JP4696000B2 - 壁面構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、新規な壁面構造体に関するものである。
従来、建築物の壁材として各種の建築用ボードが用いられている。このような建築用ボードで構成された壁面に美観性を付与する場合には、併設したボード間の目地部等に対して下地処理を行った後、化粧塗材を塗装して仕上げる方法が一般的に採用されている。ただし、この方法では、振動や温度変化等に起因するボードの変位によって、化粧塗膜にひび割れ等が発生する場合がある。
上記問題点を改善する手法として、例えば特許文献1には、石膏ボードの突合せ部に小孔を設け、その小孔から発泡ウレタン樹脂を注入した後に、表面化粧塗装を行うことが記載されている。この特許文献1の手法は、目地部のひび割れ発生を抑制するために発泡ウレタン樹脂の弾力性を利用したものである。しかし、下地処理工程が煩雑となり、作業効率の点であまり実用的ではない。
これに対し、化粧塗材の組成を工夫することによって、化粧塗材自体にひび割れ抑制効果を付与し、下地処理を簡略化しようとする動きがある(特許文献2等)。例えば特許文献2に記載の化粧塗材は、合成樹脂エマルション、無機質充填材、炭素繊維、及び合成繊維を主成分とするもので、炭素繊維と合成繊維との複合作用によるひび割れ抑制効果を狙ったものである。しかしながら、特許文献2の化粧塗材では、黒色の炭素繊維が必須成分として含まれるため、美観性の点において改善の余地がある。
特開平2−66252号公報 特開2001−288869号公報
本発明は、上述のような問題点に鑑みなされたもので、複数の建築用ボードで構成され、その表面に化粧塗膜層が設けられた壁面構造体において、化粧塗膜層の美観性を高めつつ、ひび割れ等の不具合発生を抑制することを目的とするものである。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、特定の下塗材塗膜と上塗材塗膜を有する化粧塗膜層を設けることに想到し、本発明を完成させるに到った。
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.複数の建築用ボードで構成され、当該建築用ボードどうしの目地部を跨いで化粧塗膜層が設けられた壁面構造体において、当該化粧塗膜層が下塗材塗膜及び上塗材塗膜を有し、
前記下塗材塗膜が、ガラス転移温度−40〜40℃のエポキシ基含有合成樹脂エマルションを含む下塗材によって形成され、
前記上塗材塗膜が、外層がガラス転移温度20〜100℃のカルボキシル基含有アクリル樹脂であって、内層に環状シロキサン化合物に由来するシリコーン樹脂及びガラス転移温度−60〜20℃のアクリル樹脂を含む多層構造型合成樹脂エマルション(A)、顔料及び/または骨材(B)を含む上塗材によって形成されたものであることを特徴とする壁面構造体。
2.前記上塗材が、(A)成分、(B)成分に加え、カルボキシル基と反応可能な官能基を有する架橋剤(C)を含むものであることを特徴とする1.記載の壁面構造体。
本発明の壁面構造体では、目地部等におけるひび割れ発生を効果的に抑制することができる。さらに、本発明の壁面構造体では、優れた美観性を表出することができ、その美観性を長期にわたり維持できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明の壁面構造体は、複数の建築用ボードで構成され、当該建築用ボードどうしの目地部を跨いで化粧塗膜層が設けられたものである。
建築用ボードとしては、例えば、セメントボード、押出成形板、スレート板、PC板、ALC板、繊維強化セメント板、金属系サイディングボード、窯業系サイディングボード、セラミック板、珪酸カルシウム板、石膏ボード、プラスチックボード、硬質木片セメント板、塩ビ押出サイディングボード、合板等が挙げられる。
併設された建築用ボード間には、目地部が形成される。この目地部には、必要に応じシーリング材及び/またはパテ材が充填される。シーリング材及び/またはパテ材の充填前には、予めバックアップ材充填やプライマー塗付等の処理を行っておいてもよい。バックアップ材としては、例えば、発泡ポリエチレン系バックアップ材等を使用することができる。プライマーとしては、例えば、合成ゴム系プライマー、アクリル系プライマー、ウレタン系プライマー、エポキシ系プライマー、シリコーンレジン系プライマー、シラン系プライマー等を使用することができる。
シーリング材及び/またはパテ材は、建築用ボード端部の形状、形成される目地部の幅や深さ等に応じて適宜選択して使用すればよく、いずれか一方のみを使用してもよいし、両方を組み合わせて使用してもよい。
シーリング材としては一般的なものが使用可能であり、例えば、シリコーン系シーリング材、変性シリコーン系シーリング材、ポリサルファイド系シーリング材、変性ポリサルファイド系シーリング材、アクリルウレタン系シーリング材、ポリウレタン系シーリング材、SBR系シーリング材、ブチルゴム系シーリング材等が挙げられる。シーリング材の充填方法は、特に限定されず、例えば、ガンやへら等による公知の方法を採用することができる。
パテ材としては、例えば、シリコーン系パテ材、変性シリコーン系パテ材、ポリサルファイド系パテ材、変性ポリサルファイド系パテ材、アクリルウレタン系パテ材、ポリウレタン系パテ材、アクリル系パテ材、SBR系パテ材、ブチルゴム系パテ材等が挙げられる。パテ材の充填には、へら等を用いればよい。パテ材充填後には、その表面を研磨することもできる。
本発明では、パテ材を充填する際に、パテ材の内部または上部に網状体を介在させることができる。このような網状体を使用することにより、目地部の引張り強度が向上し、化粧塗膜の追従性能を高めることができる。網状体としては、各種の天然繊維、合成繊維等からなる繊維質網状体が好適である。
本発明における化粧塗膜層は、下塗材塗膜及び上塗材塗膜を有するものである。このうち、下塗材塗膜は、エポキシ基含有合成樹脂エマルションを含む下塗材によって形成されるものである。この下塗材塗膜は、化粧塗膜層の下地への密着性を確保し、経時的な剥れ、膨れ等を防止する効果、下地の表面状態を整え、上塗材塗膜の仕上がり性を高める効果等を有する。
エポキシ基含有合成樹脂エマルションにおけるエポキシ基含有樹脂としては、エポキシ基含有アクリル樹脂が好適である。エポキシ基含有アクリル樹脂としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有モノマーと(メタ)アクリル酸エステルメチル、及び必要に応じその他のモノマーを常法により重合させたものが使用できる。エポキシ基含有アクリル樹脂のガラス転移温度(以下「Tg」という)は、−40〜40℃、好ましくは−30〜30℃である。エポキシ基含有アクリル樹脂のTgがこのような範囲内であれば、密着性とひび割れ防止性において十分な物性を確保することができる。なお、本発明におけるTgは、Foxの計算式により求められる値である。
下塗材には、上記エポキシ基含有合成樹脂エマルション以外の合成樹脂エマルション、水溶性樹脂等が含まれていてもよい。また、着色顔料、体質顔料等が含まれていてもよい。
下塗材塗膜は、下塗材を公知の方法で塗装することによって形成できる。塗装方法としては、例えば、スプレー塗り、ローラー塗り、刷毛塗り等が可能である。下塗材塗膜の厚みは、下塗材の形態にもよるが、シーラー等の薄膜タイプの場合は0.01〜0.2mm程度、サーフェーサー等の厚膜タイプの場合は0.2〜2mm程度である。下塗材として、サーフェーサー等の厚膜タイプを使用する場合は、ゆず肌状、吹付タイル状、さざ波状等の表面模様を形成することもできる。
このような下塗材塗膜は、弾性を有するものであってもよい。弾性を有する下塗材としては、その形成塗膜の、JIS A6909の「20℃時の伸び試験」による伸び率が通常120%以上(好ましくは120%〜800%)の値を示すもの等が使用できる。
化粧塗膜層における上塗材塗膜は、多層構造型合成樹脂エマルション(A)と、顔料及び/または骨材(B)を含む上塗材によって形成される。このうち、多層構造型合成樹脂エマルション(A)(以下「(A)成分」という)は、外層がTg20〜100℃のカルボキシル基含有アクリル樹脂であって、内層に環状シロキサン化合物に由来するシリコーン樹脂及びTg−60〜20℃のアクリル樹脂を含むものである。本発明では、上塗材においてこのような(A)成分を使用することにより、下地への追従性が高まり、優れたひび割れ防止性を具備する塗膜が形成できる。さらに、耐汚染性能を高めることもできるため、初期の美観性が保持できる点でも有利である。(A)成分における外層と内層の重量比率は、通常80:20〜20:80、好ましくは70:30〜30:70である。
(A)成分の外層にカルボキシル基を生成させるためには、外層を構成するモノマーとしてカルボキシル基含有モノマーを使用すればよい。カルボキシル基含有モノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸またはそのモノアルキルエステル、イタコン酸またはそのモノアルキルエステル、フマル酸またはそのモノアルキルエステル等が挙げられる。このうち、特にアクリル酸、メタクリル酸から選ばれる1種以上が好適である。カルボキシル基含有モノマーの使用量は、(A)成分の樹脂固形分に対し、通常0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜20重量%である。このようなカルボキシル基は、密着性向上に寄与するものである。
(A)成分の外層は、上記カルボキシル基含有モノマーと(メタ)アクリル酸エステル、必要に応じその他のモノマーとの共重合体である。(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。その他のモノマーとしては、例えばアミノ基含有モノマー、ピリジン系モノマー、水酸基含有モノマー、ニトリル基含有モノマー、アミド基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、カルボニル基含有モノマー、アルコキシシリル基含有モノマー、芳香族モノマー等が挙げられる。このうち、(メタ)アクリル酸エステルとしてt−ブチル(メタ)アクリレートを使用すれば、密着性が高まり、塗膜の膨れや剥れの発生が防止でき、美観性維持の点で有利である。
(A)成分の外層のTgは、通常20〜100℃、好ましくは30〜90℃である。外層のTgがこのような範囲よりも低すぎる場合は、耐汚染性において十分な物性を得ることができず、逆に高すぎる場合は、下地への追従性が低下してしまう。
(A)成分の内層には、環状シロキサン化合物に由来するシリコーン樹脂と、Tg−60〜20℃のアクリル樹脂を含む。本発明では、(A)成分の内層がこのような特定2種の樹脂によって構成されることにより、耐汚染性を低下させることなく、下地への追従性において優れた性能を発揮することができる。(A)成分の内層がこれら樹脂の一方のみで構成される場合は、耐汚染性と下地への追従性を両立することが困難となる。内層におけるシリコーン樹脂とアクリル樹脂の重量比率は、通常70:30〜1:99、好ましくは60:40〜3:97である。
このうち、シリコーン樹脂は、環状シロキサン化合物を重合して得られるものである。環状シロキサン化合物としては、例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられる。このような環状シロキサン化合物を重合する際には、直鎖状シロキサン化合物、分岐状シロキサン化合物、アルコキシシラン化合物等を用いることもできる。このうち、アルコキシシラン化合物としては、分子中に1個以上のアルコキシル基を有するシラン化合物が使用でき、例えばテトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等の他、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤等が使用できる。シリコーン樹脂の平均分子量は、通常10000以上、好ましくは50000以上である。
(A)成分の内層を構成するアクリル樹脂のTgは−60〜20℃(好ましくは−50〜10℃)に設定する。このTgが低すぎる場合は、耐汚染性が不十分となり、高すぎる場合は下地への追従性が低下してしまう。(A)成分の内層を構成するアクリル樹脂は、Tgがこのような範囲内となるように、(メタ)アクリル酸エステルと必要に応じその他のモノマーを共重合体して得ることができる。
(A)成分の内層におけるこれら2種の樹脂の形態は特に限定されず、相互に均一に混ざり合った形態であってもよく、シリコーン樹脂が内部・アクリル樹脂が外部に存在する形態、アクリル樹脂が内部・シリコーン樹脂が外部に存在する形態、アクリル樹脂中にシリコーン樹脂が分散した形態、シリコーン樹脂中にアクリル樹脂が分散した形態等であってもよい。
(A)成分の製造方法は特に限定されないが、例えば、シリコーン樹脂の水分散物の存在下で、内層を構成するアクリル樹脂を乳化重合した後、外層を構成するアクリル樹脂を乳化重合する方法等を採用することができる。
上塗材における顔料及び/または骨材(B)(以下「(B)成分」という)は、上塗材塗膜に美観性を付与する成分である。本発明では、この(B)成分の種類や混合比率等を調整することにより、所望の色彩・凹凸模様等を付与することができる。
このうち、顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、黒色酸化鉄、銅クロムブラック、コバルトブラック、銅マンガン鉄ブラック、べんがら、モリブデートオレンジ、パーマネントレッド、パーマネントカーミン、アントラキノンレッド、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、黄色酸化鉄、チタンイエロー、ファーストイエロー、ベンツイミダゾロンイエロー、クロムグリーン、コバルトグリーン、フタロシアニングリーン、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、キナクリドンバイオレット、ジオキサジンバイオレット、重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、陶土、チャイナクレー、硫酸バリウム、炭酸バリウム、珪石粉、珪藻土、アルミニウム顔料、パール顔料等が挙げられる。これら顔料の粒子径は通常50μm未満(好ましくは40μm以下)である。上塗材における顔料比率は、(A)成分の固形分100重量部に対し、通常5〜500重量部(好ましくは10〜400重量部)である。
本発明の上塗材においては、顔料比率を上記範囲内で高く設定することにより、弾性タイプの艶消し塗料を得ることができる。このような場合、顔料比率は、(A)成分の固形分100重量部に対し100〜500重量部(好ましくは150〜400重量部)程度に設定すればよい。
なお、ここに言う「艶消し」とは、一般に艶消しと呼ばれるものの他に、3分艶、5分艶等と呼ばれるものも包含する。具体的に、本発明では、鏡面光沢度によって艶を規定することができる。上述の艶消し塗料における鏡面光沢度は、通常40以下、好ましくは20以下、さらに好ましくは10以下である。艶消し塗料の艶の調整は、艶消し塗料に配合する体質顔料の種類、粒子径、混合比率等によって適宜調整することができる。
ここで、鏡面光沢度とは、JIS K5600−4−7「鏡面光沢度」に準じて測定される値である。具体的には、ガラス板の片面に、すきま150μmのフィルムアプリケータを用いて塗料を塗り、塗面を水平に置いて温度23℃・相対湿度50%下で48時間乾燥したときの鏡面光沢度(測定角度60度)を測定することによって得られる値である。
このような艶消し塗料においては、吸油量60ml/100g以下(好ましくは50ml/100g以下)の顔料が、顔料成分全体の50体積%以上(好ましくは60体積%以上、より好ましくは70体積%以上)となるように調製することが望ましい。このような調製により、下地への追従性を十分に確保することが可能となる。なお、吸油量(ml/100g)とは、JIS K 5101−13−2:2004に規定されている方法によって求められる値であり、粉粒体100gに対する煮アマニ油のmlで表されるものである。
一方、骨材としては、自然石、自然石の粉砕物等の天然骨材、及び着色骨材等の人工骨材から選ばれる少なくとも1種以上を好適に使用することができる。具体的には、例えば、大理石、御影石、蛇紋岩、花崗岩、蛍石、寒水石、長石、石灰石、珪石、珪砂、砕石、雲母、珪質頁岩、及びこれらの粉砕物、陶磁器粉砕物、セラミック粉砕物、ガラス粉砕物、ガラスビーズ、ガラスフレーク、樹脂粉砕物、樹脂ビーズ、ゴム粒、貝殻片、プラスチック片等が挙げられる。これらに着色処理を施したものも使用できる。骨材の粒子径は通常0.05〜5mm程度である。上塗材における骨材比率は、(A)成分の固形分100重量部に対し、通常10〜1000重量部(好ましくは50〜500重量部)である。顔料と骨材の合計比率は、(A)成分の固形分100重量部に対し5〜1000重量部(好ましくは10〜500重量部)程度とすればよい。
上塗材においては、上述の成分に加えさらに、カルボキシル基と反応可能な官能基を有する架橋剤(C)(以下「(C)成分」という)を含むものが好適である。本発明では、このような(C)成分を使用することにより、塗膜の膨れ、剥れ等の発生をより確実に防止することができる。さらに、塗膜表面の粘着性が軽減され、耐汚染性が高まる。
(C)成分における、カルボキシル基と反応可能な官能基としては、例えば、カルボジイミド基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。このうち、本発明では特にエポキシ基が好適である。
エポキシ基を有する反応性化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリヒドロキシアルカンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。この他、エポキシ基含有モノマーの重合体(ホモポリマーまたはコポリマー)からなる水溶性樹脂やエマルションを挙げることもできる。これらは1種または2種以上で使用することができる。
(C)成分の比率は、使用する(C)成分の反応性の程度等にもよるが、通常(A)成分の樹脂固形分100重量部に対し0.1〜50重量部(好ましくは0.3〜20重量部、より好ましくは0.5〜10重量部)である
上塗材においては、上述の成分の他に通常塗料に使用可能な成分を含むこともできる。このような成分としては、例えば、繊維、増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、湿潤剤、可塑剤、凍結防止剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、吸着剤、架橋剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、触媒等が挙げられる。上塗材は、以上のような成分を常法により均一に混合することで製造することができる。
上塗材塗膜は、下塗材塗膜に対し上記上塗材を公知の方法で塗装することによって形成できる。塗装方法は、上塗材の種類により適宜選定することができ、例えば、コテ塗り、スプレー塗り、ローラー塗り、刷毛塗り等を採用することができる。上塗材塗膜の厚みは特に限定されず、適宜設定することができるが、(B)成分が顔料のみで構成される場合は0.02〜2mm程度、(B)成分として骨材が含まれる場合は0.5〜10mm程度である。
化粧塗膜層の上には、必要に応じクリヤー層を設けることもできる。このようなクリヤー層は、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂等を結合材とするクリヤー塗料によって形成することができる。このようなクリヤー層は、公知の艶消し剤等によって艶の程度を調整することができる。また、本発明の効果を阻害しない限り、着色を施すこともできる。
図1に、本発明壁面構造体の一例(断面図)を示す。図1では、併設された2枚の建築用ボード1の目地部にパテ材2が充填され、その上に化粧塗膜層3が設けられている。この化粧塗膜層3は、下塗材塗膜4と上塗材塗膜5が積層されたものである。なお、本発明の壁面構造体は、図1に示す態様に限定されるものではなく、建築用ボード1と化粧塗膜層3の間に何らかの層(表面処理層、旧塗膜層等)が介在するものであってもよい。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
(上塗材の製造)
表1に示す配合に従い、各原料を常法により混合・攪拌することによって上塗材を製造した。原料としては下記のものを使用した。
・樹脂1:多層構造型合成樹脂エマルション
外層;アクリル樹脂(Tg45℃、構成成分;t−ブチルメタクリレート,n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,メタクリル酸)、
内層;シリコーン樹脂(構成成分;ヘキサメチルシクロトリシロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン)、アクリル樹脂(Tg−50℃、構成成分;n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート)、シリコーン樹脂と内層アクリル樹脂の重量比18:82、
外層と内層の重量比45:55、固形分50重量%、カルボキシル基含有モノマー3重量%(固形分中)
・樹脂2:多層構造型合成樹脂エマルション
外層;アクリル樹脂(Tg45℃、構成成分;メチルメタクリレート,n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,メタクリル酸)、
内層;シリコーン樹脂(構成成分;ヘキサメチルシクロトリシロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン)、アクリル樹脂(Tg−50℃、構成成分;n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート)、シリコーン樹脂と内層アクリル樹脂の重量比18:82、
外層と内層の重量比45:55、固形分50重量%、カルボキシル基含有モノマー3重量%(固形分中)
・樹脂3:多層構造型合成樹脂エマルション
外層;アクリル樹脂(Tg45℃、構成成分;t−ブチルメタクリレート,n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,ダイアセトンアクリルアミド、メタクリル酸)、
内層;シリコーン樹脂(構成成分;ヘキサメチルシクロトリシロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン)、アクリル樹脂(Tg−50℃、構成成分;n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート)、シリコーン樹脂と内層アクリル樹脂の重量比18:82、
外層と内層の重量比45:55、固形分50重量%、カルボキシル基含有モノマー3重量%(固形分中)
・樹脂4:多層構造型合成樹脂エマルション
外層;アクリル樹脂(Tg45℃、構成成分;t−ブチルメタクリレート,n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,メタクリル酸)、
内層;アクリル樹脂(Tg−50℃、構成成分;n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート)、
外層と内層の重量比50:50、固形分50重量%、カルボキシル基含有モノマー3重量%(固形分中)
・樹脂5:多層構造型合成樹脂エマルション
外層;アクリル樹脂(Tg45℃、構成成分;t−ブチルメタクリレート,n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,メタクリル酸)、
内層;シリコーン樹脂(構成成分;ヘキサメチルシクロトリシロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン)、
外層と内層の重量比50:50、固形分50重量%、カルボキシル基含有モノマー3重量%(固形分中)
・樹脂6:アクリル樹脂エマルション(Tg12℃、構成成分;t−ブチルメタクリレート,n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,メタクリル酸、固形分50重量%、カルボキシル基含有モノマー3重量%(固形分中))
・架橋剤1:エポキシ基含有化合物(ポリヒドロキシアルカンポリグリシジルエーテル)
・架橋剤2:ヒドラジン化合物(アジピン酸ジヒドラジド)
・顔料1:白色顔料(酸化チタン、平均粒子径0.2μm、比重4.2、吸油量13ml/100g)
・顔料2:黄色顔料(黄色酸化鉄、平均粒子径0.8μm、比重4.4、吸油量35ml/100g)
・顔料3:体質顔料(重質炭酸カルシウム、平均粒子径5μm、比重2.7、吸油量15ml/100g)
・顔料4:体質顔料(シリカ粉、平均粒子径18μm、比重2.7、吸油量10ml/100g)
・顔料5:体質顔料(珪藻土、平均粒子径9μm、比重2.3、吸油量170ml/100g)
・骨材:粒子径0.1〜2mmの着色骨材混合物(白色:灰色:黒色=3:3:1)
・造膜助剤:2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート
・分散剤:ポリカルボン酸系分散剤(固形分30重量%)
・増粘剤:ポリウレタン系増粘剤(固形分30重量%)
・消泡剤:シリコン系消泡剤(固形分50重量%)
(試験体作製)
300×150×6mmのスレート板を2枚突き合わせ、その突き合わせ部の間隙にアクリル系パテ材を充填し、標準状態(温度23度・相対湿度50%)で24時間乾燥後、その全面に対し、エポキシ基含有アクリル樹脂エマルション(Tg20℃)を結合材とするエポキシ系下塗材を、塗膜厚みが0.02mmとなるようにスプレー塗装した。標準状態で3時間乾燥後、各上塗材を塗膜厚みが0.1mm(上塗材3は1.0mm)となるようにスプレー塗装し、標準状態で14日間養生したものを試験体とした。
(温冷繰返し試験)
作製した試験体について、水浸漬(23℃)18時間→−20℃3時間→80℃3時間を1サイクルとする温冷繰返し試験を合計10サイクル行った後、化粧塗膜表面における異常発生(ひび割れ・膨れ・剥れ)の有無を目視によって確認した。評価は、異常が全く発生しなかったものを「◎」、異常がほとんど発生しなかったものを「○」、異常が部分的に発生したものを「△」、異常が著しく発生したものを「×」とした
(耐汚染性試験)
作製した試験体を水平に置き、その塗膜表面に汚れ成分(黒色硅砂)を散布して2時間放置し、次いで試験板を垂直に立てた後、汚れ成分の残存の程度を確認した。評価は、汚れが除去されたものを「◎」、汚れが著しく残存したものを「×」とする4段階評価(優:◎>○>△>×:劣)で行った。
(試験結果)
試験結果を表2に示す。実施例1〜8では、いずれの試験においても良好な結果を得ることができた。この中でも特に、実施例2〜4及び6が優れていた。
Figure 0004696000
Figure 0004696000
本発明壁面構造体の一例を示す断面図である。
符号の説明
1:建築用ボード
2:パテ材
3:化粧塗膜層
4:下塗材塗膜
5:上塗材塗膜

Claims (2)

  1. 複数の建築用ボードで構成され、当該建築用ボードどうしの目地部を跨いで化粧塗膜層が設けられた壁面構造体において、当該化粧塗膜層が下塗材塗膜及び上塗材塗膜を有し、
    前記下塗材塗膜が、ガラス転移温度−40〜40℃のエポキシ基含有合成樹脂エマルションを含む下塗材によって形成され、
    前記上塗材塗膜が、外層がガラス転移温度20〜100℃のカルボキシル基含有アクリル樹脂であって、内層に環状シロキサン化合物に由来するシリコーン樹脂及びガラス転移温度−60〜20℃のアクリル樹脂を含む多層構造型合成樹脂エマルション(A)、顔料及び/または骨材(B)を含む上塗材によって形成されたものであることを特徴とする壁面構造体。
  2. 前記上塗材が、(A)成分、(B)成分に加え、カルボキシル基と反応可能な官能基を有する架橋剤(C)を含むものであることを特徴とする請求項1記載の壁面構造体。
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