JPH0718166A - 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents
熱可塑性ポリエステル樹脂組成物Info
- Publication number
- JPH0718166A JPH0718166A JP16436793A JP16436793A JPH0718166A JP H0718166 A JPH0718166 A JP H0718166A JP 16436793 A JP16436793 A JP 16436793A JP 16436793 A JP16436793 A JP 16436793A JP H0718166 A JPH0718166 A JP H0718166A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thermoplastic polyester
- component
- weight
- parts
- resin composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 下記の成分(A)、(B)、(C)及び
(D)並びに配合比からなる熱可塑性ポリエステル樹脂
組成物。 (A)熱可塑性ポリエステル 100重量部 (B)ガラス繊維 5〜100重量部 (C)ガラスビーズ 5〜100重量部 (D)アクリル系ゴム 5〜50重量部 【効果】 熱可塑性ポリエステルの優れた機械的特性を
保持するとともに、耐ヒートショック性が著しく改良さ
れた組成物である。
(D)並びに配合比からなる熱可塑性ポリエステル樹脂
組成物。 (A)熱可塑性ポリエステル 100重量部 (B)ガラス繊維 5〜100重量部 (C)ガラスビーズ 5〜100重量部 (D)アクリル系ゴム 5〜50重量部 【効果】 熱可塑性ポリエステルの優れた機械的特性を
保持するとともに、耐ヒートショック性が著しく改良さ
れた組成物である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐ヒートショック性が
優れ、かつ物理的性質及び機械的性質が良好な熱可塑性
ポリエステル樹脂組成物に関する。
優れ、かつ物理的性質及び機械的性質が良好な熱可塑性
ポリエステル樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート及びポリブ
チレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステルは、機
械的性質、物理的性質が優れている特性を生かして、自
動車部品、電気及び電子機器部品などの種々の用途に広
く利用されている。しかしながら熱可塑性ポリエステル
は、高温と低温との両雰囲気に交互にさらされる場合に
おける物理的特性の保持、すなわち耐ヒートショック性
が劣るという欠点を有する。しかしながら、特に金属を
インサートしたり金属を封止したりする用途、例えば電
装用又は家電用の小型モータのステータコア封止等では
耐ヒートショック性が要求される。従来この要求に対し
てはポリエステルに無機充填剤、例えばガラス繊維、マ
イカ、タルク等を添加したり、ゴム成分を添加したりし
て解決を試みているが決定的な解決方法ではなく、前述
の用途分野への適用が困難であった。ゴム成分はその金
属との熱膨張差に追随可能であるが、ポリエステルの持
つ優れた特性を維持することができない。また、剛性を
維持する目的で無機成分を添加すると耐ヒートショック
性が阻害されてクラック等を生じる。したがっていまだ
本要求を満足し得るものは得られていなかった。
チレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステルは、機
械的性質、物理的性質が優れている特性を生かして、自
動車部品、電気及び電子機器部品などの種々の用途に広
く利用されている。しかしながら熱可塑性ポリエステル
は、高温と低温との両雰囲気に交互にさらされる場合に
おける物理的特性の保持、すなわち耐ヒートショック性
が劣るという欠点を有する。しかしながら、特に金属を
インサートしたり金属を封止したりする用途、例えば電
装用又は家電用の小型モータのステータコア封止等では
耐ヒートショック性が要求される。従来この要求に対し
てはポリエステルに無機充填剤、例えばガラス繊維、マ
イカ、タルク等を添加したり、ゴム成分を添加したりし
て解決を試みているが決定的な解決方法ではなく、前述
の用途分野への適用が困難であった。ゴム成分はその金
属との熱膨張差に追随可能であるが、ポリエステルの持
つ優れた特性を維持することができない。また、剛性を
維持する目的で無機成分を添加すると耐ヒートショック
性が阻害されてクラック等を生じる。したがっていまだ
本要求を満足し得るものは得られていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、熱可塑性ポ
リエステルの持つ優れた機械的性質を維持し、かつ優れ
た耐ヒートショック性を有する樹脂組成物を提供するこ
とを目的とする。
リエステルの持つ優れた機械的性質を維持し、かつ優れ
た耐ヒートショック性を有する樹脂組成物を提供するこ
とを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点の改善について鋭意検討した結果、熱可塑性ポリエス
テルに対し、ガラス繊維、特定のガラスビーズ及び特定
のアクリル系ゴムの3成分を特定量含有させることによ
って目的とする耐ヒートショック性が優れ、かつ物理的
性質及び機械的性質が良好な樹脂組成物が得られること
を見出し、本発明を完成した。
点の改善について鋭意検討した結果、熱可塑性ポリエス
テルに対し、ガラス繊維、特定のガラスビーズ及び特定
のアクリル系ゴムの3成分を特定量含有させることによ
って目的とする耐ヒートショック性が優れ、かつ物理的
性質及び機械的性質が良好な樹脂組成物が得られること
を見出し、本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、下記の成分(A)、
(B)、(C)及び(D)並びに配合比からなる熱可塑
性ポリエステル樹脂組成物である。 (A)熱可塑性ポリエステル 100重量部 (B)ガラス繊維 5〜100重量部 (C)ガラスビーズ 5〜100重量部 (D)アクリル系ゴム 5〜50重量部 以下に、本発明を詳細に説明する。
(B)、(C)及び(D)並びに配合比からなる熱可塑
性ポリエステル樹脂組成物である。 (A)熱可塑性ポリエステル 100重量部 (B)ガラス繊維 5〜100重量部 (C)ガラスビーズ 5〜100重量部 (D)アクリル系ゴム 5〜50重量部 以下に、本発明を詳細に説明する。
【0006】〈構成成分〉 成分(A):本発明に使用する成分(A)の熱可塑性ポ
リエステルとしては、一般にはポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート又はポリシクロヘキ
サンジメチレンテレフタレートなどが挙げられるが、ア
ゼライン酸、セバシン酸、アジピン酸、ドデカンジカル
ボン酸などの脂肪族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソ
フタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、
ジフェニルエタン−4,4´−ジカルボン酸などの芳香
族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂
環式ジカルボン酸などのジカルボン酸成分と、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、ネオペンチレングリコール、1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレング
リコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサ
ンジオールなどの脂肪族グリコールあるいはポリエチレ
ングリコール、ポリ(1,3−プロピレングリコー
ル)、ポリテトラメチレングリコールなどの長鎖グリコ
ールなどのジオール成分との共重合物である。
リエステルとしては、一般にはポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート又はポリシクロヘキ
サンジメチレンテレフタレートなどが挙げられるが、ア
ゼライン酸、セバシン酸、アジピン酸、ドデカンジカル
ボン酸などの脂肪族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソ
フタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、
ジフェニルエタン−4,4´−ジカルボン酸などの芳香
族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂
環式ジカルボン酸などのジカルボン酸成分と、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、ネオペンチレングリコール、1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレング
リコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサ
ンジオールなどの脂肪族グリコールあるいはポリエチレ
ングリコール、ポリ(1,3−プロピレングリコー
ル)、ポリテトラメチレングリコールなどの長鎖グリコ
ールなどのジオール成分との共重合物である。
【0007】成分(B):本発明に使用する成分(B)
のガラス繊維は、一般に樹脂強化用に使用されるものな
らば特に限定されない。例えば、長繊維タイプ(ロービ
ング)や短繊維タイプ(チョップドストランド)などか
ら選択して用いることができ繊維径は9〜13μm が一
般的である。また、ガラス繊維は集束剤(例えば、ポリ
酢酸ビニル、ポリエステル等)、カップリング剤(例え
ば、シラン化合物、ボロン化合物等)、その他の表面処
理剤等で処理されていてもよい。
のガラス繊維は、一般に樹脂強化用に使用されるものな
らば特に限定されない。例えば、長繊維タイプ(ロービ
ング)や短繊維タイプ(チョップドストランド)などか
ら選択して用いることができ繊維径は9〜13μm が一
般的である。また、ガラス繊維は集束剤(例えば、ポリ
酢酸ビニル、ポリエステル等)、カップリング剤(例え
ば、シラン化合物、ボロン化合物等)、その他の表面処
理剤等で処理されていてもよい。
【0008】成分(C):本発明に使用する成分(C)
のガラスビーズは、無機の球形材料で、粒径は5〜30
0μm が好ましく、より好ましくは10〜150μm で
ある。また、球形材料は内部が充実状態でも、中空状態
でもよい。中空状態のものについては混合、混練時に破
壊しないものが好ましい。また、カップリング剤(例え
ば、シラン化合物、ボラン化合物等)、その他の表面処
理剤等で処理されていてもよい。
のガラスビーズは、無機の球形材料で、粒径は5〜30
0μm が好ましく、より好ましくは10〜150μm で
ある。また、球形材料は内部が充実状態でも、中空状態
でもよい。中空状態のものについては混合、混練時に破
壊しないものが好ましい。また、カップリング剤(例え
ば、シラン化合物、ボラン化合物等)、その他の表面処
理剤等で処理されていてもよい。
【0009】成分(D):本発明に使用する成分(D)
のアクリル系ゴムは、炭素数1〜5の飽和又は不飽和
の直鎖若しくは分岐鎖脂肪族炭化水素を有するアクリル
酸エステルと炭素数1〜5の飽和又は不飽和の直鎖若
しくは分岐鎖脂肪族炭化水素基を有するメタクリル酸エ
ステルとの共重体である。
のアクリル系ゴムは、炭素数1〜5の飽和又は不飽和
の直鎖若しくは分岐鎖脂肪族炭化水素を有するアクリル
酸エステルと炭素数1〜5の飽和又は不飽和の直鎖若
しくは分岐鎖脂肪族炭化水素基を有するメタクリル酸エ
ステルとの共重体である。
【0010】ここに、炭素数1〜5の飽和又は不飽和
の直鎖若しくは分岐鎖脂肪族炭化水素基を有するアクリ
ル酸エステルとしては、好ましくはアクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、ジアクリル
酸−1,4−ブチレン、ジアクリル酸−1,3−ブチレ
ンが例示される。また炭素数1〜5の飽和又は不飽和
の直鎖若しくは分岐鎖脂肪族炭化水素基を有するメタク
リル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、ジメタクリル
酸−1,3−ブチレン、メタクリル酸−n−ブチルが例
示される。
の直鎖若しくは分岐鎖脂肪族炭化水素基を有するアクリ
ル酸エステルとしては、好ましくはアクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、ジアクリル
酸−1,4−ブチレン、ジアクリル酸−1,3−ブチレ
ンが例示される。また炭素数1〜5の飽和又は不飽和
の直鎖若しくは分岐鎖脂肪族炭化水素基を有するメタク
リル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、ジメタクリル
酸−1,3−ブチレン、メタクリル酸−n−ブチルが例
示される。
【0011】本発明においては、アクリル酸エステル部
分は約50〜80重量%の範囲が好ましく、例えば、ア
クリル酸−n−ブチル対メタクリル酸メチルの重量比
3:2のものなどである。
分は約50〜80重量%の範囲が好ましく、例えば、ア
クリル酸−n−ブチル対メタクリル酸メチルの重量比
3:2のものなどである。
【0012】〈構成成分の配合比〉ガラス繊維(B)の
配合量は、熱可塑性ポリエステル(A)100重量部に
対して5〜100重量部、好ましくは10〜80重量部
である。5重量部未満ではガラス繊維による強化効果が
不十分であり、また100重量部超過では組成物の流動
性が著しく悪くなる。
配合量は、熱可塑性ポリエステル(A)100重量部に
対して5〜100重量部、好ましくは10〜80重量部
である。5重量部未満ではガラス繊維による強化効果が
不十分であり、また100重量部超過では組成物の流動
性が著しく悪くなる。
【0013】ガラスビーズ(C)の配合量は、熱可塑性
ポリエステル(A)100重量部に対して5〜100重
量部、好ましくは10〜80重量部である。5重量部未
満ではガラスビーズによる耐ヒートショックの強化効果
が不十分であり、ヒートサイクルによりクラックが発生
する。また100重量部超過では組成物の流動性が悪く
なる。
ポリエステル(A)100重量部に対して5〜100重
量部、好ましくは10〜80重量部である。5重量部未
満ではガラスビーズによる耐ヒートショックの強化効果
が不十分であり、ヒートサイクルによりクラックが発生
する。また100重量部超過では組成物の流動性が悪く
なる。
【0014】アクリル系ゴム(D)の配合量は、熱可塑
性ポリエステル(A)100重量部に対して5〜50重
量部、好ましくは10〜30重量部である。5重量部未
満では耐ヒートショックの効果が少なく、ヒートサイク
ルによりクラックを発生し本目的には使用できない。ま
た50重量部超過では製品の剛性、耐熱性の低下が著し
く熱可塑性ポリエステルの優れた性質が損なわれる。
性ポリエステル(A)100重量部に対して5〜50重
量部、好ましくは10〜30重量部である。5重量部未
満では耐ヒートショックの効果が少なく、ヒートサイク
ルによりクラックを発生し本目的には使用できない。ま
た50重量部超過では製品の剛性、耐熱性の低下が著し
く熱可塑性ポリエステルの優れた性質が損なわれる。
【0015】〈樹脂組成物の製造〉本発明の樹脂組成物
の製造は、通常の混合機、混練機で実施される。すなわ
ち、各成分をV型ブレンダー、リボンミキサー又はタン
ブラー等に投入し均一に混合した後、一軸又は二軸等の
通常の押出機で溶融混練し、冷却後ペレット状に切断す
る。このとき、ガラス繊維や他の成分の一部を押出機の
シリンダー途中から添加してもよい。また、成分の一部
をあらかじめ混合、混練後、更に残りの成分を添加して
もよい。
の製造は、通常の混合機、混練機で実施される。すなわ
ち、各成分をV型ブレンダー、リボンミキサー又はタン
ブラー等に投入し均一に混合した後、一軸又は二軸等の
通常の押出機で溶融混練し、冷却後ペレット状に切断す
る。このとき、ガラス繊維や他の成分の一部を押出機の
シリンダー途中から添加してもよい。また、成分の一部
をあらかじめ混合、混練後、更に残りの成分を添加して
もよい。
【0016】本発明の組成物には、本発明の目的を損な
わない範囲で、難燃剤(例えば、臭素化ビスフェノー
ル、臭素化エポキシ樹脂、臭素化ポリスチレン、臭素化
ポリカーボネート、トリフェニレンホスフェート、ホス
ホン酸アミド、赤リン等)、難燃助剤(例えば、三酸化
アンチモン、アンチモン酸ナトリウム等)無機充填剤
(例えば、炭酸カルシウム、シリカ、タルク、マイカ、
チタン酸カリ等)、核剤(例えば、ステアリン酸ナトリ
ウム、エチレン−アクリル酸ナトリウム共重合体等)、
安定剤(例えば、リン酸エステル、亜リン酸エステル
等)、酸化防止剤(例えば、ヒンダードフェノール系化
合物)、光安定剤、着色剤、離型剤、発砲剤、耐電防止
剤等を配合してもよい。また小量の熱可塑性樹脂を添加
することもできる。かくして得られた組成物は、適宜公
知の成形方法たとえば射出成形、押出成形などで容易に
成形することができ、得られる成形品は熱可塑性ポリエ
ステル本来の優れた性能を保持したまま製品に応じて必
要とされた耐ヒートショック性を保有するものである。
なお、一般に本発明の組成物の好ましい弾性率は、50
000kg/cm2以上である。
わない範囲で、難燃剤(例えば、臭素化ビスフェノー
ル、臭素化エポキシ樹脂、臭素化ポリスチレン、臭素化
ポリカーボネート、トリフェニレンホスフェート、ホス
ホン酸アミド、赤リン等)、難燃助剤(例えば、三酸化
アンチモン、アンチモン酸ナトリウム等)無機充填剤
(例えば、炭酸カルシウム、シリカ、タルク、マイカ、
チタン酸カリ等)、核剤(例えば、ステアリン酸ナトリ
ウム、エチレン−アクリル酸ナトリウム共重合体等)、
安定剤(例えば、リン酸エステル、亜リン酸エステル
等)、酸化防止剤(例えば、ヒンダードフェノール系化
合物)、光安定剤、着色剤、離型剤、発砲剤、耐電防止
剤等を配合してもよい。また小量の熱可塑性樹脂を添加
することもできる。かくして得られた組成物は、適宜公
知の成形方法たとえば射出成形、押出成形などで容易に
成形することができ、得られる成形品は熱可塑性ポリエ
ステル本来の優れた性能を保持したまま製品に応じて必
要とされた耐ヒートショック性を保有するものである。
なお、一般に本発明の組成物の好ましい弾性率は、50
000kg/cm2以上である。
【0017】
【実施例】以下実施例によって、本発明をさらに具体的
に説明する。
に説明する。
【0018】実施例1〜9及び比較例1〜4 成分(A)として固有粘度0.7dl/g(フェノールとテ
トラクロルエタン1:1の混合液中、23℃で測定)の
ポエチレンテレフタレート(商品名:ベルペットPBK
−1、鐘紡社製)及びポリブチレンテレフタレート(商
品名:ノバドール5010、三菱化成社製)を、成分
(B)としてガラス繊維(商品名:T198H、繊維径
11μm 、繊維長さ3mmのチョップドストランド、日本
電気硝子社製)を、成分(C)としてガラスビーズ(商
品名:EGB731B(3)、粒径18μm 、東芝バロ
ティーニ社製)を、成分(D)としてアクリル系ゴム
(商品名:パラロイドEXL2311、呉羽化学社製)
を表1に示した配合組成で添加し、タンブラーを用いて
均一に混合した。この混合物を30mm径のベント付二軸
押出機でシリンダー温度270℃にて溶融混練しダイス
から吐出されるストランドを冷却切断して成形用ペレッ
トを得た。次いでこのペレットを130℃で5時間、熱
風乾燥したあと6オンス(170g)の射出成形機(日
本製鋼所社製 J100SSII)でヒートショック測
定用ナットインサート成形品と、曲げ弾性率評価用試験
片をシリンダー温度270℃、金型温度90℃、冷却時
間20秒及び全サイクル40秒で成形した。その結果を
表1に示す。
トラクロルエタン1:1の混合液中、23℃で測定)の
ポエチレンテレフタレート(商品名:ベルペットPBK
−1、鐘紡社製)及びポリブチレンテレフタレート(商
品名:ノバドール5010、三菱化成社製)を、成分
(B)としてガラス繊維(商品名:T198H、繊維径
11μm 、繊維長さ3mmのチョップドストランド、日本
電気硝子社製)を、成分(C)としてガラスビーズ(商
品名:EGB731B(3)、粒径18μm 、東芝バロ
ティーニ社製)を、成分(D)としてアクリル系ゴム
(商品名:パラロイドEXL2311、呉羽化学社製)
を表1に示した配合組成で添加し、タンブラーを用いて
均一に混合した。この混合物を30mm径のベント付二軸
押出機でシリンダー温度270℃にて溶融混練しダイス
から吐出されるストランドを冷却切断して成形用ペレッ
トを得た。次いでこのペレットを130℃で5時間、熱
風乾燥したあと6オンス(170g)の射出成形機(日
本製鋼所社製 J100SSII)でヒートショック測
定用ナットインサート成形品と、曲げ弾性率評価用試験
片をシリンダー温度270℃、金型温度90℃、冷却時
間20秒及び全サイクル40秒で成形した。その結果を
表1に示す。
【0019】なお、得られた組成物の特性は下記の方法
によって測定した。 (1)ヒートショック性 JIS B 1181の1種M52仕様の六角ナットを樹脂厚み2
mmの均一肉厚でインサート成形した成形品を、−40℃
の雰囲気で1時間処理し、次いで120℃の雰囲気で1
時間処理をするヒートショック試験を繰返し行い、クラ
ックが発生するまでのサイクルを測定した。クラックの
発生は目視により判断した。なお、耐ヒートショックで
実用上問題のないのはクラックが入るまでのサイクルが
200以上のものである。
によって測定した。 (1)ヒートショック性 JIS B 1181の1種M52仕様の六角ナットを樹脂厚み2
mmの均一肉厚でインサート成形した成形品を、−40℃
の雰囲気で1時間処理し、次いで120℃の雰囲気で1
時間処理をするヒートショック試験を繰返し行い、クラ
ックが発生するまでのサイクルを測定した。クラックの
発生は目視により判断した。なお、耐ヒートショックで
実用上問題のないのはクラックが入るまでのサイクルが
200以上のものである。
【0020】(2)曲げ弾性率 JIS K 7203に準じた方法で測定した。
【0021】
【表1】
【0022】表1の比較例1〜3から明らかなように、
実施例8から成分(D)を欠いた比較例1、成分(D)
と成分(C)を欠いた比較例2、及び成分(D)と成分
(B)を欠いた比較例3の場合においてはクラック発生
までのヒートショックサイクルの低下が著しく、比較例
3の場合は曲げ弾性率の増強も小さい。また、実施例8
から成分(B)と成分(C)を欠いた比較例4の場合に
おいては、ヒートショックサイクルは同等であるが、曲
げ弾性率の低下が著しい。一方本発明による成分
(B)、成分(C)及び成分(D)を組合せて配合する
ことによりヒートショックサイクルが改良され、かつ、
曲げ弾性率も高いものが得られることがわかる。
実施例8から成分(D)を欠いた比較例1、成分(D)
と成分(C)を欠いた比較例2、及び成分(D)と成分
(B)を欠いた比較例3の場合においてはクラック発生
までのヒートショックサイクルの低下が著しく、比較例
3の場合は曲げ弾性率の増強も小さい。また、実施例8
から成分(B)と成分(C)を欠いた比較例4の場合に
おいては、ヒートショックサイクルは同等であるが、曲
げ弾性率の低下が著しい。一方本発明による成分
(B)、成分(C)及び成分(D)を組合せて配合する
ことによりヒートショックサイクルが改良され、かつ、
曲げ弾性率も高いものが得られることがわかる。
【0023】比較例5 実施例8において成分(D)として熱可塑性ポリエステ
ルの耐衝撃改良剤として用いられる、エチレン−酢酸ビ
ニル−グリシジルメタクリレート共重合体(商品名:ボ
ンドファースト2B、住友化学社製、表中「BF2B」
と記す)を用いた以外は、実施例8と同様に実施した。
結果は表1に示したとおりヒートショックサイクルの低
下が著しい。
ルの耐衝撃改良剤として用いられる、エチレン−酢酸ビ
ニル−グリシジルメタクリレート共重合体(商品名:ボ
ンドファースト2B、住友化学社製、表中「BF2B」
と記す)を用いた以外は、実施例8と同様に実施した。
結果は表1に示したとおりヒートショックサイクルの低
下が著しい。
【0024】比較例6 実施例8において成分(D)としてエチレン−プロピレ
ン共重合体(商品名:EPO7P、日本合成ゴム社製、
表中「EPR」と記す)を用いた以外は、実施例8と同
様に実施した。結果は表1に示すとおりヒートショック
サイクルの低下が著しい。
ン共重合体(商品名:EPO7P、日本合成ゴム社製、
表中「EPR」と記す)を用いた以外は、実施例8と同
様に実施した。結果は表1に示すとおりヒートショック
サイクルの低下が著しい。
【0025】実施例10及び比較例7 実施例8において成分(A)としてポリブチレンテレフ
タレート(商品名:ノバドール5010、三菱化成社
製)を用いた以外は、実施例8と同様に実施し実施例1
0とした。また比較例7として成分(D)を欠いた場合
を実施した。結果は表1に示すとおり成分(A)として
ポリブチレンテレフタレートを用いても、ヒートショッ
クサイクルは同等であるが、成分(D)を欠いた場合に
おいては、ヒートショックサイクルの低下が著しい。
タレート(商品名:ノバドール5010、三菱化成社
製)を用いた以外は、実施例8と同様に実施し実施例1
0とした。また比較例7として成分(D)を欠いた場合
を実施した。結果は表1に示すとおり成分(A)として
ポリブチレンテレフタレートを用いても、ヒートショッ
クサイクルは同等であるが、成分(D)を欠いた場合に
おいては、ヒートショックサイクルの低下が著しい。
【0026】
【発明の効果】表1から明らかなように、熱可塑性ポリ
エステルにガラス繊維、ガラスビーズ、アクリル系ゴム
を配合してはじめて熱可塑性ポリエステルの優れた機械
的特性を維持し、耐ヒートショック性が優れた材料が得
られる。これは、ガラス繊維で樹脂部分を補強し、ガラ
スビーズはその形状が持つ特性から成形時に生じる残留
ひずみ及び温度変化時の金属と樹脂の熱膨張率の差異に
よって生じる、樹脂内部の応力集中を低減し、かつゴム
成分で延性を付与することにより膨張率の差異を吸収
し、耐ヒートショック性が改良されると考えられる。し
かしゴム成分はアクリル系ゴムの時に効果があり他の熱
可塑性エラストマーでは効果が見られないがその理由は
不明である。したがって熱可塑性ポリエステルに添加す
る3成分のうち1つでも欠けたり、不十分な添加量であ
る場合には、本発明の効果が得られない。本発明は熱可
塑性ポリエステルに金属をインサートしたり金属を封止
したりする用途、例えば電装用又は家電用の小型モータ
においては極めて有効であり、更に熱サイクルのかかる
使用用途への応用分野は広い。
エステルにガラス繊維、ガラスビーズ、アクリル系ゴム
を配合してはじめて熱可塑性ポリエステルの優れた機械
的特性を維持し、耐ヒートショック性が優れた材料が得
られる。これは、ガラス繊維で樹脂部分を補強し、ガラ
スビーズはその形状が持つ特性から成形時に生じる残留
ひずみ及び温度変化時の金属と樹脂の熱膨張率の差異に
よって生じる、樹脂内部の応力集中を低減し、かつゴム
成分で延性を付与することにより膨張率の差異を吸収
し、耐ヒートショック性が改良されると考えられる。し
かしゴム成分はアクリル系ゴムの時に効果があり他の熱
可塑性エラストマーでは効果が見られないがその理由は
不明である。したがって熱可塑性ポリエステルに添加す
る3成分のうち1つでも欠けたり、不十分な添加量であ
る場合には、本発明の効果が得られない。本発明は熱可
塑性ポリエステルに金属をインサートしたり金属を封止
したりする用途、例えば電装用又は家電用の小型モータ
においては極めて有効であり、更に熱サイクルのかかる
使用用途への応用分野は広い。
Claims (1)
- 【請求項1】 下記の成分(A)、(B)、(C)及び
(D)並びに配合比からなる熱可塑性ポリエステル樹脂
組成物。 (A)熱可塑性ポリエステル 100重量部 (B)ガラス繊維 5〜100重量部 (C)ガラスビーズ 5〜100重量部 (D)アクリル系ゴム 5〜50重量部
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16436793A JPH0718166A (ja) | 1993-07-02 | 1993-07-02 | 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16436793A JPH0718166A (ja) | 1993-07-02 | 1993-07-02 | 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0718166A true JPH0718166A (ja) | 1995-01-20 |
Family
ID=15791800
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16436793A Pending JPH0718166A (ja) | 1993-07-02 | 1993-07-02 | 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0718166A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8142900B2 (en) | 2006-09-13 | 2012-03-27 | Wintech Polymer Ltd. | Laser-weldable resin composition and molded product |
JP2013006906A (ja) * | 2011-06-22 | 2013-01-10 | Yazaki Corp | 成形品 |
-
1993
- 1993-07-02 JP JP16436793A patent/JPH0718166A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8142900B2 (en) | 2006-09-13 | 2012-03-27 | Wintech Polymer Ltd. | Laser-weldable resin composition and molded product |
JP2013006906A (ja) * | 2011-06-22 | 2013-01-10 | Yazaki Corp | 成形品 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2092012B1 (en) | Reinforced pct compositions | |
JP4024437B2 (ja) | インサート成形品 | |
WO2009150831A1 (ja) | ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物及び成形品 | |
WO2009081573A1 (ja) | ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物 | |
JPS59189170A (ja) | 成形用熱可塑性樹脂組成物 | |
JP4364339B2 (ja) | インサート成形品 | |
JPH0718166A (ja) | 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物 | |
JP3327652B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JP2743499B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物 | |
JP2006206921A (ja) | ポリエステル樹脂組成物よりなる自動車用部品 | |
JPH0313259B2 (ja) | ||
JP2575039B2 (ja) | ガラス繊維強化ポリエステル樹脂組成物 | |
JP2918283B2 (ja) | 強化樹脂組成物 | |
JPH0762209A (ja) | ポリエステル樹脂組成物 | |
JPS63142052A (ja) | 高い成形流動度および耐熱性を有するビニル芳香族重合体をベースとするブレンド | |
JPH08165409A (ja) | 金属部材をインサートしてなる成形品 | |
JPH11228828A (ja) | ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 | |
JP2786477B2 (ja) | ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物 | |
JPH09263685A (ja) | ポリエステル樹脂組成物 | |
JPS6318974B2 (ja) | ||
JPH0586274A (ja) | 導電性ポリエステル樹脂組成物 | |
JP3390539B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JPS6353222B2 (ja) | ||
JPS62151451A (ja) | ポリエステル組成物 | |
JPS59204655A (ja) | ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂組成物 |