JP2001179932A - 印刷機の版胴識別用タグ及びこれを用いた版胴の識別装置 - Google Patents
印刷機の版胴識別用タグ及びこれを用いた版胴の識別装置Info
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- JP2001179932A JP2001179932A JP37249399A JP37249399A JP2001179932A JP 2001179932 A JP2001179932 A JP 2001179932A JP 37249399 A JP37249399 A JP 37249399A JP 37249399 A JP37249399 A JP 37249399A JP 2001179932 A JP2001179932 A JP 2001179932A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 版胴固有の情報を多量に記憶でき、かつ版胴
を長年使用しても情報を確実に再現して的確に版胴を管
理できる。版胴固有の情報の書込み及び読取りを正確に
行うことができる。版胴の交換時に他の部材と接触して
脱落することがない。版胴固有の情報をその場で即座に
知ることができる。 【解決手段】 印刷機用の版胴19にアンテナコイル2
2とICチップ23からなる版胴識別用タグ21が取付
けられ、ICチップ23には版胴19に固有の情報が記
憶される。またアンテナコイル22と相互誘導作用する
送受信アンテナ27を有する識別手段26は上記ICチ
ップ23に記憶された情報を読取る。アンテナコイル2
2は磁芯部材22aと、この磁芯部材22aに巻回され
たコイル部22bとを有することが好ましく、アンテナ
コイル22の版胴19への取付面には導電性を有する板
24が介装されることが好ましい。
を長年使用しても情報を確実に再現して的確に版胴を管
理できる。版胴固有の情報の書込み及び読取りを正確に
行うことができる。版胴の交換時に他の部材と接触して
脱落することがない。版胴固有の情報をその場で即座に
知ることができる。 【解決手段】 印刷機用の版胴19にアンテナコイル2
2とICチップ23からなる版胴識別用タグ21が取付
けられ、ICチップ23には版胴19に固有の情報が記
憶される。またアンテナコイル22と相互誘導作用する
送受信アンテナ27を有する識別手段26は上記ICチ
ップ23に記憶された情報を読取る。アンテナコイル2
2は磁芯部材22aと、この磁芯部材22aに巻回され
たコイル部22bとを有することが好ましく、アンテナ
コイル22の版胴19への取付面には導電性を有する板
24が介装されることが好ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷機に用いられ
る版胴を管理するための版胴識別用タグ及びこれを用い
た版胴の識別装置に関するものである。
る版胴を管理するための版胴識別用タグ及びこれを用い
た版胴の識別装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の複数の版胴を識別管理す
るために、版胴の名称や記号などの版胴固有の情報をそ
れぞれの版胴自体に刻印やラベルを用いることにより付
したり、或いは版胴を保管する箱や棚に札に上記情報を
記入していた。
るために、版胴の名称や記号などの版胴固有の情報をそ
れぞれの版胴自体に刻印やラベルを用いることにより付
したり、或いは版胴を保管する箱や棚に札に上記情報を
記入していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の版胴自体に
刻印等により情報を付す方法では、刻印やラベルは通常
見易い位置である版胴表面に付される。しかし、版胴表
面に付された刻印やラベルは版胴の長年の使用による摩
耗や汚れ等で視認不能になるおそれがあり、版胴表面に
付されたラベルは剥がれ落ちるおそれがある。また、上
記従来の版胴自体に刻印等で情報を付す方法では、刻印
スペース等の関係から情報量が制限される問題点があっ
た。更に、上記従来の箱や棚に札を付ける方法では、版
胴を間違えて違う箱に入れたり或いは違う棚に置いたり
するおそれがあり、正確に管理することが難しい問題点
があった。
刻印等により情報を付す方法では、刻印やラベルは通常
見易い位置である版胴表面に付される。しかし、版胴表
面に付された刻印やラベルは版胴の長年の使用による摩
耗や汚れ等で視認不能になるおそれがあり、版胴表面に
付されたラベルは剥がれ落ちるおそれがある。また、上
記従来の版胴自体に刻印等で情報を付す方法では、刻印
スペース等の関係から情報量が制限される問題点があっ
た。更に、上記従来の箱や棚に札を付ける方法では、版
胴を間違えて違う箱に入れたり或いは違う棚に置いたり
するおそれがあり、正確に管理することが難しい問題点
があった。
【0004】本発明の第1の目的は、版胴固有の情報を
多量に記憶でき、かつ版胴を長年使用しても情報を確実
に再現して的確に版胴を管理できる印刷機の版胴識別用
タグ及びこれを用いた版胴の識別装置を提供することに
ある。本発明の第2の目的は、版胴固有の情報の書込み
及び読取りを正確に行うことができる印刷機用版胴の識
別装置を提供することにある。本発明の第3の目的は、
版胴の交換時に他の部材と接触して脱落することがない
印刷機用版胴の識別装置を提供することにある。本発明
の第4の目的は、版胴固有の情報をその場で即座に知る
ことができる印刷機用版胴の識別装置を提供することに
ある。
多量に記憶でき、かつ版胴を長年使用しても情報を確実
に再現して的確に版胴を管理できる印刷機の版胴識別用
タグ及びこれを用いた版胴の識別装置を提供することに
ある。本発明の第2の目的は、版胴固有の情報の書込み
及び読取りを正確に行うことができる印刷機用版胴の識
別装置を提供することにある。本発明の第3の目的は、
版胴の交換時に他の部材と接触して脱落することがない
印刷機用版胴の識別装置を提供することにある。本発明
の第4の目的は、版胴固有の情報をその場で即座に知る
ことができる印刷機用版胴の識別装置を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1に示すように、印刷機の版胴19に取付けられる版
胴識別用タグ21であって、アンテナコイル22とこの
コイルに電気的に接続され版胴19に固有の情報を記憶
可能なICチップ23とを備えたことを特徴とする印刷
機の版胴識別用タグである。請求項4に係る発明は、図
1に示すように、印刷機の版胴19に取付けられた版胴
識別用タグ21を識別手段26で識別することにより版
胴に固有の情報を得るように構成された印刷機用版胴の
識別装置である。その特徴ある点は版胴識別用タグ21
がアンテナコイル22とこのコイルに電気的に接続され
版胴固有の情報を記憶可能なICチップ23とを有し、
識別手段26がコイル22と相互誘導作用する送受信ア
ンテナ27を有しこの送受信アンテナを介してICチッ
プ23に記憶された情報を読取るように構成されたこと
を特徴とする。
図1に示すように、印刷機の版胴19に取付けられる版
胴識別用タグ21であって、アンテナコイル22とこの
コイルに電気的に接続され版胴19に固有の情報を記憶
可能なICチップ23とを備えたことを特徴とする印刷
機の版胴識別用タグである。請求項4に係る発明は、図
1に示すように、印刷機の版胴19に取付けられた版胴
識別用タグ21を識別手段26で識別することにより版
胴に固有の情報を得るように構成された印刷機用版胴の
識別装置である。その特徴ある点は版胴識別用タグ21
がアンテナコイル22とこのコイルに電気的に接続され
版胴固有の情報を記憶可能なICチップ23とを有し、
識別手段26がコイル22と相互誘導作用する送受信ア
ンテナ27を有しこの送受信アンテナを介してICチッ
プ23に記憶された情報を読取るように構成されたこと
を特徴とする。
【0006】この請求項4に記載された版胴の識別装置
では、識別手段26の送受信アンテナ27を版胴19の
アンテナコイル22に近付けて所定の周波数の電波を発
信すると、版胴識別用タグ21のアンテナコイル22の
相互誘導作用によりアンテナコイル22及びICチップ
23により構成される共振回路が共振して、ICチップ
23が活性化される。このためICチップ23に記憶さ
れた版胴19固有の情報がアンテナコイル22から発信
されて送受信アンテナ27により受信される。この結
果、識別手段26は上記版胴19固有の情報を読取るこ
とができる。上記タグとしては、識別手段の送受信アン
テナから発信された電波のエネルギで作動し、情報を発
するタグ(電池を有しないタグ)を用いたり、或いは識
別手段の送受信アンテナから発信された電波を受け、電
池により作動して情報を発するタグ(電池を有するタ
グ)を用いることができる。なお、前者のタグ(電池を
有しないタグ)を用いれば、電池の交換が不要になる利
点がある。
では、識別手段26の送受信アンテナ27を版胴19の
アンテナコイル22に近付けて所定の周波数の電波を発
信すると、版胴識別用タグ21のアンテナコイル22の
相互誘導作用によりアンテナコイル22及びICチップ
23により構成される共振回路が共振して、ICチップ
23が活性化される。このためICチップ23に記憶さ
れた版胴19固有の情報がアンテナコイル22から発信
されて送受信アンテナ27により受信される。この結
果、識別手段26は上記版胴19固有の情報を読取るこ
とができる。上記タグとしては、識別手段の送受信アン
テナから発信された電波のエネルギで作動し、情報を発
するタグ(電池を有しないタグ)を用いたり、或いは識
別手段の送受信アンテナから発信された電波を受け、電
池により作動して情報を発するタグ(電池を有するタ
グ)を用いることができる。なお、前者のタグ(電池を
有しないタグ)を用いれば、電池の交換が不要になる利
点がある。
【0007】請求項2又は5に係る発明は、請求項1又
は4に係る発明であって、更に図1に示すように、アン
テナコイル22が磁芯部材22aとこの磁芯部材22a
に巻回されたコイル部22bとを有することを特徴とす
る。この請求項2又は5に記載された版胴識別用タグで
は、アンテナコイル22を扁平に形成することができ、
かつ版胴19が金属製であっても版胴19への取付面に
沿って取付けることができる。即ち、磁芯部材22aの
磁化軸がこの磁芯部材22aの面内の方向であるため、
アンテナコイル22を金属製の版胴19に接するように
取付けても電波を確実に受信することができる。またア
ンテナコイル22から発信される電波が上記版胴19で
反射したり或いは版胴19に吸収されたりすることもな
い。
は4に係る発明であって、更に図1に示すように、アン
テナコイル22が磁芯部材22aとこの磁芯部材22a
に巻回されたコイル部22bとを有することを特徴とす
る。この請求項2又は5に記載された版胴識別用タグで
は、アンテナコイル22を扁平に形成することができ、
かつ版胴19が金属製であっても版胴19への取付面に
沿って取付けることができる。即ち、磁芯部材22aの
磁化軸がこの磁芯部材22aの面内の方向であるため、
アンテナコイル22を金属製の版胴19に接するように
取付けても電波を確実に受信することができる。またア
ンテナコイル22から発信される電波が上記版胴19で
反射したり或いは版胴19に吸収されたりすることもな
い。
【0008】請求項3又は6に係る発明は、請求項2又
は5に係る発明であって、更に図1に示すように、アン
テナコイル22の版胴19への取付面に導電性を有する
板24、シート又は箔が介装されたことを特徴とする。
磁芯部材22aを有するアンテナコイル22の周辺に、
導電性材料又は磁性材料により形成された版胴19が存
在すると、電波がこの版胴19に吸収されたり或いは版
胴19で反射したりすることは少ないけれども、アンテ
ナコイル22及びICチップ23により構成される共振
回路のインピーダンスが変化して、その共振周波数が変
わる。このため請求項3又は6に記載された版胴識別用
タグのように、アンテナコイル22の版胴19への取付
面に導電性を有する板24、シート又は箔を介装するこ
とにより、上記共振周波数を所望の値にすることができ
る。即ち、アンテナコイル22が導電性を有する板2
4、シート又は箔により版胴19から電磁気的に遮蔽さ
れるので、上記共振周波数が版胴19の影響を受けなく
なる。
は5に係る発明であって、更に図1に示すように、アン
テナコイル22の版胴19への取付面に導電性を有する
板24、シート又は箔が介装されたことを特徴とする。
磁芯部材22aを有するアンテナコイル22の周辺に、
導電性材料又は磁性材料により形成された版胴19が存
在すると、電波がこの版胴19に吸収されたり或いは版
胴19で反射したりすることは少ないけれども、アンテ
ナコイル22及びICチップ23により構成される共振
回路のインピーダンスが変化して、その共振周波数が変
わる。このため請求項3又は6に記載された版胴識別用
タグのように、アンテナコイル22の版胴19への取付
面に導電性を有する板24、シート又は箔を介装するこ
とにより、上記共振周波数を所望の値にすることができ
る。即ち、アンテナコイル22が導電性を有する板2
4、シート又は箔により版胴19から電磁気的に遮蔽さ
れるので、上記共振周波数が版胴19の影響を受けなく
なる。
【0009】請求項7に係る発明は、請求項4ないし6
いずれかに係る発明であって、更に図1に示すように、
版胴19が円筒状の版胴本体19aと、版胴本体19a
の両端面に設けられ中心に第1及び第2通孔19b,1
9cがそれぞれ形成された第1及び第2フランジ19
d,19eとを有し、版胴識別用タグ21が版胴19の
内部に取付けられ、識別手段26が可搬可能であって第
1通孔19d又は第2通孔19eから版胴内部に挿入可
能に構成されたことを特徴とする。この請求項7に記載
された版胴の識別装置では、版胴識別用タグ21が版胴
19の内部に収容されているため、版胴19を長年使用
しても、その交換時に版胴識別用タグ21が他の部材と
接触して摩耗したり或いは脱落したりすることはない。
この結果、ICチップ23に記憶された版胴19固有の
情報は消失しない。また識別手段26を第1通孔19d
又は第2通孔19eから版胴内部に挿入するだけで、I
Cチップ23に記憶された版胴19固有の情報を確実に
読取ることができる。
いずれかに係る発明であって、更に図1に示すように、
版胴19が円筒状の版胴本体19aと、版胴本体19a
の両端面に設けられ中心に第1及び第2通孔19b,1
9cがそれぞれ形成された第1及び第2フランジ19
d,19eとを有し、版胴識別用タグ21が版胴19の
内部に取付けられ、識別手段26が可搬可能であって第
1通孔19d又は第2通孔19eから版胴内部に挿入可
能に構成されたことを特徴とする。この請求項7に記載
された版胴の識別装置では、版胴識別用タグ21が版胴
19の内部に収容されているため、版胴19を長年使用
しても、その交換時に版胴識別用タグ21が他の部材と
接触して摩耗したり或いは脱落したりすることはない。
この結果、ICチップ23に記憶された版胴19固有の
情報は消失しない。また識別手段26を第1通孔19d
又は第2通孔19eから版胴内部に挿入するだけで、I
Cチップ23に記憶された版胴19固有の情報を確実に
読取ることができる。
【0010】請求項8に係る発明は、請求項7に係る発
明であって、更に図1に示すように、アンテナコイル2
2及びICチップ23が第1フランジ19b内面又は第
2フランジ19c内面に取付けられたことを特徴とす
る。請求項9に係る発明は、請求項7又は8に係る発明
であって、更に図1及び図2に示すように、アンテナコ
イル22の軸線が版胴19の半径方向と一致するように
構成されたことを特徴とする。この請求項8又は9に記
載された版胴の識別装置では、識別手段26を第1通孔
19d又は第2通孔19eに僅かに挿入しただけで、送
受信アンテナ27の軸線がアンテナコイル22の軸線に
一致する。この結果、識別手段26の第1通孔19d又
は第2通孔19eへの挿入深さが比較的浅くて済み、版
胴19の読取り作業が容易になるとともに、ICチップ
に記憶された版胴固有の情報を確実に読取ることができ
る。
明であって、更に図1に示すように、アンテナコイル2
2及びICチップ23が第1フランジ19b内面又は第
2フランジ19c内面に取付けられたことを特徴とす
る。請求項9に係る発明は、請求項7又は8に係る発明
であって、更に図1及び図2に示すように、アンテナコ
イル22の軸線が版胴19の半径方向と一致するように
構成されたことを特徴とする。この請求項8又は9に記
載された版胴の識別装置では、識別手段26を第1通孔
19d又は第2通孔19eに僅かに挿入しただけで、送
受信アンテナ27の軸線がアンテナコイル22の軸線に
一致する。この結果、識別手段26の第1通孔19d又
は第2通孔19eへの挿入深さが比較的浅くて済み、版
胴19の読取り作業が容易になるとともに、ICチップ
に記憶された版胴固有の情報を確実に読取ることができ
る。
【0011】請求項10に係る発明は、請求項8又は9
に係る発明であって、更に図5に示すように、識別手段
46の送受信アンテナ47が磁芯部材47aとこの磁芯
部材47aに巻回されたコイル部47bとを有し、識別
手段46を第1通孔19d又は第2通孔19eに臨むよ
うに第1フランジ19b又は第2フランジ19cに載せ
たときに送受信アンテナ47がアンテナコイル22と相
互誘導作用するように構成されたことを特徴とする。こ
の請求項10に記載された版胴の識別装置では、識別手
段46を第1通孔19d又は第2通孔19eに臨むよう
に第1フランジ19b又は第2フランジ19cに載せる
と、送受信アンテナ47の軸線がアンテナコイル22の
軸線と完全には一致しないけれども、送受信アンテナ4
7が第1通孔19d又は第2通孔19eを通してアンテ
ナコイル22と相互誘導作用するので、識別手段46が
その版胴19固有の情報を読取る。この結果、識別手段
46を第1通孔19d又は第2通孔19eに挿入せずに
版胴19固有の情報を読取ることができるので、上記版
胴19固有の情報の読取り作業がより容易になる。
に係る発明であって、更に図5に示すように、識別手段
46の送受信アンテナ47が磁芯部材47aとこの磁芯
部材47aに巻回されたコイル部47bとを有し、識別
手段46を第1通孔19d又は第2通孔19eに臨むよ
うに第1フランジ19b又は第2フランジ19cに載せ
たときに送受信アンテナ47がアンテナコイル22と相
互誘導作用するように構成されたことを特徴とする。こ
の請求項10に記載された版胴の識別装置では、識別手
段46を第1通孔19d又は第2通孔19eに臨むよう
に第1フランジ19b又は第2フランジ19cに載せる
と、送受信アンテナ47の軸線がアンテナコイル22の
軸線と完全には一致しないけれども、送受信アンテナ4
7が第1通孔19d又は第2通孔19eを通してアンテ
ナコイル22と相互誘導作用するので、識別手段46が
その版胴19固有の情報を読取る。この結果、識別手段
46を第1通孔19d又は第2通孔19eに挿入せずに
版胴19固有の情報を読取ることができるので、上記版
胴19固有の情報の読取り作業がより容易になる。
【0012】請求項11に係る発明は、請求項8又は9
に係る発明であって、更に図6に示すように、送受信ア
ンテナ27が識別手段56から突設され、識別手段56
を第1フランジ19b又は第2フランジ19cに載せた
ときに送受信アンテナ27が第1通孔19d又は第2通
孔19eから版胴19内部に挿入可能に構成されたこと
を特徴とする。請求項12に係る発明は、請求項11に
係る発明であって、更に図6に示すように、識別手段5
6の挿入状態で送受信アンテナ27の軸線とアンテナコ
イル22の軸線が同一線上になるように送受信アンテナ
27が突設されたことを特徴とする。この請求項11又
は12に記載された版胴の識別装置では、識別手段56
を第1フランジ19b又は第2フランジ19eに載せて
送受信アンテナ27を第1通孔19d又は第2通孔19
eに挿入すると、送受信アンテナ27の軸線がアンテナ
コイル22の軸線に近接又は一致する。この結果、識別
手段56の第1通孔19d又は第2通孔19eから版胴
内部への挿入深さを調節することなく、速やかにICチ
ップ23に記憶された版胴19固有の情報を読取ること
ができる。
に係る発明であって、更に図6に示すように、送受信ア
ンテナ27が識別手段56から突設され、識別手段56
を第1フランジ19b又は第2フランジ19cに載せた
ときに送受信アンテナ27が第1通孔19d又は第2通
孔19eから版胴19内部に挿入可能に構成されたこと
を特徴とする。請求項12に係る発明は、請求項11に
係る発明であって、更に図6に示すように、識別手段5
6の挿入状態で送受信アンテナ27の軸線とアンテナコ
イル22の軸線が同一線上になるように送受信アンテナ
27が突設されたことを特徴とする。この請求項11又
は12に記載された版胴の識別装置では、識別手段56
を第1フランジ19b又は第2フランジ19eに載せて
送受信アンテナ27を第1通孔19d又は第2通孔19
eに挿入すると、送受信アンテナ27の軸線がアンテナ
コイル22の軸線に近接又は一致する。この結果、識別
手段56の第1通孔19d又は第2通孔19eから版胴
内部への挿入深さを調節することなく、速やかにICチ
ップ23に記憶された版胴19固有の情報を読取ること
ができる。
【0013】請求項13に係る発明は、請求項4ないし
12いずれかに係る発明であって、更に図1及び図3に
示すように、ICチップ23に記憶された情報を表示す
る表示部29が識別手段26に設けられたことを特徴と
する。この請求項13に記載された版胴の識別装置で
は、ICチップ23に記憶された情報をその場で即座に
知ることができる。請求項14に係る発明は、請求項4
ないし13いずれかに係る発明であって、更に図3に示
すように、識別手段26が入力部28gを有し、版胴識
別用タグ21のICチップ23に入力部28gにより入
力された情報を書込み可能に構成されたことを特徴とす
る。この請求項14に記載された版胴の識別装置では、
ICチップ23に記憶された版胴19固有の情報を確実
に読取ることができるだけでなく、識別手段26を用い
てICチップ23に版胴19固有の情報を書込むことが
できる。
12いずれかに係る発明であって、更に図1及び図3に
示すように、ICチップ23に記憶された情報を表示す
る表示部29が識別手段26に設けられたことを特徴と
する。この請求項13に記載された版胴の識別装置で
は、ICチップ23に記憶された情報をその場で即座に
知ることができる。請求項14に係る発明は、請求項4
ないし13いずれかに係る発明であって、更に図3に示
すように、識別手段26が入力部28gを有し、版胴識
別用タグ21のICチップ23に入力部28gにより入
力された情報を書込み可能に構成されたことを特徴とす
る。この請求項14に記載された版胴の識別装置では、
ICチップ23に記憶された版胴19固有の情報を確実
に読取ることができるだけでなく、識別手段26を用い
てICチップ23に版胴19固有の情報を書込むことが
できる。
【0014】
【発明の実施の形態】次に本発明の第1の実施の形態を
図面に基づいて説明する。図4に示すように、印刷機1
1はこの実施の形態ではオフセット輪転印刷機である。
この印刷機11は連続紙12を供給する給紙部13と、
この連続紙12に印刷する印刷部14と、連続紙12の
インクを高温乾燥する乾燥部16と、連続紙12を冷却
する冷却部17とを備える。印刷部14は連続紙12を
挟み込む一対のブランケット18,18と、これらのブ
ランケット18,18にそれぞれ圧接される一対の版胴
19,19とを有する。版胴19は金属により形成され
る。図1に示すように、版胴19は外周面に印刷すべき
内容が彫込まれた円筒状の版胴本体19aと、版胴本体
19aの両端面にこの両端面を塞ぐように設けられた第
1及び第2フランジ19b,19cとからなる。第1及
び第2フランジ19b,19cの中心にはこの版胴19
を印刷部14の所定のシャフト(図示せず)に取付ける
ための第1及び第2通孔19d,19eがそれぞれ形成
される。版胴19の外周面にはインクが塗布され、版胴
19の外周面に彫込まれた印刷すべき内容がブランケッ
ト18を介して連続紙12に印刷されるように構成され
る。
図面に基づいて説明する。図4に示すように、印刷機1
1はこの実施の形態ではオフセット輪転印刷機である。
この印刷機11は連続紙12を供給する給紙部13と、
この連続紙12に印刷する印刷部14と、連続紙12の
インクを高温乾燥する乾燥部16と、連続紙12を冷却
する冷却部17とを備える。印刷部14は連続紙12を
挟み込む一対のブランケット18,18と、これらのブ
ランケット18,18にそれぞれ圧接される一対の版胴
19,19とを有する。版胴19は金属により形成され
る。図1に示すように、版胴19は外周面に印刷すべき
内容が彫込まれた円筒状の版胴本体19aと、版胴本体
19aの両端面にこの両端面を塞ぐように設けられた第
1及び第2フランジ19b,19cとからなる。第1及
び第2フランジ19b,19cの中心にはこの版胴19
を印刷部14の所定のシャフト(図示せず)に取付ける
ための第1及び第2通孔19d,19eがそれぞれ形成
される。版胴19の外周面にはインクが塗布され、版胴
19の外周面に彫込まれた印刷すべき内容がブランケッ
ト18を介して連続紙12に印刷されるように構成され
る。
【0015】版胴19にはRFID回路を内蔵した版胴
識別用タグ21が取付けられる。このタグ21はアンテ
ナコイル22とこのコイルに電気的に接続されたICチ
ップ23を備える。ICチップ23のメモリ23f(図
3)には版胴19に固有の情報が記憶される。図1に示
すように、版胴識別用タグ21のアンテナコイル22は
磁芯部材22aと、この磁芯部材22aに巻回されたコ
イル部22bとを有する。磁芯部材22aとしては、ア
モルファス箔の積層体や、軟質フェライトや、磁性材料
の粉末又はフレーク及び絶縁材の複合材等が用いられ
る。上記複合材の磁性材料としては鉄,パーマロイ,鉄
−コバルト合金,アモルファス磁性材料,フェライト等
が挙げられる。これらの磁性材料はアトマイズ法や還元
法等の化学的方法、又は粉砕法等により粉末にしたり、
この粉末を更にボールミル等により扁平化してフレーク
にしたり、或いは磁性材料の溶湯を壁面に衝突させてフ
レークにすることが好ましい。
識別用タグ21が取付けられる。このタグ21はアンテ
ナコイル22とこのコイルに電気的に接続されたICチ
ップ23を備える。ICチップ23のメモリ23f(図
3)には版胴19に固有の情報が記憶される。図1に示
すように、版胴識別用タグ21のアンテナコイル22は
磁芯部材22aと、この磁芯部材22aに巻回されたコ
イル部22bとを有する。磁芯部材22aとしては、ア
モルファス箔の積層体や、軟質フェライトや、磁性材料
の粉末又はフレーク及び絶縁材の複合材等が用いられ
る。上記複合材の磁性材料としては鉄,パーマロイ,鉄
−コバルト合金,アモルファス磁性材料,フェライト等
が挙げられる。これらの磁性材料はアトマイズ法や還元
法等の化学的方法、又は粉砕法等により粉末にしたり、
この粉末を更にボールミル等により扁平化してフレーク
にしたり、或いは磁性材料の溶湯を壁面に衝突させてフ
レークにすることが好ましい。
【0016】また磁芯部材22aの透磁率を高くするた
めに磁性材料の含有率を多くする場合には、磁性材料の
粉末同士又はフレーク同士の直接接触を防止するため、
磁性材料の粉末表面又はフレーク表面をリン酸化合物,
ガラス,樹脂等の絶縁材料で被覆しておくことが好まし
い。この絶縁材料としては、ナイロン,ポリエチレン,
アクリル,ABS等の熱可塑性樹脂や、エポキシ,フェ
ノール等の熱硬化性樹脂や、ゴム、ガラス、セラミック
等を用いることができる。更に上記複合材の成形法とし
ては、射出成形法,圧縮成形法,ロール法,注形法等が
挙げられる。
めに磁性材料の含有率を多くする場合には、磁性材料の
粉末同士又はフレーク同士の直接接触を防止するため、
磁性材料の粉末表面又はフレーク表面をリン酸化合物,
ガラス,樹脂等の絶縁材料で被覆しておくことが好まし
い。この絶縁材料としては、ナイロン,ポリエチレン,
アクリル,ABS等の熱可塑性樹脂や、エポキシ,フェ
ノール等の熱硬化性樹脂や、ゴム、ガラス、セラミック
等を用いることができる。更に上記複合材の成形法とし
ては、射出成形法,圧縮成形法,ロール法,注形法等が
挙げられる。
【0017】ICチップ23は図3に示すように、電源
回路23aと、無線周波数(RF)回路23bと、変調
回路23cと、復調回路23dと、CPU23eと、こ
のCPU23eに接続され版胴19固有の情報を記憶す
るメモリ23fとを有する。電源回路23aはコンデン
サ(図示せず)を内蔵し、このコンデンサはアンテナコ
イル22とともに共振回路を形成する。このコンデンサ
にはアンテナコイル22が特定の周波数の電波(上記共
振回路が共振する周波数)を受信したときにその相互誘
導作用で生じる電力が充電される。電源回路23aはこ
の電力を整流し安定化してCPU23eに供給し、IC
チップ23を活性化する。メモリ23fはROM(read
only memory)、RAM(ramdom-access memory)及び
EEPROM(electrically erasable pogramable rea
d only memory)を含み、CPU23eの制御の下で後
述する識別手段26からの電波のデータ通信による読出
しコマンドに応じて記憶されたデータの読出しを行うと
ともに、識別手段26からの書込みコマンドに応じてデ
ータの書込みが行われる。
回路23aと、無線周波数(RF)回路23bと、変調
回路23cと、復調回路23dと、CPU23eと、こ
のCPU23eに接続され版胴19固有の情報を記憶す
るメモリ23fとを有する。電源回路23aはコンデン
サ(図示せず)を内蔵し、このコンデンサはアンテナコ
イル22とともに共振回路を形成する。このコンデンサ
にはアンテナコイル22が特定の周波数の電波(上記共
振回路が共振する周波数)を受信したときにその相互誘
導作用で生じる電力が充電される。電源回路23aはこ
の電力を整流し安定化してCPU23eに供給し、IC
チップ23を活性化する。メモリ23fはROM(read
only memory)、RAM(ramdom-access memory)及び
EEPROM(electrically erasable pogramable rea
d only memory)を含み、CPU23eの制御の下で後
述する識別手段26からの電波のデータ通信による読出
しコマンドに応じて記憶されたデータの読出しを行うと
ともに、識別手段26からの書込みコマンドに応じてデ
ータの書込みが行われる。
【0018】版胴識別用タグ21は絶縁材料であって非
磁性材料により形成された第1ケース21a(例えばプ
ラスチック製のケース)に収容され、この状態で版胴1
9の内部に取付けられることが好ましい(図1及び図
2)。この実施の形態では版胴識別用タグ21はアンテ
ナコイル22及びICチップ23を第1ケース21aに
収容した状態で第1フランジ19b内面に接着剤又は接
着テープ(両面に接着剤が塗布されたテープ)を用いて
取付けられる。また版胴識別用タグ21の第1フランジ
19bへの取付面にはアルミ板24が介装され、アンテ
ナコイル22の軸線(磁芯部材22aの磁化軸)は版胴
19の半径方向と一致するように構成される。なお、版
胴識別用タグを第2フランジ内面に取付けてもよい。ま
た、版胴識別用タグの第1フランジへの取付面には、ア
ルミ板ではなく、アルミ箔,銅板又は銅箔等の導電性を
有する板、シート又は箔を介装してもよい。
磁性材料により形成された第1ケース21a(例えばプ
ラスチック製のケース)に収容され、この状態で版胴1
9の内部に取付けられることが好ましい(図1及び図
2)。この実施の形態では版胴識別用タグ21はアンテ
ナコイル22及びICチップ23を第1ケース21aに
収容した状態で第1フランジ19b内面に接着剤又は接
着テープ(両面に接着剤が塗布されたテープ)を用いて
取付けられる。また版胴識別用タグ21の第1フランジ
19bへの取付面にはアルミ板24が介装され、アンテ
ナコイル22の軸線(磁芯部材22aの磁化軸)は版胴
19の半径方向と一致するように構成される。なお、版
胴識別用タグを第2フランジ内面に取付けてもよい。ま
た、版胴識別用タグの第1フランジへの取付面には、ア
ルミ板ではなく、アルミ箔,銅板又は銅箔等の導電性を
有する板、シート又は箔を介装してもよい。
【0019】一方、ICチップ23に記憶された情報を
読取る識別手段26はアンテナコイル22と相互誘導作
用する送受信アンテナ27と、送受信アンテナ27から
電波を発信させかつ送受信アンテナ27の受けた電波を
処理する処理部28と、ICチップ23に記憶された情
報を表示する表示部29を備える(図1)。受信アンテ
ナ27は版胴19に取付けられたタグ21のアンテナコ
イル22に電波を送信しかつそのコイル22からの電波
を受信可能に構成される。また処理部28は送受信アン
テナ27に接続され、バッテリを内蔵する電源回路28
aと、無線周波数(RF)回路28bと、変調回路28
cと、復調回路28dと、CPU28eと、このCPU
28eに接続されICチップ23から読取った情報を記
憶するメモリ28fとを有する(図3)。また処理部2
8のCPU28eには入力部28gが接続され、この入
力部28gにより入力された情報はICチップ23に書
込み可能に構成される。上記識別手段26は可搬可能に
構成される(図1)。即ち、絶縁材料であって非磁性材
料により形成された角筒状の第2ケース32(例えばプ
ラスチック製のケース)に収容され或いは取付けられ
る。具体的には送受信コイル27は第2ケース32の先
端近傍に収容され、処理部28は第2ケース32の中央
部に収容され、更に表示部29は第2ケース32の基端
外周面に取付けられる。この上記第2ケース32は第1
通孔19dから版胴19内部に挿入可能に構成される。
識別手段26の送受信アンテナ27は、第2ケース32
を版胴内部に挿入したときに、図1に示すようにその軸
線方向がアンテナコイル22の軸線方向と同一になるよ
うに設けられる。
読取る識別手段26はアンテナコイル22と相互誘導作
用する送受信アンテナ27と、送受信アンテナ27から
電波を発信させかつ送受信アンテナ27の受けた電波を
処理する処理部28と、ICチップ23に記憶された情
報を表示する表示部29を備える(図1)。受信アンテ
ナ27は版胴19に取付けられたタグ21のアンテナコ
イル22に電波を送信しかつそのコイル22からの電波
を受信可能に構成される。また処理部28は送受信アン
テナ27に接続され、バッテリを内蔵する電源回路28
aと、無線周波数(RF)回路28bと、変調回路28
cと、復調回路28dと、CPU28eと、このCPU
28eに接続されICチップ23から読取った情報を記
憶するメモリ28fとを有する(図3)。また処理部2
8のCPU28eには入力部28gが接続され、この入
力部28gにより入力された情報はICチップ23に書
込み可能に構成される。上記識別手段26は可搬可能に
構成される(図1)。即ち、絶縁材料であって非磁性材
料により形成された角筒状の第2ケース32(例えばプ
ラスチック製のケース)に収容され或いは取付けられ
る。具体的には送受信コイル27は第2ケース32の先
端近傍に収容され、処理部28は第2ケース32の中央
部に収容され、更に表示部29は第2ケース32の基端
外周面に取付けられる。この上記第2ケース32は第1
通孔19dから版胴19内部に挿入可能に構成される。
識別手段26の送受信アンテナ27は、第2ケース32
を版胴内部に挿入したときに、図1に示すようにその軸
線方向がアンテナコイル22の軸線方向と同一になるよ
うに設けられる。
【0020】このように構成された版胴の識別装置の使
用方法を説明する。図1に示すように、アンテナコイル
22及びICチップ23を第1ケース21aに収容した
版胴識別用タグ21を版胴19の第1フランジ19b内
面に取付ける。このときアンテナコイル22の軸線(磁
芯部材22aの磁化軸)の方向を、予め第1フランジ1
9bの外面にケガキやペイント等により付した矢印に一
致させる。次いで識別手段26の第2ケース32を第1
通孔19dから版胴19内部に挿入した状態で識別手段
26の入力部28gから版胴19固有の情報を入力し
て、ICチップ23のメモリ23fに版胴19固有の情
報を記憶させる。他の版胴についても同様に版胴識別用
タグを取付け、それぞれ固有の情報を記憶させる。なお
最初に識別手段26の入力部28gから版胴19固有の
情報を入力して、ICチップ23のメモリ23fに版胴
19固有の情報を記憶させておき、その後で版胴識別用
タグ21を版胴19に取付けてもよい。
用方法を説明する。図1に示すように、アンテナコイル
22及びICチップ23を第1ケース21aに収容した
版胴識別用タグ21を版胴19の第1フランジ19b内
面に取付ける。このときアンテナコイル22の軸線(磁
芯部材22aの磁化軸)の方向を、予め第1フランジ1
9bの外面にケガキやペイント等により付した矢印に一
致させる。次いで識別手段26の第2ケース32を第1
通孔19dから版胴19内部に挿入した状態で識別手段
26の入力部28gから版胴19固有の情報を入力し
て、ICチップ23のメモリ23fに版胴19固有の情
報を記憶させる。他の版胴についても同様に版胴識別用
タグを取付け、それぞれ固有の情報を記憶させる。なお
最初に識別手段26の入力部28gから版胴19固有の
情報を入力して、ICチップ23のメモリ23fに版胴
19固有の情報を記憶させておき、その後で版胴識別用
タグ21を版胴19に取付けてもよい。
【0021】具体的な版胴識別用タグ21のメモリ23
fへの書込み動作について説明する。先ず識別手段26
の送受信アンテナ27から版胴識別用タグ21のアンテ
ナコイル22に向けて版胴固有の情報(版胴の名称、記
号、版胴の概要等)を特定周波数の電波により送信す
る。この情報は版胴毎に異なる。この実施の形態におけ
る版胴固有の情報は2値化されたデジタル信号として識
別手段26から発せられる。デジタル信号は、図示しな
い信号発生器から発せられ変調回路28cで変調され、
RF回路28bではこの変調した信号を増幅して送受信
アンテナ27から送信する。この変調には例えばASK
(振幅変調)、FSK(周波数変調)又はPSK(位相
変調)が挙げられる。識別手段26から送信された電波
は版胴識別用タグ21のアンテナコイル22に受信さ
れ、この受信により、電源回路23aのコンデンサには
送受信アンテナ27とアンテナコイル22の相互誘導作
用で生じる電力が充電される。この結果、電源回路23
aは電力を整流し安定化して、CPU23eに供給し、
ICチップ23を活性化する。次いでICチップ23の
RF回路23bでは復調に必要な信号のみを取込み、復
調回路23dで版胴固有の情報のデジタル信号を再現さ
せて、CPU23eによりこのデジタル信号をメモリ2
3fに記憶させる。
fへの書込み動作について説明する。先ず識別手段26
の送受信アンテナ27から版胴識別用タグ21のアンテ
ナコイル22に向けて版胴固有の情報(版胴の名称、記
号、版胴の概要等)を特定周波数の電波により送信す
る。この情報は版胴毎に異なる。この実施の形態におけ
る版胴固有の情報は2値化されたデジタル信号として識
別手段26から発せられる。デジタル信号は、図示しな
い信号発生器から発せられ変調回路28cで変調され、
RF回路28bではこの変調した信号を増幅して送受信
アンテナ27から送信する。この変調には例えばASK
(振幅変調)、FSK(周波数変調)又はPSK(位相
変調)が挙げられる。識別手段26から送信された電波
は版胴識別用タグ21のアンテナコイル22に受信さ
れ、この受信により、電源回路23aのコンデンサには
送受信アンテナ27とアンテナコイル22の相互誘導作
用で生じる電力が充電される。この結果、電源回路23
aは電力を整流し安定化して、CPU23eに供給し、
ICチップ23を活性化する。次いでICチップ23の
RF回路23bでは復調に必要な信号のみを取込み、復
調回路23dで版胴固有の情報のデジタル信号を再現さ
せて、CPU23eによりこのデジタル信号をメモリ2
3fに記憶させる。
【0022】これらの版胴19は所定の棚に第1フラン
ジ19b側を前面にして並べられる。この実施の形態で
は複数の版胴にそれぞれ取付けられる版胴識別用タグの
共振周波数は同一値に統一される。次に印刷機11を稼
働して所定の印刷を行うため、棚に並んだ複数の版胴1
9から所望の版胴19を探す。このとき識別手段26の
先端、即ち第2ケース32の先端を第1通孔19dから
版胴19内部に挿入する。第2ケース32を僅かに挿入
しただけで即座に表示部29にその版胴19固有の情報
が表示される。
ジ19b側を前面にして並べられる。この実施の形態で
は複数の版胴にそれぞれ取付けられる版胴識別用タグの
共振周波数は同一値に統一される。次に印刷機11を稼
働して所定の印刷を行うため、棚に並んだ複数の版胴1
9から所望の版胴19を探す。このとき識別手段26の
先端、即ち第2ケース32の先端を第1通孔19dから
版胴19内部に挿入する。第2ケース32を僅かに挿入
しただけで即座に表示部29にその版胴19固有の情報
が表示される。
【0023】具体的な版胴識別用タグ21のメモリ23
fからの読取り動作及び表示部29への表示動作につい
て説明する。識別手段26の送受信アンテナ27から版
胴識別用タグ21のアンテナコイル22に向けて2値化
されたデジタル信号の質問信号を特定周波数の電波によ
り送信する。識別手段26から発せられるデジタル信号
は、変調回路28cで変調を受け、RF回路28bでこ
の変調した信号を増幅して送受信アンテナ27から送信
される。送信された質問信号の電波はアンテナコイル2
2に受信され、この受信により、電源回路23aのコン
デンサに電力が充電される。電源回路23aは電力をC
PU23eに供給し、ICチップ23を活性化し、RF
回路23bを介して復調回路23dで元のデジタル信号
の質問信号を再現させる。CPU23eはこの質問信号
に基づいてメモリ23fに記憶されていたその版胴19
に関する情報を送信する。この情報の送信は2値化され
たデータ信号をICチップ23の変調回路23cで変調
し、RF回路23bで増幅してアンテナコイル22から
送出することにより行われる。送信されたデータは識別
手段26の送受信アンテナ27が受信し、処理部28は
タグ21からの版胴固有の情報を表示部29に表示す
る。
fからの読取り動作及び表示部29への表示動作につい
て説明する。識別手段26の送受信アンテナ27から版
胴識別用タグ21のアンテナコイル22に向けて2値化
されたデジタル信号の質問信号を特定周波数の電波によ
り送信する。識別手段26から発せられるデジタル信号
は、変調回路28cで変調を受け、RF回路28bでこ
の変調した信号を増幅して送受信アンテナ27から送信
される。送信された質問信号の電波はアンテナコイル2
2に受信され、この受信により、電源回路23aのコン
デンサに電力が充電される。電源回路23aは電力をC
PU23eに供給し、ICチップ23を活性化し、RF
回路23bを介して復調回路23dで元のデジタル信号
の質問信号を再現させる。CPU23eはこの質問信号
に基づいてメモリ23fに記憶されていたその版胴19
に関する情報を送信する。この情報の送信は2値化され
たデータ信号をICチップ23の変調回路23cで変調
し、RF回路23bで増幅してアンテナコイル22から
送出することにより行われる。送信されたデータは識別
手段26の送受信アンテナ27が受信し、処理部28は
タグ21からの版胴固有の情報を表示部29に表示す
る。
【0024】このようにICチップ23には多くの情報
を記憶させることができるとともに、何度でも情報を訂
正・追記することができる。また版胴19の履歴や、使
用する印刷機11,インクの種類,連続紙12の種類及
び作業条件等を記憶させることもできる。またこれらの
情報を表示させて作業者が見ることができる。更にこれ
らの情報を識別手段26により印刷機11等に直接読取
らせるか、或いは識別手段26に記憶させた後に印刷機
11等に読取らせることにより、版胴19の交換作業を
自動的に行ったり、或いは印刷履歴を自動的に記憶させ
たりすることもできる。この結果、人手を省くことがで
きるとともに、作業者の錯誤を防止する効果もある。
を記憶させることができるとともに、何度でも情報を訂
正・追記することができる。また版胴19の履歴や、使
用する印刷機11,インクの種類,連続紙12の種類及
び作業条件等を記憶させることもできる。またこれらの
情報を表示させて作業者が見ることができる。更にこれ
らの情報を識別手段26により印刷機11等に直接読取
らせるか、或いは識別手段26に記憶させた後に印刷機
11等に読取らせることにより、版胴19の交換作業を
自動的に行ったり、或いは印刷履歴を自動的に記憶させ
たりすることもできる。この結果、人手を省くことがで
きるとともに、作業者の錯誤を防止する効果もある。
【0025】また版胴識別用タグ21を版胴19の内部
に収容したため、版胴19を長年使用しても、その交換
時に版胴識別用タグ21が他の部材と接触して摩耗した
り或いは脱落したりすることはない。この結果、ICチ
ップ23に記憶された版胴19固有の情報は消失しな
い。また識別手段26を第1通孔19dから版胴内部に
挿入するだけで、ICチップ23に記憶された版胴19
固有の情報を確実に読取ることができる。また扁平な磁
芯部材22aを用いることができるので、アンテナコイ
ル22を扁平に形成することができ、かつ金属製の版胴
19への取付面に沿って取付けることができる。この結
果、アンテナコイルが第1フランジの内面から殆ど突出
せずに済む。
に収容したため、版胴19を長年使用しても、その交換
時に版胴識別用タグ21が他の部材と接触して摩耗した
り或いは脱落したりすることはない。この結果、ICチ
ップ23に記憶された版胴19固有の情報は消失しな
い。また識別手段26を第1通孔19dから版胴内部に
挿入するだけで、ICチップ23に記憶された版胴19
固有の情報を確実に読取ることができる。また扁平な磁
芯部材22aを用いることができるので、アンテナコイ
ル22を扁平に形成することができ、かつ金属製の版胴
19への取付面に沿って取付けることができる。この結
果、アンテナコイルが第1フランジの内面から殆ど突出
せずに済む。
【0026】更に版胴識別用タグ21の版胴19への取
付面にアルミ板24を介装したのは下記の理由に基づ
く。アンテナコイル22の周辺に、導電性材料により形
成された版胴19が存在すると、電波がこの版胴19に
吸収されたり或いは版胴19で反射したりすることは少
ないけれども、アンテナコイル22及びICチップ23
により構成される共振回路のインピーダンスが変化し
て、その共振周波数が変わる。このため版胴識別用タグ
21の版胴19への取付面にアルミ板24を介装するこ
とにより、上記共振周波数を所望の値にすることができ
る。即ち、アンテナコイル22がアルミ板24により版
胴19から電磁気的に遮蔽されるので、上記共振周波数
が版胴19の影響を受けなくなる。なお、版胴識別用タ
グ21の取付部(第1フランジ19b)の電磁気的特性
及びその寸法が判れば、版胴識別用タグ21の取付状態
で所望の共振周波数になるようにアンテナコイル22の
コイル部22bの巻数を変えることができるので、上記
アルミ板24は不要になる。即ち、磁芯部材22aの磁
化軸がこの磁芯部材22aの面内の方向であるため、ア
ンテナコイル22を版胴19に接するように取付けても
電波を確実に受信することができ、アンテナコイル22
から発信される電波が上記版胴19で反射したり或いは
版胴19に吸収されたりすることもない。
付面にアルミ板24を介装したのは下記の理由に基づ
く。アンテナコイル22の周辺に、導電性材料により形
成された版胴19が存在すると、電波がこの版胴19に
吸収されたり或いは版胴19で反射したりすることは少
ないけれども、アンテナコイル22及びICチップ23
により構成される共振回路のインピーダンスが変化し
て、その共振周波数が変わる。このため版胴識別用タグ
21の版胴19への取付面にアルミ板24を介装するこ
とにより、上記共振周波数を所望の値にすることができ
る。即ち、アンテナコイル22がアルミ板24により版
胴19から電磁気的に遮蔽されるので、上記共振周波数
が版胴19の影響を受けなくなる。なお、版胴識別用タ
グ21の取付部(第1フランジ19b)の電磁気的特性
及びその寸法が判れば、版胴識別用タグ21の取付状態
で所望の共振周波数になるようにアンテナコイル22の
コイル部22bの巻数を変えることができるので、上記
アルミ板24は不要になる。即ち、磁芯部材22aの磁
化軸がこの磁芯部材22aの面内の方向であるため、ア
ンテナコイル22を版胴19に接するように取付けても
電波を確実に受信することができ、アンテナコイル22
から発信される電波が上記版胴19で反射したり或いは
版胴19に吸収されたりすることもない。
【0027】図5は本発明の第2の実施の形態を示す。
図5において図1と同一符号は同一部品を示す。この実
施の形態では、識別手段46の送受信アンテナ47が磁
芯部材47aとこの磁芯部材47aに巻回されたコイル
部47bとを有する。この磁芯部材47aは第1の実施
の形態のアンテナコイルの磁芯部材と同様に形成される
ことが好ましい。また送受信アンテナ47の軸線(磁芯
部材の磁化軸)は第2ケース32の長手方向に向くよう
に構成される。これにより識別手段46の送受信アンテ
ナ47は、識別手段46を第1フランジ19bに載せた
ときに、図5に示すようにその軸線方向がアンテナコイ
ル22の軸線方向と平行になるように設けられる。上記
以外は第1の実施の形態と同一に構成される。
図5において図1と同一符号は同一部品を示す。この実
施の形態では、識別手段46の送受信アンテナ47が磁
芯部材47aとこの磁芯部材47aに巻回されたコイル
部47bとを有する。この磁芯部材47aは第1の実施
の形態のアンテナコイルの磁芯部材と同様に形成される
ことが好ましい。また送受信アンテナ47の軸線(磁芯
部材の磁化軸)は第2ケース32の長手方向に向くよう
に構成される。これにより識別手段46の送受信アンテ
ナ47は、識別手段46を第1フランジ19bに載せた
ときに、図5に示すようにその軸線方向がアンテナコイ
ル22の軸線方向と平行になるように設けられる。上記
以外は第1の実施の形態と同一に構成される。
【0028】このように構成された版胴の識別装置で
は、識別手段46を第1通孔19dに臨むように第1フ
ランジ19bに載せると、送受信アンテナ47の軸線が
アンテナコイル22の軸線と一致せず、第1フランジ1
9bの厚さ分及び第1及び第2ケース21a,32の厚
さ分だけずれる。しかしながらアンテナコイル22と送
受信アンテナ47の軸線方向は互いに平行であるため、
送受信アンテナ47が第1通孔19dを通してアンテナ
コイル22と相互誘導作用する。これにより識別手段4
6がその版胴19固有の情報を読取り、その情報が表示
部29に表示される。この結果、識別手段46を第1通
孔19dに挿入しなくても、版胴19固有の情報を読取
ることができるので、上記版胴19固有の情報の読取り
作業を第1の実施の形態より容易に行うことができる。
また識別手段46を用いてその版胴19固有の情報をI
Cチップ23に書込む作業も容易に行うことができる。
上記以外の動作は第1の実施の形態と略同様であるの
で、繰返しの説明を省略する。
は、識別手段46を第1通孔19dに臨むように第1フ
ランジ19bに載せると、送受信アンテナ47の軸線が
アンテナコイル22の軸線と一致せず、第1フランジ1
9bの厚さ分及び第1及び第2ケース21a,32の厚
さ分だけずれる。しかしながらアンテナコイル22と送
受信アンテナ47の軸線方向は互いに平行であるため、
送受信アンテナ47が第1通孔19dを通してアンテナ
コイル22と相互誘導作用する。これにより識別手段4
6がその版胴19固有の情報を読取り、その情報が表示
部29に表示される。この結果、識別手段46を第1通
孔19dに挿入しなくても、版胴19固有の情報を読取
ることができるので、上記版胴19固有の情報の読取り
作業を第1の実施の形態より容易に行うことができる。
また識別手段46を用いてその版胴19固有の情報をI
Cチップ23に書込む作業も容易に行うことができる。
上記以外の動作は第1の実施の形態と略同様であるの
で、繰返しの説明を省略する。
【0029】図6は本発明の第3の実施の形態を示す。
図6において図1と同一符号は同一部品を示す。この実
施の形態では、識別手段56の送受信アンテナ27が識
別手段56から突設され、識別手段56を第1フランジ
19bに載せたときに送受信アンテナ27が第1通孔1
9dから版胴19内に挿入可能に構成される。具体的に
は第2ケース52の先端に外側方に突出する突出部52
aが設けられ、この突出部52aに送受信アンテナ27
が収容される。上記以外は第1の実施の形態と同一に構
成される。このように構成された版胴の識別装置では、
第2ケース52の突出部52aが第1通孔19dに挿入
されるように識別手段56を第1フランジ19bに載せ
ると、送受信アンテナ27の軸線がアンテナコイル22
の軸線に一致する、即ち送受信アンテナ27の軸線とア
ンテナコイル22の軸線が同一線上になる。この結果、
識別手段56はICチップ23に記憶された版胴19固
有の情報を読取ることができる。従って、識別手段56
の第1通孔29dからの挿入深さを調節する必要がない
ので、速やかにICチップ23に記憶された版胴19固
有の情報を読取ることができる。上記以外の動作は第1
の実施の形態と略同様であるので、繰返しの説明を省略
する。
図6において図1と同一符号は同一部品を示す。この実
施の形態では、識別手段56の送受信アンテナ27が識
別手段56から突設され、識別手段56を第1フランジ
19bに載せたときに送受信アンテナ27が第1通孔1
9dから版胴19内に挿入可能に構成される。具体的に
は第2ケース52の先端に外側方に突出する突出部52
aが設けられ、この突出部52aに送受信アンテナ27
が収容される。上記以外は第1の実施の形態と同一に構
成される。このように構成された版胴の識別装置では、
第2ケース52の突出部52aが第1通孔19dに挿入
されるように識別手段56を第1フランジ19bに載せ
ると、送受信アンテナ27の軸線がアンテナコイル22
の軸線に一致する、即ち送受信アンテナ27の軸線とア
ンテナコイル22の軸線が同一線上になる。この結果、
識別手段56はICチップ23に記憶された版胴19固
有の情報を読取ることができる。従って、識別手段56
の第1通孔29dからの挿入深さを調節する必要がない
ので、速やかにICチップ23に記憶された版胴19固
有の情報を読取ることができる。上記以外の動作は第1
の実施の形態と略同様であるので、繰返しの説明を省略
する。
【0030】図7は本発明の第4の実施の形態を示す。
図7において図1と同一符号は同一部品を示す。この実
施の形態では、版胴69が第1の実施の形態の版胴より
直径が小さく形成され、版胴識別用タグ61のアンテナ
コイル62が磁芯部材を有しない空芯のコイル部62a
のみからなり、更にこの版胴識別用タグ61が版胴本体
69aの内周面に取付けられる。版胴識別用タグ61を
構成するアンテナコイル62とICチップ23は第1ケ
ース61aに収容される。アンテナコイル62は版胴本
体69aの内周面から所定の距離だけ離しかつその軸線
が版胴69の半径方向と一致するように、第1ケース6
1aに収容される。なお、アンテナコイル62を版胴本
体69aの内周面から所定の距離だけ離したのは、空芯
のコイル部62aの周辺、特にコイル部62aの軸線の
方向に導電性部材や強磁性部材(例えば金属製の版胴本
体69a)が存在すると、コイル部62aの共振周波数
が変わったり、或いはコイル部62aの受信又は送信す
る電波が吸収又は反射されて、正常に動作しない場合が
あり、これを回避するためである。またアンテナコイル
62の軸線は版胴69の半径方向と一致するように取付
けられる。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成さ
れる。
図7において図1と同一符号は同一部品を示す。この実
施の形態では、版胴69が第1の実施の形態の版胴より
直径が小さく形成され、版胴識別用タグ61のアンテナ
コイル62が磁芯部材を有しない空芯のコイル部62a
のみからなり、更にこの版胴識別用タグ61が版胴本体
69aの内周面に取付けられる。版胴識別用タグ61を
構成するアンテナコイル62とICチップ23は第1ケ
ース61aに収容される。アンテナコイル62は版胴本
体69aの内周面から所定の距離だけ離しかつその軸線
が版胴69の半径方向と一致するように、第1ケース6
1aに収容される。なお、アンテナコイル62を版胴本
体69aの内周面から所定の距離だけ離したのは、空芯
のコイル部62aの周辺、特にコイル部62aの軸線の
方向に導電性部材や強磁性部材(例えば金属製の版胴本
体69a)が存在すると、コイル部62aの共振周波数
が変わったり、或いはコイル部62aの受信又は送信す
る電波が吸収又は反射されて、正常に動作しない場合が
あり、これを回避するためである。またアンテナコイル
62の軸線は版胴69の半径方向と一致するように取付
けられる。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成さ
れる。
【0031】このように構成された版胴の識別装置で
は、識別手段26を内蔵した第2ケース32を第1通孔
69dから版胴内部に挿入すると、所定の挿入深さで送
受信アンテナ27の軸線がアンテナコイル62の軸線と
一致し、識別手段26がICチップ23に記憶された版
胴69固有の情報を読取って表示部29に表示する。上
記アンテナコイル62は磁芯部材を有しないため、上記
第1〜3の実施の形態のアンテナコイルより容易かつ安
価に製作することができる。上記以外の動作は第1の実
施の形態と略同様であるので、繰返しの説明を省略す
る。
は、識別手段26を内蔵した第2ケース32を第1通孔
69dから版胴内部に挿入すると、所定の挿入深さで送
受信アンテナ27の軸線がアンテナコイル62の軸線と
一致し、識別手段26がICチップ23に記憶された版
胴69固有の情報を読取って表示部29に表示する。上
記アンテナコイル62は磁芯部材を有しないため、上記
第1〜3の実施の形態のアンテナコイルより容易かつ安
価に製作することができる。上記以外の動作は第1の実
施の形態と略同様であるので、繰返しの説明を省略す
る。
【0032】図8は本発明の第5の実施の形態を示す。
図8において図1と同一符号は同一部品を示す。この実
施の形態では、版胴79の直径が第1の実施の形態の版
胴より小さくかつ第4の実施の形態の版胴の直径より大
きいことを除いて、第4の実施の形態と同一に構成され
る。このように構成された版胴の識別装置では、版胴7
9の直径が第4の実施の形態の版胴の直径より大きいた
め、識別手段26を第1通孔79dから版胴内部に斜め
に挿入して、送受信アンテナ27をアンテナコイル62
に近付ける必要がある。このとき送受信アンテナ27の
軸線をアンテナコイル62の軸線に完全に一致させるこ
とはできないけれども、ほぼ一致させることができるの
で、識別手段26はICチップ23に記憶された版胴7
9固有の情報を読取ることができる。
図8において図1と同一符号は同一部品を示す。この実
施の形態では、版胴79の直径が第1の実施の形態の版
胴より小さくかつ第4の実施の形態の版胴の直径より大
きいことを除いて、第4の実施の形態と同一に構成され
る。このように構成された版胴の識別装置では、版胴7
9の直径が第4の実施の形態の版胴の直径より大きいた
め、識別手段26を第1通孔79dから版胴内部に斜め
に挿入して、送受信アンテナ27をアンテナコイル62
に近付ける必要がある。このとき送受信アンテナ27の
軸線をアンテナコイル62の軸線に完全に一致させるこ
とはできないけれども、ほぼ一致させることができるの
で、識別手段26はICチップ23に記憶された版胴7
9固有の情報を読取ることができる。
【0033】
【実施例】次に本発明の実施例を詳しく説明する。 <実施例1>図1に示すように、版胴識別用タグ21の
アンテナコイル22の磁芯部材22aとして幅,厚さ及
び長さがそれぞれ10mm,2.5mm及び48mmの
アモルファス箔の積層体を用い、コイル部22bを構成
する導線として線径が0.1mmの被覆銅線を用いた。
磁芯部材22aの長手方向を磁化軸となるように導線を
磁芯部材22aに1770回巻回してコイル部22bを
形成した。このアンテナコイル22のコイル部22bに
電気的に接続したICチップ23とをプラスチック製の
第1ケース21aに収容した。この第1ケース21aの
縦,横及び長さはそれぞれ12mm,5mm及び50m
mであった。また版胴19は厚さ2mmの黄銅板により
円筒状に形成した。この版胴19の直径及び高さはそれ
ぞれ200mm及び250mmであり、第1及び第2フ
ランジ19b,19c中心に形成された第1及び第2通
孔19d,19eの直径はそれぞれ50mmであった。
この版胴19の第1フランジ19b内面に上記第1ケー
ス21aを接着テープ(両面に接着剤が塗布されたテー
プ)により固定した。このとき第1ケース21aを第1
通孔19dに接近させかつアンテナコイル22の軸線を
版胴19の半径方向に向けた。なお、上記ICチップ2
3にはこの版胴19固有の情報を記憶させた。この版胴
19を実施例1とした。
アンテナコイル22の磁芯部材22aとして幅,厚さ及
び長さがそれぞれ10mm,2.5mm及び48mmの
アモルファス箔の積層体を用い、コイル部22bを構成
する導線として線径が0.1mmの被覆銅線を用いた。
磁芯部材22aの長手方向を磁化軸となるように導線を
磁芯部材22aに1770回巻回してコイル部22bを
形成した。このアンテナコイル22のコイル部22bに
電気的に接続したICチップ23とをプラスチック製の
第1ケース21aに収容した。この第1ケース21aの
縦,横及び長さはそれぞれ12mm,5mm及び50m
mであった。また版胴19は厚さ2mmの黄銅板により
円筒状に形成した。この版胴19の直径及び高さはそれ
ぞれ200mm及び250mmであり、第1及び第2フ
ランジ19b,19c中心に形成された第1及び第2通
孔19d,19eの直径はそれぞれ50mmであった。
この版胴19の第1フランジ19b内面に上記第1ケー
ス21aを接着テープ(両面に接着剤が塗布されたテー
プ)により固定した。このとき第1ケース21aを第1
通孔19dに接近させかつアンテナコイル22の軸線を
版胴19の半径方向に向けた。なお、上記ICチップ2
3にはこの版胴19固有の情報を記憶させた。この版胴
19を実施例1とした。
【0034】<実施例2>アンテナコイルの磁芯部材と
して幅,厚さ及び長さがそれぞれ10mm,25mm及
び48mmの鉄粉を含む複合材を用い、コイル部を構成
する導線として線径が0.1mmの被覆銅線を用いた。
磁芯部材の長手方向を磁化軸となるように導線を磁芯部
材に1450回巻回してコイル部を形成した。このアン
テナコイルのコイル部に電気的に接続したICチップと
をプラスチック製の第1ケースに収容した。この第1ケ
ースの縦,横及び長さはそれぞれ12mm,30mm及
び50mmであった。また版胴としては実施例1の版胴
と同一材質及び同一形状のものを用いた。この版胴の第
1フランジ内面に上記第1ケースを接着テープ(両面に
接着剤が塗布されたテープ)により固定した。このとき
第1ケースを第1通孔に接近させかつアンテナの軸線を
版胴の半径方向に向けた。なお、上記ICチップにはこ
の版胴固有の情報を記憶させた。この版胴を実施例2と
した。
して幅,厚さ及び長さがそれぞれ10mm,25mm及
び48mmの鉄粉を含む複合材を用い、コイル部を構成
する導線として線径が0.1mmの被覆銅線を用いた。
磁芯部材の長手方向を磁化軸となるように導線を磁芯部
材に1450回巻回してコイル部を形成した。このアン
テナコイルのコイル部に電気的に接続したICチップと
をプラスチック製の第1ケースに収容した。この第1ケ
ースの縦,横及び長さはそれぞれ12mm,30mm及
び50mmであった。また版胴としては実施例1の版胴
と同一材質及び同一形状のものを用いた。この版胴の第
1フランジ内面に上記第1ケースを接着テープ(両面に
接着剤が塗布されたテープ)により固定した。このとき
第1ケースを第1通孔に接近させかつアンテナの軸線を
版胴の半径方向に向けた。なお、上記ICチップにはこ
の版胴固有の情報を記憶させた。この版胴を実施例2と
した。
【0035】<実施例3>版胴の直径が300mmであ
ったことを除いて、実施例1と同一に構成した。即ち、
実施例1と同一のアンテナコイル及びICチップを、実
施例1と同一の第1ケースに収容し、この第1ケースを
上記版胴の第1フランジ内面に取付けた。なお、上記I
Cチップにはこの版胴固有の情報を記憶させた。この版
胴を実施例3とした。 <実施例4>版胴の直径が300mmであったことを除
いて、実施例2と同一に構成した。即ち、実施例2と同
一のアンテナコイル及びICチップを、実施例2と同一
の第1ケースに収容し、この第1ケースを上記版胴の第
1フランジ内面に取付けた。なお、上記ICチップには
この版胴固有の情報を記憶させた。この版胴を実施例4
とした。
ったことを除いて、実施例1と同一に構成した。即ち、
実施例1と同一のアンテナコイル及びICチップを、実
施例1と同一の第1ケースに収容し、この第1ケースを
上記版胴の第1フランジ内面に取付けた。なお、上記I
Cチップにはこの版胴固有の情報を記憶させた。この版
胴を実施例3とした。 <実施例4>版胴の直径が300mmであったことを除
いて、実施例2と同一に構成した。即ち、実施例2と同
一のアンテナコイル及びICチップを、実施例2と同一
の第1ケースに収容し、この第1ケースを上記版胴の第
1フランジ内面に取付けた。なお、上記ICチップには
この版胴固有の情報を記憶させた。この版胴を実施例4
とした。
【0036】<実施例5>図8に示すように、版胴識別
用タグ61のアンテナコイル62が磁芯部材を有しない
空芯のコイル部62aのみからなり、このアンテナコイ
ル62は線径が0.1mmの導線(被覆銅線)を直径4
0mmとなるように450回巻回して形成した。上記ア
ンテナコイル62とこのアンテナコイル62に電気的に
接続したICチップ23とをプラスチック製の第1ケー
ス61aに収容した。この第1ケース61aの直径及び
高さはそれぞれ50mm及び30mmであった。また版
胴79としては実施例1と同一材質及び同一形状のもの
を用いた。この版胴79の版胴本体79a内面に上記第
1ケース61aを接着テープ(両面に接着剤が塗布され
たテープ)により固定した。このときアンテナコイル6
2の軸線を版胴79の半径方向に向け、かつ第1ケース
61aの中心線(アンテナコイル62の軸線)を第1フ
ランジ79b下面から75mm下方に位置させた。な
お、上記ICチップ23にはこの版胴79固有の情報を
記憶させた。この版胴を実施例5とした。
用タグ61のアンテナコイル62が磁芯部材を有しない
空芯のコイル部62aのみからなり、このアンテナコイ
ル62は線径が0.1mmの導線(被覆銅線)を直径4
0mmとなるように450回巻回して形成した。上記ア
ンテナコイル62とこのアンテナコイル62に電気的に
接続したICチップ23とをプラスチック製の第1ケー
ス61aに収容した。この第1ケース61aの直径及び
高さはそれぞれ50mm及び30mmであった。また版
胴79としては実施例1と同一材質及び同一形状のもの
を用いた。この版胴79の版胴本体79a内面に上記第
1ケース61aを接着テープ(両面に接着剤が塗布され
たテープ)により固定した。このときアンテナコイル6
2の軸線を版胴79の半径方向に向け、かつ第1ケース
61aの中心線(アンテナコイル62の軸線)を第1フ
ランジ79b下面から75mm下方に位置させた。な
お、上記ICチップ23にはこの版胴79固有の情報を
記憶させた。この版胴を実施例5とした。
【0037】<比較試験1及び評価>実施例1〜5の版
胴の第1通孔に、下記の識別手段が収容された角筒状の
第2ケースの先端をゆっくり挿入していき、識別手段が
ICチップに記憶された版胴毎に固有の情報を表示部に
表示したときの識別手段(第2ケース)の挿入深さを測
定した。その結果を表1に示す。上記識別手段は図1に
示すように、磁芯部材を有しない空芯の送受信アンテナ
27と、この送受信アンテナ27に電気的に接続された
処理部28と、処理部28のCPUの制御出力に接続さ
れた表示部28とを有する。上記送受信アンテナ27及
び処理部28をプラスチック製の第2ケース32に収容
し、表示部29を第2ケース32の基端近傍の外側面に
取付けた。ここで送受信アンテナ27は第2ケース32
の先端近傍に位置させた。また実施例1〜5のアンテナ
コイルの導線の巻数は第1ケースを版胴に取付けた状態
で、アンテナコイル及びICチップにより構成される共
振回路のインピーダンスが7.5mHとなるように設定
した。
胴の第1通孔に、下記の識別手段が収容された角筒状の
第2ケースの先端をゆっくり挿入していき、識別手段が
ICチップに記憶された版胴毎に固有の情報を表示部に
表示したときの識別手段(第2ケース)の挿入深さを測
定した。その結果を表1に示す。上記識別手段は図1に
示すように、磁芯部材を有しない空芯の送受信アンテナ
27と、この送受信アンテナ27に電気的に接続された
処理部28と、処理部28のCPUの制御出力に接続さ
れた表示部28とを有する。上記送受信アンテナ27及
び処理部28をプラスチック製の第2ケース32に収容
し、表示部29を第2ケース32の基端近傍の外側面に
取付けた。ここで送受信アンテナ27は第2ケース32
の先端近傍に位置させた。また実施例1〜5のアンテナ
コイルの導線の巻数は第1ケースを版胴に取付けた状態
で、アンテナコイル及びICチップにより構成される共
振回路のインピーダンスが7.5mHとなるように設定
した。
【0038】
【表1】
【0039】表1から明らかなように、実施例5のよう
に第1ケースを版胴本体の内周面に取付けた場合より、
実施例1〜4のように第1ケースを第1フランジ内面に
取付けた方が第2ケースの挿入深さは少なくて済むこと
が判った。これは実施例1〜4では送受信アンテナの軸
線がアンテナコイルの軸線に速やかに一致して、識別手
段がICチップに記憶された情報を読取ることができた
ためである。なお、実施例5では送受信アンテナの軸線
がアンテナコイルの軸線になかなか一致せず、第2ケー
スを100mm挿入して上記軸線が略一致したときに、
識別手段がICチップに記憶された情報を読取ることが
できた。
に第1ケースを版胴本体の内周面に取付けた場合より、
実施例1〜4のように第1ケースを第1フランジ内面に
取付けた方が第2ケースの挿入深さは少なくて済むこと
が判った。これは実施例1〜4では送受信アンテナの軸
線がアンテナコイルの軸線に速やかに一致して、識別手
段がICチップに記憶された情報を読取ることができた
ためである。なお、実施例5では送受信アンテナの軸線
がアンテナコイルの軸線になかなか一致せず、第2ケー
スを100mm挿入して上記軸線が略一致したときに、
識別手段がICチップに記憶された情報を読取ることが
できた。
【0040】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、版
胴にアンテナコイルとICチップを有する版胴識別用タ
グを取付け、ICチップに版胴に固有の情報を記憶し、
アンテナコイルと相互誘導作用する送受信アンテナを有
する識別手段が上記ICチップに記憶された情報を読取
るように構成したので、送受信アンテナをアンテナコイ
ルに近付けて所定の周波数の電波を発信すると、アンテ
ナコイルの相互誘導作用によりアンテナコイル及びIC
チップにより構成される共振回路が共振して、ICチッ
プが活性化される。このためICチップに記憶された版
胴固有の情報がアンテナコイルから発信されて送受信ア
ンテナにより受信される。この結果、識別手段は上記版
胴固有の情報を正確に読取ることができる。また、情報
量が制限される従来の版胴自体に刻印等で情報を付す方
法と比較して、本発明では多くの情報をICチップに正
確に記憶させることができる。また箱や棚を間違え易い
従来の箱や棚に札を付ける方法と比較して、本発明では
版胴を的確に管理することできる。
胴にアンテナコイルとICチップを有する版胴識別用タ
グを取付け、ICチップに版胴に固有の情報を記憶し、
アンテナコイルと相互誘導作用する送受信アンテナを有
する識別手段が上記ICチップに記憶された情報を読取
るように構成したので、送受信アンテナをアンテナコイ
ルに近付けて所定の周波数の電波を発信すると、アンテ
ナコイルの相互誘導作用によりアンテナコイル及びIC
チップにより構成される共振回路が共振して、ICチッ
プが活性化される。このためICチップに記憶された版
胴固有の情報がアンテナコイルから発信されて送受信ア
ンテナにより受信される。この結果、識別手段は上記版
胴固有の情報を正確に読取ることができる。また、情報
量が制限される従来の版胴自体に刻印等で情報を付す方
法と比較して、本発明では多くの情報をICチップに正
確に記憶させることができる。また箱や棚を間違え易い
従来の箱や棚に札を付ける方法と比較して、本発明では
版胴を的確に管理することできる。
【0041】またアンテナコイルが磁芯部材と、この磁
芯部材に巻回されたコイル部とを有すれば、アンテナコ
イルを扁平に形成することができ、かつ金属製の版胴へ
の取付面に沿って取付けることができる。即ち、磁芯部
材の磁化軸がこの磁芯部材の面内の方向であるため、ア
ンテナコイルを金属製の版胴に接するように取付けても
電波を確実に受信することができる。またアンテナコイ
ルから発信される電波が上記版胴で反射することはなく
版胴に吸収されることもない。またアンテナコイルの版
胴への取付面に導電性を有する板又は箔を介装すれば、
アンテナコイル及びICチップにより構成される共振回
路のインピーダンスを一定にして、共振周波数を所望の
値にすることができる。即ち、アンテナコイルが導電性
を有する板等により金属製の版胴から電磁気的に遮蔽さ
れるので、上記共振周波数が版胴の影響を受けなくな
る。
芯部材に巻回されたコイル部とを有すれば、アンテナコ
イルを扁平に形成することができ、かつ金属製の版胴へ
の取付面に沿って取付けることができる。即ち、磁芯部
材の磁化軸がこの磁芯部材の面内の方向であるため、ア
ンテナコイルを金属製の版胴に接するように取付けても
電波を確実に受信することができる。またアンテナコイ
ルから発信される電波が上記版胴で反射することはなく
版胴に吸収されることもない。またアンテナコイルの版
胴への取付面に導電性を有する板又は箔を介装すれば、
アンテナコイル及びICチップにより構成される共振回
路のインピーダンスを一定にして、共振周波数を所望の
値にすることができる。即ち、アンテナコイルが導電性
を有する板等により金属製の版胴から電磁気的に遮蔽さ
れるので、上記共振周波数が版胴の影響を受けなくな
る。
【0042】また版胴が円筒状の版胴本体と、版胴本体
の両端面に設けられ中心に第1及び第2通孔がそれぞれ
形成された第1及び第2フランジとを有し、アンテナコ
イル及びICチップを版胴の内部に取付け、可搬可能な
識別手段を第1又は第2通孔から挿入するように構成す
れば、版胴を長年使用しても、その交換時に版胴識別用
タグが他の部材と接触して、摩耗したり或いは脱落した
りすることはない。この結果、ICチップに記憶された
版胴固有の情報は消失しない。また識別手段を第1又は
第2通孔から挿入するだけで、ICチップに記憶された
版胴固有の情報を確実に読取ることができる。また版胴
識別用タグを第1又は第2フランジ内面に取付け、アン
テナコイルの軸線を版胴の半径方向と一致するように構
成すれば、識別手段を第1又は第2通孔に僅かに挿入し
ただけで、送受信アンテナの軸線がアンテナコイルの軸
線に一致する。この結果、識別手段の第1又は第2通孔
への挿入深さが比較的浅くて済み、版胴の読取り作業が
容易になるとともに、ICチップに記憶された版胴固有
の情報を確実に読取ることができる。
の両端面に設けられ中心に第1及び第2通孔がそれぞれ
形成された第1及び第2フランジとを有し、アンテナコ
イル及びICチップを版胴の内部に取付け、可搬可能な
識別手段を第1又は第2通孔から挿入するように構成す
れば、版胴を長年使用しても、その交換時に版胴識別用
タグが他の部材と接触して、摩耗したり或いは脱落した
りすることはない。この結果、ICチップに記憶された
版胴固有の情報は消失しない。また識別手段を第1又は
第2通孔から挿入するだけで、ICチップに記憶された
版胴固有の情報を確実に読取ることができる。また版胴
識別用タグを第1又は第2フランジ内面に取付け、アン
テナコイルの軸線を版胴の半径方向と一致するように構
成すれば、識別手段を第1又は第2通孔に僅かに挿入し
ただけで、送受信アンテナの軸線がアンテナコイルの軸
線に一致する。この結果、識別手段の第1又は第2通孔
への挿入深さが比較的浅くて済み、版胴の読取り作業が
容易になるとともに、ICチップに記憶された版胴固有
の情報を確実に読取ることができる。
【0043】また送受信アンテナが磁芯部材とこの磁芯
部材に巻回されたコイル部とを有し、送受信アンテナが
第1又は第2通孔に臨むように第1又は第2フランジに
載せたときに送受信アンテナがアンテナコイルと相互誘
導作用するように構成すれば、送受信アンテナの軸線が
アンテナコイルの軸線と完全には一致しないけれども、
送受信アンテナが第1又は第2通孔を通してアンテナコ
イルと相互誘導作用するので、識別手段がその版胴固有
の情報を読取ることができ、版胴固有の情報の読取り作
業がより容易になる。また送受信アンテナを識別手段か
ら突設し、識別手段を第1又は第2フランジに載せたと
きに上記送受信アンテナを第1又は第2通孔から版胴内
に挿入し、このとき送受信アンテナの軸線とアンテナコ
イルの軸線が同一線上になるように構成すれば、識別手
段の第1又は第2通孔からの挿入深さを調節する必要が
ないので、速やかにICチップに記憶された版胴固有の
情報を読取ることができる。
部材に巻回されたコイル部とを有し、送受信アンテナが
第1又は第2通孔に臨むように第1又は第2フランジに
載せたときに送受信アンテナがアンテナコイルと相互誘
導作用するように構成すれば、送受信アンテナの軸線が
アンテナコイルの軸線と完全には一致しないけれども、
送受信アンテナが第1又は第2通孔を通してアンテナコ
イルと相互誘導作用するので、識別手段がその版胴固有
の情報を読取ることができ、版胴固有の情報の読取り作
業がより容易になる。また送受信アンテナを識別手段か
ら突設し、識別手段を第1又は第2フランジに載せたと
きに上記送受信アンテナを第1又は第2通孔から版胴内
に挿入し、このとき送受信アンテナの軸線とアンテナコ
イルの軸線が同一線上になるように構成すれば、識別手
段の第1又は第2通孔からの挿入深さを調節する必要が
ないので、速やかにICチップに記憶された版胴固有の
情報を読取ることができる。
【0044】またICチップに記憶された情報を表示す
る表示部を識別手段に設ければ、ICチップに記憶され
た情報をその場で即座に知ることができる。更に識別手
段が入力部を有し、入力部により入力された情報をIC
チップに書込み可能に構成すれば、ICチップに記憶さ
れた版胴固有の情報を確実に読取ることができるだけで
なく、識別手段を用いてICチップに版胴固有の情報を
書込むことができる。
る表示部を識別手段に設ければ、ICチップに記憶され
た情報をその場で即座に知ることができる。更に識別手
段が入力部を有し、入力部により入力された情報をIC
チップに書込み可能に構成すれば、ICチップに記憶さ
れた版胴固有の情報を確実に読取ることができるだけで
なく、識別手段を用いてICチップに版胴固有の情報を
書込むことができる。
【図1】本発明第1実施形態の識別装置を含む版胴の縦
断面図。
断面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】その識別装置のブロック線図。
【図4】その版胴を有する印刷機の構成図。
【図5】本発明第2実施形態を示す図1に対応する縦断
面図。
面図。
【図6】本発明第3実施形態を示す図1に対応する縦断
面図。
面図。
【図7】本発明第4実施形態を示す図1に対応する縦断
面図。
面図。
【図8】本発明第5実施形態を示す図1に対応する縦断
面図。
面図。
11 印刷機 19,69,79 版胴 19a,69a,79a 版胴本体 19b,69b,79b 第1フランジ 19c,69c,79c 第2フランジ 19d 第1通孔 19e 第2通孔 21,61 版胴識別用タグ 22,62 アンテナコイル 22a アンテナコイルの磁芯部材 22b,62a アンテナコイルのコイル部 23 ICチップ 24 アルミ板(導電性板) 26,46,56 識別手段 27,47 送受信アンテナ 28g 入力部 29 表示部 47a 送受信アンテナの磁芯部材 47b 送受信アンテナのコイル部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八幡 誠朗 東京都千代田区大手町1丁目6番1号 知 財サービス株式会社内 Fターム(参考) 2C250 EA12 EB50
Claims (14)
- 【請求項1】 印刷機(11)の版胴(19,69,79)に取付けら
れる版胴識別用タグ(21,61)であって、 アンテナコイル(22,62)と前記コイルに電気的に接続さ
れ前記版胴(19,69,79)に固有の情報を記憶可能なICチ
ップ(23)とを備えたことを特徴とする印刷機の版胴識別
用タグ。 - 【請求項2】 アンテナコイル(22)が磁芯部材(22a)と
この磁芯部材(22a)に巻回されたコイル部(22b)とを有す
る請求項1記載の版胴識別用タグ。 - 【請求項3】 アンテナコイル(22)の版胴(19)への取付
面に導電性を有する板(24)、シート又は箔が介装された
請求項2記載の版胴識別用タグ。 - 【請求項4】 印刷機(11)の版胴(19,69,79)に取付けら
れた版胴識別用タグ(21,61)を識別手段(26,46,56)で識
別することにより前記版胴に固有の情報を得るように構
成された版胴の識別装置であって、 前記版胴識別用タグ(21,61)はアンテナコイル(22,62)と
前記コイルに電気的に接続され前記版胴固有の情報を記
憶可能なICチップ(23)とを有し、 前記識別手段(26,46,56)は前記アンテナコイル(22,62)
と相互誘導作用する送受信アンテナ(27,47)を有し前記
送受信アンテナを介して前記ICチップ(23)に記憶され
た情報を読取るように構成されたことを特徴とする印刷
機用版胴の識別装置。 - 【請求項5】 版胴識別用タグ(21,61)のアンテナコイ
ル(22)が磁芯部材(22a)とこの磁芯部材(22a)に巻回され
たコイル部(22b)とを有する請求項4記載の識別装置。 - 【請求項6】 版胴識別用タグ(21,61)のアンテナコイ
ル(22)の版胴(19)への取付面に導電性を有する板(24)、
シート又は箔が介装された請求項5記載の識別装置。 - 【請求項7】 版胴(19,69,79)が円筒状の版胴本体(19
a,69a,79a)と、前記版胴本体(19a,69a,79a)の両端面に
設けられ中心に第1通孔(19d)及び第2通孔(19e)がそれ
ぞれ形成された第1フランジ(19b,69b,79b)及び第2フ
ランジ(19c,69c,79c)とを有し、 版胴識別用タグ(21,61)が前記版胴(19,69,79)の内部に
取付けられ、 識別手段(26,46,56)が可搬可能であって前記第1通孔(1
9d)又は第2通孔(19e)から前記版胴内部に挿入可能に構
成された請求項4ないし6いずれか記載の識別装置。 - 【請求項8】 版胴識別用タグ(21,61)が第1フランジ
(19b,69b,79b)又は第2フランジ(19c,69c,79c)内面に取
付けられた請求項7記載の識別装置。 - 【請求項9】 版胴識別用タグ(21,61)のアンテナコイ
ル(22,62)の軸線が版胴(19,69,79)の半径方向と一致す
るように構成された請求項7又は8記載の識別装置。 - 【請求項10】 識別手段(46)の送受信アンテナ(47)が
磁芯部材(47a)とこの磁芯部材(47a)に巻回されたコイル
部(47b)とを有し、 前記識別手段(46)を第1通孔(19d)又は第2通孔(19e)に
臨むように第1フランジ(19b)又は第2フランジ(19c)に
載せたときに前記送受信アンテナ(47)がアンテナコイル
(22)と相互誘導作用するように構成された請求項8又は
9記載の識別装置。 - 【請求項11】 識別手段(56)から送受信アンテナ(27)
が突設され、前記識別手段(56)を第1フランジ(19b)又
は第2フランジ(19c)に載せたときに前記送受信アンテ
ナ(27)が第1通孔(19d)又は第2通孔(19e)から版胴(19)
内部に挿入可能に構成された請求項8又は9記載の識別
装置。 - 【請求項12】 識別手段(56)の挿入状態で送受信アン
テナ(27)の軸線とアンテナコイル(22)の軸線が同一線上
になるように前記送受信アンテナ(27)が突設された請求
項11記載の識別装置。 - 【請求項13】 版胴識別用タグ(21,61)のICチップ
(23)に記憶された情報を表示する表示部(29)が識別手段
(26,46,56)に設けられた請求項4ないし12いずれか記
載の識別装置。 - 【請求項14】 識別手段(26,46,56)が入力部(28g)を
有し、版胴識別用タグ(21,61)のICチップ(23)に前記
入力部(28g)により入力された情報を書込み可能に構成
された請求項4ないし13いずれか記載の識別装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37249399A JP2001179932A (ja) | 1999-12-28 | 1999-12-28 | 印刷機の版胴識別用タグ及びこれを用いた版胴の識別装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37249399A JP2001179932A (ja) | 1999-12-28 | 1999-12-28 | 印刷機の版胴識別用タグ及びこれを用いた版胴の識別装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001179932A true JP2001179932A (ja) | 2001-07-03 |
Family
ID=18500539
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP37249399A Pending JP2001179932A (ja) | 1999-12-28 | 1999-12-28 | 印刷機の版胴識別用タグ及びこれを用いた版胴の識別装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001179932A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001353842A (ja) * | 2000-06-14 | 2001-12-25 | Dainippon Printing Co Ltd | 非接触式データキャリアおよびシリンダ装置 |
JP2001357366A (ja) * | 2000-06-14 | 2001-12-26 | Dainippon Printing Co Ltd | アンテナ装置およびリーダライタ装置 |
JP2002127369A (ja) * | 2000-10-19 | 2002-05-08 | Think Laboratory Co Ltd | 製版・印刷用ロール及び製版・印刷用ロールの管理方法 |
JP2002292833A (ja) * | 2001-04-03 | 2002-10-09 | Toppan Forms Co Ltd | 印刷用シリンダー及び該印刷用シリンダーの管理方法 |
JP2007168246A (ja) * | 2005-12-21 | 2007-07-05 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 印刷基材 |
-
1999
- 1999-12-28 JP JP37249399A patent/JP2001179932A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001353842A (ja) * | 2000-06-14 | 2001-12-25 | Dainippon Printing Co Ltd | 非接触式データキャリアおよびシリンダ装置 |
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JP4592876B2 (ja) * | 2000-06-14 | 2010-12-08 | 大日本印刷株式会社 | アンテナ装置およびリーダライタ装置 |
JP4721203B2 (ja) * | 2000-06-14 | 2011-07-13 | 大日本印刷株式会社 | 非接触式データキャリアおよびシリンダ装置 |
JP2002127369A (ja) * | 2000-10-19 | 2002-05-08 | Think Laboratory Co Ltd | 製版・印刷用ロール及び製版・印刷用ロールの管理方法 |
JP4671486B2 (ja) * | 2000-10-19 | 2011-04-20 | 株式会社シンク・ラボラトリー | 製版・印刷用ロールの管理方法 |
JP2002292833A (ja) * | 2001-04-03 | 2002-10-09 | Toppan Forms Co Ltd | 印刷用シリンダー及び該印刷用シリンダーの管理方法 |
JP2007168246A (ja) * | 2005-12-21 | 2007-07-05 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 印刷基材 |
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