JP6450059B1 - センサ素子および角速度センサ - Google Patents

センサ素子および角速度センサ

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Abstract

センサ素子の圧電体は、基部からy軸方向に延びている駆動腕および検出腕を有している。複数の励振電極は、駆動腕をx軸方向に振動させることが可能な配置で駆動腕に位置している。複数の検出電極は、検出腕のz軸方向における曲げ変形により生じる信号を検出可能な配置で検出腕に位置している。圧電体は、駆動腕がx軸方向に振動したときに駆動腕に捩り変形を生じさせる異方性を有している。駆動腕が+x側に曲がったときの捩り変形の向きは、基部の検出腕との連結位置がz軸方向の一方側へ変位する基部の撓みを生じさせる向きである。駆動腕のy軸方向に直交する断面の形状は、+x側かつz軸方向の他方側への曲げ剛性が、+x側かつz軸方向の前記一方側への曲げ剛性よりも小さくなる形状である。

Description

本開示は、センサ素子および当該センサ素子を含む角速度センサに関する。
角速度センサとして、圧電体の振動を利用する圧電振動式のものが知られている(例えば特許文献1および2)。圧電体は、例えば、水晶からなり、基部と、基部から延びる駆動腕および検出腕を有している。駆動腕は、交流電圧が印加されて振動する。この状態で圧電体が回転されると、回転速度(角速度)に応じた大きさで、振動方向と直交する方向にコリオリの力が生じ、このコリオリの力によって検出腕が振動する。この検出腕の振動に応じて生じる電気信号を検出することにより、角速度が検出される。
特許文献1では、矩形の一の対角線の両側の角部を切り欠いた形状の横断面を有する駆動腕を他の対角線方向に振動させるセンサ素子が開示されている。特許文献2では、センサ素子の圧電体をエッチングによって成形した場合に、駆動腕の根元におけるエッチングの残渣によって、駆動腕が意図した振動方向に対して斜めに振動してしまうおそれがあることが開示されている。
特開2013−190305号公報 特開2016−133428号公報
本開示の一態様に係るセンサ素子は、圧電体と、複数の励振電極と、複数の検出電極とを有している。前記圧電体は、基部と、前記基部から直交座標系xyzのy軸方向に延びている駆動腕および検出腕と、を有しており、単結晶により構成されている。前記複数の励振電極は、前記駆動腕をx軸方向に振動させることが可能な配置で前記駆動腕に位置している。前記複数の検出電極は、前記検出腕のz軸方向における曲げ変形により生じる信号を検出可能な配置で前記検出腕に位置している。前記圧電体は、前記駆動腕がx軸方向に振動したときに前記駆動腕に捩り変形の振動を生じさせる、結晶方位に対する異方性を有している。前記駆動腕が+x側に曲がったときの前記捩り変形の向きは、前記基部の前記検出腕との連結位置がz軸方向の一方側へ変位する前記基部の撓みを生じさせる向きである。前記駆動腕のy軸方向に直交する断面の形状は、+x側かつz軸方向の他方側への曲げ剛性が、+x側かつz軸方向の前記一方側への曲げ剛性よりも小さくなる形状である。
本開示の角速度センサは、上記のセンサ素子と、前記複数の励振電極に電圧を印加する駆動回路と、前記複数の検出電極からの信号を検出する検出回路と、を有している。
本開示の第1実施形態に係るセンサ素子の圧電体を示す斜視図である。 図2(a)は図1のセンサ素子の一部を拡大して示す斜視図であり、図2(b)は図2(a)のIIb−IIb線における断面図である。 図3(a)、図3(b)、図3(c)および図3(d)は図1のセンサ素子の作用を説明するための模式図である。 図4(a)、図4(b)および図4(c)は駆動腕の切欠き部の作用の一例を説明するための模式図である。 図5(a)および図5(b)はセンサ素子の製造方法の例を説明するための断面図である。 第2実施形態に係るセンサ素子の構成を示す平面図である。 図6のVII−VII線における断面図である。 図8(a)、図8(b)、図8(c)および図8(d)は図6のセンサ素子の作用を説明するための模式図である。 第3実施形態に係るセンサ素子の要部構成を示す斜視図である。 第4実施形態に係るセンサ素子の要部構成を示す斜視図である。
以下、図面を参照して本開示に係る実施形態を説明する。以下の図面は、模式的なものである。従って、細部は省略されることがあり、また、寸法比率等は現実のものと必ずしも一致しない。また、複数の図面相互の寸法比率も必ずしも一致しない。
また、各図には、直交座標系xyzを付している。直交座標系xyzは、センサ素子(圧電体)の形状に基づいて定義されている。すなわち、x軸、y軸およびz軸は、結晶の電気軸(X軸)、機械軸(Y軸)および光軸(Z軸)を示すとは限らない。センサ素子は、いずれの方向が上方または下方として使用されてもよいものであるが、以下では、便宜上、z軸方向の正側を上方として、上面または下面等の用語を用いることがある。
同一又は類似する構成については、「駆動腕7A」、「駆動腕7B」のように、互いに異なるアルファベットの付加符号を付すことがあり、また、この場合において、単に「駆動腕7」といい、これらを区別しないことがある。
第2実施形態以降において、既に説明された実施形態の構成と共通または類似する構成について、既に説明された実施形態の構成に付した符号を用い、また、図示や説明を省略することがある。既に説明された実施形態の構成と対応(類似)する構成については、既に説明された実施形態の構成と異なる符号を付した場合においても、特に断りがない事項は、既に説明された実施形態の構成と同様である。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係るセンサ素子1の構成を示す斜視図である。ただし、この図では、センサ素子1の表面に設けられる導電層の図示は基本的に省略されている。
センサ素子1は、例えば、x軸回りの角速度を検出する圧電振動式の角速度センサ51(符号は図2(b))を構成するものである。センサ素子1は、圧電体3を有している。圧電体3に電圧が印加されて圧電体3が振動している状態で、圧電体3が回転されると、コリオリの力による振動が圧電体3に生じる。このコリオリの力による振動によって生じる電圧を検出することによって角速度が検出される。具体的には、以下のとおりである。
(圧電体の概略形状)
圧電体3は、例えば、その全体が一体的に形成されている。圧電体3は、例えば、単結晶である。また、圧電体3の材料は適宜に選択されてよく、例えば、水晶(SiO)、LiTaO、LiNbO、PZT(lead zirconate titanate)またはシリコンである。以下では、水晶の場合を例に取る。
圧電体3(水晶片)において、x軸、y軸およびz軸は、例えば、概ね、電気軸(X軸)、機械軸(Y軸)および光軸(Z軸)に一致している。ただし、これらは所定の範囲で傾斜していてもよい。例えば、x軸のX軸に対する傾斜角、y軸のY軸に対する傾斜角およびz軸のZ軸に対する傾斜角は、それぞれ−10°以上10°以下である。
圧電体3は、例えば、全体として厚さ(z軸方向)が一定にされている。また、圧電体3の概略形状(例えば後述する切欠き部7cは除く)は、例えば、y軸に平行な不図示の対称軸に対して線対称の形状に形成されている。
圧電体3は、例えば、基部5と、基部5から延びている1対の駆動腕7Aおよび7Bならびに検出腕9と、基部5を支持している1対の実装部11とを有している。
1対の駆動腕7は、電圧(電界)が印加されることによって励振される部分である。検出腕9は、コリオリの力によって振動し、角速度に応じた電気信号(例えば電圧)を生成する部分である。基部5は、駆動腕7および検出腕9の支持、および駆動腕7から検出腕9への振動の伝達に寄与する部分である。実装部11は、不図示の実装基体(例えばパッケージの一部または回路基板)へセンサ素子1を実装することに寄与する部分である。
基部5は、例えば、x軸方向に直線状に延びる長尺状とされている。その両端は、1対の実装部11によって支持される被支持部5aとなっている。従って、基部5は、両端が支持された梁のように撓み変形が可能となっている。
基部5の横断面(yz断面)の形状は、例えば、概ね矩形である。基部5の幅(y軸方向)および厚さ(z軸方向)は、いずれが他方よりも大きくてもよい。例えば、基部5の幅は、基部5の厚さの2倍以下、または1倍以下とされてよい。また、例えば、基部5の長さおよび幅は、y軸方向への撓み変形の固有振動数が、駆動腕7の、電圧印加によって励振される方向における固有振動数、および/または検出腕9の、コリオリの力によって振動する方向における固有振動数に近づくように調整されてよい。
駆動腕7は、基部5からy軸方向に延びており、その先端は自由端とされている。従って、駆動腕7は、片持ち梁のように撓み変形が可能となっている。1対の駆動腕7は、x軸方向に互いに離れた位置にて互いに並列(例えば平行)に延びている。1対の駆動腕7は、例えば、1対の被支持部5aの間の中央を通る、y軸に平行な不図示の対称軸に対して線対称に設けられている。また、1対の駆動腕7は、1対の被支持部5aから離れた位置にて基部5と接続されている。
駆動腕7は、後述するように、x軸方向において励振される。従って、駆動腕7は、その幅(x軸方向)が大きくなると、励振方向(x軸方向)における固有振動数が高くなり、その長さ(別の観点では質量)が大きくなると、励振方向における固有振動数は低くなる。駆動腕7の各種の寸法は、例えば、駆動腕7の励振方向における固有振動数が励振させたい周波数に近くなるように設定される。
検出腕9は、基部5からy軸方向に延びており、その先端は自由端とされている。従って、検出腕9は、片持ち梁のように撓み変形が可能となっている。また、検出腕9は、1対の駆動腕7の間において、1対の駆動腕7に対して並列(例えば平行)に延びている。検出腕9は、例えば、1対の被支持部5aの間の中央に位置し、および/または1対の駆動腕7の間の中央に位置している。
検出腕9は、後述するように、本実施形態においては、コリオリの力によってz軸方向に振動する。従って、検出腕9は、その厚さ(z軸方向)が大きくなると、振動方向(z軸方向)における固有振動数が高くなり、その長さ(別の観点では質量)が大きくなると、励振方向における固有振動数は低くなる。検出腕9の各種の寸法は、例えば、検出腕9の振動方向における固有振動数が、駆動腕7の励振方向における固有振動数に近くなるように設定される。検出腕9の長さは、例えば、駆動腕7の長さと同等である。ただし、両者は異なっていてもよい。
1対の実装部11は、例えば、y軸方向を長手方向とする形状に形成されている。実装部11の長さ、幅および厚さは適宜に設定されてよい。
1対の実装部11の下面には、少なくとも4つのパッド13が設けられている。パッド13は、不図示の実装基体に設けられたパッドに対向し、その実装基体のパッドに対して半田乃至は導電性接着剤からなるバンプにより接着される。これにより、センサ素子1と実装基体との電気的な接続がなされ、また、センサ素子1(圧電体3)は、駆動腕7および検出腕9が振動可能な状態で支持される。4つのパッド13は、例えば、1対の実装部11の両端に設けられている。
(駆動腕および検出腕の横断面の形状)
図2(a)は、センサ素子1の一部を拡大して示す斜視図である。また、図2(b)は、図2(a)のIIb−IIb線における断面図である。
駆動腕7の横断面(xz断面。以下、駆動腕7について単に断面という場合は横断面を指す。)の形状は、例えば、その長手方向に亘って概ね一定である。駆動腕7の断面形状は、例えば、図2(b)に示すように、概略、矩形の角部の1つを切り欠いた形状とされている(切欠き部7cが設けられている。)。図2(a)では、参考までに、駆動腕7Aについて、切欠き部7cが設けられていない場合の形状も2点鎖線で示している。
上記のように切欠き部7cを設けると、駆動腕7は、切り欠かれていない2つの角度を結ぶ対角線の方向における曲げ剛性に比較して、切り欠かれた角部を通る対角線の方向の曲げ剛性が小さくなる。その結果、例えば、駆動腕7をx軸方向に振動させる力を加えると、振動方向は、x軸に対して、切り欠かれた角部を通る対角線に沿う側へ傾斜する。
より具体的には、例えば、検出腕9に対して−x側に位置している駆動腕7Aにおいては、+x側かつ+z側の角部が切り欠かれている。また、検出腕9に対して+x側に位置している駆動腕7Bにおいては、+x側かつ−z側の角部が切り欠かれている。
曲げ剛性に着目して別の表現をすれば、検出腕9に対して−x側に位置している駆動腕7Aにおいては、+x側(検出腕側)かつ+z側への曲げ剛性が、+x側かつ−z側への曲げ剛性よりも小さくされている。また、検出腕9に対して+x側に位置している駆動腕7Bにおいては、−x側(検出腕側)かつ+z側への曲げ剛性が、−x側かつ−z側への曲げ剛性よりも小さくされている。すなわち、2つの駆動腕7において、検出腕側かつ+z側の曲げ剛性が相対的に小さくされている。
駆動腕7Aにおいて、+x側かつ+z側への曲げ剛性が、+x側かつ−z側への曲げ剛性よりも小さいか否かは、例えば、駆動腕7Aのxz断面において、z軸に対して左回りに45°で傾斜する軸に関する断面2次モーメントが、z軸に対して右回りに45°で傾斜する軸に関する断面2次モーメントよりも小さいか否かで判断してよい。同様に、駆動腕7Bにおいて、−x側かつ+z側への曲げ剛性が、−x側かつ−z側への曲げ剛性よりも小さいか否かは、例えば、z軸に対して右回りに45°で傾斜する軸に関する断面2次モーメントが、z軸に対して左回りに45°で傾斜する軸に関する断面2次モーメントよりも小さいか否かで判断してよい。
切欠き部7cの形状および大きさは適宜なものとされてよい。図示の例では、切欠き部7cは、概略、上面または下面に交差するz軸に概ね平行な面(符号省略)と、この面に傾斜しており、駆動腕7の+x側の側面のうちの切り欠かれていない領域に交差する面(符号省略)とによって構成されている。また、図2(b)では、駆動腕7の切り欠かれている側面に若干の突起(符号省略。以下の図面では省略)も形成されている。切欠き部7cを構成する面は、例えば、後述するエッチングによって現れる結晶面によって構成されている。
検出腕9の横断面(xz断面。以下、検出腕9について単に断面という場合は横断面を指す。)の形状は、例えば、その長手方向に亘って概ね一定である。検出腕9の断面形状は、例えば、図2(b)に示すように、概略、矩形である。
(励振電極、検出電極および配線)
センサ素子1は、駆動腕7に電圧を印加するための励振電極15Aおよび15Bと、検出腕9に生じた信号を取り出すための検出電極17Aおよび17Bと、これらを接続する複数の配線19とを有している。これらは、圧電体3の表面に形成された導体層によって構成されている。導体層の材料は、例えば、Cu,Al等の金属である。
励振電極15および検出電極17の付加符号A、Bは、直交座標系xyzに基づいて付されている。従って、後述するように、一の駆動腕7の励振電極15Aと、他の駆動腕7の励振電極15Aとは同電位とは限らない。励振電極15Bについても同様である。検出腕9が複数本設けられる態様(後述する実施形態)において、検出電極17Aおよび17Bについても同様である。
励振電極15Aは、各駆動腕7において、上面および下面(z軸方向の両側に面する1対の面)それぞれに設けられている。また、励振電極15Bは、各駆動腕7において、1対の側面(x軸方向の両側に面する1対の面)それぞれに設けられている。励振電極15の配置に関して、切欠き部7cを構成する面は、例えば、図示の例のように、側面の一部として扱われてよい(励振電極15Bが設けられてよい。)。ただし、切欠き部7cは、その形状および/または大きさによっては、その一部又は全部が、上面または下面の一部として扱われたり(励振電極15Aが設けられたり)、上面、下面および側面のいずれにも属さないものとして扱われたり(いずれの励振電極15も設けられなかったり)してよい。
後述する実施形態においては、基部5からy軸方向の負側に延びる駆動腕7が設けられることがある。そのような駆動腕7においても、励振電極15の付加符号Aは、上面および下面に対応し、励振電極15の付加符号Bは、側面に対応するものとする。
各駆動腕7の上下左右の各面において、励振電極15は、例えば、各面の大部分を覆うように形成されている。ただし、励振電極15Aおよび15Bは、互いに短絡しないように、少なくとも一方(本実施形態では励振電極15A)が各面よりも幅方向において小さく形成されている。また、駆動腕7の根元側および先端側の一部も、励振電極15の非配置位置とされてよい。
各駆動腕7において、2つの励振電極15Aは、例えば互いに同電位とされる。例えば、2つの励振電極15Aは、配線19により互いに接続されている。また、各駆動腕7において、2つの励振電極15Bは、例えば互いに同電位とされる。例えば、2つの励振電極15Bは、配線19により互いに接続されている。
このような励振電極15の配置および接続関係において、励振電極15Aと励振電極15Bとの間に電圧を印加すると、例えば、駆動腕7においては、上面から1対の側面(x軸方向の両側)に向かう電界および下面から1対の側面に向かう電界が生じる。一方、分極軸(電気軸)は、x軸方向に一致している。従って、電界のx軸方向の成分に着目すると、駆動腕7のうちx軸方向の一方側部分においては電界の向きと分極軸の向きは一致し、他方側部分においては電界の向きと分極軸の向きは逆になる。
その結果、駆動腕7のうちx軸方向の一方側部分はy軸方向において収縮し、他方側部分はy軸方向において伸長する。そして、駆動腕7は、バイメタルのようにx軸方向の一方側へ湾曲する。励振電極15Aおよび15Bに印加される電圧が逆にされると、駆動腕7は逆方向に湾曲する。このような原理により、交流電圧が励振電極15Aおよび15Bに印加されると、駆動腕7はx軸方向において振動する。
1対の駆動腕7においては、駆動腕7Aの励振電極15Aと駆動腕7Bの励振電極15Bとが同電位とされ、駆動腕7Aの励振電極15Bと駆動腕7Bの励振電極15Aとが同電位とされる。同電位とされるべき励振電極15同士は、例えば、配線19によって接続されている。
従って、このような接続関係において励振電極15Aと励振電極15Bとの間に交流電圧を印加すると、1対の駆動腕7は、互いに逆の位相の電圧が印加されることになり、x軸方向において互いに逆向きに撓み変形するように振動する。
検出電極17Aは、検出腕9において、x軸方向の負側に面する面のうちのz軸方向の正側(例えば当該面の中央よりも正側)の領域、およびx軸方向の正側に面する面のうちのz軸方向の負側(例えば当該面の中央よりも負側)の領域にそれぞれ設けられている。検出電極17Bは、検出腕9において、x軸方向の負側に面する面のうちのz軸方向の負側(例えば当該面の中央よりも負側)の領域、およびx軸方向の正側に面する面のうちのz軸方向の正側(例えば当該面の中央よりも正側)の領域にそれぞれ設けられている。
後述する実施形態においては、基部5からy軸方向の負側に延びる検出腕9が設けられることがある。そのような検出腕9においても、検出電極17の付加符号Aは、−xの側面の+zの領域および+xの側面の−zの領域に対応し、検出電極17の付加符号Bは、−xの側面の−zの領域および+xの側面の+zの領域に対応するものとする。
検出腕9の各側面において、検出電極17Aおよび17Bは、互いに短絡しないように適宜な間隔を空けて、検出腕9に沿って延びている。2つの検出電極17A同士は、例えば、配線19により接続されている。また、2つの検出電極17B同士は、例えば、配線19により接続されている。
このような検出電極17の配置および接続関係において、検出腕9がz軸方向に撓み変形すると、例えば、z軸方向に平行な電界が生じる。すなわち、検出腕9の各側面においては、検出電極17Aと検出電極17Bとの間に電圧が生じる。電界の向きは、分極軸の向きと、湾曲の向き(z軸方向の正側又は負側)とで決定され、x軸方向の正側部分と負側部分とで互いに逆である。この電圧(電界)が検出電極17Aおよび検出電極17Bに出力される。検出腕9がz軸方向に振動すると、電圧は交流電圧として検出される。電界は、上記のようにz軸方向に平行な電界が支配的であってもよいし、x軸方向に平行で、z軸方向の正側部分と負側部分とで互いに逆向きな電界の割合が大きくてもよい。いずれにせよ、検出腕9のz軸方向への撓み変形に応じた電圧が検出電極17Aと検出電極17Bとの間に生じる。
複数の配線19は、上述したように複数の励振電極15を互いに接続し、複数の検出電極17を互いに接続している。また、複数の配線19は、電位の観点から2組に分けられた励振電極15と、電位の観点から2組に分けられた検出電極17との合計4組の電極と、4つのパッド13とを接続している。複数の配線19は、圧電体3の種々の部分の上面、下面および/または側面において適宜に配されることによって、その全体が圧電体3の表面に設けられる態様で、互いに短絡することなく、上述した接続を実現可能である。ただし、圧電体3上に位置する配線19の上に絶縁層を設け、その上に他の配線19を設けることによって、立体配線部が形成されても構わない。
図2(b)に示すように、センサ素子1を含む角速度センサ51は、例えば、励振電極15に電圧を印加する駆動回路103と、検出電極17からの電気信号を検出する検出回路105とを有している。
駆動回路103は、例えば、発振回路や増幅器を含んで構成されており、所定の周波数の交流電圧を励振電極15Aと励振電極15Bとの間に印加する。周波数は、角速度センサ51内にて予め定められていてもよいし、外部の機器等から指定されてもよい。
検出回路105は、例えば、増幅器や検波回路を含んで構成されており、検出電極17Aと検出電極17Bとの電位差を検出し、その検出結果に応じた電気信号を外部の機器等に出力する。より具体的には、例えば、上記の電位差は、交流電圧として検出され、検出回路105は、検出した交流電圧の振幅に応じた信号を出力する。この振幅に基づいて角速度が特定される。また、検出回路105は、駆動回路103の印加電圧と検出した電気信号との位相差に応じた信号を出力する。この位相差に基づいて回転の向きが特定される。
駆動回路103および検出回路105は、全体として制御回路107を構成している。制御回路107は、例えば、チップIC(Integrated Circuit)によって構成されており、センサ素子1が実装される回路基板又は適宜な形状の実装基体に実装されている。
(角速度センサの基本動作)
図3(a)および図3(b)は、圧電体3の励振を説明するための模式的な平面図である。両図は、励振電極15に印加されている交流電圧の位相が互いに180°ずれている。
上述のように、駆動腕7Aおよび7Bは、励振電極15に交流電圧が印加されることによってx軸方向において互いに逆向きに変形するように互いに逆の位相で励振される。
このとき、図3(a)に示すように、1対の駆動腕7が互いにx軸方向の外側(1対の駆動腕が互いに離れる側)に撓むと、その曲げモーメントが基部5に伝わり、基部5はy軸方向の正側へ撓む。その結果、検出腕9がy軸方向の正側へ変位する。
逆に、図3(b)に示すように、1対の駆動腕7が互いにx軸方向の内側(1対の駆動腕が互いに近づく側)に撓むと、その曲げモーメントが基部5に伝わり、基部5はy軸方向の負側へ変位する。その結果、検出腕9がy軸方向の負側へ変位する。
従って、1対の駆動腕7が励振されることによって、検出腕9がy軸方向において振動することになる。
図3(c)および図3(d)は、コリオリの力による検出腕9の振動を説明するための模式的な斜視図である。図3(c)および図3(d)は、図3(a)および図3(b)の状態に対応している。
図3(a)および図3(b)を参照して説明したように圧電体3が振動している状態で、センサ素子1がx軸回りに回転されると、検出腕9は、y軸方向に振動(変位)していることから、コリオリの力によって回転軸(x軸)と振動方向(y軸)とに直交する方向(z軸方向)において振動(変形)する。この変形によって生じる信号(電圧)は、上述のように検出電極17によって取り出される。コリオリの力(ひいては検出される信号の電圧)は、角速度が大きいほど大きくなる。これにより、角速度が検出される。
(不要振動の発生と低減)
図4(a)は、比較例(ただし、従来技術ではなく新規なものである。)に係る1対の駆動腕157Aおよび157Bならびに検出腕9の動作を説明するための模式的な断面図である。便宜上、断面のハッチングは省略し、励振電極15および検出電極17等の図示は省略している。
比較例は、切欠き部7cが設けられていないことを除いては、基本的に実施形態と同様である。このような比較例において、励振電極15によって駆動腕157に電圧が印加され、矢印y1で示すように、1対の駆動腕157が検出腕9側に撓み変形したとする。このとき、矢印y2で示すように、駆動腕157の結晶方位に対する異方性に起因して、駆動腕157に捩り変形が生じる。捩り変形は、より具体的には、図示の例では、駆動腕157の検出腕9側の側面が−z側に変位するものである。異方性は、例えば、逆圧電効果および/または材料強度に現れている。
図4(b)は、図4(a)の捩り変形が検出腕9に及ぼす影響を説明するための模式図である。
駆動腕157に捩り変形(図4(a)と同様に矢印y2で示す)を生じさせるモーメントは、基部5に撓み変形を生じさせる。具体的には、図示の例では、捩り変形が駆動腕157の検出腕9側の側面を−z側へ変位させるようなものであることに応じて、基部5は、矢印y3で示すように、駆動腕157側に対して検出腕9側が−z側に相対的に変位するような撓み変形を生じる。別の観点では、1対の駆動腕157の捩り変形が、1対の駆動腕157の内側の面を−z側へ変位させるようなものであることに応じて、基部5は、1対の駆動腕157間(中央側)が−z側に相対的に変位するような撓みを生じる。
そして、基部5の撓みによって基部5と検出腕9との連結部分が−z側に相対的に変位すると、矢印y4で示すように、検出腕9は、前記変位とバランスするように前記変位とは逆側(+z側)に撓み変形する。
このように、駆動腕157においては、意図しない捩り変形(矢印y2)が生じ、これに起因して検出腕9がz軸方向に撓み変形する。すなわち、コリオリの力とは無関係に検出腕9がz軸方向に撓み変形することになる。ひいては、検出結果に誤差が生じる。
図4(c)は、実施形態に係る1対の駆動腕7および検出腕9の動作を説明するための図4(a)と同様の模式的な断面図である。
図4(a)と同様に、励振電極15によって駆動腕7に電圧を印加して駆動腕7を検出腕9側に撓み変形させたとする。このとき、既に述べたように、駆動腕7の断面形状は、検出腕9側かつ+z側への曲げ剛性が、検出腕9側かつ−z側への曲げ剛性よりも小さい形状であることから、駆動腕7は、矢印y5で示すように、x軸に平行ではなく、+z側へ傾斜する方向へ撓み変形する。
このとき、検出腕9は、駆動腕7の変位のz軸方向成分とバランスするように、矢印y6で示すように、駆動腕7がz軸方向に関して撓む側とは逆側(−z側)に撓もうとする。その結果、図4(b)の矢印y4で示す撓み変形は、図4(c)の矢印y6で示す撓み変形によって、その一部または全部が打ち消される。ひいては、検出誤差が低減される。
上記では、駆動腕7が検出腕9側に撓む場合を例に取ったが、駆動腕7が検出腕9とは反対側に撓む場合も、種々の方向が逆であることを除いて、上記と同様である。具体的には、まず、駆動腕7が検出腕9とは反対側に撓む場合、駆動腕7の検出腕9側の側面が+z側に変位する捩り変形が生じる。そして、基部5は、+z側に撓み、検出腕9は、−z側に撓もうとする。一方、駆動腕7は、その断面形状に起因して、x軸に平行ではなく、−z側に傾斜する方向へ撓み、検出腕9は、+z側に撓もうとする。その結果、検出腕9は、駆動腕7の捩り変形に起因する撓み変形の一部または全部が、駆動腕7の斜め振動に起因する撓み変形によって打ち消される。
(センサ素子の製造方法)
センサ素子1の製造方法は、圧電体3の形状を実現するための具体的な事項を除いて、公知の種々の方法と同様でよい。例えば、まず、圧電体3が多数個取りされるウェハに対してエッチングを行って基部5、駆動腕7、検出腕9および実装部11を形成する。、この段階において、圧電体3は、捨て代を介した連結によってウェハ状態が維持されていてもよいし、個片化されてもよい。圧電体のエッチングは、ウェットエッチングでもよいし、ドライエッチングでもよい。その後、マスクを介して金属層を形成することにより、又は金属層を形成した後にマスクを介してエッチングを行うことにより、パッド13、励振電極15、検出電極17および配線19が形成される。
図5(a)および図5(b)は、圧電体3をウェットエッチングで成形する方法の例を説明するための模式的な断面図である。
まず、図5(a)に示すように、圧電体3が多数個取りされるウェハ31の両面にマスク33を形成する。マスク33は、ウェハ31のうち圧電体3の各部(基部5、駆動腕7、検出腕9および実装部11)となる部分に重なる領域を有している。
駆動腕7となる部分においては、上下面のうち切欠き7cが設けられない側に重なる第1領域33eと、上下面のうち切欠き部7cが設けられる側に重なる第2領域33fとが形成される。第2領域33fは、第1領域33eに対して、切欠き部7cの幅(x軸方向)に応じた大きさで、切欠き部7cが形成される側の縁部が切り欠かれた形状とされている。圧電体3の他の部分においては、上面のマスク33の形状と、下面のマスク33の形状とは同様の形状とされてよい。
そして、マスク33が形成されたウェハ31を薬液に浸して、ウェハ31の両面からエッチングを行う。このとき、第2領域33fが第1領域33eよりも小さいことに起因して、駆動腕7においては、第2領域33f側が第1領域33e側よりも側面がエッチングされる。その結果、切欠き部7cが形成される。
ここで、圧電体3が水晶である場合、電気軸の正側(+X側)のエッチング速度は、電気軸の負側(−X側)のエッチング速度に比較して遅い。一方、既に述べたように、x軸は、X軸に概ね一致している。従って、駆動腕7の+x側に切欠き部7cを形成することによって、例えば、長時間のエッチングによって検出腕9等における残渣を少なくしつつ、駆動腕7に第1領域33eおよび第2領域33fの幅の相違に基づく段差(切欠き部7c)を残すことができる。
以上のとおり、本実施形態では、センサ素子1は、圧電体3と、複数の励振電極15と、複数の検出電極17とを有している。圧電体3は、基部5と、基部5からy軸方向に延びている駆動腕7および検出腕9と、を有しており、単結晶により構成されている。複数の励振電極15は、駆動腕7をx軸方向に振動させることが可能な配置で駆動腕7に位置している。複数の検出電極17は、検出腕9のz軸方向における曲げ変形により生じる信号を検出可能な配置で検出腕9に位置している。圧電体3は、駆動腕7がx軸方向に振動したときに駆動腕7に捩り変形を生じさせる、結晶方位に対する異方性を有している。駆動腕7が+x側に曲がったときの捩り変形の向きは、基部5の検出腕9との連結位置がz軸方向の一方側(駆動腕7Aにとっては−z側、駆動腕7Bにとっては+z側)へ変位する基部5の撓みを生じさせる向きである。駆動腕7のy軸方向に直交する断面の形状は、+x側かつz軸方向の他方側(駆動腕7Aにとっては+z側、駆動腕7Bにとっては−z側)への曲げ剛性が、+x側かつz軸方向の前記一方側への曲げ剛性よりも小さくなる形状である。
従って、駆動腕7に捩り変形が生じると、図4(b)を参照して説明したように、基部5のうちの検出腕9との連結部分がz軸方向に変位することになり、ひいては、検出腕9にz軸方向の不要振動が生じることになる。しかし、図4(c)を参照して説明したように、検出腕9の不要振動の一部または全部は、駆動腕7の斜め振動によって打ち消される。その結果、センサ素子1の精度が向上する。本願発明者のシミュレーション計算では、10mm未満のサイズのセンサ素子1において、0.5μmの幅(x軸方向)で切欠き部7cを設けることによって、不要振動による9×10−13C程度の電荷を略打ち消すことができた。
また、本実施形態では、駆動腕7と検出腕9とはx軸方向の位置が互いに異なっている。駆動腕7が+x側に曲がったときの捩り変形の向きは、駆動腕7のx軸方向における検出腕9側の側面がz軸方向の前記一方側へ向かう向きである。
駆動腕7と検出腕9とのx軸方向の位置が互いに異なっている場合においては、駆動腕7の捩り変形に起因する基部5に生じる撓みにより、基部5と検出腕9との連結位置におけるz軸方向の変位が生じやすく、ひいては、検出腕9の不要振動を生じやすい。従って、切欠き部7cの効果が有効である。
また、本実施形態では、1対の駆動腕7は、検出腕9に対してx軸方向の両側に位置している。1対の駆動腕7の一方に位置している複数の励振電極15と、1対の駆動腕7の他方に位置している複数の励振電極15とが、1対の駆動腕7がx軸方向において互いに逆側に曲がる振動を生じることが可能に互いに接続されている。
従って、例えば、図3(a)〜図3(d)を参照して説明したように、1対の駆動腕7の励振によって基部5をy軸方向に湾曲(振動)させ、これにより検出腕9をy軸方向に変位(振動)させ、この変位している検出腕9に作用するコリオリの力によって角速度を検出するという新たな動作原理による検出が可能になる。この動作原理では、例えば、検出腕9に直接的にコリオリの力が作用するので、駆動腕に作用したコリオリの力を検出腕に伝える動作原理のものに比較して検出感度が向上する。
このような新たな動作原理においては、基部5は、湾曲が生じやすいように、その曲げ剛性および支持構造が設計される。その結果、本実施形態のセンサ素子1においては、他の動作原理のセンサ素子に比較して、駆動腕7の捩り変形が基部5の湾曲に及ぼす影響が相対的に大きい。従って、切欠き部7cによる効果は、本実施形態において特に有効に奏されることになる。
また、本実施形態では、1対の駆動腕7は、いずれもx軸方向の一方側および他方側の側面のうち、x軸方向の一方側(本実施形態では+x側)のみが切り欠かれた形状である。
従って、例えば、図5(b)を参照して説明したように、x軸方向の一方側(+x側)のエッチング速度が他方側(−x側)のエッチング速度よりも遅い場合において、十分なエッチング時間によって残渣を少なくしつつ、切欠き部7cを実現することができる。通常は、1対の駆動腕7は線対称の形状に形成されるところ、本実施形態は、これに反する構成となっている。
<第2実施形態>
(センサ素子)
図6は、第2実施形態に係るセンサ素子201の構成を示す平面図である。ただし、この図では、センサ素子201の表面に設けられる導電層の図示は基本的に省略されている。
センサ素子201の圧電体203は、まず、第1実施形態の圧電体3を2つ組み合わせたような形状となっている。すなわち、圧電体203は、2つのユニット204Aおよび204Bを有しており、各ユニット204は、基部5(5Aおよび5B)、基部5からy軸方向に互いに並列に延びる少なくとも1対(本実施形態では2対)の駆動腕7(7C〜7J)および検出腕209(209Aおよび209B)を有している。
2つのユニット204は、駆動腕7および検出腕209が延びる方向とは反対側同士を対向させるように配置され、共通の1対の実装部11に支持されている。2つのユニット204間の距離は、例えば、基部5Aおよび5Bが互いに接触しないように適宜に設定されてよい。2つのユニット204同士は、例えば、同一の形状および大きさ(x軸に平行な不図示の対称軸に対して線対称の形状および大きさ)である。
(駆動腕)
第1実施形態の圧電体3は、1本の基部5に対して1対の駆動腕7を有していたところ、圧電体203のユニット204は、1本の基部5に対して2対の駆動腕7を有している。後述するように(図8(a)および図8(b))、互いに隣接する2本の駆動腕7同士(7Cおよび7Dの2本、7Eおよび7Fの2本、7Gおよび7Hの2本、ならびに7Iおよび7Jの2本)は、互いにx軸方向の同一側へ共に曲がるように同一の位相で電圧が印加される。従って、互いに隣接する2本の駆動腕7は、第1実施形態の1本の駆動腕7に相当すると捉えられてよい。このように第1実施形態の駆動腕7を2本に分割することによって、例えば、駆動腕7の長さを短くしても駆動腕7全体としての質量を確保することができ、ひいては、小型化と検出感度の向上とを両立できる。
−x側の駆動腕7において示すように、各駆動腕7には、第1実施形態と同様に、切欠き部7cが設けられている。ユニット204Aにおいて、切欠き部7cの駆動腕7における位置は、第1実施形態の圧電体3と同様である。ユニット204Bの駆動腕7は、第1実施形態の圧電体3と駆動腕7が延びる方向が逆方向である(y軸方向の正負が逆である。)。一方、駆動腕7の捩り変形は、結晶方位によって規定される異方性に起因している。従って、+y側に見たときに、切欠き部7cの駆動腕7における位置は、ユニット204Bと圧電体3(またはユニット204A)とで同様である。
互いに隣接する2本の駆動腕7の構成は、例えば、互いに同一である。ただし、互いに異なっていてもよい。例えば、図示の例では、互いに隣接する2本の駆動腕7の双方において切欠き部7cを設けているが、いずれか一方のみに切欠き部7cが設けられてもよい。切欠き部7cを除いて、圧電体203は、例えば、不図示の対称軸(検出腕9)に対して線対称の形状であり、複数の駆動腕7の形状および配置も線対称である。
(検出腕)
検出腕209の全体としての位置および形状は、第1実施形態の検出腕9と同様と言える。すなわち、検出腕209は、少なくとも1対の駆動腕7の間に位置しており、基部5からy軸方向に延びている。
ただし、検出腕209は、基部5から延びている第1腕221(221Aおよび221B)と、第1腕221の先端側かつ側方から基部5側へ延びている第2腕223とを有している。第2腕223の先端は、基部5に連結されておらず、自由端となっている。1対の第1腕221は、圧電体203の不図示の中心線に対して線対称の形状であり、その間に第2腕223が位置している。第1腕221および第2腕223の各種の寸法および両者の間の大小関係等は適宜に設定されてよい。
特に図示しないが、1本の第1腕221が圧電体203の中心線上において基部5から延び、そのx軸方向両側において1対の第2腕223が第1腕221の先端から基部5へ延びていてもよい。
また、検出腕209は、z軸方向に貫通し、検出腕209に沿って延びる1以上の貫通溝(符号省略)を有している。別の観点では、検出腕209は、互いに並列に延び、根元および先端において互いに連結されている複数の分割腕224を有している。本実施形態のように検出腕209が第1腕221および第2腕223を有している態様においては、第1腕221および第2腕223のいずれに貫通溝が設けられてもよく、図示の例では、双方に設けられている。
分割腕224の本数および寸法は、適宜に設定されてよい。図示の例では、各第1腕221は、2本の分割腕224によって構成され、第2腕223は、3本の分割腕224によって構成されている。
(励振電極、検出電極および配線)
特に図示しないが、各駆動腕7においては、例えば、第1実施形態の駆動腕7と同様に、2つの励振電極15Aおよび2つの励振電極15Bが設けられている。
互いに隣接する2本の駆動腕7は、第1実施形態の1本の駆動腕7に相当し、互いに同一位相で電圧が印加されるものであるから、この2本の駆動腕7間においては、励振電極15A同士が同電位とされ、励振電極15B同士が同電位とされる。
各ユニット204において、検出腕209を挟んで線対称に配置される2本の駆動腕7は、第1実施形態の1対の駆動腕7に相当するから、この2本の駆動腕7間においては、励振電極15Aと励振電極15Bとが同電位とされる。
2つのユニット204に着目すると、検出腕9に対してx軸方向の同一側に位置する駆動腕7(7C、7D、7Gおよび7H、または7E、7F、7Iおよび7J)において、励振電極15A同士が同一の電位とされ、励振電極15B同士が同一の電位とされる。従って、複数の励振電極15に交流電圧が印加されると、検出腕209に対してx軸方向の同一側に位置する駆動腕7は、x軸方向において互いに同一側に曲がるように振動する。
同電位となるべき励振電極15同士は、例えば、配線19によって互いに接続されている。そして、2組に分けられた全ての励振電極15は、配線19を介して4つのパッド13のうち2つに接続され、ひいては、駆動回路103に接続されている。
図7は、図6のVII−VII線における断面図である。
検出腕209においては、例えば、第1腕221および第2腕223それぞれに検出電極17が設けられている。また、これら各腕(221、223)においては、複数の分割腕224それぞれに検出電極17が設けられている。
各分割腕224における検出電極17の配置は、第1実施形態と同様である。すなわち、最も紙面左側の分割腕224に符号を付して示すように、検出電極17Aは、各分割腕224において、−xの側面の+zの領域および+xの側面の−zの領域に設けられている。検出電極17Bは、各分割腕224において、−xの側面の−zの領域および+xの側面の+zの領域に設けられている。
各分割腕224においては、検出電極17A同士が接続され、検出電極17B同士が接続されている。従って、第1実施形態の検出腕9と同様に、分割腕224がz軸方向に撓むと、検出電極17Aおよび17Bによって分割腕224の撓み量に応じた信号が取り出される。
第1腕221および第2腕223それぞれにおいては、複数の分割腕224間において、検出電極17A同士が接続され、検出電極17B同士が接続されている。従って、各腕(221および223)がz方向に撓むと、各腕においては、複数の分割腕224の検出信号が加算される。分割腕224は、第1実施形態等の他の実施形態に適用されてもよい。
各検出腕209において、第1腕221と第2腕223との間においては、検出電極17Aと検出電極17Bとが接続されている。従って、第1腕221および第2腕223は、z軸方向において互いに逆側に曲がるように撓み変形したときに、互いの検出信号が加算される。
2本の第1腕221間においては、検出電極17A同士が接続され、検出電極17B同士が接続されている。本実施形態とは異なり、1本の第1腕221の両側に2本の第2腕223を設けた場合においては、2本の第2腕223間においては、検出電極17A同士が接続され、検出電極17B同士が接続されている。
検出腕209Aと検出腕209Bとの間においては、検出電極17Aと検出電極17Bとが接続される。このような接続関係においては、検出腕209Aおよび209Bがz軸方向の互いに逆側にコリオリの力を受けて撓み変形するときに、両者において生じる信号が加算される。
複数の検出電極17の接続は、例えば、配線19によってなされている。2組に分けられた全ての検出電極17は、配線19によって4つのパッド13のうち2つに接続され、ひいては、検出回路105に接続されている。
(角速度センサの動作)
図8(a)および図8(b)は、圧電体203の励振状態を示す模式的な平面図であり、第1実施形態の図3(a)および図3(b)に対応している。
各ユニット204における励振は、第1実施形態における圧電体3の励振と基本的に同様である。ただし、既述のように、各ユニット204においては、互いに隣接する2本の駆動腕7は、互いに同一側に共に曲がるように同一の位相で電圧が印加され、圧電体3の1本の駆動腕7に相当する。
2つのユニット204に着目すると、上記のように検出腕9に対してx軸方向の同一側(正側または負側)に位置する駆動腕7において、励振電極15A同士が接続され、励振電極15B同士が接続されているから、当該同一側に位置する駆動腕7同士は、同一の位相で電圧が印加され、x軸方向の同一側に曲がる。従って、基部5Aおよび5Bは、互いに逆側へ撓む。また、検出腕209Aおよび209Bは、互いに逆側へ変位する。
図8(c)および図8(d)は、センサ素子201における、コリオリの力による検出腕209の振動を説明するための模式的な斜視図であり、図8(a)および図8(b)の状態に対応している。第1実施形態の図3(c)および図3(d)と同様に、ここでは基部5および駆動腕7の変形は図示を省略している。
図8(a)および図8(b)を参照して説明した振動が生じている状態で、センサ素子201がx軸回りに回転されると、各ユニット204において、検出腕209は、第1実施形態と同様に、z軸方向にコリオリの力を受ける。
その結果、第2腕223は、矢印y11で示すコリオリの力の方向へ曲がるように撓み変形する。また、このような撓み変形を第2腕223に生じさせる曲げモーメントは、矢印y12で示すように第1腕221に伝わり、第1腕221をコリオリの力の方向とは反対側へ曲がる撓み変形を生じさせるように第1腕221に作用する。従って、第1腕221と第2腕223とはz軸方向において互いに逆側に撓み変形することになる。
第1腕221および第2腕223それぞれにおけるz軸方向における撓み変形によって生じる信号(電圧)は、検出電極17によって取り出される。そして、第1腕221および第2腕223において生じた信号は加算される。
検出腕209Aおよび209Bは、y軸方向において互いに逆側へ変位する位相で振動しているから、x軸回りの回転方向に対して同一側にコリオリの力を受ける。別の観点では、検出腕209Aおよび209Bは、z軸方向において互いに逆側にコリオリの力を受ける。そして、2つの検出腕209において生じた信号は加算される。
以上の第2実施形態においても、駆動腕7が+x側に曲がったときの捩り変形の向きは、基部の検出腕209との連結位置がz軸方向の一方側(駆動腕7C、7D、7Gおよび7Hにとっては−z側、他の駆動腕7にとっては+z側)へ変位する基部5の撓みを生じさせるモーメントを生じる向きである。そして、駆動腕7のy軸方向に直交する断面の形状は、+x側かつz軸方向の他方側への曲げ剛性が、+x側かつz軸方向の前記一方側への曲げ剛性よりも小さくなる形状である。
従って、第1実施形態と同様の効果が奏される。例えば、駆動腕7の捩り変形に起因する検出腕209の不要振動の一部または全部を駆動腕7の斜め振動によって打ち消すことができる。
また、本実施形態では、第1実施形態の圧電体3に相当するユニット204を2つ設けたり、第1実施形態において1本の駆動腕7が設けられた位置に2本の駆動腕7を設けたり、検出腕209を複数の分割腕224によって構成したり、検出腕209を第1腕221および第2腕223によって構成したりしている。これにより、例えば、センサ素子201の小型化と検出感度の向上とを両立させることができる。
<第3実施形態>
図9は、第3実施形態に係るセンサ素子301の要部構成を示す斜視図である。この図では、センサ素子301の圧電体303のみを示し、励振電極15および検出電極17等の図示は省略している。
圧電体303は、基部305と、基部305からy軸方向に互いに並列に延びる1対の駆動腕7Kおよび7Lと、1対の駆動腕7Kおよび7Lの外側において基部305からy軸方向に互いに並列に延びる1対の検出腕9Kおよび9Lとを有している。
駆動腕7および検出腕9の構成は、基本的には、第1実施形態のものと同様でよい。ただし、切欠き部7cの位置は、第1実施形態と異なっている。具体的には、駆動腕7Kが駆動腕7Aに、駆動腕7Lが駆動腕7Bに対応すると考えると、切欠き部7cのz軸方向の位置は、第1実施形態とは逆になっている。別の観点では、切欠き部7cの位置は、駆動腕7Kと駆動腕7Bとで同じであり、駆動腕7Lと駆動腕7Aとで同じである。後述する動作から理解されるように、切欠き部7cの位置設定の基本的な考え方は、第1実施形態と同様である。
駆動腕7および検出腕9において、励振電極15および検出電極17の配置は、第1実施形態と同様である。また、1対の駆動腕7間における励振電極15の接続関係も第1実施形態と同様である。1対の検出腕9間においては、検出電極17Aと検出電極17Bとが接続されている。すなわち、1対の検出腕9がz軸方向において互いに逆側に撓むと、両者の信号は加算される。
基部305の形状および寸法は適宜に設定されてよく、例えば、第1実施形態に比較して、x軸方向の長さに対するy軸方向の長さが長く設定されている。この基部305のz軸に直交する面には、センサ素子301を不図示の実装基体に実装するための不図示のパッドが形成されていてよい。第1実施形態のように、1対の実装部11が設けられ、その先端にパッドが設けられてもよい。
このような構成において、1対の駆動腕7は、励振電極15によって電圧が印加されることによって、矢印y15で示すように、x軸方向に互いに逆側に撓むように振動する。その結果、駆動腕7Kに隣接する検出腕9Kは、駆動腕7Kの変位とバランスするように駆動腕7Kと逆の位相でx軸方向に撓むように振動する。駆動腕7Lおよび検出腕9Lにおいても同様である。
この状態で、矢印y16で示すように、センサ素子301がy軸回りに回転すると、1対の検出腕9にはz軸方向のコリオリの力が作用する。そして、1対の検出腕9は、z軸方向において互いに逆側に撓むように振動する。この撓みによって生じた信号は、検出電極17によって取り出される。
このような構成においても、駆動腕7の捩り変形によって、基部305のz軸方向への撓み変形が生じ得る。具体的には、第1実施形態と同様に、1対の駆動腕7が内側に曲がるときには、基部305は、中央側が−z側に変位する方向に撓む。ひいては、検出腕9に不要振動が生じる。ただし、検出腕9は、第1実施形態とは逆に、1対の駆動腕7の外側に位置しているので、不要振動の方向(位相)は、第1実施形態とは逆である。
そして、第1実施形態と同様の切欠き部7cが、第1実施形態とはz軸方向の位置を逆にして設けられていることから、駆動腕7の斜め振動によって捩り変形による不要振動の一部または全部が打ち消される。
第1実施形態において述べたように、駆動腕7が+x側に曲がったときの捩り変形の向きが、基部305の検出腕9との連結位置がz軸方向の一方側へ変位する基部305の撓みを生じさせるモーメントを生じる向きである場合に、駆動腕7のy軸方向に直交する断面の形状が、+x側かつz軸方向の他方側への曲げ剛性が、+x側かつz軸方向の前記一方側への曲げ剛性よりも小さくなる形状であるとき、不要振動の一部または全部を打ち消すことができる。
第3実施形態では、上記のような関係は、まず、駆動腕7Kと検出腕9Kとの間、駆動腕7Lと検出腕9Lとの間において成り立っている。駆動腕7が1本である場合を仮定すると、当該駆動腕7と検出腕9Lとの間または当該駆動腕7と検出腕9Kとの間では、上記の関係が成り立たない。しかし、1対の駆動腕7が逆位相で振動されていることによって、駆動腕7Kと検出腕9Lとの間、駆動腕7Lと検出腕9Kとの間でも、上記の関係が成り立っている。
<第4実施形態>
図10は、第4実施形態に係るセンサ素子401の要部構成を示す斜視図である。この図では、センサ素子401の圧電体403のみを示し、励振電極15および検出電極17等の図示は省略している。
圧電体403は、基部405と、基部405からy軸方向に互いに並列に延びる1対の駆動腕7Kおよび7Lと、基部305からy軸方向に互いに並列に延びる1対の検出腕9Kおよび9Lとを有している。1対の駆動腕7の延びる方向と、1対の検出腕9の延びる方向とは、互いに逆側である。別の観点では、駆動腕7と検出腕9とは互いに並列に延びているのではなく、互いに直列に延びている。駆動腕7および検出腕9自体の構成は、第3実施形態のものと同様でよい。
駆動腕7および検出腕9において、励振電極15および検出電極17の配置は、第1実施形態と同様である。また、1対の駆動腕7間における励振電極15の接続関係も第1実施形態と同様である。1対の検出腕9間においては、検出電極17Aと検出電極17Bとが接続されている。すなわち、1対の検出腕9がz軸方向において互いに逆側に撓むと、両者の信号は加算される。
基部405の形状および寸法は適宜に設定されてよく、例えば、第1実施形態に比較して、x軸方向の長さに対するy軸方向の長さが長く設定されている。この基部405のz軸に直交する面には、センサ素子301を不図示の基板に実装するための不図示のパッドが形成されていてよい。第1実施形態のように、センサ素子301は、1対の実装部11が設けられ、その先端にパッドが設けられてもよい。
このような構成において、1対の駆動腕7は、励振電極15によって電圧が印加されることによって、矢印y21で示すように、x軸方向に互いに逆側に撓むように振動する。この状態で矢印y22で示すように、センサ素子401がy軸回りに回転すると、1対の駆動腕7にはz軸方向のコリオリの力が作用する。その結果、1対の駆動腕7は、z軸方向において互いに逆側に撓むように振動する。検出腕9Aは、矢印y23で示すように、駆動腕7Aの変位とバランスするように駆動腕7Aとはz軸方向の逆側に撓むように振動する。検出腕9Bおよび駆動腕7Bにおいても同様である。すなわち、1対の検出腕9は、z軸方向において互いに逆側に撓むように振動する。この撓みによって生じた信号は、検出電極17によって取り出される。
このような構成においても、1対の駆動腕7の捩り変形によって、基部405においては、第1実施形態と同様に、中央部がz軸方向に相対的に変位する撓み変形が生じ得る。検出腕9は、基部405の両側に位置しているから、検出腕9におけるz軸方向の不要振動の位相は第3実施形態と同様である。そして、切欠き部7cが設けられていることによって、駆動腕7の斜め振動によって捩り変形に起因する不要振動の一部または全部を打ち消すことができる。
本開示に係る技術は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
圧電体は、水晶に限定されないし、X軸、Y軸およびZ軸(換言すれば結晶方位)と、圧電体の形状(駆動腕および検出腕の延びる方向等)との相対関係も実施形態に例示したものに限定されない。駆動腕をx軸方向(振動方向)に振動させたときに捩り変形が生じ得る材料等であればよい。
駆動腕および検出腕の配置、本数および動作態様は、実施形態として例示したものに限定されない。センサ素子は、駆動腕をx軸方向(振動方向)に振動させ、検出腕のz軸方向(z軸方向)における振動によって角速度に応じた信号を出力するものであればよい。例えば、駆動腕は、1本のみ設けられてもよいし、1対の駆動腕は、互いに同位相で振動してもよい。
圧電体の各部の形状も種々のものとされてよい。例えば、駆動腕および/または検出腕は、先端側部分において幅(x軸方向)が広くなるハンマ形状とされていてもよい。また、駆動腕は、上面および/または下面に、駆動腕の長手方向に沿って延びる1以上の凹溝(当該凹溝は複数の凹部が駆動腕の長手方向に配列されて構成されてもよい)が設けられていてもよい。この場合、上面および/または下面に設けられる励振電極(15A)は、例えば、凹溝内に亘って設けられ、側面の励振電極(15B)と対向する。
駆動腕の断面形状は、矩形の1つの角部を切り欠いた形状に限定されない。例えば、曲げ剛性を高くしたい方向に凸部を設けてもよいし、曲げ剛性を弱くしたい対角線方向の2つの角部を切り欠いてもよい。
駆動腕を斜め振動させるための駆動腕の断面形状(例えば切欠き部が設けられた断面形状)は、駆動腕の全長に亘って形成されている必要はなく、駆動腕の長さ方向の一部においてのみ設けられていてもよい。
例えば、駆動腕の根元側の一部にのみ切欠き部を設けてもよい。この場合、例えば、駆動腕の断面2次モーメントが駆動腕の振動に及ぼす影響は駆動腕の根元側ほど大きくなるから、斜め振動を大きくしつつも、駆動腕の質量を確保したり、逆圧電効果の対称性を確保したりすることができる。
また、例えば、駆動腕の断面形状は、駆動腕の全長の1/4以上または1/2以上に亘って、駆動腕に斜め振動を生じさせる形状となっていてよい。この場合、例えば、斜め振動を生じさせる効果を十分に生じさせることができる。上記の全長の1/4以上または1/2以上の範囲は、例えば、励振電極の先端よりも根元側に確保される。
1…センサ素子、3…圧電体、5…基部、7…駆動腕、9…検出腕、15…励振電極、17…検出電極。

Claims (8)

  1. 基部と、前記基部から直交座標系xyzのy軸方向に延びている駆動腕および検出腕と、を有しており、単結晶により構成されている圧電体と、
    前記駆動腕をx軸方向に振動させることが可能な配置で前記駆動腕に位置している複数の励振電極と、
    前記検出腕のz軸方向における曲げ変形により生じる信号を検出可能な配置で前記検出腕に位置している複数の検出電極と、
    を有しており、
    前記圧電体は、前記駆動腕がx軸方向に振動したときに前記駆動腕に捩り変形の振動を生じさせる、結晶方位に対する異方性を有しており、
    前記駆動腕が+x側に曲がったときの前記捩り変形の向きは、前記基部の前記検出腕との連結位置がz軸方向の一方側へ変位する前記基部の撓みを生じさせる向きであり、
    前記駆動腕のy軸方向に直交する断面の形状は、+x側かつz軸方向の他方側への曲げ剛性が、+x側かつz軸方向の前記一方側への曲げ剛性よりも小さくなる形状である
    センサ素子。
  2. 前記駆動腕と前記検出腕とはx軸方向の位置が互いに異なっており、
    前記駆動腕が+x側に曲がったときの前記捩り変形の向きは、前記駆動腕のx軸方向における前記検出腕側の側面がz軸方向の前記一方側へ向かう向きである
    請求項1に記載のセンサ素子。
  3. 1対の前記駆動腕が前記検出腕に対してx軸方向の両側に位置しており、
    前記1対の駆動腕の一方に位置している前記複数の励振電極と、前記1対の駆動腕の他方に位置している前記複数の励振電極とが、前記1対の駆動腕がx軸方向において互いに逆側に曲がる振動を生じることが可能に互いに接続されている
    請求項2に記載のセンサ素子。
  4. 前記1対の駆動腕は、いずれもx軸方向の一方側および他方側の側面のうち、x軸方向の前記一方側のみが切り欠かれた形状である
    請求項3に記載のセンサ素子。
  5. 前記圧電体は、水晶であり、
    x軸は、電気軸であるX軸に対する傾斜角が−10°以上10°以下であり、
    y軸は、機械軸であるY軸に対する傾斜角が−10°以上10°以下であり、
    z軸は、光軸であるZ軸に対する傾斜角が−10°以上10°以下であり、
    z軸方向の前記一方側は、Z軸の負側に対応する側である
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のセンサ素子。
  6. 前記駆動腕は、X軸の正側および負側の側面のうち正側の側面のみが切り欠かれた形状である
    請求項5に記載のセンサ素子。
  7. 前記駆動腕は、+x側かつz軸方向の前記他方側への曲げ剛性が、+x側かつz軸方向の前記一方側への曲げ剛性よりも小さくなる形状を、当該駆動腕の全長の1/4以上に亘って有している
    請求項1〜6のいずれか1項に記載のセンサ素子。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のセンサ素子と、
    前記複数の励振電極に電圧を印加する駆動回路と、
    前記複数の検出電極からの信号を検出する検出回路と、
    を有している角速度センサ。
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