JP5241069B2 - シート状あるいは中空円筒状印刷基材 - Google Patents

シート状あるいは中空円筒状印刷基材 Download PDF

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Description

本発明は、印刷分野において使用される、シート状あるいは中空円筒状印刷基材に関するものである。
印刷分野においては、印刷機の版胴上にシート状印刷基材を貼り付けて印刷する方法、印刷機の版胴に中空円筒状印刷基材を挿入し印刷する方法が一般的に実施されている。
特に近年、フレキソ印刷分野においては、版胴上で正確に位置合わせをしながらシート状の版を貼り込む方法ではなく、剛直あるいはフレキシブルな円筒状支持体上に版を貼り込み、貼り込んだものを版胴に挿入する方法、更に円筒状支持体上にパターン形成可能な樹脂版を形成した円筒状印刷原版を形成し、その後表面にパターンを形成して版胴に挿入する方法が取られるようになってきた。また、円筒状支持体上に貼り込んだシート状の版による継ぎ目のある図柄のみでなく、円筒状支持体の全周を印刷図柄に用いる連続図柄のデザインが増えてきている。また、表面に凹凸パターンを形成する方法として、写真製版技術を用いて露光、現像工程を経てパターンを形成する技術があるが、最近ではレーザービームで直接彫るレーザー彫刻法が注目されている。
シート状に成形された感光性樹脂の表面に凹凸パターンが形成されるシート状印刷基材においては、ポリエステルフィルム等の寸法安定性の高いフィルムが支持体として一般的に用いられている。また、中空円筒状印刷基材においては、ニッケル等の金属製中空円筒支持体あるいは、繊維強化プラスチック製中空円筒状支持体等が多用されている。印刷基材においては、寸法安定性を確保することが必要であるため、感光性樹脂のみでの構成体は印刷工程で用いられることはなく、寸法安定性の高い支持体が必須構成要素であった。更に、場合によっては前記支持体と感光性樹脂層あるいは感光性樹脂硬化物層との間に、クッション性を有する層が形成されることもある。非特許文献1(「FLEXOGRAPHY、5thEdition、Volume4」、米国フレキソ印刷技術協会編、1999年発刊)には、シート状印刷版に関してページ6の図1、ページ33の図19、ページ34の図20に説明があり、また中空円筒状支持体(ベーススリーブ)の種類に関しては、ページ95から96に記載がある。
しかしながら、前記の支持体と、その上に成形されるクッション層あるいは感光性樹脂層とは、構成樹脂成分において大きく異なるため、支持体と感光性樹脂層との界面、支持体とクッション層との界面、クッション層と感光性樹脂層との界面における接着性確保が大きな課題であった。従来技術においては、前記接着性確保のため、支持体と感光性樹脂層との間、支持体とクッション層との間に接着剤層を形成することが広く行われている。また、該接着剤層の厚さは、厚くとも数10μm以下に均一に塗布することが必要であり、印刷基材の製造プロセスを複雑化させていた。
レーザー彫刻可能な樹脂硬化物層内部に繊維状強化材を有する印刷基材、あるいはレーザー彫刻可能な樹脂硬化物層あるいは写真製版技術でパターンを形成可能な感光性樹脂組成物層の下に位置し且つクッション性を有する樹脂層内部に繊維状強化材を有する印刷基材であって、従来から用いられてきたシート状支持体あるいは中空円筒状支持体を使用していないシート状あるいは中空円筒状の成形体は、従来技術では知られていなかった。
:「FLEXOGRAPHY、5thEdition、Volume4」、米国フレキソ印刷技術協会編、1999年発刊
従来のシート状あるいは中空円筒状支持体を必要としないにも関わらず、寸法安定性が高く、従来の各層界面での接着性確保の課題を解決できるレーザー彫刻可能なシート状あるいは中空円筒状印刷基材の提供。
本発明者らは鋭意検討し、レーザー彫刻可能な樹脂硬化物層内部に繊維状強化材を有する印刷基材、あるいはレーザー彫刻可能な樹脂硬化物層の下に位置し且つクッション性を有する樹脂層内部に繊維状強化材を有する印刷基材であって、該印刷基材はシート状あるいは中空円筒状の印刷基材を形成することにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、従来技術において用いられていたシート状支持体あるいは中空円筒状支持体を用いることなく、接着性を確保できる寸法安定性の高いシート状あるいは中空円筒状印刷基材を提供することが可能である。
本発明は下記の通りである。
1.表面にレーザー彫刻による凹凸パターンを形成可能で、内部に繊維状強化材を有する、繊維強化された樹脂硬化物層から成る印刷基材であって、該印刷基材がシート状あるいは中空円筒状の成形体であることを特徴とするシート状あるいは中空円筒状印刷基材。
2.前記繊維状強化材がレーザー彫刻可能な樹脂硬化物層表面から深さ方向に0.05mm以上深い位置に存在していることを特徴とする1.に記載のシート状あるいは中空円筒状印刷基材。
3.前記繊維状強化材が均一に存在していることを特徴とする1.又は2.に記載のシート状あるいは中空円筒状印刷基材。
4.レーザー彫刻可能な樹脂硬化物が、感光性樹脂組成物を光硬化させて形成された感光性樹脂硬化物であることを特徴とする1.から3.のいずれかに記載のシート状あるいは中空円筒状印刷基材。
5.繊維状強化材が、ガラス繊維、アルミナ繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、セルロース繊維、ポリウレタン繊維、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、窒化ケイ素繊維、金属繊維からなる群から選択される少なくとも1種類の繊維からなる織布あるいは不織布であることを特徴とする1.から4.のいずれかに記載のシート状あるいは中空円筒状印刷基材。
6.中空円筒状印刷基材を形成するレーザー彫刻可能な樹脂硬化物層が、継ぎ目を有しないことを特徴とする1.から5.のいずれかに記載の中空円筒状印刷基材。
7.繊維状強化材が、レーザー彫刻により形成される樹脂硬化物層表面の凹部に露出していないことを特徴とする1.から6.のいずれかに記載のシート状あるいは中空円筒状印刷基材。
8.感光性樹脂組成物が、20℃において液状であることを特徴とする4.に記載のシート状あるいは中空円筒状印刷基材。
9.シート状あるいは中空円筒状印刷基材が、レーザー彫刻可能な樹脂硬化物層と組成の異なる支持体を有していないことを特徴とする1.または2.に記載のシート状あるいは中空円筒状印刷基材。
10.シート状あるいは中空円筒状印刷基材が、フレキソ印刷、レタープレス印刷、ドライオフセット印刷、グラビア印刷のいずれかの印刷法で用いられる印刷原版、あるいはオフセット印刷ブランケット、あるいはエンボス加工用基材、あるいはインキ絞りロールであることを特徴とする1.から9.のいずれかに記載のシート状あるいは中空円筒状印刷基材。
11.1.から10.のいずれかに記載のシート状あるいは中空円筒状印刷基材にレーザー光を照射し、レーザー光が照射された部分の樹脂硬化物が除去されることにより凹パターンが形成されたシート状あるいは中空円筒状印刷版。
12.円筒状支持体表面上に織布あるいは不織布を巻きつける工程、巻きつけられた織布あるいは不織布上に感光性樹脂組成物を塗布し感光性樹脂組成物層を形成する工程、形成された感光性樹脂組成物層に光を照射し感光性樹脂硬化物層を形成する工程を含むことを特徴とするレーザー彫刻可能な中空円筒状印刷基材の製造方法。
13.円筒状支持体表面上に、感光性樹脂組成物を含浸した織布あるいは不織布を巻きつけ中空円筒状プリプレグ層を形成する工程、形成された中空円筒状プリプレグ層の上に、前記感光性樹脂組成物を塗布し感光性樹脂組成物層を形成する工程、更に形成された感光性樹脂組成物層に光を照射し感光性樹脂硬化物層を形成する工程を含むことを特徴とするレーザー彫刻可能な中空円筒状印刷基材の製造方法。
14.円筒状支持体がエアーが噴出す細孔を有するエアーシリンダーであり、該エアーシリンダー表面がフッ素系離型材層で被覆されていることを特徴とする12.又は13.に記載のレーザー彫刻可能な中空円筒状印刷基材の製造方法。
15.感光性樹脂組成物層に光を照射し感光性樹脂硬化物層を形成する工程の後に、更に、中空円筒状印刷基材を円筒状支持体の長軸方向に切断しシート状印刷基材を形成する工程を含むことを特徴とする12.から14.のいずれかに記載のシート状印刷基材の製造方法。
本発明は、従来のシート状あるいは中空円筒状支持体を必要としないにも関わらず、寸法安定性が高く、従来の各層界面での接着性確保の課題を解決できるレーザー彫刻可能なシート状あるいは中空円筒状印刷基材を提供することができる。
以下、本発明について、特にその好ましい実施態様を中心に、詳細に説明する。
本発明は、レーザー彫刻可能な樹脂硬化物層内部に繊維状強化材を有する印刷基材、あるいはレーザー彫刻可能な樹脂硬化物層の下に位置し且つクッション性を有する樹脂層内部に繊維状強化材を有するシート状あるいは中空円筒状印刷基材に関するものである。
本発明では、従来技術において用いられていたシート状支持体あるいは中空円筒状支持体を用いることなくシート状あるいは中空円筒状印刷基材が形成されることが好ましい。すなわち、レーザー彫刻可能な樹脂硬化物層あるいはクッション性を有する樹脂層が、層内に繊維状強化材を有することにより、支持体としての機能も併せ持つことができる。したがって、レーザー彫刻可能な樹脂硬化物層および/またはクッション性を有する樹脂層と組成の異なる支持体を有していないことが好ましい。
本発明において、レーザー彫刻可能な樹脂硬化物層内部あるいは、レーザー彫刻可能な樹脂硬化物層または写真製版技術を用いてパターンの形成が可能な感光性樹脂組成物層の下に位置し且つクッション性を有する樹脂層内部に存在させる繊維状強化材としては、寸法安定性の高い織布あるいは不織布が好ましい。繊維状強化材の材料としては特に限定するものではないが、ガラス繊維、アルミナ繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、セルロース繊維、ポリウレタン繊維、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、窒化ケイ素繊維、金属繊維の群から選択される少なくとも1種類の繊維からなる織布あるいは不織布が特に好ましい。繊維の太さは、10nm以上300μm以下であることが好ましく、より好ましくは50nm以上100μm以下、更に好ましくは50nm以上50μm以下である。繊維として1本であっても、複数本の繊維を束ねたものであっても構わない。本発明で用いる織布あるいは不織布は、樹脂が入り込み易いように空隙があることが好ましい。空隙率としては、5vol%以上95vol%以下であることが好ましい。より好ましくは10vol%以上90vol%以下、更に好ましくは20vol%以上80vol%以下である。空隙率がこの範囲であれば、印刷基材の寸法安定性を十分に確保することが可能である。
本発明のレーザー彫刻可能な樹脂硬化物層内部に繊維状強化材を有する印刷基材としては、レーザー彫刻可能な樹脂硬化物の厚みが確保される程度に、該繊維状強化材がレーザー彫刻可能な樹脂硬化物層表面から深さ方向に存在していれば良い。繊維状強化材の存在する位置は、レーザー彫刻可能な樹脂硬化物層内部の場合には、該樹脂硬化物層の厚み範囲において、表面から0.05mm以上の深さに存在していることが好ましい。表面から0.1mm以上の深さに存在していることがより好ましく、表面から0.5mm以上の深さに存在していることが更に好ましい。繊維状強化材は、上記存在範囲に均一に存在していることが好ましい。ここで言う均一とは、凡そ同じ深さ領域に、かつシート状あるいは中空円筒状印刷基材の全面積にわたり存在する状態を指すものとする。
また、レーザー彫刻可能な樹脂硬化物層あるいは写真製版技術を用いてパターンの形成が可能な感光性樹脂組成物層の下に位置し、且つクッション性を有する樹脂層内部に繊維状強化材を有する印刷基材としては、レーザー彫刻可能な樹脂硬化物の厚みが確保される程度に、該繊維状強化材が前記樹脂硬化物層あるいは感光性樹脂組成物層とクッション性を有する樹脂層との界面から、クッション性を有する樹脂層の厚み範囲において深さ方向に存在していれば良く、0.05mm以上深い位置に存在することが好ましい。より好ましくは0.1mm以上、更に好ましくは0.5mm以上である。繊維状強化材は、上記存在範囲に均一に存在していることが好ましい。ここで言う均一とは、凡そ同じ深さ領域に、かつシート状あるいは中空円筒状印刷基材の全面積にわたり存在する状態を指すものとする。繊維状強化材が上記存在範囲に均一に存在していれば、シート状あるいは中空円筒状に成形された印刷基材の重量バランスが確保でき、更に印刷基材の硬度、引張り強度等の機械的特性を確保することができる。それによって、印刷工程において高速印刷が可能となり、また印刷物の印刷品質を確保することができる。
繊維状強化材を有するレーザー彫刻可能な樹脂硬化物層の厚さは、50μm以上50mm以下であることが好ましい。より好ましくは100μm以上20mm以下、更に好ましくは500μm以上10mm以下である。また、繊維状強化材を有し且つクッション性を有する樹脂層の厚さは、100μm以上20mm以下であることが好ましく、より好ましくは200μm以上10mm以下、更に好ましくは300μm以上5mm以下である。
繊維状強化材は、印刷基材を用いた印刷工程における印刷品質確保の観点からレーザー彫刻あるいは写真製版により形成される樹脂硬化物層表面の凹部に露出していないことが好ましい。繊維状強化材が上記の領域範囲に存在していれば、印刷基材の表面近傍に、該繊維状強化材が露出しないのでインキが付着することがなく、非印刷部に印刷汚れが発生することを抑制することができる。
本発明の繊維状強化材の存在位置は、印刷基材を厚み方向に垂直に切断した切断面を光学顕微鏡あるいは電子顕微鏡で観察することにより確認することができる。また、レーザー彫刻あるいは写真製版により形成された樹脂硬化物表面の凹部において、繊維状強化材の存在の有無は、該凹部を光学顕微鏡あるいは電子顕微鏡にて確認することが可能である。
本発明において中空円筒状印刷基材を製造する方法として、エアーシリンダー等の円筒状支持体の表面に織布あるいは不織布を巻きつける工程、感光性樹脂組成物層を形成する工程、形成された感光性樹脂組成物層に光を照射し感光性樹脂硬化物層を形成する工程を経て作製される方法、また、円筒状支持体上に、感光性樹脂組成物を含有する織布あるいは不織布を巻きプリプレグ層を形成する工程、形成されたプリプレグ層の上に、感光性樹脂組成物層を形成する工程、更に形成された感光性樹脂組成物層およびプリプレグ層に光を照射し感光性樹脂硬化物層を形成する工程を経て作製される方法を挙げることができる。前記エアーシリンダーとは、エアーが噴出す細孔を有する円筒状支持体であり、該エアーシリンダーの表面は、フッ素系離型材層で被覆されていることが好ましい。また、中空円筒状印刷基材を形成するレーザー彫刻可能な樹脂硬化物層は、印刷速度をの高速化、印刷品質確保の観点から継ぎ目を有しないことが好ましい。
本発明においてシート状印刷基材を形成する方法として、上記のようにして作製した中空円筒状印刷基材を円筒状支持体の長軸方向に切断して製造する方法を採用しても構わない。
本発明のレーザー彫刻可能な樹脂硬化物層は、該樹脂硬化物を形成する分子鎖が3次元的に絡みあった構造や3次元的に架橋した構造であり、使用する溶剤雰囲気においても溶解しないことが好ましい。したがって、熱硬化性樹脂組成物、感光性樹脂組成物(α)を好ましいものとして挙げることができる。特に硬化速度が早い観点から、感光性樹脂組成物(α)であることが好ましい。
また、レーザー彫刻可能な樹脂硬化物層の下部にクッション性を有する樹脂層を形成する場合においても、形成される樹脂層は、該樹脂層を形成する分子鎖が3次元的に絡みあった構造や3次元的に架橋した構造であり、使用する溶剤雰囲気においても溶解しないことが好ましい。また、硬化速度が速い観点から感光性樹脂組成物(β)を用いることが好ましい。
感光性樹脂組成物(α)について、特に限定するものではないが、作業性の観点から20℃において液状の感光性樹脂組成物(α)を用いることが好ましい。更に、20℃において液状の感光性樹脂組成物(α)の粘度は、10Pa・s以上50kPa・s以下であることが好ましい。より好ましい範囲は50Pa・s以上30kPa・s以下、更に好ましい範囲は100Pa・s以上20kPa・s以下である。上記の粘度範囲であれば、液状の感光性樹脂組成物(α)を円筒状表面に成形することが容易であり、重力により液ダレを起こすことなく取り扱いが容易になる。また、特に大気中で光硬化させることができる液状の感光性樹脂組成物(α)が好ましい。この場合、特別な装置あるいは雰囲気を必要とすることなく、感光性樹脂組成物(α)を容易に光硬化させることができる。
感光性樹脂組成物(α)は、シート状あるいは円筒状に成形される工程に続く、高エネルギー活性線を照射する工程の前あるいは後で、樹脂硬化物層の厚みを調整することが好ましい。本発明の高エネルギー活性線とは、紫外線、電子線、γ線、X線、分子線等の波長の短い光をいう。特に取り扱いの容易さから、波長200nm以上400nm以下の紫外線を含む光が好ましい。光硬化に用いられる光源としてはメタルハライドランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ等が挙げられ、その他公知の方法で硬化を行うことができる。また、複数の種類の光源の光を照射しても構わない。
本発明で用いるクッション性を有する樹脂層の材質は、特に限定するものではない。熱可塑性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物、感光性樹脂組成物(β)であっても構わない。特に硬化速度が早い観点から、感光性樹脂組成物(β)であることが好ましい。
感光性樹脂組成物(β)について、特に限定するものではないが、作業性の観点から20℃において液状の感光性樹脂組成物(β)を用いることが好ましい。更に、20℃において液状の感光性樹脂組成物(β)の粘度は、10Pa・s以上50kPa・s以下であることが好ましい。より好ましい範囲は50Pa・s以上30kPa・s以下、更に好ましい範囲は100Pa・s以上20kPa・s以下である。上記の粘度範囲であれば、液状の感光性樹脂組成物(β)を円筒状表面に成形することが容易であり、重力により液ダレを起こすことなく取り扱いが容易になる。クッション層の上に形成するレーザー彫刻可能な樹脂硬化物層との接着性確保のため、感光性樹脂組成物(β)は、大気中で光硬化する樹脂組成でなくても良い。
クッション性を有する樹脂層のASKER−C硬度は、10度以上80度以下が好ましい範囲である。より好ましくは、20度以上70度以下、更に好ましくは20度以上60度以下である。
本発明のクッション性を有する樹脂層には、平均粒子径が0.1μm以上200μm以下の有機系微粒子、あるいは平均径が0.1μm以上200μm以下の気泡を含有させることができる。有機系微粒子あるいは気泡のより好ましい範囲は1μm以上150μm以下、更に好ましい範囲は10μm以上100μm以下である。有機系微粒子あるいは気泡の平均径がこの範囲であれば、印刷時において印刷版にかかる印圧による衝撃を充分に吸収することが可能であり、高品位の印刷物を得ることが可能となる。有機系微粒子あるいは気泡の平均粒子径あるいは平均径は、顕微鏡観察により求めることができる。顕微鏡の視野に少なくとも50個程度の有機系微粒子あるいは気泡が入るように倍率を調整し、該有機系微粒子あるいは気泡の寸法を測長する。測長機能を有する顕微鏡を用いることが好ましいが、カメラを用いて撮影した写真を基に寸法を測っても良い。
本発明の有機系微粒子とは、有機化合物から形成された微粒子であり、特に限定するものではないが、内部が中空のマイクロカプセル、ポリマー微粒子、内部に微細な気泡を含むポリマー微粒子、多孔質ポリマー微粒子、無機系微粒子が表面に付着したマイクロカプセル等を好ましい有機系微粒子として挙げることができる。
本発明で用いる有機系微粒子あるいは気泡の形状は、真球状である必要はないが、球状であることが好ましい。球状には、真球が少なくとも1方向に圧縮されて変形した形状のものも含まれる。
本発明では、感光性樹脂硬化物(β)中に気泡を形成させることも可能である。気泡を形成することにより、クッション特性を大幅に向上させることができる。形成させる気泡は、連続気泡、独立気泡のいずれであっても構わない。気泡を形成する方法として、感光性樹脂組成物(β)に気体を強制撹拌し混合したもの、感光性樹脂組成物(β)中に中空の微粒子を混合したものを光硬化させる方法、感光性樹脂組成物(β)中に化学発泡剤を混合し、熱あるいは光により発泡させてから、光硬化させる方法等を挙げることができる。化学発泡剤を混合した系では、化学発泡剤を発泡させる光の波長と、感光性樹脂組成物(β)を光硬化させる光の波長を選択することにより、発泡工程を光硬化工程を時間的にずらすこともできる。
感光性樹脂組成物(β)に気体を撹拌混合する方法としては、公知のハンドミキサーやバブラーを使用することができる。また、撹拌した気泡を安定的に充填するために感光性樹脂組成物(β)中に整泡剤を添加してもよい。添加する整泡剤としては枝分かれ型シリコーン系界面活性剤、ペンダント型のシリコーン系界面活性剤、無機系超微粒子等を挙げることができる。
感光性樹脂組成物(β)中に中空の微粒子を混合する方法において、熱膨張性マイクロカプセルを用いることが好ましい。特に保存安定性の観点から、既膨張マイクロカプセルを用いることが望ましい。既膨張マイクロカプセルは、熱可塑性エラストマーを隔壁とし内部に揮発性有機系液体を含有する微粒子を膨張させたものである。通常用いられる熱可塑性エラストマーとしては、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレートなどを挙げることができる。また揮発性有機系液体としては、ブタン、イソブタン、ブテン、イソブテン、ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ヘキサン、ヘプテン等の炭化水素を挙げることができる。既膨張マイクロカプセルの平均粒子系は10μm以上200μm以下であることが好ましい。より好ましくは50μm以上150μm以下、更に好ましくは90μm以上110μm以下である。
既膨張バルーンの真比重は0.020g/cm以上0.220g/cm以下であることが好ましい。より好ましくは0.110g/cm以上0.150g/cm以下、更に好ましくは0.120g/cm以上0.140g/cm以下である。
隔壁は無機系微粒子でコーティングされていることが望ましい。コーティングによって真比重が増加するため取り扱いが容易となる。無機系粒子としては、シリカ、炭酸カルシウム、酸化チタン等を挙げることができる。また、無機系粒子をコーティングすることにより、感光性樹脂組成物中で、該既膨張マイクロカプセルの保存安定性を向上させることもできる。
感光性樹脂組成物(β)中に混合した化学発泡剤を熱あるいは光により発泡させる方法としては、紫外線分解型発泡剤や熱分解型発泡剤を用いることが望ましい。通常用いられる紫外線分解型発泡剤としては、例えば公知のアジド化合物を挙げることができる。具体的にはオキシビスベンゼンスルホニルアジド、グリシジルアジドポリマー、p−トルエンスルホニルアジド、p−アジドベンズアルデヒド、p−アジド安息香酸、p−アジドベンズアルデヒド−2−スルホン酸ナトリウム塩、p−アジドベンザルアセトフェノン、4,4’−ジアジドカルコン、4,4’−ジアジドジフェニルスルフィド、3,3’−ジアジドジフェニルスルフィド、2,6−ビス(4’アジドベンザル)−4−メリルシクロヘキサン、1,3’−ビス−(−4’アジドベンザル)−プロパノン、4,4’−ジアジドカルコン−2−スルホン酸ナトリウム塩、4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルホン酸ナトリウム塩−2−プロパノン、2,6’−ビス−(−4’−アジドベンザル)−2’スルホン酸ナトリウム塩シクロヘキサノン、2,6’−ビス−(−4’−アジドベンザル)−2’スルホン酸ナトリウム塩4−メチル−シクロヘキサノンで、α−シアノ−4,4’ジベンゾスチルベン、2,5’−ビス−(4’−アジドベンザルスルホン酸ナトリウム塩)シクロペンタノン、3−スルホニルアジド安息香酸である。また、通常用いられる熱分解型発泡剤として、公知の化学発泡剤を挙げることができる。具体的にはアゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、バリウムアゾジカルボシキレード、ジニトロペンタメチレンテトラミン、4’,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジッド)、パラトルエンスルホニルヒドラジッド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、ヒドラゾジカルボンアミド、トリヒドラジノトリアジン等の化合物を挙げることができる。
クッション性を有する樹脂層の比重は0.20g/cm以上0.90g/cm以下であることが好ましい。より好ましくは0.30g/cm以上0.70g/cm以下、更に好ましくは0.40g/cm以上0.60g/cm以下である。
本発明のシート状あるいは中空円筒状印刷基材は、レーザー彫刻可能な樹脂硬化物および/あるいはクッション性を有する樹脂硬化物と組成の異なる樹脂層を有しないこと、すなわち支持体の機能のみを有する樹脂層を有さないことが好ましい。
本発明で用いる感光性樹脂組成物(α)および感光性樹脂組成物(β)は、数平均分子量が1000以上30万以下の樹脂(a)、重合性不飽和基を有し、かつ数平均分子量が100以上1000未満の有機化合物(b)、光重合開始剤(c)を含有することが好ましい。
本発明で用いる感光性樹脂組成物(α)および感光性樹脂組成物(β)における樹脂(a)、有機化合物(b)、及び光重合開始剤(c)の割合は、通常、樹脂(a)100重量部に対して、有機化合物(b)は5〜200重量部が好ましく、20〜100重量部の範囲がより好ましい。又、光重合開始剤(c)は樹脂(a)と有機化合物(b)の合計量の0.01〜10重量部の範囲が好ましい。有機化合物(b)の割合が、上記の範囲であれば、得られる印刷版などの硬度と引張強伸度のバランスがとりやすい。また、架橋反応での収縮も小さく、厚み精度を確保できる。
樹脂(a)としては、特に限定するものではなく、公知の高分子化合物を用いることができる。具体的には、合成ゴム、熱可塑性エラストマー等の硬度の高いゴム弾性のあるゴム系高分子化合物、弾性率の高い熱可塑性樹脂等の20℃において固体状の樹脂、あるいは分子内に重合性不飽和基を有する不飽和ポリウレタン、不飽和ポリエステル、液状ポリブタジエン等の20℃において液状の樹脂等を好ましい高分子化合物として挙げることができる。ゴム系高分子化合物として、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、モノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンモノマーとの重合物が好ましい。該モノビニル置換芳香族炭化水素モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレンなどが、また共役ジエンモノマーとしてはブタジエン、イソプレンなどが用いられ、熱可塑性エラストマーの代表的な例としてはスチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体などが挙げられる。弾性率の高い熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリアミック酸、ポリエステル、ポリフェニレンエーテル等を挙げることができる。20℃において固体状樹脂の場合、溶剤に溶解できるものが特に好ましい。
樹脂(a)は、分子内に重合性不飽和基を有することが好ましい。本発明の重合性不飽和基は、ラジカル重合反応、付加重合反応、開環付加重合反応する官能基であることが好ましい。ラジカル重合反応する重合性不飽和基として、ビニル基、アセチレン基、メタクリル基、アクリル基等を挙げることができる。また、付加重合反応する重合性不飽和基として、シンナモイル基、チオール基、アジド基を有する化合物を挙げることができる。更に、開環付加反応性を有する重合性不飽和基として、エポキシ基、オキセタン基、環状エステル基、ジオキシラン基、スピロオルトカーボネート基、スピロオルトエステル基、ビシクロオルトエステル基、シクロシロキサン基、環状イミノエーテル基等を有する化合物を挙げることができる。特に好ましい樹脂(a)として1分子あたり平均で0.3以上の重合性不飽和基を有するポリマーを挙げることができる。1分子あたり平均で0.3以上であれば、本発明の樹脂組成物より得られるクッション層は、機械強度に優れる。さらにその耐久性も良好で、繰り返しの使用にも耐えらるのものとなり好ましい。クッション層の機械強度を考慮すると、樹脂(a)の重合性不飽和基は1分子あたり0.5以上がより好ましく、0.7を越える量が更に好ましい。樹脂(a)1分子に含まれる重合性不飽和基の数の平均は、核磁気共鳴スペクトル法(NMR法)による分子構造解析法で求めることができる。
樹脂(a)として用いる化合物中の主鎖中、側鎖中あるいは末端に重合性不飽和基を導入することができる。例えば、分子内に重合性不飽和基を有する化合物を出発原料として、ラジカル反応や縮合反応させることにより、分子主鎖あるいは側鎖に重合性不飽和基を導入することが可能である。また、別法として、水酸基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基、ケトン基、ヒドラジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、環状カーボネート基、エステル基などの反応性基を複数有する数千程度の分子量の上記成分の反応性基と結合しうる基を複数有する結合剤(例えば水酸機やアミノ基の場合のポリイソシアネートなど)を反応させ、分子量の調節、及び末端の結合基への変換を行った後、この末端結合性基を反応する基と重合性不飽和基を有する有機化合物と反応させて末端に重合性不飽和基を導入する方法などの方法が好適にあげられる。
また、重合性不飽和を有しない高分子化合物を出発原料として、置換反応、脱離反応、縮合反応、付加反応等の化学反応により重合性不飽和基を分子内に導入した高分子化合物を用いることもできる。高分子化合物の主鎖にヘテロ原子を有する高分子化合物、複数種のモノマー成分から合成されたランダム共重合体、ブロック共重合体を挙げることができる。更に、分子内に重合性不飽和基を導入した高分子化合物を複数種混合して用いることもできる。
樹脂(a)の数平均分子量の好ましい範囲は1000以上30万以下、より好ましくは5000以上10万以下、更に好ましくは7000以上5万以下である。樹脂(a)の数平均分子量は1000以上であれば、後に架橋して作製する光硬化物が強度を保ち、この光硬化物上に印刷版を積層し、印刷版の構成要素として用いる場合、繰り返しの使用にも耐えられる。また、樹脂(a)の数平均分子量が30万以下であれば、感光性樹脂組成物の成形加工時の粘度が過度に上昇することもなく、充填することができる。本発明の数平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフ法(GPC法)で測定し、分子量既知のポリスチレンを基準に換算した値を用いる。
また、印刷工程において使用する溶剤インキの溶剤に対し耐性を有する樹脂(a)の組成として、分子内にカーボネート結合、エステル結合、エーテル結合、ウレア結合から選ばれる少なくとも1種類の結合を有するか、あるいは/および飽和炭化水素鎖、不飽和炭化水素鎖から選ばれる少なくとも1種類の分子鎖を有し、かつウレタン結合を有する化合物が好ましい。
樹脂(a)の分子中に存在する脂肪族炭化水素鎖あるいは脂肪族不飽和炭化水素鎖の例として、ポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリブタジエン、部分水添ポリブタジエン、水添ポリイソプレン、部分水添ポリイソプレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の分子構造を有する化合物を挙げることができる。このような分子構造を主鎖に有し、両末端が水酸基、アミノ基、カルボキシル基、イソシアネート基等から選ばれる少なくとも1種類の官能基を有する化合物を出発原料として、前記官能基と反応する官能基を有する化合物とを縮合反応させることにより更に高分子量化させたポリマーを形成することができる。また、前記官能基を、末端に重合性不飽和基を導入するために用いることもできる。
樹脂(a)の分子鎖中に存在するカーボネート結合を有する化合物として、4,6−ポリアルキレンカーボネートジオール、8,9−ポリアルキレンカーボネートジオール、5,6−ポリアルキレンカーボネートジオール等の脂肪族ポリカーボネートジオールを挙げることができる。また、芳香族系分子構造を分子内に有する脂肪族ポリカーボネートジオールを用いても構わない。末端の水酸基に、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物、あるいはトリイソシアネート化合物を縮合反応させることにより更に高分子量化させることもできる。また、末端の水酸基あるいはイソシアネート基を、重合性不飽和基を導入するために使用することもできる。
樹脂(a)の分子鎖中に存在するエステル結合を有する化合物として、アジピン酸、フタル酸、マロン酸、コハク酸、イタコン酸、シュウ酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼラン酸、セバシン酸、フマル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸化合物と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ピコナール、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール等の分子内に2個以上の水酸基を有する化合物とを縮合反応させて得られるポリエステル類、ポリカプロラクトン等のポリエステル類を挙げることができる。末端の水酸基あるいはカルボキシル基にジイソシアネート化合物を縮合反応させることにより更に高分子量化させることもできる。また、末端の水酸基あるいはカルボキシル基を、重合性不飽和基を導入するために用いることもできる。
有機化合物(b)の具体例としては、ラジカル反応性化合物として、エチレン、プロピレン、スチレン、ジビニルベンゼン等のオレフィン類、アセチレン類、(メタ)アクリル酸及びその誘導体、ハロオレフィン類、アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類、(メタ)アクリルアミド及びその誘導体、アリールアルコール、アリールイソシアネート等のアリール化合物、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸及びその誘導体、酢酸ビニル類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール等があげられるが、その種類の豊富さ、価格、レーザー光照射時の分解性等の観点から(メタ)アクリル酸及びその誘導体が好ましい例である。該誘導体の例としては、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基などを有する脂環族化合物、ベンジル基、フェニル基、フェノキシ基、あるいはナフタレン骨格、アントラセン骨格、ビフェニル骨格、フェナントレン骨格、フルオレン骨格などを有する芳香族化合物、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、グリシジル基等を有する化合物、アルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールやトリメチロールプロパン等の多価アルコールとのエステル化合物、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン等のポリシロキサン構造を有する化合物などがあげられる。また、窒素、硫黄等の元素を含有した複素芳香族化合物であっても構わない。
また、付加重合反応するエポキシ基を有する化合物としては、種々のジオールやトリオールなどのポリオールにエピクロルヒドリンを反応させて得られる化合物、分子中のエチレン結合に過酸を反応させて得られるエポキシ化合物などを挙げることができる。具体的には、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールAにエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドが付加した化合物のジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリ(プロピレングリコールアジペート)ジオールジグリシジルエーテル、ポリ(エチレングリコールアジペート)ジオールジグリシジルエーテル、ポリ(カプロラクトン)ジオールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物、エポキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業社製、商標名「HF−105」)を挙げることができる。
本発明において、これら重合性不飽和基を有する有機化合物(b)は、1種若しくは2種以上のものを選択できる。印刷インキの溶剤であるアルコール、エステル、脂肪族炭化水素等の有機溶剤に対する膨潤を押さえるために用いる有機化合物として長鎖脂肪族、脂環族または芳香族の誘導体を少なくとも1種類以上有することが好ましい。
本発明の樹脂組成物より得られるクッション層の機械強度を高めるためには、有機化合物(b)としては脂環族または芳香族の誘導体を少なくとも1種類以上有することが好ましく、この場合、有機化合物(b)の全体量の20wt%以上であることが好ましく、更に好ましくは50wt%以上である。また、前記芳香族の誘導体として、窒素、硫黄等の元素を有する芳香族化合物であっても構わない。
本発明の感光性樹脂組成物(α)および感光性樹脂組成物(β)は、光の照射により架橋してレーザー彫刻層あるいはクッション層としての物性を発現させるが、その際に光重合開始剤を添加することができる。光重合開始剤は一般に使用されているものから選択でき、例えば高分子学会編「高分子データ・ハンドブック−基礎編」1986年培風館発行、に例示されているラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合の開始剤等が使用できる。また、光重合開始剤を用いて光重合により架橋を行なうことは、本発明の樹脂組成物の貯蔵安定性を保ちながら、生産性良くクッション層を生産出来る方法として有用であり、その際に用いる開始剤も公知のものが使用できる。ラジカル重合反応を誘起させる光重合開始剤としては、水素引き抜き型光重合開始剤(d)と崩壊型光重合開始剤(e)が、特に効果的な光重合開始剤として用いられる。
水素引き抜き型光重合開始剤(d)として、特に限定するものではないが、芳香族ケトンを用いることが好ましい。芳香族ケトンは光励起により効率良く励起三重項状態になり、この励起三重項状態は周囲の媒体から水素を引き抜いてラジカルを生成する化学反応機構が提案されている。生成したラジカルが光架橋反応に関与するものと考えられる。本発明で用いる水素引き抜き型光重合開始剤(d)として励起三重項状態を経て周囲の媒体から水素を引き抜きてラジカルを生成する化合物であれば何でも構わない。芳香族ケトンとして、ベンゾフェノン類、ミヒラーケトン類、キサンテン類、チオキサントン類、アントラキノン類を挙げることができ、これらの群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を用いることが好ましい。
ベンゾフェノン類とは、ベンゾフェノンあるいはその誘導体を指し、具体的には3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−テトラメトキシベンゾフェノン等である。ミヒラーケトン類とはミヒラーケトンおよびその誘導体をいう。キサンテン類とはキサンテンおよびアルキル基、フェニル基、ハロゲン基で置換された誘導体をいう。チオキサントン類とは、チオキサントンおよびアルキル基、フェニル基、ハロゲン基で置換された誘導体をさし、エチルチオキサントン、メチルチオキサントン、クロロチオキサントン等を挙げることができる。アントラキノン類とはアントラキノンおよびアルキル基、フェニル基、ハロゲン基等で置換された誘導体をいう。水素引き抜き型光重合開始剤の添加量は、感光性樹脂組成物全体量の0.1wt%以上10wt%以下が好ましく、より好ましくは0.5wt%以上5wt%以下である。添加量がこの範囲であれば、液状感光性樹脂組成物を大気中で光硬化させた場合、硬化物表面の硬化性は充分に確保でき、また、退候性を確保することができる。
崩壊型光重合開始剤(e)とは、光吸収後に分子内で開裂反応が発生し活性なラジカルが生成する化合物を指し、特に限定するものではない。具体的には、ベンゾインアルキルエーテル類、2,2−ジアルコキシ−2−フェニルアセトフェノン類、アセトフェノン類、アシルオキシムエステル類、アゾ化合物類、有機イオウ化合物類、ジケトン類等を挙げることができ、これらの群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を用いることが好ましい。ベンゾインアルキルエーテル類としては、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、「感光性高分子」(講談社、1977年出版、頁228)に記載の化合物を挙げることができる。2,2−ジアルコキシ−2−フェニルアセトフェノン類としては、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン等を挙げることができる。アセトフェノン類としては、アセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン等を挙げることができる。
アシルオキシムエステル類としては、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム等を挙げることができる。アゾ化合物としては、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾニウム化合物、テトラゼン化合物等を挙げることができる。有機イオウ化合物としては、芳香族チオール、モノおよびジスルフィド、チウラムスルフィド、ジチオカルバメート、S−アシルジチオカルバメート、チオスルホネート、スルホキシド、スルフェネート、ジチオカルボネート等を挙げることができる。ジケトン類としては、ベンジル、メチルベンゾイルホルメート等を挙げることができる。
崩壊型光重合開始剤の添加量は、感光性樹脂組成物(α)および感光性樹脂組成物(β)の全体量の0.1wt%以上10wt%以下が好ましく、より好ましくは0.3wt%以上3wt%以下である。添加量がこの範囲であれば、感光性樹脂組成物(α)および感光性樹脂組成物(β)を大気中で光硬化させた場合、硬化物内部の硬化性は充分に確保できる。
水素引き抜き型光重合開始剤として機能する部位と崩壊型光重合開始剤として機能する部位を同一分子内に有する化合物を、光重合開始剤として用いることもできる。α−アミノアセトフェノン類を挙げることができる。例えば、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、下記一般式(1)で示される化合物を挙げることができる。
Figure 0005241069
(1)


(式中、Rは各々独立に、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。また、Xは炭素数1〜10のアルキレン基を表す。)
水素引き抜き型光重合開始剤として機能する部位と崩壊型光重合開始剤として機能する部位を同一分子内に有する化合物の添加量としては、感光性樹脂組成物(α)全体量の0.1wt%以上10wt%以下が好ましく、より好ましくは0.3wt%以上3wt%以下である。添加量がこの範囲であれば、感光性樹脂組成物(α)を大気中で光硬化させた場合であっても、硬化物の機械的物性は充分に確保できる。
また、光を吸収して酸を発生することにより、付加重合反応を誘起させる光重合開始剤を用いることもできる。例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩等の光カチオン重合開始剤、あるいは光を吸収して塩基を発生する重合開始剤などが挙げられる。これらの光重合開始剤の添加量は、感光性樹脂組成物(α)および感光性樹脂組成物(β)の全体量の0.1wt%以上10wt%以下の範囲が好ましい。
本発明のシート状あるいは中空円筒状印刷基材は、フレキソ印刷、レタープレス印刷、ドライオフセット印刷、グラビア印刷のいずれかの印刷法で用いられる印刷原版、あるいはオフセット印刷ブランケット、あるいはエンボス加工用基材、あるいはインキ絞りロールとして用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
(1)レーザー彫刻
レーザー彫刻は炭酸ガスレーザー彫刻機(商標:ZED−mini−1000、英国、ZED社製、米国、コヒーレント社製、出力250W炭酸ガスレーザーを搭載)を用いて行った。彫刻は、網点(80 lines per inch で面積率10%)、500μm幅の凸線による線画、及び、500μm幅の白抜き線を含むパターンを作成して実施した。彫刻深さを大きく設定すると、微細な網点部のパターンのトップ部の面積が確保できず、形状も崩れて不鮮明となるため、彫刻深さは0.55mmとした。
(2)数平均分子量の測定
樹脂(a)の数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ法(GPC法)を用いて、分子量既知のポリスチレンで換算して求めた。高速GPC装置(日本国、東ソー社製、商標、HLC−8020)とポリスチレン充填カラム(商標:TSKgel GMHXL;日本国、東ソー社製)を用い、テトラヒドロフラン(THF)で展開して測定した。カラムの温度は40℃に設定した。GPC装置に注入する試料としては、樹脂濃度が1wt%のTHF溶液を調製し、注入量10μlとした。また、検出器としては、樹脂(a)に関しては紫外吸収検出器を使用し、モニター光として254nmの光を用いた。
(3)重合性不飽和基の数の測定
合成した樹脂(a)の分子内に存在する重合性不飽和基の平均数は、未反応の低分子成分を液体クロマトグラフ法を用いて除去した後、核磁気共鳴スペクトル法(NMR法)を用いて分子構造解析し求めた。
(実施例1)
温度計、攪拌機、還流器を備えた3Lのセパラブルフラスコに旭化成ケミカルズ株式会社製ポリカーボネートジオールである、商標「PCDL T4672」(数平均分子量1945、OH価57.7)1141.45gとトリレンジイソシアナート78.22gを加え80℃に加温下に約3時間反応させた後、2−メタクリロイルオキシイソシアネート21.36gを添加し、さらに約3時間反応させて、末端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽和基が1分子あたり平均約1個)である数平均分子量約11000の樹脂(ア)を製造した。この樹脂は20℃では水飴状であり、外力を加えると流動し、かつ外力を除いても元の形状を回復しなかった。
樹脂(a)として上記のように作製した樹脂(ア)100重量部、有機化合物(b)としてフェノキシエチルメタクリレート25重量部とポリプロピレングリコールモノメタクリレート19重量部、無機多孔質体(f)として富士シリシア化学株式会社製、多孔質性微粉末シリカである、商標「サイロスフェアC−1504」(以下略してC−1504、数平均粒子径4.5μm、比表面積520m/g、平均細孔径12nm、細孔容積1.5ml/g、灼熱減量2.5wt%、吸油量290ml/100g)5重量部、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン0.6重量部とベンゾフェノン1重量部、その他添加剤として2,6−ジ−t−ブチルアセトフェノン0.5重量部を加えて、感光性樹脂組成物(α)を調製した。
厚み100μmのナイロンメッシュを調製した感光性樹脂組成物(α)に浸漬し、感光性樹脂組成物(α)を開口部および繊維表面に有するプリプレグを作製した。作製したプリプレグをエアーシリンダーに3回転巻き付け、更にその上に厚さ1mmに感光性樹脂組成物(α)を塗布し、エアーシリンダーを回転させながらメタルハライドランプ(アイ・グラフィックス社製、商標「M056−L21」)から出てくる光を照射した。感光性樹脂組成物(α)を光硬化後、表面を平滑化するために研削研磨を実施した。このようにして内部のナイロンメッシュで繊維強化された感光性樹脂硬化物から成る中空円筒状印刷基材を作製した。作製された中空円筒状印刷基材は、エアーシリンダーから取り外すことができた。切削研磨工程においても、感光性樹脂硬化物がナイロンメッシュから剥がれることはなかった。
また、作製した中空円筒状印刷基材は、エアーシリンダーに再度装着後、エアーシリンダーを周速度が毎分270mで回転し、レーザー彫刻したが、エアーシリンダーの回転は極めて安定しており、感光性樹脂硬化物がナイロンメッシュから剥がれることもなくレーザー彫刻でき、表面に凹凸パターンを形成することができた。
得られた中空円筒状印刷基材の一部を切り出し、印刷性評価試験としてフレキソ印刷機(英国、KR社製、商標「FLEXIPROOF100」)で印刷を行った。版胴に両面接着層付のクッションテープ(住友3M社製、「1820」)を気泡が入らないように注意して貼り付け、その上に一部を切り出したレーザー彫刻版を貼り付けた。網点を均一に再現することができた。
(実施例2)
厚さ100μmのナイロンメッシュを、ガラスクロス(旭シュエーベル社製、商標名「2116」)に置き換え、エアーシリンダーに巻きつける回数を2回とした以外は、実施例1と同様にして、内部のガラスクロスで繊維強化された感光性樹脂硬化物からなる中空円筒状印刷基材を得た。感光性樹脂組成物(α)とガラスクロスを有するプリプレグの厚さは、200μmであった。実施例1と同様に、レーザー彫刻により、表面に凹凸パターンを形成した。切削研磨工程においても、感光性樹脂硬化物がガラス繊維から剥がれることはなかった。
また、実施例1と同様の方法で印刷評価を実施したところ、網点を均一に再現することができた。
(実施例3)
樹脂(a)として実施例1で作製した樹脂(ア)100重量部、有機化合物(b)としてフェノキシエチルアクリレート25重量部とポリプロピレングリコールモノアクリレート19重量部、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン1重量部、加熱により膨張させた平均粒子径が約100μmのマイクロカプセル(松本油脂社製、商標「MFL100CA」10.6重量部、その他添加剤として2,6−ジ−t−ブチルアセトフェノン0.5重量部を加えて、クッション層用の感光性樹脂組成物(β)を調製した。
実施例1で用いた厚さ100μmのナイロンメッシュに、上記のように調製した感光性樹脂組成物(β)をすり込み、マイクロカプセルを含有したプリプレグを作製した。エアーシリンダーに2回転巻きつけ、実施例1で用いたメタルハライドランプの光を照射し光硬化させた。その硬化物の上に更に、感光性樹脂組成物(β)を厚さ0.5mmに塗布し、メタルハライドランプの光を照射し光硬化させた。このようにして、クッション性を有し繊維強化された感光性樹脂硬化物からなるクッション層を形成した。
更に、作製したクッション層の上に実施例1で用いた感光性樹脂組成物(α)を厚さ1.5mmに塗布し、メタルハライドランプの光を照射し光硬化させた。表面の平滑性を確保するために、研削研磨を実施した。このようにして、クッション層を下部に有する中空円筒状印刷基材を作製した。エアーシリンダーを回転させながら研削研磨を実施したが、感光性樹脂組成物(β)の光硬化物からなるクッション層と、感光性樹脂組成物(α)の光硬化物からなるレーザー彫刻層との界面で剥離することはなかった。
また、作製した中空円筒状印刷基材は、エアーシリンダーに再度装着後、エアーシリンダーを周速度が毎分270mで回転し、レーザー彫刻したが、エアーシリンダーの回転は極めて安定しており、感光性樹脂硬化物がナイロンメッシュから剥がれることもなくレーザー彫刻でき、表面に凹凸パターンを形成することができた。
本発明は、印刷分野において使用される、レーザー彫刻可能なシート状あるいは中空円筒状印刷基材として最適である。

Claims (15)

  1. 表面にレーザー彫刻による凹凸パターンを形成可能で、内部に繊維状強化材を有する、繊維強化された樹脂硬化物層から成る印刷基材であって、該印刷基材がシート状あるいは中空円筒状の成形体であることを特徴とするシート状あるいは中空円筒状印刷基材。
  2. 前記繊維状強化材がレーザー彫刻可能な樹脂硬化物層表面から深さ方向に0.05mm以
    上深い位置に存在していることを特徴とする請求項1に記載のシート状あるいは中空円筒
    状印刷基材。
  3. 前記繊維状強化材が均一に存在していることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート状あるいは中空円筒状印刷基材。
  4. レーザー彫刻可能な樹脂硬化物が、感光性樹脂組成物を光硬化させて形成された感光性樹
    脂硬化物であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のシート状あるいは中空円筒状印刷基材。
  5. 繊維状強化材が、ガラス繊維、アルミナ繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、セルロ
    ース繊維、ポリウレタン繊維、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、窒化ケイ素繊維、金属繊維か
    らなる群から選択される少なくとも1種類の繊維からなる織布あるいは不織布であること
    を特徴とする請求項1からのいずれかに記載のシート状あるいは中空円筒状印刷基材。
  6. 中空円筒状印刷基材を形成するレーザー彫刻可能な樹脂硬化物層が、継ぎ目を有しないこ
    とを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の中空円筒状印刷基材。
  7. 繊維状強化材が、レーザー彫刻により形成される樹脂硬化物層表面の凹部に露出していな
    いことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のシート状あるいは中空円筒状印刷基材。
  8. 感光性樹脂組成物が、20℃において液状であることを特徴とする請求項に記載のシート状あるいは中空円筒状印刷基材。
  9. シート状あるいは中空円筒状印刷基材が、レーザー彫刻可能な樹脂硬化物層と組成の異なる支持体を有していないことを特徴とする請求項1またはに記載のシート状あるいは中空円筒状印刷基材。
  10. シート状あるいは中空円筒状印刷基材が、フレキソ印刷、レタープレス印刷、ドライオフ
    セット印刷、グラビア印刷のいずれかの印刷法で用いられる印刷原版、あるいはオフセッ
    ト印刷ブランケット、あるいはエンボス加工用基材、あるいはインキ絞りロールであるこ
    とを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のシート状あるいは中空円筒状印刷基材。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載のシート状あるいは中空円筒状印刷基材にレーザー光を照射し、レーザー光が照射された部分の樹脂硬化物が除去されることにより凹パターンが形成されたシート状あるいは中空円筒状印刷版。
  12. 円筒状支持体表面上に織布あるいは不織布を巻きつける工程、巻きつけられた織布あるい
    は不織布上に感光性樹脂組成物を塗布し感光性樹脂組成物層を形成する工程、形成された
    感光性樹脂組成物層に光を照射し感光性樹脂硬化物層を形成する工程を含むことを特徴と
    するレーザー彫刻可能な中空円筒状印刷基材の製造方法。
  13. 円筒状支持体表面上に、感光性樹脂組成物を含浸した織布あるいは不織布を巻きつけ中空
    円筒状プリプレグ層を形成する工程、形成された中空円筒状プリプレグ層の上に、前記感
    光性樹脂組成物を塗布し感光性樹脂組成物層を形成する工程、更に形成された感光性樹脂
    組成物層に光を照射し感光性樹脂硬化物層を形成する工程を含むことを特徴とするレーザ
    ー彫刻可能な中空円筒状印刷基材の製造方法。
  14. 円筒状支持体がエアーが噴出す細孔を有するエアーシリンダーであり、該エアーシリンダ
    ー表面がフッ素系離型材層で被覆されていることを特徴とする請求項12又は13に記載のレーザー彫刻可能な中空円筒状印刷基材の製造方法。
  15. 感光性樹脂組成物層に光を照射し感光性樹脂硬化物層を形成する工程の後に、更に、中空
    円筒状印刷基材を円筒状支持体の長軸方向に切断しシート状印刷基材を形成する工程を含
    むことを特徴とする請求項12から14のいずれかに記載のシート状印刷基材の製造方法。
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