JP3406803B2 - 研ぎ出し調意匠を有する化粧層の製造方法 - Google Patents

研ぎ出し調意匠を有する化粧層の製造方法

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JP3406803B2 JP15111997A JP15111997A JP3406803B2 JP 3406803 B2 JP3406803 B2 JP 3406803B2 JP 15111997 A JP15111997 A JP 15111997A JP 15111997 A JP15111997 A JP 15111997A JP 3406803 B2 JP3406803 B2 JP 3406803B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築の壁面、柱
面、天井面等を構成する基材表面に積層することによ
り、研ぎ出し調意匠の風合いを奏する、新規な化粧層の
製造方法に関る。
【0002】
【従来の技術】石膏ボードのような基材により、壁面、
柱面、天井面等を構成する場合、その表面の意匠を向上
させるため、化粧層が一般に形成される。
【0003】上記化粧層は、水酸化カルシウムと水を含
む混練物を成形した後、該水酸化カルシウムを炭酸化し
て硬化させて得られる炭酸カルシウムを結合成分とする
硬化体よりなり、従来より、漆喰仕上げ、スタッコ仕上
げ等として古くより広く行われてきた。
【0004】近年、住宅内装の多様なコンセプトによ
り、上記化粧層に様々な意匠性が要求されるようになっ
た。その中で、平滑な表面に斑状の模様を表出させた研
ぎ出し調意匠の風合いを有する化粧層がその一つとして
挙げられる。
【0005】上記研ぎ出し調意匠を得るための手段の一
つとして、前記水酸化カルシウムの混練物に骨材を添加
して研ぎ出し調意匠を表出させる方法が考えられる。
【0006】しかしながら、上記骨材として通常使用さ
れる粒状の骨材を使用した場合、化粧層を構成する炭酸
カルシウムの著しい隠ぺい性により上記骨材の意匠の表
出が妨げられてしまう。また、意匠を表出させるため、
硬化した化粧層の表層を削り落として埋没した細骨材を
露出させる「研ぎ出し」を行う方法も考えられるが、し
かしながら、「研ぎ出し」は、結合成分である炭酸カル
シウムよりなる硬化体の硬度が一般に低いため、研ぎ出
しにより骨材が露出する過程で該硬化体表面より脱落
し、研ぎ出し調意匠の表出が困難であった。
【0007】また、結合成分である炭酸カルシウムの硬
化を待って施さねばならないために工期およびコストが
かかり、また処理時に粉塵が発生するため作業環境が悪
く、しかも化粧層の表面に該粉塵が残留するため接触し
た衣服等を汚す等の問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の第一
の目的は、研ぎ出し調意匠が極めて良好に表出された、
炭酸カルシウムを結合成分とする硬化体よりなる化粧層
を提供することにある。また、本発明の第二の目的は、
上記化粧層を粉塵の発生を伴わずに、研ぎ出し調意匠を
有する化粧層を極めて簡易に製造す方法を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記第一の目的
は、炭酸カルシウムを結合成分として有する硬化体に含
有せしめる骨材として、鱗片状の骨材を特定量使用し、
該鱗片状骨材の一部を該硬化体表面に露出させることに
よって達成される。また、上記本発明の第二の目的は、
水酸化カルシウムと水とを含む混練物に鱗片状骨材を添
加し、かつその表面にシートを積層した状態で硬化させ
ることによって達成される。
【0010】すなわち、本発明は、基材の表面に、鱗片
状骨材を含有する水酸化カルシウムと水とを含む混練物
よりなる層および非透水性且つ通気性シート又は繊維シ
ートを順次積層し、該混練物を硬化させることを特徴と
する研ぎ出し調意匠を有する化粧層の製造方法を提供す
る。さらに、本発明は、また鱗片状骨材として、化粧層
の厚み(t)に対して10t以下の相当径を有するもの
より実質的になり、且つt以上の相当径を有するものの
割合が全体の15%以上を占めるものを使用する上記研
ぎ出し調意匠を有する化粧層の製造方法をも提供する。
【0011】かくして、好ましくは、鱗片状骨材を含有
し、炭酸カルシウムを結合成分とする硬化体よりなる化
粧層であり、該鱗片状骨材は、上記硬化体中に0.5〜
20重量%の割合で存在し、その少なくとも一部が該硬
化体の表面に露出した状態で存在する研ぎ出し調意匠を
有する化粧層を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において、鱗片状骨材の材
質は、水酸化カルシウムと水との混練物との接触により
変質しないものが好適に使用される。上記材質の鱗片状
骨材を具体的に例示すると、天然マイカ、施釉マイカ、
金属箔、耐アルカリガラスフレーク、破砕貝殻、破砕樹
脂シート等を挙げることができる。
【0013】また、鱗片状骨材の形状、大きさ等は特に
制限されないが、形状としては円形〜正方形のものが好
ましく、大きさは、相当径が、0.5〜10mm好まし
くは0.8〜5mmでアスペクト比10以上のものが好
適に使用される。上記アスペクト比が小さすぎる骨材で
は、化粧層の表面における該骨材の露出率が低くなり良
好な研ぎ出し調の意匠を得ることが困難である。
【0014】上記した鱗片状骨材の配合量は炭酸カルシ
ウムを結合成分とする硬化体よりなる化粧層中に0.5
〜20重量%の割合で存在せしめることが好ましい。配
合量が0.5重量%より少ない場合、化粧層表面への露
出量が不足して研ぎ出し調意匠が得られず、20重量%
より多い場合、水酸化カルシウム、鱗片状骨材および水
を含む混練物の混練が困難になる。
【0015】本発明において炭酸カルシウムを結合成分
とする硬化体は、実質的に水酸化カルシウムと水とを含
む混練物中の水酸化カルシウムと気中の二酸化炭素とを
反応させて炭酸カルシウムを生成せしめることによって
得ることができる。該反応は反応率約50%までは急速
に、その後は緩やかに進行するが、本発明において、硬
化体は反応率が100%に達していないものでも、反応
率が50%を越えたものを全て含む。すなわち、反応率
が50%を越えたものは、硬化体として実用的な強度を
有すると共に、その後、空気中の炭酸ガスと反応して炭
が徐々に進行し、十分な反応率が達成される。
【0016】尚、炭酸カルシウムの一部として、結合成
分として関与しないものも存在していても良く、後記す
る無機骨材として該化粧層に添加される場合もある。
【0017】本発明において化粧層にはその用途に求め
られる物性に応じて、各種の添加剤を添加することがで
きる。このような添加剤としては、例えば、水性エマル
ジョンの固形分、繊維、無機骨材、活性微粒子、顔料等
を例示することができる。また、後記の製造上好ましく
添加される配合剤を含んでいても良い。
【0018】上記水性エマルジョンの固形分は、化粧層
の靱性を向上せしめるほか、化粧層とシートとの剥離接
着強度を向上せしめ、また化粧層を下地材に直接施す際
には該下地材との接着強度を向上せしめる。該水性エマ
ルジョンとしては、水媒体中にモノマー、オリゴマーこ
れらの重合体等が分散したエマルジョンが特に制限なく
使用できる。かかる水性エマルジョンを具体的に例示す
ると、アクリル樹脂系、酢酸ビニル系、スチレン/ブタ
ジエンゴム系等の合成高分子系エマルジョンを挙げるこ
とができる。水性エマルジョンは、炭酸カルシウムの硬
化体が形成される際に、媒体が蒸発し、固形分が該炭酸
カルシウムの硬化体中に存在する。
【0019】また、上記繊維としては、各種の公知の繊
維であれば特に制限なく用いることができる。具体的に
例示すれば、公知のガラス繊維、ビニロン繊維、ポリプ
ロピレン繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、アラ
ミド繊維、カーボン繊維、金属繊維等を使用できる。ま
た、繊維の形状としては短繊維、長繊維、織布、不織布
等の形状のものが使用できるが、これらのうち短繊維は
化粧層の靱性および切断加工性の向上に特に有効であ
る。上記短繊維の長さおよび直径は特に制限されない
が、長さは1.0mm〜10.0mm、特に2.0mm
〜6.0mmであることが、また、直径は5〜50μ
m、特に10〜30μmであることが得られる化粧層の
靱性をより向上させ、また切断加工性においても優れた
ものとするために好適である。
【0020】更に、上記無機骨材としては、例えば、平
均粒子径が0.03〜2.0mmである炭酸カルシウ
ム、珪砂、寒水砂、施釉珪砂、セラミックサンド、耐ア
ルカリガラスビーズ、パーライト等を挙げることができ
る。
【0021】更に又、上記活性微粒子としては、例え
ば、平均粒子径が0.1〜50μmの高炉水砕スラグ、
フライアッシュ、シリカフューム等が挙げられる。
【0022】上記顔料としては左官用に一般に用いられ
るもの、例えば、平均粒子径が1〜50μmの酸化鉄、
酸化チタン、酸化クロム等の金属酸化物および各種石粉
が挙げられる。
【0023】その他の添加剤として、例えば、パラフィ
ン、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウ
ム等の有機質混和材;ジメチルポリシロキサンおよびそ
のメチル基の一部を水素原子、フェニル基、アルキル
基、メルカプト基、ビニル基、シアノアルキル基、フル
オロアルキル基等で置換したポリシロキサンを主成分と
したシリコーンオイルまたはシリコーン樹脂;メチルト
リメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジメチ
ルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ブチ
ルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、
ヘプチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシ
ラン、ジヘキシルジメトキシシラン、ジヘプチルジメト
キシシラン、トリヘキシルメトキシシラン等のオルガノ
アルコキシシラン等を挙げられる。
【0024】上記した各種の添加剤の配合量は特に制限
されない。一般には、炭酸カルシウムを結合成分とする
化粧層中に占める割合(重量%)で表すと、化粧層全体
を100重量%としたとき、次のような量で使用するこ
とが好ましい。
【0025】水性エマルジョンの添加量は、水性エマル
ジョンを固形分換算で0.5〜10重量%、好ましくは
2〜7重量%の範囲で存在せしめることが、得られる化
粧層の靱性を向上させるほか、化粧層とシートとの剥離
接着強度を向上せしめ、また化粧層を下地材に直接施す
際には該下地材との接着強度を向上せしめることができ
るために好ましい。また、繊維の添加量は、例えば、短
繊維は、0.1〜2重量%の範囲で存在せしめることが
好ましい。更に、無機骨材の添加量は、上記した鱗片状
骨材を含めた合計が70重量%以内で存在せしめること
が好ましい。更に、活性微粒子の添加量は3重量%以内
とするのが好ましい。更にまた、顔料は5重量%以内で
あれば特に問題なく使用できる。
【0026】また、その他の添加剤の有機質混和剤、シ
リコーンオイル、シリコーン樹脂およびオルガノアルコ
キシシランは、得られる建築用ボードの化粧層の防水
性、耐凍結融解性、耐薬品性、耐候性を向上させるのに
効果的であり、通常、炭酸カルシウムからなる化粧層中
にそれぞれ0.05〜2重量%の割合で存在せしめるこ
とが好ましい。
【0027】上記添加剤を添加する場合、いずれの態様
においても、結合成分として作用する炭酸カルシウム
は、化粧層中に10重量%以上、好ましくは25重量%
以上の割合で存在せしめることが好ましい。
【0028】本発明の化粧層はその表面に上記鱗片状骨
材の少なくとも一部が露出した状態で存在することを特
徴とするが、本発明において露出とは、完全に表面に露
出した状態は勿論、黙視により視認できる程度に表面に
存在する状態をも含むものである。
【0029】本発明において、研ぎ出し調意匠とは、平
滑な表面に斑状に露出した骨材によりあたかも骨材を埋
設した化粧層の表面を研磨して、表面が平滑で且つ該骨
材の色調が模様として現れた意匠をいう。1は、本発
明の研ぎ出し調意匠を有する化粧層の代表的な態様を示
す。図において、鱗片状骨材3が、ボード1の表層に設
けられた化粧層2の表面に露出することにより、研ぎ出
し調意匠が出現する。
【0030】本発明において、炭酸カルシウムを結合成
分とする化粧層の厚みは、特に制限されないが、0.3
〜5mm、好ましくは、0.5〜2mmの範囲で決定す
ることが好ましい。
【0031】本発明において、研ぎ出し調意匠をより顕
著に表出せしめるには鱗片状骨材の大きさと化粧層の厚
みを制御することが効果的である。即ち化粧層の厚み
(t)に対して10t以下の相当径を有する鱗片状骨材
を使用し、且つt以上の相当径を有するものの割合が該
鱗片状骨材の15%以上を占めるようにすれば良い。t
以上の相当径を持つ鱗片状骨材は化粧層の表面に対する
水平配向性が著しく強く、該表面への露出率が高くなっ
て研ぎ出し調意匠を強めることに貢献する。
【0032】しかし、相当径が10tを超える場合、す
なわち、化粧層の厚みが鱗片状骨材の相当径の10分の
1未満の場合、化粧層の表裏両面に接した鱗片状骨材が
座屈して露出率を低下させたり平滑な化粧層の形成を阻
害したりして好ましくない。
【0033】本発明は建築の壁面、柱面、天井面等を構
成する下地材の表面に積層することを目的とした化粧層
に関し、下記の新規な製造方法によって好適に製造する
ことができる。
【0034】即ち、基材の表面に鱗片状骨材を含有する
水酸化カルシウムと水とを含む混練物よりなる層および
シートを順次積層し、該混練物を硬化させることを特徴
とする研ぎ出し調意匠を有する化粧層の製造方法であ
る。
【0035】本発明の製造方法において化粧層を積層す
る基材は、得られる化粧層との一体化を目的とした下地
材および得られる化粧層の単離を目的とした型材の両者
を含むものである。化粧層を単離して製造した場合は、
セメント、漆喰、ブチルゴム、アクリル樹脂等の接着層
を介して下地材に接着して使用するのが一般的である。
【0036】上記下地材としては、得られる化粧層と接
着一体化するものが特に制限なく使用できる。具体的に
例示すれば石膏ボード、珪酸カルシウムボード、スラグ
セメントボード、木質合板等の板状体、コンクリート、
土壁等の構造物、織布、不織布、紙等の繊維シートが挙
げられる。一方、上記型材としては得られる化粧層を容
易に離型できるものが特に制限なく使用できる。具体的
に例示すればシリコーンゴム、テフロン樹脂、ポリプロ
ピレン樹脂等からなる疎水表面を有する成形型、シリコ
ーングリース、ワセリン等の離型剤を塗布した成形型お
よび後述するシートが挙げられる。
【0037】本発明の製造方法において鱗片状骨材とし
ては既述した鱗片状骨材が特に制限なく使用される。
【0038】本発明の製造方法において、水酸化カルシ
ウムとしては工業用消石灰をはじめ水酸化カルシウムを
主成分とする漆喰、ドロマイトプラスター等、左官材料
として使用可能なものが特に制限なく使用される。
【0039】本発明の製造方法において、鱗片状骨材を
含有する水酸化カルシウムと水とを含む混練物には、得
られる化粧層の用途に求められる物性に応じて、既述し
た各種の添加剤を添加することができる。また、上記混
練物には、これらの添加剤の他、製造時の作業性等を改
良する目的で、各種の配合剤を添加することができる。
このような配合剤としては、例えば、増粘剤、流動化
剤、消泡剤等を例示することができる。
【0040】増粘剤としては、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロ
ース系、サッカロース、グルコース等からなる多糖類
系、およびアクリル系等が挙げられる。
【0041】また、流動化剤としては、例えば、メチロ
ール/メラミン縮合物、ポリカルボン酸塩、メラミンス
ルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、ナフタリンスルホン
酸ホルムアルデヒド縮合物、高分子量リグニンスルホン
酸を主成分とするものが挙げられる。
【0042】消泡剤としては、例えば、プルロニック
系、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等が
挙げられる。
【0043】上記した各種の配合剤の配合量は特に制限
されないが、一般には、水酸化カルシウム、鱗片状骨材
および水を含む混練物中の割合(重量%)で表すと、混
練物全体を100重量%としたとき、次のような範囲で
使用することが好ましい。
【0044】増粘剤の添加量は、使用する増粘剤の性能
により異なるが、例えば1重量%水溶液の20℃におけ
る粘度が100cPとなるヒドロキシエチルセルロース
では0.04重量%以内であれば特に問題なく使用でき
る。
【0045】流動化剤の添加量は、使用する流動化剤の
性能により異なるが、例えば、比較的高性能とされるメ
チロール/メラミン縮合物を主成分とするるものの場
合、0.1〜5重量%、さらに0.5〜3重量%とする
のが好ましい。
【0046】消泡剤の添加量は、1重量%以内、さらに
0.3重量%以内とすることが好ましい。
【0047】これらの材料に水を加えて混練物を得る。
水の混合割合は特に制限されないが、水分量を適宜調節
し、該混練物の粘度が100〜40000センチポイズ
とすることで製造時の取扱いが容易になる。このような
粘度とするためには、一般に、混練物中の水分が15〜
50重量%となる範囲で混合すればよい。
【0048】水酸化カルシウムと鱗片状骨材と水とを混
練する方法としては公知の混練装置を特に制限なく使用
できる。具体的に例示するとオムニミキサー、パン型ミ
キサー、遊星ミキサー、ハンドミキサー等を挙げること
ができる。
【0049】本発明の製造方法において、シートとして
は鱗片状骨材を含有する水酸化カルシウムと水とを含む
混練物との接触により有害な変形および変質を起こさ
ず、かつ該混練物の固形分が透過しないもので混練物の
硬化後に除去できるものが使用される。かかるシートを
具体的に示せば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の膜
状物防水紙等の非透水性シートに通気性を付与した非
透水性且つ通気性シートおよびポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリエステル、ビニロン、ポリエチレンテレフ
タレート、耐アルカリガラス等の人工繊維からなる織布
および不織布等の繊維シートが挙げられる。
【0050】上記シートのうち、特に好適に使用される
のは、ポリエチレン、ポリプロピレン等の非透水性且つ
通気性シートおよびポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リエステル、ビニロン、ポリエチレンテレフタレート等
からなる通気性を有する不織布である。かかる通気度
は、特に制限されず、極めて微少の通気性を有するもの
でも良い。一般には、ガーレ透気度2000秒(se
c)/100cc以下の通気度を有するものが好適に使
用される。上記通気性シートの使用により、極めて高い
表面硬度を有する化粧層を得ることができる。
【0051】本発明の製造方法において使用されるシ
トは、通気性を有する。シートに通気性がない場合は、
混練物の硬化に必要な二酸化炭素の供給が妨げられて硬
化が不十分となる恐れがあるばかりでなく、炭酸カルシ
ウムを結合成分とする化粧層から発生する水蒸気により
シートが剥離する恐れがある。
【0052】本発明の製造方法において、基材の表面に
鱗片状骨材を含有する水酸化カルシウムと水とを含む混
練物よりなる層とシートを順次積層する方法としては、
基材に混練物を塗布した後シートを積層してもシートに
混練物を塗布した後基材を積層してもあるいは基材とシ
ートとの間に混練物を塗布してもよい。上記塗布の方法
としては公知の塗布方法が特に制限なく使用できる。具
体的に例示すればロールコーター、フローコーター、ナ
イフコーター、コンマコーター、スプレー、ディッピン
グ、吐出等を挙げることができる。また、上記塗布の
後、必要に応じてコテ押さえ、口金絞り、ローラー転
圧、1軸プレス等により成形する方法を特に制限なく採
用できる。上記方法のうち、ロールコーターにより基材
とシートの間に混練物を塗布しつつ該コーターのローラ
ーをローラー転圧に利用することで本発明の製造方法は
特に効率的に実施できる。
【0053】本発明の製造方法において、炭酸カルシウ
ムを結合成分とする化粧層の厚みは、特に制限されない
が、0.3〜5mm、好ましくは、0.5〜2mmの範
囲で決定することが好ましい。また、既述した理由によ
り化粧層の厚み(t)に対して10t以下の相当径を有
する鱗片状骨材を使用し、且つt以上の相当径を有する
ものの割合が該鱗片状骨材の15%以上を占めるように
することで得られる化粧層の表面に研ぎ出し調意匠を効
率的かつより顕著に表出せしめることができる。 一
方、従来の「研ぎ出し」において球状の骨材を使用した
場合は該骨材の直径以上の厚みの化粧層を形成した後、
該直径の少なくとも50%の該化粧層表面を削り落とさ
ねば該骨材を最大限露出させることができず、また従来
の「研ぎ出し」において鱗片状骨材を使用し、かつ該鱗
片状骨材の化粧層表面に対する水平配向性を著しく高め
るよう該化粧層の厚みを使用する鱗片状骨材の相当直径
未満とした場合は極薄い化粧層の表面を該化粧層を取り
去ることなく削り取るという極めて高精度の処理が必要
となる。
【0054】本発明の製造方法において、混練物の硬化
は該混練物中の水酸化カルシウムと気中の二酸化炭素と
が反応して炭酸カルシウムを生成することによって行わ
れる。従って、硬化の方法は該反応を妨げない条件下で
行えばよいが、温度、湿度、二酸化炭素濃度等の制御に
より養生時間を短縮することが可能である。具体的な温
度条件としては初期温度を25〜90℃、好ましくは、
35〜80℃とし、15〜120分養生することで生産
性を高めることができる。
【0055】また、硬化に際しては該混練物よりなる層
中の余剰な水分の除去および二酸化炭素の供給が重要で
あるが、前記したように、通気性のシートを使用するの
、該シートを介して該混練物よりなる層の表面からの
外気への水の蒸散と外気からの二酸化炭素の供給に有効
であり、養生時間が短縮されるだけでなく、得られる化
粧層の表面硬度が向上する
【0056】上記方法に対して、炭酸カルシウムを結合
成分とする化粧層を形成する手段として、従来の方法、
即ち、基材の表面に鱗片状骨材を含有する水酸化カルシ
ウムと水とを含む混練物よりなる層を積層した後、その
表面を大気中に解放した状態で硬化せしめると、該表面
に水分の蒸発による空孔が生じ、表面が緻密で表面硬度
の高い炭酸カルシウム硬化体は得られない。また、該蒸
発に際して表面に移動した水分中のカルシウムイオンが
大気中の二酸化炭素と反応して脆弱で見苦しい粉吹き状
の炭酸カルシウム層を生成し、鱗片状骨材の露出を妨げ
て研ぎ出し調意匠が得られないばかりでなく、該粉吹き
状の炭酸カルシウムが接触した皮膚や衣服等に付着する
こともある。さらにまた、乾燥収縮によるクラックも発
生しやすい欠点があった。また、該混練物を加圧脱水成
形すれば、得られる炭酸カルシウム硬化体の密度の向上
に伴い表面硬度は向上するが、コストが掛かるだけでな
く、脆弱で見苦しい粉吹き状の炭酸カルシウム層の解消
は困難であった。
【0057】これに対して、前記の本発明の製造方法に
よれば、化粧層が鱗片状骨材を含有する水酸化カルシウ
ムと水とを含む混練物の表面を非透水性且つ通気性シー
ト又は繊維シートで被覆した状態で硬化して形成される
ため、養生工程における該成形体の該シートで被覆され
た面からの急激な水分の蒸散が抑制され、該脆弱な粉吹
き状の炭酸カルシウム層が生成しないばかりでなく、緻
密で表面硬度の高い化粧層となるものと推定される。
【0058】本発明において炭酸カルシウムからなる化
粧層の表面は、シートの該表面と接する面の凹凸を反転
複写した形状となるので、シートの該表面と接する面に
予め任意の凹凸加工を施すことにより得られる研ぎ出し
調意匠に変化を付与することができる。例えば左官仕上
げのテクスチャーの反転型をシートに施せば、シート剥
離時に該テクスチャーを複写した化粧層が得られる。こ
のような凹凸加工は、例えば炭酸カルシウムを結合成分
とする化粧層の厚み2mmの場合、±1mm程度まで可
能である。
【0059】本発明の製造方法において、化粧層の表面
に積層されたシートの除去は鱗片状骨材を含有する水酸
化カルシウムと水とを含む混練物中の水酸化カルシウム
を炭酸化して硬化さた後であればいつでも実施できる
が、シートの剥離強度が4000mNより大きい場合
は、シートの剥離が困難となり、剥離に際して炭酸カル
シウムを結合成分とする化粧層の一部が破壊される恐れ
がある。ところで、得られる研ぎ出し調意匠を有する化
粧層を使用する直前までは該シートを保護シートとして
利用することができる。シートの剥離強度が小さすぎる
と保護シートとしての利用は困難であり、一方、保護シ
ートの除去は人手によることが一般的であることを勘案
すれば、かかる剥離強度は200〜4000mN、さら
に好ましくは800〜2500mNとなるように調節す
ることが好ましい。剥離強度の調節にはシート表面の親
水性、粗度等および混練物に添加する水性エマルジョ
ン、シリコーンオイル等の添加剤の制御が有効である。
【0060】
【発明の効果】以上の説明により明らかなように、本発
により得られる化粧層はその厚みがたとえ1mm未満
でもその表面に研ぎ出し調意匠が極めて良好に表出され
ており、建築の壁面、柱面、天井面等を構成する下地材
表面に積層することにより画期的に意匠性を向上させる
ことができる。
【0061】また、本発明の製造方法によれば鱗片状骨
材が適度に露出した研ぎ出し調意匠を有する炭酸カルシ
ウムを結合成分とする化粧層を容易かつ安価に得ること
ができ、しかもその表面は緻密かつ高硬度であり、また
粉立ち状の脆弱な炭酸カルシウム層を有しないため接触
した衣服等を汚すこともない。さらにまた従来法では困
難であった極薄い化粧層でも研ぎ出し調意匠を実現でき
る。しかも化粧層表面にシートが積層された状態で該シ
ートの下に研ぎ出し調意匠が形成されるため、該シート
は該化粧層を使用する直前まで保護シートとして利用で
きる。
【0062】
【実施例】以下に、本発明をさらに具体的に説明するた
めに、実施例および比較例を示すが、本発明はこれらの
実施例に限定されるものではない。
【0063】実施例および比較例における各試験方法お
よび材料を下記に示す。
【0064】(1)研ぎ出し調意匠 化粧層の表面に研ぎ出し調意匠が表出したものを○、特
に顕著に表出したものを◎、表出しなかったものを×と
した。
【0065】(2)接触汚染性 試験体の表面を黒色のタオル地で擦り、タオル地への付
着物を目視で観察し、付着物がほとんど認められないも
のを○、それ以外を×とした。
【0066】(A)基材 ・型材:シリコーンゴム製凹型 深さ2mm 300
×300mm ・石膏ボード:GB−R 厚さ9.5mm 3
00×300mm (B)シート ・ポーラム:株式会社トクヤマ製「ポーラムPH」(商
品名) ・不織布:旭・デュポンフラッシュスパン・プロダクツ
株式会社製 「タイベック1059B」(商品名) (C)水酸化カルシウム ・消石灰A:田中石灰工業株式会社製「雪印左官用」
(商品名) (平均粒子径7μm) ・消石灰B:吉澤石灰工業株式会社製「建特K100」
(商品名) (平均粒子径7μm) (D)鱗片状骨材 ・金マイカ:株式会社レプコ製「フロゴパイトS−2
0」(商品名) (平均粒径700μm、840μm篩い上20%、平均
アスペクト比70) ・貝殻フレーク:天然貝殻破砕分級品 (平均粒径2500μm、平均アスペクト比20、比重
2.0) (E)水性エマルジョン ・ポリトロン:旭化成工業株式会社製「ポリトロンA1
450T」(商品名) (アクリル系共重合体ラテックス、固形分45重量%) (F)無機骨材 ・イーカル:株式会社飯田工業所製「イーカル100」
(商品名) (炭酸カルシウム、平均粒子径40μm) ・珪砂:天然珪砂分級品 (平均粒径1500μm、平均アスペクト比2未満、非
鱗片状) (G)繊維 ・RBW203:株式会社クラレ製「RBW203」
(商品名) (ビニロン繊維、15μmφ×4mm) (H)シリコーンオイル ・BY16−601:東レ・ダウコーニング・シリコー
ン株式会社製 「BY16−601」(商品名) (I)流動化剤 ・シーカメント:日本シーカ株式会社製 「シーカメント1000NT」(商品名) (J)消泡剤 ・SN260:サンノプコ株式会社製「SNデフォーマ
ー260」(商品名) 実施例1〜3 表1に示す種類、配合比率の原材料を混練して得た混練
物を表2に示す基材とシートの間に積層し、表2に示す
条件で成形・養生した後、さらに温度25℃相対湿度6
5%の条件下に24時間放置したものを試験体とした。
得られた試験体の試験結果を表2に示した。
【0067】比較例1 シートによる被覆を行わないこと以外は実施例1と同様
にして試験体を得た。得られた試験体の試験結果を表2
に示した。
【0068】比較例2 鱗片状骨材を非鱗片状の無機骨材に変更し、かつ化粧層
の厚さを変更したこと以外は実施例1と同様にして試験
体を得た。得られた試験体の試験結果を表2に示した。
【0069】比較例3 シートによる被覆を行わないこと以外は比較例2と同様
にして厚さ2.0mmの硬化体を作成し、その表面をベ
ルトサンダー(#80→#240→#400)により厚
さ0.8mmまで研磨して試験体を得た。得られた試験
体の試験結果を表2に示した。得られた試験体の表面に
は骨材の脱落痕が生じ研ぎ出し調意匠は表出しなかっ
た。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の代表的な態様の研ぎ出し調意匠を有
する化粧層を備えたボードを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ボード 2 化粧層 3 鱗片状骨材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04C 2/04 E04F 13/08 - 13/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の表面に、鱗片状骨材を含有する水
    酸化カルシウムと水とを含む混練物よりなる層および
    透水性且つ通気性シート又は繊維シートを順次積層し、
    該混練物を硬化させることを特徴とする研ぎ出し調意匠
    を有する化粧層の製造方法。
  2. 【請求項2】 鱗片状骨材として、化粧層の厚み(t)
    に対して10t以下の相当径を有するものより実質的に
    なり、且つt以上の相当径を有するものの割合が全体の
    15%以上を占めるものを使用する請求項記載の研ぎ
    出し調意匠を有する化粧層の製造方法。
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