JP2005219378A - 円筒状印刷原版 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高価な円筒状支持体を再利用できように、印刷版構成体の不要となった部分を容易に取り外しできる円筒状印刷原版を提供。
【解決手段】 円筒状支持体(A)の少なくとも側面がシュリンクされた樹脂製フィルム(B)で被覆されており、該樹脂製フィルム(B)の上に厚さ0.01mm以上50mm以下の感光性樹脂層が積層されてなる円筒状印刷原版。
【選択図】 選択図なし

Description

本発明は、レーザー彫刻によるフレキソ印刷版用レリーフ画像作成、エンボス加工等の表面加工用パターンの形成、タイル等の印刷用レリーフ画像形成、電子回路形成における導体、半導体、絶縁体のパターン印刷、光学部品の反射防止膜、カラーフィルター、(近)赤外線カットフィルター等の機能性材料のパターン形成、更には液晶ディスプレイあるいは有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等の表示素子の製造における配向膜、下地層、発光層、電子輸送層、封止材層の塗膜・パターン形成に適し、構成体中の高価な円筒状支持体を繰り返し使用することができる円筒状印刷原版およびその製造方法に関するものである。
段ボール、紙器、紙袋、軟包装用フィルムなどの包装材、壁紙、化粧板などの建装材、ラベル印刷などに用いられるフレキソ印刷は各種の印刷方式の中でその比重を高めている。これに用いる印刷版の製作には、通常、感光性樹脂が用いられることが多く、液状の樹脂、又はシート状に成形された固体樹脂板を用い、フォトマスクを感光性樹脂上に置き、マスクを通して光を照射し架橋反応を起こさせた後、非架橋部分を現像液で洗い落とすという方法が用いられてきた。近年、感光性樹脂表面にブラックレーヤーという薄い光吸収層を設け、これにレーザー光を照射し感光性樹脂板上に直接マスク画像を形成後、そのマスクを通して光を照射し架橋反応を起こさせた後、光の非照射部分の非架橋部分を現像液で洗い落とす、いわゆるフレキソCTPという技術が開発され、印刷版製作の効率改善効果から、採用が進みつつある。また、レーザーを使って直接印刷原版上にレリーフ画像を形成し、しかも現像不要である技術の開発も進んでいる。
シート状の印刷版は、印刷機のシリンダーに巻きつけられ固定された状態で、印刷工程において使用される。近年、円筒状に成型した感光性樹脂版を用いて円筒状の印刷版を作製し、印刷に使用されるようになってきた。
しかしながら、円筒状印刷原版の作製に用いられる繊維強化プラスチック製(以降FRPと略す。)等の円筒状支持体、あるいは該円筒状支持体上にクッション性を有する樹脂あるいはゴム層が形成された積層体は極めて高価なものであり、そのリサイクルを容易にできるシステムが求められている。従来技術では、円筒状印刷原版を形成する各構成層間の接着強度を確保するために、各構成層間に接着剤が使用されることが一般的であり、この方法では上記円筒状支持体あるいはクッション層付きの円筒状支持体を容易に取り出し、再利用することが極めて難しい。
例えば、特許文献1(特開平9−123630号公報)には、シームレス凸版印刷スリーブを製造するための部材の記載があり、円筒状支持体と感光性樹脂層との間に粘着層を形成することが明記されている。しかしながら、当該特許文献中で使用されている円筒状支持体を再利用する記載は一切ない。
また、特許文献2(特開2000−267264号公報)には感光性樹脂スリーブ構成体の記載があり、また、円筒状支持体を再利用する記載があるが、接着剤、粘着剤、あるいは両面接着テープを用いる記述があり、使用済みで不要となった印刷版層を引き剥がし除去することが書かれている。レーザー彫刻可能な感光性樹脂硬化物層からなる印刷原版に関する記載も一切ない。
特許文献3(特許第2846955号公報)では、可燒性支持体、クッション層、レーザー彫刻可能な印刷版層をこの順序で積層したシート状多層印刷版に関する記載があり、その中で円筒状物体上に前記シート状多層印刷を巻き付け、継ぎ目の部分を溶着させる方法が述べられている。しかしながら、円筒状支持体を再利用するための記載は全くない。この特許文献中で使用されている可撓性支持体は、寸法安定性が良いものを用いることが明記されており、熱収縮性のある支持体の記載は一切ない。
このように、これまで種々の円筒状印刷原版用の材料が提案されている。しかし、不要となった部分を簡単に外し、高価な円筒状支持体を再利用できる材料および方法については知られていなかった。
特開平9−123630号公報 特開2000−267264号公報 特許第2846955号公報
本発明は、高価な円筒状支持体を再利用できように、印刷版構成体の不要となった部分を容易に取り外しできる円筒状印刷原版を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討し、円筒状支持体、あるいはクッション性を有する樹脂層あるいはゴム層の上に熱収縮性のある円筒状樹脂製フィルムを被覆し、該円筒状樹脂製フィルムを熱収縮させることにより、該円筒状樹脂製フィルムと、前記円筒状支持体あるいはクッション層付きの円筒状支持体とを強固に密着させることができることを見出した。更に、円筒状印刷版の不要となった部分(凹凸パターンを有する感光性樹脂から形成された層および該円筒状樹脂製フィルム)を切断することにより、容易に円筒状支持体あるいはクッション付き円筒状支持体から取り外し、取り外された円筒状支持体あるいはクッション層付き円筒状支持体を再利用することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は下記の通りである。
1. 円筒状支持体(A)の少なくとも側面がシュリンクされた樹脂製フィルム(B)で被覆されており、該樹脂製フィルム(B)の上に厚さ0.01mm以上50mm以下のレーザー彫刻可能な樹脂層が積層されてなる円筒状印刷原版。
2. レーザー彫刻可能な樹脂層が、感光性樹脂硬化物層(C)であることを特徴とする1.に記載の円筒状印刷原版。
3.感光性樹脂硬化物層(C)が、数平均分子量1000以上20万以下の樹脂(d)、数平均分子量1000未満でその分子内に重合性不飽和基を有する有機化合物(e)を含有する感光性樹脂組成物を光硬化させた硬化物層であることを特徴とする2.に記載の円筒状印刷原版。
4. レーザー彫刻可能な感光性樹脂硬化物層(C)が、継ぎ目のない層であることを特徴とする2.、3.のいずれかに記載の円筒状印刷原版。
5. 感光性樹脂硬化物層(C)が、20℃において液状の感光性樹脂組成物を光硬化させて形成された層であることを特徴とする2.から4.のいずれかに記載の円筒状印刷原版。
6. 感光性樹脂組成物が、さらに無機多孔質体(f)を含有することを特徴とする3.に記載の円筒状印刷原版。
7. 樹脂製フィルム(B)と感光性樹脂層の間、あるいは円筒状支持体(A)と樹脂製フィルム(B)の間にクッション性を有する樹脂層(D)が存在することを特徴とする1.から6.のいずれかに記載の円筒状印刷原版。
8. 円筒状支持体(A)上に樹脂製フィルム(B)を巻きつける工程、巻きつけた樹脂製フィルム(B)をシュリンクさせる工程、シュリンクさせた樹脂製フィルム(B)上に積層した感光性樹脂組成物層に光を照射し該感光性樹脂層を硬化させレーザー彫刻可能な感光性樹脂硬化物層(C)を形成する工程を含むことを特徴とする円筒状印刷原版の製造方法。
9. 円筒状支持体(A)上に樹脂製フィルム(B)を巻きつける工程の前に、さらにクッション性を有する樹脂層(D)を円筒状支持体(A)上に形成する工程を含むことを特徴とする8.に記載の円筒状印刷原版の製造方法。
10. レーザー彫刻可能な感光性樹脂硬化物層(C)を形成するための感光性樹脂組成物が、20℃において液状感光性樹脂組成物であることを特徴とする8.、9.のいずれかに記載の円筒状印刷原版の製造方法。
11. レーザー彫刻可能な感光性樹脂硬化物層(C)を形成する工程において、円筒状に被覆形成された感光性樹脂層に大気中で、波長200nm以上450nm以下の光を含む光線を照射することを特徴とする8.から10.のいずれかに記載の円筒状印刷原版の製造方法。
12. 樹脂製フィルム(B)を巻きつける代わりに、円筒状のシュリンク可能な樹脂製フィルム(B)を被せる工程を含むことを特徴とする8.から11.のいずれかに記載の円筒状印刷版の製造方法。
13. 円筒状支持体(A)の少なくとも側面がシュリンクされた樹脂製フィルム(B)で被覆されており、該樹脂製フィルム(B)の上に凹凸パターンを有する樹脂層が積層されてなる円筒状印刷版の、樹脂製フィルム(B)および凹凸パターンを有する樹脂層を切断する工程を含むことを特徴とする、円筒状支持体(A)の回収方法。
14. 切断する工程が、赤外線レーザーを照射する工程を含むことを特徴とする13.に記載の円筒状支持体(A)の回収方法。
本発明の円筒状印刷原版はレーザー彫刻性に優れ、高価な円筒状支持体を再利用できように、印刷版構成体の不要となった部分を容易に取り外しできる。
以下、本発明について、特にその好ましい実施態様を中心に、詳細に説明する。
本発明で用いる樹脂製フィルム(B)は、熱収縮性を有するシートであることが好ましい。本発明の熱収縮性とは、シートを加熱した際に縮む方向に寸法変化する現象を言い、80℃に加熱した場合に、寸法が5%以上、好ましくは10%以上、更に好ましくは20%以上寸法が縮む方向に変化することが望ましい。5%以上寸法が縮むものは、円筒状支持体(A)あるいは円筒状支持体(A)上にクッション層を付けた積層体への密着性がよい。
本発明で用いることができる熱収縮性を有するシートは、熱収縮性シートあるいはフィルム、シュリンクフィルムと呼ばれ、一般的に市販されているものを用いることができ、加熱した際に寸法が変化するものであれば何でも用いることができ、特に限定するものではない。好ましい材料の具体的例としては、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのブロック共重合体を含有する高分子化合物、ポリエステル、ポリ塩化ビニル等を挙げることができる。
樹脂製フィルム(B)を、円筒状支持体(A)あるいは円筒状支持体(A)上にクッション層を形成した積層体へ被覆する方法は、樹脂製フィルム(B)を前記円筒状支持体(A)あるいは円筒状支持体(A)上にクッション層を形成した積層体上に巻きつけ、端部の重なる部分のみを熱圧着し、その後、樹脂製フィルム(B)全体を加熱することにより熱収縮させ固定する方法、あらかじめ円筒状に形成しチューブ状に加工された樹脂製フィルム(B)を円筒状支持体(A)あるいは円筒状支持体(A)上にクッション層を形成した積層体にはめ込み、熱収縮させる方法などを挙げることができる。特に好ましいものとして、フィルムの重なり部のないように加工成形された熱収縮性チューブを挙げることができる。
本発明で用いる樹脂製フィルム(B)の厚さは、好ましくは1μm以上300μm以下、より好ましくは10μm以上100μm以下、更に好ましくは25μm以上80μm以下である。厚さが1μm以上であれば、取り扱い時にフィルムに皺が入ることなく被覆でき、厚さが300μm以下であれば、円筒状支持体への巻きつけが容易に行える。
本発明の円筒状印刷原版は、円筒状支持体(A)あるいは円筒状支持体(A)上にクッション層を形成した積層体上に熱収縮性を有する樹脂製フィルム(B)を被覆し、更にレーザー彫刻可能な樹脂層を積層した構成体からなる。積層された樹脂層に、レーザー光が照射された部分の樹脂が除去され凹凸パターン形成することができる。また、感光性樹脂層全体を光硬化させた感光性樹脂硬化物層をレーザー彫刻可能な樹脂層として用いることもできる。写真製版技術、すなわち露光マスクを通して前記感光性樹脂層に光を照射し光が照射された部分を光硬化させる露光工程、それに続き、未硬化部を除去する現像工程を経て凹凸パターンを形成することもできる。露光工程では、ネガマスクを感光性樹脂層に密着させて光を照射することもでき、また、最近の技術として近赤外線レーザーでアブレーション加工できる黒色層を、該感光性樹脂層上に積層し、レーザー光を照射し照射された部分のみを除去して露光マスクを作製する方法も適用できる。更に紫外線レーザー光を走査することにより照射部を硬化させ露光マスクを使用せずに硬化パターンを形成することもできる。また、現像工程では、未硬化部が溶解あるいは分散する現像液をもちいて、未硬化部を除去する方法、熱により未硬化部を溶融させ不織布で吸収除去する熱現像方法を用いることができる。
本発明の円筒状印刷原版で用いるレーザー彫刻可能な樹脂として特に限定するものではなく、レーザー光が照射された部分の樹脂が除去され凹パターンが形成できるものであれば何でも用いることができる。加硫架橋ゴム、合成ゴム、熱硬化性樹脂、感光性樹脂、熱可塑性樹脂などを挙げることができる。特に成形性の容易さから感光性樹脂が好ましい。
本発明において、レーザー彫刻可能な感光性樹脂硬化物層(C)を形成するための感光性樹脂の組成として、数平均分子量1000以上20万以下の樹脂(d)、数平均分子量1000未満でその分子内に重合性不飽和基を有する有機化合物(e)、および無機多孔質体(f)を含有することが好ましい。
樹脂(d)の種類としては、エラストマーであっても非エラストマーであっても構わないし、20℃において固体状ポリマーであっても液状ポリマーであっても構わない。また、熱可塑性樹脂を用いる場合、ポリマー全重量の30wt%以上、好ましくは50wt%以上、更に好ましくは70wt%以上含有していることが望ましい。熱可塑性樹脂の含有率が30wt%以上であれば、レーザー光線照射により樹脂が充分に流動化するため、後述する無機多孔質体に吸収される。ただし、軟化温度が300℃を越えて大きい樹脂を用いる場合、円筒状に成形する温度も当然高くなるため、他の有機物が熱で変性、分解することが懸念されるため、溶剤可溶性樹脂を溶剤に溶かした状態で塗布し使用することが好ましい。
特に、円筒状樹脂版への加工の容易性の観点、また、熱に対する分解のし易さの点から、樹脂(d)として20℃において液状のポリマーを使用することが好ましい。樹脂(d)として、20℃において液状のポリマーを使用した場合、形成される感光性樹脂組成物も液状となるので、低い温度で成形することができる。
本発明で用いる樹脂(d)の数平均分子量は、1000から20万の範囲が好ましい。より好ましい範囲としては、5000から10万である。数平均分子量が1000から20万の範囲であれば、印刷原版の機械的強度を確保することができ、レーザー彫刻時、樹脂を充分に溶融あるいは分解させることができる。本発明の数平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定し、分子量既知のポリスチレン標品に対して評価したものである。
本発明の好ましい態様の技術的特徴として、レーザー光線の照射により液状化したカスを、無機多孔質体を用いて吸収除去することを挙げることができる。用いる感光性樹脂硬化物としては、液状化し易い樹脂や分解し易い樹脂が好ましい。分解し易い樹脂としては、分子鎖中に分解し易いモノマー単位としてスチレン、α−メチルスチレン、α−メトキシスチレン、アクリルエステル類、メタクリルエステル類、エステル化合物類、エーテル化合物類、ニトロ化合物類、カーボネート化合物類、カルバモイル化合物類、ヘミアセタールエステル化合物類、オキシエチレン化合物類、脂肪族環状化合物類等が含まれていることが好ましい。特にポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラエチレングリコール等のポリエーテル類、脂肪族ポリカーボネート類、脂肪族カルバメート類、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ニトロセルロース、ポリオキシエチレン、ポリノルボルネン、ポリシクロヘキサジエン水添物、あるいは分岐構造の多いデンドリマー等の分子構造を有するポリマーは、分解し易いものの代表例である。また、分子鎖中に酸素原子を多数含有するポリマーが分解性の観点から好ましい。これらの中でも、カーボネート基、カルバメート基、メタクリル基をポリマー主鎖中に有する化合物は、熱分解性が高く好ましい。例えば、(ポリ)カーボネートジオールや(ポリ)カーボネートジカルボン酸を原料として合成したポリエステルやポリウレタン、(ポリ)カーボネートジアミンを原料として合成したポリアミドなどを熱分解性の良好なポリマーの例として挙げることができる。これらのポリマー主鎖、側鎖に重合性不飽和基を含有しているものであっても構わない。特に、末端に水酸基、アミノ基、カルボキシル基等の反応性官能基を有する場合には、主鎖末端に重合性不飽和基を導入することも容易である。
本発明で用いる熱可塑性エラストマーとして特に限定するものではないが、スチレン系熱可塑性エラストマーであるSBS(ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン)、SIS(ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン)、SEBS(ポリスチレン−ポリエチレン/ポリブチレン−ポリスチレン)等、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー、シリコーン系熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。より熱分解性を向上させるために、分子骨格中に分解性の高いカルバモイル基、カーボネート基等の易分解性官能基を主鎖に導入したポリマーを用いることもできる。また、より熱分解性の高いポリマーと混合して用いても構わない。熱可塑性エラストマーは加熱することにより流動化するため、本発明で用いる無機多孔質体と混合することが可能となる。熱可塑性エラストマーとは、加熱することにより流動し通常の熱可塑性プラスチック同様成形加工ができ、常温ではゴム弾性を示す材料である。分子構造としては、ポリエーテルあるいはゴム分子のようなソフトセグメントと、常温付近では加硫ゴムと同じく塑性変形を防止するハードセグメントからなり、ハードセグメントとしては凍結相、結晶相、水素結合、イオン架橋など種々のタイプが存在する。
印刷版の用途により、熱可塑性エラストマーの種類を選択できる。例えば、耐溶剤性が要求される分野では、ウレタン系、エステル系、アミド系、フッ素系熱可塑性エラストマーが好ましく、耐熱性が要求される分野では、ウレタン系、オレフィン系、エステル系、フッ素系熱可塑性エラストマーが好ましい。また、熱可塑性エラストマーの種類により、硬度を大きく変えることができる。通常の印刷版での用途では、ショアA硬度が20〜75度の領域、紙、フィルム、建築材料の表面凹凸パターンを形成するエンボス加工の用途では、比較的硬い材料が必要であり、ショアD硬度で、30〜80度の領域である。
熱可塑性樹脂において非エラストマー性のものとして、特に限定するものではないが、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリイイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、全芳香族ポリエステル樹脂等を挙げることができる。
本発明の熱可塑性樹脂の軟化温度は、50℃以上300℃以下であることが好ましい。より好ましい範囲としては80℃以上250℃以下、更に好ましくは100℃以上200℃以下である。軟化温度が50℃以上であれば常温で固体として取り扱うことができ、シート状あるいは円筒状に加工したものを変形させずに取り扱うことができる。また軟化温度が300℃以下である場合、円筒状に加工する際に極めて高い温度に加熱する必要がなく、混合する他の化合物を変質、分解させずに済む。本発明の軟化温度の測定は、動的粘弾性測定装置を用い、室温から温度を上昇していった場合、粘性率が大きく変化する(粘性率曲線の傾きが変化する)最初の温度で定義する。
また、本発明の樹脂(d)として溶剤可溶性樹脂であっても構わない。具体的には、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂等を挙げることができる。
本発明の樹脂(d)は、通常反応性の高い重合性不飽和基を持たないものが多いが、分子鎖の末端あるいは側鎖に反応性の高い重合性不飽和基を有していても構わない。反応性の高い重合性不飽和基を有するポリマーを用いた場合、極めて機械的強度の高い印刷原版を作製することができる。特にポリウレタン系、ポリエステル系熱可塑性エラストマーでは、比較的簡単に分子内に反応性の高い重合性不飽和基を導入することが可能である。ここで言う分子内とは高分子主鎖の末端、高分子側鎖の末端や高分子主鎖中や側鎖中に直接、重合性不飽和基が付いている場合なども含まれる。例えば直接、重合性の不飽和基をその分子末端に導入したものを用いても良いが、別法として、水酸基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基、ケトン基、ヒドラジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、環状カーボネート基、エステル基などの反応性基を複数有する数千程度の分子量の上記成分の反応性基と結合しうる基を複数有する結合剤(例えば水酸基やアミノ基の場合のポリイソシアネートなど)を反応させ、分子量の調節、及び末端の結合性基への変換を行った後、この末端結合性基と反応する基と重合性不飽和基を有する有機化合物と反応させて末端に重合性不飽和基を導入する方法などの方法が好適にあげられる。
有機化合物(e)は、ラジカル、または付加重合反応に関与する不飽和結合を有した化合物であり、樹脂(d)との希釈のし易さを考慮すると数平均分子量は1000未満が好ましい。ラジカル重合反応に関与する不飽和結合を有する官能基としては、ビニル基、アセチレン基、アクリル基、メタクリル基、アリル基などが好ましい例である。また、付加重合反応に関与する不飽和結合を有する官能基としては、シンナモイル基、チオール基、アジド基、開環付加反応するエポキシ基、オキセタン基、環状エステル基、ジオキシラン基、スピロオルトカーボネート基、スピロオルトエステル基、ビシクロオルトエステル基、シクロシロキサン基、環状イミノエーテル基等を挙げることができる。
有機化合物(e)の具体例としては、エチレン、プロピレン、スチレン、ジビニルベンゼン等のオレフィン類、アセチレン類、(メタ)アクリル酸及びその誘導体、ハロオレフィン類、アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類、(メタ)アクリルアミド及びその誘導体、アリルアルコール、アリルイソシアネート等のアリル化合物、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸及びその誘導体、酢酸ビニル類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール等があげられるが、その種類の豊富さ、価格、レーザー光照射時の分解性等の観点から(メタ)アクリル酸及びその誘導体が好ましい例である。前記化合物の誘導体の例としては、シクロアルキル−、ビシクロアルキル−、シクロアルケン−、ビシクロアルケン−などの脂環族、ベンジル−、フェニル−、フェノキシ−、フルオレン−などの芳香族、アルキル−、ハロゲン化アルキル−、アルコキシアルキル−、ヒドロキシアルキル−、アミノアルキル−、テトラヒドロフルフリル−、アリル−、グリシジル−、アルキレングリコール−、ポリオキシアルキレングリコール−、(アルキル/アリルオキシ)ポリアルキレングリコール−やトリメチロールプロパン等の多価アルコールのエステルなどがあげられる。また、窒素、硫黄等の元素を含有した複素芳香族化合物であっても構わない。
また、開環付加反応するエポキシ基を有する化合物としては、種々のジオールやトリオールなどのポリオールにエピクロルヒドリンを反応させて得られる化合物、分子中のエチレン結合に過酸を反応させて得られるエポキシ化合物などを挙げることができる。具体的には、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールAにエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドが付加した化合物のジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリ(プロピレングリコールアジペート)ジオールジグリシジルエーテル、ポリ(エチレングリコールアジペート)ジオールジグリシジルエーテル、ポリ(カプロラクトン)ジオールジグリシジルエーテル等を挙げることができる。
本発明において、これら重合性の不飽和結合を有する有機化合物(e)はその目的に応じて1種若しくは2種以上のものを選択できる。例えば印刷版として用いる場合、印刷インキの溶剤であるアルコールやエステル等の有機溶剤に対する膨潤を押さえるために用いる有機化合物(e)として長鎖脂肪族、脂環族または芳香族の誘導体を少なくとも1種類以上有することが好ましい。
本発明の樹脂組成物より得られる印刷原版の機械強度を高めるためには、有機化合物(e)としては脂環族または芳香族の誘導体を少なくとも1種類以上有することが好ましく、この場合、有機化合物(e)の全体量の20wt%以上であることが好ましく、更に好ましくは50wt%以上である。また、前記芳香族の誘導体として、窒素、硫黄等の元素を有する芳香族化合物であっても構わない。
印刷版の反撥弾性を高めるため例えば特開平7−239548号に記載されているようなメタクリルモノマーを使用するとか、公知の印刷用感光性樹脂の技術知見等を利用して選択することができる。
無機多孔質体(f)とは、粒子中に微小細孔を有する、あるいは微小な空隙を有する無機粒子である。レーザー彫刻において多量に発生する粘稠性の液状カスを吸収除去するための添加剤であり、版面のタック防止効果も有する。レーザー照射されても溶融しないことの他、特に材質として限定されるものではないが、紫外線あるいは可視光線を用いて光硬化させる場合、黒色の微粒子を添加すると感光性樹脂組成物内部への光線透過性が著しく低下し、硬化物の物性低下をもたらすため、カーボンブラック、活性炭、グラファイト等の黒色微粒子は、本発明の無機多孔質体(f)としては適当でない。
本発明の無機多孔質体は、粘稠な液状カスを吸着させるため、数平均粒子径、比表面積、平均細孔径、細孔容積、灼熱減量がその性能に大きく影響する。
無機多孔質体(f)の細孔容積は、好ましくは0.1ml/g以上10ml/g以下、より好ましくは0.2ml/g以上5ml/g以下である。細孔容積が0.1m/g以上の場合、粘稠性液状カスの吸収量は十分であり、また10ml/g以下の場合、粒子の機械的強度を確保することができる。本発明において細孔容積の測定には、窒素吸着法を用いる。本発明の細孔容積は、−196℃における窒素の吸着等温線から求められる。
無機多孔質体(f)の平均細孔径は、レーザー彫刻時に発生する液状カスの吸収量に極めて大きく影響を及ぼす。平均細孔径の好ましい範囲は、1nm以上1000nm以下、より好ましくは2nm以上200nm以下、更に好ましくは2nm以上50nm以下である。平均細孔径が1nm以上であれば、レーザー彫刻時に発生する液状カスの吸収性が確保でき、1000nm以下である場合、粒子の比表面積も大きく液状カスの吸収量を十分に確保できる。平均細孔径が1nm未満の場合、液状カスの吸収量が少ない理由については明確になっていないが、液状カスが粘稠性であるため、ミクロ孔に入り難いのではないかと推定している。本発明の平均細孔径は、窒素吸着法を用いて測定した値である。平均細孔径が2〜50nmのものは特にメソ孔と呼ばれ、メソ孔を有する多孔質粒子が液状カスを吸収する能力が極めて高い。本発明の細孔径分布は、−196℃における窒素の吸着等温線から求められる。
本発明は、好ましくはレーザー照射により切断され易いように比較的分子量の低い樹脂を採用し、それ故分子の切断時に多量に低分子のモノマー、オリゴマー類が発生するため、この粘稠性の液状カスの除去を、好ましくは多孔質無機吸収剤を用いて行うという、これまでの技術思想に全くない新しい概念を導入していることに最大の特徴がある。粘稠性液状カスの除去を効果的に行なうために、無機多孔質体の数平均粒子径、比表面積、平均細孔径、細孔容積、灼熱減量、給油量等の物性は重要な要素となる。
無機多孔質体(f)は数平均粒径が0.1〜100μmであることが好ましい。この数平均粒径の範囲より小さいものを用いた場合、本発明の樹脂組成物より得られる原版をレーザーで彫刻する際に粉塵が舞いやすく、彫刻装置を汚染するほか、樹脂(d)及び有機化合物(e)との混合を行う際に粘度の上昇、気泡の巻き込み、粉塵の発生等を生じやすい。他方、上記数平均粒径の範囲より大きなものを用いた場合、レーザー彫刻した際レリーフ画像に欠損が生じやすく、印刷物の精細さを損ないやすい傾向がある。より好ましい平均粒子径の範囲は、0.5〜20μmであり、更に好ましい範囲は3〜10μmである。本発明で用いる無機多孔質体の平均粒子径は、レーザー散乱式粒子径分布測定装置を用いて測定することができる。
多孔質体の特性を評価する上で、多孔度という新たな概念を導入する。多孔度とは、平均粒子径D(単位:μm)と粒子を構成する物質の密度d(単位:g/cm)から算出される単位重量あたりの表面積Sに対する、比表面積Pの比、すなわちP/Sで定義する。粒子1個あたりの表面積は、πD×10-12(単位:m)であり、粒子1個の重量は(πDd/6)×10−12(単位:g)であるので、単位重量あたりの表面積Sは、S=6/(Dd)(単位:m/g)となる。比表面積Pは、窒素分子を表面に吸着させ測定した値を用いる。
無機多孔質体(f)の多孔度は、好ましくは20以上、より好ましくは50以上、更に好ましくは100以上である。多孔度が20以上であれば、液状カスの吸着除去に効果がある。粒子径が小さくなればなるほど比表面積Pは大きくなるため、比表面積単独では多孔質体の特性を示す指標として不適当である。そのため、粒子径を考慮し、無次元化した指標として多孔度を取り入れた。例えば、ゴム等の補強材として広く用いられているカーボンブラックは、比表面積は150m/gから20m/gと非常に大きいが、平均粒子径は極めて小さく、通常10nmから100nmの大きさであるので、密度をグラファイトの2.25g/cmとして、多孔度を算出すると、0.8から1.0の範囲の値となり、粒子内部に多孔構造のない無孔質体であると推定される。カーボンブラックはグラファイト構造を有することは一般的に知られているので、前記密度にグラファイトの値を用いた。一方、本発明で用いている多孔質シリカの多孔度は、500を優に越えた高い値となる。
本発明の無機多孔質体は、さらに良好な吸着性を得るためには、特定の比表面積、吸油量を持つことが好ましい。
無機多孔質体(f)の比表面積の範囲は、好ましくは10m/g以上1500m/g以下である。より好ましい範囲は、100m/g以上800m/g以下である。比表面積が10m/g以上であれば、レーザー彫刻時の液状カスの除去が十分となり、また、1500m/g以下であれば、感光性樹脂組成物の粘度上昇を抑え、また、チキソトロピー性を抑えることができる。本発明の比表面積は、−196℃における窒素の吸着等温線からBET式に基づいて求められる。
液状カス吸着量を評価する指標として、吸油量がある。これは、無機多孔質体100gが吸収する油の量で定義する。本発明で用いる無機多孔質体の吸油量の好ましい範囲は、10ml/100g以上2000ml/100g以下、より好ましくは50ml/100g以上1000ml/100g以下、更に好ましくは200ml/100g以上800ml/100g以下である。吸油量が10ml/100g以上であれば、レーザー彫刻時に発生する液状カスの除去に効果があり、また2000ml/100g以下であれば、無機多孔質体の機械的強度を十分に確保できる。吸油量の測定は、JIS−K5101にて行うことが好ましい。
本発明の無機多孔質体(f)は、特に赤外線波長領域のレーザー光照射により変形あるいは溶融せずに多孔質性を保持することが必要である。950℃において2時間処理した場合の灼熱減量は、好ましくは15wt%以下、より好ましくは10wt%以下である。
無機多孔質体の粒子形状は特に限定するものではなく、球状、扁平状、針状、無定形、あるいは表面に突起のある粒子などを使用することができる。その中でも、印刷版の耐摩耗性の観点から、球状粒子が特に好ましい。また、粒子の内部が空洞になっている粒子、シリカスポンジ等の均一な細孔径を有する球状顆粒体など使用することも可能である。特に限定するものではないが、例えば、多孔質シリカ、メソポーラスシリカ、シリカ−ジルコニア多孔質ゲル、メソポーラスモレキュラーシーブ、ポーラスアルミナ、多孔質ガラス等を挙げることができる。
また、層状粘土化合物などのように、層間に数nm〜100nmの空隙が存在するものについては、細孔径を定義できないため、本発明においては層間に存在する空隙すなわち面間隔を細孔径と定義する。また、層間に存在する空間の総量を細孔容積と定義する。これらの値は、窒素の吸着等温線から求めることができる。
更にこれらの細孔あるいは空隙にレーザー光の波長の光を吸収する顔料、染料等の有機色素を取り込ませることもできる。
球状粒子を規定する指標として、真球度を定義する。本発明で用いる真球度とは、粒子を投影した場合に投影図形内に完全に入る円の最大値Dの、投影図形が完全に入る円の最小値Dの比(D/D)で定義する。真球の場合、真球度は1.0となる。本発明で用いる好ましい球状粒子の真球度は、0.5以上1.0以下、より好ましくは0.7以上1.0以下が望ましい。0.5以上であれば、印刷版としての耐磨耗性が良好である。真球度1.0は、真球度の上限値である。球状粒子として、70%以上、より好ましくは90%以上の粒子が、真球度0.5以上であることが望ましい。真球度を測定する方法としては、走査型電子顕微鏡を用いて撮影した写真を基に測定する方法を用いることができる。その際、少なくとも100個以上の粒子がモニター画面に入る倍率において写真撮影を行うことが好ましい。また、写真を基に前記DおよびDを測定するが、写真をスキャナー等のデジタル化する装置を用いて処理し、その後画像解析ソフトウエアーを用いてデータ処理することが好ましい。
また、無機多孔質体の表面をシランカップリング剤、チタンカップリング剤、その他の有機化合物で被覆し表面改質処理を行い、より親水性化あるいは疎水性化した粒子を用いることもできる。
本発明において、これらの無機多孔質体(f)は1種類もしくは2種類以上のものを選択でき、無機多孔質体(f)を添加することによりレーザー彫刻時の液状カスの発生抑制、及びレリーフ印刷版のタック防止等の改良が有効に行われる。
本発明の感光性樹脂組成物における樹脂(d)、有機化合物(e)、及び無機多孔質体(f)の割合は、通常、樹脂(d)100重量部に対して、有機化合物(e)は5〜200重量部が好ましく、20〜100重量部の範囲がより好ましい。又、無機多孔質体(f)は1〜100重量部が好ましく、2〜50重量部の範囲がより好ましい。更に好ましい範囲は、2〜20重量部である。
有機化合物(e)の割合が、上記の範囲であれば、得られる印刷版などの硬度と引張強伸度のバランスがとり易く、架橋硬化の際の収縮が小さくなり、厚み精度を確保することができる。
また、無機多孔質体(f)の量が上記の範囲であれば、版面のタック防止効果、及びレーザー彫刻した際に、彫刻液状カスの発生を抑制するなどの効果が十分発揮され、印刷版の機械的強度を確保することができ、透明性を保持することもできる。また、特にフレキソ版として利用する際にも、硬度が高くなりすぎないように抑えることができる。光、特に紫外線を用いて感光性樹脂組成物を硬化させレーザー彫刻印刷原版を作製する場合、光線透過性が硬化反応に影響する。したがって、用いる無機多孔質体の屈折率が感光性樹脂組成物の屈折率に近いものを用いることが有効である。
本発明の感光性樹脂組成物を光照射により架橋して印刷版などとしての物性を発現させるが、その際に重合開始剤を添加することができる。重合開始剤は一般に使用されているものから選択でき、例えば高分子学会編「高分子データ・ハンドブック−基礎編」1986年培風館発行、に例示されているラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合の開始剤等が使用できる。また、光重合開始剤を用いて光重合により架橋を行なうことは、本発明の樹脂組成物の貯蔵安定性を保ちながら、生産性良く印刷原版を生産出来る方法として有用であり、その際に用いる開始剤も公知のものが使用できるが、例えばベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2、2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノンなどのアセトフェノン類;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、フェニルグリオキシル酸メチル、ベンゾフェノン、ベンジル、ジアセチル、ジフェニルスルフィド、エオシン、チオニン、アントラキノン類等の光ラジカル重合開始剤のほか、光を吸収して酸を発生する芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩等の光カチオン重合開始剤あるいは光を吸収して塩基を発生する重合開始剤などが挙げられる。重合開始剤の添加量は樹脂(d)と有機化合物(e)の合計量の0.01〜10wt%範囲が好ましい。
その他、本発明の樹脂組成物には用途や目的に応じて重合禁止剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、滑剤、界面活性剤、可塑剤、香料などを添加することができる。
本発明の感光性樹脂組成物を円筒状に成形する方法は、既存の樹脂の成形方法を用いることができる。例えば、注型法、ポンプや押し出し機等の機械で樹脂をノズルやダイスから押し出し、ブレードで厚みを合わせる、ロールによりカレンダー加工して厚みを合わせる方法等が例示できる。その際、樹脂の性能を落とさない範囲で加熱しながら成形を行なうことも可能である。また、必要に応じて圧延処理、研削処理などをほどこしても良い。また、感光性樹脂組成物を円筒状支持体上に塗布した後、光を照射し該感光性樹脂組成物を硬化・固化させる装置内に、レーザー彫刻用のレーザー光源を組み込んだ円筒状印刷原版成形・彫刻装置を用いて印刷版を形成することもできる。このような装置を用いた場合、円筒状印刷原版を形成した後、直ちにレーザー彫刻し印刷版を形成することができ、成形加工に数週間の期間を必要としていた従来のゴムスリーブでは到底考えられない短時間加工が実現可能となる。円筒状印刷原版を作製する工程において、感光性樹脂組成物を用いることにより円筒状印刷原版を極めて短時間で作製することが可能である。
本発明では、円筒状支持体(A)と樹脂製フィルム(B)との間、あるいは樹脂製フィルム(B)と感光性樹脂層との間にクッション性を有する樹脂あるいはゴムからなるクッション層を形成することができる。円筒状支持体(A)と樹脂製フィルム(B)との間にクッション層を形成する場合、片面に接着剤層の付いたクッション層を、接着剤層側を円筒状支持体(A)に向けて貼り付ける方法が簡便である。クッション層を貼り付けた後、表面を切削、研磨して整形することもできる。より簡便な方法は、液状感光性樹脂組成物を円筒状支持体(A)上に一定厚みで塗布し、光を用いて硬化させクッション層を形成する方法である。クッション性を有するために、光硬化した硬化物の硬度が低いことが好ましい。また、該クッション性を有する感光性樹脂硬化物層中に気泡を含むものであっても構わない。更に、クッション層の表面を切削、研磨等で整形することも可能であり、このようにして作製されたクッション層はシームレスクッション層として有用である。
樹脂製フィルム(B)と感光性樹脂層の間にクッション層を形成する場合、両面あるいは片面に接着剤層の付いたクッション層を、接着剤層側を樹脂製フィルム(B)に向けて貼り付ける方法が簡便である。また、液状感光性樹脂組成物を用いてクッション層を形成することもできる。液状感光性樹脂を用いる場合、樹脂製フィルム(B)、クッション層、感光性樹脂層間の接着性を確保するために各層間に接着剤層を形成することもできる。
本発明で用いる円筒状支持体(A)は、剛直性であってもフレキシブルであっても構わないが、形状安定性の観点から剛直性であることが、より好ましい。本発明で用いる円筒状支持体の役割は、印刷原版の寸法安定性を確保することである。したがって、寸法安定性の高いものを選択することが好ましい。線熱膨張係数を用いて評価すると、好ましい材料の上限値は100ppm/℃以下、更に好ましくは70ppm/℃以下である。材料の具体例としては、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビスマレイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンチオエーテル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、全芳香族ポリエステル樹脂からなる液晶樹脂、全芳香族ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、金属などを挙げることができる。また、これらの樹脂を積層して用いることもできる。
また、円筒状支持体の線熱膨張係数を小さくする方法として、充填剤を添加する方法、全芳香族ポリアミド等のメッシュ状クロス、ガラスクロスなどに樹脂を含浸あるいは被覆する方法などを挙げることができる。充填剤としては、通常用いられる有機系微粒子、金属酸化物あるいは金属等の無機系微粒子、有機・無機複合微粒子などを用いることができる。また、多孔質微粒子、内部に空洞を有する微粒子、マイクロカプセル粒子、低分子化合物が内部にインターカレーションする層状化合物粒子を用いることもできる。特に、アルミナ、シリカ、酸化チタン、ゼオライト等の金属酸化物微粒子、ポリスチレン・ポリブタジエン共重合体からなるラテックス微粒子、高結晶性セルロース、生物が生成した高結晶性セルロースナノファイバー等の天然物系の有機系微粒子、繊維等が有用である。繊維強化プラスチック(FRP)等の材料は、円筒状支持体として特に有用である。
本発明で用いる円筒状支持体の表面に物理的、化学的処理を行うことにより、クッション層との接着性を向上させることができる。物理的処理方法としては、サンドブラスト法、微粒子を含有した液体を噴射するウエットブラスト法、コロナ放電処理法、プラズマ処理法、紫外線あるいは真空紫外線照射法などを挙げることができる。また、化学的処理方法としては、強酸・強アルカリ処理法、酸化剤処理法、カップリング剤処理法などである。
成形された感光性樹脂組成物は、光もしくは電子線の照射により光硬化させる。レーザー彫刻可能な円筒状印刷原版を形成する場合には、成型しながら光もしくは電子線の照射により架橋させることができる。光を使って硬化させる方法は、装置が簡便で厚み精度が高くできるなどの利点を有し好適である。硬化に用いられる光源としては250nm以上450nm以下の光を含む高圧水銀灯、超高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等が挙げられ、その他公知の方法で硬化を行うことができる。また、複数の種類の光源からの光を照射しても構わない。感光性樹脂組成物を光で硬化させる場合、表面に透明なカバーフィルムを被覆し、酸素を遮断した状態で光を照射することもできる。カバーフィルムは、円筒状印刷原版の表面を保護するために使用することもできる。ただし、レーザー彫刻時には剥離して用いる。
本発明の感光性樹脂層の厚みは、その使用目的に応じて任意に設定して構わないが、印刷版として用いる場合には、一般的に0.1〜7mmの範囲である。場合によっては、組成の異なる材料を複数積層しても構わない。
本発明のレーザー彫刻可能な円筒状印刷原版の場合、無機多孔質体微粒子を含有した感光性材料を光硬化させて形成したものが好ましい。したがって、有機化合物(e)の重合性不飽和基、あるいはポリマーと有機化合物(e)の重合性不飽和基が反応することにより3次元架橋構造が形成され、通常用いるエステル系、ケトン系、芳香族系、エーテル系、アルコール系、ハロゲン系溶剤に不溶化する。この反応は、有機化合物(e)同士、樹脂(d)同士、あるいは樹脂(d)と有機化合物(e)との間で起こり、重合性不飽和基が消費される。また、光重合開始剤を用いて架橋硬化させる場合、光重合開始剤が光により分解されるため、前記架橋硬化物を溶剤で抽出し、GC−MS法(ガスクロマトグラフィーで分離したものを質量分析する方法)、LC−MS法(液体クロマトグラフィーで分離したものを質量分析する方法)、GPC−MS法(ゲル浸透クロマトグラフィーで分離し質量分析する方法)、LC−NMR法(液体クロマトグラフィーで分離したものを核磁気共鳴スペクトルで分析する方法)を用いて解析することにより、未反応の光重合開始剤および分解生成物を同定することができる。更に、GPC−MS法、LC−MS法、GPC−NMR法を用いることにより、溶剤抽出物中の未反応の樹脂(d)、未反応の有機化合物(e)、および重合性不飽和基が反応して得られる比較的低分子量の生成物についても溶剤抽出物の分析から同定することができる。3次元架橋構造を形成した溶剤に不溶の高分子量成分については、熱分解GC−MS法を用いることにより、高分子量体を構成する成分として、重合性不飽和基が反応して生成した部位が存在するかを検証することが可能である。例えば、メタクリレート基、アクリレート基、ビニル基等の重合性不飽和基が反応した部位が存在することを質量分析スペクトルパターンから推定することができる。熱分解GC−MS法とは、試料を加熱分解させ、生成するガス成分をガスクロマトグラフィーで分離した後、質量分析を行なう方法である。架橋硬化物中に、未反応の重合性不飽和基又は重合性不飽和基が反応して得られた部位と共に、光重合開始剤に由来する分解生成物や未反応の光重合開始剤が検出されると、感光性樹脂組成物を光架橋硬化させて得られたものであると結論付けることができる。
また、架橋硬化物中に存在する無機多孔質体微粒子の量については、架橋硬化物を空気中で加熱することにより、有機物成分を焼き飛ばし、残渣の重量を測定することにより得ることができる。また、前記残渣中に無機多孔質体微粒子が存在することは、電界放射型高分解能走査型電子顕微鏡での形態観察、レーザー散乱式粒子径分布測定装置での粒子径分布、および窒素吸着法による細孔容積、細孔径分布、比表面積の測定から同定することができる。
感光性樹脂層を写真製版技術あるいはレーザー光走査露光方式を用いて光硬化させる感光性樹脂組成物の場合、該感光性樹脂層を採取し溶剤に溶かすことが可能であり、構成する分子の構造解析を行うことが容易である。前記、GPCあるいはLCを用いて構成成分を分離し、分離した成分を核磁気共鳴スペクトル法(NMR法)、質量分析法等の分析方法を用いて同定することができる。
また、本発明の凹凸パターンを形成した円筒状印刷版の表面に改質層を形成させることにより、印刷版表面のタックの低減、インク濡れ性の向上を行うこともできる。改質層としては、シランカップリング剤あるいはチタンカップリング剤等の表面水酸基と反応する化合物で処理した被膜、あるいは多孔質無機粒子を含有するポリマーフィルムを挙げることができる。
広く用いられているシランカップリング剤は、基材の表面水酸基との反応性の高い官能基を分子内に有する化合物であり、そのような官能基とは、例えばトリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリクロロシリル基、ジエトキシシリル基、ジメトキシシリル基、ジモノクロロシリル基、モノエトキシシリル基、モノメトキシシリル基、モノクロロシリル基を挙げることができる。また、これらの官能基は分子内に少なくとも1つ以上存在し、基材の表面水酸基と反応することにより基材表面に固定化される。更に本発明のシランカップリング剤を構成する化合物は、分子内に反応性官能基としてアクリロイル基、メタクリロイル基、活性水素含有アミノ基、エポキシ基、ビニル基、パーフルオロアルキル基、及びメルカプト基から選ばれた少なくとも1個の官能基を有するもの、あるいは長鎖アルキル基を有するものを用いることができる。
また、チタンカップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジ−トリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(オクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルスルフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等の化合物を挙げることができる。
表面に固定化したカップリング剤分子が特に重合性反応基を有する場合、表面への固定化後、光、熱、あるいは電子線を照射し架橋させることにより、より強固な被膜とすることもできる。
本発明では、上記のカップリング剤に、必要に応じ、水−アルコール、或いは酢酸水−アルコール混合液で希釈して、調整する。処理液中のカップリング剤の濃度は、0.05〜10.0重量%が好ましい。
カップリング剤処理法について説明する。前記のカップリング剤を含む処理液を、印刷原版、あるいはレーザー彫刻後の印刷版表面に塗布して用いられる。カップリング剤処理液を塗布する方法に特に限定はなく、例えば浸漬法、スプレー法、ロールコート法、或いは刷毛塗り法等を適応することが出来る。また、被覆処理温度、被覆処理時間についても特に限定はないが、5〜60℃であることが好ましく、処理時間は0.1〜60秒であることが好ましい。更に樹脂版表面上の処理液層の乾燥を加熱下に行うことが好ましく、加熱温度としては50〜150℃が好ましい。
カップリング剤で印刷版表面を処理する前に、キセノンエキシマランプ等の波長が200nm以下の真空紫外線領域の光を照射する方法、あるいはプラズマ等の高エネルギー雰囲気に曝すことにより、印刷版表面に水酸基を発生させ高密度にカップリング剤を固定化することもできる。
また、無機多孔質体粒子を含有する層が印刷版表面に露出している場合、プラズマ等の高エネルギー雰囲気下で処理し、表面の有機物層を若干エッチング除去することにより印刷版表面に微小な凹凸を形成させることができる。この処理により印刷版表面のタックを低減させること、および表面に露出した無機多孔質体粒子がインクを吸収しやすくすることによりインク濡れ性が向上する効果も期待できる。
レーザー彫刻においては、形成したい画像をデジタル型のデータとしてコンピューターを利用してレーザー装置を操作し、原版上にレリーフ画像を作成する。レーザー彫刻に用いるレーザーは、原版が吸収を有する波長を含むものであればどのようなものを用いてもよいが、彫刻を高速度で行なうためには出力の高いものが望ましく、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、半導体レーザー、ファイバーレーザー等の赤外線あるいは近赤外線領域に発振波長を有するレーザーが好ましいものの一つである。また、紫外線領域に発振波長を有する紫外線レーザー、例えばエキシマレーザー、第3あるいは第4高調波へ波長変換したYAGレーザー、銅蒸気レーザー等は、有機分子の結合を切断するアブレージョン加工が可能であり、微細加工に適する。フェムト秒レーザーなど極めて高い尖頭出力を有するレーザーを用いることもできる。また、レーザーは連続照射でも、パルス照射でも良い。一般には樹脂は炭酸ガスレーザーの10μm近傍に吸収を持つため、特にレーザー光の吸収を助けるような成分の添加は必須ではない。YAGレーザー、半導体レーザー、ファイバーレーザーは1μm近辺に発振波長を有するが、この波長領域に光吸収を有する有機物はあまり無い。その場合、これの吸収を助ける成分である、染料、顔料の添加が必要となる。このような染料の例としては、ポリ(置換)フタロシアニン化合物および金属含有フタロシアニン化合物、;シアニン化合物;スクアリリウム染料;カルコゲノピリロアリリデン染料;クロロニウム染料;金属チオレート染料;ビス(カルコゲノピリロ)ポリメチン染料;オキシインドリジン染料;ビス(アミノアリール)ポリメチン染料;メロシアニン染料;及びキノイド染料などが挙げられる。顔料の例としてはカーボンブラック、グラファイト亜クロム酸銅、酸化クロム、コバルトクロームアルミネート、酸化鉄等の暗色の無機顔料や鉄、アルミニウム、銅、亜鉛のような金属粉およびこれら金属にSi、Mg、P、Co、Ni、Y等をドープしたもの等が挙げられる。これら染料、顔料は単独で使用しても良いし、複数を組み合わせて使用しても良いし、複層構造にするなどのあらゆる形態で組み合わせても良い。ただし、紫外線あるいは可視光線を用いて感光性樹脂組成物を硬化させる場合、印刷原版内部まで硬化させるためには、用いる光線領域に吸収のある色素、顔料の添加量は低く抑えることが好ましい。
レーザーによる彫刻は酸素含有ガス下、一般には空気存在下もしくは気流下に実施するが、炭酸ガス、窒素ガス下でも実施できる。彫刻終了後、レリーフ印刷版面にわずかに発生する粉末状もしくは液状の物質は適当な方法、例えば溶剤や界面活性剤の入った水等で洗いとる方法、高圧スプレー等により水系洗浄剤を照射する方法、高圧スチームを照射する方法などを用いて除去しても良い。
本発明の原版は印刷版用レリーフ画像の他、スタンプ・印章、エンボス加工用のデザインロール、電子部品作成に用いられる絶縁体、抵抗体、導電体ペーストのパターニング用レリーフ画像、窯業製品の型材用レリーフ画像、広告・表示板などのディスプレイ用レリーフ画像、各種成型品の原型・母型など各種の用途に応用し利用できる。
本発明の円筒状支持体(A)あるいは円筒状支持体(A)上にクッション層を形成した積層体は、複数回使用することが可能である。円筒状支持体(A)あるいは円筒状支持体(A)上にクッション層を形成した積層体上に被覆された樹脂製フィルム(B)は、接着剤あるいは粘着剤を用いて円筒状支持体(A)あるいは円筒状支持体(A)上にクッション層を形成した積層体上に固定されておらず、熱収縮によってのみ強く密着しているので、該樹脂製フィルム(B)およびその上に形成された感光性樹脂硬化物からなる層を切断することにより、円筒状支持体(A)あるいは円筒状支持体(A)上にクッション層を形成した積層体から簡単に取り外すことができる。そのため、該円筒状支持体(A)あるいは円筒状支持体(A)上にクッション層を形成した積層体を複数回、使用することが可能となり、これまで廃棄物として処理されていた高価な円筒状支持体をリサイクル活用することができる。該樹脂製フィルム(B)およびその上に形成された感光性樹脂硬化物からなる層を切断する方法は、刃物を用いて切断する方法、高圧水をビーム状にして照射する方法、レーザー光、特に赤外線レーザー光を照射する方法などを挙げることができる。刃物を用いて切断する場合、回転円盤式のダイヤモンドカッターを用いることが好ましく、円盤状ダイヤモンドカッターを円筒状印刷版に一定の間隔を保った状態で、動かすことにより一定の深さで切断することができるので、リサイクル可能な円筒状支持体(A)あるいは円筒状支持体(A)上に形成されたクッション層(B)へのダメージを少なく抑えることができる。また、微細なビームに絞った状態でビームを円筒状印刷版に沿って走査することにより切断でき、該樹脂製フィルム(B)の下に存在する円筒状支持体(A)あるいは円筒状支持体(A)上に積層されたクッション層へのダメージを極めて少なく抑えることができる観点から、赤外線レーザー等のレーザー光を照射して切断する方法がより好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
実施例及び比較例中、レーザー彫刻は炭酸ガスレーザー彫刻機(英国、ZED社製、商標「ZED−mini−1000」)を用いて行い、彫刻のパターンは、網点、500μm幅の凸線による線画、及び、500μm幅の白抜き線を含むパターンを作成して実施した。彫刻深さを大きく設定すると、微細な網点部パターンのトップ部分の面積が確保できず、形状も崩れて不鮮明となるため、彫刻深さは0.55mmとした。
レーザー彫刻後、エタノールもしくはアセトンを含浸させた不織布(旭化成株式会社製、商標「BEMCOT M−3」)を用いてレリーフ印刷版上のカスを拭き取った。
更に、彫刻した部位のうち、80lpi(Lines per inch)で面積率約10%の網点部の形状を電子顕微鏡にて観察した。
(多孔質体および無孔質体の細孔容積、平均細孔径及び比表面積)
多孔質体又は無孔質体2gを試料管に取り、前処理装置で150℃、1.3Pa以下の条件で12時間減圧乾燥した。乾燥した多孔質体又は無孔質体の細孔容積、平均細孔径及び比表面積は、米国、カンタクローム社製、オートソープ3MP(商標)を用い、液体窒素温度雰囲気下、窒素ガスを吸着させて測定した。具体的には、比表面積はBET式に基づいて算出した。細孔容積および平均細孔径は、窒素の脱着時の吸着等温線から円筒モデルを仮定し、BJH(Brrett-Joyner-Halenda)法という細孔分布解析法に基づいて算出した。
(多孔質体および無孔質体の灼熱減量)
測定用の多孔質体又は無孔質体の重量を記録する。次に測定用試料を高温電気炉(FG31型;日本国、ヤマト科学社製)に入れ、空気雰囲気、950℃の条件下で2時間処理した。処理後の重量変化を灼熱減量とした。
(数平均分子量の測定)
樹脂(d)および有機化合物(e)の数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ法(GPC法)を用いて、分子量既知のポリスチレンで換算して求めた。高速GPC装置(日本国、東ソー社製のHLC−8020)とポリスチレン充填カラム(商標:TSKgel GMHXL;日本国、東ソー社製)を用い、テトラヒドロフラン(THF)で展開して測定した。カラムの温度は40℃に設定した。GPC装置に注入する試料としては、樹脂濃度が1wt%のTHF溶液を調製し、注入量10μlとした。また、検出器としては、樹脂(d)に関しては紫外吸収検出器を使用し、モニター光として254nmの光を用いた。また、有機化合物(e)に関しては視差屈折計を用いて検出した。本発明の実施例あるいは比較例で用いている樹脂(d)は、GPC法で用いて求めた多分散度(Mw/Mn)が1.1より大きいものであったため、GPC法で求めた数平均分子量Mnを採用した。
(重合性不飽和基の数の測定)
合成した樹脂(d)の分子内に存在する重合性不飽和基の平均数は、未反応の低分子成分を、液体クロマトグラフ法を用いて除去した後、核磁気共鳴スペクトル法(NMR法)を用いて分子構造解析し求めた。
樹脂(d)として、下記製造例1〜3で、樹脂(ア)〜(ウ)を製造した。
(製造例1)
温度計、攪拌機、還流器を備えた1Lのセパラブルフラスコに旭化成株式会社製ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量1830、OH価61.3)500gとトリレンジイソシアナート52.40gを加え60℃に加温下に約3時間反応させた後、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート25.24gとポリプロピレングリコールモノメタクリレート(Mn400)31.75gを添加し、さらに2時間反応させて、末端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽和基が1分子あたり平均で約2個)である数平均分子量約20000の樹脂(ア)を製造した。この樹脂は20℃では水飴状であり、外力を加えると流動し、かつ外力を除いても元の形状を回復しなかった。
(製造例2)
温度計、攪拌機、還流器を備えた1Lのセパラブルフラスコに旭化成株式会社製ポリカーボネートジオールである、商標「PCDL L4672」(数平均分子量1990、OH価56.4)447.24gとトリレンジイソシアナート30.83gを加え80℃に加温下に約3時間反応させた後、2−メタクリロイルオキシイソシアネート14.83gを添加し、さらに約3時間反応させて、末端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽和基が1分子あたり平均約2個)である数平均分子量約10000の樹脂(イ)を製造した。この樹脂は20℃では水飴状であり、外力を加えると流動し、かつ外力を除いても元の形状を回復しなかった。
(製造例3)
温度計、攪拌機、還流器を備えた1Lのセパラブルフラスコに旭化成株式会社製ポリカーボネートジオールである、商標「PCDL L4672」(数平均分子量1990、OH価56.4)447.24gとトリレンジイソシアナート30.83gを加え80℃に加温下に約3時間反応させた後、2−メタクリロイルオキシイソシアネート7.42gを添加し、さらに約3時間反応させて、末端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽和基が1分子あたり平均約1個)である数平均分子量約10000の樹脂(ウ)を製造した。この樹脂は20℃では水飴状であり、外力を加えると流動し、かつ外力を除いても元の形状を回復しなかった。
(実施例1〜7)
(クッション層の形成)
繊維強化プラスチックス製である中空の円筒状支持体上に片面に接着剤層の存在するクッションテープ(米国、3M社製)を接着剤層の存在する面から貼り付け、クッション層付き支持体(α)を作製した。
スチレン−ブタジエンコポリマー(旭化成株式会社製、商標「タフプレンA」)60重量部、液状ポリブタジエン(日本石油化学株式会社製、商標「B−2000」)29重量部、1,9−ノナンジオールジアクリレート7重量部、2,2−ジメトキシ−フェニルアセトフェノン2重量部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール1重量部、熱膨張性カプセル(松本油脂製薬株式会社製、商標「マツモトマイクロスフェアーF−30VS」、最適発泡温度110〜120℃、乾燥重量)1重量部をニーダーにて混錬し、得られた混錬物10重量部に対して、トルエン60重量部を混合し、均一な溶液である感光性樹脂組成物(エ)を得た。
得られた感光性樹脂組成物(エ)を、円筒状支持体であるガラス繊維強化プラスチックスリーブ上に所定量の感光性樹脂組成物を載せ、前記スリーブを中心軸の周りに回転させながらブレードコート法を用いて均一に塗布し、その後溶剤であるトルエンを乾燥除去することにより、継ぎ目のない樹脂層を得ることができた。得られた樹脂層の厚さは、150μmであった。その後、前記樹脂層にケミカルランプの光を100mJ/cm(UVメーター(オーク製作所社製、商標「UV−M02」とフィルター(オーク製作所社製、商標「UV−35−APRフィルタ」)を用いて積算したエネルギー量)を照射し、半硬化状態の硬化物を得た(硬度が一定の値に到達するまでには、少なくとも500mJ/cmのエネルギーが必要である)。その後、半硬化樹脂層を有する円筒状積層体と加熱機構を有する金属性ロールとを接触するように配置し、両者を回転させながら金属性ロールの加熱を開始し、150℃まで加熱した。熱膨張性カプセルが膨張を開始したことを確認後、円筒状積層体と金属ロールとの間隔を除々に広げた。円筒状積層体と金属ロールの接触部から少し離れた位置に冷却用の金属ロールを配置し、円筒状積層体との間隔を550μmに設定した。この冷却ロールも円筒状積層体の回転速度と同じ速度で回転させた。この加熱処理により、熱膨張性マイクロカプセルを膨張させ、厚さ550μmのクッション層の付いた支持体(β)を得た。更に、メタルハライドランプの光を2000mJ/cm2(UVメーターとUV−35−APRフィルターを用いて積算したエネルギー量)照射し、後露光を実施した。
熱膨張により得られたクッション層は、失透しており熱膨張性マイクロカプセルが膨張していることを確認した。表面近傍の気泡径を、光学顕微鏡を用いて観察したところ、クッション層では、70%以上の気泡が30から60μmの範囲に入り、平均値は48μmであった。
作製された円筒状クッション積層体の径を10箇所測定したところ、精度は10μm以内に入っていた。
(熱収縮性フィルムの被覆)
上記のようにして得られた支持体(α)および(β)の表面に、フィルム厚60μmの熱収縮タイプポリエステルフィルム(東洋紡績社製、商標「S7553」、縦方向の収縮率:5%、横方向の収縮率:70%)をチューブ状に加工し、前記クッション層付き支持体(α)および(β)の表面に被覆した。その後、円筒状の支持体を回転させながら均一に加熱することにより、熱収縮タイプポリエステルフィルムを収縮させ、クッション層付き支持体(α)および(β)に密着させ、積層体(γ)および積層体(δ)を得た。このようにして得られた積層体において、このチューブは外せないことを確認した。
(円筒状フレキソ印刷原版の作製)
前記の製造例で得られた樹脂(ア)から(エ)を用い、表1に示すように重合性モノマー、無機多孔質体として富士シリシア化学株式会社製、多孔質性微粉末シリカである、商標「サイロスフェアC−1504」(以下略してC−1504、数平均粒子径4.5μm、比表面積520m/g、平均細孔径12nm、細孔容積1.5ml/g、灼熱減量2.5wt%、吸油量290ml/100g)、商標「サイシリア450」(以下略してCH−450、数平均粒子径8.0μm、比表面積300m/g、平均細孔径17nm、細孔容積1.25ml/g、灼熱減量5.0wt%、吸油量200ml/100g)、商標「サイリシア470」(以下略してC−470、数平均粒子径14.1μm、比表面積300m/g、平均細孔径17nm、細孔容積1.25ml/g、灼熱減量5.0wt%、吸油量180ml/100g)、光重合開始剤、その他添加剤を加えて感光性樹脂組成物を作成した。これらの感光性樹脂組成物を、得られた積層体(γ)および(δ)の上に、前記積層体を回転させながらドクターブレードを用いて塗布し、厚さ約1.3mmの継ぎ目のない感光性樹脂組成物層を形成し円筒状積層体を得た。更に、得られた円筒状積層体表面にメタルハライドランプ(アイ・グラフィックス社製、商標「M056−L21」)の紫外線を4000mJ/cm(UVメーターとUV−35−APRフィルターを用いて積算したエネルギー量)照射し、円筒状の印刷原版を作製した。その後、印刷原版の厚さを調整するため、超硬バイトを用いて切削し、研磨布を用いて研磨することにより、厚さ1.14mmの感光性樹脂硬化物層を形成した。 このようにして得られた円筒状印刷原版の表面に、炭酸ガスレーザー彫刻機を用いて凹凸パターンを形成した。
用いた多孔質性微紛末シリカの多孔度は、密度を2g/cmとして算出すると、サイロスフェアC−1504が780、サイリシア450が800、サイリシア470が1410である。
これらをZED社製の炭酸ガスレーザー彫刻機をもちいて、パターンの彫刻を行なった。その評価結果を表2に示す。
表2の彫刻後のカス拭き取り回数とは、彫刻後発生する粘稠性の液状カスを除去するのに必要な拭き取り処理の回数であり、この回数が多いと液状カスの量が多いことを意味する。
本発明の実施例で用いている二重結合含有有機化合物の内、脂環族および芳香族の誘導体は、BZMA、CHMAおよびPEMAである。
円筒状支持体およびその上に形成したクッション層が再利用できることを確認するため、実施例1から6で形成した感光性樹脂硬化物層および熱収縮タイプポリエチレンフィルムの切断を試みた。炭酸ガスレーザー彫刻機に円筒状印刷版を取り付け、炭酸ガスレーザービーム(ビーム径:約25μm)を円筒に沿って走査し、感光性樹脂硬化物層および熱収縮フィルムを切断した。切断部を開き、クッション層付きの円筒状支持体から簡単に取り外すことができた。クッション層表面には、レーザーが照射された部分に直線状の痕跡が見られたが、深さは10μm以下であり大きなダメージではなかった。取り出したクッション層付き円筒状支持体を用いて、再度実施例1の感光性樹脂組成物を塗布し、感光性樹脂組成物層を光硬化させ円筒状印刷原版を作製することができることを確認した。
(実施例8)
無機多孔質体であるサイロスフェアC−1504を含まない以外は、実施例1と同じ方法により円筒状印刷原版を得ることができた。
この印刷原版を炭酸ガスレーザーでレーザー彫刻したところ、液状の彫刻カスが多量に発生し、彫刻後のカス拭き取り回数は、30回を越えて必要であった。網点パターンの形状は、円錐状で良好であった。
(実施例9)
実施例1と片面接着層付きクッションテープの代わりに両面に接着層を有するクッションテープを用いて円筒状印刷版を作製した。円筒状印刷版を作製することはできたが、実施例1と同様にして炭酸ガスレーザーを用いて切断し、クッション層付き円筒状支持体を取り出す試みを行った。しかし、熱収縮タイプポリエチレンフィルムがクッション層に強固に接着していたため、クッション層を剥がしてしまい、クッション層を再利用することができなかった。
Figure 2005219378
Figure 2005219378
本発明は、レーザー彫刻によるフレキソ印刷版用レリーフ画像作成、エンボス加工等の表面加工用パターンの形成、タイル等の印刷用レリーフ画像形成、電子回路形成における導体、半導体、絶縁体のパターン印刷、光学部品の反射防止膜、カラーフィルター、(近)赤外線カットフィルター等の機能性材料のパターン形成、更には液晶ディスプレイあるいは有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等の表示素子の製造における配向膜、下地層、発光層、電子輸送層、封止材層の塗膜・パターン形成に適し、構成体中の高価な円筒状支持体を繰り返し使用することができる円筒状印刷原版およびその製造方法に好適である。

Claims (14)

  1. 円筒状支持体(A)の少なくとも側面がシュリンクされた樹脂製フィルム(B)で被覆されており、該樹脂製フィルム(B)の上に厚さ0.01mm以上50mm以下のレーザー彫刻可能な樹脂層が積層されてなることを特徴とする円筒状印刷原版。
  2. レーザー彫刻可能な樹脂層が、感光性樹脂硬化物層(C)であることを特徴とする請求項1に記載の円筒状印刷原版。
  3. 感光性樹脂硬化物層(C)が、数平均分子量1000以上20万以下の樹脂(d)、数平均分子量1000未満でその分子内に重合性不飽和基を有する有機化合物(e)を含有する感光性樹脂組成物を光硬化させた硬化物層であることを特徴とする請求項2に記載の円筒状印刷原版。
  4. レーザー彫刻可能な感光性樹脂硬化物層(C)が、継ぎ目のない層であることを特徴とする請求項2、3のいずれかに記載の円筒状印刷原版。
  5. 感光性樹脂硬化物層(C)が、20℃において液状の感光性樹脂組成物を光硬化させて形成された層であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の円筒状印刷原版。
  6. 感光性樹脂組成物が、さらに無機多孔質体(f)を含有することを特徴とする請求項3に記載の円筒状印刷原版。
  7. 樹脂製フィルム(B)と感光性樹脂層の間、あるいは円筒状支持体(A)と樹脂製フィルム(B)の間にクッション性を有する樹脂層(D)が存在することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の円筒状印刷原版。
  8. 円筒状支持体(A)上に樹脂製フィルム(B)を巻きつける工程、巻きつけた樹脂製フィルム(B)をシュリンクさせる工程、シュリンクさせた樹脂製フィルム(B)上に積層した感光性樹脂組成物層に光を照射し該感光性樹脂層を硬化させレーザー彫刻可能な感光性樹脂硬化物層(C)を形成する工程を含むことを特徴とする円筒状印刷原版の製造方法。
  9. 円筒状支持体(A)上に樹脂製フィルム(B)を巻きつける工程の前に、さらにクッション性を有する樹脂層(D)を円筒状支持体(A)上に形成する工程を含むことを特徴とする請求項8に記載の円筒状印刷原版の製造方法。
  10. レーザー彫刻可能な感光性樹脂硬化物層(C)を形成するための感光性樹脂組成物が、20℃において液状感光性樹脂組成物であることを特徴とする請求項8、9のいずれかに記載の円筒状印刷原版の製造方法。
  11. レーザー彫刻可能な感光性樹脂硬化物層(C)を形成する工程において、円筒状に被覆形成された感光性樹脂層に大気中で、波長200nm以上450nm以下の光を含む光線を照射することを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載の円筒状印刷原版の製造方法。
  12. 樹脂製フィルム(B)を巻きつける代わりに、円筒状のシュリンク可能な樹脂製フィルム(B)を被せる工程を含むことを特徴とする請求項8から11のいずれかに記載の円筒状印刷版の製造方法。
  13. 円筒状支持体(A)の少なくとも側面がシュリンクされた樹脂製フィルム(B)で被覆されており、該樹脂製フィルム(B)の上に凹凸パターンを有する樹脂層が積層されてなる円筒状印刷版の、樹脂製フィルム(B)および凹凸パターンを有する樹脂層を切断する工程を含む、円筒状支持体(A)の回収方法。
  14. 切断する工程が、赤外線レーザーを照射する工程を含むことを特徴とする請求項13に記載の円筒状支持体(A)の回収方法。
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