JP2010089405A - 化粧シート - Google Patents

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Abstract

【課題】化粧層を支持する基材シートの厚みを厚くした場合にも、化粧面に貼り付けられた化粧シートの継ぎ目部分での隙間の発生が防止され、また、該化粧シート端部のカールが防止されるばかりか、化粧層が潰れにくく、化粧層の表面に圧力を加えた場合にでも、ヒビの発生が有効に防止された化粧シートを提供する。
【解決手段】基材シート2と、基材シート2の表面に形成された炭酸カルシウムを結合成分として含有する化粧層3との積層体からなる化粧シートにおいて、基材シート2は、300μmを超える厚みを有し、1.5〜7KN/mの引張強度、及び細孔径5〜50μmの細孔容積の総量が1.0ml/g以上を有しており、基材シート2の表面部分には、化粧層3の炭酸カルシウム成分が浸透していることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、建築構造物の壁、柱、天井等に貼着されて使用される化粧シートに関するものであり、より詳細には、基材シートと基材シートの表面に設けられた炭酸カルシウムを結合成分として含有する化粧層と積層体からなる化粧シートに関する。
珪酸カルシウムボード、石膏ボード等のボード基材よりなる壁面、柱面、天井面等の仕上げ材料として、施工が容易で経済性に優れる塩化ビニル製の壁紙が広く用いられてきたが、この種の壁紙は通気性に乏しいという欠点がある。即ち、通気性の乏しい壁紙を上記のようなボード基材に貼着すると、通気性が壁紙により阻害されるため、ボード基材の表面に結露を生じ、この結果、黴の発生、壁紙の剥離などの問題が発生してしまう。また、近年では壁紙や壁紙の貼着に使用する接着剤から出る有害な揮発成分が様々な健康障害をもたらすことも問題視されている。
このような壁紙に代わるものとして、基材シートの表面に漆喰の主成分である炭酸カルシウムを結合成分として含有する化粧層を設けた化粧シートが提案されている(特許文献1)。かかる化粧シートは、通気性に富んでおり、また有害な揮発成分を発生することもないという利点を有している。
上記の化粧シートにおいては、製造時或いは製造後の取扱い時の化粧層の破損を防止するため、石膏ボード用原紙を代表とする高い強度を有する紙が基材シートとして使用されている。
ところで、上記化粧シートを使用して大面積の壁面を施工する場合、複数枚の化粧シートを継ぎ合わせて貼付する方法が採られる。具体的には、複数枚の化粧シートを、隣接する化粧シートが端部で重なり合うようにして糊を用いて壁面に貼り付け、次いで、化粧シートの重なり合った部分をカッターで切断するという手段が採用されている。この方法によれば、隙間なく化粧シートを貼付することができる。
しかるに、上記のような化粧シートでは、化粧すべき壁面(以下、化粧面と呼ぶ)に形成されている凹凸を遮蔽するために、基材シートの厚みを厚くすることが要求されるが、基材シートの厚みを厚くすると、化粧面に貼られた化粧シートの継ぎ目部分が開いて隙間が発生したり、長い間経過が経過すると、化粧シートの端部がカールして化粧面からの剥がれを生じ易くなるという問題が発生する。
このような問題を回避するために、厚みが120〜300μmであり且つ引張強度が1.5〜7KN/mの範囲にある基材シートを使用し、該基材シートの表面に炭酸カルシウムを結合成分として含有する化粧層を設けた化粧シートが提案されている(特許文献2)。
即ち、基材シートの厚みが厚くなると、それに伴って強度が増大するため、湿潤状態から乾燥状態にかけての化粧シートの寸法変化が高強度の基材シートに支配されることとなり、本来、寸法安定性が良好な化粧層が、該基材シートに伴って収縮し、この結果、化粧シートの継ぎ目部分に隙間が発生してしまい、また、化粧層が収縮に追従できない化粧シートの端部ではカールして剥がれを引き起こすこととなる。しかるに、特許文献2の化粧シートでは、基材シートの引張強度を一定の範囲(1.5〜7KN/m)に設定されているため、化粧層本来の寸法安定性が維持されるため、基材シートの厚みを厚くした場合にも、基材シートの収縮に伴う上記の不都合が有効に回避できるというものである。
特開平10−801296号 特開2003−103741号
しかしながら、特許文献2に記載されている化粧シートでは、基材シートの厚みの限界が300μmであり、これよりも基材シートの厚みを厚くすることができない。即ち、基材シートの厚みを300μmよりも厚くすると、化粧層が潰れ易くなってしまい、例えば化粧層の表面を指で押すと容易にヒビが発生してしまうという問題があるからである。しかるに、化粧シートが貼り付けられる化粧面に大きな凹凸が形成されているような場合には、この凹凸が化粧層の表面に反映されないようにするために、さらに基材シートの厚みを厚くすることが要求されることもある。上記の化粧シートは、このような要求に応えるものではない。
従って、本発明の目的は、基材シートの厚みを厚くした場合にも、化粧面に貼り付けられた化粧シートの継ぎ目部分での隙間の発生が防止され、また、該化粧シート端部のカールが防止されるばかりか、化粧層が潰れにくく、指で押した場合にでもヒビの発生が有効に防止された化粧シートを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、意外なことにポーラスな基材シートを使用することにより、化粧層が潰れにくくなり、化粧層表面が外部から押圧されたときのヒビの発生が有効に抑制し得るという新規知見を見出し、かかる知見により、本発明を完成させるに至った。
本発明によれば、基材シートと、該基材シートの表面に形成された炭酸カルシウムを結合成分として含有する化粧層との積層体からなる化粧シートにおいて、
前記基材シートは、300μmを越える厚みを有し、1.5〜7KN/mの引張強度、及び細孔径5〜50μmの細孔容積の総量が1.0ml/g以上を有しており、前記基材シートの表面部分には、前記化粧層の炭酸カルシウム成分が浸透していることを特徴とする化粧シートが提供される。
本発明の化粧シートにおいては、前記基材シートは、300μmを超え450μm以下の厚みを有していることが好ましい。
即ち、本発明の化粧シートは、基材シートの厚みが300μmを超えているため、壁面等の該化粧シートが貼り付けられる化粧面にかなりの高低差の凹凸が形成されていた場合にも、該凹凸が有効に遮蔽され、化粧層表面に凹凸が反映されないため、大きな意匠的効果を示す。
また、引張強度が1.5〜7KN/mの範囲にある基材シートが使用されているため、化粧シートを化粧面に貼り付けたとき、基材シートの収縮に起因する継ぎ目部分で隙間の発生が防止され、また、化粧シート端部でのカールの発生も防止され、化粧シートの剥がれを有効に回避することができる。
さらに、本発明の最も大きな特徴は、基材シートの細孔径5〜50μmの細孔容積の総量が1.0ml/g以上であることである。即ち、このような細孔を有する基材シートを用いて形成された化粧シートでは、化粧層の炭酸カルシウム成分が基材シートの表面部分に浸透して固定されるため、基材シートの収縮が抑制され、基材シートの収縮に起因する継ぎ目部分での隙間の発生や端部でのカールを一層有効に抑制することが可能となるばかりか、基材シートの厚みが前述した範囲に厚く設定されているにもかかわらず、化粧層が潰れにくくなり、外部から化粧層を押圧した場合にもヒビの発生を有効に防止することができるのである。換言すると、本発明では、基材シートの細孔分布が上記範囲内に設定されているため、基材シートの厚みを最大で450μmにまで増大させることが可能となり、これは、本発明の化粧シートの最大の利点である。
本発明の化粧シートの層構造を示す図1を参照して、全体として1で示す化粧シートは、基材シート2と、基材シート2の一方の表面に設けられた化粧層3とからなっている。また、化粧層3の表面には、必要により、通気性保護シート4が設けられる。即ち、かかる化粧シート1は、基材シート2の裏面(化粧層3が設けられていない側の面)に糊等により化粧面に接着固定され、必要により設けられた通気性保護シート4は、その後、引き剥がされる。
<化粧層3>
本発明において、基材シート2の表面に設けられている化粧層3は、炭酸カルシウムを結合成分として含有するものであり、結合成分の少なくとも一部として、炭酸カルシウムを含むものであり、具体的には、水酸化カルシウム(消石灰)を水に分散させた混練物(スラリー乃至ペースト)を基材シート2の表面にコーティングし、該混練物中の水酸化カルシウムを大気中に含まれる二酸化炭素と反応せしめて炭酸化することにより形成されるものである。即ち、水酸化カルシウムの炭酸化によって炭酸カルシウムを生成し、炭酸化の進行に伴って混練物のスラリー乃至ペーストは硬化して化粧層3となる。
尚、水酸化カルシウムの炭酸化反応は反応率約50%までは急速に、その後は緩やかに進行する。また、炭酸化カルシウムの結合成分としての機能は、炭酸化反応の反応率が約50%を過ぎた時点で十分な効果を発揮する。従って、本発明の化粧シート1における化粧層3では、炭酸化の反応率が50%以上、好ましくは反応率が約60%以上に達しており、壁面等の化粧面に施す際、或いは化粧面に施されてある程度の時間が経過したときには反応率が95%以上に達したものとなっている。
化粧層3の形成のために使用する水酸化カルシウムとしては、工業用消石灰、漆喰、ドロマイトプラスター等、水酸化カルシウムを主成分とするものが特に制限無く使用される。
上記炭酸カルシウムを結合成分として含有する化粧層3は、前述した炭酸化率が95%以上に達した状態で、その表面硬度が、45゜鉛筆硬度でH以上であることが、耐擦傷性の観点から好適である。
また、化粧層3には、建築用材料の用途に求められる物性に応じて、各種の添加剤が添加されていてよい。このような添加剤としては、例えば、水性エマルジョンの固形分、繊維、無機細骨材、活性微粒子、顔料等を例示することができる。また、後記の製造上好ましく添加される各種の配合剤を含んでいても良いことは勿論である。
上記水性エマルジョンの固形分は、化粧層3の靱性を向上せしめるほか、化粧層3と後述する基材シート2との接着強度や、化粧層3の表面に必要により設けられる通気性保護シート4との剥離接着強度とを向上せしめる作用を有する。特に、化粧層3の表面に通気性保護シート4を設ける場合には、この水性エマルジョンの固形分を適度の量で配合することにより、化粧層3と通気性保護シート4との剥離接着強度をより高く調整することが可能となる。
このような水性エマルジョンとしては、水媒体中にモノマー、オリゴマーこれらの重合体等が分散したエマルジョンが特に制限なく使用できる。その具体例としては、アクリル樹脂系、酢酸ビニル系、スチレン/ブタジエンゴム系等の合成高分子系エマルジョンを挙げることができる。即ち、かかる水性エマルジョンは、水酸化カルシウムが炭酸化して炭酸カルシウムを生成する際に、分散媒である水が蒸発するため、該エマルジョンの固形分として化粧層3中に存在することとなる。
また、上記繊維としては、化粧層3に配合され得る公知の繊維を特に制限なく用いることができる。具体的に例示すれば、ガラス繊維、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、アクリル繊維、アラミド繊維、カーボン繊維、金属繊維等を使用できる。また、繊維の形状としては短繊維、長繊維、織布、不織布等の形状のものが使用できるが、これらのうち短繊維は化粧層の靱性および切断加工性の向上に特に有効であり、好適に使用される。上記短繊維の長さおよび直径は特に制限されないが、一般的には、長さが1mm〜10mm、特に2mm〜6mmであることが好ましく、また、直径が5〜50μm、特に10〜30μmであることが得られる化粧層3の靱性をより向上させ、また切断加工性においても優れたものとするために好適である。
更に、上記無機細骨材としては、例えば、平均粒子径が0.001〜2mmである炭酸カルシウム(結合成分として関与しない)、珪砂、寒水砂、マイカ、施釉珪砂、施釉マイカ、セラミックサンド、ガラスビーズ、パーライト等を挙げることができる。このような無機細骨材の平均粒子径は0.003〜1.0mmとすることが好ましい。更にまた、上記活性微粒子としては、例えば、平均粒子径が0.1〜50μmの高炉水砕スラグ、フライアッシュ、シリカフューム等が挙げられる。
上記顔料としては、左官用に一般に用いられるもの、具体的には、平均粒子径が0.5〜50μmの酸化鉄、酸化チタン、酸化クロム等の金属酸化物および各種石粉が挙げられる。
その他の添加剤としては、化粧層3の防水性、耐凍結融解性、耐薬品性、耐候性を向上させるために使用されるもの、具体的には、パラフィン、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等の有機質混和材;ジメチルポリシロキサンおよびそのメチル基の一部を水素原子、フェニル基、アルキル基、メルカプト基、ビニル基、シアノアルキル基、フルオロアルキル基等で置換したポリシロキサンを主成分としたシリコーンオイルまたはシリコーン樹脂;メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシシラン、ヘプチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ジヘキシルジメトキシシラン、ジヘプチルジメトキシシラン、トリヘキシルメトキシシラン等のオルガノアルコキシシラン等を挙げられる。
上記した各種の添加剤の配合量は得に制限されないが、一般的には、水酸化カルシウムの全量が炭酸化されて炭酸カルシウムに変換されている化粧層3中の重量%で表して、以下の範囲であることが好ましい。
水性エマルジョンの固形分は、0.5〜18重量%、好ましくは2〜15重量%とすることが、得られる化粧層3の靱性および該化粧層3と基材シート2との接着強度並びに化粧層3と通気性保護シート4との剥離強度を高めることができるために好ましい。
繊維の添加量は、例えば短繊維では、0.1〜5重量%とするのが好ましいが、化粧層3の厚みが0.1〜1mmの場合は、このような繊維を添加せずとも得られる化粧シート1に適度な可撓性を確保できる。
無機細骨材の添加量は、70重量%以下、好ましくは60重量%以下とするのがよく、顔料は5重量%以下であれば特に問題なく使用できる。
また、有機質混和剤、シリコーンオイル、シリコーン樹脂およびオルガノアルコキシシラン等のその他の添加剤の添加量は、0.05〜2重量%とするのが好ましい。
本発明においては、化粧層3に上記した何れの添加剤を配合する場合においても、結合材として作用する炭酸カルシウムの量(水酸化カルシウムの全量が炭酸化して生成したものの量)が、10重量%以上、好ましくは25重量%以上、更に好ましくは30重量%以上となるように調整することが、化粧層3表面の意匠を漆喰仕上げに近づけるために望ましい。
上述した炭酸カルシウムを結合成分として含有する化粧層3の厚みは、特に制限されないが、一般に100〜2000μm、特に、100〜1000μmの範囲にあることが好ましい。即ち、化粧層3の厚みが上記範囲に設定されている場合には、繊維成分を化粧層3に実質的に配合せずに、通気性保護シート4を化粧層3上に積層することにより、曲げに対する耐性をより向上させることができる。
<基材シート2>
本発明において、上記化粧層3を支持している基材シート2は、その引張強度が1.5〜7KN/m、特に、3〜5KN/mの範囲にあるものでなければならない。基材シート2の引張強度が7KN/mより大きい場合、壁面等の化粧面に化粧シート1を貼付した後、その寸法安定性が基材シート2に支配されるようになってしまい、特に複数枚の化粧シート1を、その裏面に糊等の接着剤を塗布して所定の化粧面に継ぎ目なく設けた場合、接着剤の乾燥(硬化)及び経時と共に、継ぎ目部分が開いて隙間が発生してしまい、施工後の化粧シートの外観が著しく損なわれてしまう。(この隙間の幅の限界は、0.05mm程度であり、これを超える隙間は、肉眼で容易に観察されてしまう。)また、場合によっては、化粧シート1の端部がカールして外観の低下を助長するばかりか、化粧シート1が化粧面から容易に剥がれてしまうこととなる。一方、基材シート2の引張強度が1.5KN/mより小さい場合には、特に、この化粧シート1を製造する際に十分な強度を示さないため、安定して化粧シート1を製造することが困難となってしまう。
尚、本明細書において、基材シート2の引張強度は、最も強い方向における引張強度であり、基材シート2が連続して製造される場合、製造時の縦方向の引張強度がこれに当たる。
また、本発明においては、上記の引張強度が維持されることを条件として、基材シート2の細孔径5〜50μmの細孔容積の総量が1.0ml/g以上あることが極めて重要である。即ち、この細孔分布及び細孔容積は、水銀圧入法によって測定されるものであり、細孔分布及び細孔容積が上記範囲にあることは、本発明で用いる基材シート2は、公知の化粧シートに使用されている基材シートに比して適度な大きさの空隙を多く有していることを意味するものである。このような基材シート2が使用されている本発明の化粧シート1では、図1から理解されるように、化粧層3中の炭酸カルシウム成分が基材シート2の表面部分(基材シート2の表面は2aで示されている)に深く浸透し、基材シート2自体の強度が向上するばかりか、基材シート2と化粧層3との接合強度も向上し、この結果、化粧層3の外圧に対する耐性が著しく向上し、外部から化粧層3を押圧した場合にもヒビの発生を有効に防止することが可能となるのである。
即ち、基材シート2の引張強度を前述した範囲に設定した場合には、化粧シート1(化粧層3)の寸法安定性が基材シート2に支配されず、化粧層3の寸法安定性が十分に発揮され、基材シート2の収縮等の面方向の変形が化粧層3により抑制され、従って、化粧面に施工された化粧シート1の継ぎ目部分に隙間が発生したり、或いは化粧シート1の端部がカールしたりするなどの不都合は有効に回避される。しかしながら、基材シート2の引張強度が前述した範囲に設定されていることは、反面、基材シート2の強度が低い領域にあるため、引張強度の調整のみでは、基材シート2の厚みを300μmよりも厚くすることができない。基材シート2の厚みを300μmよりも厚くすると、化粧層3を指等で押圧した場合、押圧された部分において基材シート2に応力が集中し、基材シート2が局部的に凹んでしまい、この変形が化粧層3に反映されてしまい、化粧層3にヒビが生じてしまうのである。
しかるに、本発明では、上記で説明したように、化粧層3の炭酸カルシウム成分が基材シート2の表面部分に深く浸透しているため、基材シート2と化粧層3との界面部分での強度が高められており、この結果、基材シート2の厚みをかなり厚くした場合(例えば300μmよりも厚くした場合)において、化粧層3が外部から押圧されたときにも、基材シート2が局部的に凹むことがなく、従って、化粧層3にヒビが発生するなどの不都合を有効に回避することが可能となるのである。また、基材シート2の細孔容積が前述した範囲にあるため、良好な通気性を確保でき、カビの発生を防止し、さらには炭酸ガスの侵入により化粧層3の硬化が迅速に行われるという利点もある。
本発明において、化粧層3の炭酸カルシウム成分が基材シート2の表面部分への浸透深さは、後述の基材シート2の厚みに対して10〜50%、好ましくは、12〜30%が適当である。しかし、前記浸透深さをあまり深くすると、化粧シートの可撓性が低下するので、その厚みの上限は、前記範囲内で、特に150μmとすることが好ましい。
本発明において、上記の基材シート2の厚みは、300μmを超え、好ましくは400μm以下の範囲とするのがよい。即ち、本発明の化粧シート1では、基材シート2の厚みをかなり厚くすることができるため、その汎用性が広がり、かなりの高低差の凹凸が形成されている化粧面に施工した場合にも、化粧面の凹凸を化粧層3の表面に反映させず、このような凹凸を有効に遮蔽し、意匠的効果を高めることができる。
本発明において、基材シート2は、水酸化カルシウム及び水を含む混練物を塗布する化粧シート1の製造過程でのカールを抑制し、得られる化粧シート1の変形を防止するという観点から、水中伸度(TAPPI−NO,27−B法)が1.3%以下、特に0.8%以下であることが好ましい。また、水中伸度は、あまり大きいと、未だ強度のない未硬化の状態の化粧層が、基材シートの収縮によりカール等の変形をして製造時のトラブルを発生する場合があり、かかる水中伸度が上記範囲のものを使用することが好ましい。
本発明において、引張強度、細孔分布、細孔容積などの物性が上記範囲内にあるなどの観点から、基材シート2の材質は、かなり制限されることとなるが、一般的には、ガラス繊維混抄紙が好適に使用される。ガラス繊維混抄紙は、木材パルプにガラス繊維を混合して抄紙したものであり、このような混抄紙を使用することにより、前述した引張強度、細孔分布、細孔容積などの条件を満足させることが可能となる。例えば、このガラス繊維混抄紙において、ガラス繊維の繊維径は0.5乃至20μm程度であり、且つ繊維長は3乃至25mm程度がよく、また、混抄紙中のガラス繊維の含有量は5乃至50重量%程度である。さらに、物性調整のため、このガラス繊維混抄紙には、ポリ酢酸ビニル繊維、ポリエステル繊維、ビニロン繊維等の化学繊維を適宜の量で含有していてもよい。本発明において、基材シート2として最も好適に使用されるガラス繊維混抄紙は、北越製紙株式会社より、MPS−01Nの商品名で市販されている。
<通気性保護シート4>
本発明の化粧シート1では、図1に示されているように、化粧層3の表面に、別途接着剤を介することなく、剥離可能な強度で通気性保護シート4を積層することが、簡易に化粧層3を保護し、取扱い時における曲げに対して化粧シートのひび割れを効果的に防止するために好適である。
尚、この通気性保護シート4の剥離強度は、特に、200〜4000mN、特に、800〜2500mNとなるように調節することが好ましい。この剥離強度は、JIS−K6854の180度剥離接着強度試験に準じ、幅25mmの試験体を用い、測定条件を300mm/分の条件で測定した値である。
このような通気性保護シート4は、大気中の炭酸ガスが未硬化の化粧層3に供給されて炭酸化による硬化が行われるように、その全面に実質的に均一な通気性を有していることが必要であるが、これと同時に、後記の製造条件下に、悪影響を与えないもの、例えば、化粧層3の形成に用いる水酸化カルシウム及び水の混練物との接触により著しい変形および変質を起こさず、且つ該混練物の固形分が実質的に透過しないものが特に制限なく使用される。具体的には、ガーレ透気度2000sec/100cc以下の通気度、特に好適には1〜1000sec/100ccの通気度を有し、全面にわたって3mmφ以上、特に2mmφ以上の非通気性部分がない合成紙が好適に使用される。
このような通気性保護シート4の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の膜状物および防水紙等の非透水性シートに、ニードルパンチ、延伸等、公知の方法により通気性のみを付与する微多孔を形成したシートや、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ビニロン、ポリエチレンテレフタレート、耐アルカリガラス等の人工繊維からなる織布および不織布等の繊維シートが挙げられる。
上記のように化粧層3の表面に、別途接着剤層を介することなく、通気性保護シート4を適度な剥離強度で積層することにより、この化粧シート1を取り扱う間は、化粧層3から通気性保護シート4が剥離することなく、取り扱うことが出来、また、化粧シート1の化粧面への施工後は、容易に且つ化粧層3に悪影響を与えることなく、通気性保護シート4を剥離することが可能である。しかも、このような通気性保護シート4を使用して後記方法で形成される化粧層3は、通気性保護シート4の適度な通気性が作用してその表面に炭酸カルシウムの緻密な層が形成されるため、高い表面硬度を有し、通気性保護シート4の除去後も優れた耐擦傷性を有することとなる。
<化粧シート1の製造>
上述した構造を有する本発明の化粧シート1は、これに限定されるものではないが、以下のようにして製造することができる。
即ち、先にも簡単に述べたが、水酸化カルシウムと水とを含む混練物を調製し、この混練物を基材シート2の一方の表面に塗布して、未硬化乃至半硬化の化粧層3(混練物層)を形成し、必要に応じて、この未硬化乃至半硬化の化粧層3の上に通気性保護シート4を積層し、この状態で未硬化乃至半硬化の化粧層3(混練物)中の水酸化カルシウムを炭酸化して硬化させることによって本発明の化粧シート1を製造することができる。
上記方法において、水酸化カルシウムとしては、前記したように、水酸化カルシウムを主成分とする工業用消石灰、漆喰、ドロマイトプラスター等の材料が特に制限なく使用される。
水酸化カルシウムと水とを含む混練物には、前記した添加剤を必要に応じて前記した好適な割合となるように添加される。これらの添加剤の他、建築用材料の製造時の作業性等を改良する目的で、各種の配合剤を添加することができる。このような配合剤としては、例えば、増粘剤、流動化剤、消泡剤等を例示することができる。
増粘剤としては、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース系、サッカロース、グルコース等からなる多糖類系、およびアクリル系等が挙げられる。流動化剤としては、例えば、メチロール/メラミン縮合物、ポリカルボン酸塩、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、ナフタリンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、高分子量リグニンスルホン酸を主成分とするものが挙げられる。消泡剤としては、例えば、プルロニック系、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等が挙げられる。
上記増粘剤は、その種類や増粘性によっても異なるが、一般的には、1重量%水溶液の20℃における粘度が100cPとなるヒドロキシエチルセルロースでは、混練物中に0.04重量%以内の量で配合されるのがよい。流動化剤は、その性能により異なるが、一般的にいって、比較的分離抵抗性に優れるポリカルボン酸塩を主成分とするものの場合、混練物中に0.1〜5重量%、特に0.5〜3重量%の量で配合するのがよい。消泡剤の配合量は、一般に、混練物中に1重量%以内、特に0.3重量%以内とすることが好適である。
以上の配合剤等が必要に応じて配合された水酸化カルシウム及び水を含有する混練物において、水酸化カルシウムと水との混合割合は特に制限されないが、水分量を適宜調節し、該混練物の粘度が100〜400000センチポイズとすることで製造時の取扱いが容易になる。特に、混練物の粘度が50000〜200000センチポイズのものは、前記基材に適度な浸透性を有するため好ましい。このような粘度とするためには、一般に、混練物中の水分含量が15〜50重量%、特に、20〜30重量%となる範囲で混合すればよい。
上記のような水酸化カルシウム及び水を含む混練物の基材シート2表面の塗布は、該混練物を、ロールコーター、フローコーター、ナイフコーター、コンマコーター、スプレー、ディッピング、吐出、型材転写等により容易に行うことができる。また、塗布後は、必要に応じてコテ押さえ、口金絞り、ローラー転圧、1軸プレス等により厚み調整を行うこともできる。
尚、上記のような塗布は、混練物中の水酸化カルシウムの炭酸化率が40%以下の段階で行うことが望ましい。即ち、炭酸化がある程度進行してしまうと、基材シート2の表面部分への結合剤である炭酸カルシウム成分の浸透が不十分になるおそれがあるからである。従って、混練物の調製直後、直ちに基材シート2の表面に塗布するのがよい。前述したように、炭酸化率が60%程度までは、直ちに進行してしまうからである。
上記のようにして形成される未硬化乃至半硬化の化粧層3(混練物層)の表面への通気性保護シート4の積層は、例えば上記のように形成された化粧層3が完全に硬化(炭酸化率が100%)する前に該シート4を密着させればよいが、一般的には、スラリー乃至ペーストの塗布と同時に通気性保護シート4を密着させる方法が採用される。
上記のようにして形成された未硬化乃至半硬化の化粧層3は、混練物中の水酸化カルシウムが空気中の二酸化炭素と反応して炭酸カルシウムを生成することにより硬化が進行していく。従って、かかる化粧シート1を、炭酸化が阻害されないような条件下で保存しておけば自動的に硬化が進行していくが、雰囲気温度、湿度、二酸化炭素濃度等の環状条件により、硬化(炭酸化)の進行を容易に制御することができる。例えば、雰囲気温度を25〜90℃、特に50〜80℃とし、2〜120分間養生することで、硬化速度をかなり速めることができる。
尚、硬化に際しては、該混練物層中の余剰な水分の除去および二酸化炭素の供給が重要であるが、前記したように、通気性を有する通気性保護シート4等を使用すれば、該シートを介して該混練物層からの外気への水の蒸散と外気からの二酸化炭素の供給に有効であり、養生時間が短縮されるだけでなく、通気性保護シート4の作用により得られる化粧層の表面硬度をより向上せしめることができる。
また、上記のようにして得られる化粧シート1の化粧層3と通気性保護シート4との剥離強度の調整は、種々の条件によって適宜行うことができるが、効果的な条件として、通気性保護シート4の化粧層3と接する面の親水性、粗度等および混練物に添加する水性エマルジョン、シリコーンオイル等の添加剤の制御等が挙げられる。
例えば、通気性保護シート4の化粧層3と接する面の親水性を強めることにより、剥離強度は向上し、逆に該親水性を弱めることによって剥離強度は低下する。また、混練物中の水性エマルジョンの添加量を多くすることにより、剥離強度は向上し、逆に水性エマルジョンの添加量を少なくすることによって剥離強度は低下する。更にまた、混練物中のシリコーンオイルの添加量を少なくすることにより、剥離強度は向上し、逆に該添加量を多くすることによって剥離強度は低下する。
上記のようにして製造される本発明の化粧シート1の化粧面への施工は、化粧面に接着剤を塗布して行うことも可能であるが、一般的には、化粧シート1の基材シート2の裏面に予め公知の接着剤、例えば糊、澱粉、カルボキシメチルセルロース(CMC)などの接着剤を塗布して行うことが好適である。
上述した本発明の化粧シート1は、基材シート2の厚みが300μmを超えるため、壁面などの化粧面に高低差の大きな凹凸が形成されていた場合にも、このような大きな凹凸を有効に遮蔽することができるため、基材シートの厚みが薄い公知の化粧シートに比して汎用性が高く、その意匠的効果が大きい。また、このような厚みの大きい基材シート2を用いているにも関わらず、多数の化粧シート1を継ぎ目なく化粧面に貼り付けたときにも、接着剤が乾いた段階で継ぎ目部分に隙間が発生するという不都合を生じることが無く、また、長期間の経時後においても化粧シート1の端部がカールして化粧面から剥がれ易くなるという不都合も生ぜず、さらには、化粧層3の表面を指等で押圧した場合にもヒビが発生するなどの不都合も有効に防止されている。
以下、本発明を更に具体的に説明するために実施例を示すが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
尚、実施例および比較例において、各試験は下記に示す方法によって実施した。併せて、実施例及び比較例において使用した基材シートの詳細を以下に示す。
(1)細孔分布;
水銀圧入式ポロシメーター オートポアIII9410(株式会社島津製作所製)を用いて、基材シートの細孔分布・細孔容積を測定した。
(2)炭酸カルシウム成分の基材シートへの浸透深さ;
化粧シートをカッターナイフで垂直に切断し、その断面における炭酸カルシウム成分の基材シートへの浸透深さをマイクロスコープにより測定した。
(3)乾湿繰り返しによる剥離試験;
150×300mmの石綿スレート板の全面に、でん粉系の接着剤を介して化粧シートの基材シート面を貼り付けた後、通気性保護シートを剥離し、24時間乾燥させて試験体を得た。
得られた試験体を温度60℃、湿度95%RHの蒸気中で2時間吸湿させた後、温度60℃の熱風乾燥器中で2時間乾燥させることを30回繰り返した。
試験の結果、試験体の周囲に捲れ部分が認められなかったものを○、認められたものを×とした。
(4)強制目隙試験;
900×900mmの石膏ボードの表面に、450×900mmに切断した化粧シート2枚を中央部に隙間がないように壁紙用接着剤「ヤヨイ化学工業株式会社製ルーアマイルド(商品名)」を介して基材シート面を貼り付けた後、通気性保護シートを剥離し、試験体を得た。
得られた試験体を直ちに60℃の熱風乾燥機に3時間入れ、継ぎ目に生じる隙間をマイクロスコープにより測定した。
(5)下地凸部の隠ぺい性試験;
300×300×12mmの石膏ボードの中央部に直径30mm、厚さ0.1mmのタックシールを2枚重ねて貼った後、石膏ボード全面に壁紙用接着剤「ヤヨイ化学工業株式会社製ルーアマイルド(商品名)」を介して化粧シートの基材シート面を貼り付け、次いで、通気性保護シートを剥離した。
その後、化粧シートの表面を自然光で観察してタックシールの凸が見えないものを○、凸が見えるものを×とした。
(6)化粧層破壊試験;
100×100×12mmの石膏ボード全面に壁紙用接着剤「ヤヨイ化学工業株式会社製ルーアマイルド(商品名)」を介して化粧シートの基材シート面を貼り付け、次いで、通気性保護シートを剥離し、試験体を得た。
得られた試験体に対して垂直に、先端が球状(10mmr)になった鉄製の円柱を当て、100Nの荷重をかけたとき、化粧層にひびの発生が見られなかったものを○、ひびの発生が見えたものを×とした。
(A)基材シート;
表1に示す引張り強さ、細孔分布及び厚みを有する加工原紙1〜8を用いた。
(B)水酸化カルシウム;
消石灰A:宇部マテリアルズ株式会社製高純度消石灰CH−2N(商品名)
消石灰B:JIS R 9001−81規格品
消石灰C:田中石灰工業株式会社製「雪印左官用」(商品名)
(C)水性エマルジョン;
モビニール:ニチゴー・モビニール株式会社製「モビニール752」
(商品名) (アクリルスチレン共重合体、固形分47重量%)
ポリトロン:旭化成ケミカルズ株式会社製「ポリトロンA1480S」
(商品名) (アクリル系共重合体ラテックス、固形分40重量%)
(D)無機細骨材;
炭カルA:株式会社飯田工業所製「イーカル100」(商品名)
炭カルB:薬仙石灰株式会社製ホワイト7(商品名)
(E)流動化剤;
レオビルド:株式会社ポゾリス物産製「レオビルドSP−8N」(商品名)
シーカメント:日本シーカ株式会社製「シーカメント1000NT」(商品名)
(F)通気性保護シート;
不織布A:ユニセル株式会社製BT−1404WM(商品名)
不織布B:旭・デュポンフラッシュスパン・プロダクツ株式会社製タイベック10
59B(商品名)
表1に示す引張り強度、細孔分布及び厚みを有する基材シートを準備した。
Figure 2010089405
次いで、上記基材シートの表面に、表2に示す種類、配合比率の原材料を混練して得た混練物を、ロールコーターを用いて塗布し、表2に示す通気性保護シートを積層し、硬化後の厚みが200μm又は600μmとなるようにした。
Figure 2010089405
この状態で、80℃で5分間乾燥し、該混練物を硬化させて炭酸カルシウムを結合成分として含有する化粧層を形成した。
このようにして得られた化粧シートは、図1にその断面図を示すように、基材シート2片面に、化粧層3が形成され、更に該化粧層の表面に通気性保護シート4が積層されたものであった。
上記化粧シートの通気性保護シートは、手で引張ることによって容易に剥離することができ、また、剥離時に化粧層を破壊することのない程度の強度で付着していた。
尚、得られた化粧シートは、温度25℃相対湿度65%の条件下に放置して水酸化カルシウムの炭酸カルシウムへの変化率(炭酸化率)が75%以上となるように調整して試験に供した。
得られた化粧シートについて、試験結果を表3に示した。
Figure 2010089405
目隙が0.05mm以上では明らかに目地が見え、外観が低下していた。また、基材シートの引張り強さ及び厚みが本発明の範囲内で、細孔径5〜50μmの細孔容積の総量が1.0ml/g未満の場合には、厚さ方向に潰れ易くなり、化粧層の表面に圧力を加えると容易に該化粧層にひびの発生が見られた。
本発明の化粧シートの概略断面構造を示す図。
符号の説明
1:化粧シート
2:基材シート 2a:基材シート表面への炭酸カルシウム成分の浸透部
3:化粧層
4:通気性保護シート

Claims (2)

  1. 基材シートと、該基材シートの表面に形成された炭酸カルシウムを結合成分として含有する化粧層との積層体からなる化粧シートにおいて、
    前記基材シートは、300μmを越える厚みを有し、1.5〜7KN/mの引張強度、及び細孔径5〜50μmの細孔容積の総量が1.0ml/g以上を有しており、
    前記基材シートの表面部分には、前記化粧層の炭酸カルシウム成分が浸透していることを特徴とする化粧シート。
  2. 前記基材シートは、300μmを超え450μm以下の厚みを有している請求項1に記載の化粧シート。
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