JP7352387B2 - 水性被覆材組成物 - Google Patents
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被塗物の保護するためには、例えば、水分、酸・アルカリや汚染物質等から保護するための手段として、緻密な塗膜が要求される場合がある。
また、塗膜表面に凹凸が存在する場合、その凹凸によって意匠性が損なわれたり、またその凹凸によって汚染物質が付着しやすくなるため、被塗物の意匠性向上のためには平滑な塗膜表面が要求される場合がある。
該水性被覆材は、エマルジョン樹脂、架橋剤等を含有し、特定の粘度、特定のチクソトロピックインデックスを有することが記載されている。
1.(A)架橋型水性アクリル樹脂、
(B)水性ウレタン樹脂、
を含有し、
該(A)成分は、カルボキシル基を含むものであり、
該(B)成分は、ポリオール化合物とイソシアネート化合物の反応によって得られる樹脂であり、該ポリオール化合物が、ポリカーボネートポリオールであり、
さらに架橋剤として、金属化合物を含み、
粘度が0.5Pa・s以上5Pa・s以下、
TI値(チクソトロピーインデックス)が1以上3以下、
であることを特徴とする水性被覆材組成物。
{なお、粘度は、温度23℃において、BH型粘度計で測定した20rpmにおける粘度(4回転目の指針値)であり、TI値は、BH型粘度計を用い、下記式により求められる値である。いずれも測定温度は23℃である。
<式>TI値=η1/η2
(式中、η1は2rpmにおける粘度(Pa・s:2回転目の指針値)。η2は20rpmにおける粘度(Pa・s:4回転目の指針値))}
2.前記粘度が0.5Pa・s以上3Pa・s以下であることを特徴とする1.に記載の水性被覆材組成物。
3.前記TI値(チクソトロピーインデックス)が1.8以上3以下であることを特徴とする1.に記載の水性被覆材組成物。
1.(A)架橋型水性アクリル樹脂、
(B)水性ウレタン樹脂、
を含有し、
該(A)成分は、カルボキシル基を含むものであり、
さらに架橋剤として、金属化合物を含み、
粘度が0.5Pa・s以上5Pa・s以下、
TI値(チクソトロピーインデックス)が1以上3以下、
であることを特徴とする水性被覆材組成物。
2.前記粘度が0.5Pa・s以上3Pa・s以下であることを特徴とする1.に記載の水性被覆材組成物。
3.前記TI値(チクソトロピーインデックス)が1.8以上3以下であることを特徴とする1.に記載の水性被覆材組成物。
4.前記(B)成分が、ポリオール化合物とイソシアネート化合物の反応によって得られる樹脂であり、該ポリオール化合物が、ポリカーボネートポリオールであることを特徴とする1.に記載の水性被覆材組成物。
架橋反応する官能基の組み合わせとしては、例えば、カルボキシル基とカルボジイミド基、カルボキシル基とエポキシ基、カルボキシル基とアジリジン基、カルボキシル基とオキサゾリン基、ヒドロキシル基とイソシアネート基、カルボニル基とヒドラジド基、エポキシ基とヒドラジド基、エポキシ基とアミノ基、アルド基とセミカルバジド基、ケト基とセミカルバジド基、アルコキシシリル基どうし、カルボキシル基と金属化合物等の組み合わせが挙げられる。
さらにエマルションタイプでは、エマルション粒子内部で架橋反応するタイプ、エマルション粒子同士で架橋反応するタイプ、エマルション粒子と架橋剤とで架橋反応するタイプ等が挙げられ、これらのうち1種以上を用いることができる。
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール―ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールアリルエーテル、ポリプロピレングリコールアリルエーテル、ポリエチレングリコール―ポリプロピレングリコールアリルエーテル等のヒドロキシル基含有モノマー、
ジアセトン(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、アクロレイン、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニル(イソ)ブチルケトン、アセトニルアクリレート、アクリルオキシアルキルプロパナール類、メタクリルオキシアルキルプロパナール類、2ーヒドロキシプロピルアクリレートアセチルアセテート、タンジオールアクリレートアセチルアセテート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシアリルエステル等のカルボニル基含有モノマー、
(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-n-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-シクロプロピル(メタ)アクリルアミド、N-(メタ)アクロイルピロリジン、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-メチル-N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-メチル-N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-メチル-N-n-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル](メタ)アクリルアミド、ビニルアミド、N,N-メチレンビスアクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有モノマー、
グリシジル(メタ)アクリレート、ジグリシジル(メタ)アクリレート、ジグリシジルフマレート、3,4-エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシビニルシクロヘキサン、アリルグリシジルエーテル、ε-カプロラクトン変性グリシジル(メタ)アクリレート、β-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有モノマー、
(メトキシ)ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メトキシ)ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、(メトキシ)ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、(メトキシ)ポリエチレングリコールアリルエーテル、(メトキシ)ポリプロピレングリコールアリルエーテル、(メトキシ)ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールアリルエーテル等のアルキレンオキサイド鎖含有モノマー、
アミノメチル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、アミノブチル(メタ)アクリレート、ブチルビニルベンジルアミン、ビニルフェニルアミン、p-アミノスチレン、N-メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N-t-ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N-〔2-(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ピペリジン、N-〔2-(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ピロリジン、N-〔2-(メタ)アクリロイルオキシエチル〕モルホリン、4-〔N,N-ジメチルアミノ〕スチレン、4-〔N,N-ジエチルアミノ〕スチレン、2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、N-(2-ジメチルアミノエチル)アクリルアミド、N-(2-ジメチルアミノエチル)メタクリルアミド等のアミノ基含有モノマー;
アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル基含有モノマー;
N-メチロ-ル(メタ)アクリルアミド等のメチロール基含有モノマー;
メタクリロイルイソシアネートなどのイソシアネート基含有モノマー;
プロピレン-1,3-ジヒドラジン及びブチレン-1,4-ジヒドラジンなどのヒドラジド基含有モノマー;
ビニルオキサゾリン、2-ビニル-2-オキサゾリン、2-プロペニル2-オキサゾリン等のオキサゾリン基含有モノマー;
フッ化ビニリデン等のハロゲン基含有モノマー;
スルホエチル(メタ)アクリレート、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、メタクリロイルオキシスルホン酸ナトリウム、プロペニル基を導入したポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステル塩等のスルホン酸基、硫酸基含有モノマー;
アシッドホスホキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホキシプロピル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-アシッドホスホキシプロピル(メタ)アクリレート、アシッドホスホキシポリオキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アシッドホスホキシエチルフェニル(メタ)アクリレート等のリン酸基含有モノマー;
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等のアルコキシシリル基含有モノマー;
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、4-tert-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-フェニルエチル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、4-メトキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;
スチレン、2-メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、t-ブチルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル系モノマー;
エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニルケトン等のモノマー;
等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;
テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、無水フタル酸、テレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸、トリメリット酸等の芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。
本発明では、ポリオール化合物として、特に、ポリカーボネートポリオールを用いることが好ましい。
本発明では、水性のイソシアネート化合物として、例えば、カルボキシル基含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマー、アルキレンオキサイド鎖含有モノマー等のモノマーとイソシアネート化合物との共重合体、ポリオキシアルキレン化合物が付与されたイソシアネート化合物等を用いることができる。
(A)成分と(B)成分の含有比率は、特に限定されないが、(A)成分の固形分100重量部に対し、(B)成分の固形分0.1重量部以上10重量部以下、さらには0.5重量部以上5重量部以下であることが好ましい。
なお、粘度は、温度23℃において、BH型粘度計で測定した20rpmにおける粘度(4回転目の指針値)である。
TI値は、BH型粘度計を用い、下記式により求められる値である。いずれも測定温度は23℃である。
<式>TI値=η1/η2
(式中、η1は2rpmにおける粘度(Pa・s:2回転目の指針値)。η2は20rpmにおける粘度(Pa・s:4回転目の指針値))
粘度が低すぎるとタレが発生し平滑な塗膜が形成できない場合がある。一方粘度が高すぎると、レベリング性に劣り、平滑な塗膜が形成できない場合がある。
TI値が高すぎると、レベリング性に劣り、平滑な塗膜が形成できない場合がある。
添加剤としては、例えば、顔料、骨材、溶剤、可塑剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、消泡剤、粘性調整剤、可塑剤、レベリング剤、顔料分散剤、沈降防止剤、たれ防止剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、抗菌剤、防藻剤、湿潤剤、消泡剤、吸着剤、光安定剤、光触媒等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
適用できる基材としては、例えば、コンクリート、モルタル、繊維混入セメント板、セメント珪酸カルシウム板、スラグセメントパーライト板、スレート板、PC板、ALC板、サイディング板、セラミック板、珪酸カルシウム板、石膏ボード、磁器タイル、木材、合板、有機フォーム板、押出成形板、あるいは、冷延鋼、アルミニウム鋼、銅鋼、ブリキ鋼、ステンレス鋼、溶融亜鉛メッキ鋼、溶融亜鉛・アルミニウム合金メッキ鋼、電気亜鉛メッキ鋼、電気合金メッキ鋼、合金メッキ鋼、銅メッキ鋼、錫メッキ鋼等の金属板等が挙げられる。
また、基材には各種シーラー、下地調整剤、パテ剤等が施されたものでもよい。
塗装方法としては、例えば、スプレー塗り、ローラー塗り、刷毛塗り等が可能である。水性被覆材組成物の塗付け量は、好ましくは50g/m2以上1000g/m2以下、さらに好ましくは80g/m2以上500g/m2以下程度である。
得られた水性被覆材を、ブリキ鋼板(500×300×3mm)に塗付け量100g/m2で塗装し、標準状態(温度23度、相対湿度50%)で24時間乾燥させ試験体を得た。意匠性試験では、試験体の表面を目視にて観察、評価した。評価は次のとおりである。結果は表2に示す。
◎:表面が平滑で、ムラがなく、優れた意匠性を有していた。
○:表面が平滑で、ほとんどムラがなく、良好な意匠性を有していた。
△:平滑性に劣り、表面の一部にムラがみられた。
×:平滑性に劣り、ムラがみられた。
意匠性試験で得られた試験体を、標準状態で14日間静置後、試験体表面に油(オレイン酸/パーム油)3mlをスポットし24時間後に拭き取り、スポット部及び非スポット部の塗膜硬度(鉛筆硬度)の測定、及び表面を目視にて観察し、評価した。評価は次のとおりである。結果は表2に示す。
◎:非スポット部の硬度とスポット部の硬度が同じレベルであり、表面の光沢も同一であった。
○:非スポット部の硬度に比べ、スポット部の硬度の低下が1段階以下であり、表面の光沢もほぼ同一であった。
△:非スポット部の硬度に比べ、スポット部の硬度の低下が2段階以下であり、一部塗膜の収縮がみられ、表面の光沢に一部違いがみられた。
×:非スポット部の硬度に比べ、スポット部の硬度の低下が3段階以上であり、塗膜の収縮がみられ、表面の光沢に違いがみられた。
Claims (3)
- (A)架橋型水性アクリル樹脂、
(B)水性ウレタン樹脂、
を含有し、
該(A)成分は、カルボキシル基を含むものであり、
該(B)成分は、ポリオール化合物とイソシアネート化合物の反応によって得られる樹脂であり、該ポリオール化合物が、ポリカーボネートポリオールであり、
さらに架橋剤として、金属化合物を含み、
粘度が0.5Pa・s以上5Pa・s以下、
TI値(チクソトロピーインデックス)が1以上3以下、
であることを特徴とする水性被覆材組成物。
{なお、粘度は、温度23℃において、BH型粘度計で測定した20rpmにおける粘度(4回転目の指針値)であり、TI値は、BH型粘度計を用い、下記式により求められる値である。いずれも測定温度は23℃である。
<式>TI値=η1/η2
(式中、η1は2rpmにおける粘度(Pa・s:2回転目の指針値)。η2は20rpmにおける粘度(Pa・s:4回転目の指針値))} - 前記粘度が0.5Pa・s以上3Pa・s以下であることを特徴とする請求項1に記載の水性被覆材組成物。
- 前記TI値(チクソトロピーインデックス)が1.8以上3以下であることを特徴とする請求項1に記載の水性被覆材組成物。
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