JP5042493B2 - 印刷基材 - Google Patents

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Description

本発明はフレキソ印刷版用、ドライオフセット印刷版用、グラビア印刷版用印刷原版あるいは印刷版、エンボス加工等の表面加工用パターン形成材料、オフセットブランケットを形成する際に用いる印刷基材に関するものである。
段ボール、紙器、紙袋、軟包装用フィルムなどの包装材、壁紙、化粧板などの建装材、ラベル印刷などに用いられるフレキソ印刷、レタープレス印刷あるいはドライオフセット印刷は各種の印刷方式の中でその比重を高めている。これに用いる印刷版の製作には、通常、感光性樹脂が用いられることが多く、液状の樹脂、又はシート状に成形された固体樹脂板を用い、フォトマスクを感光性樹脂上に置き、マスクを通して光を照射し架橋反応を起こさせた後、非架橋部分を現像液で洗い落とすという方法が用いられてきた。近年、繊維強化プラスチック製の中空円筒状支持体上にクッション層、印刷原版層を積層した中空円筒状印刷基材が開発されている。このような中空円筒状印刷基材においては、複数の異なる樹脂層が積層された複雑な構成体となっている。
また、近年、環境への負荷の低減から使用済みの印刷基材をリサイクルして再利用する動きもあり、そのための技術開発が急がれている。しかしながら、特に上記のような複雑な構成体の場合、使用されている材料を特定することが困難である。また一部分を取り除いて残りの部分を再度使用する場合にも、その履歴が不明であることが再利用を難しくしている。そのため、複雑な構成体材料の種類、材質、寸法、製造方法、履歴を特定できる簡便な方法の開発が必要であった。
更に、構成体に使用されている材料を分解し、単体に分離し、更に分解させて化学物質を製造する場合に、不純物が混入は収率を大幅に低下させるため、大きな問題であった。また、たとえ同じ化合物であっても製造者、製造方法が異なる場合には、微量な不純物の混入が大きな問題となる可能性もある。
無線ICタグが、各種の用途に用いられている。印刷分野においても、特許文献1(特開2002−225219号公報)には、中空のグラビアロールの内側の空間に、特別な冶具を取り付けて、その冶具に無線ICタグを貼り付け、在庫管理、製版方法・出荷管理に使用することが記載されている。しかしながら、この場合、グラビアロールの両端部を固定して該グラビアロールを回転させるシステムであるので、前記グラビアロールの内側の空間に無線ICタグを取り付けることが可能であるが、フレキソ印刷等の技術で使用される中空円筒状支持体(ベーススリーブ)をエアーシリンダーに装着するシステムでは、両者を隙間なく嵌め込むことが必要であるので、該中空円筒状支持体の内側面に無線ICタグを貼り付けることはできない。
従来技術では、中空円筒状支持体(ベーススリーブ)表面に無線ICタグを貼り付けることは実施されていないことは勿論のこと、無線ICタグが中空円筒状支持体内部に埋め込まれて使用されることもなかった。そのため、中空円筒状支持体をエアーシリンダーに装着して印刷工程で使用でき、該中空円筒状支持体に取り付ける無線ICタグが印刷工程において剥がれたり、外れたりすることのない無線ICタグ付の中空円筒状支持体が求められている。
特開2002−225219号公報
印刷基材の製造に関する情報を簡便に入出力できる印刷基材の提供。
本発明者は鋭意検討し、印刷基材を構成する支持体内部あるいは表面に、無線で情報の入出力が可能な無線ICタグを取り付けることにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本願発明は下記の通りである。
1 . エアーシリンダーに装着する、樹脂を含む材料により形成されている中空円筒状支持体の当該中空円筒状支持体を形成する材料の内部の領域、あるいはエアーシリンダーに装着する、中空円筒状支持体の外側表面に、無線で情報の入出力が可能な無線ICタグを有し、前記中空円筒状支持体上に、表面に凹凸パターンの形成が可能な印刷原版層あるいは表面に凹凸パターンを有する印刷版層が積層されていることを特徴とする印刷基材。
2 . 中空円筒状支持体が、繊維強化された樹脂、フィルム強化された樹脂、金属、フィルム、樹脂でコーティングされた金属及び樹脂でコーティングされたフィルムから選ばれるいずれか1つから形成されていることを特徴とする1.に記載の印刷基材。
3 . 樹脂が、感光性樹脂硬化物であることを特徴とする2 .に記載の印刷基材。
4 . 感光性樹脂硬化物が、20℃ において液状の感光性樹脂を光硬化させて得られたものであることを特徴とする3 .に記載の印刷基材。
5 . 表面に凹凸パターンの形成が可能な印刷原版層が、感光性樹脂組成物層あるいは感光性樹脂硬化物層からなることを特とする1 .から4 .のいずれかに記載の印刷基材。
6 . 表面に凹凸パターンを有する印刷版層が、写真製版あるいはレーザー彫刻によりパターンが形成された印刷版層であることを特徴とする1.から4.のいずれかに記載の印刷基材。
7 . 無線ICタグに、印刷基材の製造に関する情報が記録されていることを特徴とする1 .から6 .のいずれかに記載の印刷基材。
8 . 印刷基材の製造に関する情報が、中空円筒状支持体の製造に関する情報および/又は表面に凹凸パターンを有する印刷版層の製造に関する情報を含み、前記中空円筒状支持体の製造に関する情報が、材料、寸法、製造方法、製造条件、製造場所、製造日時、製造会社名から選ばれる少なくとも1つの情報であり、前記表面に凹凸パターンを有する印刷版層の製造に関する情報が、材料、版厚、製造方法、製造条件、製造場所、製造日時、製造会社名から選ばれる少なくとも1つの情報であることを特徴とする請求項7に記載の印刷基材。
9 . 中空円筒状支持体と印刷版層との間に、ゴム弾性を有するクッション層を有することを特徴とする1 .から8 .のいずれかに記載の印刷基材。
10 .前記1.から9.のいずれかに記載の印刷基材に用いる中空円筒状支持体であって、エアーシリンダーに装着する、樹脂を含む材料により形成されている中空円筒状支持体の当該中空円筒状支持体を形成する材料の内部の領域に、無線で情報の入出力が可能な無線ICタグを有していることを特徴とする印刷基材に用いる中空円筒状支持体。
11 .1 .から9 .のいずれかに記載の印刷基材において無線ICタグに記録されている印刷基材の製造に関する情報を、読み出し装置を用いて読み出し、該印刷基材を再度利用するための情報として用いる工程、該印刷基材を再度利用できるように加工する工程を含むことを特徴とする印刷基材の再利用方法。
12 . 表面に凹凸パターンを有する印刷基材の一部あるいは全部を除去し、同じ材料あるいは別の材料を用いて、印刷版層を再生する工程を含むことを特徴とする11 .に記載の印刷基材の再利用方法。
13 . 印刷基材を再度利用できるように加工する工程が、該印刷基材を構成する材料を分離、粉砕、研磨、切削、分解、抽出、精製する工程から選ばれる少なくとも1種類の操作を含むことを特徴とする11 .に記載の印刷基材の再利用方法。
本発明により、印刷基材の製造に関する情報を簡便に入出力できる印刷基材を提供することができる。
以下、さらに詳細に本発明の好ましい実施態様を説明する。
無線ICタグは、近年、物流センターにおける入出荷業務、スーパーにおける食品の情報提供、店舗における自動レジ精算、アパレル商品の在庫管理、書籍の盗難防止、航空手荷物の輸送管理、銀行などにおける書類管理、食品のトレーサビリティ等々で広く使われるようになってきた。無線ICタグは、無線タグ、RFID、RFタグ等の呼び方をされることもある。無線ICタグとは、情報を記録しておく小さなICチップと無線通信用アンテナを組み合わせた小型装置である。本発明では、無線通信用アンテナで受けた電波を電力に変換することにより動作するものを用いることが好ましい。また、電力を得る方法として、電磁誘導方式と電波方式の2通りの方法があるが、どちらの方式であっても構わない。
本発明で用いる中空円筒状支持体では、無線ICタグは該中空円筒状支持体内部あるいは外側表面に取り付けることが好ましい。しかしながら、該中空円筒状支持体の外側表面に無線ICタグを貼り付けた場合、該無線ICタグ自体が表面に凸状に飛び出した状態となるため、該中空円筒状支持体上にシート状のクッション層やシート状印刷版を貼り付ける際に障害物となったり、また、中空円筒状支持体表面上でシート状クッション層やシート状印刷版を貼り付けない場所に、前記無線ICタグを貼り付けた場合、無線ICタグが露出した状態となるため、印刷工程において用いるインキや版洗浄剤等の薬剤が、無線ICタグに接触する可能性もあり、該無線ICタグが剥離したり、壊れたりする可能性があるので、無線ICタグは中空円筒状支持体内部に取り付けることが特に好ましい。本発明の中空円筒状支持体は、一定の厚みを有する材料から形成されているので、中空円筒状支持体内部とは、中空円筒状支持体を形成する材料の内部の領域で中空円筒状支持体内部の中空の空間は除く領域と定義する。
本発明で用いる無線ICタグは特に限定するものではなく、一般的に流通しているものを用いることができる。情報を読み書きする際に用いる通信において使用する周波数は、13.56MHz、2.45GHz、950M〜956MHzの、どの周波数を用いることもできる。
本発明では、無線ICタグを中空円筒状支持体内部に埋め込んで使用することが好ましいので、使用する無線ICタグの厚さは、できるだけ薄いものが好ましい。また、無線ICタグの無線通信用アンテナの大きさは、使用する中空円筒状支持体の表面積の範囲内であれば特に限定するものではない。
本発明で用いる中空円筒状支持体としては、繊維強化プラスチック製スリーブ、フィルム強化されたプラスチックスリーブ、金属製スリーブ、中空円筒状フィルム等を挙げることができる。繊維強化プラスチック製スリーブを用いる場合、該繊維強化プラスチック製スリーブを作製する際に、無線ICタグを埋め込むことが可能であり、作製した繊維強化プラスチック製スリーブ表面に無線ICタグを貼り付け、その上に樹脂でコーティングして該無線ICタグを埋め込み、前記繊維強化プラスチック製スリーブと一体化させることもできる。金属製スリーブ、中空円筒状フィルムを用いる場合、該金属製スリーブ、中空円筒状フィルム表面に、無線ICタグを貼り付け、その上に樹脂をコーティングすることにより該無線タグを埋め込み、前記金属製スリーブや中空円筒状フィルムと一体化させる方法が好ましい。更に、金属製スリーブや金属繊維強化プラスチック製スリーブを用いる場合、金属対応型の無線ICタグを用いることが好ましい。
繊維強化プラスチック製スリーブを作製するための材料としては、ガラス繊維、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド等のプラスチック繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミックス繊維などの繊維強化材料と、熱硬化性樹脂、感光性樹脂などの樹脂材料を組み合わせて作製することができる。製造時間を短縮化できる観点から、感光性樹脂を用いることが特に好ましい。フィルム強化プラスチック製スリーブとは、厚さ1〜300μmの薄いフィルムの表面に接着剤層を塗布した積層体を作製し、該積層体を円筒状支持体表面に巻きつけ、前記接着剤層を硬化させて形成したものである。前記接着剤層として、熱硬化型接着剤、光硬化型接着剤、ホットメルト接着剤等を挙げることができる。製造時間の観点からは、光硬化型接着剤が好ましい。
また、繊維強化プラスチック製スリーブ、金属製スリーブ、中空円筒状フィルムの表面にコーティングする材料としては、熱硬化性樹脂、感光性樹脂、熱可塑性樹脂などを挙げることができる。製造時間を短縮化できる観点から感光性樹脂を用いることが特に好ましい。ここで用いられる感光性樹脂は特に限定するものではないが、成形性の観点から20℃において液状の感光性樹脂であることが特に好ましい。前記感光性樹脂を光硬化させて得られる感光性樹脂硬化物の硬度は、ショアD硬度において20度から100度の範囲が好ましい。本発明の中空円筒状支持体には、前記の金属製スリーブ、中空円筒状フィルムの外側表面に樹脂をコーティングすることにより形成される積層体も含まれる。
本発明では、中空円筒状支持体上に、表面にパターンの形成が可能な印刷原版層あるいは表面に凹凸パターンを有する印刷版層を積層することができる。表面にパターンの形成が可能な印刷原版層として、写真製版技術を用いてパターンを形成する未硬化状態の感光性樹脂組成物層、あるいは感光性樹脂組成物層を光硬化させて得られた感光性樹脂硬化物層であってレーザー彫刻によりパターンを形成することができる感光性樹脂硬化物層のいずれであっても構わない。また、表面に凹凸パターンを有する印刷版層としては、露光工程、現像工程を経てパターンが形成される写真製版技術を用いてパターンを形成した印刷版層、あるいはレーザー彫刻法を用いてパターンを形成した印刷版層であっても構わない。
無線ICタグに記録される印刷基材の製造に関する情報として、中空円筒状支持体の製造に関する情報および/または表面に凹凸パターンを有する印刷版層の製造に関する情報を含み、前記中空円筒状支持体の製造に関する情報が、材料、寸法、製造方法、製造条件、製造場所、製造日時、製造会社名から選ばれる少なくとも1つの情報であり、前記表面に凹凸パターンを有する印刷版層の製造に関する情報が、材料、版厚、製造方法、製造条件、製造場所、製造日時、製造会社名から選ばれる少なくとも1つの情報であることが好ましい。入力される情報は、暗号化処理して記録されることが好ましい。
無線ICタグに記録される印刷基材の製造に関する情報は、該無線ICタグと電波を用いて読み書きできるライター/リーダーを用いて記録され、読み出される。前記ライター/リーダーは、ハンディタイプの装置であっても、据え置きタイプの装置であっても構わない。印刷基材の製造に関する情報は、該印刷基材を再利用する際に使用することもできる。
例えば、印刷基材で使用されている印刷版層に関する情報から、該印刷版層の一部を研削、研磨することにより除去した後に、同じ材料を塗布することができる。無線ICタグに記録された情報を基に材料を選択するため、その後の塗布工程において間違えをなくすことが可能である。また、使用済みの印刷基材を再利用あるいは廃棄するためには、印刷基材を構成する複数の材料を分別する必要があり、該印刷基材を構成する材料を分離、粉砕、研磨、切削、分離、抽出、精製する工程において、前記無線ICタグに記載された印刷基材の製造に関する情報は、極めて有益な情報となる。
本発明において、中空円筒状支持体を形成するための感光性樹脂、中空円筒状支持体上に積層する感光性樹脂組成物は、樹脂(a)、重合性不飽和基を有する有機化合物(b)を含有することが好ましい。中空円筒状支持体を形成する感光性樹脂と、中空円筒状支持体上に積層される感光性樹脂組成物は、通常、異なる組成であるが同じ成分であっても構わない。
本発明の樹脂(a)は、数平均分子量が1000以上50万以下の重合性不飽和基を有することが好ましい。樹脂(a)の数平均分子量のより好ましい範囲は、2000以上30万以下、更に好ましい範囲は5000以上20万以下である。樹脂(a)の数平均分子量は1000以上であれば、後に架橋して作製する印刷原版が強度を保ち、この原版から作製したレリーフ画像は強く、印刷版などとして用いる場合、繰り返しの使用にも耐えられる。また、樹脂(a)の数平均分子量が50万以下であれば、感光性樹脂組成物の成形加工時の粘度が過度に上昇することもなく、シート状、あるいは円筒状のレーザー彫刻印刷原版を作製することができる。ここで言う数平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて測定し、分子量既知のポリスチレンで検量し換算した値である。
本願における「重合性不飽和基」とは、ラジカルまたは付加重合反応に関与する重合性不飽和基である。特に好ましい樹脂(a)として1分子あたり平均で0.7以上の重合性不飽和基を有するポリマーを挙げることができる。1分子あたり平均で0.7以上であれば、本発明の樹脂組成物より得られる印刷原版の機械強度に優れ、レーザー彫刻時にレリーフ形状が崩れ難くなる。さらにその耐久性も良好で、繰り返しの使用にも耐えらるのものとなり好ましい。印刷原版の機械強度を考慮すると、樹脂(a)の重合性不飽和基は1分子あたり0.7以上が好ましく、1を越える量が更に好ましい。本発明の樹脂(a)において、重合性不飽和基の位置は、高分子主鎖の末端、高分子側鎖の末端や高分子主鎖中や側鎖中に直接結合していることが好ましい。樹脂(a)1分子に含まれる重合性不飽和基の数の平均は、核磁気共鳴スペクトル法(NMR法)による分子構造解析法で求めることができる。
樹脂(a)を製造する方法としては、例えば直接、重合性の不飽和基をその分子末端に導入したものを用いても良いが、別法として、水酸基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基、ケトン基、ヒドラジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、環状カーボネート基、アルコキシカルボニル基などの反応性基を複数有する数千程度の分子量の上記成分の反応性基と結合しうる基を複数有する結合剤(例えば水酸基やアミノ基の場合のポリイソシアネートなど)を反応させ、分子量の調節、及び末端の結合性基への変換を行った後、この末端結合性基と反応する基と重合性不飽和基を有する有機化合物と反応させて末端に重合性不飽和基を導入する方法などの方法が好適にあげられる。
レーザー彫刻用印刷版層として用いる樹脂(a)としては、液状化し易い樹脂や分解し易い樹脂が好ましい。分解し易い樹脂としては、分子鎖中に分解し易いモノマー単位としてスチレン、α−メチルスチレン、α−メトキシスチレン、アクリルエステル類、メタクリルエステル類、エステル化合物類、エーテル化合物類、ニトロ化合物類、カーボネート化合物類、カルバモイル化合物類、ヘミアセタールエステル化合物類、オキシエチレン化合物類、脂肪族環状化合物類等が含まれていることが好ましい。特にポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラエチレングリコール等のポリエーテル類、脂肪族ポリカーボネート類、脂肪族カルバメート類、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ニトロセルロース、ポリオキシエチレン、ポリノルボルネン、ポリシクロヘキサジエン水添物、あるいは分岐構造の多いデンドリマー等の分子構造を有するポリマーは、分解し易いものの代表例である。
また、分子鎖中に酸素原子を多数含有するポリマーが分解性の観点から好ましい。これらの中でも、カーボネート基、カルバメート基、メタクリル基をポリマー主鎖中に有する化合物は、熱分解性が高く好ましい。例えば、(ポリ)カーボネートジオールや(ポリ)カーボネートジカルボン酸を原料として合成したポリエステルやポリウレタン、(ポリ)カーボネートジアミンを原料として合成したポリアミドなどを熱分解性の良好なポリマーの例として挙げることができる。これらのポリマー主鎖、側鎖に重合性不飽和基を含有しているものであっても構わない。特に、末端に水酸基、アミノ基、カルボキシル基等の反応性官能基を有する場合には、主鎖末端に重合性不飽和基を導入することも容易である。
樹脂(a)の例として、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのポリジエン類等の分子主鎖あるいは側鎖に重合性不飽和基を有する化合物を挙げることができる。また、重合性不飽和基を有しない高分子化合物を出発原料として、置換反応、脱離反応、縮合反応、付加反応等の化学反応により重合性不飽和基を分子内に導入した高分子化合物を挙げることもできる。
重合性不飽和基を有しない高分子化合物の例としてポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ポリ塩化ビニルポリ塩化ビニリデン等のポリハロオレフィン類、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリアクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステル類、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリビニルエーテル等のC-C連鎖高分子の他、ポリフェニレンエーテル等のポリエーテル類、ポリフェニレンチオエーテル等のポリチオエーテル類、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリウレタン、ポリアミド、ポリウレア、ポリイミド、ポリジアルキルシロキサン等の高分子化合物、或いはこれらの高分子化合物の主鎖にヘテロ原子を有する高分子化合物、複数種のモノマー成分から合成されたランダム共重合体、ブロック共重合体を挙げることができる。更に、分子内に重合性不飽和基を導入した高分子化合物を複数種混合して用いることもできる。
特にフレキソ印刷版用途のように柔軟なレリーフ画像が必要な場合には、樹脂(a)として、一部、ガラス転移温度が20℃以下の液状樹脂を用いることが好ましく、ガラス転移温度0℃以下の液状樹脂を用いることが特に好ましい。
このような液状樹脂として、例えばポリエチレン、ポリブタジエン、水添ポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポイソプレン等の炭化水素類、アジペート、ポリカプロラクトン等のポリエステル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル類、脂肪族ポリカーボネート、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン類、(メタ)アクリル酸及び/またはその誘導体の重合体及びこれらの混合物やコポリマー類を用いて合成され、分子内に重合性不飽和基を有する化合物を用いることができる。
その含有量は、樹脂(a)全体に対して30wt%以上含有することが好ましい。特に耐候性の観点からポリカーボネート構造を有する不飽和ポリウレタン類が好ましい。ここで言う液状樹脂とは、容易に流動変形し、かつ冷却により変形された形状に固化できるという性質を有する高分子体を意味し、外力を加えたときに、その外力に応じて瞬時に変形し、かつ外力を除いたときには、短時間に元の形状を回復する性質を有するエラストマーに対応する言葉である。樹脂(a)が20℃において液状樹脂である場合は、感光性樹脂組成物も20℃において液状である。これから得られるレリーフ画像作成用原版をシート状、もしくは円筒状に成形する際、良好な厚み精度や寸法精度を得ることができる本発明の感光性樹脂組成物は、好ましくは、20℃における粘度が10Pa・s以上10kPa・s以下である。
さらに好ましくは、50Pa・s以上5kPa・s以下である。粘度が10Pa・s以上であれば、作製される印刷原版の機械的強度が十分であり、円筒状印刷原版に成形する際であっても形状を保持し易く、加工し易い。粘度が10kPa・s以下であれば、常温でも変形し易く、加工が容易である。シート状あるいは円筒状の印刷原版に成形し易く、プロセスも簡便である。特に版厚精度の高い円筒状印刷原版を得るためには、円筒状支持体上に液状感光性樹脂層を形成する際に、該感光性樹脂組成物が重力により液ダレ等の現象を起こさないように粘度が100Pa・s以上が好ましく、より好ましくは200Pa・s以上、更に好ましくは500Pa・s以上である。また、本発明で用いる感光性樹脂組成物が特に20℃において液状である場合、チキソトロピー性を有することが好ましい。特に円筒状支持体状に感光性樹脂組成物層を形成する際に、重力により液ダレを起こすことなく、所定の厚さを保持できる。
本発明の有機化合物(b)は、数平均分子量が1000未満の重合性不飽和基を有した化合物である。樹脂(a)との希釈のし易さから数平均分子量は1000以下が好ましい。重合性不飽和基の定義は、有機珪素化合物(c)および樹脂(a)の箇所でも記載したように、ラジカルまたは付加重合反応に関与する重合性不飽和基である。
有機化合物(b)の具体例としては、ラジカル反応性化合物として、エチレン、プロピレン、スチレン、ジビニルベンゼン等のオレフィン類、アセチレン類、(メタ)アクリル酸及びその誘導体、ハロオレフィン類、アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類、(メタ)アクリルアミド及びその誘導体、アリールアルコール、アリールイソシアネート等のアリール化合物、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸及びその誘導体、酢酸ビニル類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール等があげられるが、その種類の豊富さ、価格、レーザー光照射時の分解性等の観点から(メタ)アクリル酸及びその誘導体が好ましい例である。
前記化合物の誘導体の例としては、シクロアルキル−、ビシクロアルキル−、シクロアルケン−、ビシクロアルケン−などの脂環族、ベンジル−、フェニル−、フェノキシ−、フルオレン−などの芳香族、アルキル−、ハロゲン化アルキル−、アルコキシアルキル−、ヒドロキシアルキル−、アミノアルキル−、テトラヒドロフルフリル−、アリル−、グリシジル−、アルキレングリコール−、ポリオキシアルキレングリコール−、(アルキル/アリルオキシ)ポリアルキレングリコール−やトリメチロールプロパン等の多価アルコールのエステル、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン等のポリシロキサン構造を有する化合物などがあげられる。また、窒素、硫黄等の元素を含有した複素芳香族化合物であっても構わない。
また、開環付加反応するエポキシ基を有する化合物としては、種々のジオールやトリオールなどのポリオールにエピクロルヒドリンを反応させて得られる化合物、分子中のエチレン結合に過酸を反応させて得られるエポキシ化合物などを挙げることができる。具体的には、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールAにエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドが付加した化合物のジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリ(プロピレングリコールアジペート)ジオールジグリシジルエーテル、ポリ(エチレングリコールアジペート)ジオールジグリシジルエーテル、ポリ(カプロラクトン)ジオールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物、エポキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業社製、商標名「HF−105」)を挙げることができる。
本発明において、これら重合性不飽和基を有する有機化合物(b)はその目的に応じて1種若しくは2種以上のものを選択できる。例えば印刷版として用いる場合、印刷インキの溶剤であるアルコールやエステル等の有機溶剤に対する膨潤を押さえるために用いる有機化合物として長鎖脂肪族、脂環族または芳香族の誘導体を少なくとも1種類以上有することが好ましい。
本発明の樹脂組成物より得られる印刷原版の機械強度を高めるためには、有機化合物(b)としては脂環族または芳香族の誘導体が少なくとも1種類以上有することが好ましく、この場合、有機化合物(b)の全体量の20wt%以上であることが好ましく、更に好ましくは50wt%以上である。また、前記芳香族の誘導体として、窒素、硫黄等の元素を有する芳香族化合物であっても構わない。
印刷版の反撥弾性を高めるため例えば特開平7−239548号に記載されているようなメタクリルモノマーを使用するとか、公知の印刷用感光性樹脂の技術知見等を利用して選択することができる。
樹脂(a)あるいは有機化合物(b)が、分子鎖中に存在する酸素原子あるいは窒素原子に対しα位に存在する水素原子を有する化合物、チオールのような硫黄原子に直接結合している水素原子を有する化合物を、感光性樹脂組成物全体量の少なくとも20wt%以上含有することが好ましい。より好ましくは40wt%以上である。前記酸素原子の由来原子団としては、アルコール、エーテル、エステル、カーボネート等を挙げることができ、また前記窒素原子の由来原子団としてはウレタン、ウレア、アミド等を挙げることができる。
本発明の感光性樹脂組成物を光もしくは電子線の照射により架橋して印刷版などとしての物性を発現させるが、その際に重合開始剤を添加することができる。重合開始剤は一般に使用されているものから選択でき、例えば高分子学会編「高分子データ・ハンドブック−基礎編」1986年培風館発行、に例示されているラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合の開始剤等が使用できる。また、光重合開始剤を用いて光重合により架橋を行なうことは、本発明の樹脂組成物の貯蔵安定性を保ちながら、生産性良く印刷原版を生産出来る方法として有用であり、その際に用いる開始剤も公知のものが使用できる。ラジカル重合反応を誘起させる光重合開始剤としては、水素引き抜き型光重合開始剤(d)と崩壊型光重合開始剤(e)が、特に効果的な光重合開始剤として用いられる。
水素引き抜き型光重合開始剤(d)として、特に限定するものではないが、芳香族ケトンを用いることが好ましい。芳香族ケトンは光励起により効率良く励起三重項状態になり、この励起三重項状態は周囲の媒体から水素を引き抜いてラジカルを生成する化学反応機構が提案されている。生成したラジカルが光架橋反応に関与するものと考えられる。本発明で用いる水素引き抜き型光重合開始剤(d)として励起三重項状態を経て周囲の媒体から水素を引き抜きてラジカルを生成する化合物であれば何でも構わない。
芳香族ケトンとして、ベンゾフェノン類、ミヒラーケトン類、キサンテン類、チオキサントン類、アントラキノン類を挙げることができ、これらの群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を用いることが好ましい。ベンゾフェノン類とは、ベンゾフェノンあるいはその誘導体を指し、具体的には3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−テトラメトキシベンゾフェノン等である。ミヒラーケトン類とはミヒラーケトンおよびその誘導体をいう。キサンテン類とはキサンテンおよびアルキル基、フェニル基、ハロゲン基で置換された誘導体をいう。チオキサントン類とは、チオキサントンおよびアルキル基、フェニル基、ハロゲン基で置換された誘導体をさし、エチルチオキサントン、メチルチオキサントン、クロロチオキサントン等を挙げることができる。アントラキノン類とはアントラキノンおよびアルキル基、フェニル基、ハロゲン基等で置換された誘導体をいう。水素引き抜き型光重合開始剤の添加量は、感光性樹脂組成物全体量の0.1wt%以上10wt%以下が好ましく、より好ましくは0.5wt%以上5wt%以下である。添加量がこの範囲であれば、液状感光性樹脂組成物を大気中で光硬化させた場合、硬化物表面の硬化性は充分に確保でき、また、退候性を確保することができる。
崩壊型光重合開始剤(e)とは、光吸収後に分子内で開裂反応が発生し活性なラジカルが生成する化合物を指し、特に限定するものではない。具体的には、ベンゾインアルキルエーテル類、2,2−ジアルコキシ−2−フェニルアセトフェノン類、アセトフェノン類、アシルオキシムエステル類、アゾ化合物類、有機イオウ化合物類、ジケトン類等を挙げることができ、これらの群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を用いることが好ましい。ベンゾインアルキルエーテル類としては、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、「感光性高分子」(講談社、1977年出版、頁228)に記載の化合物を挙げることができる。2,2−ジアルコキシ−2−フェニルアセトフェノン類としては、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン等を挙げることができる。アセトフェノン類としては、アセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン等を挙げることができる。
アシルオキシムエステル類としては、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム等を挙げることができる。アゾ化合物としては、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾニウム化合物、テトラゼン化合物等を挙げることができる。有機イオウ化合物としては、芳香族チオール、モノおよびジスルフィド、チウラムスルフィド、ジチオカルバメート、S−アシルジチオカルバメート、チオスルホネート、スルホキシド、スルフェネート、ジチオカルボネート等を挙げることができる。ジケトン類としては、ベンジル、メチルベンゾイルホルメート等を挙げることができる。崩壊型光重合開始剤の添加量は、感光性樹脂組成物全体量の0.1wt%以上10wt%以下が好ましく、より好ましくは0.3wt%以上3wt%以下である。添加量がこの範囲であれば、感光性樹脂組成物を大気中で光硬化させた場合、硬化物内部の硬化性は充分に確保できる。
水素引き抜き型光重合開始剤として機能する部位と崩壊型光重合開始剤として機能する部位を同一分子内に有する化合物を、光重合開始剤として用いることもできる。α−アミノアセトフェノン類を挙げることができる。例えば、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−プロパン−1−オン等の化合物を挙げることができる。
水素引き抜き型光重合開始剤として機能する部位と崩壊型光重合開始剤として機能する部位を同一分子内に有する化合物の添加量としては、感光性樹脂組成物全体量の0.1wt%以上10wt%以下が好ましく、より好ましくは0.3wt%以上3wt%以下である。添加量がこの範囲であれば、感光性樹脂組成物を大気中で光硬化させた場合であっても、硬化物の機械的物性は充分に確保できる。
また、光を吸収して酸を発生することにより、付加重合反応を誘起させる光重合開始剤を用いることもできる。例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩等の光カチオン重合開始剤、あるいは光を吸収して塩基を発生する重合開始剤などが挙げられる。これらの光重合開始剤の添加量は、感光性樹脂組成物全体量の0.1wt%以上10wt%以下の範囲が好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物には無機多孔質体(f)を添加することが好ましい。無機多孔質体(f)とは、粒子中に微小細孔を有する、あるいは微小な空隙を有する無機粒子であり、レーザー彫刻において多量に発生する粘稠性の液状カスを吸収除去するための添加剤であり、版面のタック防止効果も有する。本発明の無機多孔質体は粘稠な液状カスの除去を最大の目的として添加するものであり、数平均粒子径、比表面積、平均細孔径、細孔容積、灼熱減量がその性能に大きく影響する。
本発明の無機多孔質体(f)は数平均粒径が0.1〜100μmであることが好ましい。より好ましい平均粒子径の範囲は、0.5〜20μmであり、更に好ましい範囲は3〜10μmである。本発明の多孔質無機吸収剤の平均粒子径は、レーザー散乱式粒子径分布測定装置を用いて測定した値である。
本発明の無機多孔質体(f)の比表面積の範囲は、10m/g以上1500m/g以下であることが好ましい。より好ましい範囲は、100m/g以上800m/g以下である。本発明の比表面積は、−196℃における窒素の吸着等温線からBET式に基づいて求められる。
本発明の無機多孔質体(f)の平均細孔径は、レーザー彫刻時に発生する液状カスの吸収量に極めて大きく影響を及ぼす。平均細孔径の好ましい範囲は、1nm以上1000nm以下、より好ましくは2nm以上200nm以下、更に好ましくは2nm以上50nm以下である。 本発明の平均細孔径は、窒素吸着法を用いて測定した値である。本発明の細孔径分布は、−196℃における窒素の吸着等温線から求められる。
本発明の無機多孔質体(f)の細孔容積は、0.1ml/g以上10ml/g以下が好ましい範囲である。より好ましくは0.2ml/g以上5ml/g以下である。本発明において細孔容積の測定には、窒素吸着法を用いる。本発明の細孔容積は、−196℃における窒素の吸着等温線から求められる。
本発明において液状カス吸着量を評価する指標として、吸油量がある。これは、無機多孔質体100gが吸収する油の量で定義する。本発明で用いる無機多孔質体の吸油量の好ましい範囲は、10ml/100g以上2000ml/100g以下、より好ましい範囲は50ml/100g以上1000ml/100g以下である。吸油量が10ml/100g以上であれば、レーザー彫刻時に発生する液状カスの除去が十分であり、また2000ml/100g以下であれば、無機多孔質体の機械的強度を十分に確保できる。吸油量の測定は、JIS−K5101にて行った。
本発明の無機多孔質体の粒子形状は特に限定するものではなく、球状、扁平状、針状、無定形、あるいは表面に突起のある粒子などを使用することができる。特に耐磨耗性の観点からは、球状粒子が好ましい。また、粒子の内部が空洞になっている粒子、シリカスポンジ等の均一な細孔径を有する球状顆粒体など使用することも可能である。特に限定するものではないが、例えば、多孔質シリカ、メソポーラスシリカ、シリカ−ジルコニア多孔質ゲル、ポーラスアルミナ、多孔質ガラス等を挙げることができる。また、層状粘土化合物などのように、層間に数nm〜100nmの空隙が存在するものについては、細孔径を定義できないため、本発明においては層間に存在する空隙の間隔を細孔径と定義する。
本発明の感光性樹脂組成物における樹脂(a)、有機化合物(b)、及び無機多孔質体(f)の割合は、通常、樹脂(a)100重量部に対して、有機化合物(b)は5〜200重量部が好ましく、20〜100重量部の範囲がより好ましい。又、無機多孔質体(f)は1〜100重量部が好ましく、2〜50重量部の範囲がより好ましい。更に好ましい範囲は、2〜20重量部である。
その他、本発明の樹脂組成物には用途や目的に応じて重合禁止剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、滑剤、界面活性剤、可塑剤、香料などを添加することができる。
成形された感光性樹脂組成物層は光照射により架橋せしめ、印刷原版を形成する。また、成型しながら光照射により架橋させることもできる。
硬化に用いられる光源としては高圧水銀灯、超高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、殺菌灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等を挙げることができる。感光性樹脂組成物層に照射される光は、200nmから300nmの波長の光を有することが好ましい。特に水素引き抜き型光重合開始剤は、この波長領域に強い光吸収を有するものが多いため、200nmから300nmの波長の光を有する場合、感光性樹脂硬化物層表面の硬化性を充分に確保することができる。硬化に用いる光源は、1種類でも構わないが、波長の異なる2種類以上の光源を用いて硬化させることにより、樹脂の硬化性が向上することがあるので、2種類以上の光源を用いることも差し支えない。
レーザー彫刻に用いる原版の厚みは、その使用目的に応じて任意に設定して構わないが、印刷版として用いる場合には、一般的に0.1〜7mmの範囲である。場合によっては、組成の異なる材料を複数積層していても構わない。例えば、最表面にYAGレーザー、ファイバーレーザーあるいは半導体レーザー等の近赤外線領域に発振波長を有するレーザーを用いて彫刻することができる層を形成し、その層の下に炭酸ガスレーザー等の赤外線レーザーあるいは可視・紫外線レーザーを用いてレーザー彫刻できる層を形成することも可能である。このような積層構造を形成することにより、極めて出力の高い炭酸ガスレーザーを用いて比較的粗いパターンを深く彫刻し、表面近傍の極めて精細なパターンをYAGレーザー、ファイバーレーザー等の近赤外線レーザーを用いて彫刻することが可能となる。極めて精細なパターンは比較的浅く彫刻できれば良いので、該近赤外線レーザーに感度のある層の厚さは、0.01mm以上0.5mm以下の範囲が好ましい。
このように近赤外線レーザーに感度のある層と赤外線レーザーに感度のある層を積層することにより、近赤外線レーザーを用いて彫刻されたパターンの深さを正確に制御できる。これは、赤外線レーザーに感度のある層を、近赤外線レーザーでは彫刻することが困難である現象を利用しているからである。彫刻可能なパターンの精細さの違いは、レーザー装置固有の発振波長の違い、すなわち絞れるレーザービーム径の違いに起因する。このような方法でレーザー彫刻する場合、赤外線レーザーと近赤外線レーザーを搭載した別々のレーザー彫刻装置を用いて彫刻することもでき、また、赤外線レーザーと近赤外線レーザーの両方を搭載したレーザー彫刻装置を用いて行うことも可能である。
本発明では、レーザー彫刻される層の下部にエラストマーからなるクッション層を形成することもできる。一般的にレーザー彫刻される層の厚さは、0.1〜数mmであるため、それ以外の下部層は組成の異なる材料であっても構わない。クッション層としては、ショアA硬度が20から70度のエラストマー層であることが好ましい。ショアA硬度が20度以上である場合、適度に変形するため、印刷品質を確保することができる。また、70度以下であれば、クッション層としての役割を果たすことができる。より好ましいショアA硬度の範囲は、30〜60度である。
前記クッション層は、特に限定せず、熱可塑性エラストマー、光硬化型エラストマー、熱硬化型エラストマー等ゴム弾性を有するものであれば何でも構わない。ナノメーターレベルの微細孔を有する多孔質エラストマー層であってもよい。特にシート状あるいは円筒状印刷版への加工性の観点から、光で硬化する液状感光性樹脂組成物を用い、硬化後にエラストマー化する材料を用いることが簡便であり好ましい。
クッション層に用いる熱可塑性エラストマーの具体例としては、スチレン系熱可塑性エラストマーであるSBS(ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン)、SIS(ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン)、SEBS(ポリスチレン−ポリエチレン/ポリブチレン−ポリスチレン)等、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー、シリコン系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。
光硬化型エラストマーとしては、前記熱可塑性エラストマーに光重合性モノマー、可塑剤および光重合開始剤等を混合したもの、プラストマー樹脂に光重合性モノマー、光重合開始剤等を混合した液状組成物などを挙げることができる。本発明では、微細パターンの形成機能が重要な要素である感光性樹脂組成物の設計思想とは異なり、光を用いて微細なパターンの形成を行う必要がなく、全面露光により硬化させることにより、ある程度の機械的強度を確保できれば良いため、材料の選定において自由度が極めて高い。
また、硫黄架橋型ゴム、有機過酸化物、フェノール樹脂初期縮合物、キノンジオキシム、金属酸化物、チオ尿素等の非硫黄架橋型ゴムを用いることもできる。
更に、テレケリック液状ゴムを反応する硬化剤を用いて3次元架橋させてエラストマー化したものを使用することもできる。
本発明において多層化する場合、前記バックフィルムの位置は、クッション層の下、すなわち印刷原版の最下部、あるいは、レーザー彫刻可能な感光性樹脂層とクッション層との間の位置、すなわち印刷原版の中央部、いずれの位置でも構わない。
また、本発明のレーザー彫刻印刷版の表面に改質層を形成させることにより、印刷版表面のタックの低減、インク濡れ性の向上を行うこともできる。改質層としては、シランカップリング剤あるいはチタンカップリング剤等の表面水酸基と反応する化合物で処理した被膜、あるいは多孔質無機粒子を含有するポリマーフィルムを挙げることができる。
レーザー彫刻においては、形成したい画像をデジタル型のデータとしてコンピューターを利用してレーザー装置を操作し、原版上にレリーフ画像を作成する。レーザー彫刻に用いるレーザーは、原版が吸収を有する波長を含むものであればどのようなものを用いてもよいが、彫刻を高速度で行なうためには出力の高いものが望ましく、炭酸ガスレーザーやYAGレーザー、半導体レーザー等の赤外線あるいは赤外線放出固体レーザーが好ましいものの一つである。また、可視光線領域に発振波長を有するYAGレーザーの第2高調波、銅蒸気レーザー、紫外線領域に発振波長を有する紫外線レーザー、例えばエキシマレーザー、第3あるいは第4高調波へ波長変換したYAGレーザーは、有機分子の結合を切断するアブレージョン加工が可能であり、微細加工に適する。また、レーザーは連続照射でも、パルス照射でも良い。
レーザーによる彫刻は酸素含有ガス下、一般には空気存在下もしくは気流下に実施するが、炭酸ガス、窒素ガス下でも実施できる。彫刻終了後、レリーフ印刷版面にわずかに発生する粉末状もしくは液状の物質は適当な方法、例えば溶剤や界面活性剤の入った水等で洗いとる方法、高圧スプレー等により水系洗浄剤を照射する方法、高圧スチームを照射する方法などを用いて除去しても良い。
本発明において、レーザー光を照射し凹パターンを形成する彫刻後に、版表面に残存する粉末状あるいは粘性のある液状カスを除去する工程に引き続き、パターンを形成した印刷版表面に波長200nm〜450nmの光を照射する後露光を実施することもできる。表面のタック除去に効果がある方法である。後露光は大気中、不活性ガス雰囲気中、水中のいずれの環境で行っても構わない。用いる感光性樹脂組成物中に水素引き抜き型光重合開始剤が含まれている場合、特に効果的である。更に、後露光工程前に印刷版表面を、水素引き抜き型光重合開始剤を含む処理液で処理し露光しても構わない。また、水素引き抜き型光重合開始剤を含む処理液中に印刷版を浸漬した状態で露光しても構わない。
本発明の印刷原版は印刷版用レリーフ画像の他、スタンプ・印章、エンボス加工用のデザインロール、電子部品作成に用いられる絶縁体、抵抗体、導電体ペーストのパターニング用レリーフ画像、光学部品の反射防止膜、カラーフィルター、(近)赤外線吸収フィルター等の機能性材料のパターン形成、液晶ディスプレイあるいは有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等の表示素子の製造における配向膜、下地層、発光層、電子輸送層、封止剤層の塗膜・パターン形成、窯業製品の型材用レリーフ画像、広告・表示板などのディスプレイ用レリーフ画像、各種成型品の原型・母型など各種の用途に応用し利用できる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
(1)レーザー彫刻
レーザー彫刻は炭酸ガスレーザー彫刻機(商標:ZED−mini−1000、英国、ZED社製、米国、コヒーレント社製、出力250W炭酸ガスレーザーを搭載)を用いて行った。彫刻は、網点(80 lines per inch で面積率10%)、500μm幅の凸線による線画、及び、500μm幅の白抜き線を含むパターンを作成して実施した。彫刻深さを大きく設定すると、微細な網点部のパターンのトップ部の面積が確保できず、形状も崩れて不鮮明となるため、彫刻深さは0.55mmとした。
(実施例1)
温度計、攪拌機、還流器を備えた1Lのセパラブルフラスコに旭化成株式会社製ポリカーボネートジオールである、商標「PCDL L4672」(数平均分子量1990、OH価56.4)447.24gとトリレンジイソシアナート30.83gを加え80℃に加温下に約3時間反応させた後、2−メタクリロイルオキシイソシアネート14.83gを添加し、さらに約3時間反応させて、末端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽和基が1分子あたり平均約2個)である数平均分子量約10000の樹脂(ア)を製造した。この樹脂は20℃では水飴状であり、外力を加えると流動し、かつ外力を除いても元の形状を回復しなかった。
樹脂(a)として、上記のように作製した樹脂(ア)100重量部、有機化合物(b)としてフェノキシエチルメタクリレート25重量部とトリメチロールプロパントリメタクリレート19重量部、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン1重量部、その他添加剤として2,6−ジ−t−ブチルアセトフェノン0.5重量部を加えて、中空円筒状支持体を形成するための感光性樹脂(イ)を調製した。
厚み150μmのナイロンメッシュを調製した感光性樹脂(イ)に浸漬したプリプレグを作製した。作製したプリプレグをエアーシリンダーに4回転巻き付け、エアーシリンダーを回転させながらメタルハライドランプ(アイ・グラフィックス社製、商標「M056−L21」)から出てくる光を照射し、エアーシリンダーに巻きつけたプリプレグを光硬化させた。
次に、樹脂(a)として、上記のように作製した樹脂(ア)100重量部、有機化合物(b)としてフェノキシエチルメタクリレート25重量部とトリメチロールプロパントリメタクリレート19重量部、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン0.6重量部とベンゾフェノン1重量部、その他添加剤として2,6−ジ−t−ブチルアセトフェノン0.5重量部を加えて、中空円筒状支持体を形成するための感光性樹脂(ウ)を調製した。
光硬化させたプリプレグの上に無線ICタグ(富士通社製、商標名「RFIDタグ」)を取り付け、更にその上に厚さ1mmに感光性樹脂(ウ)を塗布し、エアーシリンダーを回転させながらメタルハライドランプ(アイ・グラフィックス社製、商標「M056−L21」)から出てくる光を照射し、感光性樹脂(ウ)を光硬化させた。感光性樹脂(ウ)を光硬化後、表面を平滑化するために研削研磨を実施した。このようにして内部に無線ICタグを有する感光性樹脂硬化物から成る中空円筒状支持体を作製した。
次に、樹脂(a)として、上記のように作製した樹脂(ア)100重量部、有機化合物(b)としてフェノキシエチルメタクリレート25重量部とポリプロピレングリコールモノメタクリレート19重量部、無機多孔質体(f)として富士シリシア化学株式会社製、多孔質性微粉末シリカである、商標「サイロスフェアC−1504」(以下略してC−1504、数平均粒子径4.5μm、比表面積520m/g、平均細孔径12nm、細孔容積1.5ml/g、灼熱減量2.5wt%、吸油量290ml/100g)5重量部、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン0.6重量部とベンゾフェノン1重量部、その他添加剤として2,6−ジ−t−ブチルアセトフェノン0.5重量部を加えてレーザー彫刻印刷版層用の感光性樹脂組成物(エ)を調製した。
作製した中空円筒状支持体上に、両面に接着剤層を有するクッションテープ(住友3M社製、商標名「1820」)を周方向に1周貼り付け、継ぎ目部の隙間が0.5mm以下になるようにした。継ぎ目部には、幅10mm、厚み100μmの両面テープを貼り付け、継ぎ目部の隙間を塞いだ。更にその上に感光性樹脂組成物(エ)を、ドクターブレードを用いて厚さ1.5mmに塗布し、エアーシリンダーを回転させながらメタルハライドランプ(アイ・グラフィックス社製、商標「M056−L21」)から出てくる光を照射した。表面を平滑化するために研削研磨を実施した。このようにして、中空円筒状支持体上にクッション層とレーザー彫刻用印刷版層を有する中空円筒状印刷基材を形成した。
表面の感光性樹脂硬化物層をレーザー彫刻し、表面に凹凸パターンを有する中空円筒状印刷基材を作製した。
中空円筒状支持体内部に存在する無線ICタグに、ライター(富士通社製、商標名「RFIDタグリーダーライター(ハンディータイプ)」、周波数:13.56MHz)を用いて、中空円筒状支持体を形成する材料であるナイロンメッシュに関する情報として厚みと種類、感光性樹脂(イ)および(ウ)のグレード名、中空円筒状支持体の厚みと製造年月日、クッション層の種類と継ぎ目部の処理方法、レーザー彫刻印刷版層の種類(感光性樹脂(エ)のグレード名)と厚さ、レーザー彫刻の深さに関する情報を、記号化して記録した。記録した情報をリーダー(富士通社製、商標名「RFIDタグリーダーライター(ハンディータイプ)」、周波数:13.56MHz)で読み出した結果、記録された情報は全て読み出すことができた。
本発明はフレキソ印刷版用、ドライオフセット印刷版用、グラビア印刷版用印刷原版あるいは印刷版、エンボス加工等の表面加工用パターン形成材料、オフセットブランケットを形成する際に用いる印刷基材として最適である。

Claims (13)

  1. エアーシリンダーに装着する、樹脂を含む材料により形成されている中空円筒状支持体の当該中空円筒状支持体を形成する材料の内部の領域に、無線で情報の入出力が可能な無線ICタグを有し、当該無線ICタグが感光性樹脂硬化物で覆われており、当該感光性樹脂硬化物のショアD硬度が20度以上100度以下であり、前記中空円筒状支持体上に、表面に凹凸パターンの形成が可能な印刷原版層あるいは表面に凹凸パターンを有する印刷版層が積層されており、前記無線ICタグがICチップと無線通信用アンテナとを組み合わせたものであり、かつ当該無線通信用アンテナは、前記中空円筒状支持体の表面積の範囲内で選択される大きさを有していることを特徴とする印刷基材。
  2. 中空円筒状支持体が、繊維強化された樹脂、フィルム強化された樹脂、金属、フィルム、樹脂でコーティングされた金属及び樹脂でコーティングされたフィルムから選ばれるいずれか1つから形成されていることを特徴とする請求項1に記載の印刷基材。
  3. 樹脂が、感光性樹脂硬化物であることを特徴とする請求項2に記載の印刷基材。
  4. 感光性樹脂硬化物が、20℃において液状の感光性樹脂を光硬化させて得られたものであることを特徴とする請求項3に記載の印刷基材。
  5. 表面に凹凸パターンの形成が可能な印刷原版層が、感光性樹脂組成物層あるいは感光性樹脂硬化物層からなることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の印刷基材。
  6. 表面に凹凸パターンを有する印刷版層が、写真製版あるいはレーザー彫刻によりパターンが形成された印刷版層であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の印刷基材。
  7. 無線ICタグに、印刷基材の製造に関する情報が記録されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の印刷基材。
  8. 印刷基材の製造に関する情報が、中空円筒状支持体の製造に関する情報および/または表面に凹凸パターンを有する印刷版層の製造に関する情報を含み、前記中空円筒状支持体の製造に関する情報が、材料、寸法、製造方法、製造条件、製造場所、製造日時、製造会社名から選ばれる少なくとも1つの情報であり、前記表面に凹凸パターンを有する印刷版層の製造に関する情報が、材料、版厚、製造方法、製造条件、製造場所、製造日時、製造会社名から選ばれる少なくとも1つの情報であることを特徴とする請求項7に記載の印刷基材。
  9. 中空円筒状支持体と印刷版層との間に、ゴム弾性を有するクッション層を有することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の印刷基材。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の印刷基材に用いる中空円筒状支持体であって、
    エアーシリンダーに装着する、樹脂を含む材料により形成されている中空円筒状支持体の当該中空円筒状支持体を形成する材料の内部の領域に、無線で情報の入出力が可能な無線ICタグを有していることを特徴とする印刷基材に用いる中空円筒状支持体。
  11. 請求項1から9のいずれかに記載の印刷基材において無線ICタグに記録されている印刷基材の製造に関する情報を、読み出し装置を用いて読み出し、該印刷基材を再度利用するための情報として用いる工程、該印刷基材を再度利用できるように加工する工程を含むことを特徴とする印刷基材の再利用方法。
  12. 表面に凹凸パターンを有する印刷基材の一部あるいは全部を除去し、同じ材料あるいは別の材料を用いて、印刷版層を再生する工程を含むことを特徴とする請求項11に記載の印刷基材の再利用方法。
  13. 印刷基材を再度利用できるように加工する工程が、該印刷基材を構成する材料を分離、粉砕、研磨、切削、分解、抽出、精製する工程から選ばれる少なくとも1種類の操作を含むことを特徴とする請求項11に記載の印刷基材の再利用方法。
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