JPWO2007129704A1 - 印刷用クッション材料 - Google Patents

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Abstract

20℃、1000Hzにおける貯蔵弾性率(E’)が1.0×108Pa以上である印刷用クッション材料を用いて印刷用クッションや印刷版のクッション層を製造することにより、印刷品質を保持しながら高速度の印刷を可能とする。

Description

本発明は、印刷用クッション材料、すなわち、ブランケットロール、インキ供給量制御ロール、印刷中に印刷版と印刷機のシリンダーとの間に配置されて使用される印刷用クッション、印刷版等の、印刷に用いる部材のクッション層を製造するための材料に関する。
本発明は、特に、印刷用クッションや印刷版のクッション層を製造するのに適した材料に関する。
近年、紙・フィルムなどの軟包装においてフレキソ印刷等の印刷が広汎に用いられている。フレキソ印刷等の印刷の品質は、一般的に、高いベタ濃度、高いベタ隠蔽性、太りの少ない網点と線、埋まりの少ない白抜きなどのバランスで決められる。印刷版は変形が大きくなるほど所望の画像を被印刷体に再現することが困難になる。そのため印刷機などの振動から生じる過剰な変形を低減し印刷品質を保持するために、印刷版の下にクッションを設けることが行われている。振動は印刷速度が上がるほど大きくなるところ、一般的な印刷速度は50m/分から300m/分であり、まれに300m/分以上である場合もある。近年は生産性の問題から印刷業界では印刷速度の高速化が進んでいるため、印刷品質の保持は大きな課題となっている。そこで、高速度印刷下での印刷品質の保持をするとともに、振動を吸収するクッションの高性能化が求められている。
印刷版の過剰な変形を低減するためのクッションの材料としてはシート状ポリエチレンや熱硬化性ポリウレタンなどが一般的であるが、高速度の印刷では、版と被印刷体の接触時間が短くなりインキ転移時間が短くなるために、ベタ品質が低下し、印刷品質の低下が避けられない場合が多い。
特許文献1には、スチレン共重合体型エラストマー、熱可塑性エラストマー、熱可塑性ポリウレタン、アクリロニトリル型エラストマー、NBRエラストマー等を主成分とする樹脂中に熱膨張性カプセルを混合し、押し出し成形技術を用いてシート状に成形する工程において、前記樹脂を加熱することにより、前記熱膨張性カプセルを熱膨張させてクッション層を形成する方法が記載されている。しかしながら、この方法で得られたクッション層は、温度の分布により熱膨張性カプセルの膨張の大きさにバラツキが出ることが避けられないため物性にバラツキがあり、また、高速度での印刷時の衝撃を十分に緩和することが難しく、クッション層としては性能が低いという問題点がある。
特許文献2には、ポリエーテルポリウレタンで形成された0.1秒で元の厚みの99.5%まで回復するフレキソ印刷用のクッション材が記載されている。しかし、実際の高速印刷で一般的な条件である600m/mIn、印刷周長500mmの印刷機に適用した場合を考えると、にクッション材の回復速度が追従せずに印刷品質が低下する。
特許文献3には、反応性シリコーン整泡材を用いたポリウレタン発泡体のクッション材が記載されている。
特許文献4には、チオールを含む樹脂を機械的に発泡させたクッションが記載されている。
特許文献5には、ほぼ元の厚さに戻ること、また長期間の使用により圧縮性が失われないことを目的とした、特定のショアA硬度、空隙の総体積率を有する共役ジオレフィン炭化水素の重合体や熱可塑性エラストマリック・ブロック共重合体などにより形成されたフレキソ印刷用クッションが記載されている。
しかし、上記いずれの印刷用クッションも衝撃吸収性、印刷品質の保持は十分でない。
特許文献6、特許文献7、特許文献8には、熱可塑性エラストマーを主成分とした感光性樹脂組成物中に熱膨張性カプセルを混合した、クッション層が記載されている。
しかし、1000m/分という印刷の更なる高速化も進んでいる状況(非特許文献1)においては、これらの印刷用クッションでも衝撃吸収性、印刷品質保持性が十分とはいえない。
また、フレキソ印刷、オフセット印刷の分野では、溶剤インキを用いることが多く、印刷終了後に版面に付着したインキを、溶剤系洗浄液を用いて除去する処理が行われることもある。このような溶剤インキを用いた印刷工程や溶剤系洗浄液による洗浄工程においては、クッション層に溶剤が染み込み、クッション層が膨潤したり、溶剤によりクッション層の成分が抽出され機械的物性が大きく低下するという問題もあり、印刷用クッション材料にはこの点の改善も求められている。
特表2003−519036号公報 米国特許第5325776号明細書 特開2005−349754号公報 国際公開第96/40528号パンフレット 特開平11−180065号公報 特開2004−157399号公報 米国特許第5476712号明細書 特開2004−255811号公報 コンバーテック、2006年8月発行、23頁
本発明では印刷品質を保持しながら高速度の印刷を可能とする印刷用クッションや印刷版のクッション層を提供することを目的とする。
また、本発明では、耐溶剤性、機械的物性に優れた印刷用クッション材料を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、20℃、1000Hzにおける貯蔵弾性率(E’)が1.0×10Pa以上である材料を用いることで、印刷品質を保持しながら高速度の印刷を可能とする印刷用クッションや印刷版のクッション層を製造することができることを見出し、本発明をなすに至った。
また、本発明者等は、特定の感光性樹脂組成物の光硬化物を用いることで、耐溶剤特性、機械的物性、圧縮特性に優れた、印刷用クッション等の印刷に用いる部材のクッション層を製造できることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明の第一態様は20℃、1000Hzにおける貯蔵弾性率(E’)が1.0×10Pa以上である印刷用クッション材料である。 また、本発明の第二態様は、分子内にカーボネート結合、エステル結合から選ばれる少なくとも1種類の結合を有し、及び/又は脂肪族飽和炭化水素鎖、脂肪族不飽和炭化水素鎖から選ばれる少なくとも1種類の分子鎖を有し、かつウレタン結合、アミド結合から選ばれる少なくとも1種類の結合又はウレア骨格を有し、数平均分子量が1000以上30万以下の高分子化合物である樹脂(a)と、分子内に重合性不飽和基を有し数平均分子量が100以上1000未満の有機化合物(b)と、光重合開始剤(c)と、平均粒子径が0.1μm以上200μm以下の有機系微粒子(d)又は平均径が0.1μm以上200μm以下の気泡(e)と、を含有し、20℃において液状であって、20℃における粘度が100Pa・s以上50kPa・s以下である感光性樹脂組成物(A)を光硬化させた感光性樹脂硬化物を含む印刷用クッション材料である。
本発明の第一態様の印刷用クッション材料から製造された印刷用クッションや印刷用クッション層を用いれば、高速度で印刷を行っても、良好なベタ品質、網点再現性を得ることができ、高い印刷品質を保持できる。
また、本発明の第二態様の印刷用クッション材料を用いれば、耐溶剤特性、機械的物性に優れた印刷版用のシート状、円筒状クッションや、印刷用ブランケットのクッション等を提供できる。
以下、本願発明について具体的に説明する。
以下の実施形態は本発明を説明するための例示であり、本発明をこの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明はその要旨を逸脱しない限り、さまざまな形態で実施することができる。
本発明の第一態様の印刷用クッション材料は、動的粘弾性測定により得られる20℃、1000Hzにおける貯蔵弾性率(E’)が1.0×10Pa以上である。
一般に、印刷用クッションの役割は衝撃を和らげることであるから、その材料には反発弾性の低いものが用いられている。このような反発弾性の低い材料は、衝撃を熱に変換しやすいものであるから、その損失弾性率(E’’)は高い傾向にある。しかし、損失弾性率(E’’)と比較して貯蔵弾性率(E’)が低いと、クッションが衝撃により変形しやすくなり元の形状に戻らなくなり、印刷品質を低下させていることが判明した。
すなわち、材料の損失弾性率(E’’)のみが高いだけでは、印刷用クッションとしたときに十分な印刷品質の向上は達成できず、損失弾性率(E’’)に伴って貯蔵弾性率(E’)も相応の値とすることで初めて印刷品質が向上することが判明した。
そして、印刷用クッション材料の貯蔵弾性率(E’)が、高速印刷時の印刷版の振動の領域(100〜1800Hz)の中心領域である1000Hzにおいて、1.0×10Pa以上であれば、印圧が印刷版に与えられたときに印刷版が過剰に変形し印刷品質を低下させることがないことを見いだした。この値は、現在一般に使用されている印刷用クッション材料の貯蔵弾性率(E’)の約10倍以上に相当する。
印刷用クッション材料の20℃、1000Hzにおける貯蔵弾性率(E’)は、より好ましくは3.0×10〜1.0×10Pa、更に好ましくは4.0×10〜1.0×10Paである。
本発明において、印刷用クッション材料の動的粘弾性測定により得られる20℃、1000Hzにおける損失弾性率(E’’)は、衝撃吸収という観点からは、1.0×10Pa以上であることが好ましく、より好ましくは2.0×10〜1.0×1010Pa、更に好ましくは8.0×10〜1.0×10Paである。
また、印刷用クッション材料の20℃、1000Hzにおける損失正接(tanδ)(E’’/E’)は、0.2以上0.6以下であることが好ましい。tanδは、例えば、印刷用クッション材料の材料が後述する感光性樹脂組成物の光硬化物である場合、モノマーの比率やカプセル状微粒子の量を調整することで調整でき、圧縮特性及び永久圧縮歪の適正範囲を保ちつつ、0.6付近まで到達することが可能と推測される。
印刷用クッション材料の損失正接(tanδ)が上記範囲であれば、これにより製造される印刷用クッションは永久変形することもなく、かつ、十分な衝撃吸収ができるため、高速印刷に適している。印刷用クッション材料の損失正接(tanδ)は、より好ましくは0.31以上0.6以下、更に好ましくは0.32以上0.60以下である。
なお、本発明において、20℃、1000Hzにおける貯蔵弾性率や損失弾性率は、以下のような方法で測定できる。
動的粘弾性測定装置の引張又は圧縮タイプのジオメトリーにサンプルをセットし、実効測定長さを22.6mm、ひずみ振幅を引張タイプの場合は0.1%、圧縮タイプの場合は0.5%として、測定周波数を正弦波で0.01Hzから15.915Hzの範囲で変化させたときの貯蔵弾性率、損失弾性率の値を、測定温度30℃から−60℃まで−10℃ごとに測定し、動的粘弾性測定装置のアプリケーションに従い、温度時間換算側によって、リファレンス温度を20℃としてマスターカーブを作成し、得られたマスターカーブから、1000Hzにおける貯蔵弾性率、損失弾性率を読み取る。
本発明においては、印刷用クッション材料の23℃における落球式測定法での反発弾性は20%以下であることが好ましい。この範囲であれば、これにより製造される印刷用クッションの印刷中の衝撃に対する緩衝性が確保できる。好ましくは3%以上17%以下、さらに好ましくは5%以上15%以下である。
ここで、落球式測定法での反発弾性とは、以下の測定方法において測定された鉄球の跳ね返り高さS(mm)を用いて下式に従って算出した値である。
反発弾性(%)=100×(S/300)
ASTM−D3574−86に準じ、厚さ2mm、大きさ50mm×50mmの正方形のサンプルを用意し、鉄球落下中心部分と推測される箇所に両面テープ(3M社製、商標「ST−416」)を用いてサンプルの下面のみを固定し、上方300mmの高さから直径8mmの鉄球を版上に自然落下させ、この鉄球が跳ね返る高さ3回を測定し、その平均値を測定値S(mm)として用いた。測定後はサンプル測定表面に鉄球が落ちた凹がないことを確認した。
本発明の第一の態様における印刷用クッション材料は、その20℃、1000Hzにおける貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上であれば、いかなる種類の材料のものであってもよい。
本発明における印刷用クッション材料は、樹脂硬化物からなることが好ましい。樹脂硬化物としては、熱硬化性樹脂組成物を加熱することにより硬化させたもの、感光性樹脂組成物に光を照射して光硬化させたものを好ましい例として挙げることができる。
熱硬化性樹脂組成物としては、エポキシ基やオキセタン基等の開環重合反応する官能基を有する化合物を含有する材料や、反応性二重結合や三重結合を有する化合物を含有する材料を挙げることができる。これらの材料中には熱によって分解しラジカル化学種を発生する化合物や熱によって酸や塩基を発生する化合物を熱重合開始剤として含有させることができる。また、熱重合開始剤として、特定の温度以上になった場合に、マイクロカプセルが溶融あるいは崩壊して酸や塩基がマイクロカプセル外に放出されることによって重合反応が開始する潜在性熱重合開始剤を用いることもできる。重合反応制御の容易さから潜在性熱重合開始剤を使用することが好ましい。熱重合反応を開始させる熱源として、ヒーター類、赤外線、マイクロ波等を挙げることができる。
特に、本発明においては、硬化速度の観点から、印刷用クッション材料として、光によって硬化する樹脂組成物、すなわち感光性樹脂組成物(A)の光硬化物を用いることが好ましい。
光を使って感光性樹脂組成物(A)を硬化、例えば架橋硬化、させる方法は、加熱する工程などを含まないので、短時間で硬化反応を完了させ硬化物の機械的物性を確保できるなどの利点を有し好適である。硬化に用いる光としては、可視光線、紫外線、電子線、X線、分子線等の高エネルギー線が挙げられ、可視光線あるいは紫外線の光源としては、メタルハライドランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、ジルコニウムランプ、太陽光等が挙げられる。さらに、その他公知の方法で硬化を行うことができる。また、複数の種類の光源の光を照射しても構わない。本発明においては光硬化物とは光硬化によって得られたものをいう。
このような印刷用クッション材料を構成する感光性樹脂組成物(A)としては、特に、20℃で液状であるものが好ましい。ここでいう液状樹脂とは、容易に流動変動し、かつ冷却により変形された形状に固化できるという性質を有する高分子体を意味し、外力を加えたときに、その外力に応じて瞬時に変形し、かつ外力を除いたときには、短時間に元の形状に回復する性質を有する、エラストマーに対応する言葉である。
感光性樹脂組成物(A)が液状であると、シート状、もしくは円筒状に成形する際、良好な厚み精度や寸法精度を得ることができるため好ましい。本発明において感光性樹脂組成物(A)は、20℃における粘度が100Pa・s以上50kPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは200Pa・s以上20kPa・s以下であり、さらに好ましくは、200Pa・s以上8kPa・s以下である。
感光性樹脂組成物(A)の粘度が100Pa・s以上であれば、これにより作製されるクッションの機械的強度が十分であり、円筒状クッションに成形する際であっても形状を保持し易く、加工し易い。一方、粘度が50kPa・s以下であれば、常温でも変形し易く、加工が容易で、シート状あるいは円筒状のクッションに成形し易く、プロセスも簡便である。
特に円筒状支持体上に感光性樹脂組成物(A)を塗布して印刷用クッションを形成する場合には、版厚精度の高い印刷用クッションを得るために重力により液ダレ等の現象を起こさないように、感光性樹脂組成物(A)の粘度は100Pa・s以上であることが好ましく、より好ましくは200Pa・s以上、さらに好ましくは500Pa・s以上である。
また、本発明に用いる感光性樹脂組成物(A)が、20℃において液状である場合、チキソトロピー性を有することが好ましい。特に円筒状支持体状に感光性樹脂組成物層を形成する際に、重力により液ダレを起こすことなく、所定の厚さを保持できるからである。
また、感光性樹脂組成物(A)には、平均粒子径が0.1μm以上200μm以下の有機系微粒子(d)、あるいは平均径が0.1μm以上200μm以下の気泡(e)を含有させることが好ましい。有機系微粒子(d)あるいは気泡(e)の平均粒子径(平均径)は、1μm以上150μm以下でありことが好ましく、さらに好ましくは10μm以上100μm以下である。有機系微粒子(d)あるいは気泡(e)の平均粒子径(平均径)がこの範囲であれば、印刷時において印刷版にかかる印圧による衝撃を充分に吸収することが可能であり、高品位の印刷物を得ることが可能となる。
ここで、有機系微粒子(d)、気泡(e)の平均粒子径あるいは平均径とは、顕微鏡観察により測定した長径の値の平均値をいう。具体的には、顕微鏡の視野に少なくとも50個程度の有機系微粒子(d)あるいは気泡(e)が入るように倍率を調整し、該有機系微粒子(d)あるいは気泡(e)の長径を測長する。測長機能を有する顕微鏡を用いることが好ましいが、カメラを用いて撮影した写真を基に寸法を測ってもよい。
本発明において、有機系微粒子(d)とは、有機化合物から形成された微粒子であり、特に限定するものではないが、内部が中空のカプセル状微粒子、中空でないポリマー微粒子、内部に微細な気泡を含むポリマー微粒子、多孔質ポリマー微粒子等を好ましい有機系微粒子(d)として挙げることができる。
内部が中空のカプセル状微粒子を用いる場合、感光性樹脂組成物(A)を構成する化合物に対する耐性及び取り扱い性の観点から、カプセル状微粒子の表面に無機系微粒子が付着存在する有機系微粒子が特に好ましい。表面に無機系微粒子が存在するカプセル状微粒子を用いることにより、感光性樹脂組成物(A)への溶解が困難となり、長期に安定して貯蔵することができる。また、カプセル状微粒子の比重が高くなり、樹脂との混合の際の取り扱いが容易となるという効果もある。
表面に存在する無機系微粒子の平均粒子径は、10nm以上30μm以下の範囲が好ましく、より好ましくは、0.1μm以上20μm以下、さらに好ましくは0.5μm以上10μm以下である。無機系微粒子の材質としては、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、ゼオライト、水酸化マグネシウム、珪酸ジルコニウム等を挙げることができる。
本発明で用いる有機系微粒子(d)あるいは気泡(e)の形状は、真球状である必要はないが、球状であることが好ましい。球状には、真球が少なくとも1方向に圧縮されて変形した形状のものも含まれる。
本発明において用いる感光性樹脂組成物(A)中に気泡(e)を安定的に存在させるために、平均粒子径が10nm以上1μm以下の超微粒子を混合することが好ましい。平均粒子径のより好ましい範囲は、10nm以上0.5μm以下、さらに好ましい範囲は、10nm以上100nm以下である。超微粒子の材質は特に限定するものではないが、シリカ、アルミナ、ゼオライト、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、珪酸ジルコニウム等を挙げることができる。表面をシランカップリング剤等で疎水処理された超微粒子は、気泡(e)を長時間安定的に保持する効果があるので好ましい。超微粒子の含有率は、感光性樹脂組成物(A)全重量の0.1wt%以上10wt%以下であることが好ましく、より好ましい範囲は、0.2wt%以上5wt%以下、さらに好ましくは0.5wt%以上3wt%以下である。
本発明において、感光性樹脂組成物(A)中に気泡(e)を混合する方法としては、液状の感光性樹脂組成物(A)を強制的に撹拌する方法、空気あるいは不活性ガスを液状の感光性樹脂組成物(A)中に噴出させる方法、化学発泡剤を用いて感光性樹脂組成物(A)を発泡させる方法、液状の感光性樹脂組成物(A)中に溶解している気体を減圧にすることにより発泡させる方法等を挙げることができる。
気泡(e)は、連続気泡であっても独立気泡であってもよいが、機械的物性の確保の観点からは、独立気泡であることがより好ましい。ここで、連続気泡とは、気泡同士が繋がった状態の気泡をいい、独立気泡とは各気泡が独立して存在するものをいう。感光性樹脂組成物を強制撹拌した場合に、連続気泡が形成されやすい。また、化学発泡剤を用いて感光性樹脂組成物を発泡させた場合やマイクロカプセルを感光性樹脂組成物に添加した場合に、独立気泡を形成させ易い。
本発明において、感光性樹脂組成物(A)は、樹脂(a)と、有機化合物(b)と、光重合開始剤(c)を含むことが好ましい。
樹脂(a)として、分子内にカーボネート結合、エステル結合から選ばれる少なくとも1種類の結合を有し、及び/又は脂肪族飽和炭化水素鎖、脂肪族不飽和炭化水素鎖から選ばれる少なくとも1種類の分子鎖を有し、かつウレタン結合、アミド結合から選ばれる少なくとも1種類の結合又はウレア骨格を有する高分子化合物を用いると、フレキソ印刷で用いられるエステル系溶剤を含有するインキやオフセット印刷で用いられる炭化水素系溶剤を含有するインキ等に対する耐性を確保できるので好ましい。
また、樹脂(a)として、分子内にカーボネート結合を有するものを用いると、印刷用クッション材料の貯蔵弾性率を容易に1.0×10Pa以上とすることができるので好ましい。
また、樹脂(a)として、分子内にさらに、エステル結合、ウレタン結合、アミド結合から選ばれる少なくとも1種類の結合及び/又はウレア骨格及び/又は脂肪族飽和炭化水素鎖、脂肪族不飽和炭化水素鎖から選ばれる少なくとも1種類の分子鎖を有するものであることが好ましい。
特に、樹脂(a)として、分子内にカーボネート結合、エステル結合を有し、及び/又は脂肪族飽和炭化水素鎖、脂肪族不飽和炭化水素鎖から選ばれる少なくとも1種類の分子鎖を有し、かつ、ウレタン結合、アミド結合から選ばれる少なくとも1種類の結合又はウレア骨格を有する高分子化合物を用いることが好ましい。
このような高分子化合物を含むと、貯蔵弾性率を容易に1.0×10Pa以上とすることができると共に、フレキソ印刷で用いられるエステル系溶剤を含有するインキ、オフセット印刷で用いられる炭化水素系溶剤を含有するインキに対する耐性を確保できる。
本発明に用いる樹脂(a)の分子鎖中にカーボネート結合を導入するためには、樹脂(a)を製造する際に用いる単量体成分として、例えば、4,6−ポリアルキレンカーボネートジオール、8,9−ポリアルキレンカーボネートジオール、5,6−ポリアルキレンカーボネートジオール等の脂肪族ポリカーボネートジオールを用いることができる。また、芳香族系分子構造を分子内に有する脂肪族ポリカーボネートジオールを用いても構わない。
この場合、末端の水酸基に、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物、あるいはトリイソシアネート化合物を縮合反応させることにより更に高分子量化してウレタン結合を導入することもできる。
また、末端の水酸基あるいはイソシアネート基を、重合性不飽和基を導入するために使用することもできる。
本発明に用いる樹脂(a)の分子鎖中にエステル結合を導入するためには、樹脂(a)を製造する際に用いる単量体成分として、アジピン酸、フタル酸、マロン酸、コハク酸、イタコン酸、シュウ酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼラン酸、セバシン酸、フマル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸化合物と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ピコナール、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール等の分子内に2個以上の水酸基を有する化合物と用い、これらを縮合反応させ得られるポリエステル類;ポリカプロラクトン等のポリエステル類を導入することができる。
この場合、末端の水酸基あるいはカルボキシル基に前述のジイソシアネート化合物を縮合反応させることにより更に高分子量化してウレタン結合を導入することもできる。
また、末端の水酸基あるいはカルボキシル基を、重合性不飽和基を導入するために用いることもできる。
本発明に用いる樹脂(a)の分子鎖中にウレア骨格を導入するためには、樹脂(a)を製造する際に用いる単量体成分として、尿素とホルムアルデヒドを用い、これらを縮合反応させることができる。末端に形成されるアミノ基と反応する官能基を有する化合物とを、更に縮合させることもできる。
本発明に用いる樹脂(a)の分子鎖中にアミド結合を導入するためには、樹脂(a)を製造する際に用いる単量体成分として、ジアミン化合物とジカルボン酸化合物を用い、これらを縮合反応させることができる。ジアミン化合物として、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン等の脂肪族ジアミン化合物;o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン等の芳香族ジアミン化合物等を挙げることができる。また、ジカルボン酸化合物として、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族飽和ジカルボン酸化合物;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の脂肪族不飽和ジカルボン酸化合物;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸化合物等を挙げることができる。
本発明に用いる樹脂(a)の分子鎖中に導入される脂肪族炭化水素鎖あるいは脂肪族不飽和炭化水素鎖の例としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリブタジエン、部分水添ポリブタジエン、水添ポリイソプレン、部分水添ポリイソプレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の分子構造を挙げることができる。このような分子構造を主鎖に有し、両末端が水酸基、アミノ基、カルボキシル基、イソシアネート基等から選ばれる少なくとも1種類の官能基を有する高分子化合物を出発原料として、前記官能基と反応する官能基を有する化合物とを縮合反応させることにより更に高分子量化させたポリマーを形成することができる。また、前記官能基を、末端に重合性不飽和基を導入するために用いることもできる。
また、本発明に用いる樹脂(a)の数平均分子量は、1000以上30万以下であることが好ましい。樹脂(a)の数平均分子量のより好ましい範囲は、2000以上10万以下、さらに好ましい範囲は5000以上5万以下である。樹脂(a)の数平均分子量が1000以上であると、後に架橋して製造するクッションが強度を保ち、このクッション上に印刷を形成し、印刷版などとして用いる場合、繰り返しの使用にも耐えられる。また、樹脂(a)の数平均分子量が30万以下であると、感光性樹脂組成物(A)の成形加工時の粘度が過度に上昇することもなく、シート状、あるいは円筒状のクッションを作製することができる。ここでいう数平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて測定し、分子量既知のポリスチレンで検量し換算した値である。
さらに、本発明に用いる樹脂(a)は、分子内に重合性不飽和基を有していることが好ましい。「重合性不飽和基」とは、ラジカル又は付加重合反応に関与する重合性官能基である。特に好ましい樹脂(a)として、1分子あたり平均で0.3個以上の重合性不飽和基を有するポリマーを挙げることができる。1分子あたり平均で0.3個以上であると、得られるクッションは、機械強度に優れる。さらにその耐久性も良好で、繰り返しの使用にも耐えられるのものとなる。クッションの機械強度を考慮すると、樹脂(a)の重合性不飽和基は、1分子あたり0.5個以上であることがより好ましく、0.7個を越える量であることがさらに好ましい。本発明に用いる樹脂(a)において、重合性不飽和基の位置は、高分子主鎖の末端、高分子側鎖の末端や高分子主鎖中や側鎖中に直接結合していることが好ましい。樹脂(a)1分子に含まれる重合性不飽和基の数の平均は、核磁気共鳴スペクトル法(NMR法)による分子構造解析法で求めることができる。
このような分子内に重合性不飽和基を有する樹脂(a)を製造する方法としては、例えば、直接、重合性の不飽和基をその分子末端に導入したものを製造してもよいが、別法として、水酸基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基、ケトン基、ヒドラジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、環状カーボネート基、アルコキシカルボニル基などの反応性基を複数有する数千程度の分子量の化合物と、これらの反応性基と結合しうる官能基を複数有する結合剤(例えば、水酸基やアミノ基の場合のポリイソシアネートなど)を反応させ、分子量の調節、及び末端の結合性基への変換を行った後、この末端結合性基と反応する官能基と重合性不飽和基を有する有機化合物と反応させて末端に重合性不飽和基を導入する方法などの方法が好適に挙げられる。
また、重合性不飽和基を有しない高分子化合物を出発原料として、置換反応、脱離反応、縮合反応、付加反応等の化学反応により重合性不飽和基を分子内に導入する方法により製造することもできる。この場合、出発原料となる重合性不飽和基を有しない高分子化合物としては、主鎖にヘテロ原子を有する高分子化合物、複数種のモノマー成分から合成されたランダム共重合体、ブロック共重合体を挙げることができる。さらに、分子内に重合性不飽和基を導入した高分子化合物を複数種混合して用いることもできる。
樹脂(a)が、20℃において液状樹脂である場合は、感光性樹脂組成物(A)も20℃において液状となるため好ましい。これから得られるクッションをシート状、もしくは円筒状に成形する際、良好な厚み精度や寸法精度を得ることができる。
特に、フレキソ印刷版用途のように柔軟なレリーフ画像が必要な場合に用いる印刷用クッションを製造するためには、樹脂(a)として、一部、ガラス転移温度が20℃以下の液状樹脂、さらに好ましくはガラス転移温度0℃以下の液状樹脂を用いることが好ましい。例えば、ポリエチレン、ポリブタジエン、水添ポリブタジエン、ポリウソプレン等の炭化水素鎖を有する化合物;アジペート、ポリカプロラクトン等のエステル結合を有するポリエステル化合物;脂肪族ポリカーボネート構造を有する化合物;ポリジメチルシロキサン骨格を有する化合物等を挙げられる。特に耐候性の観点からポリカーボネート構造を有する不飽和ポリウレタン類が特に好ましい。ここでいう液状樹脂とは、容易に流動変形し、かつ冷却により変形された形状に固化できるという性質を有する高分子体を意味し、外力を加えたときに、その外力に応じて瞬時に変形し、かつ外力を除いたときには、短時間に元の形状を回復する性質を有する、エラストマーに対応する言葉である。
本発明に用いる樹脂(a)が液状樹脂である場合、樹脂(a)の粘度は、50℃において500Pa・s以上50kPa・s以下であることが好ましい。より好ましい範囲は、1kPa・s以上10kPa・s以下、更に好ましい範囲は、1kPa・s以上5kPa・s以下である。上記粘度範囲でれば、クッションを形成させた際の機械的強度を十分に確保することが可能である。粘度測定に用いる装置は、特に限定するものではないが、測定の簡便さからB型粘度計を用いることが好ましい。また、高粘度の樹脂の粘度を測定する際には、温度を40℃から80℃の範囲で高く設定することが好ましい。
本発明に用いる樹脂(a)は、H−NMR(水素原子を観測核とした核磁気共鳴スペクトル法)測定において、テトラメチルシラン(TMS)を基準とした場合に、化学シフトが、1.3〜1.8ppmの範囲、及び4.0〜4.3ppmの範囲、4.5〜5.5ppmの範囲にピークを示す水素原子を、樹脂(a)が有する全水素原子の20%以上99%以下含有していることが好ましい。
より好ましくは30%以上99%以下、さらに好ましくは40%以上99%以下である。前記水素原子の存在比が、20%以上99%以下の範囲であれば、エステル系溶剤に対する耐溶剤性あるいはオフセット印刷で用いられる炭化水素系溶剤を含有するインキに対する耐溶剤性を十分に確保でき、クッションとしての機械的強度を確保することができる。
なお、前記存在比は、H−NMR測定において求まる積分値から算出することができる。
H−NMRにおいて、化学シフトが1.3〜1.8ppmの範囲にピークを有する水素原子の周囲の官能基構造としては、脂肪族炭化水素鎖のメチレン基を挙げることができる。
また、化学シフトが4.0〜4.3ppmの範囲にピークを有する水素原子の周囲に存在する官能基構造としては、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア骨格を挙げることができる。
さらに、化学シフトが4.5〜5.5ppmの範囲にピークを有する水素原子の構造としては、二重結合炭素に直接結合している水素原子を挙げることができる。
本発明における有機化合物(b)は、重合性不飽和基を有する化合物である。
その数平均分子量は、100以上1000未満の重合性不飽和基を有した化合物であることが好ましい。樹脂(a)との希釈のし易さから数平均分子量は1000未満であることが好ましい。ここで、重合性不飽和基とは、ラジカルまたは付加重合反応に関与する官能基をいう。
本発明に用いる有機化合物(b)の具体例としては、ラジカル反応性化合物として、エチレン、プロピレン、スチレン、ジビニルベンゼン等のオレフィン類;アセチレン類;(メタ)アクリル酸及びその誘導体;ハロオレフィン類;アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリルアミド及びその誘導体;アリールアルコール、アリールイソシアネート等のアリール化合物;無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸及びその誘導体;酢酸ビニル類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール等が挙げられるが、その種類の豊富さ、価格、レーザー光照射時の分解性等の観点から(メタ)アクリル酸及びその誘導体が好ましい。該誘導体の例としては、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基などを有する脂環族化合物;ベンジル基、フェニル基、フェノキシ基、あるいはナフタレン骨格、アントラセン骨格、ビフェニル骨格、フェナントレン骨格、フルオレン骨格などを有する芳香族化合物;アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、グリシジル基等を有する化合物;アルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールやトリメチロールプロパン等の多価アルコールとのエステル化合物;ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン等のポリシロキサン構造を有する化合物などが挙げられる。また、窒素、硫黄等の元素を含有した複素芳香族化合物であっても構わない。
また、付加重合反応に関与する官能基として、シンナモイル基、チオール基、アジド基、開環付加反応するエポキシ基、オキセタン基、環状エステル基、ジオキシラン基、スピロオルトカーボネート基、スピロオルトエステル基、ビシクロオルトエステル基、環状イミノエーテル基等を挙げることができる。
付加重合反応するエポキシ基を有する化合物としては、種々のジオールやトリオールなどのポリオールにエピクロルヒドリンを反応させて得られる化合物、分子中のエチレン結合に過酸を反応させて得られるエポキシ化合物などを挙げることができる。具体的には、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールAにエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドが付加した化合物のジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリ(プロピレングリコールアジペート)ジオールジグリシジルエーテル、ポリ(エチレングリコールアジペート)ジオールジグリシジルエーテル、ポリ(カプロラクトン)ジオールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;エポキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業社製、商標名「HF−105」)を挙げることができる。
本発明において、これら重合性不飽和基を有する有機化合物(b)は、1種若しくは2種以上のものを選択できる。印刷インキの溶剤であるアルコール、エステル、脂肪族炭化水素等の有機溶剤に対する膨潤を押さえるために、有機化合物(b)として長鎖脂肪族、脂環族または芳香族の誘導体を少なくとも1種類以上を用いることが好ましい。
感光性樹脂組成物(A)より得られるクッションの機械強度を高めるためには、有機化合物(b)としては、脂環族又は芳香族の誘導体を少なくとも1種類以上有することが好ましく、この場合、脂環族又は芳香族の誘導体が有機化合物(b)の全体量の20wt%以上であることが好ましく、より好ましくは50wt%以上である。また、前記芳香族の誘導体としては、窒素、硫黄等の元素を有する芳香族化合物であっても構わない。
本発明においては、感光性樹脂組成物(A)を光硬化させてクッションとしての物性を発現させることができるが、その際に光重合開始剤(c)を用いることができる。本発明に用いる光重合開始剤(c)は、一般に使用されているものから選択でき、例えば高分子学会編「高分子データ・ハンドブック−基礎編」1986年培風館発行、に例示されているラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合の光重合開始剤等が使用できる。また、光重合開始剤(c)を用いて光重合により架橋を行なうことは、本発明の樹脂組成物の貯蔵安定性を保ちながら、生産性良くクッションを生産出来る方法として有用である。ラジカル重合反応を誘起させる光重合開始剤(c)の具体例としては、水素引き抜き型光重合開始剤と崩壊型光重合開始剤が、特に効果的な光重合開始剤として用いられる。
水素引き抜き型光重合開始剤として、特に限定するものではないが、芳香族ケトンを用いることが好ましい。芳香族ケトンは光励起により効率良く励起三重項状態になり、この励起三重項状態は周囲の媒体から水素を引き抜いてラジカルを生成する化学反応機構が提案されている。生成したラジカルが光架橋反応に関与するものと考えられる。本発明で用いる水素引き抜き型光重合開始剤として励起三重項状態を経て周囲の媒体から水素を引き抜いてラジカルを生成する化合物であれば何でも構わない。芳香族ケトンとして、ベンゾフェノン類、ミヒラーケトン類、キサンテン類、チオキサントン類、アントラキノン類を挙げることができ、これらの群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を用いることが好ましい。ベンゾフェノン類とは、ベンゾフェノンあるいはその誘導体をいい、具体的には3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−テトラメトキシベンゾフェノン等が挙げられる。ミヒラーケトン類とは、ミヒラーケトンおよびその誘導体をいう。キサンテン類としては、キサンテンおよびアルキル基、フェニル基、ハロゲン基等で置換された誘導体をいう。チオキサントン類とは、チオキサントンおよびアルキル基、フェニル基、ハロゲン基等で置換された誘導体をいい、具体的にはエチルチオキサントン、メチルチオキサントン、クロロチオキサントン等を挙げることができる。アントラキノン類とは、アントラキノンおよびアルキル基、フェニル基、ハロゲン基等で置換された誘導体をいう。
水素引き抜き型光重合開始剤の添加量は、感光性樹脂組成物全体量の0.1wt%以上10wt%以下が好ましく、より好ましくは0.5wt%以上5wt%以下である。添加量がこの範囲であれば、液状感光性樹脂組成物を大気中で光硬化させた場合、硬化物表面の硬化性は充分に確保でき、また、耐候性を確保することができる。
崩壊型光重合開始剤とは、光吸収後に分子内で開裂反応が発生し活性なラジカルが生成する化合物をいう。本発明においては、崩壊型光重合開始剤を特に限定するものではない。具体的には、ベンゾインアルキルエーテル類、2,2−ジアルコキシ−2−フェニルアセトフェノン類、アセトフェノン類、アシルオキシムエステル類、アゾ化合物類、有機イオウ化合物類、ジケトン類等を挙げることができ、これらの群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を用いることが好ましい。ベンゾインアルキルエーテル類としては、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、「感光性高分子」(講談社、1977年出版、頁228)に記載の化合物を挙げることができる。2,2−ジアルコキシ−2−フェニルアセトフェノン類としては、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン等を挙げることができる。アセトフェノン類としては、アセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン等を挙げることができる。アシルオキシムエステル類としては、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム等を挙げることができる。アゾ化合物としては、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾニウム化合物、テトラゼン化合物等を挙げることができる。有機イオウ化合物としては、芳香族チオール、モノおよびジスルフィド、チウラムスルフィド、ジチオカルバメート、S−アシルジチオカルバメート、チオスルホネート、スルホキシド、スルフェネート、ジチオカルボネート等を挙げることができる。ジケトン類としては、ベンジル、メチルベンゾイルホルメート等を挙げることができる。
崩壊型光重合開始剤の添加量は、本発明に係る感光性樹脂組成物(A)全体量の0.1wt%以上10wt%以下が好ましく、より好ましくは0.3wt%以上3wt%以下である。添加量がこの範囲であれば、感光性樹脂組成物を大気中で光硬化させた場合、硬化物内部の硬化性が充分に確保できる。
光重合開始剤(c)として、水素引き抜き型光重合開始剤として機能する部位と、崩壊型光重合開始剤として機能する部位を同一分子内に有する化合物を用いることもできる。このような化合物としては、具体的には、α−アミノアセトフェノン類を挙げることができる。例えば、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−プロパン−1−オンや下記一般式(1)で示される化合物を挙げることができる。
一般式(1)
Figure 2007129704
(式中、R2は各々独立に、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。また、Xは炭素数1〜10のアルキレン基を表す。)
水素引き抜き型光重合開始剤として機能する部位と崩壊型光重合開始剤として機能する部位を同一分子内に有する化合物の添加量としては、感光性樹脂組成物(A)全体量の0.1wt%以上10wt%以下であることが好ましく、より好ましくは0.3wt%以上3wt%以下である。添加量がこの範囲であれば、感光性樹脂組成物(A)を大気中で光硬化させた場合であっても、硬化物の機械的物性は充分に確保できる。
また、光重合開始剤(c)として、光を吸収して酸を発生することにより、付加重合反応を誘起させる化合物を用いることもできる。このような化合物としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩等の光カチオン重合開始剤、あるいは光を吸収して塩基を発生する重合開始剤などが挙げられる。これらの光重合開始剤(c)の添加量は、感光性樹脂組成物(A)全体量の0.1wt%以上10wt%以下の範囲が好ましい。
本発明において、感光性樹脂組成物(A)における樹脂(a)、有機化合物(b)の割合は、樹脂(a)100重量部に対して、有機化合物(b)は5〜200重量部であることが好ましく、より好ましくは20〜100重量部である。有機化合物(b)の割合が、上記の範囲にあると、得られるクッションの硬度と引張強伸度のバランスが取りやすく、光硬化の際の収縮が小さい範囲に収まり、高い厚み精度を確保することができる。
本発明に係る感光性樹脂組成物(A)から有機系微粒子(d)又は気泡(e)を除いた感光性樹脂組成物を光硬化させた樹脂硬化物を、酢酸エチルを20vol%含有するイソプロピルアルコール溶液に24時間、20℃の条件で浸漬膨潤テストを実施した場合に、重量変化率が−15wt%以上15wt%以下であり、膜厚変化率が−15%以上15%以下であることが好ましい。重量変化率のより好ましい範囲は、−10wt%以上10wt%以下、さらに好ましくは−8wt%以上8wt%以下である。また、膜厚変化率の好ましい範囲は、−10%以上10%以下、より好ましくは−8%以上8%以下である。重量変化率と膜厚変化率がこの範囲であれば、フレキソ印刷で用いられる溶剤インキへの耐性があり、高品質の印刷物を得ることが可能である。なお、有機系微粒子(d)又は気泡(e)を感光性樹脂組成物(A)から除いた感光性樹脂組成物を別途調製し、調製された感光性樹脂組成物を光硬化させて得られる感光性樹脂硬化物を用いて、該浸漬膨潤テストを実施するのは、テストに使用する溶剤が有機系微粒子(d)又は気泡(e)の内部に侵入し正確な重量変化を測定することが困難となることがあるためである。本発明においては、印刷用クッション材料の耐溶剤性の向上を一つの重要な課題としており、耐溶剤性に前記有機微粒子(d)又は気泡(e)を含有していない感光性樹脂組成物を光硬化させた感光性樹脂硬化物を評価することに重要な意味がある。
本発明において、感光性樹脂組成物(A)が有機系微粒子(d)あるいは気泡(e)を含有する場合、該感光性樹脂組成物(A)の光硬化物を含む印刷用クッション材料のASKER−C硬度が、10度以上60度以下の範囲であり、かつ、硬度測定開始直後の硬度が、15秒経過した時点の硬度よりも小さいことが好ましい。ASKER−C硬度のより好ましい範囲は、20度以上50度以下、さらに好ましくは25度以上50度以下である。本発明のASKER−C硬度は、硬度測定後15秒経過した時点の硬度とする。上記の硬度範囲であれば、クッションとしての特性が十分であり、印刷工程での衝撃性を緩和させ良好な印刷物を得ることができる。
本発明において得られる層は、有機系微粒子あるいは気泡を有し、特に気泡を有する場合、機械的強度が著しく低下するため、クッションを形成する樹脂は、機械的強度の高い化合物を用いることが好ましい。そのため、感光性樹脂組成物(A)から有機系微粒子(d)あるいは気泡(e)を除去した感光性樹脂組成物を光硬化させて形成される光硬化物を引張試験した際の、引張強さは8×10Pa以上1×10Pa以下が好ましく、より好ましい範囲は、9.8×10Pa以上5×10Pa以下、さらに好ましくは1.1×10Pa以上2.5×10Pa以下である。また、伸びは250%以上600%以下が好ましく、より好ましい範囲は、350%以上500%以下である。引張強さ及び伸びが上記の範囲であれば、機械的強度を充分に確保しつつ、柔らかさも兼ね備えたクッションを構成する材料として適当である。
本発明に用いる感光性樹脂組成物(A)には、用途や目的に応じて重合禁止剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、滑剤、界面活性剤、可塑剤、香料などを添加することができる。
本発明において、印刷用クッションまたは印刷用クッション層の厚みに限定はないが、0.1mm以上10mm以下であることが好ましく、より好ましくは、0.3mm以上5mm以下である。
印刷用クッション、印刷用クッション層の圧縮歪100μmにおける応力は、5×10Pa以上8×10Pa以下であることが好ましい。より好ましい範囲は、1×10Pa以上8×10Pa以下、さらに好ましくは、2×10Pa以上7×10Pa以下である。応力が上記の範囲であれば、クッションとしての働きが十分に発現でき、印刷工程で発生する衝撃を緩和することが可能である。
また、印刷用クッション材料の密度に限定はないが、0.2g/cm以上0.9g/cm以下であることが好ましく、より好ましくは0.2g/cm以上0.8g/cm以下、さらに好ましくは0.2g/cm以上0.7g/cm以下である。上記の範囲であれば、クッションとして印刷時の衝撃を充分に吸収することが可能である。
本発明の印刷用クッション材料からなる層を支持体上に設けることにより、印刷用クッションとすることができる。支持体の形状はシート状や円筒状が好ましい。
このようなシート状又は円筒状支持体の役割の一つは、クッションの寸法安定性を確保することである。したがって、支持体としては、寸法安定性の高いものを選択することが好ましい。したがって、支持体の線熱膨張係数は、100ppm/℃以下であることが好ましく、より好ましくは70ppm/℃以下である。
ここで、支持体の線熱膨張係数を小さくする方法としては、充填剤を添加する方法、全芳香族ポリアミド等のメッシュ状クロス、ガラスクロスなどに樹脂を含浸あるいは被覆する方法などを挙げることができる。充填剤としては、通常用いられる有機系微粒子、金属酸化物あるいは金属等の無機系微粒子、有機・無機複合微粒子など用いることができる。また、多孔質微粒子、内部に空洞を有する微粒子、マイクロカプセル粒子、低分子化合物が内部にインターカレーションする層状化合物粒子を用いることもできる。特に、アルミナ、シリカ、酸化チタン、ゼオライト等の金属酸化物微粒子、ポリスチレン・ポリブタジエン共重合体からなるラテックス微粒子、高結晶性セルロース等の天然物系の有機系微粒子等が有用である。
支持体の材料の具体例としては、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビスマレイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンチオエーテル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、全芳香族ポリエステル樹脂からなる液晶樹脂、全芳香族ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができる。また、これらの樹脂を積層して用いることもできる。また、多孔質性のシート、例えば、繊維を編んで形成したクロスや、不織布、フィルムに細孔を形成したもの等をシート状支持体として用いることができる。シート状支持体として多孔質性シートを用いる場合、感光性樹脂組成物(A)を孔に含浸させた後に光硬化させることで、クッション層とシート状支持体とが一体化するために高い接着性を得ることができる。クロスあるいは不織布を形成する繊維としては、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、アルミナ・シリカ繊維、ホウ素繊維、高珪素繊維、チタン酸カリウム繊維、サファイア繊維などの無機系繊維;木綿、麻などの天然繊維;レーヨン、アセテート等の半合成繊維;ナイロン、ポリエステル、アクリル、ビニロン、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリイミド、アラミド等の合成繊維を挙げることができる。また、バクテリアの生成するセルロースは、高結晶性ナノファイバーであり、薄くて寸法安定性の高い不織布を作製することのできる材料である。
円筒状支持体の場合、繊維強化プラスチック(FRP)製、プラスチック製あるいは金属製の円筒状支持体を用いることもできる。円筒状支持体は軽量化のために一定厚みで中空のものを使用することができる。本発明においては、円筒状支持体は、剛直性支持体であっても可燒性支持体であっても構わない。
本発明において、印刷用クッション材料からなる層を支持体上に形成する方法としては、例えば、感光性樹脂組成物(A)層を支持体上に成形し、これを光照射により硬化させる方法が挙げられる。感光性樹脂組成物(A)を成形する方法は、既存の樹脂の成形方法を用いることができる。例えば、注型法、ポンプや押し出し機等の機械で樹脂をノズルやダイスから押し出し、ブレードで厚みを合わせる、ロールによりカレンダー加工して厚みを合わせる方法等が例示できる。その際、樹脂の性能を落とさない範囲で加熱しながら成形を行なうことも可能である。また、必要に応じて圧延処理、研削処理などを施してもよい。
円筒状に成形する場合は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、ポリイミド、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンチオエーテル等の有機系フィルムや、ニッケル、クロム、鉄、銅、チタン、アルミニウム等の金属製のシート状支持体上に成形した後、円筒状シリンダーに貼り付けてもよし、直接印刷機のシリンダー上に成形してもよい。
本発明においては、印刷用クッション材料からなる層、すなわちクッション層、と支持体との間のはく離接着強さが、0.03kg/cm以上7kg/cm以下であることが好ましい。より好ましい範囲は0.2kg/cm以上3kg/cm以下、更に好ましい範囲は0.3kg/cm以上3kg/cm以下である。はく離接着強さが0.03kg/cm以上であれば、高速印刷においてクッション層が支持体から剥れることなく、印刷版上のパターンの位置が変化することがない。また、はく離接着強さが7kg/cm以下であれば、クッション層を支持体から剥離し、該支持体を再利用することも可能となる。
ここで、はく離接着強さとは、JISK6854に準拠して、支持体とクッション層を、接着面に対して180°方向又は90°方向に引き剥がす際に要する力をいう。
支持体とクッション材層間のはく離接着強さを測定するサンプルがシート状あるいは板状である場合は、支持体とクッション層を180°方向に引き剥がすモードで測定し、サンプルが円筒状である場合は、支持体とクッション層を90°方向に引き剥がすモードで測定する。はく離接着強さを評価する際に用いる装置は、市販の引張試験機であることが好ましい。また、測定に際しクッション材料が伸びる場合、正確なはく離接着強さを測定することが困難となるので、クッション層の表面に補強材を貼り付けることが好ましい。
また、クッション層を、感光性樹脂組成物(A)層を支持体上に成形し、これを光照射により硬化させる方法により形成する場合、クッション層と支持体との接着力を高めるためには、感光性樹脂組成物(A)の、350nmの光を積算光量で4000mJ/cm照射して光硬化させた場合の硬化収縮率を、2%以上20%以下とすることが好ましい。硬化収縮率のより好ましい範囲は、4%以上15%以下であり、更に好ましくは5%以上10%以下である。感光性樹脂組成物(A)の硬化収縮率がこの範囲にあれば、感光性樹脂組成物(A)層の寸法が光硬化により大幅に変化することがないため、支持体として中空円筒状スリーブ等を使用した場合にも、クッション層と支持体との間の接着力を確保することができる。
ここで、硬化収縮率とは、感光性樹脂組成物の硬化前後の比重から、以下の式に従って導かれる値をいう。
硬化収縮率(%)={(硬化後の比重−硬化前の比重)/(硬化前の比重)}×100
ここで、硬化前の比重とは、水の比重を1として比重瓶等の比重測定機器を用いて測定した光硬化前の感光性樹脂組成物の比重である。また、硬化後の比重とは、感光性樹脂組成物をシート状に成形したものを光硬化させて得られるものの比重である。
本発明においては、シート状又は円筒状支持体の表面に物理的、化学的処理を行うことにより、感光性樹脂組成物層との接着性を向上させることができる。物理的処理方法としては、サンドブラスト法、微粒子を含有した液体を噴射するウエットブラスト法、コロナ放電処理法、プラズマ処理法、紫外線あるいは真空紫外線照射法などを挙げることができる。また、化学的処理方法としては、強酸・強アルカリ処理法、酸化剤処理法、カップリング剤処理法などである。
このような印刷用クッション材料からなる層を支持体上に形成した印刷用クッションは、支持体が印刷機のシリンダーの側に位置するように、すなわち、シリンダー/支持体/印刷用クッション層/印刷版の順となるように、配置して使用することが好ましい。
本発明の印刷用クッション材料からなるクッション層や印刷用クッションは積層して使用しても構わない。例えば、本発明の印刷用クッション材料からなる印刷用クッションを2枚以上重ねても構わないし、また既知の手段で作成される市販のポリエチレン発泡体や、ポリウレタン発泡体などのクッションと組み合わせても構わない。ここで、既知の手段で作成される発泡体の材料に特に制限はない。印刷用クッションを重ねて使用する際には、積層する順番も特に制限はない。
積層した合計の印刷用クッション又はクッション層の総厚みは、0.1mm以上10mm以下であることが好ましく、より好ましい範囲は、0.3mm以上5mm以下である。該範囲であればクッションとして印刷時の衝撃を充分に吸収することが可能である。
本発明の印刷用クッション材料からなる印刷用クッション層の上に、印刷版層を積層することにより印刷版とすることができる。
また、本発明の印刷用クッション材料からなる印刷用クッション層の上に、印刷原版層を積層することにより、印刷原版とすることもできる。印刷原版の表面には、凹凸パターンが形成され、これにより印刷版とすることができる。パターンの形成方法としては、特に限定はないが、例えば、印刷原版層として感光性樹脂組成物(B)層を用い、これを露光、現像工程を経る写真製版技術、印刷原版層として感光性樹脂組成物(C)層を用い、これをレーザー描画機を用いて描画、露光、現像工程を経るCTP製版技術(Computer−to−plate)、印刷原版層として感光性樹脂組成物(E)層を用い、これをレーザー描画機又は写真製版技術にて露光し、熱現像製版技術を用いてパターン化する方法、又は、印刷原版層とし樹脂硬化物層を用い、これにレーザー光を照射して樹脂を直接除去するレーザー彫刻法を挙げることができる。レーザー彫刻法は、未硬化樹脂を除去する現像工程を必要としないので、極めて簡便な方法である。
印刷用クッション材料を形成する感光性樹脂組成物(A)と、印刷原版層あるいは印刷版層を形成する感光性樹脂組成物(B)〜(E)は、組成が異なることが好ましい。ここで、「組成が異なる」とは、気泡あるいは有機系微粒子を含有しないことも含まれる。したがって、本発明では、気泡あるいは有機系微粒子を含有するか含有しないかの違いも、組成が異なるという概念に含むものとする。
印刷用クッション層の上に印刷版層又は印刷原版層を積層する方法は、印刷用クッションの上に直接印刷版又は印刷原版層を形成する樹脂を塗布する方法、シート状の印刷版又は印刷原版を、接着剤層を介して貼り付ける方法を挙げることができる。
また、レーザー彫刻印刷原版の場合、印刷原版層の材料としては、架橋天然ゴム、架橋合成ゴム、熱硬化性樹脂硬化物、感光性樹脂硬化物等を用いることができる。その中でも、感光性樹脂硬化物が好ましく、このような印刷原版層は印刷用クッション上に印刷原版用の感光性樹脂を積層した後、全面に光を照射して硬化させて、感光性樹脂硬化物層を形成することが、印刷品質の確保あるいは成形性確保の観点から、特に好ましい。
印刷用クッション層の上に形成する印刷版層や印刷原版層の厚みは、その使用目的に応じて任意に設定して構わないが、0.1〜7mmが好ましい。場合によっては、組成の異なる材料を複数積層していても構わない。例えば、レーザー彫刻印刷原版の場合、最表面にYAGレーザー、ファイバーレーザーあるいは半導体レーザー等の近赤外線領域に発振波長を有するレーザーを用いて彫刻することができる層を形成し、その層の下に炭酸ガスレーザー等の赤外線レーザーあるいは可視・紫外線レーザーを用いてレーザー彫刻できる層を形成することも可能である。このような積層構造を形成することにより、極めて出力の高い炭酸ガスレーザーを用いて比較的粗いパターンを深く彫刻し、表面近傍の極めて精細なパターンをYAGレーザー、ファイバーレーザー等の近赤外線レーザーを用いて彫刻することが可能となる。極めて精細なパターンは比較的浅く彫刻できればよいので、該近赤外線レーザーに感度のある層の厚さは、0.01mm以上0.5mm以下の範囲が好ましい。このように近赤外線レーザーに感度のある層と赤外線レーザーに感度のある層を積層することにより、近赤外線レーザーを用いて彫刻されたパターンの深さを正確に制御できる。これは、赤外線レーザーに感度のある層を、近赤外線レーザーでは彫刻することが困難である現象を利用しているからである。彫刻可能なパターンの精細さの違いは、レーザー装置固有の発振波長の違い、すなわち絞れるレーザービーム径の違いに起因する。このような方法でレーザー彫刻する場合、赤外線レーザーと近赤外線レーザーを搭載した別々のレーザー彫刻装置を用いて彫刻することもでき、また、赤外線レーザーと近赤外線レーザーの両方を搭載したレーザー彫刻装置を用いて行うことも可能である。
レーザー彫刻においては、形成したい画像をデジタル型のデータとしてコンピューターを利用してレーザー装置を操作し、原版上にレリーフ画像を作成することができる。レーザー彫刻に用いるレーザーは、原版が吸収を有する波長を含むものであればどのようなものを用いてもよいが、彫刻を高速度で行なうためには出力の高いものが望ましく、炭酸ガスレーザーやYAGレーザー、半導体レーザー等の赤外線あるいは赤外線放出固体レーザーが好ましいものの一つである。また、可視光線領域に発振波長を有するYAGレーザーの第2高調波、銅蒸気レーザー、紫外線領域に発振波長を有する紫外線レーザー、例えばエキシマレーザー、第3あるいは第4高調波へ波長変換したYAGレーザーは、有機分子の結合を切断するアブレージョン加工が可能であり、微細加工に適する。また、レーザーは連続照射でも、パルス照射でもよい。一般には樹脂は炭酸ガスレーザーの10μm近傍に吸収を持つため、特にレーザー光の吸収を助けるような成分の添加は必須ではないが、YAGレーザーは1.06μm近傍の波長であり、この波長の吸収を有するものはあまりない。その場合、これの吸収を助ける成分である、染料、顔料の添加が好ましい。このような染料の例としては、ポリ(置換)フタロシアニン化合物および金属含有フタロシアニン化合物、シアニン化合物、スクアリリウム染料、カルコゲノピリロアリリデン染料、クロロニウム染料、金属チオレート染料、ビス(カルコゲノピリロ)ポリメチン染料、オキシインドリジン染料、ビス(アミノアリール)ポリメチン染料、メロシアニン染料及びキノイド染料などが挙げられる。顔料の例としてはカーボンブラック、グラファイト、亜クロム酸銅、酸化クロム、コバルトクロームアルミネート、酸化銅、酸化鉄等の暗色の無機顔料や鉄、アルミニウム、銅、亜鉛のような金属粉およびこれら金属にSI、Mg、P、Co、NI、Y等をドープしたもの等が挙げられる。これら染料、顔料は単独で使用してもよいし、複数を組み合わせて使用してもよいし、複層構造にするなどのあらゆる形態で組み合わせてもよい。ただし、光を用いて感光性樹脂組成物を硬化させる系の場合、硬化に使用する光の波長における光吸収が大きな有機/無機化合物の添加量は、光硬化性に支障のない範囲にすることが好ましく、感光性樹脂組成物全体量に対する添加比率は、好ましくは5wt%以下、より好ましくは2wt%以下である。
レーザーによる彫刻は、酸素含有ガス下、一般には空気存在下もしくは気流下に実施するが、炭酸ガス、窒素ガス下でも実施できる。彫刻終了後、レリーフ印刷版面にわずかに発生する粉末状もしくは液状の物質は適当な方法、例えば、溶剤や界面活性剤の入った水等で洗いとる方法、高圧スプレー等により水系洗浄剤を照射する方法、高圧スチームを照射する方法などを用いて除去してもよい。
レーザー彫刻により凹凸パターンを形成した後に、パターンを形成した印刷版表面に波長200nm〜450nmの光を照射する後露光を実施することもできる。表面のタック除去に効果がある方法である。後露光は大気中、不活性ガス雰囲気中、水中のいずれの環境で行っても構わない。用いる感光性樹脂組成物中に水素引き抜き型光重合開始剤が含まれている場合、特に効果的である。更に、後露光工程前に印刷版表面を、水素引き抜き型光重合開始剤を含む処理液で処理し露光しても構わない。また、水素引き抜き型光重合開始剤を含む処理液中に印刷版を浸漬した状態で露光しても構わない。
本発明の印刷用クッション材料により製造された印刷用クッションや、本発明の印刷用クッション層を有する印刷版は、印刷機のシリンダーに装着し使用することができる。印刷機の種類に限定はないが、種々の印刷方法の印刷機の中でも特にフレキソ印刷機に用いると、本発明の効果が特に発揮され、好ましい。フレキソ印刷機の種類には共通圧胴型(CI型)、スタック型、インライン型、ダンボール用などがあるが、シリンダーに印刷用クッションを装着できる機構のフレキソ印刷機であれば印刷機の種類は特に限定されない。なお、前述の印刷機はいずれも被印刷基材上にインキを転写する型の印刷機である。
なお、効率良く印刷物を得るために高速度での印刷を行う場合、円筒状の支持体上に印刷用クッション層を形成した印刷用クッションや印刷版を用いるのが好ましい。ここで、高速度の印刷速度とは毎分100m以上1000m以下程度をいい、好ましくは毎分100m以上800m以下、更に好ましくは毎分100m以上600m以下である。円筒状支持体を用いた場合、この印刷速度の範囲であれば安定した印刷品質を得ることができる。
本発明の印刷用クッション材料から製造された印刷用クッションを印刷機のシリンダーに装着して使用する場合、印刷時の印刷版の表面温度は40℃以上150℃以下であることが好ましい。この範囲であれば熱による印刷用クッションの変形が印刷品質を低下させるなどの問題もなく使用できる。通常は印刷機の使用限界温度は被印刷体によって決定される。一般的に紙やダンボールなどよりもフィルムのほうが耐熱温度が低く、印刷機の温度が高くなるにつれて、印刷機上で張力がかかっているフィルムが延伸する。フィルムが延伸することによって強度不足や、延伸したフィルムによる多色印刷での色間の見当ズレなどが生じて問題を起こすので、より好ましくは40℃以上100℃以下、さらに好ましくは40℃以上80℃以下である。印刷版の表面温度は、印刷機を停止して測定することが好ましい。ここで、表面温度とは、印刷機のアニロックスロールや被印刷基材と直接接触する印刷版の最表面の温度とする。
本発明の印刷用クッション材料から製造された印刷用クッションまたは本発明の印刷用クッション材料から製造される印刷用クッション層を有する印刷版と組み合わせて使用される印刷機には、インキを被印刷体へ定着させるための熱源あるいは光源が搭載されていることが好ましい。インキを被印刷体へ定着させるためには熱風を吹き付けることによってインキ中の溶媒を蒸発させる乾燥、紫外線を照射して紫外線硬化型のインキを硬化させる乾燥、電子線を照射してインキを硬化させる乾燥などの方法がある。中でも熱風を吹き付ける方法、紫外線を照射する方法が最も効率が良く簡便である。
本発明の印刷用クッション材料は、窯業製品の型材用レリーフ画像、広告・表示板などのディスプレイ用レリーフ画像、電子部品作成に用いられる絶縁体・抵抗体・導電体ペーストのパターニング用レリーフ画像等のレリーフ画像を有する印刷版;光学部品の反射防止膜・カラーフィルター・(近)赤外線吸収フィルター等の機能性材料のパターン形成に用いる印刷版;液晶ディスプレイあるいは有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等の表示素子の製造における配向膜・下地層・発光層・電子輸送層・封止剤層等の塗膜のパターン形成に用いる印刷版;スクリーン印刷版;ロータリースクリーン印刷版等の種々の印刷版のクッション層や、これらの印刷版と組み合わせて使用される印刷用クッションを製造するために用いることができる。
また、本発明の印刷クッション用クッション材料は、スタンプ・印章、エンボス加工用のデザインロール、各種成型品の原型・母型、印刷用ブランケット、アニロックスロールに接して用いるインキ量調整ロールなど各種用途に応用し利用することもできる。
以下に示す本発明の実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、これらは例示的なものであり、本発明は以下の実施例等に制限されるものではない。当業者は、以下に示す実施例に様々な変更を加えて本発明を実施することができ、かかる変更は本願特許請求の範囲に包含される。
[実施例I−1〜9、比較例I−1〜9]
実施例I−1〜9、比較例I−1〜9で用いた測定方法、評価方法を説明する。
(I−1)粘度の測定
感光性樹脂組成物の粘度は、B型粘度計(商標、B8H型;日本国、東京計器社製)を用い、20℃で測定した。また、樹脂の粘度は、50℃で測定した。
(I−2)樹脂(a)の数平均分子量の測定
樹脂(a)の平均分子量は、GPC法を用いて求めた多分散度(Mw/Mn)が1.1より大きいものであったため、GPC法で求めた数平均分子量Mnを採用した。具体的には、樹脂(a)の数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ法(GPC法)を用いて、分子量既知のポリスチレンで換算して求めた。高速GPC装置(日本国、東ソー社製、商標、HLC−8020)とポリスチレン充填カラム(商標:TSKgel GMHXL;日本国、東ソー社製)を用い、テトラヒドロフラン(THF)で展開して測定した。カラムの温度は40℃に設定した。GPC装置に注入する試料としては、樹脂濃度が1wt%のTHF溶液を調製し、注入量10μlとした。また、検出器としては、樹脂紫外吸収検出器を使用し、モニター光として254nmの光を用いた。
(I−3)重合性不飽和基の数の測定
樹脂(a)の分子内に存在する重合性不飽和基の平均数は、未反応の低分子成分を液体クロマトグラフ法を用いて除去した後、核磁気共鳴スペクトル法(NMR法)を用いて分子構造解析し求めた。
(I−4)カプセル状微粒子の真比重測定
100mlのメスフラスコの重量を秤量し、この重量をWS1(g)とした。カプセル状微粒子約2gを秤量して該メスフラスコに入れて全重量を秤量し、この重量をWS2(g)とした。該メスフラスコにイソプロピルアルコール(IPA)を50ml加え、振り混ぜてカプセル状微粒子に付着した空気を完全に除き、さらにIPAをメスフラスコの標線まで加えて全重量を秤量し、この重量をWS3(g)とした。別途、メスフラスコの空重量を測定し、この重量をWB1(g)とした。該メスフラスコにIPAを標線まで加えて重量を秤量し、この重量をWB2(g)とした。
以上の値を全て求めた後に、以下の式よりカプセル状微粒子の真比重を求めた。
Figure 2007129704
(I−5)貯蔵弾性率(E’)、損失弾性率(E’’)、tanδの測定
(感光性樹脂組成物(A)から形成した印刷用クッション材料の場合)
感光性樹脂組成物(A)から形成した印刷用クッション材料の貯蔵弾性率(E’)、損失弾性率(E’’)、tanδを動的粘弾性測定装置RSA−II(レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー株式会社製、商品名)を用いて以下の手順で測定した。
外径152.905mm、幅450mmの繊維強化プラスチック製の円筒状支持体上に厚み100μmの透明で表面がシリコン処理されたポリエステルフィルムを貼り付けた。該ポリエステルフィルム上に感光性樹脂組成物(A)をドクターブレードで塗工し、これにメタルハライドランプ(アイ・グラフィックス社製、商標「M056−L21」)の紫外線を4000mJ/cm(UVメーターとUV−35−APRフィルターを用いて積算したエネルギー量)照射し、硬化させ測定用の印刷用クッション材料を得た。硬化後の厚みが0.5mmとなるようにドクターブレードで調節した。
次に、測定用の印刷用クッション層幅10mm、長さ35mmのサイズにカットし、動的粘弾性測定装置RSA−IIの引張タイプのジオメトリーに、サンプルをセットし、実効測定長さを22.6mm、ひずみを0.1%とし、測定周波数を正弦波で0.01Hzから15.915Hzの範囲で与え、測定温度は、30℃から−10℃づつ、−60℃まで10℃刻みで測定し、該装置のアプリケーションに従い、温度時間換算側によって、リファレンス温度を20℃で、マスターカーブを作成して、1000Hzにおけるtanδ値を読み取った。
(熱硬化性樹脂組成物から形成した印刷用クッション材料の場合)
ポリエステルフィルム上に熱硬化性樹脂組成物をドクターブレードで塗工し、これを熱硬化させ測定用の印刷用クッション材料を得た以外は、感光性樹脂組成物(A)から形成した印刷用クッション材料の場合と同様にして測定した。
(市販の印刷用クッションの場合)
市販クッションテープは一般的にフィルムの支持体がクッション層と一体化しており、引張タイプのジオメトリーを用いた測定ではクッション材料自体の貯蔵弾性率、損失弾性率の測定が困難である。圧縮タイプのジオメトリーにサンプルをセットし、実効測定長さを20mm×20mm、ひずみを0.5%とした以外は感光性樹脂組成物(A)から形成した印刷用クッション材料と同じ条件で測定した。
なお、確認のため、感光性樹脂組成物(A)から形成した印刷用クッション材料を引張タイプ、圧縮タイプで測定しても測定値は同じであった。
(I−6)23℃における落球式測定法での反発弾性の測定
厚さ0.5mm、大きさ50mm×50mmの正方形のシート状印刷用クッション材料を用意し、これを4枚重ねて測定用サンプルとした。なお、比較用の市販のクッションテープについても同様に大きさ50mm×50mmのものを用意し、4枚重ねて測定用サンプルとした。重ねる際には空気が潜り込まないように慎重に重ねて、鉄球落下中心部分と推測される箇所に固定した。固定には両面テープ(3M社製、商標「ST−416」)を用いて下面のみを固定した。落球法による測定は、印刷面上方300mmの高さから直径8mmの鉄球を版上に自然落下させ、この鉄球が跳ね返る高さSmmを測定した。
(I−7)レーザー彫刻
レーザー彫刻は、炭酸ガスレーザー彫刻機(商標:ZED−mInI−1000、英国、ZED社製、米国、コヒーレント社製、出力250W炭酸ガスレーザーを搭載)を用いて行った。彫刻画像は120LInes per Inchで作成した。網点は1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、12%、15%、18%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、100%のパターンを作成した。別途、1%から99%までのグラデーションのパターンを作成した。細線は60μm幅、100μm幅、150μm幅、200μm幅、250μm幅、500μm幅のパターンを作成した。白抜き線は60μm幅、100μm幅、150μm幅、200μm幅、250μm幅、500μm幅のパターンを作成した。細字は2poInt、3poInt、4poInt、6poInt、8poIntを明朝体、ゴシック体で作成した。白抜き細字は2poInt、3poInt、4poInt、6poInt、8poIntを明朝体、ゴシック体で作成した。また、濃度のムラを検出するために20%と30%の網点を50mm×50mmの大きさで作成した。
なお、彫刻深さを大きく設定すると、微細な網点部のパターンのレリーフ面の面積が確保できず、形状も崩れて不鮮明となるため、彫刻深さは0.5mmとした。
(I−8)印刷性評価試験
ベタ部分の隠蔽率が高く、視覚的に均一にインキ皮膜が存在し、白抜き線の埋まりが少ないく、細線の太りが少なく、網点がオリジナルデータに近いほど高品質な印刷物といえる。
そこで、印刷性の評価試験として、後述の感光性樹脂組成物Dからなる印刷層を有するレーザー彫刻用フレキソ版を用いて下記の条件(被印刷体、印刷速度、印刷機)で印刷を行い、ベタ部分、すなわちテストパターンの100%画像部、の隠蔽率、白抜き線の埋まりと細線の太りの視覚的評価、網点再現性の視覚的評価を行を行った。
なお、ベタの部分の隠蔽率については、画像解析装置(株式会社NIRECO製、商標「LUZEX」)で測定し、以下の評価基準に従って評価した。
A:ベタ隠蔽率97%以上
B:ベタ隠蔽率95%以上97%未満
C:ベタ隠蔽率90%以上95%未満
D:ベタ隠蔽率90%未満
また、白抜き線の埋まりについては、5人の評価者に以下の基準で印刷物の白抜き線を評価をしてもらい、平均点が3.5点以上をA、2.5点以上3.5点未満をB、1.5点以上2.5点未満をC、1.5点未満をDとした。
4点:きれいに抜けている
3点:ほぼきれいに抜けている
2点:やや埋まっている
1点:完全に埋まっている
また、網点再現性については、連続的に変化させた網点を印刷した印刷物の網点の連続的な変化を5人の評価者に以下の基準で評価をしてもらい、平均点が3.5点以上をA、2.5点以上点3.5未満をB、1.5点以上2.5点未満をC、1.5点未満をDとした。
4点:なめらかである
3点:ほぼなめらかである
2点:断続的な変化がやや見られる
1点:断続的な変化がはっきり見られる
(印刷層製造用感光性樹脂組成物(D)の製造)
温度計、攪拌機、還流器を備えた1Lのセパラブルフラスコに、旭化成株式会社製ポリカーボネートジオールである、商標「PCDL L4672」(数平均分子量1945、OH価57.7)455.53gとトリレンジイソシアナート28.76gを加え、80℃に加温下に約3時間反応させた後、2−メタクリロイルオキシイソシアネート18.25gを添加し、さらに約3時間反応させて、末端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽和基が1分子あたり平均約1.7個)である数平均分子量約7000の樹脂を製造した。
この樹脂は20℃では水飴状であり、外力を加えると流動し、かつ外力を除いても元の形状を回復しなかった。
この樹脂67重量部に対し、重合性モノマーとしてフェノキシアクリレート23重量部、ジエチレングリコールモノブチルエーテルモノメタクリレート8重量部を添加した。多孔質性微粉末シリカである、富士シリシア化学株式会社製、商標「サイロスフェアC−1504」(数平均粒子径4.5μm、比表面積520m/g、平均細孔径12nm、細孔容積1.5ml/g、灼熱減量2.5wt%、吸油量290ml/100g)を5.1重量部添加した。添加した多孔質球状シリカであるサイロスフェアーC−1504の真球度は、走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、ほぼ全ての粒子が0.9以上であった。
光重合開始剤として、水素引き抜き型光重合開始剤であるベンゾフェノンを0.5重量部、崩壊型光重合開始剤である2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPAP)を0.6重量部添加した。
その他添加剤として、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール1.0重量部、メチルスチリル変性シリコーンオイル(信越化学工業社製、商標「KF−410」)1重量部を加えて20℃で液状の印刷層製造用の感光性樹脂組成物(D)を作成した。
感光性樹脂組成物(D)は20℃において液状であった。また、B型粘度計を用いて測定した粘度は、20℃において、5kPa・s以下であった。
・印刷性評価試験1
被印刷体として二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用い、エステル系溶剤インキを用いてフレキソ印刷機(日本、伊予機械社製)で100m/分の印刷速度にて印刷を行った。
・印刷性評価試験2
被印刷体としてポリエチレンフィルムを用い、エステル系溶剤インキを用いてフレキソ印刷機(ドイツ、ウィンドミュラー&ヘルシャー社製、商標「SOLOFLEX」)で100m/分の印刷速度にて印刷を行った。
・印刷性評価試験3
被印刷体としてポリエチレンフィルムを用い、アルコール系インキを用いてフレキソ印刷機LEMO「MeIsterflex」印刷機(ドイツ、NIederkassel−Mondorf、D−53859のLEMO MaschInenbau GmbH製)で120m/分にて印刷を行った。
・印刷性評価試験4
被印刷体としてポリエチレンフィルムを用い、エステル系溶剤インキを用いてフレキソ印刷機(ドイツ、フィッシャー&クレッケ社製、商標「FLEXPRESS16S」)で200m/分の印刷速度にて印刷を行った。
・印刷性評価試験5
さらに高速な印刷性評価試験として、被印刷体として二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用い、アルコール系溶剤インキを用いてフレキソ印刷機(イタリア、UTECO社製)で600m/分の印刷速度にて印刷を行った。
(I−9)支持体とクッション層間のはく離接着強さ評価試験
支持体とクッション材料間のはく離接着強さは、JISK6854に準拠して測定した。サンプルがシート状あるいは板状である場合は、支持体とクッション層を180°方向に引き剥がすモードで測定し、サンプルが円筒状である場合は、支持体とクッション層を90°方向に引き剥がすモードで測定した。また、測定に際し、クッション層の表面に薄く接着剤を塗布しポリエステルフィルム(PETフィルム)で補強して測定に供した。サンプルの幅は、30mmとし、引き剥がす速度を、毎分50mmと設定した。測定には、引張試験機(島津製作所社製、商標「AGS−J」)を使用した。
(実施例I−1)
(樹脂(a1)の調製)
樹脂(a)として用いるために、温度計、攪拌機、還流器を備えた2Lのセパラブルフラスコに旭化成株式会社製ポリカーボネートジオールである、商標「PCDL T4672」(数平均分子量2063、OH価54.4)875gとトリレンジイソシアナート53.7gを加え、80℃に加温下に約3時間反応させた後、2−メタクリロイルオキシイソシアネート36.9gを添加し、さらに約3時間反応させて、末端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽和基が1分子あたり平均約1.7個)である数平均分子量約8000の樹脂(a1)、を製造した。この樹脂は20℃では水飴状であり、外力を加えると流動し、かつ外力を除いても元の形状を回復しなかった。
H−NMR(水素原子を観測核とした核磁気共鳴スペクトル法)測定において、テトラメチルシラン(TMS)を基準とした場合に、化学シフトが1.4〜1.7ppmの範囲、4.0〜4.3ppmの範囲、4.5〜5.5ppmの範囲にピークを示す水素原子の、樹脂(a1)が有する全水素原子に対する存在比は40%であった。
(印刷用クッション製造用の感光性樹脂組成物(A1)の調製)
樹脂(a1)50重量部に対し、有機化合物(b)としてフェノキシエチルメタクリレート25重量部、フェノキシエチルアクリレート25重量部を添加した。
光重合開始剤(c)として、崩壊型光重合開始剤である2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPAP)を0.5重量部添加した。
その他添加剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを0.6重量部、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートを1重量部を加えて20℃で液状の樹脂組成物(A1’)を作成した。
樹・BR>苑G成物(A1’)は20℃において液状であった。また、B型粘度計を用いて測定した粘度は、20℃において、80Pa・s以下であった。
この樹脂組成物(A1’)100重量部に対し、有機系微粒子として、既に膨張させてある平均粒子径が約100μmのカプセル状微粒子(松本油脂社製、商標「MFL100CA」)16gを、遊星式混錬機を用いて混合し、印刷用クッション製造用の樹脂組成物(A1)を調製した。なお、前記カプセル状微粒子は、表面に炭酸カルシウム微粒子が付着したものであり、真比重は0.134g/cmであった。
感光性樹脂組成物(A1)は20℃において液状であった。また、B型粘度計を用いて測定した粘度は、20℃において、4000Pa・s以下であった。
(印刷版の製造)
エアーシリンダー上に装着された厚さ1.2mmの繊維強化プラスチック製の中空円筒状支持体上に、UV硬化型接着剤を厚さ約50μm塗布し、その上に樹脂組成物(A1)を厚さ0.5mmに塗布し、メタルハライドランプの光を照射して、円筒状の樹脂硬化物からなる印刷用クッション層を得た。該印刷用クッション層の密度は0.56g/cmであった。さらに、その上に感光性樹脂組成物(D)を厚さ約1.9mmで積層した後、メタルハライドランプの光を照射して、円筒状の感光性樹脂硬化物層を得た。照射したエネルギー量は、4000mJ/cm(UV−35−APRフィルター(商標、オーク製作所社製)で測定した照度を時間積分した値)であった。さらに、得られた感光性樹脂硬化物層の表面を研削、研磨することにより、厚さ1.6mmの感光性樹脂硬化物からなる印刷原版層を形成した。
得られた円筒状印刷原版にZED社製のレーザー彫刻機をもちいて、パターンの彫刻を行った。形成された網点のパターンは円錐状の良好なものであった。細線のパターンは山型で良好なものであった。白抜き線のパターンは谷型で良好なものであった。細字、白抜き文字も良好に形成されていた。また、版表面にカスは残存していなかった。その後、印刷用クッションとレーザー彫刻印刷版層との界面の接着性は問題なかった。
得られた円筒状印刷版を用いて印刷性評価試験を行った結果を表1に示す。いずれの印刷性評価試験においてもベタ隠蔽率、白抜き、網点再現性ともに良好な結果を示した。特に、印刷性評価試験5においては毎分600mという高速度な印刷においても、良好な印刷結果を示した。
(実施例I−2)
カプセル状微粒子の種類と添加量を変更し、印刷用クッション層の密度を0.56g/cmとした以外は実施例I−1と同様にして円筒状印刷原版を作成した。なお、実施例I−2で使用したカプセル状微粒子の真比重は0.112g/cmであった。
得られた円筒状印刷版を用いて印刷性評価試験を行った結果を表1に示す。ベタ隠蔽率、白抜き、網点再現性ともに良好な結果を示した。
(実施例I−3)
カプセル状微粒子の種類と添加量を変更しし、印刷用クッション層の密度を0.55g/cmとした以外は実施例I−1と同様にして円筒状印刷原版を作成した。なお、実施例I−3で使用したカプセル状微粒子は、松本油脂社製、商標「MFL80GCCA」で、平均粒子径が約20μmで、真比重は0.112g/cmであった。
得られた円筒状印刷版を用いて印刷性評価試験を行った結果を表1に示す。ベタ隠蔽率、白抜き、網点再現性ともに良好な結果を示した。
(実施例I−4)
カプセル状微粒子の種類と添加量を変更し、印刷用クッション層の密度を0.56g/cmとした以外は実施例I−1と同様にして円筒状印刷原版を作成した。なお、実施例I−4で使用したカプセル状微粒子は、松本油脂社製、商標「MFL100SCA」で、平均粒子径が約30μmで、真比重は0.220g/cmであった。
得られた円筒状印刷版を用いて印刷性評価試験を行った結果を表1に示す。ベタ隠蔽率、白抜き、網点再現性ともに良好な結果を示した。
(実施例I−5)
カプセル状微粒子の種類と添加量を変更しし、印刷用クッション層の密度を0.55g/cmとした以外は実施例I−1と同様にして円筒状印刷版を作成した。なお、実施例I−5で使用したカプセル状微粒子は、松本油脂社製、商標「F80DE」で、平均粒子径が約100μmで、表面に炭酸カルシウム微粒子はなく、真比重は0.0236g/cmであった。クッション層の硬化収縮率は、6%であった。また、クッション層と繊維強化プラスチック製中空円筒状支持体とのはく離接着強さは、0.2kg/cmであった。
得られた円筒状印刷版を用いて印刷性評価試験を行った結果を表1に示す。ベタ隠蔽率、白抜き、網点再現性ともに良好な結果を示した。
(実施例I−6)
(印刷用クッション製造用の感光性樹脂組成物(A2)の調製)
実施例I−1の樹脂(a1)50重量部に対し、実施例I−5で用いたカプセル状微粒子を混合し、その後、有機化合物(b)としてフェノキシエチルメタクリレート25重量部、フェノキシエチルアクリレート25重量部を添加した。
光重合開始剤(c)として、崩壊型光重合開始剤である2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPAP)を0.5重量部添加した。
その他添加剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを0.6重量部、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートを1重量部を加えて20℃で液状の感光性樹脂組成物(A2)を製造した。
樹脂組成物(A2)は20℃において液状であった。また、B型粘度計を用いて測定した粘度は、20℃において、80Pa・s以下であった。
(印刷版の製造)
感光性樹脂組成物(A)として、樹脂組成物(A2)を用いた以外は実施例I−1と同様にして円筒状印刷版を製造した。なお、印刷用クッション層の密度は0.56g/cmであった。
得られた円筒状印刷版を用いて印刷性評価試験を行った結果を表1に示す。ベタ隠蔽率、白抜き、網点再現性ともに良好な結果を示した。
(実施例I−7)
(印刷用クッション製造用熱硬化性樹脂組成物の調製)
熱硬化型ウレタンゴム(日本ポリウレタン工業社製、TC−551)100重量部と、熱硬化型ウレタンゴム(日本ポリウレタン工業社製、ON−H19)94重量部とを混合し、得られた混合物100重量部に対し、カプセル状微粒子(松本油脂社製、商標「MFL100CA」)を12.4重量部混合し、印刷用クッションを製造するための熱硬化性樹脂組成物を用意した。
(印刷版の製造)
エアーシリンダー上に装着された厚さ1.2mmの繊維強化プラスチック製の中空円筒状支持体上に前述の熱硬化性樹脂組成物を厚さ0.5mmに塗布し、80℃で3時間加熱し、円筒状の樹脂硬化物からなる印刷用クッション層を得た以外は、実施例I−1と同様にして円筒状印刷版を製造した。該クッション層の密度は0.62g/cmであった。
このようにして得た印刷用クッション材料の20℃、1000Hzにおける硬化物の貯蔵弾性率(E‘)は、1×10Pa、損失弾性率(E’’)は、1.3×10Pa、損失正接(tanδ)は、0.14であった。
得られた円筒状印刷版を用いて印刷性評価試験を行った結果を表1に示す。ベタ隠蔽率、網点再現性は、実施例I−3に比較して劣っていたが、印刷性は全体として大変良いものであった。
(実施例I−8)
(印刷用クッション製造用熱硬化性光性樹脂組成物の調製)
熱硬化型ウレタンゴムプレポリマー(幸邦化学社製、K−552)100重量部と、架橋剤5.4重量部とを混合し、得られた混合物100重量部に対し、カプセル状微粒子(松本油脂社製、MFL100CA)を8.6重量部混合し、印刷用クッションを製造するための熱硬化性樹脂組成物を用意した。
(印刷版の製造)
エアーシリンダー上に装着された厚さ1.2mmの繊維強化プラスチック製の中空円筒状支持体上に前述の熱硬化性樹脂組成物を厚さ0.5mmに塗布し、110℃で1時間加熱し、円筒状の樹脂硬化物からなる印刷用クッション層を得た以外は、実施例I−1と同様にして円筒状印刷版を製造した。該クッション層の密度は0.57g/cmであった。
このようにして得た印刷用クッション材料20℃、1000Hzにおける硬化物の貯蔵弾性率(E‘)は、1.3×10Pa、損失弾性率(E’’)は、7×10Pa、損失正接(tanδ)は、0.52であった。
得られた円筒状印刷版を用いて印刷性評価試験を行った結果を表1に示す。ベタ隠蔽率、白抜き、網点再現性は、実施例I−3の印刷版よりは若干劣るが、ほぼ同レベルであった。
(実施例I−9)
(印刷用クッション製造用の感光性樹脂組成物(A6)の調製)
実施例I−1の樹脂(a1)60重量部に対し、有機化合物(b)としてペンタエリスリトールトリメタクリレート30重量部を添加した。
光重合開始剤(c)として、崩壊型光重合開始剤である2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPAP)を0.5重量部添加した。
その他添加剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを0.6重量部、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートを1重量部加えて20℃で液状の樹脂組成物(A6’)を作成した。
この樹脂組成物(A6’)100重量部に対し、有機系微粒子として、既に膨張させてある平均粒子径が約100μmのカプセル状微粒子(松本油脂社製、商標「MFL100CA」)2.6gを、遊星式混錬機を用いて混合し、印刷用クッション製造用の樹脂組成物(A6)を調製した。
(印刷版の製造)
感光性樹脂組成物(A)として、樹脂組成物(A6)を用いた以外は、実施例I−1と同様にして、円筒状印刷版を製造した。なお、得られたクッション層の密度は0.94g/cmであった。
このようにして得た印刷用クッション材料の20℃、1000Hzにおけるクッション層の貯蔵弾性率(E’)は、2×10Pa、損失弾性率(E’’)は、2×10Pa、損失正接(tanδ)は、0.1であった。
得られた円筒状印刷版を用いて印刷性評価試験を行った結果を表1に示す。ベタ隠蔽率、白抜きは、実施例Iの中では最も劣ったものであったが、印刷性は全体として概ね良好ではあった。
(比較例I−1)
(樹脂(a)の調製)
樹脂(a)として用いるために、温度計、攪拌機、還流器を備えた2Lのセパラブルフラスコに旭化成株式会社製ポリカーボネートジオールである、商標「PCDL T4672」(数平均分子量1945、OH価57.7)1198gとトリレンジイソシアナート52.8gを加え80℃で約3時間反応させた後、2−メタクリロイルオキシイソシアネート48.5gを添加し、さらに約3時間反応させて、末端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽和基が1分子あたり平均約2個)である数平均分子量約4000の樹脂(a2)を製造した。この樹脂は20℃では水飴状であり、外力を加えると流動し、かつ外力を除いても元の形状を回復しなかった。
H−NMR(水素原子を観測核とした核磁気共鳴スペクトル法)測定において、テトラメチルシラン(TMS)を基準とした場合に、化学シフトが1.4〜1.7ppmの範囲、4.0〜4.3ppmの範囲、4.5〜5.5ppmの範囲にピークを示す水素原子の、樹脂(a2)が有する全水素原子に対する存在比は35%であった。
(印刷用クッション製造用の感光性樹脂組成物(A)の調製)
前記の樹脂(a2)67重量部に対し、有機化合物(b)としてフェノキシエチルアクリレート33重量部を添加した。
光重合開始剤(c)として、崩壊型光重合開始剤である2−ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1を1重量部添加した。
その他添加剤として3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル−プロピオキシ)エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン1重量部、トリフェニルホスフェイトを0.2重量部、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートを1重量部を加えて20℃で液状の感光性樹脂組成物(A3)を作成した。
感光性樹脂組成物(A3)は20℃において液状であった。また、B型粘度計を用いて測定した粘度は、20℃において、80Pa・s以下であった。
(印刷版の製造)
感光性樹脂組成物(A)として樹脂組成物(A3)を用いた以外は、実施例I−1と同様にして円筒状印刷版を作成した。
得られた円筒状印刷版を用いて印刷性評価試験を行った結果を表1に示す。ベタ隠蔽率、白抜き、網点再現性ともに実施例よりも劣る結果を示した。
(比較例I−2)
印刷用クッション層として、市販品のS社製ポリエチレン(PE)系低硬度クッションテープを用いた以外は実施例I−1と同様にして、円筒状印刷版を作成した。
得られた円筒状印刷版を用いて印刷性評価試験を行った結果を表1に示す。ベタ隠蔽率、白抜き、網点再現性ともに実施例よりも劣る結果を示した。
(比較例I−3)
印刷用クッション層として、市販品のS社製PE系高硬度クッションテープを用いた以外は実施例I−1と同様にして、円筒状印刷版を作成した。
得られた円筒状印刷版を用いて印刷性評価試験を行った結果を表1に示す。ベタ隠蔽率、白抜き、網点再現性ともに実施例よりも劣る結果を示した。
(比較例I−4)
印刷用クッションとして、市販品のR社製ポリウレタン(PU)系高硬度クッションテープを用いた以外は実施例I−1と同様にして、円筒状印刷版を作成した。
得られた円筒状印刷版を用いて印刷性評価試験を行った結果を表1に示す。ベタ隠蔽率、白抜き、網点再現性ともに実施例よりも劣る結果を示した。
(比較例I−5)
印刷用クッションとして、市販品のL社製PE系高硬度クッションテープを用いた以外は実施例I−1と同様にして、円筒状印刷版を作成した。
得られた円筒状印刷版を用いて印刷性評価試験を行った結果を表1に示す。ベタ隠蔽率、白抜き、網点再現性ともに実施例よりも劣る結果を示した。
(比較例I−6)
(印刷用クッション製造用感光性樹脂組成物(A)の調製)
比較例I−1の樹脂組成物(A3)をミキサーを用いて強制攪拌し、気泡を含有させた樹脂組成物(A4)を得た。樹脂組成物(A4)を光硬化させてその中に存在する気泡を光学顕微鏡で観察したところ、その平均径は約80μmであった。
(印刷版の製造)
感光性樹脂組成物(A)として樹脂組成物(A4)を用いた以外は、実施例I−1と同様にして円筒状印刷版を作成した。印刷用クッション層の密度を0.57g/cmであった。
得られた円筒状印刷版を用いて印刷性評価試験を行った結果を表1に示す。ベタ隠蔽率、白抜き、網点再現性ともに実施例よりも劣る結果を示した。
(比較例I−7)
(樹脂(a)の調製)
樹脂(a)として用いるために、温度計、攪拌機、還流器を備えた2Lのセパラブルフラスコにクラレ株式会社製、ポリエステルジオール、商標「クラレポリオールP3010」(数平均分子量37.5、OH価37.5)1252gとヘキサメチレンジイソシアネート63.0gを加え80℃に加温下に約3時間反応させた後、2−メタクリロイルオキシイソシアネート13.6gを添加し、さらに約3時間反応させて、末端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽和基が1分子あたり平均約2.0個)である数平均分子量約30000の樹脂(a4)を製造した。この樹脂は20℃では水飴状であり、外力を加えると流動し、かつ外力を除いても元の形状を回復しなかった。
H−NMR(水素原子を観測核とした核磁気共鳴スペクトル法)測定において、テトラメチルシラン(TMS)を基準とした場合に、化学シフトが1.4〜1.7ppmの範囲、4.0〜4.3ppmの範囲、4.5〜5.5ppmの範囲にピークを示す水素原子の、樹脂(a4)が有する全水素原子に対する存在比は70%であった。
(印刷用クッション製造用感光性樹脂組成物(A)の調製)
前記の樹脂(a4)67重量部に対し、有機化合物(b)として、フェノキシエチルアクリレート25重量部、ジエチレングリコールモノブチルエーテルモノメタクリレート8重量部を添加した。多孔質性微粉末シリカである、富士シリシア化学株式会社製、商標「サイロスフェアC−1504」(数平均粒子径4.5μm、比表面積520m/g、平均細孔径12nm、細孔容積1.5ml/g、灼熱減量2.5wt%、吸油量290ml/100g)を5.1重量部添加した。添加した多孔質球状シリカであるサイロスフェアーC−1504の真球度は、走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、ほぼ全ての粒子が0.9以上であった。
光重合開始剤(c)として、水素引き抜き型光重合開始剤であるベンゾフェノンを1重量部、崩壊型光重合開始剤である2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPAP)を0.6重量部、添加した。
その他添加剤として3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル−プロピオキシ)エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン1重量部、トリフェニルホスフェイトを0.2重量部、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートを1重量部、メチルスチリル変性シリコーンオイル(信越化学工業社製、商標「KF−410」)1重量部を加えて20℃で液状の樹脂組成物(A5)を作成した。樹脂組成物(A5)は20℃において液状であった。
(印刷版の製造)
感光性樹脂組成物(A)として樹脂組成物(A5)を用いた以外は実施例I−1と同様にして円筒状印刷版を作成した。印刷用クッション層の密度を1.19g/cmであった。クッション層の硬化収縮率は、3%であった。また、クッション層と繊維強化プラスチック製中空円筒状支持体とのはく離接着強さは、0.03kg/cm未満であった。
得られた円筒状印刷版を用いて印刷性評価試験を行った結果を表1に示す。ベタ隠蔽率、白抜き、網点再現性ともに実施例よりも劣る結果を示した。
(比較例I−8)
印刷用クッションとして、市販品のR社製ポリウレタン(PU)系低硬度クッションテープを用いた以外は実施例I−1と同様にして円筒状印刷版を作成した。
得られた円筒状印刷版を用いて印刷性評価試験を行った結果を表1に示す。ベタ隠蔽率、白抜き、網点再現性ともに実施例よりも劣る結果を示した。
(比較例I−9)
(印刷用クッション製造用の熱硬化せい樹脂組成物の調整)
熱硬化型ウレタンゴム(信越化学工業社製、KE−1935)100重量部と、熱硬化型ウレタンゴム(信越化学工業社製、KE−1935B)100重量部とを混合し、得られた混合物100重量部に対し、カプセル状微粒子(松本油脂社製、MFL100CA)を12重量部混合し、印刷用クッションを製造するための熱硬化性樹脂組成物を用意した。
(印刷版の製造)
エアーシリンダー上に装着された厚さ1.2mmの繊維強化プラスチック製の中空円筒状支持体上に前述の熱硬化性樹脂組成物を厚さ0.5mmに塗布し、120℃で30分間加熱し、円筒状の樹脂硬化物からなる印刷クッション層を得た以外は、実施例I−1と同様にして円筒状印刷版を製造した。なお、得られたクッション層の密度は0.63g/cmであった。
このようにして得た印刷用クッション材料の20℃、1000Hzにおける硬化物の貯蔵弾性率(E‘)は、7×10Pa、損失弾性率(E’’)は、9×10Pa、損失正接(tanδ)は、0.14であった。
得られた円筒状印刷版を用いて印刷性評価試験を行った結果を表1に示す。白抜き、網点再現性は、実施例I−9に比較してさらに劣っていた。
表1より、本発明の印刷用クッション材料により製造された印刷用クッション層を有する印刷版を用いた実施例I−1〜9においては、いずれも良好なベタ隠蔽率、白抜き、網点再現性を示し、高品質の印刷物が得られることが確認できた。特に、実施例I−1については、600m/分という非常に高い印刷速度にて印刷を行っても(印刷性評価試験5)、高品質の印刷物を得ることができた。
これに対し、20℃、1000Hzにおける貯蔵弾性率がいずれも1.0×10Pa未満である市販の印刷用クッションテープを印刷用クッション層として有する印刷版を用いた比較例I−2〜5、8においては、満足な印刷品質を得られなかった。
また、熱硬化性樹脂組成物の熱硬化物、感光性樹脂組成物の光硬化物により製造された印刷用クッション層を有する印刷版であっても、その20℃、1000Hzにおける貯蔵弾性率が1.0×10Pa未満である比較例I−1、6、7、9においては、満足な印刷品質は得られなかった。
Figure 2007129704
[実施例II−1〜3、比較例II−1〜3]
実施例II−1〜3、比較例II−1〜3で用いた測定方法、評価方法を説明する。
(II−1)粘度
感光性樹脂組成物の粘度は、B型粘度計(商標、B8H型;日本国、東京計器社製)を用い、20℃で測定した。また、樹脂(a)の粘度は、50℃で測定した。
(II−2)数平均分子量の測定
本発明に用いる樹脂(a)の数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ法(GPC法)を用いて、分子量既知のポリスチレンで換算して求めた。高速GPC装置(日本国、東ソー社製、商標、HLC−8020)とポリスチレン充填カラム(商標:TSKgel GMHXL;日本国、東ソー社製)を用い、テトラヒドロフラン(THF)で展開して測定した。カラムの温度は40℃に設定した。GPC装置に注入する試料としては、樹脂濃度が1wt%のTHF溶液を調製し、注入量10μlとした。また、検出器としては、樹脂(a)に関しては紫外吸収検出器を使用し、モニター光として254nmの光を用いた。本発明の実施例II−あるいは比較例II−で用いる樹脂(a)は、GPC法を用いて求めた多分散度(Mw/Mn)が1.1より大きいものであったため、GPC法で求めた数平均分子量Mnを採用した。有機化合物(b)は、GPC法を用いて求めた多分散度(Mw/Mn)が1.1より小さいものであったため、核磁気共鳴スペクトル法(NMR法)を用いて同定した分子構造から分子量を計算した。
(II−3)重合性不飽和基の数の測定
合成した樹脂(a)の分子内に存在する重合性不飽和基の平均数は、未反応の低分子成分を液体クロマトグラフ法を用いて除去した後、核磁気共鳴スペクトル法(NMR法)を用いて分子構造解析し求めた。
(II−4)ASKER−C硬度の測定
ASKER−C硬度の測定は、ゴム・プラスチック硬度計(高分子計器社製、商標「アスカーC型」)を用いて実施した。
(II−5)レーザー彫刻
レーザー彫刻は炭酸ガスレーザー彫刻機(商標:ZED−mInI−1000、英国、ZED社製、米国、コヒーレント社製、出力250W炭酸ガスレーザーを搭載)を用いて行った。彫刻は、網点(80 lInes per Inchで面積率10%)、500μm幅の凸線による線画、及び、500μm幅の白抜き線を含むパターンを作成して実施した。彫刻深さを大きく設定すると、微細な網点部のパターンのトップ部の面積が確保できず、形状も崩れて不鮮明となるため、彫刻深さは0.55mmとした。
(II−6)印刷評価
レーザー彫刻により作製された印刷版を用いて、印刷評価を実施した。印刷には卓上型校正機(英国、RK社製、商標「FlexIploofer100」)を用い、版胴上に前記印刷版を、両面テープを用いて貼り付け、シアン色の溶剤インキを使用して、ポリエチレンフィルム上に枚葉式で印刷を行った。
(II−7)溶剤膨潤テスト
溶剤膨潤テストに用いた溶剤は、酢酸エチル20vol%、イソプロピルアルコール80vol%の混合物であった。テストサンプルの大きさは、幅10mm、長さ50mm、厚さ1.7mmとした。テストサンプルを20℃、24時間、前記溶剤中に浸漬し、浸漬前後の重量変化率および膜厚変化率を求めた。
(II−8)クッションの圧縮特性
クッションの圧縮特性は、圧縮特性評価装置(島津製作所社製、商標「オートグラフ、AGS−J」)を用いて、23℃で測定した。厚さ0.5mmのシート状感光性樹脂硬化物を4枚重ねて測定に用いた。圧縮速度は、毎分1.0mmとした。
(II−9)引張試験
引張試験は、島津製作所社製、商標「オートグラフ、AGS−J」を用いて実施した。「引張強さ」とは、試験サンプルを破断するまで一定速度で引張り、試験サンプルが破断するまでの間に示した最大力を試験サンプルの断面積で除した値である。また、「伸び」とは、試験サンプルが破断したときの伸び率である。
(製造例1)
温度計、攪拌機、還流器を備えた1Lのセパラブルフラスコに旭化成株式会社製ポリカーボネートジオールである、商標「PCDL L4672」(数平均分子量1945、OH価57.7)447gとトリレンジイソシアナート30.6gを加え80℃に加温下に約3時間反応させた後、2−メタクリロイルオキシイソシアネート5.74gを添加し、さらに約3時間反応させて、末端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽和基が1分子あたり平均約1個)である数平均分子量約13000の樹脂(ア)を製造した。この樹脂は20℃では水飴状であり、外力を加えると流動し、かつ外力を除いても元の形状を回復しなかった。
H−NMR(水素原子を観測核とした核磁気共鳴スペクトル法)測定において、テトラメチルシラン(TMS)を基準とした場合に、化学シフトが1.4〜1.7ppmの範囲、4.0〜4.3ppmの範囲、4.5〜5.5ppmの範囲にピークを示す水素原子の、樹脂(ア)が有する全水素原子に対する存在比は、44%であった。また、50℃における粘度は、3000Pa・sであった。
(製造例2)
温度計、攪拌機、還流器を備えた1Lのセパラブルフラスコにクレイトンポリマージャパン株式会社製1,4−水添ポリブタジエンポリオールである、商標「L−2203−2」(数平均分子量3366)411gとトリレンジイソシアナート16.31gを加え80℃に加温下に約3時間反応させた後、2−メタクリロイルオキシイソシアネート4.42gを添加し、さらに約3時間反応させて、末端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽和基が1分子あたり平均約1個)である数平均分子量約15000の樹脂(イ)を製造した。この樹脂は20℃では水飴状であり、外力を加えると流動し、かつ外力を除いても元の形状を回復しなかった。
H−NMR(水素原子を観測核とした核磁気共鳴スペクトル法)測定において、テトラメチルシラン(TMS)を基準とした場合に、化学シフトが1.4〜1.7ppmの範囲、4.0〜4.3ppmの範囲、4.5〜5.5ppmの範囲にピークを示す水素原子の、樹脂(イ)が有する全水素原子に対する存在比は、60%であった。
(製造例3)
温度計、攪拌機、還流器を備えた1Lのセパラブルフラスコに旭化成株式会社製ポリカーボネートジオールである、商標「PCDL L4672」(数平均分子量1990、OH価56.4)447.24gとトリレンジイソシアナート30.83gを加え80℃に加温下に約3時間反応させた後、2−メタクリロイルオキシイソシアネート14.83gを添加し、さらに約3時間反応させて、末端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽和基が1分子あたり平均約2個)である数平均分子量約10000の樹脂(ウ)を製造した。この樹脂は20℃では水飴状であり、外力を加えると流動し、かつ外力を除いても元の形状を回復しなかった。
(実施例II−1)
樹脂(a)として樹脂(ア)65重量部、有機化合物(b)としてフェノキシエチルアクリレート33重量部、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン0.6重量部、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチルアセトフェノン1重量部を混合し感光性樹脂組成物(エ)を調整した。感光性樹脂組成物(エ)の20℃における粘度は、1600Pa・sであった。感光性樹脂組成物(エ)100重量部に対し、表面を疎水化処理した超微粒子シリカ(日本アエロジル社製、商標「AerogIl、R805」、平均粒子径:約12nm(カタログ値))0.5重量部を、ミキサーを用いて混合し、気泡を含有した感光性樹脂組成物(オ)を調整した。感光性樹脂組成物(オ)中に存在する気泡の平均径は、光学顕微鏡で観察した結果、約80μmであった。感光性樹脂組成物(オ)の中の気泡は、長時間にわたり安定的に存在することができた。
上記のように作製した気泡を含有した感光性樹脂組成物(オ)を、PETフィルム上に厚さ0.5mmのシート状に成形し、その上に厚さ15μmのPETカバーフィルムを被覆して、高圧水銀灯から出てくる光を、大気中で感光性樹脂層が露出している面から照射してクッションを得た。照射したエネルギー量は、4000mJ/cm(UV−35−APRフィルター(商標、オーク製作所社製)で測定した照度を時間積分した値)であった。
気泡を含有した感光性樹脂組成物(オ)を光硬化させて得られた感光性樹脂硬化物のASKER−C硬度は、65度であった。ASKER−C硬度測定に際し、表面のPETカバーフィルムは剥離した。
また、製造例3で得られた樹脂(ウ)100重量部に対し、を用い、有機化合物(b)としてフェノキシエチルメタクリレート25重量部、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート19重量部、トリチロールプロパントリアクリレート5重量部、メチルスチリル変性シリコーンオイル(信越化学工業社製、商標「KF−410」)1重量部、無機多孔質体として富士シリシア化学株式会社製、多孔質性微粉末シリカである、商標「サイロスフェアC−1504」(以下略してC−1504、数平均粒子径4.5μm、比表面積520m/g、平均細孔径12nm、細孔容積1.5ml/g、灼熱減量2.5wt%、吸油量290ml/100g)5重量部、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン0.6重量部とベンゾフェノン1重量部、その他添加剤として2,6−ジ−t−ブチルアセトフェノン0.5重量部を加えて20℃で液状の感光性樹脂組成物(カ)を作成し、レーザー彫刻印刷版層形成に用いた。液状感光性樹脂組成物(カ)の20℃における粘度は、1200Pa・sであった。得られた感光性樹脂組成物(カ)をPETフィルム上に厚さ1.7mmのシート状に成形し、その上に厚さ15μmのPETカバーフィルムを被覆して、高圧水銀灯から出てくる光を、大気中で感光性樹脂層が露出している面から照射し、レーザー彫刻印刷原版層を形成した。照射したエネルギー量は、4000mJ/cm(UV−35−APRフィルター(商標、オーク製作所社製)で測定した照度を時間積分した値)であった。得られたレーザー彫刻印刷原版層の両面に付いたPETフィルムを剥がし、上記のクッション上に両面接着テープを介して、貼り付けることにより、クッション上にレーザー彫刻層を積層したシート状印刷原版を形成した。
得られたシート状印刷原版をシリンダー上に巻きつけ、炭酸ガスレーザー彫刻機を用いてパターンを形成しシート状印刷版を形成した。得られたシート状印刷版表面に若干残った彫刻カスを高圧スチームジェットで洗浄した。さらに、卓上型校正印刷機を用いて溶剤インキとポリエチレンフィルムの組み合わせで印刷を実施した。網点パターンが鮮明に印刷された印刷物を得ることができた。また、白抜き線の印刷良好であった。用いた溶剤インキは、酢酸エチル20vol%、イソプロピルアルコール80vol%を溶剤として含有するものであった。
また、別途同様にして形成したシート状印刷版を用いてフレキソ印刷機を用いて、1万メートル印刷を行った。印刷中に特に問題なく、網点部の太りも観察されなかった。さらに、別途、感光性樹脂組成物(エ)を、PETフィルム上に厚さ1.7mmのシート状に成形し、その上に厚さ15μmのPETカバーフィルムを被覆して、高圧水銀灯から出てくる光を、大気中で感光性樹脂層が露出している面から照射して溶剤膨潤テスト用サンプルを得た。照射したエネルギー量は、4000mJ/cm(UV−35−APRフィルター(商標、オーク製作所社製)で測定した照度を時間積分した値)であった。得られたテストサンプルを酢酸エチル20vol%、イソプロピルアルコール80vol%からなる溶剤に浸漬し、浸漬前後の重量変化率を測定した結果、8.7wt%であり、膜厚変化率は9%であった。
またさらに、別途、感光性樹脂組成物(エ)から厚さ1mmのシート状光硬化物を得て、ダンベル状に打ち抜き加工した引張試験用サンプルを作製した。試験部の寸法は、幅3mm、長さ30mmとした。伸び425%、引張強さは1.3×10Pa、100%モジュラスは2.3×10Paであり、クッションを形成する材料としては、極めて強靭な樹脂であった。引張試験は、島津製作所社製、商標「オートグラフ、AGS−J」を用いて実施した。
(実施例II−2)
樹脂(a)として樹脂(イ)80重量部、有機化合物(b)としてラウリルメタクリレート20重量部、メチルスチリル変性シリコーンオイル(信越化学工業社製、商標「KF−410」)1重量部、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン0.6重量部、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチルアセトフェノン1重量部を混合し感光性樹脂組成物(キ)を調製した。感光性樹脂組成物(キ)の20℃における粘度は、880Pa・sであった。感光性樹脂組成物(キ)100重量部に対し、表面を疎水化処理した超微粒子シリカ(日本アエロジル社製、商標「AerogIl、R805」、平均粒子径:約12nm(カタログ値))0.5重量部を、ミキサーを用いて混合し、気泡を含有する感光性樹脂組成物(ク)を調整したした。感光性樹脂組成物(ク)中に存在する気泡の平均径は、光学顕微鏡で観察した結果、約120μmであった。
上記のように調整した気泡を含有した感光性樹脂組成物(ク)を、PETフィルム上に厚さ0.5mmのシート状に成形し、その上に厚さ15μmのPETカバーフィルムを被覆して、高圧水銀灯から出てくる光を、大気中で感光性樹脂層が露出している面から照射した。照射したエネルギー量は、4000mJ/cm(UV−35−APRフィルター(商標、オーク製作所社製)で測定した照度を時間積分した値)であった。
気泡を含有した感光性樹脂組成物(ク)を光硬化させて得られた感光性樹脂硬化物のASKER−C硬度は、60度であった。ASKER−C硬度測定に際し、表面のPETカバーフィルムは剥離した。
実施例II−1と同様にして、厚さ1.7mmのレーザー彫刻印刷原版を形成し、両面接着テープを介して、得られたクッション上にレーザー彫刻印刷原版を積層し、シート状印刷版を得た。
実施例II−1と同様にして、炭酸ガスレーザー彫刻機を用いて表面に凹凸パターンを形成し、卓上型校正印刷機を用いて印刷評価を行った。網点パターンが鮮明に印刷された印刷物を得ることができた。また、白抜き線の印刷良好であった。
また、実施II−例1と同様にして、フレキソ印刷機を用いた印刷評価を実施したところ、特に問題なく良好な印刷物を得ることができた。
さらに、別途、感光性樹脂組成物(キ)を、PETフィルム上に厚さ1.7mmのシート状に成形し、その上に厚さ15μmのPETカバーフィルムを被覆して、高圧水銀灯から出てくる光を、大気中で感光性樹脂層が露出している面から照射して溶剤膨潤テスト用サンプルを得た。照射したエネルギー量は、4000mJ/cm(UV−35−APRフィルター(商標、オーク製作所社製)で測定した照度を時間積分した値)であった。得られたテストサンプルを酢酸エチル20vol%、イソプロピルアルコール80vol%からなる溶剤に浸漬し、浸漬前後の重量変化率を測定した結果、6.6wt%であり、膜厚変化率は7%であった。
(実施例II−3)
実施例II−1で調製した感光性樹脂組成物(エ)100重量部に対し、有機系微粒子として、加熱により膨張させた平均粒子径が約100μmのカプセル状微粒子(松本油脂社製、商標「MFL100CA」10.6gを、遊星式混錬機を用いて混合しクッション用感光性樹脂組成物(ケ)を調製した。前記カプセル状微粒子は、表面に炭酸カルシウム微粒子が付着したものであった。
樹脂(ウ)80重量部、有機化合物(b)としてフェノキシエチルメタクリレート20重量部とブトキシジエチレングリコールメタクリレート10重量部、メチルスチリル変性シリコーンオイル(信越化学工業社製、商標「KF−410」)1重量部、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン0.6重量部とベンゾフェノン1重量部、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチルアセトフェノン1重量部、添加剤として平均粒子系3.5μmの球状多孔質シリカ5重量部を混合し感光性樹脂組成物(コ)を調製した。感光性樹脂組成物(コ)の20℃における粘度は、1300Pa・sであった。
エアーシリンダー上に装着された厚さ1.2mmの繊維強化プラスチック製の中空円筒状支持体上に、UV硬化型接着剤を厚さ約50μm塗布し、その上に感光性樹脂組成物(ケ)を厚さ0.5mmに塗布し、メタルハライドランプの光を照射して、円筒状の感光性樹脂硬化物からなるクッションを得た。更に、その上に感光性樹脂組成物(コ)を厚さ約1.9mmで積層した後、メタルハライドランプの光を照射して、円筒状の感光性樹脂硬化物を得た。照射したエネルギー量は、4000mJ/cm(UV−35−APRフィルター(商標、オーク製作所社製)で測定した照度を時間積分した値)であった。更に、得られた光硬化物の表面を研削、研磨することにより、厚さ1.7mmの感光性樹脂硬化物層からなる印刷原版層を形成した。
別途、感光性樹脂組成物(ケ)をPETフィルム上に厚さ0.5mmで塗布し、実施例II−1と同様の露光方法を用いて、内部にカプセル状微粒子を含有した感光性樹脂硬化物を得た。得られた感光性樹脂硬化物からなるクッションの密度は、0.6g/cmであった。
得られた円筒状印刷原版をZED社製のレーザー彫刻機をもちいて、パターンの彫刻を行った。形成された網点パターンは円錐状の良好なものであった。また、版表面にカスは残存していなかった。
その後、印刷原版層表面にレーザー彫刻法を用いて凹凸パターンを形成し、中空円筒状の印刷版を形成した。この中空円筒状印刷版を、エアーシリンダーを版胴とするフレキソ印刷機に装着し、酢酸エチル10vol%含むイソプロピルアルコールを溶剤とする溶剤インキを用いて印刷した結果、網点部および細字部の鮮明で品質の良好な印刷物を得ることができた。毎分200mの印刷速度で1万m印刷したが、クッションとレーザー彫刻印刷版層との界面の接着性は、問題なかった。また、印刷の途中で中空円筒状印刷版が膨潤して網点のドットパターンが大きくなることもなかった。
また、別途感光性樹脂組成物(ケ)をシリコーン化合物で離型処理したPETフィルム上に厚さ0.5mmで塗布し、実施例II−1と同様の露光方法を用いて、内部にカプセル状微粒子を含有した感光性樹脂硬化物を得て、クッションの圧縮特性を測定するサンプルとした。離型処理されたPETフィルムを感光性樹脂硬化物から剥離し、該感光性樹脂硬化物を4枚重ねたサンプルを作製した。図1に得られたクッションの圧縮特性、すなわち圧縮歪に対する応力の関係を示した。圧縮歪が100μmの時の応力は、4×10Paであった。
さらに、別途感光性樹脂組成物(コ)をシリコーン化合物で離型処理したPETフィルム上に厚さ0.5mmで塗布し、実施例II−1と同様の露光方法を用いて感光性樹脂硬化物を得て、該感光性樹脂硬化物の圧縮特性を測定するサンプルとした。離型処理されたPETフィルムを感光性樹脂硬化物から剥離し、該感光性樹脂硬化物を4枚重ねたサンプルを作製した。圧縮歪が100μmの時の応力は、8.5x10Paであった。
(比較例II−1)
樹脂(a)として数平均分子量が約13万のSBS系熱可塑性エラストマー(SBS:ポリスチレン・ポリブタジエン・ポリスチレンのブロック共重合体)60重量部、有機化合物(b)として1,9−ノナンジオールジアクリレート3重量部、可塑剤として数平均分子量が約2000の液状ポリブタジエン30重量部、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン0.6重量部とベンゾフェノン1重量部、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.3重量部を130度でニーダーを用いて混錬し、20℃で固体状の感光性樹脂組成物(サ)を得た。樹脂(a)として用いたSBS系エラストマーは、分子中に、ウレタン結合、ウレア結合、アミド結合を有さない炭化水素系の化合物である。
得られた感光性樹脂組成物(サ)を押し出し装置を用いて、厚さ125μmのPETフィルム上に、厚さ0.5mmで押し出し装置を用いて加熱して押し出し、シート状の感光性樹脂組成物を得た。表面に厚さ15μmのPETカバーフィルムを被覆し、実施例II−1と同様にして光を照射し感光性樹脂硬化物を得た。
得られた感光性樹脂硬化物をクッションとして、実施例II−1と同様にしてレーザー彫刻層を積層したシート状印刷原版を作製した。得られたシート状印刷原版を、炭酸ガスレーザー彫刻機を用いて彫刻し、表面に凹凸パターンを形成した。
実施例II−1と同様にして、フレキソ印刷機を用いて、1万メートル印刷を行った。印刷の途中から、網点部の太り、むらが観察されるようになった。
(比較例II−2)
ポリエーテルジオールとトリレンジイソシアナートから得られた両末端が水酸基で、数平均分子量が23000のポリエーテルポリウレタンを合成し、該両末端水酸基に2−メタクリロイルオキシイソシアネートを反応させ、両末端にメタクリレート基を有する不飽和ポリエーテルポリウレタン樹脂(シ)を得た。得られた樹脂(シ)のH−NMR(水素原子を観測核とした核磁気共鳴スペクトル法)測定において、テトラメチルシラン(TMS)を基準とした場合に、化学シフトが1.4〜1.7ppmの範囲、4.0〜4.3ppmの範囲、4.5〜5.5ppmの範囲にピークを示す水素原子の、樹脂(シ)が有する全水素原子に対する存在比は、10%であった。
樹脂(a)として樹脂(シ)100重量部、有機化合物(b)としてジエチレングリコールモノブチルエーテルモノメタクリレート20重量部、ジエチレングリコール2−エチルヘキシルエーテルアクリレート12重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート1重量部、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン1重量部、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチルアセトフェノン1重量部を混合して感光性樹脂組成物(ス)を得た。得られた感光性樹脂(ス)の20℃における粘度は、40Pa・sであった。
感光性樹脂組成物(ケ)を用いる代わりに感光性樹脂組成物(ス)を用いる以外は、実施例II−3と同様にして中空円筒状の印刷版を形成した。作製した中空円筒状の印刷版を用いて実施例II−3と同様にフレキソ印刷を実施したが、印刷の初期段階から、網点部の太り、むらが観察され、印刷途中からは、更に印刷品質が低下するようになった。
別途、感光性樹脂組成物(ス)を用いてシート状の光硬化物を形成し、溶剤膨潤テスト用サンプルを作製した。得られたテストサンプルを酢酸エチル20vol%、イソプロピルアルコール80vol%からなる溶剤に浸漬し、浸漬前後の重量変化率を測定した結果、100wt%を超えて大きい値であった。
また、別途、感光性樹脂組成物(ス)を用いて厚さ2mmのシート状光硬化物を得て、圧縮特性を測定した。その結果、100μmの圧縮歪において、応力は1×10Paであった。
(比較例II−3)
ポリオキシプロピレン/ポリオキシエチレンブロック共重合体、ポリ(3−メチル−1,5−ペンタンジオールアジペート)の重量比で5:3の混合物に、トリレンジイソシアネートを反応させて末端が水酸基のポリウレタンを得た。更に、該末端水酸基に2−メタクリロイルオキシイソシアネートを反応させ、両末端にメタクリレート基を有する数平均分子量22000の不飽和ポリウレタン樹脂(セ)を得た。得られた樹脂(セ)のH−NMR(水素原子を観測核とした核磁気共鳴スペクトル法)測定において、テトラメチルシラン(TMS)を基準とした場合に、化学シフトが1.4〜1.7ppmの範囲、4.0〜4.3ppmの範囲、4.5〜5.5ppmの範囲にピークを示す水素原子の、樹脂(セ)が有する全水素原子に対する存在比は、25%であった。また、樹脂(セ)の50℃における粘度は、420Pa・sであった。
樹脂(a)として樹脂(セ)70重量部、有機化合物(b)としてジエチレングリコールモノブチルエーテルモノメタクリレート20重量部、ジエチレングリコール2−エチルヘキシルエーテルアクリレート15重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート2重量部、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン1重量部、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチルアセトフェノン1重量部を混合して感光性樹脂組成物(ソ)を得た。得られた感光性樹脂組成物(ソ)を、撹拌機を用いて気泡を混合した感光性樹脂組成物(タ)の20℃における粘度は、80Pa・sであった。感光性樹脂組成物(タ)中に存在する気泡の平均径は、光学顕微鏡で観察した結果、約120μmであった。
感光性樹脂組成物(オ)の代わりに、感光性樹脂組成物(タ)を用いること以外は、実施例II−1と同様にして、シート状クッション上にレーザー彫刻層を積層したシート状印刷原版を形成した。
得られたシート状印刷原版をシリンダー上に巻きつけ、炭酸ガスレーザー彫刻機を用いてパターンを形成しシート状印刷版を形成した。得られたシート状印刷版表面に若干残った彫刻カスを高圧スチームジェットで洗浄した。更に、卓上型校正印刷機を用いて溶剤インキとポリエチレンフィルムの組み合わせで印刷を実施した。初期段階では、網点パターンが印刷された印刷物を得ることができ、また、白抜き線の印刷も良好であった。用いた溶剤インキは、酢酸エチル20vol%、イソプロピルアルコール80vol%を溶剤として含有するものであった。更に、版面のインキを酢酸エチル20vol%、イソプロピルアルコール80vol%の溶剤を用いて拭き取り、再度印刷することを繰り返し実施したところ、徐々に網点パターンが大きくなり、印刷が不鮮明となった。
また、別途同様にして形成したシート状印刷版を用いてフレキソ印刷機を用いて、1万メートル印刷を行った。印刷の終盤から、「網点部の太り」および「かすれ」が観察された。
更に、別途、感光性樹脂組成物(ソ)を、PETフィルム上に厚さ1.7mmのシート状に成形し、その上に厚さ15μmのPETカバーフィルムを被覆して、高圧水銀灯から出てくる光を、大気中で感光性樹脂層が露出している面から照射して溶剤膨潤テスト用サンプルを得た。照射したエネルギー量は、4000mJ/cm(UV−35−APRフィルター(商標、オーク製作所社製)で測定した照度を時間積分した値)であった。得られたテストサンプルを酢酸エチル20vol%、イソプロピルアルコール80vol%からなる溶剤に浸漬し、浸漬前後の重量変化率を測定した結果、74wt%であり、膜厚変化率はカーリングが大きく測定不能な状況であった。
別途、感光性樹脂組成物(ソ)から厚さ1mmのシート状光硬化物を得て、ダンベル状に打ち抜き加工した引張試験用サンプルを作製した。試験部の寸法は、幅3mm、長さ30mmとした。伸び320%、引張強さは7.7×10Pa、100%モジュラスは8×10Paであり、クッションを形成する材料としては、極めて強靭な樹脂であった。引張試験は、島津製作所社製、商標「オートグラフ、AGS−J」を用いて実施した。
本発明の印刷用クッション材料は、フレキソ印刷等の印刷分野において、印刷品質を向上させる印刷用クッション又は印刷版のクッション層を製造するための材料として好適に利用できる。
また、本発明の印刷用クッション材料は、耐溶剤性、機械的物性にも優れるので、印刷用ブランケットやインキ供給量制御ロール等の印刷に用いる部材のクッション層を製造するための材料としても好適に利用できる。
感光性樹脂硬化物からなるクッションの圧縮特性の例。

Claims (26)

  1. 20℃、1000Hzにおける貯蔵弾性率(E’)が1.0×10Pa以上である印刷用クッション材料。
  2. 20℃、1000Hzにおける損失弾性率(E’’)が1.0×10Pa以上である請求項1に記載の印刷用クッション材料。
  3. 1000Hzにおける損失正接(tanδ)が0.2以上0.6以下である請求項1または2に記載の印刷用クッション材料。
  4. 樹脂硬化物を含む請求項1から3のいずれか1項に記載の印刷用クッション材料。
  5. 前記樹脂硬化物が、感光性樹脂組成物(A)を光硬化させて得られる感光性樹脂硬化物である請求項4に記載の印刷用クッション材料。
  6. 前記感光性樹脂組成物(A)が、20℃において液状であって、平均粒子径が0.1μm以上200μm以下の有機系微粒子(d)または平均径が0.1μm以上200μm以下の気泡(e)を含有し、20℃における粘度が100Pa・s以上50kPa・s以下である請求項5に記載の印刷用クッション材料。
  7. 前記感光性樹脂組成物(A)が、樹脂(a)、有機化合物(b)、および光重合開始剤(c)を含有する請求項5または6に記載の印刷用クッション材料。
  8. 前記樹脂(a)が、分子内にカーボネート結合を有する請求項7に記載の印刷用クッション材料。
  9. 感光性樹脂組成物(A)を光硬化させて得られる感光性硬化物を含む印刷用クッション材料であって、
    感光性樹脂組成物(A)が、
    樹脂(a)、有機化合物(b)、光重合開始剤(c)、並びに、平均粒子径が0.1μm以上200μm以下の有機系微粒子(d)または平均径が0.1μm以上200μm以下の気泡(e)を含有し、20℃において液状であり、20℃における粘度が100Pa・s以上50kPa・s以下であり、
    樹脂(a)が、分子内にカーボネート結合、エステル結合から選ばれる少なくとも1種類の結合を有し、及び/又は脂肪族飽和炭化水素鎖、脂肪族不飽和炭化水素鎖から選ばれる少なくとも1種類の分子鎖を有し、かつウレタン結合、アミド結合から選ばれる少なくとも1種類の結合又はウレア骨格を有し、数平均分子量が1000以上30万以下の高分子化合物であり、
    有機化合物(b)が、分子内に重合性不飽和基を有し数平均分子量が100以上1000未満である感光性樹脂組成物(α)である印刷用クッション材料。
  10. 前記感光性樹脂組成物(A)が、請求項9に記載の感光性樹脂組成物(α)である請求項5に記載の印刷用クッション材料。

  11. 前記樹脂(a)が、分子内にカーボネート結合を有し、数平均分子量1000以上30万以下の高分子化合物であり、
    前記有機化合物(b)が、分子内に重合性不飽和基を有し数平均分子量100以上1000未満である請求項7に記載の印刷用クッション材料。
  12. 前記感光性樹脂組成物(A)の、350nmにおける積算光量で4000mJ/cmの光を照射して光硬化させた場合の硬化収縮率が、2%以上20%以下である請求項5から11のいずれか1項に記載の印刷用クッション材料。
  13. 前記有機系微粒子(d)が、中空カプセル状の微粒子である請求項6から11のいずれか1項に記載の印刷用クッション材料。
  14. 前記樹脂(a)が、H−NMR(水素原子を観測核とした核磁気共鳴スペクトル法)測定において、テトラメチルシラン(TMS)を基準とした場合に、化学シフトが1.3〜1.8ppmの範囲、4.0〜4.3ppmの範囲、4.5〜5.5ppmの範囲にピークを示す水素原子を、樹脂(a)が有する全水素原子の20%以上99%以下の存在比で含有する請求項7から13のいずれか1項に記載の印刷用クッション材料。
  15. 前記感光性樹脂組成物(A)が、1次粒子の平均粒子径が10nm以上1μm以下の超微粒子をさらに含有する請求項5から14のいずれか1項に記載の印刷用クッション材料。
  16. 密度が、0.2g/cm以上0.9g/cm以下である請求項1から15のいずれか1項に記載の印刷用クッション材料。
  17. 請求項1から16のいずれか1項に記載の印刷用クッション材料を中空円筒状に成形した印刷用クッション。
  18. 請求項1から16のいずれか1項に記載の印刷用クッション材料からなる層を少なくとも一層有する印刷用クッション。
  19. 支持体上に請求項1から16のいずれか1項に記載の印刷用クッション材料からなる層を有する印刷用クッション。
  20. 前記支持体と前記印刷用クッション材料からなる層との間のはく離接着強さが、0.03kg/cm以上7kg/cm以下である請求項17から19のいずれか1項に記載の印刷用クッション。
  21. 請求項1から16のいずれか1項に記載の印刷用クッション材料からなる層を有する印刷原版又は印刷版。
  22. レーザー彫刻法によりパターンが形成される請求項21に記載の印刷原版または印刷版。
  23. シリンダーが回転することにより被印刷体にインキを転写する印刷機のシリンダー上に、請求項17から20のいずれか1項に記載の印刷用クッションあるいは請求項21または22に記載の印刷版を装着し、毎分100m以上1000m以下の印刷速度で印刷を行う印刷方法。
  24. 印刷版の表面温度が40℃以上150℃以下である請求項23に記載の印刷方法。
  25. 前記印刷機に、熱源あるいは光源が搭載されている請求項23または24に記載の印刷方法。
  26. 分子内にカーボネート結合、エステル結合から選ばれる少なくとも1種類の結合を有し、及び/又は脂肪族飽和炭化水素鎖、脂肪族不飽和炭化水素鎖から選ばれる少なくとも1種類の分子鎖を有し、かつウレタン結合、アミド結合から選ばれる少なくとも1種類の結合又はウレア骨格を有し、数平均分子量が1000以上30万以下の高分子化合物である樹脂と、
    分子内に重合性不飽和基を有し数平均分子量が100以上1000未満の有機化合物と、
    光重合開始剤と、
    平均粒子径が0.1μm以上200μm以下の有機系微粒子又は平均径が0.1μm以上200μm以下の気泡と、を含有し、
    20℃において液状であり、その粘度が、100Pa・s以上50kPa・s以下である印刷用クッション材料を構成する感光性樹脂組成物。
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