JP2007001030A - 印刷基材用円筒状クッション体の製造方法及び円筒状印刷原版の製造方法 - Google Patents

印刷基材用円筒状クッション体の製造方法及び円筒状印刷原版の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】円筒状印刷版に使用される継ぎ目がない印刷基材用円筒状クッション体の簡便な製造方法、及び連続図柄の印刷が可能であるクッション層を有する円筒状印刷原版の簡便な製造方法の提供。
【解決手段】円筒状支持体(A)上にシート状クッションテープ(b)を貼り付け、円筒状クッション層(B)を製造する方法であって、円筒状支持体(A)上にシート状クッションテープ(b)を両端部が重ならないように巻きつけた際に、該シート状クッションテープ(b)両端部の接合部位に存在する凹部に、厚さ0.01mm以上0.5mm以下のシーリングフィルム(C)を橋かけして貼ることを特徴とする印刷基材用円筒状クッション体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、印刷機に装着して用いる継ぎ目のないクッション層を有する印刷基材用円筒状クッション体の製造方法及び印刷基材用円筒状クッション体を用いた円筒状印刷原版の製造方法に関する。
段ボール、紙器、紙袋、軟包装用フィルムなどの包装材、壁紙、化粧板などの建築材やラベルなどの印刷にはフレキソ印刷が用いられ、その比率は各種印刷方式の中でも高まっている。これに用いられる印刷版の製作には、通常、感光性樹脂組成物が用いられることが多く、液状の感光性樹脂組成物、または、板状に成型された固体型感光性樹脂組成物を用い、ネガフィルムを感光性樹脂組成物層の上に置き、ネガフィルムを通して、光を照射し架橋反応を起こさせた後、非架橋部分を現像液で洗い落とすという方法が用いられてきた。近年、感光性樹脂組成物表面にブラックレイヤーという薄い光吸収層を設け、これにレーザー光を照射し、感光性樹脂組成物上に直接マスク画像を形成後、そのマスクを通して光を照射し架橋反応を起こさせた後、光の日照射部分の非架橋部分を現像液で洗い落とす、いわゆるフレキソCTPという技術が開発され、印刷版製作の効率改善から、採用が進みつつある。
通常、フレキソ印刷版はシリンダー上に両面接着テープなどで固定されて印刷に使用されるが、近年では印刷品目の切り替え時間の短縮の点から、ニッケルなどの金属、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維を含んだ繊維強化プラスチックからなる円筒状支持体を用い、その円筒状支持体の表面に粘着剤を介して印刷版を取り付けて使用する印刷方法も増加している。
印刷品質、特にプロセス印刷おけるハイライト部の印刷品質、更には印刷における印圧変動に由来する品質の安定化の点から、円筒状支持体とフレキソ印刷版の間にクッション層を設けることが提案されている。クッション層として、独立または連続の気泡を含むポリエチレンまたはポリウレタンの弾性発泡体シートの両面に粘着剤を配した粘着剤付きのシート状クッションテープを用いることが行われ、例えば、特開2003−49137号公報、特表2004−505800号公報、特表2005−514237号公報ではシート状クッションテープの提案が行われている。
また、特開平7−28229号、特開平9−160224号、特開平11−184072号の各公報では、作業の簡略化と厚み精度確保を目的として、印刷版とクッションシートを一体化させてものを提案している。これら印刷版とクッションシートを一体化させたものは両面テープを用いて円筒状支持体に固定され実施されている。
このような従来使用されているシート状に製版して得られたフレキソ印刷版を、円筒状スリーブコア層上に両面テープや両面粘着層付きのシート状クッションテープで貼り付けることにより固定したものはシート状印刷版端部に生じる隙間のため、連続図柄のような継ぎ目の印刷には使用できなかった。これに対し、特開平9−274310号公報などに記載されているような(メタ)アクリル基を分子中に有するモノマーを用いて、印刷版の端面を処理し、次いで液状の光硬化性樹脂を感光性樹脂版端面同士の隙間に注入し、紫外線処理を行なうなどの方法が提案された。しかしながら、印刷版と円筒状支持体の間に位置するクッション層の継ぎ目に関しては何の記述もない。
継ぎ目のない、張り込み精度を向上させた印刷原版として、特開2000−267264号公報、特開2003−25749号公報にはスリーブコア層に接着剤、クッション層などを介して、感光性樹脂組成物を積層し、その円筒状印刷原版を製版することによって、スリーブコア層に印刷版を張り込む工程を省略化することが提案されている。また、これら特開2000−267264号公報、特開2003−25749号公報では、シート型感光性樹脂組成物を巻きつけ、加温することで感光性樹脂組成物を溶融させ、端部同士を融着させ、グラインダーで感光性樹脂組成物表面を研摩して継ぎ目をなくし、連続図柄の印刷に対応させることも記述されている。
上述したように、印刷版層については継ぎ目のない印刷版層が提案されているが、印刷層と円筒状支持体層の間にあるクッション層についても継ぎ目をなくすことが、連続図柄の印刷を行う場合には求められる。クッション層に継ぎ目が存在する場合には周辺部と衝撃吸収性が異なるため、クッション層継ぎ目に相当する部分で周辺部と異なる印刷品質が発生することになり、連続図柄の種類によっては、印刷品質に問題が生じる可能性がある。
クッション層の継ぎ目に関しては、特開2003−25749号公報では、円筒状支持体表面に接着剤を塗布し、所定の厚み、及び幅のシート状クッション材を円筒状支持体の両端部よりらせん状に巻き付け、該シート状クッション材の端部間を互いに押し付けるようにしながら、クッション材端部間に間隙が生じないように巻きつけ、この後、加熱オーブン中で円筒状支持体に塗布した接着剤の硬化と共にクッション材の接着との接着を行い、得られたクッション層表面をグラインダーなどで研磨し、表面を均一化するとともに所定の厚みに調整し、継ぎ目のないクッション層を作成することが提案されている。しかしながら、この方法では多くの工程を有するため、作業効率が低いという問題があった。
特開2004−255811号、特開2004−255812号の各公報では継ぎ目のない、隔壁を有するクッション層が提案されている。しかしながら、このクッション層は熱膨張性カプセルを添加した樹脂層を円筒状支持体に積層し、その後、加熱してクッション層を作成しており、クッション層作成工程が複雑であり、そのため、作業効率に課題があった。
また、特表平7−505840号公報では可撓性支持体、クッション層、レーザー彫刻可能な印刷版層をこの順序で積層したシート状多層印刷版に関する記述があり、その中で円筒状支持体上に前記シート状多層印刷を巻き付け、継ぎ目の部分を溶着させる方法が述べられている。しかしながら、この方法は円筒状支持体への貼り付け工程、継ぎ目の融着工程、更には継ぎ目の部分で盛り上がった部分を圧縮する工程が必要であり、複雑な工程が必要になるなどの問題があった。
近年、製版工程において、現像工程が不要な製版技術が提案されており、その方法として、レーザーにて直接印刷原版を彫刻する方法が特開2004−314334号公報、特開2004−262136号公報、特開2004−262135号公報で提案されている。これら各公報では、スリーブコア層、必要に応じてクッション層、液状の感光性樹脂組成物を光硬化させた層を積層し、継ぎ目のない円筒状印刷原版について提案を行っており、これらの印刷原版をレーザー彫刻することによって印刷画像の彫刻を行い、印刷版としている。これらの各公報ではエラストマー、例えば、熱可塑性エラストマー、光硬化型エラストマー、熱硬化型エラストマー、硫黄架橋型ゴム、有機過酸化物、フェノール樹脂初期縮合物、キノンジオキシム、金属酸化物、チオ尿素などの非硫黄架橋型ゴム、テレケリック液状ゴムを3次元架橋させたゴムなどからなるクッション層を提案している。しかしながら、各エラストマーを使用する場合についてもエラストマーを巻きつける工程、必要に応じて架橋させる工程、厚み調整を行う工程などが必要なため、複雑な工程が必要であるとの課題を有していた。更にはクッション層の継ぎ目に関する記載はない。
上述したように円筒状印刷版に使用される継ぎ目がない印刷基材用円筒状クッション体を簡便に製造する、更には連続図柄の印刷が可能である、クッション層を有する円筒状印刷原版を簡便に製造する方法は見出されていないのが現状であった。
特開2003−49137号公報 特表2004−505800号公報 特表2005−514237号公報 特開平7−28229号公報 特開平9−160224号公報 特開平11−184072号公報 特開平9−274310号公報 特開2000−267264号公報 特開2003−25749号公報 特開2004−255811号公報 特開2004−255812号公報 特開平7−505840号公報 特開平2004−314334号公報 特開平2004−262136号公報 特開平2004−262135号公報
本発明は円筒状印刷版に使用される継ぎ目がない印刷基材用円筒状クッション体を簡便に製造する、更には連続図柄の印刷が可能である、クッション層を有する円筒状印刷原版を簡便に製造する方法の提供。
本発明者は、鋭意検討し、円筒状支持体(A)上にシート状クッションテープ(b)を貼り付け、円筒状クッション層(B)を製造する方法であって、円筒状支持体(A)上にシート状クッションテープ(b)を両端部が重ならないように巻きつけた際に、該シート状クッションテープ(b)両端部の接合部位に存在する凹部に、厚さ0.01mm以上0.5mm以下のシーリングフィルム(C)を橋かけして貼ることによって、継ぎ目がない印刷基材用円筒状クッション体を簡便に製造方法を、円筒状支持体(A)、円筒状クッション層(B)、印刷層(D)からなる円筒状印刷原版の製造方法であって、円筒状支持体(A)、円筒状クッション層(B)、印刷層(D)からなる円筒状印刷原版の製造方法であって、円筒状支持体(A)上にシート状クッションテープ(b)を貼り付ける工程、円筒状支持体(A)上にシート状クッションテープ(b)を両端部が重ならないように巻きつけた際に該シート状クッションテープ(b)両端部の接合部位に存在する凹部に、厚さ0.01mm以上0.5mm以下のシーリングフィルム(C)を橋かけして貼る工程、印刷層(D)を円筒状クッション層(B)に積層する工程からなることを特徴とする円筒状印刷原版の製造方法によって、連続図柄の印刷が可能である、クッション層を有する円筒状印刷原版を簡便に製造する方法を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記の通りである。
1.円筒状支持体(A)上にシート状クッションテープ(b)を貼り付け、円筒状クッション層(B)を製造する方法であって、円筒状支持体(A)上にシート状クッションテープ(b)を両端部が重ならないように巻きつけた際に、該シート状クッションテープ(b)両端部の接合部位に存在する凹部に、厚さ0.01mm以上0.5mm以下のシーリングフィルム(C)を橋かけして貼ることを特徴とする印刷基材用円筒状クッション体の製造方法。
2.シーリングフィルム(C)がポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンチオエーテルからなる群から選択される少なくとも1種類の樹脂からなるフィルムを含むことを特徴とする1.に記載の印刷基材用円筒状クッション体の製造方法。
3.シーリングフィルム(C)が粘着剤層あるいは接着剤層が積層塗布されたフィルムからなることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷基材用円筒状クッション体の製造方法。
4.シート状クッションテープ(b)において寸法安定基材を含むことを特徴とする1.から3.のいずれかに記載の印刷基材用円筒状クッション体の製造方法。
5.シーリングフィルム(C)の幅が1mm以上50mm以下であることを特徴とする1.から4.のいずれかに記載の印刷基材用円筒状クッション体の製造方法。
6.該シート状クッションテープ(b)を円筒状支持体上(A)にシート状クッションテープ(b)両端部が重ならないように巻きつけた際の該シート状クッションテープ(b)両端部の接合部位に存在する凹部幅が0.01mm以上30mm以下であることを特徴とする1.から5.のいずれかに記載の印刷基材用円筒状クッション体の製造方法。
7.円筒状支持体(A)、円筒状クッション層(B)、印刷層(D)からなる円筒状印刷原版の製造方法であって、円筒状支持体(A)上にシート状クッションテープ(b)を貼り付ける工程、円筒状支持体(A)上にシート状クッションテープ(b)を両端部が重ならないように巻きつけた際に該シート状クッションテープ(b)両端部の接合部位に存在する凹部に、厚さ0.01mm以上0.5mm以下のシーリングフィルム(C)を橋かけして貼る工程、印刷層(D)を円筒状クッション層(B)に積層する工程からなることを特徴とする円筒状印刷原版の製造方法。
8.シーリングフィルム(C)がポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンチオエーテルを特徴とする7.に記載の円筒状印刷原版の製造方法。
9.シート状クッションテープ(b)が寸法安定基材を含むことを特徴とする7.または8.に記載の円筒状印刷原版の製造方法。
10.シーリングフィルム(C)の幅が1mm以上50mm以下であることを特徴とする7.から9.のいずれかに記載の印刷用円筒状クッション層の製造方法。
11.該シート状クッションテープ(b)を円筒状支持体上(A)にシート状クッションテープ(b)両端部が重ならないように巻きつけた際の該シート状クッションテープ(b)両端部の接合部位に存在する凹部幅が0.01mm以上30mm以下であることを特徴とする7.から10.のいずれかに記載の印刷用円筒状クッション層の製造方法。
12.印刷層(D)が感光性樹脂組成物(d)を光硬化させることからなり、シート状クッションテープ(b)の両端部の接合部位に存在する凹部に、厚み0.01mm以上0.5mm以下のシーリングフィルム(C)を貼り付けた円筒状クッション層(B)上に、数平均分子量1000以上30万以下の樹脂(d−1)、数平均分子量1000未満でその分子内に重合性不飽和基を有する有機化合物(d−2)、光重合開始材(d−3)を含有する感光性樹脂組成物(d)を積層し、積層された該感光性樹脂組成物(d)を光硬化させ印刷層(D)とする工程を含むことを特徴とする7.から10.のいずれかに記載の円筒状印刷原版の製造方法。
13.感光性樹脂組成物(d)が、20℃において液状であることを特徴とする12.に記載の円筒状印刷原版の製造方法。
14.印刷層(D)が継ぎ目のないことを特徴とする7.から13.のいずれかに記載の円筒状印刷原版。
15.7.から14.にいずれかに記載の円筒状印刷原版を製版して凹凸パターンを形成することによって得られることを特徴とする印刷版。
本発明により、円筒状印刷版に使用される継ぎ目がない印刷基材用円筒状クッション体を簡便に製造する、更には連続図柄の印刷が可能である、クッション層を有する円筒状印刷原版を簡便に製造する方法を提供することができる。
以下、本発明について、特にその好ましい態様を中心に、具体的に説明する。
本発明に使用する円筒状支持体(A)は、ニッケル、ステンレス、鉄、アルミなどの金属からなる金属スリーブ、プラスチックスリーブ、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維を強化繊維とし、マトリックスに不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂を用いた繊維強化プラスチック(FRP)スリーブ、高分子フィルムスリーブ等を用いることができる。FRPスリーブは取り扱いの観点から好ましく、例えば、「FRP成型の実際」(森本尚夫著、株式会社高分子刊行会発行、1984年)に記載されているFRPを用いることができる。
これらの円筒状支持体(A)の厚みは薄いものでは0.1mmから、厚いものでは5mm以上のものも使用できる。本発明で使用できる円筒状支持体(A)は公知の円筒状支持体を用いることができる。使用できる円筒状支持体(A)の特性としては、例えば、6バール程度の圧縮空気圧でスリーブコア層の内径が膨張でき、当該圧縮空気圧が開放された後に元の内径に戻るような特性を有し、これらスリーブコア層が有する巻き締まり特性が印刷胴上で機能することによって版胴上で固定され、印刷上支障なく使用できるものである。
また本発明で用いる円筒状支持体(A)の表面に物理的、化学的処理を行なうことにより、円筒状クッション層(B)との接着を向上させることができる。物理的処理方法としてはサンドブラスト法、微粒子を含有して液体を噴射するウェットブラスト法、コロナ放電処理法、プラズマ処理法、紫外線あるいは真空紫外線照射法などを挙げることができる。また、化学的処理方法としては、強酸、強アルカリ処理、酸化剤処理、カップリング剤処理法などである。
本発明で使用するシート状クッションテープ(b)は例えば、ポリウレタン、ポリエチレンなどのポリオレフィン、シリコーンあるいはエチレン・プロピレンジエンなどの合成ゴム、ポリスチレンブロックを有するブロックコポリマー、ポリ塩化ビニルをバインダーとする連続及び/または独立の微細な気泡を有する弾性発泡体等である。その密度は0.01〜0.8g/cmが好ましく、より好ましくは0.1〜0.8g/cm、更に好ましくは0.2〜0.8g/cmである。また、クッション層の厚みは好ましくは0.1mm〜3.0mmであり、より好ましくは0.1〜2.0mmであり、更に好ましくは0.2〜2.0mmである。
弾性発泡体層の片面、もしくは両面に、円筒状支持体(A)、印刷層(D)との接着力向上の観点から、公知の接着剤及び粘着材を設けることができる。接着剤もしくは粘着剤としては、(メタ)アクリル樹脂、シリコン樹脂、ポリスチレンブロックを有するブロックコポリマー、ポリアミドを挙げることができる。更には「接着・粘着の事典」(山口章三郎監修、株式会社朝倉書店発行、1986年)を参照することができる。
クッション層の密度や厚さは印刷層(D)の材質特性、例えば、ショアーA硬度や印刷内容によって選択され用いられる。
シート状クッションテープ(b)は取り扱い性の観点から、少なくとも1層の寸法安定基材を有していることが好ましい。この寸法安定基材に前述した弾性発泡体を設けることが、シート状クッションテープ(b)の取り扱いや弾性発泡層の寸法安定の点からも好ましい。更に好適には寸法安定基材はシート状クッションテープ(b)に1層のみ含有されることが好ましい。この寸法安定層は印刷品質やインキ溶剤に対する弾性発泡層の保護の観点から、印刷層(D)側にあることが好ましく、この場合、円筒状支持体(A)の側から、弾性発泡層、寸法安定基材の順に構成されるシート状クッションテープ(b)を積層することになる。
この寸法安定基材としては公知のポリマーフィルムを用いることができ、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルムなどを使用することができる。円筒状支持体(A)に巻きつけたときのハンドリングの観点から、寸法安定基材としてはPETフィルムが好ましい。
寸法基材の厚みとしては0.005mm〜0.25mmが好ましく、より好ましくは0.005mm〜0.2mmであり、更に好ましくは0.005mm〜0.1mmである。
寸法安定基材の片面、もしくは両面に、弾性体発泡層、円筒状支持体(A)、印刷層(D)との接着力向上の観点から、公知の接着剤及び粘着材を設けることができる。接着剤もしくは粘着剤としては、(メタ)アクリル樹脂、シリコン樹脂、ポリスチレンブロックを有するブロックコポリマー、ポリアミドを挙げることができる。更には「接着・粘着の事典」(山口章三郎監修、株式会社朝倉書店発行、1986年)を参照することができる。
寸法安定基材の片面、もしくは両面に、弾性発泡層、円筒状支持基材(A)、印刷層(D)との接着力向上の観点から、公知の表面処理を行うことができる。例えば、サンドブラスト法、微粒子を含有して液体を噴射するウェットブラスト法、コロナ放電処理法、プラズマ処理法、紫外線あるいは真空紫外線照射法などを挙げることができる。また、化学的処理方法としては、強酸、強アルカリ処理、酸化剤処理、カップリング剤処理法などを挙げることができる。更には「表面解析・改質の科学」(日本接着学会編、日刊工業新聞社発行、2003年)を参照することができる。
シート状クッションテープ(b)の製造方法は公知の技術を用いることができ、例えば、特開2003−49137号公報、特表2004−505800号公報、特表2005−514237号公報をその例として挙げることができる。
また、本発明のシート状クッションテープ(b)として市販のシート状クッションテープを使用することもでき、例えば、住友スリーエム株式会社製「クッションマウントプラス」(商標)シリーズ、テサテープ株式会社製「ソフトプリント」(商標)シリーズを挙げることができる。
本発明で使用することができるシーリングフィルム(C)は公知のポリマーフィルムを使用することができる。取り扱いの観点から、厚みは0.01mm以上0.5mm以下であることが必要であり、その厚みは好ましくは0.01mm以上0.3mm以下であり、更に好ましくは0.01mm以上0.2mm以下である。
シーリングフィルム(C)の幅は、シーリングフィルム(C)を貼るときのハンドリングの観点から、1mm以上50mm以下が好ましく、より好ましくは5mm以上50mm以下であり、更に好ましくは5mm以上30mm以下である。シーリングフィルム(C)を貼るときの橋かけの容易さの観点から、シーリングフィルム(C)の幅はシート状クッションテープ(b)の継ぎ目部分の凹部の幅より大きいことが好ましく、シーリングフィルム(C)の幅とシート状クッションテープ(b)の幅との差は、好ましくは1mm以上30mm以下、より好ましくは3mm以上30mm以下、更に好ましくは5mm以上30mm以下である。
シーリングフィルム(C)がポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアミドイミド、ポリスルホンイミド、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンチオエーテルからなる群から選択される少なくとも一種類の樹脂からなるフィルムであることが印刷品質の点から好ましい。特に、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルムは取り扱い性、印刷品質への影響の点から好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレートをポリエステルフィルムの例として、ポリエチレン、ポリプロピレンをポリオレフィンフィルムの例として挙げることができる。
シート状クッションテープ(b)の継ぎ目凹部に対する橋かけの弾性の観点から、シーリングフィルム(C)の樹脂の曲げ弾性率は200Mpa以上5000Mpa以下、好ましくは500Mpa以上5000Mpa以下、よりこのましくは500Mpa以上4000Mpa以下である。この範囲であれば、シート状クッションテープ(b)の継ぎ目凹部をシーリングしたときに十分な強度を有することができる。
シーリングフィルム(C)の片面、もしくは両面に、クッション層(B)を形成するシート状クッションテープ(b)、印刷層(D)との接着力向上の観点から、公知の接着剤及び粘着材を積層塗布により設けることができる。(メタ)アクリル樹脂、シリコン樹脂、ポリスチレンブロックを有するブロックコポリマー、ポリアミドを挙げることができる。更には「接着・粘着の事典」(山口章三郎監修、株式会社朝倉書店発行、1986年)を参照することができる。
シーリングフィルム(C)の片面、もしくは両面に、クッション層(B)を形成するシート状クッションテープ(b)、印刷層(D)との接着力向上の観点から、公知の表面処理を行うことができる。例えば、サンドブラスト法、微粒子を含有して液体を噴射するウェットブラスト法、コロナ放電処理法、プラズマ処理法、紫外線あるいは真空紫外線照射法などを挙げることができる。また、化学的処理方法としては、強酸、強アルカリ処理、酸化剤処理、カップリング剤処理法などを挙げることができる。更には「表面解析・改質の科学」(日本接着学会編、日刊工業新聞社発行、2003年)を参照することができる。
シーリングフィルム(C)としては粘着剤が、片面、もしくは両面に付与されたテープが市販されており、本発明でも使用することができ、例えば、住友スリーエム株式会社製「スコッチ」(商標)、日東電工株式会社製両面テープを挙げることができる。
本発明の印刷層(D)は公知の印刷原版を使用し、円筒状クッション体上に積層し、印刷層(D)とすることができるが、生産効率の観点から、製版工程が不要なレーザーによる直接彫刻によって印刷版を得ることのできる印刷原版が印刷層(D)として好ましい。レーザーによる直接彫刻によって印刷版を得ることができる印刷層(D)を形成する材料として、熱架橋性ゴム、熱硬化性樹脂、感光性樹脂組成物等を挙げることができる。生産性を上げる観点から感光性樹脂組成物(d)を用いることが好ましい。感光性樹脂組成物は特に限定するものではないが、20℃において液状の感光性樹脂組成物、20℃において固体状の感光性樹脂組成物を用いることができる。
さらには液状型感光性樹脂組成物を光硬化させ、印刷層(D)とすることが、継ぎ目のない印刷画像の形成の観点から好ましく、特開2004−314334号公報、特開2004−262136号公報、特開2004−262135号公報、特開2004−255812号公報、特開2004−255811号公報の各記載の液状型感光性樹脂組成物を液状型感光性樹脂組成物の例として挙げることができる。
本発明に使用できる感光性樹脂樹脂組成物(d)は樹脂(d−1)、重合性不飽和基を有する有機化合物(d−2)、光重合開始剤(d−3)を含有し、20℃において液状であることが好ましい。この感光性樹脂組成物をシート状に成型後、光照射し、硬化させ、円筒状クッション層(B)を有する円筒状支持体(A)に積層し、印刷原版とし、レーザーによる直接彫刻することで印刷版とすることができるもできるが、連続図柄の印刷の観点からは液状型感光性樹脂組成物を円筒状クッション層(B)を有する円筒状支持体(A)上で円筒状に成型した後、光照射し、印刷原版とし、その後、レーザー彫刻し、印刷版とすることが好ましい。
樹脂(d−1)は20℃で液状であることが好ましい。ここで言う液状の樹脂とは容易に流動変形し、かつ冷却により変形された形状に固化できるという性質を有する高分子体を意味し、外力を加えたときに、その外力に応じて瞬時に変形し、かつ外力を除いたときには短時間に元の形状を回復する性質を有するエラストマーに対応する言葉である。樹脂(d−1)が20℃において液状樹脂であれば、感光性樹脂組成物も液状となる。これから得られるレリーフ画像作成用原版を円筒状に成型するとき、良好な厚み精度や寸法精度を得ることができる感光性樹脂組成物(d)は、好ましくは20℃における粘度が10Pa・s以上10kPa・s以下である。
さらに好ましくは50Pa・s以上5kPa・s以下である。10Pa・s以上であれば、作製される印刷原版の機械的強度が十分であり、円筒状印刷原版に変形するときであっても形状を保持し易く、加工し易い。粘度が10kPa・s以下であれば、常温でも変形し易く、加工が容易である。本発明に使用できる感光性樹脂組成物(d)は円筒状の印刷原版に成型し易く、プロセスも簡便である。
本発明の樹脂(d−1)は、特にその組成は限定されない。好ましくは樹脂(d−1)として数平均分子量1000以上10万以下、より好ましくは2000以上5万以下、更に好ましくは5000以上5万以下である。樹脂(d−1)の数平均分子量が1000以上であれば、後に架橋して作成する原版が強度を保ち、この原版から作成したレリーフ画像は強く、印刷版などとして用いる場合、繰り返しの使用にも耐えられる。また、樹脂(d−1)の数平均分子量の上限は10万以下が好ましい。10万以下であれば、感光性樹脂組成物(d)の粘度が過度に上昇することもなく、シート状、あるいは円筒状のレーザー彫刻印刷原版を作成する際に過熱押し出しなどの複雑な工法は必要ない。ここで言う数平均分子量とはゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定し、分子量既知のポリスチレンで検量換算した値である。
用いる樹脂(d−1)としては、液状化し易い樹脂や分解し易い樹脂が好ましい。分解し易い樹脂としては、分子中に分解し易いモノマー単位としてα―メチルスチレン、α−メトキシスチレン、アクリルエステル類、メタクリエステル類、エステル化合物、エーテル化合物、ニトロ化合物、カーボネート化合物類、カルバモイル化合物、ヘミアセタールエステル化合物類、オキシエチレン化合物、脂肪族環状化合物などが含まれていることが好ましい。特にポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラエチレングリコールなどのエーテル類、脂肪族ポリカーボネート類、脂肪族カルバネート類、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ニトロセルロース、ポリオキシエチレン、ポリノルボルネン、ポリシクロヘキサンジエン水添物、あるいは分岐構造の多いデンドリマーなどの分子構造を有するポリマーは、分解し易いものの代表例である。
また、分子中に酸素原子を多数含有するポリマーが分解性の観点から好ましい。これらの中でもカーボネート基、カルバメート基、メタクリル基をポリマー主鎖中に有する化合物は熱分解性が高く好ましい。例えば、(ポリ)カーボネートジオールや(ポリ)カーボネートジアミンを原料として合成したポリアミドなどを熱分解性の良好なポリマーとして挙げることができる。これらのポリマー主鎖、側鎖に重合性不飽和基を含有しているものであっても構わない。特に、末端に水酸基、アミノ基、カルボキシル基などの反応性官能基を有する場合には、主鎖末端に重合性不飽和基を導入することも容易である。
樹脂(d−1)は分子内に重合性不飽和基を有しても構わない。特に好ましいものとしては1分子あたり平均で0.7以上の重合性不飽和基を有するポリマーを挙げることができる。1分子あたり平均で0.7以上であれば、本発明の、樹脂組成物より得られる印刷原版の機械強度に優れ、レーザー彫刻時にレリーフ形状が崩れ難くなる。さらにその耐久性も良好で、繰り返しの使用にも耐えられるものとなり好ましい。印刷版原版の機械強度を考慮すると、樹脂(d−1)の重合性不飽和基は1分子あたり0.7以上が好ましく、1を超える量が更に好ましい。ここで言う分子内とは高分子主鎖の末端、高分子側鎖の末端や高分子主鎖中や側鎖中に直接、重合性不飽和基が付いている場合なども含まれる。
樹脂(d−1)の例として、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのポリジエン類、ポリ塩化ビニルポリ塩化ビニリデンなどのポリハロオレフィン類、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリアクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステル類、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリビニルエーテルなどのC−C連鎖高分子の他、ポリフェニレンエーテルなどのポリエーテル類、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリウレタン、ナイロン、ポリウレア、ポリイミドなどの主鎖にヘテロ原子を有する高分子などからなる群より選ばれる1種若しくは2種以上のものを用いることができる。複数の高分子を用いる場合の形態としては共重合体、ブレンドのどちらでもよい。
特にフレキソ印刷版用途のように柔軟なレリーフ画像が必要な場合には樹脂(d−1)として、一部、ガラス転移温度が20℃以下の液状樹脂、更に好ましくはガラス転移温度0℃以下の液状樹脂を用いることが好ましい。このような液状樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリブタジエン、水添ポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリイソプレンなどの炭化水素類、アジペート、ポリカプロラクトンなどのポリエステル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラエチレングリコールなどのポリエーテル類、脂肪族ポリカーボネート、ポリジメチルシロキサンなどのシリコーン類、(メタ)アクリル酸及び/またはその誘導体の重合体及びこれらの混合物やコポリマー類が挙げられる。その含有量は樹脂(d−1)全体に対して30wt%以上含有することが好ましい。
樹脂(d−1)を製造する方法としては、例えば直接、重合性の不飽和基をその分子末端に導入したものを用いても良いが、別法として、水酸基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基、ケトン基、ヒドラジン基、イソシアネート基、環状カーボネート基、エステル基などの反応性基を複数有する数千程度の分子量の上記成分の反応性基と結合しうる基を複数有する結合剤(例えば水酸基やアミノ基の場合のポリイソシアネートなど)を反応させ、分子量の調節、及び末端の結合性基への変換を行った後、この末端結合基と反応する基と重合性不飽和基を有する有機化合物と反応させて末端に重合性不飽和基を導入する方法が好適に挙げられる。
本発明の有機化合物(d−2)はラジカル重合反応に関与する不飽和結合を有した化合物であり、樹脂(d−1)との希釈のし易さを考慮すると数平均分子量は1000以下が好ましい。有機化合物(d−2)は例えば、エチレン、プロピレン、スチレン、ジビニルベンゼンなどのオレフィン類、アセチレン類、(メタ)アクリル酸及びその誘導体、ハロオレフィン類、アクリロニトリルなどの不飽和ニトリル類、(メタ)アクリルアミド及びその誘導体、アリルアルコール、アリルイソシアネートなどのアリル化合物、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸などの不飽和ジカルボン酸及びその誘導体、酢酸ビニル類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、シアネートエステル類などが挙げられるが、その種類の豊富さ、価格などの観点から(メタ)アクリル酸及びその誘導体が好ましい例である。
該誘導体は、シクロアルキル−、ビシクロアルキル−、シクロアルケン−、ビシクロアルケン−などの脂環族、ベンジル−、フェニル−、フェノキシ−などの芳香族、アルキル−、ハロゲン化アルキル−、アルコシアルキル−、ヒドロキシアルキル−、アミノアルキル−、テトラヒドロフルフリル−、アリル−、グリシジル−、アルキレングリコール−、ポリオキシアルキレングリコール−、(アルキル/アリルオキシ)ポリアルキレングリコール−やトリメチロールプロパンなどの多価アルコールのエステルなどが挙げられる。
本発明において、これら重合性の不飽和結合を有する有機化合物(d−2)はその目的に応じて1種もしくは2種以上のものを選択できる。例えば、印刷版として用いる場合、印刷インキの溶剤であるアルコールやエステルなどの有機溶剤に対する膨潤を抑えるために用いる有機化合物として長鎖脂肪族、脂環族または芳香族の誘導体を少なくとも1種以上有することが好ましい。本発明の樹脂成分より得られる印刷原版の機械強度を高めるためには、有機化合物(d−2)としては脂肪族または芳香族の誘導体が少なくとも1種以上有することが好ましく、この場合、有機化合物(d−2)の全体量の20wt%であることが好ましく、更に好ましくは50wt%以上である。
印刷版の反発弾性を高めるため、例えば特開平7−239548号に記載されているようなメクリルモノマーを使用するとか、公知の印刷用感光性樹脂の技術知見などを目的に応じて用いることができる。
本発明の光重合開始剤(d−3)は公知の光重合開始剤を使用することができる。光重合開始剤として、水素引き抜き型光重合開始剤及び/または崩壊型光重合開始剤を用いることができる。
水素引き抜き型光重合開始剤は公知の水素引き抜き型光重合開始剤を使用することができ、限定されないが、芳香族ケトンを用いることが好ましい。芳香族ケトンは光励起により効率良く励起三重項状態になり、この励起三重項状態は周囲の媒体から水素を引き抜いてラジカルを発生する機構が提案されている。本発明で用いる水素引き抜き型光重合開始剤は励起三重項状態を経て周囲の媒体から水素を引き抜いてラジカルを発生する化合物であれば、何でも構わない。
芳香族ケトンとして、ベンゾフェノン類、ミヒラーケトン類、キサンテン類、チオキサントン類、アントラキノン類を挙げることができ、これらの群から選ばれる少なくとも1種の化合物を用いることが望ましい。ベンゾフェノン類とはベンゾフェノンあるいはその誘導体を指し、具体的には3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−テトラメトキシベンゾフェノンなどである。ミヒラーケトン類とはミヒラー及びその誘導体をいう。キサンテン類とはキサンテン及びアルキル基、フェニル基、ハロゲン基で置換された誘導体をさし、エチルチオキサントン、メチルチオキサントン、クロロチオキサントンなどを挙げることができる。アントラキノン類とはアントラキノン及びアルキル基、フェニル基、ハロゲン基で置換された誘導体をいう。
崩壊型重合開始剤は、光吸収後に分子内で開裂反応が発生し、活性ラジカルが生成する化合物であり、本発明でも特に限定されない。具体的には、ベンゾインアルキルエーテル類、2,2−ジアルコシ−2−フェニルアセトフェノン類、アセトフェノン類、アシルオキシムエステル類、アゾ化合物、有機イオウ化合物類、ジケトン類などを挙げることができる。これらの群から選ばれる少なくとも1種の化合物を用いることが好ましい。
ベンゾインアルキルエーテル類としてはベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、「感光性高分子」(講談社、1977年出版、頁228)に記載の化合物を挙げることができる。2,2−ジアルコシ−2−フェニルアセトフェノン類としては2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンなどを挙げることができる。アセトフェノン類としてはアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノンなどを挙げることができる。アシルオキシムエステル類としては、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシムなどを挙げることができる。アゾ化合物としては、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾニウム化合物、テトラゼン化合物などを挙げることができる。有機イオウ化合物としては芳香族チオール、モノ及びジスルフィド、チウラムスルフィド、ジチオカルバメート、S−アシルジチオケルバメート、チオスルホネート、スルホキシド、スルフェネート、ジチオカルボネートなどを挙げることができる。
光重合開始剤(d−3)は感光性樹脂組成物(d)全体に対し、0.1wt%以上10wt%以下であることが好ましい。水素引き抜き型光重合開始剤の添加量は感光性樹脂組成物(d)全体量の0.1wt%以上10%以下が好ましく、より好ましくは0.5wt%以上5wt%以下であることが好ましい。崩壊型光重合開始剤の添加量は感光性樹脂組成物(d)全体の0.1wt%以上10%以下が好ましく、より好ましくは0.3wt%以上3wt%以下である。感光性樹脂の光硬化性の観点から、光重合開始剤は水素引く抜き型光重合開始剤と崩壊型光重合開始剤を組み合わせることが好ましい。
本発明に使用できる感光性樹脂組成物(d)には無機多孔質体を添加することが好ましく、特にレーザー彫刻用印刷原版を製造するときはより好ましい。無機多孔質体とは、粒子中に微小細孔を有する、あるいは微小な空隙を有する無機粒子であり、レーザー彫刻において多量に発生する粘稠な液状カスの除去を最大の目的として添加するものであり、数平均粒子径、比表面積、平均細孔径、細孔容積、灼熱減量がその性能に大きく影響する。
本発明の無機多孔質体は数平均粒径が0.1〜100μmであることが好ましい。この数平均粒径の葉により小さいものを用いた場合、本発明の樹脂組成物より得られる原版をレーザーで彫刻するときに粉塵が舞い、彫刻装置を汚染しやすい。他方、上記数平均粒径の範囲より大きなものを用いた場合、レーザー彫刻したときレリーフ画像に欠損が生じる場合がある。より好ましい平均粒子径の範囲は0.5〜20μmであり、更に好ましい範囲は3〜10μmである。本発明の多孔質無機吸収剤の平均粒子径はレーザー散乱粒子径分布測定装置を用いて測定することができる。
本発明の無機多孔質体の比表面積の範囲は10m/g以上1500m/g以下であることが好ましい。より好ましい範囲は100m/g以上800m/g以下である。比表面積が10m/g以上である場合、レーザー彫刻時の液状カスの除去が充分となり、また、1500m/g以下であれば、感光性樹脂組成物(d)の粘度上昇を抑え、また、チキソトロピー性を抑えることができる。比表面積は−196℃における窒素の吸着等温線からBET式に基づいて求められる。
本発明に使用される無機多孔質体の平均細孔径はレーザー彫刻時に発生する液状カスの吸収量に極めて大きく影響を及ぼす。平均細孔径の好ましい範囲は1nm以上1000nm以下、より好ましくは2nm以上200nm以下、更に好ましくは2nm以上200nm以下、特に好ましくは2nm以上50nm以下である。平均細孔径が1nm以上であれば、レーザー彫刻時に発生する液状カスの吸収性が確保でき、1000nm以下である場合、粒子の比表面積が大きく液状カスの吸収量を十分に確保できる。
本発明の平均細孔径は窒素吸着法を用いて測定した値である。平均細孔径が2〜50nmのものはメソ孔と呼ばれ、メソ孔を有する多孔質粒子が液状カスを吸収する能力が極めて高い。本発明の細孔径分布は−196℃における窒素の吸着等温線から求められる。
本発明の無機多孔質体の細孔容積は0.1ml/g以上10ml/g以下が好ましく、より好ましくは0.2ml/g以上5ml/g以下である。細孔容積が0.1ml/g以上の場合、粘稠性液状カスの吸収量は十分であり、また、10ml/g以下の場合、粒子の機械強度を確保することができる。本発明において細孔容積の測定には、窒素吸着法を用いる。
本発明において液状カス吸着量を評価する指標として、吸油量がある。これは、無機多孔質体100gが吸収する油の量で定義する。本発明で用いる無機多孔質体の吸油量の好ましい範囲は、10ml/100g以上2000ml/100g以下、より好ましくは50ml/100g以上1000ml/100g以下である。吸油量が10ml/100g以上であれば、レーザー彫刻時に発生する液状カスの除去が十分であり、また2000ml/100g以下であれば、無機多孔質体の機械的強度を十分に確保できる。吸油量の測定は、JIS−K5101にて行った。
本発明の無機多孔質体は、特に赤外線波長領域のレーザー光照射により変形あるいは溶融せずに多孔質性を保持することが好ましい。950℃において2時間処理した場合の灼熱減量は、15wt%以下が好ましく、より好ましくは10wt%以下である。
本発明の無機多孔質体の粒子形状は特に限定するものではなく、球状、扁平状、針状、無定形、あるいは表面に突起のある粒子などを使用することができる。特に耐磨耗性の観点からは、球状粒子が好ましい。また、粒子の内部が空洞になっている粒子、シリカスポンジ等の均一な細孔径を有する球状顆粒体などを使用することも可能である。特に限定するものではないが、例えば、多孔質シリカ、メソポーラスシリカ、シリカ−ジルコニア多孔質ゲル、ポーラスアルミナ、多孔質ガラス等を挙げることができる。また、層状粘土化合物などのように、層間に数nm〜100nmの空隙が存在するものについては、細孔径を定義できないため、本発明においては層間に存在する空隙の間隔を細孔径と定義する。
更に、これらの細孔あるいは空隙にレーザー光の波長の光を吸収する顔料、染料等の有機色素を取り込ませることもできる。
また、無機多孔質体の表面をシランカップリング剤、チタンカップリング剤、その他の有機化合物で被覆し表面改質処理を行い、より親水性化あるいは疎水性化した粒子を用いることもできる。
本発明において、これらの無機多孔質体は1種類もしくは2種類以上のものを選択でき、無機多孔質体を添加することによりレーザー彫刻時の液状カスの発生抑制、及びレリーフ印刷版のタック防止等の改良が有効に行われる。
本発明に用いる感光性樹脂組成物(d)における樹脂(d−1)、有機化合物(d−2)、及び無機多孔質体の割合は、通常、樹脂(d−1)100重量部に対して、有機化合物(d−2)は5〜200重量部が好ましく、20〜100重量部の範囲がより好ましい。又、無機多孔質体は1〜100重量部が好ましく、2〜50重量部の範囲がより好ましい。更に好ましい範囲は、2〜20重量部である。
有機化合物(d−2)の割合が、5重量部以上の場合、得られる印刷版などの硬度と引張強伸度のバランスが良く、200重量部以下の場合には架橋硬化の際の収縮を抑え、厚み精度の悪化を防ぐことができる。
また、無機多孔質体の量が1重量部以上の場合、樹脂(d−1)及び有機化合物(d−2)の種類によらず、版面のタック防止効果、及びレーザー彫刻した際に、彫刻液状カスの発生を抑制するなどの効果を十分発揮することができ、100重量部以上の場合には、印刷版が脆くならず、透明性を保つことができ、また、特にフレキソ版として利用する際には、硬度が高くなりすぎることを抑えることができる。光、特に紫外線を用いて感光性樹脂組成物(d)を硬化させレーザー彫刻印刷原版を作製する場合、光線透過性が硬化反応に影響する。したがって、用いる無機多孔質体の屈折率が感光性樹脂組成物(d)の屈折率に近いものを用いることが有効である。
感光性樹脂組成物(d)中に無機多孔質体を混合する方法として、熱可塑性樹脂を加熱して流動化させた状態で直接無機多孔質体を添加する方法、あるいは熱可塑性樹脂と光重合性有機化合物(d−3)を最初に混錬した中に無機多孔質体(d−4)を添加する方法のいずれでも構わない。ただし、特に分子量の低い光重合性有機物(d−3)に直接、無機多孔質体(d−3)を混合する方法は避けることが好ましい。すなわち、この第三の方法を用いた場合、無機多孔質体のカス吸収性能を低下させることがある。
その他、本発明の感光性樹脂組成物(d)には用途や目的に応じて重合禁止剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、滑剤、界面活性剤、可塑剤、香料などを添加することができる。
本発明のレーザー彫刻可能な印刷原版は、無機多孔質体微粒子を含有した感光性材料を光架橋硬化させ、印刷層(D)を形成したものであることが好ましい。したがって、有機化合物(d−2)の重合性不飽和基、あるいはポリマーと有機化合物(d−2)の重合性不飽和基が反応することにより3次元架橋構造が形成され、通常用いるエステル系、ケトン系、芳香族系、エーテル系、アルコール系、ハロゲン系溶剤に不溶化する。この反応は、有機化合物(d−2)同士、ポリマー同士、あるいはポリマーと有機化合物(d−2)との間で起こり、重合性不飽和基が消費される。
また、光重合開始剤を用いて架橋硬化させる場合、光重合開始剤が光により分解されるため、前記架橋硬化物を溶剤で抽出し、GC−MS法(ガスクロマトグラフィーで分離したものを質量分析する方法)、LC−MS法(液体クロマトグラフィーで分離したものを質量分析する方法)、GPC−MS法(ゲル浸透クロマトグラフィーで分離し質量分析する方法)、LC−NMR法(液体クロマトグラフィーで分離したものを核磁気共鳴スペクトルで分析する方法)を用いて解析することにより、未反応の光重合開始剤および分解生成物を同定することができる。
更に、GPC−MS法、LC−MS法、GPC−NMR法を用いることにより、溶剤抽出物中の未反応のポリマー、未反応の有機化合物(d−2)、および重合性不飽和基が反応して得られる比較的低分子量の生成物についても溶剤抽出物の分析から同定することができる。3次元架橋構造を形成した溶剤に不溶の高分子量成分については、熱分解GC−MS法を用いることにより、高分子量体を構成する成分として、重合性不飽和基が反応して生成した部位が存在するかを検証することが可能である。
例えば、メタクリレート基、アクリレート基、ビニル基等の重合性不飽和基が反応した部位が存在することを質量分析スペクトルパターンから推定することができる。熱分解GC−MS法とは、試料を加熱分解させ、生成するガス成分をガスクロマトグラフィーで分離した後、質量分析を行う方法である。架橋硬化物中に、未反応の重合性不飽和基又は重合性不飽和基が反応して得られた部位と共に、光重合開始剤に由来する分解生成物や未反応の光重合開始剤が検出されると、感光性樹脂組成物を光架橋硬化させて得られたものであると結論付けることができる。
本発明では円筒状支持体(A)上にシート状クッションテープ(b)を貼り付け、該シート両端部の接合部位に存在する凹部に厚さ0.01mm以上0.5mm以下のシーリングフィルム(C)をシート状クッションテープ(b)両端部に橋かけして貼ることによって印刷基材用円筒状クッション体を製造することができる。
シート状クッションテープ(b)を円筒状支持体(A)に貼り付ける工程においては、該円筒状支持体(A)上に接着剤層を形成する工程を含むか、あるいはシート状クッションテープ(b)がクッション層の片面あるいは両面に接着剤層、もしくは粘着層を有し、円筒状支持体(A)上に接着剤層、もしくは粘着層が存在する面の側から該シート状クッションテープ(b)を巻きつけると同時に、該円筒状支持体上に接着固定する工程を含むことが好ましい。
円筒状支持体へのシート状クッションテープ(b)の貼り方について、特に限定するものではなく、1枚のシート状クッションテープ(b)を少なくとも1回転、周方向へ巻きつける方法、複数枚のシート状クッションテープ(b)を、各シート状クッションテープ(b)が重ならないように少なくとも1回転、周方向へ巻きつける方法、1枚のシート状クッションテープ(b)を重ならないように螺旋状に巻きつける方法等を挙げることができる。このときに生じるシート状クッションテープ(b)の継ぎ目に存在する凹部の幅を0.01mm以上30mm以下にすることが好ましい。より好ましくは0.1mm以上10mm以下、更に好ましくは0.1mm以上5mm以下である。上記範囲であればシーリングフィルム(C)を凹部に橋かけして貼るときに、シーリングフィルム(C)のたわみなども少ないため、効率良く貼ることができる。
シーリングフィルム(C)はシート状クッションテープ(b)の継ぎ目部分の凹部にある両端を橋かけして貼ることが必要である。シート状クッションテープ(b)の継ぎ目部分をシーリングフィルム(C)によって塞ぐようにする。橋かけして貼るとは、シーリングフィルム(C)をシート状クッションテープ(b)の凹部の両端をつなぐように貼ることを意味し、クッションテープの継ぎ目部分の凹部方向に対して、例えば平行に貼る場合、垂直に貼る場合、凹部端部のみを垂直とし、残りは平行に貼るなどの両者を混合して貼る場合、角度をもって貼る場合等が挙げられるが、操作の容易性等の観点から平行に貼ることが好ましい。
シーリングフィルム(C)の貼る方向とシート状クッションテープ(b)の継ぎ目方向が平行とは、シーリングフィルム(C)の貼る方向とシート状クッションテープ(b)の継ぎ目凹部方向が同一方向であり、シーリングフィルム(C)の両端部はシート状クッションテープ(b)上にあることを意味する。また、シート状クッションテープ(b)の継ぎ目方向と垂直方向のシーリングフィルム(C)の両端の全辺はシート状クッションテープ(b)上になくても構わない。
また、シート状クッションテープ(b)の継ぎ目がある部分で交差し、十字を形成しても良い。この場合、シーリングフィルム(C)は交差している継ぎ目の一方向についてシーリングフィルム(C)による橋かけを行い、さらに他方の継ぎ目についてシーリングフィルム(C)による橋かけを行うことができる。この場合、シーリングフィルム(C)は継ぎ目交差地点において重なってもよいし、重ならないように橋かけを行っても良い。
シーリングフィルム(C)による橋かけを行う場合には、シーリングフィルム(C)とシート状クッションテープ(b)が接触している部分において、シーリングフィルム(C)とシート状クッションテープ(b)の間に気泡が入らないように、例えば、ヘラなどを用いて、空気を追い出すように扱きながら、貼ることが好ましい。シーリングフィルム(C)とシート状クッションテープ(b)の間に空気が存在した場合、印刷品質に影響を与えることがあり、具体的には、空気が存在する部分に十分な印刷圧力がかからず、インキ受理性が低下することがある。
シーリングフィルム(C)によって、凹部を橋かけされたシート状クッションテープ(b)からなるクッション層(B)を有する円筒状支持体(A)に印刷層(D)を積層する方法については公知技術を使用することができ、特に限定されない。
本発明では、製版を行い、既に印刷画像を有するシート状印刷版を本発明の印刷基材用円筒状クッション体に、クッション層とシート状印刷版間に気泡が入らないように積層し、印刷層(D)とすることができる。例えば、特開昭52−90304号公報、特開平1−245245号公報、特開平3−157657号公報、特開平7−295218号公報に記載の液状型感光性樹脂組成物を硬化させた印刷版、また、特開2004−314334号公報記載の感光性樹脂組成物をシート状に成型したあと、レーザー彫刻し、印刷版とし、本発明の印刷基材用円筒状クッション体に積層することを例に挙げることができる。この場合はシート状印刷版を使用するため、印刷画像が連続とならないため、好ましくは、特開平9−274310号公報記載の方法によって、印刷画像部を接合することが好ましい。
張り込み精度、特に高い張り込み精度は求められる4色プロセス印刷の場合には製版を行っていない、シート状印刷層を印刷基材用円筒状クッション体に積層し、円筒状印刷原版とすることが好ましい。この円筒状印刷原版を公知の方法で製版を行い、円筒状印刷版とすることができる。
その他にも印刷層(D)として公知の印刷原版もしくは印刷版を使用することができる。例えば、特開昭60−181740号、特開平4−182648号、特開平5−134410号、特開2000−155418号、特開2000−155410号、特開2000−181060号、特開2002−268228号の各公報に記載の固体型感光性樹脂組成の印刷原版、もしくは印刷版、または、天然ゴム、シリコンゴム、エチレン−プロピレンゴムからなる印刷原版もしくは印刷版を使用することができる。
その他にも特開2004−314334号公報記載の感光性樹脂組成物をシート状に成型した印刷原版を用いることもできる。これら、印刷原版もしくは印刷版をクッション層と印刷原版もしくは印刷版との間に気泡が入らないように積層することもできる。この場合にも特開平9−274310号公報記載の方法によって印刷画像を接合することが好ましい。
連続図柄の印刷の観点からは、特開2000−267264号公報に記載の少なくとも一種の熱可塑性エラストマー、少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマーと少なくとも一種の光重合開始剤を主成分とする感光性樹脂組成物を、円筒状クッション層(B)を円筒状支持体(A)上に巻きつけ、加温し、感光性樹脂組成物端部同士を融着させ、グラインダーで感光性樹脂組成物表面を研磨して、継ぎ目をなくした感光性樹脂組成物層を印刷層(D)とした円筒状印刷原版も本発明では使用することができる。
生産効率の観点から、製版工程が不要なレーザーによって直接彫刻することにより印刷版を、円筒状クッション層(B)を有する円筒状支持体層(A)に設けることもできる。上述した感光性樹脂組成物(d)を円筒状クッション層(B)に円筒状に成型した後、光硬化させ、印刷原版とし、レーザーにより直接彫刻し、印刷版を作成することが生産効率の観点から好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物(d)を円筒状に整形する方法は、既存の樹脂成型方法を用いることができる。例えば、注型法、ポンプや押し出し機などの機械で樹脂をノゾルやダイスから押し出し、ブレードで厚みを合わせる、ロールによりカレンダー加工して厚みを合わせる方法などを例示できる。その際、樹脂の性能を落とさない範囲で加熱しながら、成形を行うことは可能である。また、必要に応じて圧延処理、研削処理などを施しても良い。
成形した感光性樹脂組成物(d)層は光照射により架橋せしめ、印刷層(D)を作成する。また、成形しながら光照射により架橋させることもできる。硬化に用いられる光源としては高圧水銀灯、超高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、殺菌灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、メタルハライドランプなどが挙げることができる。感光性樹脂組成物(d)層に照射される光は200nmから300nmの光を有することが好ましい。特に水素引き抜き型光重合開始剤はこの波長領域に強い光吸収を有するものが多いため、200nmから300nmの波長の光を有する場合、感光性樹脂硬化物層表面の硬化性を確保できるため、好ましい。硬化に用いる光源は1種類でも構わないが、波長の異なる2種以上の光源を用いて硬化させることにより、樹脂の硬化性が向上することがあるので、2種類以上の光源を用いることも差し支えない。
レーザー彫刻に用いる印刷層(D)の厚みはその目的に応じて任意に設定して構わないが、印刷版として用いる場合には、一般的に0.1〜7mmの範囲が好ましい。場合によっては組成の異なる材料を複数積層しても構わない。
本発明の印刷層(D)と円筒状クッション層(B)の間に、エラストマーからなるエラストマークッション層を形成することもできる。一般的にレーザー彫刻される層の厚さは0.1〜数mmであるため、それ以外の下部層は組成の異なる材料であっても構わない。エラストマークッション層としてはショアA硬度が20から70度のエラストマーであることが好ましい。ショアA硬度が20度以上である場合、適度に変形するため、印刷品質を確保できる。より好ましいショアA硬度の範囲は30から60度である。
前記エラストマークッション層は特に限定せず、熱可塑性エラストマー、光硬化型エラストマー、熱硬化型エラストマーなどゴム弾性を有するものであれば、何でも構わない。ナノメーターレベルの微細孔を有する多孔質エラストマー層であっても良い。特に加工性の観点から、液状型感光性樹脂組成物を用い、硬化後にエラストマー化する材料を用いることが好ましい。
エラストマークッション層に用いる熱可塑性エラストマーの具体例としては、スチレン系熱可塑性エラストマーである、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリエチレン/ポリブチレン−ポリスチレンブロックコポリマーなど、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー、シリコン系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマーなどを挙げることができる。
光硬化型エラストマーとしては、前記熱可塑性エラストマーに光重合モノマー、可塑剤及び光重合開始剤を混合したもの、プラストマー樹脂に光重合モノマー、光重合開始剤などを混合した液状成分を挙げることができる。また、硫黄架橋型ゴム、有機過酸化物、フェノール樹脂初期縮合物、キノンジオキシム、金属酸化物、チオ尿素などの非硫黄架橋ゴムを用いることもできる。更に、テレケリック液状ゴムを反応する酸化剤を用いて3次元架橋させてエラストマー化したものも使用できる。
本発明のレーザー彫刻版の表面に改質層を形成させることにより、印刷版表面のタックの低減、インク濡れ性の向上を行うことができる。改質剤としては、シランカップリング剤あるいはチタンカップリング剤などの表面水酸基と反応する化合物で処理した被膜、あるいは多孔質無機粒子を有するポリマーフィルムを挙げることができる。シランカップリング剤、およびチタンカップリング剤は、例えば、特開2004−314334号公報に記載の各カップリング剤を使用することができる。
レーザー彫刻においては形成したい画像をデジタル型データとしてコンピューターを利用してレーザー装置を操作し、原版上にレリーフ画像を形成する。レーザー彫刻に用いるレーザーは原版が吸収する波長を含むものであればどうようなものを用いてもよいが、彫刻を高速度で行うためには出力の高いものが望ましく、炭酸ガスレーザーやYAGレーザー、半導体レーザーなどの赤外線放出固体レーザーが好ましい。
また、紫外領域に発信波長を有する紫外線レーザー、例えば、エキシマーレーザー、第3あるいは第4高調波へ波長変換したYAGレーザー、銅蒸気レーザーは有機分子の結合を切断するアブレーション加工が可能であり、微細加工に適する。また、レーザーは連続照射でもパルスレーザーでも構わない。一般には樹脂は炭酸ガスレーザーの10μm近傍に吸収を持つため、特にレーザー光の吸収を助けるような成分の添加は必須ではないが、YAGレーザーは1.06μm近傍の波長であり、この波長の吸収を有するものはあまりない。その場合、これらの吸収を助ける成分である、染料、顔料の添加が好ましい。
このような染料の例としてはポリ(置換)フタロシアニン化合物及び金属含有フタロシアニン化合物;シアニン化合物;スクアリウム染料、カルコゲノピリロアリリデン染料;クロロニウム染料;金属チオレート染料;ビス(カルコゲノピリロ)ポリメチン染料;オキシインドリジン染料;ビス(アミノアリール)ポリメチン染料;メロシアニン染料;及びキノイド染料などが挙げられる。顔料の例として、カーボンブラック、グラファイト、亜クロム酸銅、酸化クロム、コバルトクロームアルミネート、酸化鉄などの暗色の無機顔料や鉄、アルミニウム、銅、亜鉛のような金属紛及びこれら金属にSi、Mg、P、Co、Ni、Yなどをドープしたものが挙げられる。これら染料、顔料は単独で使用しても良いし、複数を組み合わせて使用しても良いし、複数構造にするなどのあらゆる形態で組み合わせても良い。
レーザーによる彫刻は酸素含有ガス下、一般には空気存在下もしくは気流下に実施するが、炭酸ガス、窒素ガス下でも実施できる。彫刻終了後、レリーフ印刷版表面にわずかに発生する粉末状もしくは液状の物質は適当な方法、例えば、溶剤や界面活性剤の入った水など洗いとる方法、高圧スプレーなどにより水系洗浄剤を照射する方法、高圧スチームを照射する方法などを用いて除去しても良い。
本発明において、レーザー彫刻印刷原版にレーザー光を照射し、凹パターンを形成するとき、該レーザー彫刻印刷原版表面を加熱し、レーザー彫刻を補助することもできる。レーザー彫刻印刷原版の加熱方法としてはレーザー彫刻機の円筒状定盤をヒーターを用いて加熱する方法、赤外線ヒーターを用いて該レーザー彫刻印刷原版表面を直接加熱する方法を挙げることができる。この加熱工程により、レーザー彫刻性を向上させることができる。加熱の程度は50℃以上200℃以下の範囲が好ましく、より好ましくは80℃以上200℃以下の範囲、更に好ましくは100℃以上200℃以下の範囲である。
本発明の原版は印刷用レリーフ画像の他、スタンプ・印章、エンボス加工用のデザインロール、電子部品作成に用いられる絶縁体、抵抗体、導電体ペーストのパターニング用レリーフ画像、光学部品の反射防止膜、カラーフィルター、(近)赤外線吸収フィルターなどの機能性材料のパターン形成、液晶ディスプレイあるいは有機エレクトロルミネッセンスディスプレイなどの表示素子の製造における配向膜、下地層、発光層、電子輸送層、封止剤層の塗膜・パターン形成、窯業製品の型剤用レリーフ画像、広告・表示版などのディスプレー用レリーフ画像、各種成形品の原型・母型など各種の用途に応用し、利用できる。
以下、実施例に基づき詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
後述する組成に関しては特に記載がない限り、重量部とする。
(1)レーザー彫刻
レーザー彫刻は炭酸ガスレーザー彫刻機(商標:ZED−mini−1000、英国、ZED社製、米国、コヒーレント社製、出力250W炭酸ガスレーザーを搭載)を用いて行った。彫刻は網点(100lines per inchで面積率30%)、ベタ部(面積率100%)を含むパターンを作成し、レーザー彫刻を行った。彫刻深さを大きく設定すると、微細な網点部のパターンのトップ部の面積が確保できず、形状も崩れて不鮮明になるため、彫刻深さは0.55mmとした。
(2)印刷評価
印刷評価はフレキソ輪転印刷を用いて、水性インキにてコート紙への印刷を毎分100mの印刷速度で行った。使用したアニロックスは800line per inchであった。印圧はベタ部(面積率100%)にカスレが観察されないように調整し、印刷を行った。
(3)印刷物評価試験
反射濃度計(スイス国、Gretag−Macbeth AG社製、商標「GRETAG D19C」)を使用し、シート状クッションテープの継ぎ目に相当する凹部とその周辺について、網点部(100lines per inchで面積率30%)について反射濃度を測定した。印刷物評価試験においては凹部とその周辺の反射濃度の差が0.03以下であれば、網点は均一となり連続図柄に適する。
[実施例1]
(1)液状型感光性樹脂組成物の調製
温度計、攪拌機、還流器を備えた1Lのセパセルフラスコに旭化成ケミカルズ株式会社製ポリカーボネートジオールである、商標「PCDL L4672」(数平均分子量1990、OH価56.4)447.24gとトリレンジイソシアネート30.83gを加え、80℃に加温下に約3時間反応させた後、2−メタクリロイルオキシイソシアネート7.42gを添加し、さらに約3時間反応させて、末端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽和基が1分子あたり平均約1個)である数平均分子量10000の樹脂(ア)を製造した。この樹脂は20℃で水飴状であり、外力を加えると、流動し、かつ外力を除いても元の形状に回復しなかった。
樹脂として、樹脂(ア)を用い、表1に示すように、有機化合物、光重合開始剤、富士シリシア株式会社製、多孔質粉末シリカである、商標「サイロスフェアーC−1504」(以下、略してC−1504、数平均粒子径4.5μm、比表面積520m/g、平均細孔径12μm、細孔容積1.5ml/g、灼熱減量2.5重量%、吸油量290ml/100g)、その他添加剤を加えて感光性樹脂組成物1を作成した。
感光性樹脂組成物1は20℃において液状であった。また、B型粘度計を用いて測定した粘度は20℃において、5kPa・s以下であった。
(2)印刷基材用円筒状クッション体の作成
内径213.384mm、幅300mm、厚さ1.56mmのガラス繊維強化プラスチック製の円筒状支持体を用いた。比重0.50の発泡ポリエチレンを0.025mmのポリエステルフィルムからなる、両面にアクリル樹脂粘着剤が付与された寸法安定基材上に積層させ、寸法安定基材に接しない、発泡ポリエチレンの面に粘着剤層を設け、全体の厚みが0.55mmのシート状クッションテープを作成した。円筒状支持体上にシート状クッションテープを、気泡が入らないように、円筒状支持体、粘着層、発泡ポリエチレン、両面に粘着剤の付いたポリエステルフィルム、となるように、シート状クッションテープの粘着剤層が円筒状支持体表面に接着するように慎重に被覆し、円筒状支持体上にシート状クッションテープを貼り付けた。貼り付けられたシート状クッションテープの両端部の接合部位には、幅1mmの凹部からなる継ぎ目が存在した。
この凹部に厚さ0.05mmの幅10mm、長さ300mmのポリエチレンテレフタレートフィルムをシーリングフィルムとして、シート状クッションテープの両端部を橋かけし、凹部前面を塞ぐように貼り付けた。このとき、シーリングフィルムとシート状クッションテープの間に気泡が入らないように、注意しながら、必要に応じて、気泡を押し出すように扱きながら、貼り付け、印刷基材用円筒状クッション体1を作成した。
(3)円筒状印刷原版及び、円筒状印刷版の作成
得られた印刷基材用円筒状クッション体1上に、所定量の感光性樹脂組成物1を載せ、前記印刷基材用円筒状クッション体を中心軸の周りに回転させながら、ブレードコート法を用いて均一に塗布し、継ぎ目のない感光性樹脂組成物層を形成し、円筒状積層体を得た。得られた円筒状積層体をメタルハライドランプの光を4000mJ/cmの条件で照射し、感光性樹脂組成物を硬化させた。このとき、感光性樹脂硬化物層の厚みは1.6mmであった。
メタルハライドランプで硬化させて円筒状積層体の感光性樹脂硬化物層をグラインダーによって削った後、研磨フィルムで研磨し、感光性樹脂硬化物層の厚みを1.1mmとし、円筒状印刷原版1を作成した。
得られた円筒状印刷原版1を炭酸ガスレーザーを用いて、パターンを形成し、円筒状印刷版1を作成した。得られた円筒状印刷版1に若干残った彫刻カスを高圧スチームジェットで洗浄した。
(4)印刷物評価試験
円筒状印刷版1を用いてフレキソ印刷を行い、得られた印刷物評価を行ったところ、表2の結果になった。シート状クッションテープの継ぎ目部分と周辺の反射濃度の差は表2に示すように0.03以下であり、継ぎ目のない印刷物を得ることができた。
[実施例2]
(1)液状型感光性樹脂組成物の調製
実施例と同じように液状型感光性樹脂組成物の調製を行い、感光性樹脂組成物1を得た。
(2)印刷基材用円筒状クッション体の作成
実施例1と同様に、内径213.384mm、幅300mm、厚さ1.56mmのガラス繊維強化プラスチック製の円筒状支持体上に、実施例1と同じシート状クッションテープを円筒状支持体上に貼り付けた。貼り付けられたシート状クッションテープの両端部の接合部位には、幅0.8mmの凹部からなる継ぎ目が存在した。
この凹部に厚さ0.05mmの幅10mm、長さ300mmのポリエチレンテレフタレートフィルムの両面にアクリル粘着剤塗布した両面粘着テープをシーリングフィルムとして、実施例1と同様に、シート状クッションテープ端部を橋かけし、凹部全面を塞ぐように貼り、印刷基材用円筒状クッション体2を作成した。
(3)円筒状印刷原版及び、円筒状印刷版の作成
印刷基材用円筒状クッション体2を使用した以外は、実施例1と同様に行い、円筒状積層体を得た。このとき、感光性樹脂硬化物層の厚みは1.6mmであった。この感光性樹脂硬化物層をグラインダーによって削った後、研磨フィルムで研磨し、感光性樹脂硬化物層の厚みを1.1mmとし、円筒状印刷原版2を作成した。
得られた円筒状印刷原版2を実施例1と同じように、レーザー彫刻及びスチーム洗浄を行い、円筒状印刷版2を作成した。
(4)印刷物評価試験
実施例1と同様に、円筒状印刷版2を用いてフレキソ印刷を行い、得られた印刷物評価を行ったところ、表2の結果になった。シート状クッションテープの継ぎ目部分と周辺の反射濃度の差は表2に示すように0.03以下であり、継ぎ目のない印刷物を得ることができた。
[実施例3]
(1)液状型感光性樹脂組成物の調製
実施例と同じように液状型感光性樹脂組成物の調製を行い、感光性樹脂組成物1を得た。
(2)印刷基材用円筒状クッション体の作成
実施例1と同様に、内径213.384mm、幅300mm、厚さ1.56mmのガラス繊維強化プラスチック製の円筒状支持体上に、実施例1と同じシート状クッションテープを円筒状支持体上に貼り付けた。貼り付けられたシート状クッションテープの両端部の接合部位には、幅0.8mmの凹部からなる継ぎ目が存在した。
この凹部に厚さ0.025mmの幅10mm、長さ300mmのポリエチレンテレフタレートフィルムの両面にアクリル粘着剤塗布した両面粘着テープをシーリングフィルムとして、実施例1と同様に、シート状クッションテープ端部を橋かけし、凹部全面を塞ぐように貼り、印刷基材用円筒状クッション体3を作成した。
(3)円筒状印刷原版及び、円筒状印刷版の作成
印刷基材用円筒状クッション体3を使用した以外は、実施例1と同様に行い、円筒状積層体を得た。このとき、感光性樹脂硬化物層の厚みは1.6mmであった。この感光性樹脂硬化物層をグラインダーによって削った後、研磨フィルムで研磨し、感光性樹脂硬化物層の厚みを1.1mmとし、円筒状印刷原版3を作成した。
得られた円筒状印刷原版3を実施例1と同じように、レーザー彫刻及びスチーム洗浄を行い、円筒状印刷版3を作成した。
(4)印刷物評価試験
実施例1と同様に、円筒状印刷版3を用いてフレキソ印刷を行い、得られた印刷物評価を行ったところ、表2の結果になった。シート状クッションテープの継ぎ目部分と周辺の反射濃度の差は表2に示すように0.03以下であり、継ぎ目のない印刷物を得ることができた。
[実施例4]
(1)液状型感光性樹脂組成物の調製
実施例と同じように液状型感光性樹脂組成物の調製を行い、感光性樹脂組成物1を得た。
(2)印刷基材用円筒状クッション体の作成
実施例1と同様に、内径213.384mm、幅300mm、厚さ1.56mmのガラス繊維強化プラスチック製の円筒状支持体上に、実施例1と同じシート状クッションテープを円筒状支持体上に貼り付けた。貼り付けられたシート状クッションテープの両端部の接合部位には、幅0.8mmの凹部からなる継ぎ目が存在した。
この凹部に厚さ0.016mmの幅10mm、長さ300mmのポリエチレンテレフタレートフィルムの両面にアクリル粘着剤塗布した両面粘着テープをシーリングフィルムとして、実施例1と同様に、シート状クッションテープ端部を橋かけし、凹部全面を塞ぐように貼り、印刷基材用円筒状クッション体3を作成した。
(3)円筒状印刷原版及び、円筒状印刷版の作成
印刷基材用円筒状クッション体4を使用した以外は、実施例1と同様に行い、円筒状積層体を得た。このとき、感光性樹脂硬化物層の厚みは1.6mmであった。この感光性樹脂硬化物層をグラインダーによって削った後、研磨フィルムで研磨し、感光性樹脂硬化物層の厚みを1.1mmとし、円筒状印刷原版4を作成した。
得られた円筒状印刷原版4を実施例1と同じように、レーザー彫刻及びスチーム洗浄を行い、円筒状印刷版4を作成した。
(4)印刷物評価試験
円筒状印刷版4を用いてフレキソ印刷を行い、得られた印刷物評価を行ったところ、表2の結果になった。シート状クッションテープの継ぎ目部分と周辺の反射濃度の差は表2に示すように0.03以下であり、継ぎ目のない印刷物を得ることができた。
[実施例5]
(1)液状型感光性樹脂組成物の調製
実施例と同じように液状型感光性樹脂組成物の調製を行い、感光性樹脂組成物1を得た。
(2)印刷基材用円筒状クッション体の作成
実施例1と同様に、内径213.384mm、幅300mm、厚さ1.56mmのガラス繊維強化プラスチック製の円筒状支持体上に、実施例1と同じシート状クッションテープを円筒状支持体上に貼り付けた。貼り付けられたシート状クッションテープの両端部の接合部位には、幅1.0mmの凹部からなる継ぎ目が存在した。
この凹部に厚さ0.1mmの幅10mm、長さ300mmのポリエチレンテレフタレートフィルムの両面にアクリル粘着剤塗布した両面粘着テープをシーリングフィルムとして、実施例1と同様に、シート状クッションテープ端部を橋かけし、凹部全面を塞ぐように貼り、印刷基材用円筒状クッション体5を作成した。
(3)円筒状印刷原版及び、円筒状印刷版の作成
印刷基材用円筒状クッション体5を使用した以外は、実施例1と同様に行い、円筒状積層体を得た。このとき、感光性樹脂硬化物層の厚みは1.6mmであった。この感光性樹脂硬化物層をグラインダーによって削った後、研磨フィルムで研磨し、感光性樹脂硬化物層の厚みを1.1mmとし、円筒状印刷原版5を作成した。
得られた円筒状印刷原版5を実施例1と同じように、レーザー彫刻及びスチーム洗浄を行い、円筒状印刷版5を作成した。
(4)印刷物評価試験
円筒状印刷版5を用いてフレキソ印刷を行い、得られた印刷物評価を行ったところ、表2の結果になった。シート状クッションテープの継ぎ目部分と周辺の反射濃度の差は表2に示すように0.03以下であり、継ぎ目のない印刷物を得ることができた。
[比較例1]
(1)液状型感光性樹脂組成物の調製
実施例と同じように液状型感光性樹脂組成物の調製を行い、感光性樹脂組成物1を得た。
(2)印刷基材用円筒状クッション体の作成
実施例1と同様に、内径213.384mm、幅300mm、厚さ1.56mmのガラス繊維強化プラスチック製の円筒状支持体上に、実施例1と同じシート状クッションテープを円筒状支持体上に貼り付けた。貼り付けられたシート状クッションテープの両端部の接合部位には、幅1.0mmの凹部からなる継ぎ目が存在した。
この凹部からなる継ぎ目部分には何の処理も行わず、印刷基材用円筒状クッション体6を作成した。
(3)円筒状印刷原版及び、円筒状印刷版の作成
印刷基材用円筒状クッション体6を使用した以外は、実施例1と同様に行い、円筒状積層体を得た。このとき、感光性樹脂硬化物層の厚みは1.6mmであった。この感光性樹脂硬化物層をグラインダーによって削った後、研磨フィルムで研磨し、感光性樹脂硬化物層の厚みを1.1mmとし、円筒状印刷原版6を作成した。
得られた円筒状印刷原版6を実施例1と同じように、レーザー彫刻及びスチーム洗浄を行い、円筒状印刷版6を作成した。
(4)印刷物評価試験
円筒状印刷版6を用いてフレキソ印刷を行い、得られた印刷物評価を行ったところ、表2の結果になった。シート状クッションテープの継ぎ目部分に相当する部分に周辺部より、反射濃度が高い部分が存在し、シート状クッションテープ継ぎ目部分が線となって印刷され、継ぎ目のある印刷物が得られた。
[比較例2]
(1)液状型感光性樹脂組成物の調製
実施例と同じように液状型感光性樹脂組成物の調製を行い、感光性樹脂組成物1を得た。
(2)印刷基材用円筒状クッション体の作成
実施例1と同様に、内径213.384mm、幅300mm、厚さ1.56mmのガラス繊維強化プラスチック製の円筒状支持体上に、実施例1と同じシート状クッションテープを円筒状支持体上に貼り付けた。貼り付けられたシート状クッションテープの両端部の接合部位には、幅1.0mmの凹部からなる継ぎ目が存在した。
この凹部に厚さ0.05mmの幅10mm、長さ300mmのポリエチレンテレフタレートフィルムをシーリングフィルムとして、シート状クッションテープの継ぎ目方向と同一方向であるシーリングフィルムの端辺のうち、一方はシート状クッションテープに積層せず、シート状クッションテープ上に固定されないように、貼り付けた。もう一方の端辺はシート状クッションテープに積層されている。シーリングフィルムとシート状クッションテープの接着している部分については、間に気泡が入らないように、注意しながら、必要に応じて、気泡を押し出すように扱きながら、貼り付け、印刷基材用円筒状クッション体7を作成した。
(3)円筒状印刷原版及び、円筒状印刷版の作成
印刷基材用円筒状クッション体7を使用した以外は、実施例1と同様に行い、円筒状積層体を得た。このとき、感光性樹脂硬化物層の厚みは1.6mmであった。この感光性樹脂硬化物層をグラインダーによって削った後、研磨フィルムで研磨し、感光性樹脂硬化物層の厚みを1.1mmとし、円筒状印刷原版7を作成した。
得られた円筒状印刷原版7を実施例1と同じように、レーザー彫刻及びスチーム洗浄を行い、円筒状印刷版7を作成した。
(4)印刷物評価試験
円筒状印刷版7を用いてフレキソ印刷を行い、得られた印刷物評価を行ったところ、表2の結果になった。シート状クッションテープの継ぎ目部分に相当する部分に周辺部より、反射濃度が高い部分が存在し、シート状クッションテープ継ぎ目部分が線となって印刷され、継ぎ目のある印刷物が得られた。
[比較例3]
(1)液状型感光性樹脂組成物の調製
実施例と同じように液状型感光性樹脂組成物の調製を行い、感光性樹脂組成物1を得た。
(2)印刷基材用円筒状クッション体の作成
実施例1と同様に、内径213.384mm、幅300mm、厚さ1.56mmのガラス繊維強化プラスチック製の円筒状支持体上に、実施例1と同じシート状クッションテープを円筒状支持体上に貼り付けた。貼り付けられたシート状クッションテープの両端部の接合部位には、幅1.0mmの凹部からなる継ぎ目が存在した。
この凹部に厚さ1.0mmの幅10mm、長さ300mmの天然ゴムからなるゴムシートを、実施例1と同様に、シート状クッションテープ端部を橋かけし、凹部前面を塞ぐように貼り付けた。このとき、シーリングフィルムとシート状クッションテープの間に気泡が入らないように、注意しながら、必要に応じて、気泡を押し出すように扱きながら、貼り付け、印刷基材用円筒状クッション体8を作成した。
(3)円筒状印刷原版及び、円筒状印刷版の作成
印刷基材用円筒状クッション体8を使用した以外は、実施例1と同様に行い、円筒状積層体を得た。このとき、感光性樹脂硬化物層の厚みは1.6mmであった。この感光性樹脂硬化物層をグラインダーによって削った後、研磨フィルムで研磨し、感光性樹脂硬化物層の厚みを1.1mmとし、円筒状印刷原版7を作成した。
得られた円筒状印刷原版8を実施例1と同じように、レーザー彫刻及びスチーム洗浄を行い、円筒状印刷版8を作成した。
感光性樹脂硬化物層を観察したところ、シート状クッションテープ継ぎ目部分上にあるゴムシート両端に気泡が発生していることが観察された。気泡の直径は約1〜2mmであり、ゴムシート端部がある部分の全体に気泡が存在した。
(4)印刷物評価試験
円筒状印刷版8を用いてフレキソ印刷を行い、得られた印刷物評価を行ったところ、表2の結果になった。シート状クッションテープの継ぎ目部分周辺部分に継ぎ目部分より反射濃度が低い部分が観察され、このため、クッションテープ継ぎ目部分の端部が白抜き線となって印刷され、継ぎ目のある印刷物が得られた。
Figure 2007001030
Figure 2007001030
本発明は、印刷機に装着して用いる継ぎ目のないクッション層を有する印刷基材用円筒状クッション体及び、円筒状印刷原を簡便に作成できる方法として好適に用いることができる。

Claims (15)

  1. 円筒状支持体(A)上にシート状クッションテープ(b)を貼り付け、円筒状クッション層(B)を製造する方法であって、円筒状支持体(A)上にシート状クッションテープ(b)を両端部が重ならないように巻きつけた際に、該シート状クッションテープ(b)両端部の接合部位に存在する凹部に、厚さ0.01mm以上0.5mm以下のシーリングフィルム(C)を橋かけして貼ることを特徴とする印刷基材用円筒状クッション体の製造方法。
  2. シーリングフィルム(C)がポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンチオエーテルからなる群から選択される少なくとも1種類の樹脂からなるフィルムを含むことを特徴とする請求項1に記載の印刷基材用円筒状クッション体の製造方法。
  3. シーリングフィルム(C)が粘着剤層あるいは接着剤層が積層塗布されたフィルムからなることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷基材用円筒状クッション体の製造方法。
  4. シート状クッションテープ(b)において寸法安定基材を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の印刷基材用円筒状クッション体の製造方法。
  5. シーリングフィルム(C)の幅が1mm以上50mm以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の印刷基材用円筒状クッション体の製造方法。
  6. 該シート状クッションテープ(b)を円筒状支持体(A)上にシート状クッションテープ(b)両端部が重ならないように巻きつけた際の該シート状クッションテープ(b)両端部の接合部位に存在する凹部幅が0.01mm以上30mm以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の印刷基材用円筒状クッション体の製造方法。
  7. 円筒状支持体(A)、円筒状クッション層(B)、印刷層(D)からなる円筒状印刷原版の製造方法であって、円筒状支持体(A)上にシート状クッションテープ(b)を貼り付ける工程、円筒状支持体(A)上にシート状クッションテープ(b)を両端部が重ならないように巻きつけた際に該シート状クッションテープ(b)両端部の接合部位に存在する凹部に、厚さ0.01mm以上0.5mm以下のシーリングフィルム(C)を橋かけして貼る工程、印刷層(D)を円筒状クッション層(B)に積層する工程からなることを特徴とする円筒状印刷原版の製造方法。
  8. シーリングフィルム(C)がポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンチオエーテルを特徴とする請求項7に記載の円筒状印刷原版の製造方法。
  9. シート状クッションテープ(b)が寸法安定基材を含むことを特徴とする請求項7または8に記載の円筒状印刷原版の製造方法。
  10. シーリングフィルム(C)の幅が1mm以上50mm以下であることを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の印刷用円筒状クッション層の製造方法。
  11. 該シート状クッションテープ(b)を円筒状支持体(A)上にシート状クッションテープ(b)両端部が重ならないように巻きつけた際の該シート状クッションテープ(b)両端部の接合部位に存在する凹部幅が0.01mm以上30mm以下であることを特徴とする請求項7から10のいずれかに記載の印刷用円筒状クッション層の製造方法。
  12. 印刷層(D)が感光性樹脂組成物(d)を光硬化させることからなり、シート状クッションテープ(b)の両端部の接合部位に存在する凹部に、厚み0.01mm以上0.5mm以下のシーリングフィルム(C)を貼り付けた円筒状クッション層(B)上に、数平均分子量1000以上30万以下の樹脂(d−1)、数平均分子量1000未満でその分子内に重合性不飽和基を有する有機化合物(d−2)、光重合開始材(d−3)を含有する感光性樹脂組成物(d)を積層し、積層された該感光性樹脂組成物(d)を光硬化させ印刷層(D)とする工程を含むことを特徴とする請求項7から11のいずれかに記載の円筒状印刷原版の製造方法。
  13. 感光性樹脂組成物(d)が、20℃において液状であることを特徴とする請求項12に記載の円筒状印刷原版の製造方法。
  14. 印刷層(D)が継ぎ目のないことを特徴とする請求項7から13のいずれかに記載の円筒状印刷原版。
  15. 請求項7から14にいずれかに記載の円筒状印刷原版を製版して凹凸パターンを形成することによって得られることを特徴とする印刷版。
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