JPWO2008013294A1 - 印刷用シート - Google Patents

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Abstract

本発明の印刷用シートは、基材シートと、該基材シート表面に形成された半固化状態にある漆喰前駆体を含む印刷層とからなるものであり、この印刷層の表面に、例えばインクジェットプリンタにより印刷が施される。この印刷用シートを用いて印刷を行うことにより、凹凸感があり、絵画調の深みのある堅牢で高耐久な画像を鮮明に形成することができる。

Description

本発明は、印刷面が半固化状態の漆喰を含む印刷層により形成されており、この印刷後には、漆喰の炭酸化が進行し、印刷画像が印刷面にしっかりと保持される印刷用シートに関する。
パーソナルコンピュータやデジタルカメラの一般家庭への普及に伴い、鮮明なフルカラーの画像をプリントすることが可能なインクジェットプリンタが、価格が安価なこともあって、広く使用されている。インクジェットプリンタに用いる印刷用記録紙としては、通常の上質紙やコート紙では性能の点で使用困難であり、紙面に付着したインクが速やかに内部に吸収されること、紙面上でのインク滴の拡がりや滲みが抑制され、鮮明な画像が形成されること、得られる画像が長期にわたって色落ちなどを生じない堅牢性に優れていることなどの特性が要求される。
このような特性を印刷面(紙面)に付与するために、種々の無機固体物質を結着剤とともに紙面に塗布し或いは紙内に充填することが提案されている。例えば特許文献1には、無機固体物質として合成シリカ或いはその塩を用いること、特許文献2には、マグネシウムや亜鉛などの2価金属の弱酸塩や酸化物を被覆層として紙面に設けること、特許文献3には、天然または合成のゼオライト、ケイソウ土、合成雲母等を含有する被覆層を紙面に設けること、特許文献4,5には、クレー、タルク、炭酸カルシウム、カオリン、酸性白土、活性白土等の白色顔料によりインク吸収層を設けること、特許文献6には、多孔質球状ケイ酸塩粒子を充填することが提案されている。
特開昭57−157786号公報 特開昭58−94491号公報 特開昭59−68292号公報 特開昭58−89391号公報 特開昭59−95188号公報 特開平9−309265号公報
しかしながら、上記のような従来公知の印刷用紙は、インクジェットプリンタ以外のレーザプリンタなどに使用されるものも含めて、いずれも得られる画像は、写真のようなフラットな画像であり、絵画調の深みのある画像を形成し得るものはなかった。
また、上記のような従来公知の印刷用紙に印刷した場合、紫外線やオゾンからインク成分を保護する機能は無く、長期間の保存には適していなかった。
従って、本発明の目的は、凹凸感があり、絵画調の深みのある堅牢な画像を鮮明に形成することと共に、印刷後に紫外線やオゾンからインク成分を保護し、色あせなどを防止することが可能な印刷用シートを提供することにある。
本発明の他の目的は、インクジェットプリンタを用いての印刷により、上記のような画像を形成することが可能な印刷用シート及び印刷方法を提供することにある。
本発明者等は、消石灰(水酸化カルシウム)と水との混練物を用い、消石灰を炭酸化して得られる漆喰が完全に炭酸化する前の漆喰前駆体を印刷面に適用し、このような漆喰前駆体層に画像を印刷するときには、凹凸感があり深みのある画像が形成され、且つ、紫外線等の劣化要因からインク成分を保護し、色あせなどが防止されるという新規な知見を見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明によれば、基材シートと、該基材シート表面に形成されており且つ半固化状態の漆喰を含む印刷層とからなることを特徴とする印刷用シートが提供される。
本発明の印刷用シートにおいては、
(1)前記印刷層には、前記半固化状態の漆喰に含まれる水酸化カルシウムが少なくとも10重量%の量で存在していること、
(2)前記印刷層は、ポリマーのエマルジョン固形分からなるバインダー材を3乃至50重量%の量で含有していること、
(3)前記印刷層上には、剥離可能な保護シートが積層されていること、
(4)非通気性フィルムにより包装されて保存されていること、
(5)前記印刷用シートはロール状に巻かれて保持され、該印刷用シートのロールが前記非通気性フィルムにより包装されて保存されること、
(6)前記印刷用シートは、フラット状の形態を有し、一枚毎に前記非通気性フィルムにより包装されて保存されること、
(7)前記印刷用シートは、フラット状の形態を有し且つ積載されて保持されており、該積載物が前記非通気性フィルムにより包装されて保存されること、
(8)インクジェット用記録材として使用されること、
が好ましい。
本発明の印刷用シートにおいては、基材シート上の印刷層が半固化状態にある漆喰(以下、漆喰前駆体と呼ぶことがある)を含んでいることが重要である。漆喰は、水酸カルシウム(消石灰)のスラリーが炭酸ガスと反応し、堅牢性に優れると炭酸カルシウムとなったものであり、半固化状態の漆喰、即ち漆喰前駆体は、一部の水酸カルシウムが炭酸化せずに残存している状態にある。このような漆喰前駆体を含む印刷層は、表面が極めて多孔質であり且つ親水性に富んでいるため、画像を形成するインクが深く浸透し、この後に、残存する水酸化カルシウムが炭酸化し、完全に固化した漆喰となる。この結果、印刷像は堅牢性に優れ、また拭き取りなどによる色落ちが少ないという顕著な利点が発現する。また、かかる印刷層は、表面の凹凸が大きく、このため、形成される印刷像は、凹凸感があり、深みのある絵画調のものとなり、壁画に近い感じとなり、写真画像とは全く異質のものとなる。即ち、従来公知の印刷記録紙では、無機固体物質の層が印刷面に形成されていたとしても、表面の凹凸が極めて微小であり、マクロ的にみるとフラットな状態である。このため、写真に近いような画像しか形成することができず、絵画調の深みのある画像を形成することはできない。
また、上記印刷層の表面には、適宜の剥離力で保護シートを設けておくことが好ましい。このような保護シートを設けておくことにより、印刷層の破損を有効に防止することができるばかりか、この保護シートを剥がして印刷を行なう際、印刷層の表面の一部が保護シートとともに脱落し、印刷層の表面に上記のような凹凸を確実に形成することが可能となる。
さらに、本発明においては、半固化状態にある漆喰を含んでいる印刷層に画像を形成するインクが深く浸透した後、空気に晒されることにより、漆喰前駆体が炭酸ガスと反応し、堅牢性に優れる漆喰(炭酸カルシウム)となるのであるが、印刷インク(通常、水性インクが使用される)が印刷層表面に施されたとき、印刷層内部の水酸化カルシウムが印刷インクの水分に溶出して表面に薄い層状に浮き上がることとなる。このため、印刷表面に形成された印刷画像の表面には、炭酸カルシウムの薄層(漆喰層)が形成され、この炭酸カルシウムの薄層が保護層として機能し、空気中の紫外線やオゾンから印刷画像が保護され、印刷画像の色あせを防止し、長期間鮮明な印刷画像を保持することが可能となる。
本発明の印刷用シートは、特にインクジェットプリンタ用の記録材として極めて有用であり、例えばデジタルカメラによる写真像なども、本発明の印刷用シートに印刷することにより、絵画調のものに転換され、且つ、画像の劣化を防止できる。
図1は、本発明の印刷用シートの構造を示す概略断面図である。
図1を参照して、本発明の印刷用シートは、基材シート1と、その上に形成された印刷層3とから形成されており、さらに印刷層3上には、必要に保護シート5が設けられている。即ち、この印刷用シートは、印刷層3は、半固化状態の漆喰(漆喰前駆体)を含むものであり、必要により設けられる上記の保護シート5を引き剥がした後、露出した印刷層3の表面に印刷が施されるものである。
基材シート1は、その表面に漆喰前駆体を含む印刷層3が形成できるものであれば、特に制限されず、任意の材料で形成されていてよい。例えば、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリ(メタ)アクリレート等のビニル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂などの各種の樹脂シート乃至樹脂フィルム、或いは紙などからなっていてもよいし、また、ガラス繊維、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、アクリル繊維、アラミド繊維、カーボン繊維等の繊維状物からなる織布または不織布であってもよく、さらには、これらの積層フィルム乃至シートであってもよい。但し、一般的には、基材シート1は可撓性を有しており、適度の腰の強さを有しているものであることが好ましい。このような基材シート1では、これを折り曲げても折り目が形成され難く、この基材シート1上に設けられる漆喰前駆体を含む印刷層3に割れ目が形成されるなどの不都合を有効に抑制することができるからである。このような基材シート1の材質は、かなり制限されることとなるが、一般的には、ガラス繊維混抄紙が好適に使用される。ガラス繊維混抄紙は、木材パルプにガラス繊維を混合して抄紙したものであり、可撓性や曲げ強さを有し、しかも印刷層3との密着性を良好なものとすることができる。さらに、このようなガラス繊維混抄紙以外にも、ポリ酢酸ビニル繊維、ポリエステル繊維、ビニロン繊維等の化学繊維をバインダー繊維として混抄された合成紙を使用することができる。本発明において、基材シート3として最も好適に使用されるガラス繊維混抄紙は、北越製紙株式会社より、「MPS−01」の商品名で市販されている。
尚、基材シート1の表面は、コロナ処理などを行って親水性を向上させてもよく、これにより、以下に述べる印刷層3と基材シート1との接合強度を向上させることができる。
また、上記の基材シート1の厚みは、その用途に応じて適宜の範囲に設定される。例えば、プリンタ用の記録材として使用する場合には、この印刷用シートが容易にプリンタを通すことができるように基材シート1の厚みが設定される。
本発明において、印刷層3は、消石灰(水酸化カルシウム)の粉末と水との混練物を基材シート1の親水性の面にコーティングして形成されるものである。かかる層を空気中に放置した場合、半固化状態の漆喰前駆体(消石灰と炭酸カルシウムとの混合物)が空気中の炭酸ガスを吸収し、漆喰前駆体中の消石灰が炭酸ガスと反応して炭酸カルシウムを生成することにより、さらに固化が進行して漆喰を形成する。即ち、印刷層3は、消石灰の一部が炭酸化して炭酸カルシウムが存在する半固化状態の漆喰前駆体を含む層である。
本発明において、上記の印刷層3は、水酸化カルシウム(消石灰)が完全に炭酸化して完全に固化する前の半固化状態の漆喰前駆体を含むものであればよいが、好ましくは、この漆喰前駆体中の水酸化カルシウムが、少なくとも10重量%、好ましくは15重量%以上である。即ち、水酸化カルシウムの含有量が上記範囲よりも少ないと、画像の堅牢性が低下し、色落ちなどを生じ易くなる傾向がある。また、印刷インクを印刷層3の表面に施して印刷を行なったとき、印刷インク中に溶出し、表面に浮き上がる水酸化カルシウムの量が少なくなるため、印刷画像の保護効果が低下し、紫外線等による印刷画像の劣化抑制効果が低下するという不都合も生じる。
前記印刷層中の水酸化カルシウムは、上記目的を達成するために多いほどよいが、あまり多すぎると印刷層3の硬化が不十分となり、印刷工程中に印刷層3の破損等を生じ易くなるため、印刷層3中に、85重量%以下、好ましくは、80重量%以下の割合とすることが好ましい。
尚、印刷層における水酸化カルシウムの割合は、中和滴定により確認することができる。
本発明において、前記印刷層3における水酸化カルシウムの含有量の調整は、印刷層3の形成に用いる水酸化カルシウムの炭酸化率(前述したスラリーの調製に用いた消石灰の重量に対し、生成した炭酸化カルシウムの重量割合を示す。)及び後述するバインダー材、無機細骨材、吸液性無機粉体などの添加剤の割合によって調整することができる。
上記調整方法のうち、印刷層3の形成に用いる水酸化カルシウムの炭酸化率を調整する方法を採用する場合、炭酸化率の上限は、80%、特に40%とすることが望ましい。即ち、炭酸化が過度に進みすぎた場合、印刷層の表面が緻密化され、印刷インクの浸透性が低下する傾向がある。かかる炭酸化による表面の緻密化の程度は、印刷層表面の後述の実施例において示す耐摩擦度によって判定することができ、対摩擦度が4級以下の状態で炭酸化を止めた印刷層が本発明において好適である。
本発明においては、印刷層3を画像の印刷後に大気中に放置することにより、印刷層3中の漆喰前駆体が炭酸化して最終的には漆喰となるが、このような印刷層3の靭性を向上させるために、印刷層3には、バインダー材としてポリマーのエマルジョン固形分を含有していることが好適である。このようなポリマーのエマルジョンは、水媒体中にモノマー、オリゴマー或いはこれらの重合体等が分散したものであり、例えばアクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン、スチレン/ブタジエンゴム系等の重合体のエマルジョンを挙げることができる。このようなエマルジョンは、乾燥工程で、媒体(水)が蒸発してエマルジョン中のポリマー成分が印刷層3中に残存することとなる。即ち、このようなエマルジョンの固形分(即ちポリマー)が過度に存在すると、印刷画像(印刷インク)の印刷層3中への浸透性が低下する傾向があるため、印刷層3の靭性を高め且つインクの浸透性を確保するために、一般に、印刷層3におけるポリマーエマルジョンの固形分は、3〜50重量%の範囲であることが好ましい。
また、印刷層3中には、上記のエマルジョン以外にも、印刷層3の物性を調整するための各種添加剤、例えば各種繊維材、無機細骨材、吸液性無機粉体等が配合されていてよい。これらの添加剤は、印刷層3の強度等の物理特性を向上させるものである。
繊維材の例としては、ガラス繊維、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、アクリル繊維、アラミド繊維、カーボン繊維、金属繊維等を挙げることができる。また、繊維の形状としては短繊維、長繊維、織布、不織布等の形状のものが使用できるが、これらのうち短繊維は漆喰層3の靱性および切断加工性の向上に特に有効である。このような短繊維の長さおよび直径は特に制限されないが、長さは1mm〜10mm、特に2mm〜6mmであり、直径は5〜50μm、特に10〜30μmであることが、印刷層3の靱性をより向上させ、場合によっては、切断加工性においても優れたものとするために好適である。
また、無機細骨材は、平均粒子径が0.01〜2mm程度の範囲内にある無機粒状物であり、この範囲内で、印刷層3の厚みの1/2以下の平均粒子径を有するもの、具体的には、珪砂、寒水砂、マイカ、施釉珪砂、施釉マイカ、セラミックサンド、ガラスビーズ、パーライト、或いは炭酸カルシウムなどを挙げることができる。
また、本発明においては、印刷層3にてポリマーエマルジョンを用いることによる親水性インクとの親和性の低下、印刷層3の水酸化カルシウムの炭酸化の進行に伴い低下する吸液性を補うため、吸液性無機粉体を併用することが好ましい。この吸液性無機粉体は、多孔質であり、吸油量が100ml/100g以上と高い、微細な無機粉末、例えばレーザ回折散乱法で測定される体積換算での平均粒径(D50)が0.1μm以下のアルミナ粉末、ゼオライト粉末などである。
前述したポリマーエマルジョンは、靭性を向上させ、さらには基材シート1と印刷層3との接合強度を高めるためには有効であるが、反面、印刷層3の親水性を低下させ、例えば親水性インクなどを用いて印刷を行った場合、インクをはじいてしまい、印刷画像が滲んでしまうなどの不都合を生じることがある。しかるに、上述した吸液性無機粉体の使用は、印刷インクの吸収性を向上させるため、上記の不都合を有効に防止し得る点で好適である。特に、この吸液性無機粉体は、0.5乃至10重量%程度の量で印刷層3中に配合されていることが好ましい。
本発明において、印刷層3中に配合され得る各種添加剤は、その目的に応じて、それぞれ1種単独でも、2種以上が配合されていてもよいが、何れにしろ、印刷インクの印刷層3への浸透や固定が損なわれない程度の量で配合すべきであり、例えば、消石灰が炭酸化して形成される炭酸カルシウムの含有量(即ち、炭酸化率100%のときの炭酸カルシウム含有量)が50重量%以上に維持される範囲において、各種の添加剤が配合されることが望ましい。
上記のような印刷層3の厚みは、印刷可能な適宜の範囲に設定されるが、一般的には、0.05乃至0.3mm、特に0.1乃至0.25mm程度の範囲が好適である。即ち、この厚みが過度に薄いと、画像を印刷したときに、印刷インクの浸透による画像固定性が低下したり、或いは凹凸などによって発現する画像の深みが損なわれたりするおそれがある。また、あまり厚いと経済的に不利となったり、折り曲げによって折り目が形成され易くなるなど、印刷に際して用いるプリンタが制限されるおそれなどを生じるからである。
また、印刷層3は、無機粒子(水酸化カルシウムや炭酸カルシウムの粒子)から形成されているため、比較的脆く、外部からの圧力によって傷が付いたりして商品価値が低下するおそれがある。このため、印刷用シートの製造直後から一般需要者による印刷時までの間に印刷層3の表面を保護することが好ましく、このために、本発明の印刷用シートにおいては、印刷層3の上面に、保護シート5を設けてもよい。この保護シート5は、印刷時には引き剥がされるものであるが、引き剥がしに際して印刷層3の表面の一部を脱落させて表面に顕著な凹凸を形成させるという機能を有するものであるため、例えば、200〜4000mN/25mm、特に、800〜3000mN/25mmの剥離強度で設けられているのがよい。即ち、剥離強度が過度に高いと、印刷時に保護シート5を引き剥がすことが困難となってしまい、また、剥離強度があまり低いと、保護シート5を剥がしたときに印刷層3の表面に十分な大きさの凹凸を形成することが困難となるおそれがあるからである。
尚、前記剥離強度は、JIS−K6854−2の接着剤−剥離接着強さ試験方法−第2部:180度剥離に準じ、幅25mmの試験体を用い、引張速度300mm/分で引っ張ることにより測定した値である。
上記のような保護シート5は、保護機能を有し且つ上記のような剥離強度で印刷層3上に設けることが可能である限り、任意の材料から形成されていてよいが、一般的には、ガラス繊維、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、アクリル繊維、アラミド繊維、カーボン繊維等の繊維状物からなる織布または不織布などが保護シート5として使用される。また、保護シート5として、非通気性のシート、例えばシリコンペーパーなどを用いて、印刷層3の保護機能と同時に、印刷時までの間に印刷層3の炭酸化を防止するという機能を持たせることも可能である。
保護シート5の厚みは、適度な保護機能が発現する程度のものであればよく、一般的には0.01乃至2.0mm程度である。
上述した本発明の印刷用シートは、印刷層3を形成するための基材シート1の一方の表面に、漆喰形成用のスラリーを塗布すると同時に必要に応じて保護シート5を貼着し、適度に乾燥して印刷層3を形成することにより製造される。
漆喰を形成するためのスラリーは、消石灰の粉末と水との混練物に、前述したバインダー材や各種添加剤を配合したものである。
かかるスラリーの調製に用いる消石灰粉末は、例えば粒径が5μm以下の微粒子を20乃至80重量%の量で含み、且つ粒径が10乃至50μmの粗粒子を10乃至40重量%の量で含有しているものを使用することが好ましい。即ち、微粒子成分は、印刷層3の形態保持性や強度を付与し、一方、粗粒子成分は、画像の浸透性を確保するための有用であり、このような微粒子成分と粗粒子成分とを上記のような量割合で含有している消石灰粉末を使用することにより、画像の浸透性を損なうことなく、強度や耐久性の良好な漆喰層を形成する上で極めて好適である。例えば、上記のような微粒子成分のみからなる消石灰粉末を用いた場合には、インクの浸透性が損なわれ、印刷される画像の堅牢性が低下するおそれがある。
また、このスラリー中には、各種の配合剤を均一に分散させるための界面活性剤や、混練物をコーティングする際に垂れなどを生じないように、適宜、増粘剤などが配合され、適度な粘度に調製されていることが好適である。スラリーのコーティングは、バーコーター、ロールコーター、フローコーター、ナイフコーター、コンマコーター、スプレー、ディッピング、吐出、型材転写等により行うことができ、必要に応じてコテ押さえ、口金絞り、ローラ転圧、1軸プレス等を採用することができる。
上記のようなスラリーの塗布厚みは、乾燥後の厚みが前述した印刷層3の厚みとなるように設定される。また、スラリー塗布後の乾燥は、印刷層3の含水率が5%以下となる程度に行えばよい。この含水率があまり高いと、層としての形態が維持できなかったり、或いは、この含水率が維持されたままの状態で印刷が行われたとき、インクの滲みなどを生じ易くなってしまうからである。乾燥は、熱風の吹き付けなどにより、スラリーの塗布層を40乃至150℃程度に加熱することにより行われる。この際、加熱温度を必要以上に高くすると、基材シート1や保護シート5の熱による変形が生じてしまうため、注意を要する。
尚、水酸化カルシウム(消石灰)の炭酸化反応は炭酸ガスとの接触により反応が進行するため、上述したスラリーを非通気性の袋や容器等に密封状態で保存している限り、所定の炭酸化率を維持し、印刷層3中の水酸化カルシウム量を一定の範囲に保持する上で支障を生じることはない。
上記のようにして形成される印刷層3の上には保護シート5が貼着されることにより積層される。このような保護シート5を設けることにより、印刷を行なう前の段階で印刷層3の表面を保護し、印刷用シートの保存或いは搬送時における外部からの圧力による印刷層3の破損等を有効に防止することができる。この保護シート5は、既に述べたように、一定の範囲の剥離強度となるように印刷層3に貼着される。このような剥離強度を得るための手段は特に制限されないが、印刷層3に悪影響を与えないために、接着剤を介することなく、保護シート5を印刷層3に密着させることにより、保護シート5の貼着を行うことが好ましい。具体的には、基材シート1の表面に前記スラリーを塗布した直後に保護シート5を積層し、その状態でスラリーの層を適度に炭酸化させるという手段が最も好ましい。かかる方法によって、水酸化カルシウムが二酸化炭素と反応して炭酸化することにより硬化する過程(例えば乾燥工程)で保護シート5が印刷層3に一定の剥離強度を持って密着固定される。尚、剥離強度の調整は、保護シート5の材質、印刷層3を形成するために使用する硬化成分を含有する組成物の組成、特に前記水性エマルジョン等の親和性を左右する成分の配合量などを調節することによって行うことができる。
上記のようにして製造された印刷用シートは、一般に、印刷層3の表面に保護シート5が貼着された状態で得られる。前記したように、保護シート5は、印刷用シートの取扱時に印刷層3の表面を保護する等の機能を有するため、そのまま市販に供することができる。しかし、上記保護シートは、これを印刷用シートから剥がしながら印刷を行うことは、作業性が低下する場合がある。特に、印刷用シートが大面積である場合、かかる問題が大きい。そのような場合、前記印刷用シートの製造工程において貼着された状態で得られる保護シートを剥がした状態で市販に供することも好ましい態様として挙げられる。
即ち、本発明において、印刷用シートは、保護シートを貼着した状態、或いは、保護シートを剥がした状態で製品として市販に供されるが、印刷層3は、これを大気中に放置しておくと、漆喰前駆体の炭酸化が進行していくため、印刷適性(例えば画像の浸透・固定性)などが低下してしまう。このような不都合を回避するため、印刷時点まで、炭酸化を抑制しておく必要がある。
上記印刷層における炭酸化を抑制する方法としては、例えば、適度の大きさに裁断された長尺の印刷用シートをロール状に巻取り、このロールを非通気性のフィルムで包装して保存することができる。また、裁断された印刷用シートを一枚ずつ非通気性のフィルムで保存しておくこともできるし、多数枚の印刷用シートを積み重ね、このような積載物を非通気性のフィルムで保存しておくこともできる。
さらには、保護シート5が貼着されている場合は、非通気性のフィルムを、保護シート5の上面及び基材シート1の裏面にラミネートして保存しておくことも可能である。
上述した非通気性のフィルムとしては、特に制限されるものではなく、一般に包装用フィルムとして使用されている各種の樹脂フィルムが使用されるが、コスト等の観点から、ポリエチレンフィルム等のポリオレフィンフィルムが最も好適である。
上記のようにして販売される印刷用シートは、包装フィルムを除去し、次いで保護シート5が存在する場合は、保護シート5を引き剥がして、印刷層3の表面を露出させ、この面に印刷が施される。
印刷手段としては、所定の顔料乃至染料が分散乃至溶解したインクを使用し、グラビア印刷などによって、所定の大きさのものを連続して印刷することもできるし、インクジェットプリンタによって印刷を行うこともできる。用いるインクは、水溶性染料が溶解し或いは顔料が界面活性剤などで水(或いは水/アルコール混合溶媒など)に分散された親水性のインクが最も好適である。このような親水性のインクを用いた場合には、印刷層3上に滲みがなく且つ安定に保持された鮮鋭な画像を形成することができる。特に、本発明においては、顔料を使用したインクが好適に使用される。
上記のようにして印刷画像が印刷された印刷層3は、既に述べたように、これを大気中に放置することにより(通常、0.5〜30日程度)、大気中の炭酸ガスを吸収し、残存する水酸化カルシウムの炭酸化が進行し、固化が進行した漆喰となる。従って、画像は、凹凸のある多孔質の漆喰に浸透して固定されて壁画調となり、写真画像などを比較すると、深みのあるものとなっている。また、形成された画像は堅牢性に優れ、これを擦ったりしても色落ち等を生じることがなく、また、紫外線等からインク成分を保護することができ、長期間、安定に保持される。
本発明の印刷用シートは、壁画調の絵画のような画像を形成することができ、例えばデジタルカメラで撮影された写真画像を印刷した場合にも、立体感や深みのある絵画調の画像を形成することができ、且つ、長期間、画像の劣化が起きないため、特にインクジェットプリンタに用いるインクジェット記録材としての用途に極めて有用である。
本発明の優れた効果を、次の実験例で説明する。
なお、以下に、実験例で用いた各試験方法および材料を示す。
(1)画像のにじみ率:
インクジェットプリンタ(エプソン製PM−4000PX型、顔料が分散された水溶性インク使用)により、各実施例及び比較例に示す条件で作製した印刷用シートの表面に、直径10mmの円の画像を印刷した。得られた印刷画像(円画像)を市販のカラースキャナーでデジタル画像としてパーソナルコンピュータに読み込み、画像処理ソフトを用いて、転写された色のピクセル数を測定し、インクジェットプリンタ用専用紙(普通紙)に印刷した場合のピクセル数と比較することにより、下記式によりにじみ率(SR)を算出した。
SR=P1/P0
SR:にじみ率(−);通常1以上、にじみが多いと数値が大きくなる。
P1:印刷画像のピクセル数(ピクセル)
P0:インクジェットプリンタ用専用紙に印刷した画像のピクセル数(ピクセル)
(2)耐摩擦試験:
JIS−A 6921にしたがって、湿潤時の摩擦試験を行い、5段階評価における耐摩擦度(級)を測定した。
耐摩擦度:1〜5級の5段階評価;耐摩擦度としては5級が最も高い。
(3)耐候性試験:
各実施例及び比較例に示す条件で作製された印刷用紙(A4判)および市販の印刷用紙(A4判)を用意した。それぞれの用紙の1枚を4つの領域に等分割し、その4つの領域にインクジェットプリンタ(エプソン製PM−4000PX型、顔料が分散された水溶性インク使用)により、黄、赤、青、黒の4色を各領域に印刷したものを各用紙2枚ずつ用意した。各々1枚ずつを紫外線照射用蛍光ランプ(三菱電機製、蛍光ランプ、型式:FL30SBL−360)により、500uW/cmの強度の紫外線を照射し、残りの1枚ずつは、暗所に保存した。
一定時間、紫外線を照射した用紙と暗所に保存した用紙を取り出し、分光色差計(日本電色工業製、ハンディ型簡易分光色差計、型番:NF333)で黄、赤、青、黒の4色について、JIS Z 8730に準じて、紫外線照射部分と未照射部分の各色のL、a、b表色系における色差(△E1〜△E4)を求めた。さらに、次式によりそれらを平均した△Eavを求めて、耐候性の指標とした。
△Eav=(△E1+△E2+△E3+△E4)/4
尚、色の変化が大きいとこの値が大きくなる。
△E1:黄の領域における紫外線照射部分と未照射部分の色差
△E2:赤の領域における紫外線照射部分と未照射部分の色差
△E3:青の領域における紫外線照射部分と未照射部分の色差
△E4:黒の領域における紫外線照射部分と未照射部分の色差
(A)基材シート
炭カル紙:王子製紙株式会社製「OKコスモCA135」(商品名)
(厚み0.18mm、目つけ量138g/m
ガラス繊維混抄紙:北越製紙株式会社製「MPS−01」(商品名)
(厚み0.35mm、目つけ量85g/m
(B)水酸化カルシウム
消石灰:宇部マテリアルズ製「高純度消石灰CH」(商品名)
(C)無機粉体
炭酸カルシウム:薬仙石灰製「ホワイト7」(商品名)
硫酸カルシウム:和光純薬製(二水和物、試薬特級)
(D)水性エマルジョン
ポリトロン:旭化成工業株式会社製「ポリトロンA1480」(商品名)
(アクリル系共重合体ラテックス、固形分40重量%)
(E)吸液性無機粉体
アルミナ微粉末:平均粒径(D50)0.05μm、吸油量180ml/100g
(F)保護シート
不織布A:ユニセル株式会社製BT−1306WM(商品名)
(製造例1〜3)
消石灰100重量部、水性エマルジョン30重量部、水40重量部、吸液性無機粉体5重量部の配合比で混練し、消石灰スラリーを得た。次に、基材シートとして、炭カル紙(300×200mm)を使用し、その表面に得られた消石灰スラリーをバーコーターで塗布し、直後に不織布A(保護シート)をスラリー表面に密着させ、50℃の乾燥機中で30分間乾燥させた。乾燥後に形成された印刷層の厚みは平均100μmであった。
その後、室内にて0日、10日、20日放置して、消石灰(水酸化カルシウム)を炭酸化し、炭酸化率の異なる半硬化状態の漆喰を含む印刷層を有する印刷用シートを得た。
得られた印刷用シートの印刷層における消石灰の割合を表1に示す。また、上記印刷層の耐摩擦度を表1に併せて示す。
(比較製造例1、2)
前記実施例において消石灰の代わりに、炭酸カルシウム(比較例1)、硫酸カルシウム(比較例2)を使用した以外は、同様の組成のスラリーを使用し、印刷層を有する印刷用シートを得た。尚、上記印刷層に対しては、炭酸化は行なっていない。
得られた印刷用シートの印刷層における消石灰の割合を表1に示す。また、上記印刷層の耐摩擦度を表1に併せて示す。
Figure 2008013294
(実施例1〜3、比較例1、2)
製造例1〜3、比較製造例1、2で得られた印刷シートを用い、黄、赤、青、黒の4色を印刷し、炭酸化するために20日間室内に放置した後、耐候試験を行った。耐候試験は、1ヵ月、4ヶ月経過後について平均色差(△Eav)を測定し、表2に示す。また、20日間室内に放置した後の耐摩擦度を表2に併せて示す。
Figure 2008013294
(製造例4〜6)
消石灰100重量部、水性エマルジョン30重量部、水40重量部の配合比で混練し、消石灰スラリーを得た。次に、基材シートとして、ガラス繊維混抄紙(300×200mm)を使用し、その表面に得られた消石灰スラリーをバーコーターで塗布し、直後に不織布A(保護シート)をスラリー表面に密着させ、50℃の乾燥機中で30分間乾燥させた。その際、消石灰スラリーの塗布量を調整し、乾燥後に形成された印刷層の厚みが表3に示す厚みとなるようにした。
上記の方法により得られた印刷用シートの印刷層における消石灰の割合を表3に示す。
得られた印刷シートの保護シートを剥離した後、印刷用シートを90度屈曲させた後のひび割れの発生状態を表3に示す。また、上記印刷層の耐摩擦度を表3に併せて示す。
Figure 2008013294
(実施例4〜6)
製造例4〜6で得られた印刷シートを用い、黄、赤、青、黒の4色を印刷し、炭酸化するために20日間室内に放置した後、耐候試験を行った。そのときの平均色差(△Eav)を表4に示す。また、20日間室内に放置した後の耐摩擦度を表4に併せて示す。
Figure 2008013294
(製造例7、8)
実施例5において、水性エマルジョンの割合を表5に示す割合で代えた以外は同様にして印刷用シートを製造した。
得られた印刷用シートの印刷層における消石灰の割合を表5に示す。また、上記印刷層の耐摩擦度を表5に併せて示す。
Figure 2008013294
(実施例7、8)
製造例7、8で得られた印刷シートを用い、黄、赤、青、黒の4色を印刷し、炭酸化するために20日間室内に放置した後、耐候試験を行った。そのときの平均色差(△Eav)を表6に示す。また、20日間室内に放置した後の耐摩擦度を表6に併せて示す。
Figure 2008013294
(実施例9)
製造例1の方法と同様にして得られた印刷用シートより、保護シートを剥離した後、該印刷用シートを厚み100μmのポリエチレン製の袋に入れて熱融着により密封した。その後、3ヶ月経過した時点で、袋を開封したところ、印刷層における水酸化カルシウムの割合は、57重量%となっていた。また、上記印刷用シートについて、実施例1と同様に、耐候試験、耐摩擦度の測定を行った。その結果、耐候試験においては、色差の平均は、1ヵ月後2.5、4ヵ月後5.6であり、耐摩擦度は5級であった。

Claims (9)

  1. 基材シートと、該基材シート表面に形成されており且つ半固化状態の漆喰を含む印刷層とからなることを特徴とする印刷用シート。
  2. 前記印刷層には、前記半固化状態の漆喰に含まれる水酸化カルシウムが少なくとも10重量%の量で存在している請求の範囲1に記載の印刷用シート。
  3. 前記印刷層は、ポリマーのエマルジョン固形分からなるバインダー材を3乃至50重量%の量で含有している請求の範囲1に記載の印刷用シート。
  4. 前記印刷層上には、剥離可能な保護シートが積層されている請求の範囲1に記載の印刷用シート。
  5. 非通気性フィルムにより包装されて保存されている請求の範囲1に記載の印刷用シート。
  6. 前記印刷用シートはロール状に巻かれて保持され、該印刷用シートのロールが前記非通気性フィルムにより包装されて保存される請求の範囲5に記載の印刷用シート
  7. 前記印刷用シートは、フラット状の形態を有し、一枚毎に前記非通気性フィルムにより包装されて保存される請求の範囲5に記載の印刷用シート。
  8. 前記印刷用シートは、フラット状の形態を有し且つ積載されて保持されており、該積載物が前記非通気性フィルムにより包装されて保存される請求の範囲5に記載の印刷用シート。
  9. インクジェット用記録材として使用される請求の範囲1に記載の印刷用シート。
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