JPWO2008018363A1 - イメージセンサ駆動装置 - Google Patents

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彰久 姫野
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Abstract

本発明は、2値出力ブロックと3値出力ブロックの両方の機能を備えた出力ブロックを複数設けて、様々な仕様のイメージセンサに対応することができるイメージセンサ駆動装置であり、2値出力ブロックと3値出力ブロックの両方の機能を備えた2値・3値兼用出力ブロックが複数設けられており、タイミングジェネレータからの駆動制御信号又は装置外部からの選択信号により2値動作又は3値動作が切り替えられるよう構成されている。

Description

本発明はイメージセンサを駆動するためのイメージセンサ駆動装置に関し、特にイメージセンサにおける垂直レジスタを駆動するイメージセンサ駆動装置に関する。
図12はCCDイメージセンサを有する一般的な撮像装置、例えばデジタルスチルカメラ等に用いられている撮像装置100の概略構成を示すブロック図である。図12に示すように、この撮像装置100には、レンズ、絞り機構及びシャッタ機構等の光学機器を有する光学ブロック101、光学ブロック101からの光を受け取り電気信号に変換するCCDイメージセンサ102、CCDイメージセンサ102からの電気信号をデジタル化するAFE(Analog Front-End)103、AFE103からのデジタル信号が入力されて画像信号を出力する画像処理部104、光学ブロック101の絞り機構やシャッタ機構等を制御する光学ブロック制御部105、CCDイメージセンサ102の垂直レジスタを駆動制御する垂直ドライバ106、画像処理部104からの同期信号等が入力されてCCDイメージセンサ102とAFE103と光学ブロック制御部105と垂直ドライバ106に駆動制御信号を出力するタイミングジェネレータ107が設けられている。ここで、AFE103はCDS(Correlated Double Sampling)、AGC(Automatic Gain Control)、ADC(Analog Digital Converter)を有して構成されている。
CCDイメージセンサ102は光学ブロック101からの光を電荷に変換するフォトダイオード、及び変換された電荷をAFE103に転送するための垂直レジスタと水平レジスタとを備えている。CCDイメージセンサ102の垂直レジスタと水平レジスタを駆動するためには、垂直駆動パルスと水平駆動パルスの各駆動信号を形成する必要がある。CCDイメージセンサ102の水平レジスタを駆動するための駆動信号はタイミングジェネレータ107から直接入力される。垂直レジスタを駆動する垂直駆動パルスは、水平駆動パルスに比べて、高電圧が必要であるため、垂直駆動パルスを生成するための垂直ドライバ106が設けられている。垂直駆動パルスの電圧としては、フォトダイオードに蓄積された電荷を垂直レジスタに転送するためのHighレベル電圧(例えば、+12V)、垂直レジスタに転送された電荷を、垂直レジスタ内を順次転送してから水平レジスタに転送するためのMiddleレベル電圧(例えば、0V)及びLowレベル電圧(例えば、−6V)の3種類の電圧が必要である。垂直ドライバ106は、タイミングジェネレータ107からの駆動制御信号を、CCDイメージセンサ102の垂直レジスタを駆動するための垂直駆動パルスに変換する。一方、水平駆動パルス(例えば、電圧が+3.3V)は、タイミングジェネレータ107において形成された駆動制御信号が用いられ、CCDイメージセンサ102に直接入力される。
図13は従来の垂直ドライバ106の概略内部構成を示すブロック図である。図13に示すように、垂直ドライバ106には、2値出力ブロック200と3値出力ブロック300の2種類の出力ブロックを備えている。2値出力ブロック200と3値出力ブロック300は、CCDイメージセンサ102の仕様、例えば、画素数、駆動方式等に応じて必要数備えられている。各2値出力ブロック200には、タイミングジェネレータ107からの駆動制御信号である1つの2値入力信号が入力され、CCDイメージセンサ102へ出力される1つの2値駆動信号を形成する。3値出力ブロック300にはタイミングジェネレータ107からの駆動制御信号である2つの2値入力信号が入力され、CCDイメージセンサ102へ出力される1つの3値駆動信号を形成する。
図14は従来の垂直ドライバ106における2値出力ブロック200と3値出力ブロック300のそれぞれの内部構成を示すブロック図である。2値出力ブロック200はタイミングジェネレータ107からの駆動制御信号を所望のMiddleレベル電圧(例えば、0V)又はLowレベル電圧(例えば、−6V)に変換してCCDイメージセンサ102の垂直レジスタに2値駆動信号として出力する。3値出力ブロック300はタイミングジェネレータ107からの駆動制御信号をHighレベル電圧(例えば、+12V)、Middleレベル電圧(例えば、0V)又はLowレベル電圧(例えば、−6V)に変換してCCDイメージセンサ102の垂直レジスタに3値駆動信号として出力する。
タイミングジェネレータ107からの駆動制御信号である、2値出力ブロック200への2値入力信号は、制御回路201に入力される。制御回路201から出力された制御信号は、Lowレベル電圧を出力するLowレベル出力ドライバ202、及びMiddleレベル電圧を出力するMiddleレベル出力ドライバ203に出力される。Lowレベル出力ドライバ202又はMiddleレベル出力ドライバ203のいずれかの出力ドライバが励起されて、Lowレベル電圧又はMiddleレベル電圧のいずれかの電圧が2値駆動信号として該当するCCDに出力される。
また、3値出力ブロック300には、第1の3値入力信号と第2の3値入力信号の2種類の駆動制御信号が入力される。第1の3値入力信号と第2の3値入力信号は制御回路301に入力される。制御回路301からの制御信号は、Lowレベル電圧を出力するLowレベル出力ドライバ302、Middleレベル電圧を出力するMiddleレベル出力ドライバ303、及びHighレベル電圧を出力するHighレベル出力ドライバ304に出力され、いずれかの出力ドライバ302,303,304を励起させる。その結果、3値出力ブロック300は所望の出力レベルの3値駆動信号を該当するCCDに出力する。
2値出力ブロック200と3値出力ブロック300のそれぞれが備えているLowレベル出力ドライバ202,302、Middleレベル出力ドライバ203,303、及び3値出力ブロック300が備えているHighレベル出力ドライバ304の各出力ドライバにおける出力トランジスタはCCDの駆動能力に合わせてオン抵抗が予め設定されている。
上記のように、従来の撮像装置100の垂直ドライバ106には複数の2値出力ブロック200と複数の3値出力ブロック300のそれぞれが別回路にて構成されていた。2値出力ブロック200と3値出力ブロック300は、共に出力レベルが切り替わるとき、出力トランジスタのオン抵抗とCCDイメージセンサ102の負荷容量の影響により、駆動信号における立ち上がり波形、及び立ち下がり波形が急峻ではなく緩やかになっている。CCDイメージセンサ102の負荷容量は画素数等によりその容量値が大きく変わるため、垂直ドライバ106はCCDイメージセンサ102の負荷容量に合わせた最適なオン抵抗を持つように各出力ドライバの出力トランジスタの素子サイズ(オン抵抗)を決定しなければならなかった。
従来において、撮像装置を設計する場合、そのイメージセンサのチャンネル数や駆動方式に対応するよう垂直ドライバを個別に開発し製造していた。したがって、イメージセンサの仕様に合った垂直ドライバをその都度設計する必要があり、開発工数、製造コストが増大していた。
特開昭60−019315号公報
前述のように、従来の撮像装置の構成においては、垂直ドライバが2値出力ブロックと3値出力ブロックとをそれぞれ複数設けた構成であるため、各イメージセンサに対応した垂直ドライバを個々に開発する必要があり、開発工数、製造コストの増大が大きな問題となっていた。
本発明の目的は、前述の従来における問題を解決するものであり、2値出力ブロックと3値出力ブロックの両方の機能を備えた出力ブロックを複数設けて、様々な仕様のイメージセンサに対応することができるイメージセンサ駆動装置を提供することである。
本発明のイメージセンサ駆動装置は、前述の目的を達成するために、2値出力ブロックと3値出力ブロックの両方の機能を備えた2値・3値兼用出力ブロックが設けられている。本発明によれば、2値・3値兼用出力ブロックをイメージセンサの駆動方式に合わせて複数用意することにより、様々な仕様のイメージセンサに対応する駆動装置を構築することが可能となる。本発明のイメージセンサ駆動装置においては、垂直ドライバの出力トランジスタのオン抵抗の値を選択制御信号により可変とすることができるため、出力トランジスタに低オン抵抗の切り替え手段を備える必要がなく、汎用性の高い垂直ドライバを提供することができる。
本発明のイメージセンサ駆動装置においては、2値出力ブロックと3値出力ブロックの両方の機能を兼ね備えた2値・3値兼用出力ブロックが複数設けられており、タイミングジェネレータからの駆動制御信号により、2値出力ブロック又は3値出力ブロックの機能を任意に選択することができる。
本発明のイメージセンサ駆動装置においては、2値・3値兼用出力ブロックを複数用意しておけばイメージセンサに合わせて、制御回路からの駆動制御信号により、2値・3値兼用出力ブロックを任意に3値出力ブロック又は2値出力ブロックとして設定でき、各種のCCDイメージセンサを駆動することが可能となる。
本発明のイメージセンサ用駆動装置において、2値・3値兼用出力ブロックは、複数の出力レベル電圧を出力する出力段トランジスタを複数備えており、駆動制御信号により各出力レベルの電圧を出力段トランジスタから選択出力することができる。
また、本発明のイメージセンサ用駆動装置においては、複数の出力レベル電圧を出力する出力トランジスタのオン抵抗を、出力端子に接続される素子に合わせて変更するために、出力選択ロジック回路において出力トランジスタを制御するよう構成されている。本発明においては、2値・3値兼用出力ブロックを複数用意することにより、イメージセンサのチャンネル数に合わせて、2値出力と3値出力のチャンネル数を任意に設定するこができる。
本発明の第1の観点のイメージセンサ用駆動装置は、イメージセンサを駆動するために2値又は3値の電圧レベルの信号を出力することが可能な2値・3値兼用出力ブロックを複数有するイメージセンサ駆動装置であって、
前記2値・3値兼用出力ブロックは、
第1の電圧レベルの信号を出力する第1の電圧レベル出力ドライバ、
第2の電圧レベルの信号を出力する第2の電圧レベル出力ドライバ、及び
第3の電圧レベルの信号を出力する第3の電圧レベル出力ドライバ、を有し、
前記2値・3値兼用出力ブロックは、入力された駆動制御信号に応じて前記第2の電圧レベル又は前記第3の電圧レベルのいずれかの信号を出力する2値出力動作を行うか、若しくは前記第1の電圧レベル、前記第2の電圧レベル又は前記第3の電圧レベルのいずれかの信号を出力する3値出力動作を行うよう構成されている。
本発明の第2の観点のイメージセンサ用駆動装置は、第1の観点の前記第1の電圧レベル出力ドライバ、前記第2の電圧レベル出力ドライバ及び前記第3の電圧レベル出力ドライバのそれぞれが複数の出力トランジスタを有して構成され、前記第1の電圧レベル出力ドライバ、前記第2の電圧レベル出力ドライバ及び前記第3の電圧レベル出力ドライバの各出力トランジスタが、入力された駆動制御信号により所定数だけ起動するよう構成されている。
本発明の第3の観点のイメージセンサ用駆動装置は、第1の観点の前記第2の電圧レベル出力ドライバ及び前記第3の電圧レベル出力ドライバのそれぞれが複数の出力トランジスタを有して構成され、前記2値・3値兼用出力ブロックが2値出力動作を行うとき、前記第2の電圧レベル出力ドライバ及び前記第3の電圧レベル出力ドライバは複数の出力ドライバが起動するよう構成されている。
本発明の第4の観点のイメージセンサ用駆動装置は、第1の観点の前記第2の電圧レベル出力ドライバが2値専用第2の電圧レベル出力ドライバを有し、
前記第3の電圧レベル出力ドライバが2値専用第3の電圧レベル出力ドライバを有し、
前記2値・3値兼用出力ブロックが2値出力動作を行うときのみ、前記第2の電圧レベル出力ドライバと共に前記2値専用第2の電圧レベル出力ドライバが起動し、若しくは前記第3の電圧レベル出力ドライバと共に前記2値専用第3の電圧レベル出力ドライバが起動するよう構成されている。
本発明の第5の観点のイメージセンサ用駆動装置は、第1の観点の装置外部からの選択信号により、前記前記2値・3値兼用出力ブロックが2値出力動作を行うか、3値出力動作を行うかが設定されるよう構成されている。
本発明の第6の観点のイメージセンサ用駆動装置は、第5の観点の前記2値・3値兼用出力ブロックが記憶手段を有し、前記2値・3値兼用出力ブロックが2値出力動作を行うか、3値出力動作を行うかを示す前記選択信号の情報を記憶するよう構成されている。
本発明の第7の観点のイメージセンサ用駆動装置は、第1の観点の前記第1の電圧レベル出力ドライバが能力調整第1の電圧レベル出力ドライバを有し、
前記第2の電圧レベル出力ドライバが能力調整第2の電圧レベル出力ドライバを有し、
前記第3の電圧レベル出力ドライバが能力調整第3の電圧レベル出力ドライバを有し、
装置外部からの駆動制御信号により前記イメージセンサの駆動能力に応じて前記能力調整第1の電圧レベル出力ドライバ、前記能力調整第2の電圧レベル出力ドライバ、及び前記能力調整第3の電圧レベル出力ドライバが起動するよう構成され、
装置外部からの選択信号により、前記2値・3値兼用出力ブロックが2値出力動作を行うか、3値出力動作を行うかが設定されるよう構成されている。
本発明の第8の観点のイメージセンサ用駆動装置は、第7の観点の前記2値・3値兼用出力ブロックが記憶手段を有し、前記2値・3値兼用出力ブロックが2値出力動作を行うか、3値出力動作を行うかを示す前記選択信号の情報を記憶するよう構成されている。
本発明の第9の観点のイメージセンサ用駆動装置は、第1の観点の前記第1の電圧レベルがHighレベル電圧であり、前記第2の電圧レベルがMiddleレベル電圧であり、そして前記第3の電圧レベルがLowレベル電圧であり、第1の電圧レベル>第2の電圧レベル>第3の電圧レベルの関係を有して、前記第1の電圧レベル、前記第2の電圧レベル及び前記第3の電圧レベルはCCDイメージセンサの垂直レジスタの駆動に用いられている。
本発明の第10の観点のイメージセンサ用駆動装置は、第1の観点の前記第1の電圧レベル出力ドライバ、前記第2の電圧レベル出力ドライバ及び前記第3の電圧レベル出力ドライバは、Nチャネル、若しくはPチャネルのMOSトランジスタで構成された請求項1に記載のイメージセンサ駆動装置。
本発明のイメージセンサ駆動装置は、2値出力ブロックと3値出力ブロックの両方の機能を兼ね備えた2値・3値兼用出力ブロックを複数設けて、タイミングジェネレータからの駆動制御信号により2値出力と3値出力とを切り替え、且つ出力トランジスタを制御することにより、出力トランジスタのオン抵抗を調整し、各出力レベルに対応する素子に合わせて出力ブロックの特性を最適化することが可能になる。この結果、本発明によれば、各種のイメージセンサに対応した垂直ドライバを個々に開発する必要がなくなり、開発工数、製造コストを大幅に抑制することができる。従って、本発明のイメージセンサ駆動装置においては、1つの垂直ドライバ用のLSI回路(Large-scale Integrated circuit)に予め備わっている各電圧レベルを出力する2値と3値の出力ブロックの機能を切り替えることにより、イメージセンサの駆動方式の違いにより別途LSIを設計する必要がなくなり、開発工数、製造コストを低減することが可能となる。
本発明に係る実施例1のイメージセンサ駆動装置を用いた撮像装置の概略構成を示すブロック図である。 CCDイメージセンサ2の内部構造を示す概略構成図である。 本発明に係る実施例1の撮像装置における垂直ドライバ6の2値・3値兼用出力ブロックの構成を示すブロック図である。 本発明に係る実施例2の撮像装置における垂直ドライバ60の1つの2値・3値兼用出力ブロックの構成を示すブロック図である。 本発明に係る実施例3の撮像装置における垂直ドライバ70及びその周辺装置の構成を示すブロック図である。 図5に示したフォトダイオード13と垂直レジスタ14を有するCCDイメージセンサ2の断面構造を示す図である。 CCDイメージセンサ2に入力される駆動信号である垂直駆動パルスa1,a2,a3及びb1,b2,b3のタイミングチャートである。 図5に示した垂直ドライバ70における2値・3値兼用出力ブロック71Aの入出力電圧波形の関係を示すタイミングチャートである。 図5に示した垂直ドライバ70における2値・3値兼用出力ブロック71Bの入出力電圧波形の関係を示すタイミングチャートである。 本発明に係る実施例4の撮像装置における垂直ドライバ91及びその周辺装置の構成を示すブロック図である。 本発明に係る実施例5の撮像装置における垂直ドライバ94及びその周辺装置の構成を示すブロック図である。 CCDイメージセンサを有する一般的な撮像装置に用いられている撮像装置100の概略構成を示すブロック図である。 従来の垂直ドライバ106の概略内部構成を示すブロック図である。 従来の垂直ドライバ106における2値出力ブロック200と3値出力ブロック300のそれぞれの内部構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 光学ブロック
2 CCDイメージセンサ
3 AFE
4 画像処理部
5 光学ブロック制御部
6 垂直ドライバ
7 タイミングジェネレータ
20 第1の制御回路
21 第2の制御回路
22,23,24 CCD駆動能力選択回路
25 Highレベル出力ドライバ
26 Middleレベル出力ドライバ
27 Lowレベル出力ドライバ
以下、本発明のイメージセンサ駆動装置の好適な実施例として、CCDイメージセンサを用いた撮像装置を例に挙げて添付の図面を参照しつつ説明する。なお、本発明の技術的思想はCCDイメージセンサに限定するものではなく、他のイメージセンサの駆動装置に適用することができる。
図1は、本発明に係る実施例1のイメージセンサ駆動装置を用いた撮像装置の概略構成を示すブロック図である。実施例1の撮像装置としては、デジタルスチルカメラを例に説明する。図1に示すように、撮像装置10には、レンズ、絞り機構及びシャッタ機構等の光学機器を有する光学ブロック1、光学ブロック1からの光を受け取り電気信号に変換するCCDイメージセンサ2、CCDイメージセンサ2からの電気信号をデジタル化するAFE(Analog Front-End)3、AFE3からのデジタル信号が入力されて画像処理して画像信号を出力する画像処理部4、光学ブロック1の絞り機構やシャッタ機構等を制御する光学ブロック制御部5、CCDイメージセンサ2の垂直レジスタを駆動制御する2値・3値兼用出力ブロックを有する垂直ドライバ6、及び画像処理部4からの同期信号等が入力されてCCDイメージセンサ2とAFE3と垂直ドライバ6とを駆動制御するタイミングジェネレータ7が設けられている。ここで、AFE3はCDS(Correlated Double Sampling)、AGC(Automatic Gain Control)、ADC(Analog Digital Converter)を有して構成されている。また、実施例1の撮像装置には、画像処理部4で処理するデータを記憶するメモリ8と、演算処理を行い画像処理部4とタイミングジェネレータ7と光学ブロック制御部5を制御するCPU(中央処理装置)9を有し、画像処理部4からの画像信号等はエンコーダ11及びDAコンバータ12を介して出力される。
図2はCCDイメージセンサ2の内部構造を示す概略構成図である。図2において、CCDイメージセンサ2は、光学ブロック1から入ってきた光を信号電荷に変換し蓄積するためのフォトダイオード13、フォトダイオード13に蓄積された信号電荷を垂直方向(図2において上から下方向)に転送するための垂直レジスタ14、垂直レジスタ14から受け取った信号電荷を水平方向(図2における右から左方向)に転送する水平レジスタ15、及び水平レジスタ15から信号電荷を受け取り、電圧に変換するための電荷-電圧変換回路16を有している。CCDイメージセンサ2には、その仕様に応じて複数の3値駆動信号用入力端子17と2値駆動信号用入力端子18が設けられている。また、電荷−電圧変換回路16には出力端子19が設けられている。
図2に示すように、CCDイメージセンサ2の基本動作は、フォトダイオード13において入ってきた光が信号電荷に変換され蓄積された後、対応する垂直レジスタ14のセルに読み出し転送(例えば、図2において矢印A方向への転送)が行われる。垂直レジスタ14に転送された信号電荷は、各セルを順次垂直転送(図2において矢印B方向への転送)される。垂直レジスタ14を垂直転送した信号電荷は、次に、水平レジスタ15の各セルを順次水平転送(図2において矢印C方向への転送)されていく。水平レジスタ15を水平転送した信号電荷は、電荷−電圧変換回路16に送られ電圧に変換される。
フォトダイオード13から垂直レジスタ14への読み出し転送(A)を行うためには、垂直ドライバ6の2値・3値兼用出力ブロックから出力される駆動信号である垂直駆動パルスのHighレベル電圧、例えば+12V、の電圧信号が用いられる。垂直レジスタ14において垂直転送(B)を行うためには、2値・3値兼用出力ブロックから出力される駆動信号である垂直駆動パルスのMiddleレベル電圧、例えば0CV、又はLowレベル電圧、例えば−6V、の電圧信号が用いられる。
図2に示したCCDイメージセンサ2の内部構造は、基本構造であり、画素の高画素化、駆動方式の多様化等によりその構造が異なっており、垂直ドライバ6の構成もCCDイメージセンサ2の仕様に応じて異なるものである。
図3は本発明に係る実施例1の撮像装置における垂直ドライバ6の2値・3値兼用出力ブロックの構成を示すブロック図である。垂直ドライバ6には、CCDイメージセンサ2の仕様に合わせて、図3に示した2値・3値兼用出力ブロックが複数設けられている。図3に示すように、垂直ドライバ6の各2値・3値兼用ブロックには、第1の制御回路20及び第2の制御回路21が設けられており、タイミングジェネレータ7からの駆動制御信号が入力されるよう構成されている。また、2値・3値兼用出力ブロックには、Highレベル電圧を形成するためのCCD駆動能力選択回路22とHighレベル出力ドライバ25、Middleレベル電圧を形成するためのCCD駆動能力選択回路23とMiddleレベル出力ドライバ26、及びLowレベル電圧を形成するためのCCD駆動能力選択回路24とLowレベル出力ドライバ27、が設けられている。2値・3値兼用垂直ドライバ6において形成された、Highレベル電圧、Middleレベル電圧又はLowレベル電圧は、出力端子30に接続されたCCDイメージセンサ2に出力され、CCDイメージセンサ2の垂直レジスタ14を駆動制御する。実施例1において、Highレベル電圧は+12Vであり、Middleレベル電圧は0Vであり、Lowレベル電圧は−6Vである。実施例1において、Highレベル電圧、Middleレベル電圧及びLowレベル電圧のためのCCD駆動能力選択回路22,23,24により選択回路が構成されている。
2値・3値兼用出力ブロックの第1の制御回路20にはタイミングジェネレータ7からの駆動制御信号が入力される第1の制御端子28と第2の制御端子29が設けられている。第2の制御回路21には3つの選択端子31,32,33が設けられている。
第1の制御回路20において形成された制御信号は、選択回路50におけるCCD駆動能力選択回路(Highレベル電圧)22、CCD駆動能力選択回路(Middleレベル電圧)23、及びCCD駆動能力選択回路(Lowレベル電圧)24のそれぞれに入力される。
なお、2値・3値兼用出力ブロックが2値出力ブロックとして機能するか、3値出力ブロックとして機能するかは、タイミングジェネレータ7から入力される駆動制御信号により決定される。2値出力ブロックとして機能する場合には第1の制御端子28に入力される駆動制御信号のみが用いられ、3値出力ブロックとして機能する場合には第1の制御端子28と第2の制御端子29に入力される2種類の駆動制御信号が用いられる。
さらに、各CCD駆動能力選択回路22,23,24は、第2の制御回路21からの選択信号により制御されている。第2の制御回路21には、外部からの入力信号である3種類の駆動制御信号が選択端子31,32,33のそれぞれを介して入力される。第2の制御回路21は、CCD駆動能力選択回路(Highレベル電圧)22、CCD駆動能力選択回路(Middleレベル電圧)23、及びCCD駆動能力選択回路(Lowレベル電圧)24のそれぞれに接続されており、それぞれに対して選択信号を出力する。
第2の制御回路21からの選択信号は、後述するように、Highレベル出力ドライバ25、Middleレベル出力ドライバ26及びLowレベル出力ドライバ27における出力トランジスタのオン抵抗を可変するために用いられる。
CCD駆動能力選択回路(Highレベル電圧)22、CCD駆動能力選択回路(Middleレベル電圧)23、及びCCD駆動能力選択回路(Lowレベル電圧)24からの信号は、Highレベル電圧が入力されているHighレベル出力ドライバ25、Middleレベル電圧が入力されているMiddleレベル出力ドライバ26、Lowレベル電圧が入力されているLowレベル出力ドライバ27にそれぞれ入力される。その結果、Highレベル出力ドライバ25、Middleレベル出力ドライバ26、又はLowレベル出力ドライバ27のいずれかが励起され、Highレベル電圧(+12V)、Middleレベル電圧(0V)、又はLowレベル電圧(−6V)のいずれかの電圧が出力端子30を介してCCDイメージセンサ2に出力される。
上記のように、実施例1の撮像装置における垂直ドライバ6においては、第1の制御回路20からの制御信号により、Highレベル出力ドライバ25、Middleレベル出力ドライバ26、Lowレベル出力ドライバ27のいずれかが駆動され、Highレベル電圧(+12V)、Middleレベル電圧(0V)、又はLowレベル電圧(−6V)のいずれかの電圧が出力される。
実施例1の撮像装置における垂直ドライバ6の各2値・3値兼用出力ブロックにおいて、Highレベル出力ドライバ25は複数の出力トランジスタ25a,25b、・・・が並列に接続されて構成されている。同様に、Middleレベル出力ドライバ26は出力トランジスタ26a,26b、・・・が並列に接続されており、Lowレベル出力ドライバ27は出力トランジスタ27a,27b、・・・が並列に接続されて構成されている。
Highレベル出力ドライバ25、Middleレベル出力ドライバ26、Lowレベル出力ドライバ27における各出力トランジスタはオン抵抗を有している。垂直ドライバ6における2値・3値兼用出力ブロックにおいては、各出力ドライバ25,26,27に複数の出力トランジスタが備えられているため、出力トランジスタの励起する個数を制御することにより、各出力ドライバ25,26,27の出力トランジスタのオン抵抗を可変することができる。
出力端子30はCCDイメージセンサ2に接続されており、出力端子30に接続されているCCDは容量を有している。このため、2値・3値兼用出力ブロックの出力レベル電圧の切り替え時の立ち上がり時間、立ち下り時間は、2値・3値兼用出力ブロックの出力トランジスタのオン抵抗に大きく依存する。出力トランジスタのオン抵抗を「R」、CCDの容量を「C」とすると、出力レベル切り替え時の立ち上がり時間及び立ち下がり時間は「RC」の時定数で決まる。CCDの容量は、2値出力構成、3値出力構成、及びCCDの駆動方式により異なるため、2値出力構成及び3値出力構成のそれぞれの場合において、CCDの駆動方式に適した出力トランジスタのオン抵抗を設定する必要がある。
例えば、Highレベル出力ドライバ25からHighレベル電圧を出力端子30に出力する場合、出力トランジスタを1つだけ使用した際の出力トランジスタのオン抵抗ではCCDを駆動できない場合がある。この場合には、第2の制御回路21からの選択信号によりHighレベル出力ドライバ25の出力トランジスタを複数同期して駆動するよう設定にすることにより、対応するCCDを駆動することが可能となる。即ち、実施例1の構成においては、選択信号によりHighレベル出力ドライバ25の出力トランジスタのサイズを増加して、所望のオン抵抗を設定することが可能となる。
同様に、Middleレベル出力ドライバ26及びLowレベル出力ドライバ27においても、複数の出力トランジスタが設けられているため、選択信号によりCCDの駆動方式に適した出力トランジスタのオン抵抗を設定することができる。
以上のように、実施例1の撮像装置における垂直ドライバ6においては、第1の制御回路20に入力された駆動制御信号により、2値・3値兼用出力ブロックがMiddleレベル電圧又はLowレベル電圧のいずれかの電圧を出力する2値出力ブロックとして機能し、若しくはHighレベル電圧、Middleレベル電圧又はLowレベル電圧のいずれかの電圧を出力する3値出力ブロックとして機能する。そして、第2の制御回路21に入力された選択信号により、各出力ドライバ25,26,27の出力トランジスタのオン抵抗を所望の値に設定することができる。
なお、実施例1の撮像装置における垂直ドライバ6においては、基本的には、各出力ドライバ25,26,27において1つの出力トランジスタが駆動される構成であり、必要があれば選択信号により複数の出力トランジスタが駆動されるよう構成されている。
以上のように、図3に示した実施例1における垂直ドライバ6の各2値・3値兼用出力ブロックにおいては、第1の制御回路20からの制御信号、及び第2の制御回路21からの選択信号により、出力レベル及びCCD駆動能力を選択することができる。従って、実施例1の撮像装置における垂直ドライバ6においては、タイミングジェネレータ7からの駆動制御信号と選択信号により2値・3値兼用出力ブロックの機能を切り替えられるプログラマブルな垂直ドライバを構成することが可能となる。選択信号は装置外部からの入力信号としてもよい。
なお、実施例1において、AFE3,垂直ドライバ6,タイミングジェネレータ7は半導体集積回路で構成されている。
以下、本発明に係る実施例2として、半導体集積装置であるイメージセンサ駆動装置を用いた撮像装置について図4を用いて説明する。
図4は本発明に係る実施例2の撮像装置における垂直ドライバ60の1つの2値・3値兼用出力ブロックの構成を示すブロック図である。実施例2の撮像装置において、垂直ドライバ60以外の構成は、図1に示した実施例1の撮像装置と同じである。実施例2において、前述の実施例1の撮像装置の構成要素と同じ、機能、構成を有するものには同じ符号を付し、その説明は実施例1における説明を適用する。
実施例2の撮像装置における垂直ドライバ60には、CCDイメージセンサ2の仕様に合わせて複数の2値・3値兼用出力ブロックが設けられている。実施例2における垂直ドライバ60は、実施例1の垂直ドライバ6と異なり、Highレベル電圧のためのCCD駆動能力選択回路が設けられておらず、制御信号がHighレベル出力ドライバ36に直接入力されるよう構成されている。なお、実施例2における垂直ドライバ60には、Middleレベル電圧を形成するためのCCD駆動能力選択回路34とMiddleレベル出力ドライバ37、及びLowレベル電圧を形成するためのCCD駆動能力選択回路35とLowレベル出力ドライバ38、が設けられている。垂直ドライバ60において形成された、駆動信号であるHighレベル電圧、Middleレベル電圧又はLowレベル電圧は、出力端子30を介してCCDイメージセンサ2に出力され、CCDイメージセンサ2の垂直レジスタを駆動制御する。
実施例2の撮像装置における垂直ドライバ60において、第1の制御回路20からの制御信号はHighレベル電圧が接続されているHighレベル出力ドライバ36と、CCD駆動能力選択回路(Middleレベル電圧)34と、CCD駆動能力選択回路(Lowレベル電圧)35に入力される。
なお、2値・3値兼用出力ブロックが2値出力ブロックとして機能するか、3値出力ブロックとして機能するかは、タイミングジェネレータ7から入力される駆動制御信号により決定される。2値出力ブロックとして機能する場合には第1の制御端子28に入力される駆動制御信号のみが用いられ、3値出力ブロックとして機能する場合には第1の制御端子28と第2の制御端子29に入力される2種類の駆動制御信号が用いられる。
第2の制御回路39には、装置外部からの入力信号である選択信号が選択端子40を介して入力される。第2の制御回路39は、CCD駆動能力選択回路(Middleレベル電圧)34、及びCCD駆動能力選択回路(Lowレベル電圧)35のそれぞれに接続されており、それぞれに対して選択信号を出力する。CCD駆動能力選択回路(Middleレベル電圧)34とCCD駆動能力選択回路(Lowレベル電圧)35は、第2の制御回路39からの選択信号により駆動制御される。
第2の制御回路39からの選択信号は、実施例1において説明したように、Middleレベル出力ドライバ37及びLowレベル出力ドライバ38における出力トランジスタのオン抵抗を可変するために用いられる。これは、2値・3値兼用出力ブロックを2値出力ブロックとして使用する場合には、3値出力ブロックとして使用した場合に比べて出力トランジスタのオン抵抗を小さくする必要があるためである。従って、2値・3値兼用出力ブロックを2値出力ブロックとして使用する場合、Middleレベル電圧を出力するときにはCCD駆動能力選択回路(Middleレベル電圧)34によりMiddleレベル出力ドライバ37における2つの出力トランジスタ37a,37bが並列に用いられる。そして、Lowレベル電圧を出力するときには、CCD駆動能力選択回路(Lowレベル電圧)35によりLowレベル出力ドライバ38における2つの出力トランジスタ38a,38bが並列に用いられる。このように構成された実施例2の撮像装置においては、2値出力ブロックとして使用する場合には、Middleレベル出力ドライバ37及びLowレベル出力ドライバ38における出力トランジスタのオン抵抗が、CCDを適切に駆動できるよう所望の値に低減される。
なお、実施例2の撮像装置においては、2値・3値兼用出力ブロックを3値出力ブロックとして使用する場合、Highレベル出力ドライバ36の1つの出力トランジスタ36aが用いられ、Middleレベル出力ドライバ37の1つの出力トランジスタ37aが用いられ、及びLowレベル出力ドライバ38の1つの出力トランジスタ38aが用いられる。
実施例2の撮像装置における垂直ドライバ60の技術的手段は、既存の3値出力ブロックを2値出力ブロックとして使用する場合、及び垂直ドライバを2種類のパターンで切り替える構成とする場合に用いることができる有効な手段である。
上記のように、本発明のイメージセンサ駆動装置は、CCD(Charge Coupled Device)の垂直レジスタを駆動するための半導体集積装置であって、
CCDを接続している出力を共通に接続したHighレベル出力ドライバ、Middleレベル出力ドライバ、及びLowレベル出力ドライバをそれぞれ複数個備え、
前記Highレベル出力ドライバ、前記Middleレベル出力ドライバ、前記Lowレベル出力ドライバは、CCDを駆動するためのHighレベル電圧、Middleレベル電圧、Lowレベル電圧を出力する出力ドライバであり、
前記Highレベル出力ドライバ、前記Middleレベル出力ドライバ、前記Lowレベル出力ドライバの3種類のレベルを選択出力するための第1の制御回路を備え、
前記第1の制御回路により、出力にHighレベル電圧、Middleレベル電圧、Lowレベル電圧の3値を出力でき、CCDの駆動能力に応じて前記Highレベル出力ドライバ、前記Middleレベル出力ドライバ、前記Lowレベル出力ドライバを駆動する選択回路を備え、
前記選択回路を外部からの信号で前記Highレベル出力ドライバ、前記Middleレベル出力ドライバ、前記Lowレベル出力ドライバを任意の数駆動することのできる制御信号を出力する第2の制御回路2を備えている。
また、本発明のイメージセンサ駆動装置は、第1の制御回路、第2の制御回路、Highレベル出力ドライバ、Middleレベル出力ドライバ、Lowレベル出力ドライバ、及び選択回路で構成された2値・3値兼用出力ブロックを複数個備えている。
また、本発明のイメージセンサ駆動装置において、Highレベル出力ドライバ、Middleレベル出力ドライバ、Lowレベル出力ドライバは、Nチャネル、若しくはPチャネルMOSトランジスタで構成されている。
本発明のイメージセンサ駆動装置は、Highレベル出力ドライバ、Middleレベル出力ドライバ、Lowレベル出力ドライバはNチャネル若しくはPチャネルMOSトランジスタで構成され、各レベル電圧及び出力端子に接続されている。
本発明のイメージセンサ駆動装置は、選択回路が、CCDイメージセンサを駆動する能力を変更する2値・3値兼用出力ブロックに備わっている。
本発明のイメージセンサ駆動装置は、第2の制御回路が、CCDイメージセンサを駆動する能力を切り替える数に応じた入力端子数を有している。
以下、本発明に係る実施例3として、半導体集積装置であるイメージセンサ駆動装置を用いた撮像装置について図5を用いて説明する。
図5は本発明に係る実施例3の撮像装置における垂直ドライバ70及びその周辺装置の構成を示すブロック図である。図5に示すように、垂直ドライバ70にはCCDイメージセンサ2の仕様に合わせて2値・3値兼用出力ブロックが複数設けられている。実施例3の撮像装置において、垂直ドライバ70以外の構成は、図1に示した実施例1の撮像装置と同じである。実施例3の撮像装置において、前述の実施例1の撮像装置の構成要素と同じ、機能、構成を有するものには同じ符号を付し、その説明は実施例1における説明を適用する。
図5に示すように、タイミングジェネレータ7からは垂直ドライバ70の複数の2値・3値兼用出力ブロック71A,71B,71C,・・・のそれぞれに対して駆動制御信号が入力されている。図5において、垂直ドライバ70に複数設けられている2値・3値兼用出力ブロック71A,71B,71C,・・・の1つの構成を代表例としてブロック図で示している。2値・3値兼用出力ブロック71Aは、当該2値・3値兼用出力ブロック71Aを2値出力ブロックとして用いるか、3値出力ブロックとして用いるかを選択する出力選択ロジック回路72を有している。出力選択ロジック回路72には、垂直ドライバ70を駆動制御するためのタイミングジェネレータ7からの駆動制御信号c1,c2,c3,c4が入力される。また、2値・3値兼用出力ブロック71Aは、Highレベル出力ドライバ73、Middleレベル出力ドライバ74、2値専用Middleレベル出力ドライバ75、Lowレベル出力ドライバ76、及び2値専用Lowレベル出力ドライバ77を具備している。なお、上記の各出力ドライバ73〜77は出力トランジスタで構成されている。
Highレベル出力ドライバ73は、出力選択ロジック回路72からの制御信号によりHighレベル電圧(例えば、+12V)をCCDイメージセンサ2に出力するトランジスタ回路である。Highレベル出力ドライバ73の出力トランジスタにはPchのMOSトランジスタが設けられている。Middleレベル出力ドライバ74は、出力選択ロジック回路72からの制御信号によりMiddleレベル電圧(例えば、0V)をCCDイメージセンサ2に出力するトランジスタ回路である。Lowレベル出力ドライバ76は、出力選択ロジック回路72からの制御信号によりLowレベル電圧(例えば、−6V)をCCDイメージセンサ2に出力するトランジスタ回路である。
2値専用Middleレベル出力ドライバ75は、当該2値・3値兼用出力ブロック71Aが2値出力ブロックとして機能する場合、出力選択ロジック回路72からの制御信号によりMiddleレベル出力ドライバ74とともに励起されて、Middleレベル電圧をCCDイメージセンサ2に出力するトランジスタ回路である。2値専用Lowレベル出力ドライバ77は、当該2値・3値兼用出力ブロック71Aが2値出力ブロックとして機能する場合、出力選択ロジック回路72からの制御信号によりLowレベル出力ドライバ76とともに励起されて、Lowレベル電圧をCCDイメージセンサ2に出力するトランジスタ回路である。
上記のように構成された2値・3値兼用出力ブロック71Aと同じ構成の出力ブロックが複数設けられて垂直ドライバ70が構成されている。図5に示す垂直ドライバ70において、最上段に記載されている2値・3値兼用出力ブロック71Aは、CCDイメージセンサ2におけるフォトダイオード13から垂直レジスタ14への読み出し転送及び垂直レジスタ14の垂直転送に用いられるため、3値出力ブロックとして動作する。図5においては、最上段に記載されている2値・3値兼用出力ブロック71Aが3値の垂直駆動パルスa1をフォトダイオード13と垂直レジスタ14に出力している。
図5の垂直ドライバ70において、2段目に記載されている2値・3値兼用出力ブロック71Bは、CCDイメージセンサ2における垂直レジスタ14の垂直転送に用いられるため、2値出力ブロックとして動作する。この2値・3値兼用出力ブロック71Bは2値の垂直駆動パルスb1を垂直レジスタ14に出力している。
上記のように、垂直ドライバ70における2値・3値兼用出力ブロック71A,71B,71C,・・・は、対応するCCDイメージセンサ2の仕様に応じて、2値出力ブロック又は3値出力ブロックとしての機能が決定される。なお、図5においては、2値・3値兼用出力ブロック71A,71B,71C,・・・が出力する3値の垂直駆動パルスをa1,a2,a3として示し、2値の垂直駆動パルスをb1,b2,b3として示す。
図6は図5に示したフォトダイオード13と垂直レジスタ14を有するCCDイメージセンサ2の断面構造を示す図である。図6において、符号81はN型基板、符号82はP型ウェル、符号83は読み出しゲート、符号84は転送ゲート、符号85は遮光膜を示している。読み出しゲート83及び転送ゲート84は、それぞれ入力端子86,87,88,・・・に接続されている。また、図6においては、フォトダイオードを13A,13B,13Cとして示している。垂直ドライバ70からの3値の垂直駆動パルスa1,a2,a3は対応する読み出しゲート83と転送ゲート84に入力される。垂直ドライバ70からの2値の垂直駆動パルスb1,b2は対応する転送ゲート84に入力される。
図6に示すCCDイメージセンサ2において、フォトダイオード13Aに蓄積された信号電荷は、入力端子86を介して読み出しゲート83に印加されたHighレベル電圧により、フォトダイオード13Aから垂直レジスタ14に信号電荷が転送される。転送された信号電荷は、垂直レジスタ14に沿って水平レジスタの方向に順次転送される。信号電荷が転送されるときは、入力端子87,88,89・・・においてMiddleレベル電圧とLowレベル電圧の2値の信号を適宜切り替えて転送が行われる。
図7はCCDイメージセンサ2に入力される駆動信号である垂直駆動パルスa1,a2,a3及びb1,b2,b3のタイミングチャートである。図7はCCDイメージセンサ2において信号電荷の転送を行う場合の垂直駆動パルスa1,a2,a3及びb1,b2,b3のタイミングチャートの1例を示している。
次に、上記のように構成された実施例3の撮像装置における垂直ドライバ70の動作について説明する。
[3値出力ブロックとしての動作]
まず、垂直ドライバ70における2値・3値兼用出力ブロック(例えば、図5における最上段の2値・3値兼用出力ブロック71A)を3値出力ブロックとして動作させる場合について説明する。下記の動作においては、2値・3値兼用出力ブロック71Aが3値出力ブロックとしてHighレベル電圧(+12V)、Middleレベル電圧(0V)又はLowレベル電圧(−6V)をCCDイメージセンサ2のフォトダイオード13と垂直レジスタ14に出力する場合について説明する。
タイミングジェネレータ7から2値・3値兼用出力ブロック71Aには駆動制御信号c1,c2,c3,c4が入力されるよう構成されている。駆動制御信号c1,c2は、3値出力ブロックとして動作する場合の入力信号である。駆動制御信号c3は、2値出力ブロックとして動作する場合の入力信号である。駆動制御信号c4は、当該2値・3値兼用出力ブロック71Aを3値出力ブロックとして用いるか、2値出力ブロックとして用いるかを選択する入力信号である。当該2値・3値兼用出力ブロック71Aを3値出力ブロックとして使用する場合、一例として駆動制御信号c4はGNDレベル電圧(0V)の信号となる。また、2値・3値兼用出力ブロック71Bを2値出力ブロックとして使用する場合、駆動制御信号c4はVDC電圧(例えば、+3.3V)の信号となる。
なお、タイミングジェネレータ7から入力される各駆動制御信号c1,c2,c3,c4は、VDC電圧、若しくはGNDレベル電圧を示す信号である。
[3値出力ブロックにおけるHighレベル電圧出力]
2値・3値兼用出力ブロック71Aが3値出力ブロックとしてHighレベル電圧を出力させる場合の動作を説明する。Highレベル電圧を出力させる場合、2値・3値兼用出力ブロック71AにGNDレベル電圧の駆動制御信号c1とGNDレベル電圧の駆動制御信号c2が入力される。駆動制御信号c3は2値出力ブロックとして動作するときの入力信号であるため、3値出力ブロックとして動作する2値・3値兼用出力ブロック71Aに対してはVDC電圧又はGNDレベル電圧のいずれかの信号で固定される。駆動制御信号C4は、3値出力ブロックとして動作させるためにGNDレベル電圧の信号である。
2値・3値兼用出力ブロック71Aに対して、上記の駆動制御信号c1,c2,c3,c4が出力選択ロジック回路72に入力されることにより、2値・3値兼用出力ブロック71Aは3値出力ブロックとして動作し、Highレベル電圧を出力する。
上記のように駆動制御信号c1,c2,c3,c4が入力された出力選択ロジック回路72は、Highレベル出力ドライバ73、Middleレベル出力ドライバ74、2値専用Middleレベル出力ドライバ75、Lowレベル出力ドライバ76、2値専用Lowレベル出力ドライバ77の各出力トランジスタに対して下記に示す電圧を印加することにより、2値・3値兼用出力ブロック71AはHighレベル電圧を出力する。
Highレベル出力ドライバ73の出力トランジスタのゲートにはLowレベル電圧が印加され、Highレベル出力ドライバ73の出力トランジスタをオンさせる。Middleレベル出力ドライバ74の出力トランジスタのゲートにはLowレベル電圧が印加され、Middleレベル出力ドライバ74の出力トランジスタをオフさせる。Lowレベル出力ドライバ76の出力トランジスタのゲートにはLowレベル電圧が印加され、Lowレベル出力ドライバ76の出力トランジスタをオフさせる。また、2値専用Middleレベル出力ドライバ75の出力トランジスタ、及び2値専用Lowレベル出力ドライバ77の出力トランジスタの各ゲートにはLowレベル電圧が印加され、2値専用Middleレベル出力ドライバ75及び2値専用Lowレベル出力ドライバ77のそれぞれの出力トランジスタをオフさせる。
上記のように、出力選択ロジック回路72が、Highレベル出力ドライバ73、Middleレベル出力ドライバ74、2値専用Middleレベル出力ドライバ75、Lowレベル出力ドライバ76、2値専用Lowレベル出力ドライバ77における各出力トランジスタのゲートに対して所望の電圧を印加して、2値・3値兼用出力ブロック71Aは3値出力ブロックとしてHighレベル電圧の垂直駆動パルスa1を出力する。
[3値出力ブロックにおけるMiddleレベル電圧出力]
次に、2値・3値兼用出力ブロック71Aが3値出力ブロックとしてMiddleレベル電圧を出力させる場合の動作を説明する。
2値・3値兼用出力ブロック71Aにおいて、Middleレベル電圧を出力させる場合、2値・3値兼用出力ブロック71AにGNDレベル電圧の駆動制御信号c1と、VDC電圧の駆動制御信号c2が入力される。駆動制御信号c3は2値出力ブロックとして動作するときの入力信号であるため、3値出力ブロックとして動作する2値・3値兼用出力ブロック71Aに対してはVDC電圧又はGNDレベル電圧のいずれかの信号で固定される。駆動制御信号C4は、3値出力ブロックとして動作させるためにGNDレベル電圧の信号である。
2値・3値兼用出力ブロック71Aに対して、上記の駆動制御信号c1,c2,c3,c4が出力選択ロジック回路72に入力されることにより、2値・3値兼用出力ブロック71Aは3値出力ブロックとして動作し、Middleレベル電圧を出力する。
上記のように駆動制御信号c1,c2,c3,c4が入力された出力選択ロジック回路72は、Highレベル出力ドライバ73、Middleレベル出力ドライバ74、2値専用Middleレベル出力ドライバ75、Lowレベル出力ドライバ76、2値専用Lowレベル出力ドライバ77の各出力トランジスタに対して下記に示す電圧を印加することにより、2値・3値兼用出力ブロック71AはMiddleレベル電圧を出力する。
Highレベル出力ドライバ73の出力トランジスタのゲートにはHighレベル電圧が印加され、Highレベル出力ドライバ73の出力トランジスタをオフさせる。Middleレベル出力ドライバ74の出力トランジスタのゲートにはHighレベル電圧が印加され、Middleレベル出力ドライバ74の出力トランジスタをオンさせる。Lowレベル出力ドライバ76の出力トランジスタのゲートにはLowレベル電圧が印加され、Lowレベル出力ドライバの出力トランジスタをオフさせる。また、2値専用Middleレベル出力ドライバ75の出力トランジスタ、及び2値専用Lowレベル出力ドライバ77の出力トランジスタの各ゲートにはLowレベル電圧が印加され、2値専用Middleレベル出力ドライバ75及び2値専用Lowレベル出力ドライバ77のそれぞれの出力トランジスタをオフさせる。
上記のように、出力選択ロジック回路72が、Highレベル出力ドライバ73、Middleレベル出力ドライバ74、2値専用Middleレベル出力ドライバ75、Lowレベル出力ドライバ76、2値専用Lowレベル出力ドライバ77における各出力トランジスタのゲートに対して所望の電圧を印加して、2値・3値兼用出力ブロック71Aは3値出力ブロックとしてMiddleレベル電圧の垂直駆動パルスa1を出力する。
[3値出力ブロックにおけるLowレベル電圧出力]
次に、2値・3値兼用出力ブロック71Aが3値出力ブロックとしてLowレベル電圧を出力させる場合の動作を説明する。
2値・3値兼用出力ブロック71Aにおいて、Lowレベル電圧を出力させる場合、2値・3値兼用ブロック71AにVDC電圧の駆動制御信号c1と、VDC電圧の駆動制御信号c2が入力される。駆動制御信号c3は2値出力ブロックとして動作するときの入力信号であるため、3値出力ブロックとして動作する2値・3値兼用出力ブロック71Aに対してはVDC電圧又はGNDレベル電圧のいずれかの信号で固定される。駆動制御信号C4は、3値出力ブロックとして動作させるためにGNDレベル電圧の信号である。
2値・3値兼用出力ブロック71Aに対して、上記の駆動制御信号c1,c2,c3,c4が出力選択ロジック回路72に入力されることにより、2値・3値兼用出力ブロック71Aは3値出力ブロックとして動作し、Lowレベル電圧を出力する。
上記のように駆動制御信号c1,c2,c3,c4が入力された出力選択ロジック回路72は、Highレベル出力ドライバ73、Middleレベル出力ドライバ74、2値専用Middleレベル出力ドライバ75、Lowレベル出力ドライバ76、2値専用Lowレベル出力ドライバ77の各出力トランジスタに対して下記に示す電圧を印加することにより、2値・3値兼用出力ブロック71AはLowレベル電圧を出力する。
Highレベル出力ドライバ73の出力トランジスタのゲートにはHighレベル電圧が印加され、Highレベル出力ドライバ73の出力トランジスタをオフさせる。Middleレベル出力ドライバ74の出力トランジスタのゲートにはLowレベル電圧が印加され、Middleレベル出力ドライバ74の出力トランジスタをオフさせる。Lowレベル出力ドライバ76の出力トランジスタのゲートにはHighレベル電圧が印加され、Lowレベル出力ドライバ76の出力トランジスタをオンさせる。また、2値専用Middleレベル出力ドライバ75、及び2値専用Lowレベル出力ドライバ77の出力トランジスタの各ゲートにはLowレベル電圧が印加され、2値専用Middleレベル出力ドライバ75及び2値専用Lowレベル出力ドライバ77のそれぞれの出力トランジスタをオフさせる。
上記のように、出力選択ロジック回路72が、Highレベル出力ドライバ73、Middleレベル出力ドライバ74、2値専用Middleレベル出力ドライバ75、Lowレベル出力ドライバ76、2値専用Lowレベル出力ドライバ77における各出力トランジスタのゲートに対して所望の電圧を印加して、2値・3値兼用出力ブロック71Aは3値出力ブロックとしてLowレベル電圧の垂直駆動パルスa1を出力する。
図8は図5に示した垂直ドライバ70における2値・3値兼用出力ブロック71Aの入出力電圧波形の関係を示すタイミングチャートである。図8は、2値・3値兼用出力ブロック71Aに対してGNDレベル電圧の駆動制御信号c4が入力されて3値出力ブロックとして機能している場合である。図8の(a)は2値・3値兼用出力ブロック71Aに入力される駆動制御信号c1であり、(b)は駆動制御信号c2であり、(c)は2値・3値兼用出力ブロック71Aから出力される駆動信号である3値の垂直駆動パルスa1,a2,a3である。
上記のように、実施例3における垂直ドライバ70の2値・3値兼用出力ブロック71Aは、入力される駆動制御信号c4がGNDレベル電圧に設定されることにより、Highレベル電圧、Middleレベル電圧、又はLowレベル電圧の3種類の電圧のいずれかを出力する3値出力ブロックと同等の動作を行う。
図8に示すように、2値・3値兼用出力ブロック71Aが3値出力ブロックとして動作する場合には、駆動制御信号c1及びc2が共にVDC電圧のとき、出力信号である垂直駆動パルスa1,a2,a3はLowレベル電圧である。駆動制御信号c1がGNDレベル電圧であり、駆動制御信号c2がVDC電圧のとき、出力信号である垂直駆動パルスa1,a2,a3はMiddleレベル電圧である。そして、駆動制御信号c1及びc2が共にGNDレベル電圧のとき、出力信号である垂直駆動パルスa1,a2,a3はHighレベル電圧である。
上記のように、実施例3の撮像装置における垂直ドライバ70においては、2値・3値兼用出力ブロック71Aに対して所望の駆動制御信号c1,c2,c3,c4が入力されることにより、2値・3値兼用出力ブロックは3値出力ブロックとして、Lowレベル電圧、Middleレベル電圧、又はHighレベル電圧のいずれかの電圧をCCDイメージセンサ2に対して出力することができる。
[2値出力ブロックとしての動作]
次に、垂直ドライバ70における2値・3値兼用出力ブロック(例えば、図5における2段目の2値・3値兼用出力ブロック71B)を2値出力ブロックとして動作させる場合について以下に説明する。下記の動作においては、2値・3値兼用出力ブロック71Bが2値出力ブロックとしてMiddleレベル電圧(0V)又はLowレベル電圧(−6V)をCCDイメージセンサ2の垂直レジスタ14に出力する場合について説明する。なお、2値・3値兼用出力ブロック71Bは図5に示した2値・3値兼用出力ブロック71Aと同じ構成であるため、図5に示した符号を用いて説明する。
タイミングジェネレータ7から垂直ドライバ70の2値・3値兼用出力ブロック71Bに対しても、他の2値・3値兼用出力ブロックと同様にVDC電圧又はGNDレベル電圧の駆動制御信号c1,c2,c3,c4が入力されるよう構成されている。
[2値出力ブロックにおけるMiddleレベル電圧出力]
2値・3値兼用出力ブロック71Bに入力される駆動制御信号c1及びc2は、3値出力ブロックとして動作するときの入力信号であるため、2値出力ブロックとして動作する2値・3値兼用出力ブロック71Bに対してはVDC電圧又はGNDレベル電圧のいずれかの信号で固定される。Middleレベル電圧を出力させる場合、2値・3値兼用出力ブロック71BにGNDレベル電圧の駆動制御信号c3が入力される。駆動制御信号C4は、2値出力ブロックとして動作させるためにVDC電圧の信号である。
2値・3値兼用出力ブロック71Bに対して、上記の駆動制御信号c1,c2,c3,c4が出力選択ロジック回路72に入力されることにより、2値・3値兼用出力ブロック71Bは2値出力ブロックとして動作し、Middleレベル電圧を出力する。
上記のように駆動制御信号c1,c2,c3,c4が入力された2値・3値兼用出力ブロック71Bの出力選択ロジック回路72は、Highレベル出力ドライバ73、Middleレベル出力ドライバ74、2値専用Middleレベル出力ドライバ75、Lowレベル出力ドライバ76、2値専用Lowレベル出力ドライバ77の各出力トランジスタに対して下記に示す電圧を印加することにより、2値・3値兼用出力ブロック71BはMiddleレベル電圧を出力する。
Highレベル出力ドライバ73の出力トランジスタのゲートにはHighレベル電圧が印加され、Highレベル出力ドライバ73の出力トランジスタをオフさせる。Middleレベル出力ドライバ74の出力トランジスタのゲートにはHighレベル電圧が印加され、Middleレベル出力ドライバ74の出力トランジスタをオンさせる。Lowレベル出力ドライバ76の出力トランジスタのゲートにはLowレベル電圧が印加され、Lowレベル出力ドライバ76の出力トランジスタをオフさせる。2値専用Middleレベル出力ドライバ75の出力トランジスタのゲートにはHighレベル電圧が印加され、2値専用Middleレベル出力ドライバ75の出力トランジスタをオンさせる。2値専用Lowレベル出力ドライバ77の出力トランジスタのゲートにはLowレベル電圧が印加され、2値専用Lowレベル出力ドライバ77の出力トランジスタをオフさせる。
上記のように、出力選択ロジック回路72が、Highレベル出力ドライバ73、Middleレベル出力ドライバ74、2値専用Middleレベル出力ドライバ75、Lowレベル出力ドライバ76、2値専用Lowレベル出力ドライバ77における各出力トランジスタのゲートに対して所望の電圧を印加して、2値・3値兼用出力ブロック71Bは2値出力ブロックとしてMiddleレベル電圧の垂直駆動パルスb1を出力する。即ち、2値・3値兼用出力ブロック71Bが2値出力ブロックとしてMiddleレベル電圧を出力する場合、Middleレベル出力ドライバ74及び2値専用Middleレベル出力ドライバ75が励起されて、Middleレベル電圧出力時の出力トランジスタのオン抵抗が低減されている。
[2値出力ブロックにおけるLowレベル電圧出力]
次に、2値・3値兼用出力ブロック71Bにおいて、Lowレベル電圧を出力させる場合、駆動制御信号c1及びc2は、3値出力ブロックとして動作するときの入力信号であるため、2値出力ブロックとして動作する2値・3値兼用出力ブロック71Bに対してはVDC電圧又はGNDレベル電圧のいずれかの信号で固定される。Lowレベル電圧を出力させる場合、2値・3値兼用出力ブロック71BにVDC電圧の駆動制御信号c3が入力される。駆動制御信号C4は、2値出力ブロックとして動作させるためにVDC電圧の信号である。
2値・3値兼用出力ブロック71Bに対して、上記の駆動制御信号c1,c2,c3,c4が出力選択ロジック回路72に入力されることにより、2値・3値兼用出力ブロック71Bは2値出力ブロックとして動作し、Lowレベル電圧を出力する。
上記のように駆動制御信号c1,c2,c3,c4が入力された2値・3値兼用出力ブロック71Bの出力選択ロジック回路72は、Highレベル出力ドライバ73、Middleレベル出力ドライバ74、2値専用Middleレベル出力ドライバ75、Lowレベル出力ドライバ76、2値専用Lowレベル出力ドライバ77の各出力トランジスタに対して下記に示す電圧を印加して、2値・3値兼用出力ブロック71BがLowレベル電圧を出力する。
Highレベル出力ドライバ73の出力トランジスタのゲートにはHighレベル電圧が印加され、Highレベル出力ドライバ73の出力トランジスタをオフさせる。Middleレベル出力ドライバ74の出力トランジスタのゲートにはLowレベル電圧が印加され、Middleレベル出力ドライバ74の出力トランジスタをオフさせる。Lowレベル出力ドライバ76の出力トランジスタのゲートにはHighレベル電圧が印加され、Lowレベル出力ドライバの出力トランジスタをオンさせる。2値専用Middleレベル出力ドライバ75の出力トランジスタのゲートにはLowレベル電圧が印加され、2値専用Middleレベル出力ドライバ75の出力トランジスタをオフさせる。2値専用Lowレベル出力ドライバ77の出力トランジスタのゲートにはHighレベル電圧が印加され、2値専用Lowレベル出力ドライバ77の出力トランジスタをオンさせる。
上記のように、出力選択ロジック回路72が、Highレベル出力ドライバ73、Middleレベル出力ドライバ74、2値専用Middleレベル出力ドライバ75、Lowレベル出力ドライバ76、2値専用Lowレベル出力ドライバ77における各出力トランジスタのゲートに対して所望の電圧を印加して、2値・3値兼用出力ブロック71Bは2値出力ブロックとしてLowレベル電圧の垂直駆動パルスb1を出力する。即ち、2値・3値兼用出力ブロック71Bが2値出力ブロックとしてLowレベル電圧を出力する場合、Lowレベル出力ドライバ76及び2値専用Lowレベル出力ドライバ77が励起されて、Lowレベル電圧出力時の出力トランジスタのオン抵抗が低減されている。
実施例3の撮像装置における垂直ドライバ70においては、2値・3値兼用出力ブロック71Bを2値出力ブロックとして動作させる場合、Middleレベル電圧の出力時にはMiddleレベル出力ドライバ74及び2値専用Middleレベル出力ドライバ75における出力トランジスタが共に励起され、Lowレベル電圧の出力時にはLowレベル出力ドライバ76及び2値専用Lowレベル出力ドライバ77における出力トランジスタが共に励起される。このように、実施例3の垂直ドライバ70においては、2値専用Middleレベル出力ドライバの出力トランジスタ、又は2値専用Lowレベル出力ドライバの出力トランジスタがオンするよう構成されているため、Middleレベル電圧、及びLowレベル電圧を出力するトランジスタ数が増加することになる。この結果、Middleレベル電圧、及びLowレベル電圧を出力するときの出力トランジスタのオン抵抗を小さくすることができ、2値出力ブロックとして動作する場合に必要なオン抵抗に適した値を実現することができる。
図9は図5に示した垂直ドライバ70における2値・3値兼用出力ブロック71Bの入出力電圧波形の関係を示すタイミングチャートである。図9は、2値・3値兼用出力ブロック71Bに対してVDC電圧の駆動制御信号c4が入力されて2値出力ブロックとして機能している場合である。図9の(a)は2値・3値兼用出力ブロック71Bに入力される駆動制御信号c3であり、(b)は2値・3値兼用出力ブロック71Bから出力される駆動信号である2値の垂直駆動パルスb1,b2,b3である。
実施例3における垂直ドライバ70の2値・3値兼用出力ブロック71Bは、入力される駆動制御信号c4がVDC電圧に設定されることにより、Middleレベル電圧又はLowレベル電圧の2種類の電圧のいずれかを出力する2値出力ブロックと同等の動作を行う。
図9に示すように、2値・3値兼用出力ブロックが2値出力ブロックとして動作する場合には、駆動制御信号c3がVDC電圧のとき、垂直駆動パルスb1,b2,b3はLowレベル電圧である。一方、駆動制御信号c3がGNDレベル電圧のとき、垂直駆動パルスb1,b2,b3はMiddleレベル電圧である。
実施例3における垂直ドライバ70の2値・3値兼用出力ブロック71Bにおいて、2値出力ブロックとして動作させる場合、2値専用Middleレベル出力ドライバ75と2値専用Lowレベル出力ドライバ77が起動するため、垂直駆動パルスの立ち上がり波形、立ち下がり波形が調整され、各出力ドライバ75,77の駆動能力は2値動作に適したオン抵抗を有する設定となる。
以下、本発明に係る実施例4として、半導体集積装置であるイメージセンサ駆動装置を用いた撮像装置について図10を用いて説明する。
図10は本発明に係る実施例4の撮像装置における垂直ドライバ91及びその周辺装置の構成を示すブロック図である。図10に示すように、垂直ドライバ91にはCCDイメージセンサ2の仕様に合わせて2値・3値兼用出力ブロック93A,93B,93C,・・・が複数設けられている。実施例4の撮像装置において、垂直ドライバ91以外の構成は、図1に示した実施例1の撮像装置と同じである。実施例4において、前述の実施例1の撮像装置の構成要素と同じ、機能、構成を有するものには同じ符号を付し、その説明は実施例1における説明を適用する。
図10に示すように、タイミングジェネレータ7から垂直ドライバ91の複数の2値・3値兼用出力ブロック93A,93B,93C,・・・のそれぞれに対して駆動制御信号c1,c2,c3が入力されている。実施例4における垂直ドライバ91には、複数の2値・3値兼用出力ブロック93A,93B,93C,・・・の他に、記憶装置を有する2値・3値選択ブロック92が設けられている。この2値・3値選択ブロック92には、装置外部から選択信号s1が入力されている。選択信号s1は、該当する2値・3値兼用出力ブロックを2値出力ブロックとして動作させるか、3値出力ブロックとして動作させるかを設定する設定信号である。なお、駆動制御信号c1,c2,c3は、前述の実施例3において説明した駆動制御信号c1,c2,c3と同様の機能を有する(図8及び図9参照。)。
2値・3値兼用出力ブロック93A,93B,93C,・・・は、前述の実施例3と同様に、Highレベル出力ドライバ、Middleレベル出力ドライバ、2値専用Middleレベル出力ドライバ、Lowレベル出力ドライバ、及び2値専用Lowレベル出力ドライバを具備している。
2値・3値選択ブロック92、は記憶装置を備えており、外部からの選択信号s1により、全ての2値・3値兼用出力ブロック93A,93B,93C,・・・のそれぞれが3値出力ブロック、又は2値出力ブロックのいずれの出力ブロックとして動作するかを設定することができるよう構成されている。
従って、2値・3値選択ブロック92に対して、選択信号s1により2値・3値兼用出力ブロック93A,93B,93C,・・・の全チャンネル設定を一度記憶させることにより、CCDイメージセンサ2を駆動させることができる。また、対応するCCDイメージセンサ2の仕様が変更となった場合においても、選択信号s1により2値・3値選択ブロック92における記憶されたデータを変更することにより対応することが可能となる。
以下、本発明に係る実施例5として、半導体集積装置であるイメージセンサ駆動装置を用いた撮像装置について図11を用いて説明する。
図11は本発明に係る実施例5の撮像装置における垂直ドライバ94及びその周辺装置の構成を示すブロック図である。図11に示すように、垂直ドライバ94にはCCDイメージセンサ2の仕様に合わせて2値・3値兼用出力ブロック96A,96B,・・・が複数設けられている。実施例5の撮像装置において、垂直ドライバ94以外の構成は、図1に示した実施例1の撮像装置と同じである。実施例5の撮像装置において、前述の実施例1の撮像装置の構成要素と同じ、機能、構成を有するものには同じ符号を付し、その説明は実施例1における説明を適用する。
図11に示すように、タイミングジェネレータ7から垂直ドライバ94の複数の2値・3値兼用出力ブロック96A,96B,・・・のそれぞれに対して駆動制御信号c1,c2,c3が入力されている。実施例5における垂直ドライバ94には、複数の2値・3値兼用出力ブロック96A,96B,・・・の他に、記憶装置を有する2値・3値選択ブロック95が設けられている。2値・3値選択ブロック95には、装置の外部から選択信号s2が入力される構成である。選択信号s2は、該当する2値・3値兼用出力ブロックを2値出力ブロックとして動作させるか、3値出力ブロックとして動作させるかを設定する設定信号であるとともに、該当する2値・3値兼用出力ブロックの各出力レベルにおいて適切なオン抵抗を設定する設定信号である。
なお、駆動制御信号c1,c2,c3は、前述の実施例3において説明した駆動制御信号c1,c2,c3と同様の機能を有する(図8及び図9参照。)。
図11に示すように、2値・3値兼用出力ブロック96A,96B,・・・は、出力選択ロジック回路72、Highレベル出力ドライバ73、Middleレベル出力ドライバ74、及びLowレベル出力ドライバ76を具備している。さらに、各2値・3値兼用出力ブロック96A,96B,・・・は、能力調整用Highレベル出力ドライバ97、能力調整用Middleレベル出力ドライバ98、及び能力調整用Lowレベル出力ドライバ99、を具備している。図11においては、2値・3値兼用出力ブロック96Aのみ、その構成を記載したが、他の2値・3値兼用出力ブロックにおいても同様の構成を有する。
実施例5の撮像装置における垂直ドライバ94において、出力選択ロジック回路72にはタイミングジェネレータ7から駆動制御信号c1,c2,c3が入力され、2値・3値選択ブロック95から選択信号が入力される。駆動制御信号c1,c2,c3及び選択信号が入力された出力選択ロジック回路72は、各出力レベルにおいて適切にCCDイメージセンサ2を駆動できるように、各出力レベルにおいて能力調整用Highレベル出力ドライバ97、能力調整用Middleレベル出力ドライバ98、又は能力調整用Lowレベル出力ドライバ99における出力トランジスタを励起するよう構成されている。即ち、出力選択ロジック回路72は、外部から入力された選択信号s2に基づいて、各出力ドライバの出力トランジスタのオン抵抗を対応するCCDに合わせて調整している。
以上のように、実施例5の撮像装置における垂直ドライバ94においては、2値・3値選択ブロック95からの選択信号により、各出力ドライバにおける出力トランジスタのオン抵抗の微調整が可能となり、フルプログラマブルの垂直ドライバが構成が可能となる。
上記の各実施例で説明したように、本発明においては、CCDイメージセンサを適切に駆動させるために、垂直ドライバに2値・3値兼用出力ブロックを複数設けて、2値・3値兼用出力ブロックの各出力端子をCCDイメージセンサの読み出しゲートや転送ゲートに接続するとともに、各2値・3値兼用出力ブロックに対して制御信号を入力することにより可能となる。本発明においては、2値・3値兼用出力ブロックを複数準備しておけば、各種のCCDイメージセンサの仕様に合わせて、当該2値・3値兼用出力ブロックを任意に3値出力ブロック又は2値出力ブロックとして用いることができる。
本発明のイメージセンサ駆動装置においては、CCDイメージセンサの構造において、フォトダイオードからの読み出しゲート位置が変更され、2値・3値兼用出力ブロックの2値出力と3値出力が入れ替わった場合においても、タイミングジェネレータなどからの信号により柔軟に2値・3値兼用出力ブロックの3値出力と2値出力を切り替えることが可能となる。
本発明のイメージセンサ駆動装置である垂直ドライバの出力端子に接続されているCCDは容量と等価に置き換えることができるため、垂直ドライバの出力レベル電圧の切り替え時の立ち上がり時間、立ち下り時間は、垂直ドライバの出力トランジスタのオン抵抗を「R」、CCDの容量を「C」とすると、「RC」の時定数で決まる。CCDの容量は2値出力ブロック、3値出力ブロック、CCDの駆動方式などの種種により異なるため、2値・3値兼用出力ブロックを前述の各実施例で説明した構成とすることにより、CCDイメージセンサの駆動方式に適した出力トランジスタのオン抵抗を設定することができ、プログラマブルな垂直ドライバを構成することができる。
本発明は、イメージセンサ駆動装置を1つの半導体集積回路で構成することが可能であり、出力トランジスタのオン抵抗を調整することができるため、多岐にわたるイメージセンサ駆動装置として有効である。
本発明はイメージセンサを駆動するためのイメージセンサ駆動装置に関し、特にイメージセンサにおける垂直レジスタを駆動するイメージセンサ駆動装置に関する。
図12はCCDイメージセンサを有する一般的な撮像装置、例えばデジタルスチルカメラ等に用いられている撮像装置100の概略構成を示すブロック図である。図12に示すように、この撮像装置100には、レンズ、絞り機構及びシャッタ機構等の光学機器を有する光学ブロック101、光学ブロック101からの光を受け取り電気信号に変換するCCDイメージセンサ102、CCDイメージセンサ102からの電気信号をデジタル化するAFE(Analog Front-End)103、AFE103からのデジタル信号が入力されて画像信号を出力する画像処理部104、光学ブロック101の絞り機構やシャッタ機構等を制御する光学ブロック制御部105、CCDイメージセンサ102の垂直レジスタを駆動制御する垂直ドライバ106、画像処理部104からの同期信号等が入力されてCCDイメージセンサ102とAFE103と光学ブロック制御部105と垂直ドライバ106に駆動制御信号を出力するタイミングジェネレータ107が設けられている。ここで、AFE103はCDS(Correlated Double Sampling)、AGC(Automatic Gain Control)、ADC(Analog Digital Converter)を有して構成されている。
CCDイメージセンサ102は光学ブロック101からの光を電荷に変換するフォトダイオード、及び変換された電荷をAFE103に転送するための垂直レジスタと水平レジスタとを備えている。CCDイメージセンサ102の垂直レジスタと水平レジスタを駆動するためには、垂直駆動パルスと水平駆動パルスの各駆動信号を形成する必要がある。CCDイメージセンサ102の水平レジスタを駆動するための駆動信号はタイミングジェネレータ107から直接入力される。垂直レジスタを駆動する垂直駆動パルスは、水平駆動パルスに比べて、高電圧が必要であるため、垂直駆動パルスを生成するための垂直ドライバ106が設けられている。垂直駆動パルスの電圧としては、フォトダイオードに蓄積された電荷を垂直レジスタに転送するためのHighレベル電圧(例えば、+12V)、垂直レジスタに転送された電荷を、垂直レジスタ内を順次転送してから水平レジスタに転送するためのMiddleレベル電圧(例えば、0V)及びLowレベル電圧(例えば、−6V)の3種類の電圧が必要である。垂直ドライバ106は、タイミングジェネレータ107からの駆動制御信号を、CCDイメージセンサ102の垂直レジスタを駆動するための垂直駆動パルスに変換する。一方、水平駆動パルス(例えば、電圧が+3.3V)は、タイミングジェネレータ107において形成された駆動制御信号が用いられ、CCDイメージセンサ102に直接入力される。
図13は従来の垂直ドライバ106の概略内部構成を示すブロック図である。図13に示すように、垂直ドライバ106には、2値出力ブロック200と3値出力ブロック300の2種類の出力ブロックを備えている。2値出力ブロック200と3値出力ブロック300は、CCDイメージセンサ102の仕様、例えば、画素数、駆動方式等に応じて必要数備えられている。各2値出力ブロック200には、タイミングジェネレータ107からの駆動制御信号である1つの2値入力信号が入力され、CCDイメージセンサ102へ出力される1つの2値駆動信号を形成する。3値出力ブロック300にはタイミングジェネレータ107からの駆動制御信号である2つの2値入力信号が入力され、CCDイメージセンサ102へ出力される1つの3値駆動信号を形成する。
図14は従来の垂直ドライバ106における2値出力ブロック200と3値出力ブロック300のそれぞれの内部構成を示すブロック図である。2値出力ブロック200はタイミングジェネレータ107からの駆動制御信号を所望のMiddleレベル電圧(例えば、0V)又はLowレベル電圧(例えば、−6V)に変換してCCDイメージセンサ102の垂直レジスタに2値駆動信号として出力する。3値出力ブロック300はタイミングジェネレータ107からの駆動制御信号をHighレベル電圧(例えば、+12V)、Middleレベル電圧(例えば、0V)又はLowレベル電圧(例えば、−6V)に変換してCCDイメージセンサ102の垂直レジスタに3値駆動信号として出力する。
タイミングジェネレータ107からの駆動制御信号である、2値出力ブロック200への2値入力信号は、制御回路201に入力される。制御回路201から出力された制御信号は、Lowレベル電圧を出力するLowレベル出力ドライバ202、及びMiddleレベル電圧を出力するMiddleレベル出力ドライバ203に出力される。Lowレベル出力ドライバ202又はMiddleレベル出力ドライバ203のいずれかの出力ドライバが励起されて、Lowレベル電圧又はMiddleレベル電圧のいずれかの電圧が2値駆動信号として該当するCCDに出力される。
また、3値出力ブロック300には、第1の3値入力信号と第2の3値入力信号の2種類の駆動制御信号が入力される。第1の3値入力信号と第2の3値入力信号は制御回路301に入力される。制御回路301からの制御信号は、Lowレベル電圧を出力するLowレベル出力ドライバ302、Middleレベル電圧を出力するMiddleレベル出力ドライバ303、及びHighレベル電圧を出力するHighレベル出力ドライバ304に出力され、いずれかの出力ドライバ302,303,304を励起させる。その結果、3値出力ブロック300は所望の出力レベルの3値駆動信号を該当するCCDに出力する。
2値出力ブロック200と3値出力ブロック300のそれぞれが備えているLowレベル出力ドライバ202,302、Middleレベル出力ドライバ203,303、及び3値出力ブロック300が備えているHighレベル出力ドライバ304の各出力ドライバにおける出力トランジスタはCCDの駆動能力に合わせてオン抵抗が予め設定されている。
上記のように、従来の撮像装置100の垂直ドライバ106には複数の2値出力ブロック200と複数の3値出力ブロック300のそれぞれが別回路にて構成されていた。2値出力ブロック200と3値出力ブロック300は、共に出力レベルが切り替わるとき、出力トランジスタのオン抵抗とCCDイメージセンサ102の負荷容量の影響により、駆動信号における立ち上がり波形、及び立ち下がり波形が急峻ではなく緩やかになっている。CCDイメージセンサ102の負荷容量は画素数等によりその容量値が大きく変わるため、垂直ドライバ106はCCDイメージセンサ102の負荷容量に合わせた最適なオン抵抗を持つように各出力ドライバの出力トランジスタの素子サイズ(オン抵抗)を決定しなければならなかった。
従来において、撮像装置を設計する場合、そのイメージセンサのチャンネル数や駆動方式に対応するよう垂直ドライバを個別に開発し製造していた。したがって、イメージセンサの仕様に合った垂直ドライバをその都度設計する必要があり、開発工数、製造コストが増大していた。
特開昭60−019315号公報
前述のように、従来の撮像装置の構成においては、垂直ドライバが2値出力ブロックと3値出力ブロックとをそれぞれ複数設けた構成であるため、各イメージセンサに対応した垂直ドライバを個々に開発する必要があり、開発工数、製造コストの増大が大きな問題となっていた。
本発明の目的は、前述の従来における問題を解決するものであり、2値出力ブロックと3値出力ブロックの両方の機能を備えた出力ブロックを複数設けて、様々な仕様のイメージセンサに対応することができるイメージセンサ駆動装置を提供することである。
本発明のイメージセンサ駆動装置は、前述の目的を達成するために、2値出力ブロックと3値出力ブロックの両方の機能を備えた2値・3値兼用出力ブロックが設けられている。本発明によれば、2値・3値兼用出力ブロックをイメージセンサの駆動方式に合わせて複数用意することにより、様々な仕様のイメージセンサに対応する駆動装置を構築することが可能となる。本発明のイメージセンサ駆動装置においては、垂直ドライバの出力トランジスタのオン抵抗の値を選択制御信号により可変とすることができるため、出力トランジスタに低オン抵抗の切り替え手段を備える必要がなく、汎用性の高い垂直ドライバを提供することができる。
本発明のイメージセンサ駆動装置においては、2値出力ブロックと3値出力ブロックの両方の機能を兼ね備えた2値・3値兼用出力ブロックが複数設けられており、タイミングジェネレータからの駆動制御信号により、2値出力ブロック又は3値出力ブロックの機能を任意に選択することができる。
本発明のイメージセンサ駆動装置においては、2値・3値兼用出力ブロックを複数用意しておけばイメージセンサに合わせて、制御回路からの駆動制御信号により、2値・3値兼用出力ブロックを任意に3値出力ブロック又は2値出力ブロックとして設定でき、各種のCCDイメージセンサを駆動することが可能となる。
本発明のイメージセンサ用駆動装置において、2値・3値兼用出力ブロックは、複数の出力レベル電圧を出力する出力段トランジスタを複数備えており、駆動制御信号により各出力レベルの電圧を出力段トランジスタから選択出力することができる。
また、本発明のイメージセンサ用駆動装置においては、複数の出力レベル電圧を出力する出力トランジスタのオン抵抗を、出力端子に接続される素子に合わせて変更するために、出力選択ロジック回路において出力トランジスタを制御するよう構成されている。本発明においては、2値・3値兼用出力ブロックを複数用意することにより、イメージセンサのチャンネル数に合わせて、2値出力と3値出力のチャンネル数を任意に設定するこができる。
本発明の第1の観点のイメージセンサ用駆動装置は、イメージセンサを駆動するために2値又は3値の電圧レベルの信号を出力することが可能な2値・3値兼用出力ブロックを複数有するイメージセンサ駆動装置であって、
前記2値・3値兼用出力ブロックは、
第1の電圧レベルの信号を出力する第1の電圧レベル出力ドライバ、
第2の電圧レベルの信号を出力する第2の電圧レベル出力ドライバ、及び
第3の電圧レベルの信号を出力する第3の電圧レベル出力ドライバ、を有し、
前記2値・3値兼用出力ブロックは、入力された駆動制御信号に応じて前記第2の電圧レベル又は前記第3の電圧レベルのいずれかの信号を出力する2値出力動作を行うか、若しくは前記第1の電圧レベル、前記第2の電圧レベル又は前記第3の電圧レベルのいずれかの信号を出力する3値出力動作を行うよう構成されている。
本発明の第2の観点のイメージセンサ用駆動装置は、第1の観点の前記第1の電圧レベル出力ドライバ、前記第2の電圧レベル出力ドライバ及び前記第3の電圧レベル出力ドライバのそれぞれが複数の出力トランジスタを有して構成され、前記第1の電圧レベル出力ドライバ、前記第2の電圧レベル出力ドライバ及び前記第3の電圧レベル出力ドライバの各出力トランジスタが、入力された駆動制御信号により所定数だけ起動するよう構成されている。
本発明の第3の観点のイメージセンサ用駆動装置は、第1の観点の前記第2の電圧レベル出力ドライバ及び前記第3の電圧レベル出力ドライバのそれぞれが複数の出力トランジスタを有して構成され、前記2値・3値兼用出力ブロックが2値出力動作を行うとき、前記第2の電圧レベル出力ドライバ及び前記第3の電圧レベル出力ドライバは複数の出力ドライバが起動するよう構成されている。
本発明の第4の観点のイメージセンサ用駆動装置は、第1の観点の前記第2の電圧レベル出力ドライバが2値専用第2の電圧レベル出力ドライバを有し、
前記第3の電圧レベル出力ドライバが2値専用第3の電圧レベル出力ドライバを有し、
前記2値・3値兼用出力ブロックが2値出力動作を行うときのみ、前記第2の電圧レベル出力ドライバと共に前記2値専用第2の電圧レベル出力ドライバが起動し、若しくは前記第3の電圧レベル出力ドライバと共に前記2値専用第3の電圧レベル出力ドライバが起動するよう構成されている。
本発明の第5の観点のイメージセンサ用駆動装置は、第1の観点の装置外部からの選択信号により、前記前記2値・3値兼用出力ブロックが2値出力動作を行うか、3値出力動作を行うかが設定されるよう構成されている。
本発明の第6の観点のイメージセンサ用駆動装置は、第5の観点の前記2値・3値兼用出力ブロックが記憶手段を有し、前記2値・3値兼用出力ブロックが2値出力動作を行うか、3値出力動作を行うかを示す前記選択信号の情報を記憶するよう構成されている。
本発明の第7の観点のイメージセンサ用駆動装置は、第1の観点の前記第1の電圧レベル出力ドライバが能力調整第1の電圧レベル出力ドライバを有し、
前記第2の電圧レベル出力ドライバが能力調整第2の電圧レベル出力ドライバを有し、
前記第3の電圧レベル出力ドライバが能力調整第3の電圧レベル出力ドライバを有し、
装置外部からの駆動制御信号により前記イメージセンサの駆動能力に応じて前記能力調整第1の電圧レベル出力ドライバ、前記能力調整第2の電圧レベル出力ドライバ、及び前記能力調整第3の電圧レベル出力ドライバが起動するよう構成され、
装置外部からの選択信号により、前記2値・3値兼用出力ブロックが2値出力動作を行うか、3値出力動作を行うかが設定されるよう構成されている。
本発明の第8の観点のイメージセンサ用駆動装置は、第7の観点の前記2値・3値兼用出力ブロックが記憶手段を有し、前記2値・3値兼用出力ブロックが2値出力動作を行うか、3値出力動作を行うかを示す前記選択信号の情報を記憶するよう構成されている。
本発明の第9の観点のイメージセンサ用駆動装置は、第1の観点の前記第1の電圧レベルがHighレベル電圧であり、前記第2の電圧レベルがMiddleレベル電圧であり、そして前記第3の電圧レベルがLowレベル電圧であり、第1の電圧レベル>第2の電圧レベル>第3の電圧レベルの関係を有して、前記第1の電圧レベル、前記第2の電圧レベル及び前記第3の電圧レベルはCCDイメージセンサの垂直レジスタの駆動に用いられている。
本発明の第10の観点のイメージセンサ用駆動装置は、第1の観点の前記第1の電圧レベル出力ドライバ、前記第2の電圧レベル出力ドライバ及び前記第3の電圧レベル出力ドライバは、Nチャネル、若しくはPチャネルのMOSトランジスタで構成された請求項1に記載のイメージセンサ駆動装置。
本発明のイメージセンサ駆動装置は、2値出力ブロックと3値出力ブロックの両方の機能を兼ね備えた2値・3値兼用出力ブロックを複数設けて、タイミングジェネレータからの駆動制御信号により2値出力と3値出力とを切り替え、且つ出力トランジスタを制御することにより、出力トランジスタのオン抵抗を調整し、各出力レベルに対応する素子に合わせて出力ブロックの特性を最適化することが可能になる。この結果、本発明によれば、各種のイメージセンサに対応した垂直ドライバを個々に開発する必要がなくなり、開発工数、製造コストを大幅に抑制することができる。従って、本発明のイメージセンサ駆動装置においては、1つの垂直ドライバ用のLSI回路(Large-scale Integrated circuit)に予め備わっている各電圧レベルを出力する2値と3値の出力ブロックの機能を切り替えることにより、イメージセンサの駆動方式の違いにより別途LSIを設計する必要がなくなり、開発工数、製造コストを低減することが可能となる。
以下、本発明のイメージセンサ駆動装置の好適な実施例として、CCDイメージセンサを用いた撮像装置を例に挙げて添付の図面を参照しつつ説明する。なお、本発明の技術的思想はCCDイメージセンサに限定するものではなく、他のイメージセンサの駆動装置に適用することができる。
図1は、本発明に係る実施例1のイメージセンサ駆動装置を用いた撮像装置の概略構成を示すブロック図である。実施例1の撮像装置としては、デジタルスチルカメラを例に説明する。図1に示すように、撮像装置10には、レンズ、絞り機構及びシャッタ機構等の光学機器を有する光学ブロック1、光学ブロック1からの光を受け取り電気信号に変換するCCDイメージセンサ2、CCDイメージセンサ2からの電気信号をデジタル化するAFE(Analog Front-End)3、AFE3からのデジタル信号が入力されて画像処理して画像信号を出力する画像処理部4、光学ブロック1の絞り機構やシャッタ機構等を制御する光学ブロック制御部5、CCDイメージセンサ2の垂直レジスタを駆動制御する2値・3値兼用出力ブロックを有する垂直ドライバ6、及び画像処理部4からの同期信号等が入力されてCCDイメージセンサ2とAFE3と垂直ドライバ6とを駆動制御するタイミングジェネレータ7が設けられている。ここで、AFE3はCDS(Correlated Double Sampling)、AGC(Automatic Gain Control)、ADC(Analog Digital Converter)を有して構成されている。また、実施例1の撮像装置には、画像処理部4で処理するデータを記憶するメモリ8と、演算処理を行い画像処理部4とタイミングジェネレータ7と光学ブロック制御部5を制御するCPU(中央処理装置)9を有し、画像処理部4からの画像信号等はエンコーダ11及びDAコンバータ12を介して出力される。
図2はCCDイメージセンサ2の内部構造を示す概略構成図である。図2において、CCDイメージセンサ2は、光学ブロック1から入ってきた光を信号電荷に変換し蓄積するためのフォトダイオード13、フォトダイオード13に蓄積された信号電荷を垂直方向(図2において上から下方向)に転送するための垂直レジスタ14、垂直レジスタ14から受け取った信号電荷を水平方向(図2における右から左方向)に転送する水平レジスタ15、及び水平レジスタ15から信号電荷を受け取り、電圧に変換するための電荷-電圧変換回路16を有している。CCDイメージセンサ2には、その仕様に応じて複数の3値駆動信号用入力端子17と2値駆動信号用入力端子18が設けられている。また、電荷−電圧変換回路16には出力端子19が設けられている。
図2に示すように、CCDイメージセンサ2の基本動作は、フォトダイオード13において入ってきた光が信号電荷に変換され蓄積された後、対応する垂直レジスタ14のセルに読み出し転送(例えば、図2において矢印A方向への転送)が行われる。垂直レジスタ14に転送された信号電荷は、各セルを順次垂直転送(図2において矢印B方向への転送)される。垂直レジスタ14を垂直転送した信号電荷は、次に、水平レジスタ15の各セルを順次水平転送(図2において矢印C方向への転送)されていく。水平レジスタ15を水平転送した信号電荷は、電荷−電圧変換回路16に送られ電圧に変換される。
フォトダイオード13から垂直レジスタ14への読み出し転送(A)を行うためには、垂直ドライバ6の2値・3値兼用出力ブロックから出力される駆動信号である垂直駆動パルスのHighレベル電圧、例えば+12V、の電圧信号が用いられる。垂直レジスタ14において垂直転送(B)を行うためには、2値・3値兼用出力ブロックから出力される駆動信号である垂直駆動パルスのMiddleレベル電圧、例えば0CV、又はLowレベル電圧、例えば−6V、の電圧信号が用いられる。
図2に示したCCDイメージセンサ2の内部構造は、基本構造であり、画素の高画素化、駆動方式の多様化等によりその構造が異なっており、垂直ドライバ6の構成もCCDイメージセンサ2の仕様に応じて異なるものである。
図3は本発明に係る実施例1の撮像装置における垂直ドライバ6の2値・3値兼用出力ブロックの構成を示すブロック図である。垂直ドライバ6には、CCDイメージセンサ2の仕様に合わせて、図3に示した2値・3値兼用出力ブロックが複数設けられている。図3に示すように、垂直ドライバ6の各2値・3値兼用ブロックには、第1の制御回路20及び第2の制御回路21が設けられており、タイミングジェネレータ7からの駆動制御信号が入力されるよう構成されている。また、2値・3値兼用出力ブロックには、Highレベル電圧を形成するためのCCD駆動能力選択回路22とHighレベル出力ドライバ25、Middleレベル電圧を形成するためのCCD駆動能力選択回路23とMiddleレベル出力ドライバ26、及びLowレベル電圧を形成するためのCCD駆動能力選択回路24とLowレベル出力ドライバ27、が設けられている。2値・3値兼用垂直ドライバ6において形成された、Highレベル電圧、Middleレベル電圧又はLowレベル電圧は、出力端子30に接続されたCCDイメージセンサ2に出力され、CCDイメージセンサ2の垂直レジスタ14を駆動制御する。実施例1において、Highレベル電圧は+12Vであり、Middleレベル電圧は0Vであり、Lowレベル電圧は−6Vである。実施例1において、Highレベル電圧、Middleレベル電圧及びLowレベル電圧のためのCCD駆動能力選択回路22,23,24により選択回路が構成されている。
2値・3値兼用出力ブロックの第1の制御回路20にはタイミングジェネレータ7からの駆動制御信号が入力される第1の制御端子28と第2の制御端子29が設けられている。第2の制御回路21には3つの選択端子31,32,33が設けられている。
第1の制御回路20において形成された制御信号は、選択回路50におけるCCD駆動能力選択回路(Highレベル電圧)22、CCD駆動能力選択回路(Middleレベル電圧)23、及びCCD駆動能力選択回路(Lowレベル電圧)24のそれぞれに入力される。
なお、2値・3値兼用出力ブロックが2値出力ブロックとして機能するか、3値出力ブロックとして機能するかは、タイミングジェネレータ7から入力される駆動制御信号により決定される。2値出力ブロックとして機能する場合には第1の制御端子28に入力される駆動制御信号のみが用いられ、3値出力ブロックとして機能する場合には第1の制御端子28と第2の制御端子29に入力される2種類の駆動制御信号が用いられる。
さらに、各CCD駆動能力選択回路22,23,24は、第2の制御回路21からの選択信号により制御されている。第2の制御回路21には、外部からの入力信号である3種類の駆動制御信号が選択端子31,32,33のそれぞれを介して入力される。第2の制御回路21は、CCD駆動能力選択回路(Highレベル電圧)22、CCD駆動能力選択回路(Middleレベル電圧)23、及びCCD駆動能力選択回路(Lowレベル電圧)24のそれぞれに接続されており、それぞれに対して選択信号を出力する。
第2の制御回路21からの選択信号は、後述するように、Highレベル出力ドライバ25、Middleレベル出力ドライバ26及びLowレベル出力ドライバ27における出力トランジスタのオン抵抗を可変するために用いられる。
CCD駆動能力選択回路(Highレベル電圧)22、CCD駆動能力選択回路(Middleレベル電圧)23、及びCCD駆動能力選択回路(Lowレベル電圧)24からの信号は、Highレベル電圧が入力されているHighレベル出力ドライバ25、Middleレベル電圧が入力されているMiddleレベル出力ドライバ26、Lowレベル電圧が入力されているLowレベル出力ドライバ27にそれぞれ入力される。その結果、Highレベル出力ドライバ25、Middleレベル出力ドライバ26、又はLowレベル出力ドライバ27のいずれかが励起され、Highレベル電圧(+12V)、Middleレベル電圧(0V)、又はLowレベル電圧(−6V)のいずれかの電圧が出力端子30を介してCCDイメージセンサ2に出力される。
上記のように、実施例1の撮像装置における垂直ドライバ6においては、第1の制御回路20からの制御信号により、Highレベル出力ドライバ25、Middleレベル出力ドライバ26、Lowレベル出力ドライバ27のいずれかが駆動され、Highレベル電圧(+12V)、Middleレベル電圧(0V)、又はLowレベル電圧(−6V)のいずれかの電圧が出力される。
実施例1の撮像装置における垂直ドライバ6の各2値・3値兼用出力ブロックにおいて、Highレベル出力ドライバ25は複数の出力トランジスタ25a,25b、・・・が並列に接続されて構成されている。同様に、Middleレベル出力ドライバ26は出力トランジスタ26a,26b、・・・が並列に接続されており、Lowレベル出力ドライバ27は出力トランジスタ27a,27b、・・・が並列に接続されて構成されている。
Highレベル出力ドライバ25、Middleレベル出力ドライバ26、Lowレベル出力ドライバ27における各出力トランジスタはオン抵抗を有している。垂直ドライバ6における2値・3値兼用出力ブロックにおいては、各出力ドライバ25,26,27に複数の出力トランジスタが備えられているため、出力トランジスタの励起する個数を制御することにより、各出力ドライバ25,26,27の出力トランジスタのオン抵抗を可変することができる。
出力端子30はCCDイメージセンサ2に接続されており、出力端子30に接続されているCCDは容量を有している。このため、2値・3値兼用出力ブロックの出力レベル電圧の切り替え時の立ち上がり時間、立ち下り時間は、2値・3値兼用出力ブロックの出力トランジスタのオン抵抗に大きく依存する。出力トランジスタのオン抵抗を「R」、CCDの容量を「C」とすると、出力レベル切り替え時の立ち上がり時間及び立ち下がり時間は「RC」の時定数で決まる。CCDの容量は、2値出力構成、3値出力構成、及びCCDの駆動方式により異なるため、2値出力構成及び3値出力構成のそれぞれの場合において、CCDの駆動方式に適した出力トランジスタのオン抵抗を設定する必要がある。
例えば、Highレベル出力ドライバ25からHighレベル電圧を出力端子30に出力する場合、出力トランジスタを1つだけ使用した際の出力トランジスタのオン抵抗ではCCDを駆動できない場合がある。この場合には、第2の制御回路21からの選択信号によりHighレベル出力ドライバ25の出力トランジスタを複数同期して駆動するよう設定にすることにより、対応するCCDを駆動することが可能となる。即ち、実施例1の構成においては、選択信号によりHighレベル出力ドライバ25の出力トランジスタのサイズを増加して、所望のオン抵抗を設定することが可能となる。
同様に、Middleレベル出力ドライバ26及びLowレベル出力ドライバ27においても、複数の出力トランジスタが設けられているため、選択信号によりCCDの駆動方式に適した出力トランジスタのオン抵抗を設定することができる。
以上のように、実施例1の撮像装置における垂直ドライバ6においては、第1の制御回路20に入力された駆動制御信号により、2値・3値兼用出力ブロックがMiddleレベル電圧又はLowレベル電圧のいずれかの電圧を出力する2値出力ブロックとして機能し、若しくはHighレベル電圧、Middleレベル電圧又はLowレベル電圧のいずれかの電圧を出力する3値出力ブロックとして機能する。そして、第2の制御回路21に入力された選択信号により、各出力ドライバ25,26,27の出力トランジスタのオン抵抗を所望の値に設定することができる。
なお、実施例1の撮像装置における垂直ドライバ6においては、基本的には、各出力ドライバ25,26,27において1つの出力トランジスタが駆動される構成であり、必要があれば選択信号により複数の出力トランジスタが駆動されるよう構成されている。
以上のように、図3に示した実施例1における垂直ドライバ6の各2値・3値兼用出力ブロックにおいては、第1の制御回路20からの制御信号、及び第2の制御回路21からの選択信号により、出力レベル及びCCD駆動能力を選択することができる。従って、実施例1の撮像装置における垂直ドライバ6においては、タイミングジェネレータ7からの駆動制御信号と選択信号により2値・3値兼用出力ブロックの機能を切り替えられるプログラマブルな垂直ドライバを構成することが可能となる。選択信号は装置外部からの入力信号としてもよい。
なお、実施例1において、AFE3,垂直ドライバ6,タイミングジェネレータ7は半導体集積回路で構成されている。
以下、本発明に係る実施例2として、半導体集積装置であるイメージセンサ駆動装置を用いた撮像装置について図4を用いて説明する。
図4は本発明に係る実施例2の撮像装置における垂直ドライバ60の1つの2値・3値兼用出力ブロックの構成を示すブロック図である。実施例2の撮像装置において、垂直ドライバ60以外の構成は、図1に示した実施例1の撮像装置と同じである。実施例2において、前述の実施例1の撮像装置の構成要素と同じ、機能、構成を有するものには同じ符号を付し、その説明は実施例1における説明を適用する。
実施例2の撮像装置における垂直ドライバ60には、CCDイメージセンサ2の仕様に合わせて複数の2値・3値兼用出力ブロックが設けられている。実施例2における垂直ドライバ60は、実施例1の垂直ドライバ6と異なり、Highレベル電圧のためのCCD駆動能力選択回路が設けられておらず、制御信号がHighレベル出力ドライバ36に直接入力されるよう構成されている。なお、実施例2における垂直ドライバ60には、Middleレベル電圧を形成するためのCCD駆動能力選択回路34とMiddleレベル出力ドライバ37、及びLowレベル電圧を形成するためのCCD駆動能力選択回路35とLowレベル出力ドライバ38、が設けられている。垂直ドライバ60において形成された、駆動信号であるHighレベル電圧、Middleレベル電圧又はLowレベル電圧は、出力端子30を介してCCDイメージセンサ2に出力され、CCDイメージセンサ2の垂直レジスタを駆動制御する。
実施例2の撮像装置における垂直ドライバ60において、第1の制御回路20からの制御信号はHighレベル電圧が接続されているHighレベル出力ドライバ36と、CCD駆動能力選択回路(Middleレベル電圧)34と、CCD駆動能力選択回路(Lowレベル電圧)35に入力される。
なお、2値・3値兼用出力ブロックが2値出力ブロックとして機能するか、3値出力ブロックとして機能するかは、タイミングジェネレータ7から入力される駆動制御信号により決定される。2値出力ブロックとして機能する場合には第1の制御端子28に入力される駆動制御信号のみが用いられ、3値出力ブロックとして機能する場合には第1の制御端子28と第2の制御端子29に入力される2種類の駆動制御信号が用いられる。
第2の制御回路39には、装置外部からの入力信号である選択信号が選択端子40を介して入力される。第2の制御回路39は、CCD駆動能力選択回路(Middleレベル電圧)34、及びCCD駆動能力選択回路(Lowレベル電圧)35のそれぞれに接続されており、それぞれに対して選択信号を出力する。CCD駆動能力選択回路(Middleレベル電圧)34とCCD駆動能力選択回路(Lowレベル電圧)35は、第2の制御回路39からの選択信号により駆動制御される。
第2の制御回路39からの選択信号は、実施例1において説明したように、Middleレベル出力ドライバ37及びLowレベル出力ドライバ38における出力トランジスタのオン抵抗を可変するために用いられる。これは、2値・3値兼用出力ブロックを2値出力ブロックとして使用する場合には、3値出力ブロックとして使用した場合に比べて出力トランジスタのオン抵抗を小さくする必要があるためである。従って、2値・3値兼用出力ブロックを2値出力ブロックとして使用する場合、Middleレベル電圧を出力するときにはCCD駆動能力選択回路(Middleレベル電圧)34によりMiddleレベル出力ドライバ37における2つの出力トランジスタ37a,37bが並列に用いられる。そして、Lowレベル電圧を出力するときには、CCD駆動能力選択回路(Lowレベル電圧)35によりLowレベル出力ドライバ38における2つの出力トランジスタ38a,38bが並列に用いられる。このように構成された実施例2の撮像装置においては、2値出力ブロックとして使用する場合には、Middleレベル出力ドライバ37及びLowレベル出力ドライバ38における出力トランジスタのオン抵抗が、CCDを適切に駆動できるよう所望の値に低減される。
なお、実施例2の撮像装置においては、2値・3値兼用出力ブロックを3値出力ブロックとして使用する場合、Highレベル出力ドライバ36の1つの出力トランジスタ36aが用いられ、Middleレベル出力ドライバ37の1つの出力トランジスタ37aが用いられ、及びLowレベル出力ドライバ38の1つの出力トランジスタ38aが用いられる。
実施例2の撮像装置における垂直ドライバ60の技術的手段は、既存の3値出力ブロックを2値出力ブロックとして使用する場合、及び垂直ドライバを2種類のパターンで切り替える構成とする場合に用いることができる有効な手段である。
上記のように、本発明のイメージセンサ駆動装置は、CCD(Charge Coupled Device)の垂直レジスタを駆動するための半導体集積装置であって、
CCDを接続している出力を共通に接続したHighレベル出力ドライバ、Middleレベル出力ドライバ、及びLowレベル出力ドライバをそれぞれ複数個備え、
前記Highレベル出力ドライバ、前記Middleレベル出力ドライバ、前記Lowレベル出力ドライバは、CCDを駆動するためのHighレベル電圧、Middleレベル電圧、Lowレベル電圧を出力する出力ドライバであり、
前記Highレベル出力ドライバ、前記Middleレベル出力ドライバ、前記Lowレベル出力ドライバの3種類のレベルを選択出力するための第1の制御回路を備え、
前記第1の制御回路により、出力にHighレベル電圧、Middleレベル電圧、Lowレベル電圧の3値を出力でき、CCDの駆動能力に応じて前記Highレベル出力ドライバ、前記Middleレベル出力ドライバ、前記Lowレベル出力ドライバを駆動する選択回路を備え、
前記選択回路を外部からの信号で前記Highレベル出力ドライバ、前記Middleレベル出力ドライバ、前記Lowレベル出力ドライバを任意の数駆動することのできる制御信号を出力する第2の制御回路2を備えている。
また、本発明のイメージセンサ駆動装置は、第1の制御回路、第2の制御回路、Highレベル出力ドライバ、Middleレベル出力ドライバ、Lowレベル出力ドライバ、及び選択回路で構成された2値・3値兼用出力ブロックを複数個備えている。
また、本発明のイメージセンサ駆動装置において、Highレベル出力ドライバ、Middleレベル出力ドライバ、Lowレベル出力ドライバは、Nチャネル、若しくはPチャネルMOSトランジスタで構成されている。
本発明のイメージセンサ駆動装置は、Highレベル出力ドライバ、Middleレベル出力ドライバ、Lowレベル出力ドライバはNチャネル若しくはPチャネルMOSトランジスタで構成され、各レベル電圧及び出力端子に接続されている。
本発明のイメージセンサ駆動装置は、選択回路が、CCDイメージセンサを駆動する能力を変更する2値・3値兼用出力ブロックに備わっている。
本発明のイメージセンサ駆動装置は、第2の制御回路が、CCDイメージセンサを駆動する能力を切り替える数に応じた入力端子数を有している。
以下、本発明に係る実施例3として、半導体集積装置であるイメージセンサ駆動装置を用いた撮像装置について図5を用いて説明する。
図5は本発明に係る実施例3の撮像装置における垂直ドライバ70及びその周辺装置の構成を示すブロック図である。図5に示すように、垂直ドライバ70にはCCDイメージセンサ2の仕様に合わせて2値・3値兼用出力ブロックが複数設けられている。実施例3の撮像装置において、垂直ドライバ70以外の構成は、図1に示した実施例1の撮像装置と同じである。実施例3の撮像装置において、前述の実施例1の撮像装置の構成要素と同じ、機能、構成を有するものには同じ符号を付し、その説明は実施例1における説明を適用する。
図5に示すように、タイミングジェネレータ7からは垂直ドライバ70の複数の2値・3値兼用出力ブロック71A,71B,71C,・・・のそれぞれに対して駆動制御信号が入力されている。図5において、垂直ドライバ70に複数設けられている2値・3値兼用出力ブロック71A,71B,71C,・・・の1つの構成を代表例としてブロック図で示している。2値・3値兼用出力ブロック71Aは、当該2値・3値兼用出力ブロック71Aを2値出力ブロックとして用いるか、3値出力ブロックとして用いるかを選択する出力選択ロジック回路72を有している。出力選択ロジック回路72には、垂直ドライバ70を駆動制御するためのタイミングジェネレータ7からの駆動制御信号c1,c2,c3,c4が入力される。また、2値・3値兼用出力ブロック71Aは、Highレベル出力ドライバ73、Middleレベル出力ドライバ74、2値専用Middleレベル出力ドライバ75、Lowレベル出力ドライバ76、及び2値専用Lowレベル出力ドライバ77を具備している。なお、上記の各出力ドライバ73〜77は出力トランジスタで構成されている。
Highレベル出力ドライバ73は、出力選択ロジック回路72からの制御信号によりHighレベル電圧(例えば、+12V)をCCDイメージセンサ2に出力するトランジスタ回路である。Highレベル出力ドライバ73の出力トランジスタにはPchのMOSトランジスタが設けられている。Middleレベル出力ドライバ74は、出力選択ロジック回路72からの制御信号によりMiddleレベル電圧(例えば、0V)をCCDイメージセンサ2に出力するトランジスタ回路である。Lowレベル出力ドライバ76は、出力選択ロジック回路72からの制御信号によりLowレベル電圧(例えば、−6V)をCCDイメージセンサ2に出力するトランジスタ回路である。
2値専用Middleレベル出力ドライバ75は、当該2値・3値兼用出力ブロック71Aが2値出力ブロックとして機能する場合、出力選択ロジック回路72からの制御信号によりMiddleレベル出力ドライバ74とともに励起されて、Middleレベル電圧をCCDイメージセンサ2に出力するトランジスタ回路である。2値専用Lowレベル出力ドライバ77は、当該2値・3値兼用出力ブロック71Aが2値出力ブロックとして機能する場合、出力選択ロジック回路72からの制御信号によりLowレベル出力ドライバ76とともに励起されて、Lowレベル電圧をCCDイメージセンサ2に出力するトランジスタ回路である。
上記のように構成された2値・3値兼用出力ブロック71Aと同じ構成の出力ブロックが複数設けられて垂直ドライバ70が構成されている。図5に示す垂直ドライバ70において、最上段に記載されている2値・3値兼用出力ブロック71Aは、CCDイメージセンサ2におけるフォトダイオード13から垂直レジスタ14への読み出し転送及び垂直レジスタ14の垂直転送に用いられるため、3値出力ブロックとして動作する。図5においては、最上段に記載されている2値・3値兼用出力ブロック71Aが3値の垂直駆動パルスa1をフォトダイオード13と垂直レジスタ14に出力している。
図5の垂直ドライバ70において、2段目に記載されている2値・3値兼用出力ブロック71Bは、CCDイメージセンサ2における垂直レジスタ14の垂直転送に用いられるため、2値出力ブロックとして動作する。この2値・3値兼用出力ブロック71Bは2値の垂直駆動パルスb1を垂直レジスタ14に出力している。
上記のように、垂直ドライバ70における2値・3値兼用出力ブロック71A,71B,71C,・・・は、対応するCCDイメージセンサ2の仕様に応じて、2値出力ブロック又は3値出力ブロックとしての機能が決定される。なお、図5においては、2値・3値兼用出力ブロック71A,71B,71C,・・・が出力する3値の垂直駆動パルスをa1,a2,a3として示し、2値の垂直駆動パルスをb1,b2,b3として示す。
図6は図5に示したフォトダイオード13と垂直レジスタ14を有するCCDイメージセンサ2の断面構造を示す図である。図6において、符号81はN型基板、符号82はP型ウェル、符号83は読み出しゲート、符号84は転送ゲート、符号85は遮光膜を示している。読み出しゲート83及び転送ゲート84は、それぞれ入力端子86,87,88,・・・に接続されている。また、図6においては、フォトダイオードを13A,13B,13Cとして示している。垂直ドライバ70からの3値の垂直駆動パルスa1,a2,a3は対応する読み出しゲート83と転送ゲート84に入力される。垂直ドライバ70からの2値の垂直駆動パルスb1,b2は対応する転送ゲート84に入力される。
図6に示すCCDイメージセンサ2において、フォトダイオード13Aに蓄積された信号電荷は、入力端子86を介して読み出しゲート83に印加されたHighレベル電圧により、フォトダイオード13Aから垂直レジスタ14に信号電荷が転送される。転送された信号電荷は、垂直レジスタ14に沿って水平レジスタの方向に順次転送される。信号電荷が転送されるときは、入力端子87,88,89・・・においてMiddleレベル電圧とLowレベル電圧の2値の信号を適宜切り替えて転送が行われる。
図7はCCDイメージセンサ2に入力される駆動信号である垂直駆動パルスa1,a2,a3及びb1,b2,b3のタイミングチャートである。図7はCCDイメージセンサ2において信号電荷の転送を行う場合の垂直駆動パルスa1,a2,a3及びb1,b2,b3のタイミングチャートの1例を示している。
次に、上記のように構成された実施例3の撮像装置における垂直ドライバ70の動作について説明する。
[3値出力ブロックとしての動作]
まず、垂直ドライバ70における2値・3値兼用出力ブロック(例えば、図5における最上段の2値・3値兼用出力ブロック71A)を3値出力ブロックとして動作させる場合について説明する。下記の動作においては、2値・3値兼用出力ブロック71Aが3値出力ブロックとしてHighレベル電圧(+12V)、Middleレベル電圧(0V)又はLowレベル電圧(−6V)をCCDイメージセンサ2のフォトダイオード13と垂直レジスタ14に出力する場合について説明する。
タイミングジェネレータ7から2値・3値兼用出力ブロック71Aには駆動制御信号c1,c2,c3,c4が入力されるよう構成されている。駆動制御信号c1,c2は、3値出力ブロックとして動作する場合の入力信号である。駆動制御信号c3は、2値出力ブロックとして動作する場合の入力信号である。駆動制御信号c4は、当該2値・3値兼用出力ブロック71Aを3値出力ブロックとして用いるか、2値出力ブロックとして用いるかを選択する入力信号である。当該2値・3値兼用出力ブロック71Aを3値出力ブロックとして使用する場合、一例として駆動制御信号c4はGNDレベル電圧(0V)の信号となる。また、2値・3値兼用出力ブロック71Bを2値出力ブロックとして使用する場合、駆動制御信号c4はVDC電圧(例えば、+3.3V)の信号となる。
なお、タイミングジェネレータ7から入力される各駆動制御信号c1,c2,c3,c4は、VDC電圧、若しくはGNDレベル電圧を示す信号である。
[3値出力ブロックにおけるHighレベル電圧出力]
2値・3値兼用出力ブロック71Aが3値出力ブロックとしてHighレベル電圧を出力させる場合の動作を説明する。Highレベル電圧を出力させる場合、2値・3値兼用出力ブロック71AにGNDレベル電圧の駆動制御信号c1とGNDレベル電圧の駆動制御信号c2が入力される。駆動制御信号c3は2値出力ブロックとして動作するときの入力信号であるため、3値出力ブロックとして動作する2値・3値兼用出力ブロック71Aに対してはVDC電圧又はGNDレベル電圧のいずれかの信号で固定される。駆動制御信号C4は、3値出力ブロックとして動作させるためにGNDレベル電圧の信号である。
2値・3値兼用出力ブロック71Aに対して、上記の駆動制御信号c1,c2,c3,c4が出力選択ロジック回路72に入力されることにより、2値・3値兼用出力ブロック71Aは3値出力ブロックとして動作し、Highレベル電圧を出力する。
上記のように駆動制御信号c1,c2,c3,c4が入力された出力選択ロジック回路72は、Highレベル出力ドライバ73、Middleレベル出力ドライバ74、2値専用Middleレベル出力ドライバ75、Lowレベル出力ドライバ76、2値専用Lowレベル出力ドライバ77の各出力トランジスタに対して下記に示す電圧を印加することにより、2値・3値兼用出力ブロック71AはHighレベル電圧を出力する。
Highレベル出力ドライバ73の出力トランジスタのゲートにはLowレベル電圧が印加され、Highレベル出力ドライバ73の出力トランジスタをオンさせる。Middleレベル出力ドライバ74の出力トランジスタのゲートにはLowレベル電圧が印加され、Middleレベル出力ドライバ74の出力トランジスタをオフさせる。Lowレベル出力ドライバ76の出力トランジスタのゲートにはLowレベル電圧が印加され、Lowレベル出力ドライバ76の出力トランジスタをオフさせる。また、2値専用Middleレベル出力ドライバ75の出力トランジスタ、及び2値専用Lowレベル出力ドライバ77の出力トランジスタの各ゲートにはLowレベル電圧が印加され、2値専用Middleレベル出力ドライバ75及び2値専用Lowレベル出力ドライバ77のそれぞれの出力トランジスタをオフさせる。
上記のように、出力選択ロジック回路72が、Highレベル出力ドライバ73、Middleレベル出力ドライバ74、2値専用Middleレベル出力ドライバ75、Lowレベル出力ドライバ76、2値専用Lowレベル出力ドライバ77における各出力トランジスタのゲートに対して所望の電圧を印加して、2値・3値兼用出力ブロック71Aは3値出力ブロックとしてHighレベル電圧の垂直駆動パルスa1を出力する。
[3値出力ブロックにおけるMiddleレベル電圧出力]
次に、2値・3値兼用出力ブロック71Aが3値出力ブロックとしてMiddleレベル電圧を出力させる場合の動作を説明する。
2値・3値兼用出力ブロック71Aにおいて、Middleレベル電圧を出力させる場合、2値・3値兼用出力ブロック71AにGNDレベル電圧の駆動制御信号c1と、VDC電圧の駆動制御信号c2が入力される。駆動制御信号c3は2値出力ブロックとして動作するときの入力信号であるため、3値出力ブロックとして動作する2値・3値兼用出力ブロック71Aに対してはVDC電圧又はGNDレベル電圧のいずれかの信号で固定される。駆動制御信号C4は、3値出力ブロックとして動作させるためにGNDレベル電圧の信号である。
2値・3値兼用出力ブロック71Aに対して、上記の駆動制御信号c1,c2,c3,c4が出力選択ロジック回路72に入力されることにより、2値・3値兼用出力ブロック71Aは3値出力ブロックとして動作し、Middleレベル電圧を出力する。
上記のように駆動制御信号c1,c2,c3,c4が入力された出力選択ロジック回路72は、Highレベル出力ドライバ73、Middleレベル出力ドライバ74、2値専用Middleレベル出力ドライバ75、Lowレベル出力ドライバ76、2値専用Lowレベル出力ドライバ77の各出力トランジスタに対して下記に示す電圧を印加することにより、2値・3値兼用出力ブロック71AはMiddleレベル電圧を出力する。
Highレベル出力ドライバ73の出力トランジスタのゲートにはHighレベル電圧が印加され、Highレベル出力ドライバ73の出力トランジスタをオフさせる。Middleレベル出力ドライバ74の出力トランジスタのゲートにはHighレベル電圧が印加され、Middleレベル出力ドライバ74の出力トランジスタをオンさせる。Lowレベル出力ドライバ76の出力トランジスタのゲートにはLowレベル電圧が印加され、Lowレベル出力ドライバの出力トランジスタをオフさせる。また、2値専用Middleレベル出力ドライバ75の出力トランジスタ、及び2値専用Lowレベル出力ドライバ77の出力トランジスタの各ゲートにはLowレベル電圧が印加され、2値専用Middleレベル出力ドライバ75及び2値専用Lowレベル出力ドライバ77のそれぞれの出力トランジスタをオフさせる。
上記のように、出力選択ロジック回路72が、Highレベル出力ドライバ73、Middleレベル出力ドライバ74、2値専用Middleレベル出力ドライバ75、Lowレベル出力ドライバ76、2値専用Lowレベル出力ドライバ77における各出力トランジスタのゲートに対して所望の電圧を印加して、2値・3値兼用出力ブロック71Aは3値出力ブロックとしてMiddleレベル電圧の垂直駆動パルスa1を出力する。
[3値出力ブロックにおけるLowレベル電圧出力]
次に、2値・3値兼用出力ブロック71Aが3値出力ブロックとしてLowレベル電圧を出力させる場合の動作を説明する。
2値・3値兼用出力ブロック71Aにおいて、Lowレベル電圧を出力させる場合、2値・3値兼用ブロック71AにVDC電圧の駆動制御信号c1と、VDC電圧の駆動制御信号c2が入力される。駆動制御信号c3は2値出力ブロックとして動作するときの入力信号であるため、3値出力ブロックとして動作する2値・3値兼用出力ブロック71Aに対してはVDC電圧又はGNDレベル電圧のいずれかの信号で固定される。駆動制御信号C4は、3値出力ブロックとして動作させるためにGNDレベル電圧の信号である。
2値・3値兼用出力ブロック71Aに対して、上記の駆動制御信号c1,c2,c3,c4が出力選択ロジック回路72に入力されることにより、2値・3値兼用出力ブロック71Aは3値出力ブロックとして動作し、Lowレベル電圧を出力する。
上記のように駆動制御信号c1,c2,c3,c4が入力された出力選択ロジック回路72は、Highレベル出力ドライバ73、Middleレベル出力ドライバ74、2値専用Middleレベル出力ドライバ75、Lowレベル出力ドライバ76、2値専用Lowレベル出力ドライバ77の各出力トランジスタに対して下記に示す電圧を印加することにより、2値・3値兼用出力ブロック71AはLowレベル電圧を出力する。
Highレベル出力ドライバ73の出力トランジスタのゲートにはHighレベル電圧が印加され、Highレベル出力ドライバ73の出力トランジスタをオフさせる。Middleレベル出力ドライバ74の出力トランジスタのゲートにはLowレベル電圧が印加され、Middleレベル出力ドライバ74の出力トランジスタをオフさせる。Lowレベル出力ドライバ76の出力トランジスタのゲートにはHighレベル電圧が印加され、Lowレベル出力ドライバ76の出力トランジスタをオンさせる。また、2値専用Middleレベル出力ドライバ75、及び2値専用Lowレベル出力ドライバ77の出力トランジスタの各ゲートにはLowレベル電圧が印加され、2値専用Middleレベル出力ドライバ75及び2値専用Lowレベル出力ドライバ77のそれぞれの出力トランジスタをオフさせる。
上記のように、出力選択ロジック回路72が、Highレベル出力ドライバ73、Middleレベル出力ドライバ74、2値専用Middleレベル出力ドライバ75、Lowレベル出力ドライバ76、2値専用Lowレベル出力ドライバ77における各出力トランジスタのゲートに対して所望の電圧を印加して、2値・3値兼用出力ブロック71Aは3値出力ブロックとしてLowレベル電圧の垂直駆動パルスa1を出力する。
図8は図5に示した垂直ドライバ70における2値・3値兼用出力ブロック71Aの入出力電圧波形の関係を示すタイミングチャートである。図8は、2値・3値兼用出力ブロック71Aに対してGNDレベル電圧の駆動制御信号c4が入力されて3値出力ブロックとして機能している場合である。図8の(a)は2値・3値兼用出力ブロック71Aに入力される駆動制御信号c1であり、(b)は駆動制御信号c2であり、(c)は2値・3値兼用出力ブロック71Aから出力される駆動信号である3値の垂直駆動パルスa1,a2,a3である。
上記のように、実施例3における垂直ドライバ70の2値・3値兼用出力ブロック71Aは、入力される駆動制御信号c4がGNDレベル電圧に設定されることにより、Highレベル電圧、Middleレベル電圧、又はLowレベル電圧の3種類の電圧のいずれかを出力する3値出力ブロックと同等の動作を行う。
図8に示すように、2値・3値兼用出力ブロック71Aが3値出力ブロックとして動作する場合には、駆動制御信号c1及びc2が共にVDC電圧のとき、出力信号である垂直駆動パルスa1,a2,a3はLowレベル電圧である。駆動制御信号c1がGNDレベル電圧であり、駆動制御信号c2がVDC電圧のとき、出力信号である垂直駆動パルスa1,a2,a3はMiddleレベル電圧である。そして、駆動制御信号c1及びc2が共にGNDレベル電圧のとき、出力信号である垂直駆動パルスa1,a2,a3はHighレベル電圧である。
上記のように、実施例3の撮像装置における垂直ドライバ70においては、2値・3値兼用出力ブロック71Aに対して所望の駆動制御信号c1,c2,c3,c4が入力されることにより、2値・3値兼用出力ブロックは3値出力ブロックとして、Lowレベル電圧、Middleレベル電圧、又はHighレベル電圧のいずれかの電圧をCCDイメージセンサ2に対して出力することができる。
[2値出力ブロックとしての動作]
次に、垂直ドライバ70における2値・3値兼用出力ブロック(例えば、図5における2段目の2値・3値兼用出力ブロック71B)を2値出力ブロックとして動作させる場合について以下に説明する。下記の動作においては、2値・3値兼用出力ブロック71Bが2値出力ブロックとしてMiddleレベル電圧(0V)又はLowレベル電圧(−6V)をCCDイメージセンサ2の垂直レジスタ14に出力する場合について説明する。なお、2値・3値兼用出力ブロック71Bは図5に示した2値・3値兼用出力ブロック71Aと同じ構成であるため、図5に示した符号を用いて説明する。
タイミングジェネレータ7から垂直ドライバ70の2値・3値兼用出力ブロック71Bに対しても、他の2値・3値兼用出力ブロックと同様にVDC電圧又はGNDレベル電圧の駆動制御信号c1,c2,c3,c4が入力されるよう構成されている。
[2値出力ブロックにおけるMiddleレベル電圧出力]
2値・3値兼用出力ブロック71Bに入力される駆動制御信号c1及びc2は、3値出力ブロックとして動作するときの入力信号であるため、2値出力ブロックとして動作する2値・3値兼用出力ブロック71Bに対してはVDC電圧又はGNDレベル電圧のいずれかの信号で固定される。Middleレベル電圧を出力させる場合、2値・3値兼用出力ブロック71BにGNDレベル電圧の駆動制御信号c3が入力される。駆動制御信号C4は、2値出力ブロックとして動作させるためにVDC電圧の信号である。
2値・3値兼用出力ブロック71Bに対して、上記の駆動制御信号c1,c2,c3,c4が出力選択ロジック回路72に入力されることにより、2値・3値兼用出力ブロック71Bは2値出力ブロックとして動作し、Middleレベル電圧を出力する。
上記のように駆動制御信号c1,c2,c3,c4が入力された2値・3値兼用出力ブロック71Bの出力選択ロジック回路72は、Highレベル出力ドライバ73、Middleレベル出力ドライバ74、2値専用Middleレベル出力ドライバ75、Lowレベル出力ドライバ76、2値専用Lowレベル出力ドライバ77の各出力トランジスタに対して下記に示す電圧を印加することにより、2値・3値兼用出力ブロック71BはMiddleレベル電圧を出力する。
Highレベル出力ドライバ73の出力トランジスタのゲートにはHighレベル電圧が印加され、Highレベル出力ドライバ73の出力トランジスタをオフさせる。Middleレベル出力ドライバ74の出力トランジスタのゲートにはHighレベル電圧が印加され、Middleレベル出力ドライバ74の出力トランジスタをオンさせる。Lowレベル出力ドライバ76の出力トランジスタのゲートにはLowレベル電圧が印加され、Lowレベル出力ドライバ76の出力トランジスタをオフさせる。2値専用Middleレベル出力ドライバ75の出力トランジスタのゲートにはHighレベル電圧が印加され、2値専用Middleレベル出力ドライバ75の出力トランジスタをオンさせる。2値専用Lowレベル出力ドライバ77の出力トランジスタのゲートにはLowレベル電圧が印加され、2値専用Lowレベル出力ドライバ77の出力トランジスタをオフさせる。
上記のように、出力選択ロジック回路72が、Highレベル出力ドライバ73、Middleレベル出力ドライバ74、2値専用Middleレベル出力ドライバ75、Lowレベル出力ドライバ76、2値専用Lowレベル出力ドライバ77における各出力トランジスタのゲートに対して所望の電圧を印加して、2値・3値兼用出力ブロック71Bは2値出力ブロックとしてMiddleレベル電圧の垂直駆動パルスb1を出力する。即ち、2値・3値兼用出力ブロック71Bが2値出力ブロックとしてMiddleレベル電圧を出力する場合、Middleレベル出力ドライバ74及び2値専用Middleレベル出力ドライバ75が励起されて、Middleレベル電圧出力時の出力トランジスタのオン抵抗が低減されている。
[2値出力ブロックにおけるLowレベル電圧出力]
次に、2値・3値兼用出力ブロック71Bにおいて、Lowレベル電圧を出力させる場合、駆動制御信号c1及びc2は、3値出力ブロックとして動作するときの入力信号であるため、2値出力ブロックとして動作する2値・3値兼用出力ブロック71Bに対してはVDC電圧又はGNDレベル電圧のいずれかの信号で固定される。Lowレベル電圧を出力させる場合、2値・3値兼用出力ブロック71BにVDC電圧の駆動制御信号c3が入力される。駆動制御信号C4は、2値出力ブロックとして動作させるためにVDC電圧の信号である。
2値・3値兼用出力ブロック71Bに対して、上記の駆動制御信号c1,c2,c3,c4が出力選択ロジック回路72に入力されることにより、2値・3値兼用出力ブロック71Bは2値出力ブロックとして動作し、Lowレベル電圧を出力する。
上記のように駆動制御信号c1,c2,c3,c4が入力された2値・3値兼用出力ブロック71Bの出力選択ロジック回路72は、Highレベル出力ドライバ73、Middleレベル出力ドライバ74、2値専用Middleレベル出力ドライバ75、Lowレベル出力ドライバ76、2値専用Lowレベル出力ドライバ77の各出力トランジスタに対して下記に示す電圧を印加して、2値・3値兼用出力ブロック71BがLowレベル電圧を出力する。
Highレベル出力ドライバ73の出力トランジスタのゲートにはHighレベル電圧が印加され、Highレベル出力ドライバ73の出力トランジスタをオフさせる。Middleレベル出力ドライバ74の出力トランジスタのゲートにはLowレベル電圧が印加され、Middleレベル出力ドライバ74の出力トランジスタをオフさせる。Lowレベル出力ドライバ76の出力トランジスタのゲートにはHighレベル電圧が印加され、Lowレベル出力ドライバの出力トランジスタをオンさせる。2値専用Middleレベル出力ドライバ75の出力トランジスタのゲートにはLowレベル電圧が印加され、2値専用Middleレベル出力ドライバ75の出力トランジスタをオフさせる。2値専用Lowレベル出力ドライバ77の出力トランジスタのゲートにはHighレベル電圧が印加され、2値専用Lowレベル出力ドライバ77の出力トランジスタをオンさせる。
上記のように、出力選択ロジック回路72が、Highレベル出力ドライバ73、Middleレベル出力ドライバ74、2値専用Middleレベル出力ドライバ75、Lowレベル出力ドライバ76、2値専用Lowレベル出力ドライバ77における各出力トランジスタのゲートに対して所望の電圧を印加して、2値・3値兼用出力ブロック71Bは2値出力ブロックとしてLowレベル電圧の垂直駆動パルスb1を出力する。即ち、2値・3値兼用出力ブロック71Bが2値出力ブロックとしてLowレベル電圧を出力する場合、Lowレベル出力ドライバ76及び2値専用Lowレベル出力ドライバ77が励起されて、Lowレベル電圧出力時の出力トランジスタのオン抵抗が低減されている。
実施例3の撮像装置における垂直ドライバ70においては、2値・3値兼用出力ブロック71Bを2値出力ブロックとして動作させる場合、Middleレベル電圧の出力時にはMiddleレベル出力ドライバ74及び2値専用Middleレベル出力ドライバ75における出力トランジスタが共に励起され、Lowレベル電圧の出力時にはLowレベル出力ドライバ76及び2値専用Lowレベル出力ドライバ77における出力トランジスタが共に励起される。このように、実施例3の垂直ドライバ70においては、2値専用Middleレベル出力ドライバの出力トランジスタ、又は2値専用Lowレベル出力ドライバの出力トランジスタがオンするよう構成されているため、Middleレベル電圧、及びLowレベル電圧を出力するトランジスタ数が増加することになる。この結果、Middleレベル電圧、及びLowレベル電圧を出力するときの出力トランジスタのオン抵抗を小さくすることができ、2値出力ブロックとして動作する場合に必要なオン抵抗に適した値を実現することができる。
図9は図5に示した垂直ドライバ70における2値・3値兼用出力ブロック71Bの入出力電圧波形の関係を示すタイミングチャートである。図9は、2値・3値兼用出力ブロック71Bに対してVDC電圧の駆動制御信号c4が入力されて2値出力ブロックとして機能している場合である。図9の(a)は2値・3値兼用出力ブロック71Bに入力される駆動制御信号c3であり、(b)は2値・3値兼用出力ブロック71Bから出力される駆動信号である2値の垂直駆動パルスb1,b2,b3である。
実施例3における垂直ドライバ70の2値・3値兼用出力ブロック71Bは、入力される駆動制御信号c4がVDC電圧に設定されることにより、Middleレベル電圧又はLowレベル電圧の2種類の電圧のいずれかを出力する2値出力ブロックと同等の動作を行う。
図9に示すように、2値・3値兼用出力ブロックが2値出力ブロックとして動作する場合には、駆動制御信号c3がVDC電圧のとき、垂直駆動パルスb1,b2,b3はLowレベル電圧である。一方、駆動制御信号c3がGNDレベル電圧のとき、垂直駆動パルスb1,b2,b3はMiddleレベル電圧である。
実施例3における垂直ドライバ70の2値・3値兼用出力ブロック71Bにおいて、2値出力ブロックとして動作させる場合、2値専用Middleレベル出力ドライバ75と2値専用Lowレベル出力ドライバ77が起動するため、垂直駆動パルスの立ち上がり波形、立ち下がり波形が調整され、各出力ドライバ75,77の駆動能力は2値動作に適したオン抵抗を有する設定となる。
以下、本発明に係る実施例4として、半導体集積装置であるイメージセンサ駆動装置を用いた撮像装置について図10を用いて説明する。
図10は本発明に係る実施例4の撮像装置における垂直ドライバ91及びその周辺装置の構成を示すブロック図である。図10に示すように、垂直ドライバ91にはCCDイメージセンサ2の仕様に合わせて2値・3値兼用出力ブロック93A,93B,93C,・・・が複数設けられている。実施例4の撮像装置において、垂直ドライバ91以外の構成は、図1に示した実施例1の撮像装置と同じである。実施例4において、前述の実施例1の撮像装置の構成要素と同じ、機能、構成を有するものには同じ符号を付し、その説明は実施例1における説明を適用する。
図10に示すように、タイミングジェネレータ7から垂直ドライバ91の複数の2値・3値兼用出力ブロック93A,93B,93C,・・・のそれぞれに対して駆動制御信号c1,c2,c3が入力されている。実施例4における垂直ドライバ91には、複数の2値・3値兼用出力ブロック93A,93B,93C,・・・の他に、記憶装置を有する2値・3値選択ブロック92が設けられている。この2値・3値選択ブロック92には、装置外部から選択信号s1が入力されている。選択信号s1は、該当する2値・3値兼用出力ブロックを2値出力ブロックとして動作させるか、3値出力ブロックとして動作させるかを設定する設定信号である。なお、駆動制御信号c1,c2,c3は、前述の実施例3において説明した駆動制御信号c1,c2,c3と同様の機能を有する(図8及び図9参照。)。
2値・3値兼用出力ブロック93A,93B,93C,・・・は、前述の実施例3と同様に、Highレベル出力ドライバ、Middleレベル出力ドライバ、2値専用Middleレベル出力ドライバ、Lowレベル出力ドライバ、及び2値専用Lowレベル出力ドライバを具備している。
2値・3値選択ブロック92、は記憶装置を備えており、外部からの選択信号s1により、全ての2値・3値兼用出力ブロック93A,93B,93C,・・・のそれぞれが3値出力ブロック、又は2値出力ブロックのいずれの出力ブロックとして動作するかを設定することができるよう構成されている。
従って、2値・3値選択ブロック92に対して、選択信号s1により2値・3値兼用出力ブロック93A,93B,93C,・・・の全チャンネル設定を一度記憶させることにより、CCDイメージセンサ2を駆動させることができる。また、対応するCCDイメージセンサ2の仕様が変更となった場合においても、選択信号s1により2値・3値選択ブロック92における記憶されたデータを変更することにより対応することが可能となる。
以下、本発明に係る実施例5として、半導体集積装置であるイメージセンサ駆動装置を用いた撮像装置について図11を用いて説明する。
図11は本発明に係る実施例5の撮像装置における垂直ドライバ94及びその周辺装置の構成を示すブロック図である。図11に示すように、垂直ドライバ94にはCCDイメージセンサ2の仕様に合わせて2値・3値兼用出力ブロック96A,96B,・・・が複数設けられている。実施例5の撮像装置において、垂直ドライバ94以外の構成は、図1に示した実施例1の撮像装置と同じである。実施例5の撮像装置において、前述の実施例1の撮像装置の構成要素と同じ、機能、構成を有するものには同じ符号を付し、その説明は実施例1における説明を適用する。
図11に示すように、タイミングジェネレータ7から垂直ドライバ94の複数の2値・3値兼用出力ブロック96A,96B,・・・のそれぞれに対して駆動制御信号c1,c2,c3が入力されている。実施例5における垂直ドライバ94には、複数の2値・3値兼用出力ブロック96A,96B,・・・の他に、記憶装置を有する2値・3値選択ブロック95が設けられている。2値・3値選択ブロック95には、装置の外部から選択信号s2が入力される構成である。選択信号s2は、該当する2値・3値兼用出力ブロックを2値出力ブロックとして動作させるか、3値出力ブロックとして動作させるかを設定する設定信号であるとともに、該当する2値・3値兼用出力ブロックの各出力レベルにおいて適切なオン抵抗を設定する設定信号である。
なお、駆動制御信号c1,c2,c3は、前述の実施例3において説明した駆動制御信号c1,c2,c3と同様の機能を有する(図8及び図9参照。)。
図11に示すように、2値・3値兼用出力ブロック96A,96B,・・・は、出力選択ロジック回路72、Highレベル出力ドライバ73、Middleレベル出力ドライバ74、及びLowレベル出力ドライバ76を具備している。さらに、各2値・3値兼用出力ブロック96A,96B,・・・は、能力調整用Highレベル出力ドライバ97、能力調整用Middleレベル出力ドライバ98、及び能力調整用Lowレベル出力ドライバ99、を具備している。図11においては、2値・3値兼用出力ブロック96Aのみ、その構成を記載したが、他の2値・3値兼用出力ブロックにおいても同様の構成を有する。
実施例5の撮像装置における垂直ドライバ94において、出力選択ロジック回路72にはタイミングジェネレータ7から駆動制御信号c1,c2,c3が入力され、2値・3値選択ブロック95から選択信号が入力される。駆動制御信号c1,c2,c3及び選択信号が入力された出力選択ロジック回路72は、各出力レベルにおいて適切にCCDイメージセンサ2を駆動できるように、各出力レベルにおいて能力調整用Highレベル出力ドライバ97、能力調整用Middleレベル出力ドライバ98、又は能力調整用Lowレベル出力ドライバ99における出力トランジスタを励起するよう構成されている。即ち、出力選択ロジック回路72は、外部から入力された選択信号s2に基づいて、各出力ドライバの出力トランジスタのオン抵抗を対応するCCDに合わせて調整している。
以上のように、実施例5の撮像装置における垂直ドライバ94においては、2値・3値選択ブロック95からの選択信号により、各出力ドライバにおける出力トランジスタのオン抵抗の微調整が可能となり、フルプログラマブルの垂直ドライバが構成が可能となる。
上記の各実施例で説明したように、本発明においては、CCDイメージセンサを適切に駆動させるために、垂直ドライバに2値・3値兼用出力ブロックを複数設けて、2値・3値兼用出力ブロックの各出力端子をCCDイメージセンサの読み出しゲートや転送ゲートに接続するとともに、各2値・3値兼用出力ブロックに対して制御信号を入力することにより可能となる。本発明においては、2値・3値兼用出力ブロックを複数準備しておけば、各種のCCDイメージセンサの仕様に合わせて、当該2値・3値兼用出力ブロックを任意に3値出力ブロック又は2値出力ブロックとして用いることができる。
本発明のイメージセンサ駆動装置においては、CCDイメージセンサの構造において、フォトダイオードからの読み出しゲート位置が変更され、2値・3値兼用出力ブロックの2値出力と3値出力が入れ替わった場合においても、タイミングジェネレータなどからの信号により柔軟に2値・3値兼用出力ブロックの3値出力と2値出力を切り替えることが可能となる。
本発明のイメージセンサ駆動装置である垂直ドライバの出力端子に接続されているCCDは容量と等価に置き換えることができるため、垂直ドライバの出力レベル電圧の切り替え時の立ち上がり時間、立ち下り時間は、垂直ドライバの出力トランジスタのオン抵抗を「R」、CCDの容量を「C」とすると、「RC」の時定数で決まる。CCDの容量は2値出力ブロック、3値出力ブロック、CCDの駆動方式などの種種により異なるため、2値・3値兼用出力ブロックを前述の各実施例で説明した構成とすることにより、CCDイメージセンサの駆動方式に適した出力トランジスタのオン抵抗を設定することができ、プログラマブルな垂直ドライバを構成することができる。
本発明は、イメージセンサ駆動装置を1つの半導体集積回路で構成することが可能であり、出力トランジスタのオン抵抗を調整することができるため、多岐にわたるイメージセンサ駆動装置として有効である。
本発明に係る実施例1のイメージセンサ駆動装置を用いた撮像装置の概略構成を示すブロック図である。 CCDイメージセンサ2の内部構造を示す概略構成図である。 本発明に係る実施例1の撮像装置における垂直ドライバ6の2値・3値兼用出力ブロックの構成を示すブロック図である。 本発明に係る実施例2の撮像装置における垂直ドライバ60の1つの2値・3値兼用出力ブロックの構成を示すブロック図である。 本発明に係る実施例3の撮像装置における垂直ドライバ70及びその周辺装置の構成を示すブロック図である。 図5に示したフォトダイオード13と垂直レジスタ14を有するCCDイメージセンサ2の断面構造を示す図である。 CCDイメージセンサ2に入力される駆動信号である垂直駆動パルスa1,a2,a3及びb1,b2,b3のタイミングチャートである。 図5に示した垂直ドライバ70における2値・3値兼用出力ブロック71Aの入出力電圧波形の関係を示すタイミングチャートである。 図5に示した垂直ドライバ70における2値・3値兼用出力ブロック71Bの入出力電圧波形の関係を示すタイミングチャートである。 本発明に係る実施例4の撮像装置における垂直ドライバ91及びその周辺装置の構成を示すブロック図である。 本発明に係る実施例5の撮像装置における垂直ドライバ94及びその周辺装置の構成を示すブロック図である。 CCDイメージセンサを有する一般的な撮像装置に用いられている撮像装置100の概略構成を示すブロック図である。 従来の垂直ドライバ106の概略内部構成を示すブロック図である。 従来の垂直ドライバ106における2値出力ブロック200と3値出力ブロック300のそれぞれの内部構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 光学ブロック
2 CCDイメージセンサ
3 AFE
4 画像処理部
5 光学ブロック制御部
6 垂直ドライバ
7 タイミングジェネレータ
20 第1の制御回路
21 第2の制御回路
22,23,24 CCD駆動能力選択回路
25 Highレベル出力ドライバ
26 Middleレベル出力ドライバ
27 Lowレベル出力ドライバ
本発明の第5の観点のイメージセンサ用駆動装置は、第1の観点の装置外部からの選択信号により、前記2値・3値兼用出力ブロックが2値出力動作を行うか、3値出力動作を行うかが設定されるよう構成されている。

Claims (10)

  1. イメージセンサを駆動するために2値又は3値の電圧レベルの信号を出力することが可能な2値・3値兼用出力ブロックを複数有するイメージセンサ駆動装置であって、
    前記2値・3値兼用出力ブロックは、
    第1の電圧レベルの信号を出力する第1の電圧レベル出力ドライバ、
    第2の電圧レベルの信号を出力する第2の電圧レベル出力ドライバ、及び
    第3の電圧レベルの信号を出力する第3の電圧レベル出力ドライバ、を有し、
    前記2値・3値兼用出力ブロックは、入力された駆動制御信号に応じて前記第2の電圧レベル又は前記第3の電圧レベルのいずれかの信号を出力する2値出力動作を行うか、若しくは前記第1の電圧レベル、前記第2の電圧レベル又は前記第3の電圧レベルのいずれかの信号を出力する3値出力動作を行うよう構成されたイメージセンサ駆動装置。
  2. 前記第1の電圧レベル出力ドライバ、前記第2の電圧レベル出力ドライバ及び前記第3の電圧レベル出力ドライバのそれぞれが複数の出力トランジスタを有して構成され、前記第1の電圧レベル出力ドライバ、前記第2の電圧レベル出力ドライバ及び前記第3の電圧レベル出力ドライバの各出力トランジスタが、入力された駆動制御信号により所定数だけ起動するよう構成された請求項1に記載のイメージセンサ駆動装置。
  3. 前記第2の電圧レベル出力ドライバ及び前記第3の電圧レベル出力ドライバのそれぞれが複数の出力トランジスタを有して構成され、前記2値・3値兼用出力ブロックが2値出力動作を行うとき、前記第2の電圧レベル出力ドライバ及び前記第3の電圧レベル出力ドライバは複数の出力ドライバが起動するよう構成された請求項1に記載のイメージセンサ駆動装置。
  4. 前記第2の電圧レベル出力ドライバが2値専用第2の電圧レベル出力ドライバを有し、
    前記第3の電圧レベル出力ドライバが2値専用第3の電圧レベル出力ドライバを有し、
    前記2値・3値兼用出力ブロックが2値出力動作を行うときのみ、前記第2の電圧レベル出力ドライバと共に前記2値専用第2の電圧レベル出力ドライバが起動し、若しくは前記第3の電圧レベル出力ドライバと共に前記2値専用第3の電圧レベル出力ドライバが起動するよう構成された請求項1に記載のイメージセンサ駆動装置。
  5. 装置外部からの選択信号により、前記前記2値・3値兼用出力ブロックが2値出力動作を行うか、3値出力動作を行うかが設定されるよう構成された請求項1に記載のイメージセンサ駆動装置。
  6. 前記2値・3値兼用出力ブロックが記憶手段を有し、前記2値・3値兼用出力ブロックが2値出力動作を行うか、3値出力動作を行うかを示す前記選択信号の情報を記憶するよう構成された請求項5に記載のイメージセンサ駆動装置。
  7. 前記第1の電圧レベル出力ドライバが能力調整第1の電圧レベル出力ドライバを有し、
    前記第2の電圧レベル出力ドライバが能力調整第2の電圧レベル出力ドライバを有し、
    前記第3の電圧レベル出力ドライバが能力調整第3の電圧レベル出力ドライバを有し、
    装置外部からの駆動制御信号により前記イメージセンサの駆動能力に応じて前記能力調整第1の電圧レベル出力ドライバ、前記能力調整第2の電圧レベル出力ドライバ、及び前記能力調整第3の電圧レベル出力ドライバが起動するよう構成され、
    装置外部からの選択信号により、前記2値・3値兼用出力ブロックが2値出力動作を行うか、3値出力動作を行うかが設定されるよう構成された請求項1に記載のイメージセンサ駆動装置。
  8. 前記2値・3値兼用出力ブロックが記憶手段を有し、前記2値・3値兼用出力ブロックが2値出力動作を行うか、3値出力動作を行うかを示す前記選択信号の情報を記憶するよう構成された請求項7に記載のイメージセンサ駆動装置。
  9. 前記第1の電圧レベルがHighレベル電圧であり、前記第2の電圧レベルがMiddleレベル電圧であり、そして前記第3の電圧レベルがLowレベル電圧であり、第1の電圧レベル>第2の電圧レベル>第3の電圧レベルの関係を有して、前記第1の電圧レベル、前記第2の電圧レベル及び前記第3の電圧レベルはCCDイメージセンサの垂直レジスタの駆動に用いられる請求項1に記載のイメージセンサ駆動装置。
  10. 前記第1の電圧レベル出力ドライバ、前記第2の電圧レベル出力ドライバ及び前記第3の電圧レベル出力ドライバは、Nチャネル、若しくはPチャネルのMOSトランジスタで構成された請求項1に記載のイメージセンサ駆動装置。
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