JP6788423B2 - 被膜形成方法 - Google Patents

被膜形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6788423B2
JP6788423B2 JP2016157120A JP2016157120A JP6788423B2 JP 6788423 B2 JP6788423 B2 JP 6788423B2 JP 2016157120 A JP2016157120 A JP 2016157120A JP 2016157120 A JP2016157120 A JP 2016157120A JP 6788423 B2 JP6788423 B2 JP 6788423B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
weight
coating material
parts
based coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016157120A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017119266A (ja
Inventor
道生 川原
道生 川原
貴士 山下
貴士 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SK Kaken Co Ltd
Original Assignee
SK Kaken Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SK Kaken Co Ltd filed Critical SK Kaken Co Ltd
Priority to CN201610951374.0A priority Critical patent/CN106869427A/zh
Publication of JP2017119266A publication Critical patent/JP2017119266A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6788423B2 publication Critical patent/JP6788423B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、新規な被膜形成方法に関する。本発明は、建築物内装仕上げ等に適用できる。
従来、建築物の壁面等においては、その表面保護、美観性向上等の目的で被覆材によるコーティングが行われている。このようなコーティングには、スプレー、ローラー、刷毛、鏝等、種々の塗付具が用いられている。但し、スプレーについては、大掛りな装置が必要となったり、材料の飛散が発生したりするため、建築物内装仕上げには、あまり適していない。これに対し、建築物内装仕上げにおいて、塗付具として鏝を用いた方法が注目されている。このような鏝としては、例えば特開平6−220988号公報(特許文献1)等に記載のものが知られている。
特開平6−220988号公報
ところで、近年、建築物内装仕上げでは、装飾性に対する要求が高まっており、鏝を用いた方法においても、このような要望に応える必要性が強まりつつある。しかし、上記特許文献1のような鏝は、平坦な被膜の形成には適している半面、立体的な凹凸模様の形成には不向きである。上記特許文献1のような鏝で、立体的凹凸模様を形成するには、熟練した技能が必要となり、その仕上り具合は作業者の熟練度合に大きく左右されることとなる。
本発明は、このような点に鑑みされたものであり、建築物内装仕上げ等における凹凸模様被膜の形成を、比較的簡単な作業で達成することができる方法を提供することを目的とするものである。
このような課題を解決するために本発明者は鋭意検討の結果、特定の塗付具と水性被覆材を用いた被膜形成方法に想到し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.基材に対し、塗付具を用いて水性被覆材を塗付し、凹凸模様被膜を得る被膜形成方法であって、
上記塗付具は、板の厚みが0.1〜1mmであり、逆V字型形状の先端部を有し、当該先端部が可撓性を有する鏝であり、
上記水性被覆材は、粘度が50〜2000Pa・sであり、水性樹脂、着色顔料、及び充填材を含み、該充填材として真球状中空粒子を含む、
ことを特徴とする被膜形成方法。
2.上記水性被覆材が、上記充填材として短繊維物質を含むことを特徴とする1.記載の被膜形成方法。
3.上記真球状中空粒子と上記短繊維物質の重量比(真球状粒子の重量/短繊維物質の重量)が、2/1〜100/1であることを特徴とする2.記載の被膜形成方法。
4.上記水性被覆材が、さらに、水(水温20℃)への溶解度10g/100g以下、沸点200℃以上の疎水性物質を含むことを特徴とする1.から3.のいずれかに記載の被膜形成方法。
上記1.〜4.に係る発明によれば、比較的簡単な作業で、凹凸模様被膜を形成することができる。上記3.〜4.に係る発明によれば、特に、被膜形成時の作業性、凹凸模様の形成性、形状保持性等において有利な効果が得られる。
図1は、塗付具の一例を示す下面図である。 図2は、塗付具の一例を示す断面図である。
1:板
10:先端部
11:先端部頂点
12:底部
13:底部両端
14:中央部
15:下面
16:上面
2:把手
3:支持材
L:板の長さ
W:板の幅
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明は、基材に対し、塗付具を用いて水性被覆材を塗付し、凹凸模様被膜を得る被膜形成方法に関するものである。
<基材>
基材は、建築物の壁面等を構成するものである。基材としては、例えば、コンクリート、モルタル、サイディングボード、押出成形板、石膏ボード、パーライト板、合板、煉瓦、プラスチック板、金属板、ガラス、磁器タイル等が挙げられる。これら基材の表面は、何らかの表面処理(例えば、シーラー、サーフェーサー、フィラー、パテ等)が施されたものでもよく、既に被膜が形成されたものや、壁紙が貼り付けられたもの等であってもよい。
<塗付具>
本発明では、塗付具として、板の厚みが0.1〜1mmであり、尖った形状の先端部を有し、当該先端部が可撓性を有する鏝を用いる。図1〜2にその一例を示す。本発明では、塗付具として、このような鏝を使用することにより、比較的簡単な作業で、凹凸模様被膜を形成することができる。このような効果は、塗付具使用時に、比較的小さな力で、板1の先端部10に圧力がかかりやすく、これにより鏝の先端部10が撓って、当該先端部10が比較的広い面積で塗面に接しやすくなること等が寄与しているものと考えられる。
図1は、上記塗付具の板の一例を示すものである。板1の下面15は、水性被覆材の塗面(乾燥前の塗付面)に接する部分である。
図1は、板1を下面15側から見たものである。図1に示すように、板1の先端部10は、尖った形状である。先端部10の形状としては、例えば逆V字型、逆U字型等が挙げられ、本発明では逆V字型が好適である。先端部頂点11の角度(内角)は、好ましくは60〜120°、より好ましくは70〜110°である。
板1の底部12は、例えば方形または三角形等の底部と同様の形状を有するものであればよい。底部両端13の角度(内角)は、略直角であればよく、好ましくは70〜100°、より好ましくは80〜95°である。板1の長さL(下端から上端までの寸法)は、好ましくは100〜400mm、より好ましくは150〜350mmである。また、板1の幅Wは、好ましくは30〜150mm、より好ましくは40〜120mmである。
板1の厚みは0.1〜1mmであり、好ましくは0.2〜0.8mmである。このような厚みであれば、本発明に適した可撓性を得ることができる。板1の材質としては、例えば、金属製、樹脂製、木製等が挙げられ、このうち金属製が好適である。金属製の板としては、例えば、鉄板、鋼板、アルミニウム板、ステンレス板等が挙げられる。
本発明における塗付具としては、板1と把手2を備えたものが使用できる。図2は、本発明で用いる塗付具の一例を示す断面図である。図2に示すように、把手2は、板1の上面16側に支持材3等を介して設置されていればよい。把手2の位置は、板1の中央部14付近、または中央部14と底部12との間であればよい。
<水性被覆材>
本発明では、水性被覆材として、その粘度が50〜2000Pa・sであるものを使用する。水性被覆材の粘度は、好ましくは80〜1500Pa・s、より好ましくは100〜1000Pa・sである。なお、ここに言う粘度は、温度23℃において、BH型粘度計で測定した2rpmにおける粘度(2回転目の指針値)である。本発明では、このような水性被覆材を用いることにより、凹凸模様被膜を形成することが可能となる。
本発明における水性被覆材としては、水性樹脂、着色顔料、及び充填材を含むものが好適である。本発明では、このような水性被覆材の使用により、種々の色調、凹凸模様を表出することが可能となる。
上記水性被覆材中の水性樹脂は、結合材として作用するものである。このような水性樹脂としては、水溶性樹脂及び/または水分散性樹脂が使用でき、この中でも水分散性樹脂(樹脂エマルション)が好適である。水分散性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂エマルション、ウレタン樹脂エマルション、酢酸ビニル樹脂エマルション、エチレン樹脂エマルション、シリコン樹脂エマルション、エポキシ樹脂エマルション、フッ素樹脂エマルション、アクリル・酢酸ビニル樹脂エマルション、アクリル・ウレタン樹脂エマルション、アクリル・シリコン樹脂エマルション、アクリル・フッ素樹脂エマルション等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。これらは架橋反応性等を有するものであってもよい。
上記水性被覆材における着色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、カーボンブラック、酸化第二鉄(弁柄)、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、群青、コバルトグリーン等の無機着色顔料、アゾ系、ナフトール系、ピラゾロン系、アントラキノン系、ペリレン系、キナクリドン系、ジスアゾ系、イソインドリノン系、ベンゾイミダゾール系、フタロシアニン系、キノフタロン系等の有機着色顔料、パール顔料、アルミニウム顔料、光輝性顔料、蓄光顔料、蛍光顔料等が挙げられる。このような着色顔料の1種または2種以上を用いることにより、水性被覆材を所望の色調に調製することができる。
着色顔料の混合比率は、水性樹脂の固形分100重量部に対し、好ましくは1〜300重量部、より好ましくは3〜250重量部、さらに好ましくは5〜200重量部である。
上記水性被覆材における充填材としては、例えば、体質顔料、骨材、真球状粒子、短繊維物質等が使用できる。このような充填材は、凹凸模様形成に寄与するものである。充填材の混合比率は、水性樹脂の固形分100重量部に対し、好ましくは100〜4000重量部、より好ましくは300〜3000重量部、さらに好ましくは500〜2000重量部である。
上記充填材のうち、体質顔料としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽微性炭酸カルシウム、カオリン、クレー、陶土、チャイナクレー、焼成クレー、珪藻土、含水微粉珪酸、タルク、バライト粉、硫酸バリウム、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、シリカ粉、水酸化アルミニウム等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。体質顔料の平均粒子径は、好ましくは50μm未満、より好ましくは0.5μm以上45μm以下である。
骨材としては、例えば、天然石粉砕物、陶磁器粉砕物、セラミック粉砕物、ガラス粉砕物、ガラスビーズ、樹脂粉砕物、樹脂ビーズ、金属粒等、あるいはこれらの着色品等の各種骨材が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。これら骨材の平均粒子径は、好ましくは50μm以上5000μm、より好ましくは60μm以上2000μm以下である。
真球状粒子は、上記充填材のうち、真球状の形状を有するものである。真球状粒子としては、その形状において、長径と短径の比(長径/短径)が0.8〜1.2(好ましくは0.9〜1.1、より好ましくは0.95〜1.05)であるものが好適である。このような真球状粒子は、水性被覆材塗付時の作業性、凹凸模様の形成性、形成被膜の触感、質感、汚染除去性等の効果向上の点において有利である。
真球状粒子の素材は、有機、無機を問わず、各種のものを使用することができる。真球状粒子の平均粒子径は、好ましくは5μm以上200μm以下、より好ましくは10μm以上150μm以下、さらに好ましくは20μm以上100μm以下である。
真球状粒子としては、特に真球状中空粒子が好適である。真球状粒子として真球状中空粒子を使用することにより、上記効果向上化の点で一層有利であり、被覆材や被膜の軽量化を図ることもできる。真球状中空粒子の密度は、好ましくは0.01〜1g/cm、より好ましくは0.1〜0.8g/cm、さらに好ましくは0.2〜0.6g/cmである。
真球状中空粒子は、無機質または有機質の外殻で形成された閉気泡型の中空粒子である。真球状中空粒子としては、例えば、無機質中空ビーズ、有機質中空ビーズ等が挙げられる。無機質中空ビーズを構成する無機成分としては、例えば、珪酸ソーダガラス、アルミ珪酸ガラス、硼珪酸ソーダガラス、カーボン、アルミナ等が挙げられる。有機質中空ビーズを構成する有機成分としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル−スチレン共重合樹脂、アクリル−アクリロニトリル共重合樹脂、アクリル−スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂、アクリロニトリル−メタアクリロニトリル共重合樹脂、アクリル−アクリロニトリル−メタアクリロニトリル共重合樹脂、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合樹脂等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。このうち、本発明では、無機質中空ビーズ(特に中空ガラスビーズ)が好適である。
短繊維物質は、上記充填材のうち、細長い繊維形状を有するものである。短繊維物質の平均繊維長は、好ましくは0.1mm以上5mm以下、より好ましくは0.3mm以上4mm以下、さらに好ましくは0.5mm以上3mm以下である。短繊維物質の平均繊維径は、好ましくは500μm以下、より好ましくは1μm以上200μm以下、2μm以上100μm以下である。このような短繊維物質は、水性被覆材塗付時の作業性、凹凸模様の形成性、形状保持性、耐割れ性等の効果向上の点において有利である。
短繊維物質としては、例えば、パルプ繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、ポリエチレン繊維、ポリアリレート繊維、PBO繊維(ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維)、ビスコースレーヨン繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、塩化ビニル繊維、セルロース繊維等の合成繊維、ケナフ、ヤシ、コルク、竹、麻、藤、パイナップル、バナナ、わら等の天然繊維、ロックウール、ガラス繊維、シリカ繊維、シリカ−アルミナ繊維、カーボン繊維、炭化珪素繊維等の無機繊維等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用できる。
本発明では、真球状粒子と短繊維物質とを併用することが望ましい。本発明では、このような特定形状の物質を併用することにより、水性被覆材塗付時の作業性、凹凸模様の形成性、形状保持性等の点において、より一層優れた効果を得ることができる。真球状粒子と短繊維物質の重量比(真球状粒子の重量/短繊維物質の重量)は、好ましくは2/1〜100/1、より好ましくは5/1〜60/1、さらに好ましくは8/1〜40/1である。
真球状粒子と短繊維物質との合計量は、水性樹脂の固形分100重量部に対し、好ましくは5〜500重量部、より好ましくは10〜400重量部、さらに好ましくは20〜300重量部である。
本発明における水性被覆材は、水(水温20℃)への溶解度10g/100g以下、沸点200℃以上の疎水性物質を含むことが望ましい。これにより、水性被覆材塗付時の作業性、凹凸模様の形成性、形状保持性等の点において、より一層優れた効果を得ることができる。その作用機構は明確ではないが、疎水性物質と水性樹脂との親和により、粘性が付与されること等が関与しているものと推測される。上記疎水性物質の水への溶解度は、好ましくは5g/100g以下、より好ましくは1g/100g以下、さらに好ましくは0.1g/100g以下、最も好ましくは0.08g/100g以下であり、沸点は、好ましくは240℃以上、より好ましくは260℃以上である。
上記疎水性物質としては、例えば、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールターシャリーブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、オクチレングリコール、2−エチルヘキシレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート、ベンジルアルコール等が挙げられ、1種または2種以上を用いることができる。本発明では特に、上記疎水性物質として、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレートを含むことが望ましい。
上記疎水性物質の混合比率は、水性樹脂の固形分100重量部に対し、好ましくは0.1〜40重量部、より好ましくは1〜30重量部である。
水性被覆材は、上記各成分、さらに必要に応じ各種添加剤等を常法により混合して製造することができる。添加剤としては、例えば、可塑剤、造膜助剤、凍結防止剤、防腐剤、防黴剤、抗菌剤、消泡剤、分散剤、増粘剤、レベリング剤、湿潤剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、吸着剤、吸放湿剤、長繊維物質、触媒、架橋剤等が挙げられる。
<被膜形成方法>
本発明では、基材に対し、塗付具を用いて水性被覆材を塗付し、凹凸模様被膜を得る。
水性被覆材の塗付前には、基材に表面に、例えば、シーラー、サーフェーサー、フィラー、パテ等による表面処理を施しておくことが望ましい。これにより、付着性、耐白華化性、仕上り性等において安定した効果を得ることができる。
本発明の被膜形成方法は、例えば以下の工程により行うことができる。すなわち、
基材に対し、塗付具を用いて水性被覆材を塗付する工程(A)、
当該水性被覆材の乾燥前に、塗付具を用いて凹凸模様を形成する工程(B)、
を順に行うことができる。また、凹凸模様の種類によっては、このような工程(A)と工程(B)を、同時に行うこともできる。本発明では、工程(A)及び工程(B)において、上記特定の鏝を用いることが望ましい。
工程(A)では、水性被覆材を基材全面に均一に塗付すればよい。水性被覆材は、上記粘度を満たす範囲内であれば、水等で適宜希釈することもできる。工程(A)における水性被覆材の塗付け量は、好ましくは0.3〜5kg/m、より好ましくは0.5〜4kg/mである。
工程(A)は、複数回繰り返して行うこともできる。すなわち、水性被覆材の被膜を複数層重ねることができる。例えば工程(A)を2回繰り返して行う場合、第2回目(第2層目)の水性被覆材は、第1回目(第1層目)の水性被覆材の被膜が乾燥した後に、塗付すればよい。工程(B)は、第2回目(第2層目)の水性被覆材の乾燥前に行えばよい。このような(A)工程の複数回繰り返し(水性被覆材被膜の積層)は、隠蔽性、仕上り性等の向上化の点で好適である。特に、各回(各層)の水性被覆材が同色ないし近似色であれば、より好適である。
(B)工程では、塗付具の方向、軌道等の選択、組合せ等によって、種々の凹凸模様を形成することができる。具体的に、塗付具を動かす方向としては、例えば、横方向(幅方向)、縦方向(長さ方向)、斜め方向等が挙げられる。塗付具を動かす際の軌道は、例えば、直線状、円状、半円状、ランダム状等のいずれであってもよい。このような軌道は、連続的であっても、不連続的であってもよい。
本発明では、(B)工程の後、被膜を乾燥させることにより、凹凸模様被膜が得られる。乾燥温度は、好ましくは0℃以上40℃以下(常温)であり、必要に応じ加温することもできる。乾燥時間は、4時間以上、好ましくは24時間以上である。また、凹凸模様被膜形成後、必要に応じ、透明被覆材等を塗付することもできる。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
(水性被覆材1の製造)
アクリル樹脂エマルション(固形分50重量%、ガラス転移温度−5℃)200重量部に対し、白色顔料(二酸化チタン)80重量部、重質炭酸カルシウム(平均粒子径15μm)500重量部、寒水石(平均粒子径200μm)500重量部、添加剤(分散剤、増粘剤、消泡剤等)20重量部を混合し、さらに水を加えて、粘度400Pa・sの水性被覆材1を製造した。
(水性被覆材2の製造)
アクリル樹脂エマルション(同上)200重量部に対し、白色顔料(同上)80重量部、重質炭酸カルシウム(同上)500重量部、寒水石(同上)500重量部、真球状粒子(中空ガラスビーズ、長径/短径=1/1、平均粒子径40μm、密度0.4g/cm)80重量部、添加剤(分散剤、増粘剤、消泡剤等)20重量部を混合し、さらに水を加えて、粘度400Pa・sの水性被覆材2を製造した。
(水性被覆材3の製造)
アクリル樹脂エマルション(同上)200重量部に対し、白色顔料(同上)80重量部、重質炭酸カルシウム(同上)500重量部、寒水石(同上)500重量部、短繊維物質(合成繊維、平均繊維長1mm、平均繊維径20μm)5重量部、添加剤(分散剤、増粘剤、消泡剤等)20重量部を混合し、さらに水を加えて、粘度400Pa・sの水性被覆材3を製造した。
(水性被覆材4の製造)
アクリル樹脂エマルション(同上)200重量部に対し、白色顔料(同上)80重量部、重質炭酸カルシウム(同上)500重量部、寒水石(同上)500重量部、真球状粒子(同上)80重量部、短繊維物質(同上)5重量部、添加剤(分散剤、増粘剤、消泡剤等)20重量部を混合し、さらに水を加えて、粘度400Pa・sの水性被覆材4を製造した。
(水性被覆材5の製造)
アクリル樹脂エマルション(同上)200重量部に対し、白色顔料(同上)80重量部、重質炭酸カルシウム(同上)500重量部、寒水石(同上)500重量部、真球状粒子(同上)80重量部、短繊維物質(同上)5重量部、疎水性物質(2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート、水への溶解度:0.04g/100g、沸点:280℃)5重量部、添加剤(分散剤、増粘剤、消泡剤等)20重量部を混合し、さらに水を加えて、粘度400Pa・sの水性被覆材5を製造した。
(実施例1)
図1、2と同様の形態の鏝A(ステンレス製板、板の厚み0.3mm、先端部頂点の角度90°、板の長さ210mm、板の幅60mm)を用いて、以下の方法で塗装を行った。
シーラー塗装を施したスレート板に対し、水性被覆材1を塗付け量1kg/mで均一に塗付し、6時間乾燥させた。次に、水性被覆材1を塗付け量1kg/mで均一に塗付し、その直後に、塗面上で鏝Aを半円状に不連続的に動かした。その後24時間乾燥させた。なお、塗装、乾燥はすべて気温23℃・相対湿度50%下で行った。以上の方法で得られた被膜は、半円状の模様が複数重なり合ったような凹凸模様であった。塗付時の作業性は良好であった。
(比較例1)
上記鏝Aに代えて、板の形状が長方形である鏝B(ステンレス製板、板の厚み0.3mm、板の長さ210mm、板の幅60mm)を用い、実施例1と同様の方法で塗装を試みた。しかし、実施例1の如く効率的に凹凸模様を形成することは困難であった。
(実施例2〜5)
上記水性被覆材1に代えて、表1に示す各水性被覆材を用い、実施例1と同様の方法で塗装を行った。その結果、実施例2〜5では、いずれも、半円状の模様が複数重なり合ったような凹凸模様が形成された。
各項目の評価結果は、表1に示す通りである。作業性については、鏝運びの軽やかさの観点から評価した。模様形成性については、鏝による凹凸模様形成のしやすさを主眼に評価を行った。形状保持性については、塗装直後と乾燥後の凹凸模様形状を比較することで評価を行った。実施例2〜5では、実施例1を基準とし、同等であったものを「c」、より優れていたものを「b」、特に優れていたものを「a」として評価した。
Figure 0006788423

Claims (4)

  1. 基材に対し、塗付具を用いて水性被覆材を塗付し、凹凸模様被膜を得る被膜形成方法であって、
    上記塗付具は、板の厚みが0.1〜1mmであり、逆V字型形状の先端部を有し、当該先端部が可撓性を有する鏝であり、
    上記水性被覆材は、粘度が50〜2000Pa・sであり、水性樹脂、着色顔料、及び充填材を含み、該充填材として真球状中空粒子を含む、
    ことを特徴とする被膜形成方法。
  2. 上記水性被覆材が、上記充填材として短繊維物質を含むことを特徴とする請求項1記載の被膜形成方法。
  3. 上記真球状中空粒子と上記短繊維物質の重量比(真球状粒子の重量/短繊維物質の重量)が、2/1〜100/1であることを特徴とする請求項2記載の被膜形成方法。
  4. 上記水性被覆材が、さらに、水(水温20℃)への溶解度10g/100g以下、沸点200℃以上の疎水性物質を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の被膜形成方法。
JP2016157120A 2015-12-26 2016-08-10 被膜形成方法 Active JP6788423B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CN201610951374.0A CN106869427A (zh) 2015-12-26 2016-11-02 覆膜形成方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015255529 2015-12-26
JP2015255529 2015-12-26

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017119266A JP2017119266A (ja) 2017-07-06
JP6788423B2 true JP6788423B2 (ja) 2020-11-25

Family

ID=59271318

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016157120A Active JP6788423B2 (ja) 2015-12-26 2016-08-10 被膜形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6788423B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7453869B2 (ja) 2020-07-08 2024-03-21 アイカ工業株式会社 塗材仕上げ工法

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0243960Y2 (ja) * 1985-11-27 1990-11-21
US4958399A (en) * 1989-06-16 1990-09-25 Congoleum Corporation Trowel assembly
JPH0441857A (ja) * 1990-06-06 1992-02-12 Umehiko:Kk じゅらく調壁面仕上材組成物
JP3088696B2 (ja) * 1997-12-12 2000-09-18 エスケー化研株式会社 鏝塗り線状ランダム模様形成方法
CN2615244Y (zh) * 2003-03-19 2004-05-12 刘金发 开刃抹子
JP4597497B2 (ja) * 2003-09-16 2010-12-15 エスケー化研株式会社 建築物用塗料組成物
JP3860177B2 (ja) * 2004-03-31 2006-12-20 金鹿工業株式会社 左官鏝
JP4877708B2 (ja) * 2005-06-02 2012-02-15 エスケー化研株式会社 模様形成方法
JP2007270605A (ja) * 2006-03-06 2007-10-18 Sk Kaken Co Ltd 板状建材の施工方法
JP3134860U (ja) * 2007-03-30 2007-08-30 有限会社井上商会 鏝板
JP5739636B2 (ja) * 2010-10-08 2015-06-24 アイカ工業株式会社 壁面仕上げ方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017119266A (ja) 2017-07-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI570309B (zh) 建築板及建築板的製造方法
KR102061446B1 (ko) 스프레이 분사 공정을 이용한 석재무늬 도료의 도장 방법
JP5922852B1 (ja) コーティング方法
JP5166336B2 (ja) 塗膜形成方法
JP5222272B2 (ja) 模様面の形成方法
JP4877708B2 (ja) 模様形成方法
JP6788423B2 (ja) 被膜形成方法
JP5882257B2 (ja) 装飾面の形成方法
JP5797482B2 (ja) 積層体
JP2019013863A (ja) 水性多彩模様塗料の仕上げ方法
JP2020040062A (ja) 模様面の形成方法
JP6693914B2 (ja) 被膜形成方法
JP5875357B2 (ja) 模様面の形成方法
JP7128325B2 (ja) 被膜形成方法
JP5374279B2 (ja) 塗装方法
CN106869427A (zh) 覆膜形成方法
JP6839590B2 (ja) 被膜形成方法
JP4877719B2 (ja) 模様形成方法
JP2005007288A (ja) 線状模様の施工方法
JP5689299B2 (ja) 塗装方法
JP4895540B2 (ja) 押圧具及びそれを用いた模様形成方法
JP6755777B2 (ja) 被膜形成方法
JP7075799B2 (ja) 被膜形成方法
JP4711813B2 (ja) 模様面の形成方法
WO2007099185A1 (es) Pintura semi-mineral compuesta por tres aglutinantes o formadores de la película

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190627

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200616

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200710

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201023

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201030

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6788423

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250