、1対の第1腕21の双方の先端側部分に連結されている。なお、このような第1腕21および第2腕23を有する検出腕209も、第1実施形態の検出腕9と同様に、1対の駆動腕7の間の中央に位置している検出腕の一例である。
第1腕21および第2腕23それぞれの構成、ならびにこれらを連結する連結部分の構成は、第1実施形態と同様でよい。もちろん、具体的な寸法は、第1腕21および第2腕23の本数および配置の相違に応じて第1実施形態と異なっていてもよい。
第1腕21および第2腕23それぞれにおける、複数の検出電極17の形状、配置および接続関係は、第1実施形態と同様でよい。ただし、本実施形態では、第1腕21が2本であることに対応して、2本の第1腕21の間において、検出電極17A同士が接続され、検出電極17B同士が接続されている。当該接続は、例えば、配線19によってなされている。なお、第1腕21と第2腕23との間においては、第1実施形態と同様に、配線19によって検出電極17Aと検出電極17Bとが接続されている。これらの2組に分けられた複数の検出電極17が配線19によって2つのパッド13に接続されていることも第1実施形態と同様である。
上記の構成の説明から明らかなように、センサ素子201および当該センサ素子201を含む角速度センサの動作は、基本的に、第1実施形態のセンサ素子201および角速度センサ51の動作と同様である。例えば、1対の駆動腕7のx軸方向における振動によって検出腕209がy軸方向に変位し、x軸回りの回転によって検出腕209にz軸方向のコリオリの力が作用する新たな振動態様が実現される。また、例えば、第2腕23は、コリオリの力の方向に曲がるように撓み変形し、第2腕23から第1腕21へは、コリオリの力の方向とは反対側へ第1腕21を曲げようとするモーメントが作用する。
以上のとおり、本実施形態においても、検出腕209は、第1腕21および第2腕23を有している。従って、第1実施形態と同様の効果が奏される。例えば、コリオリの力の方向とは逆側へ第1腕21を曲げようとするモーメントが第2腕23から第1腕21へ作用することによって、フレーム5に変形を生じさせようとするモーメント(図4の矢印y3参照)が低減される。
また、本実施形態では、検出腕209は、2本のみの第1腕21と、2本の第1腕21の間に位置する1本のみの第2腕23と、を有している。
従って、例えば、検出腕209の質量を大きくしつつ、検出腕209の均衡が取られ易い。その結果、例えば、ノイズの混入を低減できる。また、例えば、コリオリの力の方向とは逆側へ第1腕21を曲げようとするモーメントを、2本の第1腕21によって確実にフレーム5へ伝えつつ、応力集中が生じるおそれを低減することができる。
<第3実施形態>
(センサ素子)
図7(a)は、第3実施形態に係るセンサ素子301の構成を示す平面図である。ただし、この図では、センサ素子301の表面に設けられる導電層の図示は基本的に省略されている。
センサ素子301の圧電体303は、第1実施形態の圧電体3を2つ組み合わせたような形状となっている。すなわち、圧電体303は、2つのユニット304Aおよび304Bを有しており、各ユニット304は、フレーム5と、フレーム5からy軸方向に互いに並列に延びる少なくとも1対(本実施形態では2対)の駆動腕7(7C〜7J)および検出腕309(309Aおよび309B)とを有している。
2つのユニット304は、駆動腕7および検出腕309が延びる方向とは反対側同士を対向させるように配置され、共通の1対の実装部11に支持されている。2つのユニット304間の距離は、例えば、フレーム5Aおよび5Bが互いに接触しないように適宜に設定されてよい。2つのユニット304同士は、例えば、同一の形状および大きさ(x軸に平行な不図示の対称軸に対して線対称の形状および大きさ)である。
(駆動腕)
また、第1実施形態の圧電体3は、1本のフレーム5に対して1対の駆動腕7を有していたところ、圧電体303のユニット304は、1本のフレーム5に対して2対の駆動腕7を有している。後述するように(図8(a)および図8(b))、互いに隣接する2本の駆動腕7同士(7Cおよび7Dの2本、7Eおよび7Fの2本、7Gおよび7Hの2本、ならびに7Iおよび7Jの2本)は、互いにx軸方向の同一側へ共に曲がるように同一の位相で電圧が印加される。従って、互いに隣接する2本の駆動腕7は、第1実施形態の1本の駆動腕7に相当すると捉えられてよい。このように第1実施形態の駆動腕7を2本に分割することによって、例えば、駆動腕7の長さを短くしても駆動腕7全体としての質量を確保することができ、ひいては、小型化と検出感度の向上とを両立できる。
互いに隣接する2本の駆動腕7の間の中央の位置(または各駆動腕7の位置)は、例えば、第1実施形態において説明した駆動腕7の位置と同様とされてよい。互いに隣接する2本の駆動腕7の距離は、適宜に設定されてよい。互いに隣接する2本の駆動腕7の構成は、例えば、互いに同一である。ただし、互いに異なっていてもよい。圧電体303は、例えば、不図示の対称軸(検出腕9)に対して線対称の形状であり、複数の駆動腕7の形状および配置も線対称である。
(検出腕)
検出腕309は、第1実施形態の検出腕9と同様に、フレーム5から延びる第1腕321と、第1腕321の先端側部分に連結され、第1腕321の先端側からフレーム5側へ延びる第2腕323(323Aおよび323B)とを有している。ただし、第1腕321および第2腕323の少なくとも一方(本実施形態では双方)は、z軸方向に貫通し、各腕に沿って延びる1以上の貫通溝(符号省略)を有している。別の観点では、第1腕321および第2腕323それぞれは、互いに並列に延び、根元および先端において互いに連結されている複数の分割腕324を有している。
検出腕309、第1腕321および第2腕323の構成は、貫通溝が設けられていることを除いて、第1実施形態の検出腕9、第1腕21および第2腕23の構成と同様でよい。ただし、具体的な寸法等は、貫通溝が設けられていることに応じて第1実施形態と異なっていてもよい。
第1腕321および第2腕323それぞれにおける分割腕324の本数、幅、および間隔は、適宜に設定されてよい。複数の分割腕324の幅は、複数の分割腕324において互いに同一であってもよいし(図示の例)、異なっていてもよい。複数の分割腕324の間隔が複数存在する場合において、当該複数の間隔は、複数の分割腕324において互いに同一であってもよいし(図示の例における第1腕21)、異なっていてもよい。
(励振電極、検出電極および配線)
特に図示しないが、各駆動腕7においては、例えば、第1実施形態の駆動腕7と同様に、2つの励振電極15Aおよび2つの励振電極15Bが設けられている。各駆動腕7における励振電極15の配線19による接続関係も第1実施形態と同様である。
互いに隣接する2本の駆動腕7は、第1実施形態の1本の駆動腕7に相当し、互いに同一位相で電圧が印加されるものであるから、この2本の駆動腕7間においては、励振電極15A同士が同電位とされ、励振電極15B同士が同電位とされる。
各ユニット304において、検出腕309を挟んで線対称に配置される2本の駆動腕7は、第1実施形態の1対の駆動腕7に相当するから、この2本の駆動腕7間においては、励振電極15Aと励振電極15Bとが同電位とされる。
2つのユニット304に着目すると、検出腕9に対してx軸方向の同一側に位置する駆動腕7(7C、7D、7Gおよび7H、または7E、7F、7Iおよび7J)において、励振電極15A同士が同一の電位とされ、励振電極15B同士が同一の電位とされる。従って、複数の励振電極15に交流電圧が印加されると、検出腕9に対してx軸方向の同一側に位置する駆動腕7は、x軸方向において互いに同一側に曲がるように振動する。
同電位となるべき励振電極15同士は、例えば、配線19によって互いに接続されている。そして、2組に分けられた全ての励振電極15は、配線19を介して4つのパッド13のうち2つに接続され、ひいては、駆動回路103に接続されている。
図7(b)は、図7(a)のVIIb−VIIb線における断面図である。
検出腕309においては、第1実施形態の第1腕21および第2腕23のそれぞれにおける検出電極17の配置と同様の配置で、各分割腕324に検出電極17が設けられている。すなわち、検出電極17Aは、各分割腕324において、−xの側面の+zの領域および+xの側面の−zの領域に設けられている。検出電極17Bは、各分割腕324において、−xの側面の−zの領域および+xの側面の+zの領域に設けられている。
特に図示しないが、各分割腕324における検出電極17の接続関係は、第1実施形態の第1腕21および第2腕23のそれぞれにおける検出電極17の接続関係と同様である。すなわち、検出電極17A同士が接続され、検出電極17B同士が接続されている。これにより、各分割腕324は、第1腕21および第2腕23等と同様に、z軸方向への曲げ変形に応じた信号を出力可能である。
また、特に図示しないが、第1腕321は、複数の分割腕324を含む全体が第1実施形態の第1腕21と同様に機能するように複数の検出電極17が接続される。すなわち、複数の分割腕324間において、検出電極17A同士が接続され、検出電極17B同士が接続されている。第2腕323についても同様である。
各検出腕309において、第1腕321および第2腕323は、第1実施形態の第1腕21および第2腕23に相当するから、特に図示しないが、第1腕321および第2腕323の間においては、検出電極17Aと検出電極17Bとが接続されている。すなわち、第1腕321および第2腕323は、z軸方向において互いに逆側に曲がるように撓み変形したときに検出信号が加算される。
検出腕309Aと検出腕309Bとの間においては、検出電極17Aと検出電極17Bとが接続される。このような接続関係においては、検出腕309Aおよび309Bがz軸方向の互いに逆側にコリオリの力を受けて撓み変形するときに、両者において生じる信号が加算される。
複数の検出電極17の接続は、例えば、配線19によってなされている。2組に分けられた全ての検出電極17は、配線19によって4つのパッド13のうち2つに接続されており、ひいては、検出回路105に接続されている。
(角速度センサの動作)
図8(a)および図8(b)は、圧電体303の励振状態を示す模式的な平面図であり、第1実施形態の図4(a)および図4(b)に対応している。これらの図において、検出腕309は、説明の便宜上、1本の腕のように模式的に示されている。
各ユニット304における励振は、第1実施形態における圧電体3の励振と基本的に同様である。ただし、既述のように、各ユニット304においては、互いに隣接する2本の駆動腕7は、互いに同一側に共に曲がるように同一の位相で電圧が印加され、圧電体3の1本の駆動腕7に相当する。
2つのユニット304に着目すると、上記のように検出腕9に対してx軸方向の同一側(正側または負側)に位置する駆動腕7において、励振電極15A同士が接続され、励振電極15B同士が接続されているから、当該同一側に位置する駆動腕7同士は、同一の位相で電圧が印加され、x軸方向の同一側に曲がる。従って、フレーム5Aおよび5Bは、互いに逆側へ撓む。また、検出腕9Aおよび9Bは、互いに逆側へ変位する。
図8(c)および図8(d)は、センサ素子301における、コリオリの力による検出腕309の振動を説明するための模式的な斜視図であり、図8(a)および図8(b)の状態に対応している。ここでも、検出腕309は、説明の便宜上、1本の腕のように模式的に示されている。
図8(a)および図8(b)を参照して説明した振動が生じている状態で、センサ素子301がx軸回りに回転されると、各ユニット304においては、第1実施形態と同様に、コリオリの力によって検出腕309がz軸方向に振動する。このとき、検出腕309Aおよび309Bは、y軸方向において互いに逆側へ変位する位相で振動しているから、x軸回りの回転方向に対して同一側にコリオリの力を受ける。別の観点では、検出腕309Aおよび309Bは、z軸方向において互いに逆側へ曲がるように振動する。
そして、各検出腕309の変形によって生じる信号(電圧)は、検出電極17によって取り出される。1対の検出腕309において取り出された信号は、加算されてパッド13から出力される。
以上のとおり、第3実施形態に係るセンサ素子301は、第1実施形態のセンサ素子1に相当するユニット304を含むものである。従って、第1実施形態と同様の効果が奏される。例えば、コリオリの力の方向とは逆側へ第1腕321を曲げようとするモーメントが第2腕323から第1腕321へ作用することによって、フレーム5に捩り変形を生じさせようとするモーメント(図4の矢印y3参照)が低減される。
また、本実施形態では、圧電体303は、フレーム5、(少なくとも)1対の駆動腕7および検出腕309の組み合わせを、フレーム5の1対の駆動腕7が延び出る側とは反対側を互いに対向させて2組有している(2つのユニット304を有している。)。
従って、例えば、2つの検出腕309において検出された信号を加算することによって検出感度を向上させることができる。また、例えば、第1実施形態では、1対の実装部11の間かつy軸方向の負側の領域がデッドスペースになっているが、このようなスペースの有効利用が図られる。その結果、感度向上と小型化との両立が図られる。
<第4実施形態>
図9は、第4実施形態に係る角速度センサ451の構成(特にセンサ素子401)を示す斜視図である。ただし、この図では、センサ素子401の表面に設けられる導電層の図示は基本的に省略されている。
センサ素子401は、第3実施形態のセンサ素子301と同様に、第1実施形態のセンサ素子1を2つ有するものと捉えることが可能である。ただし、センサ素子301は、センサ素子1(ユニット304)の、駆動腕7が延び出る側とは反対側同士を対向させた構成に相当したのに対して、センサ素子401は、センサ素子1の、駆動腕7が延び出る側同士を対向させた構成に相当する。また、センサ素子401では、実装部11は設けられていない。センサ素子401(角速度センサ51)の構成は、具体的には、以下のとおりである。
角速度センサ451は、例えば、センサ素子401と、センサ素子401を支持する複数(図示の例では4つ)の端子402とを有している。センサ素子401は、圧電体403を有している。
(圧電体の形状)
圧電体403の材料および分極方向は第1実施形態の圧電体3と同様である。また、圧電体403は、例えば、圧電体3と同様に、全体が一体的に形成されており、その厚さ(z軸方向)は一定である。また、圧電体403は、例えば、y軸に平行な不図示の対称軸に対して線対称の形状、かつx軸に平行な不図示の対称軸に対して線対称に形成されている。
圧電体3は、例えば、1対のフレーム5(5Aおよび5B)と、1対のフレーム5に架け渡された1対の駆動腕407(407Aおよび407B)と、1対のフレーム5から延びている1対の検出腕9(9Aおよび9B)とを有している。
1対のフレーム5は、y軸方向において互いに対向している。各フレーム5の構成は、第1実施形態と同様でよい。フレーム5の撓み変形の固有振動数が、駆動腕407の、電圧印加によって励振される方向における固有振動数、および/または検出腕9の、コリオリの力によって振動する方向における固有振動数に近づくように調整されてよいことも第1実施形態と同様である。
1対の駆動腕407は、1対のフレーム5に架け渡され、x軸方向において互いに対向している。従って、1対のフレーム5および1対の駆動腕407は、全体として開口を囲む枠形状(環形状)を構成している。各駆動腕407は、例えば、y軸方向に直線状に延びる長尺状とされている。1対のフレーム5と1対の駆動腕407とは、例えば、互いの両端同士において接続されており、矩形を構成している。
なお、各駆動腕407は、第1実施形態の駆動腕7を縦に連結したものと捉えることができる。すなわち、フレーム5Aから延びる駆動腕7Kおよび7Lは、駆動腕7Aおよび7Bに対応し、同様に、フレーム5Bから延びる駆動腕7Mおよび7Nは、駆動腕7Aおよび7Bに対応すると捉えることができる。そして、駆動腕7Kの先端と駆動腕7Mの先端とが連結され、駆動腕7Lの先端と駆動腕7Nの先端とが連結されている。
各駆動腕7の構成は、第1実施形態と同様でよい。また、図示のように、駆動腕7の先端同士の連結部は、駆動腕7よりも幅が広い幅広部407dとされている。なお、このような幅広部407dは設けられなくてもよい。
1対の検出腕9は、例えば、1対のフレーム5の内側(1対のフレーム5の間)に位置している。各検出腕9の構成は、第1実施形態と同様でよい。
(パッドおよび端子)
複数の端子402は、センサ素子401を不図示の実装基体(例えばパッケージの一部または回路基板)に実装するためのものである。複数の端子402は、例えば、複数の端子402とセンサ素子401との接合位置の平行移動および/または回転移動を許容し、ひいては、後述する圧電体403の振動を許容可能に、センサ素子401を弾性支持するように構成されている。図示の例では、端子402は、厚さおよび幅が比較的小さく、また、適宜な屈曲部を有する長尺状の板金によって構成されている。
センサ素子401は、例えば、その下面を不図示の実装基体に対向させて配置される。複数の端子402は、例えば、一端側部分が圧電体403の表面(例えば下面)に設けられた複数のパッド13と接合され、他端側部分が不図示の実装基体のパッドに接合される。これにより、センサ素子401と実装基体との電気的な接続がなされ、また、センサ素子401(圧電体403)は、振動可能な状態で支持される。
複数のパッド13の圧電体403における位置は、適宜に設定されてよい。図示の例では、1対のフレーム(2辺)に4つのパッド13が設けられている態様を図示している。この他、例えば、1対の駆動腕407(2辺)に4つのパッド13が設けられたり、1対のフレーム5および1対の駆動腕407(4辺)に4つのパッド13が設けられたり、1対のフレーム5および1対の駆動腕407がなす4つの角部に4つのパッド13が設けられたりしてもよい。
(励振電極、検出電極および配線)
上述のように、駆動腕7Kおよび7Lは、第1実施形態の駆動腕7Aおよび7Bに相当するものである。従って、特に図示しないが、駆動腕7Kおよび7Lにおいては、第1実施形態の駆動腕7Aおよび7Bと同様に、複数の励振電極15が配置され、また接続されている。駆動腕7Mおよび7Nについても同様である。
各駆動腕407に着目すると、互いに先端が連結された2つの駆動腕7(7Kおよび7M、または7Lまたは7N)の間においては、励振電極15A同士が同電位とされ、励振電極15B同士が同電位とされる。従って、複数の励振電極15に交流電圧が印加されると、各駆動腕407において、2つの駆動腕7は、x軸方向の互いに同一側に曲がるように撓み変形する。
特に図示しないが、各駆動腕407においてその長手方向の概ね全体に亘って(2つの駆動腕7の区別なく)、1対の励振電極15Aおよび/または1対の励振電極15Bが設けられてもよい。例えば、1本の駆動腕407につき4つの励振電極15が設けられてもよい。特に、幅広部407dが設けられない態様においては、このような各駆動腕407の長手方向全体に亘る励振電極15の形成が容易である。
上記から理解されるように、励振電極15の説明において、励振電極15が駆動腕407内において駆動腕7毎に設けられているか否かを区別する必要は必ずしもない。以下では、駆動腕7毎に1対の励振電極15Aおよび1対の励振電極15Bが設けられていても、1本の駆動腕407に1対の励振電極15Aおよび1対の励振電極15Bが設けられていると表現することがある。
同電位となるべき励振電極15同士は、例えば、配線19によって互いに接続されている。そして、2組に分けられた全ての励振電極15は、配線19を介して4つのパッド13のうち2つに接続され、ひいては、駆動回路103に接続されている。
各検出腕9(9Aおよび9B)は、第1実施形態の検出腕9と同様のものである。従って、各検出腕9における検出電極17の配置および接続関係は、第1実施形態と同様である。
1対の検出腕9の間においては、第3実施形態と同様に、検出電極17Aと検出電極17Bとが接続されている。従って、1対の検出腕9がz軸方向に関して互いに逆側に変形するように振動したときに、両者において生じた信号が加算される。
複数の検出電極17の接続は、例えば、配線19によってなされている。2組に分けられた全ての検出電極17は、配線19によって4つのパッド13のうち2つに接続されており、ひいては、検出回路105に接続されている。
(角速度センサの動作)
図10(a)および図10(b)は、圧電体403の励振を説明するための模式的な平面図である。これらの図では、各検出腕9は、第1腕21および第2腕23の区別なく、その全体が1本の腕として模式的に示されている。図10(a)および図10(b)は、励振電極15に印加されている交流電圧の位相が互いに180°ずれている。
1対の駆動腕407の間においては、励振電極15Aと励振電極15Bとが同電位とされているから、励振電極15に交流電圧が印加されると、1対の駆動腕407は、x軸方向において互いに逆側に撓み変形するように互いに逆の位相で励振される。
このとき、図10(a)に示すように、1対の駆動腕7がx軸方向において1対の駆動腕7の内側に撓むと、その曲げモーメントが1対のフレーム5に伝わり、1対のフレーム5はy軸方向において1対のフレーム5の外側へ撓む。その結果、1対の検出腕9が1対のy軸方向において1対のフレーム5の外側へ変位する。
逆に、図10(b)に示すように、1対の駆動腕7がx軸方向において1対の駆動腕7の外側に撓むと、その曲げモーメントが1対のフレーム5に伝わり、1対のフレーム5はy軸方向において1対のフレーム5の内側へ撓む。その結果、1対の検出腕9が1対のy軸方向において1対のフレーム5の内側へ変位する。
従って、1対の駆動腕7が励振されることによって、1対の検出腕9がy軸方向において振動することになる。なお、第1実施形態では、駆動腕7は、片持ち梁状であったことから、x軸方向において、曲がった側に先端(自由端)が変位したが、本実施形態では、駆動腕407は、両端支持の梁状であることから、x軸方向において曲がった側とは反対側に中央部が変位する。また、駆動腕7の曲がる方向とフレーム5の曲がる方向との関係も、本実施形態は第1実施形態とは逆である。
図10(c)および図10(d)は、コリオリの力による1対の検出腕9の振動を説明するための模式的な斜視図である。これらの図では、検出腕9は、第1腕21および第2腕23の区別なく、その全体が1本の腕として模式的に示されている。図10(c)および図10(d)は、図10(a)および図10(b)の状態に対応している。
図10(a)および図10(b)を参照して説明したように圧電体403が振動している状態で、センサ素子1がx軸回りに回転されると、1対の検出腕9は、y軸方向に振動(変位)していることから、コリオリの力によって回転軸(x軸)と振動方向(y軸)とに直交する方向(z軸方向)において振動(変形)する。
また、1対の検出腕9は、y軸方向において互いに逆側に変位するように振動していることから、コリオリの力によってx軸回りの回転方向に関して互いに同一側へ変位する。別の観点では、1対の検出腕9は、z軸方向において互いに逆側に変位する。
そして、各検出腕9の変形によって生じる信号(電圧)は、検出電極17によって取り出される。1対の検出腕9において取り出された信号は、加算されてパッド13から出力される。
以上のとおり、第3実施形態においても、センサ素子401は、第1腕21および第2腕23を含む検出腕9を有している。従って、第1実施形態と同様の効果が奏される。例えば、コリオリの力の方向とは逆側へ第1腕21を曲げようとするモーメントが第2腕23から第1腕21へ作用することによって、フレーム5に変形を生じさせようとするモーメント(図4の矢印y3参照)が低減される。
また、本実施形態では、圧電体403は、1対のフレーム5と、1対の駆動腕407と、1対の検出腕9とを有している。1対のフレーム5は、両端がx軸方向において離れている長尺形状を有し、y軸方向において互いに対向している。1対の駆動腕407は、それぞれ1対のフレーム5の間に架け渡され、x軸方向において互いに対向している。1対の検出腕9は、x軸方向において1対の駆動腕407の間となる位置にて1対のフレーム5からy軸方向に延びている。複数の励振電極15は、1対の駆動腕407をx軸方向に励振する電圧を印加可能な配置で設けられている。配線19は、1対の駆動腕407をx軸方向において互いに逆側へ振動させる互いに逆の位相の電圧が複数の励振電極15から1対の駆動腕407に印加される接続関係で複数の励振電極15を接続している。
従って、第1〜第3実施形態と同様に、1対の駆動腕407の励振によってフレーム5を湾曲(振動)させ、検出腕9を変位(振動)させ、この変位している検出腕9に作用するコリオリの力によって角速度を検出するという新たな振動態様による検出が可能になる。
また、第1〜第3実施形態と比較すると、本実施形態では、1対の駆動腕407それぞれの両端が1対のフレーム5に接続され、各フレーム5に検出腕9が設けられていることから、1対の駆動腕407の振動が効率的に1対の検出腕9に伝わる。その結果、例えば、検出感度が向上する。
また、本実施形態では、1対の検出腕9は、1対のフレーム5の内側へ延びている。
すなわち、1対の検出腕9は、1対のフレーム5および1対の駆動腕407によって構成される開口内に位置する。従って、例えば、検出腕9が1対のフレーム5の外側へ延びる態様(当該態様も本開示に含まれる)に比較して、センサ素子1の小型化が図られる。
<多軸角速度センサ>
(全体構成)
図11は、上述した角速度センサを含む多軸角速度センサ550の構成を示す平面図である。
多軸角速度センサ550は、例えば、x軸回りの角速度を検出するx軸センサ351と、y軸回りの角速度を検出するy軸センサ651と、z軸回りの角速度を検出するz軸センサ751とを有している。なお、図示の例では、x軸センサ351として第3実施形態に係る角速度センサを示しているが、x軸センサ351は、上述した他の実施形態の角速度センサとされてもよい。
x軸センサ351は、例えば、センサ素子301と、センサ素子301に電圧を印加する駆動回路103(図3)と、センサ素子301から信号を検出する検出回路105(図3)とを有している。これらの構成および動作については既に述べたとおりである。
y軸センサ651は、例えば、センサ素子601と、センサ素子601に電圧を印加する駆動回路103(図3)と、センサ素子601から信号を検出する検出回路105(図3)とを有している。
y軸センサ651は、例えば、x軸センサ351と同様に、圧電振動式のものである。センサ素子601は、圧電体603を有している。圧電体603は、例えば、基部605と、基部605に支持されている1以上の駆動腕7(7O〜7R)および1以上の検出腕609(609Aおよび609B)と、基部605を支持する1対の実装部11とを有している。
z軸センサ751は、例えば、センサ素子701と、センサ素子701に電圧を印加する駆動回路103(図3)と、センサ素子701から信号を検出する検出回路105(図3)とを有している。
z軸センサ751は、例えば、x軸センサ351と同様に、圧電振動式のものである。センサ素子701は、圧電体703を有している。圧電体703は、例えば、x軸センサ351の圧電体303において、検出腕309Aおよび309Bに代えて、検出腕609Cおよび609Dを設けたものである。
y軸センサ651およびz軸センサ751の検出腕609は、検出腕9とは異なり、第1腕21および第2腕23を有さないものである。すなわち、検出腕609は、基部605から一方向へ延びる形状である。
センサ素子301、センサ素子601およびセンサ素子701は、例えば、x軸方向に配列されている。なお、3つのセンサ素子の並び順は図示以外のものであってもよい。これらのセンサ素子の圧電体は、例えば、一体的に形成されて互いに固定されている。すなわち、多軸角速度センサ550は、センサ素子301の圧電体303、センサ素子601の圧電体603およびセンサ素子701の圧電体703を含む圧電体502を有している。具体的には、例えば、これらの圧電体は、隣り合うもの同士で実装部11を共用するように固定されており、圧電体502は、合計で4つの実装部11を有している。
互いに隣り合う2つのセンサ素子の圧電体に共用される実装部11には、貫通孔11aが形成されている。貫通孔11aは、例えば、z軸方向に貫通し、概ね一定の幅でy軸方向(実装部11に沿う方向)に延びるスリット状である。パッド13は、例えば、貫通孔11aに対してy軸方向の外側に位置している。貫通孔11aが形成されていることによって、例えば、センサ素子同士の振動の相互影響が緩和される。
x軸センサ351、y軸センサ651およびz軸センサ751において、駆動回路103は共用されてよい。別の観点では、これら3つの角速度センサの圧電体を励振するときの周波数は同一とされてよい。このとき、励振用の1対のパッド13は、3つの角速度センサにおいて共用されてよい。従って、多軸角速度センサ550は、励振用の2つのパッド13と、各角速度センサにおける検出用の2つのパッド13とを含む、合計8つのパッド13を含んでいればよい。図示の例では、8つのパッド13は、上述のように共用化された4つの実装部11それぞれの端部に設けられている。なお、駆動回路103は、3つの角速度センサの一部または全部において共用されなくてもよく、この場合において、8つを超えるパッド13が実装部11の適宜な位置に設けられてよい。また、この場合において、3つの角速度センサの圧電体を励振するときの周波数は、互いに異なっていてもよいし、互いに同一であってもよい。
(y軸センサ)
y軸センサ651は、公知のものを含め、種々の構成とされてよく、以下では、その一例について説明する。
圧電体603は、基部605と、4本(2対)の駆動腕7O、7P、7Qおよび7Rと、2本の検出腕609Aおよび609Bとを有している。4本の駆動腕7は、基部605からy軸方向の一方側(図示の例では正側)に延びており、また、y軸に平行な不図示の対称軸に対して線対称に構成されている。2本の検出腕609は、基部605から駆動腕7とは反対側へ延びている。
図12(a)および図12(b)は、圧電体603の励振状態を説明するための模式的な平面図である。
4本の駆動腕7O、7P、7Qおよび7Rは、例えば、第3実施形態の駆動腕7C、7D、7Eおよび7Fと同様に、x軸方向の同一側(正側または負側)に位置する2本同士がx軸方向において互いに同一側へ曲がり、かつx軸方向の正側に位置する2本とx軸方向の負側に位置する2本とがx軸方向において互いに逆側へ曲がるように励振される。なお、この駆動腕7の振動によって、基部605は湾曲する必要はなく、また、検出腕609Aおよび609Bは振動する必要はない。
上記の動作から理解されるように、圧電体603の励振電極15の配置および接続は、第3実施形態と同様でよい。そして、2組に分けられた全ての励振電極15は、配線19により2つのパッド13に接続されており、ひいては、駆動回路103に接続されている。
図12(c)および図12(d)は、圧電体603のコリオリの力による振動を説明するための模式的な斜視図である。
上記のように駆動腕7が振動されている状態で、圧電体603がy軸回りに回転されると、駆動腕7には、振動方向(x軸方向)および回転軸(y軸)に直交する方向(z軸方向)にコリオリの力が作用する。その結果、駆動腕7は、z軸方向において撓み変形するように振動する。x軸方向の負側に位置する駆動腕7Oおよび7Pと、x軸方向の正側に位置する駆動腕7Qおよび7Rとは、x軸方向において互いに逆側に振動していることから、回転軸回り(y軸回り)において同一側へ曲がるように振動する。すなわち、両者は、z軸方向において互いに逆側へ曲がるように振動する。
この駆動腕7のz軸方向における振動は、基部605を介して検出腕609Aおよび609Bに伝わる。そして、検出腕609は、x軸方向において同一側に位置する駆動腕7とはz軸方向の逆側へ曲がるように振動する。また、2つの検出腕609は、z軸方向において互いに逆側へ曲がるように振動する。
このような検出腕609に生じる信号を取り出すために、例えば、各検出腕609においては、第1実施形態の第1腕21または第2腕23に設けられた検出電極17(図3)が設けられる。各検出腕609における検出電極17の配置および接続関係は、第1腕21または第2腕23におけるものと同様である。また、互いに逆側へ曲がる2つの検出腕609の信号を加算するために、2つの検出腕609間においては、検出電極17Aと検出電極17Bとが配線19によって接続されている。そして、2組に分けられた全ての検出電極17は、配線19によって2つのパッド13に接続されており、ひいては、検出回路105に接続されている。
y軸センサは、上記の構成の他、例えば、特開2015−99130に開示されている8本の駆動腕と2本の検出腕とを有するもの、1本の駆動腕と1本の検出腕とを有する音叉状のもの、y軸方向の同一側に延びる1対の駆動腕と1対の検出腕とを有するものなど、種々の構成のものとされてよい。実装部を有さず、基部において実装されるものであってもよい。
(z軸センサ)
z軸センサ751は、例えば、x軸センサ351と同様に、駆動腕7のx軸方向における振動によってフレーム5をy軸方向に撓み変形させ、これにより検出腕609をy軸方向に振動(変位)させる新たな振動態様を利用するものである。従って、z軸センサ751において、励振電極15の配置および接続関係は、x軸センサ351と同様でよい。
図13(a)および図13(b)は、コリオリの力による検出腕609の振動を説明するための模式的な平面図である。図13(a)および図13(b)は、図8(a)および図8(b)の状態に対応している。
図8(a)および図8(b)を参照して説明した振動が生じている状態で、センサ素子701がz軸回りに回転されると、検出腕609は、y軸方向に振動(変位)していることから、コリオリの力によって回転軸(z軸)と振動方向(y軸方向)とに直交する方向(x軸方向)において振動(変形)する。また、1対の検出腕609は、y軸方向において互いに逆側に変位する位相で振動しているから、z軸回りの回転方向に対して同一側にコリオリの力を受ける。別の観点では、検出腕609Aおよび609Bは、x軸方向において互いに逆側へ曲がるように振動する。
このような検出腕609に生じる信号を取り出すために、例えば、各検出腕609においては、特に図示しないが、第1実施形態の励振電極15(図3)と同様の配置および接続関係の検出電極が設けられる。また、互いに逆側へ曲がる2つの検出腕609の信号を加算するために、2つの検出腕609間においては、励振電極15Aと同様の配置の検出電極と、励振電極15Bと同様の配置の検出電極とが配線19によって接続される。そして、2組に分けられた全ての検出電極は、配線19によって2つのパッド13に接続されており、ひいては、検出回路105に接続されている。
なお、図示のz軸センサ751は、第3実施形態のセンサをベースとしているが、他の実施形態のセンサをベースとしてもよい。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
センサ素子(角速度センサ)は、検出腕に直交する軸回り(x軸回り)の回転を検出するものに限定されない。センサ素子は、第1腕および第2腕を包含する平面(xy平面に平行な平面)に対して交差する方向にコリオリの力が生じるものであればよい。例えば、図11および図12を参照して説明したy軸センサ651において、検出腕609に代えて、第1腕21および第2腕23を有する検出腕9が設けられてもよい。
また、実施形態の説明においても言及したように、センサ素子は、基部(フレーム5)を撓み変形させる新たな振動態様を利用するものに限定されないし、捩り変形が生じやすい長尺状の基部を有するものにも限定されない。どのような振動態様および基部の形状であっても、実施形態と同様の効果(基部へ逃げる振動エネルギーの低減)または他の効果が奏される。
実施形態では、1本のフレーム5(基部)からy軸方向の一方側にのみ検出腕が延び、検出腕に作用するコリオリの力によって基部に捩り変形を生じさせようとするモーメントが加えられるセンサ素子を例示した。ただし、センサ素子は、一つの基部からy軸方向の双方に検出腕が延びることなどにより、上記のようなモーメントが基部に加えられない態様とされてもよい。
例えば、第1実施形態において、同一のフレーム5からy軸方向の両側へ、1対の駆動腕7および1つの検出腕9が延び、合計で4本の駆動腕7および2本の検出腕9が設けられてもよい。そして、y軸方向の正側の1対の駆動腕7と、y軸方向の負側の1対の駆動腕7との位相を180°異ならせてもよい。この場合、2つの検出腕9は、y軸方向に互いに同一側に振動する。そして、センサ素子がx軸回りに回転すると、コリオリの力は、2つの検出腕9に対してz軸方向の同一側に作用する。
また、例えば、第4実施形態(図9)において、検出腕9を1対のフレーム5の内側だけでなく、外側にも設けるようにしてもよい(合計4本の検出腕9を設けてもよい。)。この場合、センサ素子がx軸回りに回転すると、コリオリの力は、1本のフレーム5に対してy軸方向の両側に位置する2つの検出腕9に対してz軸方向の同一側に作用する。
検出腕は、1対の駆動腕の間の中央に設けられるものに限定されない。このことは、既に言及したように第1腕および第2腕を有する検出腕がy軸センサに適用されてよいこと、y軸センサとして、音叉型のもの、偶数本の検出腕が線対称に配置されたもの等が知られていることからも明らかである。
検出腕において、第1腕および第2腕の数は、適宜に設定されてよい。例えば、検出腕は、1本のみの第1腕と、1本のみの第2腕とを有していてもよい。別の観点では、1本の検出腕は、線対称の形状でなくてもよい。なお、例えば、偶数本の検出腕が線対称に設けられる場合においては、1本の検出腕が線対称の形状でなくても、センサ素子全体としての対称性は確保される。
実施形態では、第2腕から第1腕へ作用するモーメントによって第1腕がコリオリの力の方向とは逆側へ曲がる態様を例示した。ただし、第1腕は、第2腕からコリオリの力の方向とは逆側へ曲がるモーメントを受けつつも、第1腕に直接的に作用するコリオリの力などによって、コリオリの力の方向に曲がってもよい。この場合であっても、例えば、基部へ伝わる振動エネルギーが低減される効果が奏されることに変わりはない。なお、第1腕がコリオリの力の方向に対して曲がる方向は、例えば、第1腕および第2腕の質量を調整することによって設定可能である。例えば、第2腕の質量を相対的に大きくすれば実施形態のような動作となる。
駆動腕および検出腕は、互いに平行でなくてもよい。また、第1腕および第2腕も、互いに平行でなくてもよい。すなわち、第1腕と第2腕とは互いに傾斜していてもよい。検出電極は、第1腕および第2腕の一方にのみ設けられていてもよい。
複数の実施形態は、適宜に組み合わされてよい。例えば、第3実施形態の互いに隣接する2以上の駆動腕(例えば7Cおよび7D)が1本の駆動腕のように同一位相で励振される構成は、第1実施形態または第2実施形態に適用されてもよい。また、例えば、第3実施形態の第1腕および/または第2腕に溝を形成する構成は、第1、第2または第4実施形態に適用されてもよい。第3または第4実施形態の検出腕は、第1実施形態のように1本の第1腕と2本の第2腕とを有するものではなく、第2実施形態のように2本の第1腕と1本の第2腕とを有するものとされてもよい。
実施形態において説明した新たな振動態様を利用する場合において、1本のフレームから延びる駆動腕の本数と検出腕の本数との組み合わせは適宜である。例えば、1対の駆動腕に対して、y軸方向の正側に延びる検出腕と、y軸方向の負側に延びる検出腕とが設けられてもよい。また、1対の駆動腕の間に、互いに並列に延びる2本以上の検出腕が設けられてもよい。
第1〜第3実施形態において、圧電体は、実施形態に示したようなy軸方向に延びる実装部を有していなくてもよい。例えば、フレームの両端において複数のパッドが設けられて実装されてもよい。すなわち、フレームのうちパッドが設けられる部分が被支持部とされてもよい。
また、第1〜第3実施形態において、圧電体は、y軸方向の一方側に延びる(少なくとも)1対の駆動腕、およびy軸方向の他方側に位置する1本の検出腕のみを有する構成(2つ又のフォークのような形状)であってもよい。すなわち、1対の駆動腕と、検出腕とは、同一方向に(並列に)延びている必要はない。また、第4実施形態においても、1対のフレームの外側に位置する検出腕のみが設けられてもよい。
第3実施形態(図7)では、2つのユニット304のフレーム5側同士を対向させた。しかし、これとは逆に、2つのユニット304のフレーム5とは反対側同士を対向させ、この2つのユニット304を1対の実装部11で支持してもよい。また、第3実施形態では、2つのユニット304は、互いに同一の位相で励振されたが、互いに逆の位相で励振されてもよい。また、第3実施形態のように2つのユニット304のフレーム5同士を対向させる場合において、2つのフレーム5は、それぞれ環形状の一部によって構成され、環形状の端部が直接または間接に実装部11に連結されてもよい。
第4実施形態(図9)では、1対のフレームおよび1対の駆動腕は、矩形を構成したが、6角形または8角形などの他の環形状を構成してもよい。
センサ素子または角速度センサは、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の一部として構成されてよい。この場合において、MEMSの基板上にセンサ素子を構成する圧電体が実装されてもよいし、MEMSの基板が圧電体によって構成されており、その一部によってセンサ素子の圧電体が構成されてもよい。
多軸角速度センサは、x軸センサ、y軸センサおよびz軸センサのうちいずれか2つのみを有するものであってもよい。実施形態では、3つの角速度センサの圧電体は、x軸方向に配列されたが、y軸方向に配列されたり、L字に配列されたりしてもよい。また、3つの角速度センサの圧電体は、2つのみが互いに固定されたり、全てが別個に形成されて同一のパッケージ乃至は基板に実装されたりしてもよい。
1…センサ素子、3…圧電体、5…フレーム(基部)、7…駆動腕、9…検出腕、153…励振電極、17…検出電極、21…第1腕、23…第2腕。

Claims (13)

  1. 基部、ならびに前記基部から直交座標系xyzのxy平面に平行な所定平面内で延びている駆動腕および検出腕を有している圧電体と、
    前記駆動腕に位置している複数の励振電極と、
    前記検出腕のz軸方向における曲げ変形により生じる信号を検出可能な配置で前記検出腕に位置している複数の検出電極と、
    を有しており、
    前記検出腕は、
    前記基部から前記所定平面内で延びている第1腕と、
    前記第1腕の先端側部分に連結され、前記第1腕の先端側から前記基部側へ前記所定平面内で延びており、前記基部側の端部が自由端とされている第2腕と、を有している
    センサ素子。
  2. 前記複数の検出電極の少なくとも一部は、前記第2腕に位置している
    請求項1に記載のセンサ素子。
  3. 前記複数の検出電極は、
    前記第1腕に位置している複数の第1電極と、
    前記第2腕に位置している複数の第2電極と、を有しており、
    前記複数の第1電極と前記複数の第2電極とは、前記第1腕および前記第2腕がz軸方向において互いに逆側へ曲がるときに互いに同一の極性の電位が生じるもの同士が接続されている
    請求項2に記載のセンサ素子。
  4. 前記検出腕は、
    前記第1腕と、
    前記第1腕の側方両側に位置する一対の前記第2腕と、を有している
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のセンサ素子。
  5. 前記検出腕は、
    互いに並列に延びる一対の前記第1腕と、
    前記2本の第1腕の間に位置する前記第2腕と、を有している
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のセンサ素子。
  6. 前記基部は、両端がx軸方向において互いに離れている長尺形状を有しており、
    前記圧電体は、x軸方向において互いに離れた位置にて前記基部からy軸方向に互いに並列に延びている1対の前記駆動腕を有しており、
    前記第1腕は、x軸方向にて前記1対の駆動腕の間となる位置において前記基部からy軸方向に延びており、
    前記複数の励振電極は、前記1対の駆動腕をx軸方向に励振する電圧を印加可能な配置で設けられており、
    前記基部のうちの前記1対の駆動腕よりもx軸方向の両側の部分を支持可能に圧電体に位置している複数のパッドと、
    前記1対の駆動腕をx軸方向において互いに逆側へ振動させる互いに逆の位相の電圧が前記複数の励振電極から前記1対の駆動腕に印加される接続関係で、前記複数の励振電極を接続している複数の配線と、
    を更に有している請求項1〜5のいずれか1項に記載のセンサ素子。
  7. 前記検出腕は、前記1対の駆動腕の間の中央に位置している
    請求項6に記載の角速度センサ。
  8. 前記圧電体は、前記基部から延び、電圧が印加されて振動する腕として、前記1対の駆動腕のみを有し、または前記1対の駆動腕および前記1対の駆動腕と並列に延びる腕のみを有している
    請求項6または7に記載のセンサ素子。
  9. 前記圧電体は、
    両端がx軸方向において離れている長尺形状を有し、y軸方向において互いに対向している1対の前記基部と、
    それぞれ前記1対の基部の間に架け渡され、x軸方向において互いに対向している1対の前記駆動腕と、
    x軸方向において前記1対の駆動腕の間となる位置にて前記1対の基部からy軸方向に延びている1対の前記検出腕と、を有しており、
    前記複数の励振電極は、前記1対の駆動腕をx軸方向に励振する電圧を印加可能な配置で設けられており、
    前記1対の駆動腕をx軸方向において互いに逆側へ振動させる互いに逆の位相の電圧が前記複数の励振電極から前記1対の駆動腕へ印加される接続関係で、前記複数の励振電極を接続している複数の配線を更に有している
    請求項1〜5のいずれか1項に記載のセンサ素子。
  10. 前記複数の励振電極は、
    前記1対の駆動腕それぞれにおいて、z軸方向の両側に面する1対の第1面に位置している1対の第1励振電極と、
    前記1対の駆動腕それぞれにおいて、x軸方向の両側に面する1対の第2面に位置している1対の第2励振電極と、を有しており、
    前記複数の検出電極は、
    前記第1腕または前記第2腕において、x軸方向の負側に面する第3面の、その中央よりもz軸方向の正側と、x軸方向の正側に面する第4面の、その中央よりもz軸方向の負側と、に位置している1対の第1検出電極と、
    前記第3面の、その中央よりもz軸方向の負側と、前記第4面の、その中央よりもz軸方向の正側と、に位置している1対の第2検出電極と、を有しており、
    前記複数の配線は、前記1対の駆動腕それぞれにおける前記1対の第1励振電極同士を接続しており、前記1対の駆動腕それぞれにおける前記1対の第2励振電極同士を接続しており、前記1対の駆動腕同士においては前記1対の第1励振電極と前記1対の第2励振電極とを接続しており、前記1対の第1検出電極同士を接続しており、かつ前記1対の第2検出電極同士を接続している
    請求項6〜9のいずれか1項に記載のセンサ素子。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のセンサ素子と、
    前記複数の励振電極に電圧を印加する駆動回路と、
    前記複数の検出電極からの信号を検出する検出回路と、
    を有している角速度センサ。
  12. 直交座標系xyzのx軸回りの角速度を検出するx軸センサと、
    y軸回りの角速度を検出するy軸センサと、
    z軸回りの角速度を検出するz軸センサと、
    を有しており、
    前記x軸センサは、請求項11に記載の角速度センサであり、
    前記駆動腕、前記第1腕および前記第2腕は、y軸方向に延びており、
    前記駆動回路は、前記駆動腕がx軸方向において振動するように前記複数の励振電極に電圧を印加し、
    前記y軸センサは、
    y軸方向に延びているy軸駆動腕およびy軸検出腕を有している圧電体と、
    前記y軸駆動腕がx軸方向において振動するように前記y軸駆動腕に電圧を印加するy軸駆動回路と、
    前記y軸検出腕のz軸方向における曲げ変形により生じる信号を検出するy軸検出回路と、を有しており、
    前記z軸センサは、
    y軸方向に延びているz軸駆動腕およびz軸検出腕を有している圧電体と、
    前記z軸駆動腕がx軸方向において振動するように前記z軸駆動腕に電圧を印加するz軸駆動回路と、
    前記z軸検出腕のx軸方向における曲げ変形により生じる信号を検出するz軸検出回路と、を有している
    多軸角速度センサ。
  13. 前記x軸センサの圧電体と、前記y軸センサの圧電体と、前記z軸センサの圧電体とが互いに固定されている
    請求項12に記載の多軸角速度センサ。
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