JP3026604B2 - 建築用材料およびその製造方法 - Google Patents

建築用材料およびその製造方法

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JP3026604B2
JP3026604B2 JP10505064A JP50506498A JP3026604B2 JP 3026604 B2 JP3026604 B2 JP 3026604B2 JP 10505064 A JP10505064 A JP 10505064A JP 50506498 A JP50506498 A JP 50506498A JP 3026604 B2 JP3026604 B2 JP 3026604B2
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sheet
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breathable
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智浩 高岡
禎浩 酒井
正 藤本
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株式会社 トクヤマ
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、壁面、柱面、天井面等を構成するための新
規な建築用材料に関する。詳しくは、ボードまたはシー
トよりなる基材の表面に炭酸カルシウムを結合成分とし
て含有する化粧層を積層してなる建築用材料において、
多孔質、粉立ち性等の表面性状により、その表面へのシ
ートの貼着が困難である該化粧層の表面に、適度な力で
剥離可能な保護シートを設けることを可能としたことに
より、運搬、設置等における取扱い時の化粧層の保護が
実現でき、その実用的な使用を可能とした建築用材料で
ある。
背景技術 珪酸カルシウムボード、石膏ボード等のボードよりな
る壁面、柱面、天井面等の仕上げ材料として、施工が容
易で経済性に優れる塩化ビニール製の壁紙が広く用いら
れてきたが、該壁紙の貼着により形成された仕上げ面は
実質的に通気性に乏しく、そのため、基材のボードの有
する通気性が壁紙により阻害され、その表面に結露を生
じて黴の発生や該壁紙の剥離といった問題を有する。ま
た、近年では該壁紙およびその貼着に使用する接着剤か
ら出る有害な揮発成分が様々な健康障害をもたらすこと
も問題視されている。
該壁紙に代わる仕上げ材料として通気性を有し、且つ
有害物質を発散しない漆喰、聚楽等の湿式仕上げ材によ
る左官仕上げが見直されつつあるものの、該湿式仕上げ
材が固化するまでに養生を必要とするため工期が長く、
また左官による仕上がりの個人差が出易い等の問題があ
った。更にまた、近年は優秀な左官の不足が深刻化して
おり、上記需要に対応できない状況にある。
そこで本発明者らはボードまたはシートの表面に漆喰
の主成分である炭酸カルシウムを結合成分として含有す
る化粧層を形成することによる、漆喰、聚楽等の湿式仕
上げ材の左官仕上げと酷似した意匠を持つ建築用材料を
開発してきた。
例えば、本発明者らは、日本特許公開公報である、特
開平7−331831号公報、特開平8−244159号公報、特開
平8−72195号公報、特開平9−41614号公報に示される
ように、炭酸カルシウムを結合成分として含有する化粧
層を基材表面に形成した建築用材料を提供してきた。
しかしながら、上記建築用材料は、ボード、シート等
の基材の表面に形成された炭酸カルシウムを結合成分と
して含有する化粧層の表面に粉立ちが起こったり、表面
硬度が低いという欠点を有していた。そのため、該基材
を運搬時、2次加工時、施工時等に化粧層の汚損や傷が
付き易く、建築現場での使用において致命的な問題を有
する。
また、基材が可撓性を有するシートである場合、上記
問題に併せて、運搬時、2次加工時、施工時等にかかる
曲げ応力によって化粧層にクラックが生じ易いという問
題をも有しており、かかる建築用材料は実用的に十分満
足できるものではなかった。
そこで、上記化粧層の汚損や傷が付き易さを補うため
に、該建築用材料の化粧層の表面を保護し、施工後に適
度な力で容易に取り除くことが可能な保護シートを装着
することが考えられる。例えば、表面に樹脂化粧層を設
けた木製ボードや、表面が鏡面仕上げされたステンレス
スチール板等においては、その表面を保護する目的で、
粘着性のシートより成る保護シートを設けることは知ら
れている。
しかし、炭酸カルシウムを結合成分として含有する化
粧層の表面は、粉立ち部分が存在したり、多孔質である
ため、保護シートをその密着力のみによりにより、十分
な剥離強度で積層することが困難であった。
また、該化粧層との剥離強度を向上せしめるために、
強力な接着剤を使用した場合は、上記理由によりその剥
離接着強度が安定しないばかりでなく、剥離強度が強過
ぎる部分が存在すると、該保護シートを剥離する際に化
粧層が破損したり、粘着剤が化粧層の孔に侵入して該接
着剤が化粧層に転写されて残存する等の問題があった。
発明の開示 従って、本発明の第一の目的は、ボード又はシートの
表面に形成された、炭酸カルシウムを結合成分として含
有する化粧層の表面に接着剤を別途使用することなく、
保護シートを適度な剥離強度で積層してなる、汚損防止
や耐擦傷性に優れ、実用性が高められた建築用材料を提
供することにある。
また、本発明の第二の目的は、上記炭酸カルシウムを
結合成分とする化粧層の表面硬度が向上せしめられ、上
記保護シートによる効果と相俟ってより実用性が高めら
れた建築材料を提供することにある。
更に、本発明はの第三の目的は、上記建築用材料を再
現性良く、簡易に製造することが可能な製造方法を提供
することにある。
本発明の他の目的及び利点は、以下の説明により明ら
かになるであろう。
本発明によれば、上記第一の目的は、基材の表面に炭
酸カルシウムを結合成分として含有する化粧層を有し、
該化粧層の表面に、別途接着剤層を介することなく、20
0〜4000mNの剥離強度で通気性保護シートが積層されて
なることを特徴とする建築用材料により達成される。
また、本発明の第二の目的は、上記化粧層の表面硬度
が、45゜鉛筆硬度でB以上の硬度を有する建築用材料に
より達成される。
更に、本発明の第三の目的は、基材の表面に水酸化カ
ルシウムと水とを含む混練物よりなる層と通気性保護シ
ートを順次積層した状態で該水酸化カルシウムを炭酸化
して硬化させることを特徴とする建築用材料の製造方法
により達成される。
図面の簡単な説明 図1は、本発明の建築用ボードにおいて、基材がボー
ドである場合の一態様を示す概略図である。
図2は、本発明の建築用ボードにおいて、基材がシー
トである場合の一態様を示す概略図である。
図3は、本発明の建築用材料を製造するための装置の
代表的な態様を示す概略図である。
上記図において、各符号は下記のことを意味する。
1 基材 2 化粧層 3 通気性保護シート 4 混練物 5 通気性保護シート巻取ロール 6 通気性保護シート支持ロール 7 展着ロール 8 ボード支持ロール 9 コンベアー 10 加熱装置 11 ピンチローラー [詳細な説明] 本発明において、基材の形態としては、ボードおよび
シートが一般に挙げられる。
上記ボードとしては、炭酸カルシウムを結合成分とし
て含有する化粧層の形成が可能な板状体が特に制限なく
使用されるが、特に、通気性を有するもの(以下、通気
性ボードともいう)が好適である。
好適なボードを具体的に例示すれば、石膏ボード、珪
酸カルシウルボード、石綿セメント珪酸カルシウムボー
ド、スラグセメントボード、木毛セメント板、中空セメ
ント板、発泡セメント板、木質合板等が挙げられる。
尚、上記ボードには、例えば、石膏ボードのように、
製造上、面に防災紙等のシートが存在する状態で取り扱
われる場合があるが、本発明においては、かかる状態で
ボードとして使用される。
また、シートとしては、その表面に炭酸カルシウムを
結合成分として含有する化粧層の形成が可能なシート
で、後記の製造条件において混練物中の固形分が透過し
ないものであれば特に制限なく使用される。
好適なシートを具体的に例示すれば、石膏ボード用原
紙、パラフィンコート紙等の耐水紙およびガラス繊維、
ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊
維、ポリエチレンテレフタレート繊維、アクリル繊維、
アラミド繊維、カーボン繊維等の繊維状物からなる織布
または不織布等が挙げられるが、石膏ボード用原紙は該
化粧層との接着性に優れ、しかも得られる化粧シートの
施工に従来の壁紙用接着剤が使用できるために特に好適
である。
上記シートの厚みは特に制限されないが、0.1〜3mmと
することが得られる建築用材料のハンドリング上好まし
い。
本発明において、炭酸カルシウムを結合成分として含
有する化粧層は、結合成分の少なくとも一部として、水
酸化カルシウムと水とを含む混練物を二酸化炭素と反応
せしめて炭酸化することにより硬化させた炭酸カルシウ
ム成分を含有する。
尚、水酸化カルシウムの炭酸化反応は反応率約50%ま
では急速に、その後は緩やかに進行する。また、該結合
成分としての機能は、炭酸化反応の反応率が約50%を過
ぎた時点で十分な効果を発揮する。従って、本発明の化
粧層において炭酸カルシウムは、該反応率が50%以上に
達した状態のものを含むものであり、特に、反応率が約
60%を過ぎたものが好適である。
上記水酸化カルシウムとしては、工業用消石灰、漆
喰、ドロマイトプラスター等、水酸化カルシウムを主成
分とするものが特に制限無く使用される。
上記炭酸カルシウムを結合成分として含有する化粧層
は、後で詳細に説明する本発明の建築材料の製造方法に
よって、該化粧層の表面を緻密化してその表面の硬度を
向上することが可能である。
すなわち、本発明においては、かかる化粧層の表面硬
度が、45゜鉛筆硬度でB以上の化粧層が提供される。か
かる硬度を達成することにより、これに積層される通気
性保護シートによる保護作用と協働して耐擦傷性を著し
く向上できるため、本発明において好ましい。
また、上記化粧層には、建築用材料の用途に求められ
る物性に応じて、各種の添加剤を添加することができ
る。このような添加剤としては、例えば、水性エマルジ
ョンの固形分、繊維、無機細骨材、活性微粒子、顔料等
を例示することができる。また、後記の製造上好ましく
添加される配合剤を含んでいても良い。
上記水性エマルジョンの固形分は、化粧層の靱性を向
上せしめるほか、化粧層と通気性ボードとの接着強度お
よび後で詳細に説明する化粧層と通気性保護シートとの
剥離強度とを向上せしめる作用を有するため、これを適
度に配合することにより、化粧層と通気性保護シートと
の剥離接着強度を前記範囲でより高く調整することが可
能であり好ましい。
該水性エマルジョンとしては、水媒体中にモノマー、
オリゴマーこれらの重合体等が分散したエマルジョンが
特に制限なく使用できる。かかる水性エマルジョンを具
体的に例示すると、アクリル樹脂系、酢酸ビニル系、ス
チレン/ブタジエンゴム系等の合成高分子系エマルジョ
ンを挙げることができる。上記の水性エマルジョンは、
炭酸カルシウムの硬化体が形成される際に、媒体が蒸発
して固形分の少なくとも一部が該炭酸カルシウムの硬化
体中に存在する。
また、上記繊維としては、化粧層に配合が可能な公知
の繊維を特に制限なく用いることができる。具体的に例
示すれば、ガラス繊維、ビニロン繊維、ポリプロピレン
繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレンテレフタレート
繊維、アクリル繊維、アラミド繊維、カーボン繊維、金
属繊維等を使用できる。また、繊維の形状としては短繊
維、長繊維、織布、不織布等の形状のものが使用できる
が、これらのうち短繊維は化粧層の靱性および切断加工
性の向上に特に有効であり、好適に使用される。上記短
繊維の長さおよび直径は特に制限されないが、長さは1m
m〜10mm、特に2mm〜6mmであることが、また、直径は5
〜50μm、特に10〜30μmであることが得られる化粧層
の靱性をより向上させ、また切断加工性においても優れ
たものとするために好適である。
更に、上記無機細骨材としては、例えば、平均粒子径
が0.03〜2mmである炭酸カルシウム(結合成分として関
与しない)、珪砂、寒水砂、マイカ、施釉珪砂、施釉マ
イカ、セラミックサンド、ガラスビーズ、パーライト等
を挙げることができるが、基材がシートの場合は該平均
粒子径は0.05〜1.0mmとすることが好ましく、更に基材
がシートで化粧層に実質的に繊維を含有せず、且つ、該
化粧層の厚みを0.1〜1mmとした場合は該平均粒子径は0.
05〜0.5mmとすることが好ましい。更にまた、上記活性
微粒子としては、例えば、平均粒子径が0.1〜50μmの
高炉水砕スラグ、フライアッシュ、シリカフューム等が
挙げられる。
上記顔料としては左官用に一般に用いられるもの、例
えば、平均粒子径が0.5〜50μmの酸化鉄、酸化チタ
ン、酸化クロム等の金属酸化物および各種石粉が挙げら
れる。
その他の添加剤として、例えば、パラフィン、ステア
リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等の有機
質混和材;ジメチルポリシロキサンおよびそのメチル基
の一部を水素原子、フェニル基、アルキル基、メルカプ
ト基、ビニル基、シアノアルキル基、フルオロアルキル
基等で置換したポリシロキサンを主成分としたシリコー
ンオイルまたはシリコーン樹脂;メチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシ
シラン、ジエチルジメトキシシラン、ブチルトリメトキ
シシラン、ヘキシルトリメトキシシシラン、ヘプチルト
リメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ジヘ
キシルジメトキシシラン、ジヘプチルジメトキシシラ
ン、トリヘキシルメトキシシラン等のオルガノアルコキ
シシラン等を挙げられる。
上記した各種の添加剤の配合量は得に制限されない。
一般には、化粧層中の重量%で表すと次のような割合と
なるように使用することが好ましい。尚、上記割合は、
前記水酸化カルシウムの全量が炭酸化されて炭酸カルシ
ウムに変換された状態に換算した値である。
水性エマルジョンの添加量は、水性エマルジョンを固
形分換算で0.5〜18重量%、好ましくは2〜12重量%と
することが、得られる化粧層の靱性および該化粧層と基
材との接着強度並びに該化粧層とシートとの剥離強度を
高めることができるために好ましく、更に基材がシート
の場合には4重量%以上とすることが得られる建築用材
料の可とう性を高めることができるために好ましい。
また、繊維の添加量は、例えば短繊維では、0.1〜5
重量%とするのが好ましいが、基材がシートで化粧層の
厚みが0.1〜1mmの場合は実質的に繊維を添加せずとも得
られる建築用材料の可とう性を確保できる。
無機細骨材の添加量は、70重量%以下、好ましくは60
重量%以下とするのが好ましい。更に、微粒子の添加量
は3重量%以下とするのが好ましい。更にまた、顔料は
5重量%以下であれば特に問題なく使用できる。
また、その他の添加剤は有機質混和剤、シリコーンオ
イル、シリコーン樹脂およびオルガノアルコキシシラン
は、得られる建築用材料の化粧層の防水性、耐凍結融解
性、耐薬品性、耐候性を向上させるのに効果的であり、
通常、炭酸カルシウムからなる化粧層中にそれぞれ0.05
〜2重量%とするのが好ましい。
本発明においては、化粧層に上記した何れの添加剤を
配合する場合においても、結合材として作用する炭酸カ
ルシウム(前記と同様、水酸化カルシウムが100%炭酸
化された状態に換算したもの)の割合が、10重量%以
上、好ましくは25重量%以上、更に好ましくは30重量%
以上となるように調整することが、化粧層表面の意匠を
漆喰仕上げに近づけるために望ましい。
本発明において、炭酸カルシウムを結合成分として含
有する化粧層の厚みは、特に制限されないが、一般に0.
1〜3mmの範囲とすることが好ましい。
そのうち、基材がボードの場合は特に、0.8〜2mmとす
ることが好ましい。また、基材がシートの場合は0.1〜2
mmとすることが好ましく、特に0.1〜1mmとすることが、
化粧層に実質的に繊維を含有しなくても、通気性保護シ
ートを前記剥離強度で積層する作用により、曲げに対す
る問題を防止することが可能であり好ましい。
本発明の建築用材料は、図1及び図2に示すように、
基材1の表面に形成された炭酸カルシウムを結合成分と
して含有する化粧層2の表面に、別途接着剤を介するこ
となく、200〜4000mNの剥離強度で通気性保護シート3
が積層されてなることを最大の特徴とする。
前記したように、炭酸カルシウムを結合成分として含
有する化粧層に保護シートを積層しようとした場合、該
化粧層の表面は多孔質であるため、保護シートを直接密
着させることが困難であり、満足できる剥離強度での積
層が困難であった。そのため、化粧層を通気性保護シー
トで保護しようとした場合、建築用材料全体を包装する
ことが必要となり、シートを大量に必要とするばかりで
なく、施工時に包装を解く手間も必要とする。
これに対して、本発明の建築用材料は、保護シートと
して、通気性保護シートを使用し、後記する方法により
密着させることにより、適度な剥離強度で該通気性保護
シートを積層し得たものである。従って、通気性保護シ
ートが適度な剥離強度で積層された本発明の建築用材料
は、取扱い時における該通気性保護シートの剥離が起こ
らず、化粧層の表面の傷の発生を確実に防止することが
でき、また、施行後には化粧層を破損することなく容易
に通気性保護シートを剥離することが可能である。
即ち、本発明において、通気性保護シートの剥離強度
が200mNより小さい場合、シートが建築用材料の取扱い
時に剥離してしまい、また、4000mNより大きい場合は、
シートの剥離が困難となり、剥離に際して炭酸カルシウ
ムを結合成分とする化粧層の一部が破壊される恐れがあ
る。
上記のシートの剥離強度は、特に、800〜2500mNとな
るように調節することが好ましい。
なお、本発明において剥離強度は、JIS−K6854の180
゜剥離接着強度試験に準じ、幅25mmの試験体を用い、測
定条件を300mm/分の条件で測定した値である。
本発明において、上記通気性保護シートは、その全面
に実質的に均一な通気性を有し、後記の製造条件下に、
悪影響を与えないもの、水酸化カルシウムと水とを含む
混練物との接触により著しい変形および変質を起こさ
ず、且つ該混練物の固形分が実質的に透過しないものが
特に制限なく使用される。具体的には、ガーレ透気度20
00sec./100cc以下の通気度、特に好適には1〜1000sec/
100ccの通気度を有し、全面にわたって3mmφ以上好まし
くは2mmφ以上の非通気性部分がないものが好適に使用
される。
尚、本発明において、通気性保護シートの「シート」
の語は、厚みによりフィルムと厳密に区別するものでは
なく、保護シートとして要求される強度を有するもので
有れば、特に厚みに対して制限されるものではない。
かかる通気性保護シートを更に具体的に示せば、ポリ
エチレン、ポリプロピレン等の膜状物および防水紙等の
非透水性シートにニードルパンチ、延伸等、公知の方法
により通気性のみを付与する微多孔を形成した非透水性
且つ通気性シート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リエステル、ビニロン、ポリエチレンテレフタレート、
耐アルカリガラス等の人工繊維ポリエステル、ビニロ
ン、耐アルカリガラス等の人工繊維からなる織布および
不織布等の繊維シートが挙げられる。
上記通気性保護シートのうち、特に好適に使用される
のは、ポリエチレン、ポリプロピレン等の膜状物に通気
性のみを付与する微多孔が形成された非透水性且つ通気
性シートおよびポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエ
ステル、ビニロン、ポリエチレンテレフタレート等から
なる通気性を有する不織布である。
上記通気性を有する通気性保護シートを使用して後記
の方法を実施することにより、極めて高い表面硬度を有
する化粧層を得ることができる。
以上のように、本発明の建築用材料は、炭酸カルシウ
ムを結合材として含有する、極めて特殊な状態を有する
化粧層の表面に、別途接着剤層を介することなく、通気
性保護シートを適度な剥離強度で積層することにより、
該建築用材料を取り扱う間は、化粧層から通気性保護シ
ートが剥離することなく、取り扱うことが出来、また、
施行後は、容易に且つ化粧層に悪影響を与えることな
く、該通気性保護シートを剥離することが可能である。
しかも、通気性保護シートの通気性により後記の方法で
形成された化粧層は、その表面に炭酸カルシウムの緻密
な層が形成されるため、高い表面硬度を有し、該通気性
保護シートの除去後も優れた耐擦傷性を有する。
また、本発明の建築用材料は、特に、基材がシートの
場合、化粧層の表面に通気性保護シートが適度な剥離強
度で積層されてなるため、該通気性保護シートの存在に
より優れた耐屈曲性を有し、基材であるシートの可とう
性に応じて2次元曲面への施工が可能であり、更に、施
工後に該通気性保護シートを除去しても新たなクラック
は生じないという優れた特性を有する。
これは本発明の通気性保護シートが化粧層の表面全体
に均一な剥離強度で密着しており、化粧シートを湾曲さ
せた際に発生する曲げ応力の一部分への集中を緩和して
該クラックの発生を抑止する作用によるものと推察され
る。
本発明者らの確認によれば、上記曲面への施工は、例
えば、基材のシート、化粧層(繊維を含有しない)、通
気性保護シートの厚みがそれぞれ0.6mm、0.5mm、0.2mm
の化粧シートで曲率半径5mmまで可能であった。
本発明のシートの施工は、施工面に接着剤を塗布して
行うことも可能であるが、該化粧シートの裏面に予め公
知の材質よりなる接着層を形成させることも好ましい態
様である。
本発明の建築用材料の製造方法は特に制限されるもの
ではないが、好適な方法として、下記の方法が挙げられ
る。
即ち、前記ボード、シート等の基材表面に水酸化カル
シウムと水とを含む混練物よりなる層と通気性保護シー
トとを順次積層し、該混練物よりなる層を通気性保護シ
ートで被覆した状態で混練物中の水酸化カルシウムを炭
酸化して硬化させることを特徴とする建築用材料の製造
方法である。
上記方法において、水酸化カルシウムとしては、前記
したように、水酸化カルシウムを主成分とする工業用消
石灰、漆喰、ドロマイトプラスター等の材料が特に制限
なく使用される。
上記水酸化カルシウムと水とを含む混練物には、前記
した添加剤を必要に応じて前記した好適な割合となるよ
うに添加される。
また、上記混練物には、これらの添加剤の他、建築用
材料の製造時の作業性等を改良する目的で、各種の配合
剤を添加することができる。このような配合剤として
は、例えば、増粘剤、流動化剤、消泡剤等を例示するこ
とができる。
増粘剤としては、ヒドロキシエチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース系、サ
ッカロース、グルコース等からなる多糖類系、およびア
クリル系等が挙げられる。
また、流動化剤としては、例えば、メチロール/メラ
ミン縮合物、ポリカルボン酸塩、メラミンスルホン酸ホ
ルムアルデヒド縮合物、ナフタリンスルホン酸ホルムア
ルデヒド縮合物、高分子量リグニンスルホン酸を主成分
とするものが挙げられる。
消泡剤としては、例えば、プルロニック系、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル等が挙げられる。
これらの各種の配合剤の配合量は特に制限されない
が、一般には、水酸化カルシウムと水とを含む混練物中
の重量%で表すと、次のような範囲で使用することが好
ましい。
例えば、上記増粘剤の添加量は、使用する増粘剤の性
能により異なるが、例えば1重量%水溶液の20℃におけ
る粘度が100cPとなるヒドロキシエチルセルロースでは
0.04重量%以内であれば特に問題なく使用できる。
また、流動化剤の添加量は、使用する流動化剤の性能
により異なるが、例えば、比較的分離抵抗性に優れるポ
リカルボン酸塩を主成分とするものの場合、0.1〜5重
量%、更に0.5〜3重量%とするのが好ましい。
更に、消泡剤の添加量は、1重量%以内、更に0.3重
量%以内とすること が好ましい。
以上の任意成分を必要に応じて配合した水酸化カルシ
ウムと水とにより混練物が得られる。水酸化カルシウム
と水との混合割合は特に制限されないが、水分量を適宜
調節し、該混練物の粘度が100〜40000センチポイズとす
ることで製造時の取扱いが容易になる。このような粘度
とするためには、一般に、混練物中の水分が20〜50重量
%となる範囲で混合すればよい。
水酸化カルシウムと水とを含む混練物を層状に成形す
る方法としては、該混練物をロールコーター、フローコ
ーター、ナイフコーター、コンマコーター、スプレー、
ディッピング、吐出、型材転写等によりボードに塗布
し、必要に応じてコテ押さえ、口金絞り、ローラー転
圧、1軸プレス等により成形する方法を特に制限なく採
用できる。
水酸化カルシウムと水とを含む混練物の層の表面を通
気性保護シートで被覆する方法としては、該層の成形
後、硬化前にシートを密着させる方法、または層の形成
と同時に通気性保護シートを密着させる方法等の何れで
もよい。
上記の状態下での水酸化カルシウムと水とを含む混練
物の硬化は、水酸化カルシウムと水とを含む混練物の成
形体と空気中の二酸化炭素とが反応して炭酸カルシウム
を生成することによって行われる。従って、硬化の方法
は該炭酸化反応を妨げない条件下で行えばよいが、温
度、湿度、二酸化炭素濃度等の制御により養生時間を短
縮することが可能である。上記養生温度については、初
期温度を25〜90℃、好ましくは、35〜80℃とし、30〜12
0分養生することで生産性を高めることができる。
また、硬化に際しては該混練物の成形体中の余剰な水
分の除去および二酸化炭素の供給が重要であるが、前記
したように、通気性を有する通気性保護シートを使用す
れば、該シートを介して該混練物の成形体からの外気へ
の水の蒸散と外気からの二酸化炭素の供給に有効であ
り、養生時間が短縮されるだけでなく、該通気性保護シ
ートの作用により得られる化粧層の表面硬度が向上し
る。
上記本発明の方法に対して、基材の表面に炭酸カルシ
ウムからなる化粧層を形成する手段として、従来の方
法、即ち、ボードの表面に水酸化カルシウムと水とを含
む混練物を成形した後、その表面を大気中に解放した状
態で硬化せしめた場合、該表面に水分の蒸発による空孔
が生じ、表面が緻密で方面硬度の高い炭酸カルシウム硬
化体は得られない。また、該蒸発に際して表面に移動し
た水分中のカルシウムイオンが大気中の二酸化炭素と反
応して脆弱で見苦しい粉吹き状態の化粧層となり、該得
られる建築用材料の意匠を損なうばかりでなく、接触し
た皮膚や衣服等に付着することもある。更にまた、乾燥
収縮によるクラックも発生し易いという欠点があった。
また、該混練物を加圧脱水成形すれば、得られる炭酸カ
ルシウム硬化体の密度の向上に伴い表面硬度は向上する
が、コストが掛かるだけでなく、脆弱で見苦しい粉吹き
状態を解消することは困難であった。
これに対して、前記の本発明にかかる製造方法によれ
ば、化粧層が水酸化カルシウムと水とを含む混練物の成
形体の表面を通気性保護シートで被覆した状態で硬化し
て形成されるため、養生工程における該成形体の該通気
性保護シートで被覆された面からの急激な水分の蒸散が
抑制され、該脆弱な粉吹き状態の化粧層が生成しないば
かりでなく、緻密で表面硬度の高い化粧層となるものと
推定される。
本発明において炭酸カルシウムを結合成分として含有
する化粧層の表面は、通気性保護シートの表面と接する
面の凹凸を反転複写した形状となるので、シートの該表
面と接する面に予め任意の凹凸加工を施すことにより得
られる建築用材料に該凹凸の意匠を付与することができ
る。例えば、左官仕上げのテクスチャーの反転型を通気
性保護シートに施せば、該テクスチャーを複写した表面
を有する化粧層が得られる。このような凹凸加工は、例
えば、化粧層の厚み2mmの場合、±1mm程度まで好適に実
施することができる。
本発明の上記方法において、得られる建築用材料の化
粧層と通気性保護シートとの剥離強度の調整は、種々の
条件によって適宜行うことができるが、効果的な条件と
して、通気性保護シートの化粧層と接する面の親水性、
粗度等および混練物に添加する水性エマルジョン、シリ
コーンオイル等の添加剤の制御等が挙げられる。
例えば、該通気性保護シートの化粧層と接する面の親
水性を強めることにより、剥離強度は向上し、逆に該親
水性を弱めることによって剥離強度は低下する。また、
水性エマルジョンの添加量を多くすることにより、剥離
強度は向上し、逆に該添加量を少なくすることによって
剥離強度は低下する。更にまた、シリコーンオイルの添
加量を少なくすることにより、剥離強度は向上し、逆に
該添加量を多くすることによって剥離強度は低下する 本発明において、建築用材料の製造を連続的に実施す
る場合に好適な装置として、基材としてボードを使用し
た場合について説明するが、基材としてシートを使用す
る場合についても、これに準じた装置を使用することが
できる。
即ち、上記装置として、予め水酸化カルシウムと水と
を含む混練物の層を形成した通気性保護シートを、連続
的に搬送されるボードの表面に該混練物の層が接触する
ように連続的に供給することにより、該ボードの表面に
上記混練物よりなる層と通気性保護シートとを順次積層
した積層体を形成する装置が挙げられる。
具体的には、通気性保護シートを連続的に供給する通
気性保護シートの連続供給手段、混練物を該通気性保護
シート表面に連続的に展着せしめて該通気性保護シート
表面に混練物の層を形成せしめる展着手段、ボードを連
続的に供給するためのボード搬送手段、および上記混練
物の層を有する通気性保護シートを供給されたボード
に、該混練物の層がボードと接触するように積層する積
層手段よりなる装置が好適に使用される。
尚、上記装置において、ボードとボートとの継ぎ目を
跨いで存在する通気性保護シートを切断する手段は必要
に応じて付加することができる。
図3は、上記装置の代表的な態様を示す概略図であ
る。
即ち、かかる装置は、通気性保護シート3を連続的に
供給する通気性保護シート巻取ロール5によって構成さ
れた通気性保護シートの連続供給手段、2本のロール
6、7を間隙をあけて対向させ、それぞれのロール面に
より水酸化カルシウムと水とを含む混練物4のダムを形
成し、上記連続的に供給される通気性保護シート3が、
一方のロール6(以下、通気性保護シート支持ロールと
いう)と接触しながら、他方のロール7(以下、展着ロ
ールという)との間隙を通過することによって該混練物
が該通気性保護シート表面に一定の厚みで展着ように構
成された展着手段、基材(ボード)1を連続的に搬送す
るコンベアー9によって構成されたボード搬送手段、該
ボード搬送手段の搬送路において、前記通気性保護シー
ト支持ロール6と間隙をあけてボード支持ロール8を設
けてボードを支持し、上記混練物の層を有する通気性保
護シートを、該混練物の層がボードと接触するように構
成された積層手段より成る。
尚、上記ボード支持ロール8に、ボードの搬送機能を
付加しても良いし、コンベアー9にボード支持機能を持
たせても良い。
また、通気性保護シート3が樹脂通気性保護シートの
場合は、赤外線ヒーター、温風ヒーター等の加熱装置10
を設けることにより、通気性保護シートの有する残留応
力を除去することも好ましい態様である。
更にまた、通気性保護シート3を通気性保護シート支
持ロール6に弛みなく供給する手段として、通気性保護
シート巻取ロール5にトルク制御可能なパウダーブレー
キを設けることおよび通気性保護シート支持ロール6の
直前に左右一対のピンチローラー11を設けることも好ま
しい態様である。
本発明の建築用材料は、ボード、シート等の基材の表
面に炭酸カルシウムを結合成分として含有する化粧層が
形成され、更にその表面に適度な剥離強度で通気性保護
シートが積層された構造を有するため、施工終了までは
該通気性保護シートが剥離することなく、該化粧層の汚
損や損傷を防止することができ、且つ、施工後には、化
粧層を損傷することなく、該化粧層と通気性保護シート
との両者の界面で容易に剥離することができる。
また、本発明の化粧層は、水酸化カルシウムと水とを
含む混練物の成形体の表面を通気性保護シートで被覆し
た状態で硬化して形成することにより、養生工程におけ
る該成形体の該通気性保護シートで被覆された面からの
急激な水分の蒸散が抑制され、該脆弱な粉吹き状の炭酸
カルシウム層が生成しないばかりでなく、緻密で表面硬
度の高い化粧層となり、上記通気性保護シートの機能と
共に働き、表面の損傷や汚染を極めて効果的に防止する
ことができる。
更に、基材がシートの場合、単に本発明と同様の化粧
層を設けたものに対し、通気性保護シートが該化粧層の
表面に存在することにより、シートの曲げによる該化粧
層の割れの発生が著しく減少し、優れたハンドリング性
を有する。
従って、上記基材がシートである本発明の建築用材料
は、通気性保護シートが密着した状態では従来の壁紙と
同様の可とう性を有するため容易に施工することがで
き、また、施工後に通気性保護シートを剥ぎ取ると左官
仕上げの意匠と優れた難燃性を持つ化粧層の面が現れ、
これにより壁面、柱面、天井面等の表面を構成すること
ができる。
また、本発明の建築用材料は、例えば、基材がボード
の場合、公知のボードと同様に取り扱うことができると
共に、従来のボードと同様の施工法により、左官仕上げ
の意匠を持つ壁面、柱面、天井面等が容易に得られ、施
工終了までの汚損を受けにくいため取り扱い易く、更に
施工後も傷つきにくい。
また、本発明の建築用材料は、化粧層が吸放湿性を有
するため、表面結露を生じにくく、基材として通気性ボ
ードを使用すれば、該通気性ボートを単独で使用した場
合と同等以上の吸放湿性を発揮する。
このように、本発明の建築用材料は内装および外装の
仕上げ材として好適であり、左官仕上げの乾式化、簡素
化という要求に応える材料である。また、内装に用いれ
ば、空間内の湿度環境を調節する機能をも発揮する。
以下に、本発明を更に具体的に説明するために、実施
例および比較例を示すが、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。
本発明および比較例における各試験方法および材料を
下記に示す。
なお、試験体の炭酸カルシウムを結合成分として含有
する化粧層の厚みは約1mmとした。
(1)炭酸化率 強熱減量法により、化粧層中の水酸化カルシウムおよ
び炭酸カルシウムを定量し、水酸化カルシウムの炭酸カ
ルシウムへの変化率を算出した。
(2)剥離強度 JIS−K6854の180゜剥離接着強度試験に準じ、幅25mm
の試験体を用い、測定条件を300mm/分として測定した。
(3)表面硬度試験 JIS−K5400の鉛筆硬度法により表面硬度を測定した。
(4)接触汚染性 試験体の表面を黒色のタオル地で擦り、タオル地への
付着物を目視で観察し、付着物がほとんど認められない
ものを○、それ以外を×とした。
(5)可とう性 直径50mmの円柱に試験体を貼り付けて、化粧層にクラ
ックの生じないものを○、生じたものを×とした。
(A)基材 ボード ・石膏ボード:GB−R 300×300×9.5mm ・珪酸カル板:珪酸カルシウムボード 300×300×10mm ・フレキ板:石綿セメント珪酸カルシウムボード 300×300×6mm シート ・耐水紙:石膏ボード用原紙 ・RG00:株式会社トクヤマ製「RG00」(商品名) (樹脂シート付き不織布) ・チタン紙:株式会社興人製チタン紙 (目つけ量80g/m2) (B)水酸化カルシウム ・消石灰A:田中石灰工業株式会社製「雪印左官用」(商
品名)(平均粒子径7μm) ・消石灰B:JIS R 9001−81規格品(平均粒子径3μ
m) ・消石灰C:吉沢石灰工業株式会社製「建特K100」(商品
名)(平均粒子径10μm) ・ドロマイトプラスター:日本プラスター株式会社製
「上塗り用」(商品名)(平均粒子径10μm) (C)水性エマルジョン ・モビニール:ヘキスト合成株式会社製「モビニール75
2」(商品名) (アクリルスチレン共重合体、固形分47重量%) ・キープジョン:株式会社トクヤマ製「キープジョン−
K100」(商品名)(酢酸ビニル系、固形分45重量%) ・ポリトロン:旭化成工業株式会社製「ポリトロンA145
0T」(商品名) (アクリル系共重合体ラテックス、固形分45重量%) (D)繊維 ・VPB103:株式会社クラレ製「VPB103×2」(商品名) (ビニロン繊維、10μmφ×2mm) ・RBW203:株式会社クラレ製「RBW203×4」(商品名) (ビニロン繊維、1.5μmφ×4mm) (E)無機細骨材 ・イーカル:株式会社飯田工業所製「イーカル100」
(商品名)(炭酸カルシウム、平均粒子径40μm) ・珪砂:嘉穂7号(平均粒子径120μm) ・マイカ:株式会社レプコ製「フロゴパイトS−20」
(商品名)(平均粒子径700μm) (F)シリコーンオイル ・BY16−601:東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会
社製 「BY16−601」(商品名) (G)流動化剤 ・レオビルド:株式会社ポゾリス物産製「レオビルドSP
−8N」(商品名) ・シーカメント:日本シーカ株式会
社製「シーカメント1000NT」(商品名) (H)消泡剤 ・SN260:サンノプコ株式会社製「SNデフォーマー260」
(商品名)(I)顔料 ・酸化鉄:株式会社バイエル製「バイフェロックス61
0」(商品名) (J)通気性保護シート ・ポーラムPH:株式会社トクヤマ製「ポーラムPH」(商
品名) ・ポーラムPN:株式会社トクヤマ製「ポーラムPN」(商
品名) ・NFシート:株式会社トクヤマ製「NFシートNG」(商品
名) ・NFシートC:株式会社トクヤマ製「NFシートNG」(商品
名)に コロナ放電による表面親水加工品を施した。
・不織布A:ユニチカ株式会社製「マリックス20704FLD」
(商品名) ・不織布B:旭・デュポンフラッシュスパン・プロダクツ
株式会社製 「タイベック1059B」(商品名) 上記通気性保護シートのガーレー通気度は表2に示し
た通りである。また、上記通気性保護シートは、全て微
細孔がシート全面に均一に存在するものであり、該シー
トの全面において、3mmφの範囲内に非通気性部分は存
在しないものである。
(K)非通気性シート ・粘着テープ:ニチバン株式会社製クラフトテープ ・市販のポリエチレンシート(厚み50μm) 実施例1〜11 表1に示す種類、配合比率の原材料を混練して得た混
練物を、表1に示すボード表面に硬化後の厚みが1mmと
なるように塗布し、次いでその表面を表2に示す通気性
保護シートで被覆した。この状態で、表2に示す条件で
成形・養生し、該混練物を硬化させて炭酸カルシウムを
結合成分として含有する化粧層を形成した。
尚、得られた建築用材料は、温度25℃相対湿度65%の
条件下に放置して水酸化カルシウムの炭酸カルシウムへ
の変化率(炭酸化率)が75%以上となるように調整して
試験に供した。得られた建築用材料についての試験結果
を表2に併せて示した。
実施例1〜11において得られた建築用材料は、丸鋸に
よる切断や、運搬時に通気性保護シートの剥離が全く無
く、且つ該通気性保護シートは化粧層を破損することな
くスムースに剥離することができた。
比較例1 通気性保護シートによる被覆を行わないこと以外は実
施例1と同様にしてボードの表面に化粧層を形成せしめ
た(表1および表2参照)。
更に、該化粧層の表面に市販の粘着テープを貼り着け
て実施例と外観が同じ構造の建築用材料を製造した。得
られた建築用材料についての試験結果を表2に併せて示
した。
上記建築用材料は、丸鋸による切断や、運搬時に通気
性保護シートが大面積にわたって剥離する現象を生じ、
実用的ではなかった。
比較例2 通気性保護シートによる被覆を言わないこと以外は実
施例3と同様にしてボードの表面に化粧層を形成しめた
(表1および表2参照)。
更に、該化粧層の表面に市販の粘着テープを貼り着け
て実施例と外観が同じ構造の建築用材料を製造した。得
られた建築用材料についての試験結果を表2に併せて示
した。
上記建築用材料は、丸鋸による切断や、運搬時に通気
性保護シートが大面積にわたって剥離する現象を生じ、
実用的ではなかった。
実施例12〜16 表3に示す種類、配合比率の原材料を混練して得た混
練物を表4に示す基礎シートと通気性保護シートの間に
積層し、表4に示す条件で形成・養生し、更に温度25℃
相対湿度65%の条件下に放置して水酸化カルシウムと炭
酸カルシウムへの変化率(炭酸化率)が75%を超えたも
のを試験体とした。得られた試験体の試験結果を表4に
示した。
なお、実施例15および16では基材シートの不織布側に
化粧層を形成した。
比較例3 シートによる被覆を行わないこと以外は実施例12と同
様にして試験体を得た。更に該試験体に粘着テープを貼
り着けて剥離強度試験体とした。得られた試験体の試験
結果を表4に示した。
実施例17〜21 表5に示す種類、配合比率の原材料を混練して得た混
練物をロールコーター法により表6に示す種類の通気性
保護シートの表面に塗りつけ、直ちに表6に示す種類の
シートに密着して積層した後、温度40℃の乾燥器中で5
分間加熱し、更に、温度25℃相対湿度65%の条件下に放
置して水酸化カルシウムと炭酸カルシウムへの変化率
(炭酸化率)が75%を超えたものを試験体とした。得ら
れた試験体の化粧層の厚みおよび上記変化率100%にお
ける化粧層の組成(理論値)を表6に、試験結果を表7
にそれぞれ示した。
比較例4 実施例17と同様にして得た混練物をロールコーター法
により表6に示す種類のシートの表面に塗りつけた後、
通気性保護シートを積層することなく、温度40℃の乾燥
器中で5分間加熱し、更に温度25℃相対湿度65%の条件
下に放置して水酸化カルシウムの炭酸カルシウムへの変
化率(炭酸化率)が75%を超えたものを試験体とした。
また、該試験体に粘着テープを貼り着けて剥離強度試験
体とした。
得られた試験体の化粧層の厚みおよび上記変化率100
%における化粧層の組成(理論値)を表6に、試験結果
を表7にそれぞれ示した。
比較例5 実施例1において、通気性保護シートの代わりに、非
通気性シートとして、厚さ50μmのポリエチレンシート
を使用した以外は、実施例1と同様にしてボードの表面
に化粧層を形成せしめた。
得られた建築用材料は、養生工程で化粧層中の水分に
より、ポリエチレンシートの内面で水蒸気圧が発生し、
該ポリエチレンシートの表面積の約30%が剥離した。ま
た、残りの密着部分について、実施例1と同様な試験を
行った結果、シートの剥離強度が150mN、化粧層の表面
硬度が3B、化粧層の接触汚染性が×であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−72195(JP,A) 特開 平8−244159(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 E04C 2/00 - 2/54

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材の表面に炭酸カルシウムを結合成分と
    して含有する化粧層を有し、該化粧層の表面に、別途接
    着剤層を介することなく、200〜4000mNの剥離強度で通
    気性保護シートが積層されてなることを特徴とする建築
    用材料。
  2. 【請求項2】前記化粧層が、表面に通気性保護シートを
    有する状態で水酸化カルシウムと水とを含む混練物の炭
    酸化によりその場で形成されたものである請求項1記載
    の建築用材料。
  3. 【請求項3】化粧層の表面の硬度が鉛筆硬度でB以上で
    ある請求項1記載の建築用材料。
  4. 【請求項4】基材がボードまたはシートである請求項1
    記載の建築用材料。
  5. 【請求項5】化粧層の結合成分として水性エマルジョン
    の固形分を含む請求項1記載の建築用材料。
  6. 【請求項6】化粧層中の水性エマルジョンの固形分の割
    合が0.5〜18重量%である請求項5記載の建築用材料。
  7. 【請求項7】基材の表面に水酸化カルシウムと水とを含
    む混練物よりなる層と通気性保護シートを順次積層した
    状態で該水酸化カルシウムを炭酸化して硬化させること
    を特徴とする建築用材料の製造方法。
  8. 【請求項8】通気性保護シートが、ガーレ通気度2000se
    c./100cc以下であり、且つ全面にわたって3mmφ以上の
    範囲で非通気性部分が存在しないシートである請求項7
    記載の建築用材料の製造方法。
  9. 【請求項9】基材がボードまたはシートである請求項7
    記載の建築用材料の製造方法。
  10. 【請求項10】混練物が水性エマルジョンを含む請求項
    7記載の建築用材料の製造方法。
  11. 【請求項11】混練物が繊維を含む請求項7記載の建築
    用材料の製造方法。
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