本開示の実施形態に係るセンサ素子及び角速度センサの構成には、検出用の配線に係る構成及び作用を除いて、特許文献1及び2に記載のものを適用可能である。従って、特許文献1及び2の内容は、参照による引用(Incorporation by reference)がなされてよい。
以下、図面を参照して本開示に係る実施形態について説明する。以下の図面は、模式的なものである。従って、細部は省略されることがあり、また、寸法比率等は現実のものと必ずしも一致しない。また、複数の図面相互の寸法比率も必ずしも一致しない。
また、各図には、説明の便宜のために、直交座標系xyzを付している。直交座標系xyzは、センサ素子(圧電体)の形状に基づいて定義されている。すなわち、x軸、y軸及びz軸は、結晶の電気軸、機械軸及び光軸を示すとは限らない。センサ素子は、いずれの方向が上方又は下方として使用されてもよいものであるが、以下では、便宜上、z軸方向の正側を上方として、上面又は下面等の用語を用いることがある。また、単に平面視という場合、特に断りがない限り、z軸方向に見ることをいうものとする。
同一又は類似する構成については、「駆動腕7A」、「駆動腕7B」のように、互いに異なるアルファベットの付加符号を付すことがあり、また、この場合において、単に「駆動腕7」といい、これらを区別しないことがある。
第2実施形態以降においては、基本的に、先に説明された実施形態との相違点のみについて説明する。特に言及がない点は、先に説明された実施形態の構成と同様とされてよい。また、複数の実施形態間において互いに対応する(同一又は類似する)構成については、形状等が異なっても共通の符号を付すことがある。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るセンサ素子1の構成を示す斜視図である。ただし、この図では、センサ素子1の表面に設けられる導電層の図示は基本的に省略されている。
センサ素子1は、例えば、z軸回りの角速度を検出する圧電振動式の角速度センサ51(符号は図2(b))を構成するものである。センサ素子1は、圧電体3を有している。圧電体3に電圧が印加されて圧電体3が振動している状態で、圧電体3が回転されると、コリオリの力による振動が圧電体3に生じる。このコリオリの力による振動によって生じる電気信号(例えば電圧又は電荷)を検出することによって角速度が検出される。具体的には、以下のとおりである。
(圧電体の形状)
圧電体3は、例えば、その全体が一体的に形成されている。圧電体3は、単結晶であってもよいし、多結晶であってもよい。また、圧電体3の材料は適宜に選択されてよく、例えば、水晶(SiO2)、LiTaO3、LiNbO3、PZT又はシリコンである。
圧電体3において、電気軸乃至は分極軸(以下、両者を代表して分極軸のみに言及することがある。)は、x軸に一致するように設定されている。分極軸は、所定の範囲(例えば15°以内)でx軸に対して傾斜していてもよい。また、圧電体3が単結晶である場合において、機械軸及び光軸は、適宜な方向とされてよい。例えば、機械軸はy軸方向、光軸はz軸方向とされている。
圧電体3は、例えば、全体として厚さ(z軸方向)が一定にされている。また、圧電体3は、例えば、概略、y軸に平行な不図示の対称軸に対して線対称の形状を有している。ただし、例えば、エッチングに対する圧電体3の異方性に起因する形状、配線の短絡の蓋然性を下げるための凹凸の存在などにより、細部は必ずしも線対称ではない。
圧電体3は、例えば、フレーム5と、フレーム5から延びている2つ(例えば1対、以下、1対の場合で説明する)の駆動腕7(7A及び7B)並びに検出腕9と、フレーム5を支持している2つ(例えば1対、以下1対の場合で説明する)の実装腕11とを有している。
1対の駆動腕7は、電圧(電界)が印加されることによって励振される部分である。検出腕9は、コリオリの力によって振動し、角速度に応じた電気信号を生成する部分である。フレーム5は、駆動腕7及び検出腕9の支持、及び駆動腕7から検出腕9への振動の伝達に寄与する部分である。実装腕11は、不図示の実装基体(例えばパッケージの一部又は回路基板)へセンサ素子1を実装することに寄与する部分である。
フレーム5は、例えば、全体としてx軸方向を長手方向とする長尺形状であり、1対の実装腕11に架け渡されている。フレーム5の両端は、1対の実装腕11によって支持される被支持部となっている。フレーム5は、平面視において、両端が支持された梁のように撓み変形が可能となっている。
図示の例では、フレーム5は、その全体がx軸方向に直線状に延びる形状とされている。ただし、フレーム5は、これ以外の形状とされてもよい。例えば、フレーム5は、両端に屈曲部を有していてもよい。この場合、フレーム5の全長が長くなることなどから、フレーム5が撓み変形しやすくなる。
フレーム5の各種寸法は適宜に設定されてよい。例えば、フレーム5の幅(y軸方向)及び厚さ(z軸方向)は、いずれが他方よりも大きくてもよい。また、例えば、フレーム5は、平面視において撓み変形することが予定されているから、フレーム5の幅は、比較的小さくされてよい。例えば、フレーム5の幅は、圧電体3のうち後述する端子13が設けられる部分(本実施形態では実装腕11)の幅よりも小さくされてよい。また、例えば、フレーム5の長さ及び幅は、平面視における撓み変形の固有振動数が、駆動腕7の、電圧印加によって励振される方向における固有振動数に近くづくように、及び/又は検出腕9の、コリオリの力によって振動する方向における固有振動数に近づくように、調整されてよい。
フレーム5の長さL1は、例えば、フレーム5の一端から他端への長さ(フレーム5の2つの支持位置の一方から他方への長さ)とされてよい。図示の例では、長さL1は、−x側の実装腕11の+x側の側面から+x側の実装腕11の−x側の側面までの距離(最短距離)と同じである。フレーム5が屈曲部を有しているなど、フレーム5が直線状でない場合においては、長さL1は、フレーム5(より詳細にはその中心線)の経路に沿う長さとされてよい。
駆動腕7は、フレーム5からy軸方向に延びており、その先端は自由端とされている。従って、駆動腕7は、片持ち梁のように撓み変形が可能となっている。1対の駆動腕7は、x軸方向に互いに離れた位置にて互いに並列(例えば平行)に延びている。1対の駆動腕7は、例えば、フレーム5の中央を通り、y軸に平行な不図示の対称軸(検出腕9を参照)に対して線対称の位置に設けられている。
後述するように(図3(a)及び図3(b))、1対の駆動腕7は、x軸方向の励振によってフレーム5を平面視において撓み変形(振動)させることが意図されている。従って、例えば、1対の駆動腕7のフレーム5に対するx軸方向の位置は、1対の駆動腕7の振動によってフレーム5の撓み変形が大きくなるように適宜に設定されてよい。例えば、フレーム5のx軸方向における長さを3等分したときに、1対の駆動腕7は、両側の領域にそれぞれ位置している。
駆動腕7の具体的形状等は適宜に設定されてよい。例えば、駆動腕7は、長尺の直方体状とされている。すなわち、断面形状(xz平面)は矩形である。特に図示しないが、駆動腕7は、先端側部分において幅(x軸方向)が広くなるハンマ形状とされていてもよい。1対の駆動腕7は、例えば、概略、互いに線対称の形状及び大きさとされている。従って、両者の振動特性は互いに同等である。ただし、例えば、不要振動を低減するために横断面の形状を調整する(例えば矩形に切り欠きを設けるなど)ことによって、1対の駆動腕7の形状は線対称でなくなることもある。
駆動腕7は、後述するように、x軸方向において励振される。従って、駆動腕7は、その幅(x軸方向)が大きくなると、励振方向(x軸方向)における固有振動数が高くなり、その長さ(別の観点では質量)が大きくなると、励振方向における固有振動数は低くなる。駆動腕7の各種の寸法は、例えば、駆動腕7の励振方向における固有振動数が、意図した周波数に近くなるように設定されてよい。この場合に、意図した周波数が不要振動周波数(圧電体3のz軸方向において不要な振動が生じる周波数)から1kHz以上離すように設定されるとよい。なぜなら、駆動腕7の励振時のフレーム動作のバランス崩れを低減できて、後述する検出腕9の意図しない振動を低減できるからである。
検出腕9は、フレーム5からy軸方向に延びており、その先端は自由端とされている。従って、検出腕9は、片持ち梁のように撓み変形が可能となっている。また、検出腕9は、1対の駆動腕7の間において、1対の駆動腕7に対して並列(例えば平行)に延びている。検出腕9は、例えば、フレーム5のx軸方向中央に位置し、及び/又は1対の駆動腕7の間の中央に位置している。
検出腕9の具体的形状等は適宜に設定されてよい。例えば、検出腕9は、長尺の直方体状とされている。すなわち、断面形状(xz平面)は矩形である。検出腕9は、先端側部分において幅(x軸方向)が広くなるハンマ形状とされていてもよい(後述する図8の検出腕9A及び9B参照)。
検出腕9は、後述するように、本実施形態においては、コリオリの力によってx軸方向に振動する。従って、検出腕9は、その幅(x軸方向)が大きくなると、振動方向(x軸方向)における固有振動数が高くなり、その長さ(別の観点では質量)が大きくなると、振動方向における固有振動数は低くなる。検出腕9の各種の寸法は、例えば、検出腕9の振動方向における固有振動数が、駆動腕7の励振方向における固有振動数に近くなるように設定されてよい。検出腕9の長さは、例えば、駆動腕7の長さと同等である。ただし、両者は異なっていてもよい。
1対の実装腕11は、例えば、y軸方向を長手方向とする形状に形成されている。図示の例では、実装腕11は、横断面(xz断面)の形状が長さ方向(y軸方向)に一定とされている。ただし、実装腕11は、フレーム5との連結部において幅が狭くされているなど、長さ方向において横断面の形状が変化してもよい。実装腕11の各種の寸法は適宜に設定されてよい。
(端子)
1対の実装腕11の下面には、少なくとも4つの端子13(13A〜13D)が設けられている。端子13は、不図示の実装基体に設けられたパッドに対向し、その実装基体のパッドに対して半田乃至は導電性接着剤からなるバンプにより接着される。これにより、センサ素子1と実装基体との電気的な接続がなされ、また、センサ素子1(圧電体3)は、駆動腕7及び検出腕9が振動可能な状態で支持される。4つの端子13は、例えば、1対の実装腕11の両端に設けられている。
(励振電極及び検出電極)
図2(a)は、センサ素子1の一部を拡大して示す斜視図である。また、図2(b)は、図2(a)のIIb−IIb線における断面図である。
センサ素子1は、駆動腕7に電圧を印加するための励振電極15(15A及び15B)と、検出腕9に生じた信号を取り出すための検出電極17(17A及び17B)とを有している。これらは、圧電体3の表面に形成された導体層によって構成されている。導体層の材料は、例えば、Cu,Al等の金属である。
励振電極15及び検出電極17の付加符号A、Bは、直交座標系xyzに基づいて付されている。従って、後述するように、一の駆動腕7の励振電極15Aと、他の駆動腕7の励振電極15Aとは同電位とは限らない。励振電極15Bについても同様である。検出腕9が複数本設けられる態様(後述する実施形態)において、検出電極17A及び17Bについても同様である。
励振電極15Aは、各駆動腕7において、上面及び下面(z軸方向の両側に面する、例えば1対の面)それぞれに設けられている。また、励振電極15Bは、各駆動腕7において、例えば1対の側面(x軸方向の両側に面する1対の面)それぞれに設けられている。
後述する実施形態においては、フレーム5からy軸方向の負側に延びる駆動腕7が設けられることがある。そのような駆動腕7においても、励振電極15の付加符号Aは、上面及び下面に対応し、励振電極15の付加符号Bは、側面に対応するものとする。
各駆動腕7の上下左右の各面において、励振電極15は、例えば、各面の大部分を覆うように形成されている。ただし、励振電極15A及び15Bは、互いに短絡しないように、少なくとも一方(本実施形態では励振電極15A)が各面よりも幅方向において小さく形成されている。また、駆動腕7の根元側及び先端側の一部も、励振電極15の非配置位置とされてよい。
各駆動腕7において、2つの励振電極15Aは互いに同電位とされる。また、各駆動腕7において、2つの励振電極15Bは互いに同電位とされる。同電位とされるべき励振電極15同士は、例えば、互いに接続されている。
励振電極15Aと励振電極15Bとの間に電圧を印加すると、例えば、駆動腕7においては、上面から1対の側面(x軸方向の両側)に向かう電界及び下面から1対の側面に向かう電界が生じる。一方、分極軸は、x軸方向に一致している。従って、電界のx軸方向の成分に着目すると、駆動腕7のうちx軸方向の一方側部分においては電界の向きと分極軸の向きは一致し、他方側部分においては電界の向きと分極軸の向きは逆になる。
その結果、駆動腕7のうちx軸方向の一方側部分はy軸方向において収縮し、他方側部分はy軸方向において伸長する。そして、駆動腕7は、バイメタルのようにx軸方向の一方側へ湾曲する。励振電極15A及び15Bに印加される電圧が逆にされると、駆動腕7は逆方向に湾曲する。このような原理により、交流電圧が励振電極15A及び15Bに印加されると、駆動腕7はx軸方向において振動する。
特に図示しないが、駆動腕7の上面及び/又は下面に、駆動腕7の長手方向に沿って延びる1以上の凹溝(当該凹溝は複数の凹部が駆動腕7の長手方向に配列されて構成されてもよい)が設けられ、励振電極15Aは、この凹溝内に亘って設けられてもよい。この場合、励振電極15Aと励振電極15Bとが凹溝の壁部を挟んでx軸方向において対向することになり、励振の効率が向上する。
1対の駆動腕7においては、駆動腕7Aの励振電極15Aと駆動腕7Bの励振電極15Bとが同電位とされ、駆動腕7Aの励振電極15Bと駆動腕7Bの励振電極15Aとが同電位とされる。同電位とされるべき励振電極15同士は、例えば、互いに接続されている。
このような接続関係において励振電極15Aと励振電極15Bとの間に交流電圧を印加すると、1対の駆動腕7は、互いに逆の位相の電圧が印加されることになる。その結果、1対の駆動腕7は、x軸方向において互いに逆向きに撓み変形するように振動する。
検出電極17は、本実施形態では、励振電極15と同様の構成とされている。すなわち、検出電極17Aは、検出腕9において、上面及び下面(z軸方向の両側に面する、例えば1対の面)それぞれに設けられている。また、検出電極17Bは、検出腕9において、1対の側面(x軸方向の両側に面する、例えば1対の面)それぞれに設けられている。2つの検出電極17A同士は互いに接続され、また、2つの検出電極17B同士は互いに接続されている。
励振電極15と同様に、検出電極17においても、付加符号Aは上面及び下面に対応し、付加符号Bは側面に対応している。上述した励振電極15の駆動腕7における広さ及び配置位置についての説明は、検出電極17の検出腕9における広さ及び配置位置に援用されてよい。また、検出腕9においても、上面及び/又は下面に凹溝が形成されてよい。
検出腕9がx軸方向に撓み変形すると、駆動腕7の励振とは逆の原理により、検出電極17Aと検出電極17Bとの間に電圧が生じる。換言すれば、検出電極17A及び17Bは、互いに正負(極性)が異なる電荷(別の観点では電位又は信号)を検出腕9から取り出す。検出腕9がz軸方向に振動すると、検出電極17に付与される電圧は交流電圧として検出される。
(配線部(概要))
センサ素子1は、複数の端子13のうち少なくとも2つ(本実施形態では4つの端子13のうち2つ)及び複数の励振電極15を相互に接続する複数の励振用配線部19と、複数の端子13のうち他の少なくとも2つ(本実施形態では4つのうち他の2つ)及び複数の検出電極17を相互に接続する複数の検出用配線部21と、を有している。
より詳細には、複数の励振用配線部19の一部は、複数の励振電極15A及び4つの端子13のうち一つを相互に接続している。また、複数の励振用配線部19の残りは、複数の励振電極15B及び4つの端子13のうち他の一つを相互に接続している。複数の検出用配線部21の一部は、複数の検出電極17A及び4つの端子13のうち更に他の一つを相互に接続している。また、複数の検出用配線部21の残りは、複数の検出電極17B及び4つの端子13のうち残りの一つを相互に接続している。
複数の励振用配線部19及び複数の検出用配線部21は、圧電体3の表面に形成された導体層によって構成されている。導体層の材料は、例えば、Cu,Al等の金属である。また、これらの配線部は、励振電極15及び検出電極17の材料と同一の材料によって構成されてよい。
複数の励振用配線部19及び複数の検出用配線部21は、圧電体3の種々の部分の上面、下面及び/又は側面において適宜に配されることによって、その全体が圧電体3の表面に設けられる態様で、互いに短絡することなく、上述した接続を実現可能である。ただし、圧電体3上に位置する配線部の上に絶縁層を設け、その上に他の配線部を設けることによって、立体交差部が形成されても構わない。
また、圧電体3には、外部から基準電位が付与される基準電位用の1以上の端子13と、この基準電位用の端子13に接続される基準電位配線20(図2(a)に2点鎖線で示す)とが設けられていてもよい。基準電位用の端子13は、励振用配線部19及び検出用配線部21と接続される上記4つの端子13とは別の不図示の端子であり、例えば、実装腕11の下面の適宜な位置に設けられてよい。
基準電位配線20は、例えば、励振用配線部19と検出用配線部21との間に位置している部分を有している。より具体的には、例えば、基準電位配線20の一部は、フレーム5の上面及び/又は下面において、1つ以上(図示の例では2つ)の励振用配線部19と、1つ以上(図示の例では2つ)の検出用配線部21との間で、フレーム5の長手方向に沿って(例えば平行に)に延びている。
励振用配線部19と検出用配線部21との間に基準電位配線20を設けることにより、例えば、基準電位配線20がシールドとして機能し、励振用配線部19を流れる駆動信号が、検出用配線部21を流れる検出信号に及ぼす影響を低減できる。その結果、検出精度が向上する。別の観点では、励振用配線部19と検出用配線部21とを近接配置することができる。
(駆動回路及び検出回路)
図2(b)に示すように、角速度センサ51は、励振電極15に電圧を印加する駆動回路103と、検出電極17からの電気信号を検出する検出回路105とを有している。
駆動回路103は、例えば、発振回路や増幅器を含んで構成されており、所定の周波数の交流電圧を2つの端子13を介して励振電極15Aと励振電極15Bとの間に印加する。周波数は、角速度センサ51内にて予め定められていてもよいし、外部の機器等から指定されてもよい。
検出回路105は、例えば、増幅器や検波回路を含んで構成されており、2つの端子13を介して検出電極17Aと検出電極17Bとの電位差を検出し、その検出結果に応じた電気信号を外部の機器等に出力する。より具体的には、例えば、上記の電位差は、交流電圧として検出され、検出回路105は、検出した交流電圧の振幅に応じた信号を出力する。この振幅に基づいて角速度が特定される。また、検出回路105は、駆動回路103の印加電圧と検出した電気信号との位相差に応じた信号を出力する。この位相差に基づいて回転の向きが特定される。
駆動回路103及び検出回路105は、全体として制御回路107を構成している。制御回路107は、例えば、チップIC(Integrated Circuit)によって構成されており、センサ素子1が実装される回路基板又は適宜な形状の実装基体に実装されている。
(角速度センサの動作)
図3(a)及び図3(b)は、圧電体3の励振を説明するための模式的な平面図である。両図は、励振電極15に印加されている交流電圧の位相が互いに180°ずれている。
上述のように、駆動腕7A及び7Bは、励振電極15に交流電圧が印加されることによってx軸方向において互いに逆向きに変形するように互いに逆の位相で励振される。このとき、図3(a)に示すように、1対の駆動腕7が互いにx軸方向の外側(1対の駆動腕7が互いに離れる側)に撓むと、その曲げモーメントがフレーム5に伝わり、フレーム5はy軸方向の正側へ撓む。その結果、検出腕9がy軸方向の正側へ変位する。逆に、図3(b)に示すように、1対の駆動腕7が互いにx軸方向の内側(1対の駆動腕7が互いに近づく側)に撓むと、その曲げモーメントがフレーム5に伝わり、フレーム5はy軸方向の負側へ変位する。その結果、検出腕9がy軸方向の負側へ変位する。従って、1対の駆動腕7が励振されることによって、検出腕9がy軸方向において振動することになる。
図4(a)及び図4(b)は、コリオリの力による検出腕9の振動を説明するための模式的な斜視図である。図4(a)及び図4(b)は、図3(a)及び図3(b)の状態に対応している。この図では、駆動腕7及びフレーム5の変形については図示が省略されている。
図3(a)及び図3(b)を参照して説明したように圧電体3が振動しているとする。この状態で、センサ素子1がz軸回りに回転されると、検出腕9は、y軸方向に振動(変位)していることから、コリオリの力によって回転軸(z軸)と振動方向(y軸)とに直交する方向(x軸方向)において振動(変形)する。この変形によって生じる信号(例えば電圧)は、上述のように検出電極17によって取り出される。コリオリの力(ひいては検出される信号の電圧)は、角速度が大きいほど大きくなる。これにより、角速度が検出される。
(検出用配線部)
図5(a)は、検出用配線部21を模式的に示す上面図(+z側の面を示す図)である。図5(b)は、検出用配線部21を模式的に示す下面図(−z側の面を示す図)である。ただし、図5(b)は、上方(+z側)からセンサ素子1を透視してセンサ素子1の下面を示している。
これらの図では、圧電体3、検出電極17、検出用配線部21及び端子13が模式的に示されている。既述のように、検出電極17、検出用配線部21及び検出用配線部21に接続される端子13は、電位の観点から2組に分けられる。この電位が互いに異なる組み合わせについては、互いに異なるハッチングを付している。
また、図5(a)では、基準電位配線20を設けた場合の当該配線の少なくとも一部の位置の例も2点鎖線で示されている。基準電位配線20の、検出用配線部21とは反対側には、ここでは不図示の励振用配線部19が位置してよい。後述する他の実施形態における図5(a)に相当する他の図面においても同様である。
複数の検出用配線部21のうち、一方の電位に係るものを「第1配線部21P」と呼称する。複数の検出用配線部21のうち、他方の電位に係るものを「第2配線部21N」と呼称する。第1配線部21Pは、例えば、検出電極17と端子13とを接続する検出用配線部21と、検出電極17同士を接続する検出用配線部21とを含んでいる。換言すれば、第1配線部21Pは、検出電極17によって分けられた複数の部位を含む。第2配線部21Nについても同様である。
また、フレーム5のうち、検出腕9よりもフレーム5の長手方向の一方側(−x側)の部分を「第1部位5a」と呼称する。フレーム5のうち、検出腕9よりもフレーム5の長手方向の他方側(+x側)の部分を「第2部位5b」と呼称する。第1部位5a及び第2部位5bの構成は、概略、検出腕9に対して線対称である。
既述のように、検出電極17A同士は互いに接続され、検出電極17B同士は互いに接続されている。図示の例では、検出電極17A同士は、第2配線部21Nのうち検出腕9の先端に位置する部分によって互いに接続されている。検出電極17B同士は、第1配線部21Pのうちフレーム5の検出腕9の根本周辺に位置する部分によって互いに接続されている。検出電極17同士を接続する検出用配線部21の検出腕9に対する位置関係(先端側か根本側か)は、図示の例とは逆であっても構わない。
第1配線部21Pは、検出腕9の根元付近からフレーム5の長さ方向の一方側(−x側)へ、フレーム5に沿って延びている部分を有している。同様に、第2配線部21Nは、検出腕9の根元付近からフレーム5の長さ方向の一方側(−x側)へ、フレーム5に沿って延びている部分を有している。すなわち、第1配線部21P及び第2配線部21Nは、フレーム5において、検出腕9に対して互いに同一側へ延びている。同一側は、図示の例とは逆に、+x側であっても構わない。別の観点では、両配線部は、少なくとも一部がフレーム5上においてフレーム5の長さ方向に並列に延びている。並列に延びている長さは、図示の例では、フレーム5の長さの1/2よりも若干短い長さであり、換言すれば、フレーム5の長さの1/4以上である。第1配線部21P及び第2配線部21Nは、フレーム5の端部まで延びた後、実装腕11上を延びて端子13A及び13Cに接続されている。
第1配線部21P及び第2配線部21Nの第1部位5a(又は第2部位5b。以下、同様。)における形状及び幅等は適宜に設定されてよい。例えば、第1配線部21P及び第2配線部21Nは、第1部位5aの全長又は8割以上に亘って、一定の幅で直線状に延びている。また、第1部位5aにおける幅は、例えば、第1配線部21Pと第2配線部21Nとで同一である。ただし、第1配線部21P及び第2配線部21Nは、第1部位5aをその長手方向に延びている過程において曲がってもよいし、幅が変化してもよいし、互いに幅が異なっていてもよい。
以上のとおり、本実施形態では、センサ素子1は、圧電体3と、複数の励振電極15と、複数の検出電極17と、複数の端子13と、複数の励振用配線部19と、第1及び第2検出用配線部(第1配線部21P及び第2配線部21N)とを有している。圧電体3は、フレーム5と、1対の駆動腕7と、検出腕9とを有している。フレーム5は、直交座標系xyzのx軸方向を長さ方向としている。1対の駆動腕7は、x軸方向に互いに離れた位置にてフレーム5からy軸方向に互いに並列に延びている。検出腕9は、x軸方向にて1対の駆動腕7の中央となる位置においてフレーム5からy軸方向に延びている。複数の励振電極15は、1対の駆動腕7をx軸方向に励振する配置で1対の駆動腕7に位置している。検出電極17A及び17Bは、検出腕9がx軸方向又はz軸方向(本実施形態ではx軸方向)に振動したときに互いに正負が異なる電荷を取り出す配置で検出腕9に位置している。複数の励振用配線部19は、2つの励振用端子(図5(b)では13B及び13D)に交流電圧が印加されたときに1対の駆動腕7がx軸方向において互いに逆側へ曲がって逆の位相で振動する接続関係で、複数の励振電極15及び2つの端子13B及び13Dを接続している。第1配線部21Pは、1以上の第1検出電極(図示の例では検出電極17B)と第1検出用端子(図示の例では端子13A)とに接続されている。第2配線部21Nは、1以上の第2検出電極(図示の例では検出電極17A)と第2検出用端子(図示の例では端子13C)とに接続されている。第1配線部21Pの少なくとも一部と第2配線部21Nの少なくとも一部とは、フレーム5上(第1部位5a上)においてフレーム5の長さ方向にフレーム5の長さの1/4以上の長さに亘って並列に延びている。
従って、例えば、検出精度を向上させることができる。具体的には、以下のとおりである。
図6(a)及び図6(b)は、比較例に係るセンサ素子101の検出用配線部21を模式的に示す、図5(a)及び図5(b)に相当する図である。
センサ素子101においては、実施形態とは異なり、第1配線部21P及び第2配線部21Nは、フレーム5において、検出腕9に対して互いに反対方向へ延びている。この相違に伴い、第2配線部21Nに接続される端子13も実施形態とは異なっている。特に図示しないが、励振用配線部19の配置及び励振用配線部19に接続される端子13も実施形態とは異なっている。
センサ素子101では、実施形態のセンサ素子1と同様に、フレーム5がy軸方向に撓み変形する。この撓み変形に伴って、フレーム5の上面においては電荷が生じる。この電荷は、第1部位5aと第2部位5bとで正負及び/又は大きさが互いに異なる。例えば、本実施形態のように1対の駆動腕7がx軸方向において線対称に駆動されるようにセンサ素子1が構成されている場合においては、概略、第1部位5a及び第2部位5bに生じる電荷は、正負が互いに逆であり、また、概ね同等の大きさ(絶対値)となることが多い。以下の説明でも、この場合を例に取る。
そして、第1部位5aに生じた電荷は、第1部位5aに位置する第1配線部21Pに付与される。第2部位5bに生じた電荷は、第2部位5bに位置する第2配線部21Nに付与される。従って、第1配線部21P及び第2配線部21Nには、フレーム5から電圧が印加されることになる。
その結果、第1配線部21P及び第2配線部21Nに接続されている2つの端子13(図6(b)では13A及び13B)の間の電圧は、検出電極17によって検出された電圧に対して、フレーム5から配線部に印加された電圧が重畳されたものとなる。これにより、2つの端子13の間の電圧は、検出されるべき電圧よりも大きい、又は小さいものとなる。すなわち、検出電極17からの検出信号にノイズが混入し、センサ素子1の検出精度が低下する。
一方、実施形態に係るセンサ素子1では、第1配線部21P及び第2配線部21Nは、いずれも第1部位5aに位置しており、第2部位5bに位置していない。従って、フレーム5から両配線部に付与される電荷は正負が同一のものである。そして、この電荷によって、両配線部の電位は、共に上昇し、又は共に降下する。すなわち、フレーム5に生じた電荷によって両配線部に印加される電圧は、生じないか、比較例に比較して低減される。その結果、検出電極17からの検出信号に混入されるノイズが低減され、センサ素子1の検出精度が向上する。
第1実施形態の構成及び効果の一部については、比較例との比較よりも、第2実施形態との比較において説明した方が理解しやすい。従って、後述する第2実施形態の説明では、第1実施形態の構成及び効果についても補足する。
実施形態では、第1配線部21P及び第2配線部21Nは、フレーム5の上面及び下面のうち上面のみに位置した。ただし、両配線部は、フレーム5の下面に位置していてもよい。また、上面と下面とに生じる電位の正負は同一である場合が多い。従って、両配線部は、上面及び下面に少なくとも一部が分かれて配置されていても構わない。後述する実施形態においても同様である。
検出腕9の根本周辺においては、検出用配線部21が錯綜することによって、意図せずに第1配線部21Pと第2配線部21Nとがフレーム5の長さ方向に沿って並走している可能性がある。ただし、そのような検出腕9の根本周辺のみにおける並走は、フレーム5の長さの1/4以上に亘ることはないと考えられる。
以上の第1実施形態において、検出電極17Bは第1(又は第2)検出電極の一例である。検出電極17Aは第2(又は第1)検出電極の一例である。第1配線部21Pは第1(又は第2)検出用配線部の一例である。第2配線部21Nは第2(又は第1)検出用配線部の一例である。端子13Aは第1(又は第2)検出用端子の一例である。端子13Cは第2(又は第1)検出用端子の一例である。端子13B及び13Dは励振用端子の一例である。
[第2実施形態]
図7(a)は、第2実施形態に係るセンサ素子201の検出用配線部21を模式的に示す、図5(a)に相当する図(上面図)である。センサ素子201の下面図は、比較例に係る図6(b)と同様である。
センサ素子201は、比較例に係るセンサ素子101において、第2配線部21Nの構成を変更したものとなっている。具体的には、第2配線部21Nは、センサ素子101の第2配線部21Nに相当する配線本体21aに対して、調整用配線21bを追加した構成とされている。
配線本体21aは、第2配線部21N(又は第1配線部21P)において、一端が検出電極17に接続されており、他端が他の検出電極17又は端子13に接続されている部分である。すなわち、配線本体21aは、検出電極17から検出回路105への検出信号の伝達経路を構成している。一方、調整用配線21bは、第2配線部21N(又は第1配線部21P)において、一端が直接又は間接に検出電極17に接続されており、他端が開放端とされている部分である。すなわち、調整用配線21bは、検出電極17から検出回路105への検出信号の伝達経路を直接には構成していない。
後述の種々の実施形態から理解されるように、第1配線部21P及び第2配線部21Nそれぞれにおいて、配線本体21aは複数設けられてよく、また、調整用配線21bも複数設けられてよい。複数の配線本体21aは、一部が互いに共用されていてもよい。調整用配線21bの一端は、直接に検出電極17に接続されていてもよいし、配線本体21a又は端子13を介して検出電極17に接続されていてもよい。配線の屈曲の態様等によって、調整用配線21bの中途から配線本体21aが延びているように見えても、検出電極17から端子13までが配線本体21aである。また、調整用配線21bの他端が開放端とされているということは、換言すれば、当該他端は、端子13等に接続されていないということである。
第2配線部21Nの配線本体21aは、比較例と同様に、検出腕9の根本周辺からフレーム5の長手方向に延びる方向が、第1配線部21P(その配線本体21a)と逆方向となっている。一方、第2配線部21Nの調整用配線21bは、検出腕9の根本周辺からフレーム5の長手方向に延びる方向が、第1配線部21Pと同一方向となっている。換言すれば、第1配線部21Pの配線本体21a及び第2配線部21Nの調整用配線21bは、いずれも第1部位5aに位置している。
調整用配線21bの形状及び寸法等は適宜に設定されてよい。例えば、調整用配線21bは、第1部位5aの全長又は8割以上に亘って、一定の幅で直線状に延びている。また、調整用配線21bの第1部位5aにおける幅は、例えば、第1配線部21P及び/又は第2配線部21Nの配線本体21aの幅と同一である。ただし、調整用配線21bは、第1部位5aの全長の8割未満であってもよいし、第1部位5aをその長手方向に延びている過程において曲がってもよいし、幅が変化してもよいし、幅が第1配線部21P及び/又は第2配線部21Nの幅と異なっていてもよい。さらに、調整用配線21bは、フレーム5又は実装腕11等において折り返すように延びていてもよい。
図示の例とは逆に、第2配線部21Nが第1部位5aに調整用配線21bを有するのではなく、第1配線部21Pが第2部位5bに調整用配線21bを有していてもよい。
以上の構成によっても、上述したフレーム5に生じる電荷の影響を低減する効果を得ることができる。具体的には、本実施形態の第2配線部21Nにおいては、第2部位5bに位置する配線本体21aに付与される電荷と、第1部位5aに位置する調整用配線21bに付与される電荷とは正負が逆になる。その結果、両電荷の少なくとも一部は第2配線部21Nにおいて相殺される。例えば、第2配線部21Nにおいて全ての電荷が相殺されたと仮定すると、第1配線部21P及び第2配線部21Nの間の電圧は、第1配線部21Pに付与された電荷のみによって生じる。一方、比較例においては、既述のように、第1配線部21P及び第2配線部21Nに付与された互いに正負が異なる電荷によって両配線部に電圧が印加される。従って、本実施形態では、比較例に比較して、フレーム5の撓み変形に起因して第1配線部21P及び第2配線部21Nに印加される電圧(ノイズ)が低減される。
上記の効果について、説明を簡単にするための仮定を置いて更に検討する。図6(a)に示すように、第1部位5a及び第2部位5bそれぞれの長手方向の長さをLaとする。第1配線部21P及び第2配線部21Nが第1部位5a又は第2部位5bを延びる長さも同様にLaであるとする。第1部位5a及び第2部位5bにおいて生じる電荷は、正負が逆で大きさが互いに同一であるものとする。検出用配線部21が第1部位5a又は第2部位5bにおいてx軸方向に延びる長さが同一であれば、同一の大きさ(絶対値)の電荷が付与されるものとする。以下の種々の説明では、便宜上、正確性を無視して、この仮定の下で説明を行うことがある。
上記のように仮定すると、第1配線部21P及び第2配線部21Nの間に生じる電荷の差の大きさは、両配線部の第1部位5a及び第2部位5bにおける長さの比較から特定し、かつ長さLaで代替して考えることができる。例えば、第1配線部21Pについて、第1部位5aにおける長さから第2部位5bにおける長さを引いた第1長さLPと、第2配線部21Nについて、第1部位5aにおける長さから第2部位5bにおける長さを引いた第2長さLNとを考える。LPとLNとの差が0であれば、第1配線部21Pと第2配線部21Nとで付与された電荷に差は無く、両者の間に電圧(ノイズ)は生じない。LPとLNとの差の絶対値が大きければ、両配線部の間に生じる電圧は大きくなる。
例えば、比較例(図6(a))においては、第1配線部21Pについて、第1部位5aにおける長さ(La)から第2部位5bにおける長さ(0)を引いた長さLPはLaである。第2配線部21Nについて、第1部位5aにおける長さ(0)から第2部位5bにおける長さ(La)を引いた長さLPは−Laである。従って、長さLPとLNとの差は、(La−(−La))=2Laとなる。
また、例えば、第1実施形態(図5(a))においては、第1配線部21Pについて、第1部位5aにおける長さ(La)から第2部位5bにおける長さ(0)を引いた長さLPはLaである。第2配線部21Nについて、第1部位5aにおける長さ(La)から第2部位5bにおける長さ(0)を引いた長さLPはLaである。従って、長さLPとLNとの差は、(La−La)=0となる。
また、例えば、第2実施形態(図7(a))においては、第1配線部21Pについて、第1部位5aにおける長さ(La)から第2部位5bにおける長さ(0)を引いた長さLPはLaである。第2配線部21Nについて、第1部位5aにおける長さ(配線本体21aの長さLa)から第2部位5bにおける長さ(調整用配線21bの長さLa)を引いた長さLPは0である。従って、長さLPとLNとの差は、La−0=Laとなる。
従って、上記の仮定の下では、第1実施形態では、フレーム5から第1配線部21P及び第2配線部21Nに付与される電圧(ノイズ)は全てキャンセルされる。また、第2実施形態では、比較例に比較して、フレーム5から第1配線部21P及び第2配線部21Nに付与される電圧は半分にされる。
以上のとおり、本実施形態においても、第1検出用配線部(第1配線部21P)の少なくとも一部と、第2検出用配線部(第2配線部21N)の少なくとも一部とが、フレーム5上においてフレーム5の長さ方向にフレーム5の長さの1/4以上に亘って並列に延びている。従って、第1実施形態と同様の効果が奏される。例えば、フレーム5から第1配線部21Pに付与される電荷と、フレーム5から第2配線部21Nに付与される電荷との差を低減して、フレーム5の撓み変形に起因するノイズを低減することができる。
また、本実施形態では、第1検出用配線部(第1配線部21P)は、第1配線本体(配線本体21a)を有している。第1配線部21Pの配線本体21aは、一端が第1検出電極(検出電極17B)に接続されており、他端が他の第1検出電極(他の検出電極17B)又は第1検出用端子(図6(b)の端子13A参照)に接続されている。第2検出用配線部(第2配線部21N)は、第2配線本体(配線本体21a)と、調整用配線21bとを有している。第2配線部21Nの配線本体21aは、一端が第2検出電極(検出電極17A)に接続されており、他端が他の第2検出電極(他の検出電極17A)又は第2検出用端子(図6(b)の端子13B参照)に接続されている。調整用配線21bは、一端が検出電極17A、第2配線部21Nの配線本体21a又は端子13Bに接続されており、他端が開放端とされている。第1配線部21Pの配線本体21aの少なくとも一部と、第2配線部21Nの調整用配線21bの少なくとも一部とが、フレーム5上においてフレーム5の長さ方向に並列に延びている。
従って、例えば、比較例(図6(a))、第1実施形態(図5(a))及び本実施形態(図7(a))の比較から理解されるように、本実施形態では、比較例に対して、配線本体21aの位置、及び/又は各種の電極と複数の端子13との接続関係を変更する必要性が低減される。従って、例えば、初期設計に対して大きな変更を加えることなく、調整用配線21bを追加する簡便な方法で、フレーム5の撓み変形に起因するノイズを低減することができる。また、例えば、調整用配線21bの長さ(別の観点では開放端の位置)は任意であるから、フレーム5の撓み変形に起因するノイズの実測値に基づいて調整用配線21bの長さを調整し、ノイズ低減の効果を向上させることができる。
また、本実施形態では、第1検出用配線部(第1配線部21P)のうちフレーム5上においてフレーム5の長手方向へ延びる部分は、検出腕9の根本側から第1部位5a側へのみ延びている。第2検出用配線部(第2配線部21N)のうちフレーム5上においてフレーム5の長手方向へ延びる部分は、検出腕9の根本側から第1部位5a側及び第2部位5b側の双方へ延びている。
この場合、例えば、第1部位5a及び第2部位5bのいずれに生じた電荷も検出用配線部21を介して外部へ逃がすことができる。従って、第1部位5a及び第2部位5bの電荷が、検出腕9又は駆動腕7の周辺において、意図していない電界を形成する蓋然性を低下させることができる。また、例えば、第1配線部21P及び第2配線部21Nが第1部位5a側へのみ延びている態様(第1実施形態)に比較して、第1部位5aに位置する検出用配線部21の面積と第2部位5bに位置する検出用配線部21の面積とを近づけやすい。その結果、例えば、検出用配線部21がフレーム5の剛性に及ぼす影響を第1部位5a及び第2部位5bとで近づけることが容易である。
(第1実施形態の説明の補足)
第1実施形態では、第2実施形態とは異なり、第1配線本体(第1配線部21Pの配線本体21a)の少なくとも一部と、第2配線本体(第2配線部21Nの配線本体21a)の少なくとも一部とが、フレーム5上においてフレーム5の長さ方向に並列に延びている。
この場合、例えば、配線本体21a自体の構成によってフレーム5の撓み変形に起因するノイズを低減するから、フレーム5上における検出用配線部21の面積を低減しやすい。
また、第1実施形態では、第1検出用配線部(第1配線部21P)は、第1部位5a及び第2部位5bのうち少なくとも第1部位5aに位置している。第2検出用配線部(第2配線部21N)は、第1部位5a及び第2部位5bのうち少なくとも第1部位5aに位置している。第1配線部21Pの第1部位5aにおける長さ(La)から第1配線部21Pの第2部位5bにおける長さ(0)を引いた第1長さ(LP=La−0)と、第2配線部21Nの第1部位5aにおける長さ(La)から第2配線部21Nの第2部位5bにおける長さ(0)を引いた第2長さ(LN=La−0)との差が第1部位5aの長さLaの半分以下(0)である。
従って、既述のように、第1実施形態は、比較例に対してだけでなく、第2実施形態に対してもフレーム5の撓み変形に起因するノイズを低減することができる。上記における検出用配線部21の長さは、例えば、検出用配線部21の中心線上の長さとされてよく、また、x軸方向に延びる長さだけでなく、y軸方向に延びる長さも含めてよい。既述のように、検出腕9の根本周辺において検出用配線部21が錯綜することによって、比較例(図6(a))においても、意図せずに第1長さLP及び第2長さLNの差が縮小されることがある。ただし、このような錯綜による縮小では、当該差が長さLaの半分以下になることはないと考えられる。
また、第1実施形態では、第1検出用配線部(第1配線部21P)及び第2検出用配線部(第2配線部21N)のいずれにおいても、フレーム5上においてフレーム5の長手方向へ延びる部分は、検出腕9の根本側から第1部位5a側へのみ延びている。
この場合、例えば、調整用配線21bの数を少なく、又は調整用配線21bを無くすことができる。すなわち、簡素な構成で、上記の第1長さLPと第2長さLNとの差を長さLaの半分以下とすることができる。
第2実施形態及び後述の第3実施形態においては、第1実施形態とは異なり、端子13Bは第2(又は第1)検出用端子の一例である(図6(b)参照)。端子13C及び13Dは励振用端子の一例である。
[第3実施形態]
図7(b)は、第3実施形態に係るセンサ素子301の検出用配線部21を模式的に示す、図5(a)に相当する図(上面図)である。センサ素子301の下面図は、比較例に係る図6(b)と同様である。
第2実施形態では、第1配線部21P及び第2配線部21Nのうち、第2配線部21Nにのみ調整用配線21bを設けた。これに対して、本実施形態では、第1配線部21Pにも調整用配線21bが設けられている。また、本実施形態では、第1配線部21Pの第1部位5aにおける長さ(配線本体21aの長さLa)から第1配線部21Pの第2部位5bにおける長さ(調整用配線21bの長さLa)を引いた第1長さ(LP=La−La=0)と、第2配線部21Nの第1部位5aにおける長さ(調整用配線21bの長さLa)から第2配線部21Nの第2部位5bにおける長さ(配線本体21aの長さLa)を引いた第2長さ(LN=La−La=0)との差(0−0=0)が、第1部位5aの長さLaの半分以下である。
以上のとおり、本実施形態においても、第1及び第2実施形態と同様に、第1検出用配線部(第1配線部21P)の少なくとも一部と、第2検出用配線部(第2配線部21N)の少なくとも一部とが、フレーム5上においてフレーム5の長さ方向にフレーム5の長さの1/4以上に亘って並列に延びている。従って、他の実施形態と同様の効果が奏される。例えば、フレーム5から第1配線部21Pに付与される電荷と、フレーム5から第2配線部21Nに付与される電荷との差を低減して、フレーム5の撓み変形に起因するノイズを低減することができる。
また、本実施形態では、第2実施形態と同様に、第1配線部21P及び第2配線部21Nの一方の配線本体21aの少なくとも一部と、第1配線部21P及び第2配線部21Nの他方の調整用配線21bの少なくとも一部とが、フレーム5上においてフレーム5の長さ方向に並列に延びている。従って、例えば、第2実施形態と同様に、比較例(別の観点では初期設計)に対して調整用配線21bを追加する簡便な方法で、フレーム5の撓み変形に起因するノイズを低減することができる。その一方で、本実施形態では、第1実施形態と同様に、第1長さLPと第2長さLNとの差が第1部位5aの長さLaの半分以下である。従って、第2実施形態よりもフレーム5の撓み変形に起因するノイズを低減しやすい。
別の観点では、第1検出用配線部(第1配線部21P)及び第2検出用配線部(第2配線部21N)のいずれにおいても、フレーム5上においてフレーム5の長手方向へ延びる部分は、検出腕9の根本側から第1部位5a側及び第2部位5b側の双方へ延びている。
この場合、例えば、第1実施形態と同様に、上記の第1長さLPと第2長さLNとの差を長さLaの半分以下とすることができる。その一方で、第2実施形態と同様に、例えば、第1部位5a及び第2部位5bのいずれに生じた電荷も検出用配線部21を介して外部へ逃がすことができる。また、例えば、第1部位5aに位置する検出用配線部21の面積と第2部位5bに位置する検出用配線部21の面積とを近づけやすい。
[第4実施形態]
図8は、第4実施形態に係るセンサ素子401の構成を示す平面図である。ただし、この図では、センサ素子401の表面に設けられる導電層の図示は基本的に省略されている。
(センサ素子の構成)
センサ素子401の圧電体403は、まず、第1実施形態の圧電体3を2つ組み合わせたような形状を含んでいる。すなわち、圧電体403は、2つのユニット404(404A及び404B)を有しており、各ユニット404は、フレーム5(5A又は5B)と、フレーム5からy軸方向に互いに並列に延びる少なくとも1対(本実施形態では2対)の駆動腕7(7C〜7J)及び検出腕9(9A又は9B)とを有している。
2つのユニット404は、駆動腕7及び検出腕9が延びる方向とは反対側同士を対向させるように配置されている。2つのユニット404間の距離は、例えば、フレーム5A及び5Bが互いに接触しないように適宜に設定されてよい。2つのユニット404同士は、例えば、概略、同一の形状及び大きさ(x軸に平行な不図示の対称軸に対して線対称の形状及び大きさ)である。
また、第1実施形態の圧電体3は、フレーム5を支持する部分及び端子13が設けられる部分として1対の実装腕11を有していた。これに対して、圧電体403において実装腕11に対応する実装部411は、平面視において、フレーム5を支持する内枠23と、内枠23からその外側に突出する突部25と、突部25の先端に接続されている外枠27とを有しており、外枠27の下面に複数の端子13が設けられている。
図示の実装部411は、2つのフレーム5を支持する実装部の一例に過ぎない。実装部は、種々の形状が可能である。例えば、外枠27は、枠状ではなく、適宜な方向へ屈曲しながら延びる複数の脚状であってもよい。突部25は、2つではなく、1つのみとされてもよい。外枠27及び突部25を設けずに、内枠23に複数の端子13を設けてもよい。実装部411に代えて、第1実施形態の1対の実装腕11と同様の構成により、2本のフレーム5の支持がなされてもよい。
複数の端子13は、図示の例では、6つ設けられている。このうちの4つは、第1実施形態と同様に、電位の観点から2組に分けられる励振電極15と、電位の観点から2組に分けられる検出電極17とに接続される。残りの2つは、例えば、第1実施形態でも言及した基準電位が付与される端子であり、基準電位配線20に接続されている。6つの端子13は、外枠27の適宜な位置に配置されてよい。基準電位配線20及び基準電位用の端子13は設けられなくてもよい。
第1実施形態の圧電体3は、1本のフレーム5に対して1対の駆動腕7を有していたところ、圧電体403のユニット404は、1本のフレーム5に対して2対の駆動腕7を有している。後述するように(図10(a)及び図10(b))、互いに隣接する2本の駆動腕7同士(7C及び7Dの2本、7E及び7Fの2本、7G及び7Hの2本、並びに7I及び7Jの2本)は、互いにx軸方向の同一側へ共に曲がるように同一の位相で電圧が印加される。従って、互いに隣接する2本の駆動腕7は、第1実施形態の1本の駆動腕7に相当すると捉えられてよい。
このように第1実施形態の駆動腕7を2本に分割することによって、例えば、駆動腕7の長さを短くしても駆動腕7全体としての質量を確保することができ、ひいては、小型化と検出感度の向上とを両立できる。駆動腕7は、1本のフレームに対して2対よりも多く設けられてもよい。互いに隣接する2本の駆動腕7の形状及び寸法は、例えば、概略、互いに同一である。ただし、互いに異なっていてもよい。圧電体403は、例えば、概略、不図示の対称軸(検出腕9)に対して線対称の形状であり、複数の駆動腕7の形状及び配置も概ね線対称である。
センサ素子401の各ユニット404における励振電極15及び検出電極17の構成及び接続関係は、センサ素子1のものと同様でよい。既述のように、互いに隣接する2本の駆動腕7は、第1実施形態の1本の駆動腕7に相当し、互いに同一位相で電圧が印加される。従って、この2本の駆動腕7間においては、励振電極15A同士が同電位とされ、励振電極15B同士が同電位とされる。同電位となるべき励振電極15同士は、例えば、励振用配線部19によって接続されている。
ユニット404間における、励振電極15及び検出電極17の接続関係については、以下の動作の説明において説明する。
(角速度センサの動作)
図9(a)及び図9(b)は、第4実施形態における圧電体403の励振状態を示す模式的な平面図であり、第1実施形態の図3(a)及び図3(b)に対応している。これらの模式図では、実装部411は、内枠23の一部(1対の側方部23aの一部)のみが示されている。
各ユニット404における励振は、第1実施形態における圧電体3の励振と基本的に同様である。ただし、各ユニット404においては、互いに隣接する2本の駆動腕7は、互いに同一側に共に曲がるように同一の位相で電圧が印加され、圧電体3の1本の駆動腕7に相当する。
2つのユニット404同士においては、例えば、検出腕9に対してx軸方向の同一側(正側又は負側)に位置する駆動腕7同士がx軸方向の同一側に曲がるように同一の位相で電圧が印加される。従って、フレーム5A及び5Bは、互いに逆方向へ撓む。また、検出腕9A及び9Bは、互いに逆方向へ変位する。
上記のような電圧印加のために、例えば、検出腕9に対してx軸方向の同一側に位置する駆動腕7(7C、7D、7G及び7H、又は7E、7F、7I及び7J)においては、励振電極15A同士が同一の電位とされ、励振電極15B同士が同一の電位とされる。同電位となるべき励振電極15同士は、例えば、複数の励振用配線部19によって互いに接続されている。そして、全ての励振電極15は、6つの端子13のうち2つを介して駆動回路103(図2(b))に接続されている。
図10(a)及び図10(b)は、センサ素子401における、検出腕9の振動を説明するための模式的な平面図であり、第1実施形態の図4(a)及び図4(b)に対応している。これらの図において、フレーム5及び駆動腕7の変形の図示は省略されている。
図9(a)及び図9(b)を参照して説明したように圧電体403が振動している状態を考える。この状態で、センサ素子401がz軸回りに回転されると、各ユニット404においては、第1実施形態と同様に、コリオリの力によって検出腕9がx軸方向に振動する。このとき、検出腕9A及び9Bは、y軸方向において互いに逆側へ変位する位相で振動しているから、z軸回りの回転方向に対して同一側にコリオリの力を受ける。別の観点では、検出腕9A及び9Bは、x軸方向において互いに逆側へ曲がるように振動する。
このような検出腕9A及び9Bにおいて生じる信号を加算するために、例えば、検出腕9Aの検出電極17Aと検出腕9Bの検出電極17Bとが接続され、検出腕9Aの検出電極17Bと検出腕9Bの検出電極17Aとが接続される。当該接続は、例えば、複数の検出用配線部21によってなされている。そして、全ての検出電極17は、6つの端子13のうち2つを介して検出回路105(図2(b))に接続されている。
(検出用配線部)
図11は、センサ素子401の検出用配線部21を模式的に示す上面図であり、第1実施形態の図5(a)に相当する。図12は、検出用配線部21を模式的に示す、上方から透視して示す下面図であり、第1実施形態の図5(b)に相当する。ただし、図11では、図5(a)とは異なり、基準電位配線20の少なくとも一部の位置は、実線で示されている。図5(a)に相当する後述する他の図面(図13〜図16)においても同様である。
第1実施形態と同様に、各検出腕9において、検出電極17A同士は互いに接続され、検出電極17B同士は互いに接続されている。当該接続は、例えば、第1実施形態と同様に、各検出腕9の先端又は根本側において行われている。
また、検出腕9Aの検出電極17Bと検出腕9Bの検出電極17Aとは第1配線部21Pによって接続されている。検出腕9Aの検出電極17Aと検出腕9Bの検出電極17Bとは第2配線部21Nによって接続されている。
より具体的には、図示の例では、第1配線部21Pは、検出腕9Aの検出電極17Bからフレーム5A(その第1部位5a)を−x側へ延びて側方部23aに至っている配線本体21aを有している。また、第1配線部21Pは、検出腕9Bの検出電極17Aからフレーム5B(その第1部位5a)を−x側へ延びて側方部23aに至っている配線本体21aを有している。上記の2つの配線本体21aは合流して、側方部23aに沿って延びている。特に図示しないが、この合流後の配線本体21aは、内枠23から突部25を経由して外枠27へ至り、端子13に接続される。
また、図示の例では、第2配線部21Nは、検出腕9Aの検出電極17Aからフレーム5A(その第2部位5b)を+x側へ延びて側方部23aに至っている配線本体21aを有している。この配線本体21aは、さらに、+x側の側方部23aをフレーム5B側へ延びた後、フレーム5B(その第2部位5b)を−x側へ延び、検出腕9Bの検出電極17Bに接続されている。また、第2配線部21Nは、検出腕9Bの検出電極17Bからフレーム5B(その第1部位5a)を−x側へ延びて側方部23aに至っている配線本体21aを有している。この配線本体21aは、特に図示しないが、内枠23から突部25を経由して外枠27へ至り、端子13に接続される。
そして、第1配線部21Pのうち、検出腕9Bの検出電極17Aからフレーム5B(その第1部位5a)を−x側へ延びている部分と、第2配線部21Nのうち、検出腕9Bの検出電極17Bからフレーム5B(その第1部位5a)を−x側へ延びている部分とは、互いに並列に延びている。その並列に延びている長さは、1つのフレーム5の長さの1/4以上(図示の例では略1/2)である。従って、本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が奏される。例えば、フレーム5から第1配線部21Pに付与される電荷と、フレーム5から第2配線部21Nに付与される電荷との差を低減して、フレーム5の撓み変形に起因するノイズを低減することができる。
より詳細には、本実施形態では、第1実施形態と同様に、第1配線部21P及び第2配線部21Nの配線本体21a同士がフレーム5において互いに並列に延びている。また、本実施形態では、第2実施形態と同様に、第1配線部21P及び第2配線部21Nの一方(第1配線部21P)は、検出腕9の根本側から第1部位5a側へのみ延び、他方(第2配線部21N)は、検出腕9の根本側から第1部位5a側及び第2部位5b側の双方へ延びている。
本実施形態では、2つのフレーム5の第1部位5a同士は、分極軸(x軸)の正側となる部分の変形と負側となる部分の変形との相対関係が同一である。従って、2つのフレーム5の第1部位5aに生じる電荷は、正負が同一で大きさが同等である場合が多い。第2部位5bについても同様である。従って、上述した第1長さLP及び第2長さLNを考えるときには、第1配線部21P及び第2配線部21Nの2つのフレーム5全体における長さで考えてよい。
例えば、本実施形態において、第1配線部21Pの第1部位5aにおける長さ(2×La)から第1配線部21Pの第2部位5bにおける長さ(0)を引いた第1長さLPは、2La−0=2Laとなっている。第2配線部21Nの第1部位5aにおける長さ(La)から第2配線部21Nの第2部位5bにおける長さ(2×La)を引いた第2長さLNは、La−2La=−Laとなっている。従って、両者の差(LP−LN)は、2La−(−La)=3Laとなっている。
一方、比較例としては、例えば、第2配線部21Nに関して、検出腕9Bの検出電極17Bからフレーム5B(その第1部位5a)を−x側へ延びる配線本体21aを設けずに、+x側の側方部23aに位置する配線本体21aを突部25へ延ばして端子13へ接続する構成が考えられる。この構成においては、第1長さLPは、本実施形態と同様である。また、第2長さLPは−2Laとなる。従って、両者の差(LP−LN)は、2La−(−2La)=4Laとなる。
このことから、本実施形態では、上記の比較例に比較して、検出腕9Bの検出電極17Bからフレーム5B(その第1部位5a)を−x側へ延びる配線本体21aが設けられることにより、第1長さLP及び第2長さLNの差が低減されていることが分かる。すなわち、第1配線部21P及び第2配線部21Nがフレーム5において互いに並列に延びていることにより、ノイズが低減されることが確認できる。
比較例においても、実際には、検出腕9の根本側における検出用配線部21の錯綜によって、意図せずに第1長さLPと第2長さLNとの差が低減される可能性がある。ただし、この場合の差は、4La−La/2=7La/2よりも短くなることはないと考えられる。
[第5実施形態]
図13は、第5実施形態に係るセンサ素子501の検出用配線部21を模式的に示す上面図であり、第1実施形態の図5(a)に相当する。センサ素子501の下面図は、第4実施形態に係る図12と同様である。
センサ素子501の検出用配線部21の構成は、端的に言えば、第4実施形態(図11)の第2配線部21Nにおいて、検出腕9Aの検出電極17Aから+x側の側方部23aを経由して検出腕9Bの検出電極17Bに至る配線本体21aを−x側の側方部23aを経由するように変更したものである。その結果、当該配線本体21aは、第1配線部21Pにおける、検出腕9Aの検出電極17Bから検出腕9Bの検出電極17Aへ至る配線本体21aと、フレーム5A及び5Bの第1部位5aにおいて並列に延びている。
このような構成においても、他の実施形態と同様に、第1配線部21Pと第2配線部21Nとがフレーム5の長さの1/4以上に亘って並列に延びていることから、第1実施形態と同様の効果が奏される。例えば、フレーム5から第1配線部21Pに付与される電荷と、フレーム5から第2配線部21Nに付与される電荷との差を低減して、フレーム5の撓み変形に起因するノイズを低減することができる
より詳細には、本実施形態では、第1実施形態と同様に、第1配線部21P及び第2配線部21Nの配線本体21a同士がフレーム5において互いに並列に延びている。また、本実施形態では、第1実施形態と同様に、第1配線部21P及び第2配線部21Nの双方は、検出腕9の根本側から第1部位5a側へのみ延びている。
本実施形態において、第1配線部21Pの第1部位5aにおける長さ(2×La)から第1配線部21Pの第2部位5bにおける長さ(0)を引いた第1長さLPは、2La−0=2Laとなっている。第2配線部21Nの第1部位5aにおける長さ(3La)から第2配線部21Nの第2部位5bにおける長さ(0)を引いた第2長さLNは、3La−0=3Laとなっている。従って、両者の差(LP−LN)は、2La−3La=−Laとなっている。当該長さ(絶対値)は、第4実施形態の第1長さLPと第2長さLNとの差(3La)に比較して短い。すなわち、本実施形態は、第4実施形態に比較してノイズを更に低減することができる。
本実施形態及び後述する第6〜第8実施形態は、いずれも第1長さLPと第2長さLNとの差が第4実施形態よりも短い。検出用配線部21の検出腕9の根本側における錯綜を考慮すると、第4実施形態との対比から、第5〜第8実施形態は、第1長さLPと第2長さLNとの差が5La/2(=3La−La/2)以下の態様であるということができる。また、本実施形態は、第1長さLPと第2長さLNとの差(絶対値)が3La/2以下の態様であるということができる。
本実施形態では、第2配線部21Nの端子13へ至る配線本体21aは、検出腕9Bの検出電極17Bからフレーム5Bを−x側へ延びて側方部23aに至り、ここでは不図示の突部25へ向かって延びている。ただし、当該配線本体21aは、+x側の検出電極17Bから+x側へ延びて側方部23aに至り、突部25へ向かって延びていてもよい。この場合も、第1長さLPと第2長さLNとの差の絶対値はLaである。
[第6実施形態]
図14は、第6実施形態に係るセンサ素子601の検出用配線部21を模式的に示す上面図であり、第1実施形態の図5(a)に相当する。センサ素子601の下面図は、第4実施形態に係る図12と同様である。
センサ素子601の検出用配線部21の構成は、端的に言えば、第5実施形態(図13)の第2配線部21Nにおいて、フレーム5Bの第2部位5bを延びる調整用配線21bを追加したものである。より詳細には、この調整用配線21bは、一端が、検出腕9Aの検出電極17Aと検出腕9Bの検出電極17Bとを接続する配線本体21aに接続されており、他端が開放端とされている。
第2実施形態(図7(a))及び第3実施形態(図7(b))の調整用配線21bは、電位が異なる他の配線部(配線本体21a)に並列に延びる部分として構成された。一方、本実施形態の調整用配線21bは、電位が異なる他の配線部と並列に延びるようにはなっていない。調整用配線21bは、第1長さLPと第2長さLNとの差を低減することに寄与している。これにより、例えば、フレーム5から第1配線部21Pに付与される電荷と、フレーム5から第2配線部21Nに付与される電荷との差を低減して、フレーム5の撓み変形に起因するノイズを低減することができる
具体的には、本実施形態において、第1配線部21Pの第1部位5aにおける長さ(2×La)から第1配線部21Pの第2部位5bにおける長さ(0)を引いた第1長さLPは、2La−0=2Laとなっている。第2配線部21Nの第1部位5aにおける長さ(3La)から第2配線部21Nの第2部位5bにおける長さ(La)を引いた第2長さLNは、3La−La=2Laとなっている。従って、両者の差(LP−LN)は、2La−2La=0となっている。当該長さは、第5実施形態の第1長さLPと第2長さLNとの差(La)に比較して短い。すなわち、本実施形態は、第5実施形態に比較してノイズを更に低減することができる。
第5実施形態(図13)から理解されるように、配線本体21aの位置の調整のみでは、第1長さLPと第2長さLNとの差を0にすることが難しい場合がある。このような場合、本実施形態から理解されるように、調整用配線21bを設けることにより、第1長さLPと第2長さLNとの差を0にすることができる。
検出用配線部21の検出腕9の根本側における錯綜を考慮すると、第5実施形態との対比から、本実施形態は、第1長さLPと第2長さLNとの差がLa/2以下の態様であるということができる。また、本実施形態では、第1実施形態と同様に、第1配線部21P及び第2配線部21Nの配線本体21a同士がフレーム5において互いに並列に延びている。また、本実施形態では、第2実施形態(図7(a))と同様に、第1配線部21Pは、検出腕9の根本側から第1部位5a側へのみ延び、第2配線部21Nは、検出腕9の根本側から第1部位5a側及び第2部位5b側の双方へ延びている。
[第7実施形態]
図15は、第7実施形態に係るセンサ素子701の検出用配線部21を模式的に示す上面図であり、第1実施形態の図5(a)に相当する。センサ素子701の下面図は、第4実施形態に係る図12と同様である。
センサ素子701の検出用配線部21の構成は、端的に言えば、第4実施形態(図11)の第1配線部21Pにおいて、フレーム5Bの第2部位5bを延びる調整用配線21bを追加したものである。より詳細には、この調整用配線21bは、一端が、検出腕9Aの検出電極17Bと検出腕9Bの検出電極17Aとを接続する配線本体21aに接続されており、他端が開放端とされている。
調整用配線21bの追加によって、本実施形態では、第4実施形態に比較して、第1長さLPと第2長さLNとの差が短くなっている。具体的には、本実施形態において、第1配線部21Pの第1部位5aにおける長さ(2×La)から第1配線部21Pの第2部位5bにおける長さ(La)を引いた第1長さLPは、2La−La=Laとなっている。第2配線部21Nの第1部位5aにおける長さ(La)から第2配線部21Nの第2部位5bにおける長さ(2×La)を引いた第2長さLNは、La−2La=−Laとなっている。従って、両者の差(LP−LN)は、La−(−La)=2Laとなっている。当該長さは、第4実施形態の第1長さLPと第2長さLNとの差(3La)に比較して短い。すなわち、本実施形態は、第4実施形態に比較してノイズを更に低減することができる。
このように調整用配線21bによってノイズを低減した場合においては、第2及び第3実施形態(図7(a)及び図7(b))で説明したように、初期設計(ここでは図11)に対する配線本体21a等の設計変更の程度を低減することができる。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、第1配線部21P及び第2配線部21Nの配線本体21a同士がフレーム5において互いに並列に延びている。また、本実施形態では、第2及び第3実施形態(図7(a)及び図7(b))と同様に、電位が異なる配線部(21P及び21N)の配線本体21aと調整用配線21bとがフレーム5において互いに並列に延びている。また、本実施形態では、第3実施形態と同様に、第1配線部21P及び第2配線部21Nのいずれも、検出腕9の根本側から第1部位5a側及び第2部位5b側の双方へ延びている。
[第8実施形態]
図16は、第8実施形態に係るセンサ素子801の検出用配線部21を模式的に示す上面図であり、第1実施形態の図5(a)に相当する。センサ素子801の下面図は、第4実施形態に係る図12と同様である。
センサ素子801の検出用配線部21の構成は、端的に言えば、第7実施形態(図15)の第1配線部21Pにおいて、フレーム5Aの第2部位5bを延びる調整用配線21bを追加したものである。より詳細には、この調整用配線21bは、一端が、検出腕9Aの検出電極17Bと検出腕9Bの検出電極17Aとを接続する配線本体21aに接続されており、他端が開放端とされている。
この調整用配線21bの追加によって、本実施形態では、第7実施形態に比較して、第1長さLPと第2長さLNとの差が短くなっている。具体的には、本実施形態において、第1配線部21Pの第1部位5aにおける長さ(2×La)から第1配線部21Pの第2部位5bにおける長さ(2×La)を引いた第1長さLPは、2La−2La=0となっている。第2配線部21Nの第1部位5aにおける長さ(La)から第2配線部21Nの第2部位5bにおける長さ(2×La)を引いた第2長さLNは、La−2La=−Laとなっている。従って、両者の差(LP−LN)は、0−(−La)=Laとなっている。当該長さは、第7実施形態の第1長さLPと第2長さLNとの差(2La)に比較して短い。すなわち、本実施形態は、第7実施形態に比較してノイズを更に低減することができる。
[第9実施形態]
図17(a)は、第9実施形態に係るセンサ素子901の一部を拡大して示す、図2(a)と同様の斜視図である。図17(b)は、第9実施形態に係る角速度センサ951を示す、図2(b)と同様の図であり、図17(a)のXVIIb−XVIIb線に対応する断面図を含んでいる。
第2実施形態に係る角速度センサ951は、第1実施形態に係る角速度センサ51と同様に、1対の駆動腕7をx軸方向に振動させることによって、フレーム5を湾曲(振動)させ、ひいては、検出腕9をy軸方向に変位(振動)させる。そして、検出腕9に直接的にコリオリの力を作用させる。ただし、角速度センサ51がz軸回りの回転を検出するものであったのに対して、角速度センサ951は、x軸回りの回転を検出するものとされている。具体的には、以下のとおりである。
センサ素子901は、圧電体3、複数の励振電極15、複数の検出電極917(917A及び917B)、複数の端子13(図1参照)、複数の励振用配線部19及び複数の検出用配線部21を有している。これらは、複数の検出電極917(及び検出用配線部21の検出腕9及びその周辺における具体的な位置)を除いては、基本的に、第1実施形態のセンサ素子1のものと同様とされてよい。図1は、センサ素子901を示す斜視図として捉えられてよい。
ただし、本実施形態においては、検出腕9は、第1実施形態とは異なり、コリオリの力によってz軸方向に振動することが意図されている。このような相違に基づいて、各種の寸法は、第1実施形態と異なっていてよい。
検出電極917Aは、検出腕9において、x軸方向の負側に面する面のうちのz軸方向の正側(例えば当該面の中央よりも正側)の領域、及びx軸方向の正側に面する面のうちのz軸方向の負側(例えば当該面の中央よりも負側)の領域にそれぞれ設けられている。検出電極917Bは、検出腕9において、x軸方向の負側に面する面のうちのz軸方向の負側(例えば当該面の中央よりも負側)の領域、及びx軸方向の正側に面する面のうちのz軸方向の正側(例えば当該面の中央よりも正側)の領域にそれぞれ設けられている。
検出腕9の各側面において、検出電極917A及び917Bは、互いに短絡しないように適宜な間隔を空けて、検出腕9に沿って延びている。2つの検出電極917A同士は、例えば、検出用配線部21により接続されている。また、2つの検出電極917B同士は、例えば、検出用配線部21により接続されている。
このような検出電極917の配置及び接続関係において、検出腕9がz軸方向に撓み変形すると、例えば、z軸方向に平行な電界が生じる。すなわち、検出腕9の各側面においては、検出電極917Aと検出電極917Bとの間に電圧が生じる。電界の向きは、分極軸の向きと、湾曲の向き(z軸方向の正側又は負側)とで決定され、x軸方向の正側部分と負側部分とで互いに逆である。この電圧(電界)が検出電極917A及び検出電極917Bに出力される。検出腕9がz軸方向に振動すると、電圧は交流電圧として検出される。電界は、上記のようにz軸方向に平行な電界が支配的であってもよいし、x軸方向に平行で、z軸方向の正側部分と負側部分とで互いに逆向きな電界の割合が大きくてもよい。いずれにせよ、検出腕9のz軸方向への撓み変形に応じた電圧が検出電極917Aと検出電極917Bとの間に生じる。
特に図示しないが、検出腕9には、上面から下面へ貫通し、検出腕9の長手方向に沿って延びる1以上の貫通溝(スリット)が形成されてもよい。そして、貫通溝によって分割された複数の長尺状部分それぞれにおいて、図示の例の検出腕9のように、検出電極917A及び917Bが配置及び接続されてもよい。この場合、複数の検出電極917は、検出腕9の外側面だけに設けられている場合に比較して、全体としての面積が大きくなる。その結果、検出腕9において生じる電荷を効率的に電気信号として取り出すことができる。
複数の検出用配線部21は、上述したように検出電極17同士を接続している。また、複数の検出用配線部21は、電位の観点から2組に分けられた検出電極17と2つの端子13とを接続している。この複数の検出用配線部21は、これまでの実施形態と同様に、第1配線部21P及び第2配線部21Nを有している。第1配線部21P及び第2配線部21Nのフレーム5における配置は、これまでの実施形態に示したいずれのものと同様とされてもよい。
(角速度センサの動作)
第9実施形態における圧電体3の励振は、第1実施形態におけるものと同様である。図3(a)及び図3(b)は、第9実施形態における圧電体3の励振状態を示している図として捉えられてよい。従って、1対の駆動腕7はx軸方向において互いに近接及び離反するように振動し、検出腕9はy軸方向において変位(振動)する。
図18(a)及び図18(b)は、コリオリの力による検出腕9の振動を説明するための模式的な斜視図である。図18(a)及び図18(b)は、図3(a)及び図3(b)の励振状態に対応している。
図3(a)及び図3(b)を参照して説明したように圧電体3が振動している状態を考える。この状態で、センサ素子901がx軸回りに回転されると、検出腕9は、y軸方向に振動(変位)していることから、コリオリの力によって回転軸(x軸)と振動方向(y軸)とに直交する方向(z軸方向)において振動(変形)する。この変形によって生じる信号(電圧)は、上述のように検出電極17によって取り出される。コリオリの力(ひいては検出される信号の電圧)は、角速度が大きいほど大きくなる。これにより、角速度が検出される。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
上述した複数の実施形態は、適宜に組み合わされてよい。第4実施形態等の互いに隣接する2本の駆動腕が同相で励振されて1本の腕のように振動する構成は、第1実施形態等のフレームが1本の態様に適用されてもよい。逆に、第4実施形態等のフレームが2本の構成において、駆動腕は各フレームで1対のみ設けられてもよい。また、例えば、第9実施形態の検出電極は、フレームが2本の構成に適用されてもよい。この場合、2つの検出腕は、x軸回りの回転によってz軸方向の互いに逆側に振動する。従って、一方の検出腕の検出電極917Aと他方の検出腕の検出電極917Bとが接続される。
第4実施形態等では、2つのユニット404は、駆動腕及び検出腕が延び出る側とは反対側を対向させて共通の支持部に支持された。ただし、2つのユニット404は、駆動腕及び検出腕が延び出る側を対向させて共通の支持部に支持されてもよい(特許文献1の図8参照)。また、1本のフレームから当該フレームに交差する方向の両側へ駆動腕及び検出腕が延びてもよい(特許文献1の図9参照)。また、2つのユニット404は、駆動腕及び検出腕が延び出る側を対向させて、駆動腕の先端同士が接続されてもよい(特許文献2参照)。
配線部の長さ、幅及び厚さのうち、フレームの撓み変形が配線部に付与する電荷の大きさについては、長さの影響が大きい。また、配線部の幅及び厚さは、励振電極及び検出電極の設計値、並びに配線を形成するプロセスの精度等によっても規制される。従って、基本的には、本実施形態で説明したように、フレームの第1部位及び第2部位における配線部の長さを基準として、フレームの撓み変形に起因するノイズの低減の調整がなされてよい。ただし、配線部の第1部位及び第2部位における幅及び厚さが調整されてもよい。
センサ素子又は角速度センサは、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の一部として構成されてよい。この場合において、MEMSの基板上にセンサ素子を構成する圧電体が実装されてもよいし、MEMSの基板が圧電体によって構成されており、その一部によってセンサ素子の圧電体が構成されてもよい。