JP3422150B2 - 赤外線検知素子 - Google Patents
赤外線検知素子Info
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Description
赤外線検知素子の応答速度向上に関する。
は、図6(特開平3−276772号公報より)に示す
ようなものであった。金属、半導体、及び絶縁物からな
るサーモパイル1を支持し、かつ、シリコンエッチング
液に対し耐腐食性を持ちストッパーとして働く窒化膜2
と、前記サーモパイル1をシリコンエッチング液から保
護する酸化膜3と、前記薄膜を周囲から支持しているシ
リコン基板5からなるメンブレン構造を有する。薄膜の
上面で対角線状に開いている細長いスリット状の一本の
孔20は、シリコン基板5をエッチングして空洞を作る
ために必要な孔で、エッチング液を浸入させるためのも
のである。前記サーモパイル1は2種類のポリシリコン
6,7をアルミ等の金属からなる接点部8を介し、交互
に接続したものである。ポリシリコン6,7は上記の薄
膜とシリコン基板5との境界で細くなっており、サーモ
パイル1の熱伝導を低く抑えて、薄膜からシリコン基板
5への熱の逃げを少なくしている。
線検知素子は、温接点近傍と冷接点近傍のサーモパイル
幅が同一でメンブレン端でサーモパイル幅が最も細い構
造のために、幅が均一なサーモパイルに比べると素子全
体の熱抵抗は大きくなり感度は増加するが応答速度は低
下する。逆に、幅が均一なサーモパイルと全熱抵抗が同
じになるように形成した場合、即ち感度が同じになるよ
うに設計した場合において、従来例では応答速度はほと
んど改善されない。つまり、応答速度と感度は相反する
要素であり従来例では応答速度を犠牲にして感度を大き
くしているのであって、感度を上昇させる方法を示して
はいるが、素子特性の本質的な改善にはなっていない。
を犠牲にすることなく感度の向上を図る、言い換えると
同じ感度の素子で応答速度を向上させることを可能とし
ている。
させる部位をメンブレン端ではなく、シリコン基板上に
設けられた冷接点の極近傍に設け、冷接点近傍の熱抵抗
をメンブレン上にある温接点近傍の熱抵抗よりも大きく
する。熱抵抗を変化させるには、従来例で用いられてい
るサーモパイルの幅を変化させるばかりではなくサーモ
パイルの厚み及び熱伝導率を変えることによっても達成
できる。本発明の効果を最大限に生かすためには熱抵抗
を温接点近傍から冷接点近傍への単調増加にするとよ
い。
る。本発明の赤外線検知素子に赤外線が入射すると、こ
の赤外線はメンブレンの上の赤外線吸収膜(吸収層)に
よって吸収される。この時、メンブレンの厚さが薄いの
で熱抵抗が高くメンブレンの中心部を頂点とする温度勾
配が生じる。そして、メンブレン上に設けられた温接点
とシリコン基板上の冷接点との間に温度差が生じ、ゼー
ベック効果によって起電力が生じる。本発明では、サー
モパイルにp型及びn型のポリシリコンを用い、それら
を直列接続して熱起電力の総和を出力としているので高
感度な検出が可能となっている。
る。
ギー、n:対数、α:ゼーベック係数、Rth:熱抵抗、
P:実効エネルギーである。この式は、感度は熱抵抗に
比例することを示している。一方、応答速度は熱時定数
Tの逆数であり次の式で表される。
させるために熱抵抗を大きくするのにしたがって応答速
度は低下し両立は難しい。
法の(A)に示す熱等価回路モデルによるステップ応答
の比較計算を行った結果を(B)に示す。同一感度で比
較するために全体の熱抵抗はすべて同じにした。
さいところでは小さく、熱抵抗の小さい即ち断面積が大
きいところでは大きく設定している。ここで、通常の方
法とは、サーモパイルの熱抵抗を場所によらず均一に設
計、即ちサーモパイルの幅及び厚みを一定にする方法を
いい、本発明の方法は熱抵抗を温接点から冷接点への単
調増加にしている。従来例が通常の方法とほぼ等しい応
答速度であるのに対して本発明の方法によると熱時定数
を大きく向上させることが可能となる。また、この例か
らも明らかなように熱抵抗が温接点から冷接点への単調
増加とする方法が最も効果が大きい。
法) 図1に本発明にかかる赤外線検知素子の実施の形態1を
示す。同図(A)は平面図、(B)は断面図である。実
施の形態1の赤外線検知素子はシリコン(100)基板
5の主平面上にメンブレン膜となる厚さ100nm〜3
00nm程度の窒化膜2を被覆形成している。
リシリコン7からなるサーモパイル1が形成されてい
る。さらに、表面を保護するために酸化膜3が形成され
るが、温接点13及び冷接点14の部分ではp型ポリシ
リコン6とn型ポリシリコン7を相互に接続するために
コンタクトホールが形成される。このコンタクトホール
を介してアルミ8によって順次接続され全体として一つ
のサーモパイルとなる。再度酸化膜8で被覆保護し、そ
の上の温接点13より中心部に吸収膜4が形成される。
コン7は、温接点13から冷接点14に向かってだんだ
んと幅が狭くなっているので冷接点14近傍の熱抵抗が
温接点13近傍に比べて大きくなっている。
るべき窒化膜2にはサーモパイル1の存在しない部分に
エッチング孔12を形成する。このエッチング孔12
は、ドライエッチング法によってシリコン基板5表面が
露出する深さにしておく。この状態でヒドラジン等の異
方性エッチング液によりエッチングを行う。メンブレン
10になる部分の窒化膜2と基板5の間にはあらかじめ
ポリシリコン犠牲層が形成されているために図のごとく
所望のメンブレンのパターンが形成される。なお、この
プロセスについては特許公開公報:昭62−76784
に詳しく記載されている。この異方性エッチングによっ
て基板が(111)面を側面とする四角錐を逆さまにし
た形状の熱分離領域11が完成する。
のメンブレン10の中心部にある吸収膜4に赤外線が入
射されると光吸収によって吸収膜4の温度が上昇する。
この熱は、熱伝導によって酸化膜3を介して温接点13
のポリシリコン6,7の温度を上昇させる。温接点13
下部には熱分離領域11が形成されているために温接点
13の熱はメンブレンのポリシリコン6,7や酸化膜1
3、窒化膜2のみを通じて伝わっていく。しかし、これ
らは薄いので熱抵抗が大きく冷接点14にはなかなか伝
わらず両者の間には温度差が生じ、その結果ゼーベック
効果により起電力が生じる。p型ポリシリコン6とn型
ポリシリコン7は交互に直列接続されているので出力端
子16には熱起電力の総和が表れる。この出力電圧の大
小によって入射赤外線の強さを測定することができる。
を変化させる方法) 図2に示す実施の形態2は、サーモパイルの幅を一定に
して厚みによって熱抵抗を変化させる例である。(A)
は平面図、(B)は断面図である。各部の要素、製造方
法及び効果の同一な部分の説明は省略する。この例で
は、サーモパイル幅を変化させる必要がないのでポリシ
リコン6,7やメンブレン10の幅を最小限にすること
が可能である。従って、実施の形態1に比べて感度と応
答速度のより高いレベルでの両立が可能となる。ただ
し、厚みを変化させるためにポリシリコンをデポするプ
ロセスが複数回必要となるので工程数が増加する。
ンの幅のみを変化させる方法) 図3に示す実施の形態3は、サーモパイルのみならずメ
ンブレンの幅も変化させる例である。(A)は平面図、
(B)は断面図である。各部の要素、製造方法並びに効
果の同一な部分の説明は省略する。熱は、サーモパイル
1のポリシリコン6,7ばかりを通じて流れるのではな
く酸化膜3や窒化膜2も流れる。サーモパイル1の熱抵
抗が高くこれらの構成部位を通じて流れる熱を無視する
ことができない場合にはメンブレン10の幅も変化させ
て効果をより確実にする必要がある。メンブレン10の
幅は、エッチング孔12の形状によって決まるので図3
のごとく中心部でメンブレンの幅を広く、冷接点14側
で狭くする。
を変化させる方法) 図4に示す実施の形態4は、サーモパイルの熱伝導率を
変化させる例である。(A)は平面図、(B)は断面図
である。各部の要素、製造方法並びに効果の同一な部分
の説明は省略する。熱抵抗を変化させるには形状を変化
させるのではなく熱伝導率を変化させる方法も可能であ
る。熱伝導率を変化させるには、ポリシリコン6,7の
グレインサイズを変化させる方法が最も効果がある。グ
レインサイズが大きくなるにつれて熱伝導率が大きくな
るので、温接点13に近い部位ではグレインサイズを大
きく、冷接点14近傍ではグレインサイズを小さくす
る。場所によってグレインサイズを変化させるには温接
点13に種結晶を形成しておき、温接点13から冷接点
14へ向けて固相成長させる方法がよい。種結晶からの
距離が大きくなるにつれて種結晶の結晶性が反映されに
くくなり、冷接点14の近傍ではグレインサイズが小さ
くなる。ただし、この方法では熱抵抗は場所によって変
化していくが熱容量はほとんど変化しないので応答速度
が向上する割合はこれまでの実施例の形態に比べて小さ
くなる。
ば従来不可能であった感度と応答速度の両立が可能とな
った。
Claims (5)
- 【請求項1】 半導体基板と、 該半導体基板の主平面上に形成されたメンブレンと、 該メンブレン下部の半導体基板の一部を除去して形成さ
れた熱分離領域と、 前記メンブレン上に少なくとも一つの接点Aを有し、且
つ、前記半導体基板上に少なくとも一つの接点Bを有す
るサーモパイルを具備し、前記接点Aと接点Bの温度差
に基づいて赤外線入射量を検知する赤外線検知素子にお
いて、前記 メンブレン上の、赤外線を検出する吸収層以外の領
域において、単位長さあたりの熱抵抗が、前記接点Aか
ら接点Bに向けて単調増加となっていることを特徴とす
る赤外線検知素子。 - 【請求項2】 請求項1記載の赤外線検知素子におい
て、前記 サーモパイルの熱抵抗、及び前記メンブレンの熱抵
抗のうちの、少なくとも一方が、前記接点Aから接点B
に向けて単調増加となっていることを特徴とする赤外線
検知素子。 - 【請求項3】 請求項1記載の赤外線検知素子におい
て、前記接点A近傍のサーモパイルの断面積が、前記接点B
近傍のサーモパイルの断面積に比べて大きい ことを特徴
とする赤外線検知素子。 - 【請求項4】 請求項1記載の赤外線検知素子におい
て、メンブレン上の断面積が前記接点A近傍から前記接点B
近傍への単調減少になっている ことを特徴とする赤外線
検知素子。 - 【請求項5】 請求項1記載の赤外線検知素子におい
て、前記接点A近傍のサーモパイルの熱伝導率が前記接点B
近傍のサーモパイルの熱伝導率に比べて大きい ことを特
徴とする赤外線検知素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29826295A JP3422150B2 (ja) | 1995-11-16 | 1995-11-16 | 赤外線検知素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29826295A JP3422150B2 (ja) | 1995-11-16 | 1995-11-16 | 赤外線検知素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09138164A JPH09138164A (ja) | 1997-05-27 |
JP3422150B2 true JP3422150B2 (ja) | 2003-06-30 |
Family
ID=17857358
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29826295A Expired - Lifetime JP3422150B2 (ja) | 1995-11-16 | 1995-11-16 | 赤外線検知素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3422150B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3809718B2 (ja) * | 1997-12-26 | 2006-08-16 | 日産自動車株式会社 | 赤外線検知素子 |
JP3812881B2 (ja) * | 2000-11-22 | 2006-08-23 | 株式会社アイ・エイチ・アイ・エアロスペース | 赤外線検出素子 |
-
1995
- 1995-11-16 JP JP29826295A patent/JP3422150B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09138164A (ja) | 1997-05-27 |
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