JP2008221471A - 印刷基材 - Google Patents

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Abstract

【課題】クッション層を支持体から簡便にしかも短時間で除去することが可能な印刷基材の提供。
【解決手段】支持体上にクッション層が積層された印刷基材であって、該クッション層が、その内部に繊維又はフイルムからなる強化材を有する印刷基材、及び、(a)円筒状支持体上にシート状繊維強化材を少なくとも1周巻き付ける工程と、(b)前記シート状繊維強化材を内部に有するクッション層を形成する工程と、を含む円筒状印刷基材の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、印刷版、印刷原版、ブランケットロール、インキ供給量制御ロール等の印刷に用いる部材の構成要素として用いられる印刷基材に関するものである。
従来、印刷基材の構成要素であるクッション層には、シート状のクッションテープが用いられてきた。シート状のクッションテープを用いた場合、該クッションテープを支持体上に気泡が入らないように注意して貼る作業の他に、シートの両端部において継ぎ目が生じるという大きな問題点があった。この継ぎ目が、特に樹脂凸版を用いる印刷において連続図柄を印刷する際に、印圧を高く設定した場合に、印刷物に現れるという印刷品質上の問題があった。
特許文献1及び2には、このような継ぎ目の問題を解消するため、レーザー彫刻可能な印刷原版において、印刷原版層の下にクッション性を有する層を形成することが記載されている。
また、特許文献3には、中空マイクロカプセルを含有するクッション層が記載されている。
特許第2846955号公報 特許第3801592号公報 特開2004−255811号公報
このようなクッション層を設けた印刷基材において、支持体として希少なものや高価なものを用いた場合、支持体を再利用できれば消費を削減でき望ましい。しかし、支持体からクッション層や、場合によりその上に形成された印刷版層等を剥離しようとすると、除去するのに多大な時間を要し、しかもクッション層が部分的に支持体上に残存して完全には除去できない。 特に、クッション層が気泡や中空マイクロカプセルを含んだものであると、その機械的物性が大幅に低下し、破れやすくなるため、支持体からの除去がより困難となる。
本発明は、クッション層を支持体から簡便にしかも短時間で除去することが可能な印刷基材を提供することを目的とする。
また、本発明は、このような印刷基材を簡単に製造することのできる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討したところ、その内部に繊維又はフィルムからなる強化材により補強したクッション層を有する印刷基材を用いることにより、クッション層による印刷品質向上効果を損ねることなく上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
また、本発明者らは、強化材としてシート状繊維強化材を用い、これを円筒状支持体上に少なくとも1周巻き付けた後にクッション層を形成することにより、このような印刷基材を簡単に製造することができることを見い出した。
本発明は支持体上にクッション層が積層された印刷基材であって、該クッション層が、その内部に繊維又はフイルムからなる強化材を有する印刷基材である。
また、本発明は、円筒状印刷基材の製造方法であって、
(a)円筒状支持体上にシート状繊維強化材を少なくとも1周巻き付ける工程と、
(b)前記シート状繊維強化材を内部に有するクッション層を形成する工程と、
を含む円筒状印刷基材の製造方法である。
本発明によれば、クッション層を支持体から簡便にしかも短時間で除去することができる。
以下、さらに詳細に本発明の好ましい実施態様を説明する。
本発明は、印刷基材であって、該印刷基材は支持体上にクッション層を有し、該クッション層は、その内部に繊維又はフィルムからなる強化材を含む。
本発明の印刷基材の上に印刷原版層や印刷版層を設けることにより、フレキソ印刷、グラビア印刷、ドライオフセット印刷、レタープレス印刷等の円筒状印刷版や印刷原版とすることができる。また、本発明の印刷基材は、オフセット印刷用ブランケットロール、アニロックスロールへのインキ供給量制御ロール等に用いることもできる。
支持体の形状に限定はないが、円筒状であることが好ましい。
円筒状支持体としては、例えば、繊維強化又はフィルム強化プラスチック製スリーブやニッケル、鉄、アルミニウム、ブリキ等の金属製スリーブを挙げることができる。
繊維強化プラスチック製スリーブで用いられる繊維としては、例えば、ガラス繊維、アルミナ繊維、窒化ケイ素繊維、炭化ケイ素繊維、窒化ホウ素繊維、ホウ酸アルミニウム、珪灰石等のセラミック系繊維、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリオレフィン、ポイリビニルエーテル、ポリ乳酸等の有機系合成繊維、黄麻、亜麻、ボンベイ麻、マニラ麻、サイザル麻、アバカパルプ等の天然繊維;ニッケル、アルミニウム、鉄、チタン、タングステン、クロム、亜鉛等の金属繊維等を挙げることができる。繊維の太さは、10nm以上500μm以下であることが好ましい。より好ましい範囲は10nm以上100μm以下である。繊維は、織布、編み布、不織布であることが好ましい。
また、フィルム強化プラスチック製スリーブで用いられるフィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリオレフィン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンチオエーテル、ポリスルホン等のフィルムを挙げることができる。フィルムの厚さは1μm以上500μm以下であることが好ましい。より好ましい範囲は10μm以上100μm以下、更に好ましくは10μm以上50μm以下である。
繊維強化プラスチック製又はフィルム強化プラスチック製スリーブの場合、プラスチック材料としては特に限定するものではないが、熱硬化性樹脂や感光性樹脂を挙げることができる。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリウレタン樹脂等の材料を挙げることができる。また、感光性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリウレタン樹脂等の材料を挙げることができる感光性樹脂としては、紫外線又は可視光線で硬化するタイプ、電子線又はX線等の高エネルギー線で硬化するタイプを挙げることができる。更に、感光性樹脂中に熱硬化性を付与するために熱重合開始剤を添加させることもできる。
クッション層内には気泡、有機系微粒子、有機無機複合系微粒子が含有されていても構わない。
有機系微粒子としては、例えば、低硬度微粒子、中空マイクロカプセル、多孔質微粒子等を挙げることができる。有機無機複合微粒子としては、有機系微粒子の表面に無機系微粒子が付着した粒子が好ましい例として例示できる。気泡、有機系微粒子、有機無機複合微粒子の平均粒子径は、10nm以上500μm以下が好ましく、より好ましくは1μm以上300μm以下、更に好ましくは、10μm以上200μm以下である。
本発明においては、クッション層に気泡又は中空マイクロカプセルが含有されていることが好ましい。
本発明のクッション層は、ショアA硬度が10から70度のエラストマー層であることが好ましい。ショアA硬度が10度以上である場合、適度に変形するため、印刷品質を確保することができる。また、70度以下であれば、クッション層としての役割を果たすことができる。
支持体上に積層するクッション層を構成する材料としては、粘弾性特性を有するものが好ましい。このような材料としては、ゴム弾性を有するものが好ましく、例えば、熱可塑性エラストマー、光硬化型エラストマー、熱硬化型エラストマー等を挙げることができる。製造工程の簡素化、製造時間の短縮の観点から、感光性樹脂組成物を光硬化させて形成する感光性樹脂硬化物が特に好ましい。
クッション層に用いる熱可塑性エラストマーの具体例としては、スチレン系熱可塑性エラストマーであるSBS(ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン)、SIS(ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン)、SEBS(ポリスチレン−ポリエチレン/ポリブチレン−ポリスチレン)等、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー、シリコン系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。
また、硫黄架橋型ゴム、有機過酸化物、フェノール樹脂初期縮合物、キノンジオキシム、金属酸化物、チオ尿素等の非硫黄架橋型ゴムを用いることもできる。更に、テレケリック液状ゴムを、反応する硬化剤を用いて3次元架橋させてエラストマー化したものを使用することもできる。
本発明のクッション層は、その内部に繊維又はフイルムからなる強化材を有する。
クッション層の内部に含まれる強化材は、クッション層の強度を補強するものであり、これによりさらに寸法安定性を確保することもできる。クッション層の強度を高めることにより、支持体の再利用のためクッション層を支持体から剥がす際のクッション層の破れを防ぎ、簡便にかつ短時間で剥離作業を終了することができる。
特に、クッション層が気泡又は中空マイクロカプセル等を含有する場合は、クッション層の強度が低下するため、本発明は有効である。
強化材の形態に限定はなく、織布、不織布、編み布、紙、フイルムシート等のシート状形態や、短繊維等の粒子状形態等を挙げることができる。
シート状形態の繊維強化材としては、ガラス繊維、アルミナ繊維、窒化ケイ素繊維、炭化ケイ素繊維、窒化ホウ素繊維等のセラミック系繊維;ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリオレフィン、セルロース等の有機系繊維;ニッケル、アルミニウム、鉄、チタン、タングステン、クロム、亜鉛等の金属繊維等からなる織布、不織布、編み布、紙を挙げることができる。これらの繊維の平均径は、10nm以上500μm以下であることが好ましい。より好ましい範囲は10nm以上100μm以下である。更に好ましくは50nm以上50μm以下である。
また、シート状形態のフィルム強化材としては、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリオレフィン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンチオエーテル、ポリスルホン等の材料からなるフイルムを挙げることができる。フィルムの厚さは1μm以上500μm以下であることが好ましい。より好ましい範囲は10μm以上100μm以下、更に好ましくは10μm以上50μm以下である。
粒子状形態の繊維強化材としては、ガラス繊維、アルミナ繊維、窒化ケイ素繊維、炭化ケイ素繊維、窒化ホウ素繊維、ホウ酸アルミニウム繊維等のセラミック系繊維;珪灰石等の鉱物繊維;ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリ乳酸等の有機系合成繊維;黄麻、亜麻、ボンベイ麻等の天然繊維;マニラ麻、サイザル麻等の葉脈繊維、アバカパルプ等のセルロース繊維;ニッケル、アルミニウム、鉄、チタン、タングステン、クロム、亜鉛等の金属繊維等からなる短繊維を挙げることができる。特に、クッション性確保と靭性確保の観点からは、有機系繊維が好ましい。
これらの短繊維の平均長さは、0.1mm以上50mm以下であることが好ましい。より好ましい範囲は、0.5mm以上30mm以下、更に好ましくは0.5mm以上20mm以下である。また、該短繊維の平均径は、0.1μm以上500μm以下であることが好ましい。より好ましくは10μm以上300μm以下、更に好ましくは50μm以上200μm以下である。該短繊維の平均長さおよび平均径が前記範囲であれば、クッション層の寸法安定性を確保することができ、クッション層を円筒状支持体から簡単に剥離することができる。
また、該短繊維の平均径に対する平均長さで定義されるアスペクト比が、0.2以上10000以下であることが好ましい。より好ましくは1以上1000以下、更に好ましくは10以上100以下である。アスペクト比がこの範囲であれば、クッション層内において短繊維同士が重なることにより寸法安定性を確保することができる。
本発明において、クッション層中の強化材の存在位置は、クッション層内であれば特に限定するものではなく、粒子状強化材がクッション層を構成するマトリックス樹脂中に分散している態様であってもよいし、シート状強化材がマトリックス樹脂中に埋め込まれていてもよい。
強化材としてシート状形態のものを用いる場合は、強化材が、クッション層内の支持体とクッション層の界面近傍に存在することが好ましい。ここで、支持体とクッション層の界面近傍とは、界面からクッション層の総厚みの半分の距離以内の範囲をいう。この領域に強化材が存在すると、クッション層の衝撃吸収性を低下させることなくクッション特性を維持することができる。
なお、強化材が粒子状形態である場合は、その存在位置は特に限定するものではない。
本発明におけるクッション層には用途や目的に応じて重合禁止剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、滑剤、界面活性剤、可塑剤、香料などを添加することができる。
本発明の印刷基材のクッション層の上に印刷原版層又は印刷版層を積層することにより、印刷原版、印刷版とすることができる。
印刷原版層とは、表面にパターン形成することが可能な層である。印刷版層とは、表面にパターンが既に形成された層であり、クッション層の上に、表面にパターンが形成されたシート層を貼り付けることにより積層することができる。
パターン形成する方法に応じて、印刷版層、印刷原版層の各種の材料を選択することが可能である。例えば、レーザー光を照射し照射された部分の樹脂を除去することによりパターン形成するレーザー彫刻法に用いられる樹脂層としては、加硫系ゴム材料、熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させて形成した樹脂層、感光性樹脂組成物を光硬化させて形成した感光性樹脂硬化物層等を挙げることができる。
印刷版層、印刷原版層の形成に熱硬化性樹脂組成物、加硫ゴム系材料を用いる場合には、熱を用いて樹脂組成物を硬化させる。具体的には、高温の反応槽内に設置する方法、赤外線ランプ等を用いて直接加熱する方法等を挙げることができる。
生産性の観点からは感光性樹脂組成物を用いることが特に好ましい。また、写真製版技術を用いて、すなわち露光・現像工程を経てパターンを形成する写真製版法に用いられる樹脂層としては、感光性樹脂組成物層等を好ましい例として挙げることができる。
レーザー彫刻法は、現像工程が不要であるのでパターン形成プロセスが極めて簡便である。
特に、印刷原版層として、感光性樹脂硬化物層を用いてた場合、製造時間が短縮化できるため、極めて有効な方法である。
このような感光性樹脂硬化物層としては、感光性樹脂組成物に紫外線、可視光線、電子線、X線等を照射して硬化させて得たものであることが好ましい。感光性樹脂組成物の具体例として、日本国特許第3801592号明細書、国際公開第2004/000571号パンフレットに記載の感光性樹脂組成物を挙げることもできる。
本発明においては、支持体が高価な場合、それを再利用することが可能である。すなわち、印刷原版又は印刷版の少なくとも印刷版又は印刷原版層を深さ方向に切断し、該印刷版層およびクッション層を支持体表面から剥ぎ取り、露出した支持体表面にクッション層および印刷版層を再度積層することができる。また、印刷版層を切断する方法としては、刃物を用いて切断する方法又はレーザーを用いて切断する方法であることが好ましい。刃物としては、ロータリーカッターやワイヤーソー等の冶具を挙げることができる。また、レーザーとしては、炭酸ガスレーザー等の赤外線レーザー、YAG、YVO4等の固体レーザー、ファイバーレーザー、半導体レーザー等の近赤外線レーザーを挙げることができる。
次に、本発明の特に好ましい実施形態について説明する。
本発明においては、強化材としてシート状繊維強化材を用い、クッション層が、該シート状繊維強化材を円筒状支持体表面に少なくとも1周巻きつけた後、クッション層を構成する樹脂組成物をその上に塗布することにより形成されたものであることが好ましい。
さらに、該シート状繊維強化材の外周端の少なくとも一部分が、内周のシート状繊維強化材に固定されていることが好ましい。そして、シート状繊維強化材の固定は、熱溶着又は接着剤塗布により実施されることが好ましい。また、シート状繊維強化材は、熱溶着又は接着剤により中空円筒状支持体上に固定されていることが好ましい。繊維強化材が中空円筒状支持体上に固定されることにより、クッション層の衝撃吸収特性が良好となる。
本発明の円筒状印刷基材の特に好ましい製造方法は、(a)円筒状支持体上にシート状繊維強化材を少なくとも1周巻き付ける工程、(b)該シート状繊維強化材を内部に有するクッション層を形成する工程、を含む。円筒状支持体としては、中空円筒状支持体を用いることが好ましい。特に、該中空円筒状支持体をエアーシリンダーに装着した状態で後の工程を経ることが好ましい。また、前記工程(a)の後、工程(b)の前に、更に、工程(d)として、円筒状支持体に巻き付けたシート状繊維強化材の外周端の一部分を支持体側に位置する該シート状繊維強化材の内周面に固定させる工程を含むことが好ましい。特に、この固定が、該シート状繊維強化材の融着又は接着剤による接着によることが好ましい。このようにすることにより、その後の工程(b)において形成するクッション層の表面を平滑にすることが容易となる。
前記工程(b)において、シート状繊維強化材の上に感光性樹脂組成物(α)を塗布し、次いで該感光性樹脂組成物(α)に光を照射して硬化させることにより、内部にシート状繊維強化材を有するクッション層を形成することが好ましい。感光性樹脂組成物(α)に照射される光は、紫外線、可視光線、電子線、X線等の高エネルギー線等を挙げることができる。
この場合、シート状繊維強化材に塗布された感光性樹脂組成物(α)が、シート状繊維強化材中に浸透する結果、シート状繊維強化材が感光性樹脂硬化物からなるクッション層の内部に含まれることになる。
このような方法によれば、内部にシート状繊維強化材を有し、しかも、継ぎ目のないクッション層を簡便に形成することができる。
また、本発明の円筒状印刷基材の別の製造方法として、
(i)フイルム強化材の上に、クッション層を構成する樹脂又は樹脂組成物の層を設けたクッション層形成用積層体を用意する工程と、
(ii)円筒状支持体上に前記クッション層形成用積層体を、クッション層を構成する樹脂又は樹脂組成物の層が支持体に接するようにして2周以上巻き付ける工程と、
(iii)2周以上巻き付けたクッション層形成用積層体を一体化することによりフイルム強化材を内部に有するクッション層を形成する工程と、
を含む方法が挙げられる。
この方法においては、1周目と2周目のクッション層を構成する樹脂又は樹脂組成物の層の間にフイルム強化材が挟まれた状態でこれらが一体化される結果、フイルム強化材がクッション層の内部に含まれることになる。
工程(i)においてクッション層を構成する樹脂又は樹脂組成物に限定はなく、例えば、熱硬化性樹脂を用いることもできるが、好ましい態様としては、クッション層を構成する樹脂組成物として感光性樹脂組成物(α)を用い、2周以上巻き付けたクッション層形成用積層体の一体化を光照射による硬化により行うことである。
また、このようにして印刷基材を製造した後、、クッション層上に感光性樹脂組成物(β)を塗布し、次いで該感光性樹脂組成物(β)に光を照射して硬化させることにより印刷原版層又は印刷層を形成することが好ましい。
この場合、感光性樹脂組成物(α)、(β)は、数平均分子量が1000以上50万以下の樹脂(e)と、数平均分子量1000未満の重合性反応基を有する有機化合物(f)を含むことが好ましい。
感光性樹脂組成物(α)、(β)は20℃において液状であっても固体状であっても構わないが、成形性の容易さから20℃において液状であることが特に好ましい。
感光性樹脂組成物(α)、(β)が20℃において液状である場合、その粘度は、好ましくは、20℃において10Pa・s以上10kPa・s以下である。さらに好ましくは、50Pa・s以上5kPa・s以下である。粘度が10Pa・s以上であれば、作製される印刷基材の機械的強度が十分であり、円筒状に成形する際であっても形状を保持し易く、加工し易い。粘度が10kPa・s以下であれば、高温にしなくとも変形し易く、加工が容易である。シート状又は円筒状の印刷基材に成形し易く、プロセスも簡便である。特に厚み精度の高い印刷基材を得るためには、該感光性樹脂組成物が重力により液ダレ等の現象を起こさないように粘度を100Pa・s以上、より好ましくは200Pa・s以上、更に好ましくは500Pa・s以上の比較的粘度の高い感光性樹脂組成物であることが望ましい。
樹脂(e)は、20℃において液状であっても固体状であっても構わないが、成型加工性の観点から20℃で液状であることが好ましい。ここで、液状とは、容易に流動変形し、かつ冷却により変形された形状に固化できるという性質を有する高分子体を意味し、外力を加えたときに、その外力に応じて瞬時に変形し、かつ外力を除いたときには、短時間に元の形状を回復する性質を有するエラストマーに対応する言葉である。
樹脂(e)が20℃において液状樹脂である場合には、感光性樹脂組成物(α)、(β)も20℃において液状となり、シート状、もしくは円筒状に成形する際に、良好な厚み精度や寸法精度を得ることができる。
樹脂(e)の数平均分子量は、1000以上50万以下であり、好ましくは5000以20万以下、より好ましくは1万以上10万以下である。樹脂(e)の数平均分子量は1000以上であれば、後に架橋して強度を保ち、クッション層、印刷原版層として繰り返しの使用にも耐えられる。また、樹脂(e)の数平均分子量は、50万以下であることが好ましい。50万以下であれば、感光性樹脂組成物の粘度が過度に上昇することもなく、シート状、又は円筒状に成形する際に加熱押し出し等の複雑な加工方法は必要ない。なお、ここで言う数平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて測定し、分子量既知のポリスチレンで検量し換算した値である。
樹脂(e)は、分子内に重合性不飽和基を有していても構わない。特に好ましいものとして、1分子あたり平均で0.7以上の重合性不飽和基を有するポリマーを挙げることができる。樹脂(e)が、1分子あたり平均で0.7以上の重合性不飽和基を有するポリマーであれば、感光性樹脂組成物(α)により得られるクッション層、感光性樹脂組成物(β)により得られる印刷原版層の機械強度、耐久性が良好となり、繰り返しの使用にも耐えられるのものとなり好ましい。クッション層、印刷原版層の機械強度を考慮すると、樹脂(e)の重合性不飽和基は、1分子あたり0.7以上であることが好ましく、1を越える量であることが更に好ましい。樹脂(e)の重合性不飽和基の存在比率については、高分解能核磁気共鳴スペクトル法(NMR法)を用いて定量化することができる。なお、重合性不飽和基は、樹脂(e)の分子内のどこかに存在していればよく、高分子主鎖の末端、高分子側鎖の末端や、高分子主鎖中や側鎖中に直接、重合性不飽和基が付いている場合なども含まれる。
本発明において、重合性不飽和基とは、ラジカルまたは付加重合反応に関与する重合性不飽和基と定義する。
ラジカル重合反応に関与する重合性不飽和基の好ましい例としては、ビニル基、アセチレン基、アクリル基、メタクリル基などが挙げられる。付加重合反応に関与する重合性不飽和基の好ましい例としては、シンナモイル基、チオール基、アジド基、開環付加反応するエポキシ基、オキセタン基、環状エステル基、ジオキシラン基、スピロオルトカーボネート基、スピロオルトエステル基、ビシクロオルトエステル基、環状イミノエーテル基等が挙げられる。
樹脂(e)分子内に重合性不飽和基を導入する方法としては、例えば、直接、重合性の不飽和基をその分子末端に導入する方法も挙げられるが、別法として、水酸基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基、ケトン基、ヒドラジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、環状カーボネート基、エステル基などの反応性基を複数有する数千程度の分子量の上記成分の反応性基と結合しうる基を複数有する結合剤(例えば水酸基やアミノ基の場合のポリイソシアネートなど)と樹脂(e)を反応させ、樹脂(e)の分子量の調節、及び、末端の結合性基への変換を行った後、この末端結合性基と反応する基と重合性不飽和基とを有する有機化合物と樹脂(e)を反応させて末端に重合性不飽和基を導入する方法が好適に挙げられる。
特に、硬度の低いクッション層、印刷原版層を形成するためには、樹脂(e)として、一部、ガラス転移温度が20℃以下の液状樹脂、さらに好ましくはガラス転移温度0℃以下の液状樹脂を用いることが好ましい。このような液状樹脂として、例えば、ポリエチレン、ポリブタジエン、水添ポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポイソプレン等の炭化水素類;アジペート、ポリカプロラクトン等のポリエステル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル類;脂肪族ポリカーボネート、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン類;(メタ)アクリル酸及び/またはその誘導体の重合体及びこれらの混合物やコポリマー類が挙げられる。その含有量は、樹脂(e)全体に対して30wt%以上であることが好ましい。
有機化合物(f)は、数平均分子量が1000未満で、分子内に重合性反応基を有する化合物であることが好ましい。ここで、重合性反応基とは、ラジカル重合反応、付加重合反応、開環付加重合反応に関与する官能基である。ラジカル重合反応に関与する重合性反応基の好ましい例としては、ビニル基、アセチレン基、アクリル基、メタクリル基などが挙げられる。また、付加重合反応に関与する重合性反応基の好ましい例としては、シンナモイル基、チオール基、アジド基等が挙げられ、開環付加反応に関与する官能基の好ましい例としては、エポキシ基、オキセタン基、環状エステル基、ジオキシラン基、スピロオルトカーボネート基、スピロオルトエステル基、ビシクロオルトエステル基、環状イミノエーテル基等が挙げられる。樹脂(e)との混合のし易さを考慮すると数平均分子量は1000以下であることが好ましい。
有機化合物(f)の具体例としては、例えば、エチレン、プロピレン、スチレン、ジビニルベンゼン等のオレフィン類;アセチレン類;(メタ)アクリル酸及びその誘導体;ハロオレフィン類;アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリルアミド及びその誘導体;アリルアルコール、アリルイソシアネート等のアリル化合物;無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸及びその誘導体;酢酸ビニル類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、シアネートエステル類等が挙げられるが、その種類の豊富さ、価格等の観点から(メタ)アクリル酸及びその誘導体が好ましい。
有機化合物(f)の分子構造としては、シクロアルキル骨格、ビシクロアルキル骨格、シクロアルケン骨格、ビシクロアルケン骨格などの脂環族炭化水素骨格;ベンジル基、フェニル基、フェノキシ基、ナフチル基、ピレニル基等を有する芳香族炭化水素骨格;アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、テトラヒドロフルフリル基、グリシジル基等を有する分子構造;アルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールやトリメチロールプロパン等の多価アルコールのエステル化合物などが挙げられる。
重合性反応基を有する有機化合物(f)は、その目的に応じて1種若しくは2種以上のものを選択できる。
樹脂(e)、有機化合物(f)の数平均分子量(Mn)の測定方法について説明する。
本発明において樹脂(e)や有機化合物(f)の数平均分子量(Mn)は、その分子量分布が狭い、すなわち、数平均分子量(Mn)と、Mnと同時に算出される重量平均分子量(Mw)の比である多分散度(Mw/Mn)が1.1未満の場合には、分子構造解析が可能であるので、核磁気共鳴スペクトル法(NMR法)又は質量分析法を用いて算出することができる。また、その分子量分布が広い、すなわち、多分散度が1.1以上である場合には、測定試料をこれが溶解する溶剤に溶かし、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC法)で分析し、分子量既知の標準ポリスチレンに対して換算することにより算出できる。
本発明の印刷基材の機械強度を高めるためには、有機化合物(f)としては脂環族炭化水素骨格または芳香族炭化水素骨格を有する化合物を少なくとも1種類以上有することが好ましい。この場合、脂環族炭化水素骨格または芳香族炭化水素骨格を有する化合物の含有量は有機化合物(f)の全体量の20wt%以上であることが好ましく、更に好ましくは50wt%以上である。
感光性樹脂組成物(α)、(β)を紫外線又は可視光線を用いて光硬化させる場合には、光重合開始剤を添加することができる。光重合開始剤は一般に使用されているものから選択でき、例えば、高分子学会編「高分子データ・ハンドブックー基礎編」1986年培風館発行、に例示されているラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合の光重合開始剤などが使用できる。ラジカル重合反応を誘起させる光重合開始剤としては、水素引き抜き型光重合開始剤と崩壊形光重合開始剤が、特に効果的な光重合開始剤として用いられる。
水素引き抜き型光重合開始剤としては、励起三重項状態を経て周囲の媒体から水素を引き抜いてラジカルを生成する化合物であれば特に限定するものではないが、芳香族ケトンを用いることが好ましい。芳香族ケトンは、光励起により効率よく励起三重項状態になり、この励起三重項状態は周囲の媒体から水素を引き抜いてラジカルを生成する化学反応機構を経ると考えられている。生成したラジカルが光架橋反応に関与するものと考えられる。芳香族ケトンとして、ベンゾフェノン類、ミヘラーケトン類、キサンテン類、チオキサントン類、アントラキノン類を挙げることができ、これらの群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を用いることが好ましい。ベンゾフェノン類とは、ベンゾフェノンおよびその誘導体をいい、具体例としては、3,3’,4,4’―ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’―テトラメトキシベンゾフェノン等が挙げられる。ミヘラーケトン類とは、ミヘラーケトンおよびその誘導体をいう。キサンテン類とは,キサンテンおよびアルキル基、フェニル基、ハロゲン基で置換された誘導体をいう。チオキサントン類とは、チオキサントンおよびアルキル基、フェニル基、ハロゲン基で置換された誘導体をいい、具体例としては、エチルチオキサントン、メチルチオキサントン、クロロチオキサントン等を挙げることができる。アントラキノン類とは、アントラキノンおよびアルキル基、フェニル基、ハロゲン基等で置換された誘導体をいう。水素引き抜き型光重合開始剤の添加量は、感光性樹脂組成物(α)の全体量の0.1wt%以上10wt%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5wt%以上5wt%以下である。添加量がこの範囲であれば、液状の感光性樹脂組成物(α)を大気中で硬化させた場合、硬化物表面の硬化性は十分確保でき、また、耐光性を確保することができる。
崩壊型光重合開始剤とは、光吸収後に分子内で開裂反応が発生し活性なラジカルが生成する化合物をいい、特に限定するものではない。具体的には、ベンゾインアルキルエーテル類、2,2−ジアルコキシー2−フェニルアセトフェノン類、アセトフェノン類、アシルオキシムエステル類、アゾ化合物類、有機イオウ化合物類、ジケトン類等を挙げることができ、これらの群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を用いることが好ましい。ベンゾインアルキルエーテル類としては、ベンゾインイソプロピルエーテル、べンゾインイソブチルエーテル、「感光性高分子」(講談社、1977年出版、頁228)に記載の化合物等を挙げることができる。2,2−ジアルコキシー2−フェニルアセトフェノン類としては、2,2−ジメトキシー2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシー2−フェニルアセトフェノン等を挙げることができる。アセトフェノン類としては、アセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン等を挙げることができる。アシルオキシムエステル類としては、1−フェニルー1,2−プロパンジオンー2−(o―ベンゾイル)オキシム等を挙げることができる。アゾ化合物としては、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾニウム化合物、テトラゼン化合物等を挙げることができる。有機イオウ化合物としては、芳香族チオール、モノおよびジスルフィド、チウラムスルフィド、ジチオカルバメート、S−アシルジチオカルバメート、チオスルホネート、スルホキシド、スルフェネート、ジチオカルボネート等を挙げることができる。ジケトン類としては、ベンジル、メチルベンゾイルホルメート等を挙げることができる。崩壊型光重合開始剤の添加量は、感光性樹脂組成物全体量の0.1wt%以上10wt%以下であるが好ましく、より好ましくは0.3wt%以上3wt%以下である。添加量がこの範囲であれば、感光性樹脂組成物を大気中で光硬化させた場合、硬化物内部の硬化性は十分に確保できる。
特に酸素濃度が高い雰囲気において感光性樹脂組成物(α)を光硬化させる場合、、光重合開始剤として、水素引き抜き型光重合開始剤と崩壊型光重合開始剤との組み合わせて使用するか、又は同一分子内に水素引き抜き型光重合開始剤として機能する部位と崩壊型光重合開始剤として機能する部位を両方有する光重合開始剤を使用することが好ましい。酸素を5vol%以上含有する雰囲気においては、酸素による硬化阻害のため特に表面近傍の硬化が不十分となる問題がある。そのため、硬化阻害を防止するためには、不活性ガス雰囲気や水中の雰囲気で光硬化させるか、あるいは感光性樹脂組成物の表面を光透過性フィルムで被覆し、酸素を遮断するなどの特別な工夫が必要であり、露光するための装置においても特別な機構を取り付ける必要がある。特に円筒状の感光性樹脂組成物硬化物層を硬化させる際には、極めて複雑な機構が必要となるので、このような光重合開始剤を使用して、光硬化を促進させることは有益である。
感光性樹脂組成物(α)、(β)を円筒状支持体上に塗布成形する方法としては、既存の樹脂の成形方法を用いることができる。例えば、ドクターブレードと塗布法、ダイ押し出し法、スプレー塗布法、グラビアコート法、ロールコート法等を挙げることができる。また、塗布した樹脂組成物層をロールによりカレンダー加工して厚みを合わせる方法等を採ることができる。
成形された感光性樹脂組成物(α)や感光性樹脂組成物(β)の層は、光照射により硬化させ、感光性樹脂硬化物層を形成する。また、成型しながら光照射により硬化させることもできる。硬化に用いられる光源としては高圧水銀灯、超高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、殺菌灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等が挙げることができる。感光性樹脂組成物層に照射される光は、200nmから300nmの波長の光を有することが好ましい。特に水素引き抜き型光重合開始剤は、この波長領域に強い光吸収を有するものが多いため、200nmから300nmの波長の光を有する場合、感光性樹脂硬化物層表面の硬化性を充分に確保することができる。硬化に用いる光源は、1種類でも構わないが、波長の異なる2種類以上の光源を用いて硬化させることにより、樹脂の硬化性が向上することがあるので、2種類以上の光源を用いることも差し支えない。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
なお、以下の実施例及び比較例で用いた樹脂(e)の数平均分子量(Mn)は、GPC法で求めた多分散度(Mw/Mn)が1.1より大きいものであったため、ゲル浸透クロマトグラフ法(GPC法)を用いて、分子量既知のポリスチレンで換算して求めた。高速GPC装置(日本国、東ソー社製のHLC−8020)とポリスチレン充填カラム(商標、TSKgel GMHXL、日本国、東ソー社製)を用い、テトラヒドロフラン(THF)で展開して測定した。カラムの温度は40℃に設定した。GPC装置に注入する試料としては、樹脂濃度が1wt%のTHF溶液を調整し、注入量10μlとした。また、検出器としては、紫外吸収検出器を使用した。
[実施例1]
(1)樹脂(e)の製造
温度計、攪拌機を備えた1Lのセパラブルフラスコに、数平均分子量2500のポリオキシエチレン(EO)−ポリオキシプロピレン(PO)ブロック共重合体ジオール(EO/POモル比1/4)51重量部、数平均分子量3000のポリ(3−メチルー1,5−ペンタンジオールアジペート)33.9重量部、触媒としてジブチルチンスズジラウレート0.003重量部、2、6−ジーtert−ブチル−4−メチルフェノール0.1重量部を入れ、攪拌混合した。系内の水分量を400ppmに調整した。次に、トリレンジイソシアネート6重量部を外温40℃で攪拌しながら滴下添加し、その後徐々に外音を上昇させ80℃において5時間反応させた。さらに、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート4重量部を添加し、2時間反応させることによって不飽和ポリウレタン(e−1)を得た。この不飽和ポリウレタンのGPCによるポリスチレン換算数平均分子量は22500であった。
(2)クッション層形成用感光性樹脂組成物(α)の調製
(1)で製造した不飽和ポリウレタン(e−1)65重量部に対し、有機化合物(f)としてジエチレングリコールー2−エチルヘキシルエーテルアクリレート13重量部、ジエチレングリコールモノブチルエーテルモノメタクリレート20重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート2重量部、光重合開始剤として2,2−ジメトキシー2−フェニルアセトフェノン2重量部、添加剤として中空マイクロカプセル(松本油脂工業製、商標「MFL100CA」、平均粒子径:約100μm)10重量部、重合禁止剤として2,6−ジーt−ブチルー4−メチルフェノール0.05重量部を混合し、感光性樹脂組成物(α−1)を得た。
(3)クッション層の形成
幅1m、直径318.47mmのエアーシリンダーに厚さ1mmのガラス繊維強化プラスチック製中空円筒状支持体を装着した。装着された中空円筒状支持体上に、シート状繊維強化材として厚さ80μmのナイロンメッシュを2回転巻き付け、その外周端部を溶着することにより内周側のナイロンメッシュに固定した。
次に、(2)で調製した感光性樹脂組成物(α−1)を、ナイロンメッシュ上に厚さ0.5mmで塗布し、前記エアーシリンダーを回転させながら、メタルハライドタンプ(アイ・グラフィックス社製、商標「M056−L21」)から出てくる光を大気中で感光性樹脂層が露出している面から照射し、感光性樹脂組成物(α−1)の層を硬化させ、継ぎ目のないクッション層を有する円筒状印刷基材を作製した。照射したエネルギー量は、4000mJ/cm2(UV−35−APRフィルターで測定した照度を時間積分した値)であった。照射面でのランプ照度は、UVメーター(オーク製作所社製、商標「UV−M02」)を用いて測定し、UV−35−APRフィルターを使用して測定したランプ照度は、100mW/cm2であり、UV−25−フィルターを使用して測定したランプ照度は、14mW/cm2であった。
(4)印刷原版層形成用感光性樹脂組成物(β)の調製
感光性樹脂組成物(α−1)の中空マイクロカプセルの代わりに無機多孔質体(富士シシリア化学株式会社製、多孔質性微粉末シリカ、商標「サイロスフェアーC−1504」、数平均粒子径4.5μm、比表面積520m2/g、平均細孔径12nm、細孔容積1.5ml/g、灼熱減量2.5wt%、吸油量290ml/100g)5重量部を添加し、光重合開始剤としてベンゾフェノン1重量部を追添する以外は、感光性樹脂組成物(α−1)と同じ組成の感光性樹脂組成物(β−1)を調製し、印刷原版層形成用感光性樹脂組成物とした。
(5)印刷原版層の形成
(3)で作製した円筒状印刷基材の上に、(4)で調製した印刷原版層形成用感光性樹脂組成物(β−1)を厚さ約1.5mmでドクターブレードを用いて塗布し、(3)で用いたメタルハライドランプの光を大気中で照射し、感光性樹脂組成物(β−1)を硬化させ印刷原版層を作製した。得られた印刷原版層の膜厚調整と表面平滑化のため、エアーシリンダーを回転させながら、得られた感光性樹脂硬化物の表面をバイトで切削し、その後、エアーシリンダーとカーボランダム製グラインディングホイールを回転させながら研削し、1000番のサンドペーパーを用いて表面を研磨した。感光性樹脂硬化物層、すなわち印刷原版層の厚さを1.14mmとした。
(6)パターン形成
得られた印刷原版層の表面に、炭酸ガスレーザー彫刻機(英国、ZED社製、商標「ZED−mini−1000」)を用いて凹凸パターンを形成し、印刷版層とした。凹凸パターンとしては、40線/cmのスクリーン線数の網点パターンを複数種類形成した。
(7)クッション層の剥離性評価
上記のようにして作製した継ぎ目のない円筒状印刷基材をエアーシリンダーに固定し、エアーシリンダーの長軸方向にカッターを用いて印刷版層およびクッション層に切れ目を入れた。この際、ガラス繊維強化プラスチック製中空円筒状支持体の表面に傷が付かないように注意した。その後、中空円筒状支持体から、クッション層と印刷版層が一体化した積層体を簡単に剥ぎ取ることができた。剥ぎ取る工程で要した時間は数分間以内であった。
[実施例2]
(1)樹脂(e)の製造
温度計、攪拌機を備えた2Lのセパラブルフラスコに、ジエチレングリコール212重量部、プロピレングリコール152重量部、1,4―ブタンジオール90重量部及びアジピン酸511重量部、フマル酸87重量部、テトラヒドロ無水フタル酸127重量部、p−メトキシフェノール1.2重量部を窒素雰囲気中で常圧、230℃で4時間反応させ、次いで100mmHg減圧下でさらに4時間反応させ、酸価23の不飽和ポリエステルを得た。
この不飽和ポリエステル560重量部、ヘキサメチレンジイソシアネート33.6重量部及び2、6−ジーtert−ブチル−4−メチルフェノール0.6重量部を80℃で4時間混合・反応させ、次いでこの反応物にヒドロキシプロピルメタクリレート43.2重量部及びジブチルチンスズジラウレート0.2重量部を添加し、さらに80℃で2時間反応させることによって不飽和ポリエステルウレタン(e−2)を得た。この不飽和ポリエステルウレタンのGPCによるポリスチレン換算数平均分子量は7000であった。
(2)クッション層形成用感光性樹脂組成物(α)の調製
(1)で製造した不飽和ポリエステルウレタン(樹脂(e−2))66.8重量部に対し、有機化合物(f)としてジエチレングリコールジメタクリレート16.63重量部、ジアセトンアクリルアミド8.28重量部、ジエチレングリコールジメタクリレート8.28重量部、光重合開始剤として2,2−ジメトキシー2−フェニルアセトフェノン2重量部、添加剤として中空マイクロカプセル(松本油脂工業製、商標「MFL100CA」、平均粒子径:約100μm)10重量部、重合禁止剤として2,6−ジーt−ブチルー4−メチルフェノール0.05重量部を混合し、感光性樹脂組成物(α−2)を得た。
(3)クッション層の形成
クッション層形成用感光性樹脂組成物として感光性樹脂組成物(α−2)を用いた以外は、実施例1と同様にしてクッション層を形成し、円筒状印刷基材を作製した。
(4)印刷原版層形成用感光性樹脂組成物(β)の調製
感光性樹脂組成物(α−2)の中空マイクロカプセルの代わりに無機多孔質体(富士シシリア化学株式会社製、多孔質性微粉末シリカ、商標「サイロスフェアーC−1504」、数平均粒子径4.5μm、比表面積520m2/g、平均細孔径12nm、細孔容積1.5ml/g、灼熱減量2.5wt%、吸油量290ml/100g)5重量部を添加し、光重合開始剤としてベンゾフェノン1重量部を追添する以外は、感光性樹脂組成物(α−2)と同じ組成の感光性樹脂組成物(β−2)を調製し、印刷原版層形成用感光性樹脂組成物とした。
(5)印刷原版層の形成
円筒状印刷基材として(3)で作製したものを用い、印刷原版形成用感光性樹脂組成物として(4)で調製した組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、印刷原版層を形成した。印刷原版層の厚さは1.14mmとした。
(6)パターン形成
得られた印刷原版層の表面に、炭酸ガスレーザー彫刻機(英国、ZED社製、商標「ZED−mini−1000」)を用いて凹凸パターンを形成し、印刷版層とした。凹凸パターンとしては、40線/cmのスクリーン線数の網点パターンを複数種類形成した。
(7)クッション層の剥離性評価
上記のようにして作製した継ぎ目のない円筒状印刷基材をエアーシリンダーに固定し、エアーシリンダーの長軸方向にカッターを用いて印刷版層およびクッション層に切れ目を入れた。この際、ガラス繊維強化プラスチック製中空円筒状支持体の表面に傷が付かないように注意した。その後、中空円筒状支持体から、クッション層と印刷版層が一体化した積層体を簡単に剥ぎ取ることができた。剥ぎ取る工程で要した時間は数分間以内であった。
[実施例3]
(1)樹脂(e)の製造
温度計、攪拌機を備えた1Lのセパラブルフラスコに、旭化成ケミカルズ株式会社製ポリカーボネートジオールである、商標「PCDL L4672」(数平均分子量1990、OH価56.4)100重量部とトリレンジイソシアネート6.9重量部を加え80℃に加温下3時間反応させたのち、2―メタクリロイルオキシイソシアネート3.3重量部を添加し、更に3時間反応させて不飽和ポリウレタン(e−3)を得た。この不飽和ポリウレタンのGPCによるポリスチレン換算数平均分子量は約10000であった。
(2)クッション層形成用感光性樹脂組成物(α)の調製
(1)で製造した不飽和ポリウレタン(e−3)100重量部に対し、有機化合物(f)としてベンジルメタクリレート25重量部、シクロメタクリレート19重量部、ブトキシジエチレングリコールメタクリレート6重量部、光重合開始剤として2,2−ジメトキシー2−フェニルアセトフェノン2重量部、添加剤として中空マイクロカプセル(松本油脂工業製、商標「MFL100CA」、平均粒子径:約100μm)10重量部、重合禁止剤として2,6−ジーt−ブチルー4−メチルフェノール0.05重量部を混合し、感光性樹脂組成物(α−3)を得た。
(3)クッション層の形成
クッション層形成用感光性樹脂組成物として感光性樹脂組成物(α−3)を用いた以外は実施例1と同様にして、クッション層を形成し円筒状印刷基材を作製した。
(4)印刷原版層形成用感光性樹脂組成物の調製
感光性樹脂組成物(α−3)において中空マイクロカプセルの代わりに無機多孔質体(富士シシリア化学株式会社製、多孔質性微粉末シリカ、商標「サイロスフェアーC−1504」、数平均粒子径4.5μm、比表面積520m2/g、平均細孔径12nm、細孔容積1.5ml/g、灼熱減量2.5wt%、吸油量290ml/100g)5重量部を添加し、光重合開始剤としてベンゾフェノン1重量部を追添する以外は、感光性樹脂組成物(α−3)と同じ組成の感光性樹脂組成物(β−3)を調製し、印刷原版層形成用感光性樹脂組成物とした。
(5)印刷原版層の形成
円筒状印刷基材として(3)で作製したものを用い、印刷原版形成用感光性樹脂組成物として(4)で調製した組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、印刷原版層を形成した。印刷原版層の厚さは1.14mmとした。
(6)パターン形成
得られた印刷原版層の表面に、実施例1と同様にして凹凸パターンを形成し、印刷版層とした。凹凸パターンとしては、40線/cmのスクリーン線数の網点パターンを複数種類形成した。
(7)クッション層の剥離性評価
上記のようにして作製した継ぎ目のない円筒状印刷基材をエアーシリンダーに固定し、エアーシリンダーの長軸方向にカッターを用いて印刷版層およびクッション層に切れ目を入れた。この際、ガラス繊維強化プラスチック製中空円筒状支持体の表面に傷が付かないように注意した。その後、中空円筒状支持体から、クッション層と印刷版層が一体化した積層体を簡単に剥ぎ取ることができた。剥ぎ取る工程で要した時間は数分間以内であった。
[実施例4〜8]
(1)クッション層形成用感光性樹脂組成物(α)の調製)
実施例3において製造した不飽和ポリウレタン(e−3)100重量部に対し、有機化合物(f)としてベンジルメタクリレート25重量部、シクロメタクリレート19重量部、ブトキシジエチレングリコールメタクリレート6重量部、光重合開始剤として2,2−ジメトキシー2−フェニルアセトフェノン2重量部、添加剤として中空マイクロカプセル(松本油脂工業製、商標「MFL100CA」、平均粒子径:約100μm)10重量部、重合禁止剤として2,6−ジーt−ブチルー4−メチルフェノール0.05重量部を混合した。調製された混合物100重量部を5つ用意し、短繊維形態の繊維強化材として、それぞれ、ポリエチレン製短繊維(東洋紡 製、商標「ダイニーマ」、平均径12μm、平均長さ 6 mm、アスペクト比:500))、ポリプロピレン製短繊維(宇部日東化成製、商標「シムテックス」、平均径17μm、平均長さ5mm、アスペクト比:294)、ポリビニルアルコール製短繊維(クラレトレーディング製、平均径27μm、平均長さ3mm、アスペクト比:111)、ポリビニルアルコール製短繊維(クラレ製、商標「パワロン」、平均径40μm、平均長さ6mm、アスペクト比:150)、ポリビニルアルコール製短繊維(クラレ製、商標「パワロン」、平均径100μm、平均長さ12mm、アスペクト比:120)を、5重量部添加した感光性樹脂組成物(α−4)〜(α−8)を調製した。感光性樹脂組成物(α−4)〜(α−8)を、それぞれ実施例4〜8で用いる感光性樹脂組成物(α)とした。
(2)クッション層の作製
幅1m、直径318.47mmのエアーシリンダーに厚さ1mmのガラス繊維強化プラスチック製中空円筒状支持体を装着した。
次に、(1)で調製した感光性樹脂組成物(α−4)〜(α−8)を、それぞれ中空円筒状支持体上に厚さ0.5mmで塗布し、前記エアーシリンダーを回転させながら、メタルハライドタンプ(アイ・グラフィックス社製、商標「M056−L21」)から出てくる光を大気中で感光性樹脂層が露出している面から照射し、感光性樹脂組成物を硬化させ、継ぎ目のないクッション層を形成した。照射したエネルギー量は、4000mJ/cm2(UV−35−APRフィルターで測定した照度を時間積分した値)であった。照射面でのランプ照度は、UVメーター(オーク製作所社製、商標「UV−M02」)を用いて測定し、UV−35−APRフィルターを使用して測定したランプ照度は、100mW/cm2であり、UV−25−フィルターを使用して測定したランプ照度は、14mW/cm2であった。
(3)印刷原版層の形成
(2)で作製した5種類の円筒状印刷基材の上に、実施例3の(4)で調製した印刷原版層形成用感光性樹脂組成物(β−3)を厚さ約1.5mmでドクターブレードを用いて塗布し、(2)で用いたメタルハライドランプの光を大気中で照射し、感光性樹脂組成物を硬化させ印刷原版層を作製した。得られた印刷原版層の感光性樹脂硬化物の膜厚調製と表面平滑化のため、エアーシリンダーを回転させながら、得られた感光性樹脂硬化物の表面をバイトで切削し、その後、エアーシリンダーとカーボランダム製グラインディングホイールを回転させながら研削し、1000番のサンドペーパーを用いて表面を研磨した。感光性樹脂硬化物層、すなわち印刷原版層の厚さを1.14mmとした。
(4)パターン形成
得られた印刷原版層の表面に、実施例1と同様にして凹凸パターンを形成し、印刷版層とた。凹凸パターンとしては、40線/cmのスクリーン線数の網点パターンを複数種類形成した。
(5)クッション層の剥離性評価
上記のようにして作製した継ぎ目のない5種類の円筒状印刷基材をそれぞれエアーシリンダーに固定し、エアーシリンダーの長軸方向にカッターを用いて印刷版層およびクッション層に切れ目を入れた。この際、ガラス繊維強化プラスチック製中空円筒状支持体の表面に傷が付かないように注意した。
その後、中空円筒状支持体から、クッション層と印刷版層が一体化した積層体を剥ぎ取ったところ、いずれの円筒状印刷基材においても、簡単に剥ぎ取ることができた。剥ぎ取る工程で要した時間は数分間以内であった。
[実施例9]
(1)クッション層形成用フィルム状積層補強材の準備)
フイルム強化材として、厚さ25μmの両面易接着処理されたポリエステルフィルム(PETフィルム)を用意した。このPETフイルムの片側の面に、実施例3で調製したクッション層形成用感光性樹脂組成物(α−3)を50℃に加熱して、厚さ200μmに押し出し成形して積層し、クッション層形成用フィルム状積層補強材を得た。
(2)クッション層の形成
幅1m、直径318.47mmのエアーシリンダーに厚さ1mmのガラス繊維強化プラスチック製中空円筒状支持体を装着した。装着された中空円筒状支持体上に、(1)で用意したクッション層形成用フィルム状補強材を、感光性樹脂組成物層側が前記ガラス繊維強化プラスチック製中空円筒状支持体に接するようにして3回転巻きつけ、実施例1で用いたメタルハライドランプの光を照射し、前記感光性樹脂組成物(α−3)を光硬化させた。このようにして、中空円筒状支持体上に内部にフィルム強化材を有するクッション層を形成した。
(3)印刷原版層の形成
上記のように作製した円筒状クッション層の上に、実施例3で調製した感光性樹脂組成物(β−3)を厚さ約1.5mmでドクターブレードを用いて塗布し、(2)で用いたメタルハライドランプの光を大気中で照射し、感光性樹脂組成物を硬化させ印刷原版層を形成した。得られた印刷原版層の膜厚調整と表面平滑化のため、エアーシリンダーを回転させながら、得られた感光性樹脂硬化物の表面をバイトで切削し、その後、エアーシリンダーとカーボランダム製グラインディングホイールを回転させながら研削し、1000番のサンドペーパーを用いて表面を研磨した。感光性樹脂硬化物層、すなわち印刷原版層の厚さを1.14mmとした。
(4)パターン形成
得られた印刷原版層の表面に、炭酸ガスレーザー彫刻機(英国、ZED社製、商標「ZED−mini−1000」)を用いて凹凸パターンを形成した。凹凸パターンとしては、40線/cmのスクリーン線数の網点パターンを複数種類形成した。
(5)クッション層の剥離性評価
上記のようにして作製した継ぎ目のない円筒状印刷基材をエアーシリンダーに固定し、エアーシリンダーの長軸方向にカッターを用いて印刷版層およびクッション層に切れ目を入れた。この際、ガラス繊維強化プラスチック製中空円筒状支持体の表面に傷が付かないように注意した。その後、中空円筒状支持体から、クッション層と印刷版層が一体化した積層体を簡単に剥ぎ取ることができた。剥ぎ取る工程で要した時間は数分間以内であった。
[比較例1]
ガラス繊維強化プラスチック製中空円筒状支持体の上にナイロンメッシュは巻き付けず直接、実施例2の(2)感光性樹脂組成物(α−2)を塗布した以外は実施例1と同様にして、クッション層、印刷原版層、印刷版層を形成した。
また、実施例1と同様にして印刷版層とクッション層が一体化した積層体をガラス繊維強化プラスチック製中空円筒状支持体から剥ぎ取る際に、クッション層が部分的に中空円筒状支持体上に残存し、細かな残存物まで完全に取り除くのに20分以上の時間を要した。
本発明は、クッション層を支持体から簡便にしかも短時間で除去することが可能であり、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、レタープレス印刷等あらゆる印刷用の印刷基材として好適である。

Claims (21)

  1. 支持体上にクッション層が積層された印刷基材であって、該クッション層が、その内部に繊維又はフイルムからなる強化材を有する印刷基材。
  2. 前記支持体が、繊維強化プラスチック製中空円筒状支持体又は金属製中空円筒状支持体である請求項1に記載の印刷基材。
  3. 前記クッション層が、さらに、気泡及び/又は中空マイクロカプセルを含有する請求項1又は2に記載の印刷基材。
  4. 前記クッション層が、感光性樹脂硬化物からなる請求項1から3いずれか1項に記載の印刷基材。
  5. 前記感光性樹脂硬化物が、20℃において液状の感光性樹脂組成物を光硬化させて形成されたものである請求項4に記載の印刷基材。
  6. 前記強化材が、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリフェニレンエーテル、ポイリビニルエーテル、ポリ乳酸のいずれかからなる有機系合成繊維;黄麻、亜麻、ボンベイ麻、マニラ麻、サイザル麻、アバカパルプのいずれかからなる天然繊維;及びガラス、カーボン、窒化ケイ素、窒化ホウ素、炭化ケイ素、アルミナ、ホウ酸アルミニウム、珪灰石、ニッケル、チタン、銅、鉄、タングステン、クロムのいずれかからなる無機系繊維からなる群から選択される少なくとも1種の繊維からなる請求項1から5いずれか1項に記載の印刷基材。
  7. 前記強化材が、平均長さ0.1mm以上50mm以下で、平均径0.1μm以上500μm以下、アスペクト比0.2以上1万以下の短繊維である請求項1から6いずれか1項に記載の印刷基材。
  8. 前記強化材が、厚さが、10μm以上500μm以下であり、平均径が10nm以上300μm以下である繊維からなるシート状繊維強化材である請求項1から7いずれか1項に記載の印刷基材。
  9. 前記シート状繊維強化材が、クッション層内の前記支持体と前記クッション層との界面から前記クッション層の厚さの半分以下の距離にある領域に局在している請求項8に記載の円筒状印刷基材。
  10. 前記強化材がシート状繊維強化材であり、
    前記クッション層が、該シート状繊維強化材を円筒状支持体表面に少なくとも1周巻きつけた後、その外周端の少なくとも一部分を、その内周部分に固定し、その後、該シート状繊維強化材の上に感光性樹脂組成物を塗布することによって形成されたものである請求項1から9のいずれかに記載の印刷基材。
  11. 請求項1から10いずれか1項に記載の印刷基材のクッション層の上に、印刷原版層又は印刷版層が積層された印刷版又は印刷原版。
  12. 前記印刷原版層が、レーザー彫刻法でパターン形成可能である請求項11に記載の印刷原版。
  13. 前記印刷版層が、レーザー彫刻法でパターン形成されたものである請求項11に記載の印刷版。
  14. 請求項11から13のいずれか1項に記載の印刷原版又は印刷版の支持体から、その上に形成された層を除去する方法であって、
    少なくとも印刷版層又は印刷原版層を深さ方向に切断する工程と、
    印刷版層およびクッション層を支持体表面から剥ぎ取る工程と、
    含む方法。
  15. 前記切断が、刃物を又はレーザーを用いて行われる請求項14に記載の方法。
  16. 円筒状印刷基材の製造方法であって、
    (a)円筒状支持体上にシート状繊維強化材を少なくとも1周巻き付ける工程と、
    (b)前記シート状繊維強化材を内部に有するクッション層を形成する工程と、
    を含む円筒状印刷基材の製造方法。
  17. 前記工程(a)の後に、更に、(c)シート状繊維強化材の外周端の一部分を該シート状繊維強化材の内周面に固定させる工程を含む請求項16に記載の円筒状印刷基材の製造方法。
  18. 前記シート状繊維強化材の固定が、該シート状繊維強化材を融着させるか又は接着剤で固めることにより行われる請求項17に記載の円筒状印刷基材の製造方法。
  19. 前記工程(b)において、クッション層の形成が、シート状繊維強化材の上に感光性樹脂組成物(α)を塗布し、次いで該感光性樹脂組成物(α)に光を照射して硬化させることにより行われる請求項16から18のいずれか1項に記載の円筒状印刷基材の製造方法。
  20. 請求項16から19のいずれか1項に記載の方法により印刷基材を製造する工程と、
    クッション層の上に印刷原版層又は印刷版層を形成する工程と、
    を含む円筒状印刷原版又は印刷版の製造方法。
  21. 印刷原版層又は印刷層の形成が、クッション層の上に感光性樹脂組成物(β)を塗布し、次いで該感光性樹脂組成物(β)に光を照射して硬化させることにより行われる請求項20に記載の円筒状印刷原版又は印刷版の製造方法。
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