JPWO2008032636A1 - レーザー溶着用樹脂組成物及び成形品 - Google Patents

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Abstract

レーザー溶着性、溶着強度及び耐ヒートショック性の高いレーザー溶着用ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物を提供する。ポリブチレンテレフタレート系樹脂(A)と、コアシェル型ポリマー(B)(例えば、アクリル系ゴムをコア層とするコアシェル型ポリマーなど)と、必要に応じて、ガラス繊維などの充填剤又は補強剤(C)およびポリカーボネート系樹脂とでレーザー溶着用PBT系樹脂組成物を構成する。このような樹脂組成物において、コアシェル型ポリマー(B)は、通常、平均粒子径2μm以上であってもよい。

Description

本発明は、レーザー溶着性が高く、ヒートショックに対する耐性に優れるポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物、及びそれを用いた成形品に関する。
ポリブチレンテレフタレート(PBT)系樹脂は、機械的特性、電気的特性、成形加工性などの種々の特性に優れるエンジニアプラスチックであり、自動車用途部品、電気用途部品などの多くの用途に利用されている。また、PBT系樹脂は、基板などを保護する外装容器材料(ハウジング材料)として使用されることも多い。このような部品を作製するため、接着剤、ネジ止め、スナップフィット、熱板溶着、超音波溶着などの接合方法を利用して複数の成形部品を接合している。しかし、これらの接合方法について、幾つかの問題点が指摘されている。例えば、接着剤を用いると、接着剤が硬化するまでの工程的な時間のロスや環境への負荷が問題となる。また、ネジ止めでは、締結の手間やコストが増大し、熱板溶着や超音波溶着では、溶着に必要な振動や熱を製品全体に与えてしまうため、熱や振動などによる製品の損傷が懸念される。これに対して、レーザー溶着による接合方法は、溶着部分のみを溶融して接合させるため、溶着に伴う振動や熱による製品のダメージが無く、溶着工程も非常に簡易である。そのため、最近、レーザー溶着法は、広く利用されるようになってきており、各種樹脂部品の溶着手法として着目されている。さらに、溶着に供される樹脂部品の中には、金属をインサート成形した樹脂部品もある。従って、インサート成形用樹脂として、インサート成形可能であるとともに、レーザー溶着性の高いPBT系樹脂の開発が望まれている。なお、インサート成形品に要求される樹脂の性能として、長時間に亘る高低温度変化(ヒートショック性)に対する耐性、すなわち耐ヒートショック性に優れることが要求されている。
一方、ポリブチレンテレフタレート系樹脂をレーザー溶着で接合する場合、レーザー光の透過性が低いため、炭化などを生じ、実質的に溶着できないことが指摘されている。特開2001−26656号公報(特許文献1)には、特定範囲の融点を有するポリエステル系共重合体で形成された成形品と他の成形品とを溶着加工により一体化させて成形体を製造する方法が開示されている。この文献には、ホモポリブチレンテレフタレート樹脂はレーザー溶着強度が小さいことが記載されている。
また、ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物を金属インサート成形に利用した例も知られている。例えば、特開昭63−3055号公報(特許文献2)には、ポリブチレンテレフタレートとアクリル系ゴムからなる樹脂組成物と、金属又は無機固体とをインサート成形したインサート成形品が開示されている。この文献には、アクリル系ゴムは、アクリル酸エステルの重合またはそれを主体とする共重合により得られるゴム状弾性体であり、ブチルアクリレートのようなアクリル酸エステルと、少量のブチレンジアクリレートのような架橋性モノマーとを重合させて得た重合体に、メチルメタクリレートのような重合性モノマーをグラフト重合させて得たゴム状の重合体を例示しており、市販品として、「カネエースFM」(鐘淵化学(株)製)、「バイタツクスV−6401」(日立化成(株)製)、「メタブレンW−300」、「メタブレンW−530」(三菱レイヨン(株)製)、「アクリロイドKM−323」、「アクリロイドKM−330」(ローム・アンド・ハース社製)などを使用できることが記載されている。なお、この文献には、前記樹脂組成物又はインサート成形品をレーザー溶着に供することについて何ら記載されておらず、レーザー溶着に供したとしても、レーザー光の透過率を著しく低下させるため、実質的にレーザー溶着できない。
さらに、ポリエステル系樹脂組成物の耐ヒートショック性を改善する試みもなされている。例えば、特開平7−18166号公報(特許文献3)には、(A)熱可塑性ポリエステル100重量部、(B)ガラス繊維5〜100重量部、(C)ガラスビーズ5〜100重量部、および(D)アクリル系ゴム5〜50重量部を含む熱可塑性ポリエステル樹脂組成物が開示されている。この文献には、前記成分(D)のアクリル系ゴムは、炭素数1〜5の飽和又は不飽和の直鎖若しくは分岐鎖脂肪族炭化水素を有するアクリル酸エステルと、炭素数1〜5の飽和又は不飽和の直鎖若しくは分岐鎖脂肪族炭化水素基を有するメタクリル酸エステルとの共重体であること、実施例において、アクリル系ゴムとして、商品名「パラロイドEXL2311」(呉羽化学社製)を使用したことが記載されている。そして、この文献には、熱可塑性ポリエステルの優れた機械的特性を維持し、耐ヒートショック性が優れた材料が得られること、熱可塑性ポリエステルに金属をインサートしたり金属を封止する用途に有効であることが記載されている。
なお、これらの文献では、レーザー溶着に供することを想定していない。そして、これらの文献のポリエステル系樹脂組成物をレーザー溶着に供したとしても、前記と同様に、レーザー光の透過率が著しく低下するため、実質的にレーザー溶着できなくなる虞がある。
なお、特開2004−315805号公報(特許文献4)には、ポリブチレンテレフタレート系樹脂(A)と、屈折率1.52〜1.59を有するエラストマー(B)とで構成されているレーザー溶着用ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物が開示されている。この文献には、エラストマーとして、ポリスチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマーなどを例示している。
特開2001−26656号公報(特許請求の範囲、段落番号[0003]) 特開昭63−3055号公報(特許請求の範囲、第2頁左下欄第12行〜第3頁左上欄第14行) 特開平7−18166号公報(特許請求の範囲、段落番号[0009][0018][0026]) 特開2004−315805号公報(特許請求の範囲、段落番号[0066])
従って、本発明の目的は、ポリブチレンテレフタレート系樹脂をベースとしながらも、レーザー溶着性を損なうことなく、優れた耐ヒートショック性を付与できるレーザー溶着用ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物、及びその成形品を提供することにある。
本発明の他の目的は、ポリブチレンテレフタレート系樹脂の特性を損なうことなく、レーザー溶着性と耐ヒートショック性とを高いレベルで両立できるレーザー溶着用ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物、及びその成形品を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、ポリブチレンテレフタレート系樹脂とコアシェル型ポリマーとを組み合わせること、特に、このコアシェル型ポリマーを大きな粒径(分散径)でポリブチレンテレフタレート系樹脂に分散させることにより、ポリブチレンテレフタレート系樹脂の特性を保持しつつ、レーザー溶着性と高いレベルの耐ヒートショック性とをバランスよく両立できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明のレーザー溶着用ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物は、ポリブチレンテレフタレート系樹脂(A)と、コアシェル型ポリマー(B)とで構成されている。前記ポリブチレンテレフタレート系樹脂(A)は、ホモポリエステル(ポリブチレンテレフタレート樹脂)であってもよく、コポリエステル(ポリブチレンテレフタレート共重合体)であってもよく、これらの混合物(ホモポリエステルとコポリエステルとの混合物など)であってもよい。なお、混合物において、ホモポリエステルとコポリエステルとの混合比は特に限定されない。コポリエステルは、約45モル%以下(例えば、0.01〜40モル%程度)、特に30モル%以下(例えば、0.01〜30モル%程度)の共重合性モノマーで変性された樹脂であってもよい。また、前記コアシェル型ポリマー(B)は、コア層がアクリル系ゴムで構成されたコアシェル型ポリマー(アクリル系コアシェル型ポリマー)であってもよい。
本発明の樹脂組成物では、通常、コアシェル型ポリマー(B)の粒径は大粒径(例えば、平均粒子径1μm以上、好ましくは2μm以上)である。このような粒径のコアシェル型ポリマーを使用すると、レーザー透過性と耐ヒートショック性とを効率よく両立できる。前記樹脂組成物において、コアシェル型ポリマー(B)の割合は、樹脂(A)100重量部に対して、1〜50重量部程度であってもよい。
代表的な前記樹脂組成物には、コアシェル型ポリマー(B)の平均粒子径が3〜10μmであり、コアシェル型ポリマー(B)の割合が樹脂(A)100重量部に対して5〜30重量部である樹脂組成物などが含まれる。
前記樹脂組成物は、さらに、補強剤(C)(ガラス繊維など)を含んでいてもよい。このような補強剤を含む前記樹脂組成物において、補強剤(C)の割合は、樹脂(A)100重量部に対して10〜120重量部程度であってもよい。また、前記樹脂組成物は、さらに、ポリカーボネート系樹脂を含んでいてもよい。このようなポリカーボネート系樹脂を含む前記樹脂組成物において、ポリカーボネート系樹脂の割合は、樹脂(A)100重量部に対して、3〜20重量部程度であってもよい。
本発明には、前記樹脂組成物で形成されているレーザー透過性樹脂成形品、すなわち、レーザー光を吸収可能なレーザー吸収性樹脂成形品と接触可能であり、レーザー光を透過して、前記樹脂成形品と接合するレーザー透過性樹脂成形品であって、前記樹脂組成物で形成されたレーザー透過性樹脂成形品も含まれる。
本発明は、前記樹脂組成物で形成された成形品(第1の成形品、前記樹脂組成物で形成されたレーザー透過性樹脂成形品)と、相手材の樹脂成形品(第2の成形品、すなわち、レーザー光を吸収可能なレーザー吸収性樹脂で形成された成形品)とがレーザー溶着により接合されている複合成形品も含む。このような複合成形品は、第1の成形品と第2の成形品とを接触(特に少なくとも接合部を面接触)させ、第1の成形品と第2の成形品との界面にレーザー光を照射し、第1の成形品と第2の成形品との界面を少なくとも部分的に溶融させて接合面を密着させることにより製造できる。
本発明では、ポリブチレンテレフタレート系樹脂とコアシェル型ポリマーとを組み合わせるので、ポリブチレンテレフタレート系樹脂をベースとしながらもレーザー溶着性を損なうことなく、優れた耐ヒートショック性を付与できる。また、ポリブチレンテレフタレート系樹脂の特性を損なうことなく、レーザー溶着性と耐ヒートショック性とを高いレベルで両立できる。そのため、レーザー溶着性の高い成形品(インサート成形品など)や、高い溶着強度で接合した複合成形品を得ることができる。
図1は実施例でのレーザー溶着を説明するための概略図である。
符号の説明
1…光源
2…レーザー光
3…試験片A
4…試験片B
発明の詳細な説明
[ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物]
(A)ポリブチレンテレフタレート系樹脂
ベース樹脂としてのポリブチレンテレフタレート系樹脂(PBT系樹脂)としては、ブチレンテレフタレートを主成分(例えば、50〜100重量%、好ましくは60〜100重量%、さらに好ましくは75〜100重量%程度)とするホモポリエステル(ポリブチレンテレフタレート)又はコポリエステル(ブチレンテレフタレート系共重合体又はポリブチレンテレフタレートコポリエステル)などが挙げられる。
コポリエステル(ブチレンテレフタレート系共重合体又は変性PBT樹脂)における前記共重合可能なモノマー(以下、単に共重合性モノマーと称する場合がある)としては、テレフタル酸を除くジカルボン酸、1,4−ブタンジオールを除くジオール、オキシカルボン酸、ラクトンなどが挙げられる。共重合性モノマーは一種で又は二種以上組み合わせて使用できる。
ジカルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、ダイマー酸などのC4−40ジカルボン酸、好ましくはC4−14ジカルボン酸)、脂環式ジカルボン酸(例えば、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ハイミック酸などのC8−12ジカルボン酸)、テレフタル酸を除く芳香族ジカルボン酸(例えば、フタル酸、イソフタル酸;2,6−ナフタレンジカルボン酸などのナフタレンジカルボン酸;4,4′−ジフェニルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルケトンジカルボン酸などのC8−16ジフェニルジカルボン酸)、又はこれらの反応性誘導体(例えば、低級アルキルエステル(ジメチルフタル酸、ジメチルイソフタル酸(DMI)などのフタル酸又はイソフタル酸のC1−4アルキルエステルなど)、酸クロライド、酸無水物などのエステル形成可能な誘導体)などが挙げられる。さらに、必要に応じて、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸などを併用してもよい。
ジオールには、例えば、1,4−ブタンジオールを除く脂肪族ジオール(例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオールなどの直鎖状又は分岐鎖状C2−12アルカンジオール、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C2−10アルカンジオール)、(ポリ)オキシアルキレングリコール[複数のオキシC2−4アルキレン単位を有するグリコール、例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジテトラメチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなど]、脂環族ジオール(例えば、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールAなど)、芳香族ジオール[例えば、ハイドロキノン、レゾルシノール、ナフタレンジオールなどのジヒドロキシC6−14アレーン;ビフェノール;ビスフェノール類;キシリレングリコールなど]などが挙げられる。さらに、必要に応じて、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトールなどのポリオールを併用してもよい。
前記ビスフェノール類としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(ビスフェノールAD)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタンなどのビス(ヒドロキシアリール)C1−6アルカン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシアリール)C4−10シクロアルカン;4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド;4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、及びこれらのアルキレンオキサイド付加体などが例示できる。アルキレンオキサイド付加体としては、ビスフェノール類(例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールAD、ビスフェノールFなど)のC2−3アルキレンオキサイド付加体、例えば、2,2−ビス−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ジエトキシ化ビスフェノールA(EBPA)、2,2−ビス−[4−(2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]プロパン、ジプロポキシ化ビスフェノールAなどが挙げられる。アルキレンオキサイド付加体において、アルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのC2−3アルキレンオキサイド)の付加モル数は、各ヒドロキシル基1モルに対して1〜10モル、好ましくは1〜5モル程度である。
オキシカルボン酸には、例えば、オキシ安息香酸、オキシナフトエ酸、ヒドロキシフェニル酢酸、グリコール酸、オキシカプロン酸などのオキシカルボン酸又はこれらの誘導体などが含まれる。ラクトンには、プロピオラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン(例えば、ε−カプロラクトンなど)などのC3−12ラクトンなどが含まれる。
好ましい共重合性モノマーとしては、ジオール類[C2−6アルキレングリコール(エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサンジオールなどの直鎖状又は分岐鎖状アルキレングリコールなど)、繰返し数が2〜4程度のオキシアルキレン単位を有するポリオキシC2−4アルキレングリコール(ジエチレングリコールなど)、ビスフェノール類(ビスフェノール類又はそのアルキレンオキサイド付加体など)など]、ジカルボン酸類[C6−12脂肪族ジカルボン酸(アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸など)、カルボキシル基がアレーン環の非対称位置に置換した非対称芳香族ジカルボン酸など]などが挙げられる。これらの化合物のうち、芳香族化合物、例えば、ビスフェノール類(特にビスフェノールA)のアルキレンオキサイド付加体、及び非対称芳香族ジカルボン酸[フタル酸、イソフタル酸、及びその反応性誘導体(ジメチルイソフタル酸(DMI)などの低級アルキルエステル)など]などが好ましい。
ポリブチレンテレフタレート系樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。2種以上組み合わせる場合、ホモポリエステルと、コポリエステルとを組み合わせてもよく、複数のコポリエステルを組み合わせてもよく、ホモポリエステルと複数のコポリエステルとを組み合わせてもよい。
ポリブチレンテレフタレート系樹脂としては、ホモポリエステル(ポリブチレンテレフタレート)及び/又は共重合体(ポリブチレンテレフタレートコポリエステル)が好ましく、共重合性モノマーの割合(変性量)は、通常、45モル%以下(例えば、0〜40モル%程度)、好ましくは35モル%以下(例えば、0〜35モル%程度)であってもよく、30モル%以下(0〜30モル%程度)であってもよい。単独で使用する場合、共重合体において、共重合性モノマーの割合は、例えば、0.01〜30モル%程度の範囲から選択でき、通常、1〜30モル%、好ましくは3〜25モル%、さらに好ましくは5〜20モル%(例えば、5〜15モル%)程度である。
なお、ホモポリエステルとコポリエステルとを組み合わせる場合、その混合比は特に限定されない
PBT系樹脂は、テレフタル酸又はその反応性誘導体と1,4−ブタンジオールと必要により共重合可能なモノマーとを、慣用の方法、例えば、エステル交換、直接エステル化法などにより共重合することにより製造できる。
(B)コアシェル型ポリマー
コアシェル型ポリマー(コアシェル型エラストマー)は、コア層(コア部)と、このコア層(コア層の表面)の一部又は全部を被覆するシェル層とで構成された多層構造を有するポリマーである。コアシェル型ポリマーにおいて、コア層およびシェル層のうち、いずれか一方がゴム成分(軟質成分)で構成され、他方の成分が硬質成分で構成される。
コア層は、通常、ゴム成分で構成されている場合が多い。ゴム成分のガラス転移温度は、例えば、0℃未満(例えば、−10℃以下)、好ましくは−20℃以下(例えば、−180〜−25℃程度)、さらに好ましくは−30℃以下(例えば、−150〜−40℃程度)であってもよい。
ゴム成分は、上記のような低いガラス転移温度を有していればよく、例えば、不飽和結合含有単量体の重合体、ケイ素系ゴム(ケイ素系エラストマー)、ウレタン系ゴムなどが挙げられる。これらのゴム成分は、単独又は2種以上組み合わせてもよい。2種以上組み合わせる場合、これらのゴム成分は、共重合、グラフト重合などにより互いに結合していてもよい。
不飽和結合含有単量体(不飽和結合含有モノマー)としては、アクリル系モノマー{例えば、アクリル酸エステル[例えば、アルキルアクリレート(例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレートなどのC1−20アルキルアクリレート)、アリールアクリレート(フェニルアクリレートなど)など]、メタクリル酸エステル(例えば、ラウリルメタクリレートなどのメタクリル酸高級エステル)など}、ジエン系モノマー(例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどの共役C2−6アルカジエン)、オレフィン系モノマー(例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレンなどC2−6アルケンなど)、芳香族ビニル系モノマー(例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、クロロスチレンなどのスチレン系モノマー、ビニルナフタレンなど)、シアン化ビニル系モノマー(例えば、(メタ)アクリロニトリルなど)、ビニルエーテル系モノマー、カルボン酸ビニルエステル系モノマー(酢酸ビニルなど)、アクリルアミド系モノマー((メタ)アクリルアミドなど)、フッ素系モノマー(フッ化ビニリデン、パーフルオロプロペン、テトラフルオロエチレン)などが挙げられる。これらの不飽和結合含有モノマーは単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
代表的な不飽和結合含有モノマーの重合体としては、アクリル系ゴム(アクリル系エラストマー)、ジエン系ゴム(ジエン系エラストマー)、オレフィン系ゴム(エチレンプロピレンゴムなど)、フッ素ゴム(フッ化ビニリデン−パーフルオロプロペン共重合体など)などが挙げられる。
ゴム成分としてのアクリル系ゴムは、アクリル系モノマー[特に、アルキルアクリレート(ブチルアクリレートなどのアクリル酸C1−12アルキルエステル、好ましくはアクリル酸C1−8アルキル、さらに好ましくはアクリル酸C2−6アルキルエステル)などのアクリル酸エステル]を主成分とするポリマーである。アクリル系ゴムは、アクリル系モノマーの単独又は共重合体(2種以上のアクリル系モノマーの共重合体、アクリル系モノマーと他の不飽和結合含有モノマーとの共重合体など)であってもよく、アクリル系モノマー(および他の不飽和結合含有モノマー)と架橋性モノマーとの共重合体であってもよい。
架橋性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル系単量体{多官能性(メタ)アクリレート[例えば、ブチレンジ(メタ)アクリレートなどのアルキレンポリ(メタ)アクリレート;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ(又はオリゴ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート(ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなど)、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの(ポリ)ヒドロキシアルカンポリ(メタ)アクリレートなど]のビニル系単量体(例えば、ビニル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンなど);グリシジル(メタ)アクリレートなど}、重合性不飽和結合を有する加水分解縮合性化合物[例えば、(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤(3−トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリロイルオキシアルキルトリアルコキシシランなど)など]、アリル系化合物(例えば、アリル(メタ)アクリレート、ジアリルマレート、ジアリルフマレート、ジアリルイタニレート、モノアリルマレート、モノアリルフマレート、トリアリル(イソ)シアヌレートなど)などが挙げられる。これらの架橋性モノマーは、単独又は2種以上組み合わせてもよい。
アクリル系ゴムにおいて、アクリル酸エステル(特に、アルキルアクリレート)の割合は、アクリル系ゴム全体に対して、50〜100重量%、好ましくは70〜99重量%、さらに好ましくは80〜98重量%程度であってもよい。また、アクリル系ゴムにおいて、架橋性モノマーの割合は、アクリル酸エステル100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重量部、さらに好ましくは0.3〜5重量部程度であってもよい。
ジエン系ゴムとしては、例えば、ジエン系モノマーの重合体(天然ゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴムなど)、ジエン系モノマーと他の不飽和結合含有モノマーとの共重合体(例えば、アクリロニトリルブタジエンゴム、ニトリルクロロプレンゴム、ニトリルイソプレンゴムなどのアクリロニトリルとジエン系モノマーとの共重合体(ゴム);スチレンブタジエンゴム、スチレンクロロプレンゴム、スチレンイソプレンゴムなどのスチレンとジエン系モノマーとの共重合体(ゴム)など)などが含まれる。ジエン系ゴムには、水添ゴム、例えば、水素添加ニトリルゴムなども含まれる。
ケイ素系ゴム(シリコーン系ゴム)は、通常、式:RaSiO(4−a)/2で表される単位で構成されたオルガノポリシロキサンである。式中、Rは、例えば、メチル基などのC1−10アルキル基、トリフルオロプロピル基などのハロゲン化C1−10アルキル基、ビニル基、アリル基などのC2−10アルケニル基、フェニル基などのC6−12アリール基、シクロペンチル基などのC3−10シクロアルキル基、ベンジル基などのC6−12アリール−C1−4アルキル基などが挙げられる。式中、係数aは1.9〜2.1程度である。好ましいRは、メチル基、フェニル基、アルケニル基(ビニル基など)などである。シリコーンゴムはこれらの構造単位を単独で又は2種以上組み合わせて有していてもよい。
シリコーンゴムの分子構造は、通常、直鎖状であるが、一部分岐構造を有していてもよく、分岐鎖状であってもよい。シリコーンゴムの主鎖は、例えば、ジメチルポリシロキサン鎖、メチルビニルポリシロキサン鎖、メチルフェニルポリシロキサン鎖、これらのシロキサン単位の共重合体鎖[ジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサン共重合体鎖、ジメチルシロキサン−メチルフェニルシロキサン共重合体鎖、ジメチルシロキサン−メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサン共重合体鎖、ジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサン−メチルフェニルシロキサン共重合体鎖など]で構成できる。シリコーンゴムの両末端は、例えば、トリメチルシリル基などであってもよい。なお、このようなシリコーンゴムは、通常、オルガノシロキサン単量体を重合(開環重合)させて得られる。このようなオルガノシロキサンとしては、前記単位に対応するオルガノシロキサン、例えば、ヘキサメチルトリシクロシロキサン、オクタメチルテトラシクロシロキサン、デカメチルペンタシクロシロキサン、ドデカメチルヘキサシクロシロキサン、トリメチルトリフェニルトリシクロシロキサン、テトラメチルテトラフェニルテトラシクロシロキサン、オクタフェニルテトラシクロシロキサンなどが挙げられる。
コア層は、代表的には、アクリル系ゴムで構成してもよい。
なお、コア層は、ゴム成分を主成分として含んでいる限り、非ゴム成分(例えば、後述の硬質樹脂成分など)を含んでいてもよい。コア層全体に対するゴム成分の割合は、30〜100重量%、好ましくは50〜100重量%、さらに好ましくは70〜100重量%程度であってもよい。また、コア層の構造は、均一な構造であってもよく、不均一な構造(サラミ構造など)であってもよい。
コアシェル型ポリマーにおいて、シェル層は、通常、硬質樹脂成分(又はガラス状樹脂成分)で構成されている。硬質樹脂成分のガラス転移温度は、0℃以上(例えば、20℃以上)の範囲から選択でき、例えば、30℃以上(例えば、30〜300℃程度)、好ましくは50℃以上(例えば、60〜250℃程度)、さらに好ましくは70℃以上(例えば、80〜200℃程度)であってもよい。このような硬質樹脂成分は、通常、ビニル系重合体(ビニル系単量体の重合体)で構成されている。ビニル系重合体(樹脂)において、ビニル系単量体(ビニル系モノマー)としては、ビニル系重合体を上記のようなガラス転移温度に調整できる限り特に限定されず、例えば、メタクリル系モノマー[例えば、アルキルメタクリレート(例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどのC1−20アルキルメタクリレート、好ましくはC1−10アルキルメタクリレート、さらに好ましくはC1−6アルキルメタクリレート)、アリールメタクリレート(フェニルメタクリレートなど)、シクロアルキルメタクリレート(シクロへキシルメタクリレートなど)などのメタクリル酸エステルなど]などの他、前記例示のモノマー[例えば、アクリル系モノマー、芳香族ビニル系モノマー(例えば、スチレンなどの前記例示のモノマーなど)、オレフィン系モノマー、シアン化ビニル系モノマー(例えば、(メタ)アクリロニトリルなどの前記例示のモノマーなど)などが挙げられる。これらのビニル系単量体は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。ビニル系重合体は、メタクリル系モノマー、芳香族ビニル系モノマー、シアン化ビニル系モノマーから選択された少なくとも1種[特に、少なくともメタクリル酸エステル(メチルメタクリレートなどのアルキルメタクリレートなど)]を重合成分とする重合体である場合が多い。
なお、シェル層を構成するビニル系重合体は、ビニル系モノマーと架橋性モノマーとの共重合体であってもよい。架橋性モノマーとしては前記と同様のモノマーが例示できる。
シェル層は、コア層の一部又は全部を被覆していれば、単一の層であってもよく、複数の層で形成されていてもよい。
コア層とシェル層とは、通常、互いに結合している場合が多い。このような結合は、特に限定されないが、通常、コア層(ゴム成分)に対するシェル層(硬質樹脂成分、ビニル系重合体)のグラフト重合により形成されている場合が多い。このようなグラフト重合(グラフト共重合)により結合(グラフト結合)したコアシェル型ポリマーは、例えば、ゴム成分に対して、シェル層(ビニル系重合体)を構成(又は形成)するビニル系単量体をグラフト重合させることによって得られる。なお、グラフト重合に先立って、必要に応じて、ゴム層を構成するゴム成分にシェル層(又はビニル系モノマー)と反応する反応性基を導入してもよい。反応性基の導入は、例えば、ゴム成分を構成するモノマーの重合時に、反応性基を有するグラフト交差剤を反応させることにより行ってもよい。グラフド交差剤としては、例えば、ケイ素系ゴムでは、不飽和結合及び/又はチオール基を有するオルガノシロキサン(例えば、(メタ)アクロキシシロキサン、ビニルシロキサンなど)が挙げられる。
コアシェル型ポリマーにおいて、コア層とシェル層との割合は、前者/後者(重量比)=99/1〜1/99、好ましくは95/5〜5/95、さらに好ましくは90/10〜10/90であってもよく、通常95/5〜30/70(例えば、85/15〜50/50)であってもよい。
本発明において使用するコアシェル型ポリマー(コアシェル型ポリマー粒子)の平均粒子径は、通常1μm以上(例えば、1.2〜30μm程度)の範囲から選択でき、例えば、1.5μm以上(例えば、1.8〜20μm程度)、好ましくは2μm以上(例えば、2.5〜15μm程度)、さらに好ましくは3〜10μm(例えば、3.5〜8μm)、特に4〜7.5μm(例えば、4.5〜7μm)程度であってもよい。なお、コアシェル型ポリマーは、通常、前記樹脂組成物中(又はPBT系樹脂中、PBT系樹脂で構成された樹脂成分中)に分散していてもよい。このような分散したコアシェル型ポリマーは、一次粒子であってもよく、二次粒子であってもよい。コアシェル型ポリマーの平均分散径は、上記と同様の範囲から選択できる。粒子径が小さすぎると(例えば、1μm未満になると)、レーザー透過性が低下し、レーザー溶着性が損なわれる。
本発明では、上記のような大きな粒径(又は分散径)を有するコアシェル型ポリマーを使用する場合が多い。なお、一般的なコアシェル型ポリマーの粒子径は、通常0.1μmのオーダーである場合が多い。また、一般的な熱可塑性エラストマー(ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマーなど)は、PBT系樹脂の粘度や混練条件などにより、粒径が変化しやすく、大きな粒径で安定的に樹脂中に分散させることは困難である。
本発明では、コアシェル型ポリマー、特に上記のような大きな粒径又は分散径を有するコアシェル型ポリマーを使用することにより、透過光の散乱を高いレベルで抑制できるためか、レーザー透過性(又はレーザー溶着性)と耐ヒートショック性(高低温耐性)とを両立できる。また、前記コアシェル型ポリマーを使用することにより、その大粒径に起因するためか、PBT系樹脂本来の優れた特性(耐熱性、耐溶剤性など)を保持しつつ、レーザー透過性および耐ヒートショック性を改善できる。なお、単に、耐ヒートショック性を向上するだけであれば、粒径が比較的小さいコアシェル型を使用する方が有利である場合が多い。本発明の組成物では、レーザー溶着用途の組成物において、PBT系樹脂と上記のような比較的大きな粒径を有するコアシェル型ポリマーとを組み合わせて使用することにより、レーザー溶着性を損なうことなく、高度の耐ヒートショック性とを付与でき、レーザー溶着性と耐ヒートショック性とをバランスよく両立できる。
なお、コアシェル型ポリマーの屈折率は、特に限定されない。本発明では、大粒径を有するコアシェル型ポリマーを使用するので、前記特許文献4に記載されているような特定の屈折率(1.52〜1.59)を有していなくても[例えば、屈折率1.52未満(例えば、1.35〜1.5、好ましくは1.4〜1.49、さらに好ましくは1.42〜1.48程度)であっても]、レーザー透過性(レーザー溶着性)を損なうことがない。
なお、コアシェル型ポリマーは、コア層とシェル層を形成可能な慣用の方法(乳化重合法、シード重合法、マイクロサスペンジョン重合法、懸濁重合法など)により調製したものを用いてもよく、市販品を使用してもよい。例えば、大粒子径のコアシェル型ポリマーは、ロームアンドハースジャパン(株)から、「パラロイドEXL5136」などとして入手することができる。
コアシェル型ポリマー(B)の割合は、ポリブチレンテレフタレート系樹脂(A)100重量部に対して、例えば、1〜50重量部(例えば、2〜50重量部)、好ましくは3〜40重量部(例えば、5〜35重量部)、さらに好ましくは5〜30重量部、特に10〜25重量部程度であってもよい。また、コアシェル型ポリマー(B)の割合は、前記樹脂組成物全体に対して、例えば、1〜30重量%、好ましくは3〜20重量%、さらに好ましくは5〜15重量%程度であってもよい。コアシェル型ポリマー(B)の割合が少なすぎると、耐ヒートショック性の改良効果が低減し、多すぎるとレーザー透過性が低下しやすい。
(C)充填剤
本発明の樹脂組成物は、強度を必要とする場合、充填剤(又は補強材)(C)を含んでいてもよい。このような充填剤(C)には、繊維状補強材[例えば、無機質繊維(例えば、ガラス繊維、アスベスト繊維、カーボン繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、シリカ・アルミナ繊維、アルミニウムシリケート繊維、ジルコニア繊維、チタン酸カリウム繊維、炭化ケイ素繊維、ウィスカー(炭化ケイ素、アルミナ、窒化珪素などのウイスカー)など)、有機質繊維(例えば、脂肪族又は芳香族ポリアミド、芳香族ポリエステル、フッ素樹脂、ポリアクリロニトリルなどのアクリル樹脂、レーヨンなどで形成された繊維)など]、板状補強材[例えば、タルク、マイカ、ガラスフレーク、グラファイトなど]、粉粒状補強材[例えば、ガラスビーズ、ガラス粉、ミルドファイバー(例えば、ミルドガラスファイバーなど)など]、ウォラストナイト(珪灰石)などが含まれる。ウォラストナイトは、板状、柱状、繊維状などの形態であってもよい。繊維状補強材の平均径は、例えば、1〜50μm(好ましくは3〜30μm)程度、平均長は、例えば、100μm〜3mm(好ましくは300μm〜1mm、さらに好ましくは500μm〜1mm)程度であってもよい。また、板状又は粉粒状補強材の平均粒径は、例えば、0.1〜100μm、好ましくは0.1〜50μm(例えば、0.1〜10μm)程度であってもよい。これらの充填剤又は補強材は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの補強材のうち、ガラス系又はガラス質充填剤又は補強材(ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズなど)、タルク、マイカ、ウォラストナイト、チタン酸カリウム繊維などが好ましく、特に、ガラス繊維などのガラス質充填剤が好ましい。ガラス繊維の中でも、特にチョップドストランド品は、高い強度および剛性を有しており、好適に使用できる。
充填剤(C)の割合は、例えば、ポリブチレンテレフタレート系樹脂(A)100重量部に対して1〜150重量部(例えば、5〜130重量部)程度の範囲から選択でき、通常、10〜120重量部(例えば、15〜100重量部)、好ましくは20〜90重量部、さらに好ましくは30〜80重量部(例えば、40〜70重量部)程度であってもよい。
(D)樹脂(第2の樹脂)
ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物は、光透過性(又はレーザー溶着性)を改善するため、さらに、熱可塑性樹脂(第2の樹脂)を含んでいてもよい。この第2の樹脂としては、非晶質樹脂、例えば、ポリカーボネート(PC)系樹脂などが挙げられる。これらの第2の樹脂(D)は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。なお、樹脂組成物において、ポリブチレンテレフタレート系樹脂(A)と樹脂(D)とのモルホロジーは特に制限されず、均一樹脂系を形成してもよく分散系を形成してもよい。
ポリカーボネート系樹脂は、ジヒドロキシ化合物と、ホスゲン又はジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとの反応により得られる。ジヒドロキシ化合物は、脂環族化合物などであってもよいが、好ましくは芳香族化合物(特にビスフェノール化合物)である。
ビスフェノール化合物としては、前記PBT系樹脂の項で例示のビスフェノール類[例えば、ビス(ヒドロキシアリール)C1−6アルカン;ビス(ヒドロキシアリール)C4−10シクロアルカン;4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド;4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトンなど]が挙げられる。好ましいポリカーボネート系樹脂には、ビスフェノールA型ポリカーボネートが含まれる。
なお、PC系樹脂は、ポリブチレンテレフタレート系樹脂(特にPBT系樹脂)と相溶しやすく、レーザー透過性を改善する効果が高い。また、PC系樹脂を用いると、成形体の反りを効率よく改善できる。
樹脂(D)(又はPC系樹脂)の使用量は、例えば、ポリブチレンテレフタレート系樹脂(A)100重量部に対して、0〜60重量部(例えば、0.5〜50重量部)程度の範囲から選択でき、通常、1〜40重量部(例えば、2〜30重量部)、好ましくは25重量部以下(例えば、3〜20重量部)、さらに好ましくは15重量部以下(例えば、4〜15重量部)程度であってもよい。また、樹脂組成物全体に対する樹脂(D)の割合は、例えば、0〜20重量%(例えば、1〜15重量%)、好ましくは2〜10重量%、さらに好ましくは3〜8重量%程度であってもよい。樹脂(D)の使用量が多すぎると、耐熱性、耐薬品性などのポリブチレンテレフタレート系樹脂そのものの特性が低下しやすい。
樹脂組成物には、種々の添加剤(安定剤、成形性改善材など)を添加してもよい。添加剤としては、例えば、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤など)、核剤(結晶化核剤)、難燃剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、染顔料などの着色剤、分散剤などが挙げられる。必要であれば、他の樹脂(熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂など)と組合せて用いてもよい。また、樹脂組成物には、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ノボラック型エポキシ化合物などのエポキシ化合物を添加してもよい。エポキシ化合物を添加すると、耐加水分解性、耐ヒートショック性などをより一層改善できる。なお、レーザー溶着性を損なわない範囲であればレーザー光に対する反射成分(例えば、波長800〜1200nm領域の入射光を殆ど反射する成分)を添加してもよいが、通常、このような反射成分を添加しない場合が多い。
結晶化核剤としては、ロジンなどの有機核剤の他に、無機核剤(例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛などの金属酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウムなどの金属炭酸塩;ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、タルクなどの板状無機物又は珪酸塩;炭化ケイ素などの金属炭化物;窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化タンタルなどの金属窒化物など)を使用する場合が多い。これらの結晶化核剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。結晶化核剤は、粉粒状又は板状であってもよい。
結晶化核剤の割合は、ポリブチレンテレフタレート系樹脂(A)100重量部に対して、0.001〜5重量部(例えば、0.01〜5重量部)、好ましくは0.01〜3重量部(例えば、0.01〜2重量部)、さらに好ましくは0.01〜1重量部(例えば、0.01〜0.5重量部)程度であってもよい。コアシェル型ポリマー(B)100重量部に対する核剤の割合は、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部(例えば、0.05〜2.5重量部)、さらに好ましくは0.1〜1重量部(例えば、0.1〜0.5重量部)程度であってもよい。
本発明のPBT系樹脂組成物は、粉粒体混合物や溶融混合物(ペレットなど)であってもよい。本発明の樹脂組成物は、成形性が高く、機械的強度や耐熱性の高い成形体又は成形品を製造できる。特に、本発明の樹脂組成物で形成した成形品は、PBT系樹脂組成物で形成されているにも拘わらず、光線透過性(特に、レーザー光に対する光線透過性)が高く、レーザー溶着に適している。例えば、射出成形により形成された厚み1.5mmの成形品において、800〜1000nmの波長の光線透過率は18%以上(例えば、19〜70%程度)、好ましくは20%以上(例えば、21〜60%)、さらに好ましくは22%以上(例えば、23〜50%)程度である。しかも、本発明の樹脂組成物は、レーザー光による溶着性が高いので、レーザー光を利用して溶着するための成形体を製造するのに有用である。さらに、PBT系樹脂と特定のエラストマーとを組み合わせて構成するので、PBT系樹脂本来の特性(耐熱性、耐溶剤性など)を保持しつつ、レーザー溶着性、さらには耐ヒートショック性を向上できる。
[成形体]
本発明の成形体は、前記樹脂組成物から形成されており、優れたレーザー光透過性を示す。このような成形体は、ポリブチレンテレフタレート系樹脂(A)と、前記コアシェル型ポリマー(B)と、必要により補強材(C)及び/又は樹脂(D)などとで構成された樹脂組成物を慣用の方法、例えば、(1)各成分を混合して、一軸又は二軸の押出機により混練し押出してペレットを調製した後、成形する方法、(2)一旦、組成の異なるペレット(マスターバッチ)を調製し、そのペレットを所定量混合(希釈)して成形に供し、所定の組成の成形品を得る方法、(3)成形機に各成分の1又は2以上を直接仕込む方法などで製造できる。なお、ペレットは、例えば、脆性成分(ガラス系補強材など)を除く成分を溶融混合した後に、脆性成分(ガラス系補強材など)を混合することにより調製してもよい。
成形体は、前記ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物を溶融混練し、押出成形、射出成形、圧縮成形、ブロー成形、真空成形、回転成形、ガスインジェクションモールディングなどの慣用の方法で成形してもよいが、通常、射出成形により成形される。特に、本発明の樹脂組成物は耐ヒートショック性が高いため、インサート成形に適している。そのため、成形体は、特に、インサート成形品(インサート成形により形成された成形品)であってもよい。
成形品の形状は、特に制限されないが、成形品をレーザー溶着により相手材(他の樹脂成形品)と接合して用いるため、通常、少なくとも接触面(平面など)を有する形状(例えば、板状)である。また、本発明の成形体はレーザー光に対する透過性が高いので、レーザー光が透過する部位の成形品の厚み(レーザー光が透過する方向の厚み)は、広い範囲から選択でき、例えば、0.1〜5mm、好ましくは0.1〜3mm(例えば、0.5〜3mm)程度であってもよい。
レーザー光源としては、特に制限されず、例えば、色素レーザー、気体レーザー(エキシマレーザー、アルゴンレーザー、クリプトンレーザー、ヘリウム−ネオンレーザーなど)、固体レーザー(YAGレーザーなど)、半導体レーザーなどが利用できる。レーザー光としては、通常、パルスレーザーが利用される。
本発明はレーザー溶着した複合成形品も開示する。この複合成形品は、前記ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物で形成された成形品(第1の成形品、レーザー透過性樹脂成形品)と、相手材の樹脂成形品(第2の成形品、被着体、すなわち、レーザー光を吸収可能なレーザー吸収性樹脂で形成された成形品)とがレーザー溶着により接合され、一体化されている。例えば、第1の成形品と第2の成形品とを接触(特に少なくとも接合部を面接触)させ、レーザー光を照射することにより、第1の成形品と第2の成形品との界面を少なくとも部分的に溶融させて接合面を密着させ、冷却することにより二種の成形品を接合、一体化して1つの成形体とすることができる。このような複合成形体において、本発明の成形体を用いると、融着により高い接合強度が得られ、レーザー光の照射により融着していない非融着部材と同等の高い融着強度を保持できる。
前記相手材の樹脂成形品を構成する樹脂(レーザー吸収性樹脂)としては、特に制限されず、種々の熱可塑性樹脂、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、これらの混合物[又はアロイ、例えば、スチレン系樹脂(ABS樹脂、AS樹脂などのゴム含有スチレン系樹脂)とポリエステル樹脂とのアロイなど]などが挙げられる。これらの樹脂のうち、前記ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物を構成する樹脂と同種類又は同系統の樹脂(PBT系樹脂、PET系樹脂などのポリエステル系樹脂(芳香族ポリエステル系樹脂)、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂など)又はその組成物で相手材を構成してもよい。例えば、第1の成形体と第2の成形体とを、それぞれ、本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物で形成してもよい。
被着体は、レーザー光に対する吸収剤又は着色剤を含んでいてもよい。前記着色剤は、レーザー光の波長に応じて選択でき、無機顔料[カーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、ランプブラック、サーマルブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラックなど)などの黒色顔料、酸化鉄赤などの赤色顔料、モリブデートオレンジなどの橙色顔料、酸化チタンなどの白色顔料など]、有機顔料(黄色顔料、橙色顔料、赤色顔料、青色顔料、緑色顔料など)などが挙げられる。なお、レーザー吸収剤は、「クリアーウエルド」(GENTEX社、近赤外吸収材料)などとして市販品を使用することもできる。これらの吸収剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
レーザー光の照射は、通常、第1の成形体から第2の成形体の方向に向けて行われ、吸収剤又は着色剤を含む第2の成形体の界面で発熱させることにより、第1の成形体と第2の成形体とを融着させる。なお、必要によりレンズ系を利用して、第1の成形品と第2の成形品との界面にレーザー光を集光させ接触界面を融着してもよい。
本発明で得られた複合成形品は、ポリブチレンテレフタレート系樹脂(特に、PBT系樹脂)の特性を保持しつつ、高い溶着強度および耐ヒートショック性を有し、レーザー光照射によるポリブチレンテレフタレート系樹脂の損傷も少ないため、種々の用途、例えば、電気・電子部品、オフィスオートメート(OA)機器部品、家電機器部品、機械機構部品、自動車機構部品などに適用できる。特に、自動車電装部品(各種コントロールユニット、イグニッションコイル部品など)、モーター部品、各種センサー部品、コネクター部品、スイッチ部品、リレー部品、コイル部品、トランス部品、ランプ部品などに好適に用いることができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1〜5及び比較例1〜3
実施例及び比較例では、以下のPBT系樹脂(A)、エラストマー(B)、充填剤(C)、樹脂(D)及び添加剤を用いた。
PBT系樹脂(A)
(A−1)PBT樹脂:ポリブチレンテレフタレート(ウィンテックポリマー(株)製、DX2000)
(A−2)変性PBT樹脂:ジメチルイソフタル酸(DMI)変性PBT樹脂
テレフタル酸と1,4−ブタンジオールとの反応において、テレフタル酸の一部(12.5モル%)に代えて、共重合成分としてのジメチルイソフタル酸(DMI)12.5モル%を用い、変性ポリブチレンテレフタレートを調製した。
コアシェル型エラストマー(B)
(B−1)アクリル系コアシェル型ポリマー(ロームアンドハースジャパン(株)製、パラロイドEXL5136)
(B−2)アクリル系コアシェル型ポリマー(ロームアンドハースジャパン(株)製、パラロイドEXL2311)
(B−3)アクリル系コアシェル型エラストマー(アルケマ(株)製、Durastrength D400R)。
無機充填材(C)
(C−1)ガラス繊維(日東紡績(株)製「CS3J−948S」平均繊維径φ11μmチョップドストランド、平均繊維長400μm)
熱可塑性樹脂(D)
(D−1)PC:ポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)製,「パンライトL−1225」)
表1に示す割合で、2軸押出機(日本製鋼所(株)製,30mmφ)により250℃にて混練し、ペレットを作製した。得られたペレットを用いて射出成形機((株)東芝製)により、シリンダー温度260℃及び金型温度80℃の条件で、縦8cm×横8cm×厚み1.5mmのシート状成形体を成形し、このシート状成形体を10mmの短冊状に切り出し、試験片A(すなわち、縦8cm×横1cm×厚み1.5mm)を作成した。
また、PBT樹脂(ウィンテックポリマー(株)製、ジュラネックス3300(ED3002))を用いて、前記試験片Aに対する被溶着試験片B(レーザーを吸収材料)として同様の形状の試験片B(すなわち、縦8cm×横1cm×厚み1.5mm)を作成した。なお、試験片Bはレーザー光による発熱体(レーザー吸収材料)として作用する。
図1に示すように、試験片B(4)に対して試験片A(3)の一部を重ねて接触させ、レーザー溶着機(ライスター社製)を用いて、光源又はレーザー発振器(1)からのレーザー光(2)の焦点を調整し、試験片Aと試験片Bとの接触面に照射幅又は線幅w(2mm)で集光させた。そして、波長940nmのレーザー光(2)を試験片A(3)側から、出力10〜50W及び走査速度30mm/秒の条件で照射して溶着を行った。なお、表1に示す溶着強度は、出力10〜50Wで溶着したとき、最も大きい値で測定された溶着強度を示す。
(1)溶着強度の測定
引張試験機(オリエンテック製,RTC−1325PL)を用いて、レーザー溶着した試験片Aと試験片Bとを10mm/分で引張り、溶着強度を測定した。
(2)光線透過率
分光光度計(日本分光(株)製,V570)を用いて、波長940nmでの試験片Aの光線透過率を測定した。
(3)コアシェル型エラストマーの平均分散径
前記試験片Aの中央部を切削し、この切削部を115℃のキシレン中に2.5時間浸漬してエッチング処理した。そして、切削部厚み方向の中央部分を電子顕微鏡で3箇所破面観察し、各観察点についてコアシェル型エラストマーが脱離して形成された孔の径を粒子径(分散径)とし、任意の10個について分散径の測定を行い、これらの分散径から平均分散径を測定した。
(4)高低温衝撃特性(冷熱サイクル性)
ペレットを用い、樹脂温度270℃、金型温度65℃、射出時間25秒、冷却時間10秒で、試験片成形用金型(縦22mm×横22mm×高さ51mmの角柱内部に、縦18mm×横18mm×高さ30mmの鉄芯をインサートする金型)に、一部の樹脂成形部の最小肉厚が1mmとなるようにインサート射出成形し、インサート成形品を製造した。得られたインサート成形品について、冷熱衝撃試験機を用いて140℃にて1時間30分加熱後、−40℃に降温して1時間30分冷却後、さらに140℃に昇温する過程を1サイクルとする高低温衝撃試験を行い、成形品にクラックが入るまでのサイクル数を測定し、高低温衝撃性を評価した。
実施例及び比較例の結果を表1に示す。
Figure 2008032636

Claims (11)

  1. ポリブチレンテレフタレート系樹脂(A)と、コアシェル型ポリマー(B)とで構成されているレーザー溶着用ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物。
  2. ポリブチレンテレフタレート系樹脂(A)が、ホモポリエステル、45モル%以下の共重合性モノマーで変性されたコポリエステル、又はこれらの混合物である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. コアシェル型ポリマー(B)のコア層が、アクリル系ゴムで構成されている請求項1または2記載の樹脂組成物。
  4. コアシェル型ポリマー(B)の平均粒子径が2μm以上である請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. コアシェル型ポリマー(B)の割合が、樹脂(A)100重量部に対して、1〜50重量部である請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  6. コアシェル型ポリマー(B)の平均粒子径が3〜10μmであり、コアシェル型ポリマー(B)の割合が樹脂(A)100重量部に対して5〜30重量部である請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  7. さらに、補強剤(C)を含む請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  8. 補強剤(C)の割合が、樹脂(A)100重量部に対して10〜120重量部である請求項7記載の樹脂組成物。
  9. さらに、ポリカーボネート系樹脂を含む請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  10. ポリカーボネート系樹脂の割合が、樹脂(A)100重量部に対して、3〜20重量部である請求項9記載の樹脂組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の樹脂組成物で形成されたレーザー透過性樹脂成形品と、レーザー光を吸収可能なレーザー吸収性樹脂で形成された成形品とがレーザー溶着により接合されている複合成形品。
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