JP7161313B2 - 被膜形成方法 - Google Patents
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1.既存被膜面を有する板状基材が複数併設され、当該板状基材どうしの連結部には目地材が充填されてなる被塗面に対する被膜形成方法であって、
上記目地材の表面に目地処理材を塗付して処理被膜を形成する工程の後、
上記被塗面に対し、可視光透過性を有する被覆材を塗付して新設被膜を形成する工程、を行うものであり、
上記既存被膜面は、凹凸模様及び/または多色模様を有するものであり、
上記被覆材は、
炭素数4以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)を、樹脂構成成分中に20重量%以上含む水分散性樹脂を含有し、紫外線透過率が30%以下である被膜を形成するものである
ことを特徴とする被膜形成方法。
2.上記被覆材は、
上記炭素数4以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)として、炭素数4以上のアルキル主鎖を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)を含むものであることを特徴とする1.記載の被膜形成方法。
3.上記被覆材は、
上記炭素数4以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)として、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル及び(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルを含むものであることを特徴とする1.記載の被膜形成方法。
4.上記被覆材は、
樹脂構成成分中に、上記(メタ)アクリル酸シクロヘキシル及び(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルを20重量%以上含むものであることを特徴とする3.記載の被膜形成方法。
5.既存被膜面を有する板状基材が複数併設され、当該板状基材どうしの連結部には目地材が充填されてなる被塗面に対する被膜形成方法であって、
上記目地材の表面に目地処理材を塗付して処理被膜を形成する工程の後、
上記被塗面に対し、可視光透過性を有する第1被覆材、及び可視光透過性を有する第2被覆材を塗付して新設被膜を形成する工程、を行うものであり、
上記既存被膜面は、凹凸模様及び/または多色模様を有するものであり、
上記第1被覆材及び上記第2被覆材は、それぞれ、
炭素数4以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)を、樹脂構成成分中に20重量%以上含む水分散性樹脂を含有し、紫外線透過率が30%以下である被膜を形成するものである
ことを特徴とする被膜形成方法。
6.上記第1被覆材及び上記第2被覆材は、それぞれ、
上記炭素数4以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)として、炭素数4以上のアルキル主鎖を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)を含むものであることを特徴とする5.記載の被膜形成方法。
7.上記第1被覆材及び上記第2被覆材は、それぞれ、
上記炭素数4以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)として、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル及び(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルを含むものであることを特徴とする5.記載の被膜形成方法。
8.上記第1被覆材及び上記第2被覆材は、それぞれ、
上記炭素数4以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)として、炭素数4以上のアルキル主鎖を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)を含むものであり、
上記(A)成分中に占める上記(a1)成分の重量比をrとすると、
第1被覆材におけるr(r1)は、第2被覆材におけるr(r2)よりも大である
ことを特徴とする5.記載の被膜形成方法。
9.上記第1被覆材及び上記第2被覆材は、それぞれ、
上記炭素数4以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)として、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル及び(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルを含むものであり、
上記(A)成分中に占める上記(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルの重量比をrとすると、
第1被覆材におけるr(r1)は、第2被覆材におけるr(r2)よりも大である
ことを特徴とする5.記載の被膜形成方法。
10.上記第1被覆材及び上記第2被覆材は、それぞれ、
樹脂構成成分中に、上記(メタ)アクリル酸シクロヘキシル及び(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルを20重量%以上含むものであることを特徴とする7.または9.に記載の被膜形成方法。
11.上記新設被膜の膜厚が30μm以上であることを特徴とする1.~10.のいずれかに記載の被膜形成方法。
[式] r={樹脂構成成分中の(a1)成分の重量}/{樹脂構成成分中の(A)成分の重量}
(1)紫外線吸収性基を有する樹脂成分を含有する被覆材を使用する。
(2)紫外線吸収剤を含有する被覆材を使用する。
(3)紫外線遮蔽性粉体を含む被覆材を使用する。
等が挙げられる。これらの手段は、単独で採用してもよいし、組み合わせて採用してもよい。
[式1] r1={第1被覆材における樹脂構成成分中の(a1)成分の重量}/{第1被覆材における樹脂構成成分中の(A)成分の重量}
[式2] r2={第2被覆材における樹脂構成成分中の(a1)成分の重量}/{第2被覆材における樹脂構成成分中の(A)成分の重量}
屋外曝露により劣化した窯業系サイディングボート(表面にタイル調の凹凸模様を有し、凹部には黒色のアクリル系樹脂被膜、凸部には褐色のアクリル系樹脂被膜、全体にアクリルシリコン系樹脂透明被膜を有するもの)を2枚併設し、当該ボード間連結部(幅10mm)に変性シリコーン系シーリング材を充填したものを被塗面とした。この被塗面の連結部に対し、目地処理材を塗付け量0.15kg/m2で刷毛塗りし、2時間乾燥後、被塗面全体に対し、第1被覆材として被覆材1を乾燥膜厚(表1では「膜厚」と表記。以下同様。)が38μmとなるようにスプレー塗装し、3時間乾燥後、第2被覆材として被覆材2を乾燥膜厚が38μmとなるようにスプレー塗装し、7日間乾燥養生することにより、試験体を作製した。なお、塗装ないし乾燥養生の工程は、すべて標準状態(気温23℃、相対湿度50%)下で行った。目地処理材としては、水分散性樹脂(アクリルシリコーン樹脂エマルション)、着色顔料、シランカップリング剤、及び添加剤(分散剤、増粘剤、造膜助剤、消泡剤、水等)の混合物を用いた。
上記方法で得られた試験体について、JIS K5600-5-6に準じた碁盤目テープ法にて密着性を評価した。評価基準は、「A:欠損部面積が10%未満」、「B:欠損部面積が10%以上30%未満」、「C:欠損部面積が30%以上50%未満」、「D:欠損部面積が50%以上」とした。試験結果を表1に示す。
上記方法で得られた試験体について、促進耐候性試験機としてアイスーパーUVテスター(岩崎電気株式会社製)を用い、光照射6時間・結露2時間(計8時間)を1サイクルとして60サイクルまで促進試験を行った。この際、20サイクル終了時点、40サイクル終了時点、及び60サイクル終了時点での試験体表面の外観変化(ひび割れの状態)を観察するとともに、促進前後の色差を測定した。外観変化については、「A:変化なし」、「D:ひび割れが進行」とする4段階(優;A>B>C>D;劣)にて評価した。また、色差については、「A:色差1未満」、「B:色差1以上3未満」、「C:色差3以上10未満」、「D:色差10以上」として評価した。試験結果を表1に示す。
第1被覆材として被覆材2、第2被覆材として被覆材3を使用した以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製し、同様の試験を行った。試験結果を表1に示す。
第1被覆材及び第2被覆材として、それぞれ被覆材3を使用した以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製し、同様の試験を行った。試験結果を表1に示す。
第1被覆材として被覆材3、第2被覆材として被覆材2を使用した以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製し、同様の試験を行った。試験結果を表1に示す。
第1被覆材として被覆材3、第2被覆材として被覆材4を使用した以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製し、同様の試験を行った。試験結果を表1に示す。
第1被覆材として被覆材5、第2被覆材として被覆材6を使用した以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製し、同様の試験を行った。試験結果を表1に示す。
第1被覆材及び第2被覆材の乾燥膜厚がそれぞれ12μmとなるように塗装した以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製し、同様の試験を行った。試験結果を表1に示す。
第1被覆材及び第2被覆材として、それぞれ被覆材7を使用した以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製し、同様の試験を行った。試験結果を表1に示す。
第1被覆材及び第2被覆材として、それぞれ被覆材8を使用した以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製し、同様の試験を行った。試験結果を表1に示す。
目地処理材による目地処理を行わず、第1被覆材として被覆材3、第2被覆材として被覆材4を使用した以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製し、同様の試験を行った。試験結果を表1に示す。
実施例1~7及び比較例3の試験体について6か月間屋外曝露を行い、試験体表面の汚れ等による外観変化を観察し、汚れの程度が軽微であったものを「A」とする4段階(優;A>B>C>D;劣)で評価した。試験結果を表1に示す。
実施例1~7及び比較例3の試験体について、水浸漬(23℃)18時間→-20℃3時間→50℃3時間を1サイクルとする温冷繰返し試験を合計20サイクル行った後、表面状態を観察し、ひび割れが生じなかったものを「A」、明らかにひび割れが生じたものを「D」とする4段階(優;A>B>C>D;劣)で評価した。試験結果を表1に示す。
Claims (11)
- 既存被膜面を有する板状基材が複数併設され、当該板状基材どうしの連結部には目地材が充填されてなる被塗面に対する被膜形成方法であって、
上記目地材の表面に目地処理材を塗付して処理被膜を形成する工程の後、
上記被塗面に対し、可視光透過性を有する被覆材を塗付して新設被膜を形成する工程、を行うものであり、
上記既存被膜面は、凹凸模様及び/または多色模様を有するものであり、
上記被覆材は、
炭素数4以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)を、樹脂構成成分中に20重量%以上含む水分散性樹脂を含有し、紫外線透過率が30%以下である被膜を形成するものである
ことを特徴とする被膜形成方法。 - 上記被覆材は、
上記炭素数4以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)として、炭素数4以上のアルキル主鎖を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)を含むものであることを特徴とする請求項1記載の被膜形成方法。 - 上記被覆材は、
上記炭素数4以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)として、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル及び(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルを含むものであることを特徴とする請求項1記載の被膜形成方法。 - 上記被覆材は、
樹脂構成成分中に、上記(メタ)アクリル酸シクロヘキシル及び(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルを20重量%以上含むものであることを特徴とする請求項3記載の被膜形成方法。 - 既存被膜面を有する板状基材が複数併設され、当該板状基材どうしの連結部には目地材が充填されてなる被塗面に対する被膜形成方法であって、
上記目地材の表面に目地処理材を塗付して処理被膜を形成する工程の後、
上記被塗面に対し、可視光透過性を有する第1被覆材、及び可視光透過性を有する第2被覆材を塗付して新設被膜を形成する工程、を行うものであり、
上記既存被膜面は、凹凸模様及び/または多色模様を有するものであり、
上記第1被覆材及び上記第2被覆材は、それぞれ、
炭素数4以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)を、樹脂構成成分中に20重量%以上含む水分散性樹脂を含有し、紫外線透過率が30%以下である被膜を形成するものである
ことを特徴とする被膜形成方法。 - 上記第1被覆材及び上記第2被覆材は、それぞれ、
上記炭素数4以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)として、炭素数4以上のアルキル主鎖を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)を含むものであることを特徴とする請求項5記載の被膜形成方法。 - 上記第1被覆材及び上記第2被覆材は、それぞれ、
上記炭素数4以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)として、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル及び(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルを含むものであることを特徴とする請求項5記載の被膜形成方法。 - 上記第1被覆材及び上記第2被覆材は、それぞれ、
上記炭素数4以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)として、炭素数4以上のアルキル主鎖を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)を含むものであり、
上記(A)成分中に占める上記(a1)成分の重量比をrとすると、
第1被覆材におけるr(r1)は、第2被覆材におけるr(r2)よりも大である
ことを特徴とする請求項5記載の被膜形成方法。 - 上記第1被覆材及び上記第2被覆材は、それぞれ、
上記炭素数4以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)として、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル及び(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルを含むものであり、
上記(A)成分中に占める上記(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルの重量比をrとすると、
第1被覆材におけるr(r1)は、第2被覆材におけるr(r2)よりも大である
ことを特徴とする請求項5記載の被膜形成方法。 - 上記第1被覆材及び上記第2被覆材は、それぞれ、
樹脂構成成分中に、上記(メタ)アクリル酸シクロヘキシル及び(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルを20重量%以上含むものであることを特徴とする請求項7または9に記載の被膜形成方法。 - 上記新設被膜の膜厚が30μm以上であることを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載の被膜形成方法。
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