JP2006075682A - 汚染防止方法 - Google Patents

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隆司 岡本
Kenji Harada
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Abstract

【課題】本発明は、優れた付着性、汚染防止性を示し、塗膜の割れが防止され、かつ、装飾性壁面本来の意匠性、質感を長期に亘り維持できる装飾性壁面の汚染防止方法を提供する。
【解決手段】本発明の汚染防止方法は、(k)有機樹脂と(l)粉粒体を含み、有機樹脂が5重量%以上含まれる装飾性塗材から形成される装飾性壁面に、
(a)テトラアルコキシシラン化合物、(b)触媒、(c)水、(d)溶剤及び(e)有機樹脂を混合して得られる汚染防止剤を塗付することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、装飾性壁面の汚染防止方法に関するものである。
従来、建築物の壁面においては、種々の方法により美観性を施している。
例えば、近年では、天然石や着色骨材等の粉粒体と有機樹脂を含有する塗材を塗付して、大理石調、御影石調等の天然石調の意匠性を施す方法や、骨材や顔料等の粉粒体と有機樹脂を含有する塗材を用いて砂岩調、ライム調等の天然石調の雰囲気をかもしだす方法等があり、多くの建築物で採用されている。
これらの方法では、各種粉粒体の色調や質感、塗装方法等により独特の意匠性を有する装飾性壁面を表現することができるとともに、有機樹脂を含有することにより装飾性壁面の割れ等を防止することができる。
しかしながら、このような装飾性壁面は、有機樹脂を含有しているため汚染されやすく、装飾性壁面の意匠性や質感が維持できない場合があった。
このような問題に対し、装飾性壁面に、トップコート層を配置する方法(特許文献1参照)や、透明ないし半透明塗料を塗装する方法(特許文献2参照)等により、装飾性壁面の汚染を防止する方法がある。
しかしながらこのような方法では、装飾性壁面に形成された塗膜によって、装飾性壁面の艶等が変化し、装飾性壁面本来が有する意匠性や質感等が損なわれる場合があり、また、装飾性壁面の汚染を防止することが困難な場合もあり経時的に装飾性壁面の意匠性が損なわれ、建築物の美観性やイメージに悪影響を及ぼす場合があった。
建築物壁面の汚染防止性を向上する方法として、例えば特許文献3では、特定のオルガノシリケート加水分解反応物に水含有希釈剤を添加した汚染防止剤を塗付する方法が記載されている。
しかしながら、装飾性壁面は、通常凹凸を有する。このような凹凸面に、特許文献3のような汚染防止剤を塗付したとしても、膜厚にバラツキが生じてしまい、均一な膜厚で塗付することは難しい。このように膜厚にバラツキが生じた状態で乾燥した場合、塗膜に割れが生じやすくなる。また特許文献3の汚染防止剤では、ハジキ等が生じやすく、さらに、付着性に劣る場合もあり、塗膜が剥れ、装飾性壁面本来が有する意匠性や質感等が損なわれる場合があった。
特開平9−94913号公報 特開平11−62163号公報 特開2002−173642号公報
本発明は、上述のような問題点に鑑みなされたものであり、有機樹脂を含有する装飾性壁面に対し、特定組成の汚染防止剤を使用することによって、優れた付着性、汚染防止性を示し、塗膜の割れが防止され、かつ、装飾性壁面本来の意匠性、質感を長期に亘り維持できることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.(k)有機樹脂と(l)粉粒体を含み、有機樹脂が5重量%以上含まれる装飾性塗材から形成される装飾性壁面に、
(a)テトラアルコキシシラン化合物、(b)触媒、(c)水、(d)溶剤及び(e)有機樹脂を混合して得られる汚染防止剤を塗付することを特徴とする装飾性壁面の汚染防止方法。
2.(k)有機樹脂と(l)粉粒体を含み、有機樹脂が5重量%以上含まれる装飾性塗材から形成される装飾性壁面に、
(a)テトラアルコキシシラン化合物、(b)触媒、(c)水、(d)溶剤及び(e)有機樹脂を混合して得られ、その混合比率が(a)成分のSiO換算量100重量部に対し、(b)成分0.1〜10重量部、(c)成分100〜50000重量部、(d)成分100〜50000重量部、(e)成分1〜100重量部である汚染防止剤を塗付することを特徴とする1.に装飾性壁面の汚染防止方法。
3.(k)有機樹脂のガラス転移温度が、−20℃〜40℃であり、
(e)有機樹脂のガラス転移温度が、20℃〜80℃であり、
(e)有機樹脂のガラス転移温度が、(k)有機樹脂のガラス転移温度よりも高いことを特徴とする1.または2.に記載の装飾性壁面の汚染防止方法。
4.(k)有機樹脂及び(e)有機樹脂が、アクリル重合体を含むものであることを特徴とする1.から3.のいずれかに記載の装飾性壁面の汚染防止方法。
5.(e)有機樹脂が、第4級カチオン塩基含有重合体を含むものであることを特徴とする1.から4.のいずれかに記載の装飾性壁面の汚染防止方法。
本発明の汚染防止方法では、(k)有機樹脂と(l)粉粒体を含む装飾性塗材から形成される装飾性壁面に、(a)テトラアルコキシシラン化合物、(b)触媒、(c)水、(d)溶剤及び(e)有機樹脂を混合して得られる汚染防止剤を塗付することによって、優れた付着性、汚染防止性を示し、塗膜の割れが防止され、かつ、装飾性壁面本来の意匠性、質感を長期に亘り維持できる装飾性壁面を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態とともに詳細に説明する。
本発明の汚染防止方法は、(k)有機樹脂(以下、「(k)成分」ともいう。)と(l)粉粒体(以下、「(l)成分」ともいう。)を含む装飾性塗材から形成される装飾性壁面に、(a)テトラアルコキシシラン化合物(以下、「(a)成分」ともいう。)に、(b)触媒(以下、「(b)成分」ともいう。)、(c)水(以下、「(c)成分」ともいう。)、(d)溶剤(以下、「(d)成分」ともいう。)及び(e)有機樹脂(以下、「(e)成分」ともいう。)を混合して得られる汚染防止剤を塗付することを特徴とする。
装飾性塗材は、(k)有機樹脂と(l)粉粒体を含むものであり、装飾性壁面を形成するものである。
(k)有機樹脂としては、特に限定されないが、例えば、セルロース、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、アクリル・酢酸ビニル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂、アクリル・シリコン樹脂、エチレン・酢酸ビニル・ベオバ樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエンゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム等の合成ゴムラテックス、天然ゴムラテックス等、あるいはこれらの複合系等が挙げられ、これらの水可溶型、水分散型、溶剤可溶型、無溶剤型、非水分散型、粉末型、加熱溶融型等の有機樹脂が挙げられる。
(k)有機樹脂としては、特に、アクリル重合体を含むものであることが好ましい。アクリル重合体とは、アクリルモノマーを含有するモノマー群を重合して得られる重合体のことであり、具体的に、アクリルモノマーの含有量は、モノマー群全量に対し、10重量%以上、好ましくは20重量%以上であることが好ましい。このような重合体を含むことにより、塗膜の弾性を向上させ、装飾性壁面の割れを防止することができる。
アクリルモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、n一アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オキチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ドデセニル(メタ)アクリレート、オタタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−フェニルエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、4−メトキシブチル(メタ)アクリレート等のアルキルアクリルモノマー;
グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有アクリルモノマー;
(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有アクリルモノマー;
ダイアセトンアクリルアミド等のカルボニル基含有アクリルモノマー;
アミノメチル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、アミノブチル(メタ)アクリレート、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、メチルエチルアミノ(メタ)アクリレート等のアミノ基含有アクリルモノマー;
N−メチロ−ル(メタ)アクリルアミド等のメチロール基含有アクリルモノマー;
(メタ)アクリルアミド、N−モノアルキル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N、N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、2−(ジメチルアミノ)エチル(メタクリレート)、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メタ)アクリルアミド等のアミド基含有アクリルモノマー;
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリグリセロールジ(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有アクリルモノマー;
トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリエトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート等のアルコキシシリル基含有アクリルモノマー等が挙げられ、これらのうち、1種または2種以上を複合して用いてもよい
また、モノマー群としては、アクリルモノマー以外に、その他のモノマーを含有していてもよい。その他のモノマーとしては、例えば、ジグリシジルフマレート、3,4−エポキシビニルシクロヘキサン、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有モノマー;
クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、イソクロトン酸、サリチル酸、けい皮酸等のカルボキシル基含有モノマー;
アクロレイン、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン等のカルボニル基含有モノマー
ブチルビニルベンジルアミン、ビニルフェニルアミン、p−アミノスチレン、N−〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ピペリジン、N−〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ピロリジン、N−〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕モルホリン、4−〔N,N−ジメチルアミノ〕スチレン、4−〔N,N−ジエチルアミノ〕スチレン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のアミノ基含有モノマー;
マレイン酸アミド、ビニルアミド等のアミド基含有モノマー;
スチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニルモノマー;
フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン系モノマー;
アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル基含有モノマー;
エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルエーテル、ビニルケトン、シリコーンマクロマー等のモノマー等が挙げられ、これらのうち、1種または2種以上を複合して用いてもよい。
本発明の有機樹脂は、前記モノマー群を公知の重合法にて、重合し、製造することができる。重合法としては、例えば、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法、溶液重合法、酸化還元重合法等で製造することができ、必要に応じ、多段階重合で製造することもできる。この際に、必要に応じ、適宜、溶媒、開始剤、乳化剤、分散剤、連鎖移動剤、重合禁止剤、緩衝剤、pH調整剤等またはその他の添加剤等を加えることができる。
(k)有機樹脂のガラス転移温度は、特に限定されないが、−20℃〜40℃、さらには−10℃〜30℃であることが好ましい。このような範囲であることにより、密着性、造膜性に優れ、装飾性壁面の割れを防止することができる。
なお、ガラス転移温度は、フォックス(FOX)の式より計算される値である。例えば、モノマー(1)及びモノマー(2)からなる2成分系において、それぞれのホモポリマーのガラス転移点Tg(1)およびTg(2)が分かっている場合には、該モノマー(1)及び(2)の2成分からなる共重合体のガラス転移点Tgは、次式に示すフォックス(FOX)の式(2成分)により計算値として求めることができる。
1/Tg=W(1)/Tg(1)+W(2)/Tg(2)
(但し、W(1)+W(2)=1、W(1):モノマー(1)の重量分率、W(2):モノマー(2)の重量分率、Tg(1):モノマー(1)のホモポリマーのTg値(単位:K)、Tg(2):モノマー(2)のホモポリマーのTg値(単位:K))
本発明におけるポリマーのTg値は上記の式を多成分系に一般化した式により計算したものである。
(l)粉粒体としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、黒色酸化鉄、酸化クロム、鉄黒、銅クロムブラック、コバルトブラック、銅マンガン鉄ブラック、べんがら、モリブデートオレンジ、黄色酸化鉄、チタンイエロー、クロムグリーン、コバルトグリーン、群青、紺青、コバルトブルー、アルミニウム顔料、パール顔料等の無機顔料、パーマネントレッド、パーマネントカーミン、アントラキノンレッド、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、ファーストイエロー、ベンツイミダゾロンイエロー、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、キナクリドンバイオレット、ジオキサジンバイオレット等の有機顔料、
珪砂、砕石、重質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、陶土、チャイナクレー、タルク、バライト粉、寒水石、ガラスビーズ、樹脂ビーズ、金属粒、シリカゲル、ゼオライト、アルミナ、アロフェン、珪藻土、珪質頁岩、セピオライト、アタバルジャイト、モンモリロナイト、ゾノライト、イモゴライト、貝殻粉、大谷石粉、活性白土、炭、活性炭、木粉、砂利、多孔質合成樹脂粒等またはこれらを顔料、染料、釉薬等で表面処理したもの等、
また、天然石、貝殻、珊瑚、木材、マイカ、陶磁器片、金属片、繊維、ガラス、ゴム、コンクリート、モルタル、プラスチック等の粉砕物等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
特に、本発明では、無機系の粉粒体を用いることが好ましい。無機系の粉粒体を用いることにより、後述する汚染防止剤との、密着性を高めることができる。
このような粉粒体の粒子径は、特に限定されないが、通常0.05μm以上5.0mm以下、好ましくは0.1μm以上3.0mm以下程度であればよい。
本発明の装飾性壁面は、(l)粉粒体の色彩と、(l)粉粒体による凹凸とにより、立体感のある意匠性、独自の質感をかもしだす装飾性壁面を形成することが可能である。特に、(l)粉粒体の粒子径が、好ましくは0.1mm以上5.0mm以下、さらに好ましくは0.5mm以上3.0mm以下程度のものを用いれば、(l)粉粒体による凹凸を有する立体感のある意匠性が形成しやすい。
(k)有機樹脂と(l)粉粒体との混合比率は、装飾性塗材全体に対し、(k)有機樹脂が5重量%以上(好ましくは6重量%以上50重量%以下、さらに好ましくは7重量%以上40重量%以下)含まれていれば、特に限定されない。(k)有機樹脂が5重量%以上含むことによって、装飾性塗材の割れを防止することができる。
具体的には、(k)有機樹脂と(l)粉粒体との混合比率は、(k)有機樹脂の固形分100重量部に対し、(l)粉粒体10重量部以上1200重量部以下、(l)粉粒体30重量部以上1000重量部以下、さらには50重量部以上900重量部以下、さらには100重量部以上800重量部以下であることが好ましい。
また装飾性塗材としては、上記成分以外に、例えば、染料、増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、可塑剤、凍結防止剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、難燃剤、分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、架橋剤、防虫剤、難燃剤、化学物質吸着剤、吸放湿性物質、香料、触媒、光触媒、溶剤、水等の添加剤を混合することもできる。
本発明では、建築物壁面として適用可能な基材に対して、前記装飾性塗材を塗付し、装飾性壁面を形成することができる。
このような基材としては、例えば、石膏ボード、合板、コンクリート、モルタル、磁器タイル、繊維混入セメント板、セメント珪酸カルシウム板、スラグセメントパーライト板、石綿セメント板、ALC板、サイディング板、押出成形板、鋼板、プラスチック板等が挙げられる。これら基材の表面は、何らかの表面処理(例えば、シーラー、サーフェーサー、フィラー等)が施されたものでもよく、既に塗膜が形成されたものや、既に壁紙が貼り付けられたもの等であってもよい。
具体的に、装飾性壁面を形成する方法としては、(k)有機樹脂と(l)粉粒体を含む装飾性塗材を、ローラー、スプレー、刷毛、こて、へら等の公知の塗装器具を用いて塗付すればよく、工場等で予め装飾性壁面を形成してもよいし、現場で直接塗装することも可能である。この際、必要に応じ、装飾性塗材が乾燥する前に、ローラー、刷毛、くし、こて、へら等を用いて凹凸を有する立体感のある模様を装飾性壁面に形成することも可能である。
また、予め型枠工法等により作製した装飾性建材(シートや壁紙等)を貼着する方法によって、装飾性壁面を形成することも可能である。
このような装飾性壁面としては、例えば、御影石調、大理石調、砂岩調、ライム調等の天然石調の装飾性壁面、土壁調、砂壁調等の装飾性壁面、また、木目調、小波調、ウェーブ調等の凹凸パターンを形成した装飾性壁面等が挙げられる。
本発明の装飾性壁面は、主に建築物の外壁面に形成されるものであるが、屋根、屋上、床、内壁面等にも適用可能である。
本発明の装飾性壁面は、前述したように、粉粒体による凹凸や、塗装による凹凸を施すことによって、立体感のある模様を装飾性壁面に形成することが可能である
具体的に凹凸の程度としては、特に限定されず適宜設定すればよいが、凹部と凸部の差が、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.1mm以上5.0mm以下、さらに好ましくは0.5mm以上3.0mm以下程度とすればよい。
また、装飾性壁面の膜厚は、特に限定されず適宜設定すればよいが、通常0.1mm以上10mm以下、さらには0.5mm以上5mm以下程度とすることが好ましい。
本発明の汚染防止方法は、前述のような装飾性壁面に、(a)テトラアルコキシシラン化合物、(b)触媒、(c)水、(d)溶剤及び(e)有機樹脂を混合して得られる汚染防止剤を塗付することを特徴とするものである。
(a)成分としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラsec−ブトキシシラン、テトラt−ブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン等、あるいはこれらの縮合物が挙げられる。
このうち、本発明における(a)成分としては、テトラメトキシシラン及び/またはその縮合物が好適に用いられる。
本発明では、(a)成分以外のアルコキシシラン化合物を併用することもできる。このようなアルコキシシラン化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン等、あるいはこれらの縮合物が挙げられる。また、カルボキシル基、水酸基、スルホン基、オキシアルキレン基等を含有するアルコキシシラン化合物を使用することもできる。
(b)触媒は、(a)成分の加水分解反応に作用する成分である。具体的には、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸;酢酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の有機酸;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、アミン化合物等のアルカリ触媒;ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオクチエート、ジブチルスズジアセテート等の有機スズ化合物;アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)等の有機アルミニウム化合物;チタニウムテトラキス(アセチルアセトネート)等の有機チタニウム化合物;ジルコニウムテトラキス(セチルアセトネート)等の有機ジルコニウム化合物;ホウ酸等のホウ素化合物等が挙げられる。
(b)成分の混合量は、(a)成分のSiO換算量100重量部に対して、0.1〜10重量部、望ましくは0.5〜5重量部である。(b)成分が0.1重量部より少ない場合は、形成塗膜の親水性が十分に発現されないおそれがある。10重量部を超える量では、混合量に見合う効果発現が望めない。
ここでSiO換算量とは、アルコキシシラン化合物等のSi−O結合をもつ化合物を、完全に加水分解した後に、900℃で焼成した際にシリカ(SiO)となって残る重量分にて表したものである。
一般に、アルコキシシラン化合物等は、水と反応して加水分解反応が起こりシラノールとなり、さらにシラノール同士やシラノールとアルコキシにより縮合反応を起こす性質を持っている。この反応を究極まで行うと、シリカ(SiO)となる。これらの反応は
RO(Si(OR)O)R+(n+1)HO→nSiO+(2n+2)ROH
(Rはアルキル基を示す。nは整数。)
という反応式で表される。本発明におけるSiO換算量は、この反応式をもとにシリカ成分の量を換算したものである。
(c)水の混合量は、(a)成分のSiO換算量100重量部に対して、100〜50000重量部、望ましくは500〜10000重量部である。このような混合量であることにより、(c)成分との反応より生成する(a)成分のシラノール基の縮合反応が抑制され、形成塗膜が十分な親水性を発現することが可能となる。(c)成分の混合量が、100重量部より少ない場合は、汚染防止剤の貯蔵安定性が確保し難く、また形成塗膜における親水性発現効果も低下する。50000重量部より多い場合は、形成塗膜における親水性発現効果を得ることが困難となる。
(d)溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等のアルコール類、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコール誘導体の他、炭化水素類、エステル類、ケトン類、エーテル類等が挙げられる。このうち、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルから選ばれる1種以上が、汚染防止剤の貯蔵安定性及び形成塗膜の親水性発現性の点から好適に用いられる。
(d)成分の混合量は、(a)成分のSiO換算量100重量部に対して、100〜50000重量部、望ましくは500〜10000重量部である。(d)成分が100重量部より少ない場合は、上述の(a)、(b)、(c)成分を均一に溶解させることが困難となる。50000重量部より多い場合は、形成塗膜における親水性発現効果を得ることが困難となる。
(e)有機樹脂としては、例えば、セルロース、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、アクリル・酢酸ビニル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂、アクリル・シリコン樹脂、エチレン・酢酸ビニル・ベオバ樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエンゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム等、あるいはこれらの複合系等が挙げられ、これらの水可溶型、水分散型、溶剤可溶型、無溶剤型、非水分散型、粉末型等の有機樹脂が挙げられ、このうち水可溶型、水分散型の有機樹脂、特に水可溶型の有機樹脂が好ましい。
(e)有機樹脂としては、特に、アクリル重合体を含むものであることが好ましい。アクリル重合体とは、アクリルモノマーを含有するモノマー群を重合して得られる重合体のことであり、具体的に、アクリルモノマーの含有量は、モノマー群全量に対し、10重量%以上、好ましくは20重量%以上であることが好ましい。このような重合体を含むことにより、前述した装飾性壁面との密着性を向上させるとともに、塗膜の可とう性を向上させ、塗膜の割れを防止することができる。
アクリルモノマーとしては、前述した(k)有機樹脂におけるアクリルモノマーを使用することができる。さらに、アクリルモノマー以外のその他のモノマーとしては、前述した(k)有機樹脂におけるその他のモノマーを使用することができる。
(e)有機樹脂としては、第4級カチオン塩基含有重合体を含むものも好ましい。このような第4級カチオン塩基含有重合体が含まれることにより、塗付時におけるハジキ防止性をいっそう高めることができる。さらに第4級カチオン塩基含有重合体は、形成塗膜の親水性の点においても好ましいものである。
さらに、第4級カチオン塩基含有重合体は形成塗膜の外観にも悪影響を与えない。したがって、本発明の汚染防止剤では、曇りや艶の変化等を抑えることができ、装飾性壁面本来が有する意匠性や質感等を、長期に亘り維持することができる。
第4級カチオン塩基含有重合体における第4級カチオン塩基としては、第4級アンモニウム塩基、第4級イミダゾリウム塩基、第4級ホスホニウム塩等が挙げられる。この中でも、特に第4級アンモニウム塩基が好適である。
第4級カチオン塩基含有重合体は、重合体を構成するモノマー成分として、(p)第4級カチオン塩基含有モノマー(以下「(p)成分」という)を使用することによって得ることができる。また、(q)第4級カチオン塩基が生成可能なモノマー(以下「(q)成分」という)を使用して重合体を得た後、(q)成分の官能基を4級化することによって得ることもできる。
なお、(p)成分は、重合前に(q)成分を予め4級化することによって得ることができる。
第4級カチオン塩基含有重合体は、(p)成分及び/または(q)成分を、(r)これらと共重合可能なその他のモノマー(以下「(r)成分」という)とともに共重合したものでもよいし、(p)成分及び/または(q)成分のみからなる重合体でもよい。
(p)成分、(q)成分は、第4級カチオン塩基含有重合体を構成するモノマー成分中に合計3重量%以上(好ましくは10重量%以上100重量%以下、より好ましくは15重量%以上80重量%以下、最も好ましくは20重量%以上50重量%以下)含まれることが望ましい。このような比率であれば、ハジキ防止性及び耐汚染性の両面において、より優れた効果を得ることができる。
(p)成分としては、第4級カチオン塩基と重合性不飽和結合とを有するものが使用できる。このうち第4級アンモニウム塩基含有単量体としては、例えば、ジメチルアミノエチルアクリレート4級化物、ジエチルアミノエチルアクリレート4級化物、ジメチルアミノエチルメタクリレート4級化物、ジエチルアミノエチルメタクリレート4級化物、メチルエチルアミノアクリレート4級化物、メチルエチルアミノエチルメタクリレート4級化物、ジメチルアミノスチレン4級化物、ジエチルアミノスチレン4級化物、メチルエチルアミノスチレン4級化物等を挙げることができる。これらは1種または2種以上で使用することができる。
(q)成分としては、4級化によって第4級カチオン塩基が生成可能な官能基と重合性不飽和結合とを有するものが使用できる。このうち第4級アンモニウム塩基が生成可能なモノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、メチルエチルアミノ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノスチレン、ジエチルアミノスチレン、メチルエチルアミノスチレン等を挙げることができる。これらは1種または2種以上で使用することができる。
(q)成分の4級化は公知の方法によればよい。4級化剤としては、例えば、ベンジルクロライド、塩化メチル、塩化エチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、硫酸ジエチル、硫酸ジメチル、トルエンスルホン酸メチル、トルエンスルホン酸エチル、メタンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸エチル等が挙げられる。
(r)成分としては、前述した、アクリルモノマー、アクリルモノマー以外のその他のモノマーを使用することができる。
本発明の(e)有機樹脂は、前記モノマー群を公知の重合法にて、重合し、製造することができる。重合法としては、例えば、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法、溶液重合法、酸化還元重合法等で製造することができ、必要に応じ、多段階重合で製造することもできる。この際に、必要に応じ、適宜、溶媒、開始剤、乳化剤、分散剤、連鎖移動剤、重合禁止剤、緩衝剤、pH調整剤等またはその他の添加剤等を加えることができる。
(e)有機樹脂のガラス転移温度としては、特に限定されないが、20℃〜80℃、さらには30℃〜70℃であり、前記(k)有機樹脂のガラス転移温度よりも高いことが好ましく、さらには10℃以上、さらには20℃以上高いことが好ましい。このような範囲であることにより、汚染防止性、密着性、造膜性に優れ、塗膜の割れを防止することができる。
ガラス転移温度が高すぎると、塗膜の割れが発生するおそれがあり、低すぎると、汚染防止性に劣る場合がある。また(e)有機樹脂のガラス転移温度が、(k)有機樹脂のガラス転移温度よりも低いと、汚染防止性に劣る場合がある。
(e)成分の混合量は、(a)成分のSiO換算量100重量部に対して、固形分換算で1〜100重量部、望ましくは5〜50重量部である。(e)成分が1重量部より少ない場合は、被膜を均一に塗付形成することが困難となる。100重量部より多い場合は、耐水性等の塗膜物性に悪影響を及ぼすおそれがある。
本発明の汚染防止剤では、上述の(a)〜(e)成分に加え、さらに(f)粒子径3〜100nmの金属酸化物ゾル(以下「(f)成分」という)が含まれることが望ましい。(f)成分の配合によって、汚染防止性をいっそう高めることができる。
このような(f)成分は、金属酸化物からなるコロイド粒子が溶媒中に分散しているコロイド溶液である。
(f)成分における金属成分としては、例えば、珪素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、アンチモン、マグネシウム等が挙げられる。この中でも、金属成分が珪素であるシリカゾルが好適である。
溶媒としては、水及び/または有機溶剤が使用可能であるが、貯蔵安定性等の点において有機溶媒が好適である。有機溶媒の具体例としては、例えば、メタノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、エチルセロソルブ、ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
(f)成分の粒子径は3〜100nm、望ましくは5〜80nmである。(f)成分の粒子径が小さすぎる場合は汚染防止効果が得られ難く、粒子径が大きすぎる場合は塗膜の鮮映性が損なわれるおそれがある。なお、本発明における粒子径は、動的光散乱法によって測定される値である。
(f)成分の混合量は、(a)成分のSiO換算量100重量部に対して、固形分換算で5〜1000重量部、望ましくは10〜300重量部である。このような混合量であれば、十分な汚染防止効果を得ることができる。
本発明の汚染防止剤では、本発明の効果を阻害しない範囲内において、上述の成分以外の成分を混合することもできる。このような成分としては、例えば、顔料、染料、増粘剤、レベリング剤、湿潤剤、可塑剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、界面活性剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を挙げることができる。
本発明の汚染防止剤は、上述の各成分を所定比率内で均一に混合することによって得ることができる。各成分の配合順序については特に限定されないが、通常は(a)〜(e)成分の混合液に対して(f)成分等を配合すればよい。
混合時の温度についても特に限定されない。通常は常温で混合すればよい。
本発明汚染防止剤を、装飾性壁面に塗付する際には、紙、布、不織布等に含浸して拭き塗りする方法の他、スプレー、ローラー、刷毛、ロールコーター、フローコーター等を用いて塗付する方法等を採用することができる。
汚染防止剤の乾燥膜厚としては、通常0.01〜10μm程度であることが好ましい。このような範囲であれば、装飾性壁面本来の意匠性、質感を損なうことなく、長期に亘り維持することができる。特に本発明では、装飾性壁面が、凹凸を有する装飾性壁面であったとしても、汚染防止剤を均一に塗付することができ、優れた付着性示し、また、膜厚にバラツキが生じても塗膜の割れを防止し、優れた汚染防止性が付与され、かつ、装飾性壁面本来の意匠性、質感を長期に亘り維持することができる。
また、汚染防止剤の塗膜表面の水に対する接触角は、好ましくは70°以下、さらに好ましくは50°以下、より好ましくは30°以下である。このような汚染防止剤により形成される塗膜は、大気中の塵埃等の汚染物質が付着した場合においても、これら汚染物質を降雨等で洗い流すことができる。
また、本発明汚染防止剤は、装飾性壁面に直接塗付することもできるし、本発明の効果を損なわない程度に、何らか下塗材の塗装を行った後に塗付することもできる。下塗材としては、ポリエーテル変性ポリシロキサン化合物を含有する下塗材が好ましい。
このような汚染防止剤を装飾性壁面に塗付することにより、装飾性壁面表面に親水性が発現され、十分な汚染防止効果が得られる。また、本発明の汚染防止剤は、均一に塗付することができ、凹凸を有する装飾性壁面本来の意匠性、質感等を損なわず長期に亘り維持することができる。
また本発明の装飾性壁面として、透湿性や化学物質吸着・分解性等の機能性を有する装飾性壁面にも適用することができる。本発明の汚染防止剤は、均一に塗付することができるため、装飾性壁面のもつ意匠性や質感はもちろんのこと、透湿性や化学物質吸着・分解性といった機能性も損なうことがない。よって、このような機能性を、長期に亘り維持することが可能である。特に、水蒸気透過度が30g/m以上であるような透湿性を有する装飾性壁面に対しても適用可能である。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
(汚染防止剤Aの製造)
テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(平均分子量500、SiO比率51重量%)をSiO換算で100重量部用意し、これにアルミニウムトリス(アセチルアセトネート)を0.5重量部、エタノールを5400重量部、及び水を7500重量部混合して約30分間攪拌した後、さらに第4級カチオン塩基含有重合体(メチルアクリレート−エチルアクリレート−ポリグリセロールジアクリレート−ジメチルアミノエチルメタクリレート4級化物の共重合体水溶液、全単量体中のジメチルアミノエチルメタクリレート4級化物の比率28重量%、固形分30重量%、ガラス転移温度40℃)を固形分換算で13重量部均一に混合することにより汚染防止剤Aを得た。
(汚染防止剤Bの製造)
テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(平均分子量500、SiO比率51重量%)をSiO換算で100重量部用意し、これにアルミニウムトリス(アセチルアセトネート)を0.5重量部、エタノールを5400重量部、及び水を7500重量部混合して約30分間攪拌した。次いで、第4級カチオン塩基含有重合体(メチルアクリレート−エチルアクリレート−ポリグリセロールジアクリレート−ジメチルアミノエチルメタクリレート4級化物の共重合体水溶液、全単量体中のジメチルアミノエチルメタクリレート4級化物の比率28重量%、固形分30重量%、ガラス転移温度40℃)を固形分換算で13重量部混合し、さらにシリカゾル(固形分30重量%、粒子径10〜20nm、分散媒:イソプロピルアルコール)を固形分換算で100重量部混合することにより汚染防止剤Bを得た。
(汚染防止剤Cの製造)
テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(平均分子量500、SiO比率51重量%)をSiO換算で100重量部用意し、これにアルミニウムトリス(アセチルアセトネート)を0.5重量部、エタノールを5400重量部混合して約30分間攪拌することにより汚染防止剤Cを得た。
(装飾性壁面Aの製造)
30×30cmのスレート板に、エポキシ樹脂系下塗材を塗付量0.15kg/mにて塗付し、標準状態(温度23℃・相対湿度50%)で3時間乾燥後、塗材A−1(有機樹脂13.8重量%)(アクリル樹脂エマルション(固形分50重量%、ガラス転移温度6℃)200重量部、着色骨材(赤色珪砂:黄色珪砂=1:1の混合物、粒径0.05〜1mm)500重量部、セルロース系増粘剤3重量部、造膜助剤(2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート)20重量部、シリコーン系消泡剤3重量部を混合・攪拌)を塗付量3kg/mで小波状にローラー塗りし、標準状態で168時間養生した。このとき凹部と凸部の差が約2.0mm程度あり、自然石調の意匠性を有する装飾性壁面Aが得られた。
(実施例1)
装飾性壁面Aの表面に、汚染防止剤Aを塗付量30g/mでスプレー塗装し、標準状態で24時間乾燥させることにより試験体を作製した。得られた試験体について次の試験を行った。結果は表1に示す。
1.塗膜外観
汚染防止剤A塗付前後の装飾性壁面Aの外観を目視し、塗膜割れ、意匠性、質感の変化を観察した。評価は、塗膜に割れがなく、意匠性、質感がほぼ変化しないものを○、塗膜に割れが生じたもの、あるいは、意匠性、質感に変化が生じ外観のイメージが変化したものを×、とした。
2.耐汚染性
得られた試験体を、大阪府茨木市で南面を向くように設置して、屋外暴露を実施し、3ヶ月後の汚れの有無を目視にて評価した。評価は、汚れがみられないものを「◎」、汚れが試験体全体にみられるものを「×」する4段階(◎>○>△>×)で行った。
なお、得られた試験体表面の水に対する接触角を、CA−A型接触角測定装置(協和界面科学株式会社製)にて測定(測定温度23℃)したところ、28°であった。
(表1)
───────────────────────────────
│ │実施例1│実施例2│実施例3│比較例1│比較例2│
───────────────────────────────
│塗膜外観│ ○ │ ○ │ ○ │ × │ ─ │
───────────────────────────────
│耐汚染性│ ○ │ ◎ │ ◎ │ △ │ × │
───────────────────────────────
(実施例2)
装飾性壁面Aの表面に、汚染防止剤Bを塗付量30g/mでスプレー塗装し、標準状態で24時間乾燥させることにより試験体を作製した。得られた試験体について実施例1と同様の試験を行った。結果は表1に示す。
(比較例1)
装飾性壁面Aの表面に、汚染防止剤Cを塗付量30g/mでスプレー塗装し、標準状態で24時間乾燥させることにより試験体を作製した。得られた試験体について実施例1と同様の試験を行った。結果は表1に示す。
(比較例2)
装飾性壁面Aについて実施例1と同様の試験を行った。結果は表1に示す。

Claims (4)

  1. (k)有機樹脂と(l)粉粒体を含み、有機樹脂が5重量%以上含まれる装飾性塗材から形成される装飾性壁面に、
    (a)テトラアルコキシシラン化合物、(b)触媒、(c)水、(d)溶剤及び(e)有機樹脂を混合して得られる汚染防止剤を塗付することを特徴とする装飾性壁面の汚染防止方法。
  2. (k)有機樹脂と(l)粉粒体を含み、有機樹脂が5重量%以上含まれる装飾性塗材から形成される装飾性壁面に、
    (a)テトラアルコキシシラン化合物、(b)触媒、(c)水、(d)溶剤及び(e)有機樹脂を混合して得られ、その混合比率が(a)成分のSiO換算量100重量部に対し、(b)成分0.1〜10重量部、(c)成分100〜50000重量部、(d)成分100〜50000重量部、(e)成分1〜100重量部である汚染防止剤を塗付することを特徴とする請求項1に装飾性壁面の汚染防止方法。
  3. (k)有機樹脂のガラス転移温度が、−20℃〜40℃であり、
    (e)有機樹脂のガラス転移温度が、20℃〜80℃であり、
    (e)有機樹脂のガラス転移温度が、(k)有機樹脂のガラス転移温度よりも高いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の装飾性壁面の汚染防止方法。
  4. (k)有機樹脂及び(e)有機樹脂が、アクリル重合体を含むものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の装飾性壁面の汚染防止方法。
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