JP2009108671A - 壁面化粧構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】目地部の段差や不陸等が目立ちにくく美観性に優れ、かつ、ボードの変位等に対する追従性と汚染防止性を両立した壁面化粧構造体を提供する。
【解決手段】隣接した乾式ボード間の目地部にシーリング材及び/またはパテ材が充填され、乾式ボード及び目地部を含む全面に仕上塗材層が形成されてなる壁面化粧構造体において、前記仕上塗材層は、ガラス転移温度30℃以下の合成樹脂エマルション(A)、粒子径1〜200nmの水分散性シリカ(B)、ポリフルオロアルキル基とノニオン性または両性の親水基を有する含フッ素化合物(C)、及び粒子径0.05〜5.0mmの骨材(D)を必須成分とすることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な壁面化粧構造体に関するものである。
従来、建築物の壁材として各種の乾式ボードが用いられており、工場塗装によって予め表面化粧が施された乾式ボードも汎用的に利用されている。かかる乾式ボードを使用すれば、建築現場における施工の簡略化、短縮化等が期待できる。ただし、乾式ボードのみで仕上げられた壁面では、仕上外観の意匠が画一化されたものとなりやすく、個性的な意匠を表出するには限界がある。
これに対し、乾式ボードで構成された壁面を塗材の塗装によって仕上げる方法が提案されている。具体的には、設したボード間の目地部等に、シーリング材やパテ材等を充填した後、化粧塗材を塗装して仕上げる方法等が挙げられる。このような方法では、壁面全面に化粧塗材を施工することができ、目地部等が目立たない優れた美観性の化粧塗膜を施すことができる。
さらに、振動や温度変化等に起因するボードの変位等による化粧塗膜のひび割れ等を防ぐため、ボードの変位等に追従可能な比較的伸び性のある化粧塗膜を選定することが一般的である。
一方近年では、長期に亘って優れた美観性を保持するために、汚染防止型の塗材が好まれており、乾式ボードで構成された壁面に対しても、汚染防止型の塗材による仕上げが求められている。
例えば、汚染防止型の塗材しては、特許文献1〜2等が挙げられ、このような塗材を乾式ボードで構成された壁面に塗付することによって、汚染防止性を付与することが可能である。
しかしながら、特許文献1〜2に挙げるような汚染防止型の塗材は伸び性に乏しいものが多く、ただ単に塗付しただけでは、ボードの変位等に対する追従性を確保することが難しい。一方、追従性を確保するために、伸び性を付与した場合、優れた汚染防止性を確保することが難しく、ボードの変位等に対する追従性と汚染防止性を両立させることは困難であった。また特許文献1〜2に挙げるような塗材では、目地部の段差や不陸等が目立ちやすく、美観性を損ねてしまうおそれもある。
WO94/06870号公報 特開2003−73612号公報
本発明は、このような問題点に鑑みなされたものであり、乾式ボード及び目地部を含む全面に、特定の合成樹脂エマルション、特定の水分散性シリカ、含フッ素化合物、骨材を必須成分とする仕上塗材と塗付することによって、美観性に優れ、かつ、ボードの変位等に対する追従性と汚染防止性を両立させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の壁面化粧構造に関するものである。
1.隣接した乾式ボード間の目地部にシーリング材及び/またはパテ材が充填され、乾式ボード及び目地部を含む全面に仕上塗材層が形成されてなる壁面化粧構造体において、
前記仕上塗材層は、
ガラス転移温度30℃以下の合成樹脂エマルション(A)、粒子径1〜200nmの水分散性シリカ(B)、ポリフルオロアルキル基とノニオン性または両性の親水基を有する含フッ素化合物(C)、及び粒子径0.05〜5.0mmの骨材(D)を必須成分とし、前記合成樹脂エマルション(A)の固形分100重量部に対し、固形分換算で前記水分散性シリカ(B)を0.1〜100重量部、前記含フッ素化合物(C)を0.01〜10重量部、前記骨材(D)を100〜4000重量部含む仕上塗材によって形成されたものであることを特徴とする壁面化粧構造体。
本発明は、目地部の段差や不陸等が目立ちにくく美観性に優れ、かつ、ボードの変位等に対する追従性と汚染防止性を両立した壁面化粧構造体を提供する。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明の壁面化粧構造体は、隣接した乾式ボード間の目地部にシーリング材及び/またはパテ材が充填され、乾式ボード及び目地部を含む全面に仕上塗材層が形成されてなるものである。
乾式ボードとしては、特に限定されないが、例えば、セメントボード、押出成形板、スレート板、PC板、ALC板、繊維強化セメント板、金属系サイディングボード、窯業系サイディングボード、セラミック板、珪酸カルシウム板、石膏ボード、プラスチックボード、硬質木片セメント板、塩ビ押出サイディングボード、合板、パーライト板等が挙げられる。これらの乾式ボードの表面は、何らかの表面処理(例えば、シーラー、サーフェーサー、フィラー等)が施されたものでもよい。
また、乾式ボード間の目地部に充填されるシーリング材及び/またはパテ材としては、特に限定されないが、例えば、シーリング材としては、シリコーン系シーリング材、変性シリコーン系シーリング材、ポリサルファイド系シーリング材、変性ポリサルファイド系シーリング材、アクリルウレタン系シーリング材、ポリウレタン系シーリング材、SBR系シーリング材、ブチルゴム系シーリング材等、パテ材としては、シリコーン系パテ材、変性シリコーン系パテ材、ポリサルファイド系パテ材、変性ポリサルファイド系パテ材、アクリルウレタン系パテ材、ポリウレタン系パテ材、アクリル系パテ材、SBR系パテ材、ブチルゴム系パテ材等が挙げられる。
シーリング材を充填する方法としては、特に限定されず、ガンやヘラ等による公知の方法で充填することができる。またパテ材を充填する方法としては、特に限定されず、ヘラ等による公知の方法で充填することができる。
このようなシーリング材、パテ材は、乾式ボード端部の形状、形成される目地部の幅や深さ等に応じて適宜選択して使用すればよく、いずれか一方のみを使用してもよいし、両方組み合わせて使用してもよい。
また、シーリング材及び/またはパテ材の充填前には、予めバックアップ材の充填やプライマー塗付等の処理を行ってもよいし、充填後には、表面研磨、補強材積層等の処理を行ってもよい。
本発明の壁面化粧構造は、このようにして得られた乾式ボード及び目地部を含む全面に、仕上塗材層が形成されてなるものである。
仕上塗材層を形成する仕上塗材としては、ガラス転移温度30℃以下の合成樹脂エマルション(以下、「(A)成分」ともいう。)、粒子径1〜200nmの水分散性シリカ(以下、「(B)成分」ともいう。)、ポリフルオロアルキル基とノニオン性または両性の親水基を有する含フッ素化合物(以下、「(C)成分」ともいう。)、及び粒子径0.05〜0.5mmの骨材(以下、「(D)成分」ともいう。)を必須成分とするものである。
このうち、(A)成分は結合材として作用するものであり、各種重合性モノマーを共重合することにより得ることができる。(A)成分を構成する重合性モノマー成分としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸またはそのモノアルキルエステル、イタコン酸またはそのモノアルキルエステル、フマル酸またはそのモノアルキルエステル等のカルボキシル基含有モノマー;
N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、N−(2−ジメチルアミノエチル)アクリルアミド、N−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリルアミド等のアミノ基含有モノマー;
ビニルピリジン等のピリジン系モノマー;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有モノマー;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル系モノマー;
アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル基含有モノマー;
スチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等の芳香族モノマー;
アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸アミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアミド基含有モノマー;
グリシジル(メタ)アクリレート、ジグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有モノマー;
アクロレイン、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン等のカルボニル基含有モノマー;
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等のアルコキシシリル基含有モノマー;
塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン系モノマー;
その他、エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、ビニルピロリドン、塩化ビニル、ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルアミド、クロロプレン等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。このうち、重合性モノマーとしてアルコキシシリル基含有モノマーを含む場合は、(B)成分との相互作用により塗膜物性向上を図ることができる。
(A)成分のガラス転移温度は、30℃以下、好ましくは−40℃以上20℃以下、さらに好ましくは−30℃以上10℃以下となるように設定する。(A)成分のガラス転移温度が30℃以下である場合、ボードの変位等に対して優れた追従性を有する仕上塗材層を形成することができるとともに、本発明ではこのようなガラス転移温度領域であっても優れた汚染防止性を確保することができる。(A)成分のガラス転移温度が30℃を超える場合、ボードの変位等に対して優れた追従性が得られず、ひび割れ等の原因となりやすい。(A)成分のガラス転移温度が低すぎる場合、汚染防止性が得られない場合がある。
また、本発明では、ガラス転移温度の異なる2種以上の樹脂を含む(A)成分を用いることもできる。ガラス転移温度の低い樹脂成分は、下地基材との密着性や、弾性下地への追従性等を向上させる働きがあり、また、ガラス転移温度の高い樹脂成分は、塗膜の強度、汚染防止性、耐久性等を向上させる働きがあるため、ガラス転移温度の異なる樹脂成分を用いることによって、上記性能の両立が可能となる。
なお、本発明では、ガラス転移温度の異なる2種以上の合成樹脂エマルションを用いるブレンドタイプでもよいし、ガラス転移温度の異なる2種以上の合成樹脂からなるコアシェル型合成樹脂エマルションタイプでもよいし、また、これらの複合タイプでもよい。
本発明では特に、ガラス転移温度が0℃以上30℃以下(好ましくは5℃以上25℃以下、さらに好ましくは10℃以上20℃以下)である合成樹脂エマルション(以下、「(a−1)成分」ともいう。)と、(a−1)成分よりもガラス転移温度が5℃以上(好ましくは10℃以上、さらに好ましくは20℃以上)低い合成樹脂エマルション(以下、「(a−2)成分」ともいう。)を用いることが好ましい。より具体的には、(a−1)成分のガラス転移温度が15℃以上30℃以下、(a−2)成分のガラス転移温度が−50℃以上15℃未満であることが好ましい。
また(a−1)成分と(a−2)成分の混合比率は、特に限定されないが、固形分重量比率で(a−1)成分:(a−2)成分が、10:90〜90:10(さらには20:80〜80:20)であることが好ましい。
また、(A)成分として、(a−1)成分、(a−2)成分の他に、ガラス転移温度が30℃超の合成樹脂エマルション等、他の結合材が含まれていてもよい。
なお、本発明のガラス転移温度は、フォックス(FOX)の式より計算される値である。
(A)成分の製造方法は特に限定されないが、例えば、乳化重合、ソープフリー乳化重合、分散重合、フィード乳化重合、フィード分散重合、シード乳化重合、シード分散重合等を採用することができる。(A)成分の平均粒子径は、通常0.05〜0.3μm程度である。
本発明では、(A)成分として架橋反応型合成樹脂エマルション、コアシェル型合成樹脂エマルション等を使用することもできる。また、2種以上の合成樹脂エマルションを併用することもできる。このうち、架橋反応型合成樹脂エマルションにおける架橋反応としては、例えばカルボキシル基と金属イオン、カルボキシル基とカルボジイミド基、カルボキシル基とエポキシ基、カルボキシル基とアジリジン基、カルボキシル基とオキサゾリン基、水酸基とイソシアネート基、カルボニル基とヒドラジド基、エポキシ基とヒドラジド基、エポキシ基とアミノ基、加水分解性シリル基どうし等の組み合わせが挙げられる。このうち好適な架橋反応としては、カルボキシル基とエポキシ基、カルボキシル基とオキサゾリン基、カルボニル基とヒドラジド基、エポキシ基とヒドラジド基、加水分解性シリル基どうし等が挙げられる。
本発明における(B)成分は、粒子径1〜200nmの水分散性シリカである。(B)成分を構成する粒子は、シリカを主成分とするため硬度が高く、かつその粒子表面にシラノール基を有する化合物である。このような(B)成分は、耐汚染性の向上効果に大きく寄与するものである。
(B)成分の粒子径は、1次粒子径として通常1〜200nm、好ましくは5〜100nm、より好ましくは10〜50nm、さらに好ましくは20〜40nmである。粒子径が大きすぎる場合、形成塗膜の外観に悪影響を及ぼすおそれがある。粒子径が小さすぎる場合は、汚染防止性において十分な効果が得られないおそれがある。(B)成分の平均1次粒子径は、5〜100nm、より好ましくは10〜50nm、さらに好ましくは20〜40nmである。本発明では、平均1次粒子径が異なる2種以上の水分散性シリカを使用することもできる。なお、(B)成分の粒子径は、光散乱法によって測定される値である。
(B)成分のpHは、通常pH5以上12以下、好ましくは6以上10以下、より好ましくは6以上9以下である。このようなpHに調製された(B)成分は、その粒子表面の豊富なシラノール基によって、親水性を発揮することができ、汚染防止性向上に大きく寄与するものである。
このような(B)成分は、例えば、珪酸ソーダ、シリケート化合物を原料として製造することができる。このうち、シリケート化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラsec−ブトキシシラン、テトラt−ブトキシシラン、テトラフェノキシシラン等、あるいはこれらの縮合物等が挙げられる。この他、上記シリケート化合物以外のアルコキシシラン化合物や、アルコール類、グリコール類、グルコールエーテル類、フッ素アルコール、シランカップリング剤、ポリオキシアルキレン基含有化合物等を併せて使用することもできる。製造時には触媒等を使用することもできる。また、製造過程ないし製造後に、触媒等に含まれる金属をイオン交換処理等によって除去することもできる。
(B)成分としては、電気伝導度が3mS/cm以下(好ましくは2mS/cm以下、さらに好ましくは1mS/cm以下)のものが好適である。なお、ここに言う電気伝導度は、「Model SC82パーソナルSCメータ SC8221−J」(横河電機社製)を用いて測定される値である(測定温度25℃)。
このような(B)成分を使用することによって、形成塗膜の耐水性、汚染防止性等をより高めることができる。
(B)成分の媒体としては、水及び/または水溶性溶剤が使用できる。水溶性溶剤としては、例えば、アルコール類、グリコール類、グリコールエーテル類等が挙げられる。本発明では、特に媒体が水のみからなることが望ましい。このような(B)成分を使用することにより、仕上塗材の低揮発性有機溶剤(低VOC)化を図ることができる。また、(A)成分と混合した際の凝集物発生を抑制することもできる。
(B)成分の固形分は、通常5〜50重量%であり、好ましくは10〜40重量%、より好ましくは15〜30重量%である。(B)成分の固形分がこのような範囲内であれば、(B)成分自体の安定性、さらには(A)成分と(B)成分を混合したときの安定性を確保することができる。固形分が大きすぎる場合は、(B)成分自体が不安定化したり、(A)成分との混合時に仕上塗材が不安定化したりするおそれがある。固形分が小さすぎる場合は、十分な汚染防止効果を得るために、多量の(B)成分を混合しなければならず、あまり実用的ではない。
(B)成分の混合比率は、(A)成分の固形分100重量部に対し、固形分換算で通常0.1〜100重量部、好ましくは0.3〜50重量部、より好ましくは0.5〜20重量部である。このような混合比率であれば、本発明の効果を十分に発揮することができる。(B)成分が少なすぎる場合は、十分な汚染防止性を得ることができない。(B)成分が多すぎる場合は、塗膜にひび割れが生じやすくなる。
本発明における(C)成分は、ポリフルオロアルキル基とノニオン性または両性の親水基を有する含フッ素化合物である。本発明では、この(C)成分と上記(B)を併せて用いることにより、より優れた汚染防止性を発揮することができる。さらに、塗膜の乾燥性を高めることができ、造膜初期段階における汚染物質の付着抑制等にも効果的である。このような効果が奏される具体的な作用機構は明らかではないが、塗膜形成時に(B)成分、(C)成分が塗膜表面に配向し、両者の相乗作用により塗膜表面の硬度、親水性等が効果的に高まっているものと推測される。
このような(C)成分のポリフルオロアルキル基は、直鎖状、分岐状または環状骨格を有するアルキル基内の炭素原子に結合する水素原子の全部または一部がフッ素原子に置換された基である。このポリフルオロアルキル基は、ポリフルオロアルキル基中の炭素原子間に、エーテル性酸素原子、チオエーテル性硫黄原子等を有するものであってもよい。また、ポリフルオロアルキル基は、フッ素原子以外の他のハロゲン原子を含んでいてもよい。ポリフルオロアルキル基における炭素数は、通常1以上、好ましくは3以上、より好ましくは6以上である。ポリフルオロアルキル基における炭素数の上限は、通常40以下、好ましくは20以下である。(C)成分のポリフルオロアルキル基としては、特にパーフルオロアルキル基が好適である。
ノニオン性の親水基としては、ポリアルキレンオキサイド基、アミンオキサイド基等が挙げられる。このうちポリアルキレンオキサイド基としては、例えばポリエチレンオキサイド基、ポリプロピレンオキサイド基等が挙げられ、エチレンオキサイド基とプロピレンオキサイド基が混在するものも使用できる。アルキレンオキサイドの繰返し数は、通常2〜100である。
両性の親水基としては、4級アンモニウムのハロゲン塩、ベタイン等の含窒素両性親水基が挙げられる。このうち、4級アンモニウムのハロゲン塩中のハロゲンとしては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。ベタインは、4級アンモニウムと酸の陰イオンを有するものであり、酸としてはカルボン酸等が挙げられる。(C)成分における親水基としては、特にベタイン構造を有する含窒素両性親水基が好適である。
本発明における(C)成分としては、上記官能基を併有するものが使用できる。このような(C)成分は、例えば、電解フッ素化法、テロメリゼーション法、オリゴメリゼーション法等により、中間体となるポリフルオロアルキル基含有化合物を合成した後、その中間体に親水基を導入することにより製造することができる。
(C)成分としては、その0.01%水溶液の25℃における表面張力が20mN/m以下(さらには18mN/m以下)であるものが好適である。
(C)成分は、(A)成分の固形分100重量部に対し、有効成分換算で0.01〜10重量部(好ましくは0.05〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜3重量部)の比率で混合することが望ましい。このような比率であれば、十分な耐汚染性向上効果を得ることができる。(C)成分が上記混合比率が少なすぎる場合は、耐汚染性において十分な物性が得られ難くなり、逆に多すぎる場合は、塗膜の外観、耐水性等に支障をきたすおそれがある。
また(B)成分と(C)成分の混合比率が、重量比率で100:0.01〜100:100(好ましくは100:0.05〜100:30、さらに好ましくは100:0.1〜100:10)であることが好ましい。(B)成分に対し、(C)成分が少なすぎる場合は、耐汚染性において十分な物性が得られ難くなる。また、(B)成分に対し、(C)成分が多すぎる場合は、塗膜の外観、耐水性等に支障をきたすおそれがある。
本発明における(D)成分は、粒子径0.05〜0.5mmの骨材である。このような(D)成分により、仕上塗材層に美観性を付与することができる。本発明では、(D)成分の種類や混合比率を調整することにより、所望の色彩や凹凸模様等を付与することができる。また、目地部の段差や不陸等を目立ちにくくすることができ、優れた美観性を付与することができる。
このような(D)成分は、自然石、自然石の粉砕物等の天然骨材、及び着色骨材等の人工骨材から選ばれる少なくとも1種以上を好適に使用することができる。具体的には、例えば、大理石、御影石、蛇紋岩、花崗岩、蛍石、寒水石、長石、石灰石、珪石、珪砂、砕石、雲母、珪質頁岩、及びこれらの粉砕物、陶磁器粉砕物、セラミック粉砕物、ガラス粉砕物、ガラスビーズ、樹脂粉砕物、樹脂ビーズ、ゴム粒、金属粒等が挙げられる。また、貝殻、珊瑚、木材、炭、活性炭等の粉砕物を使用することもできる。さらに、これらの表面を、顔料、染料、釉薬等で表面処理を行うことにより着色コーティングしたもの等も使用できる。このような(D)成分の粒子径は、0.05〜5mmである。
(D)成分は、(A)成分の固形分100重量部に対し、通常10〜4000重量部、好ましくは50〜3000重量部とすればよい。
本発明の仕上塗材には、上記成分以外に、顔料、造膜助剤、可塑剤、凍結防止剤、防腐剤、防黴剤、抗菌剤、消泡剤、顔料分散剤、増粘剤、レベリング剤、湿潤剤、pH調整剤、繊維類、つや消し剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、吸着剤、触媒、架橋剤、アルキレンオキサイド鎖含有化合物等を混合することができ、このような成分を適宜組み合わせて使用することにより、種々の形態の仕上塗材を設計することができる。
顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、黒色酸化鉄、銅クロムブラック、コバルトブラック、銅マンガン鉄ブラック、べんがら、モリブデートオレンジ、パーマネントレッド、パーマネントカーミン、アントラキノンレッド、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、黄色酸化鉄、チタンイエロー、ファーストイエロー、ベンツイミダゾロンイエロー、クロムグリーン、コバルトグリーン、フタロシアニングリーン、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、キナクリドンバイオレット、ジオキサジンバイオレット、重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、軽微性炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、陶土、チャイナクレー、硫酸バリウム、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、珪石粉、バライト粉、珪藻土、含水微粉珪酸、シリカ粉、水酸化アルミニウム、アルミニウム顔料、パール顔料等が挙げられる。
このような顔料と上記(D)成分と組み合わせて使用することで、優れた美観性を有する壁面化粧構造体を得ることができる。
顔料の混合比率は、所望の塗膜模様が得られるように適宜設定すればよいが、(A)成分の固形分100重量部に対し、(D)成分と顔料の合計量で通常20〜5000重量部(好ましくは50〜4000重量部)程度とすればよい。
造膜助剤としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールイソブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールイソブチルエーテル等のエーテル類、
エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノイソブチルエーテルアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート等のエステル類、
等が挙げられる。
造膜助剤の混合比率は、(A)成分の固形分100重量部に対し、造膜助剤が0.01重量部以上30重量部以下(好ましくは0.05重量部以上25重量部以下、さらに好ましくは0.1重量部以上20重量部以下)であることが好ましい。
造膜助剤が少なすぎる場合は、造膜性に劣る場合がある。また、造膜助剤が多すぎる場合は、塗料の安定性等に支障をきたすおそれがある。
アルキレンオキサイド鎖含有化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリエチレン−ポリプロピレングリコ−ル、ポリエチレン−ポリブチレングリコ−ル、ポリエチレン−ポリプロピレン−ポリブチレングリコール等のポリアルキレングリコール類、メトキシポリエチレングリコール、メトキシポリプロピレングリコール、エトキシポリエチレングリコール、エトキシポリプロピレングリコール、プロポキシポリエチレングリコール、プロポキシポリプロピレングリコール、ブトキシポリエチレングリコール、ブトキシポリプロピレングリコール、ヘキシルアルコキシポリエチレングリコール、シクロへキシルアルコキシポリエチレングリコール、2−エチルへキシルアルコキシポリエチレングリコール、セチルアルコキシポリエチレングリコール、ステアリルアルコキシポリエチレングリコール、メチルフェノキシポリエチレングリコール、ノニルフェノキシポリエチレングリコール、デシルフェノキシポリエチレングリコール、ナフトキシポリエチレングリコール等のアルコキシポリアルキレングリコール類等、及び、これら化合物のアミノ基、エポキシ基、アルコキシシリル基等の官能基変性物等が挙げられる。
このようなアルキレンオキサイド鎖含有化合物を含むことによって、貯蔵安定性に優れた塗膜を得ることができる。
また、アルキレンオキサイド鎖含有化合物の重量平均分子量は、特に限定されないが、200以上5000以下、さらには300以上3000以下、さらには500以上2000以下であることが好ましい。200より小さいと、添加による向上効果が得られにくい。
アルキレンオキサイド鎖含有化合物の混合比率は、(A)成分の固形分100重量部に対し、アルキレンオキサイド鎖含有化合物が0.01重量部以上50重量部以下(好ましくは0.05重量部以上40重量部以下、さらに好ましくは0.1重量部以上30重量部以下)であることが好ましい。
アルキレンオキサイド鎖含有化合物が上記混合比率より少なすぎる場合は、貯蔵安定性に劣る場合がある。また、アルキレンオキサイド鎖含有化合物が多すぎる場合は、耐水性等に支障をきたすおそれがある。
本発明の仕上塗材は、上記(A)〜(D)成分に加え、必要に応じこれら成分を常法により均一に混合することで製造できる。(B)成分と(C)成分を予め複合化する等の処理は必要ではない。また本発明は、自然石調塗材、薄付け仕上塗材、厚付け仕上塗材等の仕上塗材に適用することができる。
本発明の仕上塗材層は、このような仕上塗材を乾式ボード及び目地部を含む全面に塗付することにより得ることができる。
塗装方法は、仕上塗材の種類により適宜選定することができ、例えば、コテ塗り、スプレー塗り、ローラー塗り、刷毛塗り等を採用することができ、1回または複数回塗装することができる。塗装時には水等で希釈することによって、仕上塗材の粘性を適宜調製することもできる。希釈割合は、通常0〜20重量%程度である。塗装後の乾燥は通常、常温で行えばよいが、必要に応じ適宜加熱することも可能である。
仕上塗材層の厚みは特に限定されず、適宜設定することができるが、通常0.5〜10mm程度である。
また、得られた仕上塗材層は可塑剤移行防止効果も有し、耐汚染性向上に大きく寄与する。
このような仕上塗材を塗装する前に、予め、下塗材層を設けることもできる。
下塗材層としては、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂系下塗材、エポキシ樹脂系下塗材、ウレタン樹脂系下塗材、塩化ビニル系下塗材等によって形成することができる。下塗材層は、1層からなるものでもよいし、2層以上からなるものでもよい。下塗材層の厚みは通常、仕上塗材層より小さく0.01〜1mm程度である。
また、仕上塗材層の上には、必要に応じ保護層を設けることもできる。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。なお、実施例においては、以下に示す原料を用いて各仕上塗材を製造した。
・エマルションA:アクリル樹脂エマルション(メチルメタクリレート−スチレン−シクロヘキシルメタクリレート−(2−エチルヘキシルアクリレート)−メタクリル酸共重合体、pH8.7、固形分50重量%、最低造膜温度18℃、ガラス転移温度−2.0℃)
・エマルションB:アクリル樹脂エマルション(メチルメタクリレート−スチレン−2−エチルヘキシルアクリレート−(γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン)−メタクリル酸共重合体、pH8.9、固形分50重量%、最低造膜温度26℃、ガラス転移温度17℃)
・エマルションC:アクリル樹脂エマルション(メチルメタクリレート−スチレン−シクロヘキシルメタクリレート−(2−エチルヘキシルアクリレート)−メタクリル酸共重合体、pH8.7、固形分50重量%、最低造膜温度38℃、ガラス転移温度32℃)
・エマルションD:アクリル樹脂エマルション(メチルメタクリレート−スチレン−シクロヘキシルメタクリレート−(2−エチルヘキシルアクリレート)−メタクリル酸共重合体、pH8.7、固形分50重量%、最低造膜温度17℃、ガラス転移温度5℃)
・顔料:酸化チタン分散液(固形分70重量%)
・造膜助剤:2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート
・増粘剤:ポリウレタン系増粘剤
・消泡剤:シリコーン系消泡剤
・水分散性シリカA:シリカゾル(pH7.6、固形分20重量%、平均1次粒子径27nm、電気伝導度0.6mS/cm)
・水分散性シリカB:シリカゾル(pH9.3、固形分20重量%、平均1次粒子径20nm、電気伝導度1.8mS/cm)
・含フッ素化合物A:パーフルオロアルキルアミンオキシド(有効成分30重量%、0.01%水溶液の表面張力16.0mN/m(25℃))
・含フッ素化合物B:パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物(有効成分30重量%、0.01%水溶液の表面張力17.5mN/m(25℃))
・含フッ素化合物C:パーフルオロアルキルベタイン(有効成分30重量%、0.01%水溶液の表面張力16.0mN/m(25℃))
・含フッ素化合物D:パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩(固形分30重量%、0.01%水溶液の表面張力17.0mN/m(25℃))
・含フッ素化合物E:トリフルオロエタノール(有効成分100重量%)
・アルキレンオキサイド鎖含有化合物:メトキシポリエチレングリコール(重量平均分子量:1000)
・骨材:粒子径120〜300μmの着色骨材混合物
<仕上塗材の製造>
表1に示す配合に従い、常法により各原料を均一に混合して仕上塗材1〜20を製造した。表1の配合量は重量部にて表示した。
Figure 2009108671
(実施例1)
(1)貯蔵安定性
仕上塗材1を製造した後、直ちに粘度を測定した。次に、仕上塗材1を容器に入れて密閉し、50℃雰囲気で15日間貯蔵した後、再び粘度を測定した。
以上の操作による粘度変化を調べた。評価基準は以下の通りである。なお、粘度の測定にはBH型粘度計を用い、標準状態(温度23℃・相対湿度50%)で行った。結果は表2に示す。
○:粘度変化10%未満
△:粘度変化10%以上50%未満
×:粘度変化50%以上
(2)接触角
150mm×75mm×3mmのスレート板に対し、エポキシ系下塗材を乾燥膜厚が30μmとなるように塗装し、標準状態で8時間乾燥させた後、仕上塗材を乾燥膜厚が1mmとなるように塗装し、標準状態で7日間乾燥させることにより試験体を作製した。
以上の方法で得られた試験体の塗膜表面の接触角を測定した。接触角の測定は、協和界面科学株式会社製CA−A型接触角測定装置にて行った。結果は表2に示す。
(3)美観性
窯業系サイディングボード(900×2400×12mm)を2枚用意し、板間に10mm幅の目地部を設け、そこに変性シリコーン系シーリング材を打設したものを下地とした。
この下地の目地部に、パテ材1(湿気硬化型ウレタン樹脂パテ材、固形分95重量%、樹脂:充填剤=100:90(固形分比)、抗張積260N/mm、伸び450%)を目地近傍のサイディングボード表面にわたって目地幅の15倍の幅で充填塗付し、直ちにクロスを貼り付けた。室温で4時間乾燥させた後、再度、パテ材1を塗付し平滑にならし、室温で16時間乾燥させた。
その後、目地部を含むサイディングボード全体に水性エポキシ樹脂系下塗材を塗装(乾燥厚み約0.03mm)して下塗材層を形成させた。室温で2時間乾燥後、仕上塗材1を凹凸状(乾燥厚み約2〜3mm)に塗装して化粧仕上が施された壁面を得た。
その結果、目地部の目立ちもなく均一な仕上りで、美観性に優れた壁面が得られた。
得られた壁面について、その外観を目視観察し、美観性の評価を行った。評価基準は以下の通りである。結果は表2に示す。
◎:目地部の目立ちもなく均一な仕上りで、優れた美観性の壁面が得られた。
○:目地部の目立ちもなく均一な仕上りで、良好な美観性の壁面が得られた。
△:一部目地部等の目立ちがあり、美観性に劣っていた。
×:美観性に欠けていた。
(4)汚染防止性
300×150×0.8mmのアルミニウム板を、上端から3分の1の位置で、内角度が135度になるように折り曲げたものを試験基材とした。この試験基材の凸面に、エポキシ系下塗材を乾燥膜厚が30μmとなるようにスプレー塗装し、標準状態で8時間乾燥させた。次に、仕上塗材1を乾燥膜厚が2mmとなるように万能ガンにて塗装し、標準状態で7日間乾燥養生した。
以上の方法で得られた試験体を、面積の広い面を垂直にして大阪府茨木市で南面向きに設置し、3ヵ月間屋外曝露を行った。このとき垂直面における雨筋汚れ状態を目視観察し、汚れの程度に応じて5段階(優:5>4>3>2>1:劣)で評価した。結果は表2に示す。
(5)追従性
スレート板(70×70×6mm)を2枚用意し、板間に10mm幅の目地部を設け、そこに可塑剤含有変性シリコーン系シーリング材を打設したものを下地とした。
この下地の目地部に、パテ材1(湿気硬化型ウレタン樹脂パテ材、固形分95重量%、樹脂:填剤=100:90(固形分比)、抗張積260N/mm、伸び450%)を目地近傍のサイディングボード表面にわたって目地幅の15倍の幅で充填塗付し、室温で4時間乾燥させた後、再度、パテ材1を塗付し平滑にならし、室温で16時間乾燥させた。
その後、目地部を含むスレート板全体に水性エポキシ樹脂系下塗材を塗装(乾燥厚み約0.03mm)して下塗材層を形成させた。室温で2時間乾燥後、仕上塗材1を凹凸状(乾燥厚み約2〜3mm)に塗装して化粧仕上を施し、試験体を得た。
得られた試験体について、標準状態で引張り試験機にて水平方向に30%変位させたときの表面状態を目視観察し、異常が認められなかったもの:5>4>3>2>1:割れ、剥れ等の異常が認められたもの、の5段階で追従性を評価した。結果を表2に示す。
(6)可塑剤移行防止性
(4)追従性試験と同様の方法で試験体を作製した。得られた試験体について、温度80℃の状態で7日間放置後、室温にて静置し、試験体が室温となった状態で水平に置き、8号黒色珪砂を散布した後に垂直に立て、付着した8号黒色珪砂の量を目視にて観察した。このときの付着の程度により、評価を行った。評価は以下の通りである。結果を表2に示す。
◎:全く付着しない
○:ほとんど付着しない
△:付着する
×:著しく付着する
Figure 2009108671
実施例2〜10、比較例1〜10
仕上塗材1の替わりに、仕上塗材2〜20を用いた以外は実施例1と同様にして、壁面化粧構造体を製造した。
得られた仕上塗材、壁面化粧構造体に対し、実施例1と同様の試験を行った。結果は表2に示す。

Claims (1)

  1. 隣接した乾式ボード間の目地部にシーリング材及び/またはパテ材が充填され、乾式ボード及び目地部を含む全面に仕上塗材層が形成されてなる壁面化粧構造体において、
    前記仕上塗材層は、
    ガラス転移温度30℃以下の合成樹脂エマルション(A)、粒子径1〜200nmの水分散性シリカ(B)、ポリフルオロアルキル基とノニオン性または両性の親水基を有する含フッ素化合物(C)、及び粒子径0.05〜5.0mmの骨材(D)を必須成分とし、前記合成樹脂エマルション(A)の固形分100重量部に対し、固形分換算で前記水分散性シリカ(B)を0.1〜100重量部、前記含フッ素化合物(C)を0.01〜10重量部、前記骨材(D)を100〜4000重量部含む仕上塗材によって形成されたものであることを特徴とする壁面化粧構造体。


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