JP2018171617A - 被膜形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鏝(鏝板)への負荷が少なく、鏝板部の摩耗や損傷が生じにくく、美観性に優れた被膜を形成する被膜形成方法を提供する。【解決手段】本発明では、基材に対し、金属製の鏝板を有する鏝を用いて、特定の水性被覆材を塗付し、被膜を形成する。上記水性被覆材として、合成樹脂エマルション、及び粉粒体を含み、合成樹脂エマルションを構成するモノマー群としてカルボキシル基含有モノマーを含み、上記粉粒体は、モース硬度5以下の基体粒子が着色材により処理された平均粒子径0.05mm以上の着色粉粒体を含み、上記水性被覆材はpH≧7である水性被覆材を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、新規な被膜形成方法に関する。本発明は、建築物内外装仕上げ等に適用できる。
従来、建築物の壁面等においては、その表面保護、美観性向上等の目的で被覆材によるコーティングが行われている。このようなコーティングには、スプレー、ローラー、刷毛、鏝等、種々の塗付具が用いられている。但し、スプレーについては、大掛りな装置が必要となったり、材料の飛散が発生したりするため、建築物内装仕上げには、あまり適していない。これに対し、建築物内装仕上げにおいて、塗付具として鏝を用いた方法が注目されている。このような鏝としては、例えば特開平6−220988号公報(特許文献1)等に記載のものが知られている。
特開平6−220988号公報
ところで、近年、建築物内装仕上げでは、装飾性に対する要求が高まっており、結合材、及び着色骨材を含む装飾仕上げ材が多く採用されている。このような装飾仕上げ材を鏝で塗付する場合、鏝板部は、反復によって摩耗や損傷を生じるおそれがある。特に、装飾仕上げ材の乾燥が進むにつれ、よりいっそう鏝板部の摩耗や損傷が生じやすく、これにより形成被膜の美観性にも悪影響を及ぼす場合がある。
本発明は、このような点に鑑みされたものであり、基材に対し、鏝を用いて水性被覆材を塗付する被膜形成方法において、鏝(鏝板)への負荷が少なく、鏝板部の摩耗や損傷が生じにくい方法を提供することを目的とするものである。
このような課題を解決するために本発明者は鋭意検討の結果、特定の塗付具と特定の水性被覆材を用いた被膜形成方法に想到し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.基材に対し、鏝を用いて水性被覆材を塗付する被膜形成方法であって、
上記鏝は、金属製の鏝板を有し、
上記水性被覆材は、合成樹脂エマルション、及び粉粒体を含み、
上記合成樹脂エマルションの固形分100重量部に対して、粉粒体を100〜3000重量部を含み、
上記合成樹脂エマルションは、合成樹脂エマルションを構成するモノマー群としてカルボキシル基含有モノマーを含み、
上記粉粒体は、モース硬度5以下の基体粒子が着色材により処理された平均粒子径0.05mm以上の着色粉粒体を含み、
上記水性被覆材はpH≧7であることを特徴とする被膜形成方法。
2.上記合成樹脂エマルションのガラス転移温度が、30℃以下であることを特徴とする1.に記載の被膜形成方法。
本発明の被膜形成方法は、鏝(鏝板)への負荷が少なく、鏝板部の摩耗や損傷が生じにくく、美観性に優れた被膜を形成することができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明は、基材に対し、鏝を用いて水性被覆材を塗付する被膜形成方法に関するものである。本発明では、鏝として金属製の鏝板を有する鏝(以下、単に「金属製鏝」ともいう。)を用い、特定の水性被覆材を塗付することを特徴とする。
<基材>
基材は、建築物の壁面等を構成するものである。基材としては、例えば、コンクリート、モルタル、サイディングボード、押出成形板、石膏ボード、パーライト板、合板、煉瓦、プラスチック板、金属板、ガラス、磁器タイル等が挙げられる。これら基材の表面は、何らかの表面処理(例えば、シーラー、サーフェーサー、フィラー、パテ等)が施されたものでもよく、既に被膜が形成されたものや、壁紙が貼り付けられたもの等であってもよい。
<水性被覆材>
本発明では、水性被覆材として、合成樹脂エマルション、及び粉粒体を含むものを使用する。
本発明で用いる合成樹脂エマルションは、結合材として作用するもので、例えば、アクリル樹脂エマルション、ウレタン樹脂エマルション、酢酸ビニル樹脂エマルション、エチレン樹脂エマルション、シリコン樹脂エマルション、エポキシ樹脂エマルション、フッ素樹脂エマルション、アクリル・酢酸ビニル樹脂エマルション、アクリル・ウレタン樹脂エマルション、アクリル・シリコン樹脂エマルション、アクリル・フッ素樹脂エマルション等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
本発明では、カルボキシル基含有モノマーを構成モノマーとして含有する合成樹脂エマルションを含むことを特徴とする。
カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フタル酸、イタコン酸等から選択される1種以上が挙げられる。また、カルボキシル基含有モノマーの含有量は、全樹脂固形分重量に対して、0.2〜10重量%であることが好ましい。このような場合、合成樹脂エマルションの安定性を確保することができる。
本発明では、合成樹脂エマルションとして、カルボキシル基含有モノマーと、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むアクリル樹脂エマルションが好ましい。本発明では、アクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸アルキルエステルを合わせて、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと表記している。また、モノマーとは、重合性不飽和二重結合を有する化合物の総称である。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。
上記の他に、本発明の効果を阻害しない範囲で芳香族モノマー等を適宜用いることもできる。芳香族モノマーは、芳香環と重合性不飽和二重結合を有する化合物であり、その具体例としては、例えばスチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明で用いる合成樹脂エマルションのガラス転移温度は、特に限定されないが、30℃以下(好ましくは−30℃以上20℃以下)であることが好ましい。ガラス転移温度のこのような範囲であることにより、鏝(鏝板)への負荷が少なく、鏝板部の摩耗や損傷が生じにくくすることができる。なお、ガラス転移温度は、FOXの計算式により求められる値である。
本発明では、粉粒体として、基体粒子が着色材により処理された特定の着色粉粒体を含むことを特徴とする。このような着色粉粒体は、形成される被膜に模様を付与する役割を担うものである。このような着色粉粒体を使用することによって、粒子径の小さい一般的な着色顔料等を使用した場合と異なり、着色粉粒体がそれぞれ模様として視認され、優れた色調や質感を付与できる。また、この着色粉粒体は、被膜表面に微視的な凹凸を形成し、立体的な意匠の付与にも寄与することができる。
本発明において、着色粉粒体は、基体粒子が着色材によって処理されたものであればよい。着色粉粒体を構成する基体粒子としては、モース硬度が5以下(好ましく0.5以上5以下、より好ましくは1以上4以下)であることを特徴とする。このようなモース硬度の範囲を満たすことにより、金属製鏝を用いて本発明の水性被覆材を塗付した場合であっても、着色粉粒体との接触による鏝(鏝板)への負荷が少なく、鏝板部の摩耗や損傷が生じにくくなる。なお、本発明におけるモース硬度は、モースの硬度計を用いて測定される値である(但しダイヤモンドを10とする)。
基体粒子としては、例えば、炭酸カルシウム(モース硬度3.0)、寒水石(モース硬度3.0)、花崗岩(モース硬度3.0)、大理石(モース硬度3.0)、雲母(モース硬度2.8)、クレー(モース硬度1.5)、タルク(モース硬度1.0)、含水珪酸アルミニウム(モース硬度1.0)、含水珪酸マグネシウム(モース硬度1.0)、焼成珪酸アルミニウム(モース硬度2.5)、珪藻土(モース硬度1.0)等の無機質粒子、あるいは樹脂ビーズ、樹脂粉砕物、ゴム類、プラスチック類、植物繊維、植物片等の有機質粒子等が挙げられる。本発明では、特に、基体粉粒体として、炭酸カルシウム、寒水石、花崗岩、大理石から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。
着色材としては、染料、金属イオン、顔料、釉薬等が挙げられ、本発明では顔料を含むものが好ましい。また、その処理の方法としては、例えば、上記基体粒子に着色材を含浸する方法、あるいは上記基体粒子表面に着色材を被覆する方法、等が挙げられる。なお、着色材を被覆する場合には、必要に応じてバインダー等を用いて着色材を固定化すればよく、その着色が視認可能な状態であれば、その被覆膜は連続被膜であっても非連続被膜であってもよい。また、被覆処理は基体粒子のモース硬度が著しく損なわれない程度であることが好ましい。
着色粉粒体は、平均粒子径0.05mm以上(好ましくは0.07mm以上8mm以下、より好ましくは0.1mm以上6mm以下)である。このような範囲の場合、上記効果を十分に発揮することができる。
本発明では、粉粒体として、着色材によって処理されていない上記基体粒子(未処理の基体粒子)を含んでもよい。
さらに、粉粒体として、モース硬度が5超である粉粒体を含んでもよいが、この場合、粉粒体の粒子径が、上記着色粉粒体の粒子径よりも小さいことが好ましい。このような粉粒体としては、長石(モース硬度6.0)、アルミナ(モース硬度9.0)、珪石(モース硬度7.0)、珪砂(モース硬度7.0)、等の粉砕物、陶磁器粉砕物、セラミック粉砕物等が挙げられる。さらには、これらを上記と同様の方法で着色材により処理したものも使用できる。
上記粉粒体の混合比率は、上記合成樹脂エマルションの固形分100重量部に対して、100〜3000重量部(好ましくは300〜2500重量部)である。このような場合、美観性に優れた装飾性被膜を形成することができる。
本発明の水性被覆材は、pH≧7(好ましくは7.2以上11以下)であることを特徴とする。このようなpH範囲を満たす場合、本発明の効果を十分に発揮することができる。上記pHの範囲を満たす水性被覆材では、上記合成樹脂エマルションの機械的安定性を十分に高めることができ、塗装作業時に金属製鏝を塗面に反復して接触させても、エマルション粒子が壊れにくく、硬化を適度に制御することができるため、鏝板への負荷を低減することができると考えられる。
本発明では、塩基性化合物によってpHを上記範囲に調製することが望ましい。塩基性化合物を混合するタイミングについては、特に限定されず、合成樹脂エマルションの重合時、重合後のいずれであってもよく、水性被覆材の製造時であってもよい。
塩基性化合物としては、例えば、アンモニア、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、アミノエタノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−(メチルアミノ)−2−メチル−1−プロパノール、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−(2−アミノエチル)エタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、ナトリウムメチルシリコネート、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、無水炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。
さらに、本発明における水性被覆材は、高沸点化合物を含有する場合、本発明の効果を高めることができる。高沸点化合物により合成樹脂エマルションの硬化性を適度に制御することができるため、鏝板への負荷を低減することができると考えられる。高沸点化合物としては、沸点100℃以上(好ましくは120℃以上、より好ましくは180℃以上)のものが好適である。高沸点化合物としては、疎水性高沸点化合物、水溶性高沸点化合物等が使用可能である。
疎水性高沸点化合物としては、例えば、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールターシャリーブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、オクチレングリコール、2−エチルヘキシレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート、ベンジルアルコール等が挙げられ、1種または2種以上を用いることができる。
水溶性高沸点化合物としては、例えば、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタジオール等のジオール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類;セロソルブ、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類;メチルグリコールアセテート、エチルグリコールアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノイソブチルエーテルアセテート等のエーテルエステル類、N−メチルピロリドン等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。
高沸点化合物の混合比率は、合成樹脂エマルションの固形分100重量部に対し、好ましくは0.1重量部以上40重量部以下、より好ましくは1重量部以上30重量部以下である。このような範囲である場合、本発明の効果を高めることができる。
さらに、本発明の水性被覆材は、水溶性高分子化合物を含有する場合、本発明の効果を高めることができる。水性被覆材は、合成樹脂エマルションの媒体、希釈剤などとして水が含まれている。水性被覆材が塗付されると、この水が蒸発し、硬化被膜が形成される。本発明では、水性被覆材に水溶性高分子化合物を含有することにより、これら水溶性化合物が水に溶解した状態となる。このような水性被覆材を塗付すると、水の蒸発が適度に制御されることにより、鏝板への負荷を低減することができると考えられる。
このような水溶性高分子化合物としては、20℃において固体であり、重量平均分子量が500以上(より好ましくは800以上、さらに好ましくは1000以上)であるものが好適である。例えば、酸化デンプン、カルボキシルメチル化デンプン、リン酸化デンプン、カルボキシルメチルセルロ−ス、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、アラビアゴム、生デンプン、酵素変性デンプン、ヒドロキシエチルセルロ−ス、メチルセルロ−ス、グア−ガム、ローカストビーンガム、水溶性ロジン、水溶性アクリル樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性ポリエーテルポリオ−ル樹脂、水溶性ポリアミド樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリオレフィン樹脂、水溶性フッ素樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性アルキド樹脂、水溶性ウレタン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、等あるいはこれらの複合物等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
水性被覆材における水溶性高分子化合物の含有量は、合成樹脂エマルションの固形分100重量部に対し、好ましくは0.01重量部以上20重量部以下(より好ましくは0.1重量部以上15重量部以下、さらに好ましくは0.5重量部以上10重量部以下)である。
本発明では、水性被覆材が高沸点化合物及び水溶性高分子化合物を含むことが好適である。このような態様であれば、本発明の効果がいっそう向上する。
本発明の水性被覆材において、分散剤として、酸基含有分散剤を含有する場合、本発明の効果を高めることができる。酸基含有分散剤としては、例えば、ポリカルボン酸系分散剤及び/またはリン酸系分散剤が挙げられ、これらは併用してもよい。このような分散剤を含むことにより、上記合成樹脂エマルション及び粉粒体を含む塗材において、塗装作業時の合成樹脂エマルションの硬化性を適度に制御することができ、鏝板への負荷を低減することができる。
酸基含有分散剤は、上記合成樹脂エマルションの固形分100重量部に対し、0.1〜10重量部含むことが好ましい。このような範囲を満たす場合、本発明の効果を十分に発揮することができる。
水性被覆材は、上記各成分、さらに必要に応じ各種添加剤等を常法により混合して製造することができる。添加剤としては、例えば、着色顔料、体質顔料、可塑剤、造膜助剤、凍結防止剤、防腐剤、防黴剤、抗菌剤、消泡剤、分散剤、増粘剤、レベリング剤、湿潤剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、吸着剤、吸放湿剤、繊維物質、触媒、架橋剤等が挙げられる。
<被膜形成方法>
本発明の被膜の形成方法は、基材に対し、鏝を用いて上述の水性被覆材を塗付することを特徴とする。上記鏝として、金属製鏝を用いる。金属製鏝であれば、その形状は公知のものを使用することができる。鏝板の厚みは、好ましくは0.1〜1mmである。金属製の鏝板としては、例えば、鉄板、鋼板、アルミニウム板、ステンレス板等が挙げられる。
本発明では、基材に対し、上記金属製鏝を用いて水性被覆材を塗付し、被膜を形成する。
水性被覆材の塗付前には、基材に表面に、例えば、シーラー、サーフェーサー、フィラー、パテ等による表面処理を施しておくことが望ましい。これにより、付着性、耐白華化性、仕上り性等において安定した効果を得ることができる。
水性被覆材は、基材全面に均一に塗付すればよい。水性被覆材は、水等で適宜希釈することもできる。水性被覆材の塗付け量は、好ましくは0.3〜5kg/m、より好ましくは0.5〜4kg/mである。
水性被覆材を塗付する場合、塗付の方向、軌道等の選択、組合せ等によって、種々の凹凸模様を形成することができる。具体的に、金属製鏝を動かす方向としては、例えば、横方向(幅方向)、縦方向(長さ方向)、斜め方向等が挙げられる。塗付具を動かす際の軌道は、例えば、直線状、円状、半円状、ランダム状等のいずれであってもよい。このような軌道は、連続的であっても、不連続的であってもよい。また、金属製鏝を塗面に反復して接触させて仕上げを行うことも可能である。
本発明では、水性被覆材を塗付後、被膜を乾燥させることにより、被膜を形成することができる。乾燥温度は、好ましくは0℃以上40℃以下(常温)であり、必要に応じ加温することもできる。乾燥時間は、好ましくは4時間以上、より好ましくは24時間以上である。また、必要に応じ、上塗り材(透明被覆材)等を塗付することもできる。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
(合成樹脂エマルション)
・合成樹脂エマルションA
アクリル樹脂エマルション(MMA/ST/n−BA/2−EHA/AA共重合体、AAの含有比率:1重量%、固形分50重量%、ガラス転移温度2℃)
・合成樹脂エマルションB
アクリル樹脂エマルション(MMA/ST/n−BA/2−EHA/MAA共重合体、MAAの含有比率:2重量%、固形分50重量%、ガラス転移温度2℃)
なお、上記モノマーは以下の通りである。
・MMA:メチルメタクリレート
・ST:スチレン
・n−BA:n−ブチルアクリレート
・2−EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
・AA:アクリル酸
・MAA:メタクリル酸
(水性被覆材1)
合成樹脂エマルションA200重量部に対し、着色粉粒体A[平均粒子径0.15mm、寒水石(モース硬度3.0)を淡黄色着色材(アクリル樹脂、黄色酸化鉄顔料及び黒色酸化鉄顔料を含む)で被覆した粒子]600重量部、塩基性化合物(アンモニア水)3重量部を混合し、水性被覆材1を製造した。水性被覆材1のpHは8.5であった。
(水性被覆材2)
合成樹脂エマルションB200重量部に対し、着色粉粒体A[平均粒子径0.15mm、寒水石(モース硬度3.0)を淡黄色着色材(アクリル樹脂、黄色酸化鉄顔料及び黒色酸化鉄顔料を含む)で被覆した粒子]600重量部、塩基性化合物(アンモニア水)3重量部を混合し、水性被覆材2を製造した。水性被覆材2のpHは8.3であった。
(水性被覆材3)
合成樹脂エマルションA200重量部に対し、着色粉粒体A[平均粒子径0.15mm、寒水石(モース硬度3.0)を淡黄色着色材(アクリル樹脂、黄色酸化鉄顔料及び黒色酸化鉄顔料を含む)で被覆した粒子]600重量部、塩基性化合物(アンモニア水)3重量部、高沸点化合物(2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート)4重量部、水溶性高分子化合物(ヒドロキシエチルセルロース)1重量部を混合し、水性被覆材3を製造した。水性被覆材3のpHは8.5であった。
(水性被覆材4)
合成樹脂エマルションA200重量部に対し、着色粉粒体A[平均粒子径0.15mm、寒水石(モース硬度3.0)を淡黄色着色材(アクリル樹脂、黄色酸化鉄顔料及び黒色酸化鉄顔料を含む)で被覆した粒子]600重量部、塩基性化合物(アンモニア水)3重量部、高沸点化合物(2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート)4重量部、水溶性高分子化合物(ヒドロキシエチルセルロース)1重量部、酸基含有分散剤(カルボキシル基含有高分子分散剤)2重量部を混合し、水性被覆材4を製造した。水性被覆材4のpHは8.6であった。
(水性被覆材5)
合成樹脂エマルションA200重量部に対し、着色粉粒体A[平均粒子径0.15mm、寒水石(モース硬度3.0)を淡黄色着色材(アクリル樹脂、黄色酸化鉄顔料及び黒色酸化鉄顔料を含む)で被覆した粒子]600重量部を混合し、水性被覆材5を製造した。水性被覆材5のpHは7.1であった。
(実施例1)
シーラー塗装を施したスレート板に対し、金属製鏝(鏝板:ステンレス製板、板の厚み0.3mm、先端部頂点の角度90°、板の長さ210mm、板の幅60mm)で水性被覆材1を塗付け量3kg/m2で均一に塗付し、その直後に、塗面上で金属製鏝を半円状に不連続的に動かし、塗面に金属製鏝を反復して接触させて凹凸模様を形成させた。その後24時間乾燥させた。なお、塗装、乾燥はすべて気温23℃・相対湿度50%下で行った。以上の方法で得られた被膜は、半円状の模様が複数重なり合ったような凹凸模様であった。また、塗付時の鏝板部の摩耗や損傷もなく、作業性は良好であった。
(実施例2〜5)
上記水性被覆材1に代えて、水性被覆材2〜5を使用し、実施例1と同様の方法で塗装を行った。その結果、いずれも、半円状の模様が複数重なり合ったような凹凸模様が形成された。また、塗付時の鏝板部の摩耗や損傷もなく、作業性は良好であった。特に、水性被覆材1〜4を使用した場合、より鏝板への負担を低減すことができ、優れた作業性を示した。さらに、水性被覆材3、4(さらには被覆材4)を使用した場合、鏝板への負担を低減することができ、美観性に優れた被膜が形成された。




Claims (2)

  1. 基材に対し、鏝を用いて水性被覆材を塗付する被膜形成方法であって、
    上記鏝は、金属製の鏝板を有し、
    上記水性被覆材は、合成樹脂エマルション、及び粉粒体を含み、
    上記合成樹脂エマルションの固形分100重量部に対して、粉粒体を100〜3000重量部を含み、
    上記合成樹脂エマルションは、合成樹脂エマルションを構成するモノマー群としてカルボキシル基含有モノマーを含み、
    上記粉粒体は、モース硬度5以下の基体粒子が着色材により処理された平均粒子径0.05mm以上の着色粉粒体を含み、
    上記水性被覆材はpH≧7であることを特徴とする被膜形成方法。
  2. 上記合成樹脂エマルションのガラス転移温度が、30℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の被膜形成方法。

JP2018064762A 2017-03-31 2018-03-29 被膜形成方法 Active JP7075799B2 (ja)

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