JP5072249B2 - 水性塗料組成物 - Google Patents

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本発明は、速乾性に優れる水性塗料組成物に関するものである。さらに本発明水性塗料組成物は、貯蔵安定性に優れ、塗料から発生する臭気が低減され、かつ、塗膜形成後の耐黄変性に優れている。
近年、溶剤型塗料の塗装による揮発性有機化合物(VOC)の大気中への放出が、環境問題としてクローズアップされている。
これに対応し、揮発性有機化合物(VOC)の放出を低減するため、溶剤型塗料から水性塗料への転換が進められている。
しかしながら、水性塗料においては、溶剤型塗料に比べ乾燥硬化性が充分でないという問題がある。
すなわち、水性塗料組成物が完全に乾燥硬化するまでにかなりの時間を必要とするため、工期が長引くことになり、硬化段階において降雨等で水が掛かかった場合に塗料が流出してしまう等の問題がある。特に、低温環境下・高湿度下では、このような問題が起こりやすく、水性塗料の課題の一つといえる。
水性塗料の乾燥硬化性を改善するため、例えば、水性塗料中に含まれる溶媒(水)の蒸発速度を高める方法が提案されている。
具体的には、メタノール等の低沸点溶剤を水性塗料に含有させる手法等が挙げられるが、VOCを多量に含むため、環境に好ましいものではない。また、乾燥硬化性を高めるためには、低沸点溶剤を多量に加える必要があるため、水性塗料であるにもかかわらず、場合によっては引火性を有するものもあった。
また、水性塗料の乾燥硬化性を改善する他の方法として、水性塗料中に含まれる樹脂の硬化反応を促進させる方法が提案されている。
具体的には、架橋性反応性基と、該架橋性反応性基と反応可能な官能基とを水性塗料中に共存させ、塗膜形成時に直ちに硬化反応を進行させる手法等である。このような方法では、溶媒(水)の蒸発速度を高めるのではなく、水性塗料中の樹脂の架橋反応により、硬化反応を促進させるというものである。
即ち、乾燥硬化の過程は、溶媒(水)を含んだまま硬化反応が進行する第1段階、徐々に溶媒(水)が蒸発し硬化していく第2段階を経て、塗膜の乾燥硬化が進行していくものである。
このような方法を応用したものとして、特許文献1等が挙げられる。
特許文献1では、カルボン酸を有する水性分散共重合体のアンモニウム塩又は有機アミン塩と、中性ないしアルカリ性で水溶性を有するカチオン性高分子電解質とからなるコーティング組成物が開示されている。
このようなコーティング組成物は、カルボン酸を有する水性分散共重合体と中性ないしアルカリ性で水溶性を有するカチオン性高分子電解質の硬化反応が進行する第1段階、溶媒(水)が蒸発し硬化していく第2段階を経て、塗膜の乾燥硬化が進行していくもので、初期の乾燥硬化性を高めている。
特公昭55−30550号公報
しかし、特許文献1では、カルボン酸を有する水性分散共重合体と中性ないしアルカリ性で水溶性を有するカチオン性高分子電解質を混合すると、これらの2成分の反応が進行し、異物の発生や、経時的な粘度の上昇等が起こり、充分な塗料安定性を確保することが困難であった。
また、塗料安定性を確保するためにアンモニア又は有機アミンを導入しているが、塗料安定性を確保するためには、多量のアンモニア又は有機アミンを必要とするため、アンモニア又は有機アミンの臭気が強く発生し、作業環境上問題があった。
また、乾燥硬化した後の塗膜物性については、経時的に黄変したり、光沢の低下等を引き起こし、初期の外観を維持できない場合もあった。
よって、本発明が解決しようとする課題は、優れた速乾性を有するとともに、貯蔵安定性に優れ、塗料から発生する臭気が低減され、かつ、耐黄変性に優れ、初期の外観を維持できる水性塗料組成物を提供することを目的とするものである。
本発明においては、乾燥硬化段階で、降雨等の水掛かりに対し、一般の水性塗料に比べ、短時間で抵抗性を発揮する性能を速乾性と定義し、この速乾性を高めることを最大の課題とするものである。
これらの課題を解決するため、本発明者は鋭意検討を行い、その結果、アニオン性官能基を有する合成樹脂エマルション、3級アミノ基及びポリアルキレンオキサイド基を有するウレタン化合物、揮発性塩基、を含有する塗料組成物が、速乾性に優れるとともに貯蔵安定性に優れ、塗料から発生する臭気が低減され、かつ、耐黄変性に優れ、初期の外観を維持できることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.(A)アニオン性官能基を有する合成樹脂エマルション、
(B)3級アミノ基及びポリアルキレンオキサイド基を有するウレタン化合物、
(C)揮発性塩基、
を含有し、
(A)成分の固形分100重量部に対し、(B)成分0.1重量部〜10重量部、(C)成分0.01重量部〜1重量部を含有することを特徴とする水性塗料組成物。
2.(A)成分がカルボキシル基を有する合成樹脂エマルションであり、(A)成分の固形分100重量部に対し、(D)エポキシ基を有する反応性化合物を0.1〜50重量部含有することを特徴とする1.に記載の水性塗料組成物。
3.(A)成分がカルボキシル基及びエポキシ基を有する合成樹脂エマルションであることを特徴とする1.または2.に記載の水性塗料組成物。
本発明の塗料組成物は、速乾性に優れるとともに貯蔵安定性に優れ、塗料から発生する臭気が低減され、かつ、塗膜形成後の耐黄変性に優れ、初期の外観を長期に亘り維持できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明の水性塗料組成物は、アニオン性官能基を有する合成樹脂エマルション(以下、「(A)成分」ともいう。)、3級アミノ基及びポリアルキレンオキサイド基を有するウレタン化合物(以下、「(B)成分」ともいう。)、揮発性塩基(以下、「(C)成分」ともいう。)を含有するものである。
本発明の水性塗料組成物は、(A)成分のアニオン性官能基と反応可能な官能基と(B)成分の3級アミノ基との硬化反応により水等の溶媒を含んだまま硬化(ゲル化)する第1段階、徐々に水等の溶媒が蒸発し融着していく第2段階を経て、塗膜の乾燥硬化が進行し、速乾性を発揮するものである。
一般に、塗料中のpHが比較的低い場合、アミノ基はプロトン化し、反応しやすい状態となる。よって、塗膜形成時においては、プロトン化したアミノ基による硬化反応が進行し、速乾性を高めることができる。しかし、貯蔵中においては、異物が生じたり、塗料粘度が著しく上昇するといった問題が生じる。
本発明では、(C)成分を含有することにより、貯蔵中においては、塗料組成物中のpHを高くすることで、(B)成分の3級アミノ基を非プロトン化し、(A)成分と(B)成分の硬化反応を抑えて、貯蔵安定性に優れた水性塗料組成物を得ることができる。さらに、塗膜形成時には、(C)成分が揮発することにより塗料中のpHが低くなり、(A)成分と(B)成分の硬化反応が進行し、速乾性を高めることができる。
また、(B)成分は、ポリアルキレンオキサイド基を有する構造であり、このポリアルキレンオキサイド基を有することにより、3級アミノ基を保護する効果がある。
そのため、アミノ基を完全に非プロトン化しなくても、貯蔵安定性に優れる水性塗料組成物を得ることができる。したがって、少ない量の(C)成分で、貯蔵安定性、速乾性に優れる塗料組成物を得ることができる。
(B)成分中に1級アミノ基、2級アミノ基が多量にある場合、1級アミノ基、2級アミノ基は3級アミノ基に比べて反応性が高く、貯蔵安定性に劣る傾向がある。さらに安定性の向上を図るために(C)成分を多量に加えることもできるが、その場合、臭気などに問題があり、塗装作業性や周辺環境上好ましくない。
さらに、(B)成分における3級アミノ基は、1級アミノ基、2級アミノ基に比べて、耐黄変性にも優れている。さらに、(B)成分は、本質的に、ウレタン骨格を有する化合物であるため、エマルションへの吸着性に優れ、耐水性にも優れている。
本発明の水性塗料組成物は、このような作用により、貯蔵安定性に優れるとともに速乾性に優れ、塗料から発生する臭気が低減され、かつ、塗膜形成後の耐黄変性に優れ、初期の外観を長期に亘り維持することができる。
本発明の(A)成分は、アニオン性官能基を有する合成樹脂エマルションであれば特に限定されない。
このような合成樹脂エマルションは、アニオン性官能基を有するモノマーを重合させる方法、アニオン性官能基を有するモノマーとその他のモノマーを共重合させる方法、得られた合成樹脂エマルションにアニオン性官能基を有する化合物を付与させる方法等により、得ることができる。
アニオン性官能基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基等が挙げられる。
カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、イソクロトン酸、サリチル酸、けい皮酸等が挙げられる。
スルホン酸基、硫酸基含有モノマーとしては、例えば、スルホエチル(メタ)アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、メタクリロイルオキシスルホン酸ナトリウム、プロペニル基を導入したポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステル塩等が挙げられる。
リン酸基含有モノマーとしては、アシッドホスホキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホキシプロピル(メタ)アクリレート、アシッドホスホキシポリオキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アシッドホスホキシエチルフェニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、その他のモノマーとして、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−フェニルエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、4−メトキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;
ジアセトン(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、アクロレイン、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニル(イソ)ブチルケトン、アセトニルアクリレート、アクリルオキシアルキルプロパナール類、メタクリルオキシアルキルプロパナール類、2ーヒドロキシプロピルアクリレートアセチルアセテート、タンジオールアクリレートアセチルアセテート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシアリルエステル等のカルボニル基含有モノマー、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール―ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールアリルエーテル、ポリプロピレングリコールアリルエーテル、ポリエチレングリコール―ポリプロピレングリコールアリルエーテル等のヒドロキシル基含有モノマー、
(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−シクロプロピル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクロイルピロリジン、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メタ)アクリルアミド、ビニルアミド、N,N−メチレンビスアクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有モノマー、
グリシジル(メタ)アクリレート、ジグリシジルフマレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシビニルシクロヘキサン、アリルグリシジルエーテル、ε−カプロラクトン変性グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有モノマー、
(メトキシ)ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メトキシ)ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、(メトキシ)ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、(メトキシ)ポリエチレングリコールアリルエーテル、(メトキシ)ポリプロピレングリコールアリルエーテル、(メトキシ)ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールアリルエーテル等のアルキレンオキサイド鎖含有モノマー、
アミノメチル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、アミノブチル(メタ)アクリレート、ブチルビニルベンジルアミン、ビニルフェニルアミン、p−アミノスチレン、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N−〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ピペリジン、N−〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ピロリジン、N−〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕モルホリン、4−〔N,N−ジメチルアミノ〕スチレン、4−〔N,N−ジエチルアミノ〕スチレン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のアミノ基含有モノマー;
アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル基含有モノマー;
N−メチロ−ル(メタ)アクリルアミド等のメチロール基含有モノマー;
メタクリロイルイソシアネートなどのイソシアネート基含有モノマー;
プロピレン−1,3−ジヒドラジン及びブチレン−1,4−ジヒドラジンなどのヒドラジノ基含有モノマー;
ビニルオキサゾリン、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−プロペニル2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有モノマー;
フッ化ビニリデン等のハロゲン基含有モノマー;
スチレン、2−メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル系モノマー;
エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニルケトン等のモノマー;
等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができ、上述したガラス転移温度の範囲で適宜設定することができる。
本発明では、上記モノマーを、必要に応じ各種添加剤とともに、通常知られる重合法、例えば乳化重合法等により製造すればよい。
添加剤としては、水、乳化剤、開始剤、溶剤、分散剤、乳化安定化剤、重合禁止剤、重合抑制剤、緩衝剤、架橋剤、pH調整剤、連鎖移動剤、触媒等が挙げられ、各種重合法、目的に応じ、必要量添加すればよい。
乳化剤としては、本発明の効果が損なわれない限り、アニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、両イオン性乳化剤、反応性乳化剤等特に限定されず、用いることができる。
例えば、各種脂肪酸塩、ロジン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル(アリール)硫酸エステル塩などのアニオン性乳化剤、
ラウリルトリアルキルアンモニウム塩、ステアリルトリアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩などの第4級アンモニウム塩、第1級〜第3級アミン塩、ラウリルピリジニウム塩、ベンザルコニウム塩、ベンゼトニウム塩、或は、ラウリルアミンアセテート等のカチオン性乳化剤、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル等のノニオン性乳化剤、
カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸型、イミダゾリン誘導体型等の両性界面活性剤、
エレミノールJS−2(三洋化成工業製)、エレミノールRS−30(三洋化成工業製)、ラテムルS−180A(花王製)、アクアロンHS−10(第一工業製薬製)、アクアロンKH−10(第一工業製薬製)、アデカリアソープSE−10N(旭電化製)、アデカリアソープSR−10(旭電化製)等のアニオン性反応性乳化剤、
アクアロンRN−10(第一工業製薬製)、アデカリアソープNE−10(旭電化製)、アデカリアソープER−10(旭電化製)等のノニオン性反応性乳化剤等が挙げられる。
本発明では、特にアニオン性官能基を有し、エマルション粒子に固定化されるアニオン性反応性乳化剤の使用が、速乾性、耐水性等の面から好ましい。
開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩開始剤、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4’−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン)二塩酸塩等のアゾ系開始剤、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のパーオキシエステル、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド等の過酸化系開始剤、レドックス開始剤、光重合開始剤、反応性開始剤等を用いることができる。
本発明では、特にアニオン性官能基を有する開始剤を用いることが好ましい。このような開始剤としては、例えば、過硫酸塩開始剤等が挙げられる。
重合温度としては、特に限定されないが、20℃から90℃程度であればよい。
エマルション粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、50nmから1000nm(好ましくは50nmから500nm、さらに好ましくは50nmから300nm)であることが好ましい。
なお、平均粒子径は、動的光散乱法により測定した値である。具体的には、動的光散乱測定装置として、マイクロトラック粒度分析計(例えば、UPA150、日機装株式会社製)を用い、検出された散乱強度をヒストグラム解析法のMarquardt法により解析した値であり、測定温度は25℃である。
本発明では、(A)成分としてカルボキシル基を有する合成樹脂エマルションを用い、(D)成分としてエポキシ基を有する反応性化合物を混合することが望ましい。このような成分を含む場合には、カルボキシル基とエポキシ基との架橋反応に対し、(B)成分の3級アミノ基が触媒として作用するため、速乾性を一層高めることができる。
エポキシ基を有する反応性化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリヒドロキシアルカンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。この他、エポキシ基含有モノマーの重合体(ホモポリマーまたはコポリマー)からなる水溶性樹脂やエマルションを使用することもできる。このような化合物の混合量は、通常(A)成分の樹脂固形分100重量部に対し0.1〜50重量部、好ましくは0.1〜20重量部である。このような範囲内であれば、貯蔵安定性を確保しつつ、速乾性において優れた効果を得ることができる。
本発明では、(A)成分としてカルボキシル基及びエポキシ基を有する合成樹脂エマルションを使用した場合においても、(A)成分と(B)成分との複合作用によって速乾性を高めることができる。このような合成樹脂エマルションとしては、例えば、コア部にエポキシ基を有し、シェル部にカルボキシル基を有する多層構造型エマルション等が使用できる。
本発明で用いる(B)成分は、3級アミノ基及びポリアルキレンオキサイド基を有するウレタン化合物である。
このような(B)成分は、イソシアネート化合物(以下、「(b−1)成分」ともいう。)に、イソシアネートと反応可能な官能基と3級アミノ基とを含有する化合物(以下、「(b−2)成分」ともいう。)、イソシアネートと反応可能な官能基とポリアルキレンオキサイド基とを有する化合物(以下、「(b−3)成分」ともいう。)、イソシアネートと反応可能な官能基と3級アミノ基及びポリアルキレンオキサイド基とを有する化合物(以下、「(b−4)成分」ともいう。)等を反応させて得ることができる。
(b−1)成分としては、例えば、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,3−ペンタメチレンジイソシアネート、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、リジンジイソシアネ−ト、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;
1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルナンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;
m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、4,4´−ジフェニルジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルエ−テルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4´−ジイソシアネート、2,2´−ジフェニルプロパン−4,4´−ジイソシアネート、3,3´−ジメチルジフェニルメタン−4,4´−ジイソシネート、4,4´−ジフェニルプロパンジイソシアネート、3,3´−ジメトキシジフェニル−4,4´−ジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、テトラメチレンキシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;
1,3−キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,4−キシリレンジイソシアネ−ト(XDI)、ω,ω´−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(α,α−ジメチルイソシアネートメチル)ベンゼン等の芳香脂肪族ジイソシアネート;等、及びこれらのイソシアネート基含有化合物のアロハネート体、ビウレット体、2量体(ウレトジオン)、3量体(イソシアヌレート)、アダクト体、カルボジイミド反応等によって誘導体化したもの、及びそれらの混合物、及びこれらのイソシアネート基を含有する化合物等が挙げられる。本発明では、特に脂肪族ジイソシアネートや、その誘導体を用いることが好まししい。
(b−2)成分としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N−ジメチルアミノプロパノール、N,N−ジメチルアミノヘキサノール等のN,N−ジアルキルアミノアルキルアルコール、N,N−ジメチルジエタノールアミン等のN,N−ジアルキルジアルキルアルコールルアミン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン等のN,N−ジアルキル−アルキルジアミン等が挙げられる。
(b−3)成分としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ−ル、ポリエチレン−プロピレングリコール等のポリアルキレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレン−プロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル等のポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
(b−4)成分としては、例えば、ポリオキシエチレンドデシルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン等のポリオキシアルキレンアルキルアミン等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
(B)成分は、これら(b−1)〜(b−4)成分を適宜組み合わせて反応させることにより製造でき、その組み合わせとしては、
1.(b−1)成分、(b−2)成分、及び(b−3)成分の組み合わせ
2.(b−1)成分、及び(b−4)成分の組み合わせ
3.(b−1)成分、(b−2)成分、及び(b−4)成分の組み合わせ
4.(b−1)成分、(b−3)成分、及び(b−4)成分の組み合わせ
5.(b−1)成分、(b−2)成分、(b−3)成分及び(b−4)成分の組み合わせ
等が挙げられる。
具体的に、(B)成分を製造する際には、まず(b−1)成分と(b−2)成分を反応させた後に、(b−3)成分を反応させてもよいし、またその逆に、まず(b−1)成分と(b−3)成分を反応させた後に、(b−2)成分を反応させてもよい。また、(b−1)成分と、(b−2)成分、(b−3)成分を同時に反応させてもよいし、(b−1)成分と(b−4)成分を反応させてもよい。
本発明では、これらの反応の組み合わせや反応順序を適宜選定することにより、(B)成分を得ることができる。反応温度としては、40℃から90℃程度、また反応時間としては1時間から24時間程度であればよい。
なお、(b−3)成分、(b−4)成分のポリアルキレンオキサイド基におけるアルキレンオキサイドの平均繰り返し単位数は通常2〜100、好ましくは5〜90である。この平均繰り返し単位数が2より小さい場合は、水へ溶解性が不十分となり、速乾性が発現され難くなる。また、貯蔵安定性が低下する場合がある。平均繰り返し単位数が100より大きい場合は、耐水性、速乾性等において十分な物性が発現され難くなる。
また、このような反応には、反応触媒等を用いて、反応を促進させることもできる。反応触媒としては、例えばジブチルスズジラウリレートやジブチルチンジオクトエート等の有機錫系触媒、オクタン酸鉛等の有機鉛系触媒、あるいはトリエチルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジアザビシクロウンデセン等の3級アミン系化合物の触媒が挙げられる。
また、イソシアネート化合物には、上記成分以外のその他の化合物を反応させてもよい。
例えば、ドデシルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ジスチレン化フェニルアルコール等の疎水性アルキルアルコール、グリコール酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のカルボキシル基含有アルコールが挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
(B)成分の重量平均分子量は、2000〜200000(さらには3000〜100000)であることが好ましい。この範囲であれば、速乾性等の性能を有するウレタン化合物の合成、及び合成後の処理も容易である。
(B)成分の混合量は、特に限定されないが、速乾性や、塗膜形成後の耐水性などのバランスを考慮すると、(A)成分の固形分100重量部に対し、(B)成分0.1重量部〜10重量部(さらには、0.5重量部〜8重量部)の範囲であることが好ましい。0.1重量部より少ない場合は、速乾性が低下する傾向にある。10重量部%より多い場合は、貯蔵安定性、耐水性が低下する傾向にある。
本発明で用いる(C)成分は、水性塗料組成物の貯蔵中は、貯蔵安定性を向上させ、塗膜形成時は揮発し、(A)成分と(B)成分の硬化反応を促進させ、速乾性を高める効果がある。
(C)成分としては、アンモニア、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン等が挙げられ、特に、アンモニアが好ましく用いられる。
(C)成分の混合量は、特に限定されないが、(A)成分の固形分100重量部に対し、0.01重量部〜1重量部、さらには0.02重量部〜0.9重量部であることが好ましい。
本発明では、(C)成分の混合量を少なくしても、速乾性に優れ、貯蔵安定性に優れる塗料組成物を得ることができる。
(C)成分の混合量が1重量部より多い場合、貯蔵安定性には優れるが、臭気が強くなり、塗装作業性や周辺環境上好ましくない。0.01重量部より少ない場合、速乾性や貯蔵安定性に劣る場合がある。
本発明の水性塗料組成物には、発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて通常塗料に用いられる公知の溶剤、着色顔料、体質顔料、骨材、繊維、可塑剤、防腐剤、防黴剤、消泡剤、粘性調整剤、レベリング剤、顔料分散剤、沈降防止剤、たれ防止剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、抗菌剤、吸着剤、光触媒等を、単独あるいは併用して配合することにより得ることができる。また、本発明の効果を損なわない程度であれば、1級アミノ基及び/または2級アミノ基を含有する化合物が含まれていてもよい。
溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールエタン、グリセリン等の多価アルコール類、セロソルブ、ブチルセロソルブ、イソブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート等のエステル類等があげられる。
着色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、酸化第二鉄(ベンガラ)、クロム酸鉛(モリブデートオレンジ)、黄鉛、黄色酸化鉄、オーカー、群青、コバルトグリーン等の無機系顔料、アゾ系、ナフトール系、ピラゾロン系、アントラキノン系、ペリレン系、キナクリドン系、ジスアゾ系、イソインドリノン系、ベンゾイミダゾール系、フタロシアニン系、キノフタロン系等の有機顔料が使用できる。また、重質炭酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、ホワイトカーボン、珪藻土等の体質顔料を使用することも可能である。
本発明の水性塗料組成物は、公知の配合処方により、上塗り塗料、複層塗材主材、防水形複層塗材主材、厚付仕上塗材、薄付仕上塗材、単層弾性塗材等あらゆる形態の塗料として用いることができる。
本発明の水性塗料組成物は、金属、ガラス、磁器タイル、コンクリート、サイディングボード、押出成形板、プラスチック等の各種素材、あるいは旧塗膜を有する各種素材の表面仕上げに使用することができ、主に建築物、土木構築物等の躯体の保護に使用するものである。この際、本発明の水性塗料組成物は、基材に直接塗装することもできるし、何らかの表面処理(下地処理等)を施した上に塗装することも可能であるが、特に限定されるものではない。塗装方法としては、ハケ塗り、スプレー塗装、ローラー塗装、ロールコーター、フローコーター等種々の方法により塗装することができる。さらには、建材表面に工場等においてプレコートすることも可能である。また、低温環境下や高湿度環境下においても、優れた速乾性を発揮することができるため、様々な用途に使用することができる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
(A)アニオン性官能基を有する合成樹脂エマルションの合成
(合成例A1)
モノマーとして、スチレンモノマー(12.8重量部)、メチルメタクリレート(18.0重量部)、2−エチルヘキシルアクリレート(18.0重量部)、アクリル酸(0.7重量部)、アクリルアミド(0.5重量部)、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(1.7重量部)、開始剤として過硫酸カリウム(0.3重量部)を使用し、窒素雰囲気下80℃で3時間、乳化重合を行った。pH2.5、固形分51%、平均粒子径140nmのエマルションA1を得た。
(合成例A2)
モノマーとして、スチレンモノマー(12.8重量部)、メチルメタクリレート(18.0重量部)、2−エチルヘキシルアクリレート(18.0重量部)、アクリル酸(0.7重量部)、アクリルアミド(0.5重量部)、乳化剤としてアクアロンHS−10(第一工業製薬株式会社製)(1.7重量部)、開始剤として過硫酸カリウム(0.3重量部)を使用し、窒素雰囲気下80℃で3時間、乳化重合を行った。pH2.5、固形分51%、平均粒子径150nmのエマルションA2を得た。
(合成例A3)
モノマーとして、スチレンモノマー(12.2重量部)、メチルメタクリレート(18.0重量部)、2−エチルヘキシルアクリレート(18.0重量部)、アクリル酸(0.7重量部)、ジアセトンアクリルアミド(1.0重量部)、乳化剤としてアクアロンHS−10(第一工業製薬株式会社製)(1.7重量部)、開始剤として過硫酸カリウム(0.3重量部)を使用し、窒素雰囲気下80℃で3時間、乳化重合を行った。その後、アジピン酸ジヒドラジド(0.5重量部)を添加し、pH4.5、固形分51%、平均粒子径150nmのエマルションA3を得た。
(合成例A4)
1段目モノマーとして、スチレンモノマー(8.0重量部)、メチルメタクリレート(11.0重量部)、2−エチルヘキシルアクリレート(5.0重量部)、グリシジルメタクリレート(1.0重量部)、
2段目モノマーとして、スチレンモノマー(4.3重量部)、メチルメタクリレート(7.0重量部)、2−エチルヘキシルアクリレート(13.0重量部)、アクリル酸(0.7重量部)、
乳化剤としてアクアロンHS−10(第一工業製薬株式会社製)(1.7重量部)、開始剤として過硫酸カリウム(0.3重量部)を使用し、窒素雰囲気下80℃で3時間、乳化重合を行い、pH4.5、固形分51%、平均粒子径155nmのコアシェルエマルションA4を得た。
(B)3級アミノ基及びポリアルキレンオキサイド基を有するウレタン化合物の合成
(合成例B1)
NCO含有率50.0%のヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)(22.2重量部)、平均分子量1000のポリエチレングリコール(66.0重量部)、N,N−ジメチルアミノエタノール (11.8重量部)、エタノール(2.0重量部)、ジブチルスズジラウリレート(0.05重量部)を使用し、酢酸ブチル溶液中で、窒素雰囲気下70℃で3時間反応させた。反応終了後、酢酸ブチルと未反応のエタノールを減圧留去し、ウレタン化合物B1を得た。
(合成例B2)
NCO含有率21.8%のヘキサメチレンジイソシアヌレート(46.7重量部)、平均分子量1000のポリエチレングリコール(43.8 重量部)、N,N−ジメチルアミノエタノール (5.2重量部)、エタノール(5.0重量部)、ジブチルスズジラウリレート(0.05重量部)を使用し、酢酸ブチル溶液中で、窒素雰囲気下70℃で3時間反応させた。反応終了後、酢酸ブチルと未反応のエタノールを減圧留去し、ウレタン化合物B2を得た。
(合成例B3)
NCO含有率21.8%のヘキサメチレンジイソシアヌレート(36.5重量部)、平均分子量1000のポリエチレングリコール(34.3 重量部)、N,N−ジメチルアミノエタノール (4.1重量部)、HLB 15のポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル(23.8重量部)、エタノール(2.0重量部)、ジブチルスズジラウリレート(0.05重量部)を使用し、酢酸ブチル溶液中で、窒素雰囲気下70℃で3時間反応させた。反応終了後、酢酸ブチルと未反応のエタノールを減圧留去し、ウレタン化合物B3を得た。
(合成例B4)
NCO含有率21.8%のヘキサメチレンジイソシアヌレート(79.3重量部)、エチレングリコール(4.6 重量部)、N,N−ジメチルアミノエタノール (8.8重量部)、エタノール(8.0重量部)、ジブチルスズジラウリレート(0.05重量部)を使用し、酢酸ブチル溶液中で、窒素雰囲気下70℃で3時間反応させた。反応終了後、酢酸ブチルと未反応のエタノールを減圧留去し、ウレタン化合物B4を得た。
(合成例B5)
NCO含有率21.8%のヘキサメチレンジイソシアヌレート(47.9重量部)、平均分子量1000のポリエチレングリコール(45.0 重量部)、エタノール(8.0重量部)、ジブチルスズジラウリレート(0.05重量部)を使用し、酢酸ブチル溶液中で、窒素雰囲気下70℃で3時間反応させた。反応終了後、酢酸ブチルと未反応のエタノールを減圧留去し、ウレタン化合物B5を得た。
(実施例1)
表1に示す配合で、エマルションA1、25%アンモニア水、ウレタン化合物B1、チタンペースト、造膜助剤、増粘剤、消泡剤を常法により混合・攪拌し、塗料1を作製した。作製した塗料1を用いて次の試験を行った。
1.貯蔵安定性試験
作製した塗料1を50℃の恒温槽に7日間貯蔵後、粘度変化を確認した。評価は次の通り。結果は表1に示す。
○:粘度変化20%未満
△:粘度変化20%以上30%未満
×:粘度変化30%以上
2.臭気試験
作製した塗料1から発生する臭気を官能試験により評価した。評価は以下の通り。結果は表1に示す。
○:臭気をほとんど感じない
×:臭気を著しく感じる
3.乾燥性試験
作製した塗料1を50℃の恒温槽に7日間貯蔵後、23℃、50%RH(以下、「標準状態」ともいう)にて、150×120×3mmの透明なガラス板にWET膜厚が150μmとなるようにアプリケーター引きし、水浸漬したときに、塗膜が流出しなくなるまでの時間を測定した。結果は表1に示す。
4.光沢度試験
作製した塗料1を150×120×3mmの透明なガラス板に、WET膜厚が150μmとなるようにアプリケーター引きし、標準状態で2日間乾燥養生後、60度の角度での光沢度を測定した。結果は表1に示す。なお光沢度の測定は、光沢度計(日本電色工業株式会社製)を用いておこなった。
5.耐熱黄変性試験
作製した塗料1を150×120×3mmの透明なガラス板に、WET膜厚が150μmとなるようにアプリケーター引きし、標準状態で2日間乾燥養生後、80℃雰囲気下に1週間放置した。このとき1週間放置前後の色相を測定し、1週間放置前後の色差(ΔE)を算出した。評価は次のとおりである。結果は表1に示す。なお、色差は、色差計(CM−3700d、ミノルタ株式会社製)を用いて行った。
○:ΔE:1.0未満
△:ΔE:1.0以上〜2.0未満
×:ΔE:2.0以上
(実施例2〜5、比較例1〜4)
表1に示す配合で塗料を作製し、実施例1と同様の試験を行った。結果は表1に示す。
Figure 0005072249

Claims (3)

  1. (A)アニオン性官能基を有する合成樹脂エマルション、
    (B)3級アミノ基及びポリアルキレンオキサイド基を有するウレタン化合物、
    (C)揮発性塩基、
    を含有し、
    (A)成分の固形分100重量部に対し、(B)成分0.1重量部〜10重量部、(C)成分0.01重量部〜1重量部を含有することを特徴とする水性塗料組成物。
  2. (A)成分がカルボキシル基を有する合成樹脂エマルションであり、(A)成分の固形分100重量部に対し、(D)エポキシ基を有する反応性化合物を0.1〜50重量部含有することを特徴とする請求項1に記載の水性塗料組成物。
  3. (A)成分がカルボキシル基及びエポキシ基を有する合成樹脂エマルションであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水性塗料組成物。
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