JP2748953B2 - 熱型赤外線センサ - Google Patents

熱型赤外線センサ

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JP2748953B2
JP2748953B2 JP6308604A JP30860494A JP2748953B2 JP 2748953 B2 JP2748953 B2 JP 2748953B2 JP 6308604 A JP6308604 A JP 6308604A JP 30860494 A JP30860494 A JP 30860494A JP 2748953 B2 JP2748953 B2 JP 2748953B2
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尚平 松本
誠 内田
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Nippon Electric Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,赤外線センサに関し,
特に半導体基板や,薄膜下の犠牲層をエッチングして得
られるダイヤフラム構造を有する熱型赤外線センサに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来,この種の赤外線センサは,図7の
ように,金属若しくは半導体又は金属と半導体の両方の
パターンからなる熱電変換素子3と赤外線吸収率の高い
吸収層4を備え,かつ,シリコンエッチング液等の犠牲
層エッチング液に対し耐腐蝕性を持ち,ストッパーとし
て働く窒化シリコン膜,及び窒化シリコン膜を補強する
酸化シリコン膜を,第1の窒化シリコン膜51−酸化シ
リコン膜B53−第2の窒化シリコン膜52の3層構造
にした絶縁性の薄膜が,ヒートシンクともなるシリコン
基板1を足掛かりとして中空に保持されたダイヤフラム
構造を有していた(例えば,センサ技術1986年7月
号(Vol.6,No.8)『サーモパイル』p66-68 ,IEEE TRA
NACTIONS ON ELECTRON DEVICES Vol.ED-33, No.1, Jan
『A Silicon-Thermopile-Based Infrred Sensing Array
for Use in Automated Manufacturing 』(1986)(『ア
シリコン−サーモパイル−ベイスド インフラレッド
センシング アレイフォウ ユース イン オウトメイ
テッド マニュファクチュアリング』)。
【0003】或いは,従来この種の赤外線センサは,2
次元信号読み出し用のMOSスキャナ等を表面に設けた
シリコン基板上の酸化シリコン膜上にパターニングした
ポリシリコンの犠牲層上に,金属若しくは半導体又は金
属と半導体の両方のパターンから成る熱電変換素子を保
持した絶縁性の薄膜を成膜し,最終工程で上記の犠牲層
をエッチングして得られるダイヤフラム構造を有してい
た。
【0004】このような犠牲層方式により形成されたダ
イヤフラム構造の最も進んだ構造として,犠牲層エッチ
ングにより形成されたダイヤフラムが,受光部とヒート
シンクともなる基板との間を連結する細長い梁によって
保持されるタイプがある。このタイプは,熱を分離する
効率(熱分離効率)が更に高く,赤外線に対し高感度を
実現するダイヤフラム構造として有望視されている。こ
のような例は,エスピーアイイー誌 巻.1689 イ
ンフラレッド イメージング システムズ (1992
379頁 「ステータス オブ アンクールド イン
フラレッド シメージャーズ」(SPIE Vol. 1689 Infra
red Imaging Systems (1992)/379「Status of uncooled
infrared imagers 」)に記載されている。この例で
は,バイポーラトランジスタからなる信号処理回路上
に,図8に示すような主な第2の窒化シリコン膜52か
らなる,2本の梁18によって支えられたダイヤフラム
構造60が形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図7の従来例におい
て,窒化シリコン膜と酸化シリコン膜の内部応力は,そ
れぞれ引張り応力,圧縮応力である。このため,窒化シ
リコン膜と酸化シリコン膜でダイヤフラム構造を形成す
るには,窒化シリコン膜−酸化シリコン膜−窒化シリコ
ン膜のようなサンドイッチ構造にして,それぞれの応力
を相殺し,全体としてダイヤフラム構造に張りを持たせ
ている。その結果,薄膜の厚さが厚くなり,赤外線セン
サとしての応答性が悪くなる。又,窒化シリコンの熱伝
導率は,1.8×10-1W/cmK程度であり,酸化シ
リコンの熱伝導度1.4×10-2W/cmKに比較し
て,熱伝導度が約10倍大きいので,窒化シリコン膜厚
が少しでも厚くなると,薄膜の熱は,外周のヒートシン
クに逃げ易くなり,さらに温度上昇が小さくなるので熱
型赤外線センサとしての感度は急激に悪くなる。即ち,
被写体の温度分解能,あるいは,吸収した熱量の測定精
度が悪くなる。
【0006】また,酸化シリコン膜の内部応力は通常で
は圧縮応力のため,犠牲層をエッチングにより除去した
後は,圧縮応力が解放され酸化シリコン膜が伸張しよう
とする伸張力を得る。それゆえ,ダイヤフラムの薄膜が
酸化シリコン膜のみから成る場合,ダイヤフラムの周囲
が固定されているためダイヤフラムに,たるみが生じ垂
れ下がる。その結果,犠牲層の下地に接触してダイヤフ
ラムの熱は下地に逃げ,熱型赤外線センサとしての感度
は極端に悪くなる。
【0007】図8の細長い梁で支えるダイヤフラムの場
合においても,酸化膜のダイヤフラムの場合は,図7の
場合と同様の垂れ下がりが生じる。そのため窒化膜を用
いてダイヤフラムに張りを持たせている。従って図7の
場合と同様に熱の逃げが大きいという欠点があることは
明かである。
【0008】又,極めて薄い窒化シリコン膜の内部応力
は,成膜条件により大きく左右されるため,窒化シリコ
ン膜を使用したサンドイッチ構造の複合膜の内部応力
は,予想するのが難しい。このため,シリコンエッチン
グ終了後,薄膜が反り返ったり,割れたりする可能性が
ある。
【0009】又,極めて薄い窒化シリコン膜の形成は,
厚膜の形成とは異なり,ウエハ面内での膜厚のばらつき
が無視できない程大きい。このため,上記ダイフラム
を2次元アレイ化した場合,ダイフラム間のバラツキ
が大きく,赤外線センサの2次元化には適さない。
【0010】そこで,本発明の第1の技術的課題は,熱
伝導率の高い窒化シリコン膜を主な薄膜として用いるこ
と無く,ダイヤフラムの垂れ下がりによる下地接触を防
止し,感度の向上した熱型赤外センサを提供することに
ある。
【0011】また,本発明の第2の技術的課題は,ダイ
フラムを2次元アレイ化した場合,ダイフラム間の
ばらつきがなく,赤外線センサの2次元化に適した熱型
赤外線センサを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば,熱電変
換素子および赤外線吸収層とを基板に橋架保持された絶
縁性の薄膜に設けたダイヤフラム構造を備えた熱型赤外
線センサにおいて,前記薄膜は,前記赤外線吸収層を設
けた薄膜部分から延在し前記基板と連結し前記薄膜部分
を支持する支持部を備えるとともに,前記基板面寄りの
第1の絶縁層と,前記第1の絶縁層よりも前記基板面か
ら離間した第2の絶縁層とを備え,前記支持部において
は,前記第1の絶縁層は前記支持部の前記薄膜部分周
辺の領域で,前記第2の絶縁層よりも強い伸張力を有
し,前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層は,互いに
成膜方法又は熱履歴の異なる酸化シリコンで形成されて
おり,前記第1の絶縁層は,熱処理を施した常圧CVD
による酸化シリコンからなり,第2の絶縁層は熱処理を
弱く施すか,又は熱処理を全く施さない常圧CVDによ
る酸化シリコンからなることを特徴とする熱型赤外線セ
ンサが得られる。
【0013】また,本発明によれば,熱電変換素子およ
び赤外線吸収層とを基板に橋架保持された絶縁性の薄膜
に設けたダイヤフラム構造を備えた熱型赤外線センサに
おいて,前記薄膜は,前記赤外線吸収層を設けた薄膜部
分から延在し前記基板と連結 し前記薄膜を支持する支持
部を備えるとともに,前記基板面寄りの第1の絶縁層
と,前記第1の絶縁層よりも前記基板面から離間した第
2の絶縁層とを備え,前記支持部においては,前記第1
の絶縁層は,前記支持部の前記薄膜部分周辺の領域で,
前記第2の絶縁層よりも強い伸張力を有し,前記第1の
絶縁層及び前記第2の絶縁層は,互いに成膜方法又は熱
履歴の異なる酸化シリコンで形成されており,前記第1
の絶縁層が減圧CVD成長による酸化シリコンからな
り,前記第2の絶縁層は,プラズマCVD成長もしくは
常圧CVD成長による酸化シリコンからなることを特徴
とする熱型赤外線センサが得られる。
【0014】また,本発明によれば,熱電変換素子およ
び赤外線吸収層とを基板に橋架保持された絶縁性の薄膜
に設けたダイヤフラム構造を備えた熱型赤外線センサに
おいて,前記薄膜は,前記赤外線吸収層を設けた薄膜部
分から延在し前記基板と連結し前記薄膜を支持する支持
部を備えるとともに,前記基板面寄りの第1の絶縁層
と,前記第1の絶縁層よりも前記基板面から離間した第
2の絶縁層とを備え,前記支持部においては,前記第1
の絶縁層は,前記支持部の前記薄膜部分周辺の領域で,
前記第2の絶縁層よりも強い伸張力を有し,前記第1の
絶縁層及び前記第2の絶縁層は,互いに成膜方法又は熱
履歴の異なる酸化シリコンで形成されており,前記第1
の絶縁層がプラズマCVD成長による酸化シリコンから
なり,前記第2の絶縁層が常圧CVD成長による酸化シ
リコンからなることを特徴とする熱型赤外線センサが得
られる。
【0015】また,本発明によれば,前記いずれかの熱
型赤外線センサにおいて,前記第1の絶縁層は前記中央
領域では支持部側もしくは外周寄りの領域に比べより薄
いか若しくは無いことを特徴とする熱型赤外線センサが
得られる。
【0016】また,本発明によれば,熱電変換素子およ
び赤外線吸収層とを基板に橋架保持された絶縁性の薄膜
に設けたダイヤフラム構造を備えた熱型赤外線センサに
おいて,前記薄膜は,前記赤外線吸収層を設けた薄膜部
分から延在し前記基板と連結し前記薄膜を支持する支持
部を備えるとともに,前記基板面寄りの第1の絶縁層
と,前記第1の絶縁層よりも前記基板面から離間した第
2の絶縁層とを備え,前記支持部においては,前記第1
の絶縁層は,前記支持部の前記薄膜部分周辺の領域で,
前記第2の絶縁層よりも強い伸張力を有し,前記第1の
絶縁層は前記中央領域では支持部側もしくは外周寄りの
領域に比べより薄いか若しくは無いことを特徴とする熱
型赤外線センサが得られる。
【0017】また,本発明によれば,前記熱型赤外線セ
ンサにおいて,前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層
は,互いに成膜方法又は熱履歴の異なる酸化シリコンで
形成されていることを特徴とする熱型赤外線センサが得
られる。
【0018】また,本発明によれば,前記いずれかの熱
型赤外線センサにおいて,前記ダイヤフラム構造の中央
領域において,前記第1の絶縁層の下に接して前記第1
の絶縁層より収縮力の強い収縮補強層を設けたことを特
徴とする熱型赤外線センサが得られる。
【0019】また,本発明によれば,熱電変換素子およ
び赤外線吸収層とを基板に橋架保持された絶縁性の薄膜
に設けたダイヤフラム構造を備えた熱型赤外線センサに
おいて,前記薄膜は,前記赤外線吸収層を設けた薄膜部
分から延在し前記基板と連結し前記薄膜を支持する支持
部を備えるとともに,前記基板面寄りの第1の絶縁層
と,前記第1の絶縁層よりも前記基板面から離間した第
2の絶縁層とを備え,前記支持部においては,前記第1
の絶縁層は,前記支持部の前記薄膜部分周辺の領域で,
前記第2の絶縁層よりも強い伸張力を有し,前記ダイヤ
フラム構造の中央領域において,前記第1の絶縁層の下
に接して前記第1の絶縁層より収縮力の強い収縮補強層
を設けたことを特徴とする熱型赤外線センサが得られ
る。
【0020】また,本発明によれば,前記熱型赤外線セ
ンサにおいて,前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層
は,互いに成膜方法又は熱履歴の異なる酸化シリコンで
形成されていることを特徴とする熱型赤外線センサが得
られる。
【0021】また,本発明によれば,前記いずれかの熱
型赤外線センサにおいて,前記ダイヤフラム構造の中央
領域においてのみ,前記第2の絶縁層の上に前記第2の
絶縁層より伸張力の強い伸長補強層を設けたことを特徴
とする熱型赤外線センサが得られる。
【0022】また,本発明によれば,熱電変換素子およ
び赤外線吸収層とを基板に橋架保持された絶縁性の薄膜
に設けたダイヤフラム構造を備えた熱型赤外線センサに
おいて,前記薄膜は,前記赤外線吸収層を設けた薄膜部
分から延在し前記基板と連結し前記薄膜を支持する支持
部を備えるとともに,前記基板面寄りの第1の絶縁層
と,前記第1の絶縁層よりも前記基板面から離間した第
2の絶縁層とを備え,前記支持部においては,前記第1
の絶縁層は,前記支持部の前記薄膜部分周辺の領域で,
前記第2の絶縁層よりも強い伸張力を有し,前記ダイヤ
フラム構造の中央領域においてのみ,前記第2の絶縁層
の上に前記第2の絶縁層より伸張力の強い伸長補強層を
設けたことを特徴とする熱型赤外線センサが得られる。
【0023】また,本発明によれば,前記熱型赤外線セ
ンサにおいて,前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層
は,互いに成膜方法又は熱履歴の異なる酸化シリコンで
形成されていることを特徴とする熱型赤外線センサが得
られる。
【0024】また,本発明によれば,前記いずれかの熱
型赤外線センサにおいて,前記薄膜は,前記支持部を介
して前記基板もしくはダイヤフラム外周部から支持され
ていることを特徴とする熱型赤外線センサが得られる。
【0025】また,本発明によれば,前記いずれかの熱
型赤外線センサにおいて,前記薄膜は,前記支持部を介
して前記基板面に対して離間して保持されていることを
特徴とする熱型赤外線センサが得られる。
【0026】また,本発明によれば,熱電変換素子およ
び赤外線吸収層とを基板に橋架保持された絶縁性の薄膜
に設けたダイヤフラム構造を備えた熱型赤外線センサに
おい て,前記薄膜は,前記赤外線吸収層を設けた薄膜部
分から延在し前記基板と連結し前記薄膜を支持する支持
部を備えるとともに,前記基板面寄りの第1の絶縁層
と,前記第1の絶縁層よりも前記基板面から離間した第
2の絶縁層とを備え,前記支持部においては,前記第1
の絶縁層は,前記支持部の前記薄膜部分周辺の領域で,
前記第2の絶縁層よりも強い伸張力を有し,前記薄膜
は,前記支持部を介して前記基板面に対して離間して保
持されていることを特徴とする熱型赤外線センサが得ら
れる。
【0027】また,本発明によれば,前記熱型赤外線セ
ンサにおいて,前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層
は,互いに成膜方法又は熱履歴の異なる酸化シリコンで
形成されていることを特徴とする熱型赤外線センサが得
られる。
【0028】さらに,本発明によれば,前記いずれかの
熱型赤外線センサにおいて,前記支持部は前記薄膜の一
端と前記基板とを接続する梁からなることを特徴とする
熱型赤外線センサが得られる。
【0029】
【実施例】次に,本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0030】(実施例1) まず,実施例1を製造プロセスを追って説明する。図1
にダイフラムの薄膜が二層の酸化シリコン膜から形成
されている場合の熱型赤外線センサの断面図を示す。下
面に基板保護の酸化シリコン膜56を有するシリコン基
板2の赤外線入射側に厚さ約2000オングストローム
の常圧CVD酸化シリコン膜(第1の酸化シリコン膜)
11を成長させ,次に900℃,30分間の熱処理を施
す。引き続き,厚さ約1000オングストロームの常圧
CVD酸化シリコン膜(第2の酸化シリコン膜A)12
を成長させ,今度は熱処理しない。その後も,完成する
迄,700℃以上の熱処理は行なわない。
【0031】次に,熱電変換素子3をパターニングした
後,常圧CVD成長により全面に保護用の,厚さ約30
00オングストロームの第2の酸化シリコン膜B13を
成長させる。
【0032】熱処理後の第1の酸化シリコン膜11の圧
縮応力は,−5〜−6×109 dyn/cm2 程度で,その大
きさは,第2の酸化シリコン膜A12及び第2の酸化シ
リコン膜B13の圧縮応力の約2倍の大きさである。こ
のため,ダイフラムのシリコン基板2側の第1の酸化
シリコン膜11と,ダイフラムの赤外線入射側の第2
の酸化シリコン膜A12及び保護膜(第2の酸化シリコ
ン膜B13)の応力差のため,下向きに反り返ることに
より,その撓みを吸収し,ダイヤフラムに張りを生じる
ことができる。
【0033】薄膜上に赤外線吸収層4をパターニングし
た後,薄膜とは逆の方向からTMAH(テトラメチルア
ンモニウムハイドロオキサイド),ヒドラジン,水酸化
カリウム等で,シリコン基板2をエッチングし,ダイ
フラムを完成する。尚,本発明において,薄膜におい
て,赤外線吸収層4を保持した薄膜部分以外の薄膜部分
周辺の薄膜を支持部と呼び,以下の実施例においても同
様に呼ぶ。
【0034】又,図示はしないが,本発明の実施例1
は,犠牲層をエッチングして作るタイプのダイフラム
に対しても適用できる。
【0035】(実施例2) 本発明の実施例2について,2次元信号読み出し用のM
OSスキャナを表面に設けたシリコン基板上に,犠牲層
方式によりダイヤフラムを形成する熱型赤外線センサの
場合を例に取り説明する。
【0036】図2(a)及び(b)はダイヤフラム構造
の薄膜が2種類の酸化シリコン膜から形成されている場
合の熱型赤外線センサを示す断面図である。
【0037】図2(a)に示すように,熱型赤外線セン
サは,2次元信号読み出し用のMOSスキャナ等を表面
に作り込んであるシリコン基板2と,シリコン基板2の
表面に形成された酸化シリコン基板保護膜2aと,空洞
部11bを有し,上部に孔部11aを有する2000オ
ングストロームの厚さの第1の酸化シリコン膜11と,
孔部11aを塞いで形成され,中央部に窪み12aを有
する2000オングストロームの厚さの第2の酸化シリ
コン膜A12と,この窪み12aを含む第2のシリコン
膜A12を覆うとともに,熱電変換素子3と,中央部に
くぼみ13aを有し,この熱電変換素子3を覆う第2の
シリコン膜B13と,このくぼみ13aを覆うように形
成された赤外線吸収層4とを備えている。尚,符号6は
製造工程の際,空洞を形成するために用いられるスルー
ホールである。
【0038】次に,図2(b)を用いて,図2(a)に
示された熱型赤外線センサのダイヤフラム構造の製造方
法について説明する。図2(b)に示すように,先ず,
2次元信号読み出し用のMOSスキャナ等を表面に作り
込んであるシリコン基板2の最表面の酸化シリコン基板
保護膜2a上に,犠牲層となるポリシリコンを厚さ50
00オングストローム成長させた後,フォトレジスト法
と選択エッチング法とによりメサ状の犠牲層ポリシリコ
ン7を形成する。その後,成長温度800℃にて減圧C
VD法により厚さ約2000オングストロームの第1の
酸化シリコン膜11を成長させ,フォトレジスト法と選
択エッチング法によりダイヤフラムの中央部を除去し
て,孔部11aを形成する。引き続き,常圧CVD法に
より厚さ約2000オングストロームの第2の酸化シリ
コン膜A12を成長させた。
【0039】次に,熱電変換素子3を中央にパターニン
グした後,全面に,厚さ約2000オングストロームの
表面保護用の第2の酸化シリコン膜B13をプラズマC
VD法により成長させる。ダイヤフラムの表面保護膜用
の第2の酸化シリコン膜B13上に真空蒸着法及びフォ
トレジストを用いたリフトオフ法等によりニッケルクロ
ムの赤外線吸収層4を形成した後,フォトレジスト法と
選択エッチング法とによりダイヤフラムの周辺の一部に
犠牲層ポリシリコン7まで至るようにスルーホール6を
形成し,最後にTMAH(テトラメチルアンモニウムハ
イドロオキサイド),ヒドラジン等により形成されたス
ルーホール6を通して犠牲層ポリシリコン7を選択的に
エッチングすることにより,図2(a)に示すように薄
膜の下に空洞11bを有するダイヤフラムが出来上が
る。
【0040】減圧CVD法により成長した第1の酸化シ
リコン膜11の圧縮応力は,プラズマCVD法による第
2の酸化シリコン膜A12及び第2の酸化シリコン膜B
13の圧縮応力の2倍以上の大きさである。従って,ダ
イヤフラムの外周寄りの領域においては上層の絶縁膜が
下層の絶縁膜に比べ,より圧縮応力の小さいバイメタル
構造となっている。このため,犠牲層エッチングにより
薄膜の内部応力が解放されると下層の第1の酸化シリコ
ン膜11は第2の酸化シリコン膜A及びB12及び13
より伸張する形でその先端が上に反り,中央部の酸化膜
のたるみを吸収し,ダイヤフラム全体を上方部に維持す
る張りを生じさせる。
【0041】また,第1の酸化シリコン膜11として減
圧CVDの代わりに,圧縮応力のより小さいプラズマC
VD法による酸化シリコン膜を使用し第2の酸化シリコ
ン膜として圧縮応力が,前記プラズマCVD法による酸
化シリコン膜より更に小さい常圧CVD法を使用する場
合のように,製法が異なる組み合わせによっても,下層
の方が圧縮応力がより大きいならば本発明の実施例2に
よるものと同様の効果が期待できることは明かである。
【0042】(実施例3) 図3(a)及び図3(b)は本発明の実施例3に係る赤
外線センサを示す図で,図3(a)は完成図を,図3
(b)は製造工程をそれぞれ示している。
【0043】図2(a),(b)の実施例2において
は,ダイヤフラムの中央部において,第1の酸化シリコ
ン膜11を選択エッチングにより完全に除去したが,途
中迄のエッチングにより,例えば,500オングストロ
ーム程度に薄く残した図3(a),(b)で示されるよ
うな実施例3においても本発明の実施例2によるものと
同様の効果は期待される。図3(a)及び(b)で示さ
れる実施例3の場合は,また,熱電変換素子3が露出し
ないため図2の第2の酸化シリコン膜A12は無くても
良いことは明かである。
【0044】(実施例4) 図4は本発明の実施例4による熱型赤外線センサを示す
断面図であり,このセンサはダイヤフラム構造の薄膜が
窒化膜と2種類の酸化シリコン膜とから形成されてい
る。図4(a)に示すように,図2(a)に示す実施例
2の構造から,第2の酸化シリコン膜A12を除去し,
空洞11b上部の中央部に窒化シリコン膜8を形成し,
その上から全面に第の酸化シリコン膜11を設けた構
造を有している。その他は,実施例2と同様である。窒
化シリコン膜8の内部応力は引っ張り応力であり,その
値は,5〜10×109 dyn/cm2 で第1の酸化シリコン
膜11の圧縮応力値と符号が反対であるため,ダイヤフ
ラム構造の中央において平坦ないしは中心部が上に凸の
形状あるいは平坦に近い形状が得られる形でダイヤフラ
ムに張りが生じる。ダイヤフラム構造の外周寄りの領域
では図2(a)同様,ダイヤフラム構造の中央部に向か
って上に反る形状である。尚,第2の酸化シリコン膜A
12は除去しなくとも,本発明が成り立つことはいうま
でもない。図4(a)に示す構造の製造方法は,図4
(b)に示すように図2(b)の第1の酸化シリコン膜
11を形成する前に,LPCVD法により厚さ約500
オングストローム成長した窒化シリコン膜8を受光部領
域となるダイヤフラムの中央部のみに残し,それ以外は
図2(b)と同様に作製している。
【0045】(実施例5) 図5は本発明の実施例5に係る赤外線センサを示す断面
図であり,このセンサはダイヤフラム構造の薄膜が2種
類ないし3種類の酸化シリコン膜から形成されている。
図5(a)に示すように,図4(a)に示す実施例4の
構造において,窒化シリコン膜を省略して,第2の酸
化シリコン膜B13と,赤外線吸収層6との間に第2の
酸化シリコン膜C14を介在させた構造を有している。
プラズマCVD法による第2の酸化シリコン膜C15の
内部応力は圧縮応力であり,その値は,2×109 dyn/
cm2 程度で減圧CVD法による第1の酸化シリコン膜1
1の圧縮応力値の約1/2倍であるが,プラズマCVD
による第2の酸化シリコン膜の厚さを第1の酸化シリコ
ン膜の2倍以上にすることにより,ダイヤフラムの中央
部において中心部が上に凸か平坦な形状あるいは平坦に
近い形状となる。一方ダイヤフラムの外周寄りの領域で
は図4(a)と同様に,ダイヤフラム中央部に向かって
上に反る形状であり,このダイヤフラムの外周寄りの領
域での反りによりダイヤフラムに張りが生じる。図5
(a)に示す熱型赤外線センサは以下のように作製され
ている。図5(b)に示すように,図4(b)の第2の
酸化シリコン膜B13を成長後に,プラズマ法により厚
さ約2000オングストローム成長した第2の酸化シリ
コン膜C15をフォトレジスト法と選択エッチング法に
より,受光領域となるダイヤフラムの中央部のみに残
し,それ以外は図2(b)と同様に作成したものであ
る。
【0046】(実施例6) 図6は本発明の実施例6に係る赤外線センサを示す俯瞰
図である。上記の実施例2〜実施例5は図8で示す従来
例のように受光部を二つの梁で中空若しくは真空中に支
えるタイプのダイヤフラムの場合にも同様に適用でき,
ダイヤフラム構造の赤外線吸収層4を保持する薄膜部分
を支持する支持部もしくは外周寄りの領域を梁の部分と
考えれば良い。
【0047】図6の俯瞰図において,実施例2の図2
(a)に適用した場合では,梁領域の支持部もしくは外
周寄りでは下層に減圧CVD法による第1の酸化シリコ
ン膜11を形成し,上層にプラズマCVD法による第2
の酸化シリコン膜A12及びB13を形成し,受光部及
び梁の受光部寄りでは下層の第1の酸化シリコン膜11
がない構造となっている。このような構造でも梁領域の
外周寄りから受光部のある中央領域寄りに向けてダイヤ
フラムが上に反り,下地に接触することはない。
【0048】以上の実施例について,第1の酸化シリコ
ン膜,第2の酸化シリコン膜の組み合わせとして,熱処
理を施した常圧CVD法による膜,LPCD法による膜
とプラズマCVD法による膜,あるいは,プラズマCV
D法による膜と常圧CVD法による膜等の組み合わせの
ように,前者よりも後者の方が圧縮応力が小さい。ある
いは,引っ張り応力がより大きい膜の組み合わせについ
ても,本発明が成立するのは当然である。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように本発明は,金属若し
くは半導体又は金属と半導体の両方のパターンを支持
し,かつ,半導体のエッチング液に対し耐腐蝕性を持つ
絶縁物の薄膜を,成膜方法又は熱履歴の異なる2種類以
上の酸化シリコンで形成する。
【0050】酸化シリコン膜の内部応力は,成膜方法や
熱履歴により,引張り・圧縮のいずれにすることも可能
である。従って,本発明のように,応力の向きが異なる
かもしくは応力の程度の異なる2種類の酸化シリコン膜
を組み合わせることで,従来,応力緩和のために使用し
てきた酸化シリコン膜全体を覆う窒化シリコン膜を広範
囲の面積に使用することが不要となる。その結果,薄膜
の熱がヒートシンクへ逃げ難くなり,薄膜とヒートシン
クとの温度差が大きくなり,熱型赤外線センサとしての
感度が向上する
【0051】又,予想し難い内部応力を持つ,極めて薄
く広範囲の面積の窒化シリコン膜を使用しなくて済むの
で,薄膜の内部応力は十分予測可能となり,シリコンエ
ッチング終了後に薄膜が不均一に反り返ったり,割れた
りすることは無い。
【0052】又,極めて薄い窒化シリコン膜を使用しな
くて済むので,ウエハ面内での膜厚のばらつきは,無視
できる程度に小さい。このため上記ダイフラムを2次
元アレイ化した場合,ダイフラム間の浮き方のばらつ
きは殆ど無い。
【0053】また,本発明では,金属若しくは半導体又
は金属と半導体の両方のパターンからなる熱電変換素子
および赤外線吸収層を有する絶縁性の薄膜により構成さ
れるダイヤフラム,若しくは前記ダイヤフラムの受光部
を基板と連結し支持する梁が,少なくともその外周寄り
の領域において,下層部である第1の絶縁層の方が,上
層部である第2の絶縁層より圧縮応力がより強く,従っ
て伸張力のより強いバイメタル構造を持ち,また下層部
である第1の絶縁層が,ダイヤフラムの基板寄りの領域
に比べ中央領域において,薄いか若しくは無いことによ
って,あるいは最下層に窒化膜を形成したり,最上層に
プラズマ酸化膜を形成することによって,中央部が上に
凸の力を受けるためダイヤフラムの中央領域を中空に持
ち上げ熱分離を効果的に行うことができる。
【0054】更に,ダイヤフラムの基板寄りの領域にお
いて,第1の絶縁層が減圧CVD法による酸化シリコン
層からなり,第2の絶縁層がプラズマ酸化膜又は常圧C
VD法による酸化シリコン層からなることによって,上
記薄膜が熱伝導率が,例えば,1.4×10-2W/cm
Kのように小さい酸化シリコン膜からなり,従来のよう
な熱伝導率が,例えば,1.8×10-1W/cmKのよ
うに一桁大きい窒化シリコン膜を用いるときと比べ熱分
離効率が高められるため,非常に高感度の赤外線センサ
を実現できる。
【0055】酸化シリコン膜の内部応力は,成膜方法に
より,引張り・圧縮のいずれにすることも可能である。
従って,本発明のように,応力の向きが異なるあるいは
応力の差の大きい2種類の酸化シリコン膜を組み合わせ
ることで,薄膜の反り具合も調節可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のダイフラムの薄膜が2層
から形成される熱型赤外線センサの断面図である。
【図2】本発明の実施例2の,ダイヤフラムの薄膜が基
板寄りの領域においてのみ上層に比べ下層がより伸張力
を有する熱型赤外線センサの断面図であり,各々(a)
は犠牲層エッチング後,(b)は犠牲エッチング前の断
面図を示す。
【図3】本発明の実施例3の,ダイヤフラムの薄膜が基
板寄りの領域においてのみ上層に比べ下層がより伸張力
を有する熱型赤外線センサの断面図であり,各々(a)
は犠牲層エッチング後,(b)は犠牲層エッチング前の
断面図を示す。
【図4】本発明の実施例4の,ダイヤフラムの薄膜が基
板寄りの領域においてのみ上層に比べ下層がより伸張力
を有する熱型赤外線センサの断面図であり,各々(a)
は犠牲層エッチング後,(b)は犠牲エッチング前の断
面図を示す。
【図5】本発明の実施例5の,ダイヤフラムの薄膜が基
板寄りの領域においてのみ上層に比べ下層がより伸張力
を有する熱型赤外線センサの断面図であり,各々(a)
は犠牲層エッチング後,(b)は犠牲エッチング前の断
面図を示す。
【図6】本発明の実施例6の,受光部が梁により基板と
連結されたダイヤフラムの薄膜が,窒化膜を含まない熱
型赤外線センサの俯瞰図である。
【図7】ダイヤフラムの薄膜が全体に窒化膜を含む従来
例の熱型赤外線センサの断面図である。
【図8】受光部が梁により基板と連結されたダイヤフラ
ムの薄膜が,全体に窒化膜を含む従来例の熱型赤外線セ
ンサの俯瞰図である。
【符号の説明】
2 シリコン基板 3 熱電変換素子 4 赤外線吸収層 6 スルーホール 7 犠牲層ポリシリコン 8 窒化シリコン膜 11 第1の酸化シリコン膜 11b 空洞 12 第2の酸化シリコン膜A 13 第2の酸化シリコン膜B 15 第2の酸化シリコン膜C 17 受光部 18 梁 20 ダイヤフラム構造
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01J 1/02 C G01J 1/02 R G01J 5/02 B

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱電変換素子および赤外線吸収層とを基
    板に橋架保持された絶縁性の薄膜に設けたダイヤフラム
    構造を備えた熱型赤外線センサにおいて,前記薄膜は,
    前記赤外線吸収層を設けた薄膜部分から延在し前記基板
    と連結し前記薄膜部分を支持する支持部を備えるととも
    に,前記基板面寄りの第1の絶縁層と,前記第1の絶縁
    層よりも前記基板面から離間した第2の絶縁層とを備
    え, 前記支持部においては,前記第1の絶縁層は前記支持
    部の前記薄膜部分周辺の領域で,前記第2の絶縁層より
    も強い伸張力を有し,前記第1の絶縁層及び前記第2の
    絶縁層は,互いに成膜方法又は熱履歴の異なる酸化シリ
    コンで形成されており,前記第1の絶縁層は,熱処理を
    施した常圧CVDによる酸化シリコンからなり,第2の
    絶縁層は熱処理を弱く施すか,又は熱処理を全く施さな
    い常圧CVDによる酸化シリコンからなることを特徴と
    する熱型赤外線センサ。
  2. 【請求項2】 熱電変換素子および赤外線吸収層とを基
    板に橋架保持された絶縁性の薄膜に設けたダイヤフラム
    構造を備えた熱型赤外線センサにおいて,前記薄膜は,
    前記赤外線吸収層を設けた薄膜部分から延在し前記基板
    と連結し前記薄膜を支持する支持部を備えるとともに,
    前記基板面寄りの第1の絶縁層と,前記第1の絶縁層よ
    りも前記基板面から離間した第2の絶縁層とを備え,前
    記支持部においては,前記第1の絶縁層は,前記支持部
    の前記薄膜部分周辺の領域で,前記第2の絶縁層よりも
    強い伸張力を有し,前記第1の絶縁層及び前記第2の絶
    縁層は,互いに成膜方法又は熱履歴の異なる酸化シリコ
    ンで形成されており,前記第1の絶縁層が減圧CVD成
    長による酸化シリコンからなり,前記第2の絶縁層は,
    プラズマCVD成長もしくは常圧CVD成長による酸化
    シリコンからなることを特徴とする熱型赤外線センサ。
  3. 【請求項3】 熱電変換素子および赤外線吸収層とを基
    板に橋架保持された絶縁性の薄膜に設けたダイヤフラム
    構造を備えた熱型赤外線センサにおいて,前記薄膜は,
    前記赤外線吸収層を設けた薄膜部分から延在し前記基板
    と連結し前記薄膜を支持する支持部を備えるとともに,
    前記基板面寄りの第1の絶縁層と,前 記第1の絶縁層よ
    りも前記基板面から離間した第2の絶縁層とを備え,前
    記支持部においては,前記第1の絶縁層は,前記支持部
    の前記薄膜部分周辺の領域で,前記第2の絶縁層よりも
    強い伸張力を有し,前記第1の絶縁層及び前記第2の絶
    縁層は,互いに成膜方法又は熱履歴の異なる酸化シリコ
    ンで形成されており,前記第1の絶縁層がプラズマCV
    D成長による酸化シリコンからなり,前記第2の絶縁層
    が常圧CVD成長による酸化シリコンからなることを特
    徴とする熱型赤外線センサ。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の内のいずれかに記載の
    熱型赤外線センサにおいて,前記第1の絶縁層は前記中
    央領域では支持部側もしくは外周寄りの領域に比べより
    薄いか若しくは無いことを特徴とする熱型赤外線セン
    サ。
  5. 【請求項5】 熱電変換素子および赤外線吸収層とを基
    板に橋架保持された絶縁性の薄膜に設けたダイヤフラム
    構造を備えた熱型赤外線センサにおいて,前記薄膜は,
    前記赤外線吸収層を設けた薄膜部分から延在し前記基板
    と連結し前記薄膜を支持する支持部を備えるとともに,
    前記基板面寄りの第1の絶縁層と,前記第1の絶縁層よ
    りも前記基板面から離間した第2の絶縁層とを備え,前
    記支持部においては,前記第1の絶縁層は,前記支持部
    の前記薄膜部分周辺の領域で,前記第2の絶縁層よりも
    強い伸張力を有し,前記第1の絶縁層は前記中央領域で
    は支持部側もしくは外周寄りの領域に比べより薄いか若
    しくは無いことを特徴とする熱型赤外線センサ。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の熱型赤外線センサにおい
    て,前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層は,互いに
    成膜方法又は熱履歴の異なる酸化シリコンで形成されて
    いることを特徴とする熱型赤外線センサ。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6の内のいずれかに記載の
    熱型赤外線センサにおいて,前記ダイヤフラム構造の中
    央領域において,前記第1の絶縁層の下に接して前記第
    1の絶縁層より収縮力の強い収縮補強層を設けたことを
    特徴とする熱型赤外線センサ。
  8. 【請求項8】 熱電変換素子および赤外線吸収層とを基
    板に橋架保持された絶縁性の薄膜に設けたダイヤフラム
    構造を備えた熱型赤外線センサにおいて,前記薄膜は,
    前記赤外線吸収層を設けた薄膜部分から延在し前記基板
    と連結し前記 薄膜を支持する支持部を備えるとともに,
    前記基板面寄りの第1の絶縁層と,前記第1の絶縁層よ
    りも前記基板面から離間した第2の絶縁層とを備え,前
    記支持部においては,前記第1の絶縁層は,前記支持部
    の前記薄膜部分周辺の領域で,前記第2の絶縁層よりも
    強い伸張力を有し,前記ダイヤフラム構造の中央領域に
    おいて,前記第1の絶縁層の下に接して前記第1の絶縁
    層より収縮力の強い収縮補強層を設けたことを特徴とす
    る熱型赤外線センサ。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の熱型赤外線センサにおい
    て,前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層は,互いに
    成膜方法又は熱履歴の異なる酸化シリコンで形成されて
    いることを特徴とする熱型赤外線センサ。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至6の内のいずれかに記載
    の熱型赤外線センサにおいて,前記ダイヤフラム構造の
    中央領域においてのみ,前記第2の絶縁層の上に前記第
    2の絶縁層より伸張力の強い伸長補強層を設けたことを
    特徴とする熱型赤外線センサ。
  11. 【請求項11】 熱電変換素子および赤外線吸収層とを
    基板に橋架保持された絶縁性の薄膜に設けたダイヤフラ
    ム構造を備えた熱型赤外線センサにおいて,前記薄膜
    は,前記赤外線吸収層を設けた薄膜部分から延在し前記
    基板と連結し前記薄膜を支持する支持部を備えるととも
    に,前記基板面寄りの第1の絶縁層と,前記第1の絶縁
    層よりも前記基板面から離間した第2の絶縁層とを備
    え,前記支持部においては,前記第1の絶縁層は,前記
    支持部の前記薄膜部分周辺の領域で,前記第2の絶縁層
    よりも強い伸張力を有し,前記ダイヤフラム構造の中央
    領域においてのみ,前記第2の絶縁層の上に前記第2の
    絶縁層より伸張力の強い伸長補強層を設けたことを特徴
    とする熱型赤外線センサ。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の熱型赤外線センサに
    おいて,前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層は,互
    いに成膜方法又は熱履歴の異なる酸化シリコンで形成さ
    れていることを特徴とする熱型赤外線センサ。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至12の内のいずれかに記
    載の熱型赤外線センサにおいて,前記薄膜は,前記支持
    部を介して前記基板もしくはダイヤフラム外周部から支
    持されていることを特徴とする熱型赤外線センサ。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至12の内のいずれかに記
    載の熱型赤外線セン サにおいて,前記薄膜は,前記支持
    部を介して前記基板面に対して離間して保持されている
    ことを特徴とする熱型赤外線センサ。
  15. 【請求項15】 熱電変換素子および赤外線吸収層とを
    基板に橋架保持された絶縁性の薄膜に設けたダイヤフラ
    ム構造を備えた熱型赤外線センサにおいて,前記薄膜
    は,前記赤外線吸収層を設けた薄膜部分から延在し前記
    基板と連結し前記薄膜を支持する支持部を備えるととも
    に,前記基板面寄りの第1の絶縁層と,前記第1の絶縁
    層よりも前記基板面から離間した第2の絶縁層とを備
    え,前記支持部においては,前記第1の絶縁層は,前記
    支持部の前記薄膜部分周辺の領域で,前記第2の絶縁層
    よりも強い伸張力を有し,前記薄膜は,前記支持部を介
    して前記基板面に対して離間して保持されていることを
    特徴とする熱型赤外線センサ。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の熱型赤外線センサに
    おいて,前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層は,互
    いに成膜方法又は熱履歴の異なる酸化シリコンで形成さ
    れていることを特徴とする熱型赤外線センサ。
  17. 【請求項17】 請求項1乃至16の内のいずれかに記
    載の熱型赤外線センサにおいて,前記支持部は前記薄膜
    の一端と前記基板とを接続する梁からなることを特徴と
    する熱型赤外線センサ。
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