JPH1099780A - 建築用ボードおよびその製造方法 - Google Patents

建築用ボードおよびその製造方法

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JPH1099780A
JPH1099780A JP8253590A JP25359096A JPH1099780A JP H1099780 A JPH1099780 A JP H1099780A JP 8253590 A JP8253590 A JP 8253590A JP 25359096 A JP25359096 A JP 25359096A JP H1099780 A JPH1099780 A JP H1099780A
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board
decorative layer
sheet
aqueous emulsion
weight
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JP8253590A
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Tomohiro Takaoka
智浩 高岡
Tadashi Fujimoto
正 藤本
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Tokuyama Corp
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Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】化粧層の表面に適度な剥離強度で除去可能なシ
ートを設けることにより、運搬、設置等における取扱い
時の化粧層を保護し、その破損が効果的に防止された建
築用ボードを提供する。 【解決手段】通気性ボード1の表面に無機充填材を水性
エマルジョンの固形分で結合した化粧層2を有し、上記
化粧層の表面に該化粧層との密着力により、200〜4
000mNの剥離強度で通気性シート3が積層された建
築用ボードであって、通気性ボードの表面に無機充填材
100重量部および水性エマルジョンを固形分換算で1
〜10重量部よりなる混練物よりなる層と通気性シート
を順次積層した状態で該水性エマルジョンを硬化させる
ことによって得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、壁面、柱面、天井
面等を構成するための新規な建築用ボードに関し、詳し
くは、通気性ボードの表面に無機充填材および水性エマ
ルジョンの固形分よりなる結合成分より構成された化粧
層を積層してなる建築用ボードにおいて、該化粧層の表
面に適度な剥離強度で除去可能な通気性シートを設ける
ことにより、運搬、設置等における取扱い時の化粧層を
保護し、その汚損が効果的に防止され、かつ保存時に反
り難い建築用ボードである。
【0002】
【従来の技術】従来より、建築物の壁面、柱面、天井面
等を石膏ボード、珪酸カルシウムボード、木質合板等の
通気性ボードで構成し、その表面に無機充填材を水性エ
マルジョンの固形分で結合して仕上げを施す工法は広く
行われている。かかる工法に対して、予め仕上げを施し
た建築用ボードを使用すれば更なる施工のシステム化、
即ち、省力化と工期短縮が期待できる。ところが、仕上
げ面を有する建築用ボードは保存、運搬から施工終了ま
での間に、該仕上げ面が汚損し易いという問題を有す
る。
【0003】そこで、保存時、運搬時は段ボール箱で梱
包し、施工時は薄ベニヤ板や樹脂シート等の保護シート
で表面を保護するなどの対策が必要であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、仕上げ
面に予め保護シートを貼着すれば汚損を効果的に防止で
き、上記対策を軽減できるが、粘着剤を有する保護シー
トは比較的高価であり、しかも仕上げ面完成後に該保護
シートを貼着する工程が増えるため大きなコストアップ
となる。また、左官仕上げ調の凹凸意匠を有する仕上げ
面への粘着力不足、粘着剤の仕上げ面への転移等の問題
がある。さらにまた、この種の保護シートは通気性に乏
しく、保存時或いは使用時に建築用ボードにおける通気
性ボードから仕上げ面を経て行われる吸放湿を妨げて、
反りを生じさせることがあり、実用上ほとんど採用され
なかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な状況に鑑み、通気性ボードの表面に無機充填材および
水性エマルジョンの固形分よりなる結合成分より構成さ
れた化粧層を積層してなる建築用ボードにおいて、該化
粧層の表面に適度な剥離強度で除去可能なシートを設け
つつ、且つ上記反りの発生を防止すべく鋭意研究を重ね
た。その結果、無機充填材を水性エマルジョンの固形分
で結合した化粧層を得る際、該化粧層の硬化前にその表
面を予め通気性シートで被覆することにより、硬化後に
該通気性シートが、主として該化粧層との密着力によっ
て、適度な剥離強度で化粧層の表面に積層された、反り
の生じ難い建築用ボードを得ることに成功し、本発明を
完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、通気性ボードの表面に無
機充填材100重量部および水性エマルジョンの固形分
よりなる結合成分1〜10重量部より構成された化粧層
が形成され、上記化粧層の表面に通気性シートが該化粧
層との密着力によって200〜4000mNの剥離強度
で積層されてなることを特徴とする建築用ボードであ
る。
【0007】本発明において使用される通気性ボード
は、その表面に水性エマルジョンの固形分を結合成分と
して含有する化粧層の形成が可能な板状体が特に制限な
く使用される。好適なボードを具体的に例示すれば、石
膏ボード、珪酸カルシウムボード、石綿セメント珪酸カ
ルシウムボード、スラグセメントボード、中空セメント
板、発泡セメント板、木質積層合板、中密度繊維板等が
挙げられる。これらの通気性ボードの厚みは特に制限さ
れないが、通常、2〜50mm、特に5〜30mmが一
般的である。
【0008】本発明において使用される無機充填材は、
これ自体に実質的に硬化性がなく、水性エマルジョンの
硬化を阻害しない無機粉体が使用される。一般には、平
均粒子径が0.01〜2mm、好ましくは0.03〜
0.5mmのものが好適に使用できる。無機充填材の種
類を具体的に例示すると、炭酸カルシウム、珪砂、寒水
砂、石粉、マイカ、施釉珪砂、施釉マイカ、セラミック
サンド、ガラスビーズ、パーライト等を挙げることがで
きる。
【0009】本発明において使用される水性エマルジョ
ンは、水媒体中にモノマー、オリゴマーこれらの重合体
等が分散したエマルジョンが特に制限なく使用できる。
かかる水性エマルジョンを具体的に例示すると、アクリ
ル樹脂系、酢酸ビニル系、スチレン/ブタジエンゴム系
等の合成高分子系エマルジョンが挙げられる。
【0010】本発明の建築用ボードの化粧層において、
無機充填材は、重量%で少なくとも80重量%、好まし
くは85重量%とすることが、得られる建築用ボードの
難燃性および表面硬度を高める上で好ましい。
【0011】化粧層において、水性エマルジョンの固形
分は上記無機充填材の結合成分として作用し、化粧層を
形成する。かかる化粧層において該固形分は0.8〜
9.1重量%、好ましくは2〜7重量%とすることが、
得られる化粧層の靱性および該化粧層とボードとの接着
強度並びに該化粧層と通気性シートとの密着力による剥
離強度を高めるために好ましい。
【0012】また、上記化粧層には、建築用ボードの用
途に求められる物性に応じて、各種の添加材を添加する
ことができる。このような添加材としては、例えば、繊
維、微粒子、顔料等を例示することができる。また、後
記の製造上好ましく添加される配合剤を含んでいても良
い。
【0013】上記繊維としては、各種の公知の繊維であ
れば特に制限なく用いることができる。具体的に例示す
れば、公知のガラス繊維、ビニロン繊維、ポリプロピレ
ン繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、アラミド繊
維、カーボン繊維、金属繊維等を使用できる。また、繊
維の形状としては短繊維、長繊維、織布、不織布等の形
状のものが使用できるが、これらのうち短繊維は化粧層
の靱性および切断加工性の向上に特に有効である。上記
短繊維の長さおよび直径は特に制限されないが、長さは
1mm〜10mm、特に2mm〜6mmであることが、
また、直径は5〜50μm、特に10〜30μmである
ことが得られる化粧層の靱性をより向上させ、また切断
加工性においても優れたものとするために好適である。
【0014】また、上記微粒子としては、例えば、平均
粒子径が0.1〜50μmの高炉水砕スラグ、フライア
ッシュ、シリカフューム等が挙げられる。
【0015】上記顔料としては左官用に一般に用いられ
るもの、例えば、平均粒子径が0.2〜2μmの酸化
鉄、酸化チタン、酸化クロム等の金属酸化物が挙げられ
る。
【0016】その他の添加材として、例えば、パラフィ
ンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ステアリ
ン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等の有機質
混和材;ジメチルポリシロキサンおよびそのメチル基の
一部を水素原子、フェニル基、アルキル基、メルカプト
基、ビニル基、シアノアルキル基、フルオロアルキル基
等で置換したポリシロキサンを主成分としたシリコーン
オイルまたはシリコーン樹脂;メチルトリメトキシシラ
ン、エチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシ
ラン、ジエチルジメトキシシラン、ブチルトリメトキシ
シラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘプチルトリメ
トキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ジヘキシ
ルジメトキシシラン、ジヘプチルジメトキシシラン、ト
リヘキシルメトキシシラン等のオルガノアルコキシシラ
ン等を挙げられる。
【0017】上記した各種の添加材の配合量は特に制限
されない。一般には、化粧層中の重量%で表すと次のよ
うな割合となるように使用することが好ましい。
【0018】繊維の添加量は、例えば短繊維では、0.
1〜2重量%とするのが好ましく、微粒子の添加量は3
重量%以内とするのが好ましい。更にまた、顔料は3重
量%以内とするのが好ましい。
【0019】また、その他の添加材の有機質混和材、シ
リコーンオイル、シリコーン樹脂およびオルガノアルコ
キシシランは、得られる建築用ボードの化粧層の防水
性、耐凍結融解性、耐薬品性、耐候性を向上させるのに
効果的であり、通常、化粧層中にそれぞれ2重量%以内
とするのが好ましい。
【0020】本発明において、化粧層の厚みは、特に制
限されないが、0.1〜3mm、好ましくは、0.3〜
2mmの範囲で決定することが好ましい。
【0021】本発明において使用される通気性シート
は、後記の製造条件下に悪影響を与えないものが特に制
限なく使用できる。具体的には、後記の製造条件におい
て、無機充填材と水性エマルジョンと水とを含む混練物
との接触により有害な変形および変質を起こさず、かつ
該混練物の固形分が浸入しない程度に通気性を有するも
のが好適に使用される。かかる通気性シートを具体的に
示せば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の膜状物に通
気性を付与した非透水性且つ通気性の樹脂シート、ワッ
クス、シリコーン等で耐水処理した耐水紙シート等が挙
げられる。
【0022】上記通気性シートは一般にガーレ透気度で
2000秒/100cc以下、好ましくは1000秒/
100cc以下の通気度を有することが得られる建築用
ボードの反りを防止する上で望ましい。
【0023】また、上記通気性シートを使用して後記の
製造方法を実施することにより、表面の緻密な化粧層を
得ることができる。
【0024】一方、通気性の乏しいシートでは上記緻密
な化粧層が得られないばかりでなく、建築用ボードの仕
上げ面の吸放湿を阻害してしまい、表裏の吸放湿のアン
バランスにより反りを生じる恐れがある。
【0025】本発明の建築用ボードの最大の特徴は、上
記化粧層の表面に、該化粧層との密着力のみにより、2
00〜4000mNの剥離強度で通気性シートが積層さ
れたことにある。本発明の建築用ボードは、適度な剥離
強度で通気性シートが積層されてなるため、取扱い時に
は、該通気性シートの剥離が起こらず、施行後には化粧
層を破損することなく容易に該通気性シートを剥離する
ことが可能である。
【0026】即ち、通気性シートの剥離強度が200m
Nより小さい場合、通気性シートが建築用ボードの取扱
い時に剥離してしまい、また、4000mNより大きい
場合は、通気性シートの剥離が困難となり化粧層の一部
が破壊される恐れがある。
【0027】上記のシートの剥離強度は、特に、800
〜2500mNとなるように調節することが好ましい。
【0028】また、上記通気性シートは、化粧層との密
着力のみで積層されているため、通気性シートの通気性
の低下が無く、基材である通気性ボードの吸放湿を妨げ
ることなく、効果的に反りを防止することが可能であ
る。
【0029】本発明の建築用ボードの製造方法は特に制
限されるものではないが、好適な方法として、下記の方
法が挙げられる。
【0030】即ち、ボードの表面に無機充填材と水性エ
マルジョンと水とを含む混練物よりなる層と通気性シー
トを順次積層した状態で該水性エマルジョンを硬化させ
ることを特徴とする建築用ボードの製造方法である。
【0031】上記混練物には先に述べた添加材の他、建
築用ボードの製造時の作業性等を改良する目的で、各種
の配合剤を添加することができる。このような配合剤と
しては、例えば、増粘剤、流動化剤、消泡剤等を例示す
ることができる。
【0032】増粘剤としては、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロ
ース系、サッカロース、グルコース等からなる多糖類
系、およびアクリル系等が挙げられる。
【0033】また、流動化剤としては、例えば、ポリカ
ルボン酸塩、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合
物、ナフタリンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、高
分子量リグニンスルホン酸を主成分とするものが挙げら
れる。
【0034】消泡剤としては、例えば、プルロニック
系、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等が
挙げられる。
【0035】上記した各種の配合剤の配合量は特に制限
されないが、一般には、無機充填材と水性エマルジョン
と水とを含む混練物中の重量%で表すと(混練物100
重量部に対して)、次のような範囲で使用することが好
ましい。
【0036】増粘剤の添加量は、使用する増粘剤の性能
により異なるが、例えば1重量%水溶液の20℃におけ
る粘度が100cPとなるヒドロキシエチルセルロース
では0.04重量%以内とするのが好ましい。
【0037】流動化剤の添加量は、使用する流動化剤の
性能により異なるが、例えば、比較的分離抵抗性に優れ
るポリカルボン酸塩を主成分とするるものの場合、0.
1〜4重量%、さらに0.2〜2重量%とするのが好ま
しい。
【0038】消泡剤の添加量は、1重量%以内、さらに
0.3重量%以内とすることが好ましい。
【0039】これらの材料に水を加えて混練物を得る。
その際、水分量を適宜調節し、該混練物の粘度が100
〜40000センチポイズとすることで製造時の取扱い
が容易になる。このような粘度とするためには、一般
に、混練物中の水分量が10〜50重量%となる範囲で
混合すればよい。
【0040】無機充填材と水性エマルジョンと水とを含
む混練物を層状に成形する方法としては、該混練物をロ
ールコーター、フローコーター、ナイフコーター、コン
マコーター、スプレー、ディッピング、吐出、型材転写
等によりボードに塗布し、必要に応じてコテ押さえ、口
金絞り、ローラー転圧、1軸プレス等により成形する方
法を特に制限なく採用できる。
【0041】無機充填材と水性エマルジョンと水とを含
む混練物の層状の成形体の表面を通気性シートで被覆す
る方法としては、該成形体の成形直後に通気性シートを
密着させる方法、または該成形体の成形と同時に通気性
シートを密着させる方法のいずれでもよい。
【0042】無機充填材と水性エマルジョンと水とを含
む混練物の硬化は、加熱乾燥による水性エマルジョンの
架橋反応により進行する。従って、硬化の方法は該架橋
反応を妨げない条件下で行えばよいが、温度、湿度等の
制御により硬化時間を短縮することが可能である。
【0043】また、硬化に際しては該混練物の成形体中
の余剰な水分の除去が重要であるが、通気性シートは、
該シートを介して該混練物の成形体からの外気への水の
蒸散に有効であり、養生時間が短縮できる。
【0044】しかも該蒸散に伴い、該成型体中の水分が
該成型体と該通気性シートとの界面に移動し、その際、
水性エマルジョンおよび無機充填材、微粒子、顔料等の
微粒成分を連行するため、得られる化粧層の表面がより
緻密化し、耐汚染性が向上する。
【0045】一方、非通気性シートでは上記養生時間の
短縮が図れないばかりか、該混練物から出る水蒸気によ
って該シートが剥がれたり、あるいは得られる化粧層に
気泡が生じたりして好ましくない。また、上記水分の移
動に伴う水性エマルジョンおよび無機充填材、微粒子、
顔料等の微粒成分の連行作用による化粧層表面の緻密化
も起こらない。そのため化粧層の表面は本発明のものよ
りも粗密で汚れ易い。
【0046】上記製造方法により得られる化粧層は余剰
な水分の蒸散した部分が連通孔となるため実質的に通気
性を有する。
【0047】本発明において化粧層の表面は、通気性シ
ートの該表面と接する面の凹凸を反転複写した形状とな
るので、通気性シートの該表面と接する面に予め任意の
凹凸加工を施すことにより、得られる建築用ボードに意
匠を付与することができる。例えば左官仕上げのテクス
チャーの反転型を通気性シートに施せば、通気性シート
剥離時に該テクスチャーを複写した化粧層が得られる。
このような凹凸加工は、例えば化粧層の厚み2mmの場
合、±1mm程度まで可能である。
【0048】
【発明の効果】本発明の建築用ボードは、通気性ボード
の表面に無機充填材を水性エマルジョンの固形分で結合
した化粧層が形成され、さらにその表面に通気性シート
が積層された構成のため、施工終了までは該通気性シー
トが表面保護材となり、化粧層の汚損を効果的に防止で
きる。
【0049】また、本発明の通気性シートは何等の粘着
剤を介することなく適度な剥離強度で化粧層と一体化し
ており、該通気性シートと化粧層とが両者の界面で剥離
でき、表面保護材としての使命を終えたら何等弊害なく
除去できる。
【0050】また、該通気性シートは建築用ボードの吸
放湿を妨げないので表裏の吸放湿のアンバランスによる
反りを引き起こさない。
【0051】従って、本発明の建築用ボードは使用した
通気性ボードと同様な手軽さで取り扱うことができると
共に、従来の通気性ボードと同様の施工法により、優れ
た意匠を持つ壁面、柱面、天井面等が容易に得られ、施
工の省力化と工期短縮の期待に応えることができる。
【0052】本発明の建築用ボードは本発明の製造方法
により、生産性良く製造できる。
【0053】該製造方法により得られる建築用ボード
は、その化粧層の表面の緻密化により耐汚染性に優れ、
施工後のメンテナンス性も向上させる。
【0054】
【実施例】以下に、本発明をさらに具体的に説明するた
めに、実施例および比較例を示すが、本発明はこれらの
実施例に限定されるものではない。
【0055】実施例および比較例における各試験方法お
よび材料を下記に示す。
【0056】なお、試験体の化粧層の厚みは約1mmと
した。
【0057】(1)剥離強度 JIS−K6854の180゜剥離接着強度試験に準
じ、幅25mmの試験体を用い、測定条件を300mm
/分として測定した。
【0058】(2)表面状態 化粧層の表面に直径2mm以上の気泡が発生しなかった
ものを○、発生したものを×とした。
【0059】(3)反り 300×900mmの試験体を恒温恒湿チャンバー内に
吊り下げ、同チャンバー内を温度25℃相対湿度40%
で3日間保持した後相対湿度を95%として3日間保持
し、再び相対湿度40%として3日間保持した。試験期
間内に6mm以上の反りが生じなかったものを○、生じ
たものを×とした。
【0060】なお、反りは試験体の凹面側対角線に直線
定規を当て、対角線中央における定規と試験体との隙間
を反り量として測定した。
【0061】(4)耐汚染性 化粧層の表面の2cm角を4B鉛筆で塗りつぶし、次い
で製図用消しゴムで除去した際に著しい痕跡が残らぬも
のを○、残るものを×とした。
【0062】 (A)ボード ・石膏ボード:GB−R 600×900×9.5m m ・珪酸カル板:珪酸カルシウムボード 600×900×10mm ・フレキ板:石綿セメント珪酸カルシウムボード 600×900×6mm (B)無機充填材 ・イーカル:株式会社飯田工業所製「イーカル100」
(商品名) (炭酸カルシウム、平均粒子径40μm) ・KD100:株式会社同和カルファイン製「KD−1
00」(商品名) (炭酸カルシウム、平均粒子径71μm) ・珪砂:山川産業株式会社製「8号珪砂」(商品名) (平均粒子径100μm) ・石粉:原鉱業株式会社製「紅華石」 (平均粒子径32μm) (C)水性エマルジョン ・モビニール :ヘキスト合成株式会社製「モビニール
752」(商品名) (アクリルスチレン共重合体、固形分47重量%) ・キープジョン:株式会社トクヤマ製「キープジョン−
K100」(商品名) (酢酸ビニル系、固形分45重量%) (D)繊維 ・VPB103:株式会社クラレ製「VPB103×
2」(商品名) (ビニロン繊維、10μmφ×2mm) ・RBW203:株式会社クラレ製「RBW203×
4」(商品名) (ビニロン繊維、15μmφ×4mm) (E)顔料 ・酸化鉄:株式会社バイエル製「バイフェロックス61
0」(商品名) (F)シリコーンオイル ・BY16−601:東レ・ダウコーニング・シリコー
ン株式会社製「BY16−601」(商品名) (G)流動化剤 ・レオビルド:株式会社ポゾリス物産製「レオビルドS
P−8N」(商品名) ・シーカメント:日本シーカ株式会社製「シーカメント
1000N」(商品名) (H)消泡剤 ・SN260:サンノプコ株式会社製「SNデフォーマ
ー260」(商品名) (I)シート ・ ポーラムPH:株式会社トクヤマ製「ポーラムP
H」(商品名) ・ ポーラムPN:株式会社トクヤマ製「ポーラムP
N」(商品名) ・ NFシート:株式会社トクヤマ製「NFシートN
G」(商品名) ・サランラップ:旭化成工業製「サランラップ」(商品
名) ・非通気性粘着シート:ニチバン株式会社製両面テープ
「H853」(商品名) の片面にサランラップを張り付けたもの。
【0063】実施例1〜6 表1に示す種類、配合比率の原材料を混練して得た混練
物を、表1に示すボード表面に硬化後の厚みが1mmと
なるように塗布し、次いでその表面を表2に示すシート
で被覆した。この状態で、表2に示す条件下で該混練物
を硬化させて化粧層を形成した。
【0064】尚、得られた建築用ボードは、温度25℃
相対湿度65%の条件下で該建築用ボード内の水分量が
平衡状態となるまで放置して試験に供した。得られた建
築用ボードについての試験結果を表2に併せて示した。
【0065】実施例1〜6において得られた建築用ボー
ドは、丸鋸による切断や、運搬時にシートの剥離が全く
無く、且つ該シートは化粧層を破損することなくスムー
スに剥離することができた。
【0066】比較例1 シートを非通気性シートに変更したこと以外は実施例1
と同様にしてボードの表面に化粧層を形成せしめた(表
1及び表2参照)。
【0067】得られた建築用ボードについての試験結果
を表2に併せて示した。
【0068】上記建築用ボードは、丸鋸による切断や、
運搬時にシートが大面積にわたって剥離する現象を生
じ、実用的ではなかった。
【0069】比較例2 シートを非通気性シートに変更したこと以外は実施例3
と同様にしてボードの表面に化粧層を形成せしめた(表
1及び表2参照)。
【0070】得られた建築用ボードについての試験結果
を表2に併せて示した。
【0071】上記建築用ボードは、シートのほとんどの
部分が養生中に剥離した。
【0072】比較例3 シートなしに変更したこと以外は実施例6と同様にして
ボードの表面に化粧層を形成せしめた(表1及び表2参
照)。
【0073】得られた建築用ボードの化粧層の表面に非
通気性粘着シートを貼着して反り試験体とした。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】
【符号の説明】 1 通気性ボード 2 化粧層 3 通気性シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI E04C 2/26 E04C 2/26 R

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通気性ボードの表面に無機充填材100
    重量部および水性エマルジョンの固形分よりなる結合成
    分1〜10重量部より構成された化粧層が形成され、上
    記化粧層の表面に通気性シートが該化粧層との密着力に
    より、200〜4000mNの剥離強度で積層されてな
    ることを特徴とする建築用ボード。
  2. 【請求項2】 通気性ボードの表面に無機充填材100
    重量部および水性エマルジョンを固形分換算で1〜10
    重量部含有する混練物よりなる層と通気性シートを順次
    積層した状態で該水性エマルジョンを硬化させることを
    特徴とする建築用ボードの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009106933A (ja) * 2007-10-10 2009-05-21 Bekku Kk 塗膜形成方法
JP2014237268A (ja) * 2013-06-07 2014-12-18 株式会社エフコンサルタント 積層体

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