JP2009106933A - 塗膜形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材に対し、装飾性塗材を塗付して凹凸模様を形成させる塗膜形成方法であって、前記装飾性塗材として、合成樹脂エマルション(A)、粒子径1〜200nmの水分散性シリカ(B)、ポリフルオロアルキル基とノニオン性または両性の親水基を有する含フッ素化合物(C)、粒子径0.05〜5.0mmの骨材(D)、及び繊維長0.1〜10mmの繊維(E)を必須成分とする。
【選択図】なし
Description
具体的に、特許文献1では、ベントナイト系増粘剤を配合することによって、鏝作業性に優れるとともに、砂岩の特徴である段条を明確に形成できると共に、砂岩と同様な地肌の仕上がり面となる人造砂岩材が記載されている。
逆に、増粘剤や繊維等を除いてしまうと、塗装作業性に劣る場合や、目的とする表面凹凸形状が形成できない場合があり、汚染防止性と安定した凹凸形状の形成を両立させることは困難であった。
1.基材に対し、装飾性塗材を塗付して凹凸模様を形成させる塗膜形成方法であって、
前記装飾性塗材として、
合成樹脂エマルション(A)、粒子径1〜200nmの水分散性シリカ(B)、ポリフルオロアルキル基とノニオン性または両性の親水基を有する含フッ素化合物(C)、粒子径0.05〜5.0mmの骨材(D)、及び繊維長0.1〜10mmの繊維(E)を必須成分とし、
前記合成樹脂エマルション(A)の固形分100重量部に対し、固形分換算で前記水分散性シリカ(B)を0.1〜100重量部、前記含フッ素化合物(C)を0.01〜10重量部、前記骨材(D)を100〜4000重量部、前記繊維(E)を0.01〜10重量部含む装飾性塗材を用いる、ことを特徴とする塗膜形成方法。
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸またはそのモノアルキルエステル、イタコン酸またはそのモノアルキルエステル、フマル酸またはそのモノアルキルエステル等のカルボキシル基含有モノマー;
N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、N−(2−ジメチルアミノエチル)アクリルアミド、N−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリルアミド等のアミノ基含有モノマー;
ビニルピリジン等のピリジン系モノマー;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有モノマー;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル系モノマー;
アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル基含有モノマー;
スチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等の芳香族モノマー;
アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸アミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアミド基含有モノマー;
グリシジル(メタ)アクリレート、ジグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有モノマー;
アクロレイン、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン等のカルボニル基含有モノマー;
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等のアルコキシシリル基含有モノマー;
塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン系モノマー;
その他、エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、ビニルピロリドン、塩化ビニル、ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルアミド、クロロプレン等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。このうち、重合性モノマーとしてアルコキシシリル基含有モノマーを含む場合は、(B)成分との相互作用により塗膜物性向上を図ることができる。
また、(A)成分のガラス転移温度は、適宜設定することができるが、通常は100℃以下、好ましくは−20〜70℃程度である。(A)成分のガラス転移温度がこのような範囲内であれば、膜厚の厚いパターンを形成した場合でも、安定して凹凸形状を形成させることができ、経時の割れ等の長期の塗膜物性を確保しつつ、耐汚汚染性を発揮することが可能となる。
なお、本発明では、ガラス転移温度の異なる2種以上の合成樹脂エマルションを用いるブレンドタイプでもよいし、ガラス転移温度の異なる2種以上の合成樹脂からなるコアシェル型合成樹脂エマルションタイプでもよいし、また、これらの複合タイプでもよい。
本発明では特に、ガラス転移温度が0℃以上100℃以下(好ましくは5℃以上90℃以下、さらに好ましくは10℃以上80℃以下)である合成樹脂エマルション(以下、「(a−1)成分」ともいう。)と、(a−1)成分よりもガラス転移温度が5℃以上(好ましくは10℃以上、さらに好ましくは20℃以上)低い合成樹脂エマルション(以下、「(a−2)成分」ともいう。)を用いることが好ましい。より具体的には、(a−1)成分のガラス転移温度が15℃以上100℃以下(好ましくは20℃以上80℃以下)、(a−2)成分のガラス転移温度が−50℃以上15℃未満(好ましくは−40℃以上10℃以下)であることが好ましい。
また(a−1)成分と(a−2)成分の混合比率は、特に限定されないが、固形分重量比率で(a−1)成分:(a−2)成分が、10:90〜90:10(さらには20:80〜80:20)であることが好ましい。また、(A)成分として、(a−1)成分、(a−2)成分の他に、他の結合材が含まれていてもよい。
なお、本発明のガラス転移温度は、フォックス(FOX)の式より計算される値である。
このような(B)成分を使用することによって、形成塗膜の耐水性、耐汚染性等をより高めることができる。
両性の親水基としては、4級アンモニウムのハロゲン塩、ベタイン等の含窒素両性親水基が挙げられる。このうち、4級アンモニウムのハロゲン塩中のハロゲンとしては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。ベタインは、4級アンモニウムと酸の陰イオンを有するものであり、酸としてはカルボン酸等が挙げられる。(C)成分における親水基としては、特にベタイン構造を有する含窒素両性親水基が好適である。
(C)成分としては、その0.01%水溶液の25℃における表面張力が20mN/m以下(さらには18mN/m以下)であるものが好適である。
また(B)成分と(C)成分の混合比率が、重量比率で100:0.01〜100:100(好ましくは100:0.05〜100:30、さらに好ましくは100:0.1〜100:10)であることが好ましい。(B)成分に対し、(C)成分が少なすぎる場合は、耐汚染性において十分な物性が得られ難くなる。また、(B)成分に対し、(C)成分が多すぎる場合は、塗膜の外観、耐水性等に支障をきたすおそれがある。
(E)成分の繊維長が0.1mmより短い場合、塗装作業性の向上がみられず、繊維長が10mmより長い場合、分散性に劣る場合があり、安定した凹凸形状の形成が難しくなり、所望するパターンが得られ難い。
このような顔料と上記(D)成分と組み合わせて使用することで、優れた美観性を有する壁面化粧構造体を得ることができる。
エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノイソブチルエーテルアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート等のエステル類、等が挙げられる。
このような造膜助剤と(E)成分を、適宜組み合わせることによって、装飾性塗材の塗装作業性をより向上させるとともに、塗装後に凹凸形状が崩れることなく、安定して凹凸形状を形成させることができる。
造膜助剤が少なすぎる場合は、造膜性に劣る場合がある。また、造膜助剤が多すぎる場合は、塗料の安定性等に支障をきたすおそれがある。
このようなアルキレンオキサイド鎖含有化合物を含むことによって、貯蔵安定性に優れた塗膜を得ることができる。
また、アルキレンオキサイド鎖含有化合物の重量平均分子量は、特に限定されないが、200以上5000以下、さらには300以上3000以下、さらには500以上2000以下であることが好ましい。200より小さいと、添加による向上効果が得られにくい。
アルキレンオキサイド鎖含有化合物が上記混合比率より少なすぎる場合は、貯蔵安定性に劣る場合がある。また、アルキレンオキサイド鎖含有化合物が多すぎる場合は、耐水性等に支障をきたすおそれがある。
基材としては、特に限定されないが、例えば、セメントボード、押出成形板、スレート板、PC板、ALC板、繊維強化セメント板、金属系サイディングボード、窯業系サイディングボード、セラミック板、珪酸カルシウム板、石膏ボード、プラスチックボード、硬質木片セメント板、塩ビ押出サイディングボード、合板、パーライト板等が挙げられる。このれらの基材の表面は、何らかの表面処理(例えば、シーラー、サーフェーサー、フィラー等)が施されたものでもよいし、予め塗材が形成された表面(旧塗膜表面)でもよい。
また、塗装時には水等で希釈することによって、装飾性塗材の粘性を適宜調製することもできる。希釈割合は、通常0〜20重量%程度である。塗装後の乾燥は通常、常温で行えばよいが、必要に応じ適宜加熱することも可能である。
さらに塗装後、コテ、刷毛、へら、ローラー等を用いて、表面凹凸模様を形成させることもできる。
・エマルションB:アクリル樹脂エマルション(メチルメタクリレート−スチレン−2−エチルヘキシルアクリレート−(γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン)−メタクリル酸共重合体、pH8.9、固形分50重量%、最低造膜温度26℃、ガラス転移温度17℃)
・顔料:酸化チタン分散液(固形分70重量%)
・造膜助剤:2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート
・増粘剤:ポリウレタン系増粘剤
・消泡剤:シリコーン系消泡剤
・水分散性シリカA:シリカゾル(pH7.6、固形分20重量%、平均1次粒子径27nm、電気伝導度0.6mS/cm)
・水分散性シリカB:シリカゾル(pH9.3、固形分20重量%、平均1次粒子径20nm、電気伝導度1.8mS/cm)
・含フッ素化合物A:パーフルオロアルキルアミンオキシド(有効成分30重量%、0.01%水溶液の表面張力16.0mN/m(25℃))
・含フッ素化合物B:パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物(有効成分30重量%、0.01%水溶液の表面張力17.5mN/m(25℃))
・含フッ素化合物C:パーフルオロアルキルベタイン(有効成分30重量%、0.01%水溶液の表面張力16.0mN/m(25℃))
・含フッ素化合物D:パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩(固形分30重量%、0.01%水溶液の表面張力17.0mN/m(25℃))
・含フッ素化合物E:トリフルオロエタノール(有効成分100重量%)
・アルキレンオキサイド鎖含有化合物:メトキシポリエチレングリコール(重量平均分子量:1000)
・骨材:粒子径120〜300μmの着色骨材混合物
・繊維A:繊維長0.5mmのビニロン繊維
・繊維B:繊維長20mmのナイロン繊維
表1に示す配合に従い、常法により各原料を均一に混合して装飾塗材1〜18を製造した。表1の配合量は重量部にて表示した。
225×300×6mmのスレート板に対し、エポキシ系下塗り材を乾燥膜厚が30μmとなるように塗装し、標準状態で8時間乾燥させた。次に、装飾塗材1を乾燥膜厚が約2mmとなるように万能ガンにて塗装し、装飾塗材1が未硬化のあいだに、凹凸の程度が3mm程度のくしコテを用いて、塗膜表面に波型の凹凸パターンを付与し、標準状態で7日間乾燥養生し、試験体を作製した。
◎:波型の凹凸パターンが付与された美観性に優れた外観が得られた。
○:波型の凹凸パターンが付与された外観が得られた。
△:一部波型の凹凸パターンが付与されなかった。
×:波型の凹凸パターンが付与されず、美観性にも乏しい外観であった。
○:凹凸パターンが塗装直後と同等である
△:凹凸パターンが塗装直後より崩れている
×:凹凸パターンが失われている
装飾性塗材1を製造した後、直ちに粘度を測定した。次に、装飾性塗材1を容器に入れて密閉し、50℃雰囲気で15日間貯蔵した後、再び粘度を測定した。
○:粘度変化10%未満
△:粘度変化10%以上50%未満
×:粘度変化50%以上
150mm×75mm×3mmのスレート板に対し、エポキシ系下塗材を乾燥膜厚が30μmとなるように塗装し、標準状態で8時間乾燥させた後、装飾性塗材1を乾燥膜厚が1mmとなるように塗装し、標準状態で7日間乾燥させることにより試験体を作製した。
以上の方法で得られた試験体の塗膜表面の接触角を測定した。接触角の測定は、協和界面科学株式会社製CA−A型接触角測定装置にて行った。結果は表2に示す。
225×300×6mmのスレート板に対し、エポキシ系下塗り材を乾燥膜厚が30μmとなるように塗装し、標準状態で8時間乾燥させた後、装飾塗材1を2kg/m2となる様に、くし型のヘラを用いて、凸部の高さが3mm程度、凹部は基材となる波型の凹凸パターンの試験体を作製した。作製した試験体をすぐに、温度50℃、湿度90%の恒温高湿器内に垂直に設置し、16時間養生後、凹凸パターンの保持程度を目視で確認した。
○:凹凸パターンが塗装直後と同等である
△:凹凸パターンが塗装直後より崩れている
×:凹凸パターンが失われている
300×150×3mmのアルミニウム板を、上端から3分の1の位置で、内角度が135度になるように折り曲げたものを試験基材とした。この試験基材の凸面に、エポキシ系下塗材を乾燥膜厚が30μmとなるようにスプレー塗装し、標準状態で8時間乾燥させた。次に、装飾塗材1を乾燥膜厚が2mmとなるように万能ガンにて塗装し、標準状態で7日間乾燥養生した。
以上の方法で得られた試験体を、面積の広い面を垂直にして大阪府茨木市で南面向きに設置し、3ヵ月間屋外曝露を行った。このとき垂直面における雨筋汚れ状態を目視観察し、汚れの程度に応じて5段階(優:5>4>3>2>1:劣)で評価した。結果は表2に示す。
装飾塗材1の替わりに、装飾塗材2〜20を用いた以外は実施例1と同様にして、試験体を製造した。
その結果、比較例7、8は凹凸パターンが一部失われてしまった。また、比較例10、11は単調な壁面となってしまった。それ以外は、波型の凹凸パターンが付与された美観性に優れた壁面が得られた。
また、得られた装飾塗材2〜20に対し、実施例1と同様の試験を行った。結果は表2に示す。
Claims (1)
- 基材に対し、装飾性塗材を塗付して凹凸模様を形成させる塗膜形成方法であって、
前記装飾性塗材として、
合成樹脂エマルション(A)、粒子径1〜200nmの水分散性シリカ(B)、ポリフルオロアルキル基とノニオン性または両性の親水基を有する含フッ素化合物(C)、粒子径0.05〜5.0mmの骨材(D)、及び繊維長0.1〜10mmの繊維(E)を必須成分とし、
前記合成樹脂エマルション(A)の固形分100重量部に対し、固形分換算で前記水分散性シリカ(B)を0.1〜100重量部、前記含フッ素化合物(C)を0.01〜10重量部、前記骨材(D)を100〜4000重量部、前記繊維(E)を0.01〜10重量部含む装飾性塗材を用いる、ことを特徴とする塗膜形成方法。
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