JP7301733B2 - 印刷用シート - Google Patents
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Description
前記印刷層は、更に、カルボン酸カルシウム塩を含有していることを特徴とするインクジェット印刷用シートが提供される。
(2)前記印刷層における前記カルボン酸カルシウム塩の含有割合が、1~5質量%の量であること、
(3)前記カルボン酸カルシウム塩は、20℃における水に対する溶解度が3g/100g-水以上であること、
(4)前記有機バインダーがアクリル樹脂であること、
が好適である。
基材シート1は、その表面に水酸化カルシウムを含む印刷層3が形成できるものであれば、特に制限されず、任意の材料で形成されていてよい。例えば、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリ(メタ)アクリレート等のビニル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂などの各種の樹脂シート~樹脂フィルム、或いは紙などからなっていてもよいし、また、ガラス繊維、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、アクリル繊維、アラミド繊維、カーボン繊維等の繊維状物からなる織布または不織布であってもよく、さらには、これらの複合体、積層フィルムあるいはシートであってもよい。
本発明において、印刷層3は、水酸化カルシウム、有機バインダー及びカルボン酸カルシウム塩を含むものであり、一般には、水酸化カルシウムの粉末と水との混練物に有機バインダー及びカルボン酸カルシウム塩を加えたスラリー状物(以下、「原料スラリー」と称する場合がある)を、基材シート1の表面にコーティングして形成される。
また、印刷層3は、無機粒子(水酸化カルシウムや炭酸カルシウムの粒子)から形成されているため、比較的脆く、外部からの圧力によって傷が付いたりして商品価値が低下するおそれがある。従って、印刷用シートの製造直後から一般需要者による印刷時までの間に印刷層3の表面を保護するために、印刷層3の上面に、保護シート5を設けることもできる。この保護シート5は、印刷時には引き剥がされるものであるが、引き剥がしに際して印刷層3の表面の一部を脱落させて表面に顕著な凹凸を形成させるという機能を有するものであるため、例えば、200~4000mN/25mm、特に、800~2000mN/25mmの剥離強度で設けられているのがよい。即ち、剥離強度が過度に高いと、印刷時に保護シート5を引き剥がすことが困難となってしまい、また、剥離強度があまり低いと、保護シート5を剥がしたときに印刷層3の表面に十分な大きさの凹凸を形成することが困難となるおそれがあるからである。
上述した本発明の印刷用シートは、印刷層3を形成するための水酸化カルシウム、水及び有機バインダーとを含む原料スラリーに、前述したカルボン酸カルシウム塩を配合しておくことを除けば、それ自体公知の特許文献6に開示されている印刷用シートと同様の方法により製造することができる。
上記のようにして得られる本発明の印刷用シートは、適宜設けられている保護シート5を貼着した状態、或いは、保護シート5を剥がした状態で製品として市販に供されるが、印刷層3は、これを大気中に放置しておくと、水酸化カルシウムの炭酸化が進行していくため、印刷適性(例えば画像の浸透・固定性)などが低下してしまう。このような不都合を回避するため、印刷時点まで、炭酸化を抑制しておく必要がある。
親水性は、JIS R 3257にしたがって、印刷層3の表面に純水を滴下し、その時の接触角を測定することにより評価した。
測定温度:25℃
測定湿度:50%RH
インクジェットプリンタ(キヤノン製PIXUS PRO-10、顔料が分散された水性インク使用)により、実験例に示す条件で作製した印刷用シートの表面に、直径10mmの円の画像を印刷した。得られた印刷画像(円画像)を市販のカラースキャナーでデジタル画像としてパーソナルコンピュータに読み込み、画像処理ソフトを用いて、転写された色のピクセル数を測定し、印刷ソフト(アドビシステムズ製PHOTOSHOP(登録商標))で設定したピクセル数と比較することにより、下記式により滲み率(SR)を算出した。
SR:滲み率(-);通常1以上、滲みが多いと数値が大きくなる。
P1:印刷画像のピクセル数(ピクセル)
P0:印刷ソフトで設定した画像のピクセル数(ピクセル)
各実験例で作製された印刷用シート(A4サイズ)を用意した。各印刷用シートにインクジェットプリンタ(エプソン製PX-H10000型、顔料が分散された水溶性インク使用)を用いて、黄、赤、青、黒の4色(濃度=100%)を各8cm×10cmの大きさに印刷した印刷用シートを各2枚ずつ用意した。
尚、色の変化が大きいとこの値が大きくなる。
△E2:赤の領域における紫外線照射部分と未照射部分の色差
△E3:青の領域における紫外線照射部分と未照射部分の色差
△E4:黒の領域における紫外線照射部分と未照射部分の色差
耐候性試験で得られた黒の印刷領域のL*値(明度)を印刷濃度の指標とした。L*値が低いほど黒の色濃度が高いと判断する。
ケント紙:リンテック株式会社製「コニ―ケント157」(厚み:0.15mm、目つけ量:157g/m2)
水酸化カルシウム:宇部マテリアルズ製「高純度消石灰CH」(平均粒子径(d50):7.5μm)
アクリル樹脂エマルジョン:旭化成工業株式会社製「ポリトロン」(固形分:40質量%、コモノマー含量:25質量%、)
A:プロピオン酸カルシウム:富士フイルム和光純薬株式会社製(20℃における水に対する溶解度:10g/100g-水)
B:酢酸カルシウム:富士フイルム和光純薬株式会社製(20℃における水に対する溶解度:34.7g/100g-水)
C:ギ酸カルシウム:富士フイルム和光純薬株式会社製(20℃における水に対する溶解度:16.6g/100g-水)
不織布A:シンワ株式会社製「7545HT」(厚み:0.18mm、目つけ量:45g/m2)
表1に示す配合比(質量部)で水酸化カルシウム、アクリル樹脂エマルジョン、水、およびカルボン酸カルシウム塩を混練し、スラリーを得た。次に、基材シートとして、ケント紙(500×600mm)を使用し、その表面に得られたスラリーを二軸ロールコーターで塗工し、直後に不織布A(保護シート)を表面に密着させ、80℃の乾燥機中で10分間乾燥させた。その後、乾燥機からシートを取り出し、表面の不織布Aをはがし、印刷層を有する印刷用シートを得た。このようにして製造された印刷用シートについて、印刷層の厚みと固形分組成を表2に示す。
3:印刷層
5:保護シート
Claims (2)
- 基材シートと、該基材シート表面に形成されている水酸化カルシウム及び有機バインダーを含む印刷層とからなるインクジェット印刷用シートにおいて、
前記印刷層は、更に、カルボン酸カルシウム塩を含有し、
印刷層における前記カルボン酸カルシウム塩の含有割合が1~5質量%の範囲にあり、
前記カルボン酸カルシウム塩が、20℃における水に対する溶解度が3g/100g-水以上の化合物であることを特徴とするインクジェット印刷用シート。 - 前記有機バインダーがアクリル樹脂である請求項1に記載のインクジェット印刷用シート。
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